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平成21年度小泉信三記念講座 清水正孝氏講演資料

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平成21年度小泉信三記念講座 清水正孝氏講演資料
日本の電力・エネルギー・環境戦略
平成21年9月30日(水)
東京電力株式会社
清水 正孝
目次
Ⅰ.電気事業の概要
Ⅱ.エネルギー需給の現状
Ⅲ.原子力を中心とするベストミックスの追求
Ⅳ.地球温暖化問題と電気事業の取り組み
平成21年9月30日
無断複製・転載禁止
東京電力株式会社
1
①電気事業の歴史 - 1
Ⅰ Ⅱ Ⅲ
Ⅳ
日本の電気事業は、創業期(1880年代)から70年余りの間に事業体制
と市場構造の両面で多様な変遷を経験
戦時中の国家統制時期を除き、民間企業として発展
※ 1882年 エジソンがNYに発電所を建設し配電を行ったのが、電気事業の始まり…
明治中期
創成期
明治後期
過当競争
大正∼
昭和初期
戦時中
カルテル
結成
電気保安規制の
設置および強化
明治19年(1886)、東京電灯創立
各地に電灯会社が誕生
電力保安規制から
料金規制へ
日清・日露戦争を経て経済が急速に発展
全国に電気が普及し事業者数が急増
地域独占の容認と
サービス義務の強化
国家権力の 国家管理体制
介入強化
平成21年9月30日
無断複製・転載禁止
第一次大戦後は電力需要が停滞
大規模経営による事業能率向上を目指した合従
連衡が進み、東京電灯、東邦電灯、大同電力、日本
電力、宇治川電力の5大電力が支配的地位を確立
国家管理下で広域的・効率的運用を行い、低廉な
料金を実現すべく、日本発送電と9配電会社に
よる国家統制体制が発足
政府は低料金政策としてコスト割れ分を補給金で
補填。結果、電源開発が停滞し、慢性的な電力
不足の状態に
東京電力株式会社
2
①電気事業の歴史 - 2
Ⅰ Ⅱ Ⅲ
Ⅳ
第二次世界大戦下の国家管理体制を経て、現行体制の原型となる発送配
電一貫体制の9電力会社に編成
1964年 電気事業法により、電気の使用者の保護と電気事業の健全な発
達を図るための必要な規制が制定
平成に入り、バブル崩壊や円高の進展により日本経済が停滞する中、規
制改革が進展。卸発電の自由化、小売の部分自由化が導入
戦後
昭和後期
平成
民間企業による9社体制が発足(1951)
事業基盤の 保護助成措置と
諸規制
強化
※1988年に沖縄電力が民営化され、現行の10社体制へ
「電源開発促進法」が成立し、電源開発㈱が発足
(1952)
自主規制の 電気事業法による
尊重
最低限の規制
電気事業の 規制改革
再編
「電気事業法」制定(1964)、自主規制を尊重
した最低限の規制
「電気事業法」を改正(1995∼2003)
・卸発電事業の自由化(1995)
・小売の部分自由化(段階的に自由化範囲拡大)
00年3月∼ 2,000kW以上(販売電力量の約3
割)
平成21年9月30日
無断複製・転載禁止
東京電力株式会社
04年4月∼
05年4月∼
500kW以上(販売電力量の約4割)
50kW以上(販売電力量の約6割)
3
②電気の財としての特徴
Ⅰ Ⅱ Ⅲ
Ⅳ
<電気という財の特徴と電気事業の自然独占性>
電気という財の特徴
貯蔵できない
・瞬間瞬間の需要と供給を一致させる必要性
◆生活必需財であり、需要及び供給の弾力性が低い
・供給安定性やサービスの公平性(ユニバーサルサービス)が求められる
・(需要面)価格が高騰しても消費量の抑制が困難
・(供給面)電源開発に多大な時間を要する
◆品質に差がほとんどない(同質性)
・製品の差別化が困難で、過当競争に陥りやすい
◆装置型産業である
・ネットワーク産業であり、電力供給システムは巨大かつ複雑な設備を
要する
これらの特徴が、電力市場・産業組織の特殊性につながっている。
平成21年9月30日
無断複製・転載禁止
東京電力株式会社
4
②電気事業の燃料調達から小売まで
Ⅰ Ⅱ Ⅲ
Ⅳ
安定供給、エネルギーセキュリティの確保を第一に、安定性、環境性、
経済性を総合勘案し、燃料調達から小売まで一貫体制で電気を供給
【燃料調達から小売まで】
燃料調達
ガス田・
油田からの
海上輸送
発
電
送電・変電
配
電
小 売
アフターサービス
火力発電所
水力発電所
ウラン鉱山から
の採石・精鉱
原子力発電所
平成21年9月30日
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東京電力株式会社
5
②電力系統の日本と欧州の違い
日本の電力会社間の系統:串し形連系
・日本の場合は、各電力会社ごとに需要と供
給のバランスを図っている
Ⅰ Ⅱ Ⅲ
Ⅳ
欧州の電力会社間の系統:メッシュ連系
・欧州の場合は、連系系統全体で需要と供給
のバランスを図っている
→欧州に比べて需給バランス調整が難しい
デンマーク
北海道
オランダ
東北
北陸
ドイツ
ベルギー
東京
フランス
スイス
オーストリア
中部
中国
九州
関西
1点連系
スペイン
イタリア
四国
ポルトガル
当社総発電設備容量:6,398万kW
最大需要:6,089万kW
総発電設備容量:6.2億kW,最大需要:3.6億kW
当社+東北設備容量:8,078万kW
最大需要:7,563万kW
平成21年9月30日
2点連系
1点連系
(2009年2月現在)
(2008年度末)
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東京電力株式会社
出典:UCTE
6
②福澤諭吉先生『分権論』(1877年)に関して
Ⅰ Ⅱ Ⅲ
Ⅳ
今後の不祥を防ぐために・・・
「日本国の盛衰興敗の原因たる士族(注)の方向を一にして、
改進者流も守旧者流も同一様の道に進む
(注)ここで「士族」とは、町人百姓等でも一芸に志して
天下のことを心頭にかける者のことをいう
そのためには、まずその向かう所を改進の方に定めて標的を示し、
国家政府の部外者にその標的に向かうべき地位を与える →地方で人材活用
この区別をしないと「分権」ではない
国権
政権(ガバメント)
治権(アドミ二ストレーション)
(法律制定、軍事権、国税徴収、外交、貨幣 (「国内各地の便宜に従い事物の順序を保護して
鋳造など、全国を「平面の如く」する権力) その地方に居住する人民の幸福を謀ること」
=これらは決して全国一様ではない)
「政府自ら実地の事を行わんとするときは、
・・・警察、国土交通営繕、学校、衛生、地方税等
その弊害挙げて云うべからず」(弊害多い)
万物に作用する引力のようなもの
(引力が存在する下でも)
自由に運動するようなもの
出典:寺崎修編[2003]『福澤諭吉著作集第7巻』慶應義塾大学出版会を元に作成
平成21年9月30日
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東京電力株式会社
7
③電力自由化(規制改革)のポイント
Ⅰ Ⅱ Ⅲ
Ⅳ
電力自由化の目的は、「競争導入による電気料金の低下やサービス水
準の向上を通じ、お客さまの利益、ひいてはその総体としてのわが国
の利益増進を図ること」
電力自由化は、電気の商品特性(瞬時消費性、供給・需要の低弾力性な
ど)やわが国固有の事情(エネルギーセキュリティの確保、急峻な需要変動、設備
建設のリードタイムの長さなど)を踏まえ、「公益的課題」と「効率化」の
両立が大事
電力自由化
経営効率化
コストダウン
業務効率化
財務体質の改善
公益的課題
両立
ユニバーサル・サービス※
供給信頼度の維持
エネルギー・セキュリティ
環境保全
※すべてのお客さまに一律の料金体系でサービスが確保されることなど(特に離島への供給の問題)
平成21年9月30日
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東京電力株式会社
8
③電力小売自由化範囲の拡大
Ⅰ Ⅱ Ⅲ
Ⅳ
2000年3月の小売部分自由化開始以後、段階的に自由化範囲を拡大。
現在は全体の6割が自由化部門。
2000年3月
【契約kW】
(電圧V)
自由化部門
自由化部門
【特別高圧産業用】大規模工場
【特別高圧業務用】デパート、オフィスビル
【特別高圧産業用】大規模工場
【特別高圧業務用】デパート、オフィスビル
【高圧B】 中規模工場
【高圧業務用(500kW以上)】
スーパー、中小ビル
【特別高圧産業用】大規模工場
【特別高圧業務用】デパート、オフィスビル
【高圧B】 中規模工場
【高圧業務用】スーパー、中小ビル
【高圧A】 小規模工場
電力量
【高圧B】
中規模工場
電力量
9%
26%
【高圧業務用】
スーパー、
中小ビル
電力量
40%
電力量
19%
【高圧A】
小規模工場
電力量 9%
【高圧A】
小規模工場
電力量 9%
【50kW】
(6kV)
【高圧業務
用】
500kw未満
電力量 14%
電力量
63%
(契約口数
1%)
【低圧】小規模工場、コンビニ
電力量
(100∼
200V)
2005年4月
自由化部門
【2,000kW】
(20kV)
【500kW】
(6kV)
2004年4月
【低圧】小規模工場、コンビニ
5%
電力量
【電灯】一般家庭
電力量 31%
5%
【電灯】一般家庭
電力量 31%
【低圧】小規模工場、コンビニ
電力量
5%
【電灯】一般家庭
電力量 31%
※電力量はH13年度全国ベースの値
平成21年9月30日
