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平成 23 年度 静岡市内部統制機能の充実に向けて ~ 実施事業報告

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平成 23 年度 静岡市内部統制機能の充実に向けて ~ 実施事業報告
平成 23 年度
静岡市内部統制機能の充実に向けて
~
実施事業報告
~
平成 24 年3月
行政管理課
総合調整・内部統制担当
はじめに
平成 20 年度に実施した国庫補助事業に係る会計処理の内部調査及び平成 22 年度に
実施された会計検査院による会計検査の結果、不適正な経理処理が明らかになり、再発
防止策として会計事務、契約事務等に関する研修会や文書通知による注意喚起等が実施
された。
しかしながら、本市監査委員による平成 22 年度定期監査においても、同様の不適正
経理処理が見受けられ、再発防止策及び内部統制機能が有効に機能していないとの指摘
を受けた。
この原因として再発防止策全体を総括する所管が不明確であり、全体としての調整、
進捗管理が不十分であることが挙げられ、不適正な経理処理を発生させない全庁的な仕
組みの構築が望まれた。
1 組織の設置
市が有する既存の内部統制機能を点検・整備し内部統制機能の充実を図るため、平
成 23 年度の機構改正で、経営管理局行政管理部行政管理課に総合調整・内部統制担
当を新設した。
2 内部統制を重点的に実施する分野
「内部統制」と言っても、対象とする分野は様々である。政令市の状況を見ると、
各市が重点的に実施している分野は、会計処理・事務処理(以下、会計事務等という。
)
の適正執行、公務の公正執行、公益通報の尊重と通報者保護、不当要求への対応、職
員の信用失墜行為防止、服務、職員倫理等であり、それぞれの市において過去に起こ
った事件や課題等を背景にして取組んでいることがわかる。
本市では不適正経理処理への対応を求められていることを重視し、平成 23 年度は
会計事務等の分野で重点的に内部統制機能を充実させていくこととした。
3 現状把握
会計事務等を適正に執行するため、まず、不適正経理として指摘された事案の実態
把握を行い、国庫補助金に関する会計検査院検査、市の自主調査、及び本市監査委員
監査において指摘された不適正経理の事案について「調査等で明らかになった不適正
な事務執行」として一覧にまとめた。(別紙1)
なお、平成 22 年度に発覚した準公金不正事件及びこれを機に実施した準公金調査
についても記載した。
1
4 リスク類型と対応策
別紙 1 に記載のとおり、不適正経理とされたものには、消耗品の「差替え」、
「翌年
度納入」
、
「前年度納入」や臨時職員賃金及び旅費の目的外支出等のほか、不適正経理
処理の温床ともなった要因として、物品納入業者に日付のない請求書等を要求し、都
合のよい任意の日付を記載するなどの悪しき慣行が指摘された。これらの事案に対す
る再発防止策を検討するにあたり、リスクを類型化し、一覧にした。
(別紙2)
5 対策の実施
別紙2に記載のとおり、まず、対象とすべき不適正経理の広がりや、対応しなけれ
ばならない緊急性の観点から、一連の不適正経理事案を類型化し、その対策を検討し
た。
会計検査院検査や本市定期監査で明らかになった不適正経理については、本市組織
全体で会計処理についての認識が足りず、いわば「全庁共通的に慣習化してきた」事
務処理方法に過ちがあった。
すなわち、
「国庫補助金や予算は使い切らなければならない」という誤解が、
「差替
え」
「翌年度納入」
「前年度納入」などを誘発してきた側面があり、そうした処理を可
能ならしめてきた根底には、物品納入業者に日付のない請求書等を要求し、職員が都
合のよい任意の日付を記載するなどの慣行を、組織として「是」とする風土があった。
このことは、裏返せば、従来「是」としてきたルールが誤っていたことを、これを
機に徹底的に周知し、職員全員が学習することで、相当程度の改善が期待できるはず
である。
これに対し、各分野で個別に、いわばローカル的に慣行化してきた不適正な事務処
理については、所管部署が再発防止策を真剣に検討する努力が必要である。
また、事務処理上の単純なヒューマンエラーを根絶させることは現実的には極めて
難しい課題である。1個人の注意力に過度に依存しない、複数人の目が行きとどく、
または複数回のチェックが入るなど、システマチックな運用を工夫し、一旦決めたら、
それを例外なく実践することが重要である。
こうした検討にもとづき、今年度は「できることから始める」(総務省所管「地方公
共団体における内部統制のあり方に関する研究会」
)という方針のもと、関係課の協力を得な
がら以下の取組を実施してきたところである。
「内部統制」を充実させる目的は、一義的には適正な事務処理の執行、法令遵守
の徹底などにあるが、そうした取組の過程では、不合理なルールや仕組みの見直し
効果も期待され、結果的に業務効率の向上がもたらされるなど、地方公共団体にと
って重要視される「最尐の経費で最大の効果実現」や「市民からの信頼性の確保」
に寄与するものであるといわれる。
更にいえば、ルールを遵守するという職場風土の醸成は、事件・事故の発生を回
2
避し、職員自身を守ることにもつながるものであることを啓発していきたいと考え
ている。
(1)庁内検討組織の設置
本市における内部統制機能は、これまで各部署に個別に存在したが、体系的、
組織的な運用がされてこなかったといえる。そこで、全庁的な内部統制機能を
代表する会計課、契約課、人事課など関係 11 課及び行政管理課(総合調整・内
部統制担当)で構成する「静岡市内部統制機能に関する庁内検討委員会」
(設置
要綱は別紙3)を平成 23 年5月に設置し、庁内の内部統制機能を総合的、横断
的に連携、充実させ、全庁的な取組を推進していくこととした。
【実施状況】
内部統制機能に関する庁内検討委員会の開催
「第 1 回内部統制機能に関する庁内検討委員会及び作業部会」
平成 23 年 5 月 26 日(木)
本館 3 階 第一会議室
議題
(1)内部統制機能に関する庁内検討委員会の設置について
(2)近年の不適正経理と原因分析
(3)平成 23 年度の取組
ア
リスク類型から導かれた対応策(案)について
イ
各課に依頼するチェックリスト(案)について
ウ
e-ラーニングのQA案作成依頼について
エ
e-Net 掲示板のリニューアルについて
オ
その他の取組について
(4)平成 24 年度以降のスケジュール
「第2回内部統制機能に関する庁内検討委員会及び作業部会」
平成 24 年2月3日(金)
本館 3 階 第一会議室
議題
(1)平成 23 年度事業報告
(2)平成 24 年度事業計画案
(3)チェックリストの活用
(2)研修の実施
指摘された不適正経理に対する再発防止策を講じることはもちろんのこと、職
員の意識改革を図るとともに、会計事務等についての基本的知識を習得させるこ
とが必要不可欠であるが、本市においては、これまでも内部統制機能を代表する
3
関係各課が必要に応じ各種の研修を実施してきたところである。平成 23 年度は、
従前の研修内容に、内部統制機能を意識した工夫を加えた(別紙4-1)
。
また、職員が入庁後に受講する研修の概要は別紙4-2に示すとおりであり、
職位や○○推進員などの役割に応じ、その時々の立場で求められる会計事務やコ
ンプライアンスについて学ぶ様々なメニューが編成されていることから、こうし
た研修を受講することを基本に職員としての能力向上を図っていく。
しかし、平成 20~22 年度の不適正経理発覚という事態を受け、職員全員に、
会計事務等の基礎知識を早急に周知し学習させるためには、職員一人ひとりに配
備されたパソコンを活用し、対話形式で学習できる e-ラーニングが極めて有効
なツールとなる。
そこで、
全職員を対象に 8~9 月に
「情報セキュリティ・事務処理基礎研修 2011」
