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新刊紹介 [PDF 643KB]

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新刊紹介 [PDF 643KB]
大学生活の迷い方
│女子寮ドタバタ日記
とその後を編みこんだ。若い人
た ち に﹁ 転 ん で も こ け て も 大 丈
夫。あなたが、そのまんま生き
ている。たったひとりのあなた
は 大 切 ナ リ ﹂と い う 伝 言 を こ め
て。
緊張と期待で寮のドアを開け
るとき、新入生たちからは生ま
れ育った遠い場所の空気がいっ
ぱいにたちこめる。その日から
勉強にバイトにサークルに、恋
まき た なお こ
も留学も夢見てトライし、いつ
何度も躓いたり転んだりしなが
同志社大学松蔭寮は、195
1年に寺町通の新島旧邸の北で
も元気に明るい絵に描いたよう
残り火の中で、自治寮の看板を
続けている。学生たちの反乱の
って賑やかな暮らしの場であり
ことは話し合って自分たちで決
部屋、深夜の寮会。﹁自分たちの
かない。今どきめずらしい二人
な女子大生⋮というわけにはい
ら、大人への扉を開いていく。
同志社大学に学ぶ女子学生寮と
掲げた松蔭寮に﹁寮母﹂として迎
め る ﹂は ず の 自 治 が、 と き に 苦
り怒ったり、一人ひとりのさま
寮の暮らし。奨学金とバイトで
時間を過ごし、人の熱に満ちた
しみの種になる。無駄に思える
商品と社会
かわみつなお き
│ランドマーク商品の研究
川満直樹 ︵大学商学部准教授︶
編著
本書は、同志社大学人文科学
研究所第 期第 研究会の研究
成果の一部であり、同研究会が
これまで刊行してきた石川健次
郎 編 著﹃ ラ ン ド マ ー ク 商 品 の 研
究 ① ∼ ⑤ ﹄︵ 同 文 舘 出 版 ︶に 続 く
ものである。
高度経済成長期以降、日本で
は多くの商品が登場してきた。
代表的なものとして1960年
代の﹁三種の神器 白黒テレビ・
電 気 洗 濯 機・ 電 気 冷 蔵 庫 ﹂や 1
9 7 0 年 代 の﹁ 3 C カ ラ ー テ
レ ビ・ カ ー・ ク ー ラ ー﹂な ど が
あげられる。それら商品が、新
しいライフスタイルを提供し、
生活を大きく変えたことは誰も
が否定しないであろう。また、
物であってほしい。
戦後日本思想と
知識人の役割
人の役割に注目したうえで、次
の編集方針に基づきまとめられ
た。第一に戦前・戦中と戦後と
の相互関係を念頭に置くこと、
第二に1950年代の言論活動
に着目することである。昨今の
政治状況を鑑みると、﹁戦後的価
値 の 真 価 が 問 わ れ た 時 代 ﹂で あ
る1950年代と重複する面が
少なくない。この時代の知識人
いず はら ま さ お
ひら の ゆき
︶ 著・
出原政雄︵大学法学部教授編
平野敬
の役割を問い直す作業は、現代
かず
たけ もと とも ゆき
大学日本語・日本文化・
大学法
における﹁行動する知識人﹂の復
和 ︵教
竹本知行 ︵学
育センター嘱託講師 ︶
部嘱
もち づき し ふみ
権の条件を探ることにもつなが
託講 ・
︶
望 月 詩 史︵ 大 学 法 学 部 助 教 ︶
他著
師
る。
本書は、本学人文科学研究所 一口に﹁戦後日本思想の解明﹂
設 置 の 研 究 プ ロ ジ ェ ク ト﹁ 戦 後
といっても、その切り口は数多
日本思想の総合的研究﹂︵201
く存在し、本書で取り上げられ
0 年 4 月 ∼ 2 0 1 3 年 3 月 ︶の
なかった人物やテーマも多い。
成果論文集である。﹁第一部 天
それらは漸次、継続研究会︵﹁戦
皇制・ナショナリズム・アジア﹂
後日本思想の諸相﹂︶で取り組ん
︵全四章︶、﹁第二部 平和思想・
でいる最中である。そもそも、
