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詳細 - 多文化関係学会

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詳細 - 多文化関係学会
多文化関係学会ニュースレター
第 20 号
2012 年 2 月
http://www.js-mr.org/
■目
次
第 10 回年次大会報告
大会総括-----2
プレカンファレンス・ワークショップ-----3
招聘講演-----3
パネルディスカッション-----5
震災ワーキング・グループ-----6
オープンフォーラム-----6
石井米雄奨励賞選考結果について-----9
10 周年記念出版について-------------------------------------------------------------------------------------9
地区研究会報告
北海道・東北-----10 関東-----11 中部・関西-----13 中国・四国------15
2011 年度理事会議事録抄録---------------------------------------------------------------------------------15
学会のさらなる発展を願って-------------------------------------------------------------------------------17
地区研究会案内
関東-----11 中部・関西-----13 九州-----15
新入会員紹介------------------------------------------------------------------------------------------------------22
お知らせ 事務局より-----23
学会誌について-----23
Web 委員会から-----23
会員新著紹介-----23
多文化関係学会特別企画・ハワイプログラム-----24
多文化関係学会後援・国際シンポジム-----25
来年度年次大会と関連学会-----26・27
編集後記-------------------------------------------------------------------------------------------------------------28
■CONTENTS
Report on the 10th Annual Conference on Japan Society for Multicultural Relations
Overview -----2
Pre-conference Workshop-----3
Invited-Speaker’s Lecture-----3 Panel Discussion-----5
Open Forum-----6
Report by the Earthquake-ResponseWorking Group-----6
The Ishii Yoneo Award-----9
Publication of 10th Anniversary Book------------------------------------------------------------------------9
Reports from the Regional Study Meetings----------------------------------------------------------------10
Records of the 2011 Board Meetings-------------------------------------------------------------------------18
Message from the former President--------------------------------------------------------------------------20
Announcements from the Regional Study Meetings-----------------------------------------------------21
Introducing New Members--------------------------------------------------------------------------------------22
Announcements
From the Business Office-----23 JSMR Journal-----23
From the Webmaster’s Committee-----23
New Publications-----23
JSMR Special event: The Hawaii Program-----24
JSMR endorsed International Symposium-----25
JSMR 2012 Annual Conference-----26
Other Conferences-----27
Editor’s Notes--------------------------------------------------------------------------------------------------------28
-1-
第 10 回年次大会総括
「つながり」に支えられた学会 10 周年記念大会を振り返って
大会委員長 抱井尚子 (青山学院大学)
さる 2011 年 9 月 17 日(土)18 日(日)、「多文化社会日本の課題―共生と衝突が織りなす
狂詩曲(ラプソディ)」という大会テーマのもとに、多文化関係学会 10 周年記念大会が東京都
渋谷区の青山学院大学で開催されました。大会開催中は天候にも恵まれ、総計 140 名の方々にご
参加をいただきました。また、学会創立 10 周年を記念して企画された『多文化社会日本の課題
―多文化関係学からのアプローチ』(明石書店)も、今大会開催に合わせて刊行されました。本
書の執筆・編集に関わった方々には、この場をお借りして深く御礼を申し上げます。
本大会の開催に当たって最も印象深かったことは、何と言っても、千年に一度という東日本大
震災の直後の開催であったということです。毎日、目を疑うような惨状が報道され、他の学会大
会が延期や中止といった措置を取っている中で、本学会としては、たとえわずかであっても被災
地の方々が抱える問題を共有すべきであるという思いを込めて、あえて年次大会の開催を決定い
たしました。そして本大会では、震災ワーキング・グループによるセッションを設定し、被災地
からご参加いただく方々については参加費を免除とさせていただきました。このような措置に対
して、被災地の会員の方から、「被災地と他の地域との『つながり』を実感した」というメッセ
ージをいただきました。大会企画側としても、あえて大会開催に踏み切った意図をご理解いただ
けたことに、温かいものが込み上げてくる思いでした。そして震災ワーキング・グループのセッ
ションでは、多くの方々にご参加いただくと共に、被災地への震災募金にもご協力いただきまし
た。募金総額 7,100 円は、被災者の生活支援のための義捐金として宮城県保健福祉部にお届けし
ました。さらに、開催校から冷房費が請求され右往左往している中で、参加者の方々から「冷房
費募金」32,000 円が集まるなど、本大会のあらゆる局面で、共に支え合う心の「つながり」の大
切さとありがたさを深く実感した次第です。震災募金および冷房募金にご協力くださった皆さま
には、改めてお礼を申し上げます。
今回の 10 周年記念大会は、学術的な部分でも、新しい「つながり」を模索したことが特徴で
あったと考えております。招聘講演者であった青山学院大学総合文化政策学部教授の福岡伸一先
生がご講演の中で、生命を「流れ」と捉えるお話を生物学者の視点からなさいましたが、これは、
文化本質主義を超えようとする昨今の文化研究の潮流にも通ずるところがあり、我々多文化関係
学会の学会員にとっても、パラダイムシフトを予感させるたいへん刺激的なものでした。またパ
ネルディスカッションでは、ICT の専門家に、多文化共生をテーマとしたご発表をいただきまし
た。このように、今回の大会で分野横断型の新しい「つながり」を広げようと試みたことが、今
後の学会のさらなる発展のきっかけとなればと思っております。その他のプログラムも、たいへ
ん充実したものとなりました。詳しくはそれぞれの報告をご参照いただければと思います。
さまざまな困難を乗り越え、また新たな「つながり」を創りつつ、今回の年次大会を成功裡に
終わらせることができましたのは、ひとえに、発表者、参加者、司会者、各種審査にあたられた
諸先生方、そして、本大会の開催を陰で支えてくださった大会委員・学生スタッフの皆さまのお
陰だと思っております。大会委員長として、学会をベースとした「つながり」の重要さを再認識
しつつ、皆様からのご支援に心より感謝申し上げます。本当にありがとうございました。
-2-
第 10 回年次大会報告
プレカンファレンス・ワークショップ
「比較文化研究におけるバイアスの検証法—入門編」
今回、青山学院大学の田崎勝也先生による比較文化研究におけるバイアスの検証法のワーク
ショップに参加する機会を得た。前半は、理論的側面について講義がなされた。まず、比較文化
研究においては、集団間の差を文化差として議論することが多いが、文化は無作為配置ができな
いため交絡変数がたくさん出てくる。そこで、集団間の差を文化差と解釈できるように、調査や
質問頄目に潜むバイアスを見つけ出す統計的手法が必要になることが話された。
次に、バイアスとは等価性を脅かす要因であり、捉えようとしている概念自体が不一致なのに
無理矢理質問するとき、同じ名前ではあってもその社会的位置づけが異なるとき、回答スタイル
が違うとき、頄目の表現法の不具合や翻訳ミスがあるときなどに生じると指摘された。その上で、
真の集団間の差とバイアスを見極めるために、集団間で異なる働きをする特異頄目機能(DIF)
に注目した分散分析法と頄目反応理論のモデルが紹介された。それらを使うと、一方の集団に不
当に難しく(または易しく)機能している頄目や、一方の集団により敏感に反応している頄目を
識別し、削除または調整することができる。
後半は、田崎先生のご指導によりデータを用いて実習する機会を得た。まず、2 要因の分散分
析を DIF 分析に援用した方法を SPSS で行った。この方法では、ある頄目の集団間の主効果や、
集団と総得点から割り出した得点グループの交互作用が有意であったときにバイアスがあると