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東京電力株式会社
9
③電力市場のプレーヤー
発
Ⅰ Ⅱ Ⅲ
ネットワーク(送配電)
電
電源開発(Jパ
ワー)
日本原子力発電㈱
発電・送配電 一貫体制により電力を供給
公営電気事業(水力)
共同火力発電事業者
一般電気事業者へ卸供給
各電力会社
<独立系発電事業者 (IPP)>
鉄鋼・石油会社等
一般電気事業者・PPSに
卸供給
一般電気事業者のネットワークを
介して顧客に小売り
<特定電気事業者>
六本木エネルギーサービス
ダイヤモンドパワー
JR東日本
エネット 他
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東京電力株式会社
他
供給義務
<特定規模電気事業者 (PPS)>
平成21年9月30日
小売り競争
東京電力
北海道 東北
北陸 中部
関西 中国
四国 九州 沖縄
お客さま
供給義務
<一般電気事業者>
<卸電気事業者>
Ⅳ
家庭用
家庭用
大
大 口
口
法
法 人
人
(自家発)
(自家発)
特定地域
特定地域
の需要家
の需要家
10
③電気料金の推移
Ⅰ Ⅱ Ⅲ
Ⅳ
電気料金水準は、電灯・電力ともに経年的に低下している。
(概ね電灯は家庭分野、電力は自由化分野に対応)
<電気料金の推移>
小売部門の部分自由化導入
2,000kW以上
500kW以上
50kW以上
発電部門の
自由化導入
26.00
24.00
円/kWh
22.00
20.00
18.00
16.00
14.00
12.00
H6
H7
H8
H9
H10
H11
電灯
H12
電力
H13
H14
H15
H16
H17
H18
H19
電灯・電力計
H6
H7
H8
H9
H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19
電灯
24.81 24.60 24.21 24.49 23.38 23.06 23.08 22.79 21.83 21.50 21.22 20.79 20.73 20.78
電力
17.15 16.96 16.52 16.77 15.91 15.47 15.44 15.46 14.39 14.07 13.75 13.51 13.62 13.66
電灯・電力計 19.38 19.23 18.78 19.03 18.16 17.78 17.76 17.72 16.72 16.39 16.11 15.83 15.84 15.90
※
※
電灯料金は、主に一般家庭部門における電気料金の平均単価で、電気料金は、自由化対象需要分を含み、主に工場、オフィス等に対する電気料金の平均単価
平均単価の算定方法は、電灯量収入、電力量収入をそれぞれ電灯、電力の販売電力量(kWh)で除したもの
出典:第7回競争環境整備小委員会 エネルギーWG資料等より作成
平成21年9月30日
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東京電力株式会社
11
③各種公共料金と電気料金の比較
Ⅰ Ⅱ Ⅲ
Ⅳ
電気料金は、その他の公共料金と比べ、相対的に大きな引下げを実施。
海外の電気料金と比較しても、至近では、価格差が縮小もしくは逆転。
<参考:電気料金の内外価格差>
<東京都区部の各種公共料金の推移>
郵便
190.8
200
水道
187.3
180
バス
177.6
160
鉄道(JR)
143.1
自由化開始前(1999年)の国際比較(日本を1とする)
1.20
1.00
0.80
0.60
0.40
0.20
0.00
家庭用
産業用
1.00 1.00
0.38
日本
0.55
0.27
米国
0.71
0.45
英国
0.40
ドイツ
0.57
0.31
フランス
140
消費者物価指数(総合)
132.5
120
都市ガス
101.8
100
電気
82.0
80
自由化開始後(2007年)の国際比較(日本を1とする)
1.60
1.40
1.20
1.00
0.80
0.60
0.40
0.20
0.00
1.00 1.00
2008
2007
2006
2005
2004
2003
2002
2001
2000
1995
1990
1985
1980
1.49
1.12
0.94
0.60 0.55
日本
60
1.24
米国
家庭用
産業用
0.90
0.48
英国
ドイツ
フランス
出典:第7回競争環境整備小委員会 エネルギーWG資料等より作成
出典:総務省統計局
平成21年9月30日
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東京電力株式会社
12
【参考】東京電力の概要- 2
Ⅰ Ⅱ Ⅲ
Ⅳ
関東地方と山梨県・静岡県の一部に電力を供給
販売電力量は全国の1/3を占める
沖縄 0.8%(75億kWh) 北海道 3.6%(318億kWh)
九州 9.7%(859億kWh)
東北 9.1%(811億kWh)
四国 3.2%
設立年月日
昭和26(1951)年
5月1日
(287億kWh)
資
6,764億円
中国 6.9%
(612億kWh)
79万3,488名
関西 16.4%
(1,459億kWh)
株
本
金
主 数
売上高
(電気事業営業収
益)
5兆2,959億円
総資産額
12兆9,901億円
従業員数
38,030人
販売電力量
契約口数
東京 32.5%
(2,890億kWh)
北陸 3.2%
(282億kWh)
中部 14.6%(1,297億kWh)
2,890億kWh
2,851万口
(2009年3月末 現在)
平成21年9月30日
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東京電力株式会社
13
【参考】東京電力の概要- 2
Ⅰ Ⅱ Ⅲ
Ⅳ
当社は、日本全体の約3分の1、イタリア一国とほぼ同程度の電力を安
全に滞りなくお客さまへお届けするため、10支店・45支社が地域に密
着して電力設備の保守・運転、およびお客さま対応を担務
【支店】
・地域供給責任主体として,1都8県に
10支店を配置
・支店規模(平均)
−契約口数:286万口(最大651万口)
−従業員数:2,593名(最大5,715名)
【支社】
・「お客さま対応」および「供給設備の建
設・維持・管理」を行う支店の第一線
組織(45支社)
・支社規模(平均)
−契約口数:64万口(最大111万口)
−従業員数:438名(最大757名)
(2009年3月末 現在)
平成21年9月30日
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東京電力株式会社
14
目次
Ⅰ.電気事業の概要
Ⅱ.エネルギー需給の現状
Ⅲ.原子力を中心とするベストミックスの追求
Ⅳ.地球温暖化問題と電気事業の取り組み
平成21年9月30日
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東京電力株式会社
15
①資源埋蔵量とエネルギー資源の分布
Ⅰ Ⅱ Ⅲ
Ⅳ
エネルギー資源は各地域に平等に賦存しておらず、有限。
石油は約6割が中東。天然ガスも中東・欧州(含む旧ソ連)に8割近くが集中。
北米
5.6%
中南米
3.3%
中南米
5.4%
アジア・
オセアニア
9.8%
アフリカ
10.0%
石油
1兆2,580億
バレル
可採年数42年
ヨーロッパ・
ユーラシア
11.3%
アジア・
オセアニア
26.8%
北米
14.0%
122年
中東
59.9%
60年
北米
4.8%
中東
2.1%
42年
中南米
4.0%
ウラン
547万トン
可採年数100年
(注
)
アフリカ
19.1%
ヨーロッパ・
ユーラシア
32.7%
100年
8,260
億トン
中南米中東
アフリカ 1.8% 0.2%
3.9%
185兆m3
1兆2,580億
アジア・
オセアニア
7.9%
アフリカ
8.3%
547万トン
バーレル
天然ガス
185兆m3
可採年数60年
中東
41.0%
ヨーロッパ・
ユーラシア
34.0%
2007年末
2007年末
2007年末
平成21年9月30日
2007年1月
(注)・プルサーマル:1∼2割資源節約
・高速増殖炉 :数百年間にわたり利用可
(原子力政策大綱(原子力委員会))
【出典】 BP統計2009
IEA「URANIUM2007」
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東京電力株式会社
アジア・
オセアニア
31.4%
北米
29.8%
石炭
8,260億トン
可採年数122年
ヨーロッパ・
ユーラシア
33.0%
16
①世界のエネルギー需要の見通し
Ⅰ Ⅱ Ⅲ
Ⅳ
2030年の世界のエネルギー需要は2007年の約1.4倍に(アジアは約1.9
倍に)。限りあるエネルギー資源は世界各国による争奪戦の状況。
⇒ エネルギー自給率の低い我が国では、安定供給確保が至上命題。
(石油換算億トン)
<世界の一次エネルギー需要の実績と予測>
170.1 37.2%
180
120.3 27.7%
アジア︵除く日
本︶
120
アジア︵除く日
本︶
150
中国
インド
アジア(日本、中国、インド除く)
発展途上国(アジア除く)
日本
アメリカ
その他
90
60
30
0
1980
1990
2007
【出典】
2015
2030
実績: IEA Energy Balances of OECD Countries 2009 edition
