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東京湾堆積物中の陸起源有機物と脂質組成(東 幹夫・尾崎 洋二教授
NAOSITE: Nagasaki University's Academic Output SITE Title 東京湾堆積物中の陸起源有機物と脂質組成(東 幹夫・尾崎 洋二教授 退官記念) Author(s) 近藤, 寛; 倉橋, 淑子; 石渡, 良志 Citation 長崎大学教育学部紀要. 自然科学. vol.70, p.9-24; 2004 Issue Date 2004-03-26 URL http://hdl.handle.net/10069/6130 Right This document is downloaded at: 2017-03-31T12:03:25Z http://naosite.lb.nagasaki-u.ac.jp 長崎大学教育学部紀要 一 自然科学 - N0 . 7 0 ,9-2 4( 2 0 0 4 . 3 ) 東京湾堆積物 中の陸起源有機物 と脂質組成 近藤 寛*・倉橋 淑子**・石渡 良志*** * 長崎大学教育学部地学教室 ** 長崎市立佐古小学校 *** 東京都立大学名誉教授 ( 平成 1 5 年1 0 月3 1 目受理) La ndd e r i v e dOr g a n i cMa t t e ra ndLi p i dCo mpo u nds i nt heSe d i me n t sf r o mt h eTo ky oBa y Hi ros hiKoNDO*,Tos hi koKURAHASHI **andRyos hil sHI WATARI *** * De p a r t me n to fGe o l o g y, Fa c u l t yo fEd u c a t i o n,Na g a s a kiUn i v e r s i t y * * Na g a s a kiMu n i c i p a lSa koEl e me n t a r ySc h o o l ** * To ky oMe t r o p o l i t a nUn i v e r s i t y , Eme r i t u s ( Re c e i v e dOc t o b e r3 1 , 2 0 0 3 ) Abs tr act Muddys e di me nts ampl e sf r om t heAr akawar i ve randt heTokyobaywe r e anal yz e df ornal kane s , nal cohol e s ,4 me t hy1 S t e r ol sand4 1 de s me t hy1 s t e r ol s .Br oad humpst hatar er e l at e dt ooi lpol l ut i onwe r ef oundi nt hehydr ocar bonf r ac t i onoft he s e di me nts ampl e s .Thecont e ntofnal kane s ,nal c ohol e s ,4 de s me t hyl s t e r ol sof1 4 s ampl e save r age d3. 9 3 / J g/ g,1 8. 2 〟g/ g,2 3. 0 3 / J g/ g,r e s pe c t i ve l y.Lar ge rc ont e nt soc c ur i nt hes e di me nt sf r om t heTokyobayt hant heAr akawar i ve r .I nt het r i angul ar di agr am ofC2 7 ,C2 8 ,C2 9 S t e r Ol e s ,t hes e di me nt soft heAr akawar i ve rar epl ot t e don ope nmar i neande s t uar i neorbay,t hes e di me nt soft heTokyobayar epl ot t e don e s t uar i neorbayandope nmar i ne. Thedi s t r i but i on pat t e r n」;t hec ont e nt sofcopr os t anol( 〟g/ g) ,4 de s me t hy1 s t e r ol s( %) ;G,M,N,U,H,SandV ( Ta bl e5 )ar ede c r e as e dwi t hi nc r e as i ngwat e r de pt handf at he rs e awar df r om t hecoas t .Conve r s el y,t hec ont e nt sof4de s me t hyl s t e r ol s( %) ;A,B,E,F,Ⅰ , ∫,1 ,0, QandR ( Tabl e5)ar ei nc r eas e d. Thedi s t r i but i onpat t e r n2 ;t hehi ghe s tc ont e nt s( 〃g/ g)ofnal kane s ,nal cohol e s ,phyt ol ,di nos t e r oland4 de s me t hyトs t e r ol sar ef oundi nt hemuddys e di me nt son t hec e nt r alpar toft heTokyobay.L/H andCPIr at i oofnal kane s ,nal co hol e sdi d nots how r e gi onalt r e nds . 1 0 近藤 寛 ・倉橋 1.は 淑子 ・石渡 じ め 艮志 に 現世の海底堆積物の種々の組成 は,海底地形,水深,離岸距離,陸の地形,流入河川な どの地理的要因 と海流,潮流,海水温度,塩分濃度 な どの海況的要因に支配 され,いろい ろな堆積環境 を特徴づ けている。堆積物 に含 まれる有機物 と脂質の組成 は,堆積環境の違 いによって多様であ り,有機物の起源 と堆積状況 を示す指標 になると考 えられる。筆者 ら 9 9 0 ) ,伊万里湾 ( 近藤 ほか,1 9 9 2 a) ,富江湾 ( 近藤 ほか,1 9 9 2 b) は大村湾 ( 近藤 ほか, 1 な どの内湾の堆積物 に含 まれ る脂質組成 を報告 した。 東京湾 は多摩川,荒川,養老川な どの多 くの河川が流入 し,陸起源の種々の砕屑性堆積 物 と有機物が運 び込 まれている。 また,首都圏の人間生活 に由来する種々な汚染物質が入 り込んでいる( 石渡,1 9 9 3 ) 。 これ らの物質 は東京湾の堆積環境 に応 じて堆積す るが,東京 9 9 3) 。東京湾の堆積 湾の中央部 は,有機物が多い泥質堆積物が広 く分布 している( 石渡 ,1 物 について,1 9 8 3 -1 9 8 5 年 に「 陸起源物質の沿岸海域への移行過程の評価」 ( 代表者 ;石渡 良志)が行われた ( 石渡,1 9 8 5;1 9 8 6 ) 。 