を、11~12 月には会計事務に特化した e-ラーニング研修を新たに実施した。
また、平成 23 年度は文書の封入作業、転記作業、データ入力作業等で個人情報
漏えい事故が頻発していた現状を踏まえ、10 月に個人情報を保護する意義や作
業上の注意点について、これらの業務に多く携わっている非常勤嘱託及び臨時職
員等に対し情報セキュリティ研修を実施した。
【実施状況】
ア
所属長研修
「内部統制に関する研修会」
平成 23 年4月 20 日(水)
、4月 25 日(月) 静岡庁舎、清水庁舎
出席者 所属長 195 名
内容
(1)内部統制について
(2)近年の不祥事件と所属長の責務
(3)職員への周知についてのお願い
講師 行政管理部長 行政管理部理事
イ
危機管理研修会
「地方自治体における危機管理」
平成 23 年8月 11 日(木) 清水テルサ
出席者 庶務事務統括者 446 名
(行政 220 名、学校 149 名、幼稚園・保育園 77 名)
内容
危機管理、事故対応、マスコミ対応、不当要求行為についての理解
講師 市町村アカデミー客員教授 大塚康男氏
4
ウ
e‐ラーニング
(ア)エスナビによる「情報セキュリティ・事務処理基礎研修」
期間 平成 23 年9~10 月
対象
市政パソコンを配備された職員のほか、非常勤嘱託及び臨時職員
(イ) エスナビによる「適正な会計事務に向けて」
エ
期間
平成 23 年 11~12 月
対象
市政パソコンを配備された職員
内部統制機能を所管する各課主催の研修
人事課、会計課、契約課等が予算執行、財産管理、会計事務等に係る適正な
事務処理を目指し各種の研修を実施した。
(別紙4-1)
オ
情報漏えい事故を防止するためのセキュリティ研修
「文書取扱い上の情報漏えい事故を防止するためのセキュリティ研修」
平成 23 年 10 月3日(月)、4日(火)、7日(金)
静岡、駿河、清水の各区役所
出席者 文書発送作業が多く、今年度情報漏えい事故が起きた所属を中心と
した所属の非常勤嘱託、臨時・パート職員(557 名)を対象とした。
(対象職員のうち 320 名、正規職員 10 名が参加)
内容
(1)情報漏えい事故発生の推移
(2)DVDビデオ上映(
「地方公共団体における情報漏えい事故対応シミ
ュレーション」)
(3)公務上の義務 ~市役所で扱う個人情報は市民からの預かり物~
(4)個人情報の値段
(5)郵便物等取扱い上の注意点
講師
情報管理課 情報化推進担当職員
(3)リスク分析及び対応等のチェックリストの作成
各事業を実施する上で、自課の業務に潜在するリスクとその発生頻度、発生し
た際の影響度等を予め想定し対応策を認識しておくことでリスクの発生抑制及
び発生後の影響を最小限にとどめることを目的に、各課において「リスク分析及
び対応等のチェックリスト」を作成した。
また、人事異動の事務引継ぎの際、チェックリストの記載内容を新担当者に確
実に引き継ぐため、事務引継書に引き継ぎを行った旨のチェックをする欄を設け
5
た。
さらに、第2回内部統制に関する庁内検討委員会において、チェックリストの
項目等様式の見直し及び各課から提出されたチェックリストの対策の具体性等
について検討を行い、より実効性あるチェックシートの作成を再度依頼すること
とした。平成24年度には、職員が各課のリスク情報を常時参照できるよう、庁
内の e-Net 掲示版に掲出する予定である。これにより、職員がリスクマネジメ
ントすべき事項を継続的に自覚し、かつ、より良い対応策の検討が常時行えるよ
うになる。
また、各課がチェックリストの改訂を行った場合には、掲示板上のチェックリ
スト情報を更新できるようにする予定である。
(4) e‐Net 掲示板のリニューアル
職員が適正な経理を執行するためには、職員の知識を補完する「手引き」が必
要である。e-Net 掲示板に「庶務事務お助けマニュアル」があるが、これまで
掲示板の掲載内容が整理されたことがないため、使い勝手の悪い分類や配列にな
っているという状況であった。
平成23年度は、庁内検討委員会の意見を参考にして、e-Net 掲示板のトッ
プページの改訂を行った。平成24年度は、第2階層以下の内容について改良を
加えていく予定である。
(5)監査委員監査の指摘事項の活用
監査委員による各種監査は対象となる課や団体を抽出して行っているが、監査
の結果、指摘された事項が他の課や団体に活かされずに、新たな監査の際に同様
の指摘を受けるという状況が生じていた。これを解消するため、指摘事項を全庁
的に周知し、その視点を持って自課の状況を再確認もしくは改善する機会とした。
また、指摘を受けた課の措置状況を内部統制担当で取りまとめ、監査委員へ報告
することとした。この対応の改正を6月開催の調整担当所管課長会議で周知した。
(別紙5)
【実施状況】
ア
出資団体監査
平成 23 年度出資団体監査の指摘事項を、今年度は監査対象とならなかった団
体の所管課に指摘事項を通知し、適切に対応するよう水平展開を図った。
また、指摘に対する2団体の措置状況の報告を受け、監査委員あて通知した。
平成 23 年度出資団体監査の対象及び指摘事項の有無は次表のとおり。
6
平成 23 年度出資団体監査対象団体
出資団体名
指摘事項
所管課
の有無
1
(財)静岡市文化振興財団
有(※1) 生活文化局文化スポーツ部文化振興課
2
(財)静岡市体育協会
有(※2) 生活文化局文化スポーツ部スポーツ振
興課
3
(株)駿府楽市
無
経済局商工部地域産業課
※1 現金の帳簿記載漏れ
※2 補助金交付申請時等の必要書類の不添付及び現金の長期にわたる手元保管
イ
学校監査
学校監査結果報告に基づき、各課に指摘事項(※3、4)を周知し、同様の
事態が生じないよう注意喚起の文書を発出した。
※3
個人所有のPCを職場に持ち込みインターネット接続、業務に使用した。
※4
校舎階段に備蓄品を積み上げていた。
ウ
定期監査
第 1 回及び第2回の定期監査結果報告に基づき、各課に対し注意喚起などを行
い、措置状況を収集しているところである。平成24年度に、監査委員に報告す
る。
(6)不適正経理の発生防止策の実施状況調査
不適正経理が本市監査委員監査により指摘された後、全局においてどのような
改善策を講じてきたか調査したところ、平成 23 年 9 月までに、全ての局、区役
所、独立機関で自主的に次のような改善策が実施されていた。
具体的には、物品等を発注する職員と納品検査する職員を別人とするよう改め
た、適正な契約事務を行うために模擬的な見積執行を行った(経営管理局等)
、
年度末の駆け込み発注を避けるため、計画的な予算執行に努めた(都市局等)
、
翌年度納入を予防するため物品納入を 2 月中に終わらせた(建設局等)、準公金
取扱マニュアルを自主的に策定した(上下水道局)などが報告された。
なお、平成 23 年度定期監査の重点監査項目として実施された「消耗品の購入
事務」についての第 1 回監査結果(1 月 24 日講評)によると、不適正経理の発
生件数割合は前年度比大きく減尐していたが、まだ一部の課等において不適正な
処理が指摘された。これを受け、同日、指摘された局においては、不適正経理の
原因を徹底的に究明し再発防止に向けた万全の対策を講じ、指摘のなかった局に
7
おいては引き続き計画的予算執行に留意するよう、全課に文書で要請した。
(7)準公金の調査
準公金の取扱い状況について、平成 21 年度まで3年毎に定例調査を実施してお
り、平成 22 年度はイベント関連準公金不正流用事件の発覚を受け緊急調査を実
施した。緊急調査では、準公金間の不正流用など同事件に見られたような不正処
理は認められなかったが、準公金の取扱いに関し是正すべき事項が認められた。
これを踏まえ、準公金の不適正な処理を防止する環境を整備するため平成 23
年度は次の取組を実施した。
(ア)準公金の取扱いに関する注意事項の策定、周知
これまで、職員が準公金を取り扱う上での統一的な基準がなかったため、通