Energy Balances of non-OECD Countries 2009 edition
予測: IEA World Energy Outlook 2008
平成21年9月30日
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東京電力株式会社
17
①資源ナショナリズムの台頭
Ⅰ Ⅱ Ⅲ
Ⅳ
有限かつ偏在するエネルギー資源の確保は国家を左右する問題
20世紀以降の領土紛争は「エネルギー争奪戦」の側面
東シナ海春暁ガス田
日中中間線
(日本側主張)
沖縄トラフ
(中国側主張)
日中両国の排他的経済水域
内にあるガス田。権益の範
囲について、日本は国際的
に一般的な日中中間線を主
張、中国は大陸棚の先端沖
縄トラフまでを主張し対立。
南シナ海の群島。70年代後
半に海底油田の存在を確認。
排他的経済水域内の海底資
源や漁業権の獲得のため中
国、ベトナム、フィリピン、
マレーシア、ブルネイ、台
湾の6カ国が領有権を主張。
南沙諸島領有権問題
台湾
中国
(南沙諸島)
資源ナショナリズム
天然資源はそれを産出する国のものであるという認識に基づいた主張・行動で、1970年代に入って発展途上国で高
まった。具体的には、OPECにみられるような価格の引き上げ、採掘規制、外国企業の国有化といった動きがみられた。
平成21年9月30日
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東京電力株式会社
18
①エネルギー問題を考えるポイント:3Eの同時達成
Ⅰ Ⅱ Ⅲ
Ⅳ
エネルギー資源の確保と利用にあたっては、経済性、エネルギーセ
キュリティー、環境保全の3要素を調和させつつ同時達成していくこ
とが求められる。
エネルギー需給の不安定化
→経済成長阻害
経済成長停滞
→環境保全投資の低迷
環境保全
エネルギー
セキュリティー
Environmental
Protection
Energy
Security
エネルギー消費の増大
→CO2排出による地球温暖化
平成21年9月30日
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・非化石エネルギー供給の促進
・エネルギー有効利用
経済性
Economy
経済性
3Eの調和
環境保全
エネルギー
セキュリティー
【出典】総合エネルギー調査会基本政策小委員会中間報告(H8.12)
東京電力株式会社
19
①エネルギー政策基本法
Ⅰ Ⅱ Ⅲ
Ⅳ
エネルギー政策の大綱を示すことを目的とし、2002年6月成立。
2003年10月エネルギー基本計画策定(2007年3月改定)
⇒現在のエネルギー政策の基礎
【エネルギー政策の基本方針】
法2条∼4条
① 安定供給の確保: 供給源の多様化、自給率の向上、エネルギー
分野における安全保障
② 環境への適合
: 地球温暖化の防止、地球環境の保全、循環
型社会の形成
③ 市場原理の活用 : 上記2点の政策目標を十分考慮しつつ、
規制緩和等の施策を推進
平成21年9月30日
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東京電力株式会社
20
②日本のエネルギー需要の推移
Ⅰ Ⅱ Ⅲ
Ⅳ
日本のエネルギー供給は過去47年で約6.0倍に増加
高度経済成長期(60年代∼第1次石油危機)年率11.3%で増加
80年代∼90年代前半まで年率約2.5%で増加
90年代後半以降は鈍化傾向(年率約0.5%)
日本における部門別最終エネルギー消費量
(石油換算億トン)
4
3.5
石油換算トン
=107kcal
エネルギーの量につい
て、石油何トン分の熱
量に相当するかにより
示したもの
国際エネルギー機関
(IEA)が
この単位を使用
第2次石油危機
3
第1次石油危機
2.5
0.42
民生部門
2
1.5
1 0.03
0.12
0.5 0.09
0 0.34
【出典】IEA Energy Balances of ー
OECD Countries 2009 edition
非エネルギー利用
0.37
0.82
0.41
運輸部門
0.51
1.18
1.05
産業部門
0.99
1960 1965 1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005
(年)
※ 非エネルギー利用:産業、民生、運輸の各部門において原料として利用されるもの(例:ナフサ、機械用潤滑
油)
平成21年9月30日
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東京電力株式会社
21
②世界のエネルギー需要における日本のシェア(2007年) Ⅰ
Ⅱ Ⅲ
Ⅳ
日本のエネルギー需要は世界第4位(約5%)∼GDPは2位(8%)
米国は世界の21%、中国は16%を占める
アメリカ
21%
(参考)GDPシェア(2007年)
アメリカ
25%
その他
52%
中国
16%
その他
55%
(4兆3854億ドル)
日本
8%
ロシア
6%
世界合計:110.90石油換算億トン
(注)非OECDはバイオマスを含まない
日本(5.14石油換算億トン)
5%
【出典】IEA Energy Balances of OECD Countries 2009 edition
Energy Balances of non-OECD Countries 2009 edition
平成21年9月30日
中国
6%
無断複製・転載禁止
東京電力株式会社
ドイツ
6%
世界合計:54兆6360億ドル
【出典】総務省統計局「世界の統計2009」国民経済計算
22
②世界のエネルギー別需要における日本のシェア(2007年) Ⅰ
Ⅱ Ⅲ
Ⅳ
日本の石油の需要は世界第3位(6%)
石炭の需要は第4位(4%)、天然ガスも第4位(3%)
石油
石炭
アメリカ
中国
日本
ロシア
インド
その他
22%
57%
世界合計
40.90
石油換算億トン
28%
9%
3% 6%
3%
天然ガス
3%
4%
世界合計
40%
31.86
石油換算億トン
中国
アメリカ
インド
日本
ロシア
その他
21%
世界合計
25.20
49%
石油換算億トン
アメリカ
ロシア
イギリス
日本
ドイツ
カナダ
イタリア
その他
15%
3%
3%
3%3% 3%
8%
17%
【出典】IEA Energy Balances of OECD Countries 2009 edition
Energy Balances of non-OECD Countries 2009 edition
平成21年9月30日
無断複製・転載禁止
東京電力株式会社
23
②日本のエネルギー輸入金額
Ⅰ Ⅱ Ⅲ
Ⅳ
日本のエネルギー(鉱物性燃料)輸入金額は年間24.5兆円(2008年度、
総輸入金額の約3。5割)、このうち石油が約7割を占める。
一人当たりに換算すると約19.2万円。
⇒ 食料品同様、日本はエネルギー輸入を賄うために経済力の維持が必要。
エネルギーの輸入金額
我が国の輸入金額
石炭
3.3兆円
13%
エネルギー
その他
(61%)
総輸入金額
71.9兆円
(2008年度)
24.5兆円
(34%)
ガス
4.5兆円
(18% )
総輸入金額
24.5兆円
石油
(2008年度) 16.7兆円
(68% )
◎
食料品
5.4兆円
(5%)
【出典】財務省
平成21年9月30日
○一人当たりの輸入金額
貿易統計
無断複製・転載禁止
東京電力株式会社
エネルギー合計
・石油
・ガス
・石炭
【出典】財務省
19.2万円
13.1万円
3.5万円
2.5万円
貿易統計
24
②日本のエネルギー自給率
Ⅰ Ⅱ Ⅲ
Ⅳ
日本のエネルギー依存度は主要国の中では極めて高い(約83%)
原子力発電を除くと、自給率はわずか4%(依存度96%)
<日本のエネルギー自給率>
(%)
160
153
9
原子力
原子力を含まない
140
120
109
100
1
80
20
0
8
108
41
15
11
0
17
15
13
4
30
イタリア
日本
ドイツ
43
67
144
1
51
60
40
84
71
70
76
アメリカ
イギリス
(※)100%以上はエネルギー
の純輸出国である
1
66
8
フランス
カナダ
中国
インド
【出典】IEA Energy Balances of OECD Countries 2009 edition
Energy Balances of non-OECD Countries 2009 edition
平成21年9月30日
無断複製・転載禁止
東京電力株式会社
25
③二度にわたる石油危機
Ⅰ Ⅱ Ⅲ
Ⅳ
原油価格は、OPECの禁輸措置に伴い、1973年の第四次中東戦争の影
響により、1973年の3.3$/bから1974年の11.6$/bと約4倍へ急上昇。
原油高が他の製品価格にも連鎖し「狂乱物価」へ
また、1980年に始まったイラン・イラク戦争により、原油価格は
35.7$/bへと再び急騰。
製品別消費者物価増加率(前月比)
<原油価格の推移>
原油価格の推移
%
<製品別消費者物価増加率(前月比)>
70
$/バレル
40
35.7
石油製品の価格上昇が
他の製品へも連鎖
60
35
50
30
40
25
30
20
20
15
11.6
10
13.6
10
0
5
-10
3.3
0
1972
1974
1976
1978
1980
-20
(年)
73
1982
総合
名目価格(アラビアンライト)
