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事 業 報 告 書 - JISF 一般社団法人日本鉄鋼連盟

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事 業 報 告 書 - JISF 一般社団法人日本鉄鋼連盟
平成25年度
事
業
報
告
書
平成26年5月
一般社団法人 日本鉄鋼連盟
目
次
頁
平成 25 年度の主要な活動概要 ........................................................................................ 1
Ⅰ
1.事業環境の国際的イコール・フッティング実現に向けた提言活動 ............................ 1
2.国内外の社会基盤づくりに寄与する市場開拓活動の推進 ........................................... 3
3.アジアにおける事業活動強化に向けた取り組み ......................................................... 3
4.健全な自由貿易体制の確立に向けた取り組み ............................................................. 4
5.地球温暖化問題への的確な対応及び国際連携を含めた積極的な展開......................... 6
6.鉄鋼原料の安定確保に向けた業界横断的な取り組みの積極的推進 ............................ 8
7.安全水準向上に向けた取り組み ................................................................................... 8
8.資源の有効利用と循環型社会構築に向けた活動の推進 .............................................. 9
9.環境保全に向けた活動の推進....................................................................................... 9
10.鉄鋼業の社会的認知度アップを目的とした活動 ......................................................... 9
11.重要な標準化の推進 ................................................................................................. 10
12.日本鉄鋼連盟の運営に係わる諸課題への対応......................................................... 10
平成 25 年度の分野ごとの主要業務の概要 .................................................................. 11
Ⅱ
1.事業環境の国際的イコール・フッティング実現に向けた提言活動 ........................ 11
2.市場開発関係 ............................................................................................................ 12
3.アジアにおける事業基盤強化に向けた取り組み ..................................................... 19
4.環境・エネルギー・技術関係................................................................................... 19
5.国内外の鉄鋼需給動向調査関係 ............................................................................... 25
6.通商問題、国際協力関係 .......................................................................................... 27
7.法規・財務関係 ........................................................................................................ 30
8.鉄鋼原料の安定確保に向けた環境整備関係 ............................................................. 31
9.物流関係 ................................................................................................................... 32
10.特殊鋼関係 ............................................................................................................... 33
11.労働関係 ................................................................................................................... 33
12.IE・JK 関係(プロジェクト事業) ........................................................................ 35
13.統計関係 ................................................................................................................... 36
14.電子商取引関係 ........................................................................................................ 37
15.情報管理関係 ............................................................................................................ 37
16.広報関係 ................................................................................................................... 38
17.社会貢献活動への取り組み ...................................................................................... 40
18.標準化センター関係 ................................................................................................. 41
19.日本鉄鋼連盟の運営に係わる諸課題への対応......................................................... 41
20.その他....................................................................................................................... 42
21.主要行事 ................................................................................................................... 42
Ⅲ
会 員 ・ 役 員 ..................................................................................................... 44
Ⅳ
会 議 ........................................................................................................................... 46
Ⅴ
事業報告の附属明細書 ................................................................................................. 51
Ⅰ
平成 25 年度の主要な活動概要
鉄鋼業を取り巻く環境は、デフレ脱却に向けた経済政策の実施による国内需要の持ち直しか
ら、平成25年度の粗鋼生産量は3年振りに1億1,000トンを上回り、数量的には回復が鮮明とな
ったものの、電炉業界ではエネルギーコストの上昇等から厳しい事業環境が続いた他、世界全
体で5億4,200万トン程度(OECD推計)とされる需給ギャップが重しとなり、新興国経済の成
長スピードが鈍化したこともあって、輸出マーケットは、主力のアジア市場等で軟化基調を辿
るとともに、鉄鋼製品を巡る保護主義的な動きが拡がりをみせた。
日本鉄鋼連盟(以下、
「鉄連」という。)では、国内での円滑な事業活動を阻害する問題を解
消し、企業が持てる力を最大限に発揮し得る環境を整えるとの観点から、政府に対して、
“電気
料金値上げ影響の緩和に関する緊急要望”
(電力多消費型産業10団体で共同実施)や日本経済の
持続的成長を確実なものとするため“産業競争力強化等に資する税制要望”
(製造業関係9団体
で共同実施)を行った他、TPP等の経済連携に向けた政府の取り組みに積極的な協力を実施し
た。
また、国内各地域の防災水準の向上や安心・安全な社会基盤形成に貢献すべく鉄鋼業が培っ
てきた鋼構造技術・工法の提案・普及活動を推進するとともに、東南アジア地域における日本
鉄鋼業のプレゼンス向上に向けた活動や鉄鋼貿易の秩序ある発展、業界の安全水準向上、地球
温暖化等環境問題にも積極的に取り組んだ。地球温暖化への対応では、昨年度に鉄連が提案し
て国際規格化されたISO14404(鉄鋼CO2排出量・原単位計算方法)に加え、新たにISO50001
(エネルギーマネジメントシステム)を取得、日本の省エネ技術リストと組み合わせることで、
特定の国とタイアップした日本鉄鋼業の環境対策技術を使っての地球温暖化防止取り組みにお
けるパッケージを完成させ、日本型エネルギー管理手法の普及・啓発に取り組んだ。
1.事業環境の国際的イコール・フッティング実現に向けた提言活動
(1)喫緊の電力問題への対応
・ 平成 24 年 9 月の東京電力の電気料金値上げ以降、関西電力・九州電力(平成 25 年 4
月)、四国電力(平成 25 年 7 月)、東北電力・北海道電力(平成 25 年 9 月)と、電
力会社の料金値上げが相次ぐこととなったが、全国レベルでの電気料金値上げの動きは、
電炉業等の電力多消費産業への影響が極めて甚大であるため、鉄連、新金属協会、日本
金属熱処理工業会、日本鉱業協会、日本産業・医療ガス協会、日本チタン協会、日本鋳
造協会、日本鋳鍛鋼会、普通鋼電炉工業会、特殊鋼会の 10 団体連名による共同要望書
「電気料金値上げ影響の緩和に関する緊急要望」を取りまとめ、環境大臣(平成 25 年
6 月 19 日)並びに経済産業大臣(平成 25 年 6 月 21 日)に提出し、政府に対して、速
やかな原発再稼働に向けて、原子力規制委員会の審査において予算、人員面で万全な体
制を組むことや、省エネ補助金の柔軟な運用等による省エネ投資支援策の一層の充実、
金融、税制等あらゆる政策手段による電気料金値上げの影響緩和を要望した。
・ この結果、省エネ補助金については、平成 25 年度当初予算の 310 億円に対して、平成
25 年度補正予算及び平成 26 年度予算を併せて 560 億円と、予算規模の拡大が図られ
た他、補助対象について、鉄鋼業界から要望していた「製造プロセス」への適用が明記
1
された。また、税制面では、平成 26 年度税制改正において、エネルギー効率や生産性
の向上に資する設備投資について、即時償却や税額控除等の措置が取られることとな
った。
・ その後も、中部電力が平成 26 年 4 月からの電気料金を値上げを申請した他、北海道
電力は電気料金再値上げについて言及する等、電力多消費型産業を取り巻く環境は厳し
さが増幅しており、エネルギーコストの上昇等を理由に事業からの撤退を決断する企業
が発現する等、電気料金の値上げが事業継続を阻む一因となっている。こうした状況を
踏まえ、前述の 10 団体に日本ソーダ工業会を加えた電力多消費産業 11 団体は、平成
26 年 4 月の「エネルギー基本計画」の閣議決定後のしかるべきタイミングを見極めつ
つ、電気料金上昇の緩和策等を盛り込んだ共同要望書の取りまとめに向けて準備作業
を実施した。
(2)産業競争力の強化を通じた健全な成長戦略の確保
・ 成長戦略に設備投資マインドを刺激する税制措置等が盛り込まれるよう、 平成 25 年
6 月に、経済再生担当大臣及び経済産業大臣に対し、製造業関係 9 団体(鉄連、電子情
報技術産業協会、日本化学工業協会、日本機械工業連合会、日本造船工業会、日本電機
工業会、石油連盟、電気事業連合会、日本自動車工業会)連名で「産業競争力強化等に
資する税制要望」を提出した。本要望書では「法人実効税率の更なる引下げ」、「償却
資産課税制度の抜本的見直し」、「国内における投資収益性を確保し、老朽更新投資も
含めた製造業の設備投資や研究開発投資に向けた投資マインドを刺激する税制措置」へ
の対応を要望した。
・ 鉄連では、政府が平成 25 年 6 月に取りまとめた『日本再興戦略』
(成長戦略)に盛り
込まれた設備投資減税等の税制措置が、年度改正に先立って検討されるのに備え、平
成 25 年 7 月に、①法人実効税率のさらなる引き下げ、②償却資産に対する固定資産税
の縮減・廃止、③設備投資を促進する税制措置の拡充、④研究開発促進税制の拡充、
⑤事業再編を円滑に促進するための税制の措置を要望内容とする「成長戦略に係る税制
改正に関する意見」を取りまとめるとともに、平成 25 年 8 月には、製造業関係 9 団体
と共同で「『日本再興戦略』に係る税制改正に関する共同要望」を取りまとめ、経済産
業大臣及び与党関係者等への共同要望活動を展開した。
・ この結果、平成 25 年 12 月に決定した与党の平成 26 年度税制大綱では、 成長戦略に
係る税制改正として「生産性向上設備投資促進税制」、「事業再編を促進するための税
制」が平成 28 年度までの措置として創設されたほか、研究開発促進税制の拡充・延長
措置が講じられた。一方、法人実効税率の引下げ、償却資産に対する固定資産税の見直
しについては継続検討とされた。
(3)国際競争環境整備に向けた政府の取り組みへの協力
・ 日本政府が行う環太平洋経済連携協定(TPP)、日 EU EPA、日中韓 FTA 等、現在交
渉中の経済連携協定(EPA)交渉に関し、交渉が加速するよう日本政府に積極的に協
力した。
・ TPP 交渉においては、TPP 政府対策本部が業界団体を対象に実施した「日本のTPP
2
交渉参加に関する意見募集」に対し、当連盟関係委員会からの意見・要望を提出すると
ともに、TPP 政府対策本部に対し直接、提出した意見・要望の説明と関連情報の提供
を行った。日本の正式交渉参加以降も業界団体向け説明会に参加するなど、関連する情
報の収集に努めた。
・ 発効済 EPA については、日タイ EPA に基づく技術協力を遂行したほか、EPA におけ
る課題解決に向け、協定で合意されている一般見直しが実施されるよう日本政府に働
きかけを行った。
2.国内外の社会基盤づくりに寄与する市場開拓活動の推進
(1)防災や老朽化した社会基盤の整備に向けた提案活動の積極展開
・南海トラフ地震や内陸直下型地震等大規模地震の発生が想定されていることを踏まえ、
広く国内各地域の防災水準の向上に貢献すべく、平成 24 年度に取りまとめた「鋼構造
による『災害に強い社会資本整備』に向けた提案」を用いて、神奈川県、茨城県、和歌
山県、高知県の防災対策関係者等に鋼構造の技術・工法を活用した提案・普及活動を実
施するとともに、メディア取材対応や広告掲載による情報発信にも取り組んだ。
・ 国土強靭化担当大臣と国土強靭化の取り組みへの貢献等について意見交換を行った。
(2)安全・安心な社会基盤づくりに資する研究活動の実施
・ 津波・液状化・長周期地震動対策等に対する新たな技術的課題について研究を進める
とともに、基準化・法制化に向けた取り組みを展開した。
-建築分野:
「長周期地震動を受ける超高層鉄骨ビルの安全性検証方法」、「鉄骨造建
物の耐津波安全設計技術」確立に向けた研究等を継続実施。
-土木分野:国土強靭化施策による地震・津波対策に資するべく、河川堤防および防波
堤・海岸保全施設を「粘り強く」するための鋼材利用技術確立、鋼矢板を
用いた堤防補強工法・堤防液状化対策工法の設計法提案等に向けた実験・
解析を推進。
(3)アジア新興国における鋼構造普及と基準化・法制化に向けた活動の展開
・ カンボジアにおいて、シンパ形成と鋼構造技術の底上げを目指し、鋼構造普及のファー
ストステップとして、平成 26 年度に現地政府機関・学術機関と共同で鋼構造技術普及
セミナーを開催することで、現地カウンターパートの公共事業運輸省およびカンボジア
工科大学と合意した。
・ 海外向け鋼構造技術 PR 誌について、アジア諸国の読者への PR を意識した企画内容と
するとともに、読者にとってより魅力的な冊子とすべく、読者アンケートを実施、併せ
て配布先の見直しを行った。
3.アジアにおける事業活動強化に向けた取り組み
(1)アジアにおける通商問題対応体制の強化
・ アジアにおける通商問題対応力の強化に向け、鉄連事務局職員を 5 カ月間(第1期:6
月~8 月、第 2 期:10 月~12 月)マレーシアに派遣し、ASEAN 地域での鉄連事業活
3
動強化のための実現可能性調査を実施した。
・ 本調査を通じて ASEAN 各国鉄鋼団体と鉄連の人的ネットワークが構築されるととも
に、以下の 3 点が確認できたことから、平成 26 年度もマレーシアに事務局職員を派遣
して平成 25 年度と同様の活動を継続し、現地事務所の開設に向けた検討を進めること
とした。
- 情報収集能力が向上し、通商摩擦の未然防止に有効である。
- ASEAN 域内の個別通商案件への迅速な対応や定期的な情報提供に対して会員企業
に高いニーズがある。
- 通商問題発生時に現地事務所として地の利を生かした通商関連の諸活動が実行可
能である。
(2)東南アジア鉄鋼協会(SEAISI)との交流促進に向けた取り組み
・通商分野 : SEAISI 事務局との間で事務局ベースでの人的交流を重ね、鉄連事務局職
員が SEAISI の通商関係委員会(TPRCO)に 2 回(6 月、11 月)参加し、
日本と ASEAN 地域との鉄鋼需給動向等について意見交換を実施すると
ともに、ASEAN 鉄鋼評議会(AISC)の動向把握に努め、平成 26 年度以降
の交流促進に向けた働きかけを行った。
・環境分野 : 平成 26 年 2 月に、
「経済産業省・アジア産業基盤強化等事業」の一環と
して、「日 ASEAN 鉄鋼官民協力会合」を東京で開催し、日本および