市 民 主 義・ 社 会 科 学 ﹂︵ 全 三 章 ︶、 本研究プロジェクトは、短期間
﹁第三部 自由主義と変革思想﹂
での完結を前提に着手したもの
︵全三章︶、﹁第四部 戦後文学の
ではない。上記研究会終了後は、
思想﹂︵全二章︶、﹁第五部 福祉・
新たな研究会を立ち上げて活動
ジェンダー・反戦・沖縄﹂︵全四
を継続する予定である。本書は、
章 ︶の 五 部 構 成、 全 一 六 章 か ら
長期に亘る研究プロジェクトの
成る。
第一歩を刻むものである。
望月詩史より
本書は、戦後に活躍した知識
新刊紹介
能し得るかどうかが重要である。
それら商品の登場は、私たちの
生活を変化させただけではなく、
すなわち、アメリカやイギリス
価値観にも影響を与えた。
か ら 移 入 さ れ た 横 文 字 の Social
で は な く、 い わ ば 平 仮 名
このような生活の変化、そし
Work
て私たちが生きる社会の変化を
の﹁そーしゃるわーく﹂がもっと
どのように説明したらよいのだ
語
られなければならないと考え
ろうか。私たちの生活や社会は、
た
のである。それは、決して海
時間が続く限り変化をしていく。
ソ
ー
シ
ャ
ル
ワ
ー
ク
に
お
け
る
外のソーシャルワークの学びに
その変化の一面を﹁商品﹂という
意味がないというのではなく、
﹁
生
活
場
モ
デ
ル
﹂
の
構
築
視点│商品と生活者、商品と社
日本の社会福祉現場の実践にと
│日本人の生活・文化に根ざした社会福祉援助
会など│から見ると何が見えて
って﹁リアリティ﹂のあるソーシ
く
が ひろ と
大学社会学部
教
授︶
空閑浩人︵ 博
著
くるのだろうか。
士後期課程
ャルワークのあり方を語りたい
本書では、温水洗浄便座、ト
というものであった。
ランジスタラジオ、パチンコの
本書の出発点は、筆者が障害 本書では、日本人の生活およ
三つの商品を取り上げ上記の観 び日本の社会福祉現場とそこで
者福祉施設の職員として働いて
点より分析を試みた。また、本
の実践を見据え、そこから生み
いた頃から抱いていた素朴な疑
書はすでに刊行された5冊の
出される言葉によって、日本の
問にある。それは、﹁日本の社会
﹃ランドマーク商品の研究﹄と異
福祉の実践現場や教育現場では、 ソーシャルワークのあり方を描
なり、先に示した観点を念頭に
くことに取り組んだ。具体的に
なぜアメリカのソーシャルワー
おきつつ5W1Hの視点から商
は、日本人の日常生活を支えて
ク理論ばかりが語られるのだろ
品を分析し、それに加えて国際
いる﹁関係﹂や﹁場﹂の力に着目し、
う﹂というものであった。
比 較 の 視 点 も 取 り 入 れ﹁ 商 品 と
日本のソーシャルワークの理論
社 会 ﹂の 関 係 に つ い て 検 討 し て 日 本 で の 社 会 福 祉 援 助︵ ソ ー
と 実 践 の あ り 方 と し て の﹁ 生 活
シ ャ ル ワ ー ク ︶の 実 践 は、 当 然
いる。
場 モ デ ル ﹂を 描 く こ と を 試 み た。
のことながら、その多くは日本
本書が、当然のように使用し
日本の様々な社会福祉現場で働
人とその生活にかかわる営みで
ている商品が我々の生活にどの
く実践者︵ソーシャルワーカー︶
ある。そのためには、それらが
ような影響を与えているのかを
考えるきっかけになれば幸いで
にも読んで欲しい1冊である。
日本人の生活現実に根ざした生
著者より
ある。
著者より
活支援の実践や方法として、機
著者より
今も昔も同志社のたいせつな宝
一所懸命自活する寮生たちが、
ざまな危機に、ただおろおろと
代まで、松
人の女性たち
代の現役寮生から
にしか感じられない。本書は
横で気をもむ日々はほんの数年
えられ
年。寮生たちと笑った
して始まり、
年の長きにわた