無断複製・転載禁止
75
生鮮商品
76
77
78
石油製品
79
80
81
(年)
電気・都市ガス・水道
【出典】総務省 統計局
【出典】BP統計2005
平成21年9月30日
74
東京電力株式会社
26
③エネルギー供給構造の変化(一次エネルギー)
Ⅰ Ⅱ Ⅲ
Ⅳ
戦後しばらくは石炭主流、高度経済成長期に石油主流
オイルショック以降、石油代替が進み、原子力、天然ガスが増加
⇒ 石油依存度は約5割まで低下
<日本における資源別一次エネルギーの供給(比率)>
100%
1%
6%
新エネ等
2%
水力
18%
80%
2%
原子力
2%
13%
1%
石炭・石炭製品
22%
59%
60%
天然ガス
16%
40%
20%
78%
1%
石油
45%
34%
0%
1960
1965
1970
平成21年9月30日
1975
1980
無断複製・転載禁止
1985
東京電力株式会社
1990
1995
2000
(年)
2005
【出典】IEA Energy Balances of OECD Countries 2009edition
27
③主要国の一次エネルギー構成
Ⅰ Ⅱ Ⅲ
Ⅳ
石油ショックの反省から、世界的に脱石油が進展
・アメリカは石炭、イギリスはガス、資源小国であるフランスは原子力が拡大
・日本は多様化(原子力、ガス、石炭)を図り、石油の比率は約50%まで低下
<主要国の一次エネルギー構成>
石炭
100% 0.8
1.9
天然ガス
3.5
14.9
水力・地熱・太陽・風力等
3.3
29.7
21.8
2.4
9.0
2.1
7.6
4.7
7.5
43.8
36.9
49.9
77.7
45.1
40%
0.2
11.5
9.2
15.3
80%
原子力
5.1
3.7
1.3
1.6
60%
石油
47.3
66.5
40.0
14.8
33.0
20%
18.1
21.2
18.0
31.8
35.0
23.9
18.7
0%
16.2
4.9
(年)
1973 2007
日
本
1973 2007
1973 2007
1973 2007
アメリカ
イギリス
フランス
【出典】IEA Energy Balances of OECD Countries 2009edition
平成21年9月30日
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東京電力株式会社
28
③主要国のエネルギー別発電電力量の構成
Ⅰ Ⅱ Ⅲ
Ⅳ
海外先進諸国の電力分野における石油代替エネルギーの拡大は顕著
日本の電力分野の石油の比率は約14%程度に低下、日本全体の脱石油
効果の約6割に電力は貢献
<エネルギー別発電電力量の構成>
石炭
100%
80%
14.4
2.1
9.1
2.3
23.5
60%
40%
25.8
天然ガス
13.6
4.5
原子力
水力・地熱・太陽・風力等
1.4
10.0
8.7
1.0
21.2
77.9
1.2
62.1
49.0
本
40.2
35.3
19.7
8.0
日
8.1
5.5
1.8
27.7
1973 2007
26.6
41.9
13.9
46.2
12.1
25.6
18.6
17.1
5.5
16.1
19.4
73.2
20%
0%
石油
3.9
1.1
5.0
(年)
1973 2007
1973 2007
1973 2007
アメリカ
イギリス
フランス
※「水力・地熱・太陽・風力等」には再生可能でない廃棄物からの発電を含む
【出典】IEA Energy Balances of OECD Countries 2009edition
平成21年9月30日
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東京電力株式会社
29
③オイルショックを機に進んだ産業構造転換
Ⅰ Ⅱ Ⅲ
Ⅳ
産業構造の転換が進み、エネルギー多消費型産業のウェイトは大きく低下、
電気機械等を中心とする金属機械が主役、その後の日本の経済成長を牽引。
製造業業種別生産シェアの推移
100%
90%
15%
80%
8%
11%
13%
その他
3%
6%
石油・石炭製品
金属機械
70%
60%
50%
40%
2%
3%
5%
8%
32
14%
1970
平成21年9月30日
56%
紙・パルプ
3%
3%
4%
7%
30
13%
10%
8%
20
1%
2%
2%
2%
6%
1980
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食品煙草
非鉄金属
%
12%
繊維
多消費型
12%
%
0%
4%
%
10%
5%
多消費型
20%
多消費型
30%
35%
29%
2007
窯業土石
化学
鉄鋼
エネルギー多消費型産業
(年度)
【出典】 (財)日本エネルギー経済研究所「‘09エネルギー・経済統計要
覧」
東京電力株式会社
30
③生産指数あたりのエネルギー消費量
Ⅰ Ⅱ Ⅲ
Ⅳ
鉱工業生産指数(IIP)あたりのエネルギー消費量は、年々減少してき
ており、各産業において省エネルギーが進展
<生産単位当たりのエネルギー消費量の推移>
(1973年度を100とした場合)
120
鉄 鋼
化 学
窯業土石
紙・パルプ
製造業
110
100
90
81.0
80
70
66.8
60
55.4
52.4
51.6
50
2006
2004
2002
2000
1998
1996
1994
1992
1990
1988
1986
1984
1982
1980
1978
1976
1974
1972
1970
40
【出所】(財)日本エネルギー経済研究所「‘09エネルギー・経済統計要覧」
平成21年9月30日
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東京電力株式会社
31
③GDPあたりのエネルギー消費量(国際比較)
Ⅰ Ⅱ Ⅲ
Ⅳ
日本のエネルギー利用効率は、アメリカの2倍、中国の約7.6倍(2007
年)
【各国のGDP単位あたり一次エネルギー消費量(2007年)の比較】
20.0
17.3
15.0
10.0
7.6
ロシア
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中国
平成21年9月30日
インドネシア
一次エネルギー消費量(石油換算トン)/GDP(千米ドル)を
日本を1として計算
5.6
インド
3.1
5.5
中東
3.1
5.4
タイ
E
U
2
7
アメリカ
※
日本
0.0
2.0
韓国
1.0
1.8
カナダ
5.0
5.0
【出典】 (財)日本エネルギー経済研究所「‘09エネルギー・経済統計要
覧」
東京電力株式会社
32
④燃料価格の乱高下
Ⅰ Ⅱ Ⅲ
Ⅳ
2005年以降、原油価格は軒並み急騰。2008年に入って100ドルを突破、7月に
は最高値145ドルまで上昇。世界的な景気減速、米国発の金融危機を契機に価
格は急落。12月には40ドル割れ。
<原油価格の推移>
ドル/バレル
160
ドル安などによ
る投資・投機資
金の流入
140
120
100
80
米国製油所の事故、 サウ
ジ国王の死去、ハリ ケー
ン・カトリーナの来 襲
イランの核開 発再開懸念
やナイジェリ アの反政府
勢力による油田攻撃
WTI
7/3
145.29
中東やアフリカの
政情不安、投機資金
の流入
米国GDPマ イナス
幅の縮小などから景
気回復へ期待感
WTI
イラ ン核開発問題、米
国の ガソリン需要が堅
調に 推移
9/4
68.02
WTI
60
40
CIF価格
20
米国暖冬予測により
ヒーティングオイ ル需
要減少の見込 み
ドバイ
・投機資金規制の
動きに反応
・金融危機による
マネー退出
・景気減速による
需要減退懸念
・ OPECの減産
・ 新興国の底堅い需要
・ 投資資金の回帰
0
1 2 3 4 5 6 7 8 9101112 1 2 3 4 5 6 7 8 9101112 1 2 3 4 5 6 7 8 9101112 1 2 3 4 5 6 7 8 9101112 1 2 3 4 5 6 7 8 9 月
08年
09年
06年
2005年
07 年
WTI:West Texas Intermediateの略、米国中西部産の軽質油でNYMEX先物取引の代表銘柄。
ドバイ:UAE産の重質油で中東原油価格の指標油種。
CIF:Cost Insurance and Freightの略、貨物のコストおよび船積みから仕向け地までの運賃、保険料を含めた価格。
【出典】WTI:NYMEX、ドバイ:プラッツ、CIF:財務省 貿易統計
平成21年9月30日
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東京電力株式会社
33
④原油価格高騰の要因
Ⅰ Ⅱ Ⅲ
Ⅳ
中国等アジアを中心とした世界的な石油需要増
供給力低下 ∼ 資源開発投資の減少、精製設備の老朽化、人材不足など
地政学的リスク ∼ 政情不安、テロ懸念など(イラン、イラク、ナイジェリアなど)
原油先物市場への大量のマネー流入(マネー要因)
・サブプライム問題の余波
・世界的な過剰流動性
・年金マネーなどの長期資金流入
・ヘッジファンドなどの短期的利ざやを狙った投機資金
世界の運用資産
サブプライム問題
(参考)
WTI原油
オイルマネー
年金資産
新興国マネー
低金利
生産量約40万b/d弱に対して
NYMEXでの取引量は2∼3億b/d。
実需の約700倍の取引が行われている。
etc.
