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児童・高齢者虐待を防止する感性を高めるトレーニングシートの開発

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児童・高齢者虐待を防止する感性を高めるトレーニングシートの開発
児童・高齢者虐待を防
止する感性を高めるト
レーニングシートの開
発
在宅医療福祉従事者の虐待防止感性を
高める研修会資料の作成および虐待防
止研修会プログラムの開発
申請者:伊藤薫
所属機関:三重県立看護大学 講師
所属機関:三重県津市夢が丘 1 丁目 1 番地の1
2011/02/28
<研究を終えての感想>
今回取り組ませていただいた「児童・高齢者虐待防止感性を高めるトレーニングシート
の開発」は地域包括支援センターの所長からの要望からヒントを得たものであった。高齢
者虐待については、その定義や対応事例について講義をいままで地域で行ってきた。さら
にもう一歩進んだ研修をしてほしいという要望であった。現在の高齢者虐待に関する研修
会は、成年後見制度を含む法律に焦点を当てたものが多い。そこで、身近な生活の中での
人権にかかわる問題に関するアプローチの方法を研修メンバーの全員が検討し、他者の経
験を共有できる研修プログラムを開発すべきであると考え、今回の研究助成を申請した。
高齢者虐待に至る過程において、虐待を防止する予防的なコミュニケーション方法や家
族・介護関係の修復につながるようなコミュニケーション方法を介護施設職員や介護支援
専門員同士のグループワークにより学び合い、また普段のケアをリフレクトできるよう手
順を踏んで進めていった。しかしプログラム開発研究は初めての試みで苦慮することが多
かった。そこで、今回は複数のケア従事者へのインタビューや検討を通して、イラストシ
ートを開発し、実際に研修会で行ったうちの 2 回のアンケート結果を報告書としてまとめ
た。申請書の計画では、開発したイラストシートを冊子にしたいと考えていたが、研修会
を開催する中で、筆者が想定した以上にイラストを参加者は深く読み取りをされていて、
イラストシートのみを冊子として提供するのでなく、ホームページなどからダウンロード
できる形で、イラストシートを活用したい人が自由に変更できる形式をとるほうがよいの
ではないかと考え、冊子作成は行わなかった。平成 23 年 3 月に 3 回開催予定のある本研
究開発したイラストシートを活用した研修会で参加者アンケートの結果により、今後どの
ように継続させていくか考えたいと思われる。また、今回児童虐待に関しても、イラスト
シートの開発をしてが、実際には使用できなかった。それは、筆者が高齢者虐待への取り
組みをいままで行ってきた経過から、児童に関してのフィールドが得られなかったからで
ある。高齢者虐待に関する研修会も、地域での調整で、専門職への研修会は比較的取り組
み易かったが、民生委員等へのアプローチはなかなか了解を得られなかった。しかし、ま
ずは介護専門職への研修会を通して理解が得られた地域にて平成 23 年 3 月には民生委員
に比較的近い安心養成講座で実施を行うことができることになった。その後、できれば民
生委員へ高齢者虐待へのアプローチを行い、その継続的な研修という流れで児童虐待への
アプローチへと取り組みたいと考えている。やはり、地域でのアプローチを行っていくと
いうことは地域の賛同をワンステップずつ行っていくことの必要性を学んだ。トレーニン
グシートを用いた研修会はグループワーク中心で、誰もが参加しやすいため、参加者同士
の交流につながるということが今回の研究では明らかにはなったので、今後も継続して、
研修プログラムの開発に取り組んでいきたいと考える。以下の報告書については、認知症
介護管理者研修会および介護支援専門員研修会にて本研究において開発したトレーニング
シートを用いた結果をまとめとして報告する。
Ⅰ.はじめに
増加する認知症高齢者に対応するため、改正介護保険法の目的に明記された「尊厳の保
持」を基本理念として、サービス提供やケアの面において、認知症高齢者の特性を踏まえ、
生活全般を視野に入れつつ、なじみの人間関係や居住空間といった「関係性」を重視した
「認知症ケアモデル」を構築していくことが重要である。また、介護に携わる人材養成に
おいても、こうした観点からの専門性の向上を図っていく必要がある。そのカリキュラム
内容のひとつとして高齢者虐待を含む権利擁護及びリスクマネジメントについて理解する
ことが求められている 1)。
岸ら2)は施設内虐待が生じる背景として、虐待や利用者から受けた不快な体験について
相談する環境にないことや対応方法をうまく会議で検討できないこと、さらに不適切な対
応を注意できない上司や指導者の存在が、虐待に寛容な職場環境を醸成し、ケアの標準化
が保てなくなる危険を指摘している。つまり高齢者虐待の防止はそれ自体を目的にすると
いうよりは、認知症の人への適切なケアを提供する環境づくりをしていく過程で結果とし
て実現されるべきものである。そのため、虐待の防止やケアの質の向上は、施設・事業所
における教育・人材育成の一環として考えることが重要3)と考えられる。しかし、実際に
研修を実施するには困難が伴うため、本研究において、取り上げることとした。そこで、
今回、近年医療安全教育において取り組まれている危険予知トレーニング(以下 KYT)に
注目した。KYT は産業界で開発された事故防止活動である。方法としてはイラストの中に
潜む危険因子を抽出、安全対策をディスカッションにより導き出し、リスク感性を向上さ
せる4)と考えられている。KYT の活用により、年齢に関係なくコミュニケーションをは
かる場が増え5)、意見を出しあうことは、お互いの患者情報を共有することができ、より
一層その患者について理解が深まる効果があがる6)と報告されている。介護分野において
は施設における KYT ガイド7)があるが、その内容は転倒・転落等の介護事故防止を目的
とした内容である。筆者は、その KYT ガイド7)を活用して介護事故防止のための研修を
行った際、参加者から職場内研修ですぐに活用することができたという報告を受け、ケア
の質の向上のためのさまざまな KYT シートの開発が望まれると考えた。そこで虐待防止
や認知症ケアの質の向上のために、ケア現場での KYT の活用について検討した。本研究
は認知症介護実践リーダー研修会および介護支援専門員研修会において高齢者虐待に関す
るプログラムおよび KYT シートの開発およびその評価を行ったので、報告する。
Ⅱ.目的
認知症介護施設や在宅における高齢者への権利擁護手法の効果的な教育を目的とし、施
設内虐待の背景とされるクライアントハラスメントや介護従事者による不適切なケアの防
止や家族介護者への支援や経済的虐待等に関する高齢者虐待防止研修プログラムを実施・
評価し、今後のプログラム開発への示唆を得る。
Ⅲ.方法
1.対象者
(1)認知症介護管理者研修会
平成 22 年度三重県内リーダー研修会に参加した 64 名。性別は女性が 58.8%とやや多く、
年代は、30 代が最も多く 33.3%で、次いで 40 代が 27.5%であった。さらに所属職場はグ
ループホームが 51.0%と半数を占め、次いで通所系施設が 29.4%であった。対象者は、認
知症介護実践リーダー研修会参加者であり、今後認知症介護施設内において認知症ケアの
質の向上のためにリーダーシップを発揮していくことを期待されている方であることから、
本研究の対象として選定した。
(2)地域包括支援センター研修会
平成 22 年三重県内 K 町地域包括支援センター高齢者虐待防止研修会に参加した 20 名。
性別は、男性 25%、女性 75%とであり、年代は 20 代 10%、30 代 25%、40 代 40%、50
代 20%、不明 5%であった。職種は介護支援専門員 80%、社会福祉士 5%、保健師 10%、
行政職員 5%であった。対象者は認知症ケア、高齢者虐待に関する定義や対応などはすで
に研修を終え、高齢者ケアや虐待に関する基本的な知識を持っている方で、研修会のプロ
グラムに関して示唆を得ることが可能とし選定した。
2.研修プログラム
1)プログラムの検討
研修プログラムは検討メンバー3 名と大学教員 2 名で検討を行った。検討メンバーは、
地域包括支援センター施設長で社会福祉士である A 氏とグループホーム評価委員かつ介護
相談員で介護福祉士である B 氏と認知症通所介護事業所所長で介護福祉士である C 氏の 3
名および保健師で大学教員である 2 名の計 5 名である。検討メンバーの選定理由は、A 氏
は認知症介護実践者研修会の主催者を 3 年間経験し、研修参加者の状況や研修の主旨を熟
知されているため、B 氏は約 10 年間の介護相談員等の経験から不適切なケアの実情に詳
しく、ケアの質の向上のための支援豊富な経験を持っていることから、C 氏は介護施設の
ケアスタッフを約 20 年間経験し、現在は認知症ケアの質向上のための教育研究に携わら
れていることからである。
虐待に関する先行研究2)3)8)10)11)15)の文献検討から、研修参加者同士が交流を促す
ことで楽しく学び気づきあえるよう配慮し、かつ研修プログラム内容が自分の職場に戻っ
て、できるだけ簡便に他の職員へ伝達研修ができる内容となるように筆者が立案した。筆
者が立案した研修プログラムに対して、プログラムの内容、時間配分、トレーニングシー
トの内容および進め方、アサーション法の解説内容等について検討メンバーと修正した。
まず、高齢者虐待防止システム
9)においても重要視されているストレスマネジメントに関
する具体的方法としてタッピング・タッチを紹介すること検討内容は、研修プログラム内
容の構成、トレーニングシートの開発について行い、研修プログラムを通じて、以下の内
容を選択しプログラムとして計画した。
2)内容
(1)認知症介護管理者研修会での内容
①リラクゼーション技法としてのタッピング・タッチの紹介および演習
虐待の背景として、職員や介護者のストレス
の関連
図1 タッピング・タッチ(基本型の一部)
9)が報告されている。その状況におかれ
ている参加者のリラクゼーションと参加者同士
の交流を図るため、タッピング・タッチを実施
した。タッピング・タッチとは指先の腹のとこ
ろを使って、軽く弾ませるように左右交互に優
しくたたくことを基本としたケア技法
12) であ
る。その技法の本質とも言える「お互いをケア
しあうこと」
(グルーミング)の大切さを伝え、
参加者同士がお互いにタッピング・タッチでケ
アする演習を試みた。
(図1)
②虐待への考え方についての講義
認知症介護管理者研修会では、高齢者介護施設内であった介護職員による高齢者虐待の
事件の経緯よびその施設改善への取り組み事例 13)について紹介をした。その後、施設内で
の介護ケアの実態調査結果
14)について説明し、高齢者虐待防止教育システム 15)を活用し
て、施設内虐待への考え方を講義した。
(資料1)
資料1
虐待への考え方についての講義資料
事件の経緯(気づき)