︶
蒔田直子 ︵同志社大学松蔭寮 寮職員著
岩波書店
(税込)
907円
10
同文舘出版
3,024円(税込)
と︵謎に満ちた?︶
女子寮の日々
蔭寮で暮らした
70
94
95
64
17
18
法律文化社
9,180円
(税込)
ミネルヴァ書房
6,480円(税込)
36
18
介
紹
刊
新
介
紹
刊
新
英国地図製作と
シェイクスピア演劇
いるのである。
世紀も後半に
英国の地図は、 世紀中頃か
ら描かれるようになるが、本格
的な地図製作は
なってからのことである。本書
は、この時期の英国の地図製作
とシェイクスピア演劇の関係を
解明しようとしている。一見、
地図と文学作品は、何ら関係の
ないもののように思えるかもし
幕末・維新の
西洋兵学と近代軍制
│大村益次郎とその継承者
西欧特有の資本主義と国民国家
システムを受け入れて、パワー・
ポリティクスを基調とする国際
政 治 に お い て、ま ず は 列 強 と 対
等な関係を確保することを課題
理念を﹁王政復古﹂という媒介を
とした。その一方で、統一国家の
通じて示さねばならなかった点
に 新 た な 困 難 が 存 し て い た。そ
独 自 性 の 追 求 と、欧 米 の そ れ へ
れ は、国 民 国 家 と し て の 日 本 の
の平準化という相反する方向性
が下した時、地図はもはや客観
を省略するのかという判断を人
される。地図上に何を含め、何
そこには描く人間の考えが反映
って紙面上に写そうとする時、
し、人が自然の形状を縮尺によ
ものだと考えられている。しか
一般に地図とは、ありのまま
の地形を、客観的に描き出した
文学研究は、隣接研究領域との
など、興味は尽きない。近年の
どのように投影されているのか
シェイクスピアの作品の中に、
れているのか。そしてそれらは、
地図上にどのような形で表現さ
国の成立を夢見る君主の想いは、
陸の植民地を視野にブリテン帝
権国家の樹立を、あるいは新大
な関係性が読み取れる。中央集
郎とその継承者﹄を上梓した。
西洋兵学と近代軍制︱大村益次
2014年、拙著﹃幕末・維新の
が、禁 門 の 変 1 5 0 周 年 と な る
がそれを意識したわけではない
て も 良 い だ ろ う。も ち ろ ん 筆 者
けた﹁業界﹂の動きの一つといっ
年の﹁明治維新150周年﹂に向
目 に す る。そ れ は 来 る 2 0 1 8
近 年、巷 で は 幕 末・維 新 期 を
扱った書籍やテレビ番組をよく
点から幕末・維新期の西洋兵学
横に広がる地平において、﹁大村
と で、時 代 を 縦 に 貫 く 時 間 軸 と
治史上の特性について論ずるこ
果たした軍隊の創設の軌跡の政
国民形成の推進に大きな役割を
も 用 い、近 代 日 本 の 国 家 形 成 と
本 書 で は、﹁ 新 発 見 ﹂の 史 料 な ど
し軍制を確立していったのか│。
どのように西洋から兵学を受容
そ の 時 代、先 人 た ち は 国 際 環
境に自らをどのように位置付け、
たけもとともゆき
的なものではなく、主観的で修
交流が盛んである。この研究も
本書は幕末・維新期における
日本の西洋兵学の受容に関する
竹本知行︵大学法学部助教︶
著
辞的なものとなる。各国の地図
また、他分野の研究成果を取り
る。
の歴史的位置を明らかにしてい
という難問に他ならない。
が、自国の都合に合わせて、国
入れることによって、新たな解
研 究 で あ る。幕 末・維 新 期 に 始
かつやまたかゆき
れない。しかし地図が当時の国
家観や世界観を映し出している
内の様子や他国との関係を描こ
ま る 日 本 の 近 代 化 の 歩 み と は、
しょう
おか べ ゆき
著者より
益 次 郎 の 思 想 と 遺 産 ﹂と い う 視
うとするように、地図は客観的