ASEAN の鉄鋼関係者間で ASEAN 鉄鋼業界にふさわしい省エネ技術を
掲載した「技術カスタマイズドリスト」のドラフトを共有し、ISO14404
を用いた自律的改善のための鉄鋼業のエネルギー管理手法の普及・啓発
を行った。
・標準化分野: マレーシア(平成 25 年 2 月)、タイ(平成 25 年 6 月)
、インドネシア(平
成 25 年 11 月)を訪問し、SEAISI の関連委員会および各国政府の標準
局と会議を開催し、今後の協力体制構築について協議を行った。
4.健全な自由貿易体制の確立に向けた取り組み
(1)通商問題等への対応
世界的な鉄鋼需給の緩和から、アンチダンピング(AD)措置やセーフガード(SG)措置
などの貿易救済措置の発動やアジア諸国を中心として鉄鋼貿易に対する多様な保護貿易
的措置の導入が続いたため、国際鉄鋼市場における通商摩擦動向を把握するとともに、通
商問題発生時には、日本政府や現地関係者と連携の下、その早期解決に努めた。平成 25
年度における主な対応状況は以下の通りとなっている。
① 日本を対象とした貿易救済措置に係わる対応
・ 中国
- 高性能ステンレス継目無鋼管に対する AD 税賦課決定に関する WTO 紛争解決手
続きにおいて、日本政府に協力した。
- 合金鋼継目無鋼管を対象とした AD 調査について、調査対応を行った。
4
・ インドネシア
- 冷延鋼板 AD 調査について、平成 25 年 3 月、クロの最終決定が下されたため、特
定用途に使用される日本製鋼材への適用除外措置の実現に向け、インドネシア政
府に対する働きかけを継続的に実施した。
-線材を対象とした SG 調査に対し、当局への意見書提出および公聴会での証言等、
調査対応を行った。
・ 豪州
- 形鋼並びに合金鋼厚板を対象とした AD 調査に対し、初期対応を実施した。
・ カナダ
- 非合金鋼厚板を対象とした AD 調査に対し、日本製鋼材の輸出が同国の鉄鋼産業
に損害を及ぼした事実はないとする意見書を提出した。
・ 米国
- 継続中の AD 措置に係るサンセット見直し対応に加え、日本が対象国に含まれた
3 件の新規 AD 提訴(ニッケルメッキ鋼板、方向性電磁鋼板、無方向性電磁鋼板)
において、意見書提出および公聴会での証言等、調査対応を行った。
・ タイ(非合金鋼熱延鋼板・厚板)
、フィリピン(溶融亜鉛めっき鋼板およびカラー鋼
板)
、インド(継目無鋼管)
、コロンビア(溶融亜鉛めっき鋼板、線材、棒鋼、形鋼、
継目無鋼管)等での SG 調査において、意見書の提出および公聴会での証言等の調
査対応を行った。
・ 米国、韓国、台湾、メキシコ等においてわが国から輸入される鉄鋼製品に対して新
規に通商法提訴を実施する動きがあったことから、関連情報の収集や関係者への働
きかけを行い、通商摩擦の発生の未然防止に努めた。
② 非関税障壁問題への対応
・ インドでの鉄鋼製品 9 品目に対する強制規格化について、日本政府や現地関係者と
連携してインドの関係当局に適用除外等の働きかけを行い、一部の用途の適用除外
や導入時期の延期が認められた。
・ 台湾での溶融亜鉛めっき鋼板に対する適合性評価手続きの導入の動きに対応し、台
湾当局に適用除外措置および導入延期等の働きかけを実施し、自動車・二輪車、再
輸出向け等の適用除外および 3 か月間の導入延期が実現した。
・ マレーシアにおける適合性評価手続の運用厳格化や輸入ライセンス制度等保護主義
的な鉄鋼政策の導入、インドネシアの船積前検査およびベトナムの輸入ライセンス
制度、ベトナム、中国、韓国における強制規格導入懸念や、メキシコにおける輸入
手続厳格化などの輸入制限的措置に関する情報を収集し、問題の早期解決に資する
活動を実施した。
③ 二国間鉄鋼対話への対応
・ 韓国、中国、台湾、タイ、インドネシアの各国との間の鉄鋼対話の開催に向けた政
府の取り組みに積極的に協力し、当該対話を通じ、双方の国内鉄鋼市場に関する理
解促進と国際鉄鋼市場に関する認識の共有化を図り、通商摩擦の未然防止に努め
5
た。
(2)わが国に向けた不公正輸出への対応
・ アジア等での鉄鋼生産能力の増強を背景に、わが国への鋼材輸出圧力が一段と高まり
を見せたことから、関心品目の輸入状況に関するモニタリングの精度向上に努めると
ともに、不公正な貿易への対応が必要となった場合には迅速な対応がとれるよう、関
係各方面との情報共有や連携体制の整備を進めた。
5.地球温暖化問題への的確な対応及び国際連携を含めた積極的な展開
(1)実効性ある国際枠組み構築に向けた取組み
・ 平成 25 年 11 月に開催された COP19 に関係者が参加し、実効性のある国際枠組みが
構築されるよう主要団体と協働して関係国及び日本国政府に対する働きかけを実施し
た他、ワルシャワビジネスダイアログ等のサイドイベントへの参加を通じ、実効性あ
る温暖化対策の構築には、二国間オフセット制度やエネルギー効率向上に関する国際
パートナーシップ(GSEP)における多国間連携など多様なボトムアップ型アプローチ
の組合せが有効であるとの考え方の浸透を図った。
(2)国内の温暖化対策の諸施策への対応
① 地球温暖化対策税の使途拡大等への対応
・ 平成 26 年度税制改正大綱案の策定において、「地球温暖化対策税収の使途を拡大し
て森林吸収源対策に充てるべき」との政治的な動きが活発化したことから、平成 25
年 11 月に、経団連、日商、鉄連等 43 団体(最終的には 88 団体)連名による共同
要望書「地球温暖化対策税の使途拡大等に反対する」を公表するとともに、各団体
と連携し関係者に対して、“産業界は地球温暖化対策税収の使途拡大や新たな税の
創設に反対する”ことの理解活動を展開した結果、与党の平成 26 年度税制改正大綱
において、「森林吸収源対策及び地方の地球温暖化対策に関する財源の確保につい
て、財政面での対応、森林整備等に要する費用を国民全体で負担する措置等、新た
な仕組みについて専門の検討チームを設置し早急に総合的な検討を行う」とされ、
当面、産業界の懸念する事態は回避できた。
② エネルギー基本計画への対応
・ 経済産業省総合資源エネルギー調査会基本政策分科会で取りまとめられた「エネル
ギー基本計画に対する意見」に対するパブリックコメントとして、平成 26 年 1 月に、
「震災後の不安定な電力供給や電気料金の上昇等エネルギーに係る諸問題を課題と
して捉えたことは、国民経済の成長・発展を大きく阻害するという産業界の強い危
機感と軌を一にしている点で、総論として高く評価する」旨の意見を提出するとと
もに、報道関係者に、発出した意見の意味合いとその背景にあるわが国のエネルギ
ー政策の諸課題等を正しく理解してもらうべく、記者説明会を開催した。
③ 再生可能エネルギー固定価格買取制度への対応
・ 平成 26 年 3 月 10 日に提示された「再生可能エネルギー固定価格買取制度における
平成 26 年度新規参入者向け調達価格に対する意見公募」について、太陽光発電の調
6
達価格を抜本的に見直すべきとのパブリックコメントを提出した。
(3)自主行動計画達成の総括と低炭素社会実行計画の推進
・ 産業構造審議会産業技術環境分科会地球環境小委員会鉄鋼 WG(平成 25 年 12 月開催)
にて、自主行動計画(計画期間 1990 年度~2012 年度)において、数値目標(2008 年
度~2012 年度の 5 年平均でエネルギー消費量を 1990 年度比 10%減とする)に対する
5 年平均実績は 1990 年度比 10.7%減となり、目標達成した旨の報告を行った。京都メ
カニズムを使用することなく、省エネ努力だけで目標を達成したことについて、委員
から高い評価を得た。
・ 2013 年度以降については、低炭素社会実行計画として、
「エコプロセス(鉄鋼製造段階
における CO2 削減。総合資源エネルギー調査会で答申されたそれぞれの生産量におい
て想定される CO2 排出量から最先端技術の最大限の導入により 500 万㌧削減。)」
、
「エ
コプロダクト(高機能鋼材の供給による製品使用段階での CO2 削減貢献)
」、「エコ
ソリューション(日本鉄鋼業が開発・実用化した省エネ技術を途上国等に移転・普及す
ることによる CO2 削減貢献)
」、「革新的製鉄技術の開発」を積極的に推進する旨の
報告を行った。
・ 鉄連の自主行動計画および低炭素社会実行計画による地球温暖化対策、省エネの取り
組みについて「エネルギーマネジメントマニュアル」を策定し、産業団体としては世界
で初めて、国際標準化機構が定めるエネルギーマネジメントシステム規格
「ISO50001」を取得した。
(4)国際協力の推進
・ 「日印鉄鋼官民協力会合」や「日 ASEAN 鉄鋼官民協力会合」における二国間連携、
「エネルギー効率向上に関する国際パートナーシップ(GSEP)鉄鋼 WG」における多
国間連携において、それぞれの国・地域にふさわしい環境・省エネ技術を掲載した「技
術カスタマイズドリスト」の策定や、鉄連が提案し、国際規格化された「CO2 排出量・
原単位計算方法(ISO14404)」を活用した日本型エネルギー管理手法の普及・啓発に
取り組んだ。
・ 世界鉄鋼協会(worldsteel)、国際エネルギー機関(IEA)等に対し、わが国鉄鋼業界
の取り組みや考え方を説明する等、情報発信、情報交換等を積極的に実施した。
(5)LCA(ライフ・サイクル・アセスメント)の推進
・ 近年、製造業において LCA 評価、公表の動きが活発化しており、需要家からの対応要
請が今後更に拡大することが見込まれることから、業界として対応力を強化するため、
総合的な対応基盤を構築した。
・ worldsteel で確立された高炉法・電炉法を一つの鋼材循環システムとして評価する
「end of life recycling」を基本とした、鉄鋼業の正しい評価方法について、政府、需要
家及び有識者等に対して理解活動を実施するとともに、worldsteel LCA 専門家会合(平
成 25 年 10 月開催)にて、日本としての「end of life recycling」に基づく LCA の考え
方について説明した。
・ worldsteel LCA 方法論に基づく世界規模での鉄鋼業の LCI データベースの更新が
7
2015 年に実施されることから、国内平均値の公表が可能となるよう会員企業に幅広く
参加を依頼した。
(6)環境調和型製鉄プロセス技術開発(COURSE50)の推進
・ 水素による鉄鉱石の還元と高炉ガスの CO2 分離回収により、生産工程における CO2
排出量を約 30%削減することを目指している COURSE50 プロジェクトについて、10
㎥規模の試験高炉の建設に向けた基本設計を完了し、平成 26 年度の建設開始に向けて、
ほぼ計画通りの進捗となった。
6.鉄鋼原料の安定確保に向けた業界横断的な取り組みの積極的推進
(1)原料安定確保に向けた取り組み
・ インドネシアにおいて、新鉱業法に基づく高付加価値促進施策が実施に移され、平成
26 年 1 月 12 日から、
ニッケル鉱石及び銅鉱石の輸出が全面禁止となったことを受け、
日本政府は WTO 提訴を視野に入れた対応検討に入った。
・ かかる状況を受け、鉄連では、フェロニッケルユーザーの立場から、今後とも経済産業
省、日本鉱業協会に対し可能な側面支援を行っていくこととした。
・ 石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)との情報交換を実施し、原料権益確保
に関する制度改正等について情報の共有化を図った。
(2)効率的・円滑な原料輸送に向けた取り組み
・ 国際海事機関(IMO)において、鉄鉱粉を液状化貨物として取り扱うことについての
審議が継続されたことから、実質的検討を行う鉄鉱粉通信グループ(CG)に対し、国
内関係業界の一員として日本意見の反映に努めた結果、平成 25 年 9 月開催の
IMO/DSC18(第 18 回危険物・個体貨物・コンテナ小委員会)において、鉄鉱粉は液
状化貨物として区分するものの、一定の要件を満たせば非液状化貨物である鉄鉱石と同
様の運送が認められることとなった。
7.安全水準向上に向けた取り組み
・ 点検・整備等の非定常作業における「挟まれ・巻き込まれ」災害の撲滅に向けて、次の
対策を実施した。
- 災害防止に係わる緊急要請の発出を皮切りに、重大災害防止対策の実施状況調査
と対策事例の情報共有化、業態別・地域別分科会における同災害防止をテーマと
したグループ討議等、重点的な対策を展開した。
- 国の指針「鉄鋼生産設備の非定常作業における安全衛生対策のためのガイドライ
ン」の解説書の改訂を企画立案し、中央労働災害防止協会に設置された指針見直し
を検討する委員会に委員を派遣し、指針見直しに関する報告書の取りまとめに協力
した。
- 重大災害防止対策の実施状況調査の結果を踏まえ、IT ツールを活用した安全対策
の普及を図るべく、活用事例調査を行い、各社・事業所より提供された取り組み
事例を会員サイトに掲載し、情報共有化を図った。
8
8.資源の有効利用と循環型社会構築に向けた活動の推進
(1)鉄鋼スラグの利用拡大に向けた活動
・ 鉄鋼スラグ製品の海域利用拡大に向けて、カルシア改質土による海域環境改善事業や海
域用途向け鉄鋼スラグ製品の規格化等に積極的に取り組んだ。
・ 鉄鋼スラグ製品の利用促進を図るうえでの法制度面の課題について、内閣府の規制改革
会議への提案等を通じ関係省庁に積極的な意見具申を行った。その結果として、平成
25 年度においては、廃棄物処理法の「廃棄物該当性」判断に関し、総合判断説(①そ
の物の性状、②排出の状況、③通常の取扱い形態、④取引価値の有無、⑤占有者の意思
等を総合的に勘案して判断)による旨が環境省から自治体に改めて周知された。
(2)鉄鋼副産物の最終処分量減量化に向けた活動
・ 第二次環境自主行動計画〔循環型社会形成編〕鉄鋼副産物(スラグ、ダスト、スラッジ)
の目標(平成 27 年度の最終処分量を 40 万トン程度)達成に向けて、所内外のリサイ
クルを一層促進するとともに、資源の利用促進を図るための規制改革を求める等、再
資源化に向けた取り組みを推進した。
(3)廃プラスチック等廃棄物の製鉄プロセスでの高度利用拡大に向けた活動
・ 循環資源の有効利用や環境負荷低減等への貢献の観点から、鉄鋼業における廃プラスチ
ック等の受入れ拡大を図るべく、関係審議会等を通じ、“材料リサイクル優先の入札制
度を見直して競争原理を取り入れ、社会的に公平な入札制度とすること”、“ 廃プラス
チック等の受け入れ能力と集荷安定化のための解決策として収集対象製品を拡大する
こと”等の意見発信および理解促進活動を行った。
9.環境保全に向けた活動の推進
(1)PCB処理促進に関する活動
・ 微量 PCB の処理促進並びに抜本的な処理費用の低減が図られるよう、微量 PCB のリ
スクを考慮した合理的な処理の枠組みについて、経団連を通じ関係当局に働き掛けを行
うとともに、
微量 PCB のリスクを考慮した安全かつ効率的な処理方法のひとつとして、
トランス等の鉄材に付着した微量 PCB の処理への鉄鋼業の対応可能性について調査・
検討を行った。
10.鉄鋼業の社会的認知度アップを目的とした活動
(1)教員研究組織等との連携によるものづくり教育活動の着実な推進
・ 将来を担う人材となる小学生に鉄鋼業に関する知識を深めて貰うことを目的に、全国
の国公私立小学校に無償配布を行っている社会科副教材「ハツラツ鉄学」と理科副教材
「ワクワク鉄学」について、平成 25 年度は、
「ハツラツ鉄学」
(2,488 校・186,976 部)、
「ワクワク鉄学」
(975 校・129,438 部)の配布を行った。
「ハツラツ鉄学」については、
一貫製鉄所や広報専門委員会会社の事業所が所在する 25 市の教育委員会の協力を得て、
市内全校への配布を実施した。
・ 8 地区(東京都、群馬県、水戸市、横浜市、愛知県、呉市、香川県、福岡県)の社会科
9
教育研究会を窓口として、小学校社会科教諭の製鉄所見学会を開催するとともに(参加
者 230 名)、東京都小学校理科教育研究会との間で、教員向けに“電磁石の実験・工
作を通して知る鉄の不思議な性質と可能性”と題した鉄に関する実技研修会を共同開催
(参加者 22 名)した他、小学校社会科・理科教育組織の研究大会にて副教材の PR 活
動を実施する等、教育現場との繋がりの強化を図った。
・ 小学生を対象とした出張サイエンスショー「鉄の不思議教室」を4地域(北九州、倉敷、
神戸、名古屋 )のミュージアム(参加者 312 名)で、出張実験工作教室(参加者 220
名)を鹿児島県でそれぞれ開催した他、小学生親子を対象とした「たたら製鉄体験イベ
ント」、「東京スカイツリー見学会」を開催し、子供たちに鉄・ものづくりの面白さを
体感させる活動を実施した。
(2)優秀な人材確保
・ 平成 27 年度卒業予定の大学生・大学院生を対象に、ウェブサイト上に
「鉄鋼業界特集」
を開設するとともに、ポータルサイト(Yahoo!)へのバナー広告、主要大学の学食等
のデジタルサイネージへの PR 動画の配信、全国の主要国公私立大学の就職課及び学
生食堂、大学生協主催学内セミナーでのポスター掲示により、鉄鋼業への就職を志向
する学生の増加を図った。
(3)情報発信活動
・定例会長記者会見、各種プレスリリース等を通じて、マスコミ、オピニオンリーダー、
有識者に向けて鉄鋼業界が抱える諸課題に関する業界の意見、要望について積極的に
情報発信を行い、業界の立場や考え方についての理解促進に努めた。
11.重要な標準化の推進
・ JIS 規格について、センターで 75 件、日本工業標準調査会鉄鋼技術専門委
員会で
鉄連担当の 109 件について審議した結果、平成 25 年度に発行・廃止された JIS は、制
定 33 件(内、分析規格の再編 31 件)、改正 22 件、廃止 20 件であった。
・ ISO 規格については、69 件について審議し、制定 7 件、改正 18 件、廃止 6 件であっ
た。
・ JIS 規格では、①「試験」の鉄鋼用語規格を 26 年振りに改正、②低温圧力容
器用ニ
ッケル鋼鋼板に新規の 7%Ni 鋼板を追加、③鋼材の原子吸光分析方法を 31 規格に分割
し制定した。
12.日本鉄鋼連盟の運営に関する諸課題への対応
・ 現行会員・会費制度の改訂に向けて、会員制度面、会費制度面からみた検討課題と各課
題に関する考え方の整理を行い、新制度の成案作りに取り組んだ。
・ 鉄連が収集・管理・提供する統計情報の開示方法に関する「統計情報管理細則」の策定
に向けて、統計類の内容や公表時期等の見直し案の作成を進めた。
10
Ⅱ
平成 25 年度の分野ごとの主要業務の概要
1.事業環境の国際的イコール・フッティング実現に向けた提言活動
(1)喫緊の電力問題への対応
・ 平成 24 年 9 月の東京電力の電気料金値上げ以降、関西電力・九州電力(平成 25 年 4 月)
、
四国電力(平成 25 年 7 月)、東北電力・北海道電力(平成 25 年 9 月)と、電力会社の
料金値上げが相次ぐこととなったが、全国レベルでの電気料金値上げの動きは、電炉業
等の電力多消費産業への影響が極めて甚大であるため、鉄連、新金属協会、日本金属熱
処理工業会、日本鉱業協会、日本産業・医療ガス協会、日本チタン協会、日本鋳造協会、
日本鋳鍛鋼会、普通鋼電炉工業会、特殊鋼会の 10 団体連名による共同要望書「電気料
金値上げ影響の緩和に関する緊急要望」を取りまとめ、環境大臣(平成 25 年 6 月 19 日)
並びに経済産業大臣(平成 25 年 6 月 21 日)に提出し、政府に対して、速やかな原発再
稼働に向けて、原子力規制委員会の審査において予算、人員面で万全な体制を組むこと
や、省エネ補助金の柔軟な運用等による省エネ投資支援策の一層の充実、金融、税制
等あらゆる政策手段による電気料金値上げの影響緩和を要望した。
・ この結果、省エネ補助金については、平成 25 年度当初予算の 310 億円に対して、平成
25 年度補正予算及び平成 26 年度予算を併せて 560 億円と、予算規模の拡大が図られた
他、補助対象について、鉄鋼業界から要望していた「製造プロセス」への適用が明記さ