ある施設内虐待の振り返りから
~特別養護老人ホーム「杜の家」の体験から~
2005年10月19日
男性入居者の入浴介助職員から
「Aさんの身体に異常な内出血があるのでみてほ
しい」という報告
両前腕・右下腹部に広範囲な内出血がみられ、前
胸部中央にもうっすらと黄色内出血があった
参考:高齢者虐待防止研究 第3巻1号 2007
報告を受けた管理者は・・・


日常の介護でこの部分が圧迫されることなんてある
だろうか・・・(疑惑)
高齢で皮膚も弱く、少しの圧迫でも内出血を起こして
しまうだろう
一瞬「虐待」という言葉がよぎったが自分を納得させ
ようとした
現場での対応~その1~
事故報告書の作成
原因追求
介助時の圧迫を疑い、介助方法を注意
他入居者とのトラブルや職員の虐待は
ほとんど念頭になかった
 嘱託医から「高齢だから介助でもありえる。
異常なものでない。吸収に時間はかかる」


現場での対応~その2~

再度の虐待の疑い・・・
職員にて内出血の原因についてミーティングを実施

予測されること
1.介助時の抵抗に対する、身体の圧迫
2.入居者同士によるトラブル
3.職員による暴力行為
虐待事実の発覚

ある男性職員から「自分がAさんを殴ってしまっ
た」と申し出あり

2005年10月17日19時ごろ、Aさんの介助を行
なっていたところ、激しい抵抗があり、顔面に暴力
を受けた。その後、ベッドに誘導し更衣を行なおう
とした際、激しいい抵抗があった。さらに唾を吐か
れたことで我を失い、Aさんの、右下腹部を3発
殴ってしまった

2005年11月2日
右側胸部に内出血と腫脹
→2.3.の可能性

2日後、嘱託医の診察
胸部X線・CT等の検査
「外部からの衝撃による筋肉の腫脹」
事件発覚後の経過・対応


組織体制の見直し~緊急会議より~




組織体制の見直し~マナーアップ5か条
研修体制の見直し
被害にあわれたAさんの家族や県への報告し、指
導改善
今後の情報をすべて公開すること


施設全体が動揺した。管理者も虐待を疑っていな
がら、なにもできなかったと後悔
このような大きな事件になる前に、なぜ防ぐことが
できなかったか・・・
この男性職員を取り巻く環境、管理者としてのあり
方
この男性職員の言葉使い、介助方法が乱れていた
こと、ユニット全体のマナーが乱れていたことは事
実
研修体制の見直し



施設職員が講師を担う「職場内研修」を新たに体系
化した
ケアの意味・目的を学び、認知症の理解を深めなけ
れば、葛藤が大きくなる
講師自身も未熟で、勤務時間外に資料作成する負
担がるものの、成長につながる
平成20年度三重県
虐待認定件数の内訳(324件中)
平成22年度実践者研修アンケート結果
回答者の性別
クライアントハラスメント(利用者からの暴力・
暴言)を受けた経験は?
仕事に満足しているか?
クライアントハラスメントの内容
74名中
96名中74名が
経験あり
クライアントハラスメントの内容





同僚による不適切なケアを見た経験
排泄介助中に殴られる、つねられる、つばをはかれ
た
入浴拒否の利用者さまに声をかけているときにたた
かれた。
なにかに対して怒っている利用者にかまれた
あほ、太い、変な顔しとるなどの言葉あんたみたいな
入浴介助中に首にキスされる など
同僚による不適切なケアの内容
77名中
同僚による不適切なケアの内容






