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ANPの生合成と分泌

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ANPの生合成と分泌
I
特集ANP体液量と血圧調節に働くホルモン: 心房性ナトリウム利尿ペプチド
ANPの
発 見 以来, 内 分 泌 臓 器 と して の 心 臓 が 注 目さ れ て い る 。 心 臓 に お け るANPの
生 合成 ・分 泌 に つ いて 検 討 す る と,
内分 泌 臓 器 と して の心 臓 は 従 来 の 内分 泌 臓 器 と は 異 な
る い くつ か の特 徴 を有 して い る。 病 的 心 臓 では, 心 房 のみ な らず 心 室 で もANP遺
伝子発
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現 の 著 しい亢 進 が 認 め ら れ る 。 ま た, 他 の 多 くの 生 理 活 性 ペ プ チ ドと同 様 に,
ANPは
臓 以外 の組 織 に も分 布 して お リ, と くに神 経 系 では, 神 経 ペ プチ ドと して のANPが
され て い る。 ホ ル モ ン と して のANPと
神 経 ペ プ チ ドと して のANPの
心
注目
生 合 成 ・分 泌 に
つ い て 述べ る。
は じめ に
心 房 細 胞 に, 分 泌顆 粒 と考 え られ る特 異 的
心 房顆 粒 (specific atrial granule)
が 存在 す る こ とが 知
法 (RIA) ^<10∼16)>や
免疫 組 織 化 学^<17∼20)>に
よ る免 疫 活 性 の検
討 で 明 らか に され て き て い る。 そ れ らの組 織 と して は,
ら^<3,4)>は,
こ の顆 粒 数 が 水 ・電
心 室, 脳, 脊 髄, 副 腎 髄 質, 自律 神 経 節, 肺, 腎, 下 垂
解 質 代謝 に影 響 す る種 々 の条 件 下 で 変 動 す る こ と^<3)>,
さ
体, 甲状 腺, 顎 下 腺 な どが 報 告 され て い る。 これ ら の成
らに ラ ッ トの心 房 抽 出物 中 に ナ トリウ ム利 尿 作 用, 降 圧
績 の解 釈 で注 意 す べ き問 題 点 と して は, 次 の こ とが あ げ
作用 を有 す る物 質 の存 在 す る こ とを 報 告 した^<4)>。
こ の発
られ る。
られ て い た が^<1,2)>,
de Bold
見 を契 機 と して, de Bold
(1)
ら^<5)>,
松 尾 ら^<6)>に
よ りラ ッ ト,
ヒ ト心 房か ら一 群 のナ トリウ ム利 尿 作 用 を有 す る ポ リペ
プ チ ドが単 離 同定 され る に至 り, これ ら の一 群 の ポ リペ
プ チ ドは心 房性 ナ トリウ ム利 尿 ポ リペ プ チ ド (ANP)
と
総 称 され, 生理 的 お よび 病 態 生 理 的 意 義 が 注 目され て い
(2)
検 出 され たANPは,
そ の組 織 で 生 合 成 され た
され て い る のか 区別 で き な い。
(3)
標 的 器 官 の受 容 体 に結 合 して い るANPを
検出
す る可 能 性 。
の 生理 的 ・病 態 生 理 的 意 義 が 注 目さ れ て い るANP^<7∼9)>
の 生合 成 ・分 泌 につ い て述 べ る。
体 の エ ピ トー プ に よ
も のか, 他 の組 織 で生 合 成 され, 検 出 さ れ た 組 織 に 貯 蔵
る。 こ こで は, 心 臓 よ り分 泌 され る ホ ル モ ン と して のみ
な らず, 中 枢 お よび 末 梢 神 経 系 で は神 経 ペ プ チ ドと して
研 究 に用 い られ たANP抗
り結 果 が 異 な る。
(4)
検 出 され た 組 織 で生 合 成 され て い る と して も,
組 織ANP濃
度 は 貯 蔵 され て い るANP量
を反 映 してお
り, 過 剰 分 泌 の際 に は 生 合 成 が亢 進 して い て も, 組 織
.
ANPの
ANP濃
体 内分 布
(5)
ANPは
心 房 組 織 よ り単 離 同定 され た 生 理 活 性 ペ プチ
Kazuwa
Nakao,
mentof
Biosynthesis
分 布 して い る こ とが, 放 射 免 疫 測 定
Hiroo
Medicine,
Imura,
and Secretion
Key【ANP】
word
京都 大 学 医 学 部 第2内
Kyoto University
of Atrial
Natriuretic
泌を
心房細胞 よ
り速 やか に 分 泌 す る こ と が 認 め られ て い るの で, 組 織
ANP量
科 (〒606
School of Medicine,
後 述 す るが, 心 房 と心 室 に お け るANP分
検 討 す る と, 心 室 細胞 は 合 成 したANPを
ドで あ り, 心 房 に きわ め て高 濃 度 存 在 す るが, 心 房 以 外
の組 織 に もANPが
度 は減 少 す る こ とが あ る。
は分 泌 量 を 必 ず し も反 映 しな い うえ に, さ ら に,
京 都 市 左 京 区 聖 護 院 川 原 町54)
Shogoin Kawahara-cho,
[Second
Sakyo-ku,
Division,
Depart
Kyoto 606, Japan]
Peptide
【ホ ル モ ン】 【神 経 ペ プチ ド】
2461
2
こ の 点 に お い て組 織 差 も考 慮 す る必 要 が あ る。
(6)
これ も後 述 す るが, 心 臓 にお け る主 要 な 貯蔵 型
ANPは,
前 駆 体 で あ る γ-ANPに
泌 型ANPは
α-ANPで
あ るの に対 して, 分
あ り, 組 織 内 の 存 在 様 式 が 異 な
る。
ANP遺
伝 子 発 現 の 証 明 に は,
法 や in situ
mRNA
ハ イ ブ リ ダ イ ゼ ー シ ョ ン法 に よ るANP
の検 討 が必 須 で あ る が, 心 房, 心 室, 脳, 肺, 下
垂 体,
ANP
ノ ー ザ ン ・ブロ ッ ト
大 動 脈 な ど で 同 一 の大 き さ (約1, 000bp)
mRNA
以上 のANP体
内分 布 に 関す る成 績 を ま とめ る と, 正
常 状 態 で は心 房 に約100μg/g組
る が, 他 の組 織 のANP濃
がANPの
の
が検 出 され て い る^<21∼27)>。
織 のANPが
度 は1/100以
検 出 され
下 で あり, 心 房
主 要 産 生 組 織 で あ る。血 液 中 のANPの
大部
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分 は心 房 よ り分 泌 され て い る と考 え られ て い る。ANP
mRNA
レベ ル の 検 討 で も, 心 房 のANP
mRNA
の 約1%を
ANP濃
度 は約1∼100ng/g組
mRNA
は総
占 め て い る。 心 臓 以 外 の 組 織 の
織 で あ り, 心 房 のそ れ と
図1.
比 較 す る と,少 量 で は あ るが, 他 の種 々 の生 理 活 性 ペ プ
ヒ トと ラ ッ トに お け るANP前
駆 体 とそれ に 由 来 す る
ANPお
よ び関 連 ペ プ チ ドの生 合 成 の模 式 図
チ ドの濃 度 に比 較 す る と同等 で あ り, 局 所 にお け る作 用
は充 分 期 待 で き る と思 わ れ る。
ま た, 肺 や 腎 に はANP受
容 体 が 豊 富 に 分 布 してお
り, 肺 や 腎 に 検 出 され るANP^<12,13)>,と くに 腎 のANPは
受 容 体 に結 合 したANPと
考 え られ て い る。
本 稿 で は, お も に心 臓 と神 経 系 に おけ るANP生
合成
と分 泌 につ い て述 べ る こ とにす る。
II.
1.
