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経済研究所アナリストメモ

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経済研究所アナリストメモ
経済研究所アナリストメモ
2014 年 3 月 27 日
訪問企業
デンソー(6902)
村田製作所(6981)
アナリスト:今中 能夫
デンソー(6902)
訪問取材
世界最大の自動車部品メーカー、トヨタ向け、非トヨタ向けがバランス良く成長 ■ 世界最
大の自動車部品メーカー。2014 年 3 月期 3Q は売上高 1 兆 287 億円(前年比 23.0%増)
のうち、トヨタ向けが 4576 億円(前年比 19.9%増、構成比 44.5%)で、ハイブリッド(HV)カー
の増加によって、クラウン、カローラ向けが増加している。
また、トヨタ以外の 55.5%で特に目立つ向け先は以下の通り。
本田技研工業(3Q 売上高 759 億円、前年比 27.8%増):中国向けが伸張しており、ホンダの
中国専用車「クライダー」向けが好調。
マツダ(238 億円、36.0%増):昨年 12 月発売のアクセラハイブリッドにデンソーの HV システ
ムが採用されている。ガソリン直噴エンジンのシステムも売れている。
日産自動車(133 億円、37.1%増):直噴エンジン周り、HV 向け部品などが寄与。
GM(292 億円、35.2%増):円安メリットのほか、ディーゼル車のコモンレール(燃料噴射)シ
ステムと車両生産の増加が寄与。
フォード(231 億円、30.5%増):円安メリットとエアコンユニット、コンプレッサが増加。
クライスラー(237 億円、63.4%増):車両生産が増加したこととチェロキー向けが寄与。
フォルクスワーゲン・アウディ(VW・AUDI、196 億円、46.3%増):中国向けが増加。特に、コ
ンプレッサ、バルブカムタイミングが寄与。
楽天証券株式会社________________________________________________________________________________
〒140-0002 東京都品川区東品川 4-12-3
品川シーサイド楽天タワー
本資料は、掲載されているいかなる銘柄についても、その売買に関する勧誘を意図して作成したものではありません。本資料に掲載さ
れているアナリストの見解は、各投資家の状況、目標、あるいはニーズを考慮したものではなく、また特定の投資家に対し特定の銘柄、
投資戦略を勧めるものではありません。また掲載されている投資戦略は、すべての投資家に適合するとは限りません。銘柄の選択、売
買、売買価格等の投資の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようにお願いいたします。本資料で提供されている情報については、
当社が情報の完全性、確実性を保証するものではありません。本資料にてバリュエーション、レーティング、推奨の根拠、リスクなど
が言及されている場合、それらについて十分ご検討ください。また、過去のパフォーマンスは、将来における結果を示唆するものでは
ありません。アナリストの見解や評価、予測は本資料作成時点での判断であり、予告なしに変更されることがあります。当社は、本資
料に掲載されている銘柄について自己勘定取引を行ったことがあるか、今後行う場合があり得ます。また、引受人、アドバイザー、資
金の貸手等となる場合があり得ます。当社の親・子・関係会社は本資料に掲載されている銘柄について取引を行ったことがあるか、今
後取引を行う場合があり得ます。掲載されているレポート等は、アナリストが独自に銘柄等を選択し作成したものであり、対象会社か
ら対価を得て、又は取引を獲得し若しくは維持するために作成するものではありません。この資料の著作権は楽天証券に帰属しており、
事前の承諾なく本資料の全部または一部を引用、複製、転送などにより使用することを禁じます。本資料の記載内容に関するご質問・
ご照会等には一切お答えいたしかねますので予めご了承お願いいたします。
経済研究所アナリストメモ
フィアット(191 億円、23.2%増):車両生産が増加。昨年が悪かったので反動で伸びた。
現代・起亜(308 億円、33.9%増):メーター類が増加している。