釈の可能性を模索したものであ
とう
著者より
る。
さ
│ネット時代のソーシャル・
リテラシー
はら だ たか し
原 田隆史︵大学免許資格課程センター教授︶・佐
のり
典 ︵大学学習支援・教育開発センター助教︶
他著
著者より
やま
じょう
とおる
食ビジネスの
おもてなし学
新刊紹介
えました。そこで本書では文体
が作り出す清潔 快
・ 適な空間と
美味しい料理
︵物質的文化=モ
を簡易にすることに留意すると
ノ︶
、素材の物流安定や料理人
ともに、イラストや図表も多用
のワザなどの﹁ソフト面﹂が作り
し、読みやすいものとすること
出す安全 安
を心がけています。内容面につ
・ 心な調理システム
︵制度的文化=コト︶、接客スタ
いては、情報メディアの変遷、
ッフの先回りの気づきなどの
個人情報の保護、クリエイティ
﹁ヒューマン面﹂が作り出す楽し
ブ・コモンズ・ライセンスやオ
い語らいとコミュニケーション
ープンデータといった、歴史的
︵精神的文化=ヒト︶の3つの側
なトピックから最新の話題まで
面 か ら な る﹁ 総 合 的 な お も て な
を幅広く取り入れました。新し
︵女子大学名誉教授︶
山上
著
し 力 ﹂が 和 食 ビ ジ ネ ス の 強 み で
徹
い技術に対しては、それを単純
ある︵第8章︶
。そこから、﹁挨拶﹂
に規制する姿勢ではなく、利便
茶道に造詣の深い山上先生は
﹁お辞儀﹂﹁笑顔﹂の教育 訓
・練 自・
性と危険性を理解し、把握した 京都観光の真髄に﹁主客同一﹂の
己 啓 発 が 必 須 で あ る こ と︵ 第 2
上で利活用していこう、という
おもてなしがあることを看破さ
章︶
、和食ビジネスが﹁モノの輸
方針を本書は貫いています。例
れ、そこから独創的な京都学を
出﹂や﹁制度的文化のサービス輸
えばSNSの持つリスクや写メ
彫琢されてきました。
出﹂
段階を超えて﹁おもてなし精
ールが悪用された事例など、学
章からなる本書の主眼に置
神 文 化 の 輸 出 ﹂段 階 に あ る 現 在
生たちにとって気づきにくい、 かれているのは、顧客に対する
︵第9章︶では、﹁手食﹂﹁箸食﹂﹁フ
しかし身近に潜むリスクを豊富
サ
ー
ビ
ス
や
接
客
態
度
を
ホ
ス
ピ
タ
ォ
ー ク 食 ﹂に 対 応 す る 必 要 が あ
な実例をもとに説明しています。
リ
テ
ィ
と
解
す
る
一
般
的
な
見
解
を
り
︵第 章︶、イスラムのハラル
情報リテラシー関係の科目に限
超 え て、 ホ ス ト と ゲ ス ト が﹁ 同
認証が課題となっていること
らず、大学初年次の講義の参考
の目線︶
﹂で 対
じ 目 線︵ Win-Win
︵第 章︶などを指摘している。
図書や、最近の情報技術の動向
応する共創関係の構築が目指さ
山上先生の長年の研究成果が
とそのメリット・デメリットを
れていることです︵第1章︶
。こ
随所でうかがわれる本書は、和
把握する読み物としてもお使い
の視点から無形文化遺産となっ
食ビジネス関係者の教導書とし
いただける図書になっていると
た和食ビジネスの現状と発展へ
ても読まれるべきであると思わ
自負しております。
の提言がなされています。
れる。
こう の たけ お
河野健男︵女子大学現代社会学部教授︶
店舗や食材などの﹁ハード面﹂
11
12
藤 翔︵大学免許資格課程センター助教︶・岡 部 晋
本書は、情報リテラシーに関
する科目の教科書として使用で
きると同時に若い人々向けの読
み物としても読めるようにとい
う編集方針のもと、テクニカル
ライティングや図書館情報学を
専門とする4名の共著で執筆し
たものです。近年の情報通信社
会はソーシャルネットワークの
充実やビッグデータの活用など、
従来にも増して情報倫理が重要
な状況になっています。このよ
うな状況の中では、情報リテラ
