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HSBCホールディングスplc 2014年度年次決算メディア

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HSBCホールディングスplc 2014年度年次決算メディア
Photography: Matthew Mawson
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HSBCホールディングスplc
HSBC
HSBC Holdings
Holdings plc
plc Annual
Annual Results
Results 2014
2014
2012年度年次決算
Media
Media Release
Release
2014
メディアリリース
2015 年 2 月 23 日
HSBC ホールディングス plc
2014 年最終決算-ハイライト
• 報告ベースの税引前当期純利益は前年比 17%減の 186 億 8,000 万米ドル。前年の 2013 年は 225 億 6,500 万米ドル。
主に、事業売却や事業再編から生じる利益の減少および制裁金、和解金、英国顧客補償プログラムとその関連引
当金などの主要項目から振り替えられた利益と損失が、収益とコストの両面に反映。
• 為替レートと主要項目の前年比変動を織り込んだ調整後ベースの税引前当期純利益は前年比横ばいの 228 億 2,900
万米ドル。2013 年は 229 億 8,100 万米ドル。
• 通期の 1 株当たり利益及び 1 株配当はそれぞれ 0.69 米ドル、0.50 米ドル。2013 年はそれぞれ 0.84 米ドル、0.49 米
ドル。
• 平均普通株主資本利益率は 2013 年の 9.2%から 7.3%に低下。
• 安定的収益-調整後の収益は 620 億 200 万米ドル、2013 年は 618 億 5,400 万米ドル。特に本拠地の香港と英国で商
業銀行事業が成長したことによるもの。
• 貸倒引当金は、現在の経済情勢や 2011 年から進めてきたポートフォリオの見直しを反映して減少。
• 2014 年の営業ベースの費用は増加-2014 年の調整後の営業費用は 378 億 5,400 万米ドルと、2013 年の 356 億 8,200
万米ドルから 6.1%増加。規制対応とコンプライアンスに要する費用の増加やインフレ圧力、成長を支えるための
戦略的投資が理由。
• 自己資本-欧州連合(EU)の資本要求指令( CRD) IV の定める移行ベースの普通株式等 Tier1 資本比率は 2014 年
12 月 31 日時点で 10.9%と、2013 年 12 月 31 日時点の 10.8%から上昇。
グループ・チーフ・エグゼクティブのスチュアート・ガリバーのコメント:「2014 年に HSBC は営業費用ベースの
上昇を管理しつつ業績向上にしっかりと取り組み続けた、困難ながらやりがいのある 1 年間でした。利益は期待に
届きませんでしたが、第 4 四半期が厳しかったことで、第 3 四半期までの 3 四半期に成し遂げた進歩がいくらか影
の薄いものとなってしまった面もあります。第 4 四半期の業績に表れた課題の多くは業界全体に共通のものです。
しかしながら、心強い兆候がいくつかあり、それは特に商業銀行事業、ペイメンツ&キャッシュマネジメント
(PCM)、そして中国人民元建ての商品やサービスにおいて顕著です。そして増配を続けることもできました」
12 月 31 日までの 12 ヶ月間
2014
2013
百万米ドル
百万米ドル
損益計算書と成果測定 1
報告ベースの税引前当期純利益
調整後ベースの税引前当期純利益
親会社株主帰属利益
コスト効率比率
税引前平均リスク加重資産利益率
自己資本およびバランスシート 3
CRD(EU の資本要求指令)Ⅳ移行ベース
普通株式等 Tier1 資本比率
Tier1 資本比率
総自己資本比率
CRD(EU の資本要求指令)Ⅳ最終目標基準
普通株式等 Tier1 資本比率
バーゼル 2.5
コア Tier1 資本比率
Tier1 資本比率
総自己資本比率
顧客貸付金 2
顧客勘定 2
リスク加重資産 3
脚注は 2 ページ
HSBC ホールディングス plc 1 18,680
22,829
13,115
67.3%
1.5%
22,565
22,981
15,631
59.6%
2.0%
2014
%
12 月 31 日現在
2013
%
10.9
12.5
15.6
10.8
12.0
14.9
11.1
10.9
n/a
n/a
n/a
13.6
14.5
17.8
百万米ドル
百万米ドル
974,660
1,350,642
1,219,765
992,089
1,361,297
1,092,653
増減
%
(17)
(1)
(16)
増減
百万米ドル
(17,429)
(10,655)
12 月 31 日までの 12 ヶ月間
2013
2014
百万米ドル
百万米ドル
報告ベース
収益 4
貸倒引当金およびその他の信用リスク引当金
営業費用
税引前当期純利益
61,248
(3,851)
(41,249)
18,680
64,645
(5,849)
(38,556)
22,565
調整後ベース
収益 4
貸倒引当金およびその他の信用リスク引当金
営業費用
税引前当期純利益
62,002
(3,851)
(37,854)
22,829
61,854
(5,614)
(35,682)
22,981
調整後の業績に影響を与えるその他の主要項目-損失/(利益)
収益
デリバティブ契約の債務評価調整
ヘッジ会計対象外ヘッジ資産の公正価値変動
米国での不動産担保証券売却による(利益)/損失
上海銀行の保有株式売却利益
興業銀行への投資減損失
英国消費者信用法に係るコンプライアンス調査から生じた引当金
中国平安保険(集団)の売却完了による純利益 5
HSBC ホールディングス plc の英ポンド建て発行債券における為替差益
モナコのグローバル・プライベート・バンキング(GPB)事業に係る営業権償却
売却済米国事業の不動産以外での損失
売却済米国事業でのキャッシュフロー・ヘッジの期限前解約に伴う損失
英国 HFC 銀行の担保融資債権売却損
332
541
(106)
(511)
(168)
(428)
271
632
−
−
−
−
−
−
123
−
−
−
(553)
(442)
279
271
199
146
営業費用
米連邦住宅金融庁(FHFA)との和解金
外為事業への調査に係る和解金および引当金
組織再編その他に関するコスト
GPB 事業における規制対応引当金
英国顧客補償プログラム
マドフ事件関連訴訟費用
CRS 活動に係る米顧客補償引当金
英国健康障害給付金の支給ベース変更に伴う会計利益
550
1,187
278
65
1,275
−
−
−
−
−
483
352
1,235
298
100
(430)
1 調整後ベースの業績は、報告ベースの業績から年間の外貨換算変動と主要項目による年間比較のずれを調整した上で算出。
2 2014 年1月1日以降、非トレーディング目的のリバースレポ取引とレポ取引は貸借対照表の別行に記載。従来は、非売買のリバースレ
ポ取引が「銀行貸付金」および「顧客貸付金」の中に含まれ、非売買のレポ取引は「銀行預り金」および「顧客勘定」に含まれていた。
比較データ表示にも変更を加えた。非トレーディング目的のリバースレポ取引とレポ取引は貸借対照表の別行に記載することで市場慣
行を開示し、貸付金に関するより有用な情報を提示。顧客ならびに銀行との間のリバースレポ取引とレポ取引の範囲については 2014 年
