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英語の教え方教室 - 大阪女学院大学・大阪女学院短期大学
4. 2014 年度 勉強会 「英語の教え方教室」 報告 報告者 : 中井弘一 第2回勉強会合宿 in 長浜 ・ 第 29 回勉強会 「英語の教え方教室」 報告 2014 (平成 26) 年 5 月 10 日 ( 土) 〜 11 日 ( 日) 「思考力をフル回転し、 的確に要領よく相手に伝える表現力の育成」 第2回 「英語の教え方教室合宿」 in 長浜・第 29 回勉強会を長浜にて行った。 チーム滋賀の幹事 (戸 長浜市内の町並み ー み んな で 話し 合 って み ま せん か 英 語授 業 での ち ょっ と し た工 夫 を ー 「英語の教え方教室合宿」in 長浜 ̶「 英 語 の 教 え 方 教 室 」 は 、 日 頃 の 授 業 の 悩 み や 工 夫 を 話 し 合 う 自 由 参 加 の 勉 強 会 で す ー 田先生、 坂本先生、 中西先生) さんにきめ細かい準備をしていただいていたので、 当日は本当に白熱 2014( 平成 26)年 5 月 10 日(土 )13:00 春暖の候 皆様におかれましては、益々ご健勝のこと とお慶び申し上げます。 さて、昨年に引き続き大阪女学院大学「英語の教え方 教室」の有志のメンバーが、第 2 回「英語の教え方教室 した勉強会になった。 合宿(兼第 29 回勉強会) 」を企画いたしました。2日間 の合宿を通し、今後の英語教育でのスピーチ・プレゼン・ 英語ディベートの指導法を探りながら、中井弘一先生に 11 日(日 )13:00 頃 い、英語教育に携わる者同士の親睦を図ることを目的と しています。翌日はNHK大河ドラマ黒田官兵衛にゆか りのある長浜市内の散策等を企画しています。 ̶論理的に考えるための活動例紹介̶」 14:50 15:00 滋賀県立石山高等学校 戸田 行彦 滋賀県立八幡高等学校 中西 勝弘 滋賀県立伊香高等学校 坂本 美佳 大阪女学院大学 中井 休憩 グループ討論① 弘一教授 ht tp: //w w w .y es - ek im a e.c om / 【2日目】 7:30 朝食 9:00 長浜市内散策(長浜城、黒壁ガラス 館、慶雲館、長浜鉄道スクエア、大通 寺、曳山博物館等) 13:00 (賛成反対に分かれディベート形式で討論) テーマ例 「日本語訳のプリント配布は必要である」 16:20 16:40 「英語の教え方教室」受講者有志幹事 後援:大阪女学院大学教員養成センター T EL .07 4 9- 6 5- 8 08 0 【1日目】 13:00 開会 13:10 基調講演 「ディベート発想の思考力の育成 よるワークショップ、参加者による討論や話題提供を行 差し入れのコーヒーを飲む間もない、 休憩時間を僅かしか取れないほど討論も盛り上がった。 幹事さん ~ ホテル Y e s 長浜駅 前館 (2 号館8 F 会議室 ) 〒 5 26 -0 05 8 滋 賀 県 長 浜 市 南 呉 服 町 9- 3 0 17:45 18:00 記念写真撮影 個人教材・資料交換会 グループ討論② (話題提供・ディスカッション形式で討論) 「みんなで知恵を出し合おう! 授業の悩み」 勉強会閉会 夕食(長浜市内)、歓談等 詳細案内は http://www.wilmina.ac.jp/ojc/edu/ttc/course 長浜駅周辺で昼食後、解散 ■参加費 ①7,880 円 宿泊:single 朝食付き (宿泊参加の方・会場費を含む) ②1,500 円(初日の勉強会参加・会場費) ③夕食は長浜市内のお店で(~4,000 円) ■申込み 参加申込み用紙に必要事項を御記入の上、 幹事(戸田)まで、 メール<[email protected]>で 御連絡ください。 がペットボトルのお茶や木之本名物の 「サラダパン」 を用意していただいた。 おもてなしの行き届いた合宿勉強会でもあった。 今回の勉強会の趣旨は 「思考力をフル回転し、 的確に要領よく相手に伝える表現力の育成」 をテーマとし、 ディベート発想に ついて学ぶと同時に、教員自身が大切なことを相手に端的に分かりやすく伝える訓練の場ともしようということで進めた。 おかげで、 ワークショップや討論では懸命に話しておられる姿は印象的に思えるほど各グループ熱心であった。 二つの討論セッションでそれ ぞれのグループのMCになられた先生がグループで話し合われたことを皆さんにうまく披露され、 充実したグループ討論であった ことが伺えた。 関西の各地から集まっていただいた皆さんが 「参加して良かった」 と思える達成感のある勉強会であったと思う。 今回、 幹事の坂本先生、 戸田先生、 中西先生に合宿勉強会の簡易報告をお願いした。 快く引き受けていただき合宿勉強会の 報告をまとめることができた。 お礼申しあげたい。 教員の多忙感故か、 全国的に研究会への参加人数が年々減少する傾向がある中、 この草の根的な勉強会 ・ 合宿に自費で多 くの方に参集していただいた。 泊を共にし、 2 次会が討論③の場になっていた。 チーム滋賀の先生達と京都駅で構想を練ってから、 幹事の戸田先生を中心に熱心に資料をまとめていただいたので、 参加者 もねらいを明確に理解されて参加されたことが充実した内容になった大きな要因であると思う。 感謝である。 12:30 受付 (学生) 持ち寄り資料の提出 (45 部事前用意) 13:00 開会 滋賀県立守山中学校 戸田 行彦 13:10 基調講演 「ディベート発想の思考力の育成 —論理的に考えるための活動例紹介—」 大阪女学院大学 中井 弘一 14 : 55 記念集合写真撮影 (場所 : スカイホール) 15:00 グループ討論① : ディベートのように賛成反対派に分かれて論点整理 16:20 受付時提出の個人教材 ・ 資料の配付 16:40 グループ討論② 「みんなで知恵を出し合おう!授業の悩み」 17:45 勉強会閉会 滋賀県立伊香高等学校 坂本 美佳 滋賀県立守山中学校 戸田 行彦 18:30 夕食 (長濱浪漫麦酒) 歓談等 ホテル 1 階集合 33 名参加 翌日 長浜散策 ・ 昼食 その後解散 基調講演 中井 弘一 大阪女学院大学 「ディベート発想の思考力の育成 —論理的に考えるための活動例紹介—」 報告 : 滋賀県立伊香高等学校 坂本 美佳 1. はじめに 滋賀県の最北端に位置する長浜に、 滋賀県はもとより、 京都、 大阪、 兵庫、 奈良、 三重、 福井の府県を含む遠方から、 約 40 名の高等学校と中学校の先生方、 大学院生、 大学生が集いました。 まず、 この勉強会を主催してくださった中井先生、 参加 してくださった皆様に感謝申し上げます。私自身、このような勉強会に参加させて頂くことができて誠に光栄であると感じております。 ご都合により、 残念ながら参加できなかった方々に、 少しでも、 今回の勉強会の内容をお伝えすることができたらと思います。 以 下に、 基調講演について簡潔に4点に焦点を絞り、 まとめます。 中井先生の基調講演では、 ① 「なぜ今ディベートを授業に取り 27 入れるべきなのか」という問いかけから始まり、②実際に行われている「高校英語ディベート」についての詳しい説明を頂き、③「ディ ベートをする上では生徒はどのような力が必要」 であり、どのような方法で実際の 「授業にディベートの要素を取り込んでいけるか」 ④ディベートに必要な 「論理的な思考」 とはという内容について、 実践を交えて、 学ぶことができました。 2. なぜ、 今ディベートを授業に取り入れるべきか? 講演の中で、 現代社会においては、 以下の2つの力が必要であるとご説明されました。 ①他者と協同しながら 「正解のない問題」 に対応する力 ②生涯にわたって学び続ける力 このような力を学校教育で生徒に習得させるには、 従来の知識を習得させるだけの教育では不十分です。 学んだ知識を使いこ なしたり創造したりする力を育成するという社会的要求に、 学校は応えていかなくてはなりません。 ですから今、 ディベートが学校 教育に求められているのです。 ディベートでは、現代社会における問題を議題として扱っているので、ディベートをすることで、「今 勉強していることが、 世の中とどう結びついているか」 を実際に体験することができるからだそうです (authentic learning)。 では、 実際に高校の教育現場では主にどのようなディベートが行われているのでしょうか。 3. 全国高校英語ディベート大会とは? ディベートには 「パーラメンタリーディベート」 という形式もありますが、 高校生には、 「全国高校英語ディベート」 のほうが、 流 れが明確であるため、 理解しやすく高校生には取り組みやすいのではと説明されました。 実際の全国大会での生徒のスピーチ映 像も見せて頂き、 参加者は、 より明確にディベートとはどのようなものかを実感することができたのではと思います。 以下に中井先生が触れられたことを簡潔にまとめます。 ①全国高校英語ディベートの流れ 立論→質疑→アタック→ディフェンス→総括 (論題に対して、 肯定側、 否定側が交互に行います。) ②言葉の定義 論題で使われている言葉をはじめに定義することで、 かみあわない議論を防ぎます。 ③立論の論理展開パターン (1) 問題解決型議論 (①深刻な問題がある→②現状では解決できない→③解決策の採用) (2) 制度廃止型議論 (①制度の意義がない→②制度が弊害を生んでいる→③制度の廃止) (3) 比較優位型議論 (①改革案採用→②大きなメリットが得られる→③現状ではメリットは得られない) ④総括について 総括の担当者は試合全体を広い目でまとめます。 相手チームの議論、 自分チームの議論を比較し、 自分たちの議論の強さが 上回っていることをその根拠を述べて主張します。 最後に、 ディベートにおいて重要なことは、 論理であるということです。 ですから、 普段の授業の中で、 教員は大切なポイント に対して、正解を求める一つのことを訊くのではなく、次第に深く焦点を絞るように3段階程度で連続的に尋ねる質問を生徒に行っ ていく必要があることを力説されておられました。 1つの質問では不十分なのです。 一つのことが全体でどういう意味合いを持って いるのか、 究極の課題は何であるかを生徒に気付かせ、 それに応答できる力の育成が望まれます。 ディベートの中の質疑の時 間を生徒に有効に使わせるためには、 まず教員から連続的な発問を投げかけていく姿勢が大切なのです。 では、 実際の授業では、 ディベートを行うために必要な力をどのように育成していけるのでしょうか。 4. 生徒がディベートを行う上でどのような力が必要か?また、 どのように授業に組み入れるか? ディベートを行うには以下の力が必要であるとご説明されました。 ①思考力 Input-Intake-Output という指導過程の中の Intake( 摂取 ・ 内在化 ) における生徒が考えるステップが重要であるとおっしゃいま した。 ここでは、 「1分間スピーチ」 を紹介されました。 実際に、 「小学校英語の是非」 について議論し合う体験をしました。 効 果的な1分間スピーチでは、 疑問→結論→理由の流れで話すことだそうです。 What to think よりも How to think を教えることが、 ディベートを行う上では大切で、 思考力の育成につながるのです。 knowing what に留まるのでなく、 knowing why, knowing how を身につけさせることが大切であるとのことです。 思考力とは、 以下の力のことです。 28 (1) 問題を認知する力 (豊富な経験や矛盾する経験を授業の中で取り入れるのが効果的) (2) 問題を明確にする力 (基礎知識を与え、 探求の態度を養う) (3) 資料を収集する力 (資料活用法を教え、 資料活用の態度を養う) ②問題意識を持つこと 問題意識を生徒に持たせることも大切です。 そのために、 実例 (Plastic surgery の記事等) を出して生徒に訴えることが必要 なのです。 注意すべきことは、物事は見る角度によって違って見えるため、思い込みをしないように気をつけなければいけません。 ③論理的な表現をする力 教員が話題に対する語彙を与え、 生徒にそれらの語彙を整理させるという活動を授業では行うことができます。 まず、 論題や問 題に対する語彙 ・ 知識を豊富に持たないと、 論題や問題を読み取れないし、 何が一番大切なことなのかを本質的に見つめるこ とはできません。 普段の授業でも、 レッスンの内容に関連する語彙収集やその語彙の持つ意味をネットワークのように関連づけて 説明できるような課題を考えることも有効であるとのことでした。 それでは、 ディベートに必要である、 論理的な思考とはどのような力なのでしょうか? 5. 論理的な思考をするには 論理的な思考をするということは、 以下のステップを踏むということです。 STEP 1 : 必要な情報の取り出し (比較する力、 分類する力、 分析する力) 比較、分類、分析するために、「視座」 (どの角度から見るか)、「視野」、「視点」 が大切です。 朝日新聞朝刊より 「2色マーカー で磨く読解力」 を引用され、 事実をグリーンで、 主張はオレンジで文章に線を引く活動を紹介されました。 また、 ディベートはど こにポイントを持ってくるかが大切なので、 「自分の観点を持つ」 ことが必要だということもおっしゃいました。 最後に、 比較、 分類、 分析した後に、 どのように説明するかも大きなポイントです。 言い方によって、 相手に伝わりやすくも伝わりにくくもなるからです。 STEP 2 : 得た情報の評価 (評価する力、 選択 / 判断する力) 評価、 選択、 判断するために、 どの基準を用いるかが大切で、 自分の philosophy を持たなくてはいけないということです。 STEP 3 : 自分の考えの論理を構築 (推論する力、 構想する力) 自分の考えを主張するために、 最低3つの観点 ・ 根拠 ・ 理由を持たなければいけないということです。 一つであると、 それが 反論されて根拠がなくなると主張は意味をなさなくなるからです。 これらのことを、 ペア活動などを取り入れながら説明していただきました。 6. 最後にひとこと 生徒がディベートを行うためには、論理的な思考力をつけることが必要不可欠であると感じました。 中井先生の講演を通して、ディ ベートについての基礎を学ぶだけでなく、 様々な思考力をつける活動を経験させて頂きました。 教員にとって、 いかに生徒に考 えさせ、 思考力をつけさせる活動や仕組みを授業の中に組みこんでいくことが大切なのではないでしょうか。 さて、 ディベートの基礎を学んだところで、 次は本番です。 Are you ready to debate? ******** 討論①簡易報告 報告者 : 滋賀県立守山中学校 戸田行彦 1. 全体概要 討論①はMC一人置き、 事前に6人グループと論題を発表しておいた。 当日にAFFかNEGを発表し、 7分間の事前準備時間をとって、 チーム3人で立論を作成した。 立論のスピーチは3分、 それ以降は、 一人2分以内のピンポン ・ ディベート形式で討論を行った。 どのグループも討論が非常 に白熱し、 「質問」 と手があがるシーンが多々あった。 参加者が事前に両サイドの意見やポイントを調べてきていたので、 各先生 の論点整理はすばらしかった。 また、 参加者それぞれが視点を多く持つことができ、 論題に対する視野が広がっていった。 最後 にMCさんにどちらの論点説明がより説得力があったか、 なぜそう考えたかをまとめてお話しいただいた。 29 2. 各グループ討論MCのよるまとめの概要 a. グループ① 『英語の授業は英語ですべきである』 MC : 小財久美 (滋賀県立虎姫高等学校 : 2年目) AFFの論点は①生徒のモデルになる、 ②コミュニケーションの場面を設定していくことこそが教師の役目であるということ。 ②に ついてはNEGから、 正しく英語を話せないし、 あいまいな英語による活動に終わってしまうというアタックが出た。 NEGの論点は①日本語と英語は言語構造が大きくことなるので、 日本語でしっかり説明すべきだということ。 それに対してAFF からは英語で考えるべきで、 間違いがあってもコミュニケーション活動をするべきだと反論が出た。 最終的に議論は、 日本語がゼロということは難しいので、 日本語ゼロではなく、 4技能を統合していく活動の中で日本語はあって よいのではないかという方向で終わった。 b. グループ② 『小学校英語は中高での英語学習にプラスである』 MC : 熊谷向祐 (滋賀県立米原高等学校 : 5年目) AFFの論点は①英語学習への動機が高まる、 ②音声やリスニング能力が向上する、 ③機会均等 (全ての小3からすべき) NEGの論点①現状では指導体制が弱い、 ②英語を実践使用する場がない、 ③小中の連携がうまくいってないであった。 MCのコメントとしては、 全体的に具体的な数字や証拠がなく、 その点が不明確なまま議論が進んだので、 エビデンスで判断す るのではなく反論の視点の面白さで議論の強弱を判断した。 NEGの①指導体制が弱いという意見は、 現状の小学校の教員の大量採用が原因であり、 AFF側は中学校の免許もっている 教員が多いので、 その人たちがリーダー的になっていると反論した。 またNEG②実践場面が少ないという意見に対しては、 学校 の授業があるので十分と反論。 最後に③小中の連携の弱さについては、 京都市の具体例が紹介された。 以上のように、 具体的な例を出しながら紹介することで、 議論は熱くなり、 AFF側の方が説得力を増した。 c. グループ③ 『英語の授業は予習を必ずすべきである』 MC : 小川真加 (滋賀県立能登川高等学校 : 2年目) AFFの論点は①予習によって授業のスタート地点を合わせることで授業中に何を理解すべきかなどの学習の目標をはっきりさせ ることができる。 ②授業は予習でわからないことを共有し、 授業で内容を深めることができるという意見。 NEGの論点は①予習よりも復習をするべきだ。 なぜかというと、 予習を前提としての授業では、 生徒の学習具合によって差が出 るからだ。 生徒によって予習の差はでる。 ②予習は自分ですることによって間違ったことを覚えてしまう恐れがある。 ③英語の授 業では初見で読み、 その場で考える力が求められている。 MCとしては否定側の意見の方が説得力があった。 なぜかというと、 予習のイメージが人によって違うという意見に賛同できたから である。 d. グループ④ 『日本語訳のプリントを配布は必要である』 MC : 堀尾美央 (滋賀県立米原高等学校 : 6年目) AFFの論点は①本文の内容の確認が各学習者で確認ができるので学習が促進される。 ②和訳の説明に費やす時間が減り、 授業の効率が上がり、 音読などに時間を使える。 ③日本語訳を見ることで客観的に英語の学習ができる。 NEG①和訳プリントを渡さないことで、授業中に緊張感が生まれる。②和訳プリントには意訳が多いのでそれにとらわれてしまい、 自分の日本語ではだめなのかと不安になる。 ③和訳プリントを配付するのでなく授業中に和訳をすることで、 理解度をクラス全体 でやりとりをしながら進めることができ、 ついていけない子がいなくなる。 MCとして一番白熱したところは、 3点ある。 1つめは、 NEG①集中力や緊張感が生まれるという意見に対して、 訳だけではな く、 単語や文法の説明でも可能ではないかとAFFから反論出たこと。 2つめは、 AFF側の和訳を渡すことで、 訳をもらえるから、 心の余裕が生まれて、 授業中の話を聞かなくなるのではないかという否定側のアタック。 3つめは、 NEGの意訳はダメなのかとい う議論。 AFF側は意訳は日本語の勉強になるのでは良いではないか、 などピンポン・ディベートが続いた。 全体的に和訳は 「後 渡し」 で議論を進めていったので、 先渡し、 中渡しだったら議論はどのように進んだのか気になる。 最後にNEG側が、 紙の節 約にもなるのではという意見も出て、 会場は大きく盛り上がった。 ディベートにユーモアは必要であるとも思う (筆者の個人的意見) 30 e. グループ⑤ 『IT機器の活用は通常授業より効果的である』 MC : 音羽顕慈 (滋賀県立石部高等学校 : 3年目) 会場全体に IT 機器の効果を問うと、 効果的な意見を指示する方が多く、 否定側が不利なようだった。 AFFの論点は、 ビジュアル、 音、 情報などをすぐながせるので情報量が多くて良いという意見だった。 それに対し、 NEGからは 量があればよいのかという反論がでた。 そのAFFの再反論で、 the more, the better の一言でNEGの反論は撃沈しました。 NEGの論点は、 生身の人間とのコミュニケーションが大切と主張した。 ALTの活用、 英語教員自身が英語で表現できることが、 生徒の意欲を高めるという意見を出した。 それでもIT機器のもたらす情報量は多く影響は大きいとAFFが反論した。 否定側は情 報量のバランスが必要だとさらに反論し、 もたらす情報に真実が入っていない場合もあると強調。 それに対してAFFは誤った情 報を見抜くことも情報化社会では求められていると反論し、 議論は延々と続いた。 討論② 簡易報告 滋賀県立八幡高等学校 中西 勝弘 討論②は、 5人ずつのグループに分かれ、 ディベートよりもディスカッション的な流れで進めました。 それぞれの参加者が用意した日頃の授業実践事例 (資料) に基づいて持ち時間内で説明、 それに関する指導上の悩み等を グループで共有し、 「自分ならこのように指導してみる」 というスタンスで複数の角度から考察していきました。 また、 各グループには1~2名の大学生・大学院生も入り、 英語教育全般に関する素朴な疑問や、 「英語教師になった暁には、 このような授業をしてみたい」 といった夢も語られていました。 どのグループも、 それぞれの参加者の現場の成功談や苦労話が交わされ、 「グローバル人材」 や 「論理的思考力」 の育成と いう我々に与えられた大きな課題を念頭に、 白熱した議論となり、 たいへん有意義なひとときでした。 討論が終了してから、 各グループのMCによる1分間の発表がありました。 その結果、 以下のような内容の意見や感想が出され ました。 <学校教育全般について> ・数ある教材を生徒に適合した形で使用するためには、 一教師としての堅固な教育観をもち、 生徒の人格形成の使命にあふれ、 優れた教育環境を構築する前向きな心が重要である。 ・ 英語 (や授業全般) に劣等感をもっている生徒が多い。 少しでも成功体験が増えるよう、 授業における質問等のハードルを 低くしてその達成度を褒め、 モチベーションの向上に繋げられるよう、 指導方法を工夫している。 ・ 来年度には新学習指導要領で学ぶ高校生が揃う。 今後、 小学校 ・ 中学校 ・ 高等学校のそれぞれの教員間のカリキュラム上 の共通理解と日頃のコミュニケーションが益々大切になってくるのではないか。 <英語授業について> ・ One paragraph One summary を実践している。 学んだ内容を自分の言葉も含めて要約することで、 input-output のリズムを体 得させ、 内容をどれだけ理解しているかを適切に確認できている。 ・ ラウンド制を導入しているが、 タスクの解答に終始して時間が過ぎるのではなく、 できるだけワークシート上の解答 (英語) を 声に出す時間の確保に努めている。 また、 True or False Question の質の向上も図っている。 ・ 生徒による発表の時間を十分確保したい思惑から、 output 活動に充てる時間がやや増えている。 input の重要性と input との 時間のバランスも考慮していかなければならないと感じている。 ・ 授業において何が大切かを見極め、 教科書の全 Lesson を見通して、 それぞれの授業時間で何が大切かを事前に見いだし ておく必要がある。 ・ All English の授業は難しいが、 ただ単に 「全て英語で押し進める」 のではなく、 授業の前にまず、 生徒の理解可能な部分 を精選しておくことが大切である。 ・ ペアになり、 教科書で学んだ部分 (例えば1ページ) を1分間で考え、 30秒で内容を伝えあい、 さらにその summary を家庭 学習にし、 提出されたものをクラス全員で共有している。 好評である。 ・ Lesson のそれぞれの One Part でどのように生徒に伝えていくか、 アイデアを練っておくようにしている。 IT教材も効果的だが、 指導内容における input と intake をどのように位置づけるのかも含め、 事前に把握しておくことが大切である。 31 参加者からいただいた感想 ○福井県立若狭高等学校 三仙真也 今後ともこのような会にはぜひ参加させていただきたいと思います。 若狭高校は無限の可能性を秘めた学校です。 その中で三 仙も、 チームを牽引していければと思っております。 またご助言いただければ幸いです。 今後とも頑張りますので、 どうぞよろしく お願いいたします。 まず、 この会の開催にあたり周到な準備にご尽力いただいた中西先生、 戸田先生、 坂本先生へ、 そしてご講演をはじめたくさ んの示唆に富んだアドバイスをいただいた中井先生に御礼申し上げたいと思います。 本当にありがとうございました。 幸いにも知 り合いの先生方もおられる中ではありましたが、 始めて参加させていただいたこの教え方教室、 本当に有意義であったと感じてい ます。 スケジュールのつく限り今後も参加させていただきます。 今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。 中井先生の基調講演は、 授業における英語ディベートの有用性を再認識しました。 すでに授業で英語ディベートを扱い、 ま た審判として全国大会でもディベートに携わってきた身としては、 教えたいことがありすぎて、 取り組む生徒にとってどのような点 に注意させるべきか、 授業のねらいや活動意図はあやふやになりがちです。 ややもするとディベートの形式理解やキータームの 理解といった点にばかり時間を要し、 論理的思考力の育成やコミュニケーションとしての有効活用といったディベートの醍醐味を、 生徒に伝えることが難しくなってしまっています。 今回のご講演ではより多角的な視点で教師が物事を考え、 また生徒にもそのよ うな視点をもたせること、 かつ説得力のあるデリバリーが必要であることを再認識しました。 今後の授業でももう一度、 ディベートで 培うべき力やねらいをはっきりとさせ、 生徒とともに学んでいければと考えています。 中井先生、 ありがとうございました。 次に討論①では、 IT 機器を使用した授業の有用性についてグループディスカッションでした。 ピンポンディベートについては授 業でもよくやるのですが、 普段自分が IT 機器について 「賛成」 側の人間であることから、 そのデメリットについて考えることは有 意義でした。 時間内で端的に考えを伝えることの難しさと重要性を痛感した時間でした。 討論②では MC もさせていただきながら、 授業のハンドアウト紹介や悩み相談など、 大変勉強になりました。 自分の授業をリフ レクションする機会になるとともに、 他校の先生方が作成された教材の共有はなかなかできないことであり、 こちらはもっと多くの先 生方のご意見や作成意図をお伺いできれば、 と思いました。 大変勉強になり、 また小グループでの討論により、 ネットワークも広 がったと思います。 (夜の) 討論③でも、ハンドアウトや授業についての話が盛り上がり、大変有益でした。 ありがとうございました。 中西先生、 戸田先生、 坂本先生はじめ、 この会の実施にあたりご尽力いただきました先生方に心から御礼申し上げます。 ありが とうございました。 今後ともよろしくお願い申し上げます。 ○京都教育大学 1 回生 浦川真緒 この勉強会は、 お世話になっている先生方を含む、 たくさんの先生方にお会いでき、 またお話をうかがうことが出来た貴重な機 会となりました。 中井先生の講演は、 授業の中でディベート的な思考力を養うためにどうしたら良いのか、 といった点について、 とても具体的に説明していただき、 勉強になりました。 将来は授業にディベートを取り入れられたらと思っていたので、 とても参考 になりました。 先生方との討論は、 先生方の知識の豊富さ、 また授業を作り上げるための真摯さについてたくさん伺うことが出来、 深く驚きました。 先生方と実際にお話する時間はとても貴重で、 教員志望の気持ちがより一層深まった一日でした。 本当にありが とうございました。 ○大阪女学院高等学校 李 由紀子 中井先生、 昨日の勉強会、 本当にご苦労様でした。 私は途中でお暇しましたが、 そのあと先生は大分とよい気持ちで酔われ たようですね。 何度言っても足りませんが、 いつも熱いレクチャーをありがとうございます。 ディベートがどういったものかぼんやり としかわからなかったのですが、昨日実際に体験させていただきその面白さに触れさせていただきました。 先生のお話の中で、ディ ベートはどこに視点を置くか、 論点の基準を置くか、 が大事だということを繰り返しおっしゃっていました。 そこをあいまいにしては、 相手を説得することができないのだと思いました。 頭では理解できましたが、 実際ディベートを体験してみると、 自分がどれだけ 無駄なことを話しているか、 焦るあまりに論点が無茶苦茶になり、 相手に納得してもらうだけのアピールができないかを思い知りま した。 振り返って普段の授業の中でも、 同じことが言えるのではないかと思いました。 本当に生徒にわかりやすく説明しているか、 言いたいことが言えているか、 間違った伝え方はしていないか、 など振り返るポイントがたくさんあります。 ディベートは単なる言葉 の格闘技ではなく、 自分との対話なのだとも思いました。 自分が本当に伝えたいことは何なのか、 それを伝えるために自分は最 善の努力をしているか、 そういう顧みる態度を養うという点においても意味のあることだと思いました。 また、 他の先生方のプリントをいただき、 どれだけ皆さんが努力をしているか、 生徒のためにより良い授業を提供するために全 力を尽くしていらっしゃるのか、 熱い思いが伝わってきました。 それぞれの先生方の悩みをシェアしながら、 悩んでいるところは同 じだなと共感したり、 新しい視点をいただいて、 自分では全く思いつかなかったアイデアに一気に視野が広がった気がしました。 32 対話を通して学ぶということを実感しました。 そして、 自分がどんなに未熟か、 できていないかを思い知らされました。 改めて、 もっ ともっと勉強していかなければいけないと思いました。 他校の先生方との交流そのものが少ない中で、 こういった企画をして下さり 本当に感謝しています。 素晴らしい進行、 吟味された内容に感動すら覚えました。 ここまで準備してくださり、 また当日も裏方に徹底され、 ご自分たちのことは二の次、 三の次の無私の精神で奉仕してくださり、 感謝の言葉もありません。 先生方の熱い思いに触れ、 昨日は私も興奮状態でした。 中井先生やチーム滋賀の先生方のご尽力 に答えるためにお返しできることは、 もっといい授業を提供し、 生徒たちに還元していくことだと思っています。 昨日お会いすることができたたくさんの先生方の熱い思いをいただいて、 明日からまた頑張っていこうと思っています。 何度言っても足りませんが、 本当にありがとうございました。 またお会いできることを楽しみにしております。 ○滋賀県立八幡高等学校 中西勝弘 今年もニッポンの英語教育に熱い思いを抱いている英語教員と学生約40名が滋賀県に集いました。 今回の会場は歴史文化の 名高い長浜市。 天候にも恵まれ、 近畿2府4県+福井県と岐阜県からも参加があり、 たいへん盛り上がりました。 まず、 『ディベート発想の思考力の育成』 という演題で、 大阪女学院大学の中井先生が基調講演。 内容はディベートの論点を 明確にする基準設定等の詳細なお話から、 普段の授業での英語1分間スピーチの効用まで、 たいへん多岐にわたりました。 もう 少し時間があるとよかったのですが、 AD と DA の役割分担ワークショップもあり、 現実的で非常に分かりやすい内容でした。 次に討論①。 「英語の授業は英語ですべきである」 「小学校英語は中高での英語学習にプラスである」 「英語の授業は予習を 必ずすべきである」 「日本語訳のプリントの配布は必要である」 「IT機器の活用は通常授業よりも効果的である」 の5つのプロポ について、 賛成派と反対派に分かれてディベート。 ジャッジをつける代わりにMCが 「要約」 をしました。 最後に討論②。 グループのメンバーを変え、 宿題となっていた日頃の授業実践例の資料に基づいて、 各自が説明をしたあと、 グループ内で討論し、 最後に各グループのMCによる発表をしました。 夜は、 お楽しみの、 僕にとっては初となる 『長浜浪漫ビール』。 「ロマン」 を辞書で引くと、 「夢や冒険への憧れを満たす事柄」 とあります。 4種類の地ビールの味に大満足し、 軍師 (黒田) 官兵衛ゆかりのこの地で、 天下統一、 いやいや、 グローバル人 材の育成という壮大な夢を、 星空の彼方に見い出しながら、 日頃の授業実践の交流、 これからの授業の 「冒険」 について考え ながら、 「浪漫飛行」 をしました。 2日目の今日は、長浜市内の観光と、『せんなり亭橙』 で豪華な昼食をいただいてきました。 中井先生をはじめ、参加して下さっ た皆さま、 お世話になった方々、 本当にありがとうございました。 来年度も是非、 実現させましょう! On Saturday and Sunday, as many as forty English teachers and college students got together in Nagahama, Shiga. We got a wonderful lecture about logical thinking leading to debate by Prof. Nakai(Osaka Jogakuin Univ.) . We divided into some groups and had two debating sessions based on five propositions, our teaching plans, respectively. For dinner, we went to Nagahama Roman Beer. What an outstanding flavor! ○三重県立名張高等学校 岡本 泰 今回の合宿は、 well-organized で compact に time-management された share 勉強会だったと思います。 まず最初に中井先生の講演で debate による思考力育成の目的と方法をさまざまな形で説明いただき、 なぜ debate という手法 を使うかがよくわかりました。 次に、 5グループに分かれ、 それぞれの論題で debate を実際に体験しました。 日本語であったので、 学生も含めて教員も自 分の意見をより説得力のある形で言えたのではないでしょうか?実際に debate をやってみて、 そのむずかしさと共に面白さ、 奥 深さも体験できたように思います。 また時間が限られているため time management の大切さも意識でき、 より説得力のある意見に しようとする意識が参加者の中に生まれたような気がします。 また宿題を課されていたため、 自分のグループでもきちんと立論をつくってきている方が多くて、 問題に対する準備も結構用意 できていたと思います。 ここまでで1時から4時30分ですが、 本当にあっという間に時間が過ぎていきました。 その後、 違うグループで参加者が作成した授業の指導案や教材の紹介とそれぞれが抱えている悩みなどを share しました。 自 分が抱えている悩みはなかなか同僚に相談する機会がなく、 このような機会を設定することで、 悩みを共有したり、 解決のための 糸口になるので、 この時間もとても貴重で大切だと思います。 勉強会が終了し、夕食を食べに行きましたが、ここでも新たな出会いや交流が生まれていてとても有意義な食事でした。 この後、 2次会でもまだまだ熱い議論が続き、 自分の持ってきたプリントをもとに真剣に話をされていたグループもありました。 次の日の長浜の観光も素晴らしく、 長浜城や黒壁で楽しいひと時を過ごしました。 