その研究で挙動 を明 らかにしようとした陸起源有 機物 は非汚染陸源有機物 として リグニ ン物質,セルロースであ り,汚染有機物 として多環 芳香族炭化水素 ( PAH) ,アルキルベ ンゼンスルホン酸塩 ( ABS) ,アルキルベ ンゼン( AB) であった ( 石渡,1 9 8 8 ) 。筆者 らはそれ らの研究 に用い られた試料 に含 まれる脂肪族炭化水 莱,脂肪族 アル コール,ステロールの脂質成分 を分析 し,東京湾 における分布 と挙動 につ いて検討 した。 2.東 京 湾 の 概 要 東京湾 は東の房総半島 と西の三浦半島に囲 まれ,南 は浦賀水道 によ り太平洋 と連絡す る 袋状の内湾である。本論では房総半島の富津岬 と三浦半島の観音崎 を結ぶ線 より北側の東 京内湾 を対象する。その規模 は北北東か ら南南西の長 さが約 5 0 k m,東西 に約3 0 k m,平均水 5mであ り,面積 は約9 6 0 n 2,容積 は約 1 k 5 加 で ある。海底地形 は単調であ り,水深 は岸か 深1 0 -4 0mの平坦地が広が り,富津牌 ら沖合い と湾 口部 にむかって緩やかに深 くなる。 水深 1 沖の湾 口部 は5 0m より深 くなる.東京湾の堆積速度 は平均で約 1. 8 k g/ m2/年 と見積 もられて 9 8 3 ) 。 これは堆積物 の厚 さに換算すると約 1c mである。 5-1 0mの平坦な泥 いる( 松本,1 底では,夏季 に湾内水が成層 し,海底泥中の有機物が分解す ることによって海底付近の溶 存酸素が著 しく低下 して,湾内の約 1/3近 くの海底が無酸素の状態 になる。堆積物 は湾央 部か ら湾奥部 に広 く泥の底質があ り,沿岸部 は水深 1 0m以浅で砂が多 くなる。なお調査地 域 を便宜的に荒川河 口域,東京湾の湾奥部,湾央部,湾 口部の 4つに区分 した。 3.堆 積 物 試 料 堆積物試料 は,湾奥部 に流入す る荒川河口域 と東京湾で採取 した ( 石渡,1 9 8 5;1 9 8 6) 0 9 8 4 年 9月にエクマン ・バージ採泥器 によ り採取 された4 9 0 2 ,4 9 0 3 , 荒川河 口域 の試料 は,1 4 9 0 4 ,4 9 0 5 ,4 9 0 8の 5試料である。東京湾の試料 は1 9 8 4 年か ら1 9 8 5 年 に東京大学海洋研究 所の淡青丸 KT8 4 1 6 ,KT8 5 11 7 航海で採取 された ( 第 1図,第 1表) 。採泥器 は松本-育 東京湾堆積物 中の陸起源有機物 と脂質組成 ll 木式重力採泥器である。分析 には柱状試料 9本の表層部 0-2. 5 c mの 9試料 を用いた。試料 の地域 区分 として荒川河 口域 は4902- 4908の 5試料,湾奥部 は KT-84-1-1の 1試料,湾央 部 は KT85-S1-1- KT85-S6-1の 4試料,湾 口部 は KT-84-20-1- KT85-S1 0-1の 4試料で ある。 肉眼観察 によると荒川の堆積物 は,細粒砂 を含む泥であ り植物片が少量認 め られる。 湾奥部 の KT-84-1-1は砂 と植物 片 を少 し含み,貝殻片が混 じる泥である。 湾央 部 の 4試 料 と湾 口部 の KT-84-20-1, KT85-S8-1試料 は,砂や植物片が殆 ん ど 見 られ な い泥 で あ る 。 湾 口部 の KT85-S9-1,KT85-S1 0-1の 2試料 は, 砂がやや多い泥 となっている 。 分析 に用いた試料 は,採取後 -20o Cで 保存 し凍結車 乞燥 した ものである。試料採 取地点 は第 1図に示 した。試料 の概要 と 有機物のデータは第 1表 に示 した。有機 炭素 Org. C,全窒素 Tot alN,炭素率 C/ N 比, リグ ニ ン l i gni n, ♂13C ( %。 ),f t ( % :陸成有機物の占める割合)は石渡 ほ か ( 石渡, 1985;1986) による測定値で ある 。 Fi g・1 Bot t om t opogr aphy and l ocat i on of t hes edi ment ss ampl esi nt heTokyo Bay. Tabl e.1 Sedi ments ampl esf r om t heAr akawaandt heTokyoBay. St a.No. Di s t a n c e W. D. Or g. C Tot alN C/ N Li gni n Li gni n S1 3 C ( k m) (m) (%) (%) ( 〟g/ g)( %/ O r g . C) ( %o ) Ar akawa 4 9 0 2 - 7.3 5 1. 7 4 0. 2 1 8. 3 8 5 2 4. 9 0 -2 5. 0 4 9 0 3 -5.7 6 1. 7 6 0. 1 9 9. 3 6 6 3 3. 7 7 -2 4. 9 4 9 0 4 -3. 6 1. 4 8 0. 1 7 8. 7 2 4 1 1. 6 3 -2 4. 7 4 9 0 5 -2. 1 7 1. 8 3 0. 2 1 8. 7 4 3 5 2. 3 8 -2 4. 0 4 9 0 8 0 8 1. 7 3 0. 2 2 7. 9 3 8 8 2. 2 4 12 3. 4 5. 6 1 4 2. 1 4 0. 2 5 8. 6 1 6 5 0. 7 7 -2 0. 3 Tokyo KT8 41 -1 6. 2 2 7 2. 6 8 0. 3 5 7. 7 1 1 0 0. 4 1 -1 8. 7 Bay KT8 5S ト1 1 KT8 41 6 -1 1 8. 9 3 1 3. 0 6 0. 3 8 8. 0 1 2 2 0. 4 0 -1 7. 8 KT8 5S 4 -1 2 1. 8 3 3 2. 4 8 0. 3 2 7. 7 1 1 4 0. 4 6 -1 8. 8 KT8 5S 6 -1 2 5. 1 31 2. 0 1 0. 2 6 7. 8 1 1 8 0. 5 9 -1 9. 0 KT8 42 0 -1 2 9. 7 3 6 2. 1 2 0. 2 5 8. 5 1 1 8 0. 5 6 -1 8. 7 KT8 5S 8 -1 3 2. 2 4 1 2. 1 7 0. 2 9 7. 6 1 2 4 0. 5 7 -1 8. 6 KT8 5S 9 -1 3 5. 6 4 6 1. 3 5 0. 1 8 7. 6 1 0 3 0. 7 6 -1 8. 6 KT8 5S I O -1 3 8. 8 5 6 1. 6 5 0. 2 2 7. 5 8 9 0. 5 4 -1 8. 5 8 8. 9 8 7. 8 8 5. 6 7 7. 8 7 1. 1 3 6. 7 1 8. 9 8. 9 2 0. 0 2 2. 2 1 8, 9 1 7. 8 1 7. 8 1 6. 7 me anval ue s( n-1 4 ) 7 Ar akawa ( n-5 ) ToykoBay ( ∩-9 ) f t ( %) 2 4. 7 9 2. 0 1 0. 2 5 8. 1 2 6 0. 1 1. 4 3 -2 0. 8 4 2. 1 71 6. 4 1. 0. 2 0 8. 6 5 1 5. 8 2. 9 8 -2 4. 4 8 2. 2 0. 