年次報告書の 17 章に開示。
3 2014 年1月1日付けの CRD(EU の資本要求指令) IV の発効に伴い、2014 年 12 月 31 日時点の資本およびリスク加重資産は当該指令に
基づいて算出。2013 年についてはバーゼル 2.5 に基づいて算出。
4 貸倒引当金およびその他信用リスク引当金を控除する前の純営業収益は収益とする。
5 5 億 5,300 万米ドルの一時利益は、中国平安保険の売買目的投資資産の売却収入から株式譲渡時点での有価証券先渡契約の公正価値の減
少分を控除して算出。
HSBC ホールディングス plc 2 グループ会長のご報告
グループ会長
ダクラス・フリントのステートメント
2014 年の業績は、引き続き組織強化の1年として、年初時点からおおむね予想されていなかった地政学的問題や経
済に対する懸念に対処するためのグループの再構築と強化に取り組んだことを反映するものです。
世界の大部分での経済活動は、消費者信頼感を再建し新たな投資支出を促進するために必要な水準に届かず、その
影響を最も大きく受けた各政府当局は景気刺激策を拡大し、主要中央銀行は政策金利を過去に例を見ない低水準に
据え置いています。デフレーションの傾向への警戒感は特にユーロ圏で強まっています。中国の経済成長は他の主
要国を優に上回るものでしたが、その成長が今後減速するとの見方が市場心理の重石となり、コモディティ価格の
下落や世界的な投資支出の縮減につながりました。
こうした経済環境であっただけに、融資や資本調達が拡大しているアジアに収益拡大の最大の機会があったことは
意外ではないと思います。世界的にコストが増加し続けている大きな理由は、金融システムにおける基準や行動規
範に関わるものを中心に、規制変更への対応やリスクコントロールの向上に取り組んでいることにあります。こう
したコスト膨張のうち業務効率化で補えるのは一部にとどまります。顧客補償費用やかつての過誤について規制当
局から科せられた罰金は、将来の再発抑制に必要であればいかなる追加的投資や統制も優先的に進めねばならない
という取締役会の責任を一段と明確にするものでした。
金融業界に対する社会的要請や、規制当局や政策当局からの要求が長期的コスト構造を変容させていることは今や
疑いがありません。ビッグデータをはじめとするデータ分析の技術進歩によって、金融システムを悪意あるものか
ら防御する当グループの能力を高める手段もいっそう拡充されています。また、インターネットやモバイル端末を
使った取り引きを選好する顧客がますます増えている中で、サイバースペースにある脅威から当グループ自身と顧
客を守るために必要な投資を実行しています。十分な分析能力を構築するためには、システム投資と顧客データを
正確かつ最新の状態に保つための投資を大規模に進めねばなりません。顧客データと取引データをデジタル仕様に
再構成する作業は、過去データの基準が世界中で様々に異なるため、極めて膨大なものです。しかしそれによって、
金融システム内での当グループの本質的かつ核心的な役割でもある顧客適正評価能力や、システム安全性の向上と
いった成果が得られ、システム内の主要ゲートキーパーという役割を積極的に果たすことが可能になります。
金融業界が公共政策や規制当局からの指示に沿って再構築されていく中で、当グループの規模と多様性が有する社
会的価値を明確なビジネスモデルをもって示すことが現在求められています。決して忘れてはならないのは、投資
家は投資先を選ぶことができ、個人は働く場所を選ぶことができるということです。つまり、すべての人に認めら
れる円滑な事業環境が経済的成長と繁栄には欠くことができず、またその環境を向上させるためには当グループが
社会に積極的に貢献できることを示していく必要があります。
150 年間にわたり、HSBC は顧客の要望を金融面から満たしていくために貿易と投資の流れを見守り続けてきました。
世界は相互連絡型から相互依存型へ変化し、当グループのビジネスモデルもあらゆる規模の企業と個人に一段と適
したものとなっています。またそれら企業や個人の金融資産の将来は多くの国の経済活動に結びついています。
これは商業銀行事業において最も顕著で、サプライチェーン管理ソリューションの拡大やクロスボーダーの決済の
増加を受けて同事業の業績は過去最高となりました。世界中の支払い全体の 85%が発生する国々を網羅する当グル
ープのネットワークは、ビジネスモデルの中核を牽引しています。投資の面では、企業投資の流れが経済成長率の
比較的高い新興市場に引き続き向かっていることを、このネットワークを通じて観察しています。同時に中国本土
から国外への投資の成長は加速しており、中国の主要企業が事業を分散化させつつ、技術基盤や国外市場への接近
を図っていることを反映しています。こうした潮流が浮き彫りにする主要金融センターでの HSBC の規模と存在感
によって、借入資本や株式資本の調達での顧客支援が可能になり、その中で顧客に適した流動性提供やトランザク
ション・バンキングなどのサービスを提供し、金利や外為レートの変動への対処を中心とするリスク管理ソリュー
ションを提示しています。金融業界で表彰される機会が多くなっていることは、こうした取り組みが成功している
証左です。最も重要なものについてはグループ・チーフ・エグゼクティブのビジネス・レビューで報告されていま
す。そして最後に、リテール・バンキング&ウェルス・マネジメント事業は引き続き持続可能な顧客本位のビジネ
スモデルの構築を続け、商品販売と販売担当社員の業績給を連動させる旧来型の体系を改め、デジタル機器やモバ
イル機器を通じた提案を拡充していることを報告します。
2014 年の業績について
税引前当期純利益は報告ベースで 187 億米ドルとなり、2013 年実績から 39 億米ドルの減少、率にして 17%減でし
た。これは主に、事業売却の減少および制裁金、和解金、英国顧客補償プログラムとその関連引当金などの主要項
目から振り替えられた利益と損失が、収益とコストの両面に反映された結果です。2014 年の事業運営と業績を測る
主要指標の一つである調整後ベースの税引前当期純利益は 228 億米ドルと、2013 年の同ベースの業績とおおむね一
致するものでした。
1株当たり利益は 0.69 米ドル、2013 年は 0.84 米ドルでした。グループ自己資本は健全に保たれ、移行ベースの普通
株式等 Tier1 資本比率は 2014 年末時点で 10.9%、12 ヶ月前は 10.8%でした。また最終目標基準の同資本比率は 1 年
間に 10.9%から 11.1%まで上昇しました。資本比率向上とグループの資本創出能力に基づき、取締役会は 4 回目の中
間配当を 1 株当たり 0.20 米ドルにすることを承認し、2014 年中の配当合計額は 1 株当たり 0.50 米ドルとしました
(配当総額は 96 億米ドル、2013 年比 4 億米ドル増)。
HSBC ホールディングス plc 3 グループ会長のご報告(続き)
こうした財務実績と、規制変更やグローバル・スタンダード導入に向けてグループを再構築する取り組みが進んだ
ことを考慮して、取締役会は経営陣が 2014 年中に HSBC の長期的競争力の強化につながる大きな進歩を遂げたと評
価しています。
グループ・チーフ・エグゼクティブがビジネス・レビューで 2014 年業績の重要なベンチマークとハイライトについ
て詳細に分析しています。
規制環境の見通しは一段と明瞭になっているが克服すべき課題は依然多い
2014 年には、HSBC のような世界金融システムの一端を担う金融機関が、完全に導入し事業基準とするべき枠組み
