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カナダ ニューブランズウィック大学 留学体験談

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カナダ ニューブランズウィック大学 留学体験談
カナダ
ニューブランズウィック大学
留学体験談
理学部 佐藤翼
私は大学 3 年生の 9 月から4月末までの 8 か月間、
カナダ東部にある University of New
Brunswick(UNB)に交換留学生として勉強してきま
した。留学の目的として、昔から抱いていた海外の
文化及び英語への興味、そして日本とは大きく異な
る新しい環境で多くのことを経験してそこから学び
自分を成長させたい、そんな思いを抱いて留学を決
断しました。
まず勉学についてです。私が留学で最も力を入れ
た(入れざるを得なかった)のは大学の授業でした。交 UNB はカナダ最古の英語系大学でこの建物は 200 年以上も
換留学生なので現地の学生と同様の授業を履修し、 昔に建てられました
私は化学及び物理を中心として、その他に歴史や社
会学、留学生向けの英文学を勉強しました。始めはこれまで受けたことのない英語での授業に対する不
安でいっぱいでしたが、終わってみれば意外とどうにかなったというのが感想です。私は 1, 2 年生向け
の講義を中心に履修し、ディスカッションが少ない授業を選んだという理由もありますが、先生の話す
英語は学校で習ってきたようなフォーマルで分かり易い英語で、話についていくのは心配していたより
も大きな問題とはなりませんでした。それに対しカジュアルな英語の会話は聞き取るのが最初は本当に
大変でした…本当に。日常会話の英語を大体聞き取れるようになるまで 2, 3 か月かかりました。授業で
は毎回多くの課題が出され、空いている時間は図書館で勉強していることが多かったです。特に英語で
のエッセイは書くのに時間がとてもかかり、いつも締め切り直前に仕上げているような状況でした。エ
ッセイはいつも友達に添削してもらっていて、やはり日本と違い慣れない環境で言葉も不自由な中、い
かに周りの人に助けを求められるかが留学生活を乗り切るうえで鍵になってくると思います。また先生
はフレンドリーで生徒との距離が近い人が多く、私は授業の先生に英語に不安があるからと言ってエッ
セイを特別に見てもらったりしていました。特に私は歴史の授業の期末試験では特別に辞書の持ち込み
を許可してもらい、日頃からの先生とのコミュニケーションをとり信頼関係を築くことの重要さを深く
実感しました。あと授業での印象深かったエピソードとして、先生の誕生日の日に仮装した上級生が授
業に乱入しクラス全員でハッピーバースデーソングを歌ったり、また先生がしばしばジョークを言って
クラスが大爆笑に包まれたりなど、生徒と先生との壁の間が低い雰囲気がとても好きでした。
次に生活面ですが、私は大学の寮に住み食事は寮の食堂で毎回食べていました。寮生活は自分にとっ
て留学生活の思い出の中で最も印象深いものとなりました。私がいた寮は半数近くが留学生で、彼らと
一緒に生活し寮の様々なイベントを通して多くの友達がそこで出来ました。彼らと話すことでこれまで
知識でしか知らなかった国が身近な存在として実感を持てるようになり、カナダを含めこれまで遠くて
まったく関わりがなかった存在が自分にとって身近で親しみのある国や友人へと変わっていきました。
そして私たちの共通語は英語であり、英語を話せることによってこれまで関わりがなかった世界が自分
の世界となり、改めて英語の可能性の大きさを肌で実感しました。また、日本の大学では一人暮らしだ
ったのですが、寮では常に誰かが周りにいる状態で、これまで家族以外の人と生活を共にするという経
験がなく、誰かがいつもそばにいて絶えずコミュニケ
ーションをとっているという状況は非常に新鮮で、人
とのつながりを常に実感させられ寂しさを感じること
はほとんどありませんでした。カナダでは日本と比べ
他者との壁が薄く、気軽に他者とのコミュニケーショ
ンを楽しんでいるように見えました。店のレジの店員
さんに対しても必ずあいさつをするのがマナーで、そ
れがしばしばレジでの長蛇の行列の原因となるのです
が、日本よりも人間らしいというか店員と客の間での
機械的なやりとりではなくお互いに一人の人間とし
冬休みに旅行した零下 20~30 度下でのモントリオールにて
て接しているように見え、この他者との壁の薄さは
個人的にカナダのとても好きなところでした。また大学内や各学科、寮などでは様々なイベントが定期
的にあり(特に新学期の最初はお祭りのようでした)、積極的に様々な人と関わり関係を築いていこうとす
