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ミシンの電子化, コンピュータイヒ

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ミシンの電子化, コンピュータイヒ
研究展望 ・技術展望
歴
年
シン生産 出荷実績 (/LH国
統計)
ン数
一
ロ
ム
十
︶
朗産
家生
表1 ミ
工業 用 ミシ ン
生産 台 数
輸出台数
1975
2 807 728
554 633
400 547
1976
2 990 981
956 042
624 048
1977
2 968 371
865 404
振法 といった)の 指定業種 となっていて,そ の工業の高
和47年より機電法 といわれる
度化 力出まかられて きたが,]召
特定機械および電子工業振興法に切替わ り,こ の指定業
種 となったので,機 電の一体化 が進め られ ることになっ
た。工業用 ミシンの今後の付加価値 を電子化 による高級
化において見出 して行 こ うとす る ものであ り,そ れまで
1 ま えが き
ミシンが典型的機械 として考 えられて きたことか らす る
ミシンは マシンの転化 した もので,典 型的機械商品 と
と,電 子技術 を採 り入れるよ うにな ることは, ミシンの
して,1790年 ThOmas Saintに よ り最初 の発 明 がな さ
伝統技術ないし個有技術か ら見て,大 変革新的な方向 で
れ,1851年 ISaac Meri SIIlgerに
よ り発売 されて以来 ,
ほ とん ど百数十年の間,主 として機構要素の積上 げによ
あったといえる.筆 者は昭和45年にNCミ シンやプ レイ
バ ッ ク式 自動縫 い ミシ ン,そ して縫製 ロボ ットによる
って, ミシン機種 で約 5000と いわれ る商品群 を生 み 出
して きた。 この間我国は家庭用 ミシンにおいて昭和30年
無人縫製機な どを開発 したが,そ んな関係 で昭和47年に
アメ リカの コンピ ュー タ制御技術の コンサルタン トであ
前半 よ り,工 業用 ミシンにおいて昭和40年後半 よ り,そ
の生産高 で世界 1位 となった。因みに1975年∼1977年の
る元 アメ リカ原子力委員会委員 Sanches氏とコンタク
トす る機会があった。その折彼は ミシンをマ イクロ コン
我国の ミシン生産出荷実績 を表 1に 示す .こ の ミシンに
ピュータによ り個別制御す ることを極力主張 し,各 種の
電気的要素が持 ち込まれたのは1890年頃で,ア メ リカに
おいて誘導電動機 による駆動 (ライン シ ャフ ト駆動 )
が始まってか らであ り,1935年 頃よ り単独 モータ駆動 と
資料 をアメ リカよ り送 って寄 こして もらった こ とがあっ
た 昭 和 48年 ニ ュー ヨー クの調査 会社で あ る Frost&
SahVan社は マイクロ コンピュー タの急成長 を予測 した
なって きた。家庭用 ミシン も足踏みか ら次第に小型 ミシ
ン モータによる電動 ミシンに10年ほ ど前 か ら移行 して,
報告 を発表 した.10年 間に約100倍とい う急成長 を弾 き
出 してお り,こ の技術の進展 に注 目しないわけに行かな
い驚 くべ き予測 であ ったが,そ の後 マ イク ロ コンピュ
ー タの進展は,正 に FrOst&Sahvanの 予測通 りともい
ミシン も家電製品に数 えられ るようになった.工 業用 ミ
シンの分野 では15年ほ ど前か ら省力化 のため,部 分的に
ソレノイ ド,空 圧 シ リンダ,電 磁弁な どが使用 され るよ
