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エンタープライズIT総合誌 月刊ビジネスコミューニケーション(Webサイトへ)

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エンタープライズIT総合誌 月刊ビジネスコミューニケーション(Webサイトへ)
エンタープライズIT総合誌 月刊ビジネスコミューニケーション(Webサイトへ)
INTERVIEW
情報通信ネットワークに関する高度なスキルとノウハウを有するわが国屈指のエンジ
ニアリング集団である NTT-ME。全国規模の顧客に対し、情報通信ネットワークの企
画・設計・構築から保守・運用までをワンストップで提供できる強みを活かし、ソリ
ューションエンジニアリングビジネスを積極展開する NTT-ME ・ソリューションビジ
ネス事業部の取組み状況について、藤井敏孝取締役にうかがった。
ネットワークエンジニアリング
業務の中核部隊
ジネスを展開しています。NTT東日
NTT-ME 取締役
本様やNTTコミュニケーションズ様
ソリューションビジネス事業部長
が獲得した法人ユーザ向けビジネス
藤井 敏孝氏
―まずはじめに、ソリューションビ
の一部を受け持つというのが我々の
ジネス事業部の概要からお聞かせくだ
主要ミッションです。したがって、
直接アプローチすることは基本的に
さい。
主なお客様は、NTT東日本様、NTT
はありません。
我々ソリューションビジネ
コミュニケーションズ様等の法人部
―内部の組織構成は…。
ス事業部は、NTT 東日本の構造改
門であり、その先のエンドユーザに
藤井
藤井
革の一貫で設立された設備系業
N
T
T
−M
E
N
T
T
−M
E
務のアウトソーシング会社であ
NWB事業本部
NWB事業本部
る NTT-ME 東京の SI 部が母体と
なっています。昨年7月、構造
改革ステップ2で NTT-ME のネ
ットワークビジネス事業本部 SI
部として再スタートし、昨年 10
月1日、SI 部を再編するととも
にブロードバンドビジネス事業
H17.
9末
S
I
部
S
I
部
S
I
企画担当
S
I
企画担当
第2
ソリューション営業担当
第2ソリューション営業担当
進していた部隊が合流し、ビジ
ビルソ
リューション担当
ビルソリューション担当
ネスソリューション事業部とし
コーディ
ネートセンタ
コーディネートセンタ
企画・設計・構築から保守・運
用までを、全国規模のお客様に
対しワンストップで提供するソ
リューションエンジニアリングビ
76
主な業務
ソリューションビジネス事業部総括、事業
事業計画の実行管理、ISO 等
企画部門
第一ソリューションビジネス部門
(持株+東日本+グループ会社)
NTT東日本BU本部様等からの情報通信NW工事・
保守の受託、
システム化提案(支援)、
ビルソ
リューション営業、施工管理 等
第3
ソリ
ューション営業担当
第3
ソリューション営業担当
ソリ
ューション
SE担当
ソリューションS
E担当
現在、情報通信ネットワークの
ソリ
ューションビジネス事業部
ソリューションビジネス事業部
第1
ソリ
ューション営業担当
第1
ソリューション営業担当
部でセキュリティビジネスを推
て現在の体制が確立されました。
組織の概要は図1に示すよ
第二ソリューションビジネス部門
(Com+グループ会社)
第三ソリューションビジネス部門
(セキュリティ商材ビジネス)
NTT-Com法人営業本部様等からの情
報通信NW工事・保守の受託、
システム
化提案(支援)、施工管理 等
NTT東日本BU本部様と連携したセキュリティ
ソリューション営業、
セキュリティ製品販売、
システム化提案(支援)等
ソリューションサポー
トセンタ
ソリューションサポートセンタ
B
B部
B
B部
ソリューションエンジニアリング部門
(NW+端末開通調整ビジネス)
NW+端末工事の総合調整、回線調整、
インフラ
設備点検調査、
NW診断、
SM、全国各社との
工事・保守調整、
アライアンスパートナー
契約 等
・セキュリティ
情報S
C 情報S
C ・ソリューション
