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分娩間隔の短縮

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分娩間隔の短縮
表1 牛群検定加入農家の繁殖成績と乳量
牛群検定加入農家は,乳検成績を飼養・繁殖管理に活用し,
自農場の生産性向上,増収益に取り組んでいます。乳検成績
乳検成績
分娩
間隔
は,分娩間隔,初回授精日等の延長より損失
損失乳量が増大する
損失
ことを示し,その
の原因と
原因と対策の
対策の必要性を
必要性を指摘します(表1)。
指摘
宮城県牛群検定普及推進協議会では,生産性の損失を抑え,
向上させるためには繁殖成績
繁殖成績の
繁殖成績の改善が急務であると考えまし
改善
た。そこで,協議会は,農場
農場ごとの
農場ごとの乳検成績
ごとの乳検成績から,分娩間隔
乳検成績
500日以上の加入農場(延べ26戸)を抽出,「50日短縮」
空胎
日数
日
初回
授精
日
搾乳
乳量
日
補正
乳量
kg
kg
補正乳量
上位10農場
452
200
106
33.7
11,758
補正乳量
下位10農場
472
228
139
21.9
7,620
2010年4月牛群検定成績から(宮城県畜産試験場調べ)
を目標として,年2回の巡回指導を実施しました。
表2 平成21~23年度の改善事例
分娩間隔が
分娩間隔が長い農場の
農場の共通点
年
度
(1)牛の観察が
観察が不十分
(2)分娩後の
分娩後の明瞭な
明瞭な発情が
発情が遅いか,
いか,ない
21
(3)泌乳サイクルに
泌乳サイクルに合
サイクルに合わない飼料給与体系
わない飼料給与体系
○濃厚飼料多給・
濃厚飼料多給・粗飼料不足
22
○過肥や
過肥や削痩している
削痩している牛
している牛が多い
(4)蹄病・
蹄病・飛節腫脹・
飛節腫脹・第四胃変位などが
第四胃変位などが多
などが多い
23
分娩間隔(日)
事
例
指導前
指導後
短縮
1
514
478
-36
2
544
489
-55
1
509
459
-50
2
546
495
-51
1
553
468
-85
2
516
464
-52
分娩後の初回発情及び発情回帰時の明瞭で強い発情にするためには,適正
適正な
適正な飼養管理が必要で
飼養管理
す。繁殖成績を左右する要因は複雑で,農場ごとに異なりますが,粗飼料
粗飼料を
粗飼料を中心とした基本に忠
中心
実な飼養管理にすることが大切です。
巡回した農場では,飼養管理状況を再確認し,以下の基本的な飼養管理に取組むことによって,
牛の状態が良くなり,分娩間隔が改善した事例もありました(表2)。
乾乳期用配合飼料の
乾乳期用配合飼料の給与
(1)良質で
良質で切断長の
切断長の長い粗飼料の
粗飼料の増給
○粗飼料食込みとエネルギー不足の改善・疾病発生の軽減
(2)食い込ませるための給餌方法
ませるための給餌方法
○粗飼料 : 4~5kg/1回 × 3回程度 = 1日分
乾草 12kg/日 11kg
配合
~ 8kg ~ 12kg以上
4kg
2kg/日 3kg
乾乳 -3週 ○濃厚飼料: 3kg以下/1回 × 数回 = 1日分
(3)乾乳期用配合飼料の
乾乳期用配合飼料の活用
○乾乳期飼養管理対策例:図参照
分娩 酸化マグネ
シウム給与
2kg1kg
3週程度 リンカル給与
高Kの場合,必要の場合も
検定事業の
検定事業の内容をもう
内容をもう一度検討
をもう一度検討し
一度検討し,加入により
加入により経営
により経営の
経営の安定に
安定に活用して
活用して下
して下さい。
さい。
【宮城県牛群検定普及推進協議会】
みやぎの酪農農業協同組合・宮城県酪農農業協同組合・全国農業協同組合連合会宮城県本部・宮城県ホルスタイン協会・
社団法人宮城県畜産協会・宮城県農業共済組合連合会・仙北乳用牛群改良推進組合・大崎石巻乳用牛群改良組合・
県南乳用牛群改良組合・宮城県ホルスタイン改良同志会・宮城県家畜人工授精師協会・宮城県
お 問 い 合 わ せ 先
仙北乳用牛群改良推進組合(宮城県畜産協会仙北事業所内:0220-21-1552)
大崎石巻乳用牛群改良組合(宮城県畜産協会中央事業所内:0229-34-3304)
県南乳用牛群改良組合
宮城県ホルスタイン協会
(宮城県畜産協会仙南事業所内:0224-52-2523)
( 宮 城 県 畜 産 協 会 内 :022-298-9750)