うにな り, リレーを使 った制御回路 が もっぱ ら採用 され
える急進撃 を見せている。昭和49年には東京重機工業 は
ー
ー
萱場 工業 とエ ッブ コントロ ル シ マ を共 同開発 し,翌
ー
虫ライプチッヒ メッセ に出品 し, ゴ ル ド メタル
年 の東ぢ
ていた,工 業用 ミシンは特定機械工業振興法 (略して機
表 2 1975年
年
月
1975
国
6
別
ア メ リカ
社
名
Singer
4デ]∼1978年 3月 に発表 された ミシ ンの電 子化, コ ンピュー タ化
機 種
名
電子化内容
家庭用 ジグザグ ミシン
A↓
hna 2.000
ヨンピュー タ化内容
ノ フ
ハ ー
ト
模様縫 い などの ROM
制御
ド
リニ ヤ サ ー ボ モ ー タ
昏区摩
的
ミシン モ ー タ制 御 など
家庭用 ジグザグ ミシン 自動停針,ス ピー ド,止
マ イテイA 3 0 0
め縫 の電子制御
家庭用 ジグザグ ミシン 自動停針, ス ピー ド, 止
1976
3
日
本
)ッ カ ー
1976
4
日
本
ブラザ ー
1976
4
日
本
東芝機械
工業用 自動機
パ ター ン シーマ
バ ター ンをP R O M に
書 き込 む
パルス モータ駆動, ミ
シン モ ー タ制御など
1976
9
アメ リカ
Singer
工業用 ミシン
CenturiOn
動作 を P R O M に
させ る
ミシン各部, ミシン モ
ー タの制御
1976
9
ア メ リカ
Unlon
工業 用 ミ
Memory
め縫の電子待」
御
コ ン タや,レ
12
日
本
東京重機
t
ン i
1976
ヽ
ン S
Special
工業用
エ レク トロ モ ー タ
記憶
パ ター ンをP R O M に
書 き込む
自動糸切 リミシ ン用の
ス トップ モータの電子
制御
P525
パ ルス モ ー タ嬌区動, ミ
シ ン モ ー タ制御
ミシンの電子化,コ ンピュー タ化
を受賞 したが,エ レク トリック アイをセ ンサ とし,そ
の情報 を電子頭脳が処理 してサ ーボ モ ー タを制御す る
中
自動縫 い装置であ り,電 子化,コ ンピュー タ化 の ライン
S14
に乗 るものである。そして遂に昭和50年に至 って, ミシ
ンの コンピュー タ化時代 が訪れ ることにな る。1975年4
S15
﹁ ノ
︲
D﹄
里 ;璃
渋
月 よ り1978年3月 までの期間に発表 された,電 子 ミシン
およびコンピュータ ミ シンは表 2に 示 され るとお りで
ある。以下 これについて説明 してい こ う.
Sll
`Z D l l
2.電 子 ミシ ンに つ い て
ノ
樟 垢
電子 ミシンと名付 け られ たのは,家 庭用 ジグザ グ ミ
シンに属す る ミシンである。家庭用 ミシンは足踏み ミシ
ンか ら場所 を取 らないポー タブル電動 ミシンヘ と変 って
きたが, ミシン頭部 も付加価値 を高めるため,直 線本縫
い ミシンか らジグザグ ミシンに移行 し,そ して カムに
図 2 自 動停針回路例
(実開 昭50-46356)
メ リカで発表 された。 自動模様縫 いにカムを使わず,模
様のパ ター ンをメモ リに入れてお き,こ れをメモ リか ら
よる自動 ジグザグ ミシンヘ とモデル チ ェンジが行 われ
て きた。そして電子 ミシンとなるわけである。一 口に電
取出 して制御す るレベルの ものである。それでは模様 を
どのよ うにデジタル コー ド化 して メモ リに入れ るのか
子 ミシンといって も,電 子化にはい くつかの レベルがあ