帳と印鑑を同一人物が保管する、準公金管理者が定期的に通帳確認を行ってい
ないなど、不正経理の温床となりかねない状況であった。これを改善するため、
準公金の統一的な取扱指針となる「準公金の取り扱いに関する注意事項」(以
下、「取扱注意事項」
)(別紙6)を策定し、これを遵守するよう各課へ通知し
た。
(イ)準公金調査の実施
取扱注意事項の遵守状況の把握と、遵守されていない場合の代替策の有無及
び改善に向けての指導を目的に、準公金調査を実施した。平成 23 年9月に書
類調査、12 月に実地調査(抽出)を行った。
調査の結果、平成 23 年度に本市で取扱っている準公金は 148 件あり、その
うち、72 準公金で取扱注意事項に則った取扱いがされていないことが判明し
た。
当該 72 準公金については、結果報告書により指導をし、平成 24 年度に改善
がされているかを視点とした調査を実施する予定である。
6 組織の検討
本市における内部統制を統括する組織についてまとめた。(別紙7)
7 内部統制機能の充実に向けた対策のPDCAサイクル
内部統制機能を点検し、充実させるために行政管理課
総合調整・内部統制担当
が主になって、新たな対策の実施や必要な見直しを行っているが、今後、PDCA
サイクルを回していくことで、毎年度尐しずつ向上、進化させていく必要がある。
(別
紙8)
内部統制のPDCAサイクルを回すことにより、不適正な事務処理の発生を未然に
防ぐことはもとより、より公平、公正な行政運営を着実に進め、市民から信頼され
る市政の実現を目指していく。
8
8 本市の内部統制について市ホームページへ掲出
本市の内部統制に関する取組み状況について、平成 24 年 1 月に市HPへ掲出した。
9
調査等で明らかになった不適正な事務執行
調査名(調査主体)
実施年月
市の自主調査(財政局調
整室)
「国庫補助事業等におけ
H20,11
る事務費等の経理に係る
自発的な調査」
別紙 1 調査対象
H15~19年度の国庫支出金を充当して執行した
すべての事務費
12局・3独立機関992事業82億9,709万円(うち
国庫56億2,733万円)
総務省、文科省、厚労省、農水省、経産省、国交
省など
【目的】
「平成19年度決算会計検査」で12道府県におけ
る農水省及び国交省所管の国庫補助事業に係
る不適正経理があったことを踏まえ、本市におけ
る同様の不適正経理の有無を調査する。
調査結果
H21.2月公表
①不適正経理
<需用費>156件4,457万円
「差替え」59件2,018万円
「翌年度納入」97件2,439万円
預け金、一括払、前年度納入 なし
<賃金>31件3,315万円
「国補事業を行っていない部署の臨時職員への支払」28
件2,935万円
「他の国補事業からの賃金払」3件380万円
カラ雇用なし
<旅費>31件196万円
「補助対象外用途への支出」31件196万円
カラ出張 なし
②対象外事業への支出(他課の需用費等の支払等)167
件、1億1,800万円
指摘事項・意見(再発防止策等)
【原因】
①国庫補助金は、返還が生じないよう使い切らなければならないという職員の認
識
②補助事業の目的通りに使用することについての認識が不十分(補助事業を
行っていない部署の臨時職員への賃金、目的外の用務に係る旅費、他課の需用
費、使用料)
【再発防止策】
①法令及び服務規律遵守について全所属へ通知(21,1)
②国庫補助事業担当者への研修(21,2)
③会計事務マニュアル等既存の事務処理マニュアル等の点検
③事業実績報告書誤謬(事業報告書の金額誤り)28件
250万円
計2億18万円
H22.11.5公表
【静岡市の状況】
会計検査院検査
①不適正経理 1937件1億1,655万円余
平成19年度実施の検査結果を踏まえて65都道
<需用費>
府県市を対象に検査を実施。
「差替え」348件18,227万円
H20~22 農林水産省及び国土交通省所管の国庫補助事
「翌年度納入」590件3,210万円
年次
業に係る事務費等の経理状況を検査
「前年度納入」 4件6万円
(本市は
「補助対象外」421件3,709万円
H22年) 【対象】H15~H20年度に実施した農水省及び国
<賃金>
交省所管の国庫補助事業の需用費、賃金、旅
「補助対象外」73件2,622万円
費
<旅費>
「補助対象外」501件283万円
【発生原因】〈65都道府県市)
<需用費>
①多少の手続きの瑕疵は許されるという公金取り扱いの重要性への認識の欠如
②補助金返還が生じないよう使い切りの意識
③契約事務と検収事務を同一担当者が行うなど相互牽制が機能しない検収事務
検収行為の形骸化(未納入物品を納入したと検収)
④(預け金、差替えで購入した)物品の必要性、価格の妥当性の検討の不履行
⑤物品要求課が発注から検収まで行い、職務分担による相互牽制作用が機能し
にくい
<賃金>
①国補で支出できる賃金の範囲を拡大解釈
②国補の目的に適った支出に対する不十分な認識
<旅費>
①国補で支出できる旅費の範囲を拡大解釈
②国補の目的に適った支出に対する不十分な認識
③出張の用務内容の不十分な把握
【不十分な再発防止策】
ただし、件数、金額は上記自主調査と重複した事務費が ①一部の県等では、再発防止策に会計監査の強化等を含めていなかった。
含まれている。
②会計処理の適正化について文書発出しているものの、研修実施を管理職や経
理担当者に限定している県等があった。
③出先機関で、契約事務と検収事務を分離していない県等があった。
④65都道府県市のうち、14県市(静岡市含む)で会計事務について監査や検査を
行う部署が設置されていないか、兼任するなど体制が不十分。
【会計検査院の所見】
次のことが重要である。
①会計法令等の遵守に関する研修指導の徹底
②契約及び検収事務の厳格化
③予算の計画的執行の励行
④会計事務手続きにおける職務の分担による相互牽制機能の強化
⑤会計監査は納入業者の協力を得て突合させる等の手法の実施検討
⑥内部監査、監査委員監査、外部監査が連携し、会計機関における内部統制が
十分機能しているか、継続的な監視評価及び、再発防止策の検証の実施
【指摘】
①再発防止策及び内部統制機能が有効に機能していない。
②再発防止策を統括する所管が不明確で全体の調整が不十分。
H22.4/1~9/30の事務事業
重点監査項目として「消耗品の購入事務」及び
「不適正経理の再発防止策の取組み」を監査
「消耗品の購入事務」はH21年度(H22/3/1~
3/31)含む。
定期監査第1回(監査委
員事務局)
抽出34課422件10,000千円余を対象に監査の結果、次の
不適正経理があった。
①24課(70%余)で、128件2,191千円余の「翌年度納入」
②4課(11%余)で、10件129千円余の「前年度納入」
【目的】
H22、10
③日付空欄の請求書を業者に要求し、後で日付を記入
上記、国庫補助事務費調査で明らかになった不
~12
する悪しき慣行がある。
適正経理(預け金、一括払、差替え、翌年度納
④未納品のものを「検収」し、支払いをした。
入、前年度納入)が消耗品購入で行われていな
⑤(意図的に)契約を2分割し、単随契約とした。
いか、国庫補助事務費に限定せず検証する。
【対象】
経営管理局、財政局、生活文化局、保健福祉子
ども局、会計室、人事委員会事務局、監査委員
事務局
H22.4/1~10/31の事務事業
「消耗品の購入事務」はH21年度(H22/3/1~
3/31)含む。
定期監査第2回(監査委
員事務局)
【目的】
H22,11 同上
~H23,2
【対象】
環境局、病院局、経済局、都市局、建設局、駿河
区役所、消防局、上下水道局、教育委員会事務
局、農業委員会事務局
抽出60課869件19,241千円余を対象に監査の結果、次の
不適正経理があった。
①33課(55%余)で、180件2,051千円余の「翌年度納入」
②8課(13%余)で、13件322千円余の「前年度納入」
③未納品のものを「検収」し、支払いをした。
④業者の二重請求による二重支払があった。