ガラスミュージアムやアクセサリーの店、 お土 33 産の店などしゃれた雰囲気の店が多く、 とてもゆったりと時間を使って観光ができたので、 自分の満足度も高かったです。 それにも増して、 英語教育に志のある方々と心ゆくまで話ができたので本当に自分にとって忘れられない合宿になりました。 今回 の成功の要因の一つは目的の一貫性、 そして、 各討論での MC に色々な学校の先生を配置することによって、 各グルー プでのマネージメントが非常にうまくなされたというところだと考えています。 参加者の熱い思いが適切なマネージメントを受けて、 本当に良い形で表現されたように思います。 最後になりましたが、 この会を運営していただいた滋賀の戸田先生、 中西先生、 坂本先生、 そして色々とお手伝いしていただ いた学生の皆さん、 そして、 中井先生に御礼の言葉を述べて結びとさせていただきます。 本当にありがとうございました。 ○福井県立若狭高等学校 梅田 武幸 初めて参加させていただきました。 緊張しながら会場に向かいましたが、 受講を終え、 素直に 「行ってよかった」 と思いました。 中井先生の講義は興味深く、 とても参考になりました。 「論理的に考えることができる生徒に育って欲しい」 と日頃から思いはあり ましたが、 何をどう指導して良いか分からずにいましたが、 大きな一歩を踏み出せそうです。 テスト前で丁度時間があったのでディ ベートもどきですが早速やってみました。 生徒も活き活きと活動していました。 これからはさらに深化させ、 実践していきたいです。 また、 グループワークでも経験豊かな先生方やフレッシュな学生さんと議論をするなかで自分の英語教育に対する考え方をもう一 度考え直す機会になりました。 特に後半のグループ討論では悩みやアイデアをシェアすることができ、 充実した時間でした。 あっ という間に時間が過ぎ、 もっともっとお話したかったです。 先生方の英語教育に対する熱い思いに触れることができ元気をもらい ました。 幹事の戸田先生、 坂本先生、 中西先生、 このような素敵を機会を与えていただき本当にありがとうございました。 ○奈良県立高取国際高等学校 松川 慈 長浜合宿、 ありがとうございました。 半年前から楽しみにしていた合宿でしたが、 あっという間の二日間でした。 お忙しい中で入 念な準備をして下さった中井先生と幹事の先生方に感謝の気持ちでいっぱいです。 土曜日の研修では、 生まれて初めてのディベート体験で、 まさに生徒と同じ気持ちを味わいました。 決められた時間の中でい かに上手く端的に自分の意見を伝えられるかという訓練は、 日頃から繰り返しておくことが大切なのだと実感しました。 普段の生 活の中で見つけられるテーマや、 新聞やニュースから見つけた時事的なテーマなど、 思考力を鍛えるための題材も沢山あるのだ ということに気づかされました。 英語であのやり取りをできるようになるために、 先ずは思考力を育てる取り組みを少しずつ始めて 行こうと思います。 今後の英語表現を考えていくためのヒントを沢山頂きました。 もう一つ、 今回の合宿に参加したことでの大きな収穫は、 他府県で日々熱心に取り組んでおられる先生方との出会いです。 忙 しい毎日の中で、 なかなか想うようにできず、 もがいていましたが、 また前向きに頑張らなきゃと元気をいただきました。 最後の時 間で日々の悩み相談をできたこともありがたかったです。 先輩や後輩からのアドバイスはとても参考になりました。 辛くても一人じゃ ない、 現場でみんなそれぞれに頑張っているのだとしみじみ感じました。 また皆さんと勉強できる日を目標に、 これからも努力を重ねて行きたいと思います。 ありがとうございました。 黒田如水の水五訓も今回の長浜合宿の思い出と共に心に刻んでおきます。 神戸大学学生 4 回生 坂本稚晴 ◎講話について 滋賀県立守山中学高等学校卒業ですが、中学校で「英語ディベート」の授業があったことを思い出しました。なぜ英語でディベー トができなくてはならないのかと不安なままで、 言われるがまま発音やフレーズの暗記を行っていたように思います。 中井先生の おっしゃるように、何のためにディベートを学ぶのか、ディベートの能力で何ができるのかということについて当時理解できていたら、 もっと関心も持てたのではないかと思いました。 小学校で日本語でのディベートを初めて経験してから、 現在にいたるまで、 ディベートと聞くとどうしても殺伐とした印象を抱き続 けていました。 しかし、 今回お話を聞いて、 コミュニケーションの一手法としてのディベートなのだなと感じました。 全く初めて聞くことも多く、 ディベートについて知識を深めたいと感じました。 ◎討論①について ディベートの実践では、 事前準備をしたつもりでもなかなか思うように効率的に伝わらないことがあり、 難易度の高さを実感しまし た。 一方で、 ディベート経験があるという学生の方は、 持ち時間が余ると再度主張を繰り返す、 身振り手振りをまじえるなど、 「理 解させよう」 とする術を心得ており、 こうすればよいのかと勉強になりました。 ディベートの場が全く初めてだという人の中には、 主 観的な意見に頼りがちで、 そもそも質問のタイミングや論の組み立て方など、 ディベートのルールを理解できず混乱する様子も見 られました。 そのため私たちのグループでは、 MCによるサマリーの時間を活用して、 ふりかえりとして各々の感想などを共有しま 34 したが、 それも論題に関する持論の交換にとどまった節があり、 もっとディベートらしくするためにどうすればよかったかなどのこと について、 もう少し話せればよかったと思いました。 しかし、 論題 「小学校英語は中高の英語学習にプラスである」 については、 賛成、 反対ともにさまざまな意見の切り口があって面白かったです。 難しさや、 論題の決め方などは、 実際に一度はディベート を体験してみないと理解しがたいことであると感じ、 生徒に教える前に教師が経験しておくべきだという戸田先生のあいさつの言 葉の真実性に気づきました。 ◎全体を通して 学生の身で現職の先生方の集まる場にお邪魔するのは失礼ではないかと不安に思っていましたが、 休憩時間の和やかな雰囲 気や、 小グループでの活動の中で、 会話や質問を通して打ち解け、 楽しく過ごすことができました。 逆に、 高校生に聞かせたい からと、 大学のことを聞いていただける場面などもあり、 居心地がよいと感じました。 それでいて、 多くの新たな知識や、 現場の 生の言葉を前に、 身の引き締まる思いでもありました。 先生方が教職に対してやりがいを感じていらっしゃることが、 表情や言葉 全体から伝わり、 教員を目指すうえでモチベーションが高まりました。 35 第 30 回勉強会 「英語の教え方教室」 2014( 平成 26) 年 6 月 14 日 (土) 14:00 ~ 17:00 「私の授業紹介と忍者学 (Ninjalogy)」 大阪府立枚方津田高等学校 池田 裕 教諭 京都廬山寺 今回は池田先生を迎えて 、 「授業に英語の諺 (ことわざ) を」 と 「忍者学」 について話をしていただいた。 ̶「英語の教え方教室」は、日頃の授業の悩みや工夫を話し合う自由参加の勉強会ですー 2014(平成 26)年6月 14 日(土) 14:00~17:00 大阪女学院大学 参加者は 10 名とやや少なかったが 、 皆、 池田先生の話術に引きこまれた。 節分会 第 30 回勉強会「英語の教え方教室」 教員養成センター 「 私 の 授 業 紹 介 と 忍 者 学 ( Ninjalogy)」 大阪府立枚方津田高等学校 池田 裕 教諭 ■ 大阪府立枚方津田高等学校の池田先生は二つの顔を持つユニークな先生である。教わる生徒は池田先生を慕っている。池田先生が特に 力を入れられていることは英語の諺や名言を理解することである。端的で印象深く心に残る英語を自分のものとさせる取組である。良い スピーチに求められる5つの“i”は、①Intelligible(わかりやすい)②Informative(情報に富んだ)③Interesting(面白い)④Interactive (相互的)⑤Impressive(印象的)と言われる。つまりこのような要素を持った教材は受け手の心に残るということである。池田先生に 日頃の授業の取組をまず紹介していただく。 英語科教員として生徒に英語力をつけることことは勿論大切であるが、 人をつくることを忘れてはいけな 次に、もう一つの顔である「上忍」として忍術学の文化講義をしていただく。池田先生は忍者に終生の関心を持たれ、伊賀に移り住み ■ 「GUEP (Global Understanding through English Presentation) の授業紹介と工夫」 長年、忍者の研究をされてきた。三重大学との共同研究の成果は『忍者の教科書』の出版となって実を結んでいる。昨年、英国の港町ブ ̶兵庫県立国際高等学校での特色ある英語授業を推し進める取り組み̶ ライトンとリバプールに近いノースウエルズの忍術道場で、 “What is Ninja?”の講演を行われた。この2月には英国の新聞社 Independent から、3月には英国の放送局からインタビューを受けられ、今夏放送される予定である。海外で忍者がなぜ人気があるのか。護身術とし 兵庫県立国際高等学校 真田 弘和 教諭 ての忍術だけでなく、情報をいかに入手・判断し活かすのかという情報管理にたるまで、普段聞くことのできない忍者学(Ninjalogy)̶ 忍者の哲学などの忍者文化についてお話いただく。 勉強会合宿in長浜に引き続き、今年度も様々な話題を取り上げたり授業実践の発表をしていただいたりして、学校現場の先生に元気が出 る勉強会「英語の教え方教室」を開催する予定である。皆さんともに歩みましょう。 お問い合わせ:中井 弘一 [email protected] い。 そのことをいつも考えているという前口上ののちに、 外山滋比古氏と懇意になった経緯とともに外山 氏のことわざの本を愛読し、 ことわざを教えるようになったと話され、 最初にことわざ 10 個を普段の授業のように参加者にデモンス トレーションで紹介された。 毎授業時5分間の帯活動としてことわざの紹介を行っているとのことであった。 池田先生によるとベスト 100 を1年間で紹介するのであるが、 順位性があるとのこと。 Best 10 は以下のとおり 1.Time is money. 時は金なり これは生徒に時間厳守の大切さを伝えるためにまず最初に教えるそうである。 2.So many men, so many minds. 十人十色 個性を大切に、自分を大事にと伝える。 英語では Ten people, ten colors. と言わず、so many で表す、ちなみにこの so は 「そ れだけ」 と前のものを指す表現であろう。 3.Practice makes perfect. 習うより慣れろ 練習が大切であるとこれで伝える。 Perfect とあるが、 この意味の完璧を漢字で書けるようにと参加者に漢字を書かせてみる 活動を。 「完璧」 であるが 「完壁」 とぺきを 「土」 と思い込んでいる参加者が私を含めていた。 「玉」 であった。 4.Rome was not built in a day. ローマは一日にしてならず 日々の努力が大切と話して紹介されるとのことであった。 5.Time flies like an arrow. 光陰矢のごとし あっという間に学年は進むぞと話す。 6.The sooner, the better. すぐに行動に移す。 それは情報を得るという忍術にも通じることであるとのこと。 ただし急いては事をし損じるという真逆のこと わざもあり、 状況の判断が大切である。 7.Knowledge is power. 知は力なり しっかり勉強して知識 ・ 知恵をつけることがこれから将来を生きるときに必要である。 8.Seeing is believing. 百聞は一見にしかず 目の前のことをしっかり見ること。 聞くだけでは頭に残らず、 体験することも必要。 9.No pain no gain. 苦は楽の種 人間苦労しないで成果は得られない。 しっかり頑張ること 10.It is no use crying over spilt milk. 覆水盆に返らず 起こったことは仕方が無い。 くよくよせず頑張ろうと話すそうである。 この 10 個の音読練習ののち、 各ことわざの最初の文字 (アルファベットもしくは漢字) の表を掲げ、 それを見て元のことわざを 音読させる活動を行っているとのことであった。 36 このあと、 When in Rome, do as Romans do. Never put off until tomorrow what you can do today. など、 あと 10 個のことわざの学 習をした。 ここで、 フロアーと討論に移った。 授業において、 英語のことわざを紹介したり覚えさせたりする活動はどのような意味を持つかということで話し合ってもらった。 ・ 英語を覚えることになりいいのではないか。 ・ 英語のことわざを取り上げることが英語教育に効果的かどうかわからない。 ただ、 身体を動かすウオーミングアップの時に発声 させるのに使っている。 その方が自然に覚えるようだ。 ・ 文法指導の際に、 例文として可能なものを取り上げて使うことがいいと考える。 確かに身近な出来事や活動を例文にするのも よいが。 ・ 最終的に教え込んだことわざから一つ選ばせ、 それをポスター化させる。 裏面にはなぜそれを選んだのかを英語で書かせる 活動は、 廊下などの掲示を通して生徒のやる気を生み出している。 ・ 英語のことわざカルタを使うくらいしか使っていないが。 ・ 英語の感覚を英語のことわざを通して教えることが出来るのではないか。 などフロアーの意見を頂戴した。 確かに、 ポスターづくりやなぜそれを選んだのかを書かせるタスク ・ プロジェクト活動はその生徒の感情を大切にしており、 「人 間中心の教育」 Humanistic Approach につながるものである。 なぜそれを選んだのかは、 まさにその生徒の自己表出である。 それでは、 英語のことわざのカルタゲームを行うことはどのようなことを意図があるのだろうか。 中学 ・ 高校では年末冬休みに国 語科から百人一首を覚えさせられる宿題がよく出される。 そして1月に百人一首のカルタ大会などがある。 国語の先生は、 百人 一首を覚えることに意味があると考えておられるのだろう。 それはなぜだろうか。 古文を通して日本の文化を知ることは意味がある と考えておられるからであろう。 昔の人が感じたこと、 考えたこと、 面白いと思ったこと、 悲しいと思ったことを現代人も同じように そう思うのならば、 それは普遍的な日本人の考えで、 そこに価値があるのかも知れない。 英語のことわざも、 言ってみれば昔人 の知恵である。 そうした知恵を自分のものにすることは意味があるだろう。 また、 そこに文化背景や英語特有の考え方があるかも 知れない。 そうした言語文化を教えていくことは、 言語教育の大きな目的であろう。 池田先生は、 年間でことわざを 100 個ほど教えたあと、 その中から自分で好きなものを選んで生徒にポスターを作らせる。 その ポスターも持参されたので皆で拝見した。 なぜその諺を選んだのかを裏に英語で書かせるという活動に一番のねらいがあるのか もしれない。 そのようにして自分の思いを書かせるほうが、 生徒にとっても書きやすいのかも知れない。 Humanistic Approach で は置き換え ( 投影 ) やファンタジアという手法を使う。 直接の自分を表現するのには抵抗があっても、 何かを通した自分の表出は 抵抗感も低くなる。 ALT にコメントを書かせることで、 フィードバックができる。 出来上がったポスターを学内で掲示することで、 生 徒のやり甲斐感も高めることができる。 そのあと、 しばらく休憩してから、 忍者学の話に移った。 第二部は、 池田先生がインタビューなどでも出演されていた NHK 歴 史秘話ヒストリアの番組と、 最近の NHK World News の Japanology plus に出演された番組のビデオを観ながら解説していただ いた。 忍者は目立たぬこと、 情報を得ること最大目的にしていたなど、 世間で思われているイメージとは異なる部分があることを 強調されていた。 十字の手裏剣は、 あまり使われていなかったらしいのだが、 テレビなどは好んで忍者の道具として使っているな どと、 実像と虚像に差があると話されたことが印象的であった。 日本は、 クールジャパンを世界に売り込むため、 海外のメディア に日本の文化の取材を促しているとのことであった。 待っていては、 取材にも来ない。 積極的に仕掛けていくことが大切であると も認識した。 普段の勉強会とは異なる分野の話に、 池田先生が機材をいろ いろと準備していただいた。 ありがとうございました。 37 第 31 回勉強会 「英語の教え方教室」 報告 2014( 平成 26) 年7月 12 日 (土) ー みんなで話し合ってみませんか 英語授業でのちょっとした工夫を ー 「コミュニケーション英語—実践活動紹介—」 神戸大学附属中等教育学校 泉 美穂 教諭 篠原 泰子 教諭 本日は、泉、篠原両先生の息の合った協同発表の報告をしていただいた。 本学の学生も 1 名含め、 15 名の参加であった。 発表される内容は広範に亘り、 フロアーとのやりとり意見交換で時間がどん Big Ben in London 第 31 回勉強会「英語の教え方教室」 ̶「 英 語 の 教 え 方 教 室 」 は 、 日 頃 の 授 業 の 悩 み や 工 夫 を 話 し 合 う 自 由 参 加 の 勉 強 会 で す ー どん過ぎてゆき、終了時間を 15 分間伸ばしたが最後の部分までは進みきれなかった。 しかしながら、 2014(平成 26)年7月 12 日(土) 14:00~17:00 大阪女学院大学 教員養成センター 「コミュニケーション英語̶実践活動紹介̶ 」 フロアーとの意見交換は非常に示唆に富むことが多く、 意味のあるものであった。 もっと話合ってい 神戸大学附属中等教育学校 泉 美穂 教諭 篠原 泰子 教諭 神戸大学附属中等教育学校は、住吉中学校と明石中学校を前身とし、平成 21 年 4 月 1 日に新設された中高 6 年間 (第 1 学年からの学年進行)一貫教育 の学校である。