について解説 してみ よ う。いずれにして もまずパ ター ン
る。 日本の電子 ミシンは76年に発表 されたが,電 子化の
内容は,サ イ リスタや トライア ックによる ミシン モ ー
を定義す るために座標系を考 えることにな る。 ジグザグ
タの電子速度制御 を基本 とす る もので,例 えば次のよう
ミシン むは直角座標系 によるのが解 りやす い。針振 り
をX方 向 とし,布 送 りの方向をY方 向 とす ると,ジ グザ
に制御 を行 うものである。
① プ ッシュ ボタンによる3段 速度切替 え
② 始 動 レバ ーによるゆっ くリスター ト
グ ミシンではX一 Yは 直角座標 とな る.針 振 り方向 で
は針振 りの中心位置を定点 として,そ の左右方向に目盛
りし,送 りでは現在位置を定点 とし,次 にこれに対 して
③ 突 然回転 を防止す る安全回路
④ 針 上 位置停止装置
どれだけ送 るかを決めるよ うにす る。すなわ ちX方 向は
⑤ 止 め縫い装置
上記は ミシンの使 いやす さを意図す る ものであるが,
自動模様縫 いについては 9種 の カ ムが内蔵 されていて,
絶対値方式 で数値化 し,Y方 向は増 分方 式 で数値化 す
る.勧 ngerで はこのよ うな規約 に基 づ き,X方 向,Y
方向の位置を 1針 ずつ 2進 法によ り5ビ ッ トで コー ド化
このカムを選択 して機械的に行 う。このよ うな電子制御
しているのである。 これを図で示す と,図 3の ようにな
回路のブ ロ ック図を図 1に 示す 。また 自動停針の別回路
15
を図 2に 示す 。
X
針 振 り
(位置 座標)
Y
送 り
( 増分 )
4
1 0 0
10101
3
10010
10100
2
10001
10011
│
10000
10010
0
10001
3.家 庭 用 コ ン ピ ュ ー タ ジグ ザグ ミシ ン
日本の電子 ミシンの発表に先立つ こと約 1年 の75年6
月に SInger社よリマ イクロ コンピ ュー タ ミ シンがア
■X
0 1 1 0
10000
0
0 1 1
0 1
01100
0 1
0 1 0 1
0 1 0 1
00000
-3 -2 -1
-Y
sW3
0
1
2
+Y
3 5ビ
ッ トによ る コ ー ド化
( 特開 昭 5 0 - 3 7 5 5 4 )
図 1 自 動停針 および速度制御回路 ブロ ック図
( 特開 昭 5 0 - 1 5 2 8 5 5 )
P528
1 0
研究展望 ・技術展望
114
る。 この場合 なぜ 5ビ ッ トとしたか につ いて説 明す る
は出 るか,入 るかの 2つ の位置 をとる。 2ビ ッ トでは別
々に 2個 のソ レノイ ドにつ な ぐと,図 4の NQ lとNo 2の
→、
と,2進 法では 1ビ ッ トで 0と 1の 2つ の状態 が とれ ,
例 えば これを電磁石 (ソレノイ ド)に つなげば,可 動子
図 6 リ エ ヤ モ ー タ構造
(特開 昭 50-101161)
ROM
3 ビ ッ トー
手 動
制御 器
3ビ ット
ー
(5ビ ッ ト → 5ビ ッ ト
25=32位
置)
図4
ソレノイ ドにつ いて,A,B,C,Dの
4つ の位置 を規
定で きる。更に図 4に 示す ように 3ビ ッ トで, 3個 のソ
レノイ ドにつ な ぐと, 8つ の位置が とれ,そ して 5ビ ッ
針振 り
トで,同 様 5個 のソ レノイ ドにつ なげば, 25=32の 位
置 を とるこ とがで きる。今針振 りの 中心 を 0点 とす る
図 7 リ ニヤ モー タ制御ブロ ック図
と,こ の中心の振 り分けで,そ れぞれ15の位置を規定で