の完成に向けて大きな進展を果たすことができました。この明確な枠組みは、許容リスクの範囲内で当グループに
投資する投資家からの利益期待に応えるべくグローバル事業の位置付ける上で不可欠なものです。
特に「大きすぎて潰せない」(too big to fail)という言葉で表現される課題への対応を大きく向上させました。それ
は主に、元本削減や株式転換が可能な「ベイルイン可能債権」を活用した損失処理機能の強化への最終提案や、解
決枠組みの実践に関するより広範な定義付けを通じて可能になったものです。いずれのケースにも、クロスボーダ
ー案件への対処や本拠を置く国と各営業国の規制要件への対応という重要な問題が含まれていました。
それでもなお多くの課題が残っています。2015 年の規制改革の予定表には、まだ定まらない公共政策や規制審議会、
そして金融業界に広範に及ぶ影響に関しての調査研究などが並んでおり、具体的には以下のようなものがあります。
欧州の金融機関を構造別に分離する議論の結論、金融システムに重要なノンバンク機構の特定を含めたシャドーバ
ンキング問題への取り組み、中央清算機関に向けた清算の枠組み設定、負債比率算出方法の最終決定、利用可能な
損失処理能力の定量的把握とグローバル金融機関内部への配備などです。
さらに規制準拠面での信用低下の克服を念頭に、資本算定の内部モデルに標準化したリスク加重計算を活用する一
段の取り組みが進められます。これを資本面から裏付けるためのトレーディングブックの抜本的見直しが規制担当
者の間で進められています。これらの対策は、一体として金融業界の構造的安定性を高めるためのものです。実施
されるまでにはさらに 5 年近くの年月が必要とみられることが、構造的変化の大きさを物語っています。
2014 年に英国政府は 2010 年に導入した銀行税を恒久化する方針を固めました。銀行税は世界金融危機の際に毀損し
た銀行資本を納税者負担で補ったことへの対応の一環でした。2014 年、HSBC の銀行税負担は 2013 年より 2 億米ド
ル増加して 11 億米ドルになりました。そのうちの 58%は英国での銀行事業と関連のないものです。
信頼性の再構築
金融業界への信頼性を回復させていくことは、新たな不正事案が発覚していることもあり、まったく容易ではあり
ませんが、必ず克服しなければならない課題です。これは社会的責任であるだけでなく、当グループで自らのキャ
リアを築こうとしている従業員が誇りを持って働くためにも欠かせないものです。管理不行届きや個人的不正行為
を、コメンテーターが企業カルチャーの問題と推定すれば、それによって当該企業の根幹が大きな打撃を受けます。
スイス・プライベート・バンク
先に当グループのスイスのプライベート・バンクに関して明らかになった過去の行為は、受け入れがたいものであ
り、なお取り組むべき課題の多さや銀行の責任についての社会の要請の変化の大きさを思い起こさせるものです。
また、経営管理の効率性と強固かつ倫理的なコンプライアンスの具備とを、不断に監視していくことの必要性を改
めて痛感させられるものでもあります。
当グループの方針だけでなく、社会の期待にも背くコンプライアンス違反と慣行が明らかになったことについて深
謝いたします。
8 年あまり前に発生したデータ盗難事案をきっかけに進められている税務調査を受け、プライベート・バンキング
事業の抜本的な見直しを当局の税務調査と平行させて実行し、顧客基盤全体を一段のデューデリジェンスと納税義
務に関する透明性調査にかけています。当グループのスイス・プライベート・バンクの顧客数とその業務を行って
いる国はいずれも 2007 年当時の 3 分の 1 まで縮小しました。さらに透明性の向上を念頭に、OECD の銀行口座情報
交換の国際基準である共通報告基準(Common Reporting Standard)とその他の対策への準拠を進めているところで
す。過去を変えることはできません。しかし、将来に向けて経営管理を強化し、その有効性を証明していく必要が
あり、それは成し得ることであると考えています。これは当グループが約束するグローバル・スタンダードの一環
であり、脱税や金融システムを悪用する金融犯罪を企図する相手とは、決してそれを知りながら取引することはな
いことを確認するものです。
銀行規制
金融業界全般に関しては、英国の銀行規制議員内委員会の 2013 年の報告を経て、同委員会勧告が一段と実効性を有
するものになりました。2013 年銀行改革法によって、経営陣と取締役会の経営責任と説明責任がより明確に規定さ
れています。銀行規制監督委員会の会長にデイム・コレット・ボウ氏が就任したことを歓迎し、全面的に協力する
ことを約束します。イングランド銀行や大蔵省、金融行為監督機構による公正かつ有効な市場調査(FEMR)は極
めて時宜を得たものであり、金融市場を規範あるものに再構築していく上で重要な取り組みです。
当グループも、事業慣行の問題に集中的に取り組む企業行動及び価値委員会を 2014 年初めに取締役会に設け、この
重要課題への取締役会の対応を集中的に支援する体制を整えました。
HSBC ホールディングス plc 4 グループ会長のご報告(続き)
取締役の異動
2014 年中間決算の報告後、取締役会の判断力と知見を高め、主要な職責を引き継いでいくための一段の取り組みを
進めました。
フィリップ・アミーンが 2015 年 1 月 1 日付けで、取締役会と監査委員会に独立・社外取締役として加わりました。
フィルはゼネラル・エレクトリック社で副社長、会計監査役、主席会計責任者を務めた経験があります。会計基準
の設定に関する長年の経験に裏打ちされた深い会計知識と、世界を代表する企業で得た財務会計についての広範な
経験が取締役会に備わることになります。また HSBC の米国事業の取締役として、当グループ取締役会の議論によ
り詳細な見識を提供し、グループと系列会社の取締役会相互の繋がりを一段と強めてくれるものと考えています。
サイモン・ロバートソン卿はかねてより次の年次総会で取締役を退任するとの意向を示していましたが、喜ばしい
ことに少なくともあと 1 年間、取締役会の副会長を続けることに合意してくれました。サイモン卿は社外取締役の
リーダーであるだけでなく、私とグループ・チーフ・エグゼクティブのスチュアート・ガリバーにとっての大きな
支えでもあります。引き続きその知見と経験から力を借りることができるのは取締役会全員の喜びでもあります。
150 周年
かつて貿易と投資に注力する小規模な地域銀行として香港と上海に設立された当グループは、この 2015 年に創業
150 周年を迎えます。密接に関連し合う世界で金融のニーズに応える最も重要な金融機関の一つとして HSBC を導
き、育て上げてきた先達に、HSBC で働く私たちすべてが大きな感謝と敬意を抱いています。
将来への展望
2015 年以降も、対応すべき課題と不確実性が極めて多岐にわたっていることに議論の余地はなく、経済回復が一様
でなく政策余地も限られる中、その大半は当グループが統制できる範囲を超えるものです。現下の地政学的緊張が
生み出す予測不可能な状況やユーロの加盟国維持が不確実になっている問題、政治的変化、為替レートとコモディ
ティ価格の再調整、金利変動、各国中銀による非伝統的金融政策など、ほんの数例を挙げただけでも、そのすべて
が経済情勢、景況感、そして投資と消費に関する決断に大きく影響を与えるものです。英国に本拠地を置く大手金
融機関としての当グループが直面する経済的不確実性の一つに、英国が欧州連合(EU)にとどまるかどうかが不透
