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国際共同研究プロジェクト 「近代国家の生成」関連文献目録

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国際共同研究プロジェクト 「近代国家の生成」関連文献目録
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国際共同研究プロジェクト
「近代国家の生成」関連文献目録
花
は
じ
め
田
洋 一 郎
に
本稿は,1
9
8
4年の研究活動始動から現在まで膨大な研究成果を公にしてきた
国際研究プロジェクト「近代国家の生成」に関する文献目録である(1)。網羅性
を意図したものではないが,基本的な文献についてほぼ完全にリストアップし
たものである。本稿作成時点(2
0
0
9年)において研究計画の始動からすでに2
5
年が経過し,この間に歴史研究者のモノグラフィーや個別論文においてこの研
究プロジェクトの成果を直接・間接的に活用した仕事は多く見られた(2)。しか
し,この巨大な研究プロジェクトについて中核をなす立場にあるフランス学界
のみならず,他の欧米学界においても刊行された膨大な量の研究成果を批判・
再検討する試みはおろか,その研究成果の全容を明らかにし,総合する試みさ
えもなされていない。まさに祭りの終わりを飾る花火のごとく華々しく消え
去った感さえする。ただ研究計画の総責任者である J.-Ph. Genet(パリ第1大
学)は独自に活動を継続し,研究会などを組織しながら比較史の視点から成果
を挙げており,その活動報告は LAMOP の HP に掲載されている(3)。
他方日本では,この研究計画に関しては渡辺節夫教授(青山学院大学)の紹
介論文(4)をはじめとして,神寶秀夫教授(九州大学)による小論(5),藤井美男
教授(九州大学)による研究史の整理と研究成果の積極的な取り込み(6)があり,
さらに九州大学文学部西洋史学研究室の HP に,筆者を含む「近代国家生成
史」研究会活動の軌跡と文献目録(筆者作成)が掲載されている(7)。こうした
業績の積み重ねにもかかわらず日本では,この国際研究活動が生み出した多彩
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0−
国際共同研究プロジェクト「近代国家の生成」関連文献目録
な成果について広く知られているわけではないようである(いやむしろほとん
ど知られていないといったほうが正確かもしれない)
。このことは特に中世史
に関して注目すべき成果がこのプロジェクトから生み出されていることを考え
ると,きわめて残念なことである。そこで筆者は,「近代国家の生成」研究に
強い関心を持つ者のひとりとして,個人的には特に専門とする財政史に対する
この研究プロジェクトの大きな貢献を顧みつつ,現時点で体系的に整理した文
献目録を公刊することにした。なお断っておくが,研究史という形で膨大な量
に上る文献を精査しその成果を総合する能力は筆者にはないので,ここでは文
献目録の作成のみに作業を限定する。
ところでこのプロジェクトでは,「近代国家」の作業仮説として次のような
説明を行っている。プロジェクトリーダーの一人である Genet の言葉を借りる
と,「近代国家は1
2
8
0年と1
3
6
0年の間に西欧諸王国(フランス,イングランド,
スコットランド,イベリア諸王国)において生まれたものであり,より正確に
言えばそこでは政治システムとして複数の要素が結晶化しており,その要素の
一部ははるか昔から存在し,古代にまで遡ることもある。爾来この政治システ
ムは連続的発展を経験し,1
7世紀からは異なる形態の国家を生み出すが,その
起源は基本的に共通である。ともかく現代諸国家(ここは単数形の国家と考え
てもいい)の系譜を,ここに提示した年代よりももっと昔に遡らせることは不
(8)
可能である」
。これは1
9
8
4年の研究集会報告集における説明であるが,1
9
8
8
年のプロジェクト総括論文では,次のようにより具体的に踏み込んだ解釈を
行っている。すなわち「国家は1
2
8
0年と1
3
6
0年の間に生まれ,この時に西欧の
王や諸侯たちは終わりの見えない戦争に直面したため,彼らはその民衆と財産
のために,共同体の防衛と保護に力を注ぐべく彼らの土地に居住するものたち
に助けを求めることを望んだ。新しい徴税経路の確立は,当時ヨーロッパを
襲っていた「危機」と結びつき,封建制特有の社会的序列と命令の実行を混乱
させた。しかしながら暴力を伴う拒否の動きは,ひとつの政治システム,
「生
まれようとする近代国家」の結晶化を妨げることはできなかった。たとえこの
システムが複数の要素から成り立ち,その要素の一部はかなり昔から,時には
古代から存在するものであるとしても,それは新しいシステムであった。そし
国際共同研究プロジェクト「近代国家の生成」関連文献目録
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てこの政治システムは,それ以来連続した発展を経験した。たとえ1
7世紀から
非常に異なる国家形態をいくつも生み出したとしても(フランスの絶対王政,
