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先天性内反足
先天性内反足 ☆疾患概念 しょうこつ ◇先天性内反足とは生下時に踵骨(かかとの骨)の内反 せんそく 前足部の内転、足関節の尖足が見られます。 ◇この変形は容易に徒手矯正出来ません。 かたい ◇その他に凹足や下腿の内捻などがみられることもあります。 ☆凹足:土踏まずの部分が高い足 ☆下腿の内捻:下腿が内側にねじれた変形 ☆発生頻度 ◇発症率には人種差があります。日本では出生児の0.04%にみられます。 ◇一卵性双生児では30%、きょうだいで3%にみられます。 ◇罹患側: 両側:右:左=2:1:1 ◇男女差: 男:女=2:1 ☆病因 ◇原因は不明です。 前足部の内転 + 後足部の内反 + 尖足 ◇遺伝の関与と胎生9週頃に起こる何らかの足の 発育障がいが示唆されています。 ☆症状 ◇生下時より踵骨の内反、前足部の内転、足関節の尖足が見られます。 ☆検査、診断 ◇足部の特徴的な変形で診断可能です。 ◇レントゲン写真により変形の評価をします。 ◆左先天性内反足 右 左 右 足先が内側を向いています (前足部の内転) 左 足関節を上に曲げられません (尖足) 岐阜県立希望が丘こども医療福祉センター ☆当園における治療 ◇治療の目標は痛みなく、可動性があり、足の裏で正しく接地でき、 通常の靴が履ける足になることです。 ◇内反足は距骨の周りの骨(踵骨、舟状骨など)が内側に回旋した(roll in)変形と いわれており、この位置異常を矯正していくことが治療となります。 ◇内反足の重症度はそれぞれ異なり治療法も様々です。 当園ではPonseti法に準じて徐々に変形を矯正しながら繰り返し ギプスを巻いていくという方法を行っています。 ☆最初に前足部の内転と踵骨の内反を矯正していきます。 その後尖足を矯正していき、3カ月くらいギプスによる治療を行います。 多くの場合アキレス腱切腱を行います。(アキレス腱は後につながります) その後は装具で治療しています。 ◇十分に矯正できていない部分は1歳以後に手術を行っています。 ◇時に何度も手術が必要な事があります。 ◇手術は軟部組織解離術、腱移行術、骨切り術、関節固定術などを 症状や年齢に応じて行っています。 ☆軟部組織解離術:筋腱を延長し、靭帯や関節包(関節のふくろ)などの 軟部組織を切る手術 ☆腱移行術:関節を動かす腱の付く場所を変えて、関節の動きを変える手術 矯正開始前 前足部の内転、後足部の内反 足部全体が尖足位となっています。 週に1~2回程度ギプスをまいて 矯正します。 前足部の内転変形が矯正されてきてます。 しかし尖足の矯正は不十分なので 多くの場合アキレス腱を切っています。 矯正位を保つためにDenis-Browne装具を つけます ☆Denis-Browne装具:踵部をしっかり把持し、乳幼児が足をよく動かすことで元々あった 内反・内転・尖足変形を矯正します。 岐阜県立希望が丘こども医療福祉センター