ホ ル モ ン と し て のANP
正 常 心 臓 に お け るANP生
合成
de Bold らに よ りラ ッ トの 心 房 か ら cardionatrin^<5)>,
松
尾 らに よ りヒ トの心 房か ら α-ヒ トANP^<6)>が単 離 され た
の と並 行 して, 分 子 量 の異 な る他 の 多 くのANP関
連ペ
プ チ ドが 心 房 組 織 か ら単 離 ・同定 され て きた 。 しか し,
それ らの大 部 分 は単 離 段 階 で の人 工 産 物 で あ る こ とが そ
の後 の研 究 で 明 らか に な っ て き て い る。 図1に
び ラ ッ トに お け るANPの
ヒ トお よ
図2.
ヒ ト右 心 耳 のANP濃
して い るが, ヒ ト, ラ ッ トを 含む 種 々 の動 物 に お け る研
と分 子型
(B)
トの剖 検 時 仁得 られ た 心 房 組 織 よ り単 離 され た^<32)>。
この
β-ヒ トANPは
28ア
い な い。 も ち ろ ん,
ミノ酸 か ら な る α-ANPで
あ り^<15,28∼31)>,
心房組織
前 駆 体 で あ る γ-ANPが
主 成 分 で あ る こ とを
示 す 証 拠 が増 え て い る^<10,30)>。
β-ヒ トANPは
らか な よ うに, α-ヒ トANPの
図1に
も明
逆 平 行2量 体 とい うきわ
め て 特徴 的 な構 造 を有 す る もの で, 寒 川 ・松 尾 に よ り ヒ
2462
(A)
生 合 成 経 路 を模 式 図 と して示
究 か ら, ホ ル モ ン と して血 液 中 を循 環 して い るANPは
内ANPは
度
お よび 心 不 全 重症 度 の 関 連^<33)>
現 時 点 ま で に は ヒ ト以 外 に は見 つ か ら て
β-ヒ トANPの
合 成 経 路 も不 明 の ま
ま で あ る。 筆 者 ら^<33)>は20症例 の軽 症 お よび重 症 心 不 全
患 者 の心 房組 織 のANPの
す よ うに, (1)
存 在 様 式 を 検 討 し, 図2に 示
心不 全 の重 症患 者 で心 房組 織 中 のANP
濃 度 が増 加す る こ と, (2) 軽 症 心 不 全 患 者 の心 房 組 織 中
ANPの
生
合
成
と 分
図4.
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CS
LV
(●)
27
心 臓 カ テ ー テル 検 査 時 に得 た各 部 位 の 血 漿 中
ANP濃
度^<28,29)>
: 冠 状 静 脈 洞, RA : 右 心 房, RV : 右 心 室, LA : 左 心 房,
: 左 心 室, PA : 肺 動 脈, FA : 大 腿動 脈, IVC : 下 大 静 脈
ヒ トANPは
図3.
泌
認 め られ ず, α-ヒ トANPとNペ
プ チ ドで
正 常 人 血 漿 抽 出 物 の ゲ ル 濾 過 の パ タ ーン
γ-hANP
[1-25]-LI,
(○)
あ る こ と を 明 らか に した^<28∼30,34,35)>。Langendor
の灌 流
α-hANP-LI^<34,35)>。
装 置 を用 い て得 た ラ ッ ト心 臓 の 灌 流 液 中 の 成 分 の分 析 で
のANPの
主 成 分 は γ-ヒ トANPで
に な る と α-ヒ トANPと
ANPが
あ り, 重 症 心 不 全
β-ヒ トANP,
と く に β-ヒ ト
トANPや
増 加 す る こ とを報 告 した 。正 常組 織 中 に は α-ヒ
β-ヒ トANPは
か ら, β-ヒ トANPは
ほ とん ど 検 出 され な い こ と
心不 全 に 特有 の産 物 で あ る可 能 性
が 考 え られ る。 しか し, 動 物 の心 不 全 モ デ ル の心 房 組 織
中 に は β-ヒ トANPと
正 常 心 房 の分 泌顆 粒 中 に は γ-ANP
と して貯 蔵 され て お り, 分 泌 され る直 前 あ る いは 分 泌 中
に α-ANPとNペ
プチ ドに 切 断 され る と 考 え られ て い
る^<30)>。
この よ うに, 貯蔵 型ANPと
分 泌型ANPの
分子型 の
相 違, 前駆 体 の プ ロセ シ ン グ と分 泌 過 程 の共 役 は, 下 垂
生合 成 に つ い て は 今後 の 研 究
体 ホル モ ンな どの 様 式 とは 異 な る も の で あ り, 内分 泌 器
の進 展 を待 た ね ば な らな い。 病 的心 臓 に お け るANP生
官 と して の 心臓 の 特 徴 を示 して い る。
最 近 に な り, 稲 上 ら に よ り, γ-ANPか
合 成 に つ い て は別 項 で述べ る。
正 常 人 の血 液 中 の γ-ヒトANP由
チ ドを α-ANPに
以上 よ り, ANPは
同 様 の 逆 平 行2量 体 の 増 加 は認
め られ ず, β-ヒ トANPの
図3は,
も, 同様 の結 果 が得 られ て い る。
来の ペ プ
対 す るRIA^<10)>とγ-ヒ トANPのN末
端 フ ラ グ メ ン ト, γ-hANP
ら α-ANPを
生 成 す る プ ロセ シ ング酵 素 の存 在 が 報 告 され て い る^<37)>
そ の 特 異 性, 細 胞 内局 在, 体 内分 布 な どは 今 後 の検 討 を
[1-25] に対 す るRIA^<34,35)>を
待 た ね ば な らな い。
用 い て 検 討 した 筆 者 らの ゲル 濾 過 の 成 績 で あ るが, 分 子
量3Kの
α-ヒ トANPと
メ ン ト (筆 者 らはNペ
分 子 量10KのN末
端 フラグ
プチ ドと よん で い る) が 末 梢血 中
2.
正 常心 臓 に お け るANP,
正 常 心 臓 にお け るANPの
ANP
mRNA
局 在 はRIAや
の局在
免疫組織化
の主 要 成 分 であ る こ とを 示 して い る^<34)>。
ラ ッ トに お い て
学 で検 討 され, ANPを
も, N末 端 フ ラ グ メ ン ト, す な わ ちγ-ラ ッ トANP
耳 に高 濃 度 存 在 す る こ と, 心 室 に も少 量 のANPが
98] が α-ラッ トANPと
[1-
ま心 房 に大 部 分 存 在 し, と くに心
存在
と も に分 泌 され て い る こ と が
す る こ と, と くに刺 激 伝 導系 に存 在 す る こ とが 明 らか に
報 告 され て い る^<36)>。
筆 者 らはす で に, 心 臓 カ テ ー テル 検
な っ て き てお り, 刺 激 伝 導系 に お け る意 義 も期 待 され て
査 時 に得 られ た 種 々 の部 位 の血 中ANP濃
い る^<38)>。ANPの 発 見 当 初 か ら 右 房 のANP濃
度 を 測 定 し,
図4に 明 らか な よ うに, 冠 状 静 脈 洞 で血 中ANP濃
度が
値 を強 調 した 報 告 もあ るが,
度の高
表1に 示 した 筆 者 ら の 成
最 高 値 を示 し, 冠 状 動 脈 の起 始 部 の血 中 濃 度 と明 らか な
績^<10,21,22,39)>に
も 明 らか な よ うに,
濃 度 差 を示す こ とか ら, ANPは
濃 度 は左 房 と比 較 し, そ れ ほ ど高 値 で は な く, ヒ トで は
お もに 冠 循 環 を 介し て
分 泌 され る こ とを証 明 した^<28,29)>。
さ らに,
洞 で得 られ た 血 液 中 のANPの
こ の冠 状 静 脈
分 子 型 を検 討 す る と, γ-
ラ ッ トの右 房 のANP
明 らか な差 は認 め られ て い な い。 ラ ッ トの 正 常 心 室 で
は, 検 出 され るANPの
量 は きわ め て少量 で, 心 房 濃 度
2463
28
蛋 白 質
表1.