きるわけで, 5ビ ッ トによるデ ジタル コー ド化 で,こ
ボ モー タによって,針 振 り機構 や,送 り機構 をそれぞ
れ駆動 している.サ ーボ モ ー タを駆動す るには,図 7
のよ うに針振 りの量を決めるこ とがで きる.こ れを模様
によって 1針 ずつ ,針 振 りと送 りとについて コー ド化 し
に示す ようにデ ジタル情報 を直流アナログ電圧に変換す
るため, 財 A変 換器 を通す ことにな る。そ してサ ーボ
て メモ リに書込んでお き,図 5の よ うに メモ リの内容 を
モータの直線可動片 (リニ ヤ ア クチ ュエ ー タ)に ポ
テンシ ョメータ (図7で POTと して示 される)を 連絡
針振 り駆動機 構
( ハ ー ド)
ド用
→︱︱︱ イ ブ
ー上≡
ウイ
A
し, POTの
出力電圧 を帰還 させて,ク ローズ ド ル ー
プ回路 とす るのである。 これ らの回路 は LSI化 され,
基板上 に コンパ ク トにまとめ られ る。全体 の機能 の関係
を見 るため,図 8に 全体 ブロック図を示す 。 さて マイク
B
ノレノイド
5組
パワートランジスタ
5組
, /
制 御 回 路
( ソフ ト)
送 り調節 装置
( ハ ー ド)
ンジスタに与 え,ソ レノイ ドの コイルに通電す ると, 5
ビ ッ トに応 じる 5個 のソレノイ ドによ る位置決 め機構
ー
ポ タ ンホ
ル
スイ ッチ
図 5 針 振 り駆動および送 り調節装置
(特開 昭49-127757)
つ
1針 ず 呼出し,ゲ ー トを通 して,信 号 をパ ワー ト ラ
(一種の リンク加算機構 として知 られ る もの)は リンク
によ り,針 振 り機構 と,送 り機構 を駆動 す るこ とにな
る.以 上は 1針 当 りの X,Yの 位置を 5ビ ッ トで コー ド
化す る内容であった。 この よ うなデ ジタル コー ド化情
報 をマイクロ コ ンピュータの ROM(Read Ctty Mem‐
ory)に 書込むのである。実際の マイクロ コンピ ュー タ
ジグザグ ミ シンでは, 図 6に 示す ような リエヤ サ ー
P527
①
発光 ダ イ オ ー ド基 板
模様撰択部
図 8 S i n g e r 2 0 0 0 マイクロ コンピュー タ
グザ グ ミシ ン全体 ブロ ック図
ミシ ンの電子化,コ ンピュー タ化
ロ コンピュータ ジグザ グ ミシンの設計 に当 っての条
件選択のポイン トは下記 のよ うになろ う。すなわ ち
① 模 様発生方式の選択
前述 したよ うなマ イクロ コンピ ュー タ制御方式 が工
業所有権 に よ り採用 で きな ければ ,カ セ ッ ト式 とした
り,カ ー ド式 とした りして,標 様を記憶 させてお き,こ
れを呼 出す こ とによ り,模 様 を発生 させ ること│と
な る.
② ア クチ ュエ ータ
メモ リの情報 によ り動作す るアクチ ュエ ー タ として,
ソ レノ イ ド式 と リニ ヤ サ ーボモ ー タの説 明 を したが ,
その他パル ス モータや回転型サーボ モータが挙 げ られ
る.特 にアクチ ュエー タは マ イコン部分に比 べて,コ ス
図 9 門 止 め ミシ ンの X 一 Y 位 置決 め機構
( カム駆動)
ト面 で高価 とな り,ア ンバ ランスを生 じているので,重
要なポイン トである。 この よ うな ミシン設計 において,
低慣性 ,高 出力,ハ イ レ スポ ンスで低 コス トの アクチ
ュエータが死命 を制す るほ どの要素 となっている。現状
はこの点がネックとなっている.