解釈する。次に、多母集団分析を DIF 分析に援用した方法を AMOS で行った。この方法では、
集団間で当該頄目のパス係数や切片に等値制約を課してモデル間に差異があったときにバイア
スがあると解釈する。
初心者として最後までついて行くのは大変であったが、比較文化研究におけるバイアスの検証
法が非常に重要かつ有益な方法であることを実感できるワークショップであった。また冒頭に、
今後は国際間の比較文化研究だけではなく、都市と地方、高齢者と若者の比較など国内の一般的
な社会調査でも等価性の研究が必要になってくると述べられたことはとても印象深かった。田崎
先生のワークショップに捧げられた時間とご尽力に深く感謝申し上げたい。
報告者:平山修平(青山学院大学)
第 10 回年次大会報告
招聘講演「多文化共生と動的平衡」
福岡
伸一氏(青山学院大学)
今も中世の面影を残すオランダのデルフトという町で、顕微鏡の父、アントニ・レーウェンフ
ックは生まれた。レーウェンフックは自作の顕微鏡で昆虫の部位や水滴など、身近なものを眺め
ては、それを友人に描いてもらい、ロンドン王立協会に書簡で送っていた。
-3-
微生物の発見はレーウェンフックによるものである。 さて、レーウェンフックと同じ年に同
じ町で生まれ、世界的に知られることとなった人物がもうひとりいる。画家のフェルメールであ
る。フェルメールが今も人々から愛されるのは現存する作品の尐なさにもよる。
レーウェンフックとフェルメールの間には親交があった。王立協会に送られたレーウェンフッ
クの記録は、ある時期を境に躍動感ある描写から、淡白なものへと変わる。その時期はフェルメ
ールの没年と重なる。初期の描写は誰の手によるものか。立証はできないもののロマンチックな
想像が膨らむ。
いずれにせよ、興味深いのは 17 世紀までのヨーロッパでは、科学者と芸術家と哲学者が実に
深く関わりあっていたことにある。以降、科学は芸術や哲学と袂を分かち、ミクロな解析と機械
論的な発想で突き進んでいくことになる。生命は各部位の組み合わせで成り立つという生命観は、
臓器や遺伝子を操作することで生命も操作できると夢想する。
しかし、このような生命観に立脚していたのでは、どうしても説明できない現象が、実験室の
中ですら起こる。その時、思い起こされるのが生物の代謝を研究した科学者、ルドルフ・シェー
ンハイマーの「命は流れだ」ということばである。私たちは食べ物の栄養分を摂取して、残りか
すを排泄しているように想像しがちだが、実はそうではない。摂取したものの多くは体の一部と
なり、古い細胞が排出されるのである。これが代謝である。すなわち今日の私は、一ヶ月前の私
とは物質レベルでは違うもので成り立っていると言ってもよいのである。
では、そのような不安定な生命体が、なぜひとつのまとまりを持って存在し得るのか。それを
説明するのが動的平衡である。生命体は個々のパーツではなく、相互補完的な関係性の中に存在
している。だから、仮にある部位が損傷したりしても、周辺部がそれを補い、新しい平衡状態を
作り上げるのである。
絶え間ない流れと関係性の只中にある我々、まさに多文化共生そのものではないだろうか。
報告者:猿橋項子(青山学院大学)
-4-
第 10 回年次大会報告
パネルディスカッション:
「ICT が拓く多文化共生の未来」
パネリスト:重野亜久里氏(多文化共生センターきょうと代表)
:吉野孝氏(和歌山大学システム工学部准教授)
コーディネーター:稲葉光行氏(立命館大学政策科学部教授)
ICT(情報通信技術)の著しい発展は、異文化・異民族間に存在する種々多様な垣根を取り払
い、地球社会における多文化共生の道筋を作ってきた。今大会のパネルディスカッションでは、
ICT が、在日外国人のコミュニケーション負担を軽減するとともに、日本社会における異文化集
団間の相互理解を深める魅力あふれたツールになろうとしている現状が示された。以下、簡単に
内容の紹介をしたい。
第一報告者の重野亜久里氏が所属する「多文化共生きょうと」は、年間 1500 件を越える医療
通訳の派遣を行っており、産学官での多言語医療支援ツールの開発においてはその豊富な経験が
十分に活かされていた。たとえば、外来受付や問診、入院場面での質問や指示内容を、中国語や
ポルトガル語など患者の母語で対応すると同時に、画面上には人体図などを配置して痛みの所在
を知らせてもらうなど、細やかな配慮がほどこされている。一方、二人目のパネリストであり、
また、重野氏らと共に多言語医療支援ツールに関わってこられた和歌山大学の吉野孝氏によれば、
便利にみえる ICT も現場では改善が必要なことも多く、十分な活用のためには、①人間の補助、
②継続的な改善、そして③道具として「うまく」利用する姿勢が大事とのことであった。また、
吉野氏が取り組んでこられた留学生支援システムのいくつかも紹介された。たとえば、留学生用
講義理解支援システム PaneLive は、学習支援のみならず、留学生と日本人学生のコミュニケー
ションを促進させている。興味深いことに、こうした効果はコーディネーターも務められた3人
目の報告者、稲葉光行氏によって紹介された ICT ソフトにも見受けられた。稲葉氏は、文脈に
埋めこまれた知識が必要となる文化や慣習の学習に際して、アバター(仮想的身体)を利用した
学習支援ソフトが効果を発揮すると述べる。学習者はそれぞれがアバターを動かしていくことに
よって意見交換をしつつ知識を獲得するが、一方でそれは、現実社会に生きる ICT 利用者の関
係構築や相互理解の深まりにもつながっていくのである。
ICT はいまや、文化や言語、国籍の違いに
配慮した、むしろ「人間的」な道具となりつつ
あるようだ。
情報科学に疎い筆者などは、これまで「ICT=
非人間的なもの」と考えていたが、それは間違った
思い込みであったかもしれない。ICT が日本の、
そして世界の多文化共生の未来に果たす役割の
計り知れない大きさに気づかされたセッション
であった。
報告者:伊藤明美(藤女子大学)
-5-
第 10 回年次大会報告
オープンフォーラム:
「大学院教育を考えるー『文化』を学ぶ大学院生の現状と課題―」
パネリスト:
立教大学・上智大学・青山学院大学・お茶の水女子大学出身の
研究者および現役の大学院生)
コーディネーター:田崎勝也氏(青山学院大学准教授)
今回のオープンフォーラムは修士や博士課程の学生がそれぞれの質問を提示、それに対する研
究者の回答という形をとり、オムニバス形式でそれぞれ異なる話題が投じられた。内容としては
比較的ポピュラーなテーマを扱ったものが多く、論文執筆の際の研究設問の設定やキャリアプラ
ンに関する話題など、同じような事に悩んでいるであろう修士課程などの若い学生にとっては興
味深いテーマが並んでいた。ふだん学生指導にあたっているベテランの研究者が学生の頃にどの
ような課題を抱え、どう対処していったかとういうことを知り、経験則を交えたアドバイスを聞
くことができる貴重な機会であった。また、話を聞きながら同じテーマに関する自分の悩みや考
えを整理することにもつながった。私のような若い学生は勿論、会場の多くの参加者が頷きなが
ら熱心に耳を傾けていたのが印象的であった。
ただ、話の内容そのものやさらに質問してみたい事柄が豊富であっただけに、4 組の話全体を
90 分という短い時間でまとめてしまうには尐々勿体なかったと感じた。1 日のスケジュールの中
で使える時間が限られるとはいえ、欲を言えばひとつひとつの話題ごとにそれぞれ質疑応答がで
きる程度の時間的余裕があれば尚よかった。個人的には、石黒先生の回答したコミュニケーショ
ン研究における質的研究の意義に関する話題に関して質疑応答の時間を利用して会場内で議論
が起こることを期待していた。質的研究と量的研究、解釈主義と実証主義の間の議論は自分でも
興味があり、また長らく議論の的になっているテーマであるので、会場に集まったさまざまな分
野の研究者による色々な視点からの意見を参考にしたかったのだが、時間の都合でそれを見るこ
とはできなかった。タイムキーパーの設置やタイムテーブルの調整などにより会場の意見を聞く
時間がもう尐し長く取ることができればさらに有意義なフォーラムになったと思う。
それでも、短い時間とはいえ参考やヒントになる部分の多いフォーラムであった。今後も学会
などでこういった意見交換の場が多く開かれ、若い学生の疑問の解決や学際的な議論の場が設け
られることを望む。
報告者:加藤雄太(青山学院大学大学院)
第 10 回年次大会報告
震災ワーキング・グループ
研究発表『被災地の声―みえてくる多文化社会の課題と挑戦―』について
学会は昨年「3.11」の震災ワーキング・グループを立ち上げ研究発表を行った。趣旨は「未
曾有の災害は日本社会に国難とダメージを与え、21世紀の日本社会の多文化・グローバル化に
潜む多文化共生の問題、被災地の外国人住民の乖離感、国際結婚の破綻、コミュニティーの越境
や解体など多くの問題を生じ、各国からの支援と連携、海外メディアの報道と情報開示、国際観
光への影響など国際コミュニケーションの課題が浮き彫りになった」である。(災害研究リーダ
-6-
ー:渋谷氏の要旨)
。
第一研究報告者、李善姫(いそんひ)氏:『国際結婚家族の災害経験から見る多文化共生の課
題』韓国の大学を卒業、東北大学で博士号(文化人類学)取得。東北大学 GOCE「グローバル時
代のジェンダー平等と多文化共生センター」の連携研究員。(発表要点)3・11直後、外国人
被災者に関するメディア報道は全く無く、震災3ヶ月後の6月にやっと報道された。災害直後の
外国人の大きな不安感やパニック状態、帰国を余儀なくされた者に対する内外からの「冷たい視
線」は様々な問題を生じた。災害直後、外国人の帰国に至るプロセスと実態は実に多様で、帰国
した多くの留学生も、母国の政府機関や家族との間で複雑な公的・私的な関係があった。そして
国際結婚の場合、家族関係は Transnational な存在で、災害など大きなリスク発生時は、安全確
保のために母国に帰国できる選択肢を持つこと、あるいは日本だけで生きている人たちではない
ことへの理解と認識が必要である。
在日外国人居住地域は①外国人集住
②大都会(例、新宿など)③外国人点在・散在―に分類
され、東北は広域な点在地域で実態の把握は難しい。外国人の地域人口比率は全国平均が 1.7
であり、東北は 0.55 で、外国人女性の数は男性の約2倍、内訳は産業研修生と国際結婚がほと
んどである。東北6県の多文化共生への取り組みは、各地の国際交流協会などが中心となり、
NGO/NPO 組織も10~15年位前から徐々に組織化され活動が始まってはいるが、都道府県の連
携はいまだ、ばらばらである。
第二の研究報告者、金井里弥(里美)氏。東北大学院生。 (発表要点) 本研究は特に留学生
の動向に焦点を当て、留学生 10 名(寮生 2 名、一人暮らし 8 名)にインタビュー調査し、災害
行動、避難経路、必要支援の調査を行った成果である。震災後、被災地での在日外国人の足取り