このように、日系では本田技研工業を筆頭にマツダ、日産自動車など、海外メーカーではG
M、フォード、VW・AUDI、フィアット・クライスラー、現代・起亜など、世界の自動車市場を代
表するメーカーの多くがデンソーの顧客である。
納入部品の種類が増えているメーカーも多い。例えば、マツダ向けは直噴エンジン周りの部
品から HV システムに拡大中である。日産自動車向けも HV システムの納入が始まっている。
中長期的には、トヨタ向け、トヨタ以外の自動車メーカー向けが各々バランス良く成長すると
思われる。
また、「その他のメーカー向け」が 3Q828 億円(前年比 43.5%増)となっている。この多くが、
クボタ、コマツ、ジョン:ディーア、キャタピラーなど国内、海外の農機、建機メーカー向けで、
少量がボルボ、ルノーや商用車メーカー向けである。ちなみにボルボは、最新車種から直
噴エンジンシステムなどデンソーのエンジンマネジメントシステムを全面採用している。
来期会社見通しは当面は慎重か ■ 2014 年 3 月期は会社見通しの売上高 4 兆 800 億円
(前年比 13.9%増)、営業利益 3800 億円(44.8%増)、経常利益 4200 億円(41.9%増)、当
期利益 2830 億円(55.8%増)、EPS 355.2 円がほぼ達成できる見通しだが、若干未達になる
可能性もある。売上高はほぼ見通し通りと思われるが、2 月の大雪で工場が1~2日停止した
ため、生産が計画に対して若干未達となっている。また、4Q の為替レートが会社前提(1 ドル
=104 円、1ユーロ=142 円、為替感応度は1ドル 1 円の円安で年間 27 億円の円安メリット、
ユーロは同じく 8 億円の円安メリット)よりも若干円高であることが利益に対してネガティブな
要因である。
ただし、営業利益が会社予想に対して未達となっても 10~50 億円程度と思われ、今期の大
勢に影響は軽微であろう。
来期については、会社側は慎重な見方を持っている。現時点での自動車国内生産の前提
は、ワーストケースとしながらも、前年比 7%減であり、アメリカ、欧州、アジア等海外市場の増
加で補って、全世界で 3~4%増としている。一方で、海外市場で拡販しているため、顧客
メーカーの工場の近くに工場を建設、増設することが多く、減価償却費の負担が大きくなっ
ている。今期のような円安メリットも当面は見込みにくい。2014 年 3 月期決算発表時に公表
する 2015 年 3 月期業績予想は、営業利益横ばいか、5~10%減益程度の控えめなものにな
る可能性がある。
ただし、国内生産を見ると、消費税前の駆け込み需要は会社側の想定の範囲内であり、昨
年 12 月時点で、売れ筋車種、特に HV 車については 3 月までの納車が難しい状況だった
(消費税の課税は登録時)。従って、受注は 1-3 月期に盛り上がっている模様だが、生産、
販売は、1-3 月に急増して 4-6 月に急減することは考えにくく、駆け込み需要の反動は軽微
楽天証券株式会社
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〒140-0002 東京都品川区東品川 4-12-3
品川シーサイド楽天タワー
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経済研究所アナリストメモ
と思われる。このため、来期の国内生産は、最終的には、前年比横ばい程度になると思われ
る。国内市場で価格が高い車が売れる傾向が続いていることから、デンソーにとっては、生
産台数が横ばいになれば、利益は増えると考えてよいだろう。
もっとも、活発に設備投資しなければならない事情は変わらず、円安メリットも見込みにくい
ため、来期の営業利益は 10%台の増益に鈍化する可能性がある。
中長期的な投資妙味がある ■ 先進国のほとんどの自動車メーカーと取引があり、大手向
けについては、上述のように売上高が大きく伸びている。技術面では、ハイブリッドシステムと、
ガソリン直噴エンジンに関する技術が高く評価されている(例えばマツダの超低燃費技術
「SKYACTIV」はデンソーのガソリン直噴エンジン技術を基にしている)。加えて「安全分野」
にも注力しており、ダイハツの「スマートアシスト」向けに部品を納入しているほか、マツダ、現
代に自動ブレーキの部品、トヨタに自動ブレーキシステムを納入している。