利用者の体を平手うち
無理に薬を口に入れて裂傷をつくるところを見た。
歩けない人の手の届かないところに車椅子をわざと
置く
トイレ介助をする際、トイレが臭いと言って、ドアを開
けたりする。(外から見えている)
抵抗する方を無理やりひぱって誘導する
無理やりな食事介助
(3)高齢者虐待防止トレーニングシートによるグループワーク
認知症介護指導者研修会では、クライアントハラスメントや不適切なケアを見たときの
対応について、トレーニングシートを活用して、話し合いの場を設定した。トレーニング
シートは、検討メンバーからヒヤリングを実施し、その結果を図にした。今回のグループ
ワークでは、クライアントハラスメントや不適切なケアと考えられる場面に対して、サー
ビス利用者・介護者の双方の思いを考え、双方に対する声かけや対応を考える訓練のみを
実施した。(資料2)
資料2
高齢者虐待防止トレーニングシートによるグループワーク講義資料
KYT(危険予知訓練)シートNO.1
状況:利用者のAさんに介護職員のBさんが食事介助をしていました。する
と突然AさんがBさんの腕に噛みつきました。
質問1:AさんやBさんはどんな思いでしょうか?
質問2:AさんやBさんにどんな声かけや対応を考えますか?
KYTシートNO.1 参考例

Aさんの思い
ゆっくり食べたいのにせかされる。
世話を焼かないでほしい。

Bさんの思い
突然、かまれてびっくりした。
Aさんの食事介助するのがこわい。
KTYシートNO1.参考例

Aさんへ
Aさんは、Bさんをかみましたね。(描写)
食事中に手をだされたのがいやだったのでしょうか?
(表現・共感)
もう少しゆっくりの介助であれば、
大丈夫ですか。(提案)
介助の仕方が気になるときは、手を挙げておしえて
くれませんか。
(選択)
KYTシートNO.1 参考例

Bさんへ
Aさんにかまれましたね。(描写)
驚きましたね。痛かったでしょう。(表現・共感)
興奮されている場合は、少し距離をおいて様子をみ
てから、食事介助するという方法もありますね(提案)
次回の食事介助のときは、一緒に介助してみましょ
うか。(選択)
KYT(危険予知訓練)シートNO.2
入浴を嫌がっている利用者Cさんを職員Dさんが、無理やり入浴させようとし
ています。 Cさんは、表情を硬くしてDさんを恐がっています。
KYTシートNO.2 参考例

Cさんの思い
風呂にはいりたくないのに、無理やり入らされる。
強く引っ張られていたいな。

Dさんの思い
Cさんは風呂が嫌いだけれど、今日はどうしても
入っていただかなくてはならない。
質問1:CさんやDさんはどんな思いでしょうか?
質問2:CさんやDさんにどんな声かけや対応を考えますか?
KTYシートNO2.参考例

Cさんへ
Dさんがお風呂に入っていただこうとしてましたね(描写)
KTYシートNO2を考えてみましょう!

Dさんへ
(描写)
Cさんは、とてもおふろに入るのを躊躇ってましたね(表現)
(表現・共感)
おふろはちがう時間帯のほうがいいですか(提案)
(提案)
いちばん最後にしましょうか。
それとも今日はやめておきますか。(選択)
(選択肢)
④危険を感じたときの対象者へのコミュニケーション方法の説明
クライアントハラスメントや不適切なケアへの対応として、相手も自分も大切にするコ
ミュニケーションスキルとして、アサーション(DESK 法)16)について説明した。DESK
法とは、D(Describe:描写する)
・E(Empathize:共感する)・S(Suggest:提案する)・C
(Choose:選択する)の順番にセリフをつくっていくことで問題解決に役立つアサーティ
ブな声掛けを準備する方法である。その方法を用いて、クライアントハラスメントや不適
切なケアへの対応について演習し、具体的な事例 17)の紹介を行った。(資料3)
資料3
コミュニケーション方法についての講義資料
介護職員のためのストレス管理
しっかり自己表現して対人ストレスを軽減しよう!


「アサーション」は、対人ストレスの対処に効果的な
手法です。アサーションとは「自分も相手も大切にし
た自己表現」であり、対人ストレスを軽減するコミュ
ニケーション技法を目指します。
同僚に不適切なケアであることを伝えるのも、伝え
方により険悪な雰囲気になってしまうことを恐れて
伝えられないのは、高齢者も介護者もストレスの増
加にもなります。
利用者からの暴言への対応例




新人職員と管理者の2人で日頃から暴言のある利用
者を入浴介助
利用者から、「あんたふっといな~」「おおきなお尻し
しとんな」「派手な服やな~」との発言
新人職員の曇った顔、そして管理者も気分を害する
入浴後、着替えが終わったあとで、利用者と話し合
いの時間をつくる
「ケア上手」に学ぶ
1.自分にできることとできないことを見極めて、過剰
な責任を引き受けない
アサーティブになるためのトレーニング


仕事上の対人関係では、感情をコントロールして、課
題を明確にし、相手に理解しやすく会話を進めること
が必要
DESC法を学ぼう!
①描写する
②表現する
説明する
共感する
③提案する
④選択肢・
結果を考える
アサーションスキルを使って


まずは、入浴介助の時の様子を話す(描写)
暴言を受けて、辛かった思いを伝える(表現)

できれば、これから体のことは言わないでほしい
(提案)