明であるという問題があります。現時点で当グループは、すでに発表した調査レポートの中で、英国貿易に占める
EU 市場の重要性を勘案すれば、英国市場を単独市場とするよりも統一市場である EU 市場の競争力強化を目指す方
がはるかに安全であるとの結論を導き出しています。
これからの 1 年間の構想を練る上で肯定的な動きも多く見られます。中国から国外への投資の流れは当グループと
して歓迎すべき動きであり、中国人民元の自由化と国際化を促し、中国経済を輸出依存型から国内消費主導型へと
転換させる可能性を秘めるものです。欧州の資本市場同盟や、成長・雇用に関する委員会の注力分野から生じるビ
ジネス機会についても強気にみています。米国経済が好調であることと原油価格が下落したことは経済成長への追
い風になると考えられます。環大西洋貿易投資協定(TTIP)と環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の各国交渉が成
功裏に進展すれば大きな収穫となるでしょう。またインフラ投資の資金調達に世界的な関心が集まっていることは
極めて大きな可能性です。
最後に取締役会を代表し、世界各国で勤務している当グループの 26 万 6,000 人の従業員のみなさんが 2014 年も最善
を尽くされたこと、そして HSBC をさらに次の 150 年に前進させてくれたことに、ここで改めて感謝の意を表しま
す。
HSBC ホールディングス plc 5 グループ・チーフ・エグゼクティブのビジネス・レビュー グループ・チーフ・エグゼクティブ
スチュアート・ガリバーによるレビュー
2014 年は営業費用が増加する環境下で業績向上に引き続き真剣に取り組んだ 1 年間でした。
利益は期待に届きませんでしたが、第 4 四半期が厳しかったことで、第 3 四半期までの 3 四半期に成し遂げた進歩
がいくらか影の薄いものになった面があります。また、第 4 四半期の業績に表れた課題の多くは業界全体に共通の
ものです。しかし心強い兆候もいくつかあり、それは特に商業銀行事業、ペイメンツ&キャッシュマネジメント
(PCM)、そして中国人民元建ての商品やサービスにおいて顕著です。そして増配を続けることもできました。
2014 年の報告ベースの税引前当期純利益は 187 億米ドルで、前年からは 39 億米ドル減少しました。これは主に、事
業売却や事業再編から生じる利益の減少や、制裁金、和解金、英国顧客補償プログラムとその関連引当金などその
他の主要項目による減益が合計 37 億米ドルだったことが反映された結果です。
為替レートと主要項目の年間変動の影響を除いた調整後の税引前当期純利益は 228 億米ドルと、2013 年実績とほぼ
変わりませんでした。
アジア事業がグループ全体の利益に引き続き大きく貢献し、中東・北アフリカ事業の 2014 年の税引前当期利益は過
去最高となりました。アジアと中東・北アフリカの事業によって、グループ全体の調整後税引前当期純利益の 70%
以上が生み出されています。
商業銀行事業の利益も過去最高となり、当グループの戦略が成功したことを裏打ちしています。同事業の営業収益
は増加を続け、それは特に本拠地の香港と英国において顕著です。
グローバル・バンキング&マーケッツ事業は年初からの 3 四半期は比較的良好な業績を残しましたが、業界全体の
例に漏れず、第 4 四半期の業績は不振でした。2014 年は営業収益、特にマーケッツ事業の営業収益が減少しました
が、それ以外の対顧客事業のすべてにおいて営業収益は前年から増加しました。
リテール・バンキング&ウェルス・マネジメント事業の営業収益も減少しましたが、その主な理由は事業の再編を
継続していることにあります。しかしながら、グローバル・アセット・マネジメント事業では世界各地の事業を連
携させる戦略を続け、新たに 290 億米ドルの運用資産を獲得しました。
グローバル・プライベート・バンキング事業は、2011 年に本格化させた包括的な事業見直しを続けています。その
一環として、金融犯罪防止や規制順守、税の透明性確保のための厳しい対策を導入しているところです。所期のビ
ジネスモデルの達成を念頭に、6 段階のフィルターを通した調査結果に従って日本、パナマそしてルクセンブルグ
の資産など、いくつかの事業と運用顧客資産の売却を進めてきました。当グループのスイスのプライベート・バン
クの顧客口座数はピーク時から約 70%減少しています。2014 年中もプライベート・バンク事業の再編を続け、その
中でスイスにおける顧客資産を LGT リヒテンシュタイン銀行に売却しました。営業収益の減少はこうした事業再編
を進めた結果でもあります。同時に当グループの新しいビジネスモデルに合致する事業を成長させ、グローバル・
バンキング&マーケッツ事業と商業銀行事業の顧客からの資産流入を中心として新規資産は 140 億米ドルの純増と
なりました。
貸倒引当金は減少し、現在の経済情勢と 2011 年以降のローン・ポートフォリオの変更が反映されています。
営業費用が増加した理由として、規制対応や法令順守のためのコストの拡大やインフレ圧力、アジアと欧州におけ
る商業銀行事業をはじめとする成長部門への戦略的投資が挙げられます。事業再編コストを含む主要項目の費用も
前年から増加しました。
2014 年に外国為替市場で発生した事案への調査に関して、英国の金融行為監督機構(FCA)ならびに米国商品先物
取引委員会(CFTC)と和解しました。当グループに求められる価値と規範を大多数の従業員が堅持しているにもか
かわらず、ごく一部の行為によって HSBC の威信は傷つきました。現在、当該事案は英国の重大不正監視局によっ
て適正に捜査されているところです。
当グループのバランスシートは健全に保たれ、顧客資産に対する顧客貸付金の割合は 72%です。為替変動の影響を
除いた 2014 年中の顧客貸付金の増加額は 280 億米ドルでした。
2014 年 12 月 31 日時点における普通株式等 Tier1 資本比率は、移行ベースで 10.9%、CRD(EU の資本要求指令)IV
の最終目標基準で 11.1%です。
顧客に好機を提供する
2015 年は HSBC にとって創業 150 年目にあたります。1865 年に香港の地で、域内交易と国際貿易への金融支援を開
始して以来、急速に成長しながらアジアや欧州、北米の間の商取引が拡大する流れを捉えてきました。世界中の顧
客を結びつける能力は現在もなお戦略の中核であり、国際的連携を基盤とする商品の開発と拡充に引き続き取り組
んでいます。
当グループが提供するグローバル・トレード&レシーバブル・ファイナンスは堅調に市場をリードし続け、グロー
バル・トレード・レビュー(Global Trade Review)の「貿易リーダー(Leaders In Trade)」賞の投票では、グローバ
ル・トレード・ファイナンスと中東・北アフリカ(MENA)のトレード・ファイナンスにおいて世界最高の銀行で
あるとの評価を受けました。
ペイメンツ&キャッシュマネジメント(PCM)では顧客からのマンデート数と顧客数が増加し、2014年ユーロマネ
ー・キャッシュマネジメント・サーベイにおいて、3年連続でベスト・グローバル・キャッシュマネジメント・バン
クに選出されました。
資本調達市場のシェアは改善を続け、本拠地である英国と香港の債券市場でのシェアは第 1 位です。またディーロ
ジックは香港の株式資本市場でも HSBC のシェアが第 1 位であると評価しました。さらに 2014 年、インターナショ
HSBC ホールディングス plc 6 グループ・チーフ・エグゼクティブのビジネス・レビュー(続き)