シーの分かりやすい教科書の必
要性が増していると執筆陣は考
12
情報倫理
な事象よりも、製作者が想い描
と考えれば、両者の間には様々
思文閣出版
6,804円(税込)
く国家像や世界観を映し出して
勝山貴之︵大学文学部教授︶
著
13
16
学文社
2,484円
(税込)
96
97
英宝社
3,456円
(税込)
技術評論社
1,382円(税込)
介
紹
刊
新
介
紹
刊
新
影山教授の教え子が
泣きにくる。
くごく平凡に人生を歩んできた
﹁オッサン﹂なので、放送マンか
ら職を転じて間もなき頃は、女
子大生の涙にかなり狼狽したも
のだった。月日は流れ、大学教
員生活も 年目となった現在で
は、さすがに慌てふためくこと
は少なくなったが、それでも慣
れるということはない。その都
度教え子の涙と不器用に向かい
合う。ドラマのような気の利い
食物アレルギー児のため
の食事と治療用レシピ
は旬の食材を活かして昆布・鰹
節の出汁をベースに醤油・味噌、
ウスターソース、トマトケチャ
ップなどの基本的な調味料を用
いた家庭料理を基本とすること
である。食物アレルギーに配慮
した食事は生活習慣病予防にも
1 2 年 8 月 に 刊 行 し た﹁ 親 と 子
役立つ食事でもあることは20
の食物アレルギー﹂︵講談社現代
新書︶にも書いた通りである。
ける。心理学の専門家でも、そ
ら彼女たちの話に真剣に耳を傾
得られたデータをもとに、食物
本書は、 年以上にわたる食
物アレルギー児の診療経験から
物アレルギー児でも抗原タンパ
を具体的に示した。最重症の食
抗原量に基づく食事指導の実際
行っている﹁食べる﹂側からみた
い とうせつ こ
女子大学生活科学部著
伊藤節子 ︵特
︶
別任用教授
大学の研究室に教え子が相談
にやってくる。講義内容の質問
アレルギーの診断から治療まで
本書では、卵、牛乳、小麦ア
レルギー児に対して診療の場で
とか、テストや論文、レポート
の道のプロでもない自分に出来
ク質量を把握することにより、
かげやまたかひこ
│涙が笑顔にかわる京都の女子大研究室
たセリフでアドバイスできるこ
に関することが多いのだろう、
述べた〝抗原量に基づいて﹁食べ
法︶により耐性を獲得して﹁食べ
るのは、結局それだけだと確信
不思議なことに、話を聞くに
つれ、教え子の涙はやがて渇き、
る こ と ﹂が 可 能 と な る。 本 書 が
と読者は思われるかもしれない。
研究室を出る頃には、それは多
食物アレルギーの治療は、正
しい抗原診断に基づく必要最小
食 物 ア レ ル ギ ー 児 が 安 全 に﹁ 食
安全に﹁食べること﹂ができる量
外のことがとても多い。内容は、
くの場合笑顔にかわっている。
限の食品除去からスタートする
べ る こ と ﹂を 目 指 し た 治 療 を 受
る こ と ﹂を 目 指 す 〟﹁ 乳 幼 児 の 食
アルバイトのこと、サークルで
研究室で紡がれた涙から笑顔へ
が、 そ の 目 的 は 安 全 に﹁ 食 べ る
くはない。けれど、実はそれ以
の人間関係、就職活動のこと、
の話のいくつかを本書に綴った。
こ と ﹂で あ る。 四 季 の あ る 日 本
て計画的に摂取タンパク質量を
ある。
けるための参考となれば幸いで
漸 増 し て い く 治 療︵ 経 口 免 疫 療
において食物アレルギー児のた
です。きちんと読めば、古事記
ころを描いた物語でもあったの
るなど、阪急文化圏ともよばれ
る地域形成に大きな足跡を残し
てきた。
監修者は女子大学の現代社会
学部社会システム学科において、
京都学・観光学コースに所属し
教育・研究活動を行っている。
地理学・観光学といった専門性
見られがちな車両を中心とした
を活かし、よくある﹁鉄道本﹂に
の沿線に関連する観光資源をふ
うな影響を与えてきたのか、そ
た ろう