自ら、謝罪された→ 新人職員が心を開けた
「ケア上手」に学ぶ
5.十分な休養と遊ぶ時間を確保する
6.自分の健康と幸福に責任をもつ
2.自分の力で変えられるものと変えられないものの
見分けをつける
3.物事の優先順位をつける
4.仕事と私生活との区切りをつける
7.自分の価値は周囲の評価や賞賛、あるいは仕事の
能力によって決まるのではなく、ありのままの自分
に価値があると思うこと
たんぽぽの家HPより
http://popo.or.jp/
以上の内容を組み合わせた根拠は、最初にタッピング・タッチを導入とし、次に、施設
内における権利擁護の必要性の理解のために講義を実施、KYT を活用してのグループワー
クにより参加者間の経験を共有することが可能になり、施設内におけるケアの質の向上に
役立つスキルとして、アサーション(DESC 法)の説明を位置付け、研修プログラムのま
とめとして位置付けたからである。
(2)介護支援専門員研修会での内容
①タッピング・タッチで参加者同士の交流
認知症介護管理者研修会で行ったと同様にタッピング・タッチ(図1)を用いて参加者
同士の交流から始めた。
②三重県内における高齢者虐待の現状について
K 町地域包括支援センター研修会では、三重県内における高齢者虐待の相談・通報受理
件数および対応の現状や対応方法について説明した。(資料4)
資料4
三重県における高齢者虐待の現状についての講義資料
各市ごとの相談・通報受理件数
平成20年度の三重県内市
町をすべていれると相談・通
報受理件数は518件
平成20年度 三重県における
高齢者虐待の状況について
養護者による虐待(相談・通報者)
虐待件数(重複回答)
300
240
250
200
180
160
140
120
100
80
60
40
20
0
通報者の46.2%が介護支援専門員・
介護保険事業者職員であった。
200
150
100
55
50
54
48
34
24
22
9
被
虐
待
者
本
人
民
生
委
員
当
該
市
町
行
政
職
員
近
隣
住
民
警
察
0
介
護
保
支
険
援
事
専
業
門
所
員
職
員 ・
介
護
家
族
・
親
戚
・
知
人
28
4
虐
待
者
自
身
そ
の
他
不
明
分離していない事例の対応(235件)
100
104
80
125
103
75
1
身
体
的
虐
待
心
理
的
虐
待
棄
介
護
・
、世
放
話
任
の
放
経
済
的
虐
待
性
的
虐
待
高齢者虐待への介入は?
(重複回答あり)
120
177
• 2004年の全国調査 約9割が困難と回答
よりよい支援関係の構築が重要
58
60
36
40
48
38
22
20
1
0
養
護
者
に
対
導す
る
助
言
・
指
受既
けに
て介
ンい護
をる保
見が険
直、サ
しケー
アビ
プス
ラを
被
保虐
険待
サ者
ー
が
ビ新
スた
を
利に
介
用
護
サ
ー被
ビ虐
ス待
を以者
利外が
用の介
サ護
ー保
ビ険
ス
養
の護
た者
めが
の介
事
業護
に負
参担
加軽
減
そ
の
他
見
守
り
の
み
• 介入困難の理由
虐待している人が介入を拒む 38.2%
技術的にむずかしかった
33.6%
立場上むずかしかった
30.3%
→なるべく関わりたくない・・・・回避感情
包括職員への調査(藤江ら2009年)
1.相談・通報時情報確認
介入を拒否された時
自分の技術では対応できないと感じる 7割
かかわりたくないケースと認識する
どのような実践アプローチか?
4割
2.家庭訪問(高齢者・養護者との関係形成)
(情報収集)
3.ケア会議(ケアプランの検討)
→なるべく関わりたくない・・・・回避感情
4.家庭訪問(高齢者・養護者とのプラン作成)
高
齢
者
・
養
護
者
と
の
人
間
関
係
の
構
築
④トレーニングシートを活用した介入方法についてのグループワーク
地域包括支援センター研修会では、在宅高齢者への支援場面において、危険リスクを感
じたときにいかに安全のサイン大きくするアプローチを行うか介入方法を自由に話し合う
グループワークを実施した。
(資料5)
資料5
グループワーク講義資料
あなたが次の場面に出会ったら
介入に向けて
• 危険リスクを下げて、安全のサインを広げる
コミュニケーション方法を考えてみましょう!
• まずは、イラストシートに沿って、個人で考え
てみよう!
危険リスク
安全のサイン
• 次にグループメンバー全員でそれぞれの意
見を合わせてみよう!
• 情報が少ない分は自分のイメージでふくらま
せてください。
トレーニングシートのやり方
• このトレーニングは、正しい方法を導きだすも
のではありません。
• みなさんの考えや経験で得た自由な発想・考
え方をオープンにコミュニケーションすること
を目的にしています。
• 限られた情報に対して、自由な発想で考えて
いってください。
高齢者・養護者との
よい人間関係の構築
トレーニング例題:1
あなたが担当の高齢
者宅を訪問したとこ
ろ、腕に内出血の跡
が見られました。
高齢者からはなにも
訴えはありません。
なんとなく家族内の
不穏な関係に気づい
てが、「最近、転びや
すくなった」という本
人の訴えもあります。
トレーニング内容
• Q1:どんな声掛けをしますか?
→あえて、腕には触れず、体調などを聞く
「洗たくも自分でほせる位良い体調ですね」とねぎらう
なにか困っていることがあったら、言ってくださいね
• Q2:家族のよいところ・資源は?
→自分からコミニケーションできる
絵から受け
息子・嫁・孫で長年居住 孫が優しい
る印象から
自分でイ
• Q3:今回の支援のゴールは?
メージをふく
→支援関係の維持
らませて考
えてみてく
• Q4:次回に繋げるためにどうするか?
ださい
→ディサービスに来ている時間を確認し、
さりげなく合える様にする
トレーニング内容
• Q1:Aさん、Bさんへの声かけは?
(それぞれにどう声をかけるか考える)
• Q2:Aさんと家族のよいところ・資源は?
(つよみ・よいところを考える)
• Q3:今回の支援のゴールは?
(訪問の結果、何が達成されたいかを考える)
• Q4:次回に繋げるためにどうするか?
(次回への橋渡しへのメッセージを考える)
介入拒否対応のトレーニングNO.1
高齢者(Aさん)の自宅
を訪問したところ、嫁B
さんが、畳に失禁された
ところを掃除しながら、
「もう~くさいなあ。」と
言っていた。
そばでぬれた下着の
ままでAさんは、表情を
硬くし、「今日はもういい
です。帰ってください。」
と言われた。
介入拒否対応のトレーニングNO.2
高齢者Cさん宅を訪問し、介護保険サービスをうけるようにす
すめようとしたら、「孫を高校へ行かせるのに、お金がいるの
で、私の年金からだしてあげている。息子Dも困っているので
しかたがない。」と拒否された。
トレーニング内容
• Q1:Cさんへの声かけは?
(どう声をかけるか考える)
• Q2:Cさんと家族のよいところ・資源は?
(つよみ・よいところを考える)
• Q3:今回の支援のゴールは?
(訪問の結果、何が達成されたいかを考える)
• Q4:次回に繋げるためにどうするか?
(次回への橋渡しへのメッセージを考える)
⑤在宅における支援関係構築へのコミュニケーション技法
トレーニングシートで研修参加者が高齢者虐待と思われる場面について、検討を行った
