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No.153 - 小樽商科大学

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No.153 - 小樽商科大学
153
19 DECEMBER 2008
No .
特集
:
!
!
4
2
3
特集
特集
:
何がでるかな ? 先生のお気に入り
コラム
周年に向けて 第 回
アクティブな商大生!
小樽商科大 学
1
0
0
CONTENTS
【特集】
アクティブな商大生!………………………… 1
学生企画事業実施小委員会…………………………… 7…
…
部・サークル紹介……………………………………… 8…
何がでるかな?先生のお気に入り !!………………… 10
コラム 100 周年に向けて… ……………………… 13
題字は 山本眞樹夫 学長
No.153
19 DECEMBER 2008
O TA R U U N I V E R S I T Y
O F
C O M M E R C E
2007 年度 経済学科授業評価……………………… 18
NEWS… ……………………………………………… 20
新任教員紹介…
加賀田 和 弘(商学科)………………………… 22…
嘉 瀨 達 男(言語センター)………………… 23
ヘルシーライフジャーナル………………………… 24
写真でみる小樽高商・商大小史⑳………………… 25
特集
商大の枠を超えた学生の活動に注目!
Part 1 福井希さん
Part 2 SEA-NA
Part 4 ビジネスセミナー
Part 3 小樽笑店
Part 5 隋穀さん
勉強だけではなく,様々な取り組みや活動に挑戦している商大生。しかし意外と,商大生が
活動している内容を知らなかったり,色々なことに取り組んでいることは耳にしていてもどんな
学生がそれに携わっているのかは知らなかったり……。また地元小樽でも,商大生の活動をあ
まり見聞きしないという方がいらっしゃるのでは?
そこで今回の特集では,キラリと光る活発 ( アクティブ ) な商大生をご紹介したいと思います!
学園だより 153
01
1
Part
ふ
く
い
のぞみ
中学の頃から演劇に興味があった福井さん。
商大では
「演劇戦線」に所属し念願の舞台へ。
また今年 11 月に公演された,劇団うみねこ
の「アンネの日記」では主役・アンネに選ば
れました。
【公演前】
「演劇に魅せられたのは,私が目立ちたがり屋だか
らかも。人前で自分ではない人物を演じるのがカッコいいなぁと
思ったり,人から注目されることにすごいなぁと感じたりします。
実際に『演劇戦線』で演劇を始めると,公演までの過程では必
ず演出に関して意見の違いが生じるのですが,最後には公演とい
う大きな一つの舞台をみんなで成功させることができて,そんな
時はやっぱり良いなぁと思います。
劇団うみねこさんとの練習は演劇戦線とはまた違います。
『セ
リフに聞こえてはダメ。言葉を話さないと』と,先輩役者さんに
教わったこともありました。公演に向けての練習では,活舌に加
え,自分が話さない時の“動き”に気をつけるようにしています。
あるシーンでのダメ出しがきっかけで,次の言葉を発するまでにアンネは何を思っているのか,そしてその動きにはど
んな考えが込められているのか,アンネの立場で考えるようにしました。けれど『いや,もし自分だったらこうするな』
という場面もあって,自分の考えは大切にしつつ,その上でアンネに近づくことを目標にしています」
11月15日本番。午後2回の公演はどちらもほぼ満席で,
役者の迫真の演技に,会場は「アンネの日記」の世界へ
どんどん引き込まれていった。公演後,盛大な拍手の余
韻がまだ感じられる中,舞台装置が取り外されるのを見
た福井さんは、
【公演後】
「アンネになりきりました。今は“やりきった”という気持ちと,寂しいと
いう気持ちです。舞台は終わったら,お客さんの心に残らなければ何も残すことができ
ないので。でも,それがまた舞台の魅力でもあります。アンネのジャーナリストになる
という夢は生前叶えることができなかったけれど,
『アンネの日記』でこんなに多くの人
に影響を与えている。アンネの夢は叶ったんじゃないかなと思います」
取材して
02
学園だより 153
▽
△11月1日,
「アンネの日記」の通し稽古は,夜の9時
過ぎまで続きます。稽古場の緊張感は途切れることなく,
みんなで一緒に「アンネの日記」の世界を作ろうとしてい
るのが,ひしひしと伝わってきました。
大 き め の 鞄 に は, い つ も 本 が 入 っ
ているそう。この日はさくらももこの
エッセイ。伊坂幸太郎もお気に入り。
▽当日楽屋にて。
(左)
憧れの演劇、劇団 と も共演
福井 希さん (企業法学科3年)
△「演劇戦線」さんのお稽古にお邪魔しました。
12月の公演に向けてこの日も,空き講を使って
練習です。
数回の取材を行う中で印象深かったのが,福井さんがネガティブな言葉を使われないということです。当日,午
後 2 回目の公演では,きっと 1 回目のことが頭にあったり,緊張されたりしたと思います。しかし直前 3 分前の
舞台そででは,
「次も頑張ります!」と笑顔でおっしゃり,最後の舞台にのぞまれていました。今回の取材では,
会う度に福井さんから元気をもらっていたように感じます。福井さん,本当にお疲れ様でした!(佐藤亜美)
*木村ゼミの 13 人中 6 人が SEA-NA の活動に携わっています。この
活動を,ゼミを超えた「ゼミネオ」と話してくれました。
堀さん(以下堀)
「きっかけは * ゼミです。ゼミに入った瞬間から起業の話は出てたよね」
鈴木さん(以下鈴木)
「それでやってみようかって(笑)。先輩の話を聞いて,このゼミなら何かができると思って
いました」
―会社を設立してみての感想は。
鈴木「まず設立するまでが大変だったよね」
堀「本やネットで調べていくうちに,問題も出てきて自分たちが本当に社員になれるのか不安になりました」
―仕事をしてみてどうですか。
堀「本当に忙しいです。何もわからない状態から始めていて,自分の能力をはるかに超えたものを要求されるので,
本やネットで調べたり,先生や,時には市内の会社の方々に助けてもらい,勉強しながらやっています」
―会社としての意識はありますか。
堀「利益を追求することです。会社である以上,利益がないと存続していけないので」
鈴木「責任感。途中で投げ出してはいけないという思いは強く感じます」
―今後の抱負,目標を教えてください。
鈴木「実際に学生の役に立てるようなサイトを目指しています。小樽のお店の人にとっ
ても,学生にとってもお得なサイトになればと思っています。」
堀「学生がサイトを利用して小樽のお店をもっと利用し学生の力で小樽を盛り上げ
られたらと思います」
―メッセージをお願いします。
かわいぃキャラ“クーマ”は鈴木さん
作。季節ごとに変わるクーマに注目!
二人「クーポン取るので毎日サイトに遊びに来てください(笑)今,学生のためにプラ
スになることを考案中です」
―また,何かを始めたいと思っている人にもメッセージを。
二人「とりあえずやってみてください。考えるより動いてみましょう。やればできる
はずです!」
アクティブな
商大生 !
私たち、全員社長 です!
―会社を設立しようと思ったきっかけは
特集
「小樽を活気づけたい!」
「何かをしたい」と
いう思いから,会社を設立し,ポータルサイ
ト「おたるクーマップ」を発信している株式
会社 SEA-NA の二人のお話を,対談形式
で紹介します。
「商大生の力で小樽を 活 気 付 け た い 」
堀 公一 さん(社会情報学科 3 年)
鈴木 亜衣 さん(社会情報学科 3 年)
「何かができると思っていました」
2
Part
株式会社 SEA-NA
ちなみに会社名 SEANA の 由 来 は ゼ ミ 室
「417」号室と小樽の海
(sea)から来ています。
△真剣にパソコンに向かう SEA-NA 社員の皆様。すごい集中力。
ほぼ毎日,遅くまで活動しています。
△締め切り間近で大変な時期にも関わらず取材に快く応じてくれました。感
謝です。
取材して
おいしいお店満載☆ブログも日々更新中!いますぐアクセスしてみよう「おたるクーマップ」http://www.otaru.co.jp/
取材では,面白いトークで和ませてくれましたが,一旦パソコンに向かうと仕事に熱中!仕事に対する真剣さが感じられま
した。現在,お得な企画を計画中のようです。今後の活躍が楽しみです。忘年会,新年会は「おたるクーマップ」を活用で
きそうですね。(梁川加奈未)
学園だより 153
03
3
Part
しょうてん
「小樽商科大学 小樽笑店」
「経営者の視点を学びながら,消費者
の気持ちをくみ取り,またボランティ
ア精神をもって,学生らしいイベント
を企画する」。これが「小樽笑店(略称:
樽笑 ( たるわら )」のモットー。この
「樽笑」を立ち上げた高久さんにお話
を伺いました。
△「よくよくは会社名になる『小樽笑店』には,小樽の人に笑ってもらい,また自分
たちも笑顔になれるそんなイベントを目指したい!という思いを込めました」と高久
さん(写真・中央)
「『樽笑』は,今はサークルですがイベントを企画から
全て行う会社を目指しています。9月末から活動を開始
しました。私は『与えられるだけではなく,自分から発
信し,もっと社会と関わりをもちたい』と感じ,そのような活動のできる団体を自分でつくってみようと思いました。
現在「樽笑」は,小樽の活性化につながるような,
“サンモール1番街で行うイベントの企画”を主に行っています。
まずは現状把握のため,
「樽笑」のメンバー全員でサンモール 1 番街の商店とお客さんにインタビューしました。す
ると皆さん『是非やってほしい』と口々におっしゃってくださいました。また茨木県出身の私は,もっと観光地で活
気のある小樽を予想していましたが,実際は一部で驚きました。そこで『市内の点々としている観光地を結び,サ
ンモール 1 番街を通って小樽を観光するような人の流れをつくり,小樽をもっと活性化したい』と思い,ガイドマッ
プの作成を考えました。けれど私たちはまだ小樽市内のことを良く知らないので11月9日に 「ゴミ拾いピクニック」
というイベントを企画しました。これは小樽市内のごみを拾いながら市内を視察するというもので,マップに掲載し
たいルートをゴミ拾いをしながら実際に見て回りました。
「樽笑」のメンバーとは小樽で出会ったので,私たちの共
通の場所である「小樽」を拠点にまずは活動したかったんです。いざ活動を始めると,人とのつながりがどんどん
広がって,また自分が考えていたよりもやれそうなことはもっと大きいんだと気づきました。今までやりたいことこが
できないことを,環境のせいにしたこともありましたが,そうではないんだなって。
次回は12月23日~25日にサンモール 1 番街で,クリスマスイベントを行います。
商大生の方にも是非参加してもらいたいです。どうぞよろしくお願いします!」
「樽笑さんのロゴマーク」
△「何か提案する時は,必ず企画書にして,何をしたいか,
何ができないかを明確に整理してから」が「樽笑」流。
学園だより 153
取材して
商大生の視点を生かし目指 せ!会社設立
04
代表 高久 美由紀さん (企業法学科2年)
△11月9日に行われた初イベント「ゴミ拾いピクニック」
。ゴ
ミ袋が3袋にもなったようです。
△高久さんの手帳を拝見。びっしり書き込まれ,
その多忙さが伺えます。
「樽笑」さんは主に1,2年生で活動されているそうです。お話を聞いていると皆さんのやる気が伝わって,頑張っ
てください!とエールを送りたくなりました。ミーティングでは,メンバーの皆さん全員が仲が良いので,とても
楽しそうです。「友だちと深い仲になれるのは嬉しい」という高久さん。「会社設立」の夢に向けて,みなさんと
一緒にたくさんのいい思い出を作ってほしいです。
(佐藤亜美)
特集
ビジネスセミナー 4 期生
代表
10 月に購買に現れた新商品の数々を覚え
ていますか?「ジンギスパン」
「さつまいも
んぶらんシュー」など,斬新で美味しい商
品がたくさんありましたね。これらの開発
ら宣伝・営業活動まで関わったビジネスセ
ミナーに参加したお二人を紹介します。
「短かった」ビジネスセミナー代表の田原さんは参加して
みての感想をこう語ります。
「ものすごく忙しかったのですが,
楽しくて充実していました。昨年参加したゼミの先輩の話を
聞いてこれは面白そうだなと思って参加しました。僕は営業
△代表を務めた田原さん
△広報担当北野さん
担当だったのですけど,人と話しをしたり接することが大好きなので,目と目を見て話すことが楽しくて,大変だっ
たというより楽しかったという思いが強かったです。店舗には極力行けるときに行って,挨拶や報告をして回りま
した」実際に,田原さんはご自身の担当以外の店舗にも積極的に出向いて回りました。セミナーに参加して得たも
のは,
「多くの人と出会い,人を知ることで,自分自身が成長できたと感じています」
昨年のセミナー商品「鮭マヨおにぎり」が気に入って今回のセミナーに参加しようと思ったという北野さん。
「忙し
くはなりましたが,とても充実していたと思います。ディスカッションや,プレゼンはいい経験になりましたし,自分
の意見が通ったときは嬉しかったです。そしてやはり人との出会いは自分を成長させてくれます」北野さんは広報の
担当で9月はとても忙しかったそうです。
「マスコミ担当で,プレスリリースの作成に携わりました。楽しかったので
すが,もっと時間があればもっといろいろなことができたんじゃないかという反省点もありますね」
最後にお二人からメッセージをいただきました。
「せっかく自由の利く学生のうちなので,やりたいと思ったことは
迷わずやってほしい。一歩を踏み出してほしいですね(田原)」
「いろいろなことに挑戦して自分の世界を広げてみて
ください(北野)
」
開発商品のプレゼン中。発表しているのは商
大生の今村初美さんです。彼女はあの話題の
「ジ
ンギスパン」の発案者なのです!
