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みずほ欧州経済情報 - みずほ総合研究所
みずほ欧州経済情報 2012年4月号 [欧州経済の概況] [トピック:スペインに重くのしかかる財政・不良債権問題] ◆2011年の財政収支目標を達成できなかったスペインは追加の緊縮措置を発 表し、財政再建路線を堅持。しかし、景気後退の長期化により財政赤字削 減が計画ほどに進まないとの懸念が高まりつつある。 ◆不動産バブル崩壊による不良債権問題もスペインの抱える大きな課題。政 府は不良債権問題への取り組みを強化しているが、景気悪化により問題が 一段と悪化するリスクは無視できず。 ◆ユーロ圏は緊縮一辺倒から景気にも配慮する政策方針に転換することが必 要と考えられる。足元、当局者から成長支援の必要性への言及が増えつつ あり、今後の議論の行方が注目される。 [ユーロ圏経済] ◆1~3月期のユーロ圏はマイナス成長となった見込み。4月の企業業況が下振 れしており、4~6月期の出足は不調。 ◆ECBはインフレへの警戒感を滲ませるも、「出口戦略」の議論には「時 期尚早」との見解であり、当面、様子見姿勢を続ける見通し。ユーロ圏債 務問題が一段と深刻化すれば、国債購入(SMP)を再開すると予想。 [英国経済] ◆英景気は1~3月期もマイナス成長とリセッション入り。景気の弱さから次 回MPCでは追加緩和が議論される公算。但し、インフレの根強さへの警 戒感から追加緩和が見送りとなる可能性は残存。 2012年 4月 2 7 日 発行 市場調査部シニアエコノミスト 中村正嗣 03-3591-1265 masashi .nakamura @mizuho-r i.co.jp ●当レポートは情報提供のみを目的として作成されたものであり、商品の勧誘を目的としたものではあり ません。本資料は、当社が信頼できると判断した各種データに基づき作成されておりますが、その正確 性、確実性を保証するものではありません。また、本資料に記載された内容は予告なしに変更されるこ ともあります。 1.トピック:スペインに重くのしかかる財政・不良債権問題 再燃するスペインの財政 懸念 スペインの財政懸念が高まっている。2 月に 2011 年の財政赤字が当初目標から 大きく上振れしたことが明らかになり、その後、政府は 2012 年の財政赤字目標を 下方修正し、目標達成のための緊縮措置を打ち出した。しかし、昨年末以降、ス ペインは景気後退局面に入っており、更なる緊縮措置は景気悪化を深刻化させか ねない。加えて、不良債権問題も抱えている。スペインでは不動産バブル崩壊に よる金融機関の不良債権の増大が続いており、今後、景気後退が一段と深刻化・ 長期化すれば、二次的な不良債権発生にもつながり得る。 2011 年の財政赤字は州政 スペインの財政状況を確認すると、 2011 年の財政赤字が名目GDP比 8.5%と、 府の赤字拡大により目標 前政権が打ち出していた 6.0%という目標から大幅に上振れした(図表 1)。 この要 を達成できず 因は州政府の財政赤字が予想以上に膨らんだためだ。スペインでは各州に幅広い 自治権が認められているために中央からのコントロールが難しく、2011 年の当初 目標からの逸脱幅(名目GDP比 2.5%Pt)のうち、6 割超(名目GDP比 1.6%Pt 相当)が州の財政赤字拡大に起因した。 スペインは 2012 年の赤字 2011 年の目標逸脱を受けてラホイ首相は 2012 年の財政赤字目標を当初の名目 目標を下方修正するが、 GDP比 4.4%から 5.8%に緩和することを表明した(3/2)。スペインとしては、 ユーロ圏各国から反発を 過度な緊縮による景気悪化の深刻化を回避しつつ、2013 年にEU基準である「名 招くことに 目GDP比 3%の財政赤字」を達成するという中期目標を堅持することで、スペ インの財政再建路線への信認を維持しようとしたと思われる。しかし、事前の調 整不足のために欧州委員会・ユーロ圏各国から反発を招いてしまい、スペインは 2012 年の財政赤字目標を 5.3%に再修正せざるを得なくなった。 赤字削減のため、スペイ いずれにしても、スペインは 2012 年の財政赤字を前年から名目GDP比 3%Pt ンは総額 270 億ユーロの 近く改善させなければならない。政府は「過去 40 年で最大規模の財政緊縮」とな 追加の緊縮措置を発表 る 2012 年予算案を発表(3/30)、270 億ユーロ相当の緊縮措置を盛り込み、4 月 20 日には総額 100 億ユーロ規模の医療・教育改革による歳出削減策も追加した(図表 2)。州政府の歳出の 6 割近くは医療・教育関連と言われており、2011 年の赤字削 減目標を達成できなかった主因である州財政の健全化にも着手し始めた。昨年ま で踏み込めなかった州財政の赤字削減策を打ち出した背景として、スペインの財 政懸念の高まりだけではなく、昨年の各州議会選挙により多くの州で現与党・国 民党を首班とする政権が誕生したことの影響も大きい。 