核 酸
ラ ッ ト と ヒ トの 正 常 心 臓 に お け るANP
酵 素
Vol. 33
No.
14
約0.5∼1%で
mRNA
濃 度^<21,22,39,40)
(1988)
あ る^<22∼25,39)>。
ANPとANP
mRNA
率ANP/ANP
mRNA
房 のANP/ANP
mRNA
濃 度 を 同時 に測 定 して, そ の 比
比 を心 房 と心 室 で比 較 す る と, 心
比 は 心 室 のそ れ の約5∼10倍
に な っ て お り, 心 房 細 胞 と心 室 細 胞 にお け るANPの
生
合 成 か ら 分 泌 過 程 に おけ る 相 違 の 可 能 性 を 示 唆 して い
る^<21,22,39,40)>。
この 点 につ い て は後 述 す る。
3.
胎 生 期, 新 生児 期 の心 臓 に お け るANP生
合成
ラ ッ トの新 生 児期 の心 臓 の心 室 筋 細 胞 は, 成 熟 ラ ッ ト
に 比べ 多量 のANPを
の1/1000以
下 で あ る が,
右 室 と左 室 の 濃 度 を 比較 す る
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図5と
ラ ッ ト心 臓 お よ び 心 臓 合 併 症 の な い ヒ ト
の 心 臓 の 右 房,
mRNA
左 房,
右 室,
左 室 か ら 抽 出 したANP
の ノ ー ザ ンブ ロ ッ ト法 の 結 果 を 示
が^<21,22,39)>,
表1に
ANPとANP
ラ ッ トの心 房細 胞 お よび心 室 細 胞 は培 養 が容 易 で あ るた
検 出 さ れ る^<39)>。
図6に
も ま と め て い る よ う に,
mRNA
トで も ヒ トで も,
して い る
正 常心臓では
の分 布 は ほ ぼ 並 行 して い る。 ラ ッ
心 室 のANP
伝 子 発 現 は成 熟 ラ ッ
トの レベ ル ま で 減少 す る こ とが知 られ て い る^<23)>。
新生児
と左 室 の 濃 度 が 高 い^<22)>。
ヒ トの 心 室 で も 平 均20ng/g組
織のANPが
生 合 成 して い る こ と, 生 後1∼2
週 間 で, この心 室 に お け るANP遺
mRNA
レベ ル は心 房 の
あ, ANP生
合 成 お よび分 泌研 究 に有 用 で あ る。
筆 老 ら^<41)>は,
ヒ トの胎 生期 お よび新 生 児期 の心 臓 に お
け るANP生
に, 14週
合 成 に つ い て検 討 し, 図7に
示 した よ う
齢 の 胎 児心 房 に はす で に成 人 心 房 に 匹 敵 す る
ANPが
生 合 成 され て い る こ と, 心 室 に も1μg/g組
織の
ANPが
検 出 され, 胎 児 の 発 育 に伴 い心 室ANP濃
度は
徐 々 に減 少 し, 新 生 児 期 に は成 人 レベ ル ま で 減少 して い
る こ とを 報 告 した。 ま た, 心 房 お よび 心 室 抽 出 物 中 の
ANP分
子 型 を 検 討 す る と, 正 常 心 臓 と 同 じ く γ-ヒト
ANPが
主 成 分 で あ っ た^<41)>。
以 上 の よ うに, 胎 生期 か ら新 生児 期 に か け て心 室 で の
ANP遺
伝 子 発 現 が亢 進 して い るが, 後 に 述 べ る よ うに,
病 的 心臓 の 心 室 に お け るANP遺
伝 子 発 現 の亢 進 が 明 ら
か に な って きて お り^<21,39∼43)>,
そ の機 序 が 注 目 され る と こ
ろ で あ る。 ラ ッ トの 心 室 細 胞 で は, 新 生 児 期 に 多 量 の
図5.
ラ ッ ト正 常 心 臓 のANP
図6.
2464
mRNA
の ノ ー ザンブ
ヒ ト正 常 心 臓 のANP
ロ ッ ト^<22)>
mRNA
ANPを
生 合成 して い るが,
ANP濃
度 は 成 人 と同 じ レベ ル に 減 少 して お り, 種 属 差
ヒ トの新 生 児 期 には 心 室 の
が 存 在 す る と考 え られ る。
の ノー ザンブ ロ ッ トとANP濃
度^<21,39)>
ANPの
図7.
病 的 心 臓 に お け るANP生
10週 胎 児, (b)
合成
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心 臓 は血 液 を全 身 に 送 るポ ン プ器 官 と して のみ 考 え ら
れ て きた が, ANPの
発 見 以来,
合
成
と 分泌
29
ヒ ト 胎 児 心 臓 に お け るANP濃
(a)
4.
生
内分 泌 器 官 と して の心
33週
度^<41)>
未熟児。
濃 度 が 上 昇 して い る こ と も 明 らか に な って きて い る^<9)>。
一 方 , 心 筋 症 ハ ム ス タ ー^<43)>や
高血 圧 ラ ッ ト^<47)>で
は, 心 房
か ら血 中へ のANP分
泌亢 進 の た め に, 血 中 と 心 房 の
臓 に多 くの研 究 者 の 関 心 が 集 中 した。 主 要 な 問題 点 の1
ANP濃
度 を測 定 す る と, 血 中ANP濃
つ は, ポ ンプ機 能 とANP分
ANP濃
度 の減 少 を観 察 す る こ と もあ る。 こ の よ うな 際
泌 能 の関 係 で あ る。心不 全
は ポ ン プ機 能 の 不 全状 態 で あ るが,
この際 に 心 臓の 内
発
でも, 心房内ANP mRNA濃度を測
定 す る と増加して
い る^<22)>。
一 般 的 に不 全 心 め心 房 に お い て は, ANP生
合
度の測
成 ・分 泌 が 正 常 心 に 比 較 し, 亢 進 して い る と 考 え られ
分 泌 機 能 も並 行 して 低下 す るか ど う か は, ANPめ
見 当 初 か ら注 目さ れ て い た が,
血 中ANP濃
定^<28∼30,44∼46)>,
心 臓 のANPやANP
mRNA
濃度の測定
に よ り^<21,39,40,42,43)>,
病 的心 臓 で は 著 しいANP遺
伝子発
現 の亢 進 が起 こ って い る こ と が 明 らか に な って きて い
る。 す で に述 べ た 正 常 心 臓 に お け るANP生
合 成 と対 比
さ せ な が ら, 心 房 と心 室 にお け て説 明す る。
A.