お気に入り♪
さつまいもん ぶらん
シュー・さんま蒲焼お
にぎり(田原・北野)
△生協の特設販売コーナー☆開発した商品は全部で
8種類。何種類食べましたか?おにぎりは12月まで
販売予定ですよ!お早めに。
△モニター試食会。60 から 70 人の学生が集まって真剣
に意見交換しました。 △ビジネスセミナーメンバー集合!!私たちが作りまし
た!!みなさんも来年参加してみよう!
△広報の宣伝活動。
「FM おたる」にて。左から北野
さん,田原さん,FM おたる村岡さん,商大生の初
瀬尾さん
取材して
「営業は天職かも」と話すだけあって本当にトーク上手でわかりやすい説明をしてくださった田原さんと,一つ一
つの質問に丁寧に答えてくださった北野さん。お二人とも社会人のようでした。「楽しかった」と生き生きと振り
返る姿が印象的でした。
( 梁川加奈未)
アクティブな
商大生 !
楽しくてためになる!一歩踏み 出 すことで 成 長
田原 剛さん(商学科 3 年)
北野 圭祐さん(経済学科 3 年)
△
4
Part
学園だより 153
05
小樽商科大学中国留学生学友会 理事
い
き
さん (商学科3年)
「 世 界 は 広 く 常 に 自 分 の 目 線 よ り 遠 い。 見 て み な い と
分からないことも多い。自分の世界から一歩踏み出し,
本学には中国からの留学生が多く,
「小樽商
科大学中国留学生学友会」
(以下商大学友会)
に所属して様々な活動をされています。今回
は,学友会で理事を務められている隋毅さん
(私費留学生)にお話を伺いました。
「2001 年,中国駐札幌領事館の下に商大学友会が設置されま
した。活動は留学生のお手伝いの他,学生に出店をしたり,イ
ベントを開いたり,慰霊祭に参加したり,また観光シーズン(2
月頃)には通訳なども引き受けています。地元小樽の国際交流
の活性化につながればと,今年も国際交流会期間中に『餃子作
り講座』を開催しました。今中国留学生間での活動が主で,
もっ
と日本の学生の皆さんとも一緒にできる活動がしたいと思ってい
ます。
そもそも商大に留学しようと思ったきかっけは,叔父の工場に
取引先の日本人経営者の方が訪れ,技術の面での指導を含めア
ドバイスされているのを見たことです。その時,
『日本は国際ビジ
ネスが進んでおり,実践経験の豊富な国なんだ』という印象を持ち,そのノウハウを是非学びたいと思いました。
商大では経済だけではなく自分が学びたかった商業が学べ,歴史があり,とても良い先生方ばかりだったのでとて
も惹かれました。中国では理系分野を学んでいたので,その知識をビジネスに転換して社会貢献につなげたいです。
日本の社会での経験を生かし,ビジネスの面で両国の懸け橋になりたい。
『四海為家』が信念です。これは「世界
を家と為す」という意味で,世界が我が家であるように,
どこにいても活躍できる人になりたいです」
△慰霊祭に参加の時の集合写真。中央には「日中再不戦友好碑」が。
△昨年企画された「英語で落語」にて。この企画は大成功!喜んでいる皆
さんの一瞬をカメラがキャッチ。
学園だより 153
取材して
06
その視線を一歩先へ向けて欲しいです」
「世界は我が家」、どこにいて も活躍したい!
隋 毅
5
△ 国際交流イベントとして,10 月 25
日に行われた「餃子を作ろう会」では,
商大学友会のメンバーが,市民の方に本
場の餃子の作り方を。
(写真中央は学友
会の学生)
△
ず
Part
日本語がとても流暢な隋毅さんは,特に基礎である50音の発音に力を入れて勉強されたそうです。商大を卒業
後は大学院に進み,さらに専門性を高めたいという目標を教えてくださいました。生き生きと答えられる隋毅さ
んの話に惹きつけられ,とても楽しい取材でした。
(佐藤亜美)
学生企画事業実施小委員会 No.3
創立 100 周年記念事業
~来年度へ向けての活動開始!~
2011 年(平成 23)に創立 100 周年を迎える小樽商科大学。この創立記念の PR 活動を行っているのが「学生企画
事業実施小委員会」
(以下,小委員会)です。
現在,小委員会では新たな委員も加わり,来年度の主な活動を計画しています。
「商大創立 100 周年」まであと 3 年
を切りました!更に PR 活動を広めることで,より多くの方々に知って頂くことを願っています。皆で 100 周年を迎える
商大を盛り上げましょう。
1 新委員加わる!
3 「FM おたる」さんにおけるPRの報告
3 年生が引退し,10 月から各代表の 1,2 年生で構
引き続き月に一度,FM おたるさんご協力のもと
成される新たな委員で活動を開始しました。来年度の
「ショーダイム」というコーナーで商大を PR させていた
活動計画を進めています。
だいています。
現在,代表・岸本隆志(2 年)副代表・中村圭祐
(2 年)率いる 8 人で活動中。
第4回(8 月)
テーマ 「
“ビアパ”って何?」
新代表の岸本隆志さんより一言
「皆さん始めまして!委員長の岸本です。私たちは 3
年後に 100 周年を迎える商大を今から盛り上げて
第5回(9 月)
テーマ 「小委員会におけるアンケート実施の結果」
いって,100 周年目にはドーン!となにかやっちゃお
第6回(10 月)
うという委員会です。これからどんどん活動していく
テーマ 「国際交流週間の告知
・ゲスト『小樽笑店』さんを迎えて」
ので,皆さんよろしくお願いします!」
第7回(11 月)
2 来年度の計画中間報告
●第 57 回緑丘祭ステージ企画
…皆さんに楽しんでいただける企画を考案中。
● 100 周年記念冊子を発行
…商大生はもちろん,地域の方々にも楽しんでいた
テーマ 「来年度の計画中間報告!」
*「ショーダイム」は FM おたる「ともラジ」
(毎週土曜
10 時~ 12 時放送)の中で月に一度設けられた 15 分程
のコーナーです。
だけるような冊子を目指します。
●写真の展示
…商大生,商大に関わるもの,地域,風景などの 写真をたくさん撮って展示します。
●寄せ書き
…大きな旗に皆さんからのメッセージを書いていただ
きます。 ●校歌の PR
皆さんの意見お待ちしております!!
「 こ ん な 企 画 は どう?」
「 こういう の が やりた
い!」 というご 意 見, ご要 望などお待ちしてお
ります。協力して 100 周年を盛り上げましょう!
[email protected] まで。
…校歌をよりなじみのあるものにしようと計画中です。
学園だより 153
07
拡 大編
今回の「部・サークル紹介は」は,
“拡大編”
で各活動をご紹介します。色々な部・サークルがあっ
て今までなかなか決められなかったという方や,これから新しく何かに挑戦してみたいという方
は必見です!
また「学園だより」学生編集員も募集中です。取材・記事の編集が主な活動で,商大のこと
を知るきっかけになったり,社会人の方とも接する機会があったりと,やりがいがあります。興
味のある方はメール([email protected])または学務課学生支援係まで。
硬式野球部
こんにちは。硬式野球部です。私たちは月曜を除き毎日
3 時間程度練習に励んでいます。夏は商大グラウンドで,冬
は体育館での体力作りや基礎練習が中心です。今年は 3 部
からスタートでしたが,秋季リーグ戦では日々の努力が実を
結び,見事 2 部に昇格することができました。目指すところ
はもちろん,一部昇格・一部優勝,そして神宮です!練習は
毎日きっちりこなす反面,月1ペースで開催される打ち上げ
はとことん騒ぎ散らかします。選手の野球経験は実に様々です。全道大会常連校でバリバリの高校球児もいれば,
高校時代はサッカー部だったというつわものもいます。選手がそれぞれの目標に向かって取り組んでいる姿は一人一
人とても輝いています。上下関係がしっかりしている上,部員もマネージャーも大変仲がよく,プライベートでごはん
や釣りに行く人もいます。濃いキャラクターとともに濃い4年間が送れること間違いなし!高校とは一味違う大学野
球を楽しみたい方は是非1度見学に足を運んでください☆春から二部で一緒に戦いましょう!
