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豊かな国と貧しい国
学校だより 第4号 平成28年7月6日 千葉市立弥生小学校 EU離脱と主権者教育 校長 廣森 滋 イギリスが国民投票の結果、EU(欧州連合)から離脱することになったというニュースは、日本でも大 きく報道され、急激な円高や株価の暴落という事態も引き起こしました。 第一次、第二次世界大戦という大きな戦禍を経験したヨーロッパは、ヨーロッパの中で二度と戦争を起こ さないために、ヨーロッパをひとつの国に統合するという理想を掲げました。もちろん、文化も民族も歴史 も違うフランスやドイツ、イギリスなどの国々が、最初からひとつの国になるのは無理です。最初は経済的 な結び付きから始め、政治や軍事、単一通貨(ユーロ) 、法律などと徐々に結び付きを強めるとともに、ヨー ロッパ統合に向け、EUへ参加する国も増やしていきました。現在、EUに加盟しているヨーロッパの国は 28 国にまで拡大し、2012 年には、この壮大な理想に対してノーベル平和賞も受賞しています。 しかし、国という枠組みがなくなったわけではありません。また、EUの中には、まだ豊かな国も貧しい 国もあります。EUの中では人々の移動は原則自由ですから、当然、貧しい国から豊かな国に人は流れます。 この移民の流入が、イギリスが離脱する大きな原因になったと言われています。 報道等をみると、移民への反感だけではなく、大英帝国時代は他国の指図など受けなかったというイギリ ス人としてのプライドが、EUからの離脱を後押ししたようです。とりわけ、かつての栄光を知るシニア世 代にその傾向が高く、65 歳以上では 58%の人が離脱に投票したと報道されています。これに対して、若い世 代は、イギリスのグローバル化・EU残留に対して好意的で、離脱が決定した後、自分たちの将来を悲観す る声が数多くあげられています。国民投票でも 24 歳以下の世代では、64%が残留に投票したとあります。し かし、 正確な数字をあげられませんが、 イギリスにおいても若い世代ほど投票率は低いのです。 「お年寄りが、 自分たちのノスタルジーで若者の未来を奪った。 」と声高に叫んでみても、多くの若者が投票に行かなかった のですから、今さら仕方がないことなのです。 イギリスの国民投票は、民主主義において「投票する」ということがいかに重要なことなのか、教えてく れていると思います。日本においても7月 10 日(日)に参議院選挙があり、初めて 18 歳の若者にも投票権 が与えられますが、20 歳未満の投票率がどのくらいになるか、大変危惧されるところです。 本校においても今後、主権者教育に力を入れていかなければいけないと考えています。主権者教育では、 政治や選挙のしくみを学ぶこと、日本の将来について考えることも大切ですが、何より大切なことは投票を 通して政治に参加することを学ぶことです。ご家庭においても、保護者の方が選挙に参加する姿を子どもた ちに見せていただくことが、一番の主権者教育になると思います。 子どもたちが「読書まつり」や地域の行事に参加します 10 月2日(日)中央図書館において「読書まつり」が開催されますが、昨年度の放課後子ども教室「読 み聞かせの達人になろう」に参加した子どもたちに、 「読書まつり」で集まった人々に読み聞かせをして ほしいという依頼が来ております。また、春季大運動会で3・4年生の子どもたちが披露してくれた「や よいっ子 どっこいしょ!」 (ソーラン節)には、地域の行事で、再度披露してほし いという依頼が来ております。具体的には、9月 18 日(日)に開催される松波敬老 祝賀会、10 月1日(土)の弥生小地区体育祭、11 月 20 日(日)の松波楽市の3回 となります。参加は休日ですので、該当する子どもたちの内、希望者ということに なりますが、折角の機会ですのでぜひご参加いただければと思います。詳しいこと は、該当する子どもたちを通して、お手紙でお知らせいたします。