図表 1 スペイン財政収支の目標と実績 図表 2 スペインの緊縮措置 (名目GDP比、%) 2011 2010 2012 2013 実績 当初目標 実績 差 当初目標 財政収支 -9.3 -6.0 -8.5 -2.5 -4.4 -5.3 -3.0 中央政府 -5.7 -4.8 -5.1 -0.3 -3.2 -3.5 -2.1 州政府 -2.9 -1.3 -2.9 -1.6 -1.3 -1.5 -1.1 地公体 -0.5 -0.3 -0.4 -0.1 -0.3 -0.3 -0.2 社会保障 -0.2 0.4 -0.1 -0.5 0.4 0.0 0.4 (資料)スペイン財務総務省 修正後 目標 名目GDP比、% 中央政府の赤字削減措置 (億ユーロ) 歳出削減 各省庁の経常支出カット(▲16.9%) 歳入措置(増税等) 個人所得税率引き上げ 法人税収強化 特別課税措置 州政府の赤字削減措置 医療・教育改革(億ユーロ) 2.5 (273) 1.7 0.8 (100) (資料)スペイン財務総務省 1 みずほ欧州経済情報(2012 年 4 月号) 財政赤字削減の実現可能 しかし、 各種対策を打ち出しても、 スペインの財政懸念はむしろ高まっている。 性が疑問視され、スペイ その理由として、第一に、景気後退が続く中で目標通りに財政赤字を削減できる ンの財政懸念は緩和せず のか、実現可能性が疑われている。スペインは昨年 10~12 月期に前期比▲0.3% となり、スペイン中銀によれば、1~3 月期には同▲0.4%と、2 期連続のマイナス となったようだ(図表 3)。これまでに発表された対策と合わせると 2012 年の緊縮 措置はGDP比 3%超であり、景気後退の長期化が不可避とみられる中、税収の 伸び悩み等により目標通りに財政赤字を削減できないとの懸念が高まっている。 例えば、IMFは 4 月 17 日に発表した「Fiscal Monitor」において、スペインの 財政赤字を 2012 年が 6.0%、2013 年が 5.7%(名目GDP比)と予測しており、政 府の計画ほどには赤字削減が進まないとの厳しい見方を示している。 住宅価格下落に歯止めが 第二に、景気下振れが不良債権問題の悪化につながることも懸念されている。 かからず、景気悪化によ 不良債権問題が深刻化すれば、政府による支援・救済措置が必要となる可能性が る不良債権問題の更なる 高いため、市場参加者は不良債権問題を潜在的な財政悪化要因と見なしている。 深刻化も懸念材料 スペインでは 10 年以上続いた不動産バブルが崩壊したことで住宅価格の下落に 歯止めがかからず、金融機関の不良債権も増大し続けている。2012 年 1~3 月期 の住宅価格はピーク比▲21.0%の下落率となり、2 月の不良債権比率は 8.2%と 1994 年以来の水準に達した(図表 4・5)。政府は不動産関連債権への追加引き当て を指示するなど、対応を強化しているが、不良債権の増加が続いているためにス ペイン金融セクターへの懸念が燻り続けている。 金融・通貨政策の自由度 スペインは金融政策・通貨政策の自由度を持たないユーロ加盟国であるため、 がないユーロ圏では、各 自助努力だけでは財政懸念を払拭できない恐れがある。このため、スペインに対 国が自助努力により財政 して、ユーロ圏が中期的な財政健全化路線の維持を条件に、短期的な赤字削減目 懸念を払拭することは容 標の緩和を容認するなど、景気への配慮を示す必要があると考えられる。近視眼 易ではない 的な緊縮一辺倒の対応にはフランスやオランダ等でも不満が高まっており、オラ ンダでは 2012 年予算案に盛り込んだ 2013 年に向けた緊縮措置を巡って一部の与 党が反発を強め、政権崩壊につながった。こうした中、ドラギ総裁が財政協定に 加えて「成長協定」も必要といった趣旨の発言をする等、成長強化の必要性を論 じる声は増しつつある。必ずしも足元の景気への配慮を念頭に置いた発言ではな いとは言え、今後の議論の行方には注目したい。 図表 3 (前期比、%) 1.8 1.2 0.6 0.0 ▲ 0.6 ▲ 1.2 ▲ 1.8 10/6 スペイン実質GDP スペイン住宅価格 2005=100 140 前年比、% 20 10/12 民間消費 固定資本形成 外需 (資料)INE 図表 4 11/6 政府支出 在庫 実質GDP 11/12 15 120 10 100 5 80 0 60 ▲5 40 ▲ 10 92/3 20 97/3 02/3 07/3 12/3 スペイン住宅価格(前年比) 価格指数(右) (資料)スペイン勧業省、OECD 2 図表 5 スペイン不良債権比率 (%) 10.0 9.0 8.0 7.0 6.0 5.0 4.0 3.0 2.0 1.0 0.0 90/3 94/3 98/3 02/3 06/3 10/3 不良債権-貸倒引当金(GDP比) 不良債権比率(融資残高比) (注)不良債権比率は国内向け融資が対象。 (資料)スペイン中銀、Eurostat、OECD みずほ欧州経済情報(2012 年 4 月号) 2.ユーロ圏景気全体感:ユーロ圏景気の停滞感が強まる兆しも 1~3 月期もユーロ圏はマ イナス成長の見込み 1~3 月期のユーロ圏景気は前期に続きマイナス成長となり、テクニカル・リセ ッション(2 四半期連続のマイナス成長)に陥ったとみられる。本稿で後述するよ うに、輸出は底堅い拡大が続いたものの、製造業の生産調整が続き、個人消費も 増税や油価高騰の影響で悪化が続いたとみられる。 ドイツでは寒波により建 ドイツでは年初の大寒波により建設業中心に大きな悪影響が出ており、1~3 月 設投資が大幅に減少した 期も小幅なマイナス成長となった可能性がある。