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ドイツ銀行 2003年 - ドイツ銀行グループ

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ドイツ銀行 2003年 - ドイツ銀行グループ
ドイツ銀行 2003年
2003年 アニュアル・レビュー
2004/2005年財務カレンダー
2004年4月30日
2004年3月31日時点中間報告
2004年6月2日
年次株主総会
フランクフルト・アム・マイン フェストハレ
(エキシビション・センター)
にて
2004年6月3日
配当金支払
2004年7月30日
2004年6月30日時点中間報告
2004年10月29日
2004年9月30日時点中間報告
2005年2月3日
2004年度業績発表
2005年4月29日
2005年3月31日時点中間報告
2005年5月18日
年次株主総会
フランクフルト・アム・マイン フェストハレ
(エキシビション・センター)
にて
2005年5月19日
配当金支払
2005年7月29日
2005年6月30日時点中間報告
2005年10月28日
2005年9月30日時点中間報告
ドイツ銀行
003 83304 02 · 3/04
アニュアル・レビュー
ドイツ銀行グループ
主要データ
2003年度
2002年度
ドイツ銀行株価 高値
¤ 66.04
¤ 82.65
ドイツ銀行株価 安値
¤ 32.97
¤ 35.60
1株当たり配当金
(2003年度については予定)
¤ 1.50
¤ 1.30
基本的1株当たり純利益
¤ 2.44
¤ 0.64
調整後基本的1株当たり純利益 1
¤ 2.56
¤ 5.16
株主資本利益率
(RoE)
4.7 %
1.1 %
調整後平均アクティブ株主資本利益率 1, 2
5.2 %
10.2 %
費用/収益比率 3
総収益
貸倒引当金繰入額
81.8 %
78.8 %
単位:百万ユーロ
単位:百万ユーロ
21,268
26,547
1,113
2,091
17,399
20,907
法人所得税費用および会計処理方法変更の累積的影響前利益
2,756
3,549
当期純利益
1,365
397
利息以外の費用合計
2003年12月31日現在 2002年12月31日現在
単位:百万ユーロ
単位:百万ユーロ
総資産
803,614
758,355
貸出金
(貸倒引当金控除前)
148,227
171,620
株主持分
28,202
29,991
BIS規制コア自己資本比率
10.0 %
9.6 %
1,576店
1,711店
支店数
内ドイツ国内
845店
936店
従業員数
(常勤相当)
67,682人
77,442人
内ドイツ国内
29,857人
33,807人
Aa3
AA–
AA–
Aa3
AA–
AA–
長期格付
ムーディーズ・インベスターズ・サービス
(ニューヨーク)
スタンダード・アンド・プアーズ
(ニューヨーク)
フィッチ
(ニューヨーク)
1
2
3
当期純利益
(2003年度:1,365百万ユーロ、2002年度:397百万ユーロ)
は、税率変更による1999年度/2000年度貸方計上額の振戻し
(2003年度:
215百万ユーロ、2002年度:2,817百万ユーロ)
および会計処理方法変更の影響
(2003年度:151百万ユーロ、2002年度:37百万ユーロ)
について調
整している。
競合他社との比較を容易にするために、株主資本利益率に関しては調整を加えた尺度を算出しており、これを「平均アクティブ資本利益率
(return on
average active equity)
」 と称している。ただし、米国で一般に認められている会計基準
(U.S.GAAP)
による実績尺度ではないため、算定方法の違
いを考慮せずに他社の比率との比較をおこなうべきではない。平均株主持分
(2003年度:28,940百万ユーロ、2002年度:36,789百万ユーロ)
に調整
を加える項目は、売却可能有価証券に係る平均未実現純利益
(適用される税効果考慮後)
(2003年度:810百万ユーロ、2002年度:4,842百万ユー
ロ)
および平均配当金額
(2003年度:756百万ユーロ、2002年度:701百万ユーロ)
である。配当金は、株主総会の承認後、年に1度支払われる。
利息以外の費用合計が、貸倒引当金繰入前の純利息収益に利息以外の収益を加えた額に占める比率。
ドイツ銀行グループ
2
3
6
8
12
15
ドイツ銀行グループのアイデンティティー
会長からのメッセージ
ドイツ銀行グループ経営執行委員会
会社概要
コーポレート・ガバナンス
パートナーを重視した実績、そして熱意
株主
21
2003年ドイツ銀行株価:国内外で市場平均を
上回る上昇
顧客
27
33
39
41
法人・機関投資家向けビジネス
個人・資産運用ビジネス
コーポレート・インベストメンツ
コーポレート・センター
従業員
43
長期的な成功への基盤づくり
社会
47
社会へのコミットメント
50
51
52
53
54
損益計算書
包括利益計算書
貸借対照表
株主持分変動計算書
キャッシュ・フロー計算書
経営機構
55
56
62
取締役会の報告
監査役会報告書
監査役会
補足情報
64
66
67
72
報告経営成績から基礎的経営成績への調整
グループ5年間の記録
用語解説
連絡先/刊行物
ステークホルダー
連結決算書
追加情報
お断り
このドイツ銀行2003年アニュアル・レビュー
(日本語版)
は、
「Annual Review 2003」
(英語版)
に対応したものです。
ドイツ銀行の2003年財務書類に関する詳細は
「Financial Report 2003」
(英語版)
をご参照ください。
また、日本語で類似する情報としては、2004年6月末に提出予定の「有価証券報告書」
を併せてご参照ください。
2
ドイツ銀行グループのアイデンティティー
明確な使命
ドイツ銀行グループは、刻々と変化するグローバル市場を舞台に、お客さまに幅
広い金融ソリューションを提供していくことを使命としています。私たちは、常に前
進を続けるお客さまのニーズに徹底的にお応えすることこそが、株主の皆さまに卓
越した価値を創造し、私たち自身の成長につながると考えています。
ブランド
ドイツ銀行グループを支えるのは、世界市場への深い洞察力、高い専門性、
独自のネットワークを持つグローバルな金融機関としての総合力と、常に最高の結
果を追求する意欲ある従業員の存在に他なりません。現状に満足することなく目
標を高く掲げ、目標に向かって突き進み、目標以上の成果をあげる―これこそが、
ドイツ銀行グループが目指す価値なのです。
Deutsche Bank. A Passion to Perform.
価値
顧客重視 すべての行動の中心に顧客を据え、顧客重視の姿勢を徹底しています。
チームワーク 経験の異なる社員が互いに協力することで、多様なビジネスを
推進し成果をあげています。
革新性
顧客のニーズに応えるため、現状に満足することなく、絶えず新しい解
決策の提案に努めています。
パフォーマンス よりよい結果を生み出すことを目指し、日々業務に取り組ん
でいます。
信頼 誠実で公正な態度を貫きます。
ドイツ銀行グループ
会長からのメッセージ
株主の皆さまへ
ビジネスを取巻く環境は、全体として依然不確かではあるものの、世界経済およ
び市場環境は、過去2年間にわたる厳しい状況を経て、2003年にようやく力強い
回復へと転じました。2003年半ばには金利は著しく上昇し、国際的なクレジット環
境の大勢は改善傾向に転じたものの、
ドイツを始めとする欧州大陸諸国の経済
は引き続き厳しい状況が続きました。こうしたなか、
ドイツ銀行は2003年、過去最
高水準に匹敵する業績を達成することができました。
2003年のドイツ銀行の税引前利益は28億ユーロ、同純利益は前年の3倍以上
の14億ユーロを計上しました。基礎となる税引前利益は、非中核資産からの損
益調整後のベースで前年比163%増加し、36億ユーロを達成しました。2003年
の基礎となる収益は219億ユーロでしたが、これは、為替による影響と買収/売却
に関連した一時的影響を除いたもので、前年比9%の増加に相応します。1株当
たり基本的利益は前年比で281%増加し、2.44ユーロとなりました。
一方、貸出しの質は引き続き改善傾向にあります。貸出し残高は特に海外にお
いて減少し、前年比14%減の1,480億ユーロになりました。貸倒引当金繰入額
は前年より約10億ユーロ減少し、11億ユーロを計上しました。厳格なリスク管理
の徹底により、不良債権は前年比で約40%減少、66億ユーロとなりました。
2003年のこうした好業績は、経営戦略が成功裡に実施されていることを反映して
います。当行は第1段階の経営戦略の実施により、目標を上回る成果を達成し、
強固な業務基盤を確立しました。また、リスクプロファイルを改善し、中核ビジネス
において戦略上の地位をこれまで以上に強化・拡大しました。
こうした成果は、お陰さまで、市場からの高い評価につながっています。まず第1に、
当行の株価は昨年、市場平均を上回る50%の上昇を達成しました。これは、
平均株価指数の上昇が緩やかであった米国やスイスを拠点とする競合他社
(国際的金融機関)
と比べても、良好な結果となりました。
第2に、当行は2004年初頭、優れた金融専門誌であるIFR誌より、2003年の
「最優秀銀行」に選ばれました。これは、金融業界でビジネスを展開する企業と
して、大変栄誉あることです。IFR誌は、公表にあたってのコメントのなかで、当行
について次のように評しています。「変革という言葉は一般に多用されすぎており、
それが本当に本質的で大幅な変化を表しているということは極めて稀です。
しかし、
よりスリムで機動的な総合金融機関へと変化したドイツ銀行に対しては変革と
いう言葉がよく当てはまります。」
3
4
この賞賛の言葉を、私は、昨年の困難な状況のなかで懸命に業務に取り組ん
だ従業員に贈りたいと思います。当行の従業員は一人ひとりが、「A Passion to
Perform.(熱意あるお客さまに情熱をもってお応えする)」という目標の実現に
向け、努力を続けています。「A Passion to Perform.」は、当行の新しいブラン
ディング・キャンペーンの標語ですが、これは単なるスローガンに留まらず、私た
ち従業員一人ひとりが心の奥に抱いているビジネスへの意欲を表しています。
当行の従業員は、熱意あるお客さまのご要望にお応えするために鋭意専心努
力を重ね、こうした積み重ねが、結果的に当行全体の業績に反映されるものと
確信しています。
当行の経営戦略は、2003年半ば、第2段階に入りました。第2段階目の目標は、
第1段階で築いたスリムで効率的な事業基盤を活用し、さらなる収益の増大を図
ることです。掲げている目標は意欲的ですが、当行がこれまで達成してきた成果を
勘案すると、達成可能な内容であると言えるでしょう。当行が最も重視している指
標である基礎となる税引前株主資本利益率
(ROE)
は、2002年に4%であったも
のが、2003年には13%に上昇しました。私たちは今後2年間でさらにこれを伸
ばし、ROE25%の達成を目標としています。
一方、引き続きコスト、資本、リスク管理を徹底することで、法人・機関投資家向
けビジネスと個人・資産運用ビジネスの両ビジネスにおいて、世界的に主導的
な地位を強化していく所存です。特に、個人・資産運用ビジネスにおいては、事業
再構築の成功を受けて、本年は大幅な増益が可能であると考えています。
資産運用およびウェルス・マネージメント・ビジネスの収益は、2003年、大幅に拡
大しました。ファンド運用会社であるDWSが、欧州市場における地位を強化した
一方、海外で買収した事業の統合が成功裡に進み、好業績につながりました。
個人顧客・中堅企業向けビジネスにおいては、合理化と事業再編を通じ、収益拡
大への基盤を整えています。2003年には、目標とする税引前利益10億ユーロ
(年間)
の達成には僅差で及びませんでしたが、本年は是非目標を達成したいと思
っています。
法人・機関投資家向けビジネスでは、世界でもトップ3の地位を固めています。
特に、セキュリティーズ・セールス/トレーディングの分野では、2003年の収益は
92億ユーロに達し、世界トップとなりました。
競合他社との比較分析によると、当行は、相対的に市場リスクを低く抑えつつ、
収益を拡大していることがわかります。2004年、法人・機関投資家向けビジネス
においては、強い営業力を活用して既存顧客の多様なニーズにお応えする
一方、新規顧客に対しては個別ニーズに適した金融ソリューションを提案すること
で市場をリードし、収益の拡大を図っていきたいと考えています。こうした意味で、
2003年に複数の世界的な金融専門誌より栄誉ある賞を受賞したことは、当グル
ープの高い専門性と効率的なサービス提供への取り組みが評価されたものと自
負しています。
ドイツ銀行グループ
コーポレート・インベストメンツ部門は、引き続き非中核資産の分離・売却とリスク
資産の減少に取り組んでいます。
当行は、強い資本基盤を背景として、2003年9月より第2回目の株式買戻しプロ
グラムを開始しました。これに先立つ第1回目の株式買戻しプログラムでは、
6,200万株以上の株式買戻しを行い、そのうち4,000万株を消却しました。第2
回目は、2003年の年次株主総会で承認された5,800万株を上限とした株式買
戻しプログラムに沿ったもので、2003年12月までに約1,700万株の買戻しが既
に実施されました。当行では収益の増大と非中核ビジネスの売却によって生じ
た資本の増加分を、株主の皆さまに還元していく方針です。
この一環として、当行取締役会およびグループ経営執行委員会は、2004年6月2
日開催予定の年次株主総会において、2003年の1株当たり配当を15%増加し、
1.50ユーロとする提案を行う予定です。こうした増配の提案は、当行従業員の効
率的なビジネスへの取り組みと確固とした事業基盤に基づいたものであり、また、
経営陣のさらなる収益拡大への自信の表われでもあります。
1年前と比べると世界経済の見通しは明らかに改善しています。こうした経済環境
の好転は、世界の資本市場、ひいては私どものビジネス全般にも良い影響を与
えるものと考えています。2004年は順調なスタートをきりました。当行取締役会お
よびグループ経営執行委員会では、世界経済および資本市場において大きなマ
イナスの出来事が発生しない限り、2004年の目標達成に向け大きく前進できる
ものと確信しています。
ヨゼフ・アッカーマン
ドイツ銀行取締役会会長兼グループ経営執行委員会会長
2004年3月
フランクフルト・アム・マイン
5
6
ドイツ銀行グループ経営執行委員会
ドイツ銀行グループ
ケビン・パーカー Kevin Parker 1959年生まれ。グローバル・エクイティ統括
責任者。
マイケル・コアーズ Michael Cohrs 1956年生まれ。グローバル・コーポレート・
ファイナンス統括責任者。
アンシュー・ジェイン Anshu Jain 1963年生まれ。グローバル・マーケッツ
統括責任者。
ユルゲン・フィッチェン Jürgen Fitschen 1948年生まれ。グローバル・バン
キングおよびグローバル・
トランザクション・バンキング統括責任者。
クレメンス・ベルジッヒ* Clemens Börsig 1948年生まれ。2001年取締役
就任。チーフ・フィナンシャル・オフィサー兼チーフ・リスク・オフィサー。コントロー
リング( 経 理 )、税 務、インベスター・リレーションズならびにリスク管 理、
コーポレート・セキュリティ統括責任者。
ヨゼフ・アッカーマン* Josef Ackermann 1948年生まれ。1996年取締役
就任。取締役会会長兼グループ経営執行委員会会長。企業戦略、企業広報、
経済、財務戦略統括責任者。
ヘルマン-ヨゼフ・ランベルティ* Hermann-Josef Lamberti 1956年生
まれ。1999年取締役就任。チーフ・オペレーティング・オフィサー。コストおよ
びインフラ管理、情報技術(IT)
、オペレーション、購買および建物・設備など
の不動産管理統括責任者。
テッセン・フォン・ハイデブレック* Tessen von Heydebreck 1945年生
まれ。1994年取締役就任。チーフ・アドミニストレーティブ・オフィサー。企業
文化・社会貢献活動、人事、法務、コンプライアンス、監査統括責任者。
ピエール・ド・ウェック Pierre de Weck 1950年生まれ。プライベート・ウェルス・
マネージメント統括責任者。
レイナー・ネスケ Rainer Neske 1964年生まれ。個人顧客および中堅企業
向けビジネス統括責任者。
トム・ヒューズ Tom Hughes 1957年生まれ。資産運用統括責任者。
*ドイツ銀行取締役会メンバー
左から順番
7
8
会社概要
グループ組織再編の成功を基盤に、収益増大へ注力
経営機構 ドイツ銀行取締役会は、
ドイツ銀行の経営戦略や資源配分、リスク
管理およびコントロールに注力する。また、統括する各管理部門別委員会を通
じて、経営・監督機能を遂行する。取締役会会長はグループ経営執行委員会
会長を兼務する。
グループ経営執行委員会
グループ経営執行委員会は、取締役会メンバーと7つの中核ビジネスの統括責
任者で構成され、取締役会の意思決定をサポートする。定例会議では、事業運
営の状況確認やグループ戦略に係る問題点を討議し、必要に応じて議案を提
起する。
3つのビジネス部門別委員会は、各ビジネスの統括責任者によって運営され、
各々の業務運営に責任を負う。
コーポレート・センターは、コンプライアンス
(法令遵守)
をはじめ、職務遂行におい
て取締役会をサポートする。
ビジネス部門 ドイツ銀行は、法人・機関投資家向けビジネス
(CIB)
、個人・
資産運用ビジネス
(PCAM)
、コーポレート・インベストメンツ
(CI)
のビジネス部門
によって構成される。
経営機構
管理部門別委員会
オルタナティブ・アセット
資産/負債
コンプライアンス
財務
人事
投資
ITおよびオペレーション
リスク
グループ経営執行委員会
ドイツ銀行取締役会
グローバル・ビジネス統括責任者
ビジネス部門別委員会
法人・機関投資家向けビジネス
(CIB)
コーポレート・
インベストメンツ
(CI)
個人・資産運用ビジネス
(PCAM)
ドイツ銀行グループ
法人・機関投資家向けビジネス
(CIB)
9
CIBは、資本市場業務、貸出しおよ
びアドバイザリー業務を行う。対象となる顧客は、民間および公的機関で、
民間企業はグローバル企業から中堅企業まで多岐にわたる。リレーションシップ・
マネジャーは、顧客の多様なニーズを十分に満たすため、窓口を一本化し、多様
な金融商品・サービスの提供に努めている。CIBは、コーポレート・バンキング・
窓口の一本化による
アンド・セキュリティーズとグローバル・
トランザクション・バンキングの2つで構成さ
サービスの提供
れている。
コーポレート・バンキング・アンド・セキュリティーズは、債券・為替業務(グロー
バル・マーケッツ)
、株式業務
(グローバル・エクティ)
、投資銀行業務
(コーポレート・
ファイナンス)
、グローバル・バンキングの主要業務で構成され、高格付けの国債
の発行から、複雑な金融ニーズに対応した個別の提案に至るまで、世界の資本
市場における多様なサービスを提供する。
グローバル・
トランザクション・バンキングは、キャッシュ・マネジメント、貿易金融、
法人信託サービスをグローバル規模で提供している。
個人・資産運用ビジネス(PCAM) PCAMは2003年に再編に取り組み、
組織の再編
個人顧客および中堅企業向けビジネスと資産運用およびウェルス・マネージメ
ント・ビジネスを組織した。
個人顧客および中堅企業向けビジネスは、特に中核市場であるドイツ、イタリア、
スペインの3市場で、個人顧客と中堅企業顧客を対象とした資産形成に注力して
いる。
資産運用およびウェルス・マネージメント・ビジネスは、資産運用とプライベート・
ウェルス・マネージメントの2つのビジネスで構成されている。資産運用ビジネスは、
グローバル規模で機関投資家向けに運用サービスを提供しているほか、主として
欧州
(DWSインベストメンツ)
と米国
(スカダー・インベストメンツ)
のリテール市場で、
強力な事業基盤を有している。一方、プライベート・ウェルス・マネージメントは、
世界中の個人富裕層を対象に、富裕層特有の資産管理・運用ニーズに応える
ため、居住国
(オンショア)
および主要国際金融センター
(オフショア)
で、個々の要
望に合った解決策を提供している。
コーポレート・インベストメンツ
コーポレート・インベストメンツは、事業会社の株式保有や自社で使用する不動
産を含むその他資産の保有、プライベート・エクイティおよびベンチャーキャピタル
事業を統括している。引き続き2003年も、ビジネス・ポートフォリオ
(保有資産)
の
縮小に取り組んだ。
ポートフォリオの縮小
10
経営戦略上の重点課題
2002年に開始した第1段階目の経営戦略上の重点
課題は、2003年、成功裡に完了した。収益確保や中核ビジネスへの注力、資本
およびバランスシート管理のさらなる改善、個人・資産運用ビジネスの最適化に
取り組むことで、コスト削減や経営効率の改善、収益向上を図り、当行は短期間
新たな経営戦略上の
で変貌を遂げた。2003年2月には、これらの改革により強化された事業基盤をフ
重点課題
ルに活用するため、第2段階目の経営戦略に着手し、新たに4つの重点課題を策
定した。
コスト/資本/リスクの徹底的な管理
2003年は資源の最適利用を一貫する
ことで、20億ユーロを超える営業費用の削減、リスク加重調整済資産のさらなる
圧縮、BIS規制コア自己資本比率の一層の引き上げを実現した。また、収益基
盤の大幅強化と資本管理の徹底により、2003年の株主資本利益率
(ROE)
は
大幅に改善した。
コストの削減
2004年に営業費用を165億ユーロ以下に削減し、引き続き資本とリスクの厳格
な管理を行う方針である。
グローバルに強みを発揮するCIBのさらなる拡大
当行は、世界でも上位3
社の一角を占める投資銀行として、主要地域および主要ビジネス全般において
強固な基盤を確立している。CIBのこうした強みを、株主、顧客、従業員にとっ
ての企業価値の増大に活かすため、魅力的な金融商品を競争力ある条件で提
供するなど、持てる力を存分に発揮していきたいと考えている。
PCAMの利益成長を図る
PCAMでは多様なビジネスを展開し、各ビジネスが
相互補完関係にある。
資産運用ビジネスの拡充
資産運用ビジネスは、強力な事業基盤を活用し、2003年に再度、販売チャネル
を拡大した。プライベート・ウェルス・マネージメントは、スイスのプライベート・バンク
であるリュード・ブラス&ツィエAGの買収を通じて、富裕層向けに商品およびサー
ビスの拡充を図り、一貫して市場規模を拡大している。一方、個人顧客および中
堅企業向けビジネスは、ビジネスモデルの改定を行い、これを迅速に実行に移す
ことで、市場へのアクセスを改善している。同ビジネスでは、個人および法人を対
象とした資産運用の分野で地位を拡大していく方針である。
ドイツ銀行グループ
「ドイツ銀行」のブランド力の強化
11
新しい経営戦略上の重点課題への取り
組みは、
ドイツ銀行のブランドにも反映されており、同ブランドはドイツ国内およ
び海外において最も価値ある資産となっている。2003年8月以降、ブランドの
浸透と価値の向上を図るべく、国際的な規模でマーケティング・キャンペーンを
展開した。同キャンペーンの標語である「A Passion to Perform.