イングランドの立憲君主政,それから多様な形態をとる議会民主制,君主民主
制,共和民主制)
,それらの起源は基本的に共通のものである。ともかくこれ
ら「近代」諸国家(ここは単数形の国家と考えてもいい)の,系譜関係ではな
く「生成」をここに提示した年代よりももっと昔に遡らせることは不可能であ
る。このように定義される「近代国家」は理論モデルではない。むしろ観察さ
れた歴史的形態から演繹された経験モデルであって,しっかりと作られた概念
モデルではない。西欧君主国における国家税制の出現,代表制議会の確立,百
年戦争の兆し(すなわち国家的動機によるヨーロッパ戦争のほぼ永続的なサイ
クルの開始)
,フランス・イングランド諸王と教皇庁との(王側の勝利に終わ
る)対立,アリストテレス政治学再発見を伴う政治学の再生(誕生とは言わず
に)
,これだけの徴候が半世紀の間にかろうじてひとつにまとまり,この新し
い対象,近代国家をわたしたちに知らしめる。この経験的な出発点はショッキ
ングであろう。しかしもしそれが別の性格を持っていたとしたら,共同研究計
画の枠内に,複数の分野,異なる国々から集い,非常に多様な関心と目的によ
り熱意を持ったこれほどの研究者を集めることは難しかったであろう。何人も
の参加者から指摘された近代国家という概念の不十分さは,それ自体集団研究,
すなわち多様なアプローチのためにはやむを得なかった。この多様なアプロー
チでは,例えば危機,生産様式あるいは移行といった歴史的構造は考慮に入れ
てはいないが,それらが近代国家という政治的「形態」の歴史において重要な
役割を果たしたことには変わりはない。本報告の終わりでこの点に言及しなが
らも,わたしはここでこうした不備あるいは欠如を埋めるつもりはなく,理論
研究が必要と考える。しかしながら,プログラムの後でこの経験モデルとその
諸要素のモデルに立ち戻ることは有益であり,それらは歴史研究にとって安定
(9)
した碇泊地として便利であり,その妥当性を結論づけることを可能にする。
」
些か引用文が長くなってしまったが,言わんとするところは明快である。要す
るに,このプロジェクトは,従来のように単線的発展段階論的に国家の成長を
見るのではなく,またその起源探しではなく生成過程を重視し,さまざまな要
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国際共同研究プロジェクト「近代国家の生成」関連文献目録
素が組み合わさり,絡み合う歴史的状況の中で近代国家の生成を長期的スパン
で理解しようとする野心的な試みなのである。
本稿では,膨大な量にのぼる関連文献を以下の4つのカテゴリーに分類する
方法を採った。さらに文献には参照の便を考慮して通し番号をつけた。第1の
カテゴリーには,CNRS のテーマ別活動計画(A.T.P.)に基づき公刊された研
究集会報告集(1
9
8
4年∼1
9
8
9年)を挙げた(10)。第2のカテゴリーには,ヨー
ロッパ科学財団(ESF)後援による継続研究計画の成果(1
9
8
8年∼1
9
9
2年)に
ついて,英語版と仏語版を挙げた(11)。第3のカテゴリーには,近代国家の生成
を中心テーマとする,あるいはそれに密接に関連する研究集会報告集あるいは
モノグラフィーなど(1
9
8
4年∼)を挙げた。最後に第4のカテゴリーにはその
他として,この国際共同研究プロジェクトの経緯や性格に関して論じた論文,
現在進行中の研究活動について現在判明する限りにおいて挙げた。
「近代国家の生成」研究プロジェクト関連文献目録
【1】CNRS の A.T.P. に基づき公刊された研究集会報告集(1
9
8
4年∼1
9
8
9年)
研究テーマの選択順序が分かるように,文献は研究集会の開催年月日順に挙
げておく。
[1]N. Coulet et J.-Ph. Genet, (éd.), L’État moderne : le droit, l’espace et les formes de l’État. Actes de la table ronde d’Aix-en-Provence, les 11-12 octobre
1984, CNRS, Paris, 1990.
[2]J.-Cl. Maire-Vigueur et Ch.Pietri, (éd.), Culture et idéologie dans la genèse
de l’État moderne. Actes de la table ronde organisée par le CNRS et l’École
française de Rome, Rome, les 15-17 octobre 1984, École française de Rome,
Rome, 1985.
[3]Fr. Autrand, (éd.), Prosopographie et genèse de l’État moderne. Actes de la
table ronde organisée par le CNRS et l’École normale supérieure de jeunes
filles, Paris, les 22-23 octobre 1984, Presses de l’École normale supérieure de
jeunes filles, Paris, 1986.