れた。また、税制面では、平成 26 年度税制改正において、エネルギー効率や生産性の
向上に資する設備投資について、即時償却や税額控除等の措置が取られることとなっ
た。
・ その後も、中部電力が平成 26 年 4 月から電気料金を値上げした他、北海道電力は電気
料金再値上げについて言及する等、電力多消費型産業を取り巻く環境は一段と厳しさを
増す中、エネルギーコストの上昇等を理由に事業からの撤退を決断する企業が発現する
等、電気料金の値上げが事業継続を阻む一因となっている。こうした状況を踏まえ、前
述の 10 団体に日本ソーダ工業会を加えた電力多消費産業 11 団体は、「エネルギー基本
計画」の閣議決定後のしかるべきタイミングを見極めつつ、電気料金上昇の緩和策等を
盛り込んだ共同要望書の取りまとめに向けて、準備作業を行った。
(2)産業競争力の強化を通じた健全な成長戦略の確保
・製造業関係 9 団体(鉄連、電子情報技術産業協会、日本化学工業協会、日本機械工業連
合会、日本造船工業会、日本電機工業会、石油連盟、電気事業連合会、日本自動車工業
会)は、産業競争力会議が策定を進めている成長戦略に設備投資マインドを刺激する税
制措置等が盛り込まれるよう、平成 25 年 6 月に連名で「産業競争力強化等に資する税
制要望」を同会議の副議長である甘利経済再生担当大臣及び茂木経済産業大臣に提出し、
「法人実効税率の更なる引下げ」、「償却資産課税制度の抜本的見直し」、「国内にお
ける投資収益性を確保し、老朽更新投資も含めた製造業の設備投資や研究開発投資に向
けた投資マインドを刺激する税制措置」への対応を要望した。
・ 鉄連では、政府が平成 25 年 6 月に取りまとめた『日本再興戦略』
(成長戦略)に盛り込
まれた設備投資減税等の税制措置が、年度改正に先立って検討されるのに備え、平成
25 年 7 月に、①法人実効税率のさらなる引き下げ、②償却資産に対する固定資産税の縮
減・廃止、③設備投資を促進する税制措置の拡充、④研究開発促進税制の拡充、⑤事
11
業再編を円滑に促進するための税制の措置を要望内容とする「成長戦略に係る税制改正
に関する意見」取りまとめるとともに、平成 25 年 8 月には、製造業関係 9 団体共同で
「『日本再興戦略』に係る税制改正に関する共同要望」を取りまとめ経済産業大臣及び
与党関係者等への共同要望活動を展開した。
・ この結果、平成 25 年 12 月に決定した与党の平成 26 年度税制大綱では、生産設備の新
陳代謝を促すため、老朽化・劣化した生産設備のかわりに先端設備や生産ラインやオ
ペレーションの改善に資する設備を取得した場合、取得価額の 5%の税額控除等を認め
る「生産性向上設備投資促進税制」、事業再編の円滑化のための税制措置として、事業
の切り出し・統合を行う企業に対して、出融資額の 70%を限度として損失準備金を積
み立てた場合、損金算入できる「事業再編を促進するための税制」が、平成 28 年度ま
での措置として創設されたほか、研究開発促進税制における増加型について、試験研
究費の増加割合が 5%を超えた場合、増加割合に応じて税額控除割合が最大 30%となる
仕組みに拡充された。一方、法人実効税率の引下げ、償却資産に対する固定資産税の見
直しについては継続検討とされた。
(3)国際競争環境整備に向けた政府の取り組みへの協力
・ 日本政府が行う環太平洋経済連携協定(TPP)
、日 EU EPA、日中韓 FTA 等、現在交渉
中の経済連携協定(EPA)交渉に関し、交渉が加速するよう日本政府に積極的に協力し
た。TPP 交渉においては、TPP 政府対策本部が業界団体を対象に実施した「日本の TPP
交渉参加に関する意見募集」に対し、当連盟関係委員会からの意見・要望を提出すると
ともに、TPP 政府対策本部に対し直接、提出した意見・要望の説明と関連情報の提供を
行った。日本の正式交渉参加以降も業界団体向け説明会に参加し、関連する情報の収集
に努めた。
・ EPA 協定に伴う市場アクセスの改善は、わが国鉄鋼業の国際競争力の面で極めて重要と
の認識のもと、日本政府に対して、現在交渉中の EPA に関し、残存する関税の早期自
由化等を要望した。
・ 発効済 EPA について、手続き上の問題点を早期に把握し、EPA 協定に基づく免税輸入
を円滑に行うために、協定で合意されている一般見直しが実施されるよう日本政府に働
きかけを行った。
・ 日タイ EPA において合意された「日タイ鉄鋼協力プログラム」に基づき、鉄鋼利用技
術や環境・省エネ技術などの分野の技術協力を遂行した。
2.市場開発関係
(1)命と暮らしを守るインフラ再構築に向けた提案活動と鋼構造の普及促進
① 提案活動
・ 南海トラフ巨大地震や首都直下型地震等の大規模な地震の発生が想定されている中、広
く全国各地域の防災水準の向上にも貢献すべく、平成 24 年度に取り纏めた「鋼構造に
よる災害に強い社会資本整備に向けた提案」を用いて、鉄鋼業界が培ってきた防災・減
災に対応し環境性能にも優れた高機能鋼材並びに鋼構造の技術・工法を活用した提案・
普及活動を、神奈川県、茨城県、和歌山県及び高知県の防災対策・インフラ設備関係者
向けに実施するとともに、メディア対応、広告掲載等を通じた提案内容の普及促進のた
めの情報発信にも取り組んだ。
12
・ 国土強靭化への取り組みへの貢献等について、国土強靭化担当大臣と市場開発委員会主
要メンバーとの意見交換を実施した。
② 鋼構造の普及促進
・ 社会基盤ストックの老朽化が進む中で、安全・安心の確保の観点から、橋梁、港湾構造
物の分野において更新、長寿命化等への対応に取り組んだ。建築分野では、防災性や長
期耐用性、環境性能等に優れた「新構造システム建築物」の普及に向けて、成果のフォ
ローアップを推進した。
1) 橋梁
・ 経年劣化した橋梁への対応として、公募研究重点テーマ「橋梁上部構造(鋼橋が対
象)及び橋梁下部構造の機能向上のための補強・更新技術に関する研究」を継続し、
特に「塩害を受けた橋梁の耐荷力評価と補修方法の提案」、「鋼橋全体系を対象とし
た耐震性能評価の高度化と損傷制御設計の提案」に関する研究に進捗があった。
・ 「鋼橋の合理化構造・耐久性向上研究委員会」の傘下に 3 部会を設置し、橋梁用高
降伏点鋼板(SBHS)の基準化、耐候性鋼橋梁の普及拡大に向けた活動を継続して推
進した。
2) 土木
・ 高度成長期に大量に建設された港湾構造物の劣化問題や新設港湾構造物の長期供
用化への対応ニーズを踏まえて、これまで検討を重ねてきた港湾構造物の LCCM
(Life Cycle Cost Management)を可能とする汎用的な技術を確立すべく、大学
への研究委託による検討を進めるとともに、次期港湾基準の改訂に研究成果を織り
込むべく、港湾空港技術研究所を交えた検討体制を整えた。
3) 建築
・ 都市や地域の防災力向上のための防災拠点建築物の整備、主要幹線道路沿いに建つ
建築物の耐震化、木造住宅密集地域の不燃化に向けて、防災性や長期耐用性に優れ
た「新構造システム建築物」、構造・非構造部材の耐震化技術、経済性や用途可変
性に優れた鋼構造技術(コラム構造、薄板軽量形鋼造等)の開発・普及促進に取り
組んだ。
(2)東日本大震災の教訓を踏まえた地震・津波対策のための研究活動
- 建築分野: 長周期地震動を受ける超高層鉄骨ビルの安全性検証方法を検討する国交省
基準整備促進事業と連携して、SN 材や SA440 を対象とした部材、接合部
実験、超高層建築の架構解析を実施、設計法策定に関する研究を継続した。
大手設計・ゼネコン委員を招き耐津波安全設計技術の研究を行い、成果を
鉄骨造による「対津波ビル構造設計マニュアル」として刊行並びに講習会
等での普及活動の実施した。
- 土木分野: 国土強靭化施策による地震・津波対策に資するべく、独立行政法人港湾空港
技術研究所・大学への研究委託を通じ、河川堤防および防波堤・海岸保全施
設を「粘り強く」するための鋼材利用技術確立、鋼矢板を用いた堤防補強工
法・堤防液状化対策工法の設計法提案等に向けた実験・解析を推進した。
(3)環境に優しい建設用鋼材に関する理解推進活動と環境対策技術開発の推進
建設用鋼材の環境 PR 活動
・ 鉄連との委託契約により日本鋼構造協会内に設けられた「建設分野における鋼構造物の
13
LCA 検討小委員会」の場において、学識経験者らとともにリサイクル性、維持管理・解
体を考慮した LCA 手法の検討等を実施した。
・ 日本コンクリート工学会「第 3 回持続可能な社会を目指す建設材料技術に関する国際会
議 SCMT3」の実行委員会へ委員を派遣するとともに、同国際会議(2013 年 8/19~21
京都で開催)に技術展示を行った。
・ 東京大学新領域創成科学研究科の講演に講師派遣を行った。
・ worldsteel の鋼材 LCA 評価法、環境に配慮した鋼材の評価法等について、情報収集、
検討等を行った。
・ 環境パンフレット「鉄の輪がつなぐ人と地球」等を活用し、国土技術政策総合研究所道
路環境研究室との意見交換や鹿島建設(株)との技術交流を実施した。
・ 環境に優しい建設用鋼材の普及促進に向けて、施主等に対する環境 PR 活動の一環とし
て「第 3 回グリーン・スチール・セミナー」を開催し、125 名の参加を得た。
(4)アジア新興国における鋼構造普及と基準化・法制化に向けた活動の展開
① 鋼構造普及可能性調査とシンパ形成等普及活動
・ アジア新興国におけるインフラ投資急増等の急速な情勢変化へ迅速に対応した鋼構造
普及対応を行うべきかどうかを見極めるべく実施した現地調査の結果を踏まえ、カンボ
ジアにおいて、鋼構造普及のファーストステップとして、日本鋼構造シンパ形成と鋼構
造技術の底上げを目的とした鋼構造技術普及セミナーを、カンボジア公共事業運輸省・
カンボジア工科大学と平成 26 年度に共催することで合意するに至った。
② 海外 PR 活動
・ 海外向け鋼構造技術 PR 誌「Steel Construction Today & Tomorrow」
(年 3 回・各 4,400
部発行)の発行にあたり、東南アジア諸国におけるシンパ形成活動の一環として、当該
諸国向けに相応しいテーマを取り上げる一方、日本の先進的な鋼構造建設プロジェクト
や高機能鋼材に関する開発事例等も併せて紹介し、現地の政府関係機関、設計事務所、
建設会社などの技術者、教育研究機関関係者等に対して PR 活動を展開した。
・ 英文(本誌)のほか、中国語、ベトナム語、タイ語、インドネシア語、クメール語の計
6カ国語翻訳テキストを作成、送付すると共に、鉄連ホームページ上に公開し、読者の
利便性を高めるなど PR 強化に努めた。また、読者アンケートを実施するとともに、配
布先と建設用鋼材の輸出先との整合性を勘案して各国への配分を再検討するなど、本誌
の一層の有効活用に努めた。
(5)新しい鋼材・利用技術開発活動と利用技術の整備
・ 建築、土木、および橋梁分野における鋼材とその利用技術について研究開発を進め、利
用技術の整備に取り組んだ。
① 建築分野
1)
「新構造システム建築物研究開発」技術成果の普及促進
・ 震度 7 レベルでも主要構造部を無損傷に止める「新構造システム建築物研究開発」
の技術成果を、防災提案活動を通じて各地方整備局、自治体に紹介・PR するとと
もに、一般向け技術資料を関連する講習会で配付した。
・ 日本鋼構造協会関西支部が開催した建築構造用高強度 780N/mm2 鋼材(H-SA700)
の建築物への適用事例に係る講習会(参加者 128 名)に講師を派遣した。
・ 「新構造システム建築物」の設計・施工指針の充実化のため助成事業を通じた研究
14
を継続した。
2)鋼構造関連規基準類の整備
・ 冷間成形角形鋼管の利用技術に関し、ボックスコラム委員会が学識者・関連団体等
と共同研究を行った成果として、平成 25 年 12 月に「25 度狭開先ロボット溶接施
工承認試験方法」を日本鋼構造協会より刊行、平成 26 年 2 月には「STKR 柱補強
設計・施工マニュアル」を日本建築センターより公表し、それぞれ講習会を開催し
た。
・ 鉄連が研究委託した鉄骨造による「対津波ビル構造設計マニュアル」を日本鋼構造
協会のテクニカルレポートとして刊行、全国 8 地区で講習会を開催し 650 名の参
加があった。
・ 平成 24 年 9 月の薄板軽量形鋼造改正告示(4 階建て、重量鉄骨造等との混合構造へ
範囲拡大)の公布・施行を受け、平成 26 年 3 月に告示解説書「薄板軽量形鋼造建築
物設計の手引き(第 2 版)
」を刊行するとともに、東京・大阪にて講習会を開催し、
190 名の参加があった。
・ 日本建築学会
「SRC 規準」
、
日本建築防災協会「鉄骨造建築物耐震改修マニュアル」
、
日本鋼構造協会「S 造設計 構法・ディテール選定マニュアル」の改訂に協力した。
3) 新鋼材や利用技術に関する研究活動と利用技術の整備
・ 新しい建築用鋼材及びその利用技術について、国土交通省等と協議しつつ、以下の
研究開発を推進した。
□ 耐火構造認定における鋼種拡大に向けた耐火構造性能確認実験<継続>
□ ESW(エレクトロスラグ溶接)部脆性的破断防止技術の研究<継続>
□ 冷間コラム柱梁接合部への狭開先ロボット溶接技術の研究<継続>
□ ブレ-ス付きボックスコラム建築鉄骨構造の研究<継続>
□ 建築鉄骨溶接部の性能標準等に関する研究(鉄骨建設業協会等との共同研究)
<継続>
② 土木分野
1)沿岸環境における鋼・複合構造物の防食および耐久性評価に関する研究
・ 高度成長期に大量建設された港湾鋼構造物の劣化問題への対応ニーズ、新設港湾鋼
構造物の長期供用化への対応ニーズを踏まえて、これまで検討を重ねてきた港湾構
造物の LCCM(Life Cycle Cost Management)を可能とする汎用的な技術の確立
ならびに更新に合わせた鋼構造の有効活用に向けて以下の検討課題に取り組んだ。
□ 実暴露防食工の劣化状況観測データの充実(継続)
□ 腐食劣化した構造物の耐力評価技術の確立(継続)
□ 港湾鋼構造物の LCC 設計手法の確立(継続)
□ 被覆防食された鋼構造部材の寿命推定技術の確立(継続)
・ 港湾空港技術研究所を交えた意見交換会を開催するなど、次期港湾基準改訂への研
究成果織り込みに向けた情報共有の体制を整えた。
2)基礎土木分野に関する研究
・ 震災からの復旧・復興ならびに今後発生が予想される巨大地震への備えに資するべ
く、大学等研究機関への研究委託を通じ、河川堤防の補強および防波堤・海岸保全
施設を「粘り強く」するための鋼材利用技術確立等に向けた実験的検討を引き続き
15
推進した。
③ 橋梁分野
1)日本鋼構造協会「鋼橋の合理化構造・耐久性向上研究委員会」への研究委託
・ 低コスト・高耐久性化等の鋼橋へのニーズに対応し、具現化するための新形式構
造・新規材料の適用等の検討の場として、日本鋼構造協会への研究委託により設け
られた「鋼橋の合理化構造・耐久性向上研究委員会」及び 3 部会の企画運営に協力
し、同委員会を通じ、橋梁用高降伏点鋼板(SBHS)の設計指針化、耐候性鋼橋梁
の普及拡大に向けた活動を引き続き推進した。
2)橋梁用高降伏点鋼板普及に向けた基礎データの充実(道路橋示方書改訂対応)
・ 次期道路橋示方書改訂で SBHS を反映させるべく、
引き続き各種試験計画を策定、
実施した。
3)日本橋梁建設協会との連携推進
・ 鋼橋の競争力向上へ向けた取り組みとして、日本橋梁建設協会との意見交換会を開
催し、SBHS 普及への共同取り組みの提案や JIS 化された橋梁用鋼材(厚鋼板)の
立会検査の省略に向けた働きかけ、東北地区耐候性鋼橋梁に関する講習会、東北地
方整備局への普及活動等を連携して行った。
4)関係機関との共同研究を通じた鋼橋の競争力強化活動
・ 日本道路協会の鋼橋小委員会及び WG に引き続き委員派遣・後援を行い、道路橋
示方書改訂に対応した取り組みを継続して行ったほか、鋼道路橋施工便覧、鋼道路
橋防食便覧等の改訂に協力した。
・ 公的機関・事業者と共同曝露試験を継続実施し、技術データの蓄積・報告書取りま
とめを行った。
(6) 共通基盤整備
・ 共通基盤整備の調査研究・開発活動を「産・官・学」の連携により実施し、建築分野に
おける建築基準法・ガイドライン・指針等への反映を、土木分野における道路橋示方書・
港湾基準等への反映を、それぞれ鋼構造研究・教育助成事業を活用しつつ推進した。
(7) 普及促進・教育啓蒙活動
①「鋼構造研究・教育助成事業」の推進
・ 鋼構造に関する研究の活性化と健全な普及促進を目的に、鋼構造及びその周辺技術に関
する研究者への研究・教育助成事業第Ⅲ期の 4 年目として、従来以上の効果の発揮を主
眼にテーマを選定し、効率化・重点化を図る方針に基づき実施した。
1)公募研究
・ “鉄連で設定するテーマについての研究活動”
、
“自由な発想に基づき鋼構造の健全
な普及を企図する研究活動”に対する助成として、重点テーマ研究、一般テーマ研
究に分けて募集を実施した。将来にわたるわが国の持続的な鋼構造研究基盤の拡充
のため、次代を担う 40 歳以下の若手研究者を優先的に採択する「若手優先枠」を
一般テーマ研究に設けた。
平成 25 年度は 109 件の応募があり、
39 件が採択された。
□ 重点テーマ研究の応募件数:23 件、うち採択件数:7 件
□ 一般テーマ研究の応募件数:86 件(土木 45 件、建築 41 件)、うち採択件数:
32 件(土木 14 件、建築 18 件)、若手研究者の占める件数割合:応募段階で
62.8%、採択段階で 68.8%
16
2)目的研究
・ 材料・利用技術開発、鋼構造の周辺技術、環境など多岐にわたる分野につき、研究
助成を行った。
② 建築・土木の地区ネットワーク活動への支援
・ 建築鋼構造研究ネットワーク(建築学の知識、技術修得を目指す教育、研究する学科を
設置している全国の大学、高専 82 校に所属する約 260 名の教官の集まり)の活動に関
し、調査活動への支援・資料供与等を実施した。平成 25 年度は、各地区ネットワーク
活動の一環として、教官が企画し建築科学生を対象とした製鉄所や建設現場などの見学
会(フィールドスタディ)を計 6 回実施し、269 名が参加した。また、関東地区建築サ
ブネットワークの学生を対象とした連続講習会を 3 回開催、計 120 名が聴講した。
・ 土木鋼構造研究ネットワークの各地区における調査・研究活動を支援するとともに、鋼
構造教育の活性化のため、平成 25 年度は構造工学実験セミナーの開催(於:京都大)、
スチールブリッジコンペティションの開催(於:名城大学)を支援した。
③ 建築分野の普及促進活動
1)第 20 回「建築構造用鋼材とその利用技術」講習会の開催
・ 全国 7 地区(札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、広島、福岡)で、講演テーマに「鉄
骨造に関わる最近の動向」
、「STKR 柱補強設計・施工マニュアル」
・「25 度狭開先
ロボット溶接適用マニュアル」解説等を取り上げ、官公庁・建設会社・建築設計事
務所等の技術者を対象に講習会を開催し、354 名の参加があった。
2)鉄骨建築雑誌「スチールデザイン」の発行
・ 平成 25 年 9 月に第 22 号を、平成 26 年 3 月に第 23 号をそれぞれ発行した。
3)高性能鋼材の海外展開支援
・ 日・タイ EPA 鉄鋼協力プログラムの一環として、タイ技術者を招聘しての建築鉄
骨技術セミナーを企画・立案し、平成 25 年 12 月に、講義(設計・製作・材料他)
と工場見学を実施した。
④ 土木分野の普及促進活動
・ 国土交通省各地方整備局主催の技術発表会への参加を通じ、土木鋼材の普及に取り組ん
だ。
・ 大学・高専の土木科教官・学生を主な対象に製鉄所見学会を企画・開催した。
□ 参加者:全国の大学・高専 19 校より 189 名
□ 見学先:新日鐵住金 室蘭・名古屋・八幡、JFE スチール 東日本/千葉、神戸製鋼所 加
古川
・ 鋼構造研究・教育助成事業の研究成果の公表と普及促進を目的に、「港湾鋼構造物の
LCC 評価技術と信頼性の向上へ向けた取り組み」をテーマに「第 18 回土木鋼構造研究
シンポジウム」を開催した。シンポジウムでは、基調講演:「土木構造物設計基準のこ