図 1 ソリューションビジネス事業部の組織概要
ビジネスコミュニケーション
2006 Vol.43 No.6
エンタープライズIT総合誌 月刊ビジネスコミューニケーション(Webサイトへ)
● INTERVIEW
うに、企画部門、3つのソリューシ
豊富なノウハウ/スキルと
全国型案件への対応力が強み
ョン部門、そしてソリューションエ
ンジニアリング部門の5部門からな
します。各拠点ごとのエンジニアリ
ングには、エンドユーザとの調整、
施工パートナーとの調整を含めいろ
―どのような特長・強みがあるとお
んな工程がありますが、それをすべ
考えですか。
てまとめて我々が一元窓口となって
ションは、第一ソリューションビジ
藤井
やはり我々の一番の特長で
対応しますので、全国一斉切替や短
ネス部門と第二ソリューションビジ
あり強みは、ネットワーク総合エン
納期開通など多様化するお客様のニ
ネス部門の2部門はお客様で区分し
ジニアリング企業として、NTT の
ーズに即応することができます。
ており、第一が NTT 東日本様、第
ネットワークを責任を持って支え続
― NTT 東日本や NTT コムの法人営
二が NTT コミュニケーションズ様
けてきた経験とノウハウであり、高
業部門にとっては、全国型のネットワ
向けのビジネスを推進しています。
度なスキルを持つエンジニアを多数
ークあるいはユーザ設備の工事につい
また、第三ソリューションビジネス
抱えているという点です。NTT グ
て、いかに効率的に短期間で実施する
部門は、NTT 東日本様と連携した
ループのユーザネットワークのエン
かが大きなポイントになる…。
セキュリティソリューションの展開
ジニアリングに関する技術者が、
藤井
を主軸に、セキュリティ商材ビジネ
我々のところに集結しているといっ
内でお客様納期をきちっと守ってい
スを推進する部隊です。ソリューシ
ても過言ではありません。
くこと、そしてお客様からご満足を
っており、総勢約260名の陣容です。
企画部門を除く3部門の主要ミッ
そうですね。限られた期間
ョンエンジニアリング部門は、ネッ
また、全国にまたがる案件のネッ
いただけるよう品質を維持しながら
トワーク及びユーザ設備工事・保守
トワーク回線調整や工事・保守に関
デリバリ業務を実施していくことが
の総合調整ビジネスを展開していま
するスキームが確立されており、効
たいへん重要です。
す。
率よく実施できる体制が整っている
―競合会社は、通建会社ですか。
という点も大きな強みです。
藤井
LAN / WAN、IP − NW、セキュリ
―ネットワークの全国一斉切替とい
りません。むしろ、私どもは設計、
ティなどの情報通信ネットワークの
ったニーズにも対応できる。
施工管理は行うものの、施工自体は
設計、施工管理、保守運用といった
藤井 全国の多拠点に対する煩雑な
県域総合会社やパートナー企業にお
ソリューションエンジニアリングビ
ネットワーク回線調整業務、及び工
願いしていますので、この分野のパ
ジネスを展開しています。
事・保守の調整業務をワンストップ
ートナーとして協業することが多い
で手配し、工事進捗の管理を実施し
ですね。
事業領域は、図2に示すように
競合することはほとんどあ
ます。全国的な大規模工事案件の場
合には、全国工事調整とネットワー
分野
ク回線調整機
業 務
能を活用する
セキュリティ
I
PーNW
・VPN
・Vo
I
P
・PBX 等
コンサルティング・ 保守・運用
基本設計
施工・施工管理 実施設計
システム提案
全国工事調整
LAN/WAN
・NWサービス
・C/S
・配線 等
NW回線調整
図 2 ビジネス MAP
ビジネスコミュニケーション
2006 Vol.43 No.6
平成 17 年度は 3 つの柱からなる
施策を展開
ことにより、
― 昨年 10 月、事業部体制を確立さ
ネットワーク
れ、初年度はどのような施策を展開さ
回線開通から
れましたか。
ユーザ設備工
藤井
事の完了まで
スによる収益拡大、③経営マネジメ
をワンストッ
ントの確立の3つを柱とする施策を
プ体制で実施
展開しました。
①収支改善、②新規ビジネ
77
エンタープライズIT総合誌 月刊ビジネスコミューニケーション(Webサイトへ)