国際共同研究プロジェクト「近代国家の生成」関連文献目録
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[4]J.-Ph. Genet et M.Le Mené, (éd.), Genèse de l’État moderne. Prélèvement et
redistribution. Actes du colloque de Fontevraud, les 16-17 novembre 1984,
CNRS, Paris, 1987.
[5]J.-Ph. Genet et B. Vincent, (ouvrage préparé par), État et Église dans la
genèse de l’État moderne. Actes du colloque organisé par le CNRS et la
Casa de Velázquez, Madrid, les 30 novembre et 1er décembre 1984, Bibliothèque de la Casa de Velázquez, Madrid, 1986.
[6]N. Bulst et J.-Ph. Genet, (éd.), La ville,la bourgeoisie et la genèse de l’État
moderne (XIIe-XVIIIe siècles). Actes du colloque de Bielefeld, les 29
novembre-1er décembre 1985, CNRS, Paris, 1988.
[7]Ph. Contamine, (Textes réunis et présentés par), L’État et les aristocraties
(France, Angleterre, Ecosse), XIIe-XVIIe siècle. Actes de la table ronde
organisée par le CNRS, Maison française d’Oxford, les 26-27 septembre
1986, Presses de l’École normale supérieure, Paris, 1989.
[8]J.-Ph. Genet et J.-Y. Tilliette, (éd.), Théologie et droit dans la science politique de l’État moderne. Actes de la table ronde organisée par l’École
française de Rome avec la concours du CNRS, Rome, les 12-14 novembre
1987, École française de Rome, Rome, 1991.
[9]J.-Ph. Genet, (éd.), L’État moderne : Genèse. Bilans et perspectives. Actes du
colloque tenu au CNRS à Paris, les 19-20 septembre 1989, CNRS, Paris,
1990.
【2】ヨーロッパ科学財団(ESF)後援による継続研究計画の成果(1988年∼1992年)
文献は研究成果の刊行順に挙げる。ただしフランス語版はその限りではない。
[1
0]R. Bonney, (Ed.), Economic Systems and State Finance, European Science
Fondation Clarendon Press, Oxford University Press, Oxford/New York, 1995.
(仏語版)R. Bonney, (dir.), Systèmes économiques et finances publiques, PUF, Paris,
1996 ; traduit de l’anglais par Roland Marx et Nora Wang, texte français
établi par Jean-Claude Hocquet.
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国際共同研究プロジェクト「近代国家の生成」関連文献目録
[1
1]W. Reinhard, (Ed.), Power Elites and State Building, European Science Fondation Clarendon Press, Oxford University Press, Oxford/New York, 1996.
(仏語版)W. Reinhard, (dir.), Les élites du pouvoir et la construction de l’État en
Europe, PUF, Paris, 1996 ; traduit de l’anglais par Hélène Aji, texte français
établi par Robert Descimon.
[1
2]J. Coleman, (Ed.), The Individual in Political Theory and Practice, European
Science Fondation Clarendon Press, Oxford University Press, Oxford/New
York, 1996.
(仏語版)J. Coleman, (dir.), L’individu dans la théorie politique et dans la pratique, PUF, Paris, 1996 ; traduit de l’anglais par Marie-Anne de Kisch, texte
français établi par Jacques Verger.
[1
3]A. Padoa-Schioppa, (Ed.), Legislation and Justice, European Science Fondation Clarendon Press, Oxford University Press, Oxford/New York, 1997.
(仏語版)A. Padoa-Schioppa, (dir.), Justice et législation, PUF, Paris, 2000 ;
traduit de l’anglais par Marie-Anne de Kisch, texte français établi par Albert
Rigaudière.
[1
4]P. Blickle, (Ed.), Resistance, Representation and Community, European Science Fondation Clarendon Press, Oxford University Press, Oxford/New York,
1997.
(仏語版)P. Blickle, (dir.), Résistance, représentation et communauté, PUF, Paris,
1998 ; traduit de l’anglais par Agnès Botz, texte français établi par Hugues
Neveux et Jean Nicolas.
[1
5]A. Ellenius, (Ed.), Iconography, Propaganda and Legitimation, European Science Fondation Clarendon Press, Oxford University Press, Oxford/New York,
1998.
(仏語版)A. Ellenius, (dir.), Iconographie, propaganda et légitimation, PUF, Paris,
2001 ; traduit de l’anglais par Laurent Bury, texte français établi par Gérard
Sabatier.
[1
6]Philippe Contamine, (Ed.), War and Competition between States, European
国際共同研究プロジェクト「近代国家の生成」関連文献目録
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Science Fondation Clarendon Press, Oxford University Press, Oxford/New
York, 2000.
(仏語版)Ph. Contamine, (dir.), Guerre et Concurrence entre les État européens du
XIVe au XVIIIe siècle, PUF, Paris, 1998 ; traduit de l’anglais par Nicole
Genet, texte français établi par Philippe Contamine.