緑丘祭実行委員会
皆さんこんにちは!今日はこの場をお借りして緑丘祭実行委
員会の紹介をします♪
緑丘祭実行委員会は“緑実”と呼ばれています。例年 6 月
に開催される大学祭を企画・運営しています。現在,メンバー
は 1 年生 11 名,2 年生 9 名,計 20 名のにぎやかな組織です。
2 週間に 1 度,土曜日にミーティングを行い,開催日程やテーマ,
どのような企画をするのか(企画名や客層,ルールの設定,賞
品について・・・ etc)と多岐にわたって話し合います。ミーティン
グ中は適度に笑いもありつつ,結構真剣だったり(`・ω・´)
緑丘祭は過去 56 回も開催され,歴史と伝統があります。毎年,緑丘祭らしさを
保ちながら新しいことを取り入れていくのは大変ですが,その分やりがいがあります。
緑丘祭最終日の打ち上げで飲むビールは最高に美味しいです!!笑
かけがえのない仲間と密度の濃い毎日。そしてこの上ない達成感。大学生活を思
う存分楽しめる,それが“緑実”です(^ω^)☆
08
学園だより 153
部・サークル紹介
Be-Pal
Be-Pal の自慢はとにかく仲良し!!大人数だからって個々の関係が薄いってことは全くありません♪みんな
がみんなと仲良し★ ^^* その分一度入ったら,たくさんの先輩や後輩,たくさんの友達ができます!しかもみ
んな個性がバラバラすぎて,相手から受ける刺激も盛り沢山 (o^ 艸 ^o) でもでも 、 ただ一緒にいて楽しい!って
だけじゃないんです !! 人をまとめるのが上手な先輩,とっても頼りになる優しい先輩,盛り上げ上手な明るい先
輩・・・活発な声で元気付けてくれる後輩や,笑顔でかけよってきてくれる後輩・・・そして何より,そばでいつも支
えてくれる友達 !! 尊敬できる仲間たちに出会えるんです!それが Be-Pal で一番の自慢です♪なんたって Be-Pal
の意味は Be(なる)Pal(仲間)ですからね (d’v`$)
もうひとつの Be-Pal の自慢は,とにかく自由ってことです!
行きたい時に行って,帰りたい時に帰れる環境。テニスが上
手くなりたいと思った時にはいつでも先輩が指導してくれる
し,とりあえず楽しみたいときには自由にゲームやラリーがで
きる!その時の気分で自由にテニスが楽しめます!!だからこ
そ,みんな仲良しなんです★ ^ w ^
アカペラサークル AIRS
こんにちは!アカペラサークル AIRS です!AIRS は,現在3年生3人,2年生1人,1年生3人の男子6人女子1
人計7人で活動しています。男女共にメンバー大募集中です!初心者も大歓迎です!
(実際に現在のメンバーも全員
大学から始めました。
)
アカペラというと,どうしても難しいというイメージがあるかもしれませんが,やってみたら意外とできるものです
よ。
(笑)楽譜が読めなくても大丈夫!先輩方が一つ一つ丁寧にお教えします!先輩方は代表をはじめ本当に優しい
人しかいませんので,そこも全く問題ありません!まずは是非一度見学に来てみませんか?練習は週に1度メンバーの
都合の良い時間に学館1F の多目的ホール,また使えない時は空き教室を使って練習しています。
毎回笑いが絶えず,とにかく楽しく練習しています!歌う曲も幅広く,また自分の歌いたい曲を歌うこともできます。
7人ともとにかく歌うことが大好きなんです!歌好き集まれ~!頑張ればハモネプだって夢じゃない!どうかこのアカペ
ラサークル AIRS をよろしくお願いします!!!
柔 道 部
こんにちは!柔道部です。
私たちは現在,4年生4人,3年生5人,1年生4人の計13人で活動して
います。ご覧の通り人数が少ないため,学年の枠を越えてみんな仲良し♪毎
回部室では笑いが絶えません
(笑)
。楽しみながら柔道をする部活なんです!
自分の都合に合わせて部活ができるから,授業やバイト優先でも大丈夫。そのお陰でみんな成績優秀,そしてほ
とんどの部員がバイトをしています!!他のサークルとの掛け持ちも,もちろん ok なんですよ!
部活は週1からで土日はなし。練習も短時間だけど,その中ですごく集中して,真剣に取り組んでいます。出場す
る試合も行事予定も自分たちで決められる。だから主体的な人たちが集まった部活なんです。
そしてなんと,柔道部は留学生との交流もあり♪この前なんか,留学生寮のホールで5人の留学生とジンギスカン
パーティーやりました!楽しすぎますw
つまり私たち柔道部はとにかくみんな仲が良く,雰囲気の良い部活なのです!!興味があれば是非来てみてください。
学園だより 153
09
2
第回
何がでるかな?
先生のお気に入り!
!
政治学
相内俊一 先生
大矢繁夫 副学長
フリー
映画
お気に入り・その2
また「小樽の『安福屋』の草しんこは美味し
いですね」と話される先生。草しんこをゼミ
に持って行かれることもあるのだとか。南小
樽駅に近いお店なので,帰りに寄ろうかなと
思われた時には,散歩がてら商大からずっと
歩いて買いに行かれるそうです。けれどその
距離は結構なもの。先生は,
「一人でぼうっと
歩いていると,季節の変わり目を感じること
お気に入り・その1
ができるので良いですね」と小 樽の自然を
先生のお気に入り
楽しまれるそうです。そんな先生の副学長室
好きな映画は DVD などで何度も見るとい
の窓から,取材時には色鮮やかな紅葉が見え
う先生。その中でも,
『ダンス・ウィズ ウル
ていました。
ブズ(米・1990 年)
』という映画を紹介して
「私は学用品が好きで・・・」と大矢先生が
下さいました。南北戦争の英雄となった白
取り出されたのは,2本の素敵なペン。軸に
人の軍人が,一人西部の最前線に赴任し,そ
ナポレオンが描かれたものは,フランスに行
こでアメリカ先住民族(ラコタ人)と出会い,
かれた時にご自身で購入されたそう。もう
親交を深め,最後にはラコタ人の目で,合衆
一方は,4,5年前にゼミの教え子から卒業式
国軍を侵略者として見るようになるというス
に贈られたもの。
「どちらも持ちやすいペン
トーリー。「この映画は,先住民族を無知で
で気に入っています」と,実際に持って見せ
野蛮な存在とみる『西部劇ステレオタイプ』
てくださいました。ペン軸が普通のものより
を否定し,アメリカの西部開拓を,先住民族
も太く,安定性があります。しかし数年前の
の立場,視点から批判的に描いています。先
ペンなのに,まだインクの出が良く不思議に
住 民族の権 利を顧みない自国の歴史を,娯
思っていると,
「実は,
インクが減って無くなっ
てしまうのが惜しく,なかなか使えないでい
▽可愛らしい大きさの草しんこには,あんがたっぷり。頭
を使った後には,和菓子とお茶で一服してみては?
ます」
楽映画の中で表現するという観点がすばら
しい。やっと先住民族の権利に関心が持た
れるようになったのだなと感じました」
▽( 上 ) ナ ポ レ オ ン が
今にも飛び出してきそ
う。 馬 の よ う に 軽 快 な
テンポで文字を書けそ
うです。
Message
今の荒れた時代に押し流されない自分を
Message
商大のような小規模な大学は実に良い環
つくってほしいです。自分の理想を持ち,
境といえます。学生諸君は,小さくてき
その実現のために何をしたらよいか考え
めの細かい配慮ができる質の良い大学に
実行に移す。4年間では行うには難しい
いることを誇りに思ってほしいです。学
かもしれないけれど,そうしてできた確
生時代に『自分で考えられるようになる』
固たる自分があれば,社会がどのような
事が大事です。自分の考えを深めるため
状況にあっても,喜びに満ちた人生を送
に,大学と教 員をフルに活用してほしい
ることができると思います。潜在能力の
です。
ある皆さんには,若いうちから早く自分
の能力に気づいて,引き出してもらえれば
▽(下)大矢先生がこのペンを握られると,まるで特注し
たかのように,手にフィットしていました。恩師が自分から
の贈り物を大事にしてくださると嬉しいですよね。
10
嬉しいですね。
研究紹介
最 近は「地 域における政 治参加」に関心を
研究紹介
持ち,大学院でのパブリックマネジメントで
国家を左右する程大きな力を持つ銀行の,その機能,本来的にある弱さ,そしてあるべき姿につ
は地方政府の政策形成や行政改革のあり方,
いて研究されています。現在は,ドイツの銀行の研究を進められている先生。20 世紀から強
特に住 民のニーズを反映できる行政につい
い銀行として成立したドイツの銀行に注目されています。
(佐藤亜美)
て研究しています。
(梁川加奈未)
学園だより 153
前 回の号から始まった「何がでるかな?先生のお気に入り!」。連載第二回目を迎えました!
教員と学生との距離が近い本学ではありますが,他学科の先生とはなかなかお会いする機会がないかもしれません。そこで
さらに双方の交流を図ることを目的にこの企画が生まれました。いつもお忙しい先生方にちょっと肩の力を抜いてもらい,
サイコロを振っていただきます。今回は一般教養・語学の先生に,出た面のテーマについて「先生のお気に入り」をご紹介
いただき,さらに学生へのメッセージ,先生の研究に関してお話していただきました。サイコロの面はそれぞれ,映画,音楽,
スポーツ,本,場所,フリーテーマです。さてどの面が出たのでしょうか?