学校教育目標は国際的視野を持ち未来を切り拓くグローバルキャリア人の育成である。英語学習を通してめざす生徒像は、英語によるコミ たいと思うものであった。 紹介されたデータや表などが未定稿であるため 、 その場での紹介に留め ュニケーション能力を活用し,地球上に生きる人間として,自分の足元から世界を見る視点を持ち,同時に多様化が進む世界の動きの中で人々と協力・共 生しながら自分の生き方を選択し,地球的視野で考え行動できる生徒である。この人材の基盤能力として「理解力」 「思考力」 「運用能力」 「課題探求力」 「グ ローバルキャリア」の育成に努められている。 今回は、その附属中等教育学校の泉美穂先生、篠原泰子先生のお二人に、アドバンスとベーシックとの二つのレベルで行われた「コミュニケーション英 語」の取り組みを発表していただく。具体的には、今年 1 月~2 月にかけて 4 年生に行ったテーマを下に 2 月に研究授業をされた Are Pets Happy with Humans?を含め、英国修学旅行へ向けて、今年度 4 月から 7 月までに行われる取り組みの日本文化~エコについての実践報告をしていただく。勉強会の なければならないものが多く、 うまくまとめられないかもしれないが、 簡単に報告する。 一週間後には、4,5 年生対象でケンブリッジとオックスフォードの大学生に学校でサマースクールを行ってもらうオックスブリッジを企画されており、非 常に多忙な中、発表をお願いした。中高一貫という継続学習を意識した附属校で行われている取り組み、その考え方や方法などの紹介を通して、 「理解力」 「思考力」 「運用能力」 「課題探求力」など学習指導要領も求めるこれらの力の育成には何が必要ことなのかを皆で話し合いたい。ぜひお越しください。 お問い合わせ:中井 弘一 [email protected] 1. 学校紹介 まず、 パワーポイントで学校の紹介をされた。 神戸大学附属中等教育学校は、 住吉中学校と明石中学校を前身とし、 平成 21 年 4 月 1 日に新設された中高 6 年間 ( 第 1 学年からの学年進行 ) 一貫教育の学校である。 教員は県の交流人事で勤めている 人もいるが 、 多くは新規で専任採用の教員である。 学校教育目標は国際的視野を持ち未来を切り拓くグローバルキャリア人の育 成である。 修学旅行では英国を訪問されるとのことである。 2. グローバル 附属中等教育学校が教育目標としているグローバルキャリア人の育成について、 グローバルについての捉え方を話された。 英 語学習を通してめざす生徒像は、 英語によるコミュニケーション能力を活用し, 地球上に生きる人間として, 自分の足元から世 界を見る視点を持ち, 同時に多様化が進む世界の動きの中で人々と協力 ・ 共生しながら自分の生き方を選択し, 地球的視野で 考え行動できる生徒である。 この人材の基盤能力として 「理解力」 「思考力」 「運用能力」 「課題探求力」 「グローバルキャリア」 の育成に努められている。 6 年終了時には 1 万 8 千字の論文をまとめることが生徒に課せられているとのことであった。 こうした力 の育成を図るプロセスとして、 「見つける力」 「調べる力」 「まとめる力」 「発表する力」 を英語科では授業のキーコンセプトとして られるとのことであった。 また、 こうした教育を実践する際に必要な生徒の考えを知ることから始められ最初に、 生徒が考えるグローバルに必要な力のア ンケート集計結果をスライド表示していただいた。 細かな数字までは記憶できなかったが、生徒が考える重要な力のベスト3は、「英 語力」 「プレゼン力」 「責任力」 であった。 次いで 「多元力」 となっていた。 数ある能力が提示されていたが、 生徒自身が一番 身につけられていないと考える能力も 、 この 「英語力」 「プレゼン力」 であった。 現実の力量と乖離している思うこれらの能力が、 一番必要であると考えているのかもしれない。 また、 自己効力感が低い生徒が多いとの結果も報告された。 ここでフロアーとの長い討論に入った。 まず、 参加者が考える 「グローバル」 と何か、 生徒が回答した 「英語力」 「プレゼン 力」 に対してどう捉えるかなどについて話し合ってもらった。 「グローバルに対して、 自分のアイデンティティを持つことがまず大切 で、 自己や自国の文化などを知ることがまず優先されるのではないか」、 「様々な国や人々の多様な考え方や違いをちゃんと受け 入れるということではないか」 「昔は国際化 (internationally minded) と国が意識された言葉が使われていたが、 今は global という こと言葉が遣われている。 共通、 一つの存在が意識されている」 などの意見が出た。 「グローバルは善か」 と質問を投げかけた。 やや戸惑いを引き起こした。 グローバルという基準はどこにあるのか、 英語圏の考え方が基準となることがいいのだろうか。 共通 という概念で統合され 、 均質化されるのではないか。 文部科学省は、 「グローバル人材育成戦略」 でグローバル人材に必要な 素養として①語学力 ・ コミュニケーション能力②主体性 ・ 積極性、 チャレンジ精神、 協調性 ・ 柔軟性、 責任感 ・ 使命感③異文 化に対する理解と日本人としてのアイデンティティ——などを示し、 ▽論理的思考力▽課題発見力 ・ 解決カ▽多様性に対する適 応力▽確固たる価値観、 自己肯定感▽コミュニケーション能力——の要素を備えれば 「先行きの見えない、 どんな時代の変化 にも対応できる」 と説明する。 グローバルについて話すときには 「共生」 という言葉も使われるが、 この言葉の概念を明確に説 明する英語は一つでなく、 多様である。 「国際共生の概念」 には、 International Coexistence ( 国際共存 ) 冷戦、 International Agreement ( 国際同意 ) treaty, protocol( 協定 )、 International Coordination ( 国際調整 )、 International Cooperation ( 国際 協調 ・ 国際協力 ) 競争 ・ 単独主義、 International Partnership/Collaboration ( 国際共同 ・ 協働 ) 共通の目的 ・ 機能分担、 International Assistance/aid/support ( 国際協力 ・ 国際支援 ) などがあり、 どのような意味合いで共生を意味するのか理解する 必要があるように、 グローバルを一律に捉えないようにすべきであると私の方から話した。 また、 違いを受け入れるということを明 確に定義することも大切である。 生徒が 「英語力」 「プレゼン力」 が大切と回答しているが、 参加者が大切だと思う能力は何かと尋ねると、 「判断力」 などと返っ てきた。 ここで、 「比較」 という言葉の持つ魔力について話した。 違いを受け入れる際にまず行っていることは、 「比較」 である。 38 日常生活においても、 「比較」 は大切な判断活動である。 ただ、 「比較」 は優劣関係を生み出す傾向がある。 日本語より英語 の方が有用であるという比較結果が、 英語の有意性となって固定概念化される。 「比較」 は優劣を付けるために行うのでなく、 差 異や同一性を知ることからそこに新しい発見を導き出すためにあるものだと考えることが大切であろう。 どちらがいい、 悪いというも のではないという考え方なども生徒にしっかり伝えることが必要である。 ここで、「文化」 と 「文明」 について話した。 明治の頃、「文 明開花」 ということば使われた。 「文明」 は人類やある一民族の全体的な進歩の過程とその結果を指し、 「文化」 は個々人の作 りだした産物、 あるいは一民族の特性が表現された芸術作品や著作、 宗教的哲学的な体系を有するものである。 「文明」 は普 遍性を強調するので、相違に関する主張を後退させる。 グローバルという概念は、「文明」として扱われ 、 その普遍性のもとに、個々 の 「文化」 や相違が軽んじられる傾向があるのではないか。 グローバルという概念の認識の明確化は、 英語という言葉を教える教員は是非とも必要なことであり、 偏りのない基盤となる考え 方を生徒にも考えさせることが大切である。 また、 語学力や判断力の育成の前に、 一般教養という考える土壌が必要で、 昨今の生徒や学生の教養のなさこそ 、 グローバ ルにおける課題であると、 ここでの話し合いを締めくくった。 3. 本校の英語教育について 次に、 教育目標に照らした英語科の can-do 指標の作成について話された。 CEFR(Common European Framework) を元に指 標の作成を進めてきたが、 やはり日本独自、 付属校独自の指標であるべきと JS(Japanese Standard) を参考に、 英語科で毎週一 回教科会議をしながら現在進行形で作成中の表をスライド画面上で示された。 下位項目に 4 技能などに分けて細かなルーブリッ クを作成中のことであった。 こうした指標づくりや can-do 評価などについてフロアーで話し合ってもらった。 参加者から 、 附属校のこの取り組みはこれは全 学で取り組んでいることかとに対して現在は英語科で行っているだけということであった。 参加者には、 こうした指標づくりが文科 省の指導では英語科のみに強要されていることに対する不信感があるように思えた。 また、 参加者から、 こうした指標を作成する ことで、 before & after の成果は生まれているのかという問いかけがあった。 これに対しては現在作成中の指標で 、 作成結果によ る成果を検証するに至っていないということであった。 この問いかけは 、 非常に意味のあるものであった。 指標を作成することで、 生徒の英語力は向上するのか、 かえって教員に戸惑いや不安を指導にもたらすのではないかという素朴な疑問であろう。 多くの場合、 指標は到達目標を記載される場合が多い。 文科省もそう指導していると聞いている。 確かにその方が分かりやす いからであろう。 ただ、 到達 ( 達成 ) 目標は 「何」 をやや抽象的に説明することに終始する傾向がある。 個々人の力が多様であ るなか、 絶対的な指標で評価することが教育的であるかという疑念は残る。 また、 こうした指標は、 教員のために書かれているこ とが多く、 生徒自身が指標を読んでどうすれば良いのかという点については明記されることはあまりない。 すると、 生徒は指標を いくら読んでもどうすれば良いのか分からないままである。 能力評価として、 どのような状況の時に何をどのようにすれば対処でき るのかという表記が、 必要であると思う。 評価は生徒のためにあるもので、 生徒がそれを読んで 、 それが指針となり学習を進めて いくことができるものであるべきと私は考える。 knowing what に終始するのでなく、 knowing why, knowing how が記載される方が 効果的であると思われる。 ここで休憩を入れた。 4. 5 年生の授業について 実際に行っている授業構成などについて話していただいた。 特徴は 、 教科書にあるテーマを膨らませ付随して 4 つほどの関係 する別素材を扱う 、 時には身近な教材を含めると 10 個の別教材が提示されるとのことであった。 そしてその一つのテーマを終了 するのに、 18 〜 24 時間をかけるとのことであった。 ゴールは素材のテーマに対して多元的な観点から自分の考えを主張する発 表作業を行うことであった。 単元の展開における主題となる技能の育成は、 事前調査、 listening, speaking の最初の 6 時間ほどかけ、 次に reading に 3 時 間ほどかける。 理解のための speaking を 1 時間ほど取り入れた後に、 2 時間弱の writing の指導を主体とした授業を行い、 最後 に生徒にプレゼンテーション活動を行わせるというものであった。 最終目標である英語で自分の考えを述べさせるにはこうした段 階の活動があって初めて結果を生むとの判断であった。 この展開の考え方は、 通常の学校で行われているものと異なる。 多くの 場合、 単元のパート毎に順次進めていくことが多い。 そうしたやり方ではなく、 単元を一まとめに、 口頭で活動を最初にしっかり 行って、 次にリーディング活動を行い 、 また種々の素材の内容を理解した上で再び口頭によるやりとりの指導を入れたのちにライ ティングを取り入れ、 一行ほどの英文しか書けないという状況に陥ることがないように、 充実した自己表現が行えるようにすることを 意図しているものである。 そして発表へと持っていく展開である。 これには 、 参加者も感慨深いものがあったと思う。 教材の複数化も準備がいる。 比較的ゆったりとテーマをこなすこの展開は、 39 教科書を順次終えるという発想はない。 それだけに周到な準備を要する。 オーラルメソッドの提唱者のパーマーが言うように、言語の学習は、耳→口→目→手の順に学ぶことを展開していることであった。 充分な口頭インプットによるインテークがあってこそ次に展開できるということであった。 そこで、 オーラル ・ イントロダクションの例 としてピクチャー ・ ディスクリプションを紹介された。 絵を表示して口頭で素材内容を紹介した上で、 生徒にも口頭で retelling さ せるようにしているということであった。 当初、 生徒は暗記する傾向が強く、 暗唱に終わっていたとのことで、 メモを取らせた直後 に retelling させることで自分の言葉で話す生徒が増えてきたとのことであった。 retelling は通常、 まとめの段階で、 口頭で理解したことについてパートナーにさせることが多い。 picture を使った、 oral introduction という input の懸念としては 、 生徒が絵の理解に留まって、 英文の理解に至っていないことがあるのではとフロアー から指摘があった。 その懸念は確かにある。 絵の方が情報量が圧倒的に多いからである。 したがって 、 絵から言葉で表現させる output の活動は有効であろう。 また、 学習意欲の低い生徒には絵など手助けが必要であり、 上位者には口頭で聞かせる内容の工夫で学習意欲が高まること があるとフロアーからの意見があった。 つまり、 一つの活動に単一の目的目標を持つのではなく 、 複線化した目的を持つことが求 められるのではないかということであった。 話は尽きることなく、 進んでいき 、 気がつくと5時 15 分と大きく延長していた。 まだまだ、 紹介していただいて、 それを基に話し 合いたいと思ったが、 やむなく終了することにした。 泉、 篠原先生には準備されてきたことをもっと話したいと思われていたことで あろう。 申し訳なく思う。 ただ、 いろいろと深く考えることのできた勉強会であったことは間違いないことで、 参加者は喜んでいたと 思う。 泉、 篠原先生に感謝である。 40 第 32 回勉強会 「英語の教え方教室」 報告 2014( 平成 26) 年 10 月 18 日 (土) ー みんな で話し合って みませんか 英語授 業でのちょっ とした工夫を ー 「私の授業実践——英語を通じて世界を知ることをめざして」 滋賀県立米原高等学校 堀尾 美央 教諭 明日香村かかしコンテスト 2013 湖西にある滋賀県立高島高等学校から琵琶湖をまたいで対岸の湖東にある滋賀県立米原高等学校に 今年 4 月異動され教職 6 年目の気鋭の堀尾先生に前任校での取り組みについて実践報告していただ 第 32 回勉強会「英語の教え方教室」 ̶ 「 英 語 の 教 え 方 教 室 」 は 、 日 頃 の 授 業 の 悩 み や 工 夫 を 話 し 合 う 自 由 参 加 の 勉 強 会 で すー 201 4(平成 26)年 10 月 18 日(土 ) 14:0 0~17:00 大阪女 学院大学 滋賀県立米原高等学校 いた。 滋賀県からの応援として大勢の仲間も参加され、 私を含め 30 人 ( 本学学生 3 名含む ) で話し合 教員養 成センター 「私の授業実践̶̶英語を通じて世界を知ることをめざして」 堀尾 美央 教諭 今年、北湖西にある高島高等学校から琵琶湖をまたいで対岸の北湖東の米原高等学校に異動された堀尾先生は教職 6 年目の気鋭 の先生である。その活発な行動力は、昨年の滋賀県の全国大会代表選出のディベート大会の時や 5 月の英語の教え方教室合宿 in 長 浜での MC としてのまとめ報告でも散見された。今回、前任校の高島高等学校での授業実践について発表していただく。 滋賀県の北西部に位置し、他の地域とは少し離れたところにある高島高等学校に赴任当初、英語の授業は訳読中心、音読はろくに できない、ペアワークをしようにも隣の生徒同士が口をきかない生徒を目の当たりにされた。英語嫌いの生徒、英語苦手な生徒、授 業が嫌な生徒が多いのがその大きな要因だと考え、まずは「授業を興味深いものに」していこうと、「英語を通じて世界を知る」と いう、教科書に載っていないことなどを授業で取り組む点に少し重点を置き、英語に興味を持ってもらえるような取り組みをされた。 その中で、音読やペアワークを導入したり、文法の授業でも活動を導入したりと、少しずつ「英語力向上」に対してのアプローチも いを持つことができ、 賑わいの中、 充実した勉強会となった。 仕掛けてこられた。「英語を通じて」をキーワードにこれまで取り組んでこられたことを発表していただき、参加者で紹介していた だいた活動について、何が大切なことなどかを話し合っていくことができればと考えている。エネルギッシュな堀尾先生の発表で私 たちも元気を得たいと思う。皆様、是非ご参加ください。 お問い合わせ:中井 弘一 [email protected] さて、 堀尾先生は、 滋賀県の北西部に位置し、 他の地域とは少し離れたところにある高島高等学校への赴任当初、 英語の授 業は訳読中心、 音読はろくにできない、 ペアワークをしようにも隣の生徒同士が口をきかない生徒を目の当たりにされ、 どう打破 すればいいのか大きな課題を抱えたと話された。 教育の一番の基本は、 学ぶ意欲をかき立てることである。 