業績面では設備投資負担から免れないが、世界の自動車市場の成長を投資成果として得
たい場合や自動車の電子化に投資したいならば、中長期的な投資を考える価値がある会社
と思われる。3 月 26 日終値 4,869 円から今期会社予想 PER は 13.7 倍であり、割高感はない。
デンソーの顧客別売上高(四半期ベース)
Q1
4,207
266
127
610
200
180
158
99
119
94
232
154
159
144
54
67
178
32
37
209
655
843
8,824
トヨタ
ダイハツ
日野自動車
本田技研
スズキ
富士重工
マツダ
三菱自動車
いすゞ
日産自動車
GM
フォード
クライスラー
VW・AUDI
ベンツ
BMW
フィアット
PSA
ジャガー・ランドローバー
現代・起亜
その他メーカー
市販・新事業 他
合計
単位:億円
出所:会社資料より楽天証券作成
Q2
4,033
240
127
582
195
178
143
120
111
101
202
155
134
138
62
73
140
32
27
183
671
860
8,507
13/3
Q3
3,816
222
125
594
211
186
176
115
131
97
216
177
145
134
61
69
155
31
28
230
577
867
8,363
Q4
4,685
279
129
701
262
186
186
120
150
110
265
239
175
196
71
85
203
50
86
281
628
1,028
10,115
累計
16,741
1,007
508
2,487
868
730
663
454
511
402
915
725
613
612
248
294
676
145
178
903
2,531
3,598
35,809
Q1
4,510
282
134
694
231
187
185
110
144
116
284
241
211
186
85
82
233
58
44
289
722
948
9,976
14/3
Q2
Q3
4,536
4,576
272
268
133
137
671
759
240
247
162
179
209
238
120
126
149
131
130
133
304
292
236
231
198
237
181
196
81
76
82
78
191
191
48
49
36
31
258
308
685
828
981
976
9,903
10,287
楽天証券株式会社
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〒140-0002 東京都品川区東品川 4-12-3
品川シーサイド楽天タワー
累計
13,622
822
404
2,124
718
528
632
356
424
379
880
708
646
563
242
242
615
155
111
855
2,235
2,905
30,166
3
経済研究所アナリストメモ
村田製作所(6981)
訪問取材
電子部品専業としては世界最大手、チップ積層セラミックコンデンサでトップシェア ■ 電子
部品専業会社としては世界最大。市場シェアが高い製品を多く持っており、チップ積層セラ
ミックコンデンサ(MLCC)で世界シェアトップである(超小型の 0402(0.4×0.2mm)サイズで
60-70%、0603 で 50%、それ以外でも 38%のシェア。2 位以下はサムスン系のセムコ、太陽
誘電、TDK など)。MLCC は電子回路の電圧制御を行う電子部品で電子機器に多用されて
いる。
主な需要先としては、スマートフォンメーカーが多い。MLCC はフィーチャーフォンに 100~
200 個搭載されていたものが、ローエンドスマートフォンで 200~400 個(うち超小型品が 100
~200 個)、ハイエンドスマートフォンで 400~800 個(同 300~600 個)と、通信機器が高性能
化するにつれ搭載個数が増えている。
他の製品でも、SAW フィルター(電波を選別する、市場シェア 40%、2 位は TDK)がフィー
チャーフォン 2~3 個に対しローエンドスマホ 4~6 個、ハイエンドスマホには 15~20 個搭載
されている。WiFi モジュール(市場シェア 50%、2 位以下はセムコ、TDK)は、フィーチャー