2 8 7. 9 1 1 8. 1 0. 5 6 -1 8. 8 1 9. 8 3 5 2. 1 8 1 2 近藤 寛 ・倉橋 淑子 ・石渡 良志 4.脂質の分析方法 脂質の分析方法 は次の通 りである。乾燥試料 1- 3gを 1NKOH /メタノール溶液 に 0 o C, 3時間でケン化す る。ケン化液か ら中性成分 は nヘキサ ン/ ジエチルエーテル より7 (9 :1)によ り抽出 した。中性成分 は薄層 クロマ トグラフィーTLC により炭化水素,多環 芳香族炭化水素 ・アルデ ヒド・ケ トン,脂肪族 アル コール ・4-メチルステロール, 4-デ スメチルステロールの 4つに分画 した。 脂質成分の定量 は,ガスクロマ トグラム ( He wl e t tPackar d社製,5 8 9 0シリーズ Ⅰ Ⅰ)を 内径 0. 3 2 m mX長 さ3 0m,微極性)である。昇温条件 は初期温度 用いた。カラムは DB-5 ( 5 0 o C(2分),1 2 0 o Cまで3 0 o C/分,31 0 o Cまで 6o C/分,保持時間 は3 0 -4 0 分である。脂質 成分の同定 は Fi nni ganmatI NCOS5 0GC/ MSにより行 った。カラムは DB- 5,昇温 条件 は初期温度6 0 o C(1分),1 2 0 o Cまで3 0 o C/分,31 0 o Cまで 6o C/分,保持時間4 0 分であ る。 5.結 果 と 考 察 5- 1.陸起源有機物 第 1表 は試料の採取地点,水深,有機物の測定値である。距離 Di s t anc e( k m)は荒川河 9 0 8 地点 を基点 として上流側 をマイナスで示 した。従 って調査華囲は,荒川河口か ら上 口4 流7. 3 k mまで,東京湾では荒川河口か ら3 8. 8 k m沖合い までである。 水深 W. D. は荒川4 9 0 2で 5S1 0 -1 では5 6mである。 湾央部 としたKT8 5 S1 1 は 5m,最南端 の東京湾湾 口部 KT8 -KT8 5 S6 1の 4地点では2 7 -3 3mである。 g. C( %)は,荒川の 5試料 と湾 口部 KT8 5 S91 ,KT8 5 SI O 1の 2試料で 有機炭素 Or は少な く1. 3 5 -1. 8 3%以下である。 これ らの試料 は全窒素Tot alN ( %) も少な く0. 1 7- 0. 2 2%以下である。湾奥部か ら湾 口部の 7試料 は,有機炭素 Or g. Cが2. 01 -3. 0 6%,全窒 alN が0. 2 5 -0. 3 8%であ り含有量が高い。炭素率 C/N 比 は,荒川で大 きく7. 9 -9. 3 素 Tot であるが東京湾の湾央部,湾 口部で小 さ く,湾 口部 KT8 5 S1 0 1は最 も小 さい7. 5である。 荒川 において有機炭素 Or g. C と全窒素 Tot alN の含有量 ( %)が低 いのは,河川では有 機物粒子が運び去 られ, また砂 を含む堆積物 による希釈 によると考 えられ る。有機物粒子 Tr as k,1 9 3 9) ,泥が広 く分布す る湾央 は細粒 な泥粒子 と類似 した沈降速度 をもつために ( 部 は,有機物 による有機炭素 と全窒素が多い と考 えられ る。 炭素率 C/ N 比 は,供給 された有機物 の相違 お よび有機物分解の相違 を反映す るとされ 9 6 4 ) 0C/ N 比 は荒川で大 き く7. 9 -9. 3であ り,湾央部の7. 7 -8. 0 ,湾 口 る( 市原・ 黒田,1 5 -8. 5よりも大 きい。荒川では陸起源有機物である植物片が多いので C/ N 比が大 部の7. N 比が小 さい き く,東京湾ではプランク トンな どの現地性生物か らの有機物が加 わ りC/ N 比が小 さい ことが考 えられ る。市原・ 黒田 ( 1 9 6 4) による ことや有機物 の分解が進み C/ N 比 は砂試料が大 きく泥試料 は小 さい。同様 に荒川の試料 は粗粒 で C/N が大 き く, と C/ N が小 さ くなっている。 東京湾の試料 は細粒で C/ リグニ ン I i gni nは陸上高等植物の維管束 に特有 な有機物であ り,微生物 による分解 を他 の有機物 に比べて受 けに くいので,陸起源有機物の堆積物への負荷の指標 として適 してい 東京湾堆積物 中の陸起源有機物 と脂質組成 1 3 る( 石渡,1 9 8 8) 。荒川の試料の リグニ ン量 ( 〟g/ g)は上流の地点4902では最 も多 く,荒川 河 口をへて東京湾湾央部か ら湾 口部 に向けて少な くなる。有機炭素 Or gCで規格化 した リ グニ ン量 ( %/ o r g. C)も同様 な傾向を示す。 リグニ ン量 ( %/ o r gC)は湾央部 の 3試料で 最小である。 炭素同位対比 C( %。 )は陸起源有機物 と海洋起源有機物で大 きく異なることを利用 し 613 t( %)は,♂ 13C値 とし て,陸起源有機物の割合が求め られ る。陸起源有機物 の占める割合 f て陸成有機物 -2 6 %。 ,海成有機物 -1 9 %。 を用いて算出 した ( 第 1表) 。陸起源有機物 の占め t( %) は,荒川 で は7 1. 1 -8 8. 9%で あ るが,東京湾 で は湾奥部 の KT8 4 -ト1は る割合 f 3 6. 7 %,湾央部で8. 9 -2 2. 2%,湾 口部で1 6. 7 -1 8. 9%へ と急激 に減少する。従 って東京湾 堆積物 の有機物の多 くは湾内で作 られた海成有機物で占め られていることがわか る ( 石渡, 1 9 8 8 ) 0 5- 2.脂肪族炭化水素 脂肪族炭化水素 n アルカンのガスクロマ トグラムは第 2図に示 した。荒川の試料4 9 0 2と 5 S4 -1のガスクロマ トグラムには石油汚染の指標 とされ るベースラインの 東京湾の KT8 大 きな上昇 UCM ( ハ ンプ hump)が認 め られ る。ハ ンプは,荒川4 9 0 2ではゆる く盛 り上が 5 S4 -1 で は C2 9 付近 が尖 る形 で あ る。n -アル カ ンは C2 5 , る形 であ るが,東京湾 の KT8 C2 7 ,C2 9 ,C3 1 な どの奇数炭素数の ものが多い ( 奇数炭素優位性) 0 炭素数 の分布 は荒川 で は C2 9 ,C2 5 ,C2 7 ,C3 1 が多 いが,東京湾 で はやや異 な りC2 9 , C3 1 ,C27が多 くなっている ( 第 3図,第 2表 )0 n アルカン量 ( 〟g/ g)は荒川上流側の 4試 料 は1. 5 0 -3. 1 7 J L g/ gと少ない。荒川河 口の4908は5. 8 5 J L g/ gと東京湾 9試料 は3. 1 8 -6. 8 8 LS . R . A r a k a v a4 9 0 2 〟g/ gと多 くなる。 L/H ( L≦C2 。 ,H≧C2 1 )は荒川で 21 ,東京湾では小 さ は大 き く平均0. く平均0. 0 9となってい る。CPI 1 5 _ 3 5 値 は荒川では平均 1. 7 9であるが,東 J uJLiJJ , Al L 京湾ではやや大 き くな り平均 1. 91で ある。