2 月のドイツ建設業生産指数は 模様 前月比▲17.1%と大幅に落ち込んだ。過去においても天候の影響を受け易い建設 投資が実質GDP成長率の大きな変動要因となっており、 この 1~3 月期には景気 を下押した公算である(図表 6)。他方、4~6 月期には天候要因が剥落するため、 成長率が一時的に押し上げられると予想される。 ECBの LTRO により市中 4~6 月期を展望すると、プラス材料としては、ECBの 3 年 LTRO(期間 3 年の 銀行の融資態度が大きく 無制限流動性供給)による金融状況の改善を挙げられる。 ECBの銀行貸出態度調 改善、借入需要に回復の 査(調査期間:3/23~4/5)によれば、1~3 月期の企業・家計向け融資姿勢は前期 兆し から厳格化度合いが大きく緩和し、4~6 月期見通しも改善方向との結果が示され た(図表 7)。借入需要を見ると、1~3 月期にはマイナス幅が拡大し、特に、昨年 後半の金融不安を受けて企業の投資抑制姿勢が強まったことで、設備投資向け借 入が大幅な減少となった。ところが、4~6 月期見通しでは借入需要の増加が見込 まれており、金融市場の安定化が企業マインドにポジティブな影響を与えたよう だ。 市中銀行のファンディング状況では、 短期流動性調達が大幅に改善しており、 ECBの 3 年 LTRO がクレジット・クランチの抑制に貢献したと言えよう。 しかし、4 月の企業業況が 一方、足元にかけて南欧国債市場が再び不安定化するなど、サーベイで示され 一段と悪化、4~6 月期も たように融資態度や借入需要の好転につながるのか、不透明感が燻る。加えて、 景気低迷が続くことを示 企業業況の悪化が続いており、4~6 月期もユーロ圏景気が低迷することが示唆さ 唆 れる。 4 月のユーロ圏合成PMIは 47.4(前月比▲1.6Pt)と、 3 カ月連続で悪化し、 特に、製造業PMIが 46.0(前月比▲1.7Pt)と、2009 年 6 月以来の低水準に落ち 込んだ(図表 8)。景気低迷の主因は南欧を中心とした大幅な緊縮措置の影響であ り、ドイツも貿易を通じて相応の影響を受けているとみられる。また、資源高に よるコスト増加も下押し要因だろう。ユーロ圏の持ち直しは年半ば以降と予想さ れるが、米国の減速懸念も出ており、先行き不透明感が高まりつつある。 図表 6 前期比、% 前期比、% 図表 7 (pt) 15 1.5 10 緩 ▲ 10 和 0 1.0 5 0.5 0 0.0 ▲5 厳 格 化 ▲ 10 11/3 11/9 12/3 独建設業生産指数(右) (注)直近の建設業生産は1・2月平均。 (資料)ドイツ連邦統計庁、ドイツ連銀 10 0 需 ▲ 10 要 10 20 30 ▲ 20 40 50 ▲ 30 減 60 ▲ 40 70 04/6 ▲ 50 06/6 08/6 10/6 12/6 (注)2012/Q2は12/Q1時点の「見通し」をプロット (資料)ECB 3 少 図表 8 60 58 56 54 52 50 48 46 ユーロ圏合成PMI (Pt) 拡 張 景 気 縮 10/4 10/10 製造業 合成PMI 11/4 11/10 12/4 小 サービス業 (資料)Markit みずほ欧州経済情報(2012 年 4 月号) → 09/9 10/3 10/9 独実質GDP → ▲ 0.5 20 増 加 → 2.0 (pt) 30 ← ▲ 20 企業向け貸出姿勢 企業の借入需要(右) ← 20 ユーロ圏融資態度調査 ← 2.5 独建設業生産とGDP 3.ユーロ圏内外需要動向:内需低迷を輸出拡大が下支え ユーロ圏の域外輸出は堅 調な拡大が続く 輸出は堅調さが続いている。2 月のユーロ圏域外輸出は前月比+2.4%と 4 カ月 連続で増加した(図表 9)。1・2 月平均では前期比+4.7%と、10~12 月期(同+ 1.6%)より加速している。仕向け別にみると、最大の輸出先であるEU(ユーロ圏 除く)が前月比+3.2%となったほか、米国(同+1.9%)や新興アジア(中国・イン ド・ASEAN・NIEs、同+3.3%)などの主要輸出先も好調であった。 ドイツ・フランスではユ ユーロ圏各国毎にみると、輸出動向はまだら模様となっている(図表 10)。各国 ーロ域内向け輸出が低迷、 輸出の 1・2 月平均(前期比)をみると、オランダ(+7.5%)が突出して高い伸びと 輸出全体の重石に なったが、ドイツ(+2.1%)やフランス(+1.5%)では、前期から持ち直している とは言え、緩やかな伸びに留まっている。ドイツ・フランスについては、ユーロ 域内向け輸出の弱さが輸出全体の伸びを抑制している。 イタリア(+0.3%)やスペ イン(▲2.7%)では昨年後半以降、停滞感が強まっている。大幅な緊縮措置を実施 しているイタリア・スペインでは、 「緊縮措置による内需悪化は外需によって部分 的に相殺される」ことを前提にしており、頼みの綱である輸出低迷が続けば、財 政赤字削減の取り組みは一段と難しくなるだろう。 輸入は回復。昨年後半の 一方、輸入も大きく増加している。2 月のユーロ圏域外輸入は前月比+3.5% 反動に加えて、在庫調整 と 2 カ月連続で増加した。