【意見】
①出納整理期間を正しく理解していない。(出納整理期間中に発注できる等)
②予算は使い切らなければならないという意識がある。
③事業実施の円滑な実施を最優先させ、経理処理がないがしろにする。
④「この程度は許される」という安易な意識がある。
【その他、指導事項】
①日付のない納品書・請求書を受領する。(悪しき慣行)
②支払遅延防止法を厳守しつつ適正に事務執行すべき。
③年度末の消耗品購入が、無理な物品納入を誘発する。
④検収行為が形式化しており、実効性が担保されていない。
⑤不適正経理を防止する継続的なモニタリングの仕組みがない。
【意見】
①国補事務費に係る不適正経理はほとんど見受けられなかった。
②国庫補助事業では再発防止策が有効に機能したが、市単では不十分であっ
た。
③道路部では国補、市単とも不適正経理は見受けられなかった。同部では事務
費執行マニュアル作成、3月中旬までの発注完了など具体的仕組みを実行、再発
防止に努めていた。
④再発防止策を有効に機能させれば現行制度下でも不適正処理を発生させない
ことができる。
【原因】
①勤務場所の分散、管理監督者の不在
②準公金の取扱基準の未整備、通帳の保管場所等の不適切取り扱い
③不十分な事務引継ぎ
④事務の責任の所在の不明確
⑤決算資料の不十分な確認
イベント準公金個別調査
(行政管理課)
H22,10
~12
イベント関連不正流用事件(個別事件)に係る事 ①市費(補助金等)の未執行
務執行
②不正な資金流用(大道芸ワールドカップ実行委員会、
【再発防止策】
静岡祭り実行委員会相互の流用)
【目的】イベント関連不正流用事件に係る事実確 ③不正な資金流用隠蔽のための資金操作(不要な口座 ①担当課長の設置
②準公金の緊急調査
認
の開設、個人資金による調整)
③人事異動による事務引継書の徹底
④事務分担の共有、工夫
⑤予算決算事務に関する認識
全課かいでH22年.4~12月に扱った準公金※53
課156件
【目的】
上記「準公金不正流用事件」を踏まえ、各所属で
扱っている準公金が適正に管理されているか調
査する。
【調査の視点】
準公金緊急調査(行政管 H22,12
①取扱う職員の事務分担
理課)
~H23.2
②通帳,印鑑の保管状況
③出入金時の管理者の確認状況
④通帳の確認状況
⑤決算監査の体制
⑥事務引継ぎの状況
⑦3年以上担当している職員の有無
【是正すべき取扱い】
①通帳・印鑑の保管を同一職員が管理している。
②出金時の処理を担当者のみで行っている。
②管理者による定期的な確認が行われていない。
③同一職員による長期担当、複数準公金の取扱い、補助金交付及び受領が行わ
れている。
※「準公金」とは公金以外の金銭で、職員が公務中に収
④第三者(市職員以外)による決算審査が行われていない。
入支出の手続きを行っているものをいう。
⑤担当者が人事異動する際、引き継ぎが不十分
【結果】
・複数の準公金間での流用、別口座の開設等、イベント
関連調査結果で見られた不正な取扱はなし。
リスク類型と対応策
№
類 型
事 象 (例)
共通的に慣習化してき
日付のない納品書、請求
1 たもの
書の要求、受領
翌年度納入
(国庫・市単事業に見
前年度納入
られた不適正処理)
使い切り意識
不要不急な物品購入
差替え
検収行為の形骸化
別紙 2 対 応 方 針
①3月上旬までに必要な物品を計画
的に購入する。
②未執行予算を積極的に不用額とす
る。
・研修「年度末に向けた注意事項」
(①不正経理とは ②契約事務の確認)
・注意喚起文書発出
①発注者と検収者を分離する。
・不適正経理処理の再発防止策を通知
・研修「年度末に向けた注意事項」
(①不正経理とは ②契約事務の確認)
・会計事務研修
・注意喚起文書発出
・ルール化の検討→処務事務マニュアルの改訂(H23.5)(検収
について)
預け金、一括払い、カラ雇 ①本市では事例はないが、注意喚起
する。
用、カラ出張
補助対象外経費に充当
(本来目的を逸脱)
具体策
①支払遅延防止法を意識しつつ、無理 ・研修「年度末に向けた注意事項」
のない納品日、支払日を事前に業者と (①不正経理とは ②契約事務の確認)
調整してから発注する。
・会計事務研修
・注意喚起文書発出
・会計課への支払関係書類持込期限を1日繰り下げ(H23.10月
実施)
・研修「年度末に向けた注意事項」
(①不正経理とは ②契約事務の確認)
①前例踏襲でなく、法令、契約書、補
助要綱など原典で確認してから処理す ・研修「年度末に向けた注意事項」
(①不正経理とは ②契約事務の確認)
る。
原典に当たらず前例踏襲
・公金(出納金)検査時に周知・指導
・準公金調査の実施
通帳・印鑑の保管方法
①通帳と印鑑の保管者を分離する。
準公金の不十分な引継ぎ
①人事異動の際には、確実に引き継
・準公金に関する引継書作成
ぎを行う。
(H22実施)
②将来的には市職員が準公金を扱わ
・市組織外への移管、委託
ない体制づくり
ローカル的に慣習化し
2
てきたもの
①書類処理を加味したスケジュールを
立て、必要なら課内応援体制を取る。
事業実施最優先の事務ス ②管理監督者が業務の繁閑を考えて ①職場の協力体制、風土づくり
タイル
②管理監督者研修
事業の進行管理を行う。
契約・購入価格の精査不
足
①業者を固定化せず見積りを徴取す
る。
①注意喚起
出納整理期間に対する
誤った認識
①職員への学習及び指導を実施す
る。
・研修「年度末に向けた注意事項」
(①不正経理とは ②契約事務の確認)
・担当課長の設置
事務所が離れており、監督 ①組織改正、または代替機能による対 ・担当課長の設置に伴い、予定価格の決定者など見直しを行
者が不在
応
い、お助けマニュアルの改正及び契約事務担当者説明会で周
知
決算数字を確認せず、多
額の不用額を看過
3 単純ミス
転記ミス
①管理監督者等が確実に確認する。
管理職研修を実施
①複数人でチェックする体制づくり
②転記をなくす
・チェックリスト
・e-ラーニングによる「情報セキュリティ研修2010」実施
・転記、誤封入を回避する方法の検討
①事件事故を受けた再発防止策を水
平展開する。
4 事務処理上の事故
情報漏えい等の事務執行
上の事故
5 服務
飲酒運転
セクハラ
パワハラ
収賄
①適時適切に注意喚起する。
②職場の風土づくり
・危機管理研修会の実施
・発生した事務事故への対応策の検証(実地検査・ヒアリング)
・管理職研修及び契約事務担当者研修を実施
・e-ラーニングによる「情報セキュリティ研修2010」実施
・転記、誤封入を回避する方法の検討
・注意喚起の文書発出
・職員研修(セクハラ-新任所属長、新任主幹級職員対象、パ
ワハラ-新任所属長対象)
・パワハラ、セクハラ相談機関、解決機関の設置
・公益通報に関する「静岡市職員法令遵守推進委員会」の設
置
・不当要求行為等防止責任者講習会の開催
・政策法務主任者研修会
・法制実務研修
老朽化による施設瑕疵、
・所属長(財産管理者、物品出納員)研修における事故事例周
①定期的な保守点検
施設及び保管物品の 誤った使用方法による事
知等
6
②他都市等の事故を周知し再発防止
事故、不適正な管理 故、保管物品・廃棄物の不
・物品管理等に係る担当者研修会の開催
策を水平展開する。
適正な処理 など
・PCB保管物品の紛失を受け、物品を保管している全課等へ
の立入検査及び確認表の提出
別紙3
静岡市内部統制機能に関する庁内検討委員会設置要綱
(設置)
第1条 静岡市は、公正で適切な職務の執行の確保のための内部統制の機能(以下「内部
統制機能」という。)の充実に向けた取組を総合的かつ横断的に推進するため、静岡市
内部統制機能に関する庁内検討委員会(以下「委員会」という。
)を置く。
(所掌事項)
第2条 委員会の所掌事項は、次に掲げるとおりとする。
(1)内部統制機能の充実に向けた課題の整理、検討等に関すること。
(2)内部統制機能の充実を図る事業の実施に関すること。
(3)前2号に掲げるもののほか、内部統制機能の充実に関し市長が必要があると認める