これ らの値 は信楽 ・ 石渡 ( 1 9 81 ) による東京湾泥の n -アルカ ンの L / H( L≦C2 。 ,H≧C2 1 )0. 1 3 ,CPI値 1. 9に近 い。 第 2図においてイ ソプレノイ ド炭 化 水 素 で あ るプ リス タ ン pr i s t ane は,C17 の直後 にあ り, フアイ タ ン phyt aneは C1 8 の直後 に見 られ る。 プ リスタン量 ( 〟g/ g)は荒川 と東京 湾であまり違いはないが, フアイタ 8 1 6 2 4 3 2 4 0 R e t c n t l O nt . i r n e / n i n . 4 8 5 6 Fi g・2 Ga sc hr omat ogr amsofal kane sf r ac t i on. 〃g/ g)は荒 川 で大 き く平均 ン量 ( 0. 1 6 / J g/ gであ り,沖合 いに向 けて 少 な くな る。従 って プ リス タ ン/ 1 4 寛 ・倉橋 近藤 1 - -- - - -- - -- - -- 1 - - -I - 良志 - - - _- ・ - - -- - - - 淑子 ・石渡 一 一 -- -- ・ - -- - - -- - I -- -- - - -一 一 -I - - _ - -- - - --- _ Fi g・3 Per cent agecompos i t i onsofn-al kanes . Tabl e.2 nAl kanesdat aofs ur f aces edi ment sf r om t heAr akawaandt heTokyoBay St a.No. pg/ g/ J g/ gC L/ H CPI Pr i s t anePhyt ane Pr / Ph Peaks ( 〟g / g) ( 〃g/ g) Ar akawa 4 9 0 2 4 9 0 3 4 9 0 4 4 9 0 5 4 9 0 8 3. 1 7 2. 7 6 1. 5 0 2. 1 3 5. 8 5 3. 1 8 KT8 41-1 6 . 8 8 KT8 5S1-1 KT8 41 6-1 4. 7 2 1 1 KT8 5S4-1 5. 7 4 KT8 5S6-1 3. KT8 42 0-1 3. 8 0 KT8 5S8-1 4_ 3 6 KT8 5S9-1 4. 2 2 5 8 KT8 5S1 0-1 3. 1 8 2. 0 1 5 6. 6 1 01. 4 1 1 6. 3 3 3 8. 1 1 4 8. 4 2 5 6. 9 1 5 4. 4 2 0 6. 1 1 8 6. 0 1 7 9. 1 2 0 0. 8 3 1 2. 6 21 7. 1 0. 1 3 0. 2 4 0. 2 2 0. 3 2 0. 1 2 0. l l 0. 0 9 0. 1 0 0. 0 9 0. 0 8 0. 0 9 0_ 1 0 0. 0 7 0. l l 1. 6 9 1. 8 5 1. 6 8 1. 7 3 1. 9 9 1. 87 1. 8 0 1. 6 9 1. 8 9 1. 9 0 1. 9 8 1. 97 2. 1 3 1. 9 6 0. 1 6 0. 2 6 0. 0 7 0. 1 5 0. 1 9 0. 1 0 0. 1 8 0. 1 9 0. 1 5 0. 1 5 0. 1 8 0. 2 7 0. 1 2 0. 2 9 0. 1 4 0. 2 2 0. 1 0 0. 1 8 0. 1 6 0. 0 7 0. 0 9 0. 0 8 0. 0 9 0. 0 5 0. 0 7 0. 0 8 0. 0 4 0. 0 5 meanval ue s( n-1 4 ) 3. 9 3 1 9 6. 8 0. 1 3 1. 8 7 0. 1 8 0. 1 0 1. 1 1. 2 0, 7 0. 8 1. 2 1. 4 2. 0 2. 4 1. 7 3. 0 2. 6 3. 4 3. 0 5. 8 2. 2 Ar akawa ( n-5 ) 3. 0 8 1 7 8. 9 0. 21 1. 7 9 0. 1 7 0. 1 6 1.0 TokyoBay ( n-9) 4. 4 0 2 0 6. 8 0. 0 9 1. 91 0. 1 8 0. 0 7 2. 8 Tokyo Bay 2 9, 2 7, 2 5 2 9, 2 5, 31 2 5, 2 9, 2 7 2 9, 2 5, 2 7 2 9, 31, 2 7 2 9, 31, 2 7 31, 2 9, 27 2 9, 31, 2 7 2 9, 31, 2 7 2 9, 31, 2 7 2 9, 31, 2 7 2 9, 31, 2 7 2 9, 3 1, 2 7 2 9, 31, 2 7 1 5 東京湾堆積物 中の陸起源有機物 と脂質組成 フ アイタ ン比 ( Pr / Ph)は荒川で は小 さ く0. 7- 1. 2であるが,湾央部 で は1. 7-3. 0,湾 口部 で は2. 6-5. 8と徐々 に大 き くなってい る。 プ リスタ ン とフアイタ ンは海や湖 の堆積物 に広 く 分布 し ( Si monei t ,1 978),藻類 ( Youngbl oodeta1 . ,1 971),動物 プランク トン,陸上 の 高等植物 に も含 まれ る ( Gear i ngeta1 . ,1 976)。 とくにプ リスタ ンは動物 プランク トンの 模脚類 Copepodの Cal anus属 に多 い ( Bl umereta1 . ,1 964)。 プ リスタ ン/ フ アイタ ン比 は荒川で は小 さ く,東京湾湾央 か ら湾 口部 で大 き くなっている。 プ リスタ ン/ フアイタ ン 比 の違 い は,起源 とな る有機物 の違 い を反映 してい る と思われ る。 5- 3.脂肪族 アル コール 脂肪族 アル コール (n-アル コール)のガス クロマ トグラム は第 4図 に示 した。脂肪族 ア が認 め られた。偶数炭素数 の ものが多 い ( 偶数炭素優位性)0 4-メチ ル コール は C12- C3。 ルステロール は C2 7 の後 に現 れ る。東京湾 KT85S4-1のガスクロマ トグラムで特徴的 に高 nos t er ol( 4α,23,24t r i met hyト5α( H) chol es ト22e n い ピー ク (a)はデ ィノステロール di )で あ る。 C2 8 の直 前 には コプ ロス タ ノール copr os t anol( 5 β( HトChol es t ane3 β 3 β01 )が認 め られ る。 C1 8 の直後 に葉緑素 クロロフィル に由来 す るフィ トール phyt olの大 き 一 01 な ピー クが ある。 n-アル コールの炭素数 の分布 は全試料 において類似 し, C16とC24が多 い双峰型 で あ る。 最大 の ピー クは C2。 であ る。C2。 の次 -1は C26, に荒 川 と湾 奥部 KT84-1 C2 2 , C1 8 , C16が多 い。湾央部 と湾 口部 の 8試 料 は C2。 の 次 に C22, C ,C16が多 い ( 第 5図,第 3表)。 n-アル コール量 ( l e g/ g)は荒川で 26 は9. 1 9-1 9. 84 J J g/ gで あ り変 化 の 5. 