布押 さえ
③ 表 示装置
模様 を表示す る方式について も,下 記の い くつかの方
式があ り,選 択 を迫 られ る。
a,印 刷表示 とランプ表示兼用
b.模 様 自体の発光 :透 光 または投影
C.指 針または光源移動
Y
④ 選 択装置
模様 を選択す るための装置 として ,キ ー エ ンコー ダ
式や,ス イ ッチ切替式な どが考 えられ る.
以上家庭用 マイク ロ コ ンピュー タ ジグザ グ ミシン
に関す る説明を終 え,次 に工業用 ミシンの電子化 ,コ ン
ピュータ化 について述べ ることとす る.
X
図10 メ モ リ ステ ッチャの位置決め機構
(特開 昭51-44059)
4 . メ モ リ ス テ ッチ ャ
1976年 9月 の Bobbin shOwに ア メ リカの Union
Special社
はメモ リ ステ ッチ ャをデ ビュさせた。パ ター
ン情報 をマイ ク ロ コ ンピュー タの PROM(Progamm、
った極座標系の もので,ワ イヤを介 して,X方 向,Y方
向それぞれ 2個 のパルス モ ー タによ り駆動 され る。 メ
aЫc Read Only MemOryの略で,記 憶 させ た内容 を書
き替 えることので きる ROM)に 書 込 んで お き, 自 動
パ ター ン縫 いす る ミシンである.従 来 よ り自動 パ ター ン
縫 い ミシンとしては間止め ミシン (LKミ シン)が 使 わ
αUに
モ リ ステ ッチ ャの マイクロ コンピュー タの PROMゃ
よる制御 ブ ロ ック図 を図11に示す が, PROM
か らデジタル情報 を読み出 し,パ ルス モ ー タに伝達 し
駆動す る仕組 みは, NCの
コンセ プ トと同様 である.
れてい る。円止め ミシンでは 1針 ず つ の パ タ ー ン情報
は,図 9に 示す ようにX方 向およびY方 向について,カ
ム両側面の藩に盛込まれ,カ ムによって,機 構的に位置
速度制御
が決め られ ,自 動 パ ター ン縫 いが行われ る もの であ る
が,カ ム とぃ ぅハ ー ドな部分 を,ソ フ トなデジタル情報
停止制 御
によ り制御す るよ うに したのが,メ モ リ ス テ ッチ ャで
ある。 この ミシンはマイクロ コンピュー タをベ ー ス と
し,メ モ リに PROMを 用 いた NCミ シンであ り,X
一 Yの 位置決め機構は
,図 10に示す構造の低慣性 をね ら
P520
布押 さえ
帝」 御
パルス モータ
駆動回路
踏板スター ト
指令等
各種入 力
図1 1
X 方向
Y方 向
パルスモータ パ ルスモータ
メモ リ ステ ッチ ャの制御 ブロ ック図 と回路
研究展望 ・技術展望
116
7.ミ
5 , セ ル フ プ ログ ラ ミング ミシン
1976年 9月 の BObbh Showに
シ ン モ ー タの 電 子 化
1976年12月に,東 京重機 は 自動停針装置付 クラッチ
モ ー タに つ いて ,そ の制 御 を電 子 化 した モ ー タ を
Electro Motorと
して発表 した.図 12に示 される もので,
SInger社よ り今後 の
ミシンとして発表 された工業用 ミシンは 後nturionと呼
ばれ る。 この ミシンは縫製作業における ミシン操作手順
をマイクロ コンピュータの メモ リに記憶 させ ることの
で きるものであ り,別 にプログラムのための機器 を要せ
ず,そ の ミシンによリプ ログラムし,記 憶 させ ることが
で きるので,セ ルフ プ ログラ ミング ミシンといえるも
のである。今 プログラムしようとす る作業について,メ
モ リのエ リアを指定す るため,ロ ッ ト番号 と,サ イズ番
ー イ
号 をキー インす る。次に止め縫 いの針数な どをキ
