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遊漁船業法に基づく行政処分実施要領
遊漁船業法に基づく行政処分実施要領 第1 趣 旨 この要領は、遊漁船業の適正化に関する法律(昭和63年法律第99号。以下「法」という。)の規 定に基づく行政処分の実施に関し、必要な事項を定めるものとする。 第2 基本方針 法に基づく行政処分は、遊漁船業者の不正行為の防止、是正及び改善並びに不適格業者の排除等によ り遊漁船業の適正な運営の確保と遊漁船業の健全な発達を促し、もって法益の実現を図ることを目的と するものであり、処分を行うに当たっては、違反の内容をよく把握した上で、この要領に基づきその内 容を決定するものとする。 第3 適用範囲 この要領は、法第18条、第19条第1項各号、第22条及び第23条の規定に基づく処分(以下「処 分」という。)に適用する。 第4 違法行為に対する処分の内容 法第18条及び第19条第1項各号の規定に該当する事実及び行為(以下「違法行為」と総称する。) 並びに当該規定に基づく処分の内容は、別表のとおりとする。 なお、法第19条第1項第2号の「不正の手段により」とは、登録申請書及びその添付書類に虚偽の 記載を行った場合、登録審査に関連する照会等に対して虚偽の回答を行った場合、暴行、脅迫その他の 不正な行為により登録を行う総合振興局長又は振興局長の判断を誤らせる場合等をいうものとする。 第5 行政指導 違法行為が別表中行政指導を経ることとされている処分事由に該当する場合には、速やかに改善のた めの措置を講ずるよう指導するものとし、行政指導によっても迅速な改善のための措置がなされない場 合には、業務改善命令又は別表に規定する期間の業務停止命令を行うものとする。ただし、次のいずれ かに該当する場合は、行政指導を経ることなく直ちに業務改善命令又は業務停止命令を行うことができ る。 (1)指導による改善が期待できないことが明白である場合 (2)法益保護の観点から、改善が特に急がれる場合 (3)過去に処分を受けたことのある者が、最後に受けた処分の執行を終わった日から1年を経過して いない日に当該違法行為をした場合 なお、(3)の場合で、当該違法行為が、既に処分を受けた直近の違法行為と別表中同一の処分事由 に該当する場合は、直ちに別表の規定により業務改善命令又は業務停止命令を行うものとする。 第6 違法行為の併合 処分を受けていない2以上の違法行為について処分する場合は、その処分事由のうち最も重い処分内 容によるものし、その重さの序列は、重い順から登録取消し、業務停止命令、業務改善命令とする。 なお、最も重い処分が業務停止命令である場合は、6か月を上限として、その処分事由に該当する業 務停止命令期間の1.5倍の期間を業務停止命令期間とする。 第7 再度の違法行為に対する処分内容の加重 過去に業務停止命令を受けたことのある者が、最後に受けた業務停止命令期間の満了日から5年を経 過していない日に業務停止命令の処分事由となる違法行為をした場合は、処分内容にある業務停止命令 期間の2倍の期間の業務停止命令を行うものとする。ただし、加重した後の業務停止命令期間が6か月 を超えることとなる場合は、登録取消しとする。 なお、過去に2回の業務停止命令を受けたことのある者が、1回目の業務停止命令期間の満了日から 5年を経過していない日に違法行為をした場合で、行おうとする業務停止命令期間と上記2回の業務停 止命令期間の合計が6か月を超えることとなった場合、又は過去に3回の業務停止命令を受けたことの ある者が、1回目の業務停止命令期間の満了日から5年を経過していない日に違法行為を行った場合は、 登録取消しとする。 -1- 第8 結果的加重 違法行為が海難事故等重大な結果をもたらし、又は被害を拡大させた場合で、違法行為との間に相当 の因果関係が認められる場合は、別表の規定にかかわらず登録取消しを行うことができる。 第9 処分内容の減軽 被処分者に対する聴聞の結果等により酌量すべき事情があると認める場合は、第4から第8までの規 定による処分内容の別により、次のとおり減軽した処分内容とすることができる。 (1)処分内容が登録取消しの場合 6か月の業務停止命令 (2)処分内容が業務停止命令の場合 算出された期間の2分の1の期間の業務停止命令 第10 処分の保留 司法上の捜査が行われ、又は書類送検、起訴等がなされたときは、必要と認められるまでの期間、処 分を保留することができる。 第11 適用除外 第4から第9までの規定を適用することにより著しく不適当な結果になると認められるときは、これ らの規定を適用せず、別に処理することができる。 ただし、この場合、その理由を明確にしなければならない。 第12 水産林務部長との協議 総合振興局長又は振興局長は、この要領に基づく処分を行う場合及び第11の規定に基づき処理する 場合は、事前に水産林務部長と協議するものとする。 第13 処分の報告 総合振興局長又は振興局長は、この要領に基づく処分を行った場合には、別記第1号様式の遊漁船業 法違反に関する行政処分報告書により、水産林務部長にその内容を報告するものとする。 第14 被処分者の記録 水産林務部長は、第13に規定する報告を受けたときは、被処分者が漁場としている海域を管轄する 第13の報告を行った総合振興局長又は振興局長以外の関係する総合振興局長又は振興局長にその内容 等について通知するものとし、関係する総合振興局長又は振興局長は、別記第2号様式の被処分遊漁船 業者一覧をその都度整理するものとする。 第15 業務改善命令の手続 総合振興局長又は振興局長は、業務改善命令を行うに当たっては、行政手続法(平成5年法律第88 号)第3章第3節に規定する弁明の機会の付与の手続を、次により実施するものとする。 (1)弁明の機会の付与の通知 別記第3号様式の弁明の機会の付与通知書により、業務改善命令の名あて人となるべき者に対し速 やかに通知する。 なお、当該名あて人となるべき者の所在が判明しない場合においては、別記第4号様式の公示送達 書を掲示し、掲示を始めた日から2週間を経過したときに、この通知がその者に到達したものとみな すものとする。 (2)命令書の送達 総合振興局長又は振興局長は、弁明書を受け取った日からおおむね2週間程度で処分を行うかどう かを決定し、行うこととした場合は、別記第5号様式の業務改善命令書を作成し、次により相手方に 送達する。 ア 命令書は原則として被処分者に直接交付する。 イ 交付した場合は必ず受領書を徴する。 ウ 直接交付が困難な場合は配達証明郵便で送付する。 (3)改善状況の確認 総合振興局長又は振興局長は、処分の名あて人に業務改善命令書が到達した日からおおむね1週間 後に被処分者の営業 所等に職員を派遣して、業務の改善状況を確認する。 -2- 第16 業務停止命令の手続 総合振興局長又は振興局長は、業務停止命令を行うに当たっては、行政手続法第3章第2節に規定す る聴聞の手続を、北海道聴聞規則(平成6年規則第101号。以下「聴聞規則」という。)によるほか、 次により実施するものとする。 (1)主宰者の指名 聴聞規則第6条第1項に規定する主宰者は、原則として水産(林務)課(室)長とする。 ただし、やむを得ない場合には、他の職員を指名することができる。 (2)聴聞の通知 次の点に留意の上、別記第6号様式の聴聞実施通知書により聴聞を実施する旨を業務停止命令の名 あて人となるべき者に対し速やかに通知する。 なお、当該名あて人となるべき者の所在が判明しない場合においては、別記第4号様式の公示送達 書を掲示し、掲示を始めた日から2週間を経過したときに、この通知がその者に到達したものとみな すものとする。 ① 聴聞の期日 原則として、通知を発した日からおおむね2週間後に開催する。 ② 聴聞の場所 原則として、総合振興局又は振興局所在地とする。 (3)文書等の閲覧 聴聞規則第5条第1項及び第12条第1項に規定する書面は、別記第7号様式の文書等閲覧請求書 とする。 なお、「閲覧しようとする資料等の標目」については、聴聞調書又は報告書の閲覧の場合には当該 調書又は報告書の件名を記載し、その他の資料の閲覧の場合には資料の名称を記載することが望まし いが、名称が特定できない場合であっても、閲覧の対象となる資料を特定し検索することができる程 度に具体的に記入することとする。 (4)審理における留意事項 聴聞の期日における審理は、行政手続法第20条各項及び聴聞規則第8条によるほか、以下の事項 に留意のうえ行うものとする。 ① 主宰者は、穏やかな態度で質問等を行い、威圧的な態度にならないよう心がけること。 ② 当事者又は参加人の意見陳述及び提出証拠書類等の内容が、水産(林務)課担当職員の説明と 異なるときは、質問をし、究明すること。 ③ 当事者又は参加人が意見を十分に述べることができないと判断される場合には、すみやかに期 限を定めて陳述書及び証拠書類等の提出を促すこと。 (5)聴聞の終結 聴聞の終結又は続行期日の指定については、行政手続法第22条及び第23条により行うこととす るが、主宰者は原則として最初の聴聞の期日において、当事者又は参加人の意見陳述等に理由がある か否かの判断を行うよう心掛けることとし、当事者又は参加人の対応等により上記判断を適切に行う ことができない等やむを得ない場合には、さらに新たな期日を指定するものとする。 (6)聴聞調書及び報告書の提出 主宰者は、行政手続法第24条の規定により、聴聞の終結後おおむね5日後までに聴聞調書及び報 告書を作成し、総合振興局長又は振興局長に提出するものとする。 なお、聴聞規則第11条第1項に規定する聴聞調書は別記第8号様式とし、報告書の様式は任意と するが、同条第3項に掲げる事項を記載し、主宰者が記名押印するものとする。 (7)命令書の送達 総合振興局長又は振興局長は、聴聞調書及び報告書の提出があってからおおむね5日程度で処分を 行うかどうかを決定し、行うこととした場合は、別記第9号様式の業務停止命令書を作成し、第15 (2)の例により、処分の相手方に送達する。 なお、業務停止命令期間の始期は、命令書送達からおおむね1週間以内の日に設定するものとする。 (8)履行状況の確認 業務停止命令の履行状況の確認は次により行うものとする。 ア 確認の時期 ・処分開始日 ・処分期間中任意の日 ・処分終了日 -3- イ 確認の方法 ・被処分者の営業所等に職員を派遣し、確認する。 ・確認時の状況を、別記第10号様式の業務停止命令履行確認票に記載する。 ・確認票は2部作成し、そのうち1部は被処分者の営業所内に備え付ける。 第17 登録取消しの手続き 総合振興局長又は振興局長は、登録取消しに当たっては、行政手続法第3章第2節に規定する聴聞を、 第16(1)から(7)までの規定を準用して実施するものとする。 この場合において、「別記第9号様式の業務停止命令書」とあるのは「別記第11号様式の登録取消 命令書」と読み替えるものとする。 第18 指定遊漁船業団体に対する改善命令 水産林務部長が、法第22条の規定により指定遊漁船業団体に対して改善命令を行う場合は、まず、 改善のための指示等の行政指導を行うものとし、また、改善命令の内容は、法第22条の規定により許 容される範囲において必要最小限のものとし、かつ具体的なものでなければならない。 なお、改善命令の実施は、第15(1)から(3)の規定を準用して行うものとし、その場合は以下 のとおり読み替えるものとする。 業務改善命令 → 指定遊漁船業団体に対する改善命令 別記第3号様式の弁明の機会の付与通知書 → 別記第12号様式の弁明の機会の付与通知書 別記第5号様式の業務改善命令書 → 別記第13号様式の指定遊漁船業団体改善命令書 被処分者 → 被処分団体関係者(第15(2)アを準用の場合) 被処分団体(第15(3)を準用の場合) 総合振興局長又は振興局長 → 水産林務部長 第19 指定遊漁船業団体の指定の取消し 水産林務部長が、法第23条の規定により指定遊漁船業団体の指定を取り消す場合には、行政手続法 第3章第2節に規定する聴聞を、第16(1)から(7)の規定を準用して実施するものとする。 なおその際は、以下のとおり読み替えるものとする。 水産(林務)課(室)長 → 漁業管理課指導取締・内水面担当課長 別記第6号様式の聴聞実施通知書 → 別記第14号様式の聴聞実施通知書 業務停止命令 → 指定遊漁船業団体の指定の取消し 総合振興局又は振興局所在地 → 札幌市 水産(林務)課担当職員 → 漁業管理課担当職員 総合振興局長又は振興局長 → 水産林務部長 別記第9号様式の業務停止命令書 → 別記第15号様式の 指定遊漁船業団体の指定取消通知書 附 則 この要領は、平成16年 2月17日から施行する。 附 則 この要領は、平成22年 4月 1日から施行する。 -4-