フォンには搭載されていなかったが、ローエンドスマホでは搭載する機種があり、ハイエンド
スマホには全て搭載されている。このように、主力製品の多くが市場シェアが高く、スマート
フォンやタブレット PC が高性能化するに連れて搭載個数が増えている。
また、自動車向けが安定成長分野として増えている。ここでも MLCC が多く、エンジン制御シ
ステム中心に MLCC の搭載個数が増えている。搭載個数は1台当たり 1000~3000 個と言わ
れ、傾向的に増加している。
2014 年 3 月期は会社予想通りか ■ 2014 年 3 月期は会社予想の売上高 8200 億円(前
年比 20.4%増)、営業利益 1200 億円(104.7%増)、税引前当期純利益 1230 億円(106.6%
増)、当期純利益 860 億円(102.9%増)、EPS 406.8 円が達成できると思われる。3Q までの
用途別売上高を見ると、スマートフォン向け中心の「通信」向けが高水準を維持している。次
いでコンピュータ及び関連機器(タブレット PC 向けが伸びている)、カーエレクトロニクスが伸
びている。
2015 年 3 月期は増益率は鈍化するが 20%以上の増益が可能 ■ 過去 1 年間の受注動
向を見ると、2013 年春から受注が増加し、2013 年 3、4 月の受注は過去最高になった模様。
会社側は顧客動向をコメントしていないが、アップル、サムスン、ソニーなどからの受注が増
えたと思われる。また、2013 年春以降は中国メーカー向けも増えている模様。
ただし、その後は高水準の受注が維持されたものの、それ以上の伸びがない状態となって
いる。月次受注の概算は、前年同月比では、2013 年 11 月 25%増、12 月 5%増、2014 年 1
月 5%増、2 月 30%増と前年を上回っているが、前月比では 2013 年 11 月 5%減、12 月 5%
減、2014 年 1 月 10%減、2 月 0%増と緩やかに減少する状態となっている。2014 年に入ると
楽天証券株式会社
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〒140-0002 東京都品川区東品川 4-12-3
品川シーサイド楽天タワー
4
経済研究所アナリストメモ
1 月に中国メーカーから LTE 対応部品中心の受注が前月比 20~30%増となったが(MLCC
と SAW フィルターの受注が多かった)、大口が振るわなかった模様。また 2 月の中国向けは
1 月に比べ減少した模様。
ただし、2014 年 1-3 月期の受注の伸び悩みは季節性によるものでもあり、会社側は 2015 年
3 月期を悲観的に見ているわけではない。中国の格安スマホは、スマートフォン用半導体
メーカーが顧客に配っている設計図を元に生産されているものが多いが、部品の推奨リスト
には村田製作所が必ず載っている。特に、MLCC、SAW フィルター、WiFi モジュールなど
シェアの高い製品ではそうなっており、「格安」であっても中身の部品は安物ではない。また、
格安スマホの性能が年々高度化しているが、これは中国での LTE の普及(中国は 2013 年
12 月から TD-LTE がサービス開始となっており、未だ 3G が中心の市場である)やインター
ネット環境の高度化に合わせる必要があるためである。今春以降の受注の動きが注目され
る。
会社側では 2015 年 3 月期増収率を 5~10%増と見込んでいる。限界利益率は約 50%と高
いため、減価償却費、研究開発費、販管費などの固定費が 50~100 億円増えていることを
考えても、2015 年 3 月期営業利益は 1300~1500 億円(前年比 8.3~25.0%増)が可能と思
われる。
スマホ関連では筆頭銘柄の一つ ■ 村田製作所の今期会社予想PERは 3 月 26 日終値
9,742 円から 23.9 倍である。PER は低くはないが、成長性を考えると高いともいえない水準で
あろう。スマホ関連では筆頭に挙げられる銘柄であり注目したい。
楽天証券株式会社
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〒140-0002 東京都品川区東品川 4-12-3
品川シーサイド楽天タワー
5
20
11