最大の貿易相手であるEU(ユーロ圏除く)が同+ も進展か 3.2%となったほか、昨年後半にかけて減少が続いてきた新興アジアも同+ 4.4%と大きく持ち直した。また、資源高を映じてロシア(同+8.0%)や OPEC(同+0.9%)、アフリカ(同+9.9%)、中南米(同+5.8%)が足元で急増し ている。輸入物価上昇の影響があるとはいえ、2012 年に入り、数量ベースで も輸入の伸びは高まっている。昨年後半にかけて輸入が大きく減少した反動 が出ているためとみられるが、輸入増加は在庫調整が進展しつつあることを 映じている可能性がある。 1~3 月期の外需は小幅な プラスに留まった公算 輸出入の伸び率格差が 10~12 月期よりも縮小傾向であることから、1~3 月期の外需寄与度はプラスを維持しつつ、前期よりも小幅な伸びに留まった と見込まれる。 ユーロ圏輸出受注は回復 傾向 輸出の先行指標は回復傾向が示されている。2 月のユーロ圏製造業(除く大 型輸送機器)輸出受注指数は前月比+1.8%と、2 カ月ぶりに上昇した(図表 11)。但し、ユーロ圏最大の輸出国であるドイツで輸出受注の伸び悩みが続い 図表 9 ユーロ圏域外輸出 (%) 6 (10億ユーロ) 160 155 4 150 2 145 0 140 ▲2 135 ▲4 ▲6 130 後方3カ月平均 125 10/8 11/2 11/8 12/2 前月比 ユーロ圏域外輸出(右) (資料)Eurostat 図表 10 ユーロ圏各国輸出 (2011/1=100) 112 108 104 100 96 11/2 ドイツ スペイン 11/8 フランス オランダ (資料)各国統計局、Eurostat 4 12/2 イタリア 図表 11 ユーロ圏輸出受注指数 (2010/1=100) 135 130 125 120 115 110 105 ユーロ圏域外輸出受注 100 ドイツ輸出受注 95 同(ユーロ域内) 90 10/2 10/8 11/2 11/8 12/2 (注)大型輸送機器を除くベース (資料)Eurostat、ドイツ連邦統計庁 みずほ欧州経済情報(2012 年 4 月号) ている点はやや気がかりである。昨年後半以降、ドイツの輸出受注は一進一 退の推移が続いており、このうち、ユーロ域内向け受注の減少が受注全体の 伸びを抑制する要因となっている。 鉱工業生産は寒波による 2 月のユーロ圏鉱工業生産指数は前月比+0.3%と 6 カ月ぶりの増産となった エネルギー生産の増加に (図表 12)。但し、天候要因で押し上げられており、持ち直しに転じたとは言えな より押し上げ い。業種別ではエネルギーが前月比+6.8%と、寒波により大幅な増産となり、オ ランダやフランス等で高い伸びとなった。他方、製造業では同▲0.7%と、寒波の 影響で下振れがみられた。今後については、輸出拡大により在庫調整が進展して いるとみられるため、春以降、徐々に減産傾向に歯止めがかかると予想される。 1~3 月期の個人消費は前 期に続き減少した見込み 家計部門を見ると、1~3 月期の個人消費は前期に続き悪化したとみられる。2 月のユーロ圏小売数量指数は前月比横ばいに留まり、1~3 月期の新車販売(登録 台数)は前期比▲7.9%と、2008 年 10~12 月期以来の大幅な落ち込みとなった(図 表 13)。1~3 月期の消費低迷の背景として、寒波の影響に加えて資源高による購 買力悪化を挙げられる。後述するように、1~3 月期の消費者物価(HICP)はエネル ギー物価高騰を主因として前期比年率+3.3%と、高めの上昇となり、実質家計所 得を圧迫したとみられる。 失業率は 1997 年以来の高 水準に上昇 雇用情勢の悪化も消費低迷の要因である。2 月のユーロ圏失業者数は前月比+ 162 千人、 失業率は 10.8%(前月比+0.1%Pt)と 1997 年以来の水準に上昇した(図 表 14)。ドイツでは底堅さがうかがえるものの、フランスを含めて他の主要国で は総じて悪化に転じており、特に、南欧諸国では顕著な悪化がみられる。失業率 はスペインが 23.6%、ギリシャが 21.0%、ポルトガルが 15.0%となっている。 一方、ドイツでは賃金交 こうした中、ドイツでは賃金交渉が続いている。公共セクターでは向こう 2 年 渉が継続中。一部では高 間で累計 6.3%の賃上げが妥結された(3/31)。足元ではドイツ最大の労働組合で めの賃上げで妥結 ある IG Metall が 6.5%の賃上げ要求を掲げ、ストライキを辞さない構えで交渉 に臨んでいる。昨年までは雇用優先により穏当な賃上げ率に抑制されてきたが、 景気回復が 2 年半に及び、労働組合もいよいよ賃上げを求め始めた。2012 年の低 成長が予想される中、過度な雇用コスト上昇がドイツ企業の競争力低下につなが る懸念があるものの、雇用所得増加はドイツ個人消費の押し上げにつながるもの と期待され、今後の動向が注目される。 