(熱意あるお客
さまに情熱をもってお応えする)
」は、グローバルにビジネスを展開する総合金融
機関として、熱意あるお客さまの多様な金融ニーズに鋭意専心お応えする意欲
を表現している。また、2003年秋には、世界中の顧客、株主、従業員を対象に
満足度の一斉調査を実施した。
グローバルなネットワーク
グローバルな拠点:www.deutsche-bank.com/offices
ブランドの強化
12
コーポレート・ガバナンス
価値を追求する責任ある経営内部管理
経営基盤の一部
コーポレート・ガバナンスは、当行の経営基盤の一部となっている。当行コー
ポレート・ガバナンスの根底には、ドイツ株式会社法とドイツ・コーポレート・
ガバナンス法が存在する。さらに、当行の経営は、株式をニューヨーク証券
取引所に上場していることから、米国の資本市場に関連する諸法制や証券取
引委員会(SEC)
による規則、ニューヨーク証券取引所規則の影響を受けて
いる。
当行はコーポレート・ガバナンスを通じて、価値を追求する責任ある経営と内部管
理を遂行している。当行のコーポレート・ガバナンスは、主に、株主との良好な
関係、取締役会と監査役会の効果的な協力体制、業績に連動した報酬制度、
透明性と迅速な報告の4つの項目により構成されている。
株主との関係
株主は、法律により、基本定款の修正や新規株式の発行、
重要な組織変更など基本的な意思決定にかかわる。当行株式は1種類であり、
1種類の株式
それぞれに同等の議決権が付与されている。また、株主による議決権行使を容
易にするため、例えばインターネットを通じて議決権行使の指示書を送付できる
など、株主総会での電子メディアの活用を支援している。
「ワン・ボイス・コミティー
(One Voice Committee)
」
は、一般投資家に対して迅速で公正な情報開示を
行う。
取締役会
取締役会は経営に対する責任を有しており、取締役会メンバーは7つ
の中核ビジネスの統括責任者とともに、
グループ経営執行委員会を構成している。
グループ経営執行委員会は、グローバル規模での経営に共同であたっており、
取締役会による最終決定のための諸事項の提起・提案を行う。
監査役会
監査役会は、経営について取締役会に助言し、監視する。さらに、
取締役会メンバーの任命や長期的な視点での企業の継承について、取締役会
と協力して検討する。取締役会が実施する重要案件には、監査役会の承認が
必要である。監査役会は、取締役会の情報・報告義務を規定し、会長統括委
自らの効率性を検証
員会、監査委員会、クレジット・市場リスク委員会を設立した。2003年には、
監査役会自らの活動の効率性も検証した。
業績連動型の報酬
取締役会メンバーの報酬は、主として、業績と国際的な業
界水準に照らして支給される。株式報酬部分は、当行株価への貢献度ならびに
競合他社の株価との比較によって決定される。業績目標の変更や過去に遡及
した比較は認められていない。監査役会メンバーには、固定報酬に加えて、長期
にわたる業績に連動した報酬が支給される。監査役会会長および副会長、なら
ドイツ銀行グループ
13
びに各委員会会長および委員には、追加的な報酬が支給される。取締役会お
取締役会メンバーの
よび監査役会メンバーの報酬は、フィナンシャル・リポートで、変動報酬と固定報
個別報酬
酬に分けて公表される。
報告と透明性
当行の報告は、米国で一般に認められた会計原則
(GAAP)
お
よび証券取引委員会
(SEC)
の包括的報告規則に則っている。この結果、透明
性の高い報告が行われ、また、国際的な競合他社との比較も容易となっている。
監査委員会(会計監査)
は、年次財務諸表を監査する監査人の独立性を監視
する。例えば、監査委員会もしくはグループ財務委員会は、非監査関連やアドバ
イザリー業務に対するサービス提供の発注を全て、発注前に事前承認する。また、
監査人への報酬金額は、年次財務諸表の監査およびその他サービスに分けて、
一覧表として公表される。
ドイツ・コーポレート・ガバナンス法への適合宣言および同法提案事項への声明文
を含んだ当行2003年コーポレート・ガバナンス報告書
(完全版)
は、フィナンシャル・
リポートの184∼202ページに掲載されているが、インターネット
(www.deutschebank.com/ir)
でも入手できる。
2003年の諸施策 ドイツ・コーポレート・ガバナンス法に関する政府委員会は、
ドイツ・コーポレート・
2003年5月、同法を修正した。この修正により、当行が先より独自に導入してい
ガバナンス法へ統合
たコーポレート・ガバナンス原則は同法とほぼ合致する内容となった。このため、
当行取締役会と監査役会は、当行のコーポレート・ガバナンス原則の廃止に合
意した
(2003年10月29日)
。そして、
ドイツ・コーポレート・ガバナンス法の規則を、
取締役会および監査役会、監査役会各委員会の参照事項に追記した。これら
の内容は、インターネット
(http://www.deutsche-bank.com/ir)
で公開されている。
当行が2003年に行った追加的な諸施策は、サーベンス・オクスレー法
(米企業改
サーベンス・オクスレー法の
革法)
の要求事項およびSECによる実施規則を遵守する上で役に立った。これ
要求事項
らの諸施策は、詳細な認可手続きの実施による内部管理体制の改善や、新たに
施行された倫理規約に至るまで多岐にわたっている。さらに、当行では、会計や
内部会計管理体制および監査事項に関連した苦情処理を取り扱う規制の手続
き
(しばしば「内部告発保護政策」
と称される)
を確立した。
14
未来志向
私の知るところ、ピース・パークス基金の理念は全てに通じるものであり、
この理念に合致しない政治や哲学、イデオロギーは存在しない。紛争と分裂に苦悩
する世界において、ピース・パークスは、アフリカだけでなく、全世界において、平和
への礎を築きつつある。
ネルソン・マンデラ Nelson Mandela
ピース・パークス基金名誉パトロン、ヨハネスブルク
ドイツ銀行グループ
15
パートナーを重視した実績、そして熱意
株主、顧客、従業員、社会から信頼されるドイツ銀行
ドイツ銀行は、株主、顧客、従業員、社会にコミットし、全力で業務に取り組んで
いる。
これを実践するため、当行では「ワン・バンク・カルチャー」
を推進している。普遍
的価値を信条とするこのカルチャーは、個々の創造性や個性を建設的に伸ば
多様性が企業文化の一部
している。当行では、文化的多様性が、革新性や付加価値を生み出すと考える。
能力や忍耐はもとより、やり遂げようとする意志や熱意、そして相互に尊重し合う
姿勢があってこそ、最高を追求することができる。
株主
当行の成功は、当行の強さと業績に対する株主からの信頼に基づいて
いる。株主が提供してくれる資本こそが、人材や商品、販売チャネルへの投資
を可能にしているのである。当行は、競争の激しい資本市場において、個人お
よび機関投資家の双方に、適切なリスクで魅力的な利回りを提供できるよう努
めている。
顧客
当行は、事業活動の中心に顧客満足を据え、顧客がそれぞれの置かれた
経済環境において成功を収めるべく、側面支援している。競争が激化する中で、
顧客が持続的に競合優位性を有することは重要であり、これを支援することが、
株 主
顧 客
従業員
社 会
当行にとって顧客と長期的で良好なビジネス関係を維持することにつながる。
当行では、顧客からの不満・苦情を真摯に受けとめている。なぜなら、それは、サ
ービスの質を改善し、顧客との関係を強化する良い機会となるからである。また、
当行を勇気づけ、向上を続けるモチベーションを与えてくれる顧客からの推薦や励
ましの言葉を謙虚に受けとめている。
従業員
従業員は、質の高い顧客サービスを提供する上で重要な鍵を握って
いる。優れた専門性と問題解決能力、豊かな経験を持った従業員こそが、顧客
が期待する高い価値を提供することができる。高度な研修の実施や最新の人
事管理システムの採用、運用ツールの導入、さらに、多様なキャリア開発の機会
を提供することは、当行が従業員に対し魅力的な雇用機会を提供する前提条
件となっている。特に、仕事に対して責任感を持ち、顧客の情熱を共有し、実現
に向けて共に邁進する従業員にとって、人事環境の整備は不可欠である。
社会
当行では、社会が抱えている現在および将来にわたる問題に取り組み、
解決に向け努力を惜しまず、関与していく考えである。この一環として、幅広い分
野で培ってきた専門性と革新的なアイデアを積極的に活用している。さらに、組織
や機能の活性化を図り、若い世代が将来に対して展望を開けるよう、支援活動
を推進している。多くの国で積極的な活動を展開し、また、緊急に解決しなけれ
ばならない問題に対しても前向きに取り組んでいる。
課題の解決に向けた支援
16
株主
顧客に対する魅力的なサービスの提供こそが株主価値の前提条件
株主構成
2003年
2002年
2001年
株主数
502,714
512,616
523,059
株主別内訳
機関投資家
(銀行を含む)
81 %
82 %
81 %
株式資本に占める比率 1
個人投資家
19 %
18 %
19 %
地域別内訳
ドイツ
47 %
54 %
47 %
株式資本に占める比率 1
EU
(ドイツを除く)
28 %
27 %
33 %
スイス
13 %
10 %
9%
米国
11 %
8%
8%
1%
1%
3%
2003年
2002年
2001年
50.6 %
(43.7 %)
(9.5 %)
8.5 %
7.2 %
7.6 %
その他
主要数値
ドイツ銀行株式の投資収益の変化
ドイツ株式市場
(XetraおよびFrankfurt Floor Trading)
に占めるドイツ銀行株式の割合
特別プロジェクト
インターネット・サービスの拡充
インターネットを通じて「インベスター・デイ」を実況中継。
自社株買戻しプログラム
公開市場やデリバティブ取引を通じて、第2回目の自社株買戻しプログラムを計画的に
実行。株主に資本を還元することで、株式投資収益率や1株当たり収益の改善を図る。
1
数値は四捨五入。
ドイツ銀行グループ
17
顧客
常に前進を続ける顧客は、最高水準のサービスと革新的な商品を追求
部門別顧客数
2003年
2002年
2001年
顧客数
54,8841
法人・機関投資家向けビジネス
個人・資産運用ビジネス
個人顧客および中堅企業
資産運用およびウェルス・マネージメント
13,045,0002
−プライベート・ウェルス・マネージメント 3
106,000
84,5451
108,320
12,990,000 12,540,000
95,000
97,000
−資産運用
法人顧客
個人顧客
主要数値
法人・機関投資家向けビジネス
5,0222
2,422
8,114,0005
4,840,000
2003年
2002年
2001年
ユーロマネー誌の「ポール・オブ・ポールズ」
におけ
る順位
1
3
11
ユーロマネー誌の「資金調達ポール」における
順位
1
3
1
ユーロマネー誌の「アワード・フォー・エクセレンス」
において獲得した賞の数
IFR誌で獲得した賞の数
(主なもののみ)
個人・資産運用ビジネス
3,8294
8,204,284
26
11 (2)
24
10 (2)
13
7 (0)
個人顧客および中堅企業(ドイツ国内)
−顧客満足度指数
65
66
68
−顧客忠実度指数
65
65
70
1
1
1
資産運用(DWS)
−ユーロ/スタンダード・アンド・プアーズによる
順位 6
特別プロジェクト
iBoxx
ドイツ銀行は、デリバティブ市場の指数であるiBoxxクレジット・デフォルト・スワップ指数を
開発した国際的な投資銀行11社のうちの1社となった。
資産運用
2003年1月、インドで新たな資産運用ビジネスを立ち上げ、1年間に7本の国内ファンドを
設定、4億ユーロ以上の資金を集めた。
1
事業分離および顧客の内部異動を反映。
計算方法の変更により前年までの数字との比較は限定的。
口座数。
4 パッシブ運用ビジネスの売却を反映。
5 スカダーおよびRREEFを含む。
6「ビッグ・グループ
(Big Groups)
」のカテゴリーにおける順位。
2
3
18
従業員
高い能力と豊富な経験、そして前向きな意欲を持つ従業員
項目別データ
2003年
2002年
67,682
77,442
86,524
個人・資産運用ビジネス
54.4 %
53.6 %
50.9 %
法人・機関投資家向けビジネス
44.4 %
1
従業員
(常勤相当)
部門別
地域別
2001年
43.8 %
44.2 %
コーポレート・インベストメンツ
0.3 %
0.9 %
3.4 %
コーポレート・センター
1.5 %
1.3 %
1.3 %
ドイツ国内
44.1 %
43.7 %
47.6 %
2
欧州
(ドイツを除く)
28.7 %
27.8 %
26.8 %
北米
17.6 %
19.8 %
17.5 %
南米
0.8 %
0.8 %
0.8 %
アジア/太平洋
8.8 %
7.9 %
7.3 %
大学卒
51.0 %
49.8 %
46.1 %
高等学校卒
23.8 %
24.4 %
26.3 %
その他
25.2 %
25.8 %
27.6 %
24歳以下
7.5 %
8.7 %
10.4 %
25−34歳
35.8 %
36.8 %
37.4 %
35−44歳
33.9 %
32.4 %
30.4 %
45−54歳
18.7 %
18.0 %
17.4 %
55歳以上
4.1 %
4.1 %
4.4 %
2003年
2002年
2001年
67
67
70
転職により当行を離職する従業員の割合 4
3.8 %
3.6 %
8.0 %
幹部研修の費用
(従業員1人当たり、単位:ユーロ)3
1,298
1,506
1,590
50
53
64
33 %
30 %
最終学歴別 3
年齢別 3
主要数値
従業員コミットメント指数
研修費用
(単位:百万ユーロ)
従業員持ち株プログラムへの参加比率
–5
特別プロジェクト
全部門における体系的な能力管理
能力管理により優秀な人材の発掘・開発を促し、雇用の維持ならびに競争力
の強化を図る。
グループ全体にわたるリーダーシップ基準の導入と実施
リーダーシップ基準は、グループ全体にわたり、管理職の責任と結果を定義
する。同基準は、財務およびビジネス上の成果、遂行過程における質の維持、
ビジネス基盤の確立、指導力の各要素から構成される。
ドイツ確定給付型年金プランから確定拠出型年金
プランへの移行
対象となる従業員
(約23,000人)
の約94%が承認した確定拠出型年金プランへの
移行。
1
2
3
4
5
従業員数
(常勤相当)
は、パート従業員
(見習い、インターンを除く)
を比例調整した人員数。
アフリカの従業員若干名を含む。
従業員数
(人員数)
を基に算出。
2002年および2003年の数字は、計算方法の変更により2001年の数字との比較は不可。
2001年は、9月11日以降の株式市場の低迷により、従業員は同プログラムへの参加変更を認められた。
ドイツ銀行グループ
19
社会
グローバル規模で、文化、教育、地域の発展、持続性に注力
構成上のデータ
2003年 2002年
ドイツ銀行がビジネスを展開している国の数
(オフショアを含む)
74
主要数値
76
2003年 2002年
ドイツ銀行による支出
(単位:百万ユーロ)
寄附
34.8
50.5
スポンサーシップ 1
25.6
21.2
60.4
71.7
10.6
15.7
3.4
4.1
ドイツ銀行アルフレート・ヘールハウゼン基金「自助支援」
4.0
4.0
ドイツ銀行文化基金
2.3
3.6
その他の基金
0.7
0.7
小計
7.0
8.3
合計
67.4
80.0
小計
内訳:
ドイツ銀行アメリカ基金
ドイツ銀行シチズンシップ英国
ドイツ銀行基金による支出
(単位:百万ユーロ)
特別プロジェクト
アジア基金
「子供の未来」
2003年12月に新設。同基金を通じ、東アジアの地域社会の発展を支援。今後5年間で総額500万ユーロの
資金を、主として教育や地域プロジェクトに提供する予定。
ドイツ銀行、
ドイツ銀行バウスパールAG、SOS子供村は長期提携に合意した。
メモリアル・ファウンティン
ニューヨークのウォール・ストリート・パーク
(予定)
に
「メモリアル・ファウンティン
(記念噴水)
」
を設け、
ドイツ銀行従
業員4人を含む9月11日のテロの犠牲者を追悼する。これは、
ドイツ銀行が協力しているローワー・マンハッタン
再興支援策の一環にもなっている。
ベルリン交響楽団
ベルリン交響楽団への長期支援契約の一環として、教育プロジェクトZukunft@BPhilにもコミットしている。
美術賞
有名なワルシャワのZachetaナショナル・ギャラリー・オブ・アートとドイツ銀行ポルスカSAと協力し、
ドイツ銀行文
化基金は、ポーランドの若いアーティストのためにコンペを実施、芸術支援プログラムを拡充した。
奉仕活動
ドイツ銀行は、従業員による地域貢献が認められ、2回続けて、ロンドン市長により栄誉ある
「ドラゴン賞」
を授
与された。
国連/グローバル・コンパクト
グローバル・コンパクト原則
(人権、労働、環境)
は、
ドイツ銀行の社内方針において重要な一部となっている。
ドイツ銀行マイクロクレジット開発基金を通じて、貧困の撲滅や持続的発展の促進のために、世界16ヵ国で26
の中小金融機関を支援した。
持続性
2003年10月、ISO14001に従い環境管理システムの再認証を受ける。
詳細は
「2003年社会的責任報告書
(Corporate Social Responsibility Report)
」
を参照。
1
文化および社会のみを対象。
パフォーマンス
ドイツ銀行が推進している事業ポートフォリオやコスト基盤、リスク
管理、資本配分に関する数々の重要な変革を、投資家として高く評価している。こうし
た基本的な改革を実施することで、ドイツ銀行はより優れた成果を達成し、株主価値
を増大した。
フェデリカ・レペト Federica Repetto、ファンド・マネージャー
ネクストラ・インベストメント・マネジメントSgr、ミラノ
株主
21
2003年ドイツ銀行株価:国内外で市場平均を上回る上昇
変革が株価上昇を牽引
市場平均を上回る株価上昇 ドイツ銀行の株価は2003年に回復し、年間上昇
率はほぼ50%を記録した。これは、世界規模でビジネスを展開する総合金融機関
の株価のなかで最高の上昇率となった。また、2002年に44%下落し、2003年に
は約37%の上昇を記録したドイツ株価指数DAXと比べてもかなり高い上昇率で
あった。ドイツの株式市況は2003年、他の先進主要市場すべての市況を上回っ
株価は力強い回復へ
たが、唯一、ハイテク銘柄の比重の高い米国NASDAQ株価指数だけはドイツ市
場より力強い回復を示した。当行株価が市場平均を上回る伸びを示したのは、
新たな経営戦略への取り組みや業績の改善、株主価値増大のための自社株買
戻しプログラム、そして、特に外国人投資家の間で当行株式に対する関心が増し
たことを、市場が認知したためである。
金融市場におけるセンチメントの転換
2003年の株式市場は大きく変動した。
年初は政治や経済の不透明感が相場に影を落とし、特にイラク戦争を巡る不安
感が高まるなか、2月から3月にかけて売り圧力が強まった。なかでも、保険や金融
関連株に対する投資家の不信感は強く、こうした状況を受けて、当行株価は3月
12日に32.97ユーロの年初来安値を記録した。
ドイツ銀行株式に関する情報
2003年
投資収益の変化
50.6 %
ドイツ株式市場
(XetraおよびFrankfurt Floor Trading)
の出来高に占める割合
1日当たりの平均出来高 1
8.5 %
443万株
2003年12月31日現在
発行済株式数
581,854,246
流通株式数
(社外株式数)
565,077,163
株式資本
1,489,546,869.76ユーロ
時価総額
382.3億ユーロ
株価 2
65.70ユーロ
DAX株価指数に占める比率
9.05 %
ダウジョーンズ・ストックス50株価指数に占める比率
1.64 %
有価証券識別コード
ドイツ証券取引所
ニューヨーク証券取引所
種類
記名株式
種類
グローバル・レジスタード・シェア
記号
DBK
通貨
U.S.$
514000
記号
DB
DE0005140008
CINS
D18190898
WKN
ISIN
ロイター
1
2
オーダーブック統計
(Xetra)
Xetraの終値
DBKGn.DE
ブルームバーグ
DBK GR
年初は軟調なスタート
22
イラク戦争が予想外に早く終結したことで、世界の株式市場における緊張も緩和
に転じた。投資家の信頼が徐々に回復し、デフレ懸念が後退し、金利が歴史的
緊張は徐々に緩和
水準にまで低下するなか、数ヵ月間で投資家センチメントは好転に向かった。市場
環境の回復と四半期業績の良好な見通しに支えられ、当行株価は3ヵ月足らず
で60ユーロにまで上昇した。その後、11月末までの間、当行株価は53∼60ユー
ロのレンジ内の動きに終始した。
2003年末にかけての数週間、世界経済は一段と明るさを増した。循環的な上昇
相場への期待が高まるなか、市場センチメントは改善に向かい、割安銘柄への関
心が高まった。特に個人や中堅機関投資家の株式投資に対する信頼が高まり、
ドイツ政府の改革能力やドイツ国内の景気持続性に対する海外投資家の懸念
も薄らいだ。このように、年末にかけて投資家センチメントが明るさを増し、年初と
は様相が一変するなかで、当行株価は12月30日に、年初来最安値の2倍以上に
上昇し、66.04ユーロと年初来最高値をつけた。
長期的な投資収益
ドイツ銀行
DAX株価指数
主要銀行株価指数
1,500
1,300
1,100
900
700
500
300
100
81
83
85
87
89
1980年を100とした投資収益の指数(四半期)
出典:データストリーム
91
93
95
97
99
01
03
株主
当行株式の時価総額は、2003年末時点で382億ユーロと1年前の水準を110億
23
時価総額の増加
ユーロ上回った。世界の金融機関の時価総額ランキングでは18位に位置し、