20 年9
11 月
年
20 10
11 月
年
20 11
11 月
年
20 12月
12
年
20 1月
12
年
20 2月
12
年
20 3月
12
年
20 4月
12
年
20 5月
12
年
20 6月
12
年
20 7月
12
年
20 8月
12
20 年9
12 月
年
20 10
12 月
年
20 11
12 月
年
20 12月
13
年
20 1月
13
年
20 2月
13
年
20 3月
13
年
20 4月
13
年
20 5月
13
年
20 6月
13
年
20 7月
13
年
20 8月
13
年
20
13 9月
年
20 10
13 月
年
20 11
13 月
年
20 12月
14
年
20 1月
14
年
2月
1Q
2Q
40%
〒140-0002 東京都品川区東品川 4-12-3
品川シーサイド楽天タワー
楽天証券株式会社
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2Q
3Q
/3 4Q
期
1Q
2Q
3Q
/3 4Q
期
1Q
14
13
2Q
3Q
/3 4Q
期
1Q
2Q
3Q
/3 4Q
期
1Q
12
11
2Q
3Q
/3 4Q
期
1Q
2Q
3Q
/3 4Q
期
1Q
10
09
2Q
3Q
100,000
3Q
4
/3 Q
期
1Q
/3
期
120,000
08
07
経済研究所アナリストメモ
(単位:百万円、出所:会社資料より楽天証券作成、四半期ベース)
村田製作所の用途別売上高
140,000
AV
通信
コンピュータ及び関連機器
カーエレクトロニクス
家電・その他
80,000
60,000
40,000
20,000
0
(単位:%、出所:ヒアリングより楽天証券作成、概数)
村田製作所の月次受注動向
50%
前年同月比
前月比
30%
20%
10%
0%
-10%
-20%
-30%
6
【リスクについてのご説明】
◆上場有価証券等のリスク
〔現物取引〕
国内外の金融商品取引所に上場されている株式(現物取引)等の上場有価証券(以下「上場有価証券等」
(※1)といいます。)には、以下のリスクがあります。
・上場有価証券等の売買等にあたっては、株式相場、金利水準、為替相場、不動産相場、商品相場等の変
動や、投資信託、投資証券、預託証券、受益証券発行信託の受益証券等の裏付けとなっている株式、債券、
投資信託、不動産、商品、カバードワラント等(以下「裏付け資産」
(※2)といいます。)の価格や評価
額の変動に伴い、上場有価証券等の価格が変動することによって損失が生じる場合があります。
・上場有価証券等の発行者または保証会社等の業務や財産の状況に変化が生じた際や、裏付け資産の発行
者または保証会社等の業務や財産の状況の変化が生じた際に、上場有価証券等の価格が変動することによ
って損失が生じる場合があります。
・上場有価証券等のうち、他の種類株式、社債、新株予約権その他の財産に転換される(できる)旨の条
件または権利が付されている場合において、当該財産の価格や評価額の変動や、当該財産の発行者の業務
や財産の状況の変化に伴い、上場有価証券等の価格が変動することや、転換後の当該財産の価格や評価額
が当初購入金額を下回ることによって損失が生じる場合があります。
・また、新株予約権、取得請求権等が付された上場有価証券等については、これらの権利を行使できる期
間に制限がありますのでご留意ください。
また、新株予約権証券は、あらかじめ定められた期限内に新株予約権を行使しないことに
より、投資金額全額を失う場合があります。
なお、上場有価証券等が外貨建ての場合、為替相場(円貨と外貨の交換比率)が変化することにより、為
替相場が円高になる過程で円貨換算した価値は下落し、逆に円安になる過程で円貨換算した価値は上昇す
ることになります。したがって、売却時等の為替相場の状況によっては為替差損が生じる場合があります。
〔信用取引〕
上場有価証券等を「信用取引」でおこなう場合は、以下のリスクがあります。
・信用取引を行うにあたっては、株式相場、為替相場、不動産相場、商品相場等の変動や、投資信託、投
資証券等の裏付けとなっている株式、債券、不動産、商品等(以下「裏付け資産」
(※2)といいます。)
の価格や評価額の変動に伴い、信用取引の対象となっている株式等の価格が変動することによって損失が