図表 12 (%) 2.0 1.5 1.0 0.5 0.0 ▲ 0.5 ▲ 1.0 ▲ 1.5 ▲ 2.0 ▲ 2.5 ▲ 3.0 ユーロ圏鉱工業生産 (2005=100) 104 103 102 101 100 99 98 97 後方3カ月平均 96 10/8 11/2 11/8 12/2 前月比 鉱工業生産指数(右) (資料)Eurostat 図表 13 ユーロ圏個人消費 (2005=100) 103 (千台) 900 102 860 101 820 100 780 99 740 700 98 10/3 10/9 11/3 新車販売台数(右) (資料)Eurostat、ECB 11/9 12/3 小売数量指数 図表 14 ユーロ圏失業率 (千人) 600 500 400 300 200 100 0 ▲ 100 ▲ 200 09/2 10/2 失業者数前月差 (%) 11.0 10.5 10.0 9.5 9.0 8.5 8.0 7.5 7.0 11/2 12/2 失業率(右) (資料)Eurostat 5 みずほ欧州経済情報(2012 年 4 月号) 4.ユーロ圏物価動向・金融政策:ECBは当面、様子見姿勢を続ける見通し インフレ率は前月と同水 準 3 月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)は前年比+2.7%と、4 カ月連続で同水準 の上昇に留まった(図表 15)。内訳では、エネルギーが前年比+8.5%と前月(同+ 9.5%)から鈍化した一方、コア・インフレが同+1.6%と前月(同+1.5%)から小 幅に加速した。 年初の油価上昇により当 3 月のエネルギー物価は鈍化したとは言え、月次変化率(季節調整値)でみると、 面、インフレ率は 2%を超 前月比+1.7%と 3 カ月連続で上昇した。資源高を受けて、1~3 月期のインフレ 過する見込み 率は瞬間風速(前期比年率ベース)で+3.3%と、2011 年 1~3 月期以来の高い上昇 となった。足元で油価上昇に一服感がみられるため、4~6 月期のインフレ率(前 期比)は鈍化すると見込まれるが、前年比ベースでみたインフレ率は当面、ECB の目安とする 2%を大きく上回る推移が続きそうだ。 ECBは景気下振れへの 4 月 4 日のECB政策理事会では、政策効果を見極めるために金融政策の据え 警戒感を示すと共に、ド 置きが決定された。声明文を見ると、景気判断パートでは、足元の景気が「低い イツ向けにインフレの 水準で安定」と底入れ観測を示す一方、景気見通しには「下振れリスクが広がっ 「二次的波及リスク」に ている」と前回よりも慎重なトーンを示した(図表 16)。他方、物価判断について 言及 は、前月同様に短期的な上振れリスクを指摘し、加えて、今月はエネルギー価格 上昇が賃金上昇につながるという「二次的波及リスク」に言及し、インフレへの 警戒感を滲ませた。もっとも、 「基調的な物価上昇圧力は限定的」と、物価安定の 見通しも示した。強弱が入り混じり、一見すると分かりづらい景気・物価判断だ が、現在のユーロ圏の状況を端的に示していると言える。景気の底堅さが続くド イツでは賃上げ交渉が続いており、前述した「二次的波及リスク」はドイツへの メッセージだろう。一方、ドイツ以外のほとんどの諸国では景気下振れリスクに 晒されており、インフレが懸念される状況にはない。南欧諸国では労働市場改革 に取り組んでおり、賃金は抑制され易くなっている。 当面、金融政策は据え置 今後もドイツのインフレ懸念に配慮せざるを得ないが、当面、金融政策は据え きの公算。但し、債務危 置きが続くだろう。ドイツ連銀からは非伝統的金融政策からの脱却を目指す「出 機が一段と深刻化すれば、 口戦略」 への言及も出始めたが、 ドラギ総裁は政策理事会後の記者会見において、 ECBは国債購入を再開 「出口戦略」の議論が「時期尚早」であることを強調し、政策効果を見極める姿 する見通し 勢を示した。 他方、ユーロ圏債務問題が一段と深刻化すれば、ECBは国債購入(SMP)を 図表 15 ユーロ圏インフレ率 (前年比、%) 3.0 2.5 2.0 1.5 1.0 0.5 0.0 11/3 コア 食品・煙草 (資料)Eurostat 図表 16 ECB理事会声明文 ○ 各種サーベイは2012年初めに経済活動が低い水準で安定 エネルギー HICP 億ユーロ 億ユーロ 2400 ○ 経済見通しに下振れリスクが広がっている【見通しには 依然下振れリスクがある】。 2000 ○ 向こう数年のインフレ見通しに対するリスクは依然とし 1600 て概ね均衡していると思われるが、短期的には上振れリ スクがあり、それは予想を上回る油価上昇と間接税引き 上げに起因している。 1200 100 ○ エネルギー価格の上昇が賃金、利潤、一般的価格設定に 800 50 400 0 ○ しかしながら、今後について見ると、緩慢な成長と抑制 12/3 ECB国債購入額 したことを示している【安定化の兆候がみられる】。そ して、年内に緩やかに経済活動が上向くと予想される。 波及する兆候を特に注意深く見守る。 11/9 図表 17 された長期的インフレ期待という環境の中で、基調的な 物価上昇圧力は引き続き限定的となるだろう。 ○ 政策金利の変更に関しては協議しなかった。 ○ 出口戦略について語ることは当面、時期尚早。 (注)【】は先月の声明文で用いられた表現。 (資料)ECBよりみずほ総合研究所仮訳 6 ECBの国債購入(累積) 250 200 週間購入 額(右) 0 11/2 150 -50 11/5 11/8 11/11 12/2 (年/月) (注)週間の変動には評価損益、償還を含む (資料)ECB みずほ欧州経済情報(2012 年 4 月号) 再開すると予想される(前頁図表 17)。