病 的 心房 に お け るANP生
で^<44,45)>,
主 要 なANP分
度 の上 昇 が 観 察 され て い る の
泌 組 織 であ る心 房 のANP生
合
い る と推 定 され てき た。
合 成 を明 ら
か にす る 目的 で, 手 術 時 に 得 られ た 右 心 耳 のANP濃
度
子 型 に つ い て 検 討 した^<33)>。
図2に そ の 成 績 を
示 して い る が, 重 症 心不 全群 (NYHA
ANPと
III, IV) で は
度 の増 加 が 認 め られ る が, そ の増 加 は β-ヒ ト
α-ヒ トANP,
病 的 心 室 に お け るANP生
ヒ トや ヲ ッ トの 正 常 心 室 に 少 量PANPやANP
mRNA
が 検 出 され る こ と, 胎 生 期 や 新 生 児 期 に は心 室
合 成 が亢 進 して い る こ とに つ い ては,
心 室 のANP遺
伝 子 発 現 が心 室筋 肥 大 と並 行 して亢 進 す
る こ とが 明 らか に な っ て き て い る^<21,39,40,42,43)>。
筆 者 らは,
自然 発 症 高 血 圧 ラ ッ ト (SHR)
やSHR易
脳 卒中 ラ ッ ト
(SHR-SP)^<40)>, 心 筋 炎 マ ウ ス^<48)>,
ヒ トの 拡 張 型 心筋 症
と くに β-ヒ トANPの
増 加に よ
病 的 心 室 に お け るANP遺
ンブ ロ ッ ト法, RIAを
図8にSHR,
伝 子 発 現 につ い て, ノ ーザ
用 い て 検 討 した。
SHR-SP,
図9に
ANP遺
房 重 量 よ り大 であ るた め, 全 組 織 含量 を計 算 す る と, 高
血 圧 と心 筋 肥 大 の 進 展 した26週
心 室 の全ANP
ほ と ん ど 検 出 され な い
ので, 不 全 心 の心 房 で は, ANP生
合 成 の亢 進 と とも に
プ ロセ シ ン グの著 しい変 化 が 起 こ っ て い る と
考 え られ る^<33)>。
心 房 の ANP
mRNAを
測 定 す る と, 不 全
心 の心 房 で は, 心 房 圧 の上 昇 に 比 例 してANP mRNA
ノー
伝 子 発 現 の亢 進 が 明 らか で あ る。 心 室重 量 は 心
る もの で あ った。 す で に述 べ た よ う に, 正 常 心 房 に は
α-ヒ トANPは
ヒ トDCMの
ザ ンブ ロ ッ ト法 に よ る 成 績 を示 し て い る が, 著 しい
β-ヒ トANPや
γ-ANPの
合成
(DCM)^<21,39)>,心 筋 梗 塞後 の 心 室 瘤 な ど^<39)>を
対 象 と して,
筆 者 らは, 不 全 心 の心 房 にお け るANP生
ANP濃
B.
す でに 述 べ た が, 心 臓 の 前 負 荷 や 後 負 荷 の増 加 に よ り,
成, 分 泌 は, ポ ンプ機 能 の低 下 に もか か らわ ず亢 進 して
とANP分
る^<9)>。
に お け るANP生
合成
心 不 全 患者 で も心 不 全 動 物 モ デ ル で も, 心 不 全 の重 症
度 に 比例 した血 中ANP濃
度 の増 加, 心 房
mRNA
齢 のSHR-SPで
量 は 心 房 のそ れ の約3倍
して いた^<40)>。
ヒ トのDCMで
も, 心 室 の 全ANP
は,
に も達
mRNA
量 は 心 房 の そ れ に 匹 敵 す る量 に増 加 して いた^<21,39)>。
この
よ うに 観 察 さ れ た病 的 心 室 にお け るANP遺
亢 進 が 実 際 にANPの
伝 子 発 現の
分 泌亢 進 をひ き起 こ して い るか は
2465
30
蛋 白 質
核 酸
酵 素
Vol.
33 No.
14
(1988)
病 的 心 室 で のANP生
合 成 ・分 泌 の亢 進 が 一 部 の心 室
細胞 に よ るも のか, 心 室 細 胞 全 般 に よ る も のか も重 要 な
問題 で あ る。 心 室 組 織 を細 か く分 割 した 検 討 や 免 疫 組 織
化 学 を用 い た検 討 に よ り, ANP生
合 成 の亢 進 は緩 漫 に
起 こ って い る こ とが観 察 され て い る^<39,50)>。
心 内膜 側 と心
外 膜 側 を 比 較 す る と, 心 内 膜側 の増 加 が著 しい。
以 上, 病 的 心 室 に お け るANP遺
伝 子発 現 の亢 進 に つ
い て 述 べ た が, す で に 述 べ た 胎 生 期 や 新 生 児期 の遺 伝 子
発 現 の亢 進 と似 て い る こ とが 注 目 され る。 同 様 の 病 的 心
室 にお け る遺 伝 子 発 現 の 変 化 は ミオ シ ンで も知 られ て お
り, そ の機 序 が 注 目 され る。
図8.
SHR,
SHR-SPと
心 室 のANP
mRNA
5.
対 照 のWKYの
心 房 お よび
の ノー ザンブ ロ ッ ト^<40)>
心房 細 胞 と心 室 細 胞 に お け るANP分
心 房顆 粒 の存 在 がANPの
的心 室 で は心 房 に匹 敵 す る量 のANPが
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泌の相違
発 見 につ な が っ た こ と, 病
分 泌 され る こ と
に つ い て す で に 述 べ た が, 心 室 で も
心 房 と同 様 に 分 泌顆 粒 が 形成 さ れ 分
泌 が 行 な わ れ て い るの で あ ろ うか?
この 問題 点 に 関 して 興 味 深 い 仮説 が
Seidman
らに よ って 提 唱 され て い
る^<23)>。
彼 女 ら は, 新 生 児 期 の ラ ッ ト
培 養 心 房 細 胞 と心 室 細 胞 を 用 い て パ
ル スチ ェ イ ス実 験 を行 な い, 心 室 細
胞 は 心 房 細 胞 か ら合 成 したANPを
急 速 に放 出 して い る こ とを 明 らか に
し, 心 室 細 胞 は 構 成 的 経 路 でANP
を分 泌 す る ため 分 泌顆 粒 を 形 成 せ
図9.
ヒ ト正 常 心 臓 と拡 張 型 心 筋 症 (DCM)
の ノー ザンブ ロ ッ ト^<21,39)>
の 心 房 お よび 心 室 のANP
ず, 一 方, 心 房 細 胞 は調 節 され うる
経 路 でANPを
きわ め て興 味 深 い。 最 近, 筆 者 らは, SHR-SPで
よ り多量 のANPが
mRNA
は心房
心 室 か ら放 出 され て い る こ とを 明 ら
の心 房 と心 室 のANPm
RNAとANP濃
か に した^<49)>。
また, 泰 江 ら との共 同研 究 で ヒ トに お い て
量 して, ANP/ANP
も, 心 室 か らANPが
心 房 が 心 室 よ りも5∼10倍
放 出 さ れ て い る こ とを証 明 し
た^<50)>。
この よ うに 病 的 状 態 で は 心 室 もANP産
生 ・分 泌
分 泌 し, 心 房顆 粒 を
形 成 す る とい う仮説 を提 唱 した。 筆 者 らは ヒ トや ラ ッ ト
mRNA
お り, これ は Seidman
度 を 同時 に定
比 を比 較 す る と, 明 らか に
高値 を 示 す こ とを 観 察 して
らの観 察 に よ く一 致 す る もの で
組 織 と して重 要 で あ る こ とを示 唆 す る証 拠 が増 え て きて
あ った^<21,22,39,40)>。
実 際 に 心 室 の顆 粒 数 を 検 討 して み て も
い る。
SHR-SPやDCMの
不 全 心 の 心 房 に お け るANP分
子型 の 変 化 に つ い て は
す で に述 べ た が, 病 的 心 室 に お け るANPの
分 子 型 も興
味深 い。 筆 者 らは, 不 全 心 の 心 室 に つ い てANPの
以 上 の 結 果 よ り, 心 房 と心 室 のANP分
の 提 唱 す る “regulated
泌 が Kelly^<52)>
secretion” と “constitutive
大 部 分 の 症 例 で 前 駆 体 で あ るγ-ヒ
secretion” に対 応 す る も のか ど うか を 結 論 づ け る こ と
主 成 分 で あ り, 心 房 の分 子 型 の変 化 と対 照 的
は で き な いが, 今 後 の検 討 の成 果 が 期 待 され る。 不 全 心
様 式 を 検 討 した が,
トANPが
存在
心 室 で も きわ め て 少 数 の顆 粒 しか
見 つ か って い な い 。
で あ った^<39)>。
現 時 点 で は, こ の相 違 を説 明す る こ とは 不
の心 房 と 心 室 のANPの
可 能 で あ るが, 後 で述 べ る心 房 細 胞 と心 室 細 胞 の 分 泌 機
違 と関 連 して い る可 能 性 もあ る と思 わ れ る。 心 室 細胞 の
構 の 相 違 が 関 与 して い る可 能 性 も考 え られ る。
よ うに 合 成 したANPを顆
2466
分子 型 の 相 違 も 分 泌 過 程 の 相
粒 の 中 に濃 縮 ・貯 蔵 せ ず に速
ANPの
生
合
成
と
分
泌
31
徴 的 構 造 を 有 す る こ と^<32)>,
心 不 全 で心 房 中 の濃
度 が 増 加 す る こ と^<33)>に
つ いては す でに 述べ た
が,
そ の 生 物 活 性 は slow
onset,
long
acting
で あ る こ と が 注 目 さ れ て き た^<32)>。
筆 者 らは
ヒ トANPの
の
作 用 機 序 を 検 討 し,
β-ヒ トANPが
β-
分 子 量6K
ヒ ト の 血 漿 中 で 分 子 量3K
の ペ プ チ ドに 変 換 す る こ と を 発 見 し た^<53,54)>。
図
10に
は
β-ヒ トANPが
分 子 量.3Kの
ペ プ チ
ドに 変 換 さ れ る 際 に 生 成 さ れ る ペ プ チ ドの 可 能
性 を 示 し て い る。 筆 者 ら は 生 成 物 の ア ミ ノ 酸 構
成 とN末
A NPそ
図10.