数学 英語 米田力生 先生
ドイツ語 副島美由紀 先生
Mark Holst 先生
本
音楽
フリー
先生のお気に入り
先生のお気に入り
先生のお気に入り
実用的な本を息抜きに読むという先生が紹介
“Music is very important for me. Even
してくれたのは『逆に考える人が成功する』と
though I am an English teacher, it is more
「旅行が好きですね。日本と文化がかなり違
う国の旅行は強く印象に残っています」とい
う先生は,世界中を何カ国も旅しています。
「特に印象的だったのが,チベットとナミビア
いう本で,さまざまな偉人たちのエピソードが
important than literature,” he said giving
書かれています。「ここに書かれている人たち
a little laugh. He loves listening to music
です。どちらも自然がすごくきれいで,
“モノ”
はみんな成功している人たちなので,重みがあ
yet he ignores the words and enjoys the
が大変少ない中で人々が生活しています。そ
ります。参考にして,少しでも研究や教育に役
melody. “It's not general way.” A piece
のような国に行くと,心が浄化される気がし
立てられたら,と思っています。その中でも好
of music he introduced after thinking is
ますし,人生観が変わります。日本を見直す
きなのは手塚治虫さんの『アイディアは忙殺か
like that we would like to you to listen
機会にもなります」旅行に行くことで気分が
ら生まれる』というエピソードでそれを信じて
to it in Mr. .Holst 's way. It 's “Dido's
改まり,仕事への活力にもなるそうです。
研究に励んでいます」
Lament” by Henry Purcell. It is sung in
the opera, “Dido and Aeneas.” Mr. Holst
continued: “It's at the moment between
▽成功者の言葉はどれも納得で
きます。これを読んで実践して
みたら人生変わるかも ??
「逆に考える人が成功する」
轡田隆史,
death and life,
which makes it
so poignant and
beautifl.”
成美堂出版,550 円
Message
学生に数学の楽しさをわかってもらえ
たら嬉しいですね。そのために数学の
楽しさを伝えたいと思っています。そ
して,学生のうちに何か目標を決めてや
り遂げてほしいです。何かひとつでも
“や
Title:Dido and Aeneas
Conductor: Haim, Hmmanuelle
Orchestra:Le Concert d'Astree, European voice
Price:2,405yen
Message
▽とても美しい風景は先生ご自身が撮られたもの。訪れて
みたいですね。
Message
アルバイトをしている学生が多いようで
すが,仕事は社会人になったらたくさん
Just follow your heart. It allows
できるので,今は自分のためだけに使え
り遂げた”というものがあれば充実し
you to do what you really want
る自由な時間を作って,読書や勉強,旅
た学生時代といえると思います。
and will surely le ad you to
行など時間がある時にできることをし
success in the future.
てほしいと思います。
研究紹介
数学の中でも微分・積分などを扱う解 析学
研究紹介
研究紹介
を主に研究しています。朝から晩まで数学
He is now trying to define how
ドイツの近代から現代にかけての文学,文化
漬けの先生は,数学の最高賞である『フィー
different the communication between
史を研究しています。特に,
生活改革運動,
ユー
ルズ賞』獲得を目指しているそうです。先生
cultures is at the view of linguistic. トピア思想の研究,最近は植民地に関する文
の今後の活躍にご期待を。( 梁川加奈未 )
( 佐藤亜美 )
学を研究しているそうです。
(梁川加奈未)
*『フィールズ賞』: 数学のノーベル賞といわれる。最も優
れた業績を上げた数学者に贈られる。
学園だより 153
11
編集
後記
この「編集後記」では記事にできなかった話,編集の裏話や感想などを
ご紹介します。
「学園だより」へのリクエスト・質問・意見等は,メール:
[email protected] まで。取材にご協力してくださった皆様,
ご寄稿くださった部・サークル様,どうもありがとうございました!次号もよ
ろしくお願いいたします。
学生編集員 商学科 3 年
学生編集員 経済学科 2 年
佐藤 亜美
梁川 加奈未
「学園だより 12月号」をご覧いただき,どうもありがと
私は,今回の特集で,株式会社 SEA-NA さんとビジ
うございます!
ネスセミナー4期生の方々の取材に伺いました。SEA-
まずは編集の裏話から。いつもは取材をし,記事を書い
NA の方々の PC に向かう真剣な姿は忘れられません。
てからレイアウトを考えていたのですが,今回はレイアウト
さすが会社です・・・。ちょっと緊張しましたが,取
の考案からスタート。実は,前回の号の打ち合わせのときに,
材は楽しく和やかな雰囲気で行われました。お二人と
「このように編集する方法もあるんですよ」と印刷会社の方
も面白い!そして謙虚でした。お忙しい中,時間を割
から教えていただいたんです。夏休みから,梁川さんと打ち
いていただいて感謝です。木村先生もご協力ありがと
合わせをしたり,アポをとったり,前回よりももっといい記
うございます。セミナー生さんはお二人とも本当に社
事を書きたい!と意気込みました。なので,多くの方に楽し
会人のようにしっかりしており,とても親切に対応し
んで読んでいただけたら嬉しいです。
て下さいました。ありがとうございます。皆さんはセ
また特集記事では,福井さんの取材をしているうちに「ア
ミナー商品食べられましたか?なんと商大生発案の商
ンネの日記」のちょっとしたお手伝いもできることになりま
品が 4 つもあったのです!さすが商大生です。このよ
した。公演前日のゲネプロを拝見したり,当日は公演前の
うに見るだけでも頑張っているアクティブな商大生,
雰囲気を感じたり,舞台裏や楽屋にまでお邪魔させていただ
たくさんいますね。やはり,しり込みせずに,一歩踏
いたり。なかなか経験できないことだと思います。
(劇団「う
み出してみる勇気が大事なのかなぁと思います。「学
みねこ」さん,どうもありがとうございました!)
園だより」を読んで下さった皆さんが少しでも「頑張
さらに今回は「外国語の記事があったら面白そう・・・」と,
ろう!」
「踏み出そう!」と思えることを願っています。
短いものではありますが「先生のお気に入り!」で挑戦して
また,「先生のお気に入り!」では,3 人の先生を訪
みました。もちろん全ての記事が取材先の方にチェックをい
ねました。極上のミルクティを出して下さった紳士的
れていただくので,Holst 先生にもチェック済みです。また
な相内先生(ゼミにもお邪魔させていただきました),
Holst 先生は,実際にその場でお気に入りの曲を聞かせてく
フィールズ賞獲得を目指すと公言して下さった米田先
ださり,取材中だというのに,思わず聞き入ってしまいました。
生,ご自身撮影の美しい写真を見せて下さった副島先
取材で多くの方とお会いできて,学ぶこともたくさんあり,
生,皆様とても親切で良い方々でした。お忙しい中,
元気をもらったり,また新たな出会いが生まれたり・・・。
本当にありがとうございました。
今回の号が完成できたのも,支えてくださった皆様のおかげ
「学園だより」が皆さんに楽しいひと時を提供でき
です。感謝の気持ちを込めて。 (あみ)
ますように。 (かなみ)
学生編集員が選んだ NEWS
12
本学の公式ブログ「商大くんがいく!」が今年の10月に1
大くんがいく!」をご存じではなかった方は是非
周年を迎えました。このブログでは,学生の活躍やイベント
ご覧ください! 「商大くんがいく!」→ http://
の様子など小樽商科大学に関する情報を毎日発信していま
d.hatena.ne.jp/shoudai-kun/ (本学公式ホー
す。編集は有意の職員の方々で行われていますが,学生の
ムページからも「商大くんがいく!」をご覧いた
書いた記事もあり,多様な話題を知ることができます。
「商
だけます)
学園だより 153
100周年に向けて
COLUMN
第 4 回 正門に続く地獄坂
今号から 2010 年の 7 月号にかけて,小樽商科大学の歴史を創立当時から振り返ってみたいと思います。
第 4 回では,本学の前身「小樽高等商業学校」の創立(1911 年)から,2 代目・伴校長時代まで(1935 年)
を取り上げます。
1.
“3 歩進んで 2 歩退く”は雪道だけ?(1911 年― 1921 年)
毎年雪の季節になると,ツルツル滑り,積雪で歩きにくい地獄坂と
商業学校(小樽高商)について触れてみたい。小樽高商は 1911
格闘しなければならない。かく言う私も同じ所で二度転び,今シーズ
年(明治 44 年)に設置されたが,この頃は日清・日露の二大戦役を
ンの“初転び”を更新した。しかしこのような「格闘」は今に限った
経た日本が産業発展をとげ,産業教育の需要が高まっていたという
ことではない。大正 12 年卒の学生は地獄坂についてこう残している。
時代背景がある。国の要望に応えるべく全国に高等商業学校が設
置され,北海道には小樽区(※当時は市制がなく,区であった)に全国で五番
「温暖の国三河に育った筆者としては雪に対する知識はない。…
目の高等商業学校(高商)が設置された。高商誘致には当初,函
(中略)…下駄の歯がかなりの厚みがあった上に何らの防備がしてい
館市が有力な候補地となっていたが,地元の人々の熱心な誘致運動
ないからたまったもんじゃない。辷って歩けないのである。スッテン
によって小樽区に決定された。新しい高商のために「敷地を寄付し
コロリン,スッテンコロリンを続けざまにやられた。庁商(現在の緑
ましょう」という申し出が計 9 件もあったという。都心からあまり離
陵高校)の前あたりまで行くのに三十分もかかった。もうふらふらで
れていなく,勉学の地としてのふさわしさを考え,現在の住所に本学
ある。転ぶ度に頭を打ち,暫く転んだまま頭を抱え込んだ。もう駄目
(注 3)
が建てられたようだ。