長期
ソブリン・ウエルス・ファンド
ドバイ原油
SWF
短期証券市場等
からの振り替え
短期
ヘッジファンド等
機関投資家
生産量は15万b/dを下回る。
取引量は実需ベース。
戦略投資
UAEのコスモ株買収
等
(出所:電力エネルギー時事用語辞典2007 電気新聞)
商品インデックス投資
商品インデックス投資
【原油もこの一部を占める】
(原油もこの一部を占め
る)
金融市場
油価上昇
WTI市場
原
実物市場
油 需
給
【出典】経済産業省資料
平成21年9月30日
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34
④企業・消費者への影響
Ⅰ Ⅱ Ⅲ
Ⅳ
エネルギー価格の高騰は国内企業の収支を圧迫、業績が悪化
金融危機に端を発する世界経済の減速によってさらに減速傾向
消費者物価も上昇、国民生活にも多大な影響
エネルギー関連や食料品を中心に価格が上昇
(%
)
企業の経常利益の推移(前年同期比)
20.0%
(%
)
3.0
0.0%
2.0
-20.0%
1.0
-40.0%
07年後半
0.0
以降減速
-1.0
-60.0%
消費者物価指数(前年同期比)
07年後半
から急上昇
-2.0
2007
2008
4-6
1-3
10-12
7-9
4-6
1-3
10-12
7-9
4-6
1-3
-80.0%
2009
-3.0
06/1 06/7 07/1 07/7 08/1 08/7 09/1 09/7
【出典】財務省「法人企業統計」 、総務省統計局「消費者物価指数」
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東京電力株式会社
35
目次
Ⅰ.電気事業の概要
Ⅱ.エネルギー需給の現状
Ⅲ.原子力を中心とするベストミックスの追求
Ⅳ.地球温暖化問題と電気事業の取り組み
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東京電力株式会社
36
①原子力の優れた「供給安定性」
Ⅰ Ⅱ Ⅲ
Ⅳ
燃料のエネルギー密度が高く、備蓄が容易
燃料を一度装填すると、一年以上は交換する必要がない
ウラン資源は政情の安定した国々に分散
使用済燃料を再処理することで資源燃料として再利用可能
→
○火力発電と比べ少量の燃料で発電が可能
○国際情勢の変化による影響が少ない
○供給安定性に優れ、資源依存度が低い「準国産エネルギー」との位置づけ
100万キロワットの発電所を1年
間運転するために必要な燃料
(注)
○ 設備利用率はすべて80%とした
○ 熱効率(発電端)は以下を使用
石油火力
41.8%
LNG火力
50.0%
石炭火力
43.0%
原子力
34.5%
○発熱量は以下を使用
石油
約38.2 MJ/l
LNG
約54.5 MJ/kg
石炭
約26.6 MJ/kg
原子力
約45,000 MWd/t
出典:資源エネルギー庁
平成21年9月30日
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原子力ハンドブック
37
①原子力の優れた「環境性」
Ⅰ Ⅱ Ⅲ
Ⅳ
原子力は、発電時にCO2を排出しない環境性に優れたエネルギー源。
<発電種別ごとのライフサイクルCO2排出量>
石炭火力
0.887
石油火力
0.704
LNG火力
0.478
0.130
0.407
0.111 0.519
LNGコンバインド
0.038
0.975
0.742
0.608
0.053
太陽光
力
0.029
設備建設・燃料運搬
原子力
0.022
発電燃料燃焼
地
熱
0.015
水
力
0.011
風
0
(注)
0.088
0.2
0.4
0.6
kg-CO2/k Wh (送電端)
0.8
1
1.2
発電燃料の燃焼に加え、原料の採掘から諸設備の建設・燃料輸送・精製・運用・保守などのために消費される全
てのエネルギーを対象としてCO2排出を算定。原子力発電は、現在計画中の原子燃料のリサイクル(使用済燃料
国内再処理・プルサーマル利用(1回リサイクルを前提)・高レベル放射性廃棄物処分などを含む)を想定。
出典:電力中央研究所報告より
平成21年9月30日
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38
①原子力の優れた「経済性」
Ⅰ Ⅱ Ⅲ
Ⅳ
原子力発電は、火力や水力などの電源と比較しても遜色のない経済性
発電原価に占める燃料費の割合が他電源に比べ圧倒的に低い
(40年運転ベースで約1.5円/kWh)
燃料価格変動の影響を受けにくい
→ 原油価格高騰によって、原子力発電の経済性が相対的に向上
<各電源の発電コスト比較>
(運転年数を40年とした場合)
単価(円/kWh)
14.0
12.0
11.9
燃料費
10.7
10.0
8.0
6.2
6.0
4.0
5.7
7 .2
4.3
2.0
2.5
0.0
水力
石油
LNG
石炭
5.3
(注)燃料費の試算前提(H14年度実績)
石油:27.41ドル/バレル
1.5
LNG:28,090円/㌧
原子力
石炭:35.5ドル/㌧
出典:電気事業分科会コスト等検討小委員会報告(平成16年1月)
平成21年9月30日
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39
②日本の原子力の運転・建設状況
Ⅰ Ⅱ Ⅲ
Ⅳ
(商業用・平成21年1月末現
在)
東京電力の
原子力発電所
平成21年9月30日
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東京電力株式会社
40
②世界の原子力の運転・建設状況
Ⅰ Ⅱ Ⅲ
Ⅳ
2006年末現在、429基、38,704.8万kWの原子炉が運転中(日本は世界第3位)
<主要国の原子力発電設備>
(2006年12月末現在、単位:万kW)
4958
日本
カナダ
1751
2319.4
ロシア
韓国
160 ・・・(59基,1基)
6602
フランス
ドイツ
・・・(103基,0基)
10475.6
アメリカ
817
2137.1
・・・(27基,9基)
・・・(17基,0基)
・・・(20基,8基)
1771.6
960
1342.5
・・・(55基,14基※)
・・・(18基,0基)
運転中
建設・計画中 ・・・炉型・出力が決まって
いないものは除外
・・・(19基,0基)
イギリス 1195.2
・・・(9基,10基)
中国 699.8
インド
※日本の建設・計画中の設備には、高速増殖炉「もんじゅ」を含
む
930
392
・・・(15基,8基)
全世界
38704.8
8157.8
・・・(429基,82基)
331
出典:日本原子力産業協会「世界の原子力発電開発の動向 2006年次報告」
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41
③柏崎刈羽原子力発電所の状況- 1
Ⅰ Ⅱ Ⅲ
Ⅳ
地震発生により、起動中であった2号機、運転中であった3,4,7号機が自
動停止。定期検査中だった3基を含め、全号機が安全に停止。
地震直後から現在まで、モニタリングポスト等のデータに変動はなく、
放射線による周辺環境への影響は生じていない。
→ 原子力安全にとって重要な「止める」「冷やす」「閉じ込める」
機能は保たれた。
【原子炉の安全停止】
地震による強い揺れを検知し
核分裂反応を起こす中性子を
吸収する制御棒を自動挿入し、
原子炉を安全に停止
運転停止後も、ポンプで水を
循環させることで原子炉内の
温度を下げ、約30℃∼40℃ま
で冷却
原子炉圧力容器や原子炉格納
容器等によって、放射性物質
が原子力発電所外部に出ない
よう閉じ込め
平成21年9月30日
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東京電力株式会社
42
③柏崎刈羽原子力発電所の状況- 2
Ⅰ Ⅱ Ⅲ
Ⅳ
2007年7月16日の新潟県中越沖地震により、当社柏崎刈羽原子力発電
所が被災
⇒全号機が停止
これにより、様々な面で深刻な課題が発生
供給面:当社発電出力の約1割、発電電力量の約2割が停止
収支面:火力燃料費の増加等 1兆1,010億円、復旧費用等 2,590億円
(2007年度実績+2008年度実績+2009年度第一四半期実績)
環境面:火力発電代替によりCO2が3,000万t増加(当社 排出量3割増)
〔柏崎刈羽原子力発電所の位置づけ〕
《発電電力量構成比》
《設備構成比》
火力 56%
火力 56%
水力 20%
13%
11%
水力
6%
18%
20%
その他原子力
柏崎刈羽
その他原子力
821.2万kW
平成21年9月30日
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約500億kWh
東京電力株式会社
※2006年度実績
43
目次
Ⅰ.電気事業の概要
Ⅱ.エネルギー需給の現状
Ⅲ.原子力を中心とするベストミックスの追求
Ⅳ.地球温暖化問題と電気事業の取り組み
平成21年9月30日
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東京電力株式会社
44
①日本のCO2排出量の部門別内訳
Ⅰ Ⅱ Ⅲ
Ⅳ
電気事業のCO2排出量は、日本全体の約3割
最終部門別CO2排出量の約4割が産業部門。運輸部門、業務部門はともに約2割。
家庭部門は15%弱
■日本のCO2排出量(2007年度):13億400万トン
<最終部門別の排出量の割合>
<各部門の直接の排出量の割合>
※電気事業者の発電に伴う排出量等を
電力消費量等に応じて最終需要部門に配分した後の割合
工業プロセス
4%
廃棄物1%
廃棄物2%
工業プロセス
4%
家庭部門
5%
業務
その他部門
7%
運輸部門
(自動車・船舶等)
19%
エネルギー
転換部門
6%
家庭部門
14%
電気事業
32%
業務その他部門
18%
産業部門
36%
エネルギー転換部門
産業部門(工場等)
30%
(電気事業を除く)
運輸部門
19%
2%