2 / J g/ gで あ る。 幅 が大 き く,平 均 1 湾奥部 でやや少 な くな るが,湾央部 16 2 4 32 の 4試料 は含有量が最 も大 きい。湾 40 口部 は含有量が低下す る。有機炭素 Or g. Cで規格 化 した n-アル コール 量 ( 〃g/ gC)の平均値 は荒川 よ り東 京湾 でや や大 きい。 L/ H ( L≦C2。, H≧C21) は荒川 と湾 口部 でやや大 き く,湾奥部 で小 さい。CPI値 は荒川 で大 き く,湾央部 で小 さ くな り湾 口 部 で再 び大 きい。フィ トール量 ( l e g / g) と有 機 炭 素 で 規 格 化 した フィ 1 6 24 4 0 32 R et nLI OI , lr ne , e n / m i n . 48 トール量 ( l e g/ gC)は,荒川 におい て少 な く,東京湾 で は荒川 のおお よ そ 5- 6倍 の量 であ り,湾央部 で最 Fi g.4 Gasc hr omat o gr amsofnal c ohol s ,Phyt ol , copr os t anoland4 me t hyl s t e r ol sf r ac t i on. 大 とな り湾 口部 で少 な くなる 。 1 6 …L 山 _ …L 寛 ・倉橋 近藤 L L 」 __ __‥ _ _ _ 山 ? . :旋 」 _ に 旋 転 L 山 __ 良志 」 _ 読 淑子 ・石渡 ____ 」 転 _ _ _ _ __ _ 二 1 2 ; Om 玩 1 2 % : 0m m _ _ Fi g.5 Pe r ce nt agecompos i t i onsofnal cohol s . AI cohol sdat aofs ur f aces e di me nt sf r om t heAr akawaandt heTokyoBay. Tabl e.3 nSt a.No. 〝g/ g / J g/ gC L/ H CPI Phyt oI Phyt oI Pe aks ( 〟g/ g) ( pg/ gC) Ar akawa 1 4. 7 6 1 3. 4 7 9. 1 9 1 9. 8 4 1 8. 7 5 1 5. 0 7 2 5. 9 3 2 5. 1 8 2 2. 2 6 2 0. 6 8 1 7. 0 6 2 0. 0 4 2 0. 0 2 1 3. 5 8 8 4 8. 1 7 6 5. 4 6 2 1. 2 1 0 8 4. 2 1 0 8 3. 8 7 0 4. 0 9 6 7. 4 8 2 3. 0 8 9 7. 4 1 0 2 8. 9 8 0 4. 5 9 2 3. 3 1 4 8 2. 9 8 2 2. 8 me a nval ue s( n-1 4 ) 1 8. 2 7 9 1 8. 4 0 Ar akawa ( n-5 ) 1 5. 2 0 TokyoBay ( n-9 ) 1 9. 9 8 Tokyo Bay 4 9 0 2 4 9 0 3 4 9 0 4 4 9 0 5 4 9 0 8 KT8 41-1 KT8 5Sl-1 KT8 41 6-1 KT8 5S4-1 KT8 5S6-1 KT8 42 0-1 KT8 5S8-1 KT8 5S9-1 KT8 5S1 0-1 0 .40 6. 71 6. 9 7 5. 9 5 6. 0 4 6. 6 5 5. 8 7 4. 1 0 5. 7 5 4. 6 5 5. 7 1 6. 8 6 5. 5 1 5. 5 6 5. 2 1 4. 7 3. 2 3. 3 9. 9 8. 0 2 2. 3 4 4. 5 4 3. 4 3 9. 0 3 2. 8 2 6. 3 3 2. 2 2 9. 7 2 0. 5 .38 5. 8 2 2 2. 8 1 0 8 4. 3 8 8 0. 5 0 .37 6. 4 6 9 3 9. 4 0 .39 5. 4 7 0 .33 0. 28 0 .44 0 .37 0. 44 0.26 0 .34 0 . 42 0 .42 0 .38 0 .36 0 .48 0 _4 4 5. 8 2 6 8. 0 1 8 2. 3 2 2 3. 3 5 3 8. 8 4 6 4. 4 1 0 3 9. 9 1 6 7 0. 6 1 4 1 8. 0 1 5 7 1. 9 1 6 3 4. 1 1 2 3 8. 9 1 4 8 5. 3 2 2 0 3. 3 1 2 4 2. 0 3 3 5. 4 3 2. 3 1 5 0 0. 4 24 ,26,2 2 24,26 ,2 2 24, 26 ,16 2 4,26,22 24, 26, 16 24, 26,28 24, 22 ,26 22, 26 24, 22 ,16 24, 2, 26 24 , 2 24 , 22, 26 22,16 24, 22, 26 24, 24, 22, 26 1 7 東京湾堆積物 中の陸起源有機物 と脂質組成 5- 4.4-メチルステ ロール 第 4図のガス クロマ トグ ラム に示 された デ ィノステ ロール d i nos t e r ol ( a)は植物 プ ラ ン i nof l a ge l l a t e sに特徴 的 に含 まれ る ( Shi mi z ue ta1 . ,1 9 7 6 ; Al a m ク トンである渦鞭毛藻類 d e ta1 . , 1 9 7 9 ) di no s t e r ol 量 ( 〟g / g)お よび有機炭素で規格化 した di no s t e r ol量 ( 〟g/ gC) 0 は,荒川で は最 も少 な く,東京湾 の湾央部 で大 き くな り湾 口部 で少 ない。湾央部 は最 も泥 i nos t e r olを特徴 的 に含 む渦鞭毛類 が泥 と共 に堆積 してい るために,湾央部 の が多 いので d 試料 は d i nos t e r olに富 む と考 え られ る。 5- 5. 41デスメチル ス テロール メルステロール (ステロール)は東京 湾堆積物 か らは主要 な18種 を決 定 した ( 第6, 7図 ,第 5表)。18 計 した含有量 は 3. 91 -45. 76 / J g/ gで あ る ( 第 4表)。 荒 川で は平 均 6 . 05 〃g/gであ 京湾 で は平均 ステ ロイ ド骨格の 4位 にメチル基 が い 4-デス な チ 種 る が e s t a 5 , 2 ( H ) , b r a g m a を合 9. 35 J J g/ g と多 い 2 。 主要 な4 -デスメチ ルス テ ロール は2 4nor c hol ( G chorestanol A) ,22-d e hyd r och ol es t erol ( E),chole s t er ol ( ), 4 me t hyl c hol ta5,2 4 ( 2 8) di en3p-ol ( 1 ),c ampe s t e r ol ( M) ,s t i e r ol ( U),s t i gmastano l ( Ⅴ)の 1 0 種であ る ( 第 5表)。 これ ら10種の 2 es t ,東 2 E-di e n-3 β-ol s s i cas t e r o l ( Ⅰ ) , s t er ol ( Q), p-si t os - 含 有 で あ る 。 