だ!こんなところでとても登校する事はできない,第一これでは命が
ない,やめて帰るにしかず,と迄考えてしまった。それでも目の前に学
校が見えているのだから何とかして,一度は行きつかなければと言う
ので,それからは這って行った。校門で小使に話したら大笑いになっ
(注 1)
てしまった。」
足元を凍結した路面にすくわれながら,この学生はなぜこのよう
初代校長・渡邊龍聖先生
(卒業アルバムから)
な不便なところに校舎があるのかと思ったかもしれない。「野原の
校長」と呼ばれたあの先生も,緑交番(※現在は無いが,富岡生協の辺りに
あった)から地獄坂を登るのに
2 時間を要したという話がある。その
日は大雪であったそうだが,その積雪のために 3 歩進んでは 2 歩退
冬こそ地獄坂に泣かされないこともないではないが,海の方を見や
いての状態で,生徒よりも早く登校しようと午前 8 時に家を出たも
れば小樽の街並みを一望でき,自然に囲まれ,四季折々の景色を楽
のの,校舎に着いたのはすでに午前 10 時を過ぎていたらしい。
しむことができるこの地は,小樽の地元の人々から学生への素敵な
この「野原の校長」先生を紹介する前に,本学の前進・小樽高等
贈り物に感じる。この最高の地に,国から初代校長として任命され
(注 2)
プレゼント
1‐
注 1:
『緑丘 50 周年史』,小樽商科大学,1961 年,p169
注 2:渡邊龍聖 ,『乾甫式辞集』,1929 年,名古屋高等商業学校,1929 年,p162
注 3:
『緑丘 50 周年史』,小樽商科大学,pp 4 - 5
学園だより 153
13
COLUMN
100周年に向けて
たのが,ベルリンに留学中の渡邊龍聖先生であった。専門が倫理学
(注 8)
一」
立っていたという状態で,建物さえも無い,スタート地点手前
であった渡邊先生は,留学中に「小樽高商の校長をしないか」とい
からの始まりだった。官舎などももちろんできておらず,近くの直行寺
う手紙を当時の文部次官から受け取り,商業教育とはどれだけの意
にしばらく部屋を借りたそうだ。国や地元・小樽からの期待に応え
義があるのか研究するために,フランス,
ドイツ,オーストリア,ベルギー
なければならないプレッシャーがどれだけのものであったか,想像す
などの商業教育を視察,研究された。
ることができない。しかし,「3 歩進んで 2 歩退く」なか,1 歩 1 歩,
(注 4)
じきぎょう
小樽高商の土台を築きあげていったに違いない。その間,10 年。傍
さてこの渡邊先生が先の「野原の校長」なのであるが,これは借
目には 10 年は短くも感じるが,渡邊先生にはかつて大雪の日に地獄
りて住んでいた住居が大野原の中で孤立しており,
「校長の野原か,
坂と「格闘」した時のように,長く感じられたことと思われる。大正
野原の校長か」と言われたことによる。通学で通る緑交番から地獄
11 年卒のある学生が,渡邊先生が残された一句を記録している。
(注 5)当時の校舎の
坂までには,背丈より高い草も茂っていたという。
写真を見ると,なるほどと思われる。
(注 9)
「十年間,心尽くして育てたり,行く末長く吾子に幸あれ」
写真提供/小樽市博物館
渡邊先生が高商を離れた後も,その北に輝く一星の光に惹かれ,
<
多くの学生が地獄坂を登り,緑丘の地に足を踏み入れている。 2.成長を遂げる
(1921 年― 1935 年)
>
初めて大学の校門前に立った時,どんなことを感じたか。
校舎を建設する前の緑丘の風景。
「私が自分をもう子どもではないと感じたのは,小樽市の,港を見
本学に受け継がれる教育理念の「実学」は,渡邊先生の時代に
(注 1)
下ろす山の中腹にある高等商業学校に入ってからであった」
確立されたものである。渡邊先生が目指したものは実務教育主義で
あり,商業実践や商品実験を取り入れた商品学が置かれることに
伊藤整の自伝小説と言われる『若い詩人の肖像』は,この 1 文か
なった。また海外への飛躍も視野に入れた実践的な力のために,語
ら始まる。周知の通り,
本学の卒業生である伊藤整は,2 代目の校長・
学教育を重視し,他高商の外国人教師が平均二名であった当時に,
伴房次郎先生が着任された翌年 1922 年に入学した。
(※以降,紹介する大
常に五,六人の外国人教師を採用するほど積極的であった。
先輩に親しみを込めて敬称を省略)
(注 6)
写真提供/小樽市博物館
これは,広く世界を見てきた渡邊先生だからこそ取り入れられた教
<
いしずえ
育と感じる。この高商の礎 を緑丘に築き,「傑物」・
「天才的」と称
された「野原の校長」は,1921 年(大正 10 年)に小樽高商を離れ,
(注 7)
名古屋高等商業学校に転任することになった。
学校は,いくら建物という施設が出来上がっていても「学校」では
ない。そこに教員と学生が存在して初めて学校が機能し始める。当
>
たり前のことだが,渡邊先生が小樽高商を初めて目にした時には,
「荒
涼たる無人境の勘があり,仰げば外観のみが完成された校舎が唯
2 代目校長・伴房次郎先生。肖像画の前にて。
1‐
注 4:小樽高商史研究会編,
『小樽高商の人々』,小樽商科大学,2002 年,p7
注 5:渡邊龍聖,p162
注 6:小樽商科大学,市立小樽文学館編,
『小樽高商小樽商大 90 周年展』,2001 年,p1
注 7:
『緑丘 50 周年史』,小樽商科大学,p32
注 8:渡邊龍聖,p159 注 9:
『緑丘 50 周年史』,小樽商科大学,p162
14
学園だより 153
2‐
注 1:伊藤整,
『新潮現代文学 13』
,
新潮社出版,1981 年,p5
COLUMN
100周年に向けて
「本校が,開校当初の建設期に渡邊校長のような開拓者的覇気に
らず三度……というように,何度も小林多喜二のことが触れられてい
満ちた人材を迎え,つづく発展期には伴校長という慈父のごとき温
る。1 学年上の小林多喜二に対し,
「この男は,将来他人になり切る
厚寛容の人物をえたことは,まことに幸運であったといわなければな
ことのできない唯一の人間かも知れない,と,私は歩み去る彼を背後
らない」
(注 6)
に感じながら,ぼんやりそう思った」
伊藤整は,実は小林多喜二
とあり,伴先生は温和な先生であったようだ。そんな伴
(注 2)
先生が学生に対して求めたことは,
「社会に出てよく他校出身者に見
(注 7)
が庁立商業学校の生徒であった頃から知っていた。
受ける所謂“高商出”の嫌味を身につけない様に,そして誠実にして
さらに小林多喜二の死後に会った知人から,
「伊藤の奴は才能があ
ヴァラエティのある人間に成長してもらいたい事だ」
るのに,あれぐらいしかしないんだからなぁ」と彼が言っていたこと
ったという。
(注 3)
を伝えられると,
「それを聞いて苦笑したが,小林をなつかしく感じた」
伊藤整が小樽高商に通った時代は,
「学園のルネッサンス」と呼ば
と同時に,
「小林が私を才能のある奴だぐらいに思っていたことを,私
れ,大正から昭和初期にかけての大正デモクラシーを背景に,大学
(注 8)
は昭和 2 年頃も漠然と感じていた。」とある。
昭和 2 年
(1927 年)
として教育・研究面ともに実りのある成果を生み出した時期であっ
とは,伊藤整が小樽高商を卒業してから 2 年後だ。(※小樽高商は 3 年
た。しかし一方で,伊藤整が卒業した後の 1925 年(大正 14 年)に
制であった)
『若い詩人の肖像』は自伝「小説」とはいうが,少なくとも,
は,軍事教練に対する反対運動が,小樽の労働者らとともにおこる
小樽高商に入学する前から卒業した後においても,同じ文学の世界
(注 4)さらに昭和恐慌の打撃を受け,職業難に
という事件が起こった。
にいる人間として伊藤整が意識せずにはいられなかった人物が,小
直面することになる。これは 1933 年(昭和 8 年)になると日本が好
林多喜二だったのだと分かる。
景気に向かい,徐々に小樽高商の就職率も回復するのだが,この
好景気は
「満州・上海両事変」に始まる軍需景気によるものであっ
小林多喜二の短い生涯やその業績については,多くの方がご存じ
(注 5)このように時には暗い影がさすことはあったが,世界大戦勃
た。
と思うので,ここでは学生時代の面白いエピソードを 1 つだけ紹介し
発前の,学生が伸び伸びと小樽高商で過ごせた一時であったように
たい。小林多喜二は『蟹工船』執筆にあたり取材をしたというが,そ
感じられる。
の時協力した高商時代の元同級生がいた。その同級生は卒業後新
聞社に勤めており,小林に頼まれて北洋に行く蟹工船を取材したそ
この「学園のルネッサンス」時代に緑丘で学び,後世に名を残した
うだ。そんな彼は学生時代,小林に助けられたことがあった。彼は
人物がもう 1 人いる。彼は,伊藤整の『若い詩人の肖像』に何度も
簿記が苦手で,試験で問題を解くことができず白紙のまま提出して
登場する。今年のブームとなった『蟹工船』を書いた小林多喜二で
しまった。それを悪意のある答案だと勘違いした教員が怒り落第を
ある。
言い渡した。それを可哀そうだと思った小林多喜二がその教員の元
のち
写真提供/小樽市博物館
へ出向き,
「彼は本当に分からなくて白紙のまま提出したのです。他
<
意はないのですから」,と本当に試験ができなかったことを証明して,
(注 9)この話を見つけた時には
その先生のお怒りを鎮めたそうである。
思わず笑ってしまったが,勘違いをされて困っている同級生に手を差
し伸べるという小林多喜二の優しさも同時に伝わってきた話である。
さて,次に伊藤整の学生時代に話題を移したい。夏休みになると,
>
当時の高商生は牧場や工場に働きに行くのが習慣だったようだ。そ
学生時代の小林多喜二
学生時代の伊藤整
(卒業アルバムから)
のような中,伊藤整は友人と短歌雑誌を発行する資金のために,高
(注 10)
商石鹸を露店で売ったという。
高商石鹸は,商品学の企業実践
『若い詩人の肖像』を読んでいると,一度ならず二度,いや二度な
工場である石鹸工場で製造されたもので,高商生が生産・販売を担っ
2‐
2‐
注 2:
『緑丘 50 周年史』
,小樽商科大学,1961 年,p35
注 6:伊藤整,p14
注 3:
『緑丘』
,第 79 号
注 4:
『緑丘 50 周年史』
,小樽商科大学,p47
注 5:同上,p57
注 7:同上,p11
注 8:同上,p201
注 9:
『緑丘新聞』,第 250 号
注 10:伊藤整,p26
学園だより 153
15
COLUMN
100周年に向けて
し伊藤整は,いざ小樽の公園通りで友人と売ろうとすると恥ずかしく
3.結び なってしまい,仕入れのお金を無駄にしてもいいから計画を中止した
創立 100 周年を目前にして,学生が活発な活動をしていることが
いと小説には書いてある。友人が「皆さん,
高商石鹸をお使い下さい。
感じられる。中でも,「高商石鹸の研究」や「小樽の観光を本気で
品質はどんな石鹸にも負けないものであります」と本気で売る様子