ドイツ連銀などECBのタカ派メンバーか らSMPへの否定的見解が示されているように、ECBは財政問題に巻き込まれ ることを回避するため、基本的にはSMPに消極姿勢と思われる。とは言え、南 欧国債市場が一段と不安定化すれば、 ECBは金融安定のため、 小額となろうが、 国債購入の再開に踏み切るとみている。 5.英国動向:景気低迷とインフレ懸念に直面するBOE 英国はリセッション入り 1~3 月期の英実質GDPは前期比▲0.2%(年率▲0.8%)と、昨年 10~12 月期 (前期比年率▲1.2%)に続くマイナス成長となり、 リセッション入りしたことが確 認された(図表 18)。企業業況の改善が続いていたことから英国のリセッション入 りは市場参加者にとって予想外であった。3 月は英製造業PMI(51.5→52.1)、 サービス業PMI(53.8→55.3)共に改善していた(図表 19)。マイナス成長の主因 は建設セクターの大幅な悪化である。業種別に見ると、建設業が前期比年率▲ 11.5%と大きく落ち込み、鉱工業も同▲1.3%のマイナスとなった。他方、サービ ス業は同+0.4%と、小幅ながら回復した。 4~6 月期はバンクホリデ 基調としては、PMIが示すように英景気は緩やかな回復に向かっているとみ ーが景気のマイナス要因 られる。もっとも、力強さに欠いており、4~6 月期には女王即位 60 周年記念に よるバンクホリデーという景気へのマイナス要因があるため、英国の成長率の弱 さは続きそうだ。 3 月の小売は大幅に増加、 個人消費には持ち直しの動きが続いている。3 月の英小売数量指数は前月比+ 2012 年に入り雇用情勢に 1.8%と、2 月の落ち込みの反動に加えて、例年より暖かな春の気候もあり、大幅 も安定化の兆し な増加となった(図表 20)。 小売動向の回復基調が続いている中、昨年後半にかけて悪化していた雇用情勢 が足元で安定化しつつあることも個人消費への追い風である。2 月の失業者数(I LOベース、後方 3 カ月平均)は前月比▲16 千人と 3 カ月連続で減少し、同雇用 者数(ILOベース、後方 3 カ月平均)は+57 千人と昨年 2 月以来の大きな増加幅 となった(次頁図表 21)。雇用増加分のほとんどをパートタイムが占めており、パ ートタイムの動向は雇用全体に先行する傾向があることから、足元にかけても雇 用回復傾向が続いている可能性が示唆される。もっとも、失業率が 8.3%と高止 まりし、正社員の職が見つからないためにパートタイムを選んでいる割合も歴史 図表 18 英実質GDP 図表 19 (前期比年率、%) 英PMI (Pt) ← 62 4.0 58 2.0 拡 張 景 気 54 0.0 50 ▲ 2.0 10/3 10/9 図表 20 11/3 11/9 12/3 46 10/3 10/9 11/3 製造業PMI 11/9 12/3 サービス業 (資料)Markit → 金融ビジネス 鉱工業 建設業 商業 公共サービス 実質GDP (注)寄与度は当社算出 (資料)英国統計局 縮 小 前月比、% 2.0 1.5 1.0 0.5 0.0 ▲ 0.5 ▲ 1.0 ▲ 1.5 ▲ 2.0 10/9 前月比 英小売統計 (2008=100) 104 103 102 101 100 後方3カ月平均 11/3 11/9 99 12/3 小売数量指数(右) (資料)ONS 7 みずほ欧州経済情報(2012 年 4 月号) 的な高さが続いているなど、家計の雇用・所得を取り巻く環境には厳しさが残存 している。このため、個人消費の回復にはなお時間を要すると予想される。 インフレ率は小幅だが、 前月から加速 3 月の英インフレ率は前年比+3.5%と前月(同+3.4%)から小幅に加速した。 内訳をみると、電気・ガスが鈍化する一方、食品や衣服、家具などの伸びが高ま り、コア・インフレは同+2.5%(前月:同+2.4%)に上昇した。英インフレ率は 依然として高い水準にあり、BOEにとっては好ましくない動向である。 4 月のMPCでは、追加緩 和の主張が 1 票に減少 4 月のMPC(4/4・5)では金融政策の据え置きが決定されたが、議事録(4/18) では、資産購入枠の増額を求める意見が 1 票に減ったことが明らかとなった。緩 和主張を撤回したのはポーゼン委員であり、マイルズ委員は前月同様、250 億ポ ンドの資産購入枠増額を求めて、反対票を投じた。 MPCでは、想定よりも 議事録をみると、MPCメンバーのインフレへの警戒感が幾分、増しているこ インフレ率の低下ペース とが示された。景気動向については、1~3 月期のみならず、4~6 月期もマイナス が遅いことに警戒感を滲 成長となる可能性が議論されたが、景気下振れへの警戒感はさほど高まっていな ませる い。1~3 月期の異例の建設投資の弱さや 4~6 月期のバンクホリデーといった特 殊要因の影響と考えているためであり、基調的に英景気の悪化が進むわけではな いとの見方を示した。一方、物価については、想定よりもインフレ率の低下ペー スが緩慢に留まっているという。資源高や予算案に盛り込まれた増税の影響(4 月 からCPIを 0.1Pt 程度押し上げるという)を踏まえ、インフレのアップサイド・ リスクが高まりつつあるとの判断を示した。