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PowerPoint プレゼンテーション(FRI経済研ワークショップ)
水ビジネスを考える:日本の国際競争力と国内施策の課題 平成25年9月24日(火) 清水建設株式会社 児島 彰 1 ゼネコンにとっての水ビジネスとは ・国内水事情:施設の老朽化、行政職員の高齢化、市町村の合併と人口減少 ・海外水事情:新興国での人口増加、工業化・都市化に伴い水需要の増加と水質汚染問題の深刻化 ・世界の水ビジネス市場予測2025年86.5兆円 ・海外水ビジネス市場を成長分野ととらえ、都市(街づくり:エコシティ、スマートシティ)のMPを含めた海外展開の 中で、インフラの一環とした水ビジネスに取組む。水事業の運営ノウハウを持つ自治体も水関連企業と連携し て海外展開を図っている。 ・水ビジネスの事業性 プレイヤー:自治体、商社、プラント・エンジニアリング会社、ゼネコン他 ローカルガバメント事業、ODA、PPP ・PPP:先行事例はヴェオリア、スエズに多い FSによる事業性の検討(時間がかかる) 異業種コンソーシアムによる事業 リスク➢料金の設定と値上げ(政治)、無収水対策、料金徴収システム、環境基準、要求品質(上・下水 水質)、契約ノウハウと交渉力、為替とエスカレーション ゼネコンとして海外展開にあたり、期待したいこと。 2 浄水場のシステム(金町浄水場) 3 下水処理場のシステム 4 ■世界の水道の無収水率 東京 (2010) 下図に示すように、東京の無収水率(漏水や盗水などにより供給されたのに料金が徴収できな. い割合)は約4%と極めて低く世界最高水準である。南米・東南アジア・南アジアでは30%を超える 高い無収水率の国が多く、改善すべき課題となっている。 主要都市における無収水率 (「水道ホットニュース第223号」((財)水道技術研究センター、2010)に加筆) 5 【日本の支援による無収水率改善事例】 ①カンボジアのプノンペンでは、JICAが北九州市の協力により実施した「水道事業人材育 成プロジェクト」により、1993年に70%程度であった無収水率が、2006年には8%と飛躍 的に改善し、「プノンペンの奇跡」といわれる大きな成果を上げている。 ②フィリピンのマニラでは、三菱商事が、地元の大手財閥であるアヤラグループと組んで 民営化事業に応札し、同市の東部地区590万人を管轄する水道会社(マニラウォーター) を設立した。地道な意識改革と設備投資が功を奏し、設立当時(1997)の無収水率63% は劇的に改善し、2008 年には20 %にまで低下している。 6 ■世界の上・下水道料金 下図は、世界の主要な都市の上・下水道料金を示したものであり、特に東南アジアでは東京の10分 の1程度の極端に小さい数値である。水道は住民生活等で不可欠ゆえに、水道料金が時に政治的な 道具として扱われ、原価を下回る程度に低く抑えられてきた経緯がある。 下水道料金については、発展途上国では、下水道サービスへの料金の「支払い意志額」は上水道以 上に低い傾向があり、ホーチミンでは水道料金の10分の1程度とされている。 主要都市における上・下水道料金 (「水道ホットニュース第223号」((財)水道技術研究センター、2010)) 7 東京都の水道料金の事例 ●水道料金(1か月分) (平成17年1月1日から適用) ㎥ 従量料金 呼び径 (メータ口径) 基本料金 13 mm 860 円 20 mm 1,170 円 25 mm 1,460 円 一般 30 mm 3,435 円 用 40 mm 6,865 円 50 mm 20,720 円 75 mm 45,623 円 100 mm 94,568 円 201 ~ 1,000 1 ~ 5 6 ~ 10 11 ~ 20 21 ~ 30 31 ~ 50 51 ~ 100 101 ~ 200 0 円 1に つき 22 円 1に つき 128 円 1に つき 163 円 1に つき 202 円 1に つき 213 円 1に つき 298 円 1に つき 372 円 1に つき 404円 1に つき 298 円 1に つき 372 円 1に つき 404円 1 につき213円 ※汚水排出量は、水道ご使用量と同量とみなして算出します。 1 につき372円 1,001 以上 1に つき 404 円 1 につき404円 8 ● 下水道料金(1か月分) (平成10年6月1日から適用) ㎥ 料率 汚水の種別 0 ~ 8 9 ~ 20 21 ~ 30 31 ~ 50 51 ~ 100 101 ~ 200 201 ~ 500 501 ~ 1,000 1,001 以上 一般汚水 560円 1に つき 110円 1に つき 140円 1に つき 170円 1に つき 200円 1に つき 230円 1に つき 270円 1に つき 310円 1に つき 345円 浴場汚水 280円 1 につき35円 ● 水道料金計算事例(通常の場合) ※呼び径20ミリで1か月24㎥使用した場合の料金 水道料金 (基本料金1,170円 +従量料金2,042円)*1.05=3,372円 下水道料金 従量料金2,440円 *1.05=2,562円 合計 3,372円 +2,562円=5,934円 1㎥あたりの料金は約247円となる。 9 10 水ビジネスPPP 事業スキーム案 (リスク小) 住 民 固定費(エスカレーション) (建設費+運営費) 融資 SPC 金融機関等 返済 (施設設計・建設+事業運営) ①上水(飲める水)供給 (浄水場建設・運営) ②下水処理 (処理場建設+技術指導サービス) バルク 供給 下水の処理サービス 施設建設/譲渡 上水・下水料金 支払い 上水の各戸供給サービス 公共事業体 上水公社 下水処理 委託契約 下水公社 11