は多様で、単身生活の外国人留学生達は、不慣れで身寄りのない土地で様々な困難と苦悩に直面
した。彼らの災害避難行動には日本人の協力が不可欠で、大規模な災害時に在日外国人に必要な
支援や、日本人との共生の在り方を準備することは重要な課題である。
東北 3 県の外国人居住者の中心は宮城県で約 16,500 人いる。特に仙台市には 10,000 人が在住。
現在東北大学に 1,513 名の留学生が在籍する内 1,273 名がアジア出身で、中国からは 60%を占
め、韓国、インドネシア、台湾と続く。
『避難行動と災害行動支援に関する課題』は以下の通り
である。「避難行動」
:安否の確認、複雑な避難経路、帰国への複雑なプロセス、出身国別(例、
中国人と台湾人留学生の場合など)の行動差異、帰国の殺到と帰国航空便の手配と確保、航空運
賃の上昇、情報入手方法・情報の質と信頼性。安全確認方法、特に原発情報の遮断・情報欠如と
深刻なパニック。
「災害行動支援」
:災害援助方法、情報伝達方法、入管、空港、24 時間の電話
相談・カウンセリング、20 か所の災害支援本部と
帰国支援、母国や大使館からの問合・情報提
供、多言語翻訳や通訳サービス、大学や援助機関の
役割、自治体・国際交流協会による安否確認、
国家を代表する公的機関・日本政府と各国政府間の
情報伝達機能、日常生活における頼れる
日本人友人の存在など。
報告者:小松照幸(名古屋学院大学)
-7-
第 10 回年次大会報告
石井米雄奨励賞審査コメント
石井米雄奨励賞審査委員会
委員長
石井敏(獨協大学)
今年度の応募研究発表審査は、2011 年 9 月 17 日(土)と 18 日(日)に青山学院大学で開催
された第 10 回年次大会研究発表分科会の場で行なわれた。審査委員は、理事会の要請を受けて、
石井敏、伊佐雅子、笠原正秀の 3 名が務めた。応募者は、当初 3 名であったが、後日 1 名が辞退
したために、被災地におけるメディア・コミュニケーションの役割問題を扱った A 氏と滞日中
の外国人のアイデンティティ変化を調査した B 氏の 2 名となった。
審査頄目は、研究内容、研究方法、論文構成、表記、その他であった。研究発表審査後の 3
委員による慎重審議の結果、両氏のいずれも「受賞に該当しない」という結論に至った。両氏に
共通に改善を要する点として、次のような具体的な建設的助言が示された。
1.審査を受けるためには、抄録に加えて、完成論文を準備する。
2.先行研究を批評的に紹介し、各自の研究の意義と目的を明確にする。
3.上記の 2 に関連づけながら、各自の研究における重要語句を定義・概念
化する。
4.研究上の理論と方法に関する専門書を活用する。
5.各自の結論部分で、研究の自己評価をして今後の課題を提示する。
6.参考文献の表記を米国心理学会の APA 方式にする。
7.両氏の今後の発展と活躍が期待される。
来年度の研究奨励賞には、一層多くの将来有望な若い研究者が応募することを願っている。
10 周年記念出版
『多文化社会日本の課題―多文化関係学からのアプローチ』刊行に際して
Challenge facing a Multicultural Japan: From the Perspective of Multicultural Relations Studies
2011 年 9 月、多文化関係学会編としては初の図書
『多文化社会日本の課題―多文化関係学からのアプ
ローチ』が明石書店から刊行された。学会設立 10 周年
にあたり企画された本書は投稿論文 9 編、編集委員会
メンバー執筆の 2 編、および編集委員会による依頼論文
2 編の計 13 の論考からなっている。本書の刊行に漕ぎ
着けたのは、煩雑な査読および編集作業に熱心に取り
組んでいただいた編集委員の力によるところが大きく、
ここに代表として感謝の意を表したい。
本書の構成を簡単に紹介すると、序章と第1章、さら
に終章では、多文化関係学のパラダイムの提示に向けて
様々な視点を提供することを目指して執筆されており、
第 2 章から 11 章までは具体的な研究例の紹介となっている。
-8-
以下では、簡単に本書の概要を紹介する。まず、序章では、多文化関係学の視座とその方法論
について概観し、続く第 1 章では、多文化関係学の取るべき視点について議論を進めた。第 2
章では、在日コリアン高齢者の識字活動の事例をもとに、多文化共生における差異とパワーの関
係に迫っている。第 3 章では、日本の小学校教育の現場において、日本人生徒とブラジル人同級
生の間に生まれる相互作用を分析している。第 4 章では、外国語指導助手と日本人教員・生徒と
の関わりを通して、日本の教育現場を「多文化共生」の視点から分析した。第 5 章では、日本に
おける英語教育のあり方を通して、コミュニケーションの平等と国際共通英語について考察して
いる。第 6 章では、北海道札幌市の事例を通して、多文化共生社会の実現に向けた公教育のあり
方と、それに係わる「媒介(者)」としての NPO のあり方を検討した。第 7 章では、多文化組織に
おいて日本人リーダーが多文化対応型となるための諸課題を提示している。第 8 章では、外国人
コミュニティーに対する差別的・排斥的「噂」の実態を明らかにし、多文化共存システムを脅か
すこととなった流言の発生から消滅までの経緯を考察した。第 9 章では、韓流ドラマの偏見逓減
効果に着目し、
「異文化メディア」の影響及び効果の可能性について論じている。第 10 章では、
中国社会の対日イメージの実相を世論調査・インタビュー調査の結果をもとに分析した。第 11
章では、日中の法に対する姿勢の文化差について歴史的、制度的、心理的に考察している。最後
に、終章では、今後日本において多文化関係研究・教育が重要な学術的分野として認知されるた
めに不可欠となる課題探求の方向性について議論した。
多文化関係学はまだ産声をあげたばかりの研究分野であり、本書の論考もあくまで試案の域を
出ていない。多文化シナジーを志向する本学会の会員諸氏には、今後の多文化関係論または多文
化関係学の構築に向けて、本書を「肴に」大いに語り合っていただければ幸いである。
久米昭元(10 周年記念図書編集委員会委員長)
序章 多文化社会日本と多文化関係学的アプローチ(久米昭元、松田陽子、抱井尚子)
第1章 現代日本社会の3つの課題──多文化関係学6眼3バランスの視点から(林吉郎)
第2章 多文化共生活動における差異・共通性・パワーの認識──在日コリアン高齢者識字活動参加者への聞き
取り調査から(猿橋順子)
第3章 ブラジル人児童と多様化する教室のマイノリティー(森田京子)
第4章 日本の教育現場における外国語指導助手と日本人教員の関わり──多文化共生の視点からの一考察
(大谷みどり、築道和明)
第5章 コミュニケーションの平等と国際共通英語──英語教育の改善に向けて(伊藤明美)
第6章 外国人・帰国児童生徒に対する教育支援の在り方──NPOの媒介的機能に関する考察(千葉美千子、
パイチャゼ・スヴェトラナ、杉山晋平)
第7章 多文化組織におけるコミュニケーションと日本人リーダー(石黒武人)
第8章 海外駐在日本人社会と新型インフルエンザ──新型インフルエンザ集団感染下における噂(清水・ベーテ
恵)
第9章 「韓流」再考──韓流ドラマの感情移入的視聴による偏見逓減効果の検証をもとに(長谷川典子)
第10章 中国社会のマスメディアと日本のイメージ──現実との「ズレ」はどのようにして生じるのか(花澤聖子)
第11章 中国の“法から身を守る文化”によって醸成された言動・行動様式(三潴正道)
終章
多文化関係研究・教育を学術的分野に発展させるための潜在的課題(石井敏)
あとがき
-9-
地区研究会報告
■北海道・東北地区研究会
日時:2010 年 8 月6日(土) 14:00~17:00
会場:北星学園大学 第一会議室
テーマ:
「異文化接触再考:ミクロとマクロの視点から」
北海道東北地区研究会では、2011 年8月 6 日(土)、「異文化接触再考:ミクロとマクロの視
点から」というテーマのもと、2名の先生方による発表とフロアも含めた討議が行われた。
まず、最初の話題提供者である、青森公立大学の山本志都氏は、「異文化接触における相互作
用を学習体験化するコミュニケーションを考える」というタイトルで発表された。同氏は、まず、
異文化間能力についての研究においては、必要な知識や能力がいかに学習されるかという学習過
程そのものを概念化するような研究は比較的軽視されてきたという問題点を指摘された。また、
現在まで支配的となっている、
「何がどのように学習されるか」といった細分化による分析法か
ら脱し、「異文化接触が学習過程そのものである」という統合的視座から研究を進める重要性を
論じられた。さらに、自身が外国人国際交流員(CIR)と共に働く人々を対象として行った研究
例をもとに、
「配慮型アサーション」
「情報更新による調整」
「異文化情報の収集」
「自文化情報の
発信」「初心者フォロー」
「非公式的な場の活用」
「親密化」などが異文化間の学習を促進する方
略として使われていたことを明らかにした上で、最後に、異文化接触の体験を学習機会として最
大限活用することができるようなコミュニケーションの探求をさらに進めていく重要性につい
て指摘された。
発表を通して、まず実際の異文化接触を「学習機会」として捉える視点は大変興味深いものだ
と感じられた。多文化化が進む日本社会においては、このような視点から進められる研究に対す
る必要性は益々高くなることが予想されよう。今後、本研究から導き出された各方略と外国人の
視点からの異文化能力との関連性の探求など、異文化間能力の解明につながる研究の進展の必要
性を強く感じた次第である。
2 人目の話題提供者である、兵庫県立大学の松田陽子氏は、「オーストラリアにおける多文化
主義政策の課題と可能性」について発表された。発表ではまず、多文化・多言語社会オーストラ
リアの現状と、
「多文化主義」政策の概説から始まり、その後白豪主義から多文化主義への政策
転換に関しては、その理念や、背後に潜むさまざまな国内外の要因に対する分析などを交えなが
らわかりやすく解説された。また、その変容に関しては、市民社会からのボトムアップ及び、政
府のトップダウンの力、国内の社会・経済・文化的要因、国際環境要因の各観点から詳細に考察
された。さらに、現時点では、多文化主義の柱である「多文化の尊重、社会的公正、経済的効率
性」の三つの観点をめぐりさまざまな葛藤や批判があり、それらの課題に対する解決策の摸索が
続いていることを指摘された。最後に、これらの議論を踏まえ、多文化共生社会に向けて日本が
直面している課題について議論された。
オーストラリアの多文化主義についての背景知識が薄い筆者のような人間にも大変わかりや
すい発表であった。1 時間という短時間で複雑な問題の全容が把握できたような錯覚に陥るほど
- 10 -