【3】近代国家の生成を中心テーマとする,あるいはそれに関連する研究集会
報告集
文献は,テーマ順ではなく,編者あるいは書名のアルファベット順に挙げる
[1
7]Aux origines de l’État moderne.Le fonctionnement administrative de la papauté d’Avignon.Actes de la table ronde organisée par l’École française de
Rome avec le concours du CNRS, du Conseil général de Vaucluse et de
l’Université d’Avignon (Avignon, 23-24 janvier 1988) , École française de
Rome, Rome, 1990.
[1
8]R. Babel et J.-M. Moeglin, (publiés par), Identité régionale et conscience nationale en France et en Allemagne du Moyen Age à l’époque moderne. Actes
du colloque organisé par l’Université Paris XII-Val de Marne, l’Institut universitaire de France et l’Institut Historique Allemand à l’Université Paris XII
et à la Fondation Singer-Polignac, les 6-8 octobre 1993, Beihefte der Francia,
Band 39, Jan Thorbecke Verlag Sigmaringen, 1997.
[1
9]M. Balard, (dir.), Études sur «État et colonisation au Moyen Age» , cahier ronéoté, Presses universitaires de Reims, Reims, 1986.
[2
0]M. Balard, (dir.), État et colonisation au Moyen Age et à la Renaissance.
Actes du colloque international organisé à l’U.E.R. des Lettres et sciences
humaines de l’Université de Reims du 2 au 4 avril 1987, Collection l’histoire
partagée, La Manufacture, Lyon, 1989.
−27
6−
国際共同研究プロジェクト「近代国家の生成」関連文献目録
[2
1]C. Beaune et A. Vauchéz, (dir.), «Parole inspirée» et pouvoir charismatique,
dans Mélanges de l’École française de Rome. Moyen Age-Temps moderne,
t.98-1, 1986, pp.7-327.
[2
2]Y-M. Bercé et Ph.Contamine, (publiés par), Histoire de France, Historiens de
la France. Actes du colloque international, Reims, 14-15 mai 1993, Société
de l’Histoire de France, Honoré Champion, Paris, 1994.
[2
3]J.Blanchard, (éd.), Représentation, pouvoir et royauté à la fin du Moyen Age.
Actes du colloque organisé par l’Université du Maine les 25-26 mars 1994,
Picard, Paris, 1995.
[2
4]W. Blockmans et J.-Ph. Genet, (éd.), Visions sur le développement des États
européens. Théories et historiographies de l’État moderne.Actes du colloque
organisé par la Fondation européenne de la science et l’École française de
Rome, les 18-31 mars 1990 Rome, École française de Rome, Rome, 1993.
[2
4a]W. Blockmans, J. Borges de Macedo et J.-Ph. Genet (Edited By), The Heritage of the Pre-Industrial European State. The Origins of the Modern State in
Europe, 13 th to 18 th Century, Second Plenary Conference, Lisbon, Arquivo da
Torre do Tombo, 8-11 April 1992, Lisbon, 1996.
[2
5]R. Bonney, (Edited By), The Rise of the Fiscal State in Europe. c.1200-1815,
Oxford, 1999.
[2
6]C. Boudreau, K. Fianu, Cl. Gauvard et M. Hébert (réunis par.), Information et
société en Occident à la fin du Moyen Age. Actes du colloque international
tenu à l’Université du Québec à Montréal et à l’Université d’Ottawa (9-11
mai 2002) , Publications de la Sorbonne, Paris, 2004.
国際共同研究プロジェクト「近代国家の生成」関連文献目録
−277−
[2
7]B. Bourdin, La genèse théologico-politique de l’État moderne : la controverse de Jacques 1er d’Angleterre avec le cardinal Bellarmin, Collection
Fondements de la politique, PUF, Paris, 2004.
[2
8]H. Bresc, L. Hurbon, B. Rosenberger, Ch. Veauvy et M. Zerner, (éd.), Genèse
de l’État moderne en Méditerranée. Approches historique et anthropologique
des pratiques et des représentations. Actes des tables rondes internationales
tenues à Paris les 24-26 septembre 1987 et les 18-19 mars 1988, École
française de Rome, Rome, 1993.
[2
9]N. Bulst, R. Descimon et A. Guerreau (Textes réunis par), L’État et le roi.
Les foundations de la modernité monarchique en France (XIVe-XVIIe siècles).
Table ronde du 25 mai 1991 organisée par Neithard Bulst et Robert Descimon à l’École Normale Supérieure, Éditions de la maison des sciences de
l’homme, Paris, 1996.
[3
0]J. Chapelot et E. Lalou, (dir.), Vincennes aux origines de l’État moderne.