る雰囲気があり、カナダでの人とのつながりの強さに驚きました。そして多くの人々はとても親切で、
特に私は今回の留学が初の海外であり空港での乗り換えの時点から途方に暮れることが多く周りの人に
とにかく色々聞きまくったのですが、ほぼ全ての人がフレンドリーで親切に対応してくれて大きく助け
られ、カナダでの生活をとても心地よいものにしてくれました。
留学の経験を通して得られたもので、特に大きかったと思うものは三つあります。まずは語学力です。
授業や寮での日本人は自分一人のみであり必然的に英語を使わざるを得ないので、英語でのコミュニケ
ーション力は伸びたと思います。日本人に限らず留学しても周りに同じ国籍の人がいると楽なのでどう
しても一緒に固まってしまうのですが、UNB では日本人は幸か不幸か数えるほどしかいないので英語の
上達に関してはとてもいい環境だと思います。ただ、やはり最初から英語があまり話せないと日本人以
外の人と安定した関係を築くのは難しいので、正直英語を向こうで学ぶというより既にある程度英語で
コミュニケーションをとれる状態で行った方がはるかに望ましいと思います。ただ、授業もそうですが
英語力の不足は本人の努力や積極性である程度補えるので英語が苦手であっても、その本人次第ですが
十分乗り越えられるのであまり恐れる必要はないと思います。
次に海外で生活することによってその国はもちろん、自分の国に対する理解が深まったと思います。
日本での常識は必ずしも海外ではそうではなく、留学中はしばしば日本とカナダの違いについて考えさ
せられました。今まで日本にいた時には考えなかったようなことに思いをめぐらす機会が多くあり、こ
れまで考えてこなかったことがカナダの文化と対比することで浮かび上がり、自国の文化や価値観に対
して客観的な理解を持てるようなりました。例えば会話の雰囲気も日本とは微妙に異なっていて、ある
トピックに対してカナダでは自分の考えを述べて意見の交換をし、日本では他の人が言ったことに対し
てあまり反対せず共感の言葉を述べることが傾向として多いように感じられました。(カナダでは why
と because という言葉を使う頻度が日本よりかなり高かったです。) また個人的に感じた傾向としてカ
ナダでは物事の判断基準として合理性を重視しているのに対し、日本では周りとの関係を重視している
ように感じました。このように外国で暮らすことで様々な気づきや発見があり、以前よりも柔軟で客観
的な視点で物事を考えられるようになり自分の思考の幅が大きく広がったのではないかと思います。
また、留学の経験を通して行動力や自分に対する自信がより強くなったと感じます。初めの頃は全て
が新しい体験でほぼ分からない事だらけであり、と
にかく最初は周りの人にどうすればいいのか聞き
まくりました。新潟大学のように留学生にはチュー
ターがつかず、基本的に現地の学生と同じように扱
われたので、とにかく最初は周りについて行くこと
に必死だった覚えがあります。やはり危機感に駆り
立てられればおのずと行動的になり(あまりお勧め
する方法ではないですが)、少しは度胸がついたので
はないかなと思います。留学生活は日本での生活と
はかけ離れていて、新しい経験をどんどん積み立て
ることで以前よりも挑戦するということに対して
冬休みは友人の家に滞在しクリスマスを一緒に過しました
抵抗感が少なり、より積極的に新しいことにチャレ
ンジしていこうという姿勢が身に付いたと思います。そして英語が不自由な中でカナダでの生活を生き
抜いた(笑)ことは自分にとって誇れることであり、それが自分に対する自信へとつながっていきました。
また、カナダの人々は自信を持って堂々と自分を表現している人が多く、そのような環境で生活する中
で下手に自分を卑下せず、以前よりも自信を持って自分を表現できるようになったような気がします。
今回の留学を通してたくさんの人との出会いがあり、色々なことを考えさせられ、留学しなければ決
して出会えなかった新しい世界がひらけてきました。留学は時間的にも金銭的にも負担は決して少ない
ものではありませんが、興味がある方はぜひあまり悩み過ぎずに挑戦してもらいたいです。留学して初
めの頃、ガイダンスや授業で先生たちが新入生たちに繰り返し言っていた言葉で強く印象深く残ってい
るものがあります。"Don’t be shy, get out of your comfort zone.”誰だって新しいことに挑戦す
るのは面倒で気が引けるものです。だけど一歩踏み出すことで今まで知らなかった新しい世界が見えて
きます。大学生活は様々なことに挑戦できる素晴らしい時間であり、その時間を留学という新しい挑戦
に使うことはとても有意義な選択だと私は思います。
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