デ ス 川 の 2 重 え ら 由 来 , c a h o l e s 2 重 m p e 量 は,平均値の合 計 は1 7. 2 J J g/ g 9% を占めてい り,1 8 種 の合計 の 第 7図 は 4- メチルステロール 組成 を示す。荒 試料 にはステロイ ド骨格 の5位 に 結合 を有 し,高等 植 物 起 源 と考 ( U) ,動物類 に れ るps i t o s t e r ol す ると考 えられ る c hol e s t er ol ( G) 2 4 di met hyl c mpe s t e r o l ( M) ,23, 5 t -5e n- 3 β-0 1 ( S) 結合 がな い c h ol e s - て ス テ 2 4 が に 二 F , が お おい。また s t a nol ( N)の 割 合 o / .) が多 くなっ いる。一方,東京湾 ( 6 ロール ( A,B) ,2 4 の試料 には C2 t anol ( H),ca 位 に 2重結合 △ 2 位 1,vZ,2 テ ロール はE, 多い。 3 5 4 0 4 5 R et e nti o nt i J n e/mi l l . F i g,6 Gas c hr o mat o g r a m sof4de s meth c t ion. f ra y l- 重結合 △ 2 2 があるス Ⅰ, ∫ , 0,Qが ル ス 環 境 ン な ロ ー C 2 8 は C H u a n 4-デス メチ 3 0 あるステロール は テロール を用 いて 起源物 質 と堆積 を知 る方法 として, 動物 プ ランク ト どの動物,甲殻類, 7 ステ 藻類 は C2 ルに富み,菌類,原 生動物 ,土壌 は ステロールが多 く, s t e r ol s 陸上 の高等植物 いこ とか ら, 2 9 ステロールが多 gandMei ns c hei n 1 8 寛 ・倉橋 近藤 1 2 ;山 山 - --- - - - - ・ - --- 淑子 ・石渡 良志 山 - -- 一 - - - - -- 一 - - - ・ -- -- - ・ - - -- - - - - - - - _ Fi g.7 Per cent agecompos i t i onsof4-des met hyトs t er ol s. Tabl e.4 St er ol sdat aofs ur f aces edi ment sf r om t heAr akawaandt heTokyoBay. St a.No. Ar akawa4 9 0 2 4 9 0 3 4 9 0 4 4 9 0 5 4 9 0 8 Tokyo Bay KT8 41-1 KT8 5S1-1 KT8 41 6-1 KT8 5S4-1 KT8 5S6-1 KT8 42 0-1 KT8 5S8-1 KT8 5S9-1 KT8 5S1 0-1 me anval ue s( n-1 4 ) Ar akawa ( n-5 ) TokyoBay ( n-9) J L g/ g F L g/ gC di nos t e r oldi nos t e r olc o p r o s t a n o lc o p r o s t a n o IMQU/ AB L ( F L g / g) ( pg / g C) ( 〟g/ g) ( l e g / g C) 4. 8 4 3. 91 4. 0 0 9. 1 8 8. 3 4 1 4. 8 6 4 2. 0 0 4 5. 7 6 3 7. 1 8 2 4. 8 4 2 4. 4 2 3 0. 5 2 2 5. 81 1 8. 7 7 2 7 8. 0 2 2 2. 3 2 7 0. 2 5 01. 7 51 0. 9 6 9 4. 2 1 5 6 7. 0 1 4 9 5. 5 1 4 9 9. 4 1 2 3 5. 8 1 1 5 2. 1 1 4 0 6. 2 1 91 1. 8 1 1 37. 7 0. 01 0. 0 4 0. 0 4 0. 3 9 0. 2 4 1. 5 8 6. 7 7 3. 8 9 5. 21 3. 2 0 2. 1 2 3. 71 4. 1 3 3. 0 0 0. 9 2. 4 3. 0 21. 2 1 3. 8 7 3. 6 2 5 2. 6 1 2 7. 0 21 0. 2 1 5 9. 0 1 0 0. 1 1 7 1. 2 3 0 6. 3 1 81. 5 2. 2 2 2. 4 0 2. 1 3 4. 1 4 1. 8 3 1. 4 9 2. 3 3 1. 5 8 1. 6 5 1. 4 3 0. 5 0 1. 3 8 1. 41 1. 0 8 1 2 7. 7 1 3 6. 3 1 4 4. 1 2 2 6. 1 1 0 5. 8 6 9. 8 8 6. 8 51. 7 6 6. 5 71. 1 2 3. 6 6 3. 6 1 0 4. 3 6 5. 5 1 2. 4 0 1 2, 51 1 5. 2 2 7. l l 5. l l 2. 5 5 2. 4 2 1. 8 8 2. 1 0 2. 2 3 2. 0 5 2. 41 2. 3 2 2. 4 5 21. 0 3 9 9 1. 6 2. 4 5 1 1 5. 9 1. 8 3 9 5. 9 5. 2 0 6. 0 5 3 5 6. 6 0. 1 4 8. 3 2. 5 4 2 2 6. 1 1 0. 4 7 2 9. 3 5 1 3 4 4. 4 3. 7 3 1 7 5. 7 1. 4 3 6 7. 0 2. 2 7 19 東京湾堆積物 中の陸起源有機物 と脂質組成 a k a e P Tabl e.5 As s i gnme ntof4de s met hyトs t e r ol s . I de nt i f i c at i onb A 2 4 nor c hol e s t a5 ,2 2 Edi e n3αoI B 2 4 nor c hol e s t 2 2 Ee n3 βol C 2 7 nor 2 4 me t hyl c hol e s t a5 ,2 2 Edi e n3 βol E c h o l e s t a 5 ,2 2 Ed i e n 3 針0 1( 2 2 d e h y d r o c h o l e s t e r o l ) F 5 α( Hトc hol e s ト2 2 Ee n3 βol G c hol e s t 5 e n3 β01( c hol e s t e r ol ) H 5 α( H) c hol e s t an3 β一 Ol( c hol e s t a nol ) Ⅰ 2 4 me t h y l c h o l e s t a 5 ,2 2 Ed i e n 3 βo l( b r a s s i c a s t e r o l ) J 24-met hyl 1 5α( H) c hol e s t 2 2 Ee n3 針 01 1 2 4 me t hyl c hol e s t a5 ,2 4( 2 8 ) di e n3 βol c ampe s t e r ol ) M 2 4 me t hyl c hol e s t 5 e n3 βol( N 2 4 me t h y 1 5 α( H) c h o l e s t a n 3 βo l( c a mp e s t a n o l ) 0 23,24-dimethylchol e s t a5 ,2 2 Edi e n3 βol Q 2 4 e t h y l c h o l e s t a 5 ,2 2 Ed i e n 3 ノ ㌢0 1( s t i g ma s t e r o l ) R 2 4 e t hy1 5 α( Hトc hol e s t 2 2 Ee n3 βol S 2 3 ,2 4 di me t hyl c hol e s t 5 e n3 β一 01 U 2 4 e t hyl c hol e s t 5 e n3 β01( βs i t os t e r ol ) ) V 2 4 e t hy卜5 α( Hトc hol e s t an3 β01( s t i gma s t anol Cnc 26 26 D .B ,d 5,22 22 MW ( TM S ) 〃g/ge 4 4 2 0. 