Actes du colloque scientifique sur Les Capétiens et Vincennes au Moyen Age,
Vincennes les 8-10 juin 1994, Presses de l’École Normale Supérieure, Paris,
1996.
[3
1]Ph. Chassaigne et J.-Ph. Genet, (dir.), Droit et société en France et en
Grande-Bretagne (XIIe-XXe siècle). Fonctions, usages et représentations.
Actes du colloque franco-britannique de Bordeaux, 28-29 septembre 2001,
Publications de la Sorbonne, Paris, 2003.
[3
2]G. Depeyrot, T. Hackens et Ch. Moucharte, (éd.), Rythmes de la production
monétaire, de l’Antiquité à nos jours, Publications de l’Histoire de l’Art et
d’Archéologie de l’Université de Louvain, 50, Numismatica Lovaniensia, 7,
−27
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国際共同研究プロジェクト「近代国家の生成」関連文献目録
Louvain-la-Neuve, 1987.
[3
3]Collectif, L’État dans l’Europe moderne, Comptes rendus, dans Annales HSS ,
1997, pp.393-443.
[3
4]L’État romain, État moderne : la place du droit. Actes de la rencontre «Volterra» de Rome 16 et 17 décembre 1999, dans Mélanges de l’École française
de Rome. Moyen Age, t.113-2, 2001, pp.793-961.
[3
5]K. Fianu et D. J. Guth, (éd.), Écrit et pouvoir dans les chancelleries médiévales : Espace français, espace anglais. Actes du colloque international de
Montréal, 7-9 septembre 1995, Fédération internationale des Instituts
d’Études médiévales, Textes et Études du Moyen Age, 6, Louvain-la-Neuve,
1997.
[3
6]Fr. Foronda, J.-Ph. Genet et J. Manuel Nieto Soria, (dir.), Coups d’État à la
fin du Moyen Age? Aux fondements du pouvoir politique en Europe occidentale. Colloque international (25-27 novembre 2002) . Collection de la Casa de
Velásquez, no 91, Madrid, 2005.
[3
7]J.-Ph. Genet et J.-Cl. Marie-Vigueur, (dir.), La prosopographie. Problèmes et
méthodes. Actes de la reunion tenue les 6-7 décembre 1985, dans Mélanges
de l’École française de Rome. Moyen Age-Temps moderne, t.100, 1988, pp.7284.
[3
8]J.-Ph. Genet, (éd.), L’Historiographie médiévale en Europe. Actes du colloque
organisé par la Fondation Européenne de la Science au Centre de Recherches
historiques et juridiques de l’Université de Paris I du 29 mars au 1er avril
1989, CNRS, Paris, 1991.
国際共同研究プロジェクト「近代国家の生成」関連文献目録
−279−
[3
9]J.-Ph. Genet et G. Lottes, (éd.), L’État moderne et les Élites XIIIe-XVIIIe siècles. Apports et limites de la méthode prosopographique. Actes du colloque
international CNRS-Paris I, les 16-19 octrobre 1991, Publications de la Sorbonne, Paris, 1996.
[4
0]J.-Ph. Genet, (éd.), L’Histoire et les nouveaux publics dans l’Europe médiévale (XIIIe-XVe siècles). Actes du colloque organisé par la Fondation
européenne de la science à la Casa de Velásquez, Madrid les 23-24 avril
1993, Publications de la Sorbonne, Paris, 1997.
[4
1]J.-Ph. Genet, La genèse de l’État moderne. Culture et société politique en Angleterre, Collection Le nœud gordien, PUF, Paris, 2003.
[4
2]J.-Ph. Genet, (Études réunies par), Rome et l’État moderne européen. Actes
du colloque international à Rome, les 31 janvier-2 février 2002, École
française de Rome, Rome, 2007.
[4
3]A. Gouron et A. Rigaudière, (dir.), Renaissance du pouvoir législative et
genèse de l’État, Publications de la société d’histoire du droit et des institutions des anciens pays de droit écrit, 3, Montpellier, 1988.
[4
4]A. Guery, La naissance financière de l’État moderne en France, dans J. Bouvier et J.-C. Perrot (Textes rassemblés et édités par), État, fiscalités, économies : actes du cinquième congrès de l’Association des historiens économists,
16-18 juin 1983, Paris, 1985, pp.53-62.
[4
4a]A. Guery, L’Historiens, la crise et l’État, dans Annales HSS , 1997, pp.233256.
−28
0−
国際共同研究プロジェクト「近代国家の生成」関連文献目録
[4
5]A. Harding, Medieval Law and the Foundations of the State, Oxford/New
York, 2002.
[4
6]Ch. Hermann, (éd.), Le premier âge de l’État en Espagne (1450-1700) , Éditions du CNRS, Bordeaux, 1990.