収支改善施策としては、事業運営
元調整機能の試行運用を開始しまし
きましたが、昨年7月で3つの認証
体制の見直しです。営業と SE の一
た。これは、本年4月より本格運用
すべてについて、事業部内の全担当
体的運用によるビジネス受注・構築
を開始しています。アクセス回線を
に範囲を拡大して取得しました。現
力の強化、さらには設計と施工を通
ISDN や専用線から B フレッツに移
在、ISO9001、ISO14001、ISMS の
しで実施し、さらなる効率化を図っ
行する企業が増えており今後ますま
3つのマネジメントシステムを軸
ています。
す重要となってきます。3つ目は全
に、事業部の経営マネジメントを行
新規ビジネスによる収益拡大につ
国 SI / NI の同時工事調整です。製
っていますが、今後は、マネジメン
いては、3つの取組みに注力しまし
造業や流通業などで、全国の数千店
トシステム間の統合化を図り、図3
た。1つはシンクライアント方式の
舗のネットワークとお客様設備を半
に示すような統合マネジメントシス
Citrix 社製「AccessGateway」を利
年間から1年かけて変更するといっ
テムによる効率的な運用の仕組みを
用した NTT 東日本・ビジネスユー
た大規模案件が徐々に増えており、
構築していきたいと考えています。
ザ事業推進本部様との協業による新
これについても我々のところがコン
たなセキュリティソリューション構
トロールセンタとして一元的に対応
築体制の確立です。これにより、
しています。
NTT 東日本様が「Ubiffice(ユビフ
―経営マネジメントの確立について
ィス)データアクセスソリューショ
は、どのような取組みを行いましたか。
― 平成 18 年度の事業運営方針をお
ン」として本年3月より提供を開始
藤井
聞かせください。
しましたが、我々が設計からシステ
にした収支マネジメント管理を実施
藤井
ムの構築・運用・保守までをトータ
したほか、企業コンプライアンス遵
の中期計画を策定しスタートしてい
ルに行っています。2つ目は、法人
守の強化・拡大に向け ISMS の適用
ますが、その中で、平成 19 年度に
ユーザに対する B フレッツデリバリ
範囲を拡大しました。3年ほど前か
黒字化を目指す事業部方針として、
業務の納期短縮を図るために、
ら ISO9001(品質)、ISO14001(環
「プラン 101」を掲げています。こ
NTT 東日本設備部様と協同して SO
境)、ISMS(情報セキュリティ)
れは、平成 19 年度に売上 100 億円で
(サービスオーダー)処理、全国一
認証について、組織単位で取得して
黒字化を達成しようというもので
「プラン 101」の実現に向け選択
と集中でコアコンピタンスを活す
部門単位の収支責任を明確
平成 17 年から始まる3カ年
ISMS
・情報セキュリティ対策の徹底
・リスクマネジメントの継続的実施
・グリーン購買/エコ材料調達の推進 ・エコオフィス活動の推進 ・適正な廃棄処理
ISO9001
・業務標準化の推進
・品質管理活動の実施
統合マネジメントシステム
マネジメントレビュー・内部監査・人材育成・情報管理
図 3 ソリューションビジネス事業部の
統合マネジメントシステム
78
(ISO9001・ISO14001・ISMS)
ISO14001
経
営
マ
ネ
ジ
メ
ン
ト
プ
ロ
フ
ェ
ッ
シ
ョ
ナ
ル
ネス
ビジ
バリ
デリ
NI
SI/
国
全
継
続
的
改
善
ソリ セキ
ュー ュリ
ショ ティ
ンビ
ジネ
ス
○お客様の期待に応えるサービス品質提供
○自然環境保全につとめ環境に配慮した事業活動
○お客様に真に信頼されるIT/ネットワークパートナー
I
T
・
技
術
者
アウトソーシングビジネス
図 4 ソリューションビジネス事業部のビジネスプラン
ビジネスコミュニケーション
2006 Vol.43 No.6
エンタープライズIT総合誌 月刊ビジネスコミューニケーション(Webサイトへ)
● INTERVIEW
す。平成 18 年度はその前段階とし
ジネス展開にも注力していきます。
てさらなる収支改善を図り、平成
ビジネスの展開にあたっては、リ
19 年度の黒字化につなげていくこ