ナル・ファイナンシング・レビュー(IFR)で、「グローバル・ボンド・ハウス・オブ・ザ・イヤー」「グローバ
ル・デリバティブ・ハウス・オブ・ザ・イヤー」「アジア・ボンド・ハウス・オブ・ザ・イヤー」の各賞を受賞し
ました。
2014年に、急速に成長している中国人民元市場のリーダーとしての地位をさらに強固なものとしています。SWIFT
によれば、人民元の国際決済通貨としての地位はわずか2年前に13位だったものが現在は5位にまで上昇しています。
人民元建て商品からの収益を拡大するとともに、過去12ヶ月間に中国国外で発行された人民元建て社債の発行額で
も第1位となりました。また、アジアマネーの2014年オフショア人民元サービス・サーベイでは商品およびサービス
の全般において最高のプロバイダーであると認められ、2014年アジア・リスク・アワードの「人民元ハウス・オ
ブ・ザ・イヤー」を受賞しました。
グローバルな事業展開
2011 年に HSBC としての戦略を発表して以来、グローバルに事業を展開していく上での規制コストは明らかに増加
しています。
グループ会長からの報告にもあるように、規制環境は進化を続けています。
世界をリードする国際的金融機関を目指すという当グループの約束は、規制対応や法令順守の能力向上ならびにグ
ローバル・スタンダードの確立が HSBC では優先事項であり続けるということを意味しています。2011 年以降にコ
ンプライアンスを担当する従業員の数は 2 倍に増えていますが、グループのコンプライアンス能力の向上のために
成すべきことはまだ少なくありません。
同時に、自己資本は金融危機前の水準から 60%増加しました。具体的に言えば、英国健全性監督機構の求める資本
水準が高くなっていることに応じて一段の資本強化を進めてきました。
2011 年にグループとしての資本目標を設定した際も、資本水準への要請は強まるであろうと予期していましたが、
要求される資本水準や追加コストを完全に予想することはできませんでした。状況の変化の速さは異例とも言える
ものでした。このため 2011 年に設定したグループ目標はすでに現実に即したものではなくなりました。
この現実を踏まえ、現在の事業環境をさらに反映させた中期的目標を設定したところです。
株主資本利益率の目標を 10%に修正しました。これは CRD(EU の資本要求指令)IV の最終目標の普通株式等 Tier1
資本比率が 12%から 13%にあることを前提として設定しました。調整後ベースのコスト目標は、伸び率で収益がコ
ストを上回ること(positive jaws)を表すものです。
さらに配当の増額を改めて約束しました。着実な増配は、グループの全体的な利益創出能力の成長と一致するもの
であり、期限内に資本規制に対応できるとの見通しに基づいたものです。
これらの目標は、広がりつつある新たな事業環境における HSBC の能力を具体的に反映するものです。
従業員へ
2014 年中にすべての従業員が示した勤勉さや献身、高いプロ意識に感謝します。
1 年を通じて多くの法域で実施されたストレステストへの対応には広範囲の取り組みが必要となりましたが、テス
ト結果はグループ資本の強靭さを裏付けるものでした。さらに 2015 年にもストレステストが予定されています。
すべての従業員が、マネーロンダリング防止と制裁法に従って業務を遂行していることを確認し続ける必要があり、
この取り組みは 2014 年も続けられました。
2012 年 12 月に HSBC と米国当局ならびに英国金融行為監督機構との間で交わした和解合意について、その順守を
確認する当局の監視機関と、グループ内のすべての経営陣と従業員は密接に連携し続けてきました。この監視機関
からこれまでに 2 年分の年次報告を受け取りました。その報告では米司法省との訴追延期合意が定める責任を当グ
ループが引き続き果たしていることが確認されていますが、まだ取り組むべき問題も残されている点は予想通りで
す。
要約および今後の見通し
当グループ事業は構造的に有利な位置を保ちつつ広範な市場の潮流を捉えることのできる態勢にあります。また、
低金利が続く中ではあるもののマクロ経済環境も引き続き良好です。解決すべき過去の問題がまだ残されているた
め、2015 年にはその取り組みを一段と進めます。さらに、2011 年に開始したグループ組織を簡素化して経営管理を
円滑化する作業を続けます。
2014 年の業績は、香港における当グループ事業の力強さにその他のアジア地域や中東、北アフリカの事業からの寄
与が加わったことを示すものです。商業銀行事業の持続的成功と差別化されたグローバル・バンキング&マーケッ
ツ事業が見せた回復力は、グローバルな貿易と資本流通を結び付けていく戦略の有効性を証明するものです。リテ
ール・バンキング&ウェルス・マネジメント事業は発展途上にありますが、2014 年にリスク回避への取り組みを一
段と進展させたところです。グローバル・プライベート・バンキング事業は他のグローバル事業の顧客からの新し
い資金を引き付け続けています。インフレによるコスト増加やグローバル・スタンダードを確立するコストを補う
ために、通常の経費の削減に特に焦点を絞り続けます。
ここまでの 2015 年年初の業績は満足できるものです。
引き続き戦略の実行と株主への利益還元に注力する所存です。
HSBC ホールディングス plc 7 財務ハイライト
12月31日に終了した事業年度
2013
2014
百万米ドル
百万米ドル
通年
税引前当期純利益
親会社株主帰属利益
普通株式配当金
年度末
総株主持分
自己資本総額
顧客勘定
総資産
リスク加重資産
リスク加重資産
18,680
13,688
9,320
22,565
16,204
8,937
190,447
190,730
1,350,642
2,634,139
1,219,765
n/a
181,871
194,009
1,361,297
2,671,318
n/a
1,092,653
米ドル
米ドル
0.69
0.49
9.28
0.84
0.48
9.27
19,218
(百万株)
1,820億
米ドル
6.09
英ポンド
18,830
(百万株)
2,070億
米ドル
6.62
英ポンド
期間
1年
期間
3年
期間
5年
97
100
144
160
109
132
CRD(EUの資本要求指令)Ⅳの移行ベース
バーゼル2.5基準
普通株式1株当たり
利益(基本ベース)
配当金1
純資産
株式情報
0.50米ドル:発行済普通株式
時価総額
普通株式株価(終値)
2014年12月31日までの株主総リターン
ベンチマーク:MSCI銀行セクター
1 普通株式の年間配当
地域別の営業成績
税引前利益/(損失)
2014
百万米ドル
12 月 31 日に終了した事業年度
2013
%
百万米ドル
%
欧州
アジア
中東・北アフリカ
北米
ラテン・アメリカ
596
14,625
1,826
1,417
216
3.2
78.3
9.8
7.6
1.1
1,825
15,853
1,694
1,221
1,972
8.1
70.3
7.5
5.4
8.7
税引前当期純利益
18,680
100.0
22,565
100.0
法人所得税等
(3,975)
(4,765)
当期純利益
14,705
17,800
親会社株主帰属利益
少数株主持分帰属利益
13,688
1,017
16,204
1,596
事業別の営業成績
2014
百万米ドル
12 月 31 日に終了した事業年度
2013
%
百万米ドル
リテール・バンキング&ウェルス・マネジメント事業
商業銀行事業
グローバル・バンキング&マーケッツ事業
グローバル・プライベート・バンキング事業
その他