β-ヒ トANP
(6K)
の3Kペ
た^<53)>。
つ ま り,
プ チ ドへ の変 換 で 生 成 さ
れ るペ プ チ ドの可 能 性^<53,54)>
α-ヒ トANPに
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り,
や か に分 泌 して い る細 胞 で は, 細 胞 内 のANP濃
れ ほ ど高 値 で な くて も多 量 のANPを
6.
mRNA
度がそ
β-ヒ トANPは
α-ヒ トANPへ
α-ヒ トANPの
図11.
の変 換
α-ANP
ヒ トの 血 液 中 で
slow
onset,
long
ら α-ヒ トANPへ
acting
の変 換
β-ヒ トANP
の 変換 の機序 の解 明が 期待
され る。
7.
(A)
と
血 液 中 のANPお
よび 関 連 ペ プチ ド
正 常 状 態 で は 血 液 中 の γ-ANP由
逆 平 行2量 体 とい う特
ヒ ト血 液 中 の
β-ヒ トANPの
の生 合 成 と α-ヒ トANPへ
濃 度 の測 定 が必 須 で あ る。
β-ヒ トANPの
β-ヒ トANPは
に よ り説 明 され る 可能 性 が 強 い^<54)>。
今 後,
ともに
α-ヒ ト
変 換 さ れ る こ とが 明 ら か に な
な 生物 活 性 は β-ヒ トANPか
分 泌 して い る こ と
が あ る の で, 生 合 成 を 評 価 す るた め にはANPと
ANP
端 ア ミ ノ 酸 分 析 を 行 な っ て,
の もの が 生 成 され て い る こ とを 証 明 し
γ-ANP
[1-25]
(Nペ
プ チ ド)
(B)
来 の 成 分 は, α-
濃 度^<34,35)>
2467
32
蛋 白 質
ANPとNペ
核 酸
酵 素
プチ ドで あ る こ と^<34∼36)>は
す で に述 べ た。 不
全 心 の心 房 に お け るANPの
β-ヒ トANPや
分 子 型 の 変 化, す なわ ち
α-ヒ トANPの
増 加 が 末梢 血 中 の 存 在
様 式 に どの 程 度 影 響 す るか は 興 味 深 い 点 で あ るが, αANPと
γ-ANP
[1-25]
に対 す るRIAを
用 いた 筆 者 ら
Vol. 33
No. 14
(1988)
者 ら は Langendorff
な し にCa^<2+>チ
がANP分
の 灌 流 心 臓 を 用 い て, 心 房 圧 の 変 化
ャ ン ネ ル ア ゴ ニ ス トで あ る Bay
K8644
泌 を 増 加 さ せ る こ と を 報 告 し て い る^<61)>。
心 房 筋 の 伸 展,
心 拍 数 の 増 加 以外 の 因子 と して は バ ゾ
プ レッシ ン<62,63)>,ア ン ギ オ テ ン シ ンII^<58,62)>,ス テ ロ イ ド
の検 討^<34,35)>で
は 心 不 全 や 腎 不 全 患 者 の症 例 の中 に は γ-
ホ ル モ ン^<64)>,
甲 状 腺 ホ ル モ ン^<65)>,
ノ ル ア ド レ ナ リ ン^<58,62)>,
ヒ トANPや
ア ドヒ ナリン^<66)>, ア セ チ ル ヲ リ ン な ど の 内 分 泌,
β-ヒ トANPの
検 出され る症 例 が あ る も
の の, 主 要 成 分 は α-ANPとNペ
プ チ ドで あ った 。図11
に 筆 者 ら の測 定 した 血 液 中 α-ANP濃
度 とNペ プ チ ド濃
肩律神
経 系 め 因子 の 関 与 が 報 告 され て い る。 これ らの因子の
ANP今
泌 刺 激 作 用 が 直接 作 用 な のか 血 行 動 態 を介す る
度 を示 して い るが, 両 ペ プ チ ドの濃 度 間 に は有 意 の正 相
間 接 作 用 な の か につ い て, ま た, そ の生 理 的 ・病 態 生 理
関 が 認 め られ,
的意 義 につ い て は今 後 の研 究 を待 た ねば な ら な い。 心 室
並 行 して 変 動 し て い るこ とが うか がわ
れ る。 α-ANP濃
度 の 上 昇 は 心 不 全,
腎 不 全, 高 血 圧
のANP生
合 成, 分 泌 調 節 機 構 につ い て は現 在 ほ とん ど
症 な ど のお も に 体 液 量 の 増 加 を き た す 病 態 で 増 加 す
不 明 で あ る。 心 房筋 との相 違 な ど, 今 後 の成 果 が 注 目 さ
る^<44,45,55∼58)>。Nペ
プチ ドは 腎 不 全 で 高 値 を 示 す が, これ
れ る。
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は 腎 で 代 謝 され るた め で あ る^<34∼36)>。Nペ
プ チ ドの生 物 作
用 に 関 して は 不 明 で あ るが, 臨 床 上 少 な く とも イ ンス リ
ンに お け るCペ プ チ ドと同 様 の 役 割 が 期 待 で き る^<34,35)>。
Nペ プ チ ドは α-ANPよ
りク リ ア ラ ン ス が 遅 い の で
9.
α-ヒ トANPの
超高感度測定法の開発
生 理 活 性 ペ プ チ ドの 測 定 法 と して は, 従 来 か らRIA
が 多 用 され て き た。 しか し, RIAは
測 定 感 度 が10^<-15>
10∼20倍 の 血 中濃 度 を示 す 。 この 濃 度 比 が 異 常 に減 少 す
mol/tube
る場 合 に はANP異
濃 縮 操 作 を 必 要 と し, そ の過 程 での 誤 差 が 出 現 す る こ
常症 やANP受
容 体 異 常 症 の 存在 の
可能 性 を 考 慮 す る必 要 が あ ろ う。 現 時 点 ではANP異
症 やANP受
常
と, 超 微 量 の試 料 測 定 に は不 充 分 で あ り, 抽 出
と, 生 理 活 性 を 有 しな い 前 駆 体 蛋 白質 も検 出 す る こ と,
1種 の 抗 体 を用 い るRIAは
容 体 異常 症 は 見 つ か って い な い 。
構 造 の 類 似 したペ プ手 ドと
交 叉 反 応 を 起 こす こ とな ど, 改 善 す べ き点 が 多 く見 つ か
8.