れから:性能設計と信頼性設計法」(岐阜大学
化問題とサステイナビリティ」(国立環境研究所
本城勇介教授)、特別講演:「地球温暖
住明正理事長)の他、基礎構造の信
頼性向上に向けた取り組みについて講演が行われた。
⑤ 橋梁分野の普及促進活動
・ 次の講演会・シンポジウムに、講師派遣等を通じた鋼橋の普及促進活動を展開した。
17
□ 土木学会主催「鋼構造と橋に関するシンポジウム」
□ 日本鋼構造協会主催「土木鋼構造診断士講習会」、
「鋼構造技術者区政のための講習
会」
□ 日本溶接協会主催「溶接の研究講習会」等
・ 関係諸機関に対し、パンフレット「橋梁用高性能鋼材(SBHS400、SBHS500、SBHS700)
」
を活用した PR 活動を行った。
⑥ 造船分野での普及促進活動
・ 日本船舶技術研究協会に設置された「バラストタンクの防食技術に関する調査研究委員
会」での調査研究に参画し、腐食損耗を定量化し腐食損耗のモデルを構築することを目
的に、実船での環境測定及びバラストタンク内への試験片暴露を実施した。また、バラ
ストタンク用耐食性鋼の船級規格化に必要な耐食鋼など新防食技術の評価試験方法を
策定すべく、日本海事協会との共同研究を開始した。
⑦ スチール缶の普及促進活動
・ スチール缶需要の拡大を図るため、スチール缶ビール季節ギフトキャンペーン活動を実
施するとともに、スチール缶リサイクル協会と連携した PR 活動を引き続き推進した。
(8)建材薄板技術・普及委員会関係
① めっき、塗装、腐食等の技術的課題に関する研究の推進
・ 「窯業材等との比較 WG16」、
「JIS サイクル腐食試験検証 WG19」等テーマ別 WG にお
ける暴露試験(江別・石狩・御前崎・新潟・宮古島等)を実施、試験結果等の取りまと
め作業を行った。
・ グリーン購入法特定調達品目への提案に関し、事前調査を行った。
・ 第 2 回基礎技術分科会大会を大阪科学技術センターにおいて開催した。
・ 国土交通省「公共工事建築工事標準仕様書」に関し、関連団体と意見交換するとともに
平成 28 年改訂にあたってクロメート規制に関する情報をメーカーに発信した。
・ 塗装鋼板、
三元めっき鋼板の JIS 規格情報に関する解説を広報誌に掲載し周知を図った。
② 国土交通大臣認定不燃材料 NM-8697 の自主管理
・ 防火性能研究チームによる新規登録等審査業務を実施した(28 件)
。
・ 自主管理基準を見直し、基準(改 10)を発行した。
・ 商品リスト登録品 5 件の燃焼性能確認試験を実施し、全品不燃材料に適合した。
・ 防火材料等関係団体協議会へ参加した。
③ ファインスチール(亜鉛めっき鋼板製屋根・壁)の普及活動の推進
・ 広報誌「ファインスチール」を編集・発行・配布した(4,7,10,1 月)
。
・ WEB マガジン「ファインスチール」
(上記広報誌の電子書籍化)の改善と配信の拡充を
行った。
④ 全国ファインスチール流通協議会と連携した普及事業の検討
・ 流通協議会ポスターの掲示、各種冊子の提供協力を行った。
・ 流通協議会が企画した普及促進映像「進化した鉄 ファインスチール」(DVD ビデオ)
製作に対し全面的に協力した。
18
(9) その他活動
・ 「建設用鋼材研究会」では、建設用鋼材全般に関わる諸問題解決のため、建築・土木の
両委員会等の関連委員会と連携をとりつつ、品種横断的な課題の検討ならびに業務連絡
等を実施した。
・ 一般への情報提供のため、鉄連のホームページ上で、メーカー各社ごとに製造可能な品
種・サイズ等を表示した「普通鋼鋼材受注寸法表」の更新を行った。
3.アジアにおける事業活動強化に向けた取り組み
(1)アジアにおける通商問題対応体制の強化
・ 平成 23 年度より重点課題として検討を続けてきたアジアにおける通商問題対応力の強
化に向け、鉄連事務局職員を試験的に 5 カ月間(第1期:6 月~8 月、第 2 期:10 月~
12 月)クアラルンプール(マレーシア)に派遣し、ASEAN 地域での鉄連事業活動強化
のための実現可能性調査を実施した。
・ 本調査にを通じて ASEAN 各国鉄鋼団体と鉄連の人的ネットワークを構築されるととも
に、鉄連事務所の開設により情報収集能力が向上すること及び通商摩擦の未然防止に有
効であること、ASEAN 域内の個別通商案件への迅速な対応や定期的な情報提供に対し
て会員企業に高いニーズがあること、通商問題発生時に現地事務所として地の利を生か
した通商関連の諸活動が実行可能であることが確認されたことから、平成 26 年度もマ
レーシアに事務局職員を派遣して前年度と同様の活動を継続し、現地事務所の開設に向
け、検討を進めることとした。
(2)東南アジア鉄鋼協会(SEAISI)との交流促進に向けた取り組み
・通商分野 : 鉄連事務局と SEAISI 事務局との間で事務局ベースでの人的交流を重ね、
鉄連事務局が SEAISI の通商関係委員会(TPRCO)に 2 回(6 月、11 月)
参加し、日本と ASEAN 地域との鉄鋼需給動向等についての説明と意見
交換を実施するとともに、ASEAN 鉄鋼評議会(AISC)の動向把握に努め、
26 年度以降の交流促進に向けた働きかけを行った。
・環境分野 : 平成 26 年 2 月 27 日~28 日に「経産省・アジア産業基盤強化等事業」の
一環として、「日 ASEAN 鉄鋼官民協力会合」を東京で開催し、日本お
よび ASEAN から鉄鋼関係者が参加し、ASEAN 鉄鋼業界にふさわしい省
エネ技術を掲載したリスト「技術カスタマイズドリスト」のドラフトを共
有し、ISO14404 を用いた自律的改善のための鉄鋼業のエネルギー管理手
法の普及・啓発を行った。
・標準化分野: マレーシア(2 月)、タイ(6 月)、インドネシア(11 月)を訪問し、東南アジア
鉄鋼協会の会議への出席、及び各国政府の標準局との会議開催により連携
を強化した。
4.環境・エネルギー・技術関係
(1)エネルギー及び地球温暖化対策関係
① 実効性ある国際枠組み構築に向けた取組み
・ COP19 に、鉄鋼業界関係者が参加し、日本政府交渉団やその他諸外国関係者等との意
見交換を行ったほか、「ワルシャワビジネスダイアログ」などサイドイベントへの参加
19
を通じ、実効性ある温暖化対策のためにはビジネス界と政府、国連との連携が重要であ
ることを訴え、二国間オフセット制度やエネルギー効率向上に関する国際パートナーシ
ップ(GSEP)における多国間連携など多様なボトムアップ型のアプローチの組み合わ
せが実効性のある新たな枠組みの構築に有効であるとの主張が浸透するよう、関係国や
日本政府に対して積極的な働きかけを行った。
・ 関係省庁や他の産業団体との協力の下、エネルギー技術革新に基づく新しい気候変動対
策の啓発を説く「The VITAL SPARK」論文(ハートウェルグループ著)を紹介する特
別セミナーを平成 25 年 10 月 8 日に開催した。
② 国内の温暖化対策の諸施策への対応
1)地球温暖化対策税の使途拡大等への対応
・ 平成 26 年度税制改正大綱案の策定において、一部省庁や地方公共団体から「地球温
暖化対策税収の使途を拡大して森林吸収源対策に充てるべき」等の声が上がり、与党
内で政治的な動きが活発化したことを踏まえ、平成 25 年 11 月に、経団連、日商、鉄
連等 43 団体連名(最終的には 88 団体)による共同要望書「地球温暖化対策税の使途
拡大等に反対する」を公表するとともに、各団体と連携し関係者に対して、“産業界
は地球温暖化対策税収の使途拡大や新たな税の創設に反対する”ことの理解活動を展
開した結果、最終的に与党の平成 26 年度税制改正大綱において、
「森林吸収源対策及
び地方の地球温暖化対策に関する財源の確保について、財政面での対応、森林整備等
に要する費用を国民全体で負担する措置等、新たな仕組みについて専門の検討チーム
を設置し早急に総合的な検討を行う」こととされ、一部の財源(地球温暖化対策税)
や一部の納税者(エネルギー使用者)の負担に依らない検討の方向性が示された。
2)エネルギー基本計画への対応
・ 平成 25 年 12 月に経済産業省総合資源エネルギー調査会基本政策分科会で取りまとめ
られた「エネルギー基本計画に対する意見」に対するパブリックコメントとして、
「震
災後の不安定な電力供給や電気料金の上昇等エネルギーに係る諸問題を課題として
捉えたことは、国民経済の成長・発展を大きく阻害するという産業界の強い危機感と
軌を一にしている点で、総論として高く評価する」旨の意見を提出するとともに、鉄
連が提出した意見について、その意味合いと背景にあるわが国のエネルギー政策の諸
課題等報道関係者にを正しく理解してもらうため、1 月 9 日に記者説明会を開催した。
3)再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT)への対応
・ 平成 26 年 3 月 10 日に提示された「再生可能エネルギー固定価格買取制度における平
成 26 年度新規参入者向け調達価格に対する意見公募」について、特に太陽光発電の
調達価格を抜本的に見直すようパブリックコメントで意見提出を行った。
③ 自主行動計画達成の総括と低炭素社会実行計画の推進
・ 産業構造審議会産業技術環境分科会地球環境小委員会鉄鋼 WG(平成 25 年 12 月開催)
にて、鉄鋼業の自主行動計画(計画期間 1990 年度~2012 年度)における数値目標(2008
年度~2012 年度の 5 年平均でエネルギー消費量を 1990 年度比 10%減)に対する 5 年
平均実績は 1990 年度比 10.7%減となり、目標達成した旨の報告を行った。京都メカニ
ズムを使用することなく、省エネ努力だけで目標を達成したことについて、委員の方か
ら高い評価を得た。
・ 2013 年度以降については、低炭素社会実行計画として、「エコプロセス(鉄鋼製造段階
20
における CO2 削減。総合資源エネルギー調査会で答申されたそれぞれの生産量におい
て想定される CO2 排出量から最先端技術の最大限の導入により 500 万㌧削減。)
」、「エ
コプロダクト(高機能鋼材の供給による製品使用段階での CO2 削減貢献)
」、「エコソ
リューション(日本鉄鋼業が開発・実用化した省エネ技術を途上国等に移転・普及する
ことによる CO2 削減貢献)
」、「革新的製鉄技術の開発」を積極的に推進する旨の報告
を行った。
・ 鉄連の自主行動計画および低炭素社会実行計画による地球温暖化対策、省エネの取り
組みについて「エネルギーマネジメントマニュアル」を策定し、産業団体としては世界
で初めて、国際標準化機構が定めるエネルギーマネジメントシステム規格「ISO50001」
を取得した。
④ 国際協力の推進
1)日印鉄鋼官民協力会合の開催およびインド製鉄所における省エネ診断の実施
・ 平成 25 年 12 月 9 日~12 日に、「経産省・事業継続等の新たなマネジメントシステム
規格とその活用等による事業競争力強化モデル事業」の一環として、鉄連が提案し平成
25 年 3 月に国際規格化された「鉄鋼 CO2 排出量・原単位計算方法(ISO14404)」を
活用したインドの製鉄所での省エネ診断および省エネセミナーを実施した。
・ 平成 26 年 2 月 3 日~5 日に「経産省・鉄鋼業における省エネ技術普及等のための事業
化に向けた計画等検討調査」の一環として、日印の鉄鋼関係者等で構成する「日印鉄鋼
官民協力会合」をわが国で開催し、モデル製鉄所分析、エネルギー管理手法の紹介など
を行うとともに、インド鉄鋼業に適した省エネ技術リスト「技術カスタマイズドリスト
ver.2」を発行した。
・ 平成 25 年 3 月に発行された ISO14404(鉄鋼 CO2 排出量・原単位計算方法)への取り
組みが評価され、平成 25 年度工業標準化事業表彰(経済産業省主催)において経済産
業大臣賞を受賞したほか、第 23 回地球環境大賞(フジサンケイグループ主催)におい
て大賞を、平成 25 年度省エネ大賞(一般財団法人省エネルギーセンター)において審
査委員会特別賞をそれぞれ受賞した。
2)「エネルギー効率向上に関する国際パートナーシップ(GSEP)」
・ 平成 26 年 2 月 5 日~6 日に、GSEP 鉄鋼ワーキンググループ準備会合として「エネル
ギーマネジメントに関するワークショップ」が開催され、インド官民、米国政府(エネル
ギー省)、中国鋼鉄工業協会、POSCO から関係者約 30 名が参加し、日本側が用意した
「鉄鋼業のエネルギーマネジメントシステムに関するハンドブック」が参加者間で共有
された他、それぞれのメンバー国の要求に合うように、技術のアップデートにつき、更
に議論していくことが合意された。
3)worldsteel、IEA等での活動
・ 世界鉄鋼協会(worldsteel)、国際エネルギー機関(IEA)等の場を通じての国際的な
検討に対しても、わが国鉄鋼業界の取り組みや考え方を説明する等、地球温暖化対策の
ための実効ある対策に向けた活動を積極的に実施した。
⑤ 革新的技術開発の推進
・ COURSE50 プロジェクトは、水素による鉄鉱石の還元と高炉ガスからの CO2 分離回収
により、生産工程における CO2 排出量を約 30%削減することを目指している。
・ 高炉からの CO2 排出削減技術開発では、10 ㎥規模の試験高炉建設に向けた基本設計を
21
完了し、ほぼ計画通りの進捗となっている。
・ 高炉ガスからの CO2 分離回収技術開発では、化学吸収法の高性能新吸収液の開発、物
理吸着法のコスト削減とスケールアップ検証、製鉄所内未利用排熱の調査等を行った。
(2)環境・技術関係
① VOC(揮発性有機化合物)への対応
・ VOC については、平成 22 年度までの国内削減目標の達成状況等に鑑み、わが国として
新たな削減目標は設定せず、現行の VOC 排出抑制制度を継続することが適当とされ(環
境省中央環境審議会答申 平成 24 年 12 月)
、経産省産業構造審議会にて審議の結果、国
は各業界に対し「今後の VOC 排出抑制のための自主的取組における取組の目指すべき
方向性及び方策」の設定を求めることとなった。
・ 鉄連では、上記の「方向性及び方策」を設定するとともに、会員各社における平成 24
年度の VOC 排出状況について経産省へ報告する等、適切な対応を図りつつ、科学的知
見に基づく効果的な VOC 対策が行われるよう、適宜、意見具申を行った。
② ダイオキシン類対策特別措置法への対応
・ 鉄鋼業界では、電気炉および焼結機からの年間ダイオキシン類排出量について、各事業
所から提出された測定値を自治体公表値と比較検証する等により精度を高めた上で、毎
年政府に提出している。直近5年平均データ(平成 20 年~24 年)は、電気炉(目標値
比▲19%)
、焼結機(同▲10%)ともに引き続き目標をクリアしている。
③ 有害大気汚染物質への対応
・ 有害大気汚染物質に関する対策については、平成 13~15 年に実施された第 2 期自主管
理計画(鉄連はベンゼンをはじめ 4 物質)において一定の成果が得られ、終了したもの
の、排出削減には事業所単位の自主的取り組みの継続が望まれることから、平成 25 年
度においても、自主管理計画で対象となっていた 4 物質をはじめ、今後、指針値の策定
が行われる予定の物質(特にマンガン、クロム及び 3 価クロム化合物)について、PRTR
(化学物質排出移動量届出制度)により実態把握に努めた。
・ 前述の指針値が定められている物質のひとつである水銀については、平成 25 年 10 月の
外交会議(熊本県)で「水銀に関する水俣条約」の採択及び署名が行われた。こうした
なか、鉄鋼業を含め産業界が所有する条約対象施設(石炭焚産業用ボイラー等)に係る
国内担保措置が合理的な枠組みとなるよう、産業界全体の検討に参加・協力した。
④ 国のヘキサクロロベンゼン、PCB 等排出インベントリー推計への対応
・ 残留性有機汚染物質(POPs)に関するストックホルム条約における削減対象物質であ
る HCB(ヘキサクロロベンゼン)
、PCB(ポリ塩化ビフェニル)および PeCB(ペンタ
クロロベンゼン)については、環境省において排出量目録(インベントリー)作成のた
めの実態調査および対策実施による排出削減効果の検証等が行われており、鉄鋼業では
焼結機、製鋼用電気炉等が対象となっている。
・ 鉄連では、平成 25 年度に環境省が実施した製鋼用電気炉等における POPs 排出実態調
査へのデータ提供等、環境省における推計への適切な対応を行った。
⑤ 特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律(PRTR 法)
への対応
・ PRTR 法に基づく会員各社の国への届出データに関する精度向上や鉄鋼業界全体の排出
22
量等の把握のため、平成 24 年度届出実績等に関する調査を行うとともに、当該調査を
踏まえ、鉄連で作成している鉄鋼業 PRTR マニュアルの見直しを行うなど会員各社の同
法への適切な対応に関する支援を行った。
⑥ 改正化学物質審査規制法への対応
・鉄鋼業に関連する化学物質の一つであるコールタールが、化学物質審査規制法に基づき、
優先的にリスク評価を行う化学物質に指定されたことから、当該物質に関する情報収集
を行うとともに、その他の化学物質も含め国の動向を注視しつつ、鉄連が作成した同法
に関するガイダンスの改訂を行うなど会員各社の同法への適切な対応に関する支援を
行った。
⑦ REACH への対応
・ 欧州における化学品規制である REACH をはじめ、わが国の鉄鋼業に影響のある諸外国
の環境関連規制の動向、運用状況等について情報収集を行った。
・ REACH に関連し、欧州向け間接輸出への対応として当連盟が作成した鋼材含有化学物
質の管理・情報伝達等に関するガイダンスについて、同ガイダンス作成の際に参照した
アーティクルマネジメント推進協議会のガイドライン改訂に伴い、見直しについて検討
を行った。
⑧ PCB 問題への対応
・ 微量 PCB の処理促進ならびに処理費用の抜本的低減が図られるよう、微量 PCB のリス
クを考慮した合理的な処理の枠組み構築について、日本経団連を通じ、関係当局に働き
かけを行うとともに、微量 PCB のリスクを考慮した安全かつ効率的な処理方策の一つ
として、トランス等の鉄材に付着した微量 PCB の処理への鉄鋼業の対応可能性につい
て調査・検討を行った。
⑨ 産業廃棄物の最終処分量に係る自主行動計画のフォローアップ
・ 鉄鋼業界では、平成 23 年度に、スラグ・ダスト・スラッジの「平成 27 年度の最終処分
量を 40 万トン程度」とする第二次自主行動計画の新目標を設定しており、平成 25 年度
は所内外リサイクルの一層の推進や資源の利用促進を図るための規制改革要望を行な
う等、再資源化に向けた一層の取り組みを推進した。
・ フォローアップ結果の公表の際には、鉄鋼スラグの優れた特性を活かした鉄鋼各社によ
る震災復興への貢献(港湾の復興資材、津波堆積土の処理、除塩用資材としての利用等)
についても紹介するなど、鉄鋼スラグの環境資材としての有用性をアピールした。
⑩ 鉄鋼スラグの利用拡大に向けた活動
・ 技術政策委員会 鉄鋼スラグ海域利用促進 WG が中心となり、鉄鋼業における副産物の
大宗を占める鉄鋼スラグの海域における利用拡大に向け、主に以下の諸活動を推進した。
□
カルシア改質土(成分管理と粒度調整をした転炉系製鋼スラグと浚渫土の混合物)
の認知・普及を目指し、平成 23 年度から平成 29 年度までの期間で実施する堺浜(大
阪府堺市)の海域環境改善事業において、平成 25 年度は同事業における盛土にカ
ルシア改質土を活用した実験のモニタリングや安定性調査等を実施した。
□
鉄鋼スラグおよび鉄鋼スラグを利用した資材(人工石、カルシア改質土など)を海
域に大規模適用するためには、環境安全品質の積極的管理が必要である。現在規格
のないpHを中心とする将来の公的基準化に資する試験方法提案を目指し、平成 25
23
年度は大型水槽実験、シミュレーション等を実施した。
・ 鉄鋼スラグ製品の利用促進を図るうえでの法制度面の課題についても、規制改革会議