結果を各グループで全体へ発表を終わった後に資料6を用いて講義をして、研修会全体の
まとめとした。
(資料6)
資料6
支援関係構築へのコミュニケーション技法についての講義内容
家族への心理的援助のために
• 在宅での虐待が起きる場合、虐待者、被虐待
者とも家族の一員であり、どちらも継続的な
精神的問題を抱えていることが少なくありま
せん。
• 初回面接や事実確認などの介入そのものが
心理的ストレスを与えることもあり、被虐待者、
虐待者双方に心の理解とケアが必要となりま
す。
高齢者に対する心のケア
• 「虐待・不適切なケア」については尋ねない
• 「現在」を中心に話を進める
• 家族を非難しない
• 本人の気持ちを尊重する
養護者に対する心のケア
よりよい援助関係のために
• 養護者中心に話を聞く
→虐待者自身が問題を抱えていること多い
• 虐待行為を非難しない
→養護者はすでに非難される立場である
ことを感じている
・感情を整理し、理解する
• 関係づくりのための会話(雑談)→共感
・関係を維持し、築く
• 自己決定を促して尊重(バイスティックの7原則)
• 現在の状況へのねぎらい
• 被虐待者・虐待者のよいところ・強みを高めていく
方法を探る
自己決定支援のためのコーチング
1
目標の設定
あなたの目標
(課題、夢)は
なんですか?
2
現実の振り返り
3
選択肢の考察
4
意志決定
いままでにどのように
努力してきました
か?
↓
何が障害(阻害要因)
になっていますか?
どうすればよいと
思いますか?
↓
他にどのような方法
がありますか?
結局どうしますか?
↓
何から始めますか?
↓
いつから始めますか?
バイスティックの7原則
(援助関係を形成する諸原則)
•
•
•
•
•
•
•
クライエントを個人として捉える
クライエントの感情表現を大切にする
援助者は自分の感情を自覚して吟味する
受けとめる
クライエントを一方的に避難しない
クライエントの自己決定を促して尊重する
秘密を保持して信頼感を熟成する
※コーチングとは答えを与えるのではなく、質問をして答えを考えてもらうことで、
本人の自己決定や自己解決をサポートしていくこと
参考:対人援助のためのコーチング 中央法規出版
とにもかくにも、「場数」を踏むこと!
Qコ
Uミ
Lニ
Iケ
Tー
Yシ
(
質ョ
)ン
の
挨拶を大事にする
「挨拶」をあなどるなかれ!
量が増えるほど、
質も高まっていく!
コミュニケーションの
QUANTITY(量)
対象者としっかり目を合わせているか?
無表情になっていないか?
家族への挨拶ができているか?
関係を深める会話とは?
「体温を上げる言葉」を使おう
歓迎されていないとき
「鈍感ではダメ。でも「鈍感力」は必要だ
• 否定ではなくプラスの上乗せを
高齢者や養護者の話しにあなたが異を唱え
る場合でも「それは違う」とただ否定すると関
係が作れなくなる。
そんな時には「そうだね。でもこうすればもっ
とよくない?」「とってもいいけどこんなことも
考えられない?」などと返せば、否定を含ん
でいても、相手の考えにプラスの上乗せをす
ることができる。
高齢者虐待への介入は?
• 職員の感性を高め、さらにサービスの質を高
めることになる
• 対応困難を感じた自分を振り返り、その経験
から得た学びを対象者とのかかわりに生か
すことができる
→より質の高いケアへ繋がる
• 家庭訪問して、対象者が支援を求めてこなけ
れば、察知して一度は引く、といった敏感さは
必要だがそこで「相手にされなかった」といつ
までもクヨクヨしないこと!
• 初対面では支援関係が築けなくても、回数を
重ねるうちに打ちとける場合も多い。ナイーブ
になりすぎてコミュニケーションを避けだすと、
支援関係を温めるチャンスを逃すことになる。
参考文献
• 発見・援助から予防まで高齢者虐待防止ト
レーニングブック 中央法規
• ケースワークの原則
ー援助関係を形成する技法 誠信書房
• コミュニケーション学
実業之日本社
• 解決のための面接技法
金剛出版
3.調査方法および分析方法
1)認知症介護管理者研修会
①研修会調査実施日
平成 22 年 8 月 22 日
②調査方法
研修参加者 64 名に調査用紙を配布し、回答を得た 64 票(回収率 100.0%)のうち記入
もれのない回答票 51 票(有効回答率 79.7%)を分析対象とした。
フェース項目は、性別、年齢、所属、仕事満足感、疲労感、ストレスの 6 項目、権利擁護
に関する項目は、クライアントハラスメントの経験とその内容、不適切なケアをみた経験
とその内容、不適切なケア防止への研修会の経験の有無の 5 項目、KYT の活用に関する内
容は 9 項目で測定し、KYT や研修に全体に関する感想は自由記述にて回答を得た。
なお、フェース項目や権利擁護に関する項目は筆者が以前実施した施設内のケアの状況
に関する先行研究 14)で用いた調査項目から抜粋し、KYT 活用に関する内容は先行文献4)
~7)
を参考に案を作成し、検討メンバーから助言を得て作成した。調査項目設定の意図は、
参加者の心理的状況や権利擁護に関する実態を把握し、研修の必要性について検証したか
った。さらに、研修経験の有無や KYT や本研修プログラムについての評価を得ることを
目的とした。フェース項目に満足感、疲労感、ストレスを入れているのは、介護現場のた
めの高齢者虐待防止教育システム
15) において不適切なケアや高齢者虐待の発生要因とし
てストレスの問題を指摘しており、参加者のケアに対する心理的状況を把握する必要性か
ら項目として入れた。自由記述の分析方法は、記述内容をエクセルシートに入力したうえ
で、1 人の記述上に複数の意味内容が含まれている場合は、意味内容のまとまりで区切り、
共通群をカテゴリ化した。カテゴリ化に対する筆者の単独の判断だけに拠ることを避ける
ため、筆者と検討メンバーによる分類の確認と修正を行った。
③倫理的配慮
研修会主催者に事前に本調査の主旨および方法を説明し、承認を得た。研修会終了後に
参加者に対して、調査は自由意思による参加であり、参加しなくてもなんら不利益を被ら
ないこと、いつでも同意を取り消せることを説明した。また、調査結果は個人が特定され
ないように配慮することや保管については厳重に注意すること、また、結果の成果は学会
発表以外に使用しないことなど倫理的要件を文書と口頭で説明した。回収に当たっては、
研修会会場に開封できないアンケート回収箱を配置し、自由意思に基づいて調査協力依頼
した。質問紙の回収をもって協力同意が得られたものとした。
④用語の定義
KYT:小集団活動を基盤とした予防的安全衛生活動。
クライアントハラスメント:サービス利用者から暴言や暴力を受けるという状況。
不適切な介護:心身状態を考慮しないで行うため、結果としてサービス利用者の QOL を
低下させるような世話・働きかけ。
OJT(On the Job Training):職場内で行われる教育訓練手法のひとつで具体的な仕事を
通じて仕事に必要な知識・技術などを継続的に指導し、能力や力量を育成する活動。
⑤結果
ⅰ.対象者の属性と背景
表1 研修参加者の属性と背景
対象者の属性と背景は、表 1 に示
項目
カテゴリ
n=51
度数(%)
す。対象者の性別は、男性 41.8%、 性別
男性
21(41.2)
女性 58.8%であった。年代は 30 代
女性
30(58.8)
33.3% と最 も多く、次いで 40 代
年代