8 5 4 4 4 0. 3 1 4 5 8 4 60 0. 2 5 1. 0 3 0. 5 3 3. 3 3 2. 0 5 470 4 72 1. 7 0 0. 7 3 470 4 1. 2 1 1. 1 6 0. 4 5 27 5,22 4 5 6 27 5,22 2 7 22 4 5 6 4 5 8 27 5 27 28 5,22 28 22 28 28 5, 2 4 5 7 2 4 74 28 29 5 486 29 5 486 0. 4 4 2. 2 5 0. 3 0 0. 0 8 2. 3 5 488 1. 9 9 29 5,22 4 84 29 5,22 29 22 4 84 4 86 29 a:Se eFi g.6. b:Tr i vi alname sar ei npar e nt he s e s .C :Numbe ro fc ar bo na t oms d:Pos i t i o nso fdoubl ebo nd e :Me anval ue s( n-1 4 ) C28 II M ( 1 979)は C27, C28, C29ステロールの 3成分比 によって堆積環境 を区分で き ると報告 した。この方法 に従 って,C27 ( E+G) ,C28( Ⅰ+M) ,C29( Q+U) を 3成分 として三角ダイヤグラム を描 いた ( 第 8図)。荒川の 2試料 は河 口ま たは湾の範囲にはいる。 しか し荒川の 3試料 は外洋域 にはい り,実際の堆積 環境 と一致 しない。東京湾の 7試料 は 河 口また は湾 ( es t uar i ne orbay)の範 囲 に含 まれ る。湾央部 の KT85-S6-1, C-27 C29 Fi g.8 Di s t r i b u t i o no fC27,C28,C29S t e r O I si nt h es e d i me n t s . 湾 口部 の KT85-S10-1の 2地点 は外洋 ( Openmar i ne) となっている。 n-アル コール のガス クロマ トグ ラ ムに認 め られた コプロスタノール coprost anol( 5 β( H)-Chol es t ane-3 β-ol )は,晴乳動物 の腸 内においてコレステロールの還元 によ り生成す る 糞便 とともに環境 中に排出 され る 。 ステロールであ り, し尿汚染 の指標 とされ る。東京湾堆積物か ら報告 されている ( 小倉 ・ l e g/ g)は,荒川では1.83- 4.14pg/ g( 平均 2. 54 pg/ g) 市川 , 1983)。 コプロスタノール量 ( と多 く,東京湾で は0. 50- 2. ㍊ 〟g / g( 平均 1. 43 J J g/ g)と少な くなる ( 第 4表)0 2 0 寛 ・倉橋 近藤 (〟g/g) 1200 淑子 ・石渡 良志 Li g ni n 1000 800 60 0 400 20 0 0 -10 0 10 20 30 40( km) -1 0 0 1 0 20 30 0 1 0 2 0 3 0 40( km) -10 0 10 2 0 30 40 ( kJ n) ( %) 4 3 2 1 1 0 0 . 6 40( km ) C P I( nal k ane) L/ H( nal k ane) 0 . 5 H 0 . 4 0. 3 0. 2 0.1 0 -1 0 0 10 20 30 ー1 0 0 10 20 30 l 40 (km) 1 0 l 二 0 . 10 _ L _ 20 ∴ 30 / 40( km) 40( km) Fi g.9 Hor i z ont aldi s t r i but i onsofl andde r i ve dor gani cmat t e randl i pi dcompounds . 2 1 東京湾堆積物中の陸起源有機物 と脂質組成 (〝g / g) 7 4-nor ch ol e s t a -5 , 2 2 E di en 3β-ol( A) 2 6 B 5 4 3 2 1 00 0 1 1 0 1 0 2 0 3 0 0 1 0 2 0 3 0 4 0( k n t ) 4 0( k m ) ( %) 3 02 恥t h y l c h o l e s t a 5 , 2 4 ( 2 8 ) d i e n 3βol(1 ) 4 - 1 0 一 1 0 0 1 0 2 0 3 0 8 1 0 2 0 3 0 4 0(h) 0 1 0 2 0 3 0 4 0( k m ) 4 0( k J n )( 一 〟g / g ) 1 0 Fi g.10 Hor i zont aldi s t r i but i onsofl i pi dcompounds. 2 2 寛 ・倉橋 近藤 淑子 ・石渡 良志 5- 6.陸起源有機物 と脂質の分布 1 9 8 6;1 9 8 8;1 9 9 3 )は, 東京湾 における陸起源有機物 の分布 と挙動 を知 るために,石渡 ( 陸起源有機物で非汚染陸源有機物 として リグニ ン物質,セルロース,汚染有機物 として多 環芳香族炭化水素 ( PAH), アルキルベ ンゼ ンスルホ ン酸塩 ( ABS), アルキルベ ンゼ ン ( AB) を分析 し,有機物 の分布 は分布パ ター ン 1,分布パ ター ン 2に分 けられ ることを報 告 した。 分布パ ター ン 1は多環芳香族炭化水素 ( PAH) , リグニ ン ( 第 9図 A),セルロースの含 有量 に見 られ るもので,河 口か ら湾内に向かって濃度がほぼ一方的 に減少す るのが特徴で ある。 ♂ 13C ( %。 )値 ( 第 9図 B) ,陸成有機物 の占める割合 ( 寄与率 f t:%) ( 第 9図 D) の分布 は,分布パ ター ン 1である。 炭素率 C/ N比 の分布 ( 第 9図 C)も同様 に分布パ ター ン 1と考 えられ る。 なお第 9図 A, B,C,D,E,F は脂質分析 をしなかった 5試料 を含 む。その 5試料 は荒川4 9 0 2 の上流 に 1試料,荒 川4 9 0 8と KT8 4 1 1 間 に 1試料 ,KT8 4 ト1 と KT8 5 Sl 1 間に 3試料である。 