考えるプロジェクト」は,商大生らしい取り組みだ。
を見て尊敬し,さらに石鹸の売れ行きがよくて驚いていた伊藤整だっ
たが,2,3 日すると伊藤整は実家から薔薇の花を切ってそれも売り
「高商石鹸の研究」は 3 年前から始まった。片岡教授の化学ゼミ
始め,露店は石鹸と薔薇を売る店になった。
に所属していた学生 2 名が,高商石鹸に興味を持ちその再現に乗り
(注 11)
た。良く落ちる洗濯石鹸として評判が良かったようである。
しか
(注 12)
・ ・ ・ ・ ・
他にも伊藤整たちの少し前に,高商石鹸を売り歩いた高商生がい
出した。高商石鹸の油は,当時鰊がよく獲れていたこともあり,鰊の
たようだ。1921 年(大正 11 年)の冬休みに,札幌と岩見沢へ石鹸
魚油によってつくられていたそうであるが,魚の油なので臭いがあり,
の行商をしたところ,どこへ行っても大歓迎で,石鹸を買ってくれた上
(注 1)この研究に最初に取り組ん
脱臭方法が用いられていたという。
にご馳走をしてくれた人もおり,1 か月分の食費に値するほどの大儲
だ 2 名の学生の 1 人・山本晶子さんは,商品学が戦前のことで資料
(注 13)飲食店などのアルバイトで,目的があってくるお
けだったそうだ。
がほとんど残っていないなか,試行錯誤を経て独自の製造工程を編
客を相手にするのとはまた違い,道行く人々に「高商石鹸はいかかで
み出し,オリジナルに近い石鹸を再現に成功された。卒業論文では,
すか?」と販売するので,きっと石鹸を売り終わったころには度胸が
実際に作ってみると,鰊の魚油が手に入らず肝油や他の動物性油で
ついたのではないかと思われる。また石鹸行商をした高商生のように,
挑戦したこと,泡立ちが悪い・固形にならない・不快臭があるなど,
出向き先での交流も思い出になったのではないだろうか。
細かく石鹸の向き不向きをテストしたことが記録されていた。また脂
肪酸と油脂の混合したものが良いと分かった後は,どの調合比率が
何気なくラジオを聞いていたら,ゲストの劇作家・演出家の平田オ
良いかさらに研究を重ねられ,その膨大な量の研究は,3 代目の研
リザ氏が,
「コミュニケーションとは自分が変わるということが前提に
(注 2)
究者に引き継がれている。
(注 14)とおっしゃっていた。言い換えれば,自分が変わる
あるんです」
現在「高商石鹸の研究」をされている 3 代目の藤平夏美さん
(4 年)
ことを認めなければコミュニケーションは成り立たないし,また考えよ
は,
「商業の分野で優れていて,さらに化学研究も進められ石鹸を独
うによっては,コミュニケーションは自分が変わる=成長する機会とも
自に売り出せる商大の力にすごいなと感じています。また香料や形,
言える。
色などを研究する最終段階なのですが,自分が実際に石鹸の製造を
伊藤整の『若い詩人の肖像』の冒頭で,
「子どもじゃないと感じた
やってみて,当時文系の大学なのに,規格生産ができ,安定供給まで
のは小樽高等商業学校にはいってからだった」とある。それは何も,
できたことはすごいなと驚いています」と話してくださった。これま
髪を伸ばしポマードで撫でつけ大人の格好をし始めたからではない。
でテストした石鹸は,数えきれないという。その時は成功したかのよ
それまでの狭い社会から飛び出し,小樽高商で教員,友人,好敵手,
うに見えても,時間を置くと溶けてしまうものがあるそうだ。しかし
気になる少女,小樽の人々といった様々な人間と接する中で「ヴァラ
商大生が開発した商大石鹸が再び,小樽の人々にそして全国の人々に
エティのある人間に成長した」すなわち「子どもではなくなった」と感
手にとってもらえる日もそんなに遠いことではないように感じる。片
じることができたのではないかと思う。
岡教授は,小樽の NPO 団体で商大石鹸の製造をしてもらえたらと
チャンス
ライバル
お考えになっており,実現すれば小樽市民の方と商大生とで 1 つの
私も卒業前に再び校門の前に立った時,
「私が自分は成長したと感
商品を提供するという,新しい展開が期待できる。
じたのは,小樽市の,港を見下ろす山の中腹にある小樽商科大学に
『小樽の観光を本気で考えるプロジェクト』は,経済産業省の「体
入ってからであった」と思える,そんな残りの大学生活を送りたい。
系的な社会人基礎力育成・評価システム構築事業」に本学が選出さ
れたことがきっかけで,今年度 11 月から 3 月まで行われる。経済産
16
2‐
3‐
注 11:小樽高商史研究会編,
『小樽高商の人々』,2002 年,p 22
注 12:伊藤整,pp31 - 32
注 13:
『緑丘 50 周年史』,小樽商科大学,pp171 ― 172
注 14:NHK第一放送,11 月 22 日,14:05 ~おもしろ人物ファイルにて
注 1:小樽高商史研究会,
『小樽高商の人々』,
小樽商科大学,2002 年,p 20
注 2:山本晶子,
『高商石鹸の再現および種々の脂肪酸が石鹸に及ぼす影響』
,
2005 年,p 43 ※卒業論文
学園だより 153
石鹸工場の様子
COLUMN
100周年に向けて
このプロジェクトに参加している学生からは,
「他の学年の学生と,
1 つのことに一緒に取り組め,勉強とサークルだけの学生生活に今回
のような新しい活動が入りいい刺激になっている」「講義の中だけ
で終わらず,
自分たちの取り組んだことが形になるのは嬉しい」「サー
クルの活動で小樽に関わることがあるが,今回はまた違った形で関
わることができる」「小樽のことを知らないので小樽を知るきっかけ
なり,また貢献できるのがいい」など,肯定的・意欲的な意見が出た。
また,
「活動の中で自分の社会人基礎力を高めていける」「小樽のこ
とを知ることができる,知るきっかけになる」という利点もあげられ
ている。
評判のよかった
高商せっけん
小樽 商科大 学は,小樽高等 商業 学 校からその歴史が始まり,
のち
後 大学に昇格する。高商が小樽に建てられて教育の場として機能す
るまでの草創期においても,学校が充実し始めた学園ルネッサンス期
においても,本学にとって切っても切り離せないのが「小樽」である。
い ま
それは現在も変わらない。
現在研究中の「商大石鹸」。
「北に一星あり」にちなみ,
星の模様に挑戦されたそ
う。
高商時代は,日本の発展を背景に商業の専門知識を有する「産業
人の育成」が求められ,現在は「社会人基礎力」を身につけた若手
の力が必要とされている。そのような時代ごとに社会が求める人材
を本学が育むことができるというのは,本学が小樽に育まれてきたか
業省が進めるこの事業は,将来の経済を担う産業人材の確保・育成
らこそと感じる。創立 100 周年は 1 つの節目であるが,これを期に
の観点から「社会人基礎力」の習得を目的としており,昨年度は「企
育まれるだけではなく,地元の大学として,互いに育み合う関係が築
業から与えられた課題を学生がこれまで学んだ知識を用いて,チーム
けたらいい。小樽と本学との二人三脚の足並みはますます揃えてき
で解決する」といった実践型の学習が行われたが,今年度は,この
ている。その両者のかけ橋は,高商石鹸の研究に取り組んだり,小
実践型学習が通常の科目(講義・ゼミ・受検等)において実施さ
樽の観光を一緒に考えたりといった,地獄坂を行き来する私たち学
(注 3)
れる。
生の活動なのだと思う。
(佐藤亜美)
小樽商科大学では,この事業に参加する以前から,
「 社会人基礎
力」を身につけられるような講義や教育が「キャリア教育」として行
われている。さらに小樽市と包括連携協定を結んでおり,地域の課
題を一緒に解決していこうという体制がある。今回の『小樽の観光
≪ご協力いただいた方≫
を本気で考えるプロジェクト』は,学生の「社会人基礎力」育成と官
片岡正光先生,大津晶先生,平井孝典先生,藤平夏美さん(片
学連携事業の両方を目指したプロジェクトであると言える。本学の学
岡ゼミ),直行寺さん,取材に応じてくださった学生の皆様どう
生がチームを組み,小樽の観光をもっと活性化させるためにはどうし
もありがとうございました!
たらよいか,それぞれ課題を設定し調査していくという内容になって
いる。
3‐
注 3:経済産業省 HP より
学園だより 153
17
2007 年度 経済学科授業評価
2007年度に実施した授業改善のためのアンケ-トの概略と経済学科の科目別
集計結果を以下のとおり報告します。
<評価方法の概略>
1 集計科目/経済学科専門科目 ( 但し,経済数学,研究指導,卒業論文 ( 夜間主コ-ス ) を除く )
2 実施期間/ 2007 年 7 月(前期科目)及び 2008 年1月,2月(後期・通年科目)
3 質問項目/以下のアンケ-ト及び集計表を参照。
4 評価/各質問について,
『5』が強い肯定,
『1』が強い否定を示すような選択肢による 5 段階評価となっています。
5 集計表の数値/この集計表には平均値 ( 小数点以下第二位を四捨五入 ) を記載しています。
授業改善のためのアンケ−ト
このアンケートは,教員が授業改善の手がかりを得ることを目的としたものです。回答結果は,成績評価には
全く関係ありませんので,率直な意見を記入してください。
回答は,5 段階評価です。あてはまる数字をマルで囲んでください。また,この授業で良かった点,ならびに改
善例について,自由記述欄に記入してください。
授業の科目名と担当教員名を記入してください。
科目名:
担当教員名:
【回答の指針】
5 強くそう思う
4 ややそう思う
3 どちらともいえない
2 あまりそう思わない
1 全くそう思わない
上記の授業について,以下の質問に回答してください。
1 シラバスやオリエンテーションから,事前に十分な情報が得られた。
2 学生の理解を促す工夫(授業形態や内容など)が見られた。
5
4
3 教員の説明や指示内容は,明確であった。
5
4 教材や資料(板書,スライド,プリントなど)の提示が適切であった。
5 学生への対応(質問の回答,進度の調節など)が適切であった。
6 授業中の私語や遅刻者への対処が適切であった。
どちらとも
いえない
全く
そう思わない
3
2
4
3
2
1
5
4
3
2
1
5
4
3
2
1
5
4
3
2
1
7 授業に適した教室環境(人数,広さ,温度など)であった。
5
4
3
2
1
8 この授業の良かった点や優れた点を記述してください。
5
4
3
2
1
9 この授業に対して,「こうすれば望ましい」という意見があれば記入してください。
18
強く
そう思う
学園だより 153
1
1
2
4
5
6
7
授業に適した教室環境(人数,広さ,温度など)で
あった。
授業中の私語や遅刻者への対応が適切であった。
学生への対応(質問の回答,進度の調節など)が適
切であった。
教 材 や 資 料( 板 書, ス ラ イ ド, プ リ ン ト な ど ) の
掲示が適切であった。
教員の説明や指示内容は,明確であった。