ソースの機動的配置はもちろん、
にも御協力いただいて一緒になって
取り組んでいます。
―3つ目の重点施策についてお聞か
とを考えています。SI ビジネスで
「営業と SE」、「提案/設計 SE と構
黒字化を図るのはなかなか大変です
築 SE」の一体型または分離型の使
藤井
が、売上の拡大はもちろん、利益管
い分けも、ビジネス規模、技術的難
策ですが、プロフェッショナル技術
理と業務改善を進めて、何とか実現
易度、ストックビジネス型/フロー
者の育成拡大です。ビジネス拡大に
したいと考えています。このため、
型などにより柔軟に対応していくこ
向けて、PMP、IP-PBX、サーバ、
昨年度からの継続施策を含め、大き
とが重要と考えています。
セキュリティ技術者等の育成に力を
く分けて3つの重点施策を展開して
第二に、収益改善には経営マネジ
せください。
第三は、従来からの継続施
入れています。
います。
メントに基づく継続的な業務改善が
―重点施策のポイントをお聞かせく
不可欠であり、特に①間接業務の削
ださい。
減と共通化、②データのリアルタイ
藤井
まず第一に、限られたリソ
ム管理と精度向上による収支管理
ースの中で、売上拡大と収益改善を
③チームプレーとチームマネジメン
―最後に、藤井取締役の今後の抱負
図るためには、選択と集中によって
トによる CS / ES の向上について
をお聞かせください。
我々の強みを活かすことが重要で
重点的に取り組んでいます。
藤井 私は、NTTグループとしての
す。このため、18 年度は主に①全
―具体的な取組みの例をお聞かせく
中期ビジョンの中で、ソリューショ
国 SI / NI デリバリビジネス、②
ださい。
ンビジネス拡大に向けて、NTT-ME
OS(アウトソーシング)ビジネス、
藤井
例えば、案件ごとに徹底し
の我々の部隊がソリューションエン
③セキュリティソリューションビジ
た収益管理を行うために、提案、受
ジニアリング分野で最大限の貢献を
ネスの3つのビジネスに注力してい
注、売上時の各ポイントで収入と費
していくことが重要であると考えて
きます。
用をきちんと把握し、GAP 分析と
います。そのためにはまず、身近な
対策をつくるビジネスマネジメント
目標を着実に達成していくことが大
常駐し、ネットワーク及び情報シス
システムをつくり活用しています。
事であると。話が少しそれますが、
テムを含めてトータルで運用・保守
これによりビジネスプロセスと結果
ビジネスはゲーム、特にラグビーの
するストックビジネスを核に、フロ
としての売上・利益実績を継続的に
ような組織型スポーツゲームと似て
ービジネスであるネットワークの追
管理しています。また、チームプレ
います。チーム戦略を立て、個々の
加・変更・新設などの工事について
ーとチームマネジメントについて
力とチーム力をアップし、長いリー
設計段階からの受注に結びつけよう
は、いくつかの共通課題について部
グ戦を一戦、一戦ゲームプランをつ
というものです。すでに数社の実績
門間にまたがった WG を立ち上げ活
くりながら試合に臨み、負けたら、
を有していますが、この常駐保守ビ
動しています。例えば、LAN /
敗因を分析して次のゲームに活かす。
ジネスについて、NTT東日本様及び
WAN、PBX などネットワークエン
ビジネスもまったく同じだと思いま
NTTコミュニケーションズ様と緊密
ジニアリングを効率的に行うため
す。ゲームは勝って面白くしないと
に連携しながら新規顧客を開拓し、
に、「設計・施工業務の効率化 WG」
長続きしないですからね…。
ストックビジネスを拡大していきた
で業務フローの共通化と一体的運用
―本日は有り難うございました。
いと思っています。FMC(Fixed
への取組みを始めています。さらに、
Mobile Convergence)への新たなビ
工事をお願いするパートナー企業様
OS ビジネスは、お客様サイトに
ビジネスコミュニケーション
2006 Vol.43 No.6
ビジネスはゲーム
勝って面白くする
(聞き手・構成:編集長 河西義人)
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