分布パ ター ン 2はアルキルベ ンゼ ン ( AB)に見 ら見 られ るもので,荒川の上流部で濃度 が高 く,湾央部 に向かって一旦濃度 の極小値があ り,湾中央部付近で最大値が現れ るもの で,有機炭素 ( 第 9図 E) ,全窒素 ( 第 9図 F) は,分布パ ター ン 2である。 陸起源有機物 の分布 パ ター ンに脂質組成 の分布状況 を照合 させ る と,分布パ ター ン 1を l e g/g) ( 第1 0 図 A) ,全 ステロールに対 す る割合 ( o / .)で示 示す ものはコプロスタノール ( した c hol e s t e r o l ( G) ( 第1 0 図 C) ,c a mp e s t e r o l ( M),c a mp e s t a nol ( N) ,針s i t o s t e r o l ( U) ( 第1 0 図 E) であるo Cho l e s t a nol ( H) , 2 3 , 2 4 di me t hy c ho l e s t 5 e n3 βo l ( S) , s t i gma s t a no l ( Ⅴ)もこの分布パ ター ンと思われ る これ らの 4-デスメチルステロール G,M, N, U, H,S,Ⅴは,5位 に二重結合 △ 5 をもつステロール または二重結合がないステロールであ 。 る。 第1 0 図F ) ,n-アル コール ( 第1 0 図F ) ,フィ 分布 パ ター ン 2を示す ものは,n-アルカン( j i g/g) ( 第1 0 図 H) , 4デスメチルステロール ( J L g/g) ( 第1 0 図 F) , デ ィノステ トール ( ロール ( 〟g/g) ( 第1 0 図 G)である。 4-デスメチルステロール ( 〟g/g)の殆 ん どは,分布 パ ター ン 2である。 分布パ ター ン 1とは逆 に,河 口か ら湾 口部 に向かって増加す るものは,4-デスメチルス テロール ( %)の A, B, E, F, Ⅰ, J, 1, 0, Q, Rである。 これ らは 5位 ,2 2 位, 2 4 位 に二重結合 をもつ △5・22,△ 5, 2 4 ,△ 22のステロールである。これ らは河 口か ら約2 0 k m地点 までは緩やかに増加 す るが, それ以降 はほぼ一定 している 。 n-アルカン, n-アル コールの L/ H( 第 9図 G, Ⅰ ),CPI値 ( 第 9図 H,J)の分布パ ター ンは,一定 の傾 向を示 していない。 6. ま と め 東京湾 は多 くの都市河川が流入す る閉鎖的な内湾で,有機物 に富む泥質堆積物が広 く分 布す る。陸起源有機物 の東京湾 における移行過程 は,リグニ ン,炭素同位対比 Cな どで ♂ 13 調べ られている。筆者 らは荒川,東京湾の底質試料 の n-アルカン, n-アル コール, 4-メ チルステロール, 4-デスメチルステロール について分布 と挙動 を検討 した。 2 3 東京湾堆積物中の陸起源有機物 と脂質組成 n-アル カ ンは強 いハ ンプが あ り,底質 の油汚染 を示 してい る。ハ ンプの形 は荒川 と東京 ( n-1 4 )は, nアル カ ン ( 3. 9 3 J L g/g), nアル コール ( 1 8. 2 7 〃g/g), 4デス メチル ステ ロール 1 8 種類 の合計 ( 2 1. 0 3 J J g/g) で あ る 含有量 は荒川 よ り も東京湾 で高 い。 C27, C28, C2。 ステ ロールの 3成分比 に よる堆積環境 の区分 は,荒川 の 湾 で異 な る。脂質量 の平均 。 5試料 は外洋域∼河 口 また は湾 で あ る 外洋域 の区分 は東京湾 の堆積環境 と一致 しない。 。 東京湾 の 7試料 は河 口 また は湾 で あ る。湾央部 の 1試料,湾 口部 の 1試料 は外洋域 に区分 され る。 3 C値,陸起源有機物 の寄与率 ,C/ N比 の分布 の ように河 口か ら湾 口部 に向 リグニ ン,♂1 〃g/g),△ 5また は二重結合 が ない 4-デ けて減少 す る分布パ ター ン 1は,コプ ロス タノール ( スメチル ステ ロール ( %) G, M, N, U, H, S, Ⅴであ る。 これ と逆 に増加 す る もの %) A, B, E, F, Ⅰ, ∫, 1, 0, は, △ 5,22, △ 5,24, △ 22の 4-デス メチル ステ ロール ( Q, Rで あ る。 これ らは河 口か ら約 20k mまで は減少 また は増加 す るが, それ以 降 はほぼ一 定 とな る。 有機炭素,全窒素 に見 られ,川 の上流部 で濃度 が高 く,湾央部 に向か って一旦濃度 の極 F L g/g), n一アル コール 小値 が あ り湾 中央部 で最大 とな る分布パ ター ン 2は, n一アル カ ン( ( 〃g/g), フ ィ トール ( 〃g/g), デ ィノステ ロール ( 〟g/g)お よび殆 ん どの 4-デスメチルス 〟g/g) で あ る。 n-アル カ ン, n-アル コ-) i ,の L/ H, CPI値 の分布 パ ター ン テ ロール ( は,一定 の傾 向 を示 さない。 参 考 文 献 Al am M"Sans i ngT. B. ,Bus byE. L. ,Mar t i ni zD. R.andRayS. M.( 1 9 7 9) :Di no gl age l l at es t e r os I: e r o i d s33 ,1 9 7 2 0 3 . s t e r olc ompos i t i onoft hedi nof l age l at e sofGonyaul axs pe c i e s .St .He l go l . Bl ume rM. ,Mul l i nM. M.andThomasD. W.( 1 9 6 4 ) ・ . Pr i s t anei nt hemar i nee nv ir onme nt Wl ' s s .Me e r e s unt e r s ,1 0 ,1 87 2 01. Gear i ngP. ,Ge ar i gJ . N. ,Lyt l eT. F.andLyt l eJ. S.( 1 97 6 ) : Hydr oc ar bonsi n6 0nor t heas tGul fof o c hi m.Co s mo c hi m.Ac t a,40,1 0 0 5 -1 01 7 . Me xi cos he l fs e di me nt s .Ge HuangW. Y.andMe i ns c he i nW. G.( 1 9 7 9 ) :St e r ol sase col og ic ali ndi cat or s , Ge o c hi m.Co s mo c hi m. ,7 3 9 7 4 5. Ac t a,43 市原優子 ・黒田紀子 ( 1 9 6 4 ):有明海海底の沖積層に含 まれる有機物 石渡良志 ( 1 9 8 5):陸起源物質の沿岸海域への移行過程の評価 地質雑 ,7 0 ,57 2 5 7 9 . 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