ANPの
ってき て い る。最 近 に な り, 1種 の抗 体 を用 い る測 定 法
分泌調節
心 房 か らのANP分
泌 に関 す る因 子 と して は, 表2に
示 した も のが 知 られ て い るが, お も な も の は心 房 筋 の伸
展 で あ る と考 え られ て い る^<59)>。
血 中 α-ヒ トANP濃
度,
よ り も, 異 な る抗 原 決 定 基 を認 識 す る複 数 の抗 体 を用 い
るサ ン ドイ ッチ酵 素抗 体 法 (sandwich
ラジ オ メ ト リッ クア ツセ イ (IRMA)
EIA)
や イムノ
が 成 長 ホ ル モ ンや
Nペ プ チ ド濃 度 と心 房圧 を含 む 血 行 力 学 的 パ ラ メー タ と
甲状 腺 刺 激 ホ ル モ ンな ど の分 子 量10,000以
上 の高 分 子
の相 関 関 係 を検 討 す る と, 有 意 の正 相関 が認 め られ, 心
蛋 白質 ホ ル モ ンの測 定 法 と して開 発 され, 10^<-8>mol/tube
房 圧 の上 昇 に よ る心 房 筋 の伸 展 が, 心 房 か ら のANP分
の超 微 量 の測 定 寮 可 能 に な っ て きて い る。 レか し, これ
泌 の主 要 因 で あ る こ とに合 致 す る 成 績 が 得 られ た^<34,35)>
ら の測 定 法 は1分 子 の抗 原 に2分 子 の 抗 体 を 結 合 させ る
また,
必 要 が あ るた め, 現 在 ま で の と ころ 高 分 子 蛋 白質 ホル モ
発 作 性 頻 脈 の 発 作 時 に 多 尿 の 起 こ る こ とは 以 前
か ら よ く知 られ て い た が,
ANP分
筆 者 らは 心 房 筋 の脱 分 極 が
泌 を 促 進 させ る こ とを 証 明 す るた め, 完 全A-V
ンの測 定 のみ の利 用 に と ど ま って い る。
筆 者 らは, 石 川 ら と共 同 研 究 し, 低 分 子 生理 活性 ペ プ
ブ ロ ッ ク犬 を 用 い て検 討 した 。 心 房 ペ ー シ ン グに よ り
チ ドの超 微量 検 出 法 と して, 高 分子 蛋 白質 ホ ル モ ンの超
ANP分
高 感 度 測 定 法 と して 注 目 され て い る sandwich
泌 は亢 進 す るが, こ の際,
心 房 の上 昇 が避 け ら
EIAの
れ な い こ とが知 られ て い る。そ こ で, 筆 者 らは 完 全A-V
開発 を 試 み て きた。大 部 分 が 分 子 量5,000以
ブ ロ ッ ク犬 を 作 製 し て,
ペ ー シ ン グ時 に も 心 房 圧 の上
理 活性 ペ プ チ ドに 同 時 に2分 子 の抗 体 を結 合 させ るた め
昇 しな い モ デ ル を 開発 し, 脱 分 極 回 数 の 増 加 の み で も
に は, 単 に抗 体 を調 製 す るだ け では 無 効 で あ り, 生 理 活
ANP分
性 ペ プ チ ドの一 次 構 造 など に注 目 してエ ピ トー プ の異 な
泌 が亢 進 す る こ とを 明 らが に した^<60)>。
ま た, 筆
下 で あ る生
るモノクーロン抗体まや ポ リクロー ン抗 体 の調 製 カミ
必要 と
表2. ANP分
泌調節因子
な っ て くる 。 筆 者 ら は す で に α-ヒ トANPのN末
端
部^<67)>,
C末 端 部^<10)>,
中 間 部^<68)>をエ
ピ トープ とす る モ ノ ク
ロー ン抗 体,
2468
ポ リ ク ロー ン抗 体 を調 製 し, RIAに
利用
ANPの生
合
成
と 分
泌
33
して きた 。 この 経 験 と 高 分 子 蛋 白質 ホル モ ンの 超 高 感
度 測 定 法 開 発 の 軽 験 を 生 冷 して, 従 来用 い ちれ て きた
RIAの100倍
ANPの
(10^<-17>mol/tube)の感 度 を 有 す る α-ヒ ト
超 微量 検 出 法 の 開発 に成 功 した^<69)>。
す なわ ち ,
α-ヒ トANPの
環 状 部 か らN末
ー ン抗 体 (KY-ANP-I
端 側 を認 識 す る モ ノ ク ロ
, IgG_1) を 調製 し, ポ リス チ レ ン
ボ ー ル上 に 物 理 的 吸着 に て 不 溶 化 し, 固 相 化 抗 体 と し
た。 ま た, α-ヒ トANPのC末
α-ANP
ANP
端 フ ラ グ メ ン トで あ る
[17-28] で 免 疫 して 得 た 家 兎 抗 体血 清 か ら α[17-28]
に対 す る ア フ ィニ テ ィ精 製 Fab'
を調製
し, マ レイ ミ ド法 に て西 洋 ワサ ビ ・ペ ル オキ シ ダ ーゼ と
複 合 させ て 酵 素 標 識 抗 体 と した 。 こ のサ シ ドイ ッチ 酵 素
免 疫 測 定 法 (EIA)
12に 示 す が,
に よる α-ヒ トANPの
標準曲線を図
これ に よる α-ヒ トANPの
最 小検 出 量 は
0.01fmol/tube
と非 常 に高 感 度 であ った 。 今 回 開発 され
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た α-ヒ トANPに
対 す るサ ン ドイッ チEIAは,
法 が 分 子量3,000の
この方
ペ プチ ドま で 応 用 可能 で あ る こ と
を証 明 した 。 さ らに, この測 定 法 は α-ヒ トANP [7-28]
も等 モ ル認 識 す る こ とが 可 能 で あ り, α-ヒ トANP
28] の分 子 量 が約2,000で
2,000ぐ
図12.
超 高 感 度EIAの
標 準 曲 線^<69)>
[7-
あ る こ とを考 え る と, 分 子 量
らい の生 理 活 性 ペ プ チ ドの測 定 が 可 能 に な る こ
とを示 唆 して い る。 また 筆 者 ら は, α-ヒ トANPに
つづ
き, β-ヒ トANP,
開発
γ-ヒトANPの
超 高 感 度EIAの
に成功 レて い る の で^<69,70)>,
今後 のANP生
究 に有 力 な手 段 にな る と期 待 され る。
図13
α-ヒ トANPの
合成 ・分 泌 研
III.
1.
神 経 ペ プ チ ドと し て のANP
中 枢 神 経 系 にお け るANP生
合成
筆 者 ら^<11)>と
田 中 ら^<16)>は
ラ ッ トの脳 にANPが
こ とをRIAを
存在す る
用 い て 明 らか に した。 ゲ ル濾 過 とRIAを
.ラッ ト視 床 下 部 (上 段), 全 脳 抽 出 物 (下 段) の逆 相HPLCに
よ る解 析 パ タ ー ン^<71)>
2469
表3.