DAX株価指数に占める比率も再び増加して、9.1%となった。市場の年間出来
高が1,446億ユーロを記録するなかで、当行株式の出来高はDAX株価指数構成
銘柄の中で4位を占め、引き続きドイツ国内で最も流動性の高い銘柄の一つと
なっている。
1980年以降のパフォーマンスは良好
長期的に見て当行株式は、絶対的
にも相対的にも魅力的な投資対象となっている。当行株式を1980年初めに
10,000ユーロ相当購入し、現金配当をすべて株式購入に充て、無償増資に応じ
魅力的な投資対象
たと想定した場合、2003年末には98,189ユーロ相当の株式を保有していること
になる。この投資による年間平均収益率は10%に相当し、DAX株価指数による
ドイツ市場の平均収益率9%を上回っている。
海外株式市場における当行株式
当行株式にとって最も重要な海外市場は
ニューヨーク市場である。ウォール街での当行株式の1取引日当たり平均出来高
は2002年に比べて約80%増加し、96,500株となった。ニューヨーク証券取引所
における当行株式の出来高は2001年10月の上場以来、着実に増加している。
米国金融市場における当行株式の人気を今後も高めていくことができると考えて
いる。
株式資本の地域別分布
第1回自社株買戻しプログラムの完了
2002年6月に発表し、4,000万株を消
却した第1回自社株買戻しプログラムは、2003年4月15日に完了した。2003年9
月4日には、同年6月の株主総会で承認を得た第2回自社株買戻しプログラムを
年末時点の比率
ドイツ
海外
55
開始した
(41ページの図参照)
。これにより、当行は、2004年9月までに発行済株
54
式総数の10%に相当する5,800万株の自社株買戻しを実施することができる。
53
53
52
買戻しはスポット取引とプット・オプションの売却を通じて実施され、その資金には、
当期利益とリスク加重調整資産の一段の圧縮による資金が充当される。こうした
50
自社株買戻しの実施にもかかわらず、コア自己資本比率は、目標とする8∼9%を
十分に満たす水準を維持している。当行は、2003年末までに、1,700万株以上
48
47
47
の自社株を1株当たり平均57.70ユーロで買戻した。自社株買戻しの状況につい
46
ては、インベスター・リレーションズ
(IR)
のホームページで定期的に公表している。
45
当行は、自社株買戻しの実施により、余剰資本を株主に還元し、株主資本利益
率と1株当たり利益の改善を図る意向である。
40
00
01
02
03
24
株主構成
当行は、50万人を超える株主を持つドイツ最大級の公開企業である。
当行はまた、国際市場においても確固たる地位を築いている。外国人の持株比
率は2003年末時点で53%であり、前年比で7%の上昇となった。特に注目すべ
きは、米国および英国の投資家による持株比率が上昇している点である。米国
高まる外国人持株比率
および英国投資家による当行株式保有比率は、2002年末時点には共に8%の
水準であったが、2003年末には各々11%および12%となった。ニューヨーク証券
取引所への上場やグローバル企業としての基盤強化に向けた当行の努力は実
を結び始めている。
ドイツ証券取引法21条に基づき、5%以上の株式を保有する株主は報告義務
を負うが、これに相当する当行株主は存在しない。スペインの貯蓄銀行である
ラ・カイシャ
(LaCaixa)
が、自らの報告書の中で、2003年末時点でドイツ銀行株式
の3.8%を保有していることを明らかにしている。
株主総会への参加の増加
2003年6月9日にフランクフルト、フェストハレで開催
された株主総会には、前年の水準を3%上回る38.8%の議決権が行使された。
これに対して、出席した株主数は前年より1,000人少ない5,500人であった。
議決権行使割合が増えた一因は、機関投資家の議決権行使が容易になった
ことにある。株主総会では、利便性の高いインターネットの活用が増加し、株主
は初めて株主総会関連書類の電子送付のための登録が可能となった。株主総
会における反対提案は、法令上の要請に従い、すべてインターネットで遅滞なく
公表された。
株主総会における議決権行使
ヨゼフ・アッカーマン取締役会会長兼グループ経営執行委員会会長は、例年ど
株主資本に占める比率 (%)
おり事業概況について報告した後、収益拡大への注力を掲げた第2段階目の経
40
39
営戦略を発表した。その後、株主と経営陣との間で活発な意見交換がなされ、
最後に株主はすべての議題について賛成多数で承認し、総会は終了した。
38
信頼の構築
36
2003年決算期の全般的な基調として、証券市場に対する信頼
が徐々に回復したことがあげられる。こうしたなか、当行IRチームは、株主とアナリ
35
34
ストに対し、情報開示を適時に継続して行った。インターネットや無料株主ホット
ラインを通じた情報に対し、個人投資家から高い関心が寄せられている。多数の
個別対応やブローカー会議、電話会議、国際ロードショーの開催を通じて投資
32
家やアナリストからの質問に応えた。これら多くの場合においては、当社経営陣
も参加した。
30
99
00
01
02
03
株主
2003年の財務広報活動のハイライトとしては、9月にロンドンおよびニューヨークで
開催した
「インベスター・デイ」
が挙げられる。このなかで、ヨゼフ・アッカーマン取締
役会会長兼グループ経営執行委員会会長とクレメンス・ベルジッヒ チーフ・フィナ
ンシャル・オフィサー兼チーフ・リスク・オフィサーは、グループ戦略ならびにリスク
25
株式資本の分布
5億8,190万株
(2003年末時点)
保険会社、
投資信託会社
17 %
および資本管理の概要について説明した。加えて、各ビジネス部門の統括責任
給与所得者、
年金受給者
者が、ビジネスの現状と今後の見通しについて、多数の専門家に向けて見解を述
9%
べた。また、このインベスター・デイでは、株主資本利益率(税引前)25%の達
その他個人
成や、2004年の営業費用の165億ユーロ未満への削減など、当行の主要な目
9%
標を再確認した。2003年に開催した株主およびアナリスト向けミーティングはすべ
てインターネットを通じて生中継され、一般投資家にもアクセスを可能にした。こう
した会合の再放映も、インターネットを通じて見ることができるようになっている。
債券投資家からの質問が増加するなか、これに対してより適切に対応するため、
当行IRチームは、2003年にサービスの拡充を図った。さらに、債券保有者や借り
手としての当行のクレジットを審査する格付機関に対しては、株主に対するのと同
様に、個別ニーズに応じた情報の提供も行っている。資本市場において重要性
を増しているこうした債券投資家層からの反応は、概して好意的である。
増配の提案
その他機関投資家
および法人
65 %
2004年6月2日に開催される株主総会で、当行は、2003年度の配
当を0.20ユーロ増加し、1.50ユーロとする提案を行う予定である。この増配は、
2003年の業績改善の株主への還元であると同時に、今後数年間にわたる業績
改善への自信の表れでもある。
増配の提案
顧客志向
当社が顧客へのサービスの質に誇りをもっているように、ドイツ銀行もキャッシュ・マネジメン
トのサービスにおいて、市場から高い評価を受け、強いコミットメントを有している。この事こそが、当社が
ドイツ銀行を選んだ理由である。ドイツ銀行の熱意は、特に欧州で最高水準のキャッシュ・マネジメント・
ソリューションを築き、実行し、提供しようとする意欲に支えられている。
ネイル・キング Neil King ザ・カーフォン・ウェアハウス・グループ PLC、
グループ財務取締役、ロンドン
顧客
27
法人・機関投資家向けビジネス
グローバルな主要投資銀行としての地位をさらに強化
法人・機関投資家向けビジネス
(CIB)
は、多くのビジネス分野でリーダーシップを発
リーダーシップの発揮
揮し、グローバルな投資銀行としての地位をさらに強化した。株式市場は力強い
回復の兆しを見せたものの、市場環境は引き続き不安定であったなかで、当行は
実績を挙げた。このことは市場でも高く評価され、IFR誌から栄誉ある
「バンク・
オブ・ザ・イヤー
(最優秀銀行)
」
を受賞した。当行は、債券および株式市場で圧倒
的な強みを発揮し、セールスおよびトレーディングの純収益では世界トップとなった。
デリバティブや転換社債の分野でも世界の市場で主導的な役割を果たし、高く
評価されている。コーポレート・ファイナンスでは、欧州とアメリカ地域
(北/中/南米)
で引き続き市場シェアを伸ばした。
グローバル・マーケッツ:
米国政府機関債引受けシェア
(%)
12
コーポレート・バンキング・アンド・セキュリティーズ
10
10
10
コーポレート・バンキング・アンド・セキュリティーズは、グローバル・マーケッツ、
グローバル・エクイティ、グローバル・コーポレート・ファイナンスおよびグロー
5
3
バル・バンキングによって構成されている。
0
グローバル・マーケッツ
(債券・為替業務)外国為替、マネー・マーケット、レポ、
00
01
02
政府/政府機関/投資適格債券、新興市場、デリバティブ/店頭デリバティブ、コモ
ディティーズ、仕組み商品、証券化におけるオリジネーション、
トレーディング、セール
スおよびリサーチ業務を行っている。
2003年のグローバル・マーケッツは、特に下期に厳しい市場環境が続いたにもか
かわらず、増収を達成し、多くの商品分野で主導的な地位を強化した。引き続き
顧客重視のビジネス・モデルを徹底し、総収益の約85%を法人・機関投資家との
2003年度税引前利益
CIBの2003年度税引前利益は、前年比で数倍以上の増益となり35億ユーロを達成した。一方、純収
益は、
ドル安(対ユーロ)
の影響を受けたにもかかわらず、前年比4億ユーロ増加し、142億ユーロと
なった。こうした好業績には、債券および株式のセールス/トレーディングからの収益が大きく貢献して
いる。コスト削減への取り組みが奏効し、非利子費用は13億ユーロ減少した。貸倒引当金は、
リスク管理の徹底と貸出しの質の改善を受けて前年の半分以下に減少し、7億ユーロを計上した。
法人・機関投資家向けビジネス部門 1
単位:百万ユーロ
純収益
2003年
2002年
14,180
13,776
貸倒引当金
707
1,742
非利子費用
9,946
11,259
税引前利益
3,527
774
株主資本利益率
(%)
25
5
リスク加重調整済ポジション
(BIS)
137,615
155,160
資産
681,722
642,127
1
注記およびその他詳細については、2003年フィナンシャル・リポート
(マネジメント・リポート)
を参照。
出典:トムソンファイナンシャル
03
28
グローバル・マーケッツ:
クレジット・デリバティブのトレーディング
ビジネスで占めた。一方、自己取引に関しては計画的に行い、限定的な取引に
留めた。投資適格債券およびモーゲージ担保証券に関しては、特に米国の機関
2000年を100とするクレジット・デフォルト・
スワップにおける新規取扱高の純増指数
投資家とのビジネスが拡大した。2003年、当行は、米国投資家から米国債の
トップ・
トレーダーに選ばれた。また、外国為替サーベイにおいても金融専門紙か
503
500
400
ら複数の賞を受賞した。
仕組み商品部門では目覚しい増収を達成し、特に、クレジット、金利、外国為替
の各デリバティブ業務で大幅な増収となった。当行は、引き続き同業務で強みを
300
268
200
100
100
0
01
2003年には、デリバティブの手法を不動産やプライベート・エクイティ、プロジェ
クト・ファイナンスの分野でも取り入れた。一方、当行は、ユーロ建て債券の引受
155
00
発揮し、ユーロマネー誌およびデリバティブ・ウィーク誌からそれぞれ賞を獲得した。
02
けで再度主導的な地位を占めたほか、国際債券の引受けでは常に上位2位以内
に位置し、米国市場における投資適格債券の引受けでは上位7位を占めた。
当行の債券市場における強固な事業基盤は、2003年の各種ランキングの結果
03
にも反映されている。特に、ユーロマネー誌の資金調達ポールで第1位に選ばれ
たことや、IFR誌から2003年の「ボンド・ハウス・オブ・ザ・イヤー
(債券部門最優秀
投資銀行)
」
を受賞したことは注目に値する。
2003年、当行は、iBoxxクレジット・デフォルト・スワップ指数の導入や経済統計
にデリバティブを導入するなど、市場において先駆的な役割を果たした。
グローバル・エクイティ
(株式業務)グローバル・エクイティは、現物株式、転換
社債、株式デリバティブ、プライム・サービス、プログラム・
トレーディング、仕組み商
品のセールス/トレーディング、リサーチで構成されている。
2003年第2四半期に株式市場は回復の兆しを見せたが、こうしたなか当行は、
グローバル・エクイティ:ドイツにおける
リテール・デリバティブ ※ の市場シェア
2003年も世界の株式市場において業務基盤を強化し、上位2位に位置するグロ
(%)
ーバル・プレイヤーとなっている。2003年の株価指数は3年振りに上昇を示し、
38
39
40
30
20
18
10
0
01
02
※
ワラントおよび短期債
出典:ドイツ取引所
03
売買高は堅調に推移した。当行は、株式関連商品やサービスにおいて主導的地
位を強化し、転換社債、株式デリバティブ、プライム・サービス、プログラム・
トレー
ディングからの収益は、グローバル・エクイティの総収益の50%を超えた。IFR誌
から、2003年の
「エクイティ・デリバティブ・ハウス・オブ・ザ・イヤー
(株式デリバティブ
部門最優秀投資銀行)
」および「ヨーロピアン・エクイティ・リンクト・ハウス・オブ・
ザ・イヤー
(欧州株式関連部門最優秀投資銀行)
」
に選ばれた。
当行は、プログラム・
トレーディングの分野でもグローバル規模で強みを発揮し、
インスティテューショナル・インベスター誌から欧州市場で第1位、米国市場におい
ても引き続き上位にランクされた。また、プライム・サービスでは、グローバル・カス
トディアン誌より上位3位にランクされた。
グローバル・
トランジション・マネジメント・ビジネス
(年金戦略ビジネス)
においては、
プログラム・
トレーディングの業務基盤を効果的に活用することで、2003年最大規
顧客
模となる案件を幾つか獲得した。そのうちの一つは、あるソブリン物の投資ファンド
が保有していた4億株強、総額90億ユーロを、3日間で10社におよぶ投資運用機
関に移行するという複雑な案件であった。当行は、同ビジネスで、グローバル・イン
ベスター誌の調査による9つのカテゴリーのうち、8つで第1位にランクされた。
29
グローバル・エクイティ:
欧州の株式トレーディングにおける市場シェア
(%)
2002
2003
当行は、引き続き株式業務全般において欧州で主導的な地位を占めているが、
30
29
特に、欧州最大の市場であるドイツと英国では、各々、29%と15%の市場シェア
を占め、市場を席巻している。欧州株式リサーチは、2つの定評ある調査で共に
第3位にランクされた。
アジア/太平洋地域では、初めて証券会社上位5社の一角を占めた。日本にお
20
14 15
17
14 15
13 13
10
ける株式リサーチは、2003年、インスティテューショナル・インベスター誌より
第3位にランクされたほか、日経金融新聞では外資系証券会社の中でトップに
0
ランクされた。
当行は、2003年のインスティテューショナル・インベスター誌によるグローバル・
リサーチ・サーベイで第4位にランクされた。
EU
ドイツ
出典:Autex
グローバル・コーポレート・ファイナンス
(投資銀行業務)グローバル・コーポ
レート・ファイナンスは、コーポレート・バンキング・アンド・セキュリティーズの全ビジ
ネスに関わる顧客カバレッジ、M&Aアドバイザリー、株式資本市場、クレジット・
トレーディング、デット・プロダクツで構成されている。
2003年、コーポレート・ファイナンスは、収益が力強い伸びを示し、また市場
シェアも着実に拡大する一方、引き続き徹底したコスト管理に取り組んだ。
世界のM&A市場の成長は僅かにとどまったが、当行は世界市場で注目された
注目案件への
案件で主導的役割を果たした。特に注目されるクロスボーダー案件としては、
アドバイザリー
世界をリードするエネルギー/電力会社の案件や欧州大手通信会社に関わる
案件が挙げられる。
アジア/太平洋地域では、M&Aリーグ・テーブル
(公表ベース)
で初めて第1位を占
めた。当行は、同地域最大規模の案件で主導的な役割を果たし、このなかには、
日本の金融機関の事業再編やニュージーランドで過去最大規模となったM&A案
件
(英国金融機関側のアドバイザー)
、中国の電力会社による国外初の大型買
収案件などが含まれている。
競争が激化しているドイツ国内市場においても、当行は、株式資本市場および
M&Aビジネスでトップの地位を維持した。M&Aビジネスでは30%近くの市場シェ
アを占め、ユーロマネー誌からドイツにおける「ベスト・バンク
(最優秀銀行)
」に選
ドイツにおける
ばれた。
「ベスト・バンク」
2003年、当行は欧州における株式資本市場ビジネスでも躍進を遂げた。新株引
受権発行の引受けで第1位を占めたほか、欧州最大規模となった転換社債発行
案件など、株式関連分野でも主要な案件を手掛けた。これにより、当行は、IFR
英国
フランス
30
誌より株式関連商品部門で第1位に選ばれた。
グローバル・コーポレート・ファイナンス:
欧州株式資本市場における市場シェア ※
株式新規公開
(IPO)
市場は低調に推移したが、当行は、2003年最大規模となっ
(%)
た中国保険会社によるIPO案件でアドバイザーを務めたのをはじめとして、成功を
16
15
収めた多くのIPO案件において主要な役割を果たした。当行が担当した英国の
電力会社による案件は、
「グローバルIPOオブ・ザ・イヤー
(最優秀グローバルIPO
12
10
案件)
」
に選ばれた。
米国および欧州では、ハイ・イールド債ビジネスで目覚しい成長を遂げた。欧州
7
5
では21%を超える圧倒的な市場シェアを占め、2003年の「欧州ハイ・イールド・
ボンド・ハウス・オブ・ザ・イヤー
(欧州ハイ・イールド債部門最優秀投資銀行)
」に
0
01
02
03
※
株式および株式関連証券(新株引受権を含む)発行
選ばれた。当行は、また、欧州企業による初の株式、ハイー・イールド債、シンジ
ケート・ローンの同時発行案件でも主導的な役割を果たした。一方、不良債権
関連ビジネスでは記録的なトレーディング収益をあげた。
2003年、当行は、商業用モーゲージ担保証券の引受けでも、引き続きグローバ
ル市場での強みを発揮した。さらに、不動産投資銀行ビジネスでも躍進を続け、
不動産関連ファイナンス案件の規模と仕組み
(ストラクチャリング)
が高く評価され、
2003年の
「セキュリタイゼーション・ディール・オブ・ザ・イヤー
(最優秀証券化案件)
」
を受賞した。
グローバル・バンキング リレーションシップ・マネジメント・チームを通じて、多国
籍企業や金融機関、
ドイツ国内中堅企業の顧客カバレッジに注力した。リレーシ
ョンシップ・マネジメント・チームは、窓口を一本化することで、あらゆる商品やサー
ビスの提供を行い、市場における当行の地位を確固としたものにしている。また、
他部門との連携を緊密にすることで、個々の顧客ニーズに適した幅広い金融ソリ
ューションを提供できる体制を整えている。
全方位的アプローチ
当行の顧客へのこの全方位的なアプローチは、顧客から高い評価を得ている。
独立系調査機関による業界調査で、当行は、主要顧客である金融機関から
トップ・リレーションシップ・プロバイダーに選ばれた。グローバル企業を対象とした
調査
(主要顧客である2,500社とその子会社で構成)
では、欧州で第1位、アジ
ア/太平洋地域で第2位、アメリカ地域
(北/中/南米)
で第4位にランクされた。
2003年、リース事業を統合し、欧州および米国においてアセット・ファイナンス・
アンド・リース・プロダクト事業を立ち上げた。これにより、アドバイザリーや不動産
リースの組成をはじめ、プロジェクトや資産買収に関するファイナンス・サービスを
提供している。
顧客
グローバル・トランザクション・バンキング
グローバル・
トランザクション・バンキングは、グローバル・キャッシュ・マネジメント、
31
グローバル・トランザクション・バンキング:
発行および支払代理人としての市場シェア
(%)新規ビジネス(プログラム)
2001
2002
2003
貿易金融
(グローバル・
トレード・ファイナンス)
、法人信託サービス
(トラスト・アンド・
セキュリティーズ・サービス)
で構成されている。
グローバル・キャッシュ・マネジメント
41
35
同ビジネスは、2003年、欧州で主導的
40
35
34
32
地位を固めたほか、アジアでは上位3位を維持、米国における地位も改善した。
30
30
金融機関を対象としたサービスでは、ユーロ建て決済で再度圧倒的地位を占め、
25
24
ドル決済においては上位4位にランクされた。
当行は、処理効率の上昇を図るため、IT
(情報技術)
への大幅投資を実施し、
20
幾つかの新規案件を獲得した。
15
当行は、3つの金融専門誌から、欧州における
「ベスト・キャッシュ・マネジメント・
10
バンク
(キャッシュ・マネジメント部門最優秀銀行)
」に選ばれたほか、ある調査で
MTN
は、アジアにおける
「ベスト・オーバーオール・コレスポンデント・バンキング・サー
1
ビス・プロバイダー
(包括的コルレス銀行サービス部門最優秀プロバイダー)
」に
1
選ばれた。
2
ユーロ・ミディアム・ターム・ノート
ユーロ・コマーシャル・ペーパー
出典:Dealogic
貿易金融
当行が扱う貿易および輸出金融業務をすべて統括する。2003年は
欧州で引き続き主導的な地位を維持した。とりわけ、1998年以降ロシア最大規
模となったシンジケート・ローンの組成で主要な役割を演じた。
貿易金融誌により、2年続けて
「ベスト・
トレード・
ドキュメンテーション・バンク
(貿易