昼間コース
3
学生の理解を促す工夫(授業形態や内容)が見られ
た。
シ ラ バ ス や オ リ エ ン テ ー シ ョ ン か ら, 事 前 に 十 分
な情報が得られた。
2007 年度
経済学科授業改善のための
アンケートのまとめ
教 官 名
履修者数
回答数
マクロ経済学
山本 賢司
63
32
4.3
3.8
4.0
4.3
3.7
3.2
4.2
ミクロ経済学
山本 賢司
91
26
4.0
3.3
3.7
4.1
3.5
2.9
4.0
統計学
寺坂 崇宏
266
48
4.0
4.0
3.9
4.2
3.9
3.6
4.0
経済史
平井 進
93
52
3.6
2.8
3.0
3.4
3.2
3.0
3.7
現代経済理論Ⅱ
加藤 睦洋
72
9
3.4
2.8
3.1
2.4
2.8
3.6
3.8
経済分析論
花田 功一
31
11
4.0
4.2
4.1
4.4
3.9
3.5
3.4
計量経済学
遠藤 薫・寺坂 崇宏
218
43
3.6
4.3
4.4
3.8
4.0
4.4
4.1
経済データ解析論
瀬戸 篤
30
19
3.7
4.2
4.2
4.2
3.7
4.0
4.3
経済学史
江頭 進
50
32
4.2
4.7
4.8
4.7
4.8
4.2
4.2
日本経済史
今西 一
528
20
3.3
2.9
3.3
3.6
3.2
3.1
3.6
外国経済史Ⅱ
松家 仁
148
17
3.9
3.8
3.8
3.4
3.9
3.0
4.4
国際経済学
船津 秀樹
103
39
4.4
4.3
4.4
4.2
4.4
3.8
4.4
公共経済学
佐野 博之
155
35
4.4
4.7
4.7
4.7
4.4
3.8
4.2
産業組織論
鵜沢 秀
127
26
3.6
3.9
3.9
4.2
3.5
2.9
3.8
財政学
角野 浩
187
55
4.1
4.4
4.2
4.1
4.1
3.6
3.8
金融論
若井 克俊
331
78
4.0
3.4
3.7
3.5
3.5
4.1
4.2
国際金融と世界経済
澁谷 浩
74
32
4.1
4.3
4.3
4.2
4.6
3.8
4.5
国際貿易理論
柴山 千里
195
56
4.2
3.8
3.9
4.1
3.7
3.3
4.3
経済学と現代 A
経済学科教員
257
142
3.9
3.3
3.4
3.4
3.3
3.2
3.6
経済学と現代 B
経済学科教員
195
61
4.0
3.1
3.1
3.4
3.4
2.5
3.5
経済学入門Ⅰ
柴山 千里
350
158
3.6
3.0
3.1
3.4
3.1
2.7
3.5
経済学入門Ⅱ
廣瀬 健一
339
90
3.7
3.0
3.0
3.2
3.1
2.7
3.7
経済学特別講義 A
和田 良介
12
3
4.3
4.3
4.0
3.7
4.0
4.0
4.7
経済学入門
中村 健一
84
62
3.7
3.6
3.6
3.9
3.8
3.7
3.9
経済理論
加藤 睦洋
21
6
3.2
3.2
3.3
3.5
3.2
3.5
3.0
経済と統計
遠藤 薫
29
19
3.9
3.7
3.8
4.0
3.8
3.6
4.2
経済史
平井 進
12
4
3.7
3.3
3.3
3.3
3.3
3.3
3.7
経済思想史
江頭 進
11
6
4.3
4.7
4.3
3.8
4.8
4.3
4.3
公共政策
角野 浩
36
12
3.8
3.8
3.9
3.6
4.3
3.6
3.9
経済学と現代
若井 克俊
65
42
3.8
3.3
3.5
3.3
3.7
3.9
4.1
経済書購読Ⅱ
今西 一
25
15
3.7
3.3
3.9
3.5
3.8
3.2
3.1
科 目 名
夜間主コース
学園だより 153
19
NEWS
思い出の舞台で「吹雪の街を」再び
~グリークラブ創部 90 周年記念OB演奏会~
10 月 26 日(日)
,本学男声合唱・グリークラブの創部
90 周年を記念するOB演奏会が,札幌共済ホールにお
いて開かれました。現役部員 2 名を加え 81 名のグリー
メンが,素晴らしい歌声をホールに響かせ,会場を埋め
尽くす大勢の観客が聴き入っていました。
開場 1 時間前から待ちきれない人々が受付にならび,
30 分前には長蛇の列となりました。OBグリーメンの歌
▽第2部では,楽器の演奏もあり,また客席と一緒
になって歌う場面も見られました。
声には大人の深みがあり,力強い伸びやかな歌声に会
場から盛大な拍手が湧き上がります。惜しまれる大きな
本学とともに歩んできたと言っても過言ではないほど,
拍手に応え,3 曲のアンコールを歌いあげた後,演奏会
伝統のある本学のグリークラブ。
「またみんなで演奏会
は大成功の内に幕を閉じました。
を開きたい」という
今回の演奏会の会場となった札幌共済ホールは,創
声もあり,次 回の演
部 60 周年記念委託作品である組曲「吹雪の街を」を
奏会でもOBと現役
昭和 54 年に初演した,グリークラブにとって思い出深
部員による思い出に
いホールです。またこの組曲は,商大OBである伊藤整
残るステージが期待
の詩に曲がつけられました。26 日の演奏会では第 3 部
されます。
に「吹雪の街を」が歌われ,初演で指揮を振られた大
(佐藤亜美)
石晴也氏が,再び同じステージで指揮をされました。
▽幅広い年齢層の方々が花束やプレゼント
を片手に訪れ,溢れんばかりの贈り物が受
付に並びました。
学生が商大グッズ「小樽緑丘」の稲刈りを体験
平成20年10月3日(金)
,学生,留学生そして秋山
仕込にも参加したい。」
「初めての農作業だったけどとて
前学長ら12名が商大グッズの日本酒「小樽緑丘」の原
も面白かった。」と貴重な体験を喜ぶ声が聞かれました。
料となる酒米を生産している「紅果園」で稲刈りを体験
しました。この稲刈りには話を聞いた三浦敏幸仁木町
長も急遽駆けつけ共に作業を行いました。
春の田植えから4ヶ月経ち見事に成長した稲穂を前に
「紅果園」ご主人の寒河江さんから稲刈りのレクチャー
を受けて,学生達は一斉に稲刈りを開始しました。春
の田植えと違い足場が安定していることもあり,慣れる
につれ作業のスピードも上がっていきました。
参加した学生,留学生からは「春の田植えにも参加し
たんですけど,それよりも上手く出来ました。次の酒の
(楽しんで稲を刈る学生達)
20
学園だより 153
NEWS
小樽商科大学一日教授会を開催
平成 20 年 10 月 16 日(木)
,小樽グランドホテルにお
ンパス」の3つを挙げ,地元の教育,経済,報道の各
いて,市民との意見交換会「一日教授会」を開催しま
分野のゲストにそれぞれの立場からの意見をいただきま
した。
した。
第7回を迎える今回は「あなたとともに考える商大の
続く第2部はパネルディスカッション形式で行われ,
マスタープラン -小樽商科大学の現況と将来構想-」
第1部で交わされた意見等について,市民や学生を交
をテーマに,意見交換を行い,会場には市民,学生・
えフロア全体で意見交換が行われました。ゲストや参
教職員合わせて約 150 名の参加がありました。
加者からは「財政の厳しい小樽市の市政を立て直すな
第1部では,山本学長から大学の現況について説明
ど,全国が注目する事業を実施すべき」
「小樽の街を
があり,将来構想について「学部教育の充実」
,
「全国
活性化させるような起業家を育てて欲しい」等の意見
から学生が集まる大学」
「
,市民が憩い,
誇りに思えるキャ
があり,大変有意義な時間となりました。
( ゲ ス ト の 3 名。 左 か ら 尾 留 川 氏( 潮
陵高等学校長)
, 簑 谷 氏( 利 尻 屋 み の
や代表)
,渡辺氏(
おたる総合プ
ロデューサー)
)
F
M
(一日教授会会場の様子)
薬物乱用の防止について
教育担当副学長 大 矢 繁 夫
最近,大麻取締法違反事件が,
相次いで発生しています。 大麻等の薬物は,
その乱用だけではなく,所持や栽培・
製造あるいは販売行為も重大な犯罪行為であり,大麻では5年以下,覚醒剤では10年以下の懲役と,法律で厳
しく罰せられるとともに,薬物の乱用は心身を蝕み,通常の社会生活が送れないようになります。
また,本学として,万一そのような行為を行った学生があれば,退学を含む厳重な処分を下すことになります。
このように,安易な気持や一時の興味で不正薬物に接すると,取り返しのつかない結果になりますので,薬物乱用
の甘い誘いには気をつけるとともに,小樽商科大学の学生としての自覚を常に持ち,責任ある行動を心がけるよう
お願いします。
学園だより 153
21
新任教員紹介
NEW FACE
加賀田 和弘 (かがた かずひろ)
准教授(商学科)
22
Kazuhiro Kagata
初めまして。本年度 10 月より本学商学部商学科
会議が開催され,地球温暖化等の環境問題がマスコ
「エコロジーと経営戦略」等担当教員として着任い
ミ等でも大きく取り上げられるようになった時期で
たしました加賀田和弘と申します。赴任にあたり,
した。学部時代は環境 NGO に参加するなど,
「理
小樽商科大学の諸先生方ならびに事務の皆様に大変
論より実践」とばかりに大学での勉強よりも学外で
お世話になりました。この場をお借りして御礼申し
の様々な活動に力を入れていましたが,そこで自分
上げます。
の知識の無さを痛感して,ゼミが始まる 3 年生から
長い歴史と伝統を有します小樽商科大学に奉職す
環境問題と企業というテーマで研究を始めました。
る機会を与えて頂きましたことを改めまして感謝申
その研究が面白くて,大学院進学を決め,そこで環
し上げますとともに,若輩の身といたしましては身
境問題から CSR へと研究領域を広げ,また分析ア
の引き締まる思いでおります。諸先生方の御指導を
プローチとして経営戦略論の考え方を取り入れつ
仰ぎながら,優秀な学生の皆様と共に研究・教育に
つ,今の研究課題に至るという次第です。
日々研鑽していく所存でありますので,これからど
環境問題や CSR は特に近年,企業経営を行う上
うぞよろしくお願いいたします。
で極めて重要な取り組みになりつつあり,高い関心
私の研究領域は,環境経営論・企業の社会的責任
を集めています。従来の商学では必ずしも大きく扱
(CSR)論・経営戦略論・企業評価論です。現在は
われてこなかった領域かもしれませんが,現代社会
特に企業の環境対策と企業戦略および持続的競争優
が抱える多元的な問題の解決の一翼を担うという意
位の関係についての研究や,環境対策・CSR への
味でも,これからの社会を考える上で重要な分野で
取り組みをいかに従来の企業評価の枠組みに組み込
あるといえます。実学を重んじ,将来の北海道はも
んでいくかといった点について研究を行っています。
とより国内外の経済・産業界を担うであろう本学の
この研究に取り組むきっかけですが,私は小さい
学生の皆さんにとりましても関心の高い分野ではな
頃から自然の中で虫取り,魚釣り,キャンプなどを