(内閣府)への提案等を通じ関係省庁に積極的な意見具申を行った。その結果、平成 25
年度においては、廃棄物処理法の「廃棄物該当性」判断に関し、総合判断説(①その物
の性状、②排出の状況、③通常の取扱い形態、④取引価値の有無、⑤占有者の意思等を
総合的に勘案して判断)による旨が環境省から自治体に改めて周知された。
⑪ 資源循環・リサイクル技術の検討
・ プラスチック製容器包装リサイクル制度については、平成 25 年が容リ法附則に定めら
れた見直し時期にあたり、関係省庁において、入札制度を含め、プラスチック製容器包
装の再商品化の在り方の再検討が開始された。
・ 鉄連では、循環資源の有効利用や環境負荷低減等への貢献の観点から、鉄鋼業における
廃プラスチック等の受入れ拡大を図るべく、関係審議会等を通じ、「材料リサイクル優
先の入札制度を見直して競争原理を取り入れ、社会的に公平な入札制度とすること」、
「 廃プラスチック等の受け入れ能力と集荷安定化のための解決策として収集対象製品
を拡大すること」等の意見発信および理解促進活動を行った。
⑫ 環境・防災問題への対応
・ 環境・防災関連事案の防止に向け、「環境・防災・安全関連情報サイト」に過去の発生
事案、関連法令の改正情報等を掲載し、会員各社における法令への的確な対応の推進、
徹底を図るとともに、関連情報の共有化を図った。また、会員会社の実務者を対象とし
た環境交流会、防災交流会を開催し、管理体制の改善促進や類似事案の再発防止等に資
する活動を展開した。
・ 防災関連では、経済産業省が平成 24 年度に開催した「鉄鋼業界における産業事故防止
検討会」の取りまとめを踏まえ、平成 25 年度に発生した設備事故の要因分析を行うと
ともに、会員各社の有効な予防対策事例について広く情報共有化を図った。
⑬ 特殊鋼環境委員会の開催
・ 特殊鋼電炉業態特有の環境問題への対応を検討するため特殊鋼環境委員会を適宜開催
し、業態特有の環境問題に関する検討や行政動向を中心に環境問題全般に係る関連情報
の共有化を図るとともに、会員会社の工場見学会を実施し、環境対策設備についての情
報交換を行った。
・ 特殊鋼環境委員会の下部組織である「特殊鋼電炉資源循環連絡会」では、副産物の最終
処分量推移の定期的把握や再利用に関する情報交換等、最終処分量の削減に向けた活動
に取り組んだ。
⑭ LCA の推進
・ 近年の社会的関心の高まりを受けて、自動車や家電等の需要家では、現時点で最も普及
している GHG プロトコルにおける Scope3(企業活動範囲外での間接的 GHG 排出、原
材料の調達等)の考え方に基づき、鉄鋼業に対して環境負荷低減の取り組みに関する情
報提供を要請する動きが活発化している状況に対応するため、国内外の動向調査やデー
タ収集、worldsteel とのコミュニケーション等、業界としての総合的な対応基盤を構築
した。
・ worldsteel で確立された高炉法・電炉法を区別せずに環境負荷を評価する「end of life
24
recycling」を基本とした、鉄鋼業の環境負荷の正しい評価方法について、以下の通り広
範な周知を実施した。
□ 「高炉材を電炉材に置き換えることによって環境負荷低減につながる」等の誤った
認識に基づく政策や調達行動に対応するため、政府や需要家、有識者等に対して、
worldsteel の方法論に基づき、高炉と電炉を一体で評価することが適切であること
の理解活動を実施した。
□ 平成
25 年 10 月に開催された worldsteel LCA 専門家会合において、各国における
最近の動向について意見交換するとともに、日本側から「end of life recycling」に
基づく日本としての LCA の考え方等についての説明を行うとともに、
会合期間中、
LCA セミナーを併催し、経済産業省、環境省及び有識者らを交え意見交換を実施し
た。
・ 2015 年に実施が予定されている worldsteel LCI データコレクションについて、日本平
均値として公表が可能となるよう、高炉や特殊鋼電炉、普通鋼電炉各社に参加を依頼し
た。
⑮ 知的財産に関する対応
・ 鉄鋼業のグローバル展開が進む中、知的財産を巡る国内外の課題解決に向けた的確な対
応が求められていることに鑑み、TPP 等の政府が取り組むべき施策案について、鉄鋼業
としての要望を提出するとともに、国際問題化する特許等、鉄鋼業界共通の課題につい
ての検討と情報共有を行った。
5.国内外の鉄鋼需給動向調査関係
(1)国内の鉄鋼需給動向調査
① 一般経済・鉄鋼需要産業・鉄鋼需給に関する動向調査と報告書(月例・四半期)の作成
・ 鉄鋼需要産業の活動状況、鉄鋼需給動向についての調査、分析を行い、月例報告として
取りまとめるとともに、情勢変化に応じて随時、特別調査を行った。
平成 25 年度は「最近の円高修正・景況観回復と鉄鋼需要動向」、「2012 年度の地域別・
用途別鋼材受注動向」
、
「過去の好況期との比較からみる日本鉄鋼業」等をテーマに調査、
研究を行い、
「鉄鋼需給・四半期報」などを通じて会員に報告した。
② 世界鉄鋼協会提出用の 2014、2015 年の鉄鋼需要見通し調査
・ 「2014 年日本鉄鋼業の見通し」
(平成 25 年 8 月)および「2014・2015 年日本鉄鋼業の
見通し」
(26 年 2 月)を取りまとめ、それぞれ worldsteel に報告した。
③ 四半期別鉄鋼需要調査
・ 平成 25 年度の四半期毎の普通鋼鋼材需要動向について、主要需要産業業界へのヒアリ
ングを基に調査を行った。
④ 平成 24 年度普通鋼鋼材消費パターンの作成
・ 鉄連では、過年度における部門別国内需要構造について分析・推計を実施し、「普通鋼
鋼材消費パターン」として取りまとめを行ない、需要予測の際の重要な基礎データとし
ている。普通鋼鋼材消費・在庫動向等に関する調査に基づき、平成 24 年度の普通鋼鋼
材消費量の推計を行った。
25
⑤「鉄鋼需給説明会」の開催と業界内外への情報発信
・ 会員および金融機関、鉄鋼流通業者等を対象に「鉄鋼需給説明会」を四半期毎に東京、
大阪、名古屋で開催し、平成 25 年度は延べ 800 名の参加を得た。説明会では、需給調
査委員会作成の「鉄鋼需給・四半期報」を基に内外鉄鋼情勢に関する説明を行うととも
に、大阪、名古屋では毎回記者会見を行い、鉄鋼需給関連情報の発信に努めた。
(2) 海外の鉄鋼需給動向調査
① 月例報告「海外鉄鋼市場の動き」等の作成
・ 「輸出市場調査委員会」では、主要国・地域の一般経済、鉄鋼需要産業、鉄鋼需給、鉄
鋼政策等の最新情報を収集整理・分析し、月例レポート「海外鉄鋼市場の動き」を通じ
て会員に情報提供を行った。平成 25 年度にはレポート対象国にインドネシアを追加す
る等、更なる内容の充実化を図った。
・ 海外主要鉄鋼市場における鉄鋼需給や鉄鋼貿易等の足下の状況変化を一目で概観でき
る資料「主要鉄鋼市場における最近の動き」および「主要国・地域の鉄鋼輸出入動向」
を常時アップデートし、会員各社の利用に供した。
②「主要国・地域の鉄鋼関連情報」の作成
・ 海外の鉄鋼関連ニュースやトピックス等を収集・整理し、「主要国・地域の鉄鋼関連情
報」として、関係委員会等の場でタイムリーに提供した。
③ 中国鉄鋼業関連情報の整備・提供
・世界最大の鉄鋼生産国である中国の動向は、アジア市場に大きな影響を及ぼすことから、
主要鉄鋼ミルや政府、業界団体(CISA)等の動向に係る情報収集に注力し、会員への
タイムリーな情報提供に努めるとともに、中国鉄鋼業の分析レポートである「2012 年
の中国鉄鋼業」を取りまとめ、会員各社の利用に供した。
・ 同レポートにおいては、中国政府による鉄鋼業の構造調整に焦点を当て、世界的に関心
の高まっている過剰生産能力問題への対応等について、掘り下げた分析を行った。
④ アセアンにおける鉄鋼需給に関する情報の提供
・ 日本の鉄鋼市場として年々重要性の高まるアセアン市場について、鉄鋼需要産業のアセ
アン各国への進出状況、アセアン鉄鋼ミルの状況、現地の鉄鋼需給動向、鉄鋼生産能力
増強計画等、幅広い視点から現状を分析するとともに今後の動向について展望した調査
レポートを作成し、会員各社の利用に供した。
⑤「ロシア、ウクライナの鉄鋼需給の現状と今後の展望」に関する現地調査の実施
・ 「輸出市場調査委員会」では、世界の主要鉄鋼輸出国の一つであるとともに、近年の自
動車産業等の発展に伴い、鋼材消費の面でも注目されるロシアおよびその近隣で同じく
鉄鋼輸出国であるウクライナの最近の動向について、現地調査団を派遣し、両国の鉄鋼
需給の現状と課題、将来展望等について広く関係先にヒアリング調査を行い、その結果
を報告書に取りまとめて会員に提供した。
⑥「主要国・地域の 2014 年市場動向に関するアンケート調査結果」の作成
・ 20 カ国・地域に所在する会員商社の現地店への当該地の市場動向についてのアンケート
調査結果に基づき報告書を作成した。今回発行した報告書では、視覚的に分かり易いも
のとするよう内容の大幅な見直しを行った。
26
⑦「主要国の鉄鋼関税率と輸入制限措置および輸出政策」
(第 28 改訂版)の作成
・ 会員商社の現地店へのアンケート調査結果をベースに、主要国の鉄鋼関税率と輸入制限
措置および輸出政策を取りまとめ、第 28 改訂版として会員各社の利用に供した。
⑧「海外鉄鋼情報サイト」の認知度向上に向けた活動
・ 平成 24 年 12 月に新設した「海外鉄鋼情報サイト」の一層の利用促進に向け、同サイト
の利用方法や収録情報について分かり易く解説したパンフレット「『海外鉄鋼情報サイ
ト』ご利用方法」を作成し、会員各社に広く配布することにより、同サイトの認知度向
上を図った。
6.通商問題、国際協力関係
(1)通商問題等
① 通商摩擦問題への対応
・ 世界的な鉄鋼需給の緩和に伴い、アンチダンピング(AD)措置やセーフガード(SG)
措置などの貿易救済措置の急増に加え、アジア諸国を中心として鉄鋼製品に対する強制
規格の導入など、多様な保護貿易的措置の導入が続いたことから、顧問弁護士などを通
じて正確な情報収集に努めるとともに、日本政府や現地関係者と連携の上、迅速な状況
把握と現地政府への働きかけを行い、健全な自由貿易の確立に向けた取り組みを展開し
た。平成 25 年度における主な対応状況は以下の通りである。
〔日本を対象とした貿易救済措置に係る対応〕
□ 中国
- 日本及び EU から輸入される高性能ステンレス継目無鋼管に対する AD 税賦課
決定に関する WTO 紛争解決手続き(二国間協議が不調に終わったため、紛争
解決パネルでの審議に移行。)において日本政府に協力した。
- 日本、EU、米国からの合金鋼継目無鋼管を対象とした AD 調査について、調
査対応を行った。
□ インドネシア
- 日本、中国、韓国、台湾、ベトナムからの冷延鋼板を対象とした AD 調査につ
いては、日本政府、鉄鋼および関連業界を挙げたインドネシア政府への働きか
けにも関わらず、平成 25 年 3 月 19 日にクロの最終決定が下されたため、日本
政府、日尼の鉄鋼および関連需要家団体と連携し、主に自動車および家電向け
鋼材に対する措置の適用除外に向け、インドネシア当局との折衝を継続的に行
った。
- 線材を対象とした SG 調査(平成 26 年 1 月調査開始)に対し、調査当局への意
見書提出や公聴会での証言等、調査対応を行った。
□ タイ
- 非合金鋼熱延鋼板・厚板を対象とした SG 調査(平成 26 年 1 月調査開始)に対
し、調査当局への意見書提出や公聴会での証言等、調査対応を行った。
□ フィリピン
- 溶融亜鉛めっき鋼板およびカラー鋼板を対象とした SG 調査(平成 25 年 10 月
調査開始)に対し、調査当局への意見書提出や公聴会での証言等、調査対応を
行った。
27
□
インド
- 継目無鋼管を対象とした SG 調査(平成 25 年 2 月調査開始)に対し、調査当局
への意見書提出や公聴会での証言等、調査対応を行った。
□
豪州
- 日本、韓国、台湾、タイからの形鋼を対象とした AD 調査(平成 25 年 10 月調
査開始)および日本、フィンランド、スウェーデンからの合金鋼厚板 AD 調査
(平成 26 年 1 月調査開始)に対し、調査への対応を通じ、日本製鋼材の輸出が
豪州鉄鋼産業に損害を及ぼした事実はないことを主張した。
□
米国
・継続中の AD 措置に係るサンセット見直し対応に加え、日本が対象国に含まれた 3
件の新規 AD 提訴(ニッケルメッキ鋼板、方向性電磁鋼板、無方向性電磁鋼板)に
ついて、意見書提出および公聴会での証言等、調査対応を行った。
- サンセット見直しに関し、前年度に見直し調査が開始された大径溶接ラインパ
イプに係る調査に対応したが、平成 25 年 9 月、措置継続が決定した。
- 新規 AD 提訴に関しては、日本からのニッケルメッキ鋼板を対象とした AD 調
査(平成 25 年 3 月調査開始)、日本、中国、韓国、ドイツ、ポーランド、チェ
コ、ロシアからの方向性電磁鋼板を対象とした AD 調査(平成 25 年 9 月調査開
始)、日本、中国、韓国、ドイツ、スウェーデン、台湾からの無方向性電磁鋼
板を対象とした AD 調査(平成 25 年 9 月調査開始)への調査対応を通じ、日本
製鋼材の輸出が同国の鉄鋼産業に損害を及ぼした事実はないことを主張した。
□
カナダ
- 日本、台湾、韓国、インドネシア、ブラジル、デンマーク、イタリアからの非
合金鋼厚板を対象とした AD 調査(平成 25 年 9 月調査開始)に対し、調査対応
を通じ、日本製鋼材の輸出が同国の鉄鋼産業に損害を及ぼした事実はないこと
を主張した。
□
コロンビア
- 溶融亜鉛メッキ鋼板、線材、棒鋼、形鋼、継目無鋼管を対象とした SG 調査(平
成 25 年 6~8 月調査開始)に対し、関連情報の収集に努め、一部品種について
は調査に対応した。
・ 米国、韓国、台湾、メキシコ等におけるわが国から輸入される鉄鋼製品に対する新規
通商法提訴に関する動きに対し、関連情報の収集や関係者への働きかけを行い、通商
摩擦の発生の未然防止に努めた。
〔非関税障壁問題への対応〕
□
インドでの鉄鋼製品 9 品目に対する強制規格化について、日本政府や現地関係者と
連携してインドの関係当局に適用除外等の働きかけを行い、一部の用途の適用除
外や導入時期の延期が認められた。
□
台湾での溶融亜鉛めっき鋼板に対する適合性評価手続きの導入の動きに対応し、
台湾当局に適用除外措置および導入延期等の働きかけを実施し、自動車・二輪、
再輸出向け等の適用除外および 3 か月間の導入延期が実現した。
□
マレーシアにおける適合性評価手続の運用厳格化や輸入ライセンス制度等保護主
義的な鉄鋼政策の導入、インドネシアの船積前検査およびベトナムの輸入ライセ
ンス制度などのほか、ベトナム、中国、韓国における強制規格導入懸念や、メキ
28
シコにおける輸入手続厳格化など、輸入制限的措置に関する情報を収集し、問題
の早期解決に資する活動を実施した。
② 二国間鉄鋼対話への対応
・ 日本政府は、鉄鋼市場および貿易に関する相互理解の増進と鉄鋼貿易摩擦の未然防止を
目的に、中国、韓国、台湾、タイ、インドネシア、EU との間で二国間鉄鋼対話を実施
しており、鉄連では、これら鉄鋼対話に積極的に参画するとともに、二国間鉄鋼対話を
有益で実り多いものとするために、対話開催に当たって相手国の鉄鋼団体ならびに日本
政府との調整に努めた。
・ 平成 25 年度においては、韓国(第 14 回:平成 25 年 5 月 14 日(ソウル)
)、中国(第
20 回:平成 25 年 9 月 9 日(札幌))
、台湾(第 13 回:平成 25 年 11 月 1 日(台北))、
タイ(第 11 回:平成 25 年 11 月 21 日(バンコク))、インドネシア(第 4 回:平成 26
年 3 月 13 日(大阪)
)の各鉄鋼対話が開催され、相互の鉄鋼市場に関する情報交換を通
じて、双方の国内鉄鋼市場に関する理解促進と国際鉄鋼市場に関する認識の共有化を図
り、通商摩擦の未然防止に努めた。
③ 対米広報活動
・ 米国における通商問題への対応の一環として、鉄連の在米広報窓口であるニューヨーク
JSIC(Japan Steel Information Center)委員会を中心に、PR エージェント及び鉄連
顧問弁護士、鉄鋼需要家組織である米国輸入業者団体(AIIS)および需要家連合(CITAC)
と連携・協力し、広報活動を展開した。
・ 平成 25 年度においては、米国鉄鋼業界紙への日本鉄鋼業の紹介記事の掲載(4 月、11
月。平成 24 年 11 月 26 日~30 日に、鉄連広報 WG と高炉 4 社が業界紙記者の日本視察
に対応した成果)の他、国際貿易委員会および JSIC 委員会メンバーが在米日本大使館
を訪問し、米国鉄鋼貿易に関する日本鉄鋼業界の関心・懸念事項を伝達する(平成 25
年 9 月)など、日本の鉄鋼製品に対する理解向上、通商摩擦の未然防止、日本製鉄鋼製
品に対する AD 措置の早期撤廃に資する活動を行うとともに、JSIC 委員会のホームペ
ージの充実を図り、日本の鉄鋼業に対する認知度向上を図った。
(2)国際協力等
① OECD 鉄鋼委員会
・ OECD 鉄鋼委員会は、OECD 加盟国のほか、オブザーバーとしてロシア、中国など世
界の主要製鉄国の政府・業界関係者が一同に会し、世界鉄鋼業が抱える諸問題について
検討を行っている。
・ 平成 25 年度は、第 74 回委員会、第 75 回委員会が開催され、当該会合において、世界
的な鉄鋼生産能力過剰問題が独立した議題として取り上げられ、各国による意見交換が
行われた他、国際鉄鋼市場の動向、鉄鋼分野における保護貿易的措置に関する動向、環
境・エネルギー対策、原料問題等について情報交換が行われた。
・ 鉄連より、日本の鉄鋼需給状況について報告を行うとともに、第 75 回委員会において
は、日本の鉄鋼業界による過去の構造調整の経験等に関する発表を行った。
② 東南アジア鉄鋼協会(SEAISI)への協力
・ 通商分野以外における SEAISI への協力も次の通り継続して実施した。
□ 日本研修プログラムの実施
29
実施日:平成 25 年 10 月 21 日~10 月 25 日
研修テーマ:
「日本鉄鋼業のトレンド―応用・プロセス・資源・環境・省エネ・リサ
イクル等の視点から―」
研修プログラム:各種講義、3 ヵ所の製鉄所並びに(独)物質材料研究機構等訪問
他
参加国:ベトナム、タイ、フィリピン、マレーシア、インドネシア、シンガポール
参加人数(来日者数)
:16 名(各国鉄鋼メーカー関係者)
□ 環境安全委員会での講演
実施日:平成 25 年 11 月 23 日(土)
実施テーマ:
「最新の気候変動交渉に関する情勢と日本のスタンス」
□ 巡回セミナーへの講師派遣
実施日:平成 26 年 3 月 17 日~26 日
実施国:ベトナム、タイ、フィリピン、マレーシア、インドネシア
セミナー全体テーマ:
「リーン・オペレーションを通じた鉄鋼操業面の収益性改善」
日本派遣講師・講義テーマ:
「鉄鋼生産工程における生産効率性改善のためのデータ
分析」
□ 統計委員会
日本の鉄鋼統計データの提出。
(3) わが国への不公正な鉄鋼輸出への対応に向けた活動
・ 近隣アジア諸国を中心に鉄鋼生産能力の大幅な拡張が進み、わが国への鋼材輸出圧力が
一段と高まりを見せていることから、関心品目の輸入状況に関するモニタリングの精度
向上に努めたほか、わが国への不公正な鋼材輸出に対しては、わが国通商法に基づき迅
速な対応がとれるよう、関係各方面との情報共有や連携体制の整備を進めた。
(4) 北京事務所の活動
・ 鉄連北京事務所では、国際鉄鋼市場に大きな影響を与えている中国の鉄鋼需給動向や貿
易動向、鉄鋼産業政策に関する現地情報の収集に努めるとともに、日中鉄鋼対話など 2
国間交流の支援、現地政府関係機関並びに中国鋼鉄工業協会等との交流、通商問題への
対応および情報収集、鉄連会員や日系コイルセンターなど現地の企業への協力等を行っ
た。なお、同事務所からの現地情報は「中国の鉄鋼関連情報」として取りまとめを行い、
広く会員の利用に供した。
7.法規・財務関係
(1)平成 26 年度税制改正要望への対応
・ 平成 25 年度においては、上記1.