金融契約等事務手続きにおける最優秀銀行)
」
および「ベスト・ショートターム・
トレ
ード・ファイナンス・バンク
(短期貿易金融部門最優秀銀行)
」
に選ばれた。また、
別の雑誌の投票では、インターネットを通じての貿易金融サービスを提供する金
融機関のトップに選ばれた。また、貿易金融ローンの多くの案件でリード・アレン
ジャーに選ばれている。
法人信託サービス
法人信託サービスは、債券/株式取引に関連した各種管理
サービスを提供する。この中には、2003年に注力した国内カストディー
(証券
保管)
・ビジネスも含まれる。当行は、2003年初旬にグローバル
(国際)
・カスト
ディー・ビジネスを売却後、年末にかけてドレスナー銀行との間で同行からドイツの
機関投資家を対象としたカストディー・ビジネスを買収することで合意したが、これ
国内カストディー・
も国内カストディー・ビジネスに注力する戦略の一環である。
ビジネスへの注力
当行は法人信託サービスで強い業務基盤を築いており、米国およびユーロにお
ける資産担保付証券の受託業務で第1位、グローバルCDO
(債務担保証券)
受
託業務で第2位にランクされている。2003年、当行は、ユーロ・ミディアム・ターム・
ノートおよびユーロ・コマーシャル・ペーパー・プログラムの新規設定において発行
および支払い代理人として主導的な地位を確立した。さらに、国内カストディー・
ビジネスでは、グローバル・カストディアン誌によるエージェント・バンク・レビューで、
23のうち18の市場で
「トップクラス」
あるいは
「推奨に値する」
金融機関に選ばれた。
CP
2
信頼性
スペイン人は一般に情熱的であると見られている。もちろん、これは一般論であり、
そうでない人もいる。しかし、私個人としては、情熱というコンセプトを標榜する銀行との取引が
気に入っている。なにより重要なことは、ドイツ銀行と日頃接する際、私は日々彼らの情熱を感
じる。そしてこの情熱は、私にとって、同行の真摯な取組み、信頼、強さを意味する。
アラセリ・マンザノ Araceli Manzano
建築家、バルセロナ
顧客
33
個人・資産運用ビジネス
戦略的再編により着実に前進
個人・資産運用ビジネス
(PCAM)
は2002年後半に再編され、資産運用および
ウェルス・マネージメント・ビジネスと個人顧客および中堅企業向けビジネスの2
成長に向けた体制
つで構成されている。PCAMの運用資産総額は8,720億ユーロにおよび、世界
でも有数の資産運用会社の一つとなっている。2003年、多様な経営戦略上の
課題に取り組んだことにより、より高い収益力とビジネス規模拡大に向けた基
盤を整えた。
資産運用およびウェルス・マネージメント
資産運用ビジネスとプライベート・ウェルス・マネージメント・ビジネスで構成され
ている。
資産運用ビジネス
(AM)
は、2003年、顧客サービスの改善、商品群の拡大、
資産運用:運用資産の商品構成
総額5,670億ユーロ(2003年末時点)
運用成績の向上に注力した。
当行の子会社で欧州における投資信託会社のマーケット・リーダーであるDWSは、
オルタナティブ投資
(不動産を含む)
9%
スタンダード・アンド・プアーズから9年連続してドイツで最も優れた大手投資信託
個人投資家向け
ファンド
会社に選ばれた。特に2003年後半に資金流入が増加した結果、
ドイツにおける
35 %
市場シェアは25%に達して圧倒的な地位を占め、また、イタリア、スペイン、英国の
各市場においても引き続き成長した。欧州全域にわたって大手銀行と販売契約
を締結したことが、DWSのファンド販売に貢献している。
2003年度税引前利益
PCAMの2003年度税引前利益は12億ユーロを計上した。減収の主な要因としては、2002年に保険ビ
ジネスを売却したことが挙げられる。非利子費用は67億ユーロに減少した。個人顧客および中堅企業
向けビジネスにおいて退職金支払いが増加したにもかかわらず、2003年に完了した組織再編が費用削
減に寄与した。前年より高い貸倒引当金の計上
(3億ユーロ)
は、2003年のドイツ国内の経済環境が
厳しいものであったことを反映している。
個人・資産運用ビジネス 1
単位:百万ユーロ
2003年
2002年
8,226
9,518
貸倒引当金
321
223
非利子費用
6,734
8,080
税引前利益
1,172
1,215
純収益
機関投資家向けファンド
56 %
34
資産運用:運用資産の地域別内訳
スカダー・インベストメンツ
(米国における個人投資家向け資産運用部門)
は、
総額5,670億ユーロ(2003年末時点)
2003年、アメリカ地域
(北/中/南米)
における資産運用ビジネスの成功に大きく貢
献した。同部門は、
アドバイザーを活用した販売チャネルの拡大に注力した結果、
アメリカ地域(北/中/南米)
40 %
販売が大幅に伸びた。インベストメント・カンパニー・インスティチュート
(ICI)
に
欧州
54 %
よると、長期の新規販売額は、2002年の56億ドルから2003年には64億ドルに
14%増加した。また、ストラテジック・インサイトによれば、大手40社を対象とした
長期純資金流入ランキングで、スカダー・インベストメンツは2002年末の32位か
ら2003年末には23位に上昇した。さらに、顧客コンタクト・サービス・センターは、
複数の業界調査で賞を受賞した。
米国における機関投資家向け資産運用ビジネスでは、引き続き顧客の投資ニー
ズに適した革新的な商品の提供を続けている。株式、債券、キャッシュをはじめ、
ヘッジファンドやプライベート・エクイティ、不動産投資証券といったオルタナティブ
アジア/太平洋地域
6%
投資など多彩な商品を、事業法人や金融機関、年金基金、非営利団体など幅
広い顧客に提供している。米国における保険会社の資産運用に関しては、第3者
による運用委託会社として最大規模となった。
アジア/太平洋地域では、外注や人員調整によりコストを削減する一方で、多数
の重要な新規顧客を獲得した。個人顧客向けビジネスでは、新規商品の導入が
成功を収め、成長の勢いを後押しした。インドでは、新たに資産運用ビジネスを開
始し、2003年を通じて7本の国内ファンドを設定、年末時点で4億ユーロ以上の
資金を集めた。この結果、インド国内で2番目に急速な成長を遂げた資産運用
会社となった。
当行のグローバルなヘッジファンド運用部門であるDBアブソルート・リターン・ストラ
テジーズ
(DB ARS)
は、2003年、顧客からの資金流入とファンドの良好なパフォー
マンスにより高成長を達成した。DB ARSは、47億ドルを超える運用資産をもち、
上位20社にランクされるヘッジファンドとなっている。米国、欧州、アジアで顧客
口座数が大幅に増え、2003年には16億ドルの新規資金を獲得した。2003年末
ヘッジファンドの成功
時点における当行の運用資産総額は85億ドルを超えているが、そのうち38億
ドルは、証券などの金融商品に直接投資する単一マネージャーによるヘッジファ
ンドである。
不動産投資運用ビジネスの運用資産総額は、2003年末時点で466億ユーロを
超えた。当行は、RREEFを通じて、米国のREIT
(不動産投資信託)
に投資する
投資信託を日本でも設定した。また、オーストラリアでは、フィーダー・ファンドが
RREEFのアメリカIIおよびセキュリティーズ・ファンドに投資した。
顧客
35
当行の米国不動産投資顧問会社であるRREEFは、2003年に新たに52の機関
不動産投資運用
投資家の顧客を獲得し、運用資産額は210億ドルに増大した。ドイツを拠点とす
ビジネスの拡大
るグルンドベジッツ・インベスト・ファンドは、各地域に根差した高いノウハウを活用
することで、東京とロサンゼルスのオフィスビルに投資した。
2003年12月、当行は機関投資家と個人富裕層を対象とした12億ドルにのぼる
グローバル・リアル・エステート・オポチュニティーズ・ファンドを販売した。これは、
同種のファンドの中では過去最大規模のグローバル・ファンドの一つであり、当行
の高い専門性と販売力の強さを示す案件となった。
プライベート・ウェルス・マネージメント
(PWM)
は、世界中の個人富裕層や
その家族、特定の法人顧客の個別ニーズに応えたサービスを提供している。
2003年12月には、常に高い水準を要求する顧客に対応したビジネスモデルを
要求水準の高い顧客
改善し、幅広い商品やサービスを総合的に提供できる体制を整えた。こうした動
きは、世界主要国の富裕層から信頼されるアドバイザーでありたいという当行の
意欲の表れである。
PWMは、顧客に対して、銀行、投資運用、アドバイザリー、信託の各業務にお
いて、質の高い独自のソリューションを提供している。いかなる場合でも、誠実
かつ公正で、徹底した守秘義務に裏付けられた運用実績を提供し、また、
ドイツ
銀行グループの幅広いネットワークやノウハウを活用することで顧客サービスの
拡充を図っている。
プライベート・ウェルス・マネージメント:
運用資産の地域別内訳
総額1,620億ユーロ(2003年末時点)
ドイツ
23 %
アジア/太平洋
6%
PWMの世界運用資産額は2003年末時点で1,620億ユーロであった
(2002年末
は1,550億ユーロ)
。リュート・ブラス・アンド・ツィエAG買収による顧客からの純資
金流入や、組織の再編、堅調な相場展開が奏効したが、一方で、ユーロに対して
ドルが軟調な展開となったため、為替相場の影響はマイナスに作用した。
PWMは2003年にグローバルな組織再編を行った。これにより、まず第1に、
グローバル・マーケッツ、グローバル・エクイティ、コーポレート・ファイナンス、
資産運用部門との連携を強め、最高水準の商品を求める顧客ニーズに応える
米国
体制を強化した。また、第3者が提供する質の高い商品をラインナップに加え
41 %
ることで、商品の幅を拡大した。第2に、グローバル規模で投資プロセスを刷新し、
運用成績の改善を図った。第3に、グローバルに活用できるITアプリケーションを
顧客カバレッジに用いることで、事務処理を簡略化し、コストの削減、質の向上、
欧州(ドイツを除く)
中東
中南米
処理時間の短縮を促進した。
30 %
36
リレーションシップ・マネジャーは、顧客の窓口として機能しているが、彼らを各
商品・ビジネス分野の専門家がバックアップしている。リレーションシップ・マネ
ジメントを重視した顧客サービスは、当行のPWMビジネスの中核を成しており、
こうした経営哲学は特に、ドイツ国内で好評で、新規の主要顧客獲得につな
米国における2つの
がった。米国内においては、2つのビジネスモデルに基づいたサービスを提供
ビジネス・モデル
している。1つは、自らの目標や目的を明確に理解してくれるポートフォリオ・
マネジャーに、財務・金融上の運営・管理を委託することを希望する、富裕層の
ニーズに応えたモデルである。もう1つは、アドバイスは受けるが投資の意思決
定は自ら行うアクティブ投資家のニーズに応えたもので、これについては、証券
業務のビジネスモデルを有するDBアレックス・ブラウン・プライベート・クライア
ント・サービシズ(PCS)
を通じてサービスを提供している。
PWMは、2003年、海外におけるビジネスを強化した。スイスでは、リュート・
ブラス・アンド・ツィエAG買収後も同社の顧客を維持し、特に超富裕層向けのビ
海外における事業の拡張
ジネスで主導的な地位を築いた。また、中・東欧地域にも事業基盤を拡張した
一方、2003年夏にはモスクワにもオフィスを開設した。中南米では、困難な市場
環境を考慮すると、ビジネスは非常に満足すべき展開を示し、中東地域でも既存
顧客および新規顧客からの資金流入が力強い拡大を見せた。
PWMは、高成長が期待されるアジア市場においても事業基盤を拡大している。
当行は、独自のサービス精神と幅広い商品を有しており、これは、アジアにおける
富裕層の多様なニーズに応えるうえで強力な基盤となっている。
個人顧客および中堅企業向けビジネス:
顧客とのコンタクト
個人顧客および中堅企業向けビジネス
1億2,500万回
(2003年)
2003年、当行は、欧州全域における個人や中堅企業を対象とした全ビジネスを、
対面
40%
個人顧客および中堅企業向けビジネス
(PBC)
のもとに統括した。これにより、
オンライン
40%
中核市場のドイツ、スペイン、イタリアを含む欧州7ヵ国において、
ドイツ銀行の統
一ブランドと一貫した経営のもとでサービスや商品を提供できる体制が整った。
欧州における当行の顧客数は1,300万人を超え、取扱い高は約2,300億ユーロ
にのぼっている。個人顧客との対面コンタクトは毎年約5,000万回、電話でのコ
ンタクトは2,500万回にのぼる一方、オンラインによるものも5,000万回になった。
また、顧客からの要望により約1,200人のアドバイザーが家庭を訪問し、サービス
の提供に務めている。
電話
20 %
顧客
一本化した窓口を通じて、8つの魅力ある顧客グループに包括的なアドバイスや
幅広いサービスを提供することが、当行のビジネスモデルの中核となっている。
37
個人顧客および中堅企業向けビジネス:
顧客の地域別内訳
顧客総数1,300万人(2003年末時点)
当行は、顧客のライフステージに合わせて金融ソリューションを個別に開発し、
提供している。
スペイン
5%
その他
市場シェアを高めるには、強力な販売網が必要である。当行は、2003年に、
1%
約1,300ヵ所
(うちドイツ国内は770ヵ所)
のインベストメント・アンド・フィナンシャ
ル・センターで構成される支店ネットワークの近代化を図り、全拠点で、新たに統
合されたチームが、商品やサービスの提供に務めた。この新設チームは、すべての
顧客層に対して責任を共有し、あらゆる商品やサービスを網羅する。こうした体制
をとることで、一人の顧客に対して販売する商品数の増加が可能になった。
営業担当者の事務作業を軽減し、効率の向上を図るため、業務サービス部門の
合理化と内部手続きの簡素化を推進した。
ドイツ
顧客は、現在、高い専門性に裏付けられた包括的なアドバイスを求めている。
当行は、こうした顧客ニーズに応えるため、革新的なアドバイザリー・プログラム
である
「DBフィナンシャル・アンド・アセット・プラニング」
を開発した。本プログラ
ムにより、顧客の個別ニーズに適した明確な財務分析を行い、個人やビジネス
の状況を考慮に入れた個別財務プランの策定が可能になった。
2003年、当行は国際的な資産運用会社7社と提携し、運用アドバイスと同時に
広範で質の高い投資ファンドの提供が可能になった。
ドイツ国内850ヵ所に、文字認識機能を有する新世代の端末機を設置し、顧客
による日常の支払いの利便性を大幅に高めた。この機能は、既に一部の現金
預金・払戻し機にも適用されている。
当行は、2003年に個人顧客および中堅企業向けビジネスの経営戦略に沿った
再編を完了した。これにより、商品の幅を広げ、コストの削減を図ると同時に、
将来に向けた成長への基盤を築いた。同ビジネスは今後も引き続き増収増益
を達成できるものと確信している。
65 %
イタリア
29 %
斬新なアイデア
当社の資金調達ニーズに適した革新的なサービスの提
供には、ドイツ銀行の高い専門性が不可欠である。当社のビジネスへの深
い理解が、ダイナミックに変化する資本市場で十分に通用する革新的な
サービスの提供につながっている。
ダン・ベルス Dan Berce
アメリクレジット社長、フォートワース
顧客
39
コーポレート・インベストメンツ
投資の圧縮を継続
コーポレート・インベストメンツは、事業会社の株式保有
(DBインベスター)
、プラ
イベート・エクイティ投資
(プライベート・エクイティ、ファンドおよびベンチャー・キャピ
タルへの直接投資を含む)
に加えて、当行保有の不動産を含むその他の投資で
構成されている。2003年末時点で、投資資産総額
(グループ内の投資を除く)
は
182億ユーロに達する。その内訳は、99億ユーロがDBインベスター関連、22億
ユーロがプライベート・エクイティ投資、61億ユーロがその他の投資
(ユーロヒポ
AGやアトラディアス B.V.への投資を含む)
となっている。
当行は2002年に中核事業への注力と非戦略的な保有資産の圧縮を決定・
中核ビジネスへの注力
実施したが、2003年も引き続きこの方針に従った。例えば、プライベート・エクイ
ティ・ポートフォリオの大半をマネジメント・バイアウト方式で分離したり、直接投資
や証券化ファンドへの投資を売却することで、プライベート・エクイティ・ポート
フォリオの圧縮を進めた。さらに、上場企業の保有株式を圧縮し、当行自身が大
半を使用していた欧州の多数のオフィスやビルを売却した。
DBインベスターは、
ドイツ銀行グループが保有する上場事業会社株式の保有・
保有する事業会社株式
運用を行っている。当行は2003年も引き続きポートフォリオの圧縮を続け、保有
の減少
するmgテクノロジーズAGとハイデルベルク・セメントAGの株式すべてを売却した
一方、アリアンツAGの持株比率を3.2%から2.5%に、
ドイツAGの持株比率を
25.9%から10.5%に引き下げた。2003年末時点の時価ベースによる保有株式
の上位3社は、ダイムラークライスラーAG
(11.8%)
、アリアンツAG
(2.5%)
、リンデ
AG
(10.0%)
となっている。
2003年度税引前利益
コーポレート・インベストメンツは、2003年も引き続き中核ビジネスに不要な投資を売却・解消する戦略
を実践した。2003年の純収益には、短期目的以外の株式投資による損失、ビジネスの分離・売却、
ビルの売却、ゲーリンク・グループ株式の全額消却に関連する費用が含まれている。同時に、2002年
とは異なり、保有する事業会社株式からの売却益はほとんどなかった。非利子費用を5億ユーロ圧縮し
て8億ユーロとしたことで、純損失は17億ユーロにとどまった。
コーポレート・インベストメンツ 1
単位:百万ユーロ
純収益
2003年
(916)
2002年
3,000
貸倒引当金
35
144
非利子費用
763
1,293
税引前利益
資本利益率
(%)
(1,714)
(33)
1,563
24
リスク加重調整済ポジション
(BIS)
13,019
19,219
資産
18,987
26,536
1
注記およびその他の詳細については、2003年フィナンシャル・リポート
(マネジメント・リポート)
参照。
40
保有事業会社株式の動向
プライベート・エクイティへの投資も引き続き圧縮した。2003年2月にはDBキャ
コストベース(十億ユーロ、年末時点)
ピタル・パートナーズの元経営陣に、当行の保有する上場間近
(レイトステージ)
のプライベート・エクイティの大半を15億ユーロで売却した。しかし、当行は、依然
6.1
6
5.1
として同ポートフォリオの20%を保有している。ドイツ国内では、第3四半期初頭に
テレ・コロンバスGmbHとテレ・コロンバス・オストGmbH
(旧SMATコムGmbH)
の
4.6
4
持分株式をBCパートナーズに売却した。その他にも、小規模なプライベート・エク
イティへの投資を分離した。
2
米国では、2003年、プライベート・エクイティ・ファンドへの投資を約3億5,000万
0
01
02
ユーロで売却した。8月には約4億ユーロのファンドを証券化することで、プライベ
ート・エクイティ・ポートフォリオの簿価を1億1,000万ユーロ削減した。さらに、第4
03
四半期には、米国を主な投資対象とする2つのベンチャー・キャピタル・ポートフォ
リオを処分した。
オーストラリアでは、2003年初頭、第3者によるプライベート・エクイティ・ビジネスを
当行の資産運用およびウェルス・マネージメント部門に移行した。
2003年末時点での当行のプライベート・エクイティ・ポートフォリオは、主として、
モルガン・グレンフェル・プライベート・エクイティ・ファンド、その他投資ファンド、なら
びにベンチャー・キャピタルおよび上場間近のプライベート・エクイティ投資の未売
却部分により構成されている。当行では、これらの投資の圧縮に引き続き取り組
んでいく所存である。
2003年には、その他の事業投資についても削減を進めた。
2003年8月には、保有するゲーリンク保険グループの株式売却を完了した。これ
プライベート・エクイティ投資の動向
資産(十億ユーロ、年末時点)
に関連して、
グローバル信用保険会社であるアトラディウスBV
(旧ゲーリンクNCM)
直接投資
間接投資
の株式を38.4%取得した。アトラディウスBVの現在の筆頭株主はスイス再保険
である。
6
5.8
4.9
2003年下期には、ルクセンブルクを拠点とする衛星通信会社であるSESグロー
4
バルの持分株式2.1%を売却したほか、ギリシャのEFGユーロ銀行の持分株式
9.3%すべてを売却した。
2.0
2
1.8
1.1 1.1
0
01
02
03
顧客
41
コーポレート・センター
部門を超えた経営機構で取締役会を支援
コーポレート・センターは、取締役会による経営責任の遂行をサポートし、その
職務は、当グループの主要機能の準備/管理/運営から、資源の適正な配置、
従業員/メディア/株主とのコミュニケーションにまで及んでいる。
リスク・コントロールとリスク管理 コントロール
(経理)
は、グローバル規模で
各部に統合されたが、その独立性は維持され、主として財務数値の正確性と透明
数値の透明性
性に責任を有している。正確で迅速なデータは、経営の意思決定や株式市場に
おける当行株価の評価に不可欠である。2003年は、サーベンス・オクスレー法
(米企業改革法)
や新しい会計規則の導入、非中核ビジネスの分離が行われた
ため、正確で、迅速なデータへの要求は特に高まった。
税務は、グローバル規模で当行の税務ならびに納税の責任を負う一方で、ストラ
クチャー、商品および取引に関連した税務問題について各部に助言を提供する。
グローバル・リスク・マネジメントは、当行のクレジット/市場/オペレーション・リスクを
監視・管理しているが、2003年には不安定な経済状況にもかかわらず質の高い
業務を行った。
資源の最適化
組織再編が急速に進む過程においては、人事方針の重要性