[4
7]J. Hilaire, Le roi et nous. Procédure et genèse de l’État aux XIIIe et XIVe
siècles, dans Histoire de la Justice, no 5, 1992, pp.3-18.
[4
8]J.-Cl. Hocquet, Le sel et le pouvoir de l’An Mil à la Révolution française, Éd.
Albin Michel, Paris, 1985.
[4
9]J.-Cl. Hocquet, (éd.), Le Roi, le marchand et le sel. Actes de la table ronde.
L’impôt du sel en Europe XIIIe-XVIIIe siècle, Saline royale d’Arc-et-Senans,
23-25 septembre 1986, Presses universitaire de Lille, Lille, 1987.
[5
0]W. Kaiser, (dir.), L’Europe en conflits. Les affrontements religieux et la
genèse de l’Europe moderne (vers 1500-vers 1650) , Presses universitaires de
Rennes, Rennes, 2009.
[5
1]J. Krynen et A. Rigaudière, (dir.), Droits savants et pratiques françaises du
pouvoir (XIe-XVe siècles). Actes de la table ronde réunie à l’Université de
Bordeaux I les 28-29 septembre 1990, Presses universitaires de Bordeaux,
Bordeaux, 1992.
[5
2]G. Lewis, “Fiscal State” : Taxes, War, Privilege and the Emergence of the
European “Nation State” c.1200-1800, dans French History, vol.15, no.1,
2001, pp.51-63 (Review article).
国際共同研究プロジェクト「近代国家の生成」関連文献目録
−281−
[5
3]H. Millet, (dir. avec la collaboration d’E.Morné), I canonici al servizio dello
Stato in Europa secoli XIII-XVI (Les chanoines au service de l’ État en
Europe du XIIIe au XVIe siècle), Modena, Franco Cosimo Panini (Saggi, Istituto di Studi rinascimentali Ferrara), 1992.
[5
4]M. Ormrod, M. Bonney and R. Bonney, (Edited By), Crises, Revolutions and
Self-Sustained Growth. Essays in European Fiscal History, 1130-1830, Stamford, 1999.
[5
5]A. Rigaudière, Penser et construire l’État dans la France du Moyen Age
(XIIIe-XVe siècle) , Comité pour l’histoire économique et financière de la
France, Paris, 2003.
[5
6]Hilton L. Root, La construction de l’État moderne en Europe. La France et
l’Angleterre, traduit de l’américain par Jacques Fauve, Paris, PUF, 1994.
[5
7]A. Rucquoi, (éd.), Genèse médiévale de l’État moderne : La Castille et La
Navarre (1250-1370) , Valladolid, Ambito, 1987.
[5
8]A. Rucquoi, (cordinacion), Realidad e imágenes del poder. España a fines de
la Edad Media. Actes du colloque sur “Genèse médiévale de l’Espagne moderne, 1370-1516”, Madrid, 5-7 novembre 1987, Valladolid, Ambito, 1988.
[5
9]A. Rucquoi, (dir.), Genèse médiévale de l’Espagne moderne. Du refus à la révolte : les resistances, Nice, Publications de la faculté des lettres, arts et sciences humaines de Nice, vol.4, nouvelle série, 1991.
[6
0]G. Sabatier, (éd.), Rappresentare il principe, figurer l’État. Les programmes
iconographiques d’État en France et en Italie du XVe au XVIIe siècle :
−28
2−
国際共同研究プロジェクト「近代国家の生成」関連文献目録
Genèse de l’État moderne, 2 vol, Florence, Ponte alle grazie, Asmodeo II
(printemps), III (été), 1990.
[6
1]A. Stegmann, (dir.), Pouvoir et institutions en Europe au XVIe siècle. Vingtseptième Colloque international d’Études humanistes, Tours, De Pétrarque à
Descartes, 51, Paris, 1987.
[6
2]Ch. Tilly and W. Blockmans, (Edited By), Cities and the rise of States in
Europe, A.D.1000 to 1800, Oxford, 1994.
[6
3]A. Vauchéz, (dir.), La religion civique à l’époque médiévale et moderne
(Chrétienté et Islam). Actes du colloque organisé par le Centre de Recherche
«Histoire sociale et culturelle de l’Occident, XIIe-XVIIIe siècle» de l’Université de Paris X−Nanterre et l’Institut universitaire de France (Nanterre, 21-23
juin 1993) , École française de Rome, Rome, 1995.
【4】その他
[6
4]M.-E. Boutroue, J.-Fr. Maillard et D. Nebbiai, (dir.), Mathias Corvin, les bibliothèques princières et la genèse de l’État moderne (15-17 novembre 2007,
Paris, Institut historique allemande et INHA), Colloque organisé par la Bibliothèque Nationale de Hongrie et l’IRHT avec l’Institut historique allemand et
la BnF.