事項
(組織)
第3条 委員会は、委員長及び委員をもって組織する。
2
委員長は総務局行政管理部理事(総合調整及び内部統制を担当する者に限る。)を、
委員は別表に掲げる職にある者をもって充てる。
(委員長)
第4条 委員長は、委員会の会務を総理し、委員会を代表する。
2 委員長は、委員会の会議の議長となる。
3 委員長に事故があるとき、又は委員長が欠けたときは、あらかじめ委員長の指名する
者がその職務を代理する。
(会議)
第5条 委員会の会議は、委員長が招集する。
2 委員会は、必要があると認めるときは、委員会の会議に関係者の出席を求め、その意
見又は説明を聴くことができる。
(作業部会)
第6条 第2条各号に掲げる所掌事項について、必要な資料の収集及び整理その他の作業
を行うため、委員会に作業部会を置く。
2 作業部会は、総務局行政管理部行政管理課総合調整・内部統制担当統括主幹の職にあ
る者及び委員がその所属職員のうちから指名する者をもって組織する。
3 作業部会に部会長を置き、総務局行政管理部行政管理課総合調整・内部統制担当統括
主幹の職にある者をもって充てる。
4 第4条第2項及び前条の規定は、作業部会の会議について準用する。この場合におい
て、これらの規定中「委員会」とあるのは「作業部会」と、「委員長」とあるのは「部
会長」と読み替えるものとする。
(庶務)
第7条 委員会の庶務は、総務局行政管理部行政管理課において処理する。
(雑則)
第8条 この要綱に定めるもののほか、委員会の運営に関し必要な事項は、委員長が委員
会に諮って定める。
附 則
この要綱は、平成23年5月19日から施行する。
附 則
この要綱は、平成24年4月1日から施行する。
別表(第3条関係)
職名
総務局行政管理部政策法務課長
総務局行政管理部人事課長
総務局行政管理部情報管理課長
総務局危機管理部危機管理課長
企画局企画部企画課長
財政局財政部財政課長
財政局財政部管財課長
財政局財政部契約課長
環境局環境創造部環境総務課長
静岡会計課長
監査委員事務局次長
平成23年度 内部統制に関する研修等実施状況一覧(実施予定含) 別紙4-1
(1)財 務 関 係
№
名 称
対 象 者
H23
年度実
施
当初予算編成要領説明
1
会
総括課長、各局
筆頭課調整担当
9月
2 財政状況説明会
総括課長、主管
課長
5月
工事契約等事務及び制
3
度改正等説明会
工事発注事務職
員及び技術職員
4 契約事務研修会
5
事務担当者
契約・財産管理に関する
所属長
所属長説明会
財産・物品管理に関する
6
各課担当者
担当者説明会
7 会計事務研修会
8
e-ラーニング「会計事務
研修」
内 容
内部統制の機能
実施課
を意識した点など
9月30日付け通達の「平成24年度当初予算編成方針
について」説明。
予算編成の基本方針を説明。
監査委員、外部
監査人が行う監 財政課
査による指摘事
項等について、改
善に向け取り組
み、その内容を予
算に的確に反映
させること」を留
本市財政状況を説明するとともに、4月7日付けで通達 意事項として指
財政課
した「平成23年度予算の執行について」説明。
示。
4月
・工事契約等事務説明会
・制度改正等説明会
適正処理に向け
ての注意喚起を
契約課
研修の冒頭に強
調した。
5月
物品購入及び委託業務の契約
事務について
適正処理に向け
ての注意喚起を
契約課
研修の冒頭に強
調した。
6月
・適正な契約事務の執行について
・適正な財産・物品管理について
内部統制強化の
観点から、契約事
務及び財産・物品
管理事務の適正 契約課、
処理に向けての 管財課
注意喚起を研修
の冒頭に強調し
た。
7月
・財産・物品管理事務について
・車両管理事務について
適正処理に向け
ての注意喚起を
管財課
研修の冒頭に強
調した。
不適正とされる処
新たに会計事務 6月、7 会計事務について(支払帳票等の審査及び現金出納
理を例示し、注意 会計室
を担当する職員
月 事務の要点等)
喚起を図った。
会計事務におけ
るコンプライアン
市政パソコンが
11月 適正な会計事務の執行のため、会計の基礎知識につ ス及び適正執行
配備された職員 ~12月 いて研修を行う。
に向けた基本知
識の習得を目的
とした。
1
会計室
(2)職員の服務関係
対 象 者
H23
年度実
施
1 副主幹級研修
新任副主幹級職
員
5月
公務員倫理
2 主査級研修
新任主査級職員
5月
公務員倫理
3 採用2年目研修
採用2年目職員
6月
地方公務員法
4 副主任保育士研修
副主任保育士
(平成24年度に
昇格試験の受験
資格を得ること
のできる職員)
№
名 称
5 新職員研修
平成23年4月1日
付採用の新職員
6 非常勤職員研修
平成23年4月1日
付採用の非常勤
職員
7 公用車安全運転研修会
事故を起こした
職員
6月
4月
4月
内 容
地方公務員法
内部統制の機能
実施課
を意識した点など
公務員に求めら
れる倫理につい 人事課
て自ら考え、ま
た、他者の意見を
聞き気付きを得る 人事課
こととした。
人事課
公務員の身分及
び責務の基本に
ついて学ぶ。
公務員に求めら
れる倫理につい
て自ら考え、ま
地方公務員制度、服務、庁内システムと情報セキュリ た、他者の意見を
ティ、
聞き気付きを得る
文書事務(基礎編)、公務員倫理
こととした。
公務員の身分及
び責務の基本に
ついて学ぶ。
服務、情報セキュリティ、公務員倫理
11月 同様の事故を起こさないための安全運転教育研修
2
人事課
人事課、
行政管理
課、情報
管理課
公務員の身分及 人事課、
び責務の基本に 情報管理
ついて学ぶ。
課
事故事例等を挙
げ、安全運転に
向けての注意喚
起を研修の冒頭
に強調した。
管財課
(3)その他(内部統制、コンプライアンス、情報漏えい等)
№
名 称
対 象 者
H23
年度実
施
1
分かりやすい公文書の書
希望職員
き方
8月
2
内部統制に関する研修
会
4月
全所属長
政策法務主任者研修会
(基本法令研修)
局及び課政策法
務主任者
3 行政リーガルドック診査
予備調査により
選定された48課
の課長、統括、
事務担当者等
4 行政リーガルドック研修
局及び課政策法
務主任者
6 所属長研修
新任所属長
8 監督者研修
「ICT部門の業務継続計
9
画」説明会
2月
内部統制の機能
実施課
を意識した点など
・情報公開を前提
とした、市民に分
かり易い文書作
成の研修を主査
以上と主任主事
以下のレベル別
希望職員を対象に、公文書の作成についての研修を に実施
行う。
・平成24年1月
に、筆頭課統括
主幹を対象に文
書の論点の組み
立て方等の研修
を新たに実施し
た。
「内部統制」を意
識することによ
内部統制の概要と必要性を全職員に認識してもらうた り、全職員が適正
め、所属長を対象に研修を行う。
に事務執行する
必要性を認識付
けした。
行政手続法及び国家賠償法に関する基本的知識
静岡市政策法務アドバイザーの指導のもと、本市が行
う事務事業の内容、手続等について、内部統制の観
8月
点から、法的課題の抽出及び解決策等の提示を行
う。
静岡市政策法務アドバイザーの講義を受け、その指
局及び課政策法
7月~ 導のもと、地方公共団体が当事者となった訴訟の事例
務主任者のうち
9月 を分析し、政策法務主任者の法務能力の養成を図
18人
る。
行政リーガルドック事業
5
フィードバック研修
7 主幹級研修
4月
内 容
静岡市政策法務アドバイザーによる講演や、行政リー
ガルドック診査及び行政リーガルドック研修を通じて作
成したリーガルチェックシートの活用方法について周
知し、組織内での知識の共有を図る。
行政管理
課
行政管理
課
受講者を行政
リーガルドック研
政策法務
修の受講者から、
課
全政策法務主任
者に拡大した。
政策法務
課
政策法務
課
政策法務
課
組織マネジメント(問題解決の構造、管理監督者の役 職場マネジメント
5月~8
割、OJT)
の重要な要素の 人事課
月