明快に解説して頂き、知的満足を味わうことができた。しかしながら、日本という土壌に多文化
主義は根付くのだろうかと考えた瞬間、あまりに大きな問題に暗澹とした気分にならざるを得な
かった。今後、多文化関係の研究者に求められているのは個々人の方法で実際の社会に関わり、
行動し、意見するという積極的な姿勢ではないのかと強く感じさせられた。
当日は、こじんまりとした和やかな雰囲気の中、二名の話題提供者を迎え、参加者を交えて活
発な質疑応答及び意見交換を行うことができた。遠路はるばるお越しくださった松田先生と山本
先生はじめ、熱心な参加者の皆さんのおかげで、研究会らしい非常に濃密なそして充実した数時
間を過ごせたことは幸いである。ここに、発表者のお二人の先生方及び参加者の皆さんに感謝申
し上げたい。
報告者:長谷川典子(北星学園大学)
■関東地区研究会
日時:2010 年 7 月 18 日(月・祝)13:30~18:00
会場:立教大学
第一セッション 「多文化の視点からみる東北大震災と今後の課題」
(年次大会企画 震災ワーキンググループ
「被災地の声―みえてくる多文化社会の課題と挑戦―」のプレセッション)
9 月の年次大会で開催する震災関連ワークショップ「被災地の声―みえてくる多文化社会の課
題と挑戦」のプレセッション。まず被災地でのボランティア活動の経験を紹介し、続いてワーキ
ンググループで収集した情報を提供した上で、参加者による意見交換を行った。(大震災関連
JSMR ワーキンググループ特集の記事もご参照ください。)
This is a preconference session for the Tohoku Earthquake Workshop in the Annual Conference of
JSMR held in September. The session starts with a volunteer’s report by Mr. Saneyuki Maekawa,
followed by discussion among participants. Some information from Working Group members will be
shared as a guide for discussion. (Please see also the feature articles on the JSMR Working Group on
Disasters)
前川仁之氏(立教大学)からの震災現場でのボランティア報告
Saneyuki Maekawa, Rikkyo University、Volunteer’s Report from the Devastated Site
渋谷百代(埼玉大学)Momoyo Shibuya, Saitama University ,The Tohoku Earthquake and Issues around
Migration
災害の復興にどう関わるか、その答えは人により様々だ。が、何か自分ができることで直接支
援したい、と思いを行動に移すボランティアは、日本でも着実に増えている。ボランティア活動
は阪神淡路大震災をきっかけに定着した感があるが、今回の東日本大震災でもこれまでに蓄積さ
れたノウハウを生かしながら、復興への力になってきた。 第1セッションは、そんなボランテ
ィア活動を宮城県で行った前川氏の体験談から始まった。前川氏は、撮影した写真で塩竈や多賀
城の被災状況を紹介しつつ、自らのボランティア活動について説明。ボランティアのニーズが掘
り起こされていないところに、個人で声をかけながら情報収集して活動する中で、野球のグロー
ブを学校から譲り受け被災者の子供達に届けた経験などを披露した。と同時に、(「被災地」
「準
- 11 -
被災地」など)被災地間にある意味の序列ができてしまっている現状に対する危機感も伝えられ
た。 続くディスカッションでは、参加者がそれぞれの視点から活発に意見交換を行った。特に、
記録・実態の把握の重要性やその一手法としてのオーラルヒストリー収集、風評・無理解・偏見
等による差別問題やそれを改善するために何をどう伝えて行くべきかを検討する必要性、また、
具体的支援への関わり方や研究者の役割についても議論された。被災地に押し掛け被災者に負担
を強いる研究者の是非はあるが、やはり真摯に問題に向き合い、関わる、という姿勢が大切だろ
うということも確認された。 東日本大震災に対し多文化関係学会としてどう関わるのか考える
ことを課題として共有したいとディスカッションの場を今回の研究会に設けていただいたが、そ
の結果、いくつかの研究上の焦点も見え始めてきた。年次大会でのワークショップで更なる具体
的な展開を期待したい。
報告者:渋谷百代(埼玉大学経済学部)
第二セッション 「朝鮮半島への多視点的アプローチ」
話題提供者(1)
マーク・E・カプリオ氏(立教大学)(Mark E. Caprio, Rikkyo University)
「複合的視点から見た朝鮮半島問題」“Viewing Korean Peninsula Issues through Multiple Lenses”
拉致問題、日本近海へのミサイル発射、核兵器開発など、北朝鮮は日本の安全保障及び東アジ
アの安定を脅かす存在となっている。マスメディアに登場する北朝鮮は、
「サングラスをかけた
金正日」、
「大規模な軍事パレード」
、
「マスゲーム」と紋切り型であり、なかなかその実情に迫る
ことは難しい。必然的に、北朝鮮問題も手詰まり感が漂ってくる。
カプリオ氏は、北朝鮮問題をこのような画一的な見方から考えるのではなく、複合的な視点から
深く広く重層的に『理解』することで、問題解決のオプションが増えてくると提言している。複
合的な視点とは、
「絶対的」と「相対的」、
「結果」と「歴史・過程」、
「短期的」と「長期的」、そ
して「ローカル」と「グローバル」など異なる二軸の組み合わせのことを指している。
一例として「絶対的」と「相対的」を取り上げると、北朝鮮の国民総生産(GDP)に占める国
防費は約 25%であり、日本は 1%となっているが、これを絶対額で比較すると北朝鮮が年間 100
億ドルに対して日本は 430 億ドルとなっている。また、「結果」と「歴史・経緯」については、
2010 年 11 月 23 日に発生した延坪島事件を取り上げ、日米のマスコミが延坪島の位置関係(付
近は南北双方が未だに領有権を主張している)や、事件に先立って付近で米韓の合同演習が行わ
れていたことについては説明していないことが指摘された。
以上のように複合的な視点から北朝鮮問題を分析することで、問題を『理解』し、解決策に到
ることが出来るというのが、カプリオ氏の説明の趣旨である。
私は、職業柄、外国政府の官僚と交渉することがあるが、問題が起きると、ついついその問題
を解決するための交渉を如何にまとめるかに集中してしまう。今回の話は、相手側の論理を理解
することの重要性はもちろんではあるが、それ以外に時間軸、空間軸、比較するモノサシをそれ
ぞれ違った値から見ることの重要性を説いたもので、問題分析・問題解決の有益なヒントであっ
た。
話題提供者(2) イ・ヒャンジン氏
報告:舘山丈太郎(独立行政法人国際協力機構)
(立教大学)( Lee Hyangjin, Rikkyo University)
「日本における韓国大衆文化と在日」
“The Korean Wave and Re/presentation of Koreans in Japanese Popular Culture”
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2003 年頃から「韓流ブーム」が始まったが、日本における韓国大衆文化の受容は、現在では、
もはや「ブーム」などではなくなり、定着化の一路を辿っているように見える。『冬のソナタ』
のペ・ヨンジュンに始まり、東方神起や KARA に至っては、小学生の間でも人気が高い。本発
表において、李氏は、日本人を対象に行なったアンケート調査やインタビュー調査を基に、韓国
の大衆文化が日本でどのように受容されたか、そして、そのことによって、日韓の文化への認識
がどのような変容を遂げてきたのか、に関して、主に議論を展開された。
特に興味深く思われたのは、韓流ブームの成立の背景に、社会的にマージナルな存在とされて
きた中年女性の現実があったという点である。男性にはポルノ、子供にはアニメ等の娯楽ジャン
ルがあるが、中年の女性向けには娯楽ジャンルが存在していなかった。その隙間を埋めたのが韓
流ドラマだったということである。家庭のためだけに生きてきたような多くの中年女性にとって、
韓流は一気に情熱を注ぐ対象となった。
現在では、韓流は中年女性から若者へと広がりを見せ、日本人の日常の一部となっていると言
っても過言ではない。そのような状況下、20 代以下の若者・子供達の韓国観は、これまでの世
代とは異なっているという。韓国でも、民主化をリードした 60 年代生まれの人々と違い、今の
20 代の若者には、日本に対するコンプレックスがない。現在、若者たちは、その善し悪しは別
として、歴史にとらわれない、新たな道を歩み始めているということであろう。
最後に、大衆文化が、その枠内にとどまらず、広く社会へ波及していく可能性にも触れられた。
鉱山での朝鮮人の強制労働の痕跡を残す、京都の丹波マンガン記念館の再建に際し、韓国のユン
ドヒョンバンドが歌った映像の中に、
「過去の中に明日がある。痛みの中に希望がある」という
印象的な歌詞があった。大衆文化の社会への影響は決して小さいものではなく、日韓関係におい
て重要な役割を担い得るものであることが示されている一例と言えよう。楽しい雰囲気の中、映
画や歌の映像を実際に見ながら、貴重なお話を聞かせていただけたことに感謝申し上げたい。
報告:瀬端
睦
(立教大学大学院)
■中部・関西地区研究会報告
日時:7 月 17 日(日) 14:00~17:00
会場:龍谷大学 大阪梅田キャンパス
テーマ:「日本社会と朝鮮学校:言語、文化継承の視点から」
話題提供者(1): 田中宏(自由人権協会代表理事)
タイトル: 「高校無償化の朝鮮学校除外に見える日本の多文化共生」
Japan's Multicultural Existence seen in the
Ethnic High
Exclusion
of
Korean
Schools from the Planned School Tuition-free Program
最初の講演は一橋大学名誉教授である田中宏先生によって「朝鮮学校の高等学校授業料無
償除外」について講演された。先生は長年、在日韓国・朝鮮人にめぐる様々な課題について
運動してきた方である。その運動は現在に至り、朝鮮学校の高校無償化の朝鮮学校排除に反
対の意を唱えてられている。田中先生は、朝鮮学校の歴史を分かりやすく説明され、全国で
必ずしも一貫した処遇を朝鮮学校に与えなかったことがわかった。東京都等、公立の朝鮮学