5,651
8,744
5,889
626
(2,230)
30.3
46.8
31.5
3.4
(12.0)
6,649
8,441
9,441
193
(2,159)
税引前当期純利益
18,680
100.0
22,565
HSBC ホールディングス plc 8 %
29.5
37.4
41.8
0.9
(9.6)
100.0
連結損益計算書
2014 年 12 月 31 日に終了した事業年度の損益計算書
2014
百万米ドル
受取利息
支払利息
2013
百万米ドル
50,955
(16,250)
51,192
(15,653)
純利息収益
34,705
35,539
受取手数料
支払手数料
19,545
(3,588)
19,973
(3,539)
純手数料収益
15,957
16,434
純利息収益を除くトレーディング収益
トレーディング業務に係る純利息収益
4,853
1,907
6,643
2,047
純トレーディング収益
6,760
8,690
発行済長期債およびその他派生商品の公正価値変動分
公正価額で表示されているその他金融商品からの純収益
508
1,965
(1,228)
1,996
公正価額で表示されている金融商品からの純利益
2,473
768
金融投資からの利益(損失控除後)
受取配当金
純既経過保険料
その他の営業利益
1,335
311
11,921
1,131
2,012
322
11,940
2,632
営業収益合計
74,593
78,337
純既発生保険金および保険契約者債務の変動
(13,345)
(13,692)
貸倒引当金およびその他の信用リスク引当前純営業収益
61,248
64,645
貸倒引当金およびその他の信用リスク引当金
(3,851)
(5,849)
純営業収益
57,397
58,796
人件費
一般管理費
有形固定資産償却費および減損損失
無形資産償却費および減損損失
(20,366)
(18,565)
(1,382)
(936)
(19,196)
(17,065)
(1,364)
(931)
営業費用合計
(41,249)
(38,556)
16,148
20,240
営業利益
関連会社および合弁会社からの利益分配金
税引前当期純利益
2,532
2,325
18,680
22,565
法人所得税等
(3,975)
(4,765)
当期純利益
14,705
17,800
親会社株主帰属利益
少数株主持分帰属利益
13,688
1,017
16,204
1,596
基本的普通株式 1 株当たり利益
希薄化後普通株式 1 株当たり利益
米ドル
0.69
0.69
米ドル
0.84
0.84
HSBC ホールディングス plc 9 連結包括損益計算書 2014 年 12 月 31 日に終了した事業年度の連結包括損益計算書
2014
百万米ドル
2013
百万米ドル
当期純利益
14,705
17,800
その他包括利益/(損失)
特定の条件を満たした場合、後の期間に損益として再区分され得る項目:
売却可能投資:
–公正価値評価益/(評価損)
–売却により損益計算書に振り替えられた公正価値評価益
–減損により損益計算書に振り替えられた評価損
–法人所得税等
2,972
4,794
(1,672)
374
(524)
(1,718)
(1,787)
(1,277)
286
1,060
188
1,512
(1,244)
(80)
(128)
776
(894)
(10)
キャッシュフロー・ヘッジ
–公正価値評価益/(評価損)
–損益計算書に振り替えられた公正価値評価益/(評価損)
–法人所得税等
その他包括利益(損失)のうち関連会社および合弁会社の持分
–当期持分
–売却により損益計算書に振り替えられた持分
80
78
2
外貨換算差額
–海外事業売却により損益計算書に振り替えられた外貨換算差額
–その他外貨換算差額
–外貨換算差額に係る法人所得税
後の期間に損益として再区分されない項目:
確定給付年金プラン関連の数理計算上の利益/(損失)
–法人所得税等控除前
–法人所得税等
(71)
(35)
(36)
(8,903)
(21)
(8,917)
35
(1,372)
(290)
(1,154)
72
1,985
2,419
(434)
(458)
(601)
143
当期のその他の包括利益/(損失)-税効果後
(3,678)
(3,747)
当期包括利益
11,027
14,053
9,245
1,782
12,644
1,409
11,027
14,053
当期包括利益の帰属:
–親会社株主
–少数株主持分
当期包括利益合計
HSBC ホールディングス plc 10 連結貸借対照表 2014 年 12 月 31 日時点の連結貸借対照表
2014
百万米ドル
2013
百万米ドル
129,957
4,927
27,674
304,193
29,037
345,008
112,149
974,660
161,713
415,467
75,176
1,309
18,181
27,577
7,111
166,599
6,021
25,220
303,192
38,430
282,265
120,046
992,089
179,690
425,925
76,842
985
16,640
29,918
7,456
2,634,139
2,671,318
負債
香港流通紙幣
銀行預り金
顧客勘定
レポ取引-非トレーディング目的
支払為替
トレーディング負債
公正価額で表示されている金融負債
デリバティブ負債
社債
未払費用および前受収益その他の負債
当期税金負債
保険契約債務
引当金
繰延税金負債
劣後債務
27,674
77,426
1,350,642
107,432
5,990
190,572
76,153
340,669
95,947
53,396
1,213
73,861
4,998
1,524
26,664
25,220
86,507
1,361,297
164,220
6,910
207,025
89,084
274,284
104,080
52,341
607
74,181
5,217
910
28,976
12 月 31 日時点の負債合計
2,434,161
2,480,859
自己資本
資本金
資本準備金
その他持分
その他準備金
繰越利益剰余金
9,609
11,918
11,532
20,244
137,144
9,415
11,135
5,851
26,742
128,728
総株主持分
少数株主持分
190,447
9,531
181,871
8,588
資産
現金および中央銀行預け金
受取為替
香港政庁債務証書
トレーディング資産
公正価額で表示されている金融資産
デリバティブ資産
銀行貸付金
顧客貸付金
リバースレポ取引-非トレーディング目的
金融投資
前払金および未収収益その他の資産
当期税金資産
関連会社および合弁会社持分
営業権および無形資産
繰延税金資産
12 月 31 日時点の資産合計
負債および自己資本
12 月 31 日時点の自己資本合計
12 月 31 日時点の自己資本および負債合計
HSBC ホールディングス plc 11 199,978
190,459
2,634,139
2,671,318
連結キャッシュフロー計算書
2014 年 12 月 31 日に終了した事業年度の連結キャッシュフロー計算書
2014
百万米ドル
2013
百万米ドル
営業活動によるキャッシュフロー
税引前当期純利益
調整項目:
-投資活動からの純利益
-関連会社および合弁会社からの利益分配金
-関連会社、合弁会社、子会社、事業の売却から生じる(利益)/損失
-税引前当期純利益に含まれるその他非現金項目
- 営業資産による収入