が増す。人材の選抜・開発に関わる方式の近代化やチームワークを重視する経
営哲学の徹底は、当行従業員によって共有される
「ワン・バンク・カルチャー」のさ
らなる進展につながる。
自社株買戻しプログラム
ドイツ銀行株式の買戻し
(百万株、四半期ベース)
財務は、資本/バランスシート/流動性の管理の最適化を図る一方、各部門間へ
の資源の適切な配分を調整しています。また、グループが全体として法規制上の
第1回プログラム
第2回プログラム
自己資本比率の要求水準を満たしているか否かについて責任を負う。当行のコ
ア自己資本比率は現在10.0%で、これは業界平均を大きく上回った水準となって
25
24.1
22.9
いる。
20
当行は、
「ドイツ銀行」
ブランドの浸透を経営戦略上の重点課題の一つに掲げて
15.2
15
いる。既に、欧州においては最もよく知られた金融ブランドの一つとなっており、
11.2
特に法人および個人顧客の間で明確なブランドを確立している。また、専門性の
10
高さと市場におけるリーダーシップが当行の特長となっている。
5.9
コミュニケーション
5
組織の再編を受け、2003年はコミュニケーションの重要性
が高まった年となった。こうした動きに効率的に対応するため、コミュニケーション
部門では、メディア対応と従業員向けコミュニケーションの両機能を統合した。
また、株主、アナリスト、格付機関への情報提供を担うIR部門との緊密な協力体
制も推進した。
0
3Q 4Q
2002年
1Q
2Q 3Q
2003年
4Q
パフォーマンス
従業員がそれぞれの専門能力を高め、意欲を
持って業務を遂行できる環境をつくっていきたい。
ペギー・ラウ
Peggy Lau
人事担当責任者、北アジア
ドイツ銀行、香港
従業員
43
長期的な成功への基盤づくり
中核ビジネスへの注力により従業員数を削減
将来に向けて従業員数を調整
2002年に開始した経営戦略上の諸施策は引
将来への準備
き続き継続され、2003年の人事政策にも影響を与えた。将来に向けた成長へ
の基盤づくりのため、従業員数の調整は不可欠であった。2003年、当グループ
の総従業員数
(常勤相当)
は、9,760人減少して67,682人となった。
この減少の約半分は事業の売却および外注化によるもので、これにより5,206人
の純減となった。その主な内訳は、セキュリティーズ・ビジネスの分離によるものが
2,892人、欧州大陸におけるITセンターの外注化によるものが821人で、残りは
2003年に完了した事業再編に関連したものであった。
人員構成のバランス
2003年、当行は、不可避であった従業員数削減を、
可能な限り社会的責任を考慮し、しかも従業員構成のバランスを損なわない
配慮のもと実施した。従業員数の調整はすべての職層、年齢層におよび、男女
比もほぼ変えることなく実施された。例えば、2003年末時点の女性従業員比率
約45%は、1年前とほぼ同じ水準である。年齢構成上のバランスも維持し、当行
従業員数
年末時点での人数(単位:千人)※
では25∼44歳の従業員比率が最も大きくなっている。当行従業員の平均年齢
87.7
89.8
90
86.5
37.6歳も、1年前とほぼ同水準となっている。
80
77.4
当行が国際的な競争力を長期的に維持するためには、時代に適した基準を採
用し、明確な目的をもった人事政策が重要である。当行の成功に貢献した個々
67.7
70
の従業員に対しては、魅力的な報酬制度の適用や責任ある職務を遂行できる
60
環境づくりを通じて報いていく。
新しい価値観に基づいたリーダーシップを全グループに適用
50
2003年、
当行は、リーダーシップという基準の定義を拡大し、この導入に取り組んだ。同基
40
準は、グループの管理職全員がいかなる責任と実績に基づいて評価を受けるか
を明確に定義している。また、同基準は、リーダーシップを当行成功の鍵であり、
30
競争の激しい市場環境の中で将来にわたる成長を可能にする秘訣であると位置
99
づけている。リーダーシップは、企業の財務・金融上の成功やビジネスモデル、
00
厳格な業務基盤に対して責任を果たすことを意味している。さらに、企業文化の
※
浸透や企業価値の増大を推進する役割も担っている。究極的には、リーダーシッ
従業員
2003年
従業員コミットメント指数
67
転職により当行を離職する従業員の割合
3.8 %
幹部研修費用
(従業員1人当たり、単位:ユーロ)
1,298
研修費用
(単位:百万ユーロ)
50
常勤相当による換算
01
02
03
44
包括的なリーダーシップ
プは、個人、チームを問わず、スタッフの意欲を引き出し、成長へと導く責任を意
の概念
味していると言える。こうした総合的なアプローチは、伝統的なリーダーシップの概
念を超えているが、企業の持続的成功のためには不可欠である。
人材発掘と能力開発
従業員の地域別内訳
人材管理とは、卓越したパフォーマンスを達成し、高い潜
在能力を持つ人材を発掘し、その能力を高めることである。当行の競争力にとり、
総数67,682人※(2003年末時点)
こうした人材を維持することは極めて重要である。このため、当行は、グループ全
ドイツ
体にわたって統一した基準に従い、能力や実績に則した人材開発プロセスを実
44 %
欧州
(ドイツを除く)
29 %
行に移した。若手従業員に対しては、早期の段階でこの人材開発プロセスを適
用する一方、特に上級管理職などシニアな立場にある者に対しても、部門を超え
た人材をプールし、人事配置が遅滞なく行われるように備えている。
透明性と比較可能性
引き続き報酬制度の拡充を行い、魅力的で、透明性お
よび比較可能性の高い制度を目指した。同時に、効率性の向上など報酬制度
に関する便宜も改善した。2003年の大きな改善点としては、コスト効果をねらい、
新たな電子ツールの導入に成功したことが挙げられる。例えば、
「HRホットライン」
は、
従業員が直接、個人データ
(自らの報酬関連のデータなど)
にアクセスできるイント
北米
17 %
南米
1%
アジア/太平洋
9%
※
常勤相当による換算
ラネット・アプリケーションである。HRホットラインは、また、管理職が人事管理の
職責を遂行するうえでも役立っている。これまでに、世界41ヵ国で約65,500人の
従業員が同システムにリンクしている。一方、
「HRディレクト」
は、世界中の全従業
員から頻繁に寄せられる人事関連の質問に対して回答する、グローバルなホット
ライン・サービスである。ベルリン、ロンドン、ニューヨーク、バンガロールに配置され
たコールセンターがこれに対応している。さらに、世界中の当行従業員や年金受
給者は、データベースの共有化を通じて、適切な情報入手が可能になっている。
2003年、当行は、
ドイツ国内の退職年金スキームを抜本的に改革し、最終給与
を基準としていた旧来型年金プランに基づく年金協定を、より一般的な確定拠出
現代的な確定拠出
年金プランに転換した。ドイツ国内従業員のうち約23,000人が新たな確定拠出
年金プラン
年金プランへの転換を受け入れた。当行および従業員の双方に利点があるこ
うした年金制度の移行は、同制度が適用される従業員の約94%に受け入れら
れた。この結果、当行の年金制度はより透明性の高いものとなり、また最終的
な当行の負担額もより計算しやすい形となった。
当行は、1997年にドイツ国内の賃金表
(タリフ)
に沿わない従業員向けに目標ボ
ーナス制度を導入したが、2003年にはこれを国際基準に基づいたシステムへと変
更した。新しいシステムでは、各部門が各年度のそれぞれの業績に従ってグロー
バルにボーナスをプールし、これを明確な基準に則して各ビジネスおよび各地域に
従業員
45
配分する。各従業員のボーナスは、管理職が各人の個別目標の達成や前年と
のパフォーマンス比較、チームへの貢献度、市場平均水準などを勘案して決定
する。本システムの導入により、従業員だけでなく当行にとっても、ボーナス決定
に関する透明度が高まり、また国境を越えた比較、特に国際的な競合他社との
比較が容易になった。
多様性の上に成り立つ
文化の違いをはじめ、従業員の多様性は、当行の競
争優位性の点で重要な要因となっている。当行の課題は、これを活かすことで
ある。これを受けて当行では、当年度、各ビジネス部門で多様性についてより
多様性が基盤
高い意識を持つことに注力し、具体的な目標水準を設定した。当行は、他の諸
施策と共に多様性の推進に取り組んだ。例えば、
ドイツ国内の従業員代表と
「職場における公平性」に関する契約を結んだが、これはドイツ国内従業員のグ
ローバルな行動規範にもなっている。また、当行では、
「職場における公平性」
に関連したイベントを企画・運営し、例えば2003年には、
「欧州ビジネスにおける
女性」
(フランクフルトおよびロンドン)
や「ウォール街の女性」
(ニューヨーク)
を
テーマとする会議を開催した。
従業員の勤続年数
総計73,179人※(2003年末時点)
5年未満
39 %
5年以上
14年以下
35 %
14年超
26 %
※
従業員数
パートナーシップ
グッゲンハイムは、芸術の分野におけるグローバル・パートナーシップやベルリンのユニークな
アート・スペースへの支援を惜しまないドイツ銀行を賞賛している。ドイチェ・グッゲンハイムは、当基金のグローバル・
ネットワークの礎となっており、また、創造性、革新性、グローバル規模での相互理解、文化交流、多様性を象徴
する場ともなっている。
トーマス・クレンス
Thomas Krens
ソロモンRグッゲンハイム基金理事、ニューヨーク
社会
47
社会へのコミットメント
困難な状況下での持続性と信頼性
社会的責任は、困難な状況下にあっても、社会や文化に対して継続してコミット
するか否かでその真価が問われる。当行は、2003年も国際的な企業市民とし
て活発に活動し、当行が運営する8つの基金や慈善団体と共に、世界全体で
6,740万ユーロの寄附(文化活動や地域開発プロジェクトへのスポンサーを
含む)
を行った。また、アジアにおいては、新規基金の創設を通じてコミットメント
アジアにおける
を拡充した。
コミットメントの強化
2003年、地域開発や教育、芸術、音楽に関するグローバル規模の活動を、企業
文化活動部門
(Corporate Cultural Affairs:CCA)
の下に統合し、コスト効率の
向上と組織の合理化を図った。当行は、一企業市民として、文化の多様性を促
進し、社会問題に対しては長期的な視点でいかに解決すべきかを考え、若者の成
長支援や国際的な対話を通じた現代の社会・政治問題への解決策を模索して
いる。こうした取り組みに対して、財政面の支援だけでなく、ノウハウの提供や独
自プロジェクトの推進、あるいは従業員による自主的な活動を通じて、強くコミット
地域別支出
している。
総支出額6,700万ユーロ※(2003年)
ドイツ
地域開発 1997年に設立したドイツ銀行マイクロクレジット開発基金
(DBMDF)
は、
48 %
社会へのコミットメントと高い専門性が融合した典型的な例である。2003年には、
北米/南米
33 %
同開発基金の資産から約60万件のマイクロクレジット
(総額4,270万ドル)
を提供
した。さらに、当行は、2003年にドイツで開始した「子供たちの未来」のイニシ
アティブの一環として、「SOS子供村」
が主催するプロジェクトやプログラムを支援
した。ベルリン、モアビット地区のSOSチルドレン&ファミリー・センターの建設は、
こうした協力体制によって実現した最初のプロジェクトの一つとなっている。
教育
2003年には、著名な多くの文化機関との提携の下、ロンドンで4つの教
育プロジェクトを支援した。その一環として、当行従業員の400人以上が、ロンドン
近郊にある社会的に恵まれない学校30校でプロジェクトに積極的に参加した。
英国
また、
「ドイチェ・バンク・スクールズ・エンタプライズ・イニシアティブ
(SEI)
」の一環
11 %
その他
として、若者の就職を支援する課外授業や子供の補助教育プロジェクトに対し、
8%
100万ポンドを超える寄附を行った。
※
文化・社会関連のスポンサーシップを含む
社会へのコミットメント
単位:百万ユーロ
2003年
ドイツ銀行による支出
− 寄附
34.8
− スポンサーシップ 1
25.6
ドイツ銀行基金による支出
1
文化・社会関連のみ
7.0
48
芸術
後援と支援
当行は、約5万点にのぼる美術コレクションを所有し、比較的無名の芸術
家の後援者として、その美術作品を積極的に購入したり、世界中で開催される展
示会に協賛を行ったりする活動を20年以上にわたり続けている。昨年開催した
「巨人の復権
(ザ・リターン・オブ・ザ・ジャイアンツ)
」の展示会には、サン・パウロだ
けで44,000人が来場した。ドイツ銀行文化基金、
ドイツ銀行ポルスカSA、ツァ
チェタ・ナショナル・ギャラリー・オブ・アートは、ポーランドの若い芸術家の才能
を発掘するため、現代美術のコンペを開催した。
音楽
当行は、1990年以来、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団とパートナー
シップを組んでいる。当行は、単独スポンサーとして、
ドイツ国内や海外における
コンサート開催を後援するだけでなく、同管弦楽団オーケストラ・アカデミーで学ぶ
有望な若手音楽家に対する支援も行っている。さらに、異なる社会環境にある子
供たちをクラシック音楽に招待するための学校プロジェクト、Zukunft@BPhilにも
持続性に対する評価
関わり、次代のクラシック音楽愛好者の育成にも参画している。
金融機関を対象
指数の上限=100
従業員のコミットメント
ドイツ銀行
世界平均
特に南米およびロンドンにおける従業員の活動を高く評価している。例えば、アル
ゼンチンでは、当行が2003年に国際的なボランティア・プログラムとして最も注力
66
61
58
58
当行は、従業員によるボランティア活動を推奨しており、
51
48
60
48
50
した
「イニシアティブ・プラス」
に、ほぼ全従業員が参加した。一方、グレーターロン
ドンで、当行従業員は、11のボランティア活動に約4,000回関与し、ロンドン市
長から栄誉ある
「ドラゴン賞」
を再度受賞した。
40
32
30
持続性 当行の事業方針を決定するうえで、持続性は重要な要素となっている。
当行株式は、2003年、4年連続してダウ・ジョーンズ持続性指数
(DJSI)
に採用さ
20
経済的
指標
環境的
指標
社会的
指標
合計
れた。また、1999年以来、ISO14001に基づく、部門を超越した環境管理システ
ムを導入しているが、同システムは2003年に再度認証が確認された。一方、国際
的には、国連環境プログラム
(UNEP)
のメンバーとして、金融業界がグローバル規
模の重要な機関決定において、いかに持続性の観点をとり入れていくかの諸施
出典:SAM Research Inc.(2003年11月)
策に積極的に取り組んでいる。
ドイツ銀行アジア基金 アジア社会へ持続的にコミットしていく基盤を構築する
ことは、当行にとって重要課題の一つとなっている。そこで、当行は2003年12月
にドイツ銀行アジア基金を創設した。同基金は、今後5年間にわたって教育プロ
ジェクトを中心に総額約500万ユーロを提供する。まず最初の施策としては、エイ
ズで両親を亡くした孤児に対するタイの教育・職業訓練プログラムを支援する。
2003年の当行社会文化活動の総括は「2003年社会的責任報告書」に掲載さ
れている。当 報 告 書は請 求により入 手 可 能であり、また、インターネット
(www.deutsche-bank.com/cca/en)
を通じても入手できる。
パフォーマンス
運動選手として、成功には意欲、忍耐、情熱が
いかに重要かを知っている。
これらは、日常のあらゆることに当てはまるが、競技においては特に
重要である。ドイツ銀行は、万全な備えで来るべき競争を迎える
ため、必要なサポートと自由を提供してくれる。
キャサリン・ボロン
Kathrin Boron
ドイツ銀行 Privat- und Geschäftskunden AG、ポツダム
オリンピック ボートレース チャンピオン
(3回)
50
損益計算書
ドイツ銀行グループ
損益計算書
単位:百万ユーロ
普通株式
1株当たり純利益
2003年度
2002年度
2001年度
利息収益
利息費用
27,583
21,736
35,781
28,595
53,639
45,019
純利息収益
貸倒引当金繰入額
5,847
1,113
7,186
2,091
8,620
1,024
貸倒引当金繰入額控除後の純利息収益
4,734
5,095
7,596
信託業務による手数料およびフィー
有価証券業務による手数料/フィー
その他の顧客サービスによる手数料/フィー
保険料収入
トレーディング純収益
売却可能有価証券に係る純利益
持分法適用投資による純損失
その他の収益
利息以外の収益合計
給与手当
不動産関連費用、純額
設備費
IT 関連費用
代理店およびその他の専門的サービス・フィー
通信およびデータ・サービス
保険業務に係る費用
その他の費用
営業権の減損/償却
再構築費用
利息以外の費用合計
3,273
3,564
2,495
112
5,611
20
(422)
768
15,421
10,495
1,251
193
1,913
724
626
110
2,002
114
(29)
3,926
4,319
2,589
744
4,024
3,523
(887)
1,123
3,537
4,557
2,633
2,717
6,031
1,516
(365)
295
19,361
20,921
11,358
1,291
230
2,188
761
792
759
2,883
62
583
13,360
1,334
357
2,343
1,080
891
3,002
3,182
871
294
17,399
20,907
26,714
法人所得税費用および会計処理方法変更の累積的影響前利益
法人所得税費用
税率変更による1999年度/2000年度貸方計上額の振戻し
2,756
1,327
215
3,549
372
2,817
1,803
434
995
会計処理方法変更の累積的影響前利益、税引後
会計処理方法変更の累積的影響、税引後
1,214
151
360
37
374
(207)
当期純利益
1,365
397
167
単位:ユーロ
2003年度
2002年度
2001年度
普通株式1株当たり純利益
基本的
会計処理方法変更の累積的影響前利益、税引後
会計処理方法変更の累積的影響、税引後
当期純利益
希薄化後
会計処理方法変更の累積的影響前利益、税引後
会計処理方法変更の累積的影響、税引後
当期純利益
2.17
0.27
2.44
0.58
0.06
0.64
0.60
(0.33)
0.27
2.06
0.25
2.31
0.57
0.06
0.63
0.60
(0.33)
0.27
普通株式1株当たり公表現金配当
1.30
1.30
1.30
連結決算書
51
包括利益計算書
ドイツ銀行グループ
包括利益計算書
単位:百万ユーロ
当期純利益
税率変更による1999年度/2000年度貸方計上額の振戻し
売却可能有価証券未実現利益
(損失)
当期未実現純利益
(損失)
、税金およびその他控除後 1
実現純
(利益)
損失についての組替調整純額、該当する税金およびその他控除後 2
キャッシュ・フロー・ヘッジ目的のデリバティブに係る未実現純利益
(損失)
、税引後 3
最小年金負債、税引後 4
当期未実現純利益
(損失)
、税引後 5
実現純利益についての組替調整純額、税引後 6
2003年度
2002年度
2001年度
1,365
397
167
215
2,817
995
1,619
162
(4)
8
(936)
(54)
(5,596)
(3,527)
2
(8)
(1,602)
–
(2,496)
(1,423)
(1)
–
85
–
その他の包括利益
(損失)
合計
1,010
(7,914)
(2,840)
包括利益
(損失)
2,375
(7,517)
(2,673)
1
2
3
4
5
6
これらの金額は、2003年、2002年および2001年12月31日終了年度の法人所得税費用
(ベネフィット)
それぞれ38百万ユーロ、
(69)
百万ユーロおよび
(105)
百万ユーロならびに2003年、2002年および2001年
12月31日終了年度の保険契約者債務および繰延契約獲得費用に対する修正額それぞれ4百万ユーロ、
(230)
百万ユーロおよび
(610)
百万ユーロを控除したものである。
これらの金額は、2003年、2002年および2001年12月31日終了年度の該当する法人所得税費用それぞれ41百万ユーロ、15百万ユーロおよび144百万ユーロならびに2003年、2002年および2001年12月31日
終了年度の保険契約者債務および繰延契約獲得費用に対する修正額それぞれ
(10)
百万ユーロ、110百万ユーロおよび
(44)
百万ユーロを控除したものである。
この金額は、2003年および2001年12月31日終了年度の法人所得税ベネフィットおよび2002年12月31日終了年度の法人所得税費用を控除したものである。
この金額は、2003年12月31日終了年度の法人所得税費用3百万ユーロおよび2002年12月31日終了年度の法人所得税ベネフィット3百万ユーロを控除したものである。
これらの金額は、2003年、2002年および2001年12月31日終了年度の法人所得税費用
(ベネフィット)
それぞれ70百万ユーロ、26百万ユーロおよび
(41)
百万ユーロを控除したものである。
この金額は、2003年12月31日終了年度の法人所得税ベネフィット5百万ユーロを控除したものである。
52
貸借対照表
ドイツ銀行グループ
資産
負債および株主持分
単位:百万ユーロ
現金および銀行預け金
利付銀行預け金
中央銀行ファンド貸出金および売戻条件付買入有価証券
(逆レポ)
借入有価証券
トレーディング資産
このうち、2003年および2002年12月31日現在でそれぞれ1,070億ユーロおよび700億ユーロは、