33 No. 14 (1988)
組 み合 わ せ て, ラ ッ ト全 脳, 視 床 下 部 抽 出 物 と心 房 抽 出
物 中 のANPを
あ る の と対 照 的 に,
溶 出部 位 に 一 致 し て 溶 出 され る 小 分 子 型
ANPで
あ る こ とが 明 らか に な っ た^<11)>。
さ ら に, こ の小
分 子 型ANPの
本 態 を 明 らか に す る 目的 で, 逆 相 高 速 液
体 クロ マ トグ ラ フ ィー (RP-HPLC)
とこ ろ, 図13に
トANPの
[4-28]
免 疫 活 性^<11,14)>
比 較 す る と, 全 脳 抽 出物, 視 床 下 部 抽 出
物 中 の 主 成 分 は, 心 房 が γ-ANPで
α-ANPの
脳 お よび 脊 髄 のANP様
を用 い て検 討 した
明 らか な よ うに, 脳 のANPは
α-ラッ
溶 出部 位 に は 認 め ら れ ず, α-ラ ッ トANP
お よび α-ラ ッ トANP
[5-28]
の保 持 時 間 に 一 致
して溶 出 され た^<7)>。
ラ ッ ト脊 髄 抽 出物 中 のANPも
のRP-HPLCパ
同様
タ ー ンを示 した^<14)>。
本 年 に な り松 尾 らに よ り, ブ タ脳 のANPが
れ, ラ ッ トと同様, α-ANP
[4-28]
精製 さ
と α-ANP
[5-28]
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で あ る こ とが 証 明 され た^<72)>。
ま た 筆 者 らは α-ANPのN
末 端 ラ ラ グ メ ン トで あ る α-ANP
[1-3] を エ ピ トー プ と
す る モ ノ ク ロ ー ン抗 体 (KY-ANP-II)
し^<67)>,
この抗 体 を 用 い るRIAで
も α-ANPのN末
の 開発 に成 功
ヒ ト, サ ルの 脳 内ANP
端 の 欠 如 した 構造 を 有 す る こ とを 明 ら
か に した^<73)>。
この よ うに 中 枢 神 経系 に 分 布 す る小 分 子型
2.
ANPは
表3はRIAに
α-ANPのN末
が 欠 如 した α-ANP
端 部 の3ア
[4-28]
ANPのC末
ミノ酸 か らな る α-
ANP様
免 疫 活 性 は 視 床 下 部, 中 隔 に 高濃度 に 存在 し,
残 基, α-ANP構
造 の3, 4位
ペ プ チ ドと して のANPは
single Arg
paired Arg-Arg
中 脳, 大 脳 皮 質, 嗅 球, 視 床, 橋 延 髄, 海 馬 お よび 線 条
体 に も検 出 され るが, 小 脳 で は 検 出 され な い^<11,17)>。
脊髄
造 に続 くN末
に
残 基 が 存 在 して い る こ とが知 られ て い
るが, ホ ル モ ン と して のANPは
分布
よっ て検 討 した ラ ッ ト脳 お よび脊 髄 の
免 疫 活 性 の 分 布 を 示 した も の で あ る^<11,14,17)>。
端 部 に 位 置 す る α-ANP構
Arg-Arg
中枢 神 経 系 に お け るANPの
ANP様
異 な る分 子 型 を有 す る こ とが 注 目され る^<7,71)>。
γ-
端 側 に は single Arg
paired
ミノ酸
[5-28] か らな っ
と α-ANP
て お り, 血 中 を 循 環 して い る28ア
ANPと
ミノ酸 と4ア
ではANP様
髄 で高 濃 度 検 出 され た^<14)>。
免 疫 組 織 化 学 を用 い て詳 細 に検 討 す る と^<17)>,
ANP様
を, 神 経
を プ ロセ シ
免 疫 活 性 は 上 部 よ り下 部 に多 く, と くに 仙
免 疫 活 性 陽性 の細 胞 体 お よび 神経 線 維 は とも に視 床 下 部
ン グ シ グナ ル と して切 断 され, 生合 成 さ れ る と考 え られ
と中隔 に 多 い こ とが確 認 さ れ た 。 細 胞 体 は 視 床 下 部 で
る^<30)>。
脳 内 でANPが
は, 視 索 前 野 か ら視 床 下 部 内側 域 に か け て多 く, と くに
生合 成 され る際 に γ-ANPのN末
端 部 フ ラ グ メ ン トが どの よ うに プ ロセ シ ン グを 受 け るか
脳 室 周 囲 視 索 前核, 内側 視 索 前 核, 終 板 器 官 に きわ め て
は 興 味 あ る問 題 で あ るが, 筆 者 らの γ-ANP
密 に 分 布 して い た (図14)。
体 を用 い た 検 討 で は, 大 部 分 は 分 子 量10KのNペ
[1-25]
抗
プチ
ドと同 等 の 分 子量 を有 す るN末 端 フ ラ グ メ ン トと して存
在 して い る こ とが 明 らか に な っ て い る^<73)>。Nペ
プ チ ドは
7-ANP
[1-98]
に一 致 す る と考 え られ て い るが, 神 経 系
腹 側 部 (anteroventral third ventricular region ; AV3
V)
とよば れ, 従 来 か ら中 枢 性 水 電解 質 調 節, 血 圧 調節
に重 要 な役 割 を にな って い る と考 え られ て い た 部 位 で あ
る。 さ ら に, 視 床 下 部 で は, 室 傍 核 に も多 数 ゐANP陽
のN末 端 フ ラ グ メ ン トのC末 端 部 構 造 は不 明 の ま ま で あ
性 細 胞 が 存 在 す るが,
る。 中 枢 神 経 系 のANPの
neuron
mRNA
産 生 部 位 に関 し て はANP
が 視 床 下 部 な どに存 在 す る こ とが 証 明 され て お
これ らの 部位 は 第3脳 室 前
そ の ほ と ん ど は parvocellular
で あ り, magnocellular
核 に はANP陽
neuron
あ る い は視 索 上
性 細 胞 は乏 しい。 視床 下 部 以 外 で は, 中
り^<26)>,
中枢 神 経 系 で 生合 成 され て い る こ とは い うま で も
隔 の外 側 核, 外側 手 綱 核, 脚 間核 に細 胞 体 が 多 数 分 布 す
な い。
る。 神経 線維 の 分 布 は 細胞 体 とお お むね 一 致 す るが, 正
中 隆 起 部 に 線維 束 が 密 に 分 布 す る こ とは, 下 垂 体 機 能 へ
の脳 内ANPの
2470
影 響 を 考 え る うえ で, 注 目に 値 す る。 こ
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ANPの
図14.
れ ら のRIAと
Needlman
免 疫 組 織 化 学 に よ るANPの
ら^<18),
Jacobowitz
生
合
成
と
ラ ッ ト脳 に お け るANP陽
脳内分布は
ら^<19)>に
よ っ て も ほ ぼ 同 じ成
分
泌
35
性 神 経 細 胞 の 分 布^<17)>
脳 内ANP濃
度 の測 定 の み で はANPの
か しいの で, ANP
績 が 得 られ て い る。
合 成, 貯 蔵,
分 泌 の各 過 程 にお け る微 妙 な 変 化 を と らえ る こ とは む ず
mRNA
の 測 定 も含 め た 今 後 の検 討 が
必 要 で あ ろ う。
3.
脳 のANPの
脳 内ANP濃
調 節 機 構 と分 泌
また, 視 床 下 部 切 片 を 用 い た 研 究 に よ り, ANPは
他
度 を 変 動 させ る条 件 につ い て, 田 中 ら^<16)> のペ プチ ドと同 様 に, Ca^<2+>依存 性 に高K^<+>溶 液 で放 出
は ラ ッ ト視 床 下 部 のANP様
減 少 す る こ と, 一 方, Samson
免疫活性が食塩負荷に よ り
は 絶 水 に よ り下 垂 体後 葉,
終 板 器 官, 視 交 叉上 核, 視 索 上 核 のANP様
免疫活性が
低 下 す る こ とを報 告 して い る^<74)>し
か し, 筆者 ら^<75)>の
成
績 で は, 5週 間 の1%食
され る こ とが 報 告 され て い る^<76,77)>。
これ ら の 成 績 か ら, 心筋 細 胞 と 神 経 細 胞 に お け る
ANPに
っ い て の 現 時 点 で の 知 識 を 模 式 化 す る と図15
の よ うに な る^<8,30)>。
塩 負 荷 あ る いは5日 間 の絶 水 と
もに, 視 床 下 部, 中 隔, 中 脳, 大 脳 皮 質, 嗅 球, 視 床,
橋 延 髄, 海 馬, 線 条 体, 小 脳 の いず れ の部 位 のANPレ
ベ ル に も影 響 を認 め なか った。 心 臓 か ら のANP分
4.