他方、ユーロ圏債務危機のリスクが 前月よりも増しているとして、外部環境の悪化にも言及した。 次回MPCでは資産購入 現状の資産購入枠は 5 月頭には上限に達するため、次回のMPC(5/9・10)では 枠の増額が議論されるこ 購入枠拡大の是非が議論されるだろう(図表 23)。MPCの想定の範囲内とは言え、 とに。インフレ懸念から 英景気のリセッション入りが確認されたために追加緩和に踏み切る可能性は高い ひとまず、見送りとなる とみている。但し、 「想定ほどにインフレ率が低下しない」リスクを重視し、英景 可能性も 気の悪化懸念が一段と明確にならない限り、ひとまず、様子見スタンスに転じる 可能性も残存する。景気の弱さとインフレ懸念というBOEのジレンマは続きそ うだ。 以上 図表 21 (前月差、千人) 120 英雇用統計 図表 22 (千人) 2,900 80 2,700 40 2,500 (前年比、%) 250 2,100 2.0 ▲ 80 1,900 1.0 (資料)ONS 11/2 12/2 失業者数(右) 10億ポンド 3.0 ▲ 40 10/2 雇用者数 BOE資産購入 300 4.0 2,300 1,700 図表 23 350 5.0 0 ▲ 120 09/2 BOE資産購入 200 150 10/3 10/9 11/3 11/9 12/3 消費者物価(CPI) コア(エネルギー、食品、アルコール、煙草を除く) (資料)ONS 8 100 11/1 11/4 11/7 11/10 12/1 12/4 資産購入ファシリティによる証券購入額 資産購入枠 (資料)BOE みずほ欧州経済情報(2012 年 4 月号) 巻末資料:欧州主要経済指標 実質GDP成長率(前期比、%) ユーロ圏 ドイツ フランス イタリア スペイン 英国 09 Q2 ▲ 0.2 0.3 0.1 ▲ 0.2 ▲ 1.0 ▲ 0.2 Q3 0.4 0.8 0.3 0.4 ▲ 0.3 0.2 Q4 0.4 0.7 0.6 ▲ 0.2 ▲ 0.1 0.7 10 Q1 0.4 0.5 0.1 1.1 0.2 0.4 Q2 0.9 1.9 0.5 0.5 0.3 1.1 Q3 0.4 0.8 0.4 0.4 0.1 0.7 Q4 0.3 0.5 0.4 0.2 0.2 ▲ 0.5 11 Q1 0.7 1.3 0.9 0.1 0.4 0.2 Q2 0.1 0.3 ▲ 0.0 0.3 0.2 ▲ 0.1 Q3 0.1 0.6 0.3 ▲ 0.2 0.0 0.6 Q4 ▲ 0.3 ▲ 0.2 0.2 ▲ 0.7 ▲ 0.3 ▲ 0.3 12 Q1 #N/A #N/A #N/A #N/A #N/A ▲ 0.2 ユーロ圏統計 *設備稼働率(%) 雇用者数(前期比、%) 妥結賃上げ率(前年比、%) 労働生産性(前年比、%) 雇用コスト指数(前年比、%) *経常収支(10億ユーロ) 名目GDP比(%) 09 Q2 69.2 ▲ 0.6 2.7 ▲ 1.0 4.0 ▲ 5.5 ▲ 0.2 Q3 70.6 ▲ 0.5 2.3 ▲ 0.5 2.8 0.3 0.0 Q4 72.2 ▲ 0.1 2.1 0.6 1.5 ▲ 2.6 ▲ 0.1 10 Q1 75.8 ▲ 0.1 1.8 1.8 1.8 3.4 0.2 Q2 77.1 0.0 1.9 1.9 1.5 ▲ 2.7 ▲ 0.1 Q3 77.9 ▲ 0.0 1.5 1.7 1.1 0.5 0.0 Q4 80.0 0.2 1.6 2.1 1.7 ▲ 12.3 ▲ 0.5 11 Q1 81.3 0.0 2.0 1.8 2.5 ▲ 2.2 ▲ 0.1 Q2 80.5 0.2 1.9 1.6 3.3 ▲ 6.1 ▲ 0.3 Q3 79.6 ▲ 0.2 2.1 1.0 2.6 ▲ 0.2 ▲ 0.0 Q4 79.8 ▲ 0.2 2.0 0.7 2.8 4.3 0.2 12 Q1 79.6 #N/A #N/A #N/A #N/A #N/A #N/A 前月比 Oct-11 94.4 ▲ 0.0 0.8 ▲ 0.3 ▲ 1.0 Nov-11 93.5 ▲ 0.4 ▲ 1.3 ▲ 0.5 1.9 Dec-11 92.8 ▲ 0.9 3.5 3.7 ▲ 2.1 Jan-12 93.4 ▲ 0.0 ▲ 2.8 ▲ 2.6 ▲ 0.5 Feb-12 94.5 0.3 ▲ 1.2 ▲ 1.3 ▲ 7.0 Mar-12 94.5 #N/A #N/A #N/A #N/A 前年比 Oct-11 Nov-11 Dec-11 Jan-12 Feb-12 1.2 1.2 1.3 ▲ 2.1 0.0 ▲ 2.3 ▲ 1.8 1.5 ▲ 1.3 ▲ 0.1 0.8 7.3 ▲ 1.3 ▲ 4.3 ▲ 3.8 ▲ 0.2 ▲ 1.9 ▲ 6.4 ▲ 5.9 ▲ 9.4 #N/A #N/A #N/A #N/A 0.2 ▲ 1.7 ▲ 0.5 4.5 3.3 0.3 7.1 1.1 ▲ 0.6 5.3 1.6 3.0 3.7 2.4 3.5 6.5 9.3 10.1 4.2 11.5 3.9 8.5 2.5 10.9 5.9 #N/A #N/A ▲ 20.1 10.4 ▲ 0.1 ▲ 1.3 ▲ 20.5 10.5 ▲ 0.3 0.6 ▲ 21.3 10.6 ▲ 1.2 3.5 ▲ 20.7 10.7 1.1 ▲ 12.2 ▲ 20.3 10.8 ▲ 0.1 1.0 ▲ 0.9 ▲ 2.0 ▲ 