コンプライアンス・パワハラ(e-ラーニング)
一つであるコンプ
ライアンスについ
て学ぶ。
新任主幹級職員 5月 コンプライアンス・パワハラ (e-ラーニング)
人事課
担当を所管する
新任の長(統括
主幹、統括副主
幹等)
システム所管課
の情報化推進員
又はシステム運
用に携わる職員
職場での問題発
見に欠かせない
コミュニケーション
人事課
の知識、情報漏
えいの危険性に
ついて学ぶ。
7月
職場マネジメント・問題発見問題解決
8月
情報管理課版の
ICT部門の業務継
続計画に基づき、
システム所管課に対しての、ICT部門の業務継続計画
情報管理
システム所管課
策定の報告及び計画概要の説明
課
版の業務継続計
画を策定するよう
喚起した。
3
10
情報セキュリティ管理者
研修
各所属長
6月
情報セキュリティ管理者としての考え方
情報管理
課
11
情報セキュリティ担当者
研修
各情報化推進員
5月
情報セキュリティ担当者として必要な知識
情報管理
課
市政パソコンが
e-ラーニング「情報セ
配備された職員
12 キュリティ・事務処理基礎 &郵便物発送作
研修2011」
業等を行う非常
勤・臨時職員
情報セキュリティ
内部監査員
1月
情報セキュリティ内部監査を行うための知識
地域包括支援センター新
地域包括支援セ
14 職員情報セキュリティ研
ンター新職員
修
4月
情報漏えい事故の現状と事故を防ぐための知識
税務に関わる部
税務新職員情報セキュリ
署に新たに配属
ティ研修
された職員
4月
情報漏えい事故の現状と事故を防ぐための知識
13
15
情報セキュリティ内部監
査員研修
「事務処理につい
ての基礎講座」と 情報管理
9月~ 情報セキュリティに関する最新の知識、事務処理に関
してテスト問題21 課・行政
10月 する基本的な知識
問を新たに付け 管理課
加えた。
静岡市養育支援訪問員
16 初任者情報セキュリティ
研修
養育支援訪問員
初任者
10月 情報漏えい事故の現状と事故を防ぐための知識
文書取扱い上の情報漏 個人情報を取り
17 えい事故を防止するため 扱う非常勤・臨時 10月 情報漏えい事故の現状と事故を防ぐための知識
のセキュリティ研修
職員
情報管理
課
毎年度、必要に
応じて受講対象
者を特定し、個人
情報を適正に扱う
ことの必要性を認
識付けする。
(H22は農業委員
会委員、市保健
師、市助産師を対
象とした。)
情報管理
課
情報管理
課
情報管理
課
行政管理
課・情報
管理課
18
外郭団体情報セキュリ
ティ研修
市外郭団体(8団
体)
3月
情報漏えい事故の現状と事故を防ぐための知識
情報管理
課
19
情報セキュリティ委員会
研修
副市長、局長級
職員
3月
情報漏えい事故の現状と情報セキュリティ責任者とし
ての考え方
情報管理
課
4月
土地取得等検討委員会に係る事務手続等を説明
(全体では企画主任者の業務内容の説明)
8月
・対象者を各所属
の庶務事務を統
括している職員と
地方自治体が実施する事業、業務等に関する危機管 した。
危機管理
理と内部統制の重要性について地方自治体が実施す
課・行政
る事業、業務等に関する危機管理のあり方について ・内部統制、コン 管理課
プライアンスに関
する部分の内容
を追加した。
20 企画主任者会議
各局部課企画主
任者
行政職
(新任課長、統括
主幹)
21 静岡市危機管理研修会
22 公用車安全運転講習会
学校、幼稚園、
保育園
(新任校長・園
長、教頭)
新規採用職員
(含非常勤)
6月
公用車運転の心構えや駐車装置の操作方法等の講
習
・土地の取得に関
し、必要かつ適正 経営企画
な手続きについて 課
説明した。
事故事例等を挙
げ、安全運転に
向けての注意喚
起を研修の冒頭
に強調した。
管財課
23 公用車車庫入れ教室
一般職員
6月
事故事例等を挙
げ、安全運転と装
静岡庁舎地下2階駐車装置での事故防止のための講 置の適正操作に
管財課
習会
向けての注意喚
起を研修の冒頭
に強調した。
24 環境管理担当者研修
環境管理担当者
4月
環境マネジメントシステムの内容説明等について
環境総務
課
25 内部環境監査員研修
適用範囲内の課
員
8月
環境マネジメントシステムの内部監査実施方法につい
て
環境総務
課
4
26
e-ラーニングライブラリ研
年間100人
修(選択研修)
内部統制の意義、職場のコンプライアンス、個人情報 内部統制に関す
7月~3
保護&情報セキュリティコースなど47メニューから選 るメニューを選択 人事課
月
択受講
し自発的に学ぶ。
5
別紙 4-2
市長・副市長
○情報セキュリティ
内部統制機能を学ぶ研修
局長
委員会研修
○情報セキュリティ委員会研修
部長
課長
○予算説明会
主幹
○主幹研修
副主幹
○副主幹級研修
主査
○主査級研修
臨時・非常勤
○契約・財産管理説明会
(法令遵守、パワハ (以上、予算の適正執行など)
ラなど)
(公務員倫理など) ○監督者研修
(部下管理など)
(公務員倫理など)
主事
○採用2年目研修
新職員
○新職員研修
○財政状況説明会
○内部統制に関する研修会
○所属長研修
(法令遵守、パワハラ、部下管理など)
○情報セキュリティ管理者研修
(地方公務員法など)
(服務・公務員倫理・セキュリティなど)
○非常勤職員研修
○セキュリティ研修
情報セキュリティ・基礎的会計事務研修(e-ラーニング)
工事契約等事務及び総合評価競争入札説明会(契約実務担当者及び部会担当者)
契約事務研修会(契約事務担当者)
財産・物品管理に関する担当者説明会
会計事務研修会(会計事務担当者)
行政リーガルドック診査
行政リーガルドック研修、フィードバック研修(局及び課政策法務主任者)
情報セキュリティ担当者研修(各情報化推進員)
危機管理研修
分かりやすい公文書の書き方(希望者)
情報セキュリティ内部監査員研修(内部監査委員)
環境管理担当者研修(環境管理担当者)
内部環境監査員研修(内部環境監査員)
e-ラーニングライブラリ研修(年間100人)
監査委員監査の指摘事項の対応について
別紙 5
行政管理課 監査委員→市長等(※)あてに通知
(具体的な通知は、監査委員事務局長→
課かい長、独立機関事務局長あて)
A課
B課
C課
D課
E課
~
①監査通知
②監査資料
監査委員
③監査実施
各課は資料のみ提
出
④’結果報告
④結果報告・講評
結果報告は、監査委員→市長等(※)あて
に通知
(講評出席者は、監査対象部長及び課
長)
指摘事項に係る説明
④と同じもの
監査委員→市長等
※「市長等」とは、議会、市
長、教育委員会、選挙管理
委員会、人事委員会、農業
委員会
行政管理課
(指摘事項あり)
全庁的に水平展開
指摘事項に係る措置状況報告依頼
A課
A課
B課
B課
C課
D課
E課
E課
⑤指摘事項の対応(措置の実施)
行政管理課
⑥措置状況の報告
a.市長部局の各課長は、行政管理課
長あてに提出する。(別紙)
○指摘事項の検証
・単独の課で改善できる内容か
行政管理課から
市長名で監査委員 ・制度的に改善すれば解決できる内容か
あて通知する。
・全所属に注意喚起、周知すべき内容か
○措置状況の検証
a
b 連絡
・同内容の指摘を受けた課の措置状況の調整
b.次の機関(議会等の機関)につい
ては、
議会:議会総務課長名
教委:教育総務課長名
選管、人委、農委:事務局次長名
で行政管理課長あてに提出し、情報
を共有する。
議会等
⑦措置状況の報告
監査委員
議会等の機関から監査委
員あて通知する。
別紙6
準公金の取扱いに関する注意事項
市の職員が準公金を取り扱う場合は、以下の事項を遵守するものとする。
1 定義
(1)「準公金」とは、静岡市の公金以外の金銭で、公務の中でその収入及び支出等の手続
を市の職員(学校徴収金については、県費職員も含む。)が行っているものをいう。
準公金の例
:○○協議会、○○連絡会、○○実行委員会 等で扱う金銭
学校徴収金のうち市の歳入にならない金銭
準公金ではない例:
(公金)○○使用料収入、○○手数料収入、