(2)産業競争力の強化を通じた健全な成長戦略の確
保の項で記歳した政府の成長戦略へ企業設備投資刺激策を盛り込むための要望活動お
よび日本再興戦略に係る税制改正要望活動を展開するとともに、平成 26 年度税制改正
において、平成 25 年 10 月に決定した「民間投資活性化等のための税制改正大綱」で措
置されなかった①法人実効税率のさらなる引下げ、②償却資産に対する固定資産税の縮
減・廃止、③研究開発促進税制の拡充、④地球温暖化対策のための税の廃止、⑤石油石
炭税における原料用途免税の本則非課税化の5項目を「重点要望事項」、地震・津波等
への対策を促進する税制上の措置の拡充・恒久化等 14 項目を「その他要望事項」とす
30
る意見書を取りまとめ、与党をはじめ関係方面への要望、意見具申を行った。
・ 平成 25 年 12 月に決定した与党の「平成 26 年度税制改正大綱」では、償却資産に対す
る固定資産税の見直しについては、これまで大綱では取り上げられたことがなかったが、
初めて「引き続き検討する」こととされ、法人実効税率のさらなる引下げについては「引
き続き検討を進める」こととされた。研究開発促進税制の拡充(総額型)および地球温
暖化対策のための税の廃止については取り上げられなかった。また、石油石炭税におけ
る原料用途免税の本則化については、「引き続き検討する」とされた。
(2)企業会計制度の見直しへの対応
・ 企業会計審議会が、平成 25 年 6 月に、これまでの議論や国内外の動向等を踏まえ、わ
が国における今後の国際会計基準(以降、IFRS)への対応のあり方に関する当面の方針
を示した。
・ こうした動きを踏まえ、会計基準の見直しおよび IFRS 適用に向けた動き等に関し、情
報収集、検討状況の取りまとめ、経団連企業会計委員会、経済産業省、企業会計基準委
員会(ASBJ)等とも実務的な観点からの意見交換、情報の共有化を行った。
(3)その他
・ 会員会社決算状況並びに会員会社租税負担状況及び租税特別措置等の利用状況につい
て取りまとめを行った。
8.鉄鋼原料の安定確保に向けた環境整備関係
(1)インドネシア新鉱業法への対応
・ 平成 26 年 1 月からのインドネシアでの新鉱業法施行による未精錬鉱石の輸出禁止措置
の実施に先立ち、平成 25 年 2 月に、ユドヨノ大統領は関係大臣に対し、具体的な政策
やロードマップの策定を指示するとともに、経済担当調整大臣にはその進捗状況を 6 カ
月後に報告するよう求める大統領令を発出したが、同年 9 月を過ぎても具体策の公表は
行われず、日本政府はあらゆる機会を捉えて、インドネシア政府に対し輸出継続の働き
かけを行ったものの、平成 26 年 1 月 12 日よりニッケル鉱石・銅鉱石は全面輸出禁止と
され、銅精鉱・銅スライム(液状銅鉱石)については、輸出税を賦課して 3 年間の輸出
継続を認めることとなった。
・ 日本政府は WTO 提訴を視野に入れた対応検討に入り、鉄連においても、フェロニッケ
ルユーザーの立場から、今後とも経済産業省、日本鉱業協会に対し、必要なデータ提供
等、可能な支援・協力を行っていくこととした。
(2)原料問題への各種対応
・ 平成 25 年は租税特別措置法の改正年に当り、鉄鉱石が支援品目となっている「海外投
資等損失準備金制度」の延長要望活動並びに利用実績等のデータ提供を実施した結果、
12 月公表の平成 26 年度税制改革大綱にて 2 年間の支援延長が認められた。
・ 石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)主催の「レアメタル備蓄検討委員会」
に参画し、下部委員会である「需給動向調査小委員会」にて実施した「25 年度レアメタ
ル備蓄 9 鉱種の動向等調査」の取りまとめに協力した。
また、日本鉄源協会「需給流通委員会」にオブザーバー参加し、関連情報の収集を行っ
た。
・ 日本政府が TPP(環太平洋パートナーシップ協定)に参画するのに伴い、鉄連は鉄鋼業
31
を網羅した要望事項を提出することとした。これを受け、会員ヒアリングを実施して、
原料分野での要望事項を取りまとめた。
(3)その他
・ 原料動向の把握のため、次の統計及び情報収集を行い、会員へ供した。
① 鉄鉱石、原料炭に関する自主統計他、各種原料関係統計の整備
② 各種原料の需給動向等に関する情報収集
9.物流関係
(1) 国内物流
① 陸上輸送における規制緩和実現に向けての対応検討他
・ 鋼材輸送に利用されるセミトレーラー等特例 8 車種については、平成 15 年に連結車両
総重量 44 トンを上限とした分割可能貨物の積載緩和が実施されているが、特殊車両通
行許可申請におけるB条件(徐行および連行禁止)での許可重量、積載寸法等における
実質的な緩和を享受すべく、国土交通省道路局との意見交換・働きかけを継続して実施
した。
・ 実質的緩和に向けて、全日本トラック協会と共同して関東圏における通行ルート上の具
体的な問題個所について調査を行った結果、積載制限等の制約要因となっている橋梁等
は主要国道で 35 箇所検出され、平成 25 年 10 月に、国交省道路局並びに関東地方整備
局に対して結果報告を行うとともに、早期補強対策の実施を要望した。
② その他の活動
・ 平成 25 年 7 月に期限を迎える現在の総合物流施策大綱に替る「新しい物流施策大綱」
の策定検討が開始されるのに際し、物流政策委員会は、検討主体となる有識者検討委員
会に参加し、原料輸入船舶の大型化への港湾対応の必要性等につき意見発信を行った。
・ 国土交通省が主管する交通政策審議会海事分科会で検討されている「船舶交通の安全・
安心をめざした取り組み」について、会議を傍聴する等政府の検討状況につき情報収集
し、会員周知を図った。
・ 平成 25 年 12 月に成立した産業競争力強化法における事業者ベースの規制改革制度(企
業実証特例制度)につき、経済産業省より制度内容の説明を受けるとともに、要望案件
について適宜協議を行った。
・ 政府に設置された規制改革会議での案件審議に伴い、鉄鋼物流における要望事項を検討
するとともに、近年、経団連に提出した規制改革要望事項の精査を行った。
(2)国際物流
① 国際法規への対応
・ 国際海事機関(IMO)において、鉄鉱粉を液状化貨物として取扱うことについての審議
が継続されたことから、実質的検討を行う鉄鉱粉通信グループ(CG)に対して、国内
関係業界の一員として鉄鉱粉運送への過大な制約は回避すべきとの日本意見の反映に
努めた。
・ 主要鉄鉱石サプライヤーで構成する鉄鉱技術作業部会(TWG)より運送要件に係る研究
結果の報告を受けた CG は、①ゲーサイト(針鉄鋼)を 35%以上含有する場合は、液状
化するおそれが無いこと、②液状化物質として運送する際に求められる TML(運送許
32
容水分値)に関し新たな決定方法を採用する、とした CG レポートを IMO 事務局に提
出し、平成 25 年 9 月に開催された IMO・DSC18(第 18 回危険物・個体貨物・コンテ
ナ小委員会)では、同レポートに基づき検討が行われ、鉄鉱粉は液状化貨物として区分
するものの、CG 報告の通り、ゲーサイト(針鉄鉱)を 35%以上含有する場合は、非液
状化貨物である鉄鉱石と同様の運送を認めるとともに、液状化物質として運送する際に
求められる運送許容水分値(TML)の新たな決定方法についても承認された。
・ DSC18 での鉄鉱粉運送要件に関する結論を受けて、日本海事協会にて実施中の「鉄鉱
石粉専用船の強度・復元性研究」の取り扱いを関係者間で協議した結果、当該研究の緊
急性は遠のいたとの結論を得、凍結することで合意した。
(3)保険・運輸関係
・ (独)日本貿易保険(以下、NEXI)との間で、平成 25 年度貿易一般保険包括保険(鋼
材)の特約を締結し、会員の鉄鋼包括保険契約の窓口として円滑な業務運営に努めた。
なお、平成 25 暦年の当連盟の取り扱い保険金額は、輸出増を反映し前年比 24.2%増の
1兆 6,950 億 2,900 万円、NEXI への支払い保険料は同 25.5%増の 10 億 800 万円、受
取保険料は実績がなかった。
・ 「輸出運輸小委員会」では、北米の検疫当局が管掌する「アジア型マイマイガ(AGM)
に係る検疫規制強化」に関し、引き続き農林水産省消費・安全局と情報共有を図るとと
もに、NEXI に対し AGM に起因する損害等は自然災害に該当するとの認識から包括保
険での填補が認められるよう引き続き要望活動を実施し、制度改善の一環として填補対
象に加える方向で検討する旨の回答を得た。
・ 木材片緩衝材(ダンネージ)には、防疫上、消毒済みを示す押印処置が必要であるが、
平成 25 年 11 月、米国向け船舶において押印処置が不完全との理由から陸揚げを差し止
められたとの情報を受けたことから、同国での厳格運用の可能性を想定し、会員企業に
対し注意喚起を行うとともに関連情報の収集に努めた。
10.特殊鋼関係
(1)特殊鋼需給関係
・ 特殊鋼に関わる統計の集計を行うとともに、電子化による集計業務の簡素化、迅速化を
図った。また、主要添加合金に関する調査を実施したほか、特殊鋼関係資料等を作成し、
関係方面に配布した。
(2)特殊鋼会関係
・ 特殊鋼会を四半期毎に開催し、特殊鋼需要見通しについて経済産業省から説明を受ける
とともに、特殊鋼を取り巻く需給事情や環境、原料、輸送、技術、税制、貿易問題等、
特殊鋼電炉に係る最近の動向や諸問題について幅広く情報交換を行った。
11.労働関係
(1)労働関係法制等の諸課題への対応
① 女性の活躍推進に関する講演会の開催
・ 日本の労働力人口の減少が見込まれる中、女性の活躍推進は、その解決策の一つとして
政府の成長戦略(日本再興戦略)の中でも中核に位置づけられ、女性の積極的登用と継
続就業についての経済界への要請、数値目標の設定と併せて各種の支援策が講じられて
33
いる。鉄鋼労働政策連絡会では、内閣府から担当官を招いて各種施策に関する講演を実
施し、業界における女性活用推進の考え方への理解を深めた。
② 企業のメンタルヘルス対策に関する講演会の開催
・ 近年、労働者の心の健康の問題に関し、いわゆる“新型うつ”と呼ばれる現象について、
その定義の曖昧さもあって企業の業務遂行上問題視される局面が増えてきている。鉄鋼
労働政策連絡会では、筑波大学・松崎教授を招いて、「消耗型」「未熟型」の二類型に分
類される現代の「うつ」それぞれの対処法について、実践に基づく取組事例に関する講
演を実施し、企業に求められるメンタルヘルス対策に関する知識を深めた。
③労働・社会保障関係法制の改正動向等に関する情報提供
・ 労働・社会保障関係法制の動向に対し、関係省庁、経団連等より情報収集を行い、入手
資料を鉄鋼労働政策連絡会の各社委員に配布するなどの情報提供を行った。
(2)各種統計調査・情報提供
・ 各社の人事労政施策の一助とするため、鉄鋼賃金、雇用、生産性、福利厚生等の統計調
査及び情報提供を行った。
(3)労働災害防止活動について
・ 平成 24 年度において、点検・整備等の非定常作業における「挟まれ・巻き込まれ」重
大(死亡)災害が多発した状況に鑑み、その撲滅に向けて、重大災害防止重点対策を中
心に以下の活動を展開した。
① 重大災害防止対策の実施状況のフォローアップ
・ 平成 19 年に作成した「重大(死亡)災害分析WG報告書」の対策提言内容について実
施状況調査を行い、夏季安全衛生研修会にて報告。更なる対策の強化を促すとともに、
各事業所で展開している取組み事例を会員サイトに掲載し、情報共有化を図った。
② IT ツールを活用した安全対策の推進
・ 上記①の実施状況調査により今後の課題として抽出された IT ツールを活用した安全対
策について、各事業所における導入状況・活用事例調査を行い、先進的な取り組み事例
を会員サイトに掲載することにより、その普及を促進した。
③ 鉄鋼業の非定常作業ガイドライン見直し案の検討
・ 非定常作業における労働災害防止対策の一環として、国の指針「鉄鋼生産設備の非定常
作業における安全衛生対策のためのガイドラインについて」
(平成 9 年 3 月)への新知
見の盛り込みや近年の法改正動向の反映を目的に、指針改訂委員会(中央労働災害防止
協会)に会員企業より委員を派遣し、見直し内容に関する報告書策定に協力した。
④ 直協一体となった研鑽の場の提供
・ 夏季安全衛生研修会(参加者 309 名)
、全国安全衛生大会(参加者 206 名)における災
害事例報告や時宜を得た特別講演(重大災害防止対策実施状況、安全活動実践論、熱中
症、非定常作業ガイドライン改訂)に加えて、全国 10 地域の地域別安全衛生分科会(累
計参加者 227 名)でのグループ討議(共通テーマ:挟まれ・巻き込まれ災害防止)等を
通じて、直協一体となった研鑽の場を提供した。
34
⑤ 鉄連会員サイトを活用した効果的な災害防止対策の普及促進
・ 類似災害防止の観点から、休業以上の災害について、発生後取られた具体的な分析・対
策を収集し、会員サイトに迅速に公開することにより、会員各社の災害防止活動への利
用促進を図った。併せて、鉄鋼労働災害統計、推進本部作成の各種調査報告書・マニュ
アル類及び行政からの周知情報等の掲載を通じて、業界横断的な情報共有を進めた。
⑥ 安全衛生スタッフの育成
・ 鉄鋼固有の安全衛生問題に対処できる人材の育成を目的とした「鉄鋼安全衛生管理者研
修」を次のとおり開催した。併せて、公益財団法人 労働科学研究所と共同で「鉄鋼産
業における安全衛生初期教育プログラム」研修会を開催した。
□ 第 7 回衛生管理者研修会(6/6~7、参加者 46 名)
□ 第 7 回安全管理者研修会(9/5~6、参加者 45 名)
□ 「鉄鋼産業における安全衛生初期教育プログラム」(9/4、参加者 31 名)
⑦ メンタルヘルス対策の検討
・ 全国衛生管理者協議会と連携し、各社の対応状況の把握と今後の施策への反映を目的と
して、衛生管理者のメンタルヘルス活動についてのアンケート調査を実施。回答のあっ
た事業所のデータを分析し、会員各社のメンタルヘルス施策の参考情報として、業界の
実態を会員各社に提供した。
⑧ 調査統計資料の作成
・ 鉄鋼業における以下の安全衛生関連の調査統計資料を作成し、会員会社の安全衛生水準
の向上に資した。
□ 安全:労働災害統計、安全管理概況、各社安全衛生管理方針・目標・計画
□ 衛生:衛生統計関連調査(衛生管理概況、私傷病休業統計、業務上疾病統計、死因調
査)
(4)能力開発への対応
・ 各社の能力開発促進の一助とすべく、厚生労働省「卓越した技能者(現代の名工)」表
彰者および黄綬褒章の推薦を行ったほか、産業技術短期大学、各社職業訓練校の優秀卒
業生の表彰を行った。
12. IE・JK 関係(プロジェクト事業)
① IE(Industrial Engineering)関係
1)IE 研究会
・ 各社 IE 部門リーダーの情報交換の場として、平成 25 年 7 月および 12 月に研究会を
開催し、各事業所での IE 業務の取り組み事例、省力化、人材育成等について意見交
換を行った。
2)IE・システム事例研究会
・ 各社の IE・システム関係者の研鑽・情報交換を目的として、平成 25 年 6 月(神戸国
際会議場、見学:理化学研究所 スーパーコンピュータ「京」、神戸港埠頭コンテナ
ヤード)および 11 月(JFE スチール㈱ 西日本製鉄所(倉敷地区)、見学:同製鉄所)
に事例研究会を開催した。
業務効率化や物流改善、人材育成等に寄与した計 10 件の事例発表があり、延べ約 190
35
名の参加者による活発な質疑応答、意見交換が行われた。
・ 平成 25 年 6 月の事例研究会は、第 150 回記念大会として、西成活裕教授(東京大学
先端科学技術研究センター)、椹木哲夫教授(京都大学大学院工学研究科)による特
別講演を開催した。
(2)JK 関係
① JK 幹事会
・ 平成 25 年度中を通じて 5 回開催し、JK 発表大会、JK 研修セミナーの事前準備やその
内容等について検討を行った。
② JK 発表大会
・ 平成 25 年 9 月 19 日~20 日に神戸市産業振興センターにおいて、25 社 350 名の参加の
もと、各社の取り組んだコスト低減、能率向上、品質向上、安全衛生、環境保全、技術
伝承等のテーマ 46 件の事例発表大会を行った。併せて、U.B.U 株式会社代表 西任暁子
氏による『
「ひらがな」で話す技術』と題する講演を実施した。
③ JK 研修セミナー
・ 各社の自主管理活動の推進者を対象に、平成 26 年 2 月 26 日~28 日にニチイ学館ポー
トアイランドセンターにおいて、18 社 75 名の参加のもと、自主管理活動を積極的に推
進する意欲を養い、情報交換を通じた活動の場作りのノウハウを蓄え、JK ストーリー
並びに JK 手法の研修を通じて問題解決能力を向上することを目的とした、研修セミナ
ーを開催した。
13. 統計関係
(1)承認統計に係る集計受託事業の継続実施(受託事業)
・ 鉄連では、経済産業省製造産業局鉄鋼課より、承認統計「鉄鋼需給月報(生産業者工場
用・販売業者用)
」
・
「鉄鋼生産内訳月報」の統計業務を受託しており、平成 25 年度も当
該調査の集計業務と鉄鋼課への結果報告を実施した。
(2)国際鉄鋼諸機関への統計協力
・ 世界鉄鋼協会(worldsteel)
、東南アジア鉄鋼協会(SEAISI)等への統計協力として、