1.2 ▲ 3.4 ▲ 2.1 ▲ 4.5 ▲ 1.3 ▲ 10.0 ▲ 1.7 ▲ 11.8 #N/A ▲ 10.4 2.6 3.2 3.0 1.6 1.9 3.0 3.0 1.6 1.6 2.5 2.7 1.6 2.5 2.0 2.7 1.5 2.8 1.7 2.7 1.5 #N/A #N/A 2.7 1.6 前年比 Oct-11 Nov-11 Dec-11 Jan-12 Feb-12 Mar-12 4.1 4.1 0.2 1.5 0.1 2.0 ▲ 0.7 1.0 ▲ 1.6 ▲ 1.3 ▲ 2.5 ▲ 1.9 ▲ 2.3 ▲ 1.9 0.2 ▲ 2.5 ▲ 3.3 ▲ 3.1 ▲ 4.1 ▲ 2.3 #N/A 9.9 6.6 0.7 5.3 5.5 0.4 4.9 ▲ 0.2 2.5 0.9 3.1 1.1 ▲ 1.3 4.2 1.1 #N/A #N/A 3.3 5.0 0.8 ▲ 2.7 2.3 4.8 1.6 ▲ 2.5 2.2 4.2 1.0 ▲ 2.5 2.4 3.6 0.6 ▲ 1.8 2.9 3.4 0.9 ▲ 3.4 3.4 3.5 ▲ 0.9 #N/A #N/A *景況感指数(欧州委員会) 鉱工業生産指数 製造業受注指数 除く自動車以外の輸送機器 建設業生産指数 *貿易収支(名目、10億ユーロ) 域外輸出(同上) 域外輸入(同上) *消費者信頼感指数 *失業率 小売数量指数 乗用車新規登録台数 #N/A #N/A #N/A ▲ 19.1 #N/A #N/A 4.9 マネーサプライ(M3) 生産者物価指数・最終財コア 消費者物価指数 コア(除く飲食品、煙草、アルコール、エネルギー) *ECB主要政策金利(末値、%) *Euribor3カ月レート(末値、%) *ドイツ10年国債利回り(末値、%) *ダウユーロ50種株価指数(末値) *ユーロドル(末値、$/€) *ユーロ円(末値、円/€) 各国統計 1.50 1.59 2.06 2,385.2 1.386 108.3 1.25 1.47 2.28 2,330.4 1.344 104.2 1.00 1.36 1.83 2,316.6 1.295 99.6 1.00 1.13 1.81 2,416.7 1.308 99.7 1.00 0.98 1.82 2,512.1 1.332 108.2 1.00 0.78 1.81 2,477.3 1.334 110.5 前月比 Oct-11 Nov-11 Dec-11 Jan-12 Feb-12 Mar-12 ドイツ *ifo景況感指数(2000年=100) 鉱工業生産指数(除く建設業) *失業率 *DAX株価指数(末値) 106.5 0.9 7.0 6,141.3 106.8 ▲ 0.3 6.9 6,088.8 107.3 ▲ 2.2 6.8 5,898.4 108.4 0.9 6.8 6,458.9 109.7 ▲ 0.2 6.8 6,856.1 109.8 #N/A 6.7 6,946.8 フランス *INSEE製造業景況感指数 鉱工業生産指数(除く建設業) 家計財消費支出 *CAC株価指数(末値) 97.0 0.2 0.2 3,242.8 96.0 1.1 0.1 3,154.6 94.0 ▲ 1.5 ▲ 0.3 3,159.8 92.0 0.2 ▲ 0.5 3,298.6 93.0 0.3 2.9 3,452.5 98.0 #N/A ▲ 2.9 3,423.8 ▲ 11 ▲ 1.1 ▲ 2.0 3.9 ▲ 1.0 0.7 4.9 ▲8 ▲ 0.4 ▲ 3.4 ▲ 2.6 0.7 ▲ 0.2 4.9 ▲8 0.4 ▲ 1.7 0.5 ▲ 3.6 0.6 4.9 15 ▲ 0.7 ▲ 2.5 ▲ 0.6 1.4 0.4 4.9 15 0.4 ▲ 3.4 ▲ 2.0 0.2 ▲ 0.8 4.9 24 #N/A #N/A #N/A #N/A 1.8 4.9 0.4 0.3 ▲ 0.3 ▲ 0.3 0.4 ▲ 1.0 0.50 2.44 5,544.2 1.609 125.8 0.50 2.32 5,505.4 1.569 121.9 0.50 1.98 5,572.3 1.554 119.5 0.50 1.97 5,681.6 1.576 120.2 0.50 2.15 5,871.5 1.592 129.1 0.50 2.20 5,768.5 1.601 132.6 英国 *CBI製造業生産見通し 鉱工業生産指数 *貿易収支(名目、含むサービス、10億£) 輸出(同上) 輸入(同上) 小売数量指数 失業率(失業保険申請ベース) 消費者物価指数(CPI) ネーションワイド住宅価格指数 マネーサプライ(M4) コア(その他金融の資金仲介を除く) *イングランド銀行政策金利(末値、%) *英10年国債利回り(末値、%) *FT100株価指数(末値) *ポンドドル(末値、$/£) *ポンド円(末値、円/£) Mar-12 #N/A #N/A ▲ 2.0 (注)*は水準。ユーロ圏乗用車新規登録台数と英国住宅価格指数は前月比を季節調整値、前年比を原数値で算出 (資料)Eurostat、欧州委員会、ECB、ACEA、ドイツ連銀、ドイツ連邦統計庁、ifo、INSEE、ONS、BOE、CBI、RICS、Nationwide、Bloomberg、EcoWin 9 みずほ欧州経済情報(2012 年 4 月号)