ンしてお く。そして実際に品物 を縫 うと,縫 い始めの ミ
シンのスピー ド,途 中で停止 した り,高 速で縫 った りな
図12 エ レク トロ モー タ
どが作業 とともに記憶 され る。 この記憶 を呼出 して作業
を行 うと,記 憶 させた作業 が再現 され るので,ペ テラン
モー タ下部 に電子制御部分 を収容す る制御箱 を取付 けて
ー
いる。自動停針装置や自動糸切 り装置に対す るシ ケン
ス制御 を電子化 し,更 に電磁 クラ ッチ ブレーキを電子
制御 して低速か ら高速,高 速か ら低速へ の変速 をなめ ら
か としている.エ レク トロ モ ー タは この原稿執筆時点
作業者 によって記憶 を行 い,未 熟練作業者 で再現 させれ
ー
ば,未 熟練者で もベテラン作業者のペ スで作業可能 と
い うことにな り,し か も作業者 は布 をハ ン ドリングす る
だけで, ミシン操作 は 自動 とな るか ら,習 熟 も早ま り,
作業者 の訓練期間短縮や疲労軽減 に も役 立 つ 。 Snger
ー
社 では ミシンに コンピュ タを組込む ことによ り,新 し
い可能性 を生 む ことがで きるとしてお り,マ イク ロ コ
で,マ イクロ コンピュー タ制御 の MiCOm Motorに 進
ー
化 している.間 もな く ミシンの操縦は マ イ コン モ タ
が記憶 してやって くれ るようにな るのではないか とす ら
ンピュー タによるシステ ムでは,他 の システ ムの よ うに
ー
複雑な再設計 を行 うことな く,最 初 の ハ ド ウェア関
係 が適 切で あれば,簡 単 に新 しい特徴 を組入れること
がで きると考 えている.将 来 は総合的管理 システ ムの端
感 じる。 この部分 では進展の可能性は大 きいので,今 後
ー
末 として ,こ のよ うな コンピュ タ化 ミシンが活躍す る
工業用 ミシン業界は石油 シ ョックに端を発す る世界不
況 と国内繊維不況 の中で1975年呻吟 していたわけである
が,1976年 には一転 してその生産台数 も史上最高 を記録
す る活況下 にあった,技 術面 では この年,我 国の ミシン
が期 待 され る.
8 . あ とが き
ことに もなろ うか.
6.パ
ターン シ ーマ
発表
1976年4月 我国 で東芝機械 が Pattern Seamerを
ー
ン情
マシンで
タ
コンセプ
あ
ト
り,パ
したが, NCの
の電子化が家庭用,工 業用 で相次 いだのである。 しか し
1977年か ら再 び冷 え込んで,遂 に今 日の円高 シ ョック
報 は PROMに よるメモ リ カセ ッ トとなってい るので,
ー
紙 テープは使 わない。 メモ リカ セ ッ トにパ タ ンおよ
下 の最大危局 を迎 えている.安 定成長へ の軟着陸のむず
か しさを痛感 させ られ る ことであ るが, ミ シンの電 子
化,コ ンピュータ化の方向は安定成長下 に も付加価値 を
び ミシンの動作 を記憶 させ る装置 として , PrOgrammcr
ー
が用意 されて いる.位 置決 め機構 としての X一 Yテ ブ
ルは直角座標系 であ り, 2個 のパルス モー タによ り駆
動 され る。送 りは 1針 ずつ 間欠送 りが行 われ る。制御 で
は コ ン ピ ュ ー タ的 機 能 を盛 込 み, M t r O r l m a g e や
G r a d i n g S O fも
tた
をしている.
生 む方向である。通産省では機械工業の振興 について,
機電法 が期限 に来 たため,機 情法 を制定 し,機 械工業の
情報化 による高度化 が今後指 向 され る。 ミシンの電子
化,コ ンピュー タ化は溶 々たる流れ となろ うとしている
のである.
P523
Fly UP