債権者に担保として差入れ、売却または再担保差入れが可能
売却可能有価証券
このうち、2003年および2002年12月31日現在でそれぞれ404百万ユーロおよび736百万ユーロは、
債権者に担保として差入れ、売却または再担保差入れが可能
その他の投資
貸出金、純額
土地建物および設備、純額
営業権
その他の無形固定資産、純額
保険業務に係るその他の資産
手形引受見返
未収利息
決済日経過の未決済有価証券取引
その他の資産
資産合計
単位:百万ユーロ
預金
トレーディング負債
中央銀行ファンド借入金および買戻条件付売却有価証券
(レポ)
貸付有価証券
その他の短期借入金
手形引受
保険金支払債務および引当金
未払利息
決済日経過の未決済有価証券取引
その他の負債
長期債務
信託優先証券
自己株式購入義務
負債合計
普通株式、無額面、名目価額2.56ユーロ 1
資本剰余金
利益剰余金
自己普通株式、取得原価 2
自己株式購入義務振替額
株式報奨
その他の包括利益
(損失)
累積額
1999年度および2000年度のドイツ税率変更に関連する売却可能有価証券未実現純利益に係る
繰延税金
売却可能有価証券未実現純利益、該当する税金およびその他控除後
キャッシュ・フロー・ヘッジ目的のデリバティブに係る未実現純利益
(損失)
、税引後
最小年金負債、税引後
外貨換算調整勘定、税引後
その他の包括利益
(損失)
累積額合計
株主持分合計
負債および株主持分合計
コミットメントおよび偶発債務
(
「Financial Report 2003」
(英語版)
の注記
[11]
[
、31]
および
[34]
)
1 発行済株式数:2003年度:581.9百万株、2002年度:621.9百万株
2 2003年度:16.8百万株、2002年度:36.4百万株
2003年
2002年
12月31日現在 12月31日現在
6,636
14,649
112,419
72,796
345,371
8,979
25,691
117,689
37,569
294,679
24,631
21,619
8,570
144,946
5,786
6,735
1,122
8,249
60
3,612
11,082
36,950
10,768
167,303
8,883
8,372
1,411
7,797
99
4,208
5,524
37,764
803,614
758,355
2003年
2002年
12月31日現在 12月31日現在
306,154
153,234
102,433
14,817
22,290
60
9,071
3,793
10,390
53,380
97,480
–
2,310
775,412
1,490
11,147
20,486
(971)
(2,310)
954
327,625
131,212
90,709
8,790
11,573
99
8,557
4,668
4,611
33,084
104,055
3,103
278
728,364
1,592
11,199
22,087
(1,960)
(278)
955
(2,828)
1,937
(3)
0
(1,700)
(2,594)
28,202
803,614
(3,043)
156
1
(8)
(710)
(3,604)
29,991
758,355
連結決算書
53
株主持分変動計算書
ドイツ銀行グループ
株主持分変動計算書
単位:百万ユーロ
普通株式
期首残高
従業員給付制度により分配された普通株式
普通株式の消却
期末残高
資本剰余金
期首残高
従業員給付制度により分配された普通株式
自己株式売却純損失
その他
期末残高
利益剰余金
期首残高
当期純利益
公表・支払済現金配当
自己株式売却純損失
普通株式の消却
その他
期末残高
自己普通株式、取得原価
期首残高
株式の購入
株式の売却
株式の消却
従業員給付制度により分配された自己株式
期末残高
自己株式購入義務振替額
期首残高
増加
減少
期末残高
株式報奨―発行可能普通株式
期首残高
付与済繰延株式報奨、純額
分配済繰延株式
期末残高
株式報奨―繰延報酬
期首残高
付与済繰延株式報奨、純額
繰延報酬の償却、純額
期末残高
その他の包括利益
(損失)
累積額
期首残高
税率変更による1999年度/2000年度貸方計上額の振戻し
売却可能有価証券未実現純利益の変動、該当する税金およびその他控除後
キャッシュ・フロー・ヘッジ目的のデリバティブに係る未実現純損益の変動、税引後
最小年金負債の変動、税引後
外貨換算調整勘定、税引後
期末残高
株主持分合計、期末残高
2003年度
2002年度
2001年度
1,592
–
(102)
1,490
1,591
1
–
1,592
1,578
13
–
1,591
11,199
–
(36)
(16)
11,147
11,253
21
(129)
54
11,199
10,876
462
(85)
–
11,253
22,087
1,365
(756)
(386)
(1,801)
(23)
20,486
22,619
397
(800)
–
–
(129)
22,087
23,331
167
(801)
–
–
(78)
22,619
(1,960)
(25,464)
23,903
1,903
647
(971)
(479)
(30,755)
28,441
–
833
(1,960)
(119)
(37,032)
36,090
–
582
(479)
(278)
(2,911)
879
(2,310)
–
(330)
52
(278)
1,955
888
(647)
2,196
1,666
1,098
(809)
1,955
1,883
487
(704)
1,666
(1,000)
(888)
646
(1,242)
(767)
(1,098)
865
(1,000)
(1,016)
(487)
736
(767)
(3,604)
215
1,781
(4)
8
(990)
(2,594)
4,310
2,817
(9,123)
2
(8)
(1,602)
(3,604)
7,150
995
(3,919)
(1)
–
85
4,310
28,202
29,991
–
–
–
–
40,193
54
キャッシュ・フロー計算書
ドイツ銀行グループ
キャッシュ・フロー計算書
単位:百万ユーロ
当期純利益
2003年度
2002年度
2001年度
1,365
397
167
当期純利益を営業活動によるキャッシュ・フローに調整するための修正
貸倒引当金繰入額
再構築費用
売却可能有価証券、その他の投資、貸出金およびその他の売却益
繰延法人所得税、純額
減損、減価償却およびその他の償却
会計処理方法変更の累積的影響、税引後
持分法適用会社の純損失
(利益)
に対する持分
純変動:
トレーディング資産
その他の資産
トレーディング負債
その他の負債
その他、純額
1,113
(29)
(201)
269
3,072
(151)
(42)
2,091
583
(4,928)
2,480
2,845
(37)
753
1,024
294
(2,806)
(159)
4,886
207
278
(37,624)
(7,452)
22,719
8,095
47
(4,071)
8,627
11,412
(20,639)
(296)
(1,263)
(9,670)
(3,022)
(4,559)
1,412
営業活動によるキャッシュ・フロー
(8,819)
(783)
(13,211)
11,305
5,378
(35,226)
12,789
7,800
(14,004)
2,749
9,634
9,232
(47,959)
33,138
5,802
13,620
7,511
2,068
16,703
2,628
25,835
7,731
5,089
9,508
717
41,128
2,746
7,096
16,185
1,015
(19,942)
(2,141)
(9,030)
991
2,469
327
(22,464)
(4,474)
(2,364)
(1,696)
(1,110)
687
(34,289)
(7,976)
(8,903)
(3,689)
924
958
7,468
23,638
15,408
(21,423)
(41,278)
22,548
17,751
(4,303)
43,191
(32,366)
–
(25,464)
23,389
(756)
(37)
7,603
274
40,245
(27,201)
73
(30,755)
28,665
(800)
(455)
(16,096)
(15,151)
32,958
(22,884)
320
(37,032)
36,024
(801)
(522)
(18)
(23,629)
(636)
(974)
(2,343)
8,979
6,636
22,612
911
(635)
(1,409)
10,388
8,979
31,349
408
純変動:
利付銀行預け金
中央銀行ファンド貸出金および売却条件付買入有価証券
借入有価証券
貸出金
収入:
売却可能有価証券の売却
売却可能有価証券の満期償還
その他の投資の売却
貸出金の売却
土地建物および設備の売却
購入:
売却可能有価証券
その他の投資
貸出金
土地建物および設備
企業結合/事業売却による純資金収入
(支出)
その他、純額
投資活動によるキャッシュ・フロー
純変動:
預金
貸付有価証券および中央銀行ファンド借入金および
買戻条件付売却有価証券
その他の短期借入金
長期債務および信託優先証券の発行
長期債務および信託優先証券の返済および償還
普通株式の発行
自己株式の購入
自己株式の売却
現金配当の支払
その他、純額
財務活動によるキャッシュ・フロー
現金および銀行預け金に対する為替レート変動の純影響
現金および銀行預け金の純増加
(減少)
現金および銀行預け金、期首残高
現金および銀行預け金、期末残高
利息支払額
法人所得税支払額、純額
資金収支を伴わない投資活動:
売却可能有価証券のトレーディング資産への振替
トレーディング資産の売却可能有価証券への振替
–
–
–
–
325
1,886
8,502
10,388
48,099
1,251
22,101
14,938
追加情報
経営機構
取締役会の報告
ドイツ銀行取締役会は、連結財務書類に対して責任を負っている。当該連結財
務書類は米国において一般に認められた会計原則に準拠して作成されたもので
あり、したがって、
ドイツ商法に従い連結財務諸表を作成する義務免除に関するド
イツ商法第292a条の条件を満たしている。加えて、欧州連合による開示基準も
満たしたものとなっている。
正確な会計処理の責任を果たすためには、効率的な内部管理およびコントロー
ル・システム、機能的な監査体制が要求される。当行の内部管理体制は、組織
体系や社内手続きを規定する方針や手順の文書化、債務不履行リスクおよびマ
ーケット・リスクに伴い増大したリスク管理、職務の分離に基づいており、すべての
取引、資産、記録を対象としている。また、当行監査は、グループの全部門を対
象に、組織上の委任事項の遵守を含む広範な監査計画に従って実施されてい
る。
KPMGドイチェ・
トロイハント-ゲゼルシャフト・アクツィエンゲゼルシャフト経済監
査会社は、
ドイツ監査規則ならびに補足的に米国で一般に認められた監査基
準に従った連結財務諸表の監査を行い、非公式の意見を表明した。KPMG
ドイチェ・
トロイハント-ゲゼルシャフトおよびドイツ銀行監査部門は、連結財務書
類の評価および内部管理体制の査定の過程において、必要なすべての文書を
制限なく入手することができた。
2004年3月2日
フランクフルト・アム・マイン
ドイツ銀行AG
ヨゼフ・アッカーマン
クレメンス・ベルジッヒ
Josef Ackermann
Clemens Börsig
テッセン・フォン・ハイデブレック
ヘルマン- ヨゼフ・ランベルティ
Tessen von Heydebreck
Hermann-Josef Lamberti
55
56
監査役会報告書
監査役会は昨年、5回の定例会議において、当行事業や戦略、基本的に重要な
出来事や取引の動向について包括的な報告を受けた。監査役会は、取締役会
への助言および事業経営の監督を行った。取締役会は監査役会に対し、遅滞
なく包括的な報告を定期的に行い、意思決定を必要とするすべての事項を議題
にあげた。定例会議のない期間も、取締役会は、監査役会に対し、重要な事業
経営について文書で報告した。さらに、グループ経営執行委員会メンバーは、
監査役会の定例会議で、各ビジネス部門の状況について報告を行った。
取締役会は、事業方針や経営企画、運営戦略、財務、収益状況に関する基本
的事項に加え、リスク管理や当行に重要な取引について、定期的に報告を行
った。さらに、取締役会会長と監査役会会長による定例会議において、現在抱
えている課題および決定事項についても議論した。また、監査役会は、マンネ
ロルフ-E・ブロイヤー
監査役会会長
スマン事件の訴訟手続きやキルヒ氏による当行およびブロイヤーに対する訴訟
手続きの状況についても定期的に報告を受けた。
当行は、第1段階の経営戦略として4つの重点課題
(当年の収益確保、中核ビジ
ネスへの注力、資本およびバランスシート管理の改善、個人・資産運用ビジネス
の最適化)
を掲げ、これらを成功裡に完了することで変貌を遂げた。その後、収益
成長を目指す活発な議論を交わし、グローバル規模でのトップ・ブランドの確立、
法人・機関投資家向けビジネスのさらなる拡大、個人・資産運用ビジネスの収益
力の拡大、厳格なコスト/資本/リスク管理の継続を新たな重点課題に掲げた。
当行は、業務収益の増大という目標達成に向け全力で取り組んでいく一方で、
不良債権や貸倒引当金は引き続き削減していく方針である。
監査役会会議
監査役会は、2003年2月6日に開催された2003年第1回会議
において、2002年の事業展開および主要財務データ、2003年から2005年まで
の事業計画について議論した。また、人事に関する報告やプライベート・エクイ
ティ・ポートフォリオの一部売却についても議論され、承認された。
2003年3月21日の第2回会議では、2002年度財務書類を承認、確定した。また、
コーポレート・ガバナンス報告書やコンプライアンス・リポートについての議論や
2003年度年次株主総会決議案の承認、ならびにグループのリスク管理について
の議論が行われた。
追加情報
経営機構
2003年6月10日の年次株主総会直後に開かれた監査役会会議において、ブロ
イヤーが監査役会会長に、フェルスターが同会副会長に再選された。これを受け、
ブロイヤーは会長統括委員会会長、クレジットおよび市場リスク委員会会長、
仲裁委員会会長を兼務すると同時に、監査委員会委員となった。一方、フェル
スターは、会長統括委員会、監査委員会および仲裁委員会の各委員を務める。
さらに、カルテリエリおよびカウフマンが会長統括委員会委員、カルテリエリおよ
びバウマンがクレジットおよび市場リスク委員会委員、ピーター・ジョブ卿およびハ
ルトマンがクレジットおよび市場リスク委員会の代理委員に選出された。また、
当会議において、バウマンが監査委員会会長に選出されたほか、カルテリエリ、
ホルン、フンクの各位が監査委員会委員に選ばれた。
2003年7月30日の会議では、2003年上期の事業展開に関する報告を受けた。
さらに、取締役会により、当行の戦略的再編や懸案事項であったドイツおよび
欧州に保有する不動産約50件のポートフォリオの一部売却に関する報告が行
われた。なお、本売却に関して、監査役会は、その後9月に書面手続きを通じて
承認を下している。また、当会議では、グループ経営執行委員会委員兼資産運
用統括責任者であるトム・ヒューズが資産運用ビジネスの現状について報告した。
10月29日に開催された2003年最後の会議では、同年1∼9月期の事業展開に
ついて議論された。また、ランベルティ取締役会役員としての任期が5年間延期
され、2009年9月30日までとなったほか、グループ経営執行委員会委員兼個人顧
客および中堅企業向けビジネス統括責任者であるライナー・ネスケが、同ビジネス
の現状について報告した。当会議では、人事部門による人材開発についての報
告や継承計画に関する議論が交わされたほか、従業員株式と株式オプション発
行に関連して必要な増資についての決定も下された。また、株主総会関連の係
争中の訴訟に関しても報告がなされた。その後、取締役会委員の出席なしで会
議が行われた。
監査役会メンバーは全員が、2003年度の任期期間中に開催された監査役会会
議に少なくとも半分以上参加した。
57
58
コーポレート・ガバナンス ドイツ・コーポレート・ガバナンス法および米国サー
ベンス・オクスレー法(企業改革法)
による要求基準を満たすため、監査役会、
会長統括委員会、監査委員会は数回にわたり議論し、監査役会および監査役
会委員会の参照事項に変更を加えた。7月、監査役会によって委託されたコンサ
ルタントが、監査役会活動の効率性についての評価を提出したことを受け、監査
役会では詳細な議論を行った。この当初提案された幾つかの事項については既
に実行に移している。監査役会と取締役会は、2002年10月、初めてドイツ株式
会社法第161条への適合宣言を表明したが、同宣言は、監査役会の報酬に関
する株主総会決議に従って2003年7月に修正された。さらに2003年10月には、
同年5月21日に施行された新たなドイツ・コーポレート・ガバナンス法に沿う形で調
整された。当行コーポレート・ガバナンス原則は、役員および従業員の債務保険
に関連した一つの例外を除いて、
ドイツ・コーポレート・ガバナンス法に合致する内
容であったため、当行コーポレート・ガバナンス原則の廃止が決定された。
監査役会は、取締役会と共に、サーベンス・オックスレー法で規定されている会計
に関する苦情受付けの手続きに合意した。
2003年10月29日の適合宣言を含んだ当行コーポレート・ガバナンス全文は、
2003年フィナンシャル・リポートの184∼202ページに掲載されているが、インター
ネット
(www.deutsche-bank.com)
によっても入手可能である。
監査役会委員会
会長統括委員会は2003年度中に4回の会議を開催し、
取締役会に関連した議題のほか、監査役会の効率性査定や当行コーポレート・
ガバナンス原則、取締役会の継承計画、新たな監査役会メンバーの選任方法に
ついて議論した。
クレジットおよび市場リスク委員会は、6回の会議で、
ドイツ法および基本定款の
下で承認を必要とする事項に加え、主要融資すべておよび内包するリスクの大き
い融資について議論し、必要に応じて承認した。同委員会は、信用リスク、流動
性リスク、カントリーおよび市場リスクとは別に、法的リスク並びに風評リスクにつ
いても広く議論した。さらに、特定の計画に従ったグローバル規模の業種ポート
フォリオが提示され、詳細な議論が行われた。
追加情報
経営機構
監査委員会は当年度中に5回の会議を開催し、同会議には当行監査人代表も
出席した。議題は、年次財務諸表および連結財務諸表の監査・承認、米国
SEC様式20-F、四半期財務諸表、監査人との関係の検討、監査人選任の
提案、監査人報酬および監査人の独立性維持や監査の焦点に関わる特定の
必要事項についてであった。また、監査委員会は、2002年度と同様に、サーベ
ンス・オックスレー法が監査役会の作業手続きに及ぼす影響についても広く議
論した。定例会議のない期間においても、ビデオ会議を開催し、特にニューヨーク
における法規制上の要求事項について報告が行われた。監査委員会は、内部
監査作業や法的リスクおよび風評リスクに関する報告書を定期的に提出させ、
監査人との間に利害関係がないことを確認した。
共同決定法の規則に基づき設置された仲裁委員会の会議は2003年度中には
開催されなかった。
監査役会は、監査委員会の事項について定期的に報告を受けた。
利害関係および対処 ブロイヤーは、会長統括委員会が開催した取締役会
メンバーの2002年度報酬に関する決議・承認に、自らの比例報酬に関わるも
のであったため、参加しなかった。
また、ブロイヤーは、脱税を支援あるいは教唆した疑いのある取締役会メンバー
や元取締役会メンバー、元従業員に対する訴訟手続きを、罰金、事務費用およ
び想定される手続き費用の支払いと交換に取り下げるという取締役会決議に
対して、会長統括委員会および監査役会が行った議論・承認においても、関係
者であるため、参加しなかった。
クレジットおよび市場リスク委員会は、
ドイツ銀行法第15条で規定されている融資
の承認について取り扱った。この決議の時点で借り手企業の監査役会役員を
兼ねていた当行監査役会役員は、当決議に参加しなかった。
監査役会は、
ドイツ銀行およびブロイヤーに対するキルヒ氏の訴訟に関して定期
的に情報提供を受け、訴訟の経過を議論した。会長統括委員会は、ブロイヤー
に対する訴訟費用を含む当該訴訟関連費用を当行が負担するという取締役会
の決議を承認したが、ブロイヤーはこの決議に参加しなかった。さらに監査役会は、
当該訴訟から生じる参照事項に関して監査役会へアドバイスを供する外部代理
人の任命についても、ブロイヤーの票決なしで決議した。
59
60
年次財務諸表
当行監査人代表者は、監査役会の財務諸表会議に出席し、
提起された疑問点について見解を述べた。
昨年の株主総会で選任された年次財務諸表の監査人であるKPMGドイチェ・
トロイハント-ゲゼルシャフト・アクツィエンゲゼルシャフト経済監査会社(フラン
クフルト・アム・マイン)
は、会計および2003年度財務諸表、経営報告書、連結
財務諸表(脚注付き)
の監査を行い、非公式の見解を表明した。監査役会は、
監査人による年次財務諸表の報告を検査し、監査結果に同意した。
本日、監査役会は取締役会が作成した年次財務諸表を承認し、連結財務諸表
に同意する。また、監査役会は利益配分に関わる提案および無額面株式1株当
たり1.50ユーロの配当支払いに同意する。
人事
2003年度は取締役会の人事に変更はなかった。
2003年6月10日の株主総会終了をもって、監査役会メンバーの任期は終了した。
これにより、株主代表の Adolf Kracht および Professor Dr.-Ing. E. h.