27.5%、20 代 21.6%だった。所属の
20 代
11(21.6)
30 代
17(33.3)
40 代
14(27.5)
職場は、グループホームが 51.0%、
50 代
8(15.7)
次いで通所系施設が 29.4%であった。
60 代
1(2.0)
入所施設
4(7.8)
仕事に関する満足感は、
普通 47.1%、
職場
満足 19.6%、まあまあ満足 15.7%だ
った。仕事に関する疲労感は、疲れ
ている 39.2%、まあまあ疲れている
33.3%、あまり疲れていない 11.8%
仕事に関す
る満足感
まあまあ満足
不満
仕事に関す
る疲労感
10(19.6)
8(15.7)
24(47.1)
7(13.7)
2(3.9)
20(39.2)
まあまあ疲れている
17(33.3)
あまり疲れていない
疲れていない
仕事に関す
るストレス
6(11.8)
疲れている
普通
なケアを見た経験は、あり 96.1%で
経験は、あり 56.9%だった。
満足
やや不満
経験は、あり 90.2%だった。不適切
あった。不適切なケアに対する研修
15(29.4)
普通
感じている 43.1%、まあまあ感じて
クライアントハラスメントを受けた
26(51.0)
通所系施設
その他
だった。仕事に関するストレスは、
いる 33.3%、普通 11.8%であった。
グループホーム
5(9.8)
6(11.8)
3(5.9)
感じている
22(43.1)
まあまあ感じている
17(33.3)
普通
あまり感じない
6(11.8)
4(7.8)
感じない
2(3.9)
クライアン
トハラスメ
ントの経験
ケアを見た
経験
経験あり
46(90.2)
経験なし
5(9.8)
経験あり
49(96.1)
経験なし
2(3.9)
不適切なケ
アに対する
研修経験
経験あり
29(56.9)
経験なし
22(43.1)
ⅱ.研修参加者への KYT への評価
研修参加者への KYT への評価を表2に示す。KYT を活用しての検討は、検討しやすい
51.0%、
まあまあ検討しやすい 31.4%であった。OJT での KYT 活用は、活用しやすい 52.9%、
まあまあ活用しやすい 31.4%であった。KYT 活用の意味として、職員間にオープンなコミ
ュニケーションを促すことになるかの設問に対して、そう思う 54.9%、まあまあそう思う
35.3%であった。他者の経験を活かす機会を与えられるかの設問に対して、そう思う 66.7%、
まあまあそう思う 31.4%であった。リスクに対して現実的な解決策を生み出す力になるか
の設問に対して、そう思う 56.9%、まあまあそう思う 35.8%であった。職員間でよい関係
をつくり、協力し合えるきっかけになるかの設問に対して、そう思う 49.0%、まあまあそ
う思う 37.3%であった。知識や情報を職員間で共有することになるかの設問に対して、そ
う思う 49.0%、まあまあそう思う 37.3%であった。
表2 研修参加者の KYT への評価
n=51
項目
KYT を活用しての検討
OJT での KYT 活用
職員間にオープンなコミュニケーションを促
すことになる
職員間でよい関係をつくり、協力し合えるき
っかけになる
知識や情報を職員間で共有することになる
カテゴリ
度数(%)
検討しやすい
26(51.0)
まあまあ検討しやすい
16(31.4)
普通
8(15.7)
やや難しい
1(2.0)
難しい
0(0.0)
活用しやすい
27(52.9)
まあまあ活用しやすい
16(31.4)
普通
7(13.7)
やや難しい
1(2.0)
難しい
0 (0.0)
そう思う
28(54.9)
まあまあそう思う
18(35.3)
普通
5(9.8)
あまり思わない
0(0.0)
思わない
0(0.0)
そう思う
25(49.0)
まあまあそう思う
19(37.3)
普通
7(13.7)
あまり思わない
0(0.0)
思わない
0(0.0)
そう思う
35(68.6)
まあまあそう思う
13(25.5)
普通
3(5.9)
あまり思わない
0(0.0)
思わない
0(0.0)
ⅲ.クライアントハラスメント」
「不適切なケア」と KYT 評価の関連
「クライアントハラスメント」
「不適切なケア」と KYT 評価の関連を表3に示す。経験
あり群と経験なし群との間で、
「クライアントハラスメントを受けた経験」「不適切なケア
を見た経験」別に KYT の評価について差が見られるかについて調べたところ、クライア
ントハラスメントを受けた経験のある人は、職員間にオープンなコミュニケーションを促
すことになる(p<0.05)
,知識や情報を職員間で共有することになる(p<0.001)で関
連していた。また、不適切なケアを見た経験のある人は、知識や情報を職員間で共有する
ことになる(p<0.05)で関連していた。
表3 「クライアントハラスメント」
「不適切なケア」
と KYT 評価の関連
項目
カテゴリ
クライアントハラス
メントを受けた経験
あり
KYT を活
用しての
検討
KYT を
OJT で活
用
有意
確率
n=51
人
(%)
不適切なケアを見た経験
なし
あり
25(51.0)
1(50.0)
なし
15(30.6)
1(50.0)
8(16.3)
0(0.0)
検討しやすい
25(54.3)
1(20.0)
まあまあ検討しやすい
12(26.1)
4(80.0)
8(17.4)
0(0.0)
やや難しい
1(2.2)
0(0.0)
1(2.0)
0(0.0)
難しい
0(0.0)
0(0.0)
0(0.0)
0(0.0)
活用しやすい
25(54.3)
2(40.0)
26(53.1)
1(50.0)
まあまあ活用しやすい
13(28.3)
3(60.0)
15(30.6)
1(50.0)
7(14.3)
0(0.0)
1(2.0)
0(0.0)
普通
n.s
7(15.2)
0(0.0)
やや難しい
1(2.2)
0(0.0)
難しい
0(0.0)
0(0.0)
0(0.0)
0(0.0)
1(50.0)
4(8.2)
0(0.0)
1(50.0)
0(0.0)
0(0.0)
普通
n.s
職員間に
オープン
なコミュ
ニケーシ
ョンを促
すことに
なる
そう思う
27(58.7)
1(20.0)
27(55.1)
まあまあそう思う
16(34.8)
2(40.0)
18(36.7)
普通
3(6.5)
2(40.0)
あまりそう思わない
0(0.0)
0(0.0)
思わない
0(0.0)
0(0.0)
0(0.0)
0(0.0)
職員間で
よい関係
をつくり、
協力し合
えるきっ
かけにな
る
そう思う
1(20.0)
24(49.0)
1(50.0)
19(38.8)
0(0.0)
6(12.2)
0(0.0)
1(50.0)
思わない
0(0.0)
0(0.0)
0(0.0)
0(0.0)
知識や情
報を職員
間で共有
すること
になる
そう思う
34(73.9)
1(20.0)
34(69.4)
1(50.0)
まあまあそう思う
11(23.9)
2(40.0)
1(2.2)
0(0.0)
0(0.0)
2(40.0)
0(0.0)
0(0.0)
まあまあそう思う
普通
あまりそう思わない
普通
あまりそう思わない
思わない
24
(52.2)
17
(37.0)
5(10.9)
0(0.0)
2(40.0)
2(40.0)
0(0.0)
*
n.s
***
有意