校もあった時代もありながら、別の地域では同胞が自ら設置運営してきたケースもあった。
1968 年からは、朝鮮学校は全て各種学校と認可されているので、無償制度外はあり得ないこ
- 13 -
とを理由にあげ、民主党政権が打ち出した高等学校無償制度から朝鮮学校が除外された場合、
それは差別であると強く主張された。
現場の視点がさらに田中先生の主張を支援した。第 2 の
講演で柳美佐先生が説明した朝鮮学校が実施する 2 言語
使用における一貫教育は、日本社会にとって
重要な模範である。小学校・中学校の一貫制や、英語
の早期導入等の課題を持つ日本の公立学校を考えますと、
朝鮮学校を制度除外するのは、掲げられた教育目標を否定
しているように見える
(詳しい報告と考察は、学会ホームページを参照ください
http://www.js-mr.org/about/about03.html)。
報告者:John E. Ingulsrud 殷約翰(明星大学)
話題提供者(2): 柳美佐
(京都大学大学院 人間・環境学研究科
博士後期課程院生)
タイトル: 「在日朝鮮学校児童の継承語習得過程-初級部 3 年生の二言語作文から見えてくる
もの(中間報告)-」
Heritage Language Acquisition Process of the Korean Ethnic Schools’ Students-An
exploratory Research on the Elementary School Students’ Compositions in Korean
and Japanese (progress report)柳美佐氏の発表の直前に話題提供をおこなった田中宏氏がいみじく
も指摘されたように、日本の研究者の多くは、海外の研究動向を追う
ことには熱心であっても、日本国内のローカルな問題については必ず
しも十分に関心を寄せてこなかった。その意味では、
「バイリンガル教
育」や「イマ―ジョン教育」に関する研究についても同様のことが見
られ、中華学校や韓国・朝鮮学校に関わる研究は、これまで十分に行
われてきたとは言えない。
柳氏が本話題提供において発表された在日朝鮮学校児童の継承語
習得過程に関わる研究は、日本国内の最大のイマ―ジョン教育機関で
ある朝鮮学校を真正面から取り上げたこれまでにない研究で、大変興
味深いものであった。
具体的には、8 か月(2008 年 4 月から 11 月にかけて)にわたる小学校 1 年生クラスでの参
与観察に基づき、朝鮮語イマ―ジョン教育に関わる豊富な事象報告に加えて、継承語教育として
の朝鮮語教育が持つ民族アイデンティティとの関わり、朝鮮大学校を頂点とする朝鮮学校がシス
テムとして新たな朝鮮語イマ―ジョン教育の指導者を養成する機関ともなっている点など、これ
まで取り上げられることのなかった多くの情報を提供する示唆に富む発表であった。
今回の発表は「中間報告」という形でおこなわれたので、引き続き多くの成果が期待される
ことから、今後の研究の進展にも注目していきたい。
報告者:守﨑誠一(神戸市外国語大学)
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■中国・四国地区研究会
日時:2011 年 11 月 6 日(日)10:00am-12:00pm
会場:岡山大学・文化科学系総合研究棟・総合演習室2
テーマ:
「在日コリアン研究における心理学的な視点の可能性を探る-二文化への態度を読
み解く-」Investigating Possibility of Psychological Viewpoint for Study of Korean with
Permanent Residence in Japan: Understanding their Attitudes to Two Cultures
就実大学人文科学部・韓国語非常勤講師で、岡山大学社会文化科学研究科博士課程に在籍され
る、李正姫(イジョンヒ)
(Lee Jung Hui)
)さんに話題提供をお願いしました。韓国出身で、現
在日本において韓国語教育に携わりながら、大学院博士課程に在籍して研究活動を行っています。
韓国では日本語教育に携わり、日本語と韓国語の両語学の長い教育キャリアを持っておられます。
日本においては時に通訳として活動し、両国をつなぐ社会貢献の担い手としてご活躍中です。現
在の研究的な関心は、在日コリアンにおける二文化への態度を心理学的に読み解いていくことで
す。
李正姫さんに、在日コリアンに関する、心理学的な研究視点の持つ可能性についてお話しいた
だきました。従来、社会や教育などの分野では盛んに取り上げられてきた在日コリアンですが、
心理学的な研究は極めて乏しい現状にあります。在日コリアンでは、二つの文化をどう個人の中
で位置づけ、自らをどう称していくのか、それぞれの文化との接し方とメンタルヘルスとの関連
はどのようになっているのか。また二文化の統合の概念や自由人の概念は、在日コリアンではど
のように解釈されていくのか。彼らの日本滞在を巡る複雑な心理については、関連領域からの示
唆は得られていても、精緻な心理学的な研究はあまり蓄積がありません。他国の移民などの異文
化滞在者研究に比して、未だに心理学的な解明が乏しく、研究は手探りといえます。探索的な研
究の成果と、見いだしつつある研究のパラダイムについて紹介していただき、研究の展望を話し
合いました。
報告者:田中共子(岡山大学社会文化科学研究科)
2011 年度
第2回
多文化関係学会理事会
議事録(抄録)
場所:青山学院大学 総研ビル10階18会議室
時間:2011年9月16日(金)18時~21時
出席者(敬称略)
: 松田 、イングルスルード、李、松永、赤崎、浅井、田中、 大谷 、抱井、
高浜(書記)
、カン、西原、渋谷
欠席者(敬称略)
:小坂、舛谷、久保田、中川、手塚、清
【報告事頄】
1)2011 年度第1回議事録確認
2)2011 年度委員の確認
3)2011 年度総会資料の確認
4)2011 年度年次大会(十周年記念大会)実施経過報告
5)事務局・財務委員会より報告
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事務局の抱井理事から、収支に関して「2011年度予算書(案)
」が配布され、今年度から学協会
サポートセンターに会員管理(学会費の請求)を任せていることが説明された。
6)学会誌編集委員会より経過報告
7)ニューズレターについて
8)2012 年度大会(関西学院大学)日程について
次年度大会委員長の中川理事から要望があったため、来年 10/20-21 に関西学院大学において
開催予定とすることが報告された。
(諸事情により、変更の可能性もある。)
9)各地区研究会の活動報告
①松永理事から九州地区について 2010 年度は2回、2011 年度は1回開催、②関東地区につい
ては浅井理事より昨年度は震災の影響で1回のみの開催であったこと、③中四国については
田中理事より昨年度1回、今年度は 11 月に1回、④関西中部地区は李理事から、昨年度2回、
今年度1回⑤北海道・東北地区については昨年度1回、今年度1回、開催されたことが、そ
れぞれ報告された。
10)十周年記念図書出版について
十周年記念図書「多文化社会日本の課題—多文化関係学からのアプローチ」
(2400 円)が明石
書店より刊行され、年次大会でも販売されることが報告された。
11)日本における人種差別に対する学会の対応
【審議事頄】
1)2010 年度決算報告
清理事欠席のためその代理として今年度の財務委員長の渋谷理事より、「2010 年度収支決算
書」に基づいて各頄目と全体の決算状況について説明がなされ、審議の結果承認された。
2)2011 年度予算案
2011 年度の予算案について、配布資料2種類をもとに、内容が説明された。
3)ウェッブ更新について
4)ニューズレターの電子化案について
5)選挙管理委員会委員選出
時間の制約のため、次回の理事会(3月)に審議することになった。
6)顧問の推薦について
相談役としての顧問は、会長が従来推薦してきたが、その役割について明確化することの必要
性が提言された。
7)理事・監事の任期について(前回からの継続審議)
理事の任期が2年というのは短いのではないかという意見があることに関して、次回の理事会
で審議することになった。
8)特任理事(海外理事)の学会費について(継続審議)
特任理事・ヒダシ先生について免除の是非について協議された結果、今年度の支払いについて
は業務委託費との相殺ということで免除することで了承された。
9)2011 年度活動予定、海外シンポジウム等について
資料「2010 年度多文化関係学会活動報告・2011 年度多文化関係学会活動予定」が配布された。
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10)大会での石井米雄奨励賞に関する手項等について
次回の検討課題とする。
11)2013 年度大会開催校について
2013 年度の大会について検討。立教大学(新座キャンパス)での開催について、立教大学の
舛谷監事に内諾を得た。
12)次回理事会日程について
次回の理事会日程については、2012 年3月初旪ごろの予定である。
2012 年度 委員一覧
委員会委員(委員長・事務局長は◎、副委員長は○を付しています)
事務局:◎抱井尚子(青山学院大学)
財務委員会:◎渋谷百代(埼玉大学)
、○清ルミ (常葉学園大学),
企画委員会: ◎手塚千鶴子(慶応義塾大学)
、渋谷百代(埼玉大学)
ニュースレター委員会: ◎大谷みどり (島根大学)
、 古谷真希(九州大学)
、落合知子(兵庫県立大学)
学会誌編集委員会:◎小坂貴志(神田外語大学)、○Cang, Voltaire Garces(倫理研究所)
、山本志都(青森公立
大学)
、 海谷千波(東京都立小岩高等学校)
Web 管理委員会:◎久保田真弓 (関西大学)(8 月まで)/赤崎美砂(淑徳大学)
(9 月~)
、田中共子
(岡山大学)
、今野貴之(関西大学院生)
広報委員会:◎田中共子(岡山大学)
、赤崎美砂(淑徳大学)
HP 英語化プロジェクト委員会:◎Ingulsrud, John E.(明星大学)
、Cang, Voltaire Garces(倫理研究所)
北海道・東北地区研究会:◎伊藤明美(藤女子大学)、長谷川典子 (北星学園大学)、
御手洗昭治 (札幌大学)
、千葉美千子(北海道大学院生)
、朴任哲(北海道大学院生)
関東地区研究会:◎浅井亜紀子 (桜美林大学)
、○ 赤崎美砂(淑徳大学)
、
久米昭元 (立教大学)
、 坂井二郎 (立教大学)
、手塚千鶴子 (慶應義塾大学)
、
横溝環(青山学院女子短期大学)
関西・中部地区研究会:◎中川慎二(関西学院大学)、李洙任(龍谷大学)、小松照幸
(名古屋学院大学)
、 宮本節子(兵庫県立大学)