ここで、 こう した意欲が見られない状況を打破するにはどうすることが大切なのかをフ 赴任当初 • 2年生 英語Ⅱ:1クラス、 英語W:2クラス • 1年生 英語IG・OCG:1クラス、OCI:3クラス 音読 →しない ペアワーク →しない 予習と復習 →丸写し 「英語どうやって勉強したらいいかわからん」 「英語なんで勉強せなあかんの」 「将来英語とか話さんし」「外国とかいかんし」 ロアーで話し合った。 「パキスタンからなど欧米圏でない外国の人を教室 に招き、 英語を通じて目の前で世界のことを話してもらう。」 「音楽などを 扱った教材を使い生徒の関心を高める」 などという意見が出た。 こうした 手法は、 異質なもの、 普段と異なるものと直に接することで関心を高める という手法である。 いわば、 ペリー艦隊の黒船来港型で直接的に意識を 高揚させるやり方である。 動機付けには、様々な要素 ・ 要因がある。 「や る気」 「意欲」 をかき立てるには、 教員の指導という外から動機づけるこ とと、 個人の心の中に持つ 「欲求」 という動機づけの二面が上手く絡む ことが必要であろう。意欲をかき立てるためには、外発的にも内発的にも動機付けをすることが大切である。教室は集団であるので、 その雰囲気がある。 よって、 集団やグループに親和的な関係があることが望まれる。 仲間同士の関係がよいと向上心をもたらす。 良好な人間関係が教員と生徒や生徒同士の間にあることが基盤として必要なことである。 そして何かやりがいのあることをやりたい 思う達成動機も必要であろう。 やっていることに意味があると生徒に伝えるには、 教員自身が研鑽に努め燃えるような情熱で、 「こ れはおもしろいんだよ」 と伝えられること、 やっていることに教員自身が熱い情熱を持つことが何より大切になる。 その姿に生徒は 憧れるのである。 動機付けには階層があると思われる。 外発的な動機付けのレベルから内発的な動機付けに移行させることであ ろう。 学習性無力感 (Learned Helplessness) という言葉がある。 電気ショックなど不快な刺激をどのような行動をとっても回避で きない状況にしばらくいると、 「何をやってもダメだ」 と学習して、 回避できる方法があったとしても反応しなくなる状況をいう。 高 校生の中には、 そういう学習性無力感 (Learned Helplessness) の生徒も存在するであろう。 それゆえ、 教員はこれまでの学習 状況をよく理解しておかなければならない。 次に、 堀尾先生から、 具体的にそのような状況をどのように克服されたのか、 実践例を伺った。 他の教員と横の連携がとれな い状況であったので、 自分独自に授業運営を考えてやっていこうとされた。 昨今、 協調 ・ 協働など教員の同僚性の希薄さが問 題になっている状況が多いと聞く。 堀尾先生は、 そうした状況の中で独自のやり方を通すことにされた。 この独自にやっていく姿 勢に賛同する参加者は多かった。 おそらく同じような状況におかれた経験があると思われる。 独自性をもってやる方がおもしろい という意見もあった。目の前の生徒に対して効果的と思われる教育活動を自分が行うべきという考えがあるのだろう。ただ独自性は、 独善になってもいけないし、 それだけに責任がある。 やみくもに実践してうまくいかなかったときの責任は極めて大きい。 独自性 を持って実践を行うには、 その実践活動が効果的であるというだけの根拠が必要である。 そしてその根拠と成果を持って同僚を 説得し仲間づくりをする気概が必要であろう。 個人の魅力を保持しながらも協働で実践活動を行うことが学校という教育において は大切なことである。 堀尾先生がそこで、 学習意欲に欠ける生徒に対して実践されたことは、 「寝ないじゃなくて寝させない」 をモットーに、 ・ 訳読中心 → 音読中心へ ・ 訳は 1 文~ 2 文 ポイントを絞って ・ わからない生徒には理解を示す → 1 つできることを増やす ・ 言語活動はなかなか難しい = 「英語が使えて楽しい」 は無理 ・ 英語の 「授業」 は面白い (fun ・ funny じゃなくて interesting) 41 を行っていくことであった。 発音の指導、 音読の指導を通して、 mimicry マネをさせること重視した。 つまり生徒はマネをすること は好きな活動であったということだ。 「習うより慣れろ」 でまねることができることで達成感を得て 、 学習意欲の向上に繫がるという 考えであった。 また、 シャドウイングを取り入れ時間制限を設けて練習させる。 それも何度もくり返させる反復を重視したとのことで あった。 また、 学習している内容に意味があり、 その内容を生徒に考えさせる活動が必要と、 レッスンの内容に合わせて独自の 内容理解を深める補助シートを作成された。 content の理解を重視する。 たとえば、 “Water and Living Things” →水の大切さについての簡単な 読み物に加えて、 上記のプリントを作成された。 2011 年に独立した南スーダン Q.1 ) 何に使う? Q.2 ) 汲みにいくまで片道何分? Q.3 ) なぜわざわざ? Q.4 ) 汲む人への影響は? クイズ形式であり、内容は生徒にとっては驚くようなことである。 事実内容が伝えるインパクトを生徒の学習意欲につなげるとい うことであった。 回答の際にも、 その理由を尋ねることとしたと 話された。 識字率の低いこの国で選挙が行われたときの投票 用紙も紹介された。 これらは日本語による質問であり、 日本語で考える ものである。 英語で深い内容を理解することは難しい と考えてのことである。 知識を深くすることで学習が 残るということだろう。 こうした活動に、 参加者も感動 を覚えたようであった。 英語の運用能力育成一辺倒 では、 生徒の学習意欲は低下するとの思いであろう。 こうした活動は学力の高い生徒の場合すべて英語で行えばいいのである。 要は 、 こうしたトピックの素材を教員自身が見つけ出してくるということである。 サマリー活動は本文とは異なる文体で空所補充完成問題としたということであ る。 カナダの先住民 (Aboriginal) を扱うレッスンでは、 右の写真とハリウッド女 優の写真をを見せ、 どうして顔の輪郭など異なるのかを生徒に考えさせた上で、 人類の進化の経路を示し、 内容に関する関心を高めることに努めたということで あった。 こうした活動の結果、 2011 年度末の授業アンケートでは、 ・ とりあえず、 5時間目に英語Ⅱがあると助かった。 (眠い時間に音読するから 目が覚めた) ・ 訳もポイント絞るからテスト勉強しやすかった。 ・ 書いた英語に○もらえると嬉しかった。 ・ 教科書外の話が面白かった。 なんか知識が増えて賢くなった気がする。 に集約されるコメントを得たとのことであった。 ここで休憩に入った。 参加者の自己紹介のあと、 後半を再開した。 後 半 は、 翌 年 進 学 ク ラ ス の 担 任 を 持 ち 行 っ た 活 動 の 紹 介 で あ っ た。 Oral Communication →文法授業とリンクさせての Output 活動として、 英検の問題を 参考に 、 絵をターゲット文法を使って表現する活動を行われたとのことである。 また、 NEW EDITION UNICORN ENGLISH II “Free the Children” では、 児童労働根絶を目指して活動する少年の話を、 Lesson 終了後 World Research( 児童労働の数が最も多いインドについて調べる ) プロジェクトを情報教室で行われた。 ご自身 の経験を英文にして、 ダブル ・ リーディディング教材を配布したりしたということであった。 実体験に基づく考えさせる内容である。 堀尾先生自身が、 若い頃から単身で外国をよく回っておられ、 そこでの体験などを整理して英文を作成されているようであった。 42 リサーチというプロジェクト活動も生徒の知的基盤を育成することに必要な活動で ある。 またこうしたリサーチ活動を通して、 知識や情報が深くなる。 思考力の育成 には欠かせないことと思われる。 また、 ディベート活動を取り入れて授業を行っておられた。 他にも、 様々な実践活動を紹介された。 ①夏休み英語暗唱大会実施 •1年生 ・ 2年生 B クラス夏休みの宿題で英語の暗唱 夏休み後半の補習で グループ発表 → クラス発表 → 1 ・ 2年合同発表 1年生、 2年生それぞれ 優秀者は表彰 【実施後のアンケートより】 ・ 最初は、 できるか!と思ったけど、 案外できて自分でも驚いた ・ 初めてやったけど合同発表まで残れて嬉しかったし、 入賞はできひんかったけ ど、 自分でもここまでできて自信がついた ・ 普段はわからなかったけど、 みんなの発音良くてすごかった ②滋賀県高校生 英語ディベート大会参加 学校サボり気味 生徒指導常連 部活動していない 英語好き →修学旅行中でも集まって頑張る →休みの日も学校来て練習 →入賞はできず全国にもいけずでも終了後の達成感 「ここまで頑張ったし、 これからも何かしたい」 → ALT に頼んで英会話練習グループ 最後に今後の展望として、 ・ 「私にしかできない」 授業 ・ 興味 ・ ・ ・ 「英語の文を読んでみよう」 → 新しい世界を知る ・ 言語活動を導入 ・ 点数が取れるだけ、 成績がいいだけ× ◆いろんなことに興味を持てる人 ◆教科を通じて人間性を育てたい と話されて、 実践報告を終了された。 参加者から大きな拍手が送られた。 エネルギッシュな 堀尾先生の発表で私たちも元気を得た。 43 第 33 回勉強会 「英語の教え方教室」 報告 2014( 平成 26) 年 11 月 22 日 (土) —エクセター大学での研修で学んだことー 奈良県立高取国際高等学校 松川 慈 教諭 Big Ben in London 今回は、 奈良県立高取国際高等学校の松川先生に英国南西部のエクセター大学 (The University of 第 33 回勉強会「英語の教え方教室」 ̶「英語の教 え方教室」は、日 頃の授業の悩みや 工夫を話し合う自 由参加の勉強会で すー 2014(平成 26)年 11 月 22 日(土) Exeter) での研修で学ばれたことを 、 現地での資料を基に報告していただいた。 時間に限りがあるので、 14:00~17:00 大阪女 学院大学 教員養 成センター ̶エクセ ター大学 での研修 で学んだ ことー 奈良県立高取国際高等学校 かなり制限してお願いしたのだが、 発表のスライドは、 なんと 100 枚!これに現地で得られた生の別点資 松川 慈 教諭 今夏、国際教育交換境議会の英語教育海外派遣研修事業により、奈良県立高取国際高等学校の松川先生が6月中旬から8 月中旬の2ヶ月間英国南西部のエクセター大学(The University of Exeter)での研修を受講される。大学では英語の運用演習を中 心に speaking, listening, reading, writing に関する研修を受け、英語によるコミュニケーション能力の向上を図ると共に英語教 授法等に関する講義・演習を受けることで、英語の実践的かつ効果的な指導力の向上を図られる。また、現地の小中学校も訪 問される。 今回の勉強会では、現地で入手された資料をそのまま増す刷りさせていただき参加者に配付すると共に、その資料を基に いくつかの項目に分けて何が一番大切であると考えたか、またなぜそう思ったのかなどをお話いただいたり、現地で学ばれ 料が 80 ページ以上となった。 松川先生は、 向こうで得たものすべてを皆さんと共有したいという思いが強 た活動を体験したりして、参加者の皆さんと共にホットな英語教育の流れや考え方について話し合いたい。資料をいただけ るだけでも値打ちがある。皆様のご参加をお待ちしています。 お問い合わせ:中井 弘一 [email protected] く、 キャリーバックにいっぱいの資料を携えて来ていただいていた。 勉強会では、 現地で実際に教わったやり方をコンパクトに実 施していただいたりして、 授業を体験させていただいた。 予想したとおり、 資料の量が膨大であったので半分くらいしか紹介説明 していただくことができなかったが、参加者は十分満足の様子で、続きをまたいつか聞きたいと第二部の報告を願われたほどであっ た。 参加者は本学短大の教職科目履修者が授業の一環としての参加していたのか、発表者を含め 20 名であった。 学園祭を行っ ていたので 、 一名保護者も迷い込んで入られてきた。 実際、 当初の内容は、 ・ 研修の概要 ・ エクセター大学における研修の報告 ① Reading ② Integrated Skills ③ Inductive Grammar Teaching ④ Task Based Learning ⑤ Class Observation ・ 学校訪問で学んだこと であったが、 ③ Inductive Grammar Teaching の簡易紹介までで時間が来てしまった。 1. 研修の概要と Reflective Teaching 現地での研修では、 □ Keeping Audio Diary ・ I found...interesting/surprising/thought provoking/frustrating ・ It made me think about how/why I.../trying out/changing... ・ It confirmed my beliefs about... □ ELT Research Portfolio You are expected to keep a reflective journal each week, reflecting on how your reading and the course input has helped you develop your ideas around your chosen area of research. You should also collect copies of useful resources in the portfolio. と、 自分の研修を記録し 、 フィードバックすることを通して 、 研修の成果を高める手法がとられていたとのことであった。 A teaching journal is an ongoing account of observations, reflections and other thoughts about teaching, usually in the form of a notebook, audio recordings, word-processed documents, webpages or emails. Keeping a teaching journal may be an entirely private process or part of a collegial process with colleagues having access to the entries and possibly responding to entries or participating collaboratively by writing a journal together or constructing a dialogic journal. It can even be a public process with the journal (probably in en edited version) being used in a presentation or publication for an unknown audience. また、 Peer Coaching として、 In peer coaching, two teachers collaborate to help one or both of them improve some aspect of their teaching. One adopts the role of coach or "critical friend". Together they collaboratively plan a series of opportunities to explore the teacher's teaching and both during and after the process the coach provides feedback and suggestions to the teacher. However, it is the teacher that makes his or her own decisions about what, if anything to change as a result of the peer-coaching relationship. Peer coaching should be performed on a system of request, with a teacher requesting the assistance of a peer, no intervention of an "expert" or "elite" team and no reporting to administrators. 44 Teaching Portfolios A portfolio is a collection of documents and other items that provides information about different aspects of a teacher's work. There are two types of portfolios a working portfolio and a showcase portfolio. A working portfolio contains items such as documents and artifacts to provide evidence of how far a teacher has progressed towards a particular goal, for example promoting a m ore learner-centered approach. A showcase portfolio is designed to show the teacher at his her best, by containing a collection of items to show the range and depth of skills the teacher possesses, usually for purpose of appraisal or promotion. であり、 教員も自分の授業をフィードバックしてこそ 、 授業改善へ繋がる。 