確率
n.s
n.s
n.s
n.s
0(0.0)
13(26.5)
0(0.0)
2(4.1)
0(0.0)
0(0.0)
1(50.0)
0(0.0)
0(0.0)
*
ⅳ.KYT および研修プログラム全体に関するする自由記述
KYT に関する自由記述を表4、研修プログラム全体に関する自由記述を表5に示した。
KYT に関しては、KTY 活用によりリスクに対して意見が出しやすくなる、色々な場面
の開発への期待、OJT で KYT を活用したいといった KYT がもたらす効果など KYT を肯
定的にとらえる自由記述が多くあった。その一方、危険場面の設定を検討すべきという意
見もあった。また、研修プログラム全体に関しては、アサーションに関してはリーダーと
して自分自身を成長させる技術となるや働きやすい環境づくりに役立つ、利用者の尊厳を
守り、良い関係を作ることにつながると評価された。また、タッピング・タッチに関して
も体験ができたことに肯定的な意見が多く、また現場で取り入れたいと評価された。全体
的にわかりやすく、すべてのプログラムが OJT として活用しやすいと評価された。
表4 KYT に関する自由記述
カテゴリ
主な内容
言葉の暴力におけるシュチュエーション、
言葉づかいの KYTが必要に感じた
(1)
入浴時や食事介助以外にもいろんな例があると良い(1)
帰宅願望のある入居者の時、利用者間のトラブル等の KYT があればよい(2)
精神障害のある認知症の方がパニックを起こした時の場面などの例があると良
い(1)
より細かなシーン別のシートだとしっかり学習できそう(2)
社内の環境を職場で考え、独自に作ってみるのも良いと思う(1)
KYT によりリスク いつでも起こりうる場面をみんなで考え、意見を出すことが大切だと感じた(4)
に対して意見を出 コミュニケーションを大切にする、人間対人間の関係が大事と感じた(1)
しやすくなる(7) 他の人の経験や思い・考えを具体的に確認しやすい手法(2)
職員会議の時に皆が話し合うのにいいと思った(4)
OJT で KYT を
今までに危険予知シートを使用しての研修はなかったので、今後活用したい(1)
したい(6)
不適切なケアに対して、とても役に立つと思うので、活用していきたい(1)
実践でおこりそうな事例を検討することで、職員間で方向づけができる(1)
色々な場面の開発
への期待(8)
危険予知を行い、意見を出し合うことで全員のレベルアップにつながる(1)
KYT 活用が
多くのシートを用いてロールプレイングし、気づいてもらう研修が極めて重要
もたらす効果(4)
(1)
普段何も考えずに行っていることを文章にして考えることで、日頃の介護の仕方
を振り返ることができる(1)
クライアントの基本情報も必要に感じた(1)
危険場面の設定
実際の事故事例やヒヤリハット事例を KYT として行うことが現実的(1)
を検討すべき(3)
もっと身近な状況、現場で行ってほしい(1)
n=28 複数回答
表5 研修プログラム全体に関する自由記述
カテゴリ
主な記述
とても良いトレーニングだと思いました。
(4)
利用者の尊厳を守り、良い関係を作ることにつながる(5)
アサーションに関して(28)
リーダーとして自分自身を成長させる技術となる(8)
働きやすい環境づくりに役立つと思う(7)
スタッフ教育でアサーションを使ってみたい。
(4)
タッピング・タッチが体験できてよかった。
(5)
タッピング・タッチに関して(16)
全体的にわかりやすい(16)
OJT 活用しやすい(4)
リーダーの役割を学べた(2)
ケアの質の向上に役立つ(2)
タッピング・タッチが気持ちよくリラックスできた(3)
職員のリラックスは利用者にも伝わり重要と気づいた(3)
タッピング・タッチを職場に取り入れてみようと思う(5)
とてもわかりやすく、楽しい研修であった(16)
すべてがすぐ実践したいような研修でとてもよかった。
(4)
管理者として学びたい内容であった(2)
この研修を活かし、改善のきっかけにつなげたい(1)
共感できる部分が多く、ケアの参考になる(1)
n=38 複数回答
2)介護支援専門員研修会
①研修会調査実施日
平成 22 年 11 月 12 日
②調査方法
研修参加者 20 名に調査用紙を配布し、回答を得た 20 票(回収率 100.0%)のうち記入
もれのない回答票 20 票(有効回答率 100.0%)を分析対象とした。
フェース項目は、性別、年齢、職種、ケア業務の経験年数の 4 項目、高齢者虐待に関する
項目は虐待対応件数、高齢者虐待への介入拒否の経験の有無の2項目、KYT の活用に関す
る内容は4項目で測定し、研修に全体に関する感想は自由記述にて回答を得た。
③倫理的配慮
1)認知症介護管理者研修会と同様の方法にて倫理的配慮を行った。
④結果
ⅰ.対象者の属性
対象者の属性は、表 6 に示す。男性 25%、女性 75%
とであり、年代は 20 代 10%、30 代 25%、40 代 40%、
表 6 対象者の属性 n=20
項目
性別
50 代 20%、不明 5%であった。職種は介護支援専門
員 80%、社会福祉士 5%、保健師 10%、行政職員 5%
年代
であった。経験年数は、1 年未満 5%、1 年以上 3 年未
満 5%、3 年以上 5 年未満 15%、5 年以上 10 年未満
15%、10 年以上 65%であった。
職種
カテゴリ
度数(%)
男性
5(25.0)
女性
15(75.0)
20 代
2(10.0)
30 代
5(25.0)
40 代
8(40.0)
50 代
4(20.0)
不明
1(5.0)
介護支援専門員
16(80.0)
社会福祉士
保健師
経験
年数
1(5.0)
2(10.0)
行政職員
1(5.0)
1 年未満
1(5.0)
1 年以上 3 年未満
1(5.0)
3 年以上 5 年未満
3(15.0)
5 年以上 10 年未満
3(15.0)
10 年以上
ⅱ.高齢者虐待に関する経験
13(65.0)
高齢者虐待への対応経験は、なし 25%、1 回 15%、2 回 15%、3 回 5%、5 回 15%、9
回 10%、10 回 5%、50 回以上 10%であった。高齢者虐待対応経験あり 15 名中介入拒否
経験者 7 名 46.7%であった。高齢者虐待の介入拒否の状況については以下が概ねの内容で
あった。
・高齢者からまだ介護保険対応しなくてもいいと言われた
・虐待はしていないと強く拒否され、ケアワーカー、役場の方なども入っていただき、金
銭的問題が原因と分かり、生活保護を受けてもらい問題解決しました。
・連絡が取れない、電話にでない、ドアを開けない
・妻が夫を虐待。食事を尐ししか与えない、排泄が汚れ放題。部屋に入れない。
・介護者が利用者を自宅において外泊してしまったことがある。ショートを利用させると
介護者に連絡を取らなかったことを怒られた。介護者は介護疲れから知人に相談しに行
っていたと後で聴取し、ねぎらって、いつでも相談をする旨をいったことがある。
・本人は家族をかばって、本当のことを言わない。家族は認めない。あざがあっても自分
で転んだと違う理由を言うか黙ってしまう。自分から言ってくれないため、実際のとこ
ろどうなのかわからないことも多い。どうしても問い詰めていくと家族や介護者を責め
る形になってしまうので踏み込めないケースがある。
・養護者が精神病を患ってみえ、介護者と利用者の関係は共依存。本人の分離も含めて事