、松田陽子(兵庫県立大学)
中国・四国地区研究会:◎田中共子 (岡山大学), 畠中香織(岡山大学大学院生)
九州地区研究会:◎松永典子 (九州大学)
、藤美帆(九州大学)
文書管理委員会:◎高濱愛(一橋大学)
十周年記念出版委員会:久米昭元(立教大学)、松田陽子(兵庫県立大学)
、抱井尚子(青山学院大学)
、
三潴正道(麗澤大学)
選挙管理委員会:
(未定)
学会の更なる発展を願って
前会長
久米昭元(立教大学)
2011 年 3 月 12 日に予定されていた理事会が東日本大震災のため延期となり、ようやく 5 月 7
日の理事会開催をもって私にはいささか荷が重すぎた会長(2007 年度~2010 年度)の職責から
解放された。既に前号のニュースレターに松田陽子新会長から力強いメッセージが寄せられてい
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るので、特に私から言うべきことはないのだが、NL 委員長から辞任に当たり一筆をと依頼を受
けたので、この機会に、ごく簡単に学会の 4 年間の活動を振り返り、今後学会で活躍される会員
諸氏への期待を述べてみたい。
思い起こせば 4 年前の学会長就任時、自分のような要領の悪い人間が学会のためにできること
は何かあるのかと考えてみたが、そこで出た答えは、自分が何かを率先して行うというより、理
事をはじめ会員の皆さんの能力に頼り、その能力を存分に発揮していただく素地を作ることでは
ないかということだった。振り返ってみると、その当初の決意を忠実に守りぬいた 4 年間だった
ように思う。学会運営に当たっては常に多種類の業務が派生しており、多くの皆さんに実に様々
な形で助けていただいた。具体的には、第 6 回から第9回までの年次大会およびプレカンファラ
ンス・ワークショップの開催、学会誌『多文化関係学』第 4 号から 7 号(特集号)の発行、年 2
回の全国各地での地区研究会の開催、ニュースレター第 11 号から 18 号の発行、ハンガリーでの
初の海外シンポジウム参加、設立 10 周年記念プロジェクト、会員諸氏への新しい通信方法とし
ての WEB システムの構築、ハワイ・East-West Center での共同フォーラムへの参加とアジア学会
でのパネルセッションへの参加などの業務・行事があり、それらに全て膨大な事務作業が派生し
ていた。これらの行事の遂行は、使命感に支えられ、ボランティア精神をフルに発揮した理事を
はじめ、会員諸氏の寝食を忘れるほどの大奮闘の賜物である。ここにお礼を申し上げる。
2007 年度からの年次大会のテーマを振り返ると、
「ミクロとマクロからグローバル社会を考え
る」(兵庫県立大学)
「持続可能な関係の構築に向けて」(明星大学)「対話の創造と深化」
(関西
大学)
「生活文化のグローカリゼーション」
(常葉学園大学)と続いているが、全てのテーマがグ
ローバル化の真っ只中にある今日の日本社会とそこで生きる人々の直面している課題に密接に
繋がっており、多文化関係学とその研究の発展には社会的な意義が存在していることが理解でき
よう。しかしながら、現時点で日本を始め、世界中の多文化社会では、解決困難な諸課題が立ち
はだかっており、その意味で多文化関係学の可能性も無限である。狭い研究室から広い社会に飛
び出し、課題の解決に果敢に立ち向かう研究者が当学会から数多く輩出されることを強く望んで
いる。
もちろん、新しい学問、研究領域の構築や、社会問題の解決に向かうことだけが、学会の目的
とはいえない。例えば、渡辺文夫氏がシンポジウムで語られたように「学会は公園である」とも
いえよう。多種多様な教育研究背景をもった人々が公園に出かけ、楽しく(?)語り合うことが
できる場が学会だとすると、その点でも当学会は大きな期待が持てそうだ。今や情報技術の急速
な進展のおかげで、必要な情報も簡単に得ることができるが、個人的には直接の対話を通して研
究者・教育者・実践家が交流することに大きな意義があると考えている。当学会が、単なる学問
のための学問の追究にとどまることなく、知的交流の成果を共有し、教育や社会に向けた実践(端
的にいえば、世界の人々の共生および平和)に繋がる「基地」になってほしい。会員諸氏の学会
活動への積極的な参加と次の 10 年に向けた学会のさらなる発展を祈っている。
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地区研究会のご案内
★ 中部・関西地区研究会★
【日時】2012 年 3 月 22 日(木)12 時半~19 時半
【場所】名古屋学院大学・白鳥学舎(名古屋市熱田区西町)6階607会議室
(会場への道項は、名古屋学院大学ホームページでご確認ください)
【参加費】無料。夕食 2000 円。
【プログラム】
(1)「多文化関係学界10年の歩み:研究動向について」発題、小松 照幸
(2)
「民族排外主義の台頭に対する学会の責務」発題、李洙任
(3)
「議題無しの楽しい自由討議、ホラロジー+食事会」 参加者全員
【連絡先】 小松照幸(E メール)[email protected], 事前予約歓迎!当日参加もOK!
★ 関東地区研究会★
【日時】2012 年 3 月 25 日(日) March 25 (Sun)
【場所】立教大学太刀川会館 1 階第 1 会議室 午後 3 時半~6 時半
(Rikkyo University Tachikawa Kaikan, 1F, Room 1, 15:30~18:30)
http://www.rikkyo.ac.jp/access/ikebukuro/campusmap/
3:30~4:50
第一話題提供者 角和昌浩氏「エネルギー問題への入口」
(Dr. Kakuwa’s presentation on
“Introduction to Energy Issues”)
5:10~6:30 第二話題提供者 関口礼子氏「カナダにおける多文化主義とその後の変化」
(Dr. Sekiguchi’s presentation on“Multiculturalism in Canada and Its Recent Change”)
7:00~8:45 懇親会(そば処
中村) (get-together meeting over dinner))
【参加費】無料
研究会終了後、懇親会を予定しております(7 時 00 分-8 時 45 分、2500 円)
【申込方法】下記の申し込み要領に従って、担当者
浅井亜紀子 [email protected] までご連
絡ください。タイトルに「関東地区研究会申し込み」と記入してください。
氏名/所属/メールアドレス/申し込み内容と、 次の3つのうち1つを選んでください
(① 研究会・懇親会に参加します;②研究会のみに参加します;③懇親会のみに参加します)
懇親会に参加される方は、3 月 16 日(金)までに申し込みをお願いします。
話題提供者 1 (日本語、質疑応答は英語も可能)
角和昌浩氏(昭和シェル石油㈱、東京大学公共政策大学院特任教授)(Masahiro Kakuwa, Showa
Shell Sekiyu K.K,, Project Professor of University of Tokyo Graduate School)
発表テーマ:「エネルギー問題への入口」“Introduction to Energy Issues”
【概要】Outline
エネルギー供給・消費システムは全ての社会をささえる物質的・経済的な基礎。このシステ
ムのありようを身近なものとして紹介するため、2つの話題を選んだ。
第一は、日本の東日本大震災によるシステムの混乱と復旧、そして見えてきた課題について。
日本は、このシステムを大きく変更しようとしているが、将来の設計プランには多様なアプロ
ーチがある。
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第二は、中東湾岸地域のエネルギー資源問題。エネルギー資源は石油・天然ガスにしても、再
生エネルギーたる太陽光にしても国境や宗教圏などの区分境界に囚われることなく賦存する。自
然物たるエネルギー資源は、人間の(生産)行為を介してエネルギー供給・消費システムに取り
込まれる。
Energy system, consisting of supply and demand system, offers the material and economic base to
human society. Presenter will introduce the framework and characteristics of the system, and has chosen
two stories.
The first story covers the collapse and resumption of the system when the great earthquake and
tsunami hit East Japan. Current debate nationwide suggests that we can employ several, equally plausible
approaches for the future shapes of energy system.
The second story is about the energy resources in Arabian Gulf countries. Here, oil and gas, and solar
power are abundant as ever however; the natural resources spread across political, cultural and religious
borders. These resources come into the human world when processed by human hands.
【プロフィール】Profile
角和
昌浩 (かくわ まさひろ)Masahiro Kakuwa
講演者は石油・エネルギー企業の給与生活者だが、大学の非常勤講師の場で息抜きをしている。
石油・エネルギー問題およびシナリオプランニングに専門性を有する。趣味はやきものとロンド
ン。参加される皆さまにはエネルギー供給・消費システムについて基礎的な理解を得ていただき
たい。人間の社会活動と関係付けながら語ろう。
The presenter is Chief Economist in an energy company, lecturing at several universities. Area of
specialty is oil and energy issues and scenario planning. Also he loves to talk about pottery and London.