【出典】温室効果ガスインベントリオフィス等より作成
平成21年9月30日
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【出典】環境省ホームページ(2007年度温室効果ガス排出量確報値)
東京電力株式会社
45
①CO2排出量の部門別推移
Ⅰ Ⅱ Ⅲ
Ⅳ
産業部門の排出量は、経団連の自主的取り組み等により、横ばい・減少傾向
運輸部門の排出量は、90年代は急激な伸びの後、最近は横ばい・減少傾向
家庭・業務部門の排出量は急増。これらの部門での実効性のある対策が急務
<日本の部門別CO2排出量の伸び率の推移>
50%
+
43.0%
民生(家庭・業務)部門
40%
(416百万t-CO2)
30%
運輸部門
20%
+
14.6%
10%
(249百万t-CO2)
産業部門
0%
-10%
1990
−2.3%
(471百万t-CO2)
1992
1994
1996
1998
2000
2002
2004
2006
2008
※ 環境省 報道資料(2009年4月30日) 「2007年度(平成19年度)の温室効果ガス排出量(確定値)について」より作成
平成21年9月30日
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46
②京都議定書の課題とポスト京都の議論
Ⅰ Ⅱ Ⅲ
Ⅳ
京都議定書の課題
世界の排出量の1/4を占める米国は京都議定書を離脱、また途上国(中国等の大量排
出国も含む)は削減義務がなく、カバー率は世界の排出量の約3割
2013年以後の枠組み(ポスト京都)交渉では、米国はもとより、主要途上国
も参加できる枠組みの構築が重要
今年12月のCOP15(コペンハーゲン)での枠組み合意に向けて国際交渉が継続され
ている
<京都議定書のCO2排出量カバー率>
<CO2排出量見通し(炭素換算)>
炭素換算百万トン
14000
117億トン
その他
17. 2%
米国
21. 4%
アフリカ
3. 1%
12000
42億トン増
17%
10000
75億トン
中東
4. 6%
中南米
4. 9%
C O2排 出量
2005年
約271億ト ン
その他
8000
15%
中国
18. 8%
東欧他
4. 3%
20%
欧州
20%
6000
25%
北米
4000
24%
オセアニア
カナダ
1. 5%
2. 0%
EU1 5
12. 0%
ロシア
日本
5. 7%
4. 5%
2000
36%
0
1971
削減義務を負う国(議定書を批准した先進
国)の排出量は世界全体の排出量の約3割
43%
アジア
1980
1990
2005 2010
2020
2030
(※)炭素換算トン(t-C):炭素質量に着目した数値、t-CO2:44に対して t-C:12
【出典】
CO2 EMISSIONS FROM FUEL COMBUSTION 1971-2005
International Energy Outlook 2006
30.0%
アジア/世界エネルギーアウトルック2007(日本エネルギー経済研究所)
平成21年9月30日
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47
②中期目標の実現に伴う経済への影響
実質GDP
(2020年までの累積)
失業者数
世帯当たりの
可処分所得
世帯当たりの
光熱費負担
電力価格
Ⅰ Ⅱ Ⅲ
Ⅳ
【選択肢①】
(05年比▲4%)
【選択肢③】
(05年比▲14%)
【選択肢⑤】
(05年比▲21%)
【選択肢⑥】
(05年比▲30%)
③⑤⑥に
対する
基準ケース
右数値は
本ケースから
の差分
▲0.6%
▲1.4%
▲3. 2%
11万人増
30万人増
77万人増
年▲4万円
年▲9万円
年▲22万円
年3万円増
年7万円増
年14万円増
25%増
57%増
125%増
年率1.3%の
実質GDP
成長率を想定
2005年比▲15%の場合、1家庭当たりの負担額(可処分所得の減少、光熱費の増加)
は、年間7万7千円(月6,400円)増加(全世帯合計では年間4兆円増加)と試算
(出典)第一回需給部会(H21.8.5)配付資料より作成
平成21年9月30日
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48
②最大導入ケースにおける家庭の対策コスト例
家庭の追加負担は500万円前後
(補助金による軽減や省エネによるコストメリットは含まれていない全投資額)
省エネ住宅への断熱工事
新築を建てる場合は、原則として
最も厳しい基準を満たす
Ⅰ Ⅱ Ⅲ
Ⅳ
太陽光パネルの設置
新築を建てる際は、原則として
太陽光パネルを設置する
230万円
(66万円/kW×3.5kW)
2200kg削減
100万円
800kg削減
最高水準の省エネ家電に
省エネエアコン
+1.5万円
20kg削減
高効率照明
省エネ冷蔵庫
+3万円
+2万円
60kg削減
20kg削減
高効率給湯器(HP、燃料電池等)
有機ELディスプレイ
給湯器を買い換える場合は、古
い集合住宅等を除き、原則とし
て高効率給湯器を設置
+4万円
50kg削減
+50万円
+300万円程度
【ヒートポンプ】
+40∼300万円
【燃料電池】
300kg削減(高効率給湯器平均)
平成21年9月30日
次世代自動車
乗用車を買い換える際、2台に1台
は次世代自動車を選択
(次世代自動車と従来車の差額)
800kg削減
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49
②福澤諭吉先生『民情一新』(1879年)に関して
「社会の心情を変動する」 発明工夫
蒸気船車、電信、郵便、印刷
英国型政権交代が国安を維持
Ⅳ
これらによって、人の移動が容易になり、
情報流通も活発化する(時間・空間・情
報等の制約が緩和)するため、人々の生
活や考え方が一新される
この利器を利用して勢力を得るのが
大きいのは進取主義の人
保守主義と進取主義との
対峙を通じて進歩する
Ⅰ Ⅱ Ⅲ
保守主義の人が無理に
押さえつけようとすると
激しい衝突(弾圧、反乱、暗殺等)が発生
「保守の弊害極めて大なりといえども、又一方より論ずれば進
取の進て止るを知らざる者もまたはなはだ恐るべし」
「進取の主義とて、ひたすら旧を棄てて新に走るというに非ず。
(略)旧物を保存し又これを変形して進取の道に利用すべきも
のも多し」
在職日数
日 本 (「老 中 勝 手 方 」)
1762∼ 1860年 (98年 間 )
在 職 14代 ・平 均 7年 間
英 国 (「首 相 」)
1783∼ 1879年 (96年 間 )
在 職 26代 ・平 均 3.7年 間
1762
1860
1783
1879
(注 )日 本 に お い て は 、実 質 的 な 実 権 を 執 る 「勘 定 奉 行 勝 手 方 」(会 計 統 括 )の 平 均 在 職 2.8年 (1818∼ 1867年 平 均 )。
(出 所 )『民 情 一 新 』の 記 述 を 元 に 作 成 。
出典:小室正紀編[2003]『福澤諭吉著作集第6巻』慶應義塾大学出版会を元に作成
平成21年9月30日
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50
③電気事業者の取り組みの方向性
Ⅰ Ⅱ Ⅲ
Ⅳ
電気事業者は、原子力の活用、再生可能エネルギーの拡大、エネルギー消費の効
率化・電化推進に向けた自らの取り組みを表明
「3つのE」の
同時達成の重要性
供給サイド
需要サイド
系統電力の低炭素化
系統電力の低炭素化
高効率電気機器の
高効率電気機器の
開発・普及による省エネ
開発・普及による省エネ
×
① 原子力の活用
④ 効率化・電化の推進
◆ 2020年度までに原子力を中心とする非化石エネルギー比率
50% を目指す
◆ CO2冷媒ヒートポンプ
給湯機(エコキュート)
を官民一体の普及拡大
の取組みの下、2020年
度でストック約1,000万
台の普及を目指す
② 再生可能エネルギーの拡大
◆ 風力発電は500万kW程度まで、太陽光発電も局所的な集中設
置などの場合を除き1,000万kW程度まで、電力系統の安定度を
失うことなく受け入れ可能(それ以上は対策要)
◆ 全国約30地点で、約14万kWのメガソーラー発電所を建設
③化石燃料利用の高効率化・排出削減対策
◆ 業界全体で2020年度
までに電気自動車
約1万台を業務用車両
として導入
◆ 世界最高水準の高効率コンバインドサイクルの導入
◆ IGCC、CCSを活用した低炭素化の研究開発等を推進
平成21年9月30日
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51
③主要国のCO2排出原単位比較
Ⅰ Ⅱ Ⅲ
Ⅳ
原子力が約8割を占めるフランス、水力が約6割を占めるカナダには及ばないもの
の、日本の電力排出原単位は世界トップクラス
(kg-CO2/kWh)
燃料別
発電電力量比率
(%)
CO2排出原単位(発電端)の各国比較(2007年)
1.00
0.80
0.60
0.40
0.20
0.00
発電電力量比率( %)
CO2排出原単位
【
0.08
0.21
フ ラン ス
カ ナダ
16
20
79
58
10
1
2
0.43
0.42
0.50
日本
イタリア
イギ リス
28
8
12
5
2
1
ド イツ
19
4
0.56
0.51
3
27
9
ア メリカ
中国
イン ド
19
2
15
0
3
15
1
7
3
60
80
100
100
80
60
40
20
0
0.95
0.82
0
40
】
石油
ガス
石炭
1
5
4
再生可能エネ他
水力
原子力
11
2
17
5
23
27
15
51
16
*CHPプラント(熱電併給)も含む
*発電電力量構成比は四捨五入の関係で合計が100%にならない場合がある
平成21年9月30日
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1
36
2
12
2
20
39
48
50
2
80
1
4
8
68