そのための資料を整理し、 reflective に進めることは肝 要である。 同時に 、 教員評価が導入されている現在、 評価に際し、 自分の努力を目に見える形で資料化し理解してもらうだけで なく、 効果がある指導に関してなど管理職に伝え、 学校全体の取り組みを考えてもらうことも必要であろう。 2. エクセター大学における研修の報告 ① Reading 最初に、 reading と何であるか、 日常生活においても読むということはどのようなことであろうか、 以下の観点が大切で考えてみ ることが大切であると学んだということであった。 ・ What do you read? (different types of texts read - last 24 hours) ・ Why? ・ How? (reading skills employed) ・ Attitude to reading – in Japanese / in English for you / your students– why? つまり、 普段は何を読むかというと、 ジャンルを問わず様々な内容のものを読んでいる。 なぜそれを読むのか ( 読みたいから ・ 知りたいからなど )、 どのように読むのか (流し読み、 熟読など)、 どんな気持ちで読んでいるか、 などである。 こうした読むという 行為の原理は英語学習の reading にもあてはまることと考えられる。 この意識なくして 、 効果的な reading 指導は望めないだろう。 故に大切なことは何のために reading をさせるか 、 その目的を明確にすることである。 現地で紹介された目的例は、 ① engaging students ② providing opts for practice concentrate / focus sts ③ guiding sts to meaning ④ seeing what sts already know ⑤ testing ⑥ revision/recycling⑦ checking understanding ⑧ motivation/confidence building direct => further learning /extend leaning ということであった。 次に、 “Put your student's hat on !!” ということで 、 参加者が生徒役になり 、 少し 簡略されたが、 松川先生が現地で受けた講習どおりに模擬授業をされた。 ①チェロの演奏を聴く ②三枚の写真を見てどのような話なのかを連想する ③ボキャブラリーとして、 play the cello / cellist、 (in) the audience、 (on) the stage、 the atmosphere was tense、 to fade away、 dark、 in an embrace / to embrace each other を与え、What do you think happened at this concert? 尋ね、推測させる。 次に、 http://www.youtube.com/watch?v=Pad3kShvPhY There was only one chair on the stage of the concert hall in northern England. There was no piano, no music stand and no conductor. Just that solitary chair. The atmosphere in the hall was tense. People were nervous and excited. Everyone in the audience of 600 people knew that they were going to hear a very special kind of music. Finally it was time to start Yo-Yo Ma, one of the world's most famous cellist came on to the stage, bowed to the audience and sat down quietly on the chair. He made himself comfortable, thought for some minutes until there was complete silence, and then he started to play music that was at first empty. and dangerous, but that soon became loud and painful, like the worst thing you've ever heard. It was almost unbearable but then finally it faded away to nothing. Yo-Yo Ma did not move. He stayed with his head bowed over his instrument. Everyone in the hall held their breath. For what seemed like hours, nobody moved. It was as if they had all experienced something terrible and dark. But then Yo-Yo Ma stood up. He put down his cello. He stretched out his hand to someone in the audience, asking him to come and join him. An electric shock ran through the audience when they realised what was going to happen. A man got up from his seat and walked towards the stage. He was dressed in dirty motorcycle leathers, but Ma did not seem to mind. He rushed down from the stage, and when the two men met, they flung their arms around each other in an 45 emotional embrace. The audience went crazy; suddenly everyone was cheering and shouting, like people do when they've just heard great music. But this was more than music. (From Just Right Intermediate by J Harmer, Marshall Cavendish Ltd) と、 本文を読ませてこれだけの本文から、 ・ Why does the text say ‘but this was more than music’ ? ・ Who was the man Yo-Yo Ma embraced? ・ What's the story behind this piece of music? と尋ねて、 その内容を更に推測させる。 次に、 Jigsaw reading として A, B, C 三種類の追加 reading を三人一組で分担してそれ ぞれ読ませる。 Sheet A a Why was there a queue of people in the street? b What happened at four o'clock? c How many people died? d When exactly did they die? e Who were they? f Who is or was Veldran Smailovic? In the early 1990s, there was a terrible war in Yugoslavia. Many people died, both soldiers and civilians. The city of Sarajevo was for many months one of the most dangerous place in the world. It was constantly under attack and its civilian inhabitants had to live with no electricity and little water. Only a few shops stayed open to sell food. On May 27, 1992, one of the shops, a bakery, opened in the afternoon and a long line of men, women and children queued to buy fresh bread. But it was not be. At four o'clock a mortar shell exploded in the street and twenty-two innocent people were killed. A man called Veldran Smailovic lived near the scene of this terrible tragedy. He was 35 at the time, and when he heard the news he decided to do something about it. Sheet B a. What was Veldran Smailovic's job before the war? b. What did Veldran Smailovic do when he heard the news? c. What piece of music did he play? d. Why did he play his cello? e. Was he ever hurt? Before the war, Veldran Smailovic had been a cellist with Sarajevo Opera. When he heard about the explosion that had killed men, women and children in a bread queue in Sarajevo, he decided to do something about it. And so he did what he did best. He played his cello. For the next twenty-two days at exactly four o'clock in the afternoon he put on his concert clothes, took his cello and a plastic chair into the empty streets and played a piece of music by the composer Albinoni – his Adagio in G minor, one of the saddest pieces of music ever. Around him there was fighting and death. Shells fell and bullets flew while he played, but he was never hurt. With the world collapsing around him he played for compassion and peace, to ease the pain of loss and to preserve the dignity of the human race. Sheet C a. Who is David Wude? b. Whatd id he read about? c. Whatd id he do then? d. Where was the first UK performance of his new music? 46 e. Who played it? f. Who was in the audience? David Wilde, an English composer, read a story in his newspaper which moved him deeply. It was about a man called Vedran Smailovic, who played his cello in the street in the middle of a war to honor the dead. His courage was extraordinary because he sat in the street and played while shells and bullets flew around him. David Wilde was so inspired by the story that he wrote a special piece for solo cello which he called The Cellist of Sarajevo. It was performed by the cellist Yo-Yo Ma at the Manchester Cello Fcstival in April 1994. Incredibly, Veldran Smailovic had survived the war and was in the audience that night to hear it. When Yo-Yo Ma finished playing, the two men embraced in front of a cheering audience. これらのパッセージを踏まえ 、 お互いに ・ Why ‘this was more than music’ ? ・ What is the story of the man Yo-Yo Ma embraced? ・ What is the story behind the piece of music? と尋ね合って、 最初の本文の内容を確認する。 このようにして、 reading の関心を高めるものであった。 さらにこの内容に興味が あるものに、 書籍を紹介する。 The Cellist of Sarajevo by Steven Galloway するとのことであった。 中井がこの件に関して調べたところ、 https://www.youtube.com/watch?v=5908s5E7Ink で “The Cellist of Sarajevo, by Steven Galloway, read by Gareth Armstrong” という内容での朗読 YouTube がある。 以下が説明であるが、 授業で使えるであろう。 Alvinoni の Adagio がバックに流れている。 上記のタイプ打ちした本文と合わせて活用できるであろう。 Sarajevo, in the 1990s, is a hellish place. The ongoing war devours human life, tears families apart and transforms even banal routines, such as acquiring water, into life-threatening expeditions. Day after day, a cellist stations himself in the midst of the devastation, defying the ever-present snipers to play tributes to victims of a massacre. A true story of a cellists resistance helps to form this pivotal event in Steven Galloways extraordinary novel. Against this, the author touchingly describes three ordinary townspeople and their efforts to retain their humanity, sanity and autonomy as war takes hold of their lives. This bestselling novel is immediate, vivid and deeply affecting on audiobook, fully immersing the listener in the havoc of war. 松川先生によるデモンストレーションのあと、 以下のことについてフロアーで話し合ってもらった。 ・ How enjoyable was the reading class? ・ What do you notice about the staging of the lesson? ・ What was the purpose of the various tasks? ・ What have you gained from this experience? enjoyable には、答えが分からない 、 先が想像できない 、 どうなるのだろうと好奇心をかき立てるものではないかという意見があった。 