生じる場合があります。また、その損失の額が、差し入れた委託保証金の額を上回る場合があります。
・信用取引の対象となっている株式等の発行者又は保証会社等の業務や財産の状況に変化が生じた場合や、
裏付け資産の発行者又は保証会社等の業務や財産の状況の変化が生じた場合、信用取引の対象となってい
る株式等の価格が変動することによって損失が生じる場合があります。また、その損失の額が、差し入れ
た委託保証金の額を上回る場合があります。
・信用取引により売買した株券等のその後の値動きにより計算上の損失(評価損)が生じたり、代用有価
証券の価格が値下がりすること等によって、委託保証金の維持率 20%未満となった場合には、不足額を所
定の期日までに当社に差し入れていただく必要があります。
・所定の期日までに不足額を差し入れない場合や、約諾書の定めによりその他の期限の利益の喪失の事由
に該当した場合には、計算上の損失が生じている状態で建玉(信用取引のうち決済が結了していないもの)
の一部又は全部を決済(反対売買または現引・現渡)される場合もあります。この場合、その決済で生じ
た実現損失について責任を負うことになります。
・信用取引の利用が過度であると金融商品取引所または当社が認める場合には、委託保証金率の引上げ、
信用取引の制限または禁止の措置等をとることがあります。
※1 「上場有価証券等」には、国内外の店頭売買有価証券市場において取引されている有価証券を含み、
カバードワラントなど、法令で指定される有価証券を除きます。また、外国又は外国の者の発行する証券
又は証書で同様の性質を有するものを含みます。
※2 裏付け資産が、投資信託、投資証券、預託証券、受益証券発行信託の受益証券等である場合には、そ
の最終的な裏付け資産を含みます。
※3 各有価証券には、外国又は外国の者の発行する証券又は証書で同様の性質を有するものを含みます。
【手数料等についてのご説明】
○手数料について
(以下、手数料・費用は何れも税込)
国内の金融商品取引所に上場する株式等(日本株式)の現物取引における売買手数料
日本株式(現物取引)の売買が約定した際には、次の2つの手数料コースのうち、お客様が選択されたコースの
手数料を支払っていただきます。お客様が選択されている手数料コースは、当社メンバー画面にてご確認くださ
い。
[超割コース]
また、カスタマーサービスのオペレーター取次ぎによる電話注文においては、次の手数料を支払っていただきま
す。
※上記の「株式等」には「上場投資信託受益証券(ETF)」、「不動産投資信託証券(REIT)」、「預託証券(DR)」を
含みます。
※手数料は当社の判断により変更する場合があります。
国内の金融商品取引所に上場する株式等(日本株式)の信用取引における売買手数料
信用取引による売買が約定した際には、インターネット(マーケットスピード含む)又は自動音声応答ダイヤルを
経由した場合、次の2つの手数料コースのうち、お客様が選択されたコースの手数料を支払っていただきます。お
客様が選択されている手数料コースは、当社メンバー画面にてご確認ください。(手数料は当社の判断により変更
する場合があります。)
[超割コース]
また、カスタマーサービスのオペレーター取次ぎによる電話注文においては、次の手数料を支払っていただきま
す。
なお、お客様が追加保証金(追証)や不足額を入金されず、当社の任意でお客様の計算により建玉又は代用有
価証券を決済・処分(強制執行)する際には、オペレーター取次ぎの手数料を支払っていただきます。さらに、信用
期日の前営業日までにお客様が信用建玉を処分されなかった場合の強制執行においては、オペレーター取次ぎ
の手数料に10500円を加算した額の手数料を支払っていただきます。
信用取引関係諸費用
[事務管理費]
建約定日から1ヶ月経過するごとに、1株あたり10.5銭の事務管理費がかかります。(単元株制度の適用を受け
ない銘柄(売買単位1株)については1株あたり105円になります。)ただし、同一銘柄、同一日に成立した売付株数
又は買付株数をそれぞれ合計し105円に満たない場合は105円、1050円を超える場合には1050円とします。
※
税込金額を基に計算した結果生じた円未満の端数は切捨てております。
[名義書換料]
権利確定日を越えて買建をしている場合、信用建玉毎に1売買単位あたり52.5円の名義書換料がかかります。