[6
5]Fr. Foronda, J.-Ph. Genet et J. Manuel Nieto Soria (Coordination scientifique),
Avant le contrat social…Le contrat politique dans l’Occident médiéval (XIIIeXVe siècle), Madrid 14-16 juin 2008.
[6
6]E. Eldem et J.-Ph. Genet, La genèse de l’État moderne et le cas ottoman
(Varia Turcica XXVI) , Istanbul,1995(12).
[6
8]M. H. da Cruz Coelho et A. L. de Carvalho Homen, (dir.), A Génese do
Estado Moderno no Portugal tardo-medievo (séculos XIII-XV). Ciclo de con-
国際共同研究プロジェクト「近代国家の生成」関連文献目録
−283−
ferências (1996-1997) , Lisbonne, Universidade Autónoma, 1999(13).
[6
9]J.-Ph. Genet, Genèse de l’État moderne en Europe, dans Le Courrier du
CNRS , 58, 1984, pp.32-39.
[7
0]J.-Ph. Genet, Féodalisme et naissance de l’État moderne : À propos des thèses de Charles Tilly, dans M. Bourin, (Textes réunis par), Villes, bonnes villes,
cités et capitales. Études d’histoire urbaine (XIIe-XVIIIe siècle) offertes à
Bernard Chevalier, Publications de l’Université de Tours, Tours, 1989 (réimpr.
Paradigme, Caen, 1993), pp.239-246.
[7
1]J.-Ph. Genet, Which State Rises? dans Historical Research, vol.65, no.157,
1992, pp.117-133.
[7
1a]J.-Ph. Genet, Le développement des monarchies d’occident est-il une conséquence de la crise? dans Europa en los Umbrales de la crisis (1250-1350).
XXI Semana de Estudios Medievales de Estella, 18-22 julio 1994, Pampelune,
1995, pp.247-273.
[7
2]J.-Ph. Genet, La genèse de l’État moderne. Les enjeux d’un programme de recherche, dans Actes de la recherche en sciences sociales, 118, 1997, pp.3-18.
[7
3]J.-Ph. Genet, La genèse de l’État moderne : genèse d’un programme de recherche, dans M. H. da Cruz Coelho et A. L. de Carvalho Homen, (dir.), A
Génese do Estado Moderno no Portugal tardo-medievo (séculos XIII-XV). Ciclo de conferências (1996-1997) , Lisbonne, Universidade Autónoma, 1999,
pp.21-51.
[7
4]J.-Ph. Genet, Histoire politique anglaise, histoire politique française, dans Fr.
Autrand, Cl. Gauvard et J.-M. Moeglin (Travaux réunis par), Saint-Denis et la
Royauté. Études offertes à Bernard Guenée, Publication de la Sorbonne, Paris,
1999.
[7
5]J.-Ph. Genet, État, dans J. Le Goff et J.-C. Schmitt, (dir.), Dictionnaire raisonné de l’Occident médiéval , Fayard, Paris, 1999, pp.374-386.
[7
6]J.-Ph. Genet, Droit et pouvoirs à Rome et dans les début de l’État moderne
européen : propositions pour une approche comparative, dans [34] pp.793-
−28
4−
国際共同研究プロジェクト「近代国家の生成」関連文献目録
810.
[7
7]W. Blockmans, Les origines des États moderne en Europe, XIIIe-XVIIIe siècles : État de la question et perspectives, dans Archives et bibliothèques de
Belgique, t.61, 1990, pp.331-347.
【注】
(1) この文献目録は,1999年から2007年まで行われた「近代国家生成史研究会」
(九州
大学文学部西洋史学研究室において岡崎敦准教授主催のもと行われた)における
筆者の報告原稿(1999年6月5日および2003年9月6日)を基に,新しい書誌情報を
追加して作成したものである。
(2) 例えば,Rigaudière [55] ; D. Rivaud, Les villes et le roi. Les municipalities de Bourges,
Poitiers et Tours et l’émergence de l’État moderne (v.1440-v.1560) , Presses Universitaires
de Rennes, Rennes, 2007.