副 腎 髄 質 のANP
副 腎 髄 質 は 交 感 神経 節後 神 経 細 胞 が 内 分 泌 細 胞 と して
泌調
ア ド レナ リ ン, ノル ア ド レナ リン を産 生 ・分 泌 して い る
節 が しだ い に 明 らか にな っ て き て い るの と対 照 的 に, 脳
組 織 で あ るが, カ テ コ ラ ミン以 外 に 多 種 の神 経 ペ プ チ ド
内ANPの
が ク ロム親 和 性顆 粒 の中 に含 まれ て い る こ とが知 られ て
多 い。
合 成, 分 泌 調 節 につ い て は, まだ 不 明 の点 が
い る。
2471
36 蛋白質 核酸 酵素 Vol. 33 No. 14 (1988)
は高 血 圧 の発 症 に対 し抑 制 的 に作 用 して
い る こ とを 明 らか に して き た^<79)>。
ま た,
血 中ANP濃
度の 測 定 は 心 不 全 な ど の疾
患 の診 断 手 段 と して, さ ら にANP持
続
静 注 法 の 心 不 全 治 療 へ の 応 用 な ど^<80)>,
ANPの
臨床応用へ 向けての試みは着 々
と実 施 され てお り, 今 後 の発 展 が期 待 さ
れ る。
お わ りに ポ
ンプ審 官 と して のみ 考 え
られ て きた 心 臓 が, ANPの
発 見 以来,
内分 泌 器 官 と して重 要 で あ る こ とが 明 ら
か に な り, 多 くの研 究 者 の関 心 を 集 め て
Database Center for Life Science Online Service
い る。 本 稿 では, と くに心 臓 か ら分 泌 さ
れ る ホ ル モ ンと して のANP,
図15.
心 臓 と脳 に お け るANP生
神経系 で
作 用 す る神経 づプ チ ドとし て のANPの
合 成 と分 泌 の模 式図^<7,8,30)>
生合 成 ・分 泌 につ いで 述 べ た。 こ の分 野
筆 者 ら^<78)>は最
近, ウ シ副 離
ANPが
質 に約100ng/g組職の
におけ るわ が 国研究者
含 まれ て いる こ と, そ の存 在 様 式 を検 討 す ると
大 分 子 型ANPと
小分 子 型ANPが
約2
: 1の 比 率 で存
の貢献は 著 しい もの で あるが
誌面の都合
もあ り, 筆者 らの成績が中心
っ た こ とを
ご容 赦 願 い た い。
在 し, 心 麟 と中枢 神経 系 の 中間 の存 布 様 式 を示 すこ と,
RP-HPLCで
は α-ANPと
α-ANPE [5-28]
の溶 出部 位
文
に一 致 して溶 出 きれ る こ とを報 告 した 。 さ らに, 培 養 ク
ロム親 和 性 細 胞 を ニ コチ ンで刺 激 す る と
, カ テ コ ラ ミン
と とも にANPが
(文献翻
を太字に した ものは重要な文獣
た^<78)>。
この成 績 はANPが
カ テ コ ラ ミ ン と とも に クロ ム
親 和 性顆 粒 の中 に含 まれ て い る こ とを示 して お り, 心 房
顆粒 や シ ナ プ トソー ム にお け るANP生
2)
B.:
合 成 の比 較 は, 組 織 特 異 性 を
de
J.
5)
Bold,
de
意 義 お よび 臨 床 応 用
A.
J.:
508-511
Bold,
Flynn,
865
6)
以 上, ホ ル モ ンお よび神 経 ペ プ チ ドと して のANP生
7•z
合 成 と分 泌 につ い て述 べ て きた 。 心 臓, 脳 か らANPが
同定 され て以 来, ANPの
ホル モ ン と して,
また 神 経 ペ
A.
て い る。 しか し, 特 異 的 ア ン タ ゴニ ス トが 確 立 され て い
な い現 時 点 では, ANPの
8)
T.
G.,.
の 直 接 証 明 は 困難 で あ る。 それ に代 わ る手 段 と して, 筆
SHR-SPやDOCA食
2472
塩 高 血 圧 ラッ トにお い て, ANP
de
とを示す)
K.,
Cell
Biol
Biol
.
.,
Med.,
B ., Veress,
28,
M.
Matsuo,
Commun.,
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Life
Nakao,
Imura,
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Borenstein,
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Series •gBiological
生 理 的 お よび病 態 生 理 的 意 義
者 らは モ ノ ク ロ ーン 抗 体 を 用 い た 受 動 免 疫 法 を用 い,
G.
Proc.
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プ チ ドと して の作 用 な ど につ いて も急 速 に 研 究 が 進 展 し
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す る うえ で有 用 な モ デ ル に な る と期 待 され る。
pig
(1956)
161,
4)
Guinea
Jamieson,
23,
合 成 と ク ロ ム親
合 成, プ ロセ シ ング, 貯 蔵 ・分 泌 を研 究
Kisch,
99-112
3)
和 性顆 粒 にお け るANP生
IV.
であ る
一 緒 に 分 泌 され る こ と を 明 らか に し
1)
有 す るANP生
献
Aspects
P.),
Alan
of
R.
(1988)
UCLA
Symposium
Molecular
Needleman
Aspects
, P.),
Alan.
of
R.
ANPの
Liss,
10)
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M.,
M.,
M.,
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Imura,
N.,
M.,
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M.,
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33,
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Commun.,
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Imura,
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33•z
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tension,8
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shimura,K.,
Ya
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Com
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Imura,
Nakao,
H.:
mada,T.,
Commun.,
Kihara,
Commun.,
Yamada,
mun.,135,
14)
Y., . Imu
Kiso,
Suda,,M.,
Yamori,
Res.
Sakamoto,
Y.,
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Kihara,
M.,
127,
K.,
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Y.,
ra,A.,
T.,
Res.
Imura,
Nakao,
Sugawara,
Kiso,
Sakamo
Kiso,
Sugawara,
Commun.,
Sakamoto,
Biophys.
13)
M.,
Shimokura,
Y.,
phys.Res.
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K.,
M.,
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6701
N.,
Ban,
Biophys.
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Nakao,
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成
(1984)
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M.,
合
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11)
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生
M.,
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Imura,
Obata,
Oura,
86,
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K.,
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K.,
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Kawai,
Ma
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C.,
Fuji
Itoh,
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T.,
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(1988)
40•z
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H.,
Nakao,
K.,
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Y.,
Morii,
N.,
Sugawara,
2473
3
) A.,
Yamada,
Mukoyama,
Imura,
41•z
T.,
M.,
H.:
Circ.
Kikuchi,
K.,
Sugawara,
wa,H.:
62,
K.,
Shiono,
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Nakanishi,
926-930
K.,
M.,
55)
S.,
H.,
Endocrinologica,
N.,
56)
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115,
57)
211-217
M.
L.,
Schwartz,
Stockman,
H.
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P.
Currie,
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43)
J.,
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G.,
T.,
I.,
R.:
Burnett,
J.
J.,
W.,
Jr.,
J.,
ii,
Kao,
Heublein,
th,T.
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N.,
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col.,in
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Saito,
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1988,
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Saito,
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Y.,
Ban,
Histochenzistry,
89,
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R.
B.:
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N.,
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Arai,
Imura,
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