*2007年の値
*【出典】Energy Balances of OECD Countries 2008 EDITION 等より試算
東京電力株式会社
52
③原子力発電によるCO2削減効果
Ⅰ Ⅱ Ⅲ
Ⅳ
非化石エネルギー比率の拡大へは原子力を中心に取組み。
⇒原子力立地の円滑な推進や、既存原子力発電の設備利用率の向上等が課題。
全国の既設原子力の設備利用率が1%向上した場合、約300万tの排出抑制効果。
2009∼2018年までの10年間で計画
2009∼2018年までの10年間で計画
している原子力の新増設は約1200万
している原子力の新増設は約1200万
kW[過去10年間の増設規模は約450万
kW[過去10年間の増設規模は約450万
kW]。計画実現に向け努力を傾注。
kW]。計画実現に向け努力を傾注。
万kW
1,400
【原子力発電の新増設】
1,200
1,000
600
400
200
1999-2008年度
(実 績)
90
80
70
原子力1基(138万 60
kW)の導入による
日本
アメリカ
年間発電量
フィンランド
韓国
=太陽光発電
0 90 91 92 93 94 95 96 97
約1,000万kW相当
出典:IAEAホームページPRIS
2.7倍
800
0
日本の原子力発電所における利用率の現状
100
設備利用率(%)
原子力発電所の開発計画
スペイン
98 99 00 01 02 03 04 05 06 07
(暦年)
2002年以降の不正問題に起因する定期検査期
2002年以降の不正問題に起因する定期検査期
間の長期化や、事故等に起因する点検、中越沖
間の長期化や、事故等に起因する点検、中越沖
地震による柏崎刈羽原子力発電所の運転停止
地震による柏崎刈羽原子力発電所の運転停止
などのため、設備利用率が低迷
などのため、設備利用率が低迷
2009-2018年度
(計 画)
平成21年9月30日
フランス
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東京電力株式会社
53
③電力分野の再生可能エネルギー導入量国際比較
Ⅰ Ⅱ Ⅲ
Ⅳ
水力を含めた場合、日本の再生可能エネルギーによる発電量は、ドイツと同等で
遜色ない。
主要国の再生可能エネルギー導入量[2007年実績]
(百万kWh)
400,000
(%)
60%
その他
350,000
300,000
250,000
52.0%
バイオガス・液体バイオマス
50%
固体バイオマス
自治体廃棄物
40%
風力
太陽光
200,000
150,000
100,000
30%
地熱
水力
11.8%
14.2%
19.5%
15.5%
20%
8.3%5.0%
8.8%
50,000
0
10%
0%
フランス
ドイツ
イタリア
※各値は水力込み(揚水除く)[2007年実績]
平成21年9月30日
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日本
スウェー スペイン
デン
米国
イギリス
※左目盛は発電電力量、右目盛は発電電力量に占めている再生可能エネルギーの割合
【出典】IEA, ENERGY BALANCES OF OECD COUNTRIES, 2009 EDITION
東京電力株式会社
54
③再生可能エネルギー利用拡大への取組み
Ⅰ Ⅱ Ⅲ
Ⅳ
1.余剰電力購入メニューでの買上げ(1992年から)
1.余剰電力購入メニューでの買上げ(1992年から)
–– お客さまが導入した新エネ設備(太陽光など)からの余剰電力を購入
お客さまが導入した新エネ設備(太陽光など)からの余剰電力を購入
2.グリーン電力基金(2000年から)
2.グリーン電力基金(2000年から)
–– 一般消費者参加型新エネ導入支援プログラム
一般消費者参加型新エネ導入支援プログラム
–– マッチングファンドとして電力会社も資金拠出
マッチングファンドとして電力会社も資金拠出
〔例〕浮島太陽光発電所
(川崎市、仮称)
3.グリーン電力証書(2001年から)
3.グリーン電力証書(2001年から)
–– 企業参加型新エネ導入支援プログラム
企業参加型新エネ導入支援プログラム
4.電力会社によるメガソーラーの設置(2008年から)
4.電力会社によるメガソーラーの設置(2008年から)
-- 電力10社で約30地点、14万kWを導入予定
電力10社で約30地点、14万kWを導入予定
・14万kWのメガソーラー発電
約4万軒分の家庭の年間電気使用量に相当し、約7万トンのCO2排出量削減効果。
約400万m2(甲子園球場のグランドの約270倍)の広大な用地が必要。
・更なる拡大には、パネル価格低減、公共団体や企業との協調による遊休地活用等が要。
平成21年9月30日
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東京電力株式会社
55
③メガソーラー建設計画(東京電力)
Ⅰ Ⅱ Ⅲ
Ⅳ
「浮島、扇島太陽光発電所 (川崎市との共同)」および「米倉山太陽光発電所 (山梨県との共同)」
出力:計3万kW, CO2排出削減量(推定):計14,000t/年
● 浮島太陽光発電所
・
・
・
所在地: 神奈川県川崎市川崎区浮島町 (川崎市所有地)
太陽電池出力 約7,000kW
・ 着工予定
発電電力量
約740万kWh
・ 運転開始予定
CO2排出削減量(推定): 約 3,100 トン/年
● 扇島太陽光発電所
・
・
・
所在地: 神奈川県川崎市川崎区扇島 (東京電力所有地)
太陽電池出力
約13,000kW
・ 着工予定
発電電力量
約1,370万kWh
・ 運転開始予定
CO2排出削減量(推定): 約 5,800 トン/年
● 米倉山太陽光発電所
・
・
・
平成21年度
平成23年度
所在地:
山梨県甲府市下向山 (山梨県所有地)
太陽電池出力
約10,000kW
・ 着工予定
発電電力量
約1,200万kWh
・ 運転開始予定
CO2排出削減量(推定): 約 5,100 トン/年
平成21年9月30日
平成21年度
平成23年度
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東京電力株式会社
平成22年度
平成23年度
56
③太陽光発電の新たな買取制度
Ⅰ Ⅱ Ⅲ
Ⅳ
2009年2月24日、二階経産大臣は定例会見にて「太陽光発電の新たな買取制度」
導入を表明
2009年7月1日、エネルギー供給構造高度化法成立。太陽光発電からの電気の買取
を義務づけ
2009年8月31日、具体的制度内容公表
国民の全員参加型。電力の需要家全てが買取費用を負担
対象は余剰電力に限定。発電事業目的のものは対象外
2009年11月より買取開始
余剰となる電気
買取価格
・住宅用の初年度は
48円/kWh
・買取期間は10年
・買取価格は設置年
度ごとに低減
<導入主体:電気の使用者>
平成21年9月30日
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東京電力株式会社
電力会社
国・
自治体の財政支援
【イメージ】
電気
需
要
家
対価
出典)第31回新エネ部会(平成21年2月25日)資料より
57
③再生可能エネルギーの課題- 1
Ⅰ Ⅱ Ⅲ
Ⅳ
太陽光・風力発電のコストと必要な敷地面積
太陽光
風力
[大規模]約11∼14円/kWh
[中小規模] 約18∼24円/kWh
約47円/kWh
発電コスト
100万kW級原子力発電所1基分を代替する場合
必要な敷地面積
・約67km2
山手線内側面積とほぼ同じ
・約246km2
山手線内側面積の約3.5倍
設備利用率
・12%
・20%
【出典】総合資源エネルギー調査会 第22回新エネルギー部会資料(2008年2月1日)
総合資源エネルギー調査会 電気事業分科会 原子力部会報告書「原子力立国計画」(2006年8月8日)他
(参考)他電源の発電コスト
発電単価(円/kWh)
各電源の法定耐用年数※を運転年数とした場合
発電単価(円/kWh)
運転年数を40年とした場合
利用率
※
原子力
水力
石油火力
LNG火力
石炭火力
7.3
10.6
12.2
7.0
7.2
5.3
11.9
10.7
6.2
5.7
80%
45%
80%
80%
80%
原子力:16年、水力:40年、石油火力・LNG火力・石炭火力:15年
平成21年9月30日
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東京電力株式会社
58
③再生可能エネルギーの課題- 2
Ⅰ Ⅱ Ⅲ
Ⅳ
太陽光・風力等の再生可能エネルギーは、発電出力が風量や天候などの気象条
件に左右され安定しないため、必要な時に電気を使えない、電気を安定して送
るのに必要な周波数や電圧を維持できない等の安定供給上の課題がある。
電気は貯蔵できないため、一般電気事業者が瞬時瞬時の需給調整を行なってい
るが、予測不能で出力変動の激しい再生可能エネルギーには、需給調整機能が
なく、逆に、導入が進むほど他の需給調整電源(例えば石油火力など)に負担
をかけているのが実情。
70
(kWh)
(%)
風力発電の出力変化(月間)
2500
60
2000
晴れ
50
発電電力量
出力比(実際の出力/定格出力)
太陽光発電の出力変化
40
30
1500
1000
曇
20
500
10
雨
0
0
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18 19
(時)
1 2 4 6 8 10 12 14 16 17 19 21 23 25 27 29 31
【出典】総合資源エネルギー調査会 新エネルギー部会
平成21年9月30日
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59
③火力発電所の熱効率向上(東京電力)
Ⅰ Ⅱ Ⅲ
Ⅳ
世界最高水準の熱効率59%を達成する1,500℃級コンバインドサイクル発電(MACC)を、
平成19年6月に川崎火力発電所、20年7月に富津火力発電所に導入