宮城県牛群検定普及推進協議会
1.観察と
観察と記録で
記録で,発情の
発情の見逃しを
見逃しを少
しを少なくしましょう。
なくしましょう。
○繁殖管理台帳,
繁殖管理台帳,管理ボードを
管理ボードを活用
ボードを活用して
活用して,
して,分娩後の
分娩後の初回発情が
初回発情が近い牛を注意,
注意,観
察することによって,
することによって,発情を
発情を見逃さないように
見逃さないように工夫
さないように工夫しましょう
工夫しましょう。
しましょう。
○牛の観察等にゆとりがない
観察等にゆとりがない場合
にゆとりがない場合や
場合や積極的な
積極的な取組として
取組として,「
として,「繁殖検診
,「繁殖検診」
繁殖検診」を活用す
活用す
ることも有効
ることも有効。
有効。
2.泌乳・
泌乳・乾乳期に
乾乳期に関わらず良質粗飼料
わらず良質粗飼料を
良質粗飼料を食い込ませる。
ませる。
○粗飼料不足の
粗飼料不足の牛では,
では,BCSの
BCSの急激な
急激な変動,
変動,飛節腫脹,
飛節腫脹,蹄病などの
蹄病などの症状
などの症状を
症状を示し,
乳質も
乳質も悪化しますので
悪化しますので,
しますので,乳検成績(
乳検成績(特にMUN,
MUN,FAT,
FAT,SNF)
SNF)と併せて,
せて,牛を
しましょう。
よく観察
観察しましょう
。
よく
観察しましょう
○乾乳後期から
には,充分注意が
充分注意が必要です
必要です。
です。
乾乳後期から泌乳期
から泌乳期にかけての
泌乳期にかけての粗飼料
にかけての粗飼料の
粗飼料の食い込み量には,
=ミネラル等
ミネラル等の微量成分やビタミン
微量成分やビタミン類
やビタミン類が不足すると
不足すると健康維持
すると健康維持,
健康維持,免疫低下等により
免疫低下等により分娩
により分娩
前後の
前後の粗飼料の
粗飼料の摂取不足(
摂取不足(食いが低下
いが低下)
低下)に陥り,疾病発生率が
疾病発生率が急増します
急増します=
します=
○自給飼料の
自給飼料の場合,
場合,品質にバラツキがありますので
品質にバラツキがありますので,「
にバラツキがありますので,「量
,「量は採食しているが
採食しているが,
しているが,栄
養要求量に
養要求量に満たない」
たない」場合があります
場合があります。
があります。関係機関で
関係機関で原物や
原物や採草地土壌の
採草地土壌の成分を
成分を
分析して
分析して,
して,充足していない
充足していない場合
していない場合には
場合には購入粗飼料給与
には購入粗飼料給与の
購入粗飼料給与の検討も
検討も必要です
必要です。
です。
=飼料計算は
飼料計算は誰が?定期的に
定期的に計算することと
計算することと牛
することと牛の反応を
反応を
確認し
確認し設計者と
設計者と相談すること
相談すること=
すること=
3. BCSの
~3.50)
)
BCSの変動は
変動は最小限に
最小限に(目標:
目標:3.00~
○乾乳期の
乾乳期の過肥は
過肥は,分娩事故のリスクが
分娩事故のリスクが高
のリスクが高く,初回発情が
初回発情が遅延したり
遅延したり,
したり,分娩間隔
を延長する
延長する要因
する要因の
要因の一つです。
つです。乾乳期用配合飼料等を
乾乳期用配合飼料等を活用して
活用して,
して,粗飼料中心の
粗飼料中心の飼
養管理に
養管理に努めましょう。
めましょう。
○泌乳初期は
泌乳初期は,生理的に
生理的に負のエネルギーバランスで泌乳活動
のエネルギーバランスで泌乳活動を
泌乳活動を続けている時期
けている時期で
時期で
す。体重と
体重とBCSは
BCSは減少しますが
減少しますが,
しますが,急激な
急激な減少は
減少は,鈍性発情や
鈍性発情や卵胞の
卵胞の発育に
発育に悪い
影響を
増乳量にあった濃
にあった濃
影響を与えます。
えます。減少を
減少を抑えるために,
えるために,粗飼料の
粗飼料の食い込みと増乳量にあった
厚飼料の
厚飼料の増飼が
増飼が必要です
必要です(
です(給与回数を
給与回数を増やすことによって増飼
やすことによって増飼する
増飼する)。
する)。
※このリーフレットは,平成21~23年度の巡回指導から得られた成果を整理したものです
繁殖成績の改善のための参考として活用してください(平成24年3月)
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