話題提供者 2 (日本語、質疑応答は英語も可能)
関口礼子氏 ( Reiko Sekiguchi) (大妻女子大学を経て「日本の社会研究所」開催)
(Established,the Japanese Society Research Institute after Otsuma University)
発表テーマ:「カナダにおける多文化主義とその後の変化」
“Multiculturalism in Canada and Changes after That”
【概要】Outline
「多文化主義」というとき、価値観の問題を大きく含むと考える。多文化状況は、いつの時代
にもどこの世界にも、多かれ尐なかれ存在していた。①それを見ないようにするか、②それとも
現実として認め対処するか、③それとも、それに積極的価値をおくか、ということによって社会
のあり方は異なってくる。
筆者がカナダ研究を始めたころのカナダの状況は③の状況であった。ドイツにも多文化状況は
存在していた。しかし、①の状況に耐えきれなくなって、②にまもなく移行しようとしていた時
期であった。しかし、その後、カナダの状況も大きく変容している。その後の変化、特に最近の
状況を学校の中の様子を例にして話題にしたい。
When one talk about “multiculturalism”, I think it should contain the matter of value. Multicultural
situation exists and has existed to some extent everywhere and every period. There are three ways of
dealing with this reality: ①Try not to look at it, ②to recognize the reality and cope with it, or ③to put a
- 20 -
value on the situation. When I switched from the research of Germany to the research of Canada, there
was a situation of multicultural reality also in Germany, however, they could hardly become longer to
cope with the way of ①, and soon after change into the situation of ②, while in Canada they were
taking definitely the way of ③.However, the situation has changed even in Canada. I want to talk, from
the recent observation of school classrooms, about how the multicultural situation is dealt with recently.
【プロフィール】Profile
関口礼子 Reiko Sekiguchi
聖徳学園岐阜教育大学、図書館情報大学、大妻女子大学勤務を経て、現在、日本の社会研究所
主催。ドイツに 3 年、カナダに計約 3 年在住。教育の問題を中心におきながら、巾広く社会を
眺める。
Established The Japanese Society Research Institute, after working for Gifu College of
Education, The University of Library and Information Science, and Otsuma University.
Stayed in Germany for three years, and in Canada for about three years.
【懇親会】 7 時 00 分~8 時 45 分 (そば処
中村、2800 円程度)
豊島区西池袋 3-32-7 電話 03-3985-6989
★ 九州地区研究会★
【テーマ】外国人「生活者」のための日本語教育と多文化理解教育の現状と課題
―福岡の実践から見えてくること―
【日時】2012 年 2 月 27 日(月)午後 2 時~5 時
【場所】九州大学伊都キャンパス比文・言文教育研究棟第8ゼミ室
http://scs.kyushu-u.ac.jp/modules/pico/index.php?content_id=36
【参加費】無料。研究会後に懇親会を予定しています。懇親会費¥2,000 程度。
【申込方法】担当者松永典子 [email protected] までご連絡ください。氏名、所属、メー
ルアドレスを記入のうえ、タイトルに「九州地区研究会申し込み」と記入してください。
【申し込み期日】2 月 25 日(土)
。懇親会参加の有無に関してもお知らせください。
1)「地域「生活者」と大学をつなぐ-外国人留学生の家族への日本語教育を通して-」
:新井克之氏、季江静氏、緒方尚美氏、李秀珍氏、永嶋洋一氏(九州大学大学院比較社会文化
学府院生「留学生の家族のための日本語教室」実践チーム)
・松永典子(九州大学大学院比
較社会文化研究院)
【概要】九州大学の伊都キャンパス移転以降、周辺地域には留学生をはじめ外国人「生活者」が
急増している。地域に散居する「生活者」と大学をつなぐという視点から大学内に開設した日本
語教室には、中国、韓国からの主婦、そして日本語学習の機会の無い韓国人研究者が集まってき
た。主婦の中には地域の日本語教室に通いつつ、当教室に通ってきている者もいた。大学におけ
る日本語教室は「生活者」にとって、いったいどのような意味を持ち得たのであろうか。
- 21 -
2)「日本文化塾を通して-学生によるキャンパス国際交流の形-」
:永嶋洋一氏(九州大学大学院比較社会文化学府日本社会文化専攻院生)
【概要】「日本文化塾」は九大の学生が留学生に対し、普段の授業では学ぶことのできない日本文
化を紹介する教室である。これまでの「日本語教室」は、主に外国人学習者に対して地域ボランテ
ィアが日本語を教えることに主眼を置くものであった。
「日本文化塾」は九大の学生が主体となり、
様々な日本文化を紹介することで日本人学生と留学生の相互理解を深めようとするものである。学
生による新しいキャンパス国際交流を考える。
3)「ホームでもアウェイでもないフェアな場所-生活者として暮らすムスリムのための日本語講
座の実践から見えたこと-」
:深江新太郎氏、妹川幸代氏(共に愛和外語学院、平成23年度文化庁委託事業「生活者としての
外国人のための日本語教育事業「ムスリムのためのサバイバル日本語」担当講師)
【概要】日本の地域社会は、日本人のホームだろうか。もし日本で暮らすムスリムの家庭を訪問す
るとしたら、訪問者はミニスカートを控えるべきである。なぜならそこは、肌の露出を嫌うムスリ
ムのホームだからだ。ただ、ムスリムがそのホームを出たら、その地域社会はムスリムにとってア
ウェイとなっている、というのが福岡市の現状である。ムスリムは、福岡市という日本人のホーム
で暮らし、自らの宗教や文化をアウェイの状況で守ろうとしている。今回の講座は、ムスリム自ら
が日本語能力を高めることで、ホームの日本人と対話し、両者が互いを理解しあえるフェアな場所
を獲得できることを目標とした。
●問い合せ先:九州大学大学院比較社会文化研究院
松永 典子
E-mail:[email protected]
TEL: 092-802-5629
新入会員紹介
会員資格
氏名
所属
研究分野
一般
ジョセフ ショールズ
異文化教育研究所
異文化コミュニケーション
一般
深尾 秀一
財団法人大津市国際親善協会
多文化共生 日本語教育 在住外国籍児童教育
学生
横田 葉子
桜美林大学大学院修士課程
中国人の対日イメージ
学生
カンパネル ミケーラ
東京外国語大学大学院博士課程
異文化間コミュニケーション
学生
岡 葉子
東京外国語大学大学院博士課程
日本語教育
学生
申 知元
青山学院大学大学院修士課程
異文化教育、韓国語教育
学生
中野 祥子
兵庫県立大学大学院修士課程
異文化コニュ二ケーション学
一般
石井 英里子
東海大学
教育学 異文化教育 言語教育 教育心理学
一般
新崎 隆子
東京外国語大学大学院
異文化コミュニケーション、通訳
学生
加藤 雄太
青山学院大学大学院修士課程
日本社会のマイノリティ研究
一般
小柳 志津
首都大学東京 国際センター
文化心理学、多文化接触、大学国際化
一般
宇野 万由実
国立国会図書館
異文化教育、文化心理学、メディア心理学
(2011年5月1日~2011年10月31日)
- 22 -
< お 知 ら せ >
事務局より
・
2011 年 12 月に『多文化関係学』第8巻が出版されました。今年度会費が未納の方には発
送されておりませんので、ご注意ください。なお、入金が確認され次第学会誌は送らせ
て頂いております。
・
お陰様で、2011 年 4 月から始まった学協会サポートセンターとの二人三脚による事務局
運営は、円滑に進んでおります。皆さまのご協力に感謝致します。
学会誌について
「多文化関係学」Vol.9 2012 年度版の投稿論文・研究ノートの受付をおこなっています。締め
切りは、2012 年 4 月 30 日です。皆様からのご応募をお待ちしております。詳細は学会 Web で
ご確認ください。
Web 管 理 委 員 会 か ら
■会員専用サイトでの所属・住所等の変更
所属・住所・e-mail アドレスなど登録事頄が変わった方は、多文化関係学会ホームページの学
会員専用サイトにて登録情報を御変更下さい。なお、IDやパスワードがお分かりにならない方
は、赤崎([email protected])宛に御連絡下さい。
■登録情報変更手項
1.多文化関係学会ホームページ(URL: http://www.js-mr.org/)
2.学会員専用サイト(会員番号・パスワードを入力し、ログインボタンを押す)
3.登録情報更新をクリック
4.変更点を修正し、一番下の更新ボタンを押す。
会員新著紹介
●『コミュニケーション研究法』(2011 年 7 月刊行)
抱井尚子・末田清子・田崎勝也・猿橋項子(編著)282 頁
ナカニシヤ出版
コミュニケーションという社会的行為に科学的に切り込む方法を、量的研究、質的研究、そし
てミックス法と幅広いアプローチから具体的な例を挙げてわかりやすく解説する一冊である。研
究法初学者の学部生・院生はもちろんのこと、既にある程度の基礎知識をもって研究実践に取り
組んでいる読者にも役立つよう、様々な工夫がなされている。
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●『多文化交流時代への挑戦』(2011 年 5 月)
御手洗昭治(編著)
・小笠原はるの・ファビオ・ランベッリ著
192 頁
ゆにま書房
本書では、
「文化を支える5つの要素である「文化のペンタグラム」①生息圏、②人間圏、③
経済・商業圏、④人知・精神圏、⑤記号言語圏、
「オバマ大統領のコミュニケーション・スタイ
ル」、
「日本における国際交流の流れとマルチ・カルチャー認識度」
、
「ことば・文化とコミュニケ
ーションの関係」
、
「異文化とのネゴシエーション」、
「グローバル化とその種類」、
「3・11 大震災
と日本復興シナリオ:多文化との交流ネットワーク」、
「多文化としての宗教:サンタクロースの
文化史」等が取り挙げられ分析されている。特に 3.11 以後の日本と世界との多文化交流の在り
方に力点が置かれている。
●『「知の加工学」事始め―受容し、加工し、発信する日本の技法』(2011 年 3 月)
松永典子、施光恒、 吉岡斉編
232 頁
編集工房球