いかと思います。
して遊ぶのが好きで,そのため自然環境について高
私自身,研究・教育の経験が浅く,まだまだ修行
い関心がありました。大学では環境問題について学
中の身ですが,諸先生方や職員の皆様のご指導を賜
びたいと考え,当時ヒューマン・エコロジー(人間
りつつ,実直で豊かな感性と問題意識を持つ学生の
生態学)の考え方を日本で初めて取り入れたという
皆さんとの議論や人間的な交流を通じて,非力なが
関西学院大学総合政策学部に入学しました。大学に
ら小樽商科大学の益々の発展のため尽力して参りた
入学した年は 1997 年だったのですが,ちょうどそ
いと存じますので,今後ともどうぞよろしくお願い
の同じ年の 12 月に京都で地球温暖化に関する国際
いたします。
学園だより 153
嘉瀨 達男(かせ たつお)
Tatsuo Kase
准教授 ( 言語センター ) はじめまして。10 月に言語センター中国語担当
的に著作を遺そうとする人物も現れました。そう
として赴任しました嘉瀨達男です。京都から北海
いった人物の一人,楊雄(ようゆう・前 53 ~後
道へ来て1ヶ月がたち,土地が広く,食べ物でも
18)にも私は注目しています。当時まだ文学や思想,
何でもサイズが大きいのに驚いています。中国の
歴史といった区別がない中で,楊雄は特に広範な
広大さに通じるように思え,時に興味深く比較し
分野の著作に取り組んでいます。この人物の中国
ています。
古代における特異性を,彼の著述のあり方から意
しかし北海道も含め,日本と中国のぎくしゃく
義付けたいと考えています。
した関係は大変残念です。その将来を思うと憂え
本学の教員の中でもとりわけ古い時代を扱って
ずにはいられません。今後,本学で中国語及び関
いますが,気分転換には中国茶を飲んだり,中国
連科目を担当する以上,常に将来のあるべき日中
映画を観ています。研究室には中国映画やチャ
関係を探りつつ,教壇に立ちたいと思っています。
イナポップスの CD や DVD を集めていますから,
それは長い日中関係の歴史を冷静に見つめた後,自
興味のある方はぜひ遊びに来てください。歓迎し
然に浮かび上がるものだろうと考えています。こ
ます。
のように考えるのは,私の研究分野が中国の古典
文学や思想にあるからかもしれません。
私は中国の古典の中でも,今から二千年前,前
漢から後漢を主な対象としています。諸子百家が
次第に姿を消し,
『史記』や『漢書』といった歴史
書が生まれた時代です。私が興味をもっているの
は,このころ断片的な説話や記述が寄せ集められ,
多くの古典が現在の書物の原形をもつようになっ
ていることです。たとえば孔子の言葉の数々は,
没後約五百年を経て前漢に『論語』にまとめられ
ています。
『史記』も各地の様々な記述や伝承を集
めた編纂物です。このような時代について,特に
書物のあり方という文献学的な視点をもって,と
らえなおそうと試みているところです。
そして書物というメディアが生まれると,個人
NEW
FACE
学園だより 153
23
NO.52
2008.12
小樽商科大学
保健管理センター
急増する子宮頸癌
Healthy Life Journal の著者が替わりました。
小樽商科大学保健管理センター
所長
菅原 照夫
前任の保健管理センター所長である浅沼義英教授が
臨床症状です。治療法ですが,手術療法,放射線療法
1990 年 12 月に巻 1 から本年 3 月の No. 51 までを担当
および化学療法があります。癌の進行度,年齢,将来
していましたが,所長の交代により,私,菅原照夫が
の出産希望により,治療法が選択されます。早期癌で
引き続き Healthy Life Journal の著作を担当することに
はレーザーによる患部の円錐切除により子宮を残す治
なりました。浅沼先生は健康で学生生活を送ることの
療が可能となります。一方,かなりの進行した状態で
手助けとして,病気のこと,医療のこと,あるいは人
発見される癌もあります。治療の途中で残念ながら落
生哲学を学生に向けて発信していました。実に長期に
命される方もいます。普段から健康に気をつけていて
わたり刊行され,まさに継続は力なりというように保
も,子宮頸癌は防ぎきれない病気として恐れられてい
健管理センターの健康管理の貴重な財産として残って
ます。検診で発見される癌の6割は早期癌で,その予
います。この宝物をさらに確かなものにするために間
後は良好です。そこで子宮癌検診を受けることが極め
断なく著作を継続することはとても重要な仕事である
て大切になってきます。検診は問診とともに子宮頸部
と私は考えています。ここに,
著者が替わっての第 1 巻,
の細胞をへらでこすり,染色して顕微鏡で調べる細胞
浅沼先生の著作から数えて No.52 を発信します。
診がおこなわれます。細胞診で異常があればさらに組
織診を行い,癌の診断をします。婦人科の診察を受け
今回のテーマは私の専門が産婦人科だからという訳
るのはちょっと躊躇してしまうかもしれませんが,20
ではないのですが,20 歳代に急増している子宮頸癌に
歳になったら 2 年に 1 回は子宮癌検診を受けておくと
ついてです。子宮は赤ちゃんを十月十日間,大事に育
安心です。自分のため,あるいはパートナーのために
てる臓器で女性の内性器です。妊娠時には 3000 グラム
重要なことです。最後に朗報を,HPV のワクチンが開
の赤ちゃんがすっぽり入るぐらいの大きさですが,非
発されていて,日本では現在,臨床治験が進められて
妊娠時には鶏の卵ぐらいの大きさです。子宮には頚部
います。数年後にはワクチンにより子宮頸癌の発症が
と体部があり,子宮頸癌は子宮の入り口,頚部に発生
予防されると考えられています。
する癌です。近年の研究により子宮頸癌の原因は性交
渉で感染するヒトパピローマウイルス (HPV) が主な原
因と考えられています。最近の 20 年間では 2 倍から 3
倍程度に発症が急増していると報告されています。癌
になったときの症状ですが,初期にはほとんど症状が
ありません。癌が進行すると接触出血,すなわち性交
時の出血や,月経以外の出血である不正出血が症状で
す。また,場合により,普段と違う茶色のおりものが
出ることもあります。いずれにせよ,出血が特徴的な
24
学園だより 153
HEALTHY LIFE JOURNAL Vol.52
バンカラ寮生の誕生
紹 介 す る 写 真 は, 二 〇 〇 八 年 七 月 に, 昭 和 五 一
年 卒 の 方 か ら い た だ い た。 お そ ら く 最 近 に 書 か れ
た 説 明 文 も 付 さ れ て い る。 写 真 の 説 明 は 寄 贈 者 が
添えている。
不
安
「いわゆる道外生です。私は商大に入るまで遠足
で 行 っ た の も 北 は 日 光 ど ま り で, 一 人 で は 東 京 よ
ず 小 樽 へ 行 く こ と が 大 問 題 で し た 。」 と 文 は
り 遠 く へ 行 っ た こ と は あ り ま せ ん で し た の で, ま
始 まっている。
試験は東京会
樽 へ 到 着。 や や 神 経 質 な 好 青 年 が バ ン カ ラ 学 生 へ
と立派に成長するのである。
入
寮
式
「商大の「智明寮」に入ると恐怖の新入寮生歓迎
行 事 が 待 っ て い ま し た。 新 入 寮 生 歓 迎 行 事 が 始 ま
るとまず部屋か
らの外出が禁止
さ れ ま す。 そ し
て, 外 へ の 電 話
や家人等の面会
やかかってきた
電話の取次も行
事の終わるまで
禁止またはして
も ら え ま せ ん。」
「 最 初 の 日, 夜
あ っ た だ ろ う。
いろな思いが
自体にもいろ
わめいたりしているので普通でないことが行われ
くる人がひどく酔っていて,泣いたり,暴れたり,
(ママ)
ころ新入寮生は学ランを着た寮務委員に一人づつ
一二時をすぎた
一泊しながら
ていることは明らかなのですが自分が実際それに
順番に呼び出され連れて行かれます。帰って
上野から電車
あうまではなんだか分からず不安な時間をすごし
て い ま し た。
」 こ の 文 の 後 は, 先 輩 と の 間 で 行 わ れ
た 問 答 の 描 写 が 詳 し く 続 く。 大 人 と し て 思 考 で き
る よ う, も と め ら れ て い る の だ と 最 後 に 総 括 し て
い る。 入 寮 式 の 行 事 は 何 日 か に わ た っ て 行 わ れ,
そ の 一 環 と し て, 市 民 の 前 で, 大 声 が で る よ う に
なるまで出身高校と名前を絶叫するという儀式も
あ っ た。 た く さ ん の 市 民 が 集 ま っ て い る。 一 連 の
行事が終わり,一人前の寮生誕生。
寮
生
活
一 〇 月 末 か 一 一 月 初 め 頃 は 智 明 寮 祭 で あ る。 中
央 小 公 園 に て 毎 年, 市 民 の 前 で 応 援 団 の 型 を 披 露
し寮祭への招待状を読み上げた夜,「一二時から寮
祭 の 景 気 付 け に ス ト ー ム を し ま す。 ふ ん ど し 一 丁
に わ ら じ 履 き の ス タ イ ル で ま ず 学 長( 当 時 実 方 学
長 ) の 家 に 走 っ て 押 し か け, つ い で 当 時 小 樽 市 内
に唯一あった短大である小樽女子短大の寮に押し
かけ寮の下で「起きろ,起きろ。」と大声をあげま
す。」「 学 校 の グ ラ ウ ン ド へ 帰 っ て き て 木 材 を 燃 や
し て 周 り で ス ト ー ム を し ま す。 い つ も 寮 祭 の 期 間
に初雪が降りまし
れた。
やカルメンが演じら
で は, ベ ニ ス の 商 人
て,食堂特設の劇場
市民も大勢やってき
や っ て い ま し た。」
ぶっ続けで模擬店を
な い の で, 二 四 時 間
にいろいろな制約が
た。」「 学 校 祭 の よ う
ベニスの商人のキャスト紹介です。衣装はありあわせ+ま
にあわせ+借り物です。
場だったから
小樽へ行くの
は 初 め て, 不
これで部屋の半分です。4 人用の部屋なので机はこれで 2 人分,右
側は寝台で上下二階建てでした。窓は二重窓で冬はその間に卵やも
やしなどを入れると冷蔵庫がわりでした。スチーム暖房付きです。
を利用して小
進学すること
ぱ い, 大 学 へ
安で胸がいっ
寮内で見つけた落書き。こういうのもありました。
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学園だより 153
学園だより第 153 号 ●発行/小樽商科大学学務課 〒 047-8501 小樽市緑 3 丁目 5 番 21 号 TEL0134—27—5237
No .153
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