また 、 リーディングに段階を付ける staging やそれぞれの段階で推測させることが大切であろうと意見が出た。 1.Encourage sts => read as much as possible 2.Sts need to be engaged with text 3.Encourage sts to respond to content 4.Prediction is major factor in reading 5.Match task to topic when using intensive texts 6.Good teachers fully exploit reading texts Harmer, J (2007) と、 Think about ・ Stages –pre/while/post reading ・ Links between stages ・ Task types - purpose ・ Vocabulary – what? why? when? how? ・ Integration of skills ・ Use of authentic materials? ・ Encouragement of learner independence 47 ということに気をつけることと話された。 また、 Questioning for deeper understanding として、 ・ Questions for contextualizing ・ Questions for speculation ・ Questions for personalization と最終段階で、 Giving chances to express what sts think or how they feel about the content の personalization の重要性を現地 で学んだと話された。 発問は生徒に理解させることを促したり、考えさせたり、判断させたりする引き金、触媒になるものである。 思考のプロセスから言っ ても、 理解−分析—応用−総合化—評価の順があるので、 段階を踏まえた発問は大切である。 次に、 How to Teach Vocabulary について報告された。 ・ Vocabulary should be treated with the content ・ After reading the text we treat vocabulary ・ We sometimes can ask sts to guess the meaning or the image (positive image or negative image ?) と紹介された。 いかに単語を知るかでは、 Form and meaning ・ Form: grammatical function – noun, verb, adjective, adverb etc ・ Meaning: definition, collocation, connotation – register, cultural meaning Receptive vs productive knowledge ・ We understand more after listening or using the vocabulary more ・ Receptive usually precedes productive knowledge Most vocabulary learning is INCIDENTAL:through exposure to language ↓ We have to facilitate the incidental learning と報告を受けた。 またフロアーで話し合ってもらった。 形と意味ということで、 どのように語彙指導しているかでは、 単語帳をまとめ させるより本文での理解を多くするのが良いのではないか、 学習単語を使った例文を考えさせる事を次の段階でさせたりすればい いのではないか、 英英辞典で定義をマッチングさせる小テストを行うなど意見が出た。 語彙学習は偶発的で多読によって行われ るべきものであるという原理をどう理解し実践するかであろう。 扱う英文量が少ないと英単語の慣れも少ない。 recycle という指導も 行いにくい。 何度も出てくる単語、 何度も確認する単語が定着へつながるのだろう。 休憩を挟んで、 体験的な授業紹介を再度 、 日本の教科書を使って行ってもらった。 オバマ大統領を扱った課であった。 最初 に写真を見て 、 自由に発言させる。 次に section 2 を読ませ、 本文の内容に関する穴埋めをさせるワークシートをペアで内容を分けて 5 問程度作成し配布する。 自 分の穴埋めをするために相手にその答えを尋ねる質問をお互いにさせるペアワークをさせる。 語彙として、 ・ To study (law) at university ・ To go into (politics) ・ To run for president ・ To be elected ・ Minority What do you understand by: ・ The speech touched many people ・ ‘There’ s not a black America and white America and Latino America and Asian America; there’ s the United States of America’ を与える。 その後、 スピーチのビデオを見せる。 スピーチの特徴などを話し合う。 それから section1 に戻り、 Pre- reading: ・ What do you understand by ‘The Power of Words’ ? 48 While reading: ・ Where did he give his speech? ・ What did he say America would attempt to do? ・ Why did he feel America should do this? ・ Why did some people feel Obama should not win the Nobel peace prize? Post-reading: ・ What do you think? ・ Do you think it was a good idea for Obama to win the prize? (why/why not?) ・ Do you agree that ‘words can give us hope’ ? ・ Do you think that words can ‘influence human minds and sometimes can even change the world’ ? Examples? の活動を行う。 次に、 キング牧師の演説を聴かせスピーチの特徴などを話し合った後、 生徒に自分のスピーチを行わせる発表 活動へとつなげるというものであった。 Brainstorm - Issues in your town/city/area / Japan Select one: * What do you want to change? * How will you do this? * How will you persuade others to join your pressure group / party? として、 ・ Choose a name for your group ・ Design a logo ・ Plan a 2 minute speech for TV のっこりの時間が極めて少なくなり、 文法指導については inductive, deductive の二つの方法について簡単な説明をしていただい た。 ・ In a deductive approach, students are given explanations or grammar rules, then, based on these explanations or rules, they make phrases and sentences using the new language. inductive approach では , ・ …instead of going from the rules to the examples, students see examples of language and try to work out the rules. ・ This boomerang-type lesson (where the elements occur in the sequence engage → activate → study) is especially appropriate where language study arises out of skills work on reading and listening texts. ・ Such discovery activities ask students to do the work rather than having everything handed to them on a plate by the teacher or a grammar/vocabulary book. ・ The boomerang sequence is often more appropriate with students who already have a certain amount of language available to them for the first activation stage than it is with students who can say very little. Harmer, J (2007) 3 時間では到底足りない量の準備をしていただいた。 フロアーからは続きを是非お願いしたいという声をいただいて 、 閉会した。 松川先生の報告に一同感謝の思いであった。 49 ー みんな で話し合って みませんか 英語授 業でのちょっ とした工夫を ー 第 34 回勉強会 「英語の教え方教室」 報告 2014( 平成 26) 年 12 月 20 日 (土) 教室英文法再考―英語ということばの理解― 大阪女学院大学 中井 弘一 冷たい雨の中、 十数名の現場の先生に集まっていただいた。 The Snowman 「使える英語」 というキャッチフレーズが一人歩きをし、 文法を軽視するコミュニケーション重視の 時代であるが、 実際には文法を身につけていなければ、 情報を正確に伝えられない、 自分の感情 や気持ちも伝わりにくい、 また効果的な伝え方ができないとなるであろう。 文法指導の妙は、 なぜ 第 34 回勉強会「英語の教え方教室」 ̶ 「 英 語 の 教 え 方 教 室 」 は 、 日 頃 の 授 業 の 悩 み や 工 夫 を 話 し 合 う 自 由 参 加 の 勉 強 会 で すー 201 4(平成 26)年 12 月 20 日(土) 14:0 0~17:00 大阪女 学院大学 教員養 成センター 「教室英文法再考̶̶英語という言葉の理解」 大阪女学院大学 中井弘一 と 参加者の皆様 本勉強会では、いつもは学校現場の先生に実践報告をお願いしているのですが、今回私の力不足で実践報告をしていただける方 を探しきれませんでした。そこで、以前、教員免許状更新講習で担当した教室英文法再考について私から少しまとまった話をし、 あとは参加者の皆様と文法を実際にどのように指導されているかについて話し合う全員参加型の勉強会を行いたいと思います。 「時制」 「助動詞・仮定法」 「形容詞・副詞(比較含む)」 「受動態」 「冠詞・不定冠詞」などの文法項目を扱い、レキシカル・グラマ ーとして use に視点を当てて when to use, why to use について講習します。そのあと文法指導活動の実際例をもとに、どのよう その用法を使うのかを理解することにある。 “When to use, why to use?” をしっかりと理解することが な観点が大切か、どのような活動が有効かを参加者の皆さんで話し合いましょう。その際、資料として、可能であるなら授業で使わ れたワークシートや説明シートなどを添付で事前に [email protected] に送っていただけませんか。増す刷りしたそれらの資料 を基にグループなどで話し合ってもらったりして効果的な文法指導デザインを考えていきたいと思います。参加型勉強会の発展形 式を試みます。コミュニケーション重視の時代ですが、文法を身につけていなければ、情報を正確に伝えられません、自分の感情 や気持ちも伝わりにくいです、また効果的な伝え方ができないかもしれません。本勉強会でコミュニケーションを支える文法指導 を一緒に考えませんか。クリスマス前の忙しい時ですが年忘れも含め楽しく話し合いましょう。お待ちしております。 お問い合わせ:中井 弘一 [email protected] 大切である。 形式と意味を教えるだけでなく、 いつ使われるのか ・ なぜ使われるのかその使用の持 つ意味を指導する必要がある。 先回の松川先生が、 時間が足りずに触れることができなかった inductive, deductive grammar teaching の手法について文法 ・ 語法の持つ表現イメージを 「なぜ」 に焦点を当てながら実際例を示した。 ・ USING A SONG TEXT ・ USING A TIME LINE ・ READING ・ USING A PICTURE ・ USING REALIA ・ PERSONALISING ・ EXPLAINING DIRECTLY ・ PRACTISING AND PRESENTING ・ DISCOVERING ・ USING CHART ・ ELICITING ・ COMPARING L1 AND L2 これらに ・ Discourse Grammar ・ imagination を加えて一つずつ 、 例示を下に理解を深めた。 以下にその一部を紹介する。 “USING A SONG TEXT” では、ビートルズの “In my life” を Tuck & Patti が歌唱しているものを使って、最初に動詞部分のディ クテーションを行った後に、 現在形、 過去形、 現在完了形など、 なぜその時制が使われているかを考える作業を行った。 There are places I remember All my life, though some have changed Some forever not for better Some have gone and some remain All these places had their moments With lovers and friends 50 I still can recall Some are dead and some are living In my life I've loved them all それぞれの時制はそれが使われる必然性がある。 なぜその時制が使われているのかを生徒に考えさせることが大切である。 そ れを通して納得感のある学習を行うことができる。 以下の英文の説明では、 一般に 「未来の時を表す副詞節は現在形を使う」 で済まされることが多い。 “USING A TIME LINE” の例では、 If it rains heavily tomorrow, we must cancel the event. と説明することが必要であろう。 ・ Discourse Grammar では 本学学生が模擬授業で行っていた活動を紹介した。 読み札と取り札を必要数作成し 、 班ごとにリスニングで聞く読み札に対応 する取り札をカルタのように取り合う活動である。 a. Let me know when you arrive at the airport. b. Let me know when you will arrive at the airport. 読み札カード あなたが空港に着いたら知らせてください。 • I saw some sharks here. あなたがいつ空港に着くのか教えてください。 前提となる条件 • I got a letter from my host family. when you arrive at the airport 現在 • I'm always late for school. let me know • I have a cold. when you will arrive at the airport 現在 • The movie “Frozen” is very interesting. let me know いつ到着するか • I don't like carrots. • A baby is sleeping. • I want to be a good soccer player. •My room is very dirty. 取り札カード • You must be quiet. • You must watch the movie. 読み札 • • • • • • • • • I saw some sharks here. I got a letter from my host family. I’m always late for school. I have a cold. The movie “Frozen” is very interesting. I don’t like carrots. A baby is sleeping. I want to be a good soccer player. My room is very dirty. 