日本が伝統的に他から受容した知をうまく「加工」し、「活用」する能力、すなわち「知の二
次的加工」に秀でている点に着目した。この「知の加工」の観点から、文化、政治、思想、産業、
技術各分野において日本と他のケースを比較することにより、日本の長所や短所、今後の発展・
改善の方向性など個別の課題を明らかにしつつ、他国の同様の課題にも貢献し得る普遍的な視点
を確保することを目的とし、その社会還元を目指している。
●『エイズをめぐる偏見との闘い――世界各地のコミュニケーション政策――』
(2011 年 8 月)
アービンド・シンガル&エベレット・M・ロジャーズ共著/花木亨&花木由子共訳
456 頁
明石書店、
エンターテイメント教育研究の第一人者アービンド・シンガル博士とイノベーション普及理論
の創始者エベレット・M・ロジャーズ博士による共著の日本語版です。アジア、アフリカ、ラテ
ンアメリカを中心とした世界各地におけるHIV・エイズ対策をコミュニケーション研究の視点
から整理、分析した本です。コミュニケーション研究、HIV・エイズ問題、公衆衛生、偏見と
差別、メディア、教育などに関心がおありの方を対象に書かれています。
多文化関係学会特別企画・ハワイプログラムのお知らせ
多文化関係学会企画の、ハワイでの特別プログラムのご案内です。
今年も、3月に、ハワイの East West Center のご協力を得て、下記のフィールドスタディと合同
シンポジウムを含む海外特別プログラムを計画しております。観光都市とは異なるハワイにおけ
る多文化関係について考えると同時に、日本の課題についても共に考える機会としたいと思いま
す。
日時:2012 年 3 月 15-16 日
場所:East West Center (Honolulu)
および、Makaha(ホノルルの西)
集合:現地 (ホノルル、East West Center の予定)
(渡航・宿泊は各自で手配していただきます。)
参加費:250 ドル程度(マカハへの車代、講師への謝礼等。参加者数等により若干変動します。
)
申し込み問い合わせ:松田陽子 < [email protected] > まで
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<プログラム>
3 月 15 日(木)終日:Makaha(ホノルルから西へ車で1時間ほど)でのフィールドスタディ
16 日(金)午前: フィールドスタディについてのディスカッション
ファシリテーター: Scott
Macleod 氏
(East West Center, Senior Education Specialist)
午後: East West Center にて 合同シンポジウム
テーマ”Identifying and Employing Multicultural Resources”
夜:懇親会
「ホノルルの西側にある町のなかで一番北に位置する Makaha を中心に、フィールドトリップを
行い、地域の課題をふまえたうえでハワイ系の子どもたちが社会的弱者にならないよう、どのよ
うに地域と NGO が取り組んでいるのか、現地 NGO 組織を訪問し、マカハ農園など子どもが体
験学習する現場を視察するとともにお話を伺います。
ハワイ系住民が集住している Makaha で、海、山、空気、気候を体感しながら NGO からのお話
を伺い、参加者の皆さんには、各自の視点で観察・体験、考察していただきます。
2日目は、午前中に、前日のフィールドスタディでの見学をもとに、スコット・マクレオー
ド氏にファシリテーターをしていただき、参加者間でのディスカッションを行い、理解を深めま
す。
午後のシンポジウムでは、East West Center の方々と共に、多様な文化を背景とした人々がど
のように社会でエンパワーされるべきか、多文化の出会いがどのようにすればプラスのエネルギ
ーになっていくか、または、なってきたか、という側面から考察する報告とディスカッションを
行います。
ハワイ特別企画プロジェクトチーム
松田陽子(兵庫県立大学)
多文化関係学会後援・国際シンポジウムのお知らせ
多文化関係学会は、国立民族学博物館主催・国際シンポジウム「エイジング-多彩な文化を生
きる (Living in a Community of Resilience: A Comparative Study on the Search for Well-being in
Multicultural Aging Societies)」
(国立民族学博物館 機関研究
成果公開「ケアと育みの人類学」)
を後援いたします。奮ってご参加ください。
≪趣旨≫
高齢化や人々の移動により文化や価値観の多元化が進行する社会で、人々は何を拠り所として
時空間を共有し、文化を伝達していけるのか。機関研究プロジェクト「ケアと育みの人類学」は、
ライフコースにおける諸課題に応えるために紡がれてきた多様な文化に焦点をあてることによ
り、共生の諸要素を明らかにすることが目的である。今回のシンポジウムでは、多文化状況や生
活の激変を経験する高齢者のウェルビーイングを考えることをとおして、多様な文化的価値観・
文化資源の共有に向けた具体的実践について議論し、地域生活者が共生環境を創出する意義と方
途を明示する。
- 25 -
≪日時・場所≫
2012 年 2 月 25 日(土)13:00~17:00 :国立民族学博物館講堂(450 名)
セッション I「文化多元社会における高齢者のウェルビーイング」
講演: Leng Leng Thang(National University of Singapore, Singapore)
“Ageing and the Well-being of Older Persons in Singapore”
Susan Feldman (Monash University, Australia)
“Understanding Ageing Well in Culturally Diverse Australian
Communities:The Case of Older Men Living in Rural Victoria”
Itsuko Kanamoto (St. Andrew’s University, Osaka)
“Active Ageing and Well-being of the Japanese Elderly in Brazil”
Hyunsoo Hong (Tokyo University, Tokyo)
“Terminal Care and Well-being in South Korea”
2012 年 2 月 26 日(日) 9:30~17:00 :国立民族学博物館第 4 セミナー室(80 名)
セッション II 「高齢者のウェルビーイング追求から生活の場の共有へ」
セッション III「災害地における生活変動と高齢者ケアの展開」
≪使用言語≫
日本語・英語 *同時通訳あり
≪プログラム詳細≫ http://www.minpaku.ac.jp/research/fr/20120225-26.html
≪問い合わせ先≫
金本伊津子(桃山学院大学)[email protected]
来年度年次大会のお知らせ
2012 年度年次大会が下記の通り開催されます。奮ってご参加ください。
2012 年 度 年 次 大 会
★10 月 19 日(金)プレカンファレンス・ワークショップ
★10 月 20 日(土)、21 日(日) 第 11 回年次大会
場所: 関西学院大学
大会委員長: 中川慎二
関連学会案内
異文化コミュニケーション学会(SIETAR JAPAN)
2012 年度 異文化教育実践研修会(リトリート)
日程:2012 年 3 月 17 日(土)~18 日(日) 場所:桜美林大学多摩アカデミーヒルズ
第 9 回アジア太平洋コミュニケーション学会(PACA)
日程:2012 年 7 月 3 日(火)~5 日(木)
場所:ソウル Sungkyunkwan University
- 26 -
ニュースレター委員会より
★会員の皆様へ
著作図書案内や関連学会参加記事募集★
ニュースレター(NL)委員会では、次回 21 号(2012 年 6 月発行予定)掲載記事とし
て、会員の著作図書案内、海外シンポジウム参加報告、震災関連や多文化関係学会に関
連した研究、関連学会参加報告記事を募集しております。以下、
(1)
(2)の記事を NL
委員会に送ってくださいますようお願いいたします。
● 募集する記事の内容
(1)学会の趣旨に関連すると思われる著作、訳書などを出された場合
・募集対象とする著作の発行時期:2011 年 4 月から 2012 年 3 月末まで
・書名、著者名、出版社名、出版年、総ページ数と本の内容を 120 字以内で紹介したもの
(2)関連学会もしくは震災関連のシンポジウム・国内外学会に参加された場合
・募集対象とする時期:2011 年 4 月から 2012 年 4 月末まで
●記事の送付期日:2012 年 4 月末日
●記事の送付先:NL 委員会 大谷みどり宛([email protected])
学会員のための学会活動参加の手引き
諸活動についての情報は、すべて学会ホームページ(HP)http://www.js-mr.org/に
掲載されています。
活動の種類と概要
対象
連絡・問い合わせ
1.学会活動全般について知る
会員・非会員 学会広報委員会・Web 管理委員会
[学会の目標、沿革、組織、年次大
([email protected])
会・地区研究会などの情報、学会
誌、ニュースレター、ホームペー
ジ利用法、学会費支払い状況など
の確認]
学会誌編集委員会
2.学会誌へ論文等を投稿する
会員のみ
委員長 小坂貴志([email protected])
3.年次大会に参加する
会員・非会員 1.学会 HP
2.第 11 回年次大会については大会委員会
([email protected])
4.地区研究会に参加する
会員・非会員 北海道・東北:長谷川典子
([email protected])
関東地区は年 2 回、
関東:浅井亜紀子([email protected])
その他の地区は年 1~2 回
中部・関西:中川慎二
([email protected])
四国・中国:田中共子
([email protected])
九州:松永典子([email protected])
11.Web
管理委員長 久保田真弓
5.学会費の支払い状況を確認する 会員のみ
([email protected])
*会員番号とパスワードが必要
2.事務局長 抱井尚子([email protected])
3.学協会サポートセンター
([email protected])
(現在の委員会の任期は 2012 年 3 月末までとなります。
)
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~編集後記~
早いもので東日本大震災から 1 年が過ぎようとしています。その間、行政・地域・
家族・学校と様々なレベルでの支援活動や調査・研究活動が行われてきました。今後も
中長期的な活動が必要な状況が続いています。当学会でも前回ニュースレターの特集
号、震災ワーキング・グループによる全国年次大会での発表など、様々に活動を続け
てきました。これからは「特集」としてではなく「日常的に」大震災に関わる活動を
継続していくことが求められると思います。今後も皆様のご活動とご報告をお待ちし
ております。
尚、本号より NL 委員に新たに落合が加わり、新体制となっています。今後とも学
会のネットワークを強化すべく努力してまいりますので、よろしくご指導、ご協力を
いただけますよう、お願い申し上げます。
( NL 委員会:大谷みどり・古谷真希・落合知子)
- 28 -
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