本書は、実業之日本社の鉄道
沿線シリーズの一環として、関
くめた地域の特徴を描出するこ
鉄道施設に焦点を当てるのでは
西地方の鉄道会社としてまず最
なく、鉄道が地域形成にどのよ
初に阪急電鉄をとりあげたもの
地を訪問したくなるような構成
地図を多用しながら、実際に現
を心がけた。
とを目的として作成した。また
えた場合、まず第一に挙げられ
として出版された。関西の地域
あま の
著者より
めの食事作りを容易にするコツ
ような光る神に置き換える物語
で あ り、 そ う し た 武 器 と 光︵ 宗
古事記は、金属の武器を使い、
倭国を﹁日本﹂と呼ぶ統一国家に
の 神 々 は、 ほ と ん ど が 金 属 の
るのが阪急電鉄の存在である。
形成史における私鉄の役割を考
女子大学現代︶
天野太郎︵ 社
会学部教授 監修
阪急沿線の
金属の武器を手に入れる物語で
あり、金属の光をアマテラスの
不思議と謎
事記は稲作の物語だけではなく、
目をしてきました。しかし、古
する見方をいつも陰で支える役
古事記を天皇を讃える物語だと
祭などの儀式と結びつけやすく、
と読むと、天皇の大嘗祭や新嘗
しています。古事記を稲作神話
著者より
しれない、と思っている。
書いたものである。
を設定し、ここからスタートし
友人関係、家族問題、恋愛相談、
そして、それはもしかすると皆
2 0 1 2 年 9 月 ︶の 続 編 と し て
将来の自らの人生設計に至るま
さんお一人おひとりの物語かも
平均して月に2回程度、研究
室で彼女たちの涙に出会う。ご
古事記の根源へ
│
﹃ NHK100分 名著
古 事 記 ﹄は な ぜ﹁ 火 の 神 話 ﹂
を伝えないのか
教 ︶を 手 に 入 れ た 一 豪 族 が、 地
作り上げたその動乱の時代を
神々であり、その金属の特徴を
む ら せ まなぶ
﹁物語﹂として描いたものでした。
持つが故に、武力やはかり事で、
村瀬学 ︵女子大学生活科学部教授︶
著
方の豪族を武力と光力で制圧し
﹁国作り﹂が﹁金属作り﹂と共にあ
敵対する神々を次々に征服して
て中央集権の王になってゆくと
ったわけですが、なぜか、従来
研究書ではなく、あくまでも
一般的な文庫本である。ただそ
から古事記というと﹁国作り﹂を
三は、鉄道沿線に日本で最初の
に鉄道会社と地域形成の関係を
れであるがゆえに、多くの人々
阪急電鉄の創始者である小林一
郊外住宅地を建設して阪神間の
ゆくところをよく描いています。
住宅地形成に大きな役割を果た
そして、そういう武力とはかり
事の争い方は、金属を頼りにし
されてきました。最近の三浦佑
て生きている現代の私たちのあ
﹁稲作り﹂と重ねた物語だと説明
名著
そういう理解でいいのかを、こ
読者に説明しています。本当に
古事記﹄でも、旧来の﹁稲作神
話 ﹂と し て 古 事 記 を 読 む 見 方 で
著者より
の根本の主張になっています。
きるものだというのが、この本
り方と重ねて読み取ることので
大劇場などの文化施設を建設す
運営し、終点には遊園地や宝塚
ナル駅に世界で最初の百貨店を
した。さらに起点となるターミ
幸いである。
を持ってもらえる契機になれば
地域研究や観光学の一端に関心
知ってもらい、平易なかたちで
新刊紹介
著者より
の本では根本的に疑問視し追求
之 氏 の﹃ N H K 1 0 0分
実業之日本社出版
918円(税込)
ジャンルに渡るのだ。
で、大げさでなく、さまざまな
物アレルギー﹂︵診断と治療社、
となど極めて稀で、ただひたす
診断と治療社
(税込)
4,536円
しているからだ。
影山貴彦︵女子大学学芸学部教授︶
著
14
もちろん、その種のことも少な
30
雇用開発センター
1,400円(税込)
言視舎
1,296円(税込)
98
99
de
介
de
介
紹
刊
新
紹
刊
新
Fly UP