Berthold Leibinger、従業員代表の Gerald Herrmann 、Peter
Kazmierczak、Klaus Schwedler、Michael Freiherr Truchseß von
Wetzhausen、Lothar Wacker が監査役会を退任した。2003年年次株主総
会では、Dr. rer. oec. Karl-Hermann Baumann、Dr. Rolf-E. Breuer、
Dr. Ulrich Cartellieri、Sir Peter Job、Professor Dr. Henning
Kagermann、Dr. Michael Otto、Tilman Todenhöfer、Dipl.-Ing.
Albrecht
Woeste が 任 期 約 5年 で 監 査 役 会 メ ン バ ー
に再選された。また、同株主総会では、Ulrich Hartmann と Dipl.-Ing.
Dr.-Ing. E. h. Jürgen Weber が、任期5年の新たな監査役会メンバーに選
任された。
2003年5月8日の選出会議で、Sabine Horn、Margret Mönig-Raane、
Klaus Funk、Ulrich Kaufmann が監査役会の従業員代表に承認された。
Henriette Mark、Gabriele Platscher、Karin Ruck、Rolf Hunck、Leo
Wunderlich は初めて選出された。
追加情報
経営機構
監査役会は、この度退任された諸氏による、2003年度当行および取締役会に対
する献身的・建設的な支援に心より謝意を表する。また、新たな監査役会が、
これまでの伝統を引き継ぎ成功裡にその役割を果たすことを確信している。
監査役会は、取締役会および当行従業員の真摯な取り組みに対して、深く感謝
の意を表する。
2004年3月19日
フランクフルト・アム・マイン
監査役会
ロルフ-E・ブロイヤー
会長
61
62
監査役会
Dr. Rolf-E. Breuer
– Chairman,
Frankfurt am Main
Heidrun Förster*
– Deputy Chairperson,
Deutsche Bank Privat- und
Geschäftskunden AG, Berlin
Dr. rer. oec.
Karl-Hermann Baumann
Chairman of the Supervisory
Board of Siemens AG, Munich
Dr. Ulrich Cartellieri
Frankfurt am Main
Klaus Funk*
Deutsche Bank Privat- und
Geschäftskunden AG,
Frankfurt am Main
Ulrich Hartmann
from June 10, 2003,
Chairman of the Supervisory
Board of E.ON AG, Düsseldorf
Gerald Herrmann*
until June 10, 2003,
Federal Executive Secretary of
ver.di Vereinte Dienstleistungsgewerkschaft e.V., Berlin
Sabine Horn*
Deutsche Bank AG,
Frankfurt am Main
Rolf Hunck*
from June 10, 2003,
Deutsche Bank AG,
Hamburg
Sir Peter Job
London
Prof. Dr.
Henning Kagermann
Chairman and CEO of SAP AG,
Walldorf/Baden
Karin Ruck*
from June 10, 2003,
Deutsche Bank AG,
Bad Soden am Taunus
Ulrich Kaufmann*
Deutsche Bank AG, Düsseldorf
Klaus Schwedler*
until June 10, 2003,
Deutsche Bank AG,
Eschborn
Peter Kazmierczak*
until June 10, 2003,
Deutsche Bank AG, Essen
Adolf Kracht
until June 10, 2003,
Chairman of the Supervisory
Board of Wilhelm von Finck AG,
Grasbrunn
Professor Dr.-Ing. E. h.
Berthold Leibinger
until June 10, 2003,
Chairman of the Board of
Management of TRUMPF GmbH
+ Co. KG, Ditzingen
Henriette Mark*
from June 10, 2003,
Deutsche Bank AG,
Munich
Margret Mönig-Raane*
Vice President of ver.di
Vereinte Dienstleistungsgewerkschaft e.V., Berlin
Dr. Michael Otto
Chairman of the Board
of Management of
Otto (GmbH & Co KG),
Hamburg
Gabriele Platscher*
from June 10, 2003,
Deutsche Bank Privat- und
Geschäftskunden AG,
Braunschweig
Tilman Todenhöfer
Managing Partner of Robert Bosch
Industrietreuhand KG, Stuttgart
Michael Freiherr Truchseß
von Wetzhausen*
until June 10, 2003,
Deutsche Bank AG,
Frankfurt am Main
Lothar Wacker*
until June 10, 2003,
Deutsche Bank AG, Cologne
Dipl.-Ing. Dr.-Ing. E. h.
Jürgen Weber
from June 10, 2003,
Chairman of the Supervisory
Board of Deutsche Lufthansa AG,
Hamburg
Dipl.-Ing. Albrecht Woeste
Chairman of the Supervisory
Board and Shareholders’
Committee of Henkel KGaA,
Düsseldorf
Leo Wunderlich*
from June 10, 2003,
Deutsche Bank AG,
Mannheim
* elected by the employees
追加情報
経営機構
委員会
会長統括委員会
Dr. Rolf-E. Breuer
– Chairman
Dr. Ulrich Cartellieri
Heidrun Förster*
Ulrich Kaufmann*
from June 10, 2003
Lothar Wacker*
until June 10, 2003
仲裁委員会
Dr. Rolf-E. Breuer
– Chairman
Dr. Ulrich Cartellieri
Heidrun Förster*
Ulrich Kaufmann*
until June 10, 2003
Henriette Mark*
from June 10, 2003
監査委員会
Dr. rer. oec.
Karl-Hermann Baumann
– Chairman
Dr. Rolf-E. Breuer
Dr. Ulrich Cartellieri
Heidrun Förster*
Sabine Horn*
Rolf Hunck*
from June 10, 2003
Michael Freiherr Truchseß
von Wetzhausen*
until June 10, 2003
クレジットおよび市場リスク委員会
Dr. Rolf-E. Breuer
– Chairman
Dr. rer. oec.
Karl-Hermann Baumann
Dr. Ulrich Cartellieri
Sir Peter Job
– Substitute Member
Ulrich Hartmann
from June 10, 2003
– Substitute Member
Adolf Kracht
until June 10, 2003
– Substitute Member
* elected by the employees
63
64
報告経営成績から基礎的経営成績への調整
以下は、U.S.GAAP以外の財務尺度をU.S.GAAPと最も直接的に比較できる財
務尺度へと調整したものである。このようなU.S.GAAP以外の財務尺度およびそ
の尺度を求めるためにU.S.GAAPと最も直接的に比較できる財務尺度への調整
に関わる定義やその使用理由については、連結財務書類に対する注記〔28〕
に
記述されている。これらの定義や理由は事業別セグメントに言及しているが、通常
はドイツ銀行グループ全体に対し適用される。
単位:百万ユーロ
2003年度
2002年度
21,268
26,547
報告純収益から基礎的純収益への調整
報告純収益
加算
(減算)
売却可能有価証券/事業会社持分に係る純
(利益)
/損失
(ヘッジを含む)
184
(3,659)
重要な持分の獲得/投資による純
(利益)
/損失 1
938
1,197
売却/売却目的保有事業に係る純
(利益)
/損失
(494)
土地建物売却に係る純損失
107
保険業務に係る費用 2
(110)
基礎的収益 3
(571)
–
(759)
21,892
22,755
1,113
2,091
報告貸倒引当金繰入額から信用リスク引当金繰入額合計への調整
報告貸倒引当金繰入額
オフバランス信用リスク引当金繰入額 4
信用リスク引当金繰入額合計
5
その他の固有損失引当金の算定方法の変更
信用リスク引当金繰入額合計 3, 6
(50)
1,063
–
17
2,108
(200)
1,063
1,908
17,399
20,907
報告利息以外の費用から営業費用ベースへの調整
報告利息以外の費用
加算
(減算)
再構築費用
営業権の減損
少数株主損益
保険業務に係る費用 2
オフバランス信用リスク引当金繰入額 4
営業費用ベース3
1
2
3
4
5
6
29
(583)
(114)
(62)
3
(110)
50
17,257
(45)
(759)
(17)
19,442
重要な持分法適用投資およびその他の重要な投資に係る純損益を含む。
保険業務に係る費用は、「利息以外の費用」から「基礎的収益」に組み替えられている。
2003年12月31日終了年度の基礎的収益、信用リスク引当金繰入額合計および営業費用ベースは、それぞれ4%、44%および11%減少した。報告純収益、貸倒引当金繰入額および利息以外の費用は、
それぞれ20%、47%および17%減少した。
オフバランス信用リスク引当金繰入額は、「利息以外の費用」から「信用リスク引当金繰入額合計」に組み替えられている。
その他の固有損失引当金の算定方法の変更を含む。
その他の固有損失引当金の算定方法の変更を除く。
追加情報
補足情報
単位:百万ユーロ
2003年度
2002年度
2,756
3,549
税引前利益から基礎的税引前利益への調整
税引前利益
加算
(減算)
売却/売却目的保有事業に係る純
(利益)
/損失
(494)
重要な持分の獲得/投資による純
(利益)
/損失
938
1,197
(3,659)
(571)
売却可能有価証券/事業会社持分に係る純
(利益)
/損失
(ヘッジを含む)
184
土地建物売却に係る純損失
107
再構築費用
(29)
営業権の減損
114
62
–
200
3,575
1,360
28,940
36,789
その他の固有損失引当金の算定方法の変更
基礎的税引前利益 1
–
583
平均株主持分合計から平均アクティブ資本への調整
平均株主持分合計
売却目的有価証券に係る平均未実現純利益、適用される税効果考慮後
(810)
平均配当金額
(756)
平均アクティブ資本 1
(4,842)
(701)
27,374
31,246
税引前株主資本利益率 2
10 %
10 %
基礎的税引前平均アクティブ資本利益率 3
13 %
4%
1
2
3
2003年12月31日終了年度の基礎的税引前利益は163%上昇した一方、平均アクティブ資本は12%減少した。税引前利益および平均株主持分合計は、それぞれ22%、21%減少した。
税引前利益の平均株主持分合計に対する割合。
基礎的税引前利益の平均アクティブ資本に対する割合。
65
66
グループ5年間の記録
貸借対照表
単位:百万ユーロ
2003
2002
2001
2000
1999
総資産
803,614
758,355
918,222
928,994
875,789
貸出金、純額
144,946
167,303
259,838
274,660
254,173
負債
775,412
728,364
878,029
885,311
843,438
株主持分合計
28,202
29,991
40,193
43,683
32,351
BIS規制コア自己資本 1
21,618
22,742
24,803
23,504
17,338
BIS規制自己資本合計 1
29,871
29,862
37,058
39,343
35,172
損益計算書
単位:百万ユーロ
2003
2002
2001
2000
1999
純利息収益
5,847
7,186
8,620
7,028
7,994
貸倒引当金繰入額
1,113
2,091
1,024
478
725
手数料およびフィー収益
9,332
10,834
10,727
11,693
7,967
トレーディング純収益
5,611
4,024
6,031
7,625
2,127
478
4,503
4,163
8,133
6,944
20,155
24,456
28,517
34,001
24,307
10,495
11,358
13,360
13,526
9,655
営業権償却/減損
114
62
871
771
486
再構築費用
(29)
583
294
125
459
その他の利息以外の利益
純収益合計
給与手当
その他の利息以外の費用
6,819
8,904
12,189
12,710
11,356
17,399
20,907
26,714
27,132
21,956
2,756
3,549
1,803
6,869
2,351
1,327
372
434
2,643
1,689
実効税率の変更による法人所得税費用
(ベネフィット)
および
振戻し影響額
215
2,817
995
(9,287)
会計処理方法変更の累積的影響、税引後
151
37
1,365
397
利息以外の費用合計
法人所得税費用
(ベネフィット)
および会計処理方法変更の
累積的影響前利益
法人所得税費用
当期純利益
(207)
167
(951)
–
–
13,513
1,613
主要な数値
2003
2002
2001
2000
1999
基本的1株当たり純利益
¤ 2.44
¤ 0.64
¤ 0.27
¤ 22.00
¤ 2.76
希薄化後1株当たり純利益
¤ 2.31
¤ 0.63
¤ 0.27
¤ 21.72
¤ 2.74
1株当たり支払配当金
¤ 1.30
¤ 1.30
¤ 1.30
¤ 1.15
¤ 1.12
株主資本利益率
(RoE)2
4.7 %
1.1 %
2.3 %
41.4 %
–
調整後平均アクティブ株主資本利益率 3
5.2 %
10.2 %
7.1 %
20.1 %
–
81.8 %
78.8 %
87.6 %
76.5 %
–
28.44
69.68
294.07
4.12
30.56
費用/収益比率 4
株価収益率
1
BIS規制コア自己資本比率
(Tier I)
10.0 %
9.6 %
8.1 %
7.8 %
5.9 %
1
BIS規制自己資本比率
(Tier I+II+III)
13.9 %
12.6 %
12.1 %
13.1 %
12.0 %
従業員数
(常勤換算)
67,682
77,442
86,524
89,784
87,702
1
2
3
4
2003年度、2002年度、2001年度および2000年度はU.S.GAAPを基礎とし、1999年度はIFRSを基礎としている。
2001年度の当期純利益は、営業権およびその他の無形固定資産の償却について調整されている。
競合他社との比較を容易にするために、株主資本利益率に関しては調整を加えた尺度を算出しており、これを
「平均アクティブ資本利益率
(return on average active equity)
」
と称している。ただし、U.S.GAAP
による実績尺度ではないため、算定方法の違いを考慮せずに他社の比率との比較を行うべきではない。比率に調整を加える主な項目は、売却可能有価証券に係る平均未実現純利益
(適用される税効果考
慮後)
である。また、平均株主持分についても、年次の配当金支払による影響を、年次株主総会の承認後に調整している。この計算に用いた当期純利益は、実効税率の変更による法人所得税費用および
振戻し影響額、会計処理方法変更の影響について調整しており、2001年度は、営業権およびその他の無形固定資産の償却についても調整している。
利息以外の費用合計
(2001年度および2000年度は営業権およびその他の無形固定資産の償却を除く)
が、貸倒引当金繰入前の純利息収益に利息以外の収益を加えた額
(2001年度は貸方営業権償却を
除く)
に占める比率。
追加情報
補足情報
用語解説
調整後株主資本利益率
ブックビルディング
キャッシュ・マネジメント
競合他社との比較を容易にするために、調整
を加えた尺度。株主資本利益率に対して、
主に、当行が保有する上場事業会社株式
ポートフォリオの未実現利益総額およびこれ
に関 係する税 効 果に関して調 整を加える。
保有株式を売却し、これに伴う利益が当行の
事業に使用された時点で、
実現損益
(税引後)
が「アクティブ資本」に含められる
(株主資本利
益率
(RoE)
参照)
。
各投資家の需要と発行体の資金調達ニーズ
を合致させ、発行価格を決定していく発行プ
ロセス。
事業法人や金融機関が、財務活動の最適化
を図るために行う、
ドル、ユーロ、その他通貨
建ての流動資産管理。
ブローカー/ブローカレッジ
ブローカーは、銀行や個人投資家から証券
売買の注文を受け、顧客に代わって注文を執
行することで、通常、手数料を受け取る。
決済
支払いの送金、調整、場合により確認のプ
ロセス。
政府機関債
バイアウト
企業の全体もしくは一部の買収、あるいは特
定事業の買収。
フレディーマック
(米連邦住宅貸付抵当公社)
やファニーメイ
(米連邦住宅抵当公社)
など米
国政府が保証した住宅抵当会社が発行する
債券。
オルタナティブ資産/投資
プライベート・エクイティ、ベンチャー・キャピ
タル、メザニン・キャピタルへの直接投資、
不動産キャピタル投資、レバレッジド・バイア
ウト・ファンド投資、ベンチャー・キャピタル・
ファンド、ヘッジファンド
(別記参照)
。
資産担保証券
特定タイプの支払債権を取引可能な形態に
した証券。特定の金融資産のリパッケージ
により証券化
(別記参照)
される。
BIS
国際決済銀行
(本拠はバーゼル)
。
BIS規制自己資本比率
規制目的により、自己資本とリスク加重ポジ
ションの比率をパーセント表示した数値。国際
業務を行う銀行にとって重要な指標。最低で
も自己資本比率で8%、コア自己資本比率で
4%が必要とされている。