教室等会費収入、○○寄付金収入 等
(私金)○○課親睦会 等で扱う金銭
(2)「実行委員会等」とは、市が補助金、負担金、交付金を交付している団体をい
う。
(3)「管理責任者」とは、準公金の管理を総括する者をいう。
(4)「準公金担当者」とは、準公金に係る事務を行う者をいう。
2
責任者等
(1)管理責任者は、市の所管課長(担当課長含む。)とする。
(2)準公金担当者は、3年以上、同一の者としてはならない。
(3)1人の準公金担当者が複数の準公金を取扱ってはならない。
(4)実行委員会等への補助金等交付手続担当者と、実行委員会等における準公金担当者は
同一の者としてはならない。
(5)上記(1)から(4)によらない取扱をしようとする場合は、行政管理課と協議する
ものとする。
3
現金、通帳、印鑑の保管等
(1)現金、通帳及び印鑑は、堅固な金庫等施錠できる安全な場所に保管するものとする。
(2)印鑑は、通帳とは別の場所に保管し、管理責任者が管理するものとする。
(3)キャッシュカードについては、入出金時に牽制機能が働かないため、やむを得ない場
合を除き作成しないものとする。
(4)現金の計数作業及び銀行等への持ち運び(ただし、少額の場合についてはこの限りで
はない。)は、複数の職員で対応するものとする。
4
収入・支出
(1)共通事項
ア 準公金について、収入、支出の手続を行う際には、決裁等により当該実行委
員会等(学校徴収金については、学校等)における内部的意思決定を行い、伝
票等に押印が必要な場合は、管理責任者がその内容を確認し、押印するものと
する。
イ 決裁等には、請求書、領収書等の収入、支出の根拠となる書類を添付する。
ウ 管理責任者は、月末など定期的に、出納簿、通帳、関係書類等に記載されて
いる金額及び現金の確認を行うものとする。
(2)収入
ア 現金収入を極力避け、金融機関へ直接納入または口座振込とする。
イ 現金を取り扱った場合、領収書は必ず発行し、領収書の控えは保存するもの
とし、当該実行委員会等に定めがない場合は、5年保存とする。
ウ 領収書は連番を付し、未発行のものについては施錠できる場所に保管するも
のとする。また、書き損じについても同様とする。
エ 現金で収入した場合、即日又は翌営業日に金融機関に預けるものとする。
(3)支出
ア 現金支払いを極力避け、口座振込とする。
イ 現金支払いをする場合、通帳から引き出した金額を債主に速やかに支払うものとす
る。
ウ 現金支払いをする場合、領収書は必ず徴し、支払いの証拠書類として保存するもの
とし、当該実行委員会等に定めがない場合は、10 年保存とする。
5
決算
(1)決算書は、実行委員会等で定める会計年度ごとに作成するものとする。
(2)決算書は、職員以外の者による審査を受けるものとする。
(3)常に準公金ごとに収支の状況が確認できる書類を整備しておくものとする。
6
事務の引継ぎ
管理責任者及び準公金担当者が人事異動等により変更となる場合は、通帳残高の確
認も含めた引継ぎを行うものとする。
7
その他検討事項
(1)管理責任者は、実行委員会等の自主運営能力の育成等により会計事務の移管を図るな
ど、準公金の取扱いを極力減らすよう見直すものとする。
(2)実行委員会等ごとに適正な会計処理を目的とした事務処理基準を整備するものとする。
2
別紙7
内 部 統 制 組 織 に つ い て
―
政令市の現状と本市組織の検討
平成24年3月
行政管理課
―
1 組織の現状
(1)内部統制と危機管理
一般に「内部統制」の観点から対応すべき事案と「危機管理」のそれとで、明確な線
引きはできないが、概ね次の仕分けができる。
ア 対象内容の違い
「内部統制」とは、違法行為、不正、ミスなどが発生することなく、法令、所定の基
準、手続き等に基づいて、健全かつ効率的に業務が運営されるよう、業務を管理、監視
する一連の仕組みをいい、本来、業務管理責任者のコントロール下にある事件・事故を
対象とする。
「危機管理」は、会社などの組織に損失を及ぼす業務上の不正、ミスなどに限らず、
テロ、事件、事故、災害、情報漏えいなどの予期せぬ損害が発生してしまった場合の対
応及び拡大防止策を対象とする。
従って、扱う事案は、業務管理責任者のコントロール下にある事象にとどまらない。
イ 対応時期の違い
「内部統制」は事件・事故が発生しないよう、日常的に予防・抑制する施策の立案と
実施に主眼を置くが、危機管理は事件・事故発生後の初期対応、二次被害の発生、拡大
防止に力点を置く。
なお、
「静岡市事務事業危機管理本部設置規程」
(平成 23 年 4 月 1 日施行)では、
「危
機管理」を「事故等の発生を未然に防止するとともに発生した事故等に迅速かつ適正に
対処することをいう」と定義づけ、予防措置までをその対象としている。
(2)本市の組織
危機管理課は、予測できない自然災害の発生、新型ウイルスの感染拡大、テロ行為と
いった重大事件の発生等に対応するため、平成 22 年 4 月に設置された。
これまで、主に情報漏えい事故等の発生後、その原因究明と二次被害の防止、再発防
止策の指導に取り組んできたところである。
一方で、平成 20 年度から 22 年度の間に発覚した一連の不適正経理事案(別紙 1 参
照)を受け、本市においては、内部統制機能を充実強化させる必要性が高まった。
そこで、各局調整室の廃止に伴い、平成 23 年度に経営管理局調整室が行政管理課総
合調整・内部統制担当として改組され、内部統制機能の総括部署が設置された。
スタッフは、担当理事 1 人及び担当職員 4 人である。
1
(3)他政令市の組織
平成 23 年度の第 41 回大都市総務局長会議資料によれば、
「内部統制」を機能させる
形態は一定ではないものの、本市を除く 18 政令市中 14 市が、内部統制をより強力に
実施し、推進する組織・機関をもっている。(別添資料参照)
「内部統制」として取り扱う範囲は、事務・財務関係の不適正経理、談合や公益通報
者制度への対応、服務や信用失墜行為への対応などと幅広く、その自治体が「内部統制」
を充実させる契機となった過去の経緯によって、各市で取組対象の重点には差異がある。
(別紙 2 参照)
なお、「内部統制」関連の部署を設置する 14 市のうち、全ての市で、「危機管理」部
署を別組織としている。両者の所掌事務については、「危機管理」部署は災害、武力攻
撃、インフルエンザなどであり、「内部統制」部署は、事務処理上の不祥事、事件・事
故などである。
また、人事課が所管する職員の服務についても、「内部統制」とは別に所管部署を設
け運用している。
2 本市に必要な内部統制レベル
(1)現状
本市で発覚した近年の事件・事故を、再発防止策の観点から類型化した。
(別紙 3 参
照)
このうち、会計検査院検査や本市定期監査で明らかになった不適正経理の態様は、
「国
庫補助金を使い切らなければならない」という誤解や、会計事務を“円滑に”進めたい
という欲求に基づく、「差替え」「翌年度納入」「前年度納入」などであり、従来、本市
組織全体で、会計処理上の認識が足りなかったことに起因するものである。
従って、裏返せば、この処理方法が誤った事務処理であったことを、この際徹底的に
周知することで、職員全員が学習すれば、相当程度の改善が期待できるはずである。し
かし、ヒューマンエラーの発生については、その根絶は現実的には極めて難しい課題で
ある。極力職員個人の注意力に頼らない事務処理の工夫や、複数人の目が行きとどく、
または複数回のチェックが入る運用を採用し、一旦決めたら、それを例外なく実践する
ことがポイントである。
また、監査委員監査については、地方自治法(第 199 条第 12 項)で「監査委員から
監査の結果に関する報告の提出に基づき、議会、長、教育委員会等が措置を講じたとき
は、その旨を監査委員に通知するものとする」とされている。
これまでは、指摘を受けた各課が、それぞれ長の名で監査委員に措置状況を提出する
運用としてきたところであるが、この点について、行政管理課が一元的にまとめて報告