日本の銑鉄、粗鋼、鋼材生産、輸出入実績等について報告を行なった。
(3)経済産業省生産動態統計調査改正への対応
・ 経済産業省・大臣官房調査統計グループによる生産動態統計調査の改正を受け、改正に
伴う鉄連各種統計類の修正内容を整理のうえ、鉄鋼統計専門委員会を通じて会員各社に
周知するとともに、鉄連自主統計の従来通りの実施と調査への協力を回答各社に依頼し
た。
(4)日本鉄鋼連盟コンプライアンス規程に基づく統計類の見直し
・ 日本鉄鋼連盟コンプライアンス規程を受け、鉄連が集計・公表している需給関連統計類
の公表内容・開示時期等の見直しについて、統計専門委員会等を通じ検討を行った。
(5)その他
① 所管官庁の統計品目見直し等に関する検討
・ 財務省より、平成 26 年輸出入統計品目表改正案の提示および意見照会があったことを
36
受け、鉄鋼統計専門委員会を始め関連鉄鋼団体にも意見照会を実施し、業界への影響が
大きいとみられることから反対である旨の意見具申を行った。
② 生産・需給・受注・貿易統計等の統計書の作成、提供
・ 会員各社の業務上の参考資料として、会員以外の協力も得て鉄鋼生産速報、鉄鋼用途別
受注統計、鉄鋼需給統計月報等を作成するとともに、鉄鋼輸出入実績(Excel 版)、主要
国鉄鋼貿易統計(Excel 版)
、鉄鋼統計要覧等の統計を整備し、会員各社に配布した。
・ 毎月の鉄鋼生産動向等を報道関係者および広く一般の関係者にも周知するため、鉄鋼生
産概況(速報)
、鉄鋼需給速報、貿易概況、用途別受注統計概要等の各種関係統計情報
を配布するとともに、鉄連ホームページを活用した各種統計の情報発信を行った。
③ 海外主要国の鉄鋼貿易統計の収集・統計データの作成・提供
・ ドイツ、イギリス、フランス、イタリア、ベルギー、韓国、台湾、タイの各国鉄鋼団体
との間で、鉄鋼製品関係貿易統計データの相互交換を継続実施した。平成 25 年度は、
新たにメキシコの鉄鋼製品関係貿易データを相互交換により入手することとなった。
④ 統計の整備・見直し・電子化の推進
・ 鉄鋼連盟会員サイトに掲載する統計情報に関し、会員への統計情報サービスの迅速化、
効率化を推進した。
14.電子商取引関係
(1)輸出取引への適用に向けた鉄鋼 EDI 標準の拡張
・ 海外鉄鋼市場の拡大・海外鉄鋼ミルとの競争激化を踏まえ、国際競争力強化の一環とし
て、海外需要家へのサービス向上に資するために策定した輸出取引向け標準メッセージ
について、薄板分野での実証実験を実施した。
(2)業界外の EDI 標準化の動向把握
・ 国連傘下で進められようとしているアジアを中心とした国・地域間での相互運用性や業
際性を備えたビジネスインフラ推進の動きを中心に他業界や国際的な EDI 標準化の動
向把握に努めた。
(3)標準企業コードの登録・管理/鉄鋼 EDI 標準・57 項目の維持管理
・ 一般財団法人日本情報経済社会推進協会が運用管理する標準企業コードに関して、鉄鋼
業界のコードセンターとしての役割を担い、鉄鋼 EDI 標準に基づいて電子商取引を開
始又は実施している企業の標準企業コードの発番・登録・更新業務等を実施した。
・ 鉄鋼メーカー・商社間で取り交わされる電子商取引情報(標準項目コード、揚港・最終
仕向国コードの新規採番等)ならびに帳票類で使用される 57 項目の業界標準項目の維
持・管理業務を実施した。
15.情報管理関係
(1)鉄鋼統計改正への対応
・ 平成 26 年 1 月分からの鉄鋼統計改正に伴い、鉄鋼生産・需給関係の統計類について集
計・帳票システムのプログラム修正を実施した。
37
(2)会員サイトのアクセス状況の分析と同サイトの適切な管理
・ 会員共有の貴重な財産である会員サイトについて、情報漏えい防止の観点からパスワー
ドの強制変更タイミングに合わせてアクセス状況を分析・確認し、会員サイトの会員に
よる適切な利用の促進を図った。
(3)事務局内ネットワーク基盤の更新・維持管理
・ 会員サービスレベルの維持・向上、事務局業務の円滑な遂行に資するため、事務局内シ
ステムの維持管理、ネットワークセキュリティ面での監視を継続した。
(4)IT 技術に係る動向調査
・ 会員向け情報提供業務の充実化、事務局業務の効率化に資する新技術等について、適用
可能性の調査等を進めた。
(5)ライブラリー関係
・ 業界を代表する鉄鋼情報センターとして、鉄鋼関連の内外諸資料の収集・整備に努める
とともに、会員はもとより広く一般利用者に対しても以下の資料情報提供サービスを実
施し、これらの活動を通じて鉄鋼に係る諸情報の普及並びに鉄鋼業への理解向上に努め
た。
□ 図書・資料の閲覧・貸出と、著作権法に基づく複写サービス
□ 鉄鋼関連新聞記事、雑誌掲載記事の索引ファイル作成
□ 映像ライブラリーの運営(鉄鋼業ならびに需要業界作成のビデオ・DVD 無料貸出)
16.広報関係
(1)鉄鋼業の社会的認知度向上を目的とした活動
① ものづくり教育
・ 将来を担う小学生の鉄鋼業に関する知識を深めることを目的に社会科副教材「ハツラツ
鉄学(教師用ガイドブック付)」ならびに理科副教材「ワクワク鉄学」を全国の国公私
立小学校 2 万 1 千校にサンプル配布し、
追加入手希望が寄せられた学校に無償配布した。
平成 25 年度の配布状況は、
「ハツラツ鉄学」が 2,488 校に 186,976 部、
「ワクワク鉄学」
が 975 校に 129,438 部となっている。
・ 「ハツラツ鉄学」については、一層の配布拡大に向けて、一貫製鉄所や広報専門委員会
会社の事業所が所在する 25 市(室蘭市、鹿嶋市、千葉市、君津市、川崎市、東海市、
和歌山市、神戸市、加古川市、倉敷市、福山市、呉市、北九州市、大分市、神栖市、渋
川市、木更津市、横浜市、射水市、半田市、津市、姫路市、笠岡市、周南市、下関市)
の教育委員会の承認を得て、25 市内全校への配布を実施した。
・ 全国の小学校社会科教諭を対象とした製鉄所見学会を、平成 25 年度は計 8 回(群馬県
小学校社会科部会、水戸市社会科教育研究部、東京都小学校社会科研究会、横浜市小学
校社会科研究会、愛知県社会科教育研究会、呉市小学校社会科部会、香川県小学校社会
科教育研究会、福岡県小学校社会科教育研究会)開催し合計 230 名の教諭の参加を得た。
・ 東京都小学校理科教育研究会との共催で、「電磁石の実験・工作を通して知る鉄の不思
議な性質と可能性」と題して教諭向けの実技研修を開催し、22 名の教諭の参加を得た。
・ 全国小学校社会科研究協議会、全国小学校理科研究協議会の全国研究大会でのPR活動
を通じて教育現場とのつながりを強化し、授業において副教材を利用して鉄・鉄鋼業を
教える学校の拡大を図った。
38
・ ワクワク実験隊「鉄の不思議教室」を、全国 4 会場(北九州、倉敷、神戸、名古屋)で
開催し計 312 名の参加を得た。
・ 「たたら製鉄体験」イベントを平成 25 年 11 月に開催し(於:科学技術館)
、子供たち
に鉄の面白さを体感させ、
「ものづくり」の重要性への理解促進に努めた。
・ 小学生親子を対象とした東京スカイツリー見学会を平成 25 年 12 月 1 日(鉄の記念日)
に開催し、スカイツリーを通じて日本鉄鋼業の技術力の高さや魅力についての理解促進
に努めた。
② 採用活動支援
・ 平成 27 年卒業予定の大学生・大学院生を対象に、鉄鋼業の先進性、将来性等を紹介し
たウェブサイト(http://www.tekko-r.com/)の開設やポータルサイト(Yahoo!)へのバ
ナー広告の掲出を行った。
・ 東京スカイツリーを題材にした採用支援ポスターを、平成 25 年 12 月より全国主要 53
大学の就職課への掲出依頼に加え、京都市営バス(750 台)
、大学学食(23 大学 26 箇
所)
、大学生協主催学内セミナー(16 大学 20 会場及び北東北、南東北、関東、東海、
九州の合同説明会)への掲出を実施した他、主要大学の学食等のデジタルサイネージに
PR 動画を配信した。
(2)ホームページなどを活用した情報発信
・ 鉄鋼業界の動向や地球温暖化問題、通商問題、原材料等の業界を取巻く諸課題に対する
鉄鋼業の考えや取り組み状況等について、ホームページやメールマガジンなど各種媒体
を用いて分かり易くタイムリーな情報発信に努めた。
(3)記者会見の実施
・ 鉄鋼業界の動向や諸課題への取り組み状況・見解等について、メディアを通じて広範な
PR に努めた。
□ 運営委員会終了後の会長による定例記者会見
□ エネルギー・環境問題に関する記者説明会
□ COURSE50 の進捗状況に関する記者説明会
□ ASEAN の鉄鋼需要の現状と展望に関する記者説明会
□ 「エネルギー基本計画に対する意見」に関する記者説明会
□ 日印鉄鋼官民協力会合に関する記者説明会
□ 鉄連の自主行動計画/低炭素社会実行計画への取り組みがエネルギーマネジメント
システム(ISO50001)認証取得に関する記者説明会
(4)各種プレスリリースの実施
・ 生産速報等各種統計データ
・ 地球温暖化対策、通商問題等に関する会長コメント
・ 各種委員会資料
(5)出版事業
・ 鉄鋼業に関する正しい知識と理解の促進を目的として、PR パンフレットを編集・発行
した。
□ パンフレット「日本の鉄鋼業・2013 年版」を平成 25 年 6 月に発行。
□ パンフレット「鉄ができるまで」、「鉄のいろいろ」、「鉄の旅」、ビデオ「鉄―地球
39
の記憶、地球の未来」等の出版物の販売。
(6)主な外部団体等への協力
① 科学技術館 鉄鋼展示室「鉄の丸公園 1 丁目」の運営に関する協力
・ 科学技術館 鉄鋼展示室「鉄の丸公園 1 丁目」では、訪れた子どもたちが、実験や工作
などを通して素材としての鉄の面白さを知るとともに、「ものづくり」を体験できるよ
う、次の 17 のワークショップ(実験・工作)を実施し、好評を得ている。
<平成 26 年 3 月現在のワークショップ概要>
実験:①電子レンジ製鉄 ②制振鋼板プレショー
④高強度鋼の性質 ⑤錆びにくい鉄
③火花による鋼材当て
⑥絵具を作ろう
⑦形状記憶合金
⑧黒いスライムを作ろう ⑨情報を伝える鉄
⑩燃える鉄
⑪鉄は変幻自在(焼き入れ焼き鈍し)⑫鉄の磁性
⑬環境にやさしい鉄づくり(25 年度新規開発プログラム)
工作:①鉄板を使って昆虫を作ろう
②減摩合金でアクセサリーを作ろう
③エッチングで鉄板に絵を描こう ④カンバッチを作ろう
・ 鉄鋼展示室の平成 25 年度の入場者数は約 38 万人と、全館入館者数の約 73%を占めた。
・ 「鉄の丸公園 1 丁目」ワークショップの実験・工作を全国各地の科学館等と連携して実
施する「鉄の丸公園 1 丁目出張教室」
(参加者 220 人)を、平成 26 年 3 月に、鹿児島
市立科学館、鹿児島市立西谷山小学校で開催した。
② クリーン・コールデー
・ 一般社団法人石炭エネルギーセンター(JCOAL)が主催するクリーン・コールデー(石
炭の日:9 月 5 日)の記念行事の一環として、新日鐵住金㈱名古屋製鉄所の見学会実施
に協力した。
③ エコライフ・フェア
・ 環境省主催のエコライフ・フェア 2013(平成 25 年 6 月 1 日~2 日、代々木公園にて開
催)に出展し、地球温暖化対策を中心に鉄鋼業の自主的取り組み(製鉄所での省エネ、
製品による社会での貢献、副産物の利用、リサイクル等)についてパネルにて紹介する
とともに、来場者参加のクイズやゲームにより、鉄鋼業界の環境問題への取り組みを楽
しく学べるブースを展開した。代々木公園に集う一般の方を対象としたイベントであっ
たが、多くの来場者に関心をもってご覧頂き、鉄鋼業界の取り組みへの理解を拡げるこ
とができた。
④ 経済広報センター
・ 一般財団法人経済広報センター事業企画委員会に参画し、社会と産業界とのコミュニケ
ーションを図る活動に参画した。
17.社会貢献活動への取り組み
・ 福祉・学術・スポーツ・国際協力・環境保全などの分野における財界募金依頼への対応
について検討を行う等、業界の社会貢献活動に協力を行った。
40
18.標準化センター関係
(1)JIS 規格の審議・作成
・ JIS 規格 75 件についてセンターで規格審議を行った。平成 25 年度中に発行・廃止され
た JIS は、制定 33 件、改正 22 件、廃止 20 件であった。主な制改正内容を次に示す。
① 顧客ニーズへの対応
・ ユーザーの要求で、低温圧力容器用ニッケル鋼鋼板規格に TMPC(熱加工制御)を用い
た新製品の7%Ni 鋼板を追加した。
② 利便性・生産性向上
・ 試験は規格使用時に使用されるが、試験の用語規格を 26 年振りに大幅改正し、最近の
技術を採用し、改正した。
・ 原子吸光分析規格を 31 規格に分割し制定した。元素、分析方法で細分化したため、今
後は管理・改正が容易になる。
(2)ISO 規格及び海外規格の審議・作成
・ ISO 国際会議に出席し、69 件の IS について主に整合性向上(優れた JIS を反映)を目
的として制改正審議を行った。2013 年には、7 件が制定、18 件が改正、6 件が廃止と
なった。
・ 日本がリーダーシップをとった鉄鋼の CO2 排出量算出の2規格 ISO 14404-1(高炉)、
ISO 14404-2(電炉)が制定・発行された。
。
・ 鉄鋼製品の用語規格を改正・発行した。日本独自の製品・技術(ハット型鋼矢板、めっ
き薄目付け、外法H形鋼、他)を多数追加した。
・ ISO/TC17(鋼)/SC9(ぶりき及びぶりき原板)について日本が幹事国となり、改正中。
(3)ISO 幹事国業務
・ 平成 25 年は次の 6 件の ISO 幹事国業務を実施した。
□ ISO/TC102(鉄鉱石および還元鉄)
□ ISO/TC102/SC1(サンプリング)
□ ISO/TC17(鋼)
□ ISO/TC17/SC1(分析方法)
□ ISO/TC17/SC9(ぶりき及びぶりき原板)
□ ISO/TC67/SC5(油井管)
(4)受託事業
・ 平成 25 年度国際標準開発事業を国から受託し、JIS の優れた内容7件について ISO 規
格へ反映すべく調査・研究を行った。
(5)鉄鋼標準物質(JSS)
・ 平成 25 年度は、15 品種の製作を完了し(昨年は 18 品種)、販売を開始した。平成 21
年に採用したフライス盤方式(回転切削)の生産性を、平成 24、25 年度は大幅に改善
することができたため、各品種の在庫切れ状態をほぼ解消できる見込みとなった。
19.日本鉄鋼連盟の運営に係わる諸課題への対応
・ 現行会員・会費制度の改訂に向けて、会員制度面、会費制度面からみた検討課題と各課
題に関する考え方の整理を行い、新制度の成案作りに取り組んだ。
41
・ 鉄連が収集・管理・提供する統計情報の開示方法に関する「統計情報管理細則」の策定
に向けて、統計類の内容や公表時期等の見直し案の作成を進めた。
20.その他
(1)鉄鋼産業懇談会
・ 鉄連が、経済産業省より事務局を委嘱されている鉄鋼産業懇談会を開催し、会議の円滑
な運営に努めるとともに、関連資料の作成・調査等を行った。
(2)全国小棒懇談会
・ 鉄鋼メーカーと商社で構成される全国小棒懇談会の事務局として、全国小棒懇談会を毎
月開催し、小形棒鋼の需要動向の把握に努めるとともに、各種小棒関連の資料を取りま
とめて関係方面に提供した。
(3)鉄鋼産業取引適正化ガイドライン改訂対応
・ 経済産業省鉄鋼課より、平成 26 年 4 月 1 日の消費税率引上げに際し、下請事業者の消
費税の円滑かつ適正な転嫁の確保並びに現行の鉄鋼産業取引ガイドラインのブラッシ
ュアップを目的とした「鉄鋼産業取引適正化ガイドライン」改訂版の作成について協力
依頼があり、鉄連の業務委員会の下部に「鉄鋼産業取引適正化ガイドライン改訂検討ワ
ーキンググループ」
(高炉メーカー4 社、商社 2 社、経済産業省鉄鋼課で構成)を設置
して対応した。
・ 標記検討WGでは、高炉メーカー4 社の取引先で下請法の適用が想定される企業へアン
ケート調査を実施し(2,178 社に送付し 849 社より回答)、その結果を踏まえて、概要
以下を内容とする改訂案を取りまとめた。
-下請事業者の消費税の円滑かつ適正な転嫁の確保に関する事項
アンケート調査の結果、大きな問題点の指摘がなかったことから、現行ガイドライン
に「Ⅷ.円滑な消費税の転嫁」と題する章を設け、消費税転嫁対策特別措置法の「消
費税の転嫁拒否等の行為の是正に関する特別措置」に係わる留意事項について、公正
取引委員会、
中小企業庁がリーフレット等で注意喚起している事項を中心に追記した。
-下請法に関する記述内容のブラッシュアップ対応
アンケート調査の結果、下請法で規定する 4 つの義務と 11 の禁止事項について、そ
の趣旨・内容の再徹底を図った方が法令遵守の徹底化の点から好ましいと思われる事
柄について、徹底化すべき内容を追記した。
21.主要行事
(1)賀詞交換会
鉄連の新春恒例の賀詞交換会を下記のとおり開催した。
① 東京地区
・ 平成 26 年 1 月 7 日、ホテルニューオータニにおいて、業界関係者 1,700 名の参集のも
とに開催した。当日は友野会長の年頭挨拶と松浦副会長の音頭による乾杯に続き、茂木
敏充 経済産業大臣、石原伸晃 環境大臣からご祝辞を頂き、盛会裡に終了した。
② 大阪地区
・ 平成 26 年 1 月 8 日、リーガロイヤルホテルにおいて、業界関係者 700 名が出席して開
催された。主催者である鉄鋼 6 団体の代表として日本鉄鋼連盟より織田JFEスチール