BIS基準自己資本
1988年のバーゼル合意
(1996年1月に最終
改訂)
に基づき、国際業務を行う銀行に対して
規制目的で設定された自己資本比率。資本
構成は以下の通り。
− コア資本
(Tier I)
:主に株式資本、剰余金、
ハイブリッド資本。
− 補完的資本(Tier II)
:主に参加資本、
長期劣後債、上場証券の未実現利益、
その他貸倒引当金。
− Tier III:主に短期劣後債、Tier II 資本超
過額。
補完的資本はコア資本の100%に限定され、
また、補完的資本とみなされる長期劣後債は
コア資本の50%に限定される。
キャッシュ・フロー計算書
当会計年度中に、企業による事業、投資、
財務活動の結果として発生、消費したキャッ
シュ・フローの計算・提示、ならびに期首・期末
における現金および現金等価物
(現金準備)
の調整。
債務担保証券
(CDO)
債券、ローン、デリバティブなどの資産ポート
フォリオを裏付けとした投資商品。裏付け資
産の多様化によって、投資家は投資の安全
性をある程度確保できるが、CDOの格付は
裏付けとなる資産の質により異なる。
コミットメント
従業員は、会社と目標や価値を共有するとき、
意欲を持ってその会社のために働き続ける
(コミットする)
。
コーポレート・ファイナンス
法人顧客向け資本市場関連ビジネス、特に
個々の顧客ニーズに応じて革新的なコンサル
ティング・サービスを提供する金融ビジネスの
一般的総称。
法人信託サービス
株式、債券取引に関連した各種管理サービ
スを提供。IPO
(株式新規公開)
後の各種管
理サービスでも知られる。
費用/収益比率
一般的には、営業収益に対する営業費用の
割合を示し、企業のコスト効率を表す。ここ
では、純利息収益と利息以外の収益の合計
に占める利息以外の費用合計の割合を表す。
67
68
クレジット・デフォルト・スワップ
1株当たり利益
(EPS)
ファンド・サービス
第3者のデフォルト・リスクを貸し手から相手
方に移す契約。相手方は、貸し手から定期
的な支払い
(保険プレミアム)
を受け取る代わ
りにリスクに対して保証する。
米国における一般的な会計原則
(U.S.GAAP
参照)
に従った数値で、平均普通株式数に対
する純利益を表す。発行済みストック・オプシ
ョンや株式分割、転換社債の転換・行使に
よって株式数の増加が見込まれる場合は、
基本的EPSに加えて、希薄化後1株当たり利
益も報告しなければならない。
第3者ファンド・マネジャーに代わり、ファンド
評価や株式登録、カストディー銀行業務から
会計、リスク管理に至るまで一連のサービス
を提供。
カストディー
(証券保管)
証券の保管・管理、および追加的な証券サー
ビス。
デット・プロダクツ
単一もしくは複数の民間企業や公的機関に
よる債務・債権などの売買可能商品。同様
の値動きを示す外国為替や商品契約を含む
広範な商品を意味する。
デリバティブ
株式、債券、外国為替、指数など原取引の
価格、価格変動、価格予想によって価値が
変動する商品。スワップ、オプション、先物
(すべて別記参照)
などを含む。
ディストレスト・デット
銀行融資、債券、履行ボンド・保証、清算
債権、貿易債権、株式・株式関連債などあら
ゆる証券で額面割れのものと考えられる。
ダウ・ジョーンズ持続性指数
(DJSI)
DJSIは、環境および社会的貢献を追求する
企 業によって構 成されている指 数であり、
指数導入当初より、当行はDJSI Worldおよ
びDJSI STOXXの構成銘柄となっている。
www.sustainability-index.com
エマージング・マーケット
発展途上国で拡大している市場、主に金融
市場を意味する。
株式資本市場
主に、企業のIPO
(株式新規公開)
や新規株
式募集に関連した業務。公的機関による民
営化も含まれる。
ユーロ・コマーシャル・ペーパー・プログラム
発行体による無担保短期債券の発行が柔軟
に行われる資金調達プログラム。一定期間
に複数回の発行が可能である。
ユーロ・ミディアム・ターム・ノート
(MTN)
無担保債券を複数回に分けて柔軟に発行す
るための資金調達プログラム。発行体のニー
ズにより、発行額、通貨、期間
(1∼10年)
を自
由に設定できる。ユーロMTNは、ユーロ市場
において主に米ドル建てで発行され、銀行シ
ンジケート団により完売が保証されている。
エクイティ・プライム・サービス
当行のエクイティ・プライム・サービスは、ヘッ
ジファンドを対象顧客にオルタナティブ投資
のニーズに適した一連のサービスを提供して
いる。
先物
(フューチャーズ)
数 量、質、引 渡 期 日が 標 準 化された先 物
契約。マネーマーケットや資本市場、貴金属・
為替市場において、将来の一定期日に、あら
かじめ合意された価格で取引が行われる。
契約の履行に関しては、株式指数関連先物
のケースにみられるように、
(証券の引渡しでは
なく)
現金による決済が規定されている場合が
多い。
グローバル・リアル・エステート・
オポチュニティーズ・ファンド
クローズドエンド型の不動産投資信託。欧州、
アジア/太平洋、アメリカ地域
(北/中/南米)
の
首都圏に所在する不動産、不動産ジョイント
ベンチャーや不動産会社の株式、不動産担
保不良債権、無担保不良債権で構成される
ポートフォリオを有する。
貿易金融(グローバル・トレード・ファイナン
ス)
当行の貿易金融および貿易リスク・サービ
スを統合した業務部門。多国籍企業、大手
企業、成長企業、公的機関など金融機関や
法人顧客を対象に、輸出金融業務やリスク
ヘッジ・ビジネスを行う。
営業権
企業の買い手が、対象企業の将来にわたる
利益を考慮に入れ、資産・負債価値の適正
価格
(別記参照)
を超過して支払う金額。
追加情報
補足情報
ヘッジファンド
空売りやレバレッジ、デリバティブ
(別記参照)
など、ミューチュアル・ファンドが活用できない
投資戦略を駆使したファンドで、一般的に機
関投資家や個人富裕層を顧客とする。米国
においては投資家の数が100人以下に限定
されているため、通常、最低投資額は100万
ドルとなっている。また、ヘッジファンドの投
資リターンは伝統的投資によるリターンと相
関しないケースが多い。
iBoxxクレジット・デフォルト・スワップ指数
ドイツ銀行を含む金融機関によって導入され
たクレジット・デフォルト・スワップ指数の一つ。
クレジット・デフォルト・スワップの透明性が
増し、リアルタイムで指数やマルチ・プライスの
提供が可能になった。クレジット・デフォルト・
スワップ指数は、投資家による保有社債のベ
ンチマークや指数連動債の基準として使用さ
れている。
インターネット
相互に接続された多数のネットワークと個別の
リソースから成る世界最大のコンピューター・
ネットワーク。主なサービスは、電子メール、
ワールド・ワイド・ウェブ
(www)
、検索エンジン、
ファイル転送
(FTP)
、談話フォーラム
(ユース
ネット/ニューズグループ)
などである。
インベストメント・アンド・フィナンシャル・
センター
個人顧客および中堅企業顧客を対象に近代
化を図った当行の支店。窓口を一本化する
ことで、幅広い商品や投資アドバイスを提供
する最新の体制を整えている。
インベストメント・バンキング
(投資銀行業
務)
一般に資本市場関連ビジネスを指す。主に、
証券の発行・売買、デリバティブ
(別記参照)
、
金利・為替管理、コーポレート・ファイナンス
(別記参照)
、M&Aアドバイザリー、ストラクチ
ャード・ファイナンス、プライベート・エクイティ
(別記参照)
などのビジネスを行う。
インベスター・リレーションズ
企業と現在および将来の
(潜在的)
資本提供
者を結ぶ、体系的・継続的な双方向の財務コ
ミュニケーション。主要イベントや業績、事業
戦略、経営に対する市場の期待などの情報を
提供する。活動の一つの目的は、株価が適
正な水準に評価されることにある。
レイトステージ
(上場間近)
・プライベート・
エクイティ
年数や豊富なキャッシュ・フローの観点から、
投資機会が「成熟」
した部類に属する未上場
企業への投資。
レバレッジド・バイアウト
企業の全部もしくは一部、または特定事業を
デット・ファイナンス
(借入金)
によって買収す
ること。買収した企業の将来収益を、買収に
要した債務の返済に充てる。
マネジメント・バイアウト
経営陣による企業の発行済み株式全体の買
収を意味し、買収により上場が廃止される。
メザニン
メザニン投資は、主に株式要素
(一般的には
ワラント)
を有した債券への投資で構成される。
債券は、通常、発行体の銀行債務の下位に、
また、その他債券や優先株式、普通株式の
上位にランクされる。
モーゲージ担保証券
(MBS)
モーゲージ・ローン
(住宅抵当融資)
を担保と
する証券。
オプション
証券や外国為替などの特定資産を将来の特
定期日
(あるいは期日前)
に、あらかじめ決めら
れた価格で、相手方
(オプション売り手)
から買
う権利
(コール・オプション)
、あるいは売る権利
(プット・オプション)
。
OTCデリバティブ
証券取引所ではなく市場参加者間(店頭)
で
直接相対で取引される金融派生商品(デリ
バティブ参照)
。
パッシブ資産運用
世界中の様々な金融指数の動きに連動した
ファンド運用。できるだけ取引コストを抑えた
形で、対象とする指数のリスクとトータルリター
ンに連動したポートフォリオの構築を目的として
いる。
ポートフォリオ
一般的には、資産
(証券、ローン、株式投資、
不動産など)
の一部あるいは構成資産全体の
一部を意味し、リスク分散を主な目的に組成
される。ここでは、価格リスクの観点から、
証券やデリバティブ
(別記参照)
など類似した
取引のコンビネーションを意味する。
ポートフォリオ管理
顧客向けの証券ポートフォリオの運用ならび
に管理(ポートフォリオ参照)
。ポートフォリオ
の継続的な見直しや顧客の合意の下で売買
の実行を行うこともある。
69
70
元本確保型ファンド・オブ・ファンズ
レポ
(買戻し条件付取引)
持続性
プライベート・エクイティ・ファンドに投資する
一連の投資ファンドで、元本返済を無条件に
保証する。
売却した証券の買戻しの合意(資産の所有
権は売り手に留保される買戻し契約)
。買い
手の立場からはリバース・レポとなる。
将来に備えつつ、人間生活の基盤を持続的
に発展させることを目指した、経済、生態環境、
および社会的責任の相互作用を意味する。
プライベート・エクイティ
未公開株式への投資。ベンチャー・キャピタ
ルやバイアウト・ファンドなどが主な例。
株主資本利益率
(RoE)
一般的には、企業の収益状況を示す比率と
して、期間利益(純利益)
の使用資本に対す
る割合として示される。ここでは、当年度中に
スワップ
一般的には、ある支払いフローを他の支払い
フローと交換することを意味する。金利スワ
ップでは、同一通貨の金利支払いを異なる
使用された平均株主資本に対する純利益の
割合を意味する
(調整後平均アクティブ資本
利益率参照)
。
条件(固定、変動金利など)
に交換すること。
為替スワップでは、異なる通貨間で金利支払
いおよび元本を交換することを指す。
セカンダリー・ファンド・オブ・ファンズ
流通市場で入手可能なプライベート・エクイ
ティ・ファンドで構成される仕組み投資商品。
トレーディング収益
トレーディング・ポートフォリオで保有するポジシ
ョンの実現・未実現損益およびトレーディング
目的で保有するデリバティブ
(別記参照)
の純
利息収益の残額。トレーディングとは、一般に、
頻繁な売買を指し、短期的な価格差から利益
を生むことを目的としている。
クオンツ投資
株式、債券、ヘッジファンド
(別記参照)
のポ
ートフォリオ
(別記参照)
。ポートフォリオの運
用は、基本的な投資原則のもと、体系的・
規則的に行われ、投資選択は、定量的
(クオ
ンツ)手法を駆使して大量のデータを処理し
決定する。
格付け
一般には、発行体の信用状態と証券の標準
化された評価を意味する。専門の格付け会社
が実施。
当行では、債務者に関連したあらゆるエクスポ
ージャー
(別記参照)
の詳細なリスク査定を意
味している。
記名株式
特定の者の氏名により登録された株式。株式
会社法の規定により、登録者の個人情報や
所有株式数は株式名簿に記録される。株式
名簿に記載された人物だけが当該企業の株
主とみなされ、例えば株主総会における権利
行使など、あらゆる権利が与えられる。
リレーションシップ・マネジメント
一 般 的には、専 門 のリレーションシップ・
マネジャーが、商品の専門家とともに、特定の
市場セグメントにおける特定の法人顧客を担
当することを意味する。当行では、法人顧客を
対象とした国内およびグローバル規模におけ
る総合的アプローチを意味する。
証券化
一般的には、株式や債券などの証券に具現
される権利。ここでは、ローンや様々な債権
ファイナンスを、債券やコマーシャル・ペーパー
などの証券を発行することにより代用すること
を意味する。
株主価値
経営・事業戦略上の重点項目として、企業価
値の着実な増大を掲げる経営概念。資本コ
ストを上回るリターンだけが株主に付加価値
を創出するというのが主原則となっている。
シングル・マネジャー・ヘッジファンド
ある特定の投資戦略に従った証券・金融商
品に直接投資するヘッジファンド。
ストラテジック・エクイティ・トランザクション・
グループ
グローバル・エクイティ
(株式業務)
とグロー
バル・コーポレート・ファイナンス
(投資銀行
業務)
が共同で運営しているグループ。法人
顧客を対象に、株式だけでなく仕組み商品や
戦略的アドバイスに関わる案件を実行して
いる。
トランザクション・サービス
カストディー、グローバル・ファンド・サービス、
セキュリティーズ・レンディング
(証券貸借)
、
法人信託サービス、決済、バランスシート/
キャッシュ・マネジメント・サービス、貿易決済・
支払いサービス、ストラクチャード・エクスポー
ト・ファイナンス、国際貿易金融などを行う。
また、社債管理
(トラスティー)
や退職金ファン
ドの管理、ポートフォリオ・マネジメントなども
含む。
U.S.GAAP
(米国で一般に認められている会
計原則)
財務会計基準審議会
(FASB)
および米国公
認会計士協会(AICPA)
によって作成された
米国会計原則。この他、米国証券取引委員
会(SEC)
の提供する解釈や説明が、特に証
券取引所に上場している企業にとって意味を
持っている。国際会計基準(IAS)
や国際財
務報告基準(IFRS)
と同じく、特に投資家の
意思決定に対して有益な情報を提供すること
を主な目的としている。
追加情報
補足情報
米国REITファンド
不動産投資信託
(REIT)
は、収益を生む不動
産を所有する法人で、大半の場合、その運営
も行っている。不動産融資を行うREITも存在
する。REITは、課税所得の最低でも90%を
配当の形で、毎年、株主に分配しなければな
らない。米国REITファンドは、取引可能な
REITに投資しているミューチュアル・ファンド。
71
72
連絡先/刊行物
ドイツ銀行AG
60262フランクフルト・アム・マイン
タウヌスアンラーゲ 12階
電話:+49 69 9 10-00
電子メール:[email protected]
インベスター・リレーションズ
電話:+49 69 9 10-3 80 80
電子メール:[email protected]
インターネット上のアニュアル・レビュー
およびフィナンシャル・リポート
(英文)
www.deutsche-bank.com/03
写真
Andreas Pohlmann
(ミュンヘン)
6頁
Roy Beusker
(ハーグ)
14頁
Ulrike Myrzik、Manfred Jarisch
(ミュンヘ
ン)
20、26、32、38、42、46、49頁
業績見通し
リスク要因を含む
本報告書には、将来の事象に関する記述が含
まれています。将来の事象に関する記述とは、
歴史的事実ではない記述であり、当行の考え
や予想が含まれます。本報告書中の、当行の
意図、考え、予想または予測
(およびその基礎
となる前提)
の記述はいずれも、将来の事象
に関する記述です。これらの記述は、当行経
営陣が現在入手可能な予定、推定および計
画に基づいています。従って、将来の事象に
関する記述は、あくまで当該記述がなされた日
現在のものであって、当行はこれらの記述に
関して、新しい情報や将来生起した事象があ
っても、これをアップデートして公表する責任
は負いません。
将来の事象に関する記述は、その性質上リス
クおよび不確実性を含みます。従って、いくつ
かの重要な要因が作用して、現実の結果を、
将来の事象に関する記述に含まれる結果とは
大きく異なるものにする可 能 性 があります。
これらの要因には、ドイツ、ヨーロッパ、米国お
よび当行が収益の重要な部分を得ているそ
の他の地域における金融市場の動向、借り手
または取引相手による将来の債務不履行、
リスク・マネジメントの施策、手続および方法
への信頼性、ならびに米国証券取引委員会
(SEC)
への情報開示に関連するリスク等が含
まれます。このような要因については、SECに
提出した当行の2004年3月25日付年次報告
書
(Form 20-F)
に、
「リスク・ファクター」の表題
のもとに詳しく記載されています。当該報告書
の写しは、請求により入手可能であり、また、
www.deutsche-bank.com/ir からダウンロ
ードすることができます。
財務諸表に関する刊行物
ドイツ銀行2003年年次報告書は、2003年
アニュアル・レビューおよび2003年フィナンシ
ャル・リポートの2部により構成されています。
2003年アニュアル・レビュー
(ドイツ語、英語、日本語)
2003年フィナンシャル・リポート
(ドイツ語、英語)
様式20-F
(英語)
ドイツ銀行AG2003年度財務諸表および
取締役会報告書
(ドイツ語、英語)
2003年マンデイト・リスト
(ドイツ語、英語)
2003年株主構成リスト
(ドイツ語、英語)
2003年諮問評議会委員リスト
(ドイツ語)
2003年社会的責任報告書
(ドイツ語、英語)
これらの刊行物をご要望の方は、以下まで
ご連絡ください。
― 電子メール
[email protected]
― インターネット上の年次報告書
(英文)
www.deutsche-bank.com/03
― ファックス +49 69 95 00 95 29
― 電話 +49 69 95 00 95 30
― 郵便
Deutsche Bank AG
Leser-Service-PKS
60262 Frankfurt am Main
Germany
2003年アニュアル・レビュー
(日本語)
は、
www.japan.db.com から
ドイツ銀行 2003年
2003年 アニュアル・レビュー
2004/2005年財務カレンダー
2004年4月30日
2004年3月31日時点中間報告
2004年6月2日
年次株主総会
フランクフルト・アム・マイン フェストハレ
(エキシビション・センター)
にて
2004年6月3日
配当金支払
2004年7月30日
2004年6月30日時点中間報告
2004年10月29日
2004年9月30日時点中間報告
2005年2月3日
2004年度業績発表
2005年4月29日
2005年3月31日時点中間報告
2005年5月18日
年次株主総会
フランクフルト・アム・マイン フェストハレ
(エキシビション・センター)
にて
2005年5月19日
配当金支払
2005年7月29日
2005年6月30日時点中間報告
2005年10月28日
2005年9月30日時点中間報告
ドイツ銀行
003 83304 02 · 3/04
アニュアル・レビュー
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