実確認したため、拒否にあい、養護者支援できなくなった。
ⅲ.KYT 活用に関する項目
表7 KYT 活用への評価
研修参加者への KYT への評価を
項目
表 7 に示す。KYT 活用は他者の経験を
生かすことになるとても思う 35.0%、
まあまあ思う 65.0%であった。KYT 活
用はオープンなコミュニケーションに
繋がるは、とても思う 30.0%、まあま
あ思う 70.0%であった。KYT 活用は
さまざまな支援場面を検討していくこ
とはケアの質の向上につながるは、と
ても思う 45.0%、まあまあ思う 55%
であった。KYT 活用して、検討するこ
とは支援者の技術の向上に繋がるは、
とても思う 40.0%、まあまあ思う
60.0%であった。
n=20
KYT 活用は他者の経験を生か
すことになる
KYT 活用はオープンなコミュ
ニケーションに繋がる
KYT 活用はさまざまな支援場
面を検討していくことはケア
カテゴリ
7(35.0)
まあまあ思う
13(65.0)
あまり思わない
0(0.0)
思わない
0(0.0)
とても思う
まあまあ思う
14(70.0)
0(0.0)
思わない
0(0.0)
とても思う
まあまあ思う
9(45.0)
11(55.0)
あまり思わない
思わない
KYT 活用して、検討すること
とても思う
る
6(30.0)
あまり思わない
の質の向上につながる
は支援者の技術の向上に繋が
度数(%)
とても思う
まあまあ思う
0(0.0)
0(0.0)
8(40.0)
12(60.0)
あまり思わない
思わない
ⅳ.研修全体に対する意見
以下、アンケートに記述されていた内容を一部抜粋した。概ね肯定的な意見が多かった
が、グループワークの時間が尐ないと指摘された方が複数いた。
・パワーポイントの内容がとても参考になりました。
・日々の悩みに直結していました。もう尐し時間をたっぷりとって聞きたい。
・グループワークすることで、他の意見を聞くことができ勉強になる。
・日常、出会うと思われる場面で他の方と話し合いがもてて、色々な対応があることが
わかり、勉強になった。
・分かりやすい内容(情報)で仕事後でも大変リラックスして受講することができまし
た。またちがうケースの検討もしてみたいと思った。
・時間も尐し短く残念だった。困難事例のトレーニングがあればよいと思いました。
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Ⅴ.考察
認知症介護管理者研修会の調査結果において、クライアントハラスメントを受けた経験
は 90.2%とほとんどのものが経験していた。越谷8)は、暴力行為を受けた介護職員は、自
分の介護方法に問題があるのではないかという自責の念や、介護への自信低下を引き起こ
しやすいと考えられ、自身の不適切なケアの結果が暴力行為につながると考える職員が多
いため、被害を受けた介護職員が他のメンバーからサポートを得られず疎外感をもつこと
や、尐人数で逃げ場のない局域的な空間において利用者との緊張関係を余儀なくされるス
トレスフルな状況が、情緒的消耗感を高めると述べている。また、岸ら3)は、不適切なケ
アを見た経験においても 96.1%が経験しているが、その背景として、「よくないことは分
かっていてもはっきりいえない職員がいる」
「知識、経験年齢、立場でいえるかどうかが決
まる」
「注意すると辞めてしまう」ために、不適切なケアを注意できないと述べている。つ
まり、クライアントハラスメントや不適切なケアに関する経験はほとんどのものがありな
がらも、施設内において十分なサポートや話し合いを受ける機会を得ていない状況があっ
た。また、施設内における虐待予防としての対策として、自分に置き換え、相手の立場に
立って考える、経験をすることで予測して対応できる、ケア方法を共有し検討する、会議
や話し合いで介助方法を提案・相談する、不適切な介助をはっきりと指摘することが必要
3)
と報告されている。
そこで、今回の認知症介護管理者研修において、KYT を活用し、クライアントハラスメン
トや不適切なケアを見た時に、サービス利用者・介護者の双方の思いを考え、双方に対す
る声かけや対応を考えることは、施設内における虐待予防対策への取り組みになったと考
えられる。その結果として、今回の調査において、研修参加者の 82.4%が KYT を活用し
ての検討を肯定的に評価していた。また KYT を活用することは他者の経験を活かす機会
を与える 98.3%、リスクに対して現実的な解決策を生み出す力につながる 92.7%と回答し
ており、認知症介護リーダー研修会において、権利擁護に関するプログラムに KYT 活用
の有効性への示唆を得たと考える。
今回の研修の狙いとして、管理者研修会での KYT 活用が OJT につながるかには、84.3%
が可能であると回答していた。OJT を推進する意味として、職場内のコミュニケーション
を活発にして、職員間の情報や知識の共有こそがケアの質の向上に繋がるととらえられ、
その推進に一助となるツールとして KYT 活用の必要性を感じた。しかし、KYT に関する
自由意見にもあるようにさらに色々な場面に対応できるようなシートの開発の必要性があ
ることが示唆された。
介護支援専門員研修会の結果において、75%高齢者虐待に対応を行っており、そのうち
半数は、介入拒否の経験を持っている。介入拒否にあった場合は、複数での対応などさま
ざまな対応事例があったがやはり介入への困難感は否めないと考えられた。KYT シートの
活用において、他者の経験を生かすことになるやケアの質の向上につながると肯定的な意
見も多く、高齢者虐待を含む在宅での支援困難ケースへの KYT シートに活用の有効性が
示唆されたと考える。しかし、グループワークの時間が取れなかった等の意見もあり、も
う尐し回数を重ねたさらに有効な研修プログラムの在り方を検討していく必要性を求めら
れた。
Ⅵ.おわりに
今回、権利擁護に関しての KYT に取り組むきっかけになったのは、昨年の認知症介護
管理者研修会において、転倒事故に関する KYT を実施したことに対して、主催者から施
設内の権利擁護の関する KYT についても取り組んでほしいという要望からであった。当
初、権利擁護に関することをテーマに KYT にしてくことに著者自身は抵抗感がありつつ
も多くの認知症ケアに関わる方からその推進を望まれたのが今回の実践に至った。今後も
認知症ケアに携わる多くの実践者の声に耳を澄まし、真摯に受け止め、ケアする実践者の
皆様がケアすることへの価値観が高められるような研修プログラムを検討していきたい。
<謝辞>
本報告書は、公益財団法人在宅医療助成勇美記念財団の助成による平成 21 年度在宅医
療助成金の交付を受けてまとめたものである。ここに厚く御礼を申し上げる。また、ご多
忙のなか、本研究の趣旨をご理解いただき、ご協力いただきましたみなさま、プログラム
開発・調査にあたりご尽力いただいた介護老人保健施設嘉祥苑の奥田隆利氏に感謝申し上
げる。
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6)高橋真由美:危険予知トレーニングを取り入れた転倒・転落への取り組み.日本精神
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