取り札 •You must be quiet. •You must watch the movie. •You must write a letter. •You must practice hard. •You must go to the doctor. •You must clean your room. •You must get up early. •You must eat them. •You mustn’t swim here. • You must write a letter. • You must practice hard. • You must go to the doctor. book common nounの概念 • You must clean your room. • You must get up early. • You must eat them. • You mustn't swim here. 後半は、 文法の各項目について、 「な ぜ?」 を考える指導を行うための理解を深 める説明等を行った。 時間はあっという間 に過ぎた。 今回は実践報告ではなく講習 のような形式になった。 参加者の皆さんが 喜んでいただいていたら嬉しいのだが、 年 内最後の勉強会はこうして終わった。 51 第 35 回勉強会 「英語の教え方教室」 報告 2015( 平成 27) 年1月 31 日 (土) ー みんなで話し合ってみませんか 英語授業でのちょっとした工夫を ー 「中学校と高等学校の英語授業を通して見えてきたこと」 滋賀県立守山中学校 戸田 行彦 教諭 今回は寒い一日にも関わらず、滋賀県はもとより三重、和歌山、兵庫、京都、大阪の各府県の現職の中・ Mt. Hira 高の先生と他学の大学院生 ・ 学生 (残念ながら本学の学生は参加せず) と 28 名が集い、 「中学校と高 等学校の英語授業を通して見えてきたこと」 について非常に熱心な話し合いを行った。 第 35 回勉強会「英語の教え方教室」 ̶ 「 英 語 の 教 え 方 教 室 」 は 、 日 頃 の 授 業 の 悩 み や 工 夫 を 話 し 合 う 自 由 参 加 の 勉 強 会 で すー 2015 (平成 27)年1月 31 日(土) 14:0 0~17:00 大阪女 学院大学 滋賀県立守山中学校 昨今、 小学校に英語教育が正式科目として導入されようとする動きがある。 中学校で行われる英語授 教員養 成センター 「中学校と高等学校の英語授業を通して見えてきたこと」 戸田 行彦 教諭 滋賀県には県立の中学校がある。県立石山高等学校で勤務されていた戸田行彦先生が、今年度、県立守山中学校へ異動された。 この守山中学校は、滋賀県立守山中学校・高等学校で、県立の中高一貫校である。また、守山中学校・高等学校としてスパー・グ ローバル・ハイスクールの認定を受けている。県の特別指定校であるが、高校の教員が中学校の教員に異動することは、そうある ものではない。戸田先生は戸惑いを覚えながらも、2014 年 4 月から中学校での英語授業に取り組んでこられた。 小学校に英語教育が正式科目として導入されようとする動きもあるが、校種の連携はあるだろうか。実のところ校種が異なると、 たとえば中学校教員と高等学校教員との交わりは少なく、英語教育においても、お互いがどのような指導理念や指導方法で授業を 実践しているのか知らない。生徒にとっては継続的な英語学習であるべきなのに、ぶつ切れの状況である。戸田先生は、校種が異 なる英語教育に従事し、今までとは異なる授業の視野を得られている。中学校では何を一番大切に英語教育を行おうとしているの 業内容を小学校5 ・ 6 年で行い、 高等学校の英語授業内容が中学校で行われるようであるが、 そうした か、どのような指導を拠り所にしているのか、高等学校の英語教育とはどう異なるのかなどを、実際の例を持ってお話しいただき、 中学校と高等学校との英語教育の橋渡しはどうあるべきかを参加者で話し合いたい。本来、緊密な連携の基に授業改善が行われる べきである。戸田先生の新鮮な目で見られ考えられたことは、中学校・高等学校双方の英語科教諭に資するものである。 お問い合わせ:中井 弘一 [email protected] 校種の違いを超えた変更改革はうまくいくのだろうか。 実のところ、 中学校教員と高等学校教員との交わりは少なく、 英語教育に おいても、 お互いがどのような指導理念や指導方法で授業を実践しているのか知らない。 生徒にとっては継続的な英語学習であ るべきなのに、 ぶつ切れの状況である。 そうした現状で新しい教育改革は成果を生み出すのだろうか。 本来、 緊密な連携の基 に授業改善が行われるべきである。 2014 年 4 月、 戸田先生は高等学校勤務から中学校へ異動された。 英語授業において中高の連携の在り方を考える必要があ ると常々思っていたので、 戸田先生に発表をお願いした。 中学校では英語授業において何を一番大切にどのような指導を拠り所 にしているのか、 高等学校の英語教育とはどう異なるのかなどの話題提供していただき、 中学校と高等学校との英語教育の橋渡 しはどうあるべきかを参加者で話し合った。 最初に、 戸田先生はご自身のこれまでの勤務歴を紹介された。 高等学校 6 年間、 そして本年度より中学校勤務の 1 年間。 こ の 7 年間の中で、 ・ 英語を使いたい!と思う生徒たち (最近増えた) ・ なんで英語するの?という生徒たち (最近減った) ・ でもどう勉強したらいいかわからない。 ・ 和訳を求める生徒が減った (和訳は与えているから?) ・ 文法説明を求められなくなった (読めばわかるから?) ・ 英語授業=実技の授業 (使わせないと意味がない) ですねという。 ・ 発音がよくなった。 英語を話すと聞くようになった。 (小学校英語、 中学校英語授業のおかげ!?) と、 受け持ってきた生徒の状況の感想を述べられた。 引き続き、 冒頭にこの 1 年間で取り組んでこられた実践活動のビデオを見せていただいた。 プロモーション ・ ビデオのような作 品仕上げで、 中学 2 年生の対話プレゼンテーション、 ショートスピーチ、 ディベート、 iPad を使った授業などの特別授業の様子 がBGMと共に映し出された。 映像プレゼン技術が豊かであるとまず感じた。 こうした特別授業 ・ プロジェクト活動を行うには相当 の準備が必要である。 そのようなことが授業でこなせるかの問いに、 英語の授業は週 5 時間で、 教科書を使った授業を 4 時間、 こうした特別授業を 1 時間で構成し行っているとのことであった。 この活動を軸とした英語授業が生徒の実際の成長を見ることの できるパフォーマンスであり、 到達目標であるということであった。 テストの成績で見る到達度でなく、 パフォーマンスで見る到達 度は評価細目で点数化するのは難しいかもしれないが、 出来映えとして実際の感覚で見ることができ、 生徒自身も成就感を味わ え、 教員自身も具体的な行動 ・ 活動の到達度を感じることのできるものである。 そうであるなら、 授業は複線シラバスがいいのか もしれない。 週 4 時間なら、 3 時間を教科書を使った英語の基礎の定着を図る、 1 時間を実際に英語を使うパフォーマンス活動 の時間とし、 学習したことが実際に活かせるかフィードバックしながら行う。 ユニットやレッスン終了時にプロジェクトとして行うより、 毎週継続的に目標を持ったプロジェクト活動の時間を設けることにより、 より完成度の高いパフォーマンスを生み出すことができ、 その方が成就感を生み出すのではないかと思われた。 次に、 中高一貫校の特徴やメリットと思われるところをまずフロアーに話し合ってもらった。 「6 年間のグランド ・ デザインで教育 を見通せることができる」 「人間関係がうまくいかないと 6 年間は厳しい環境になる」 などの意見が出た。 戸田先生は、 ・ 中学生は中学 ・ 高校の先生方の双方の授業が受けられ異なる観点を知ることできうる。 ・ 身近にいる高校生の姿を観て、 理想自己を描ける。 ・ 高校入試がない! ・ 6年間の仲間。 ・ 部活動も集中! ・ 高校に入っても中学の先生に相談できる! 教員にとっても、「中学校でめざすべきゴールがわかりやすい」 「高校卒業時の到達目標から逆算して指導計画が立てられる」 「6 年間を見据えて指導できる」 と話された。 52 ただ、 6 年間という長いスパンを小学校教育に捉えられるだろうかと思う。 小学校は 6 年間を 2 年間ずつ区切って目標を設定 しているように考える。 1 ・ 2年生は 「何、 なぜという “?” に対し “!” そうなのか」 という気づきを大切にし、 3 ・ 4 年生では 「自分でやってみる ・ 考えてみる」 体験型を大切にし、 5 ・ 6年生ではグループで 「調べ学習」 をしたりするプロジェクト活動を 通して思考力表現力を育むという目標をもち、 担任が様々な教科を一人で 6 年間見据えて持ち上がる。 こうしたシステムでないと 6 年間を見通した教育を行うことができるのだろうかと思う。 中学校から教科は専科科目で異なる先生が個別に授業を行って行く。 延べ人数でも相当数の先生が 3 年間で関わっていく。 3 年間でも一貫した指導理念を共有することは難しい。 それが 6 年間にな るとどうなるのだろう。 ただ教科担任は持ち上がりが原則で 6 年間を通して指導するなら、 また新たな事が生まれるかも知れない。 私学の中高一貫校でも、 中学校教員と高等学校教員は担当講習を分けているように思う。 そうしたことも考える必要がある。 中高の職務の違いについて、 まず、 学校の職員構成は、 学年団3×3名=9名 (中学籍) 担任2人+主任=3名 教務団 2名 (高校籍) 教頭 ・ 保健1名=2名 (中学籍) 合計13名 と話され、 職務は、 高校在職時は主に、 英語の教科指導、 担任業務、 分掌、 部活動 (卓球 ・ 英語部)、 中学校ではまず英語 の教科指導が、 ・ 中2英語 (4) × 2 クラス 主担当 ・ 中2英語ディベート (1) × 2 クラス 主担当 ・ 中3英語 (4) × 2 クラス 副担当 ・ 中3英語ディベート (1) × 2 クラス 副担当 ・ 道徳 (1) ×1クラス 主担当 ・ 読書 (1) ×1クラス 主担当 ・ 総合的な学習の時間 (3) ×1クラス 主担当 であり、 時間割表にすると以下のようになり 27 コマが埋まる。 そのうえに、 バスケット部顧問や特別支援推進リーダー、 学校と地 域を結ぶコーディネーター、 スクールカウンセリング委員会、 SGH 推進委員会などの分掌業務があるとのことで、 業務量が格段 に増えたとのことであった。 これには高校教員が改めて中学校教員の職務の多さに驚きを禁じ得なかったようである。 学校と地域を結ぶコーディネーターは、 地域や小学校との関わりが多く、 小学校での英語教育の支援もこの中に含まれている とのことであった。 義務教育は市長村の管理下にあるのでそうした連携は行いやすい。 そこでフロアーに中学校の教員は小学校 か高等学校か普段はどちらの方に視野が置かれているかと尋ねると、 小学校との関わりが多いということであった。 高校との関わ りはほとんどないとのことであった。 休憩を入れて、 後半を再開した。 まず、 中学校 ・ 高等学校の教科書をグループ内で見て、 どう異なるかフロアーに話し合って もらった。 そこで、 中学校の教科書への気づきとして、 ・ 対話形式の文章が多い ・ ページにイラストや絵が多い ・ 活字が高校と比べ大きい ・ 文法の説明 ・ 解説が少ないのではないか ・ Grammar based、 Grammar oriented のユニット構造になっている ・ 英語の基礎を教える事に主眼があり、 基本的な英文で構成されている ・ 外国と日本との違いをいしきさせる内容がおおいのではないか ・ 教科書の各ページのページ数にも数字と共に英語表記されている ・ 新出単語の意味が巻末にあり辞書的名ものが付いている ・ 発音記号は中2の教科書からあるのでは ・ Section ごとに Speaking task が設けられている ・ Can-do statement が付記されていて、 何を目標としているのか明示している ・ Target grammar で文法の学習ができるようになっている ・ Project 活動が章末にあり、 実際に英語を使ったタスク活動が用意されている 高等学校の教科書への気づきとしては、 ・ 中学校の教科書と比べて情報量が多い (英文の量) 3倍くらい ・ 文法の説明が多い ・ 各レッスンの内容にメッセージ性がある ・ Topic based、 Content based である構成である ・ 教科書のサイズが小さい 53 ・ 高等学校の教科書には発音がカタカナ表記のものもある ・ 言語活動はあるが、 章末に小さくあるだけで、 スキップしても構わないような構成になっている ・ 本課の内容に対して Additional reading(double reading) が用意されていて話題に対して異なった観点で考えさせたり、 より深 い理解をさせたりするようにしている と意見が出された。 つぎに各指導領域について中高で指導の違いがあるかどうか話し合ってもらった。 まず語彙指導である。 中学校の語彙指導は、 ・ 教科書の単語のみを扱う ・ フラッシュカードを多用して指導する ・ 声を出して読めないと始まらない。 音声が大事で、 単語を発音できることに注意する ・ 語彙指導に、 フォニックス (cate: silent “e” など ) などを取り入れて綴りと発音の指導を入れている 高等学校の語彙指導は、 ・ 教科書とは別の単語集を買わせ、 その単語集からの単語定着テストを行う ・ そうした単語集には、 ユメタン、 音読英単語、 速読英単語がある ・ (難しい単語の指導のとき) フラッシュカードを使うこともあるが、 通常使わない ・ 本文ベース→語彙指導を行うこともある 中高どちらにおいても、 日英、 英日の意味変換が多いようであった。 中学校でも発音はさせるが、 テスト自体は単語を書かせる ことがおおいということであった。 どちらにおいてもスペルを重視した指導を行っている。 次に発音 ・ 音読指導について中高に違いがあるかについて話してもらった。 中学校では、 ・ すべての文章を音読できるように指導する ・ 1 時間の授業で、 最大20回 (覚えるくらい) は音読指導を行う ・ 高校の教科書と比べて内容が日常の対話が多いので、 音読は非常に大切である ・ 生きた英語として対話から入る教科書構成であるので、 音読は非常に重要である ・ コミュニケーションを支える文法としての音読表現を大切にしている ・ 英語を話すことができると言う素地 ・ 基本の育成 ・ 楽しさを大切に考えている 高等学校では、 ・ 1 時間に音読させたとしても最大5回~10回までである。 ・.サマリーや Retelling を英語でさせる場合、 音読を多く行っている方が英文の定着力がよく、 部分的になっても音読活動を行っ ている ・ 評論文 (抽象思考が必要) では余り音読をやらない。 内容理解に重点を置く などが述べられた。 読解活動における中高の指導の違いについては、 中学校では、 和訳は通常行わない先生が参加者の中で半数いた。 平易な 時は和訳は行わない教員もいた。 高等学校では、 授業中に和訳をする教員が多い。 授業で行わず、 事前に訳を配っているということも多いようであった。 どちら にしろ、 高等学校は内容の難しさゆえか、 和訳を与えることを通して、 本文の理解をさせたり、 一助となるようにしたりしている。 これは生徒の要望が非常に強いとのことで、 そうせざるを得ないことがあるとのことであった。 日本語で英文を理解することは、 英 語の理解に繋がらず、 アウトプットの段階で日本語的な発想や構造の英文を話したり書いたりすることになる。 そこが課題である。 和訳ではなく、 英文が何をどのようにつたえいのか、 なぜそれを伝えたいのかを理解させることの方が大切ではないだろうか。 ・ 高等学校で100字の日本語要約活動を取り入れている。 訳読より本歌の内容を的確に捉えているかどうか判断しやすい。 ・ この単元で一番言いたいことは何かを見つける活動が大切ではないか ・ どんな読解活動を行うにしても、 なぜそれをするのか、 伝えることがたいせつである ・ 中学校では 10 行程度の文章なので、 なぜそうした文のつながりになっているのかを理解させることが肝要ではないか。 (文と 文のつながり : cohesion. 段落と段落のつながり coherence) 英語そのものに目を向けることが必要ではないか と話し合った。 時間がなく、 アウトプット活動の中高の違いについては非常に短い時間で話し合ってもらった。 中学校では、 project 型が多い ようである。 教科書にもそうした活動が附属している。 高等学校の場合、 教員の判断で、 写真を説明させたりする show & tell や グループで教科書の retelling を行っているとのことであった。 最後に、 戸田先生からアウトプット活動を視野に入れながら、 中学校での観点別評価活動の大切さと大変さについて話された。 54 中学校では、 通知表には観点別評価を行い、 観点①関心 ABC、 観点②表現 ABC、 観点③理解 ABC、 観点④知識 ABC ですべて A で5と表記するとのことである。 観点①コミュニケーションへの関心をもち、 意欲的に取り組むことができる。 観点②自分の考えや気持ちを話したり、 書いたり評価できる。 観点③聞いたり、 読んだりして相手が伝えたいことを理解できる。 観点④言語やその運用の知識を身につけ、 その背景にある文化などを理解している。 観点別評価を観て、 どこをどう復習すればよいかわかる。 また、 指導と評価の一体化を目指すためにも、 Can do は必要と考え るとのことであった。 高等学校にはその観点が欠けているのでないかとの指摘であった。 3 時間の勉強会は、 あっという間に終わり、 まだまだ話題提供をもとに参加者で話し合いたいことは山ほどあった。 準備をしてい ただいた戸田先生には感謝である。 また、 グループでの意見を即座にその場でパワ−ポイントに筆記タイプしていただき、 参加 者にとって分かりやすい勉強会になった。 タイプされた意見のスライドを多くの人が写メで記録されていた。 本学の学生もときどき ipad で写真として板書をや ppt のスクリーンを撮影する。 時代は変わったものだ。 非常に熱心に話し合っていただいた。 閉会してもその場で話し合いを続けている人が多く見られた。 本年度最後の勉強会は充 実したものになった。 55