- 営業負債による支出
-外貨換算差額消却
-関連会社からの受取配当金
- 確定給付年金拠出金
- 法人所得税等の支払額
18,680
22,565
(1,928)
(2,532)
9
11,262
25,877
(93,814)
24,571
757
(681)
(3,573)
(1,458)
(2,325)
(1,173)
11,995
(148,899)
164,757
4,479
694
(962)
(4,696)
営業活動によるキャッシュフロー小計
(21,372)
44,977
(384,199)
382,837
(1,477)
88
(1,035)
(903)
–
(242)
(30)
(363,979)
342,539
(1,952)
441
6,518
(834)
7,413
3,295
(26)
投資活動によるキャッシュフロー小計
(4,961)
(6,585)
財務活動によるキャッシュフロー
普通株式発行による収入
トレーディング目的および投資目的による自己株式の純売却/(購入)
その他の持分発行
優先株式償還
劣後特約付借入による収入
劣後特約付借入金の返済による支出
親会社普通株主への配当金の支払額
少数株主持分への配当金の支払額
その他持分保有者への配当金の支払額
267
(96)
5,681
(234)
3,500
(3,163)
(6,611)
(639)
(573)
297
(32)
–
–
1,989
(1,662)
(6,414)
(586)
(573)
財務活動によるキャッシュフロー小計
(1,868)
(6,981)
投資活動によるキャッシュフロー
金融投資購入による支出
金融投資の売却および満期による収入
有形固定資産購入による支出
有形固定資産売却による収入
貸付債権売却による収入
無形資産購入による支出
中国平安保険(集団)売却による収入
子会社、事業、関連会社、合弁会社の売却による収入/(支出)
関連会社の取得および増加による支出
現金および現金同等物の純増加(減少)
(28,201)
31,411
現金および現金同等物期首残高
現金および現金同等物に関する為替差損益
346,281
(16,779)
315,308
(438)
現金および現金同等物期末残高
301,301
346,281
HSBC ホールディングス plc 12 (117)
−
−
−
117
−
−
−
従業員報酬および従業員持株制度に基づき発行された株式
配当に代えて発行された株式およびそれに基づいて発生
した金額
株主配当金
株式報酬契約費用
その他の変動額
9,415
1,168
−
60
当期包括利益
2013 年 12 月 31 日
−
−
−
−
11,135
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
10,084
11,918
当期純利益
その他の包括利益(税効果後)
–売却可能投資
–キャッシュフロー・ヘッジ
–確定給付年金プラン関連の数理計算上の利益/(損失)
–その他の包括利益のうち関連会社と
合弁会社の持分
–外貨換算差額
9,238
134
−
−
−
−
2013 年 1 月 1 日
(134)
−
−
−
−
60
従業員報酬および従業員持株制度に基づき発行された株式
配当に代えて発行された株式およびそれに基づいて発生
した金額
資本証券発行
株主配当金
株式報酬契約費用
その他の変動額
9,609
917
−
当期包括利益
期末(2014 年 12 月 31 日)
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
11,135
−
−
−
−
−
9,415
当期純利益
その他の包括利益(税効果後)
–売却可能投資:
–キャッシュフロー・ヘッジ
–確定給付年金プラン関連の数理計算上の利益/(損失)
–その他包括利益のうち関連会社および
合弁会社の持分
–外貨換算差額
期首(2014 年 1 月 1 日)
2014
その他の準備金
97
−
−
25
−
−
(1,577)
−
−
−
(1,577)
(1,577)
−
−
1,649
13 (121)
−
−
(6)
−
−
(128)
−
−
−
(128)
−
(128)
−
13
58
(10)
21
2,143
−
−
−
−
−
189
−
−
189
−
−
189
(121)
−
−
−
−
−
2,025
−
−
−
2,025
2,025
−
−
97
HSBC ホールディングス plc 128,728
2,523
(9,510)
630
26
−
−
−
−
5,851
(931)
15,643
(71)
−
16,204
(561)
−
−
(490)
120,347
−
−
−
−
−
−
−
−
−
5,851
137,144
2,709
−
(9,893)
732
(176)
−
5,681
−
−
−
11,532
(710)
15,754
80
−
1,986
13,688
2,066
−
−
128,728
−
−
−
−
−
−
−
−
−
5,851
(542)
−
−
−
−
−
(1,294)
−
(1,294)
−
(1,294)
−
−
−
752
(9,265)
−
−
−
−
−
−
(8,723)
−
(8,723)
−
(8,723)
−
−
−
(542)
27,308
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
27,308
27,308
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
27,308
181,871
2,523
(9,510)
630
45
297
12,644
(71)
(1,294)
16,204
(3,560)
(1,577)
(128)
(490)
175,242
190,447
2,709
5,681
(9,893)
732
(165)
267
9,245
80
(8,723)
13,688
(4,443)
2,025
189
1,986
181,871
8,588
−
(718)
−
10
−
1,409
−
(78)
1,596
(187)
(141)
−
32
7,887
9,531
−
−
(712)
−
(127)
−
1,782
−
(180)
1,017
765
947
(1)
(1)
8,588
190,459
2,523
(10,228)
630
55
297
14,053
(71)
(1,372)
17,800
(3,747)
(1,718)
(128)
(458)
183,129
199,978
2,709
5,681
(10,605)
732
(292)
267
11,027
80
(8,903)
14,705
(3,678)
2,972
188
1,985
190,459
その他有価
資本
その他
繰越利益
証券評価差 キャッシュフロー・ 外貨換算
合併
総株主
少数株主
自己資本
資本金
準備金
の持分
剰余金
額金
ヘッジ損益
調整勘定
準備金
持分
持分
合計
百万米ドル 百万米ドル 百万米ドル 百万米ドル 百万米ドル 百万米ドル 百万米ドル 百万米ドル 百万米ドル 百万米ドル 百万米ドル
2014 年 12 月 31 日に終了した事業年度の株主資本等変動計算書
株主資本等変動計算書
Photography: Matthew Mawson
Cover
Coverimages:
images:HSBC
HSBC––then
thenand
andnow
now
ItItisis150
150years
yearssince
sinceHSBC
HSBCwas