42
副社長が年頭挨拶を行い、次いで、小林近畿経済産業局長からのご祝辞と冨樫副会長の
音頭による乾杯が行われ、盛会裡に終了した。
③ その他地区
・ 札幌 1 月 8 日札幌グランドホテル
・ 仙台 1 月 8 日ホテルメトロポリタン仙台
・ 広島 1 月 9 日リーガロイヤルホテル広島
・ 福岡 1 月 8 日ホテル日航福岡
・ 名古屋 1 月 10 日ウェスティンナゴヤキャッスル
(2)平成 26 年(第 55 回) 鉄鋼安全表彰式
・ 平成 26 年鉄鋼安全表彰式を平成 26 年 2 月 28 日、鉄鋼会館において開催した。表彰式
には、友野宏 会長、佐藤直樹 安全衛生推進本部副本部長をはじめ、各社社長、さらに
来賓として、経済産業省製造産業局の小川誠 大臣官房審議官、厚生労働省の奈良篤 安
全衛生部安全課長(代理)
、中央労働災害防止協会の関澤秀哲 理事長など、多数の関係
者が列席した。
安 全 栄 誉 賞
( 鍛 造 ・ 圧 延 事 業 所 )
日
新
製
鋼
㈱
大
阪
製
造
所
優 秀 賞
(
高
炉
事
業
所
)
J F E ス チ ー ル ㈱
東日本製鉄所 京浜地区
(特殊鋼等製鋼事業所 )
新 日 鐵 住金 ス テン レ ス ㈱
光
( 普 通 鋼 電 炉 事 業 所 )
合
㈱
船
橋
製
造
所
( 鍛 造 ・ 圧 延 事 業 所 )
新 日 鐵 住金 ス テン レ ス ㈱
鹿
島
製
造
所
(合金鉄・鋳物・鋼材加工・その他事業所)
㈱
淀
川
製
鋼
所
大
)
新
日
鐵
住
金
㈱
八
(特殊鋼等製鋼事業所 )
大
同
特
殊
鋼
㈱
知
大
同
特
殊
鋼
㈱
築地テクノセンター
東
北
特
殊
鋼
㈱
本
社
工
場
北
越
メ
タ
ル
㈱
長
岡
工
場
J
F
E
条
鋼
㈱
仙
台
製
造
所
姫
路
製
造
所
J F E ス チ ー ル ㈱
知
多
製
造
所
新 日 鐵 住金 ス テン レ ス ㈱
八
幡
製
造
所
日
㈱
尼
崎
製
造
所
㈱
千
葉
工
場
同
製
鐵
製
造
阪
工
所
場
優 良 賞
(
高
炉
事
業
所
( 普 通 鋼 電 炉 事 業 所 )
( 鍛 造 ・ 圧 延 事 業 所 )
合
同
製
鐵
㈱
大
谷
製
鉄
㈱
J
(合金鉄・鋳物・鋼材加工・その他事業所)
無災害記録賞
新
F
製
E
鋼
建
材
幡
製
多
鐵
工
所
場
日
本
電
工
㈱
北
陸
工
場
北
海
鋼
機
㈱
江
別
工
場
該
当
43
な
し
Ⅲ
会 員・役 員
1. 会員の異動
(1)会員数
平成 26 年 3 月 31 日
平成 25 年 4 月 1 日
製造業者
56 社
58 社
販売業者
54 社
55 社
団
6 団体
6 団体
110 社 6 団体
113 社 6 団体
体
計
(2)退会
製造業者
JFEマテリアル株式会社
退会年月日
平成 25 年 5 月
30 日
製造業者
株式会社ニッケン滋賀
退会年月日
平成 25 年 7 月
31 日
(3)名義変更
販売業者
日鐵商事株式会社
→
日鉄住金物産株式会社
住金物産株式会社
変更年月日
平成 25 年 10 月 1 日
2. 役員の異動(敬称略)
(1)副会長退任
佐 藤 廣 士
株式会社神戸製鋼所
代表取締役会長
( 4 月 1 日)
牛 野 健一郎
伊藤忠丸紅鉄鋼株式会社
相談役
( 4 月 1 日)
松 岡 直 人
メタルワン株式会社 代表取締役社長執行役員兼 CEO
( 5 月 30 日)
(2)副会長就任
川 崎 博 也
株式会社神戸製鋼所
代表取締役社長
( 4 月 1 日)
松 浦 康 夫
伊藤忠丸紅鉄鋼株式会社
代表取締役社長
( 4 月 1 日)
冨 樫 和 久
住友商事株式会社
代表取締役副社長執行役員 ( 5 月 30 日)
佐 藤 廣 士
株式会社神戸製鋼所
代表取締役会長
木 下
新日鐵住金ステンレス株式会社 取締役相談役
( 4 月 1 日)
牛 野 健一郎
伊藤忠丸紅鉄鋼株式会社
相談役
( 4 月 1 日)
義 村
博
日本金属工業株式会社
取締役相談役
( 5 月 30 日)
野 村
寛
普通鋼電炉工業会
副会長
( 5 月 30 日)
(3)理事退任
洋
44
( 4 月 1 日)
(JFE条鋼株式会社
代表取締役社長)
今久保 哲 大
日鐵商事株式会社
取締役相談役
( 7 月 30 日)
大 西 功 一
日本高周波鋼業株式会社
相談役
( 7 月 30 日)
岡 田 充 功
住金物産株式会社
代表取締役副社長
( 7 月 30 日)
藤 井 博 務
株式会社中山製鋼所
前・代表取締役社長
( 7 月 30 日)
樋 渡 健 治
日鉄住金物産株式会社
代表取締役副社長
(10 月 1 日)
川 崎 博 也
株式会社神戸製鋼所
代表取締役社長
( 4 月 1 日)
伊 藤
新日鐵住金ステンレス株式会社 代表取締役社長
( 4 月 1 日)
松 浦 康 夫
伊藤忠丸紅鉄鋼株式会社
代表取締役社長
( 4 月 1 日)
佐々木 雅 啓
日本金属工業株式会社
代表取締役社長
( 5 月 30 日)
鈴 木 史 郎
普通鋼電炉工業会
副会長
( 5 月 30 日)
(三興製鋼株式会社
代表取締役社長)
河 瀬 昌 博
日本高周波鋼業株式会社
代表取締役社長
( 7 月 30 日)
森 田 俊 一
株式会社中山製鋼所
代表取締役社長
( 7 月 30 日)
宮 坂 一 郎
住金物産株式会社
代表取締役社長
( 7 月 30 日)
樋 渡 健 治
日鐵商事株式会社
代表取締役社長
( 7 月 30 日)
JFE商事株式会社
取締役会長
( 4 月 1 日)
JFE商事株式会社
代表取締役社長
( 4 月 1 日)
(4)理事就任
仁
(5)監事退任
福 島 幹 雄
(6)監事就任
矢 島
勉
45
Ⅳ
1. 総
会
議
会
(1)第 105 回通常総会
平成 25 年 5 月 30 日に鉄鋼会館で開催、会員 118 社中 118 社(委任状によるものを含む)
の会員代表者が出席、次の議案について審議し、それぞれ承認された。
第1号議案
平成24年度事業報告について
第2号議案
平成24年度収支決算報告案及び計算書類の承認について
第3号議案
理事43名選任の件
第4号議案
監事4名選任の件
(2)臨時総会書面表決の実施
平成 25 年7月 30 日
・平成 25 年7月 30 日に書面表決を実施、会員 118 社中 118 社の同意が得られ、次の議
案が承認された。
第1号議案
理事4名選任の件
(3)第 106 回通常総会
平成 26 年 3 月 27 日に鉄鋼会館で開催、会員 116 社中 116 社(委任状によるものを含む)
の会員代表者が出席、次の議案について審議し、それぞれ承認された。
第1号議案
平成26年度事業計画案について
第2号議案
平成26年度収支予算案について
第3号議案
理事2名選任の件
2. 理 事 会
【定例理事会】
第 380 回理事会(平成 25 年 5 月 30 日開催)
・第 105 回通常総会付議事項、公益目的支出計画実施報告書、代表理事・業務執行理事
の業務執行報告について審議・承認。
第 381 回理事会(平成 26 年 3 月 27 日開催)
・第 106 回通常総会付議事項、会員入会の件、代表理事・業務執行理事の業務執行報告
について審議・承認。
【臨時理事会】
平成 25 年 5 月 30 日開催
・会長、副会長、専務理事、常務理事、代表理事、業務執行理事を選定。
【書面表決の実施】
定款第 34 条第 3 項、第 37 条第 2 項の定めに基づき、理事及び監事全員の了承を得て書
面表決を実施した。
平成 25 年 5 月 8 日
・第 105 回通常総会の通常総会の開催日時・場所、目的事項を決議。
平成 25 年 7 月 12 日
・みなし総会決議(平成 25 年7月 30 日)の実施とその目的事項を決議。
平成 26 年 3 月 10 日
・第 106 回通常総会の通常総会の開催日時・場所、目的事項を決議。
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3. 運営委員会
第 666 回(4月 23 日)/第 667 回(5月 30 日)/第 668 回(6月 28 日)/第 669 回
(7月 22 日)/第 670 回(9月 19 日)/第 671 回(10 月 28 日)/第 672 回(11 月 26
日)/第 673 回(12 月 19 日)/第 674 回(1月 27 日)/第 675 回(2月 28 日)/第
676 回(3月 27 日)
4. 総務委員会および市場委員会
総務委員会、市場委員会は毎月(8 月を除く)委員会を開催、重要事項については運営委員
会、理事会に報告し、承認を求めた。
5. 運営委員会委員の交代(敬称略)
(1)委員退任
佐 藤 廣 士
株式会社神戸製鋼所
代表取締役会長
( 4 月 1 日)
牛 野 健一郎
伊藤忠丸紅鉄鋼株式会社
相談役
( 4 月 1 日)
野 村
普通鋼電炉工業会
副会長
( 6 月 28 日)
(JFE条鋼株式会社
代表取締役社長)
川 崎 博 也
株式会社神戸製鋼所
代表取締役社長
( 4 月 1 日)
松 浦 康 夫
伊藤忠丸紅鉄鋼株式会社
代表取締役社長
( 4 月 1 日)
鈴 木 史 郎
普通鋼電炉工業会
副会長
( 6 月 28 日)
(三興製鋼株式会社
代表取締役社長)
寛
(2)委員就任
6. 総務委員会、市場委員会委員の交代(敬称略)
〔総務委員会〕
(1)委員退任
木 股 昌 俊
株式会社クボタ
取締役専務執行役員
( 4 月 1 日)
及 川
住友商事株式会社
理事金属総括部長
( 4 月 1 日)
岩 下 壽 夫
株式会社日本製鋼所
取締役
( 4 月 1 日)
四 戸 良 治
株式会社メタルワン
執行役員
( 4 月 1 日)
河 合 幸 次
普通鋼電炉工業会
毅
( 6 月 11 日)
(JFE条鋼株式会社
鬼 頭 幾久雄
山 口 義 夫
取締役常務執行役員)
愛知製鋼株式会社
顧問
( 7 月 3 日)
( 7 月 3 日)
普通鋼電炉工業会
(合同製鐵株式会社
前常務取締役)
(2)委員就任
松 木 弘 志
株式会社クボタ
執行役員
( 4 月 1 日)
若 林 稔 久
住友商事株式会社
理事金属総括部長
( 4 月 1 日)
赤 羽 博 夫
株式会社日本製鋼所
執行役員鉄鋼事業部
( 4 月 1 日)
副事業部長兼企画部長
本 田 武 弘
株式会社メタルワン
石 井 貢 次
普通鋼電炉工業会
代表取締役副社長執行役員 ( 4 月 1 日)
( 6 月 11 日)
(三興製鋼株式会社
常務取締役)
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鵜 飼 正 男
齋 藤
隆
愛知製鋼株式会社
専務取締役
( 7 月 3 日)
( 7 月 3 日)
普通鋼電炉工業会
(合同製鐵株式会社
取締役棒鋼販売部長)
〔市場委員会〕
(1)副委員長退任
松 浦 康 夫
伊藤忠丸紅鉄鋼株式会社
代表取締役社長
( 4 月 1 日)
四 戸 良 治
株式会社メタルワン
執行役員
( 4 月 1 日)
兼 田 智 仁
伊藤忠丸紅鉄鋼株式会社
取締役兼常務執行役員
( 4 月 1 日)
本 田 武 弘
株式会社メタルワン
代表取締役副社長執行役員 ( 4 月 1 日)
坂 本 信 夫
東洋鋼鈑株式会社
取締役常務執行役員
( 4 月 1 日)
森 谷 英 之
日新製鋼株式会社
顧問
( 4 月 1 日)
出 口 淳一郎
株式会社日本製鋼所
室蘭製作所副所長
( 4 月 1 日)
小 池 康 彦
伊藤忠丸紅鉄鋼株式会社
代表取締役会長
( 4 月 1 日)
福 島 幹 雄
JFE 商事株式会社
取締役会長
( 4 月 1 日)
加 藤 伸 樹
JFE 商事株式会社
常務執行役員
( 4 月 1 日)
久 保 邦 男
愛知製鋼株式会社
顧問
( 7 月 12 日)
大 澤
日鉄住金鋼板株式会社
パネル建材事業企画部長 ( 7 月 12 日)
藤 井 健 朗
株式会社エヌテック
取締役相談役
( 7 月 12 日)
高 田 三 郎
株式会社カノークス
特別顧問
( 7 月 12 日)
岡 田 充 功
住金物産株式会社
代表取締役副社長
( 7 月 12 日)
宮 坂 一 郎
日鉄住金物産株式会社
代表取締役社長
( 10 月1日)
齋 藤 晴 洋
前・日鐵商事株式会社
取締役専務執行役員
( 10 月1日)
吉 武 潤一郎
東洋鋼鈑株式会社
取締役専務執行役員
( 4 月 1 日)
宮 楠 克 久
日新製鋼株式会社
常務執行役員
( 4 月 1 日)
赤 羽 博 夫
株式会社日本製鋼所
執行役員鉄鋼事業部
( 4 月 1 日)
(2)副委員長就任
(3)委員退任
健
(4)委員就任
副事業部長兼企画部長
塔 下 辰 彦
伊藤忠丸紅鉄鋼株式会社
取締役兼常務執行役員
( 4 月 1 日)
矢 島
勉
JFE 商事株式会社
代表取締役社長
( 4 月 1 日)
高 屋 克 洋
JFE 商事株式会社
専務執行役員
( 4 月 1 日)
中 野 彰 一
愛知製鋼株式会社
取締役・執行役員
( 7 月 12 日)
足立原
毅
日鉄住金鋼板株式会社
営業総括部長
( 7 月 12 日)
佐々木
望
株式会社エヌテック
代表取締役社長
( 7 月 12 日)
木 下 幹 夫
株式会社カノークス
代表取締役社長
( 7 月 12 日)
宮 坂 一 郎
住金物産株式会社
代表取締役社長
( 7 月 12 日)
樋 渡 健 治
日鉄住金物産株式会社
代表取締役副社長
( 10 月1日)
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7. 正・副委員長、本・副本部長(平成26年3月31日現在)
(敬称略)
委員会名
運営委員会
委員長、本部長名
新日鐵住金 ㈱
代表取締役社長兼COO
地球温暖化対策本部
宏
林田 英治
新日鐵住金㈱
代表取締役副社長
市場委員会
友野
JFEスチール㈱
代表取締役社長
総務委員会
副委員長、副本部長名
進藤 孝生
JFEスチール㈱
新日鐵住金㈱
代表取締役副社長
織田 直祐
代表取締役副社長
樋口 眞哉
㈱神戸製鋼所
代表取締役副社長
山口 育廣
日新製鋼㈱
代表取締役副社長執行役員 入江 梅雄
伊藤忠丸紅鉄鋼㈱
取締役兼常務執行役員
兼田 智仁
住友商事㈱
代表取締役副社長執行役員 冨樫 和久
三井物産㈱
代表取締役専務執行役員
雑賀 大介
㈱メタルワン
代表取締役副社長執行役員 本田 武弘
業務委員会
JFEスチール㈱
㈱神戸製鋼所
総務部長
財務政策委員会
藤原 弘之
新日鐵住金㈱
総務部長
近藤
薫
日新製鋼㈱
代表取締役副社長
太田 克彦
環境・エネルギー政策委員会 新日鐵住金㈱
取締役常務執行役員
津田 与員
JFEスチール㈱
代表取締役副社長
進藤 孝生
専務執行役員
小倉
滋
新日鐵住金㈱
常務取締役
技術政策委員会
JFEスチール㈱
新日鐵住金㈱
専務執行役員
労働政策委員会
小倉
佐藤 博恒
JFEスチール㈱
石川 逸弥
新日鉄住金(株)
常務執行役員
寺畑 雅史
執行役員 原料第二部長
榮
敏治
㈱神戸製鋼所
西浦 新
新日鐵住金㈱
常務執行役員
宮下 幸正
JFEスチール㈱
常務執行役員
安全衛生推進本部
栁川 欽也
新日鐵住金㈱
執行役員経営企画部長
原料政策委員会
常務取締役
JFEスチール㈱
常務執行役員
調査企画委員会
滋
新日鐵住金㈱
執行役員人事労政部長
物流政策委員会
栁川 欽也
藤原 真一
JFEスチール㈱
常務執行役員
新日鐵住金㈱
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鈴木 彰
常務執行役員
寺畑 雅史
安全推進部長
佐藤 直樹
SCOPE21推進委員会 新日鐵住金㈱
製銑技術部長
COURSE50委員会
齋藤 公児
新日鐵住金㈱
JFEスチール㈱
代表取締役副社長
岩城 正和
標準化センター運営会議 新日鐵住金㈱
小倉
滋
小倉
滋
JFEスチール㈱
常務取締役
特殊鋼会
専務執行役員
栁川 欽也
専務執行役員
大同特殊鋼㈱
代表取締役社長
嶋尾 正
鋼隆会
需給調査委員会
伊藤忠丸紅鉄鋼㈱
住友商事㈱
取締役兼常務執行役員
塔下 辰彦
理事 鋼板・建材本部長
若島 浩
三井物産㈱
鉄鋼製品本部長補佐
広中 紀男
㈱メタルワン
代表取締役副社長執行役員 本田 武弘
公正貿易委員会
市場開発委員会
新日鐵住金㈱
JFEスチール㈱
執行役員営業総括部長
宮本 常夫
常務執行役員
石川 逸弥
新日鐵住金㈱
樋口 眞哉
JFEスチール㈱
織田 直祐
代表取締役副社長
代表取締役副社長
㈱神戸製鋼所
山口 育廣
代表取締役副社長
鉄鋼流通情報化委員会
JFEスチール㈱
新日鐵住金㈱
常務執行役員
輸出市場調査委員会
石川 逸弥
三井物産㈱
営業総括部部長
増田 克己
新日鐵住金㈱
鉄鋼製品本部 担当部長
殿木 創
輸出総括部長
加藤 仁
住友商事㈱
執行役員
堀江 誠
輸送機金属製品本部長
国際貿易委員会
新日鐵住金㈱
JFEスチール㈱
常務取締役
輸出運輸保険委員会
佐伯 康光
㈱メタルワン
専務執行役員
馬越
学
三井物産㈱
執行役員
大西 哲也
50
金属業務部長
得田 儀生
Ⅴ
事業報告の附属明細書
附属明細書に記載すべき事項は特になし。
51
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