(3) 「近代国家の生成 Genèse de l’État moderne」研究計画は,最初は国立科学研究セン
ター(CNRS)のテーマ別研究計画(ATP : action thèmatique programmée)の一環
として1984年に研究が開始された。研究テーマとして次の7つが選択された。すな
わち①文化とイデオロギー②領域・法・政治システム③財政と徴税④教会と国家
⑤プロソポグラフィーと国家⑥都市・ブルジョワジーと国家⑦国家と貴族,であ
る。1984年10月11日から12月1日までの間に集中的 に5回 の 研 究 集 会(文 献 番 号
[1]
∼
[5]
)
,さらに1985年から1989年までに毎年1回の研究集会([6]∼[9])が開
催され,大きな成果を挙げた。しかしそれにもかかわらず,CNRS 側の財政的事情
などから,この計画が途中で打ち切りとなった。幸運にもヨーロッパ科学財団
(ESF)がすぐにその研究活動を引き継ぎ,
「13世紀∼18世紀のヨーロッパにおけ
る近代国家の諸起源 The Origins of the Modern State in Europe, 13th-18th Centuries」
というプロジェクトに形を変えて,7つの主要テーマに再編成されたうえで英語に
よる系統的な研究成果が多く生み出された(
[10]
∼
[16])。この7つの主要テーマ
は,①諸国家間における戦争と競争②経済システムと国家財政③権力の法的手段
④権力エリートと国家建設⑤抵抗,代表と共同体⑥政治理論と実践における個人
⑦図像解釈,宣伝と正当性,である。この第2期プロジェクトでは,第1期の ATP と
は異なりヨーロッパ各国・各地域における近代国家の生成にかかわる諸要素の
ケーススタディーが重視され,その成果は第1期の成果とはかなり趣が異なる(あ
るいは所収論文作成の意図が大きく異なる)ものとなっている。
「近代国家の生成」研究活動は,その後「パリ西洋中世史研究所」(Laboratoire de
médiévistique occidentale de Paris, LAMOP)
(UMR8589)において J.-Ph. Genet(パ
リ第1大学教授)主導のもと継続中である。この活動については,LAMOP の HP
を参照
(アドレスは,http://lamop.univ-paris1.fr/lamop/LAMOP/lamopVII.htm)。LAMOP
の HP 上の研究計画をみると現在も以下のような複数の比較史プロジェクトが活動
中である。Genèse de l’État moderne.Angleterre et les îles britanniques (responsable J.-Ph.
Genet) ; Genèse de l’État moderne. L’Italie (responsables P. Boucheron et O. Mattéoni) ;
Espagne et péninsule ibérique (responsables J.-Ph. Genet) ; Allemagne (responsables J.Ph. Genet).
(4) 渡辺節夫「ヨーロッパ中世国家史研究の現状−フランスを中心として−」
『歴史評
国際共同研究プロジェクト「近代国家の生成」関連文献目録
−285−
論』第559号,1996年,62‐72頁。
(5) 神寶秀夫「新たな近世国制史の構築に向けて」
『創文』第460号,2003年,6‐10頁。
(6) 藤井美男「近代国家形成過程における都市エリートの学説史的検討−対象と方法
をめぐって−」
『経済学研究』
(九州大学)第66巻第5・6号,2000年,43‐65頁。同
『ブルゴーニュ国家とブリュッセル−財政をめぐる形成 期 近 代 国 家 と 中 世 都
市−』ミネルヴァ書房,2007年。
(7) HP のアドレスは,http://www.lit.kyushu-u.ac.jp/his_west/kin。研究会は,九州大学文
学部西洋史学研究室において,1999年6月5日から2007年5月19日まで計19回開催さ
れ,幕を閉じた。この研究会の成果としてはまとまった形で出版されることはな
かったが,その一端を示す共同研究として次の科研報告書がある。神寶秀夫編『西
欧中・近世における国家の統治構造と機能』
(平成15年度∼平成17年度科学研究費
補助金 基盤研究 B2)研究成果報告書,2006年3月。
(8) J.-Ph. Genet, La typologie de l’État moderne, le droit, l’espace, dans Coulet et Genet [1]
p.10.
(9) J.-Ph. Genet, L’État moderne : un modèle opératoire? dans Genet [9] pp.261‐262.
(10) Genet [9] pp.305‐350では,本稿で整理した文献に関する補足的情報(例えば所収論
文題名やプロジェクト参加者の関連業績目録など)を得ることができる。
(11) 本シリーズにはスペイン語版(出版元は Fondo de Cultura Económica)も計画され
ているようだが,書誌情報をウェブ上で見つけることができなかった。現時点で
刊行されているかどうかは残念ながら不明である。
(12) この研究集会報告集は,Varia Turcica の HP 上での情報を調べる限り刊行されてい
な い よ う で あ る。な お 本 書 に つ い て の 書 誌 情 報 は,W. Blockmans, J. Borges de
Macedo et J.-Ph. Genet [67] p.8, note 9,および Genet [72] p.4から得た。LAMOP の
HP には,J-Ph. Genet, (éd., en collaboration avec Edhem Eldem), Origins of the Modern
State : The Ottoman Empire and the European States, Turcica, Institut français d’Anatolie, Istanbul, à paraître, という情報が掲載されていることを補足しておく。
(13) 本書は,ポルトガルにおける近代国家の生成を対象として編まれた報告集である。
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