wasfounded
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HongKong
Kongto
tofinance
financetrade
tradebetween
betweenAsia
Asiaand
and
Europe.
Europe.Much
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then,as
asour
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demonstrate.The
Thetop
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HongKong
Kongharbour,
harbour,with
withthe
theHSBC
HSBCoffice
office(extreme
(extremeleft)
left)aafew
fewyears
yearsafter
afterititwas
was
established
establishedinin1865.
1865.The
Thebottom
bottomimage
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showsthe
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today,with
withthe
theHSBC
HSBCbuilding
building
sixth
sixthfrom
fromleft
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Hong
HongKong
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physicallyand
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economically,from
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riseto
toglobal
global
prominence,
prominence,growing
growingfrom
fromaasmall
smallregional
regionaltrading
tradingbank
bankinto
intoone
oneof
ofthe
theworld’s
world’slargest
largest
banking
bankingand
andfinancial
financialservices
servicesorganisations
organisationstoday.
today.
HSBC’s
HSBC’sHong
HongKong
Kongoffice
officeisisstill
stillatat11Queen’s
Queen’sRoad
RoadCentral,
Central,as
asititwas
wasinin1865.
1865.The
Thecurrent
current
HSBC
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buildingisisthe
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fourthto
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site,but
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foundedremain
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thesame.
same.HSBC
HSBCstill
stillaims
aimsto
tobe
bewhere
wherethe
thegrowth
growthis,
is,connecting
connecting
customers
customersto
toopportunities,
opportunities,enabling
enablingbusinesses
businessesto
tothrive
thriveand
andeconomies
economiesto
toprosper,
prosper,and
and
helping
helpingpeople
peopleto
tofulfil
fulfiltheir
theirhopes
hopesand
andrealise
realisetheir
theirambitions.
ambitions.
Issued
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plc
Global
GlobalCommunications
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by HSBC
Holdings plc
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Canada
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Kingdom
United
Kingdom
London
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79918096
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proudto
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servedour
ourcustomers
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withdistinction
distinctionfor
for150
150years.
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MatthewMawson
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02/15
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hub,
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its
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volume
accounting
for
over
one-third
of theSilk
total
value
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Kong’s
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2014
2012年度年次決算
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