平成28年には、MACCの技術をさらに高め、熱効率約61%を実現する1,600℃級コンバイン
ドサイクル発電(MACCⅡ)を川崎火力発電所に導入予定
平均熱効率が1%向上すると、CO2排出量は約180万トン削減される
平成21年9月30日
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東京電力株式会社
60
③火力発電熱効率向上に向けた国際協力(APP)
Ⅰ Ⅱ Ⅲ
Ⅳ
クリーン開発と気候に関するアジア太平洋パートナーシップ(APP)の活動として、
既設石炭火力発電所の熱効率向上のためのピア・レビュー(技術者間の交流を通
じた好事例の共有)実施中。⇒ セクター別アプローチの実践例
即効性が高い運用改善の好事例の普及・定着を目指す。
【日本の貢献による具体的な成果】
日本の貢献による具体的な成果】
運転保守の好事例をまとめたグリーンハンドブックを作成
→すでに中国の発電所の性能診断に活用中
ピア・レビューを5回実施
(米、日本、印、豪州、韓国)
【CO2削減効果の比較(2030年):電事連試算】
熱効率向上のためのチェックリスト&レビューシートを作成
→発電所の効率改善診断に活用
【石炭火力発電所の熱効率の各国比較(ECOFYS社)】
北欧
北欧
フランス
フランス
ドイツ
ドイツ
技 術導入
による 効果
技術導入による効果
7.0
運用改善による効果(新規分)
運用改善による効果(既存分)
6.0
運用改善:先進国1%、途上国2.5%ケース
1%
、 途上国 2.5%
の ケース
5.0
熱効率 (LHV)
2
CO2削減効果(億tCO2)
8.0
日本
日本
43%
9.0
日本の水準は既に高く
削減余地は限定的
4.0
3.0
2.0
39%
英国・アイルランド
英国・アイルランド
米国
米国
35%
豪州
豪州
韓国
韓国
中国
中国
31%
27%
インド
インド
1.0
0.0
OECD
北米
OECD
太平洋
OECD
欧州
先進国
経 済
移行国
中国
インド
途上国
その他
アジア
23%
1990
1995
2000
2005年 度
セクター別アプローチの考え方に基づき、世界全体の石炭火力発電所での新技術導入
や運用改善のポテンシャルを試算すると、CO2削減効果は 18.7億t- CO2 /年
平成21年9月30日
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61
③家庭・業務部門でのエネルギーの使われ方
Ⅰ Ⅱ Ⅲ
Ⅳ
家庭で使用されるエネルギーのうち 暖房・給湯で約6割を占めており、家庭部門のCO2削減
の鍵となっている
オフィスビルのエネルギー使用は、空調のための熱源が約3割を占めている
家
冷房 2%
庭
その他
動力
照明・家電
製品ほか
照明
コンセント
41%
42.4%
暖房
21%
出典: 「家庭用エネルギー統計年報」2007年度版(関東)
出典:「オフィスビルの省エネルギー」
熱源
31.1
%
熱搬送
12.0%
給湯 0.8%
0.8%
(財)省エネルギーセンター
㈱住環境計画研究所
平成21年9月30日
5.1%
5.1%
8.6%
8.6%
給湯
36%
オフィスビル
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62
③温暖化対策の切り札“ヒートポンプ”
Ⅰ Ⅱ Ⅲ
Ⅳ
熱源は、太陽光等と同様にクリーンな「再生可能エネルギー」である「大気熱」
ヒートポンプは技術開発により、年々エネルギー効率が向上。家庭用エアコンで
はエネルギー効率が10年間で約2倍に向上し、消費電力が半減
ヒートポンプ技術は日本が世界をリード。エアコンは欧米の約2倍の効率を達成。
ヒートポンプのしくみ
ヒートポンプの効率(COP*)向上 ※ 東京電力調べ
ルームエアコン:6.8
ターボ冷凍機:6.4
エコキュート:4.9
* COP (エネルギー消費効率): Coefficient of Performanceの略。機器の効率を示す。この数値が大きいほど省エネル
ギー性能が高い
平成21年9月30日
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63
③ヒートポンプの普及促進
Ⅰ Ⅱ Ⅲ
Ⅳ
民生部門と産業部門の冷暖房や給湯等が全てヒートポンプでまかなわれた場合、
約1.3 億トン/年の排出量削減(国内排出量の約10%)が可能になると試算
エコキュートの出荷台数は累計で174万台を突破(2008年度末)
※日本冷凍空調工業会調べ
ヒートポンプによるCO
ヒートポンプによるCO2削減効果
国内のエコキュート累計出荷台数
174
180
2020年度までの
普及目標 1,000万台
160
140
124
120
100
83
80
48
60
40
家庭(1世帯)の年間
CO2排出量(約3.5ト
ン)の約2割を削減
エコキュート1台の
CO2削減効果は
約 0.65 トン/年
平成21年9月30日
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20
0
25
0
4
2001
2002
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12
2003
2004
2005
2006
2007
2008
64
③電気自動車(EV)の開発・普及
Ⅰ Ⅱ Ⅲ
Ⅳ
電気自動車は、ガソリン車と比較してCO2排出量を大幅に削減(約1/4)
電気事業では、業界全体で2020年度までに約1万台を業務車両として導入する
計画
電気自動車によるCO2排出抑制効果
(軽自動車1台が10,000km走行した場合)
試算条件
・ 軽ガソリン車燃費: 19.2km/L
「知れば知るほどいいね!軽自動車(2008年版)」
(社)全国軽自動車協会連合会
・ EV燃費: 10km/kWh
東京電力と自動車メーカーによるEV共同開発の目標値)
・ CO2排出原単位
・ ガソリン: 2.32kg-CO2/L
「温室効果ガス排出量算定・報告マニュアル」環境省
・ 電気: 0.33kg-CO2/kWh
電気事業者による2020年度の排出原単位の見通し
経済性 (10,000km/年 を想定)
試算条件 (燃費、燃料単価)
ガソリン車 (軽自動車)
電気自動車(EV)
65,104円/年 (ガソリン代)
22,860円/年 (電気代)
19.2 km / L , 125 円 / L
EV : 10 km / kWh , 22.86 円 / kWh
東京電力では・・・
2009年7月より電気自動車を業務車両として本格導入
2009年度中に 310台程度、将来的には 3,000台程度
を導入予定
平成21年9月30日
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ガソリン車の
約3分の1
経済性の特徴 (ガソリン車との比較)
三菱自動車工業(株)
「 i − M i E V 」
と 急 速 充 電 器
富 士 重 工 業 ( 株 )
「プラグインステラ」
65
【参考】エリーカ(Eliica : Electric Lithium-Ion Car)の特徴
Ⅰ Ⅱ Ⅲ
Ⅳ
2004年製作の8輪駆動の電気自動車で、車輪のなかに組み込まれたモーターが駆動する イ
ンホイールモーター型が特徴
環境情報学部清水浩教授を中心に開発が進められており、38の企業が携わる
加速性能でポルシェ911Turboと同等の能力を持つ
(参考)i MiEV (三菱自動車)
エリーカ
5100mm(全長)×
1900mm(全幅)×
1365mm(全高)
最高速度挑戦車
高加速性能挑戦車
3395mm(全長)×1475mm(全幅)×1610mm(全高)
200km
320km
160km(メーカー公表値)
不明
不明
7.5km/kWh
370km/h
190km/h
130km/h
充電可能なるも
詳細不明
充電可能なるも
詳細不明
約7時間(フル充電)
約14時間(フル充電)
約4分(70%充電)
約30分(70%充電)
約30分(80%充電)
リチウムイオン電池
リチウムイオン電池
リチウムイオン電池
総電力量
31kWh
55kWh
16kWh
最高出力
640kW
480kW
47kW
一充電走行距離
実証試験での効率
最高速度
充電時間
200V/100V
(家庭充電)
急速充電
電池
モーター
種類
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③電気事業者の2020年度のCO2排出原単位の見通し
Ⅰ Ⅱ Ⅲ
電気事業者は、CO2削減の目標指標として、自らの努力を反映可能な
排出原単位※」を採用
※
Ⅳ
「CO2
お客さまの使用電力量1kWh当たりのCO2排出量
(CO2排出量)=(CO2排出原単位)×(お客さまの使用電力量)
2020年度にCO 2 排出原単位0.33kg-CO2/kWh程度 ※ を目指す (電力会社10社
計)
※
2008年度の原単位(0.444kg-CO2/kWh)を約3割低減させる水準
CO2排出原単位実績と見通し
使用端排出原単位(kg-CO2/kWh)
0.48
2008年度実績
0.46
2005年度
1990年度
0.44
0.444
0.423
0.417
0.42
0.40
0.38
0.373
2020年度
見通し
0.36
0.34
柏崎刈羽原子力発電所をはじめ、近年の原子力トラブ
ルが無く順調に稼働していたとした場合、2008年度
の原単位は約0.373kgーCO2/kWh程度
0.32
0.30
1
9
9
0
1
9
9
2
1
9
9
4
平成21年9月30日
1
9
9
6
1
9
9
8
2
0
0
0
無断複製・転載禁止
2
0
0
2
2
0
0
4
2
0
0
6
東京電力株式会社
2
0
0
8
2
0
1
0
2
0
1
2
2
0
1
4
0.33程度
2
0
1
6
2
0
1
8
2
0
2
0
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