Comments
Description
Transcript
JASIS2015 新技術説明会 発表資料
卓上サイズの NMR NMReady / ESR CMS8400 による定量分析のご紹介 卓上型磁気共鳴装置 • 実験台の上に設置可能 ☞大型装置の導入の困難な場所にも設置可能 • 装置冷却用の付帯設備不要 ☞ランニングコストの低減・メンテナンスフリー • 簡単な操作でどなたでも測定可能 ☞専門家でなくても計測・分析 大型の装置と比べると? • 大型装置 • 高分解能・高感度 • 多機能 • 理想的なスペクトル • 卓上タイプ • 控えめな分解能と感度 • シンプルな機能 • 簡単な操作 卓上サイズ、冷媒フリー、タッチスクリーン搭載で ストレスフリーの核磁気共鳴装置 ラインナップのご紹介 上位モデル -NMReady 60Pro共鳴周波数 60 MHz(1.4 T) 核種 1H/7Li, 11B, 13C, 19F, 31P (dual mode) 線幅 <1.0 Hz (FWHM) 感度 100:1 (1% エチルベンゼン) マグネット 永久磁石・冷媒不要 サイズ 30 x 28 x 49 cm 重量 25 kg 上位モデル -NMReady 60Pro• • • • • • • • • タッチスクリーン 5 ㎜NMRチューブ 重水素ロック 壁コンセントOK T1, T2, Nutation測定 COSY, DEPT, HSQC, HETCOR パルスプログラミング デカップリング シグナルサプレッション 標準モデル -NMReady 60e共鳴周波数 60 MHz(1.4 T) 核種 1H, 19F 線幅 <1.2 Hz (FWHM) 感度 40:1 (1% エチルベンゼン) マグネット 永久磁石・冷媒不要 サイズ 30 x 28 x 49 cm 重量 24 kg or 1H/19F(dual) 標準モデル -NMReady 60e• タッチスクリーン • 5 ㎜NMRチューブ • 重水素ロック • 壁コンセントOK • T1, T2, Nutation測定 • 2次元NMR ☞COSY NMRの基本をおさらい エチルベンゼンのNMRスペクトル NMRスペクトルの基礎 CH3 CH2 化学シフト Chem605 “Proton chemical shifts”, http://www.chem.wisc.edu/areas/reich/handouts/nmr-h/hdata.htm (2015/8/1参照) エチルベンゼンの化学シフト 3 種類の 1H Ha Hc Hb シグナル強度 1H比率 Ha : Hb : Hc = 3 : 2 : 5 Ha Hc Hb スピン結合 お隣の1Hの数を反映 観測している1H CH3 CH2 triplet お隣 エチルベンゼンのスピン結合 singlet triplet Hc Ha quartet Hb スピン結合 singlet 1 0 doublet 1 1 1 triplet 1 2 1 2 quartet 1 3 3 1 3 pentad 1 4 6 4 1 4 sextet 1 5 10 10 5 1 5 化学種の特定 化学シフト Ha (1.5 ppm) 信号強度 Hb (2.9 ppm) 3 2 5 H CH3 R H R スピン結合 Hc (7.5 ppm) R triplet quartet CH3 CH2 singlet? 混合物の濃度分析 • NMRで混合物の濃度分析をするメリット ☞化学種との関連が明確なので、解析が容易 卓上タイプで大丈夫? 濃度分析例のご紹介 ―蒸留酒のアルコール濃度分析― 測定の流れ ①混合比の異なるエタノール:水混合試料を調整 ②それぞれの試料のNMRスペクトルを取得 ③スペクトルを解析して、検量線を作成 ④対象サンプルを測定して混合比の検討 エタノール水溶液のスペクトル 200 OH H3C CH2 -OH -CH3 x10 3 150 100 -CH250 0 6 4 2 chemical shift / ppm 0 定量の準備 水 + エタノール 200 エタノールの寄与のみ 1H数 5 として規格化 -OH 150 x10 3 -CH3 100 -CH250 0 6 4 2 chemical shift / ppm 0 アルコール濃度と信号強度 水 + エタノール エタノールの寄与のみ -CH2-CH3 -OH 10 % 20 % 30 % 40 % 50 % 60 % 70 % 80 % 90 % 6 4 2 0 検量線 • 近似曲線 I = 749.1/C – 6.727 120 100 normalized intensity • エタノール濃度に対 して、規格化した-OH のシグナル強度をプ ロット 80 60 I = 749.1/C - 6.727 40 20 0 0 20 40 60 concentration % 80 100 実測例 焼酎 バーボン ウイスキー 表示度数 25 40 43 積分強度 22.90 12.37 11.38 測定値 25.3 39.2 41.4 卓上タイプNMRでの定量測定 • NMRで混合物の濃度分析をするメリット ☞化学種との関連が明確なので、解析が容易 卓上タイプで大丈夫? 卓上タイプでも大丈夫! サンプルスペクトル 食用油の測定結果 ビスアリール系 オレフィン系 → ↓ アマニ油 ごま油 オリーブオイル 8 6 4 shift / ppm 2 0 測定例 -1D ibprofene- 測定例 -2D HHCOSY- 測定例 -JRES- CMS 8400 卓上サイズ、冷媒フリー、オートチューン搭載で 簡単操作の電子スピン共鳴装置 製品紹介 - CMS8400 感度 8x1013 spin/T 分解能 0.006 mT 最大磁場強度 0.7 T 走引幅 10-4 – 0.65 T マイクロ波周波数 Xバンド マイクロ波パワー 0.01 – 200 mW チューニング 自動 共振器 TE102 Q値 5000 サイズ 53 x 42 x 35 cm 重量 56 kg そもそも何を見ているの? • 不対電子 • 遷移金属 • 活性酸素 • ラジカル • 格子欠陥 などなど 何はともあれ 測定例のご紹介 茶葉(緑茶) 22 20 x10 3 18 16 14 12 200 300 400 field strength / mT 500 遷移金属(Mn2+ in MgO) 19 x10 3 18 17 16 320 330 340 field strength / mT 350 360 安定ラジカル(TEMPOL) 17.5 x10 3 17.0 16.5 16.0 15.5 332 334 336 338 field strength / mT 340 342 スペクトルの読み方 17.5 x10 3 17.0 ESR信号強度 16.5 (微分型) 16.0 磁場強度 15.5 332 334 336 338 field strength / mT 340 342 ビタミンCによるラジカル消失 添加前 添加後 332 334 336 338 磁場強度 / mT 340 342 TEMOLの濃度と信号強度 650 130 78 39 13 332 334 338 336 field strength / mT 340 342 検量線 7000 6000 5000 信号強度 I • TEMPOL濃度に対して 信号強度をプロット • 近似曲線として I = 7.16C + 0.291 を引いた 4000 3000 2000 I = 7.16 x C + 0.291 1000 0 0 200 400 600 800 TEMPOL濃度 C / μM 1000 測定例 ☞74.3 M 7000 6000 5000 信号強度 I • 78 Mに調整した TEMOL溶液を測定 • 信号強度 532.22 • I = 7.16C + 0.291より濃 度を求める 4000 3000 2000 I = 7.16 x C + 0.291 1000 0 0 200 400 600 800 TEMPOL濃度 C / μM 1000 まとめ • 磁気共鳴装置での定量測定は必ずしも大型の装 置でなくても可能 • 測定頻度が高い場合、お手元に置ける卓上タイ プが大活躍 • 大型装置で、確立した分析手法を卓上型に落と し込むことで、実地での分析を可能に