※税込金額を基に計算した結果生じた円未満の端数は切捨てております。
【名義書換料の一部例外について】
平成13年10月1日以降に行われた株式の分割もしくは併合または1売買単位の株式の数の変更(取引所に上
場される前に行われたものを除く。)について、それぞれ行われる都度算出された当該分割比率もしくは当該併合
比率または当該1売買単位の株式の数の変更比率をそれぞれ乗じて得た数(以下「分割等による調整率」といいま
す。)が10以上となった場合の銘柄を例外の対象とします。
※分割比率:当該株式の分割後の発行済み株式の総数を当該分割前の発行済み株式の総数で除して得た数を
いいます。
※併合比率:当該株式の併合後の発行済み株式の総数を当該併合前の発行済み株式の総数で除して得た数を
いいます。
※変更比率:1売買単位の株式の数の変更前の1売買単位の株式の数を当該変更後の1売買単位の株式の数で
除して得た数をいいます。
例外の対象となった銘柄については、信用建玉毎に1売買単位あたり52.5円に10を乗じ、分割等による調整
率で除してもとめられる金額(円未満の端数切捨て)を名義書換料としてお支払いいただきます。
○委託保証金について
委託保証金は、売買代金の 30%以上で、かつ 30 万円以上が必要です。また、有価証券により代用する場合の
代用価格は、以下に掲げる銘柄に応じて、前日終値にそれぞれの掛目を乗じた価格となります。
東証(マザーズを含む)上場銘柄
前日の終値の 80%
名証単独上場銘柄
〃
0%
委託保証金率及び代用有価証券の掛目については、市場の動向により金融商品取引所により変更 されること
又は当社の判断により変更することがありますので、ご注意ください。
なお、当社の判断により代用有価証券の掛目の変更又は除外(以下「掛目の変更等」といいます。)を行う事象
は以下のとおりです。掛目の変更等を行う場合には、あらかじめその内容をご通知し、変更後の掛目(又は除外)の
適用日につきましては、通知した日から起算して5営業日目の日といたします。ただし、下記③の事象の場合にお
いて、当社が必要と認めたときには、通知した日の翌営業日から適用することができるものといたします。(当社「信
用取引規定」第5条の2参照)
①株価が一定の水準を継続して下回る、または、出来高が過少で流動性が確保できないなど、決済リスクの観点
から当社が不適当と判断した場合。
②当社での信用取引建玉状況や代用有価証券の預り状況等に照らして、著しく偏りが見られるなど、与信管理
の観点から当社が不適切と判断した場合。
③特定の銘柄について、明らかに経営に重大な影響を与えると認められる事象等が発生し、今後、株価が継続
かつ大幅に下落することが予想され、当該銘柄の時価が本来の株価水準を反映していないことから、保証金として
の適切な評価を行うことができないと当社が認めた場合。
なお、明らかに経営に重大な影響を与えると認められる事象等の事例としては、例えば、次のようなケースが想
定されます。
・重大な粉飾決算の疑いが発覚し、直近の株価の水準が粉飾されたとされる決算内容に基づき形成されていた
と判断される場合
・業務上の取引等で経営に重大な影響を与える巨額な損失が発生した場合
・突発的な事故等により長期にわたりすべての業務が停止される場合
・行政庁による法令等に基づく処分又は行政庁による法令違反に係る告発等により、すべての業務が停止される
場合
・その他上場廃止につながる可能性が非常に高い事象が発生した場合
・PTS 取引(夜間取引)は、お客様が選択されているコースにかかわらず 1 回の約定代金が 50 万円まで 472 円/1
回、100 万円まで 840 円/1 回、150 万円まで 1,050 円/1 回、150 万円超は 1,575 円/1 回がかかります。いずれ
も税込み。
・国内株式を募集・売出し等(新規公開株式(IPO)、立会買分売)により取得する場合は、購入対価のみお支払い
いただきます(委託手数料はかかりません)。
商号等:楽天証券株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第 195 号、商品先物取引業者
加入協会:日本証券業協会、一般社団法人金融先物取引業協会、日本商品先物取引協会
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