するよう改善を求められていた。
2
これは、監査委員からの指摘事項、それを機に検討された再発防止策が全庁的に共有
化されておらず、結果として度重なる不適正経理の発生につながっていると判断された
ためである。
平成 23 年度は、
「定期監査(工事監査、学校監査を除く)」
「出資団体監査」「指定管
理者監査」
「財政援助団体監査」
「行政監査」について、この点を改善したところである。
(2)対応のレベル
業務プロセスに潜むリスクを回避するためには、①職員個人がミス防止に努める、②
各課・部・局が、組織的に一定のミス防止策を実施する、③専門的な部署が恒常的に監
査し防止する、この3つ段階が想定される。
③については、監査委員事務局による現行の監査を自主的に実施することと同じであ
るため、リスクを回避する上では最も大きな効果が期待できるものの、監査委員事務局
相当の仕事量が新たに組織内に発生することになり、人員増の要因となる。
他政令市では、②の一形態として、各局(又は部)がテーマを絞って、あるいは項目
を指定し抽出検査することによって自主的に内部監査している札幌市、横浜市、大阪市
などの例があるが、各局(部)にとって、事務の負担感は増大する。また、③の例とし
ては、神戸市があるが、従事する人員は 12 人と多い。
既に、2(1)で述べたように、本市において指摘された不適正経理の主な原因は、
会計処理方式の悪しき慣習にあるため、正しい処理方法をこの際徹底的に周知し、職員
全員が学習することで、相当程度の改善が期待できると判断される。
従って、本市は①及び②により「内部統制」を進めるが、②の形態として、局(部)
単位で内部監査を自主的に実施するところまでは現段階では求めず、課単位で統制機能
を充実させるものとする。
なお、③については、将来的な監査委員監査のあり方とも関係する。
現在の監査委員による監査のスタッフは市長部局の職員であり、監査制度といえども
監査に当たる職員は「身内」であり、厳しい監査を担保するためには、監査は市の組織
から完全に独立した第三者機関にゆだねるべきという議論があり、国でもこうした実態
を踏まえ、自治法改正を想定している。
仮に監査委員制度が抜本的に変わった場合、外部機関の監査に備え、まさに内部的に
監査機能を担う部署を設置する必要性が高まり、「内部統制」のあり方も変わることが
予想される。従って、③については、国の自治法改正の動きや本市の定員管理の進捗を
見ながら研究を進めるものとする。
3 今後の本市組織のあり方
平成 23 年度及び平成 24 年度に「内部統制」に対する取組の効果を検証しながら、
本市で求められる「内部統制」のレベル、運用形態などを勘案し、組織のあり方を検討
3
する。
(1)平成 23 年度の取組
行政管理課に総合調整・内部統制担当が設置されたことを受け、庁内の各局部で所管
している内部統制機能を総合的、横断的に連携させ、より実効性の高まる体制を構築し
た。具体的な取組は次のとおり。
ア 全所属長を対象に「内部統制研修」を実施。
(4 月)
イ 「内部統制」を分任する関係課長で構成する「静岡市内部統制機能に関する庁内
検討委員会」を設置。
(5 月)
ウ 不適正経理等の調査結果の整理及びリスクの類型化と対応策を検討。
(6 月頃)
エ 全課にリスク分析(リスクチェックリスト作成)(8 月頃)
オ 準公金の定例調査(9~10 月頃)
カ e-ラーニングの実施(9 月頃)
キ e-Net 掲示板を利用しやすくするためのリニューアル(9~10 月頃)
ク 監査委員監査の指摘事項と措置した状況を全庁的に周知。
(2)平成 24 年度の取組
業務を「内部統制」に特化した、課、室、担当などは設置せず、行政管理課内の既存
担当が業務を所管する。
現在、行政管理課の調整担当が「内部統制」を担当しているが、「内部統制」は通常
業務の執行過程と密接不可分であり、通常業務の中に潜むリスクをいかに回避するかと
いう点で、事務管理のあり方そのものという考え方に立てば、事務管理を分掌する担当
が所管してもおかしくはない。
また、将来的に、局(部)単位で「内部監査」を自主的に実施する場合を想定し、各
局(部)の負担感を増やさず、実効性の上がる手法を検討しておく必要がある。
この際、環境マネジメントシステム ISO14001 の内部監査の実施方法などが参考にな
ろう。各局(部)から、複数職員を選抜し、期間限定でチームを構成し、他の局(部)
の事務処理を“監査”するという方法である。これにより、従事した職員に対してはま
たとない OJT の機会となり、職員個人のレベルアップにつながるものと考えられる。
4
別紙2
各政令市が内部統制で重視する分野
財務・事務の分野
・さいたま市(適正な事務執行、調査)
・神戸市(全庁的な事務調査、所属長による自主調査、公益通
報、不当要求対策)
・大阪市(公正執行のための局区長による内部監察、不当要求)
・千葉市(事務監察、公益通報、不当要求対策)
・札幌市(局長による定期・随時内部監査、公益通報)
・横浜市(各局による内部監察、公正職務調査、
人材組織課以外の服務、内部通報)
・名古屋市(職員倫理・服務監察、事務の内部監察
内部通報)
・京都市(非行・事故防止等服務監察、業務監察、
公益通報)
・北九州市(監察官による服務、通帳等の保管状況
調査、公益通報)
・川崎市(服務監察)
職員服務、倫理の分野
・岡山市(行政執行適正化推進課:公正
執行、不当要求対策の総合調整)
・福岡市(行政監察、公益通報)
・相模原市(行政監察、公益通報、不当
要求)
・新潟市(公益通報)
公益通報、不当要求の分野
5
別紙8
内部統制機能充実のための PDCA サイクル
内部統制機能を充実させるためには、特定の部署のみならず組織内部の各部署において、それぞれが以下の PDCA サイクルを回すことで、毎年度少しず
つでも進化、充実させていく必要がある。
各種事業実施に向けた計画
①
②
③
④
⑤
⑥
⑦
静岡市内部統制機能に関する庁内検討委員会設置要綱
各種研修の実施計画
リスクマネジメントチェックリスト(H23 年度作成)
準公金の取扱いに関する注意事項(H23 年度策定)
e-Net 掲示板(H24 年度リニューアル)
監査委員監査結果(出資団体、定期)の活用・展開
関係各課による注意喚起、運用方法の改善
各種事業の実施(内部統制担当及び各課)(H23 年度)
①
②
内部統制機能の充実
⇒不適正な事務処理の防止
⇒市民から信頼される
静岡市政の実現
内部統制にかかる庁内検討会議・作業部会開催(5月)
各種研修の実施
(4 月所属長研修、9~10 月全職員エス‐ナビによる情報セキュリティ・事務処理基礎研修、
10 月非常勤、臨時職員 情報セキュリティ研修)
③ 全所属によるリスクの洗い出し、対応策の検討
→チェックリストの作成(8 月)
④ 準公金調査(9~12 月)
⑤ e-Net 掲示板の活用(12 月~)
⑥ 監査委員監査結果を監査対象外所属に周知、指導依頼(7 月)
⑦ 物品の契約担当者と検収者を区分(契約課 5 月通知)
会計課への伝票提出期限の伸延(会計室 10 月実施)
会計事務研修の実施(会計室 11~12 月実施)
検査、確認結果を踏まえて対策等の見直し、改善
①
②
③
④
⑤
⑥
⑦
作業部会による実施事業の見直し
各種研修の見直し
各課におけるチェックリストの見直し、充実
準公金の取扱いに関する注意事項に基づく運用の見直し
e-Net 掲示板の見直し、再改訂の検討
指摘事項に対する対策の検討(内部的調査等)
各課における対策の見直し、検討
各種事業の検査、確認(チェック)⇒内部モニタリングの実施
①
②
③
④
⑤
⑥
⑦
検討委員会、作業部会による事業実施状況の確認
各種研修の実施状況の確認
各課のチェックリストの実効性確認及び運用状況の確認
準公金の注意事項の履行状況調査による確認、調査
e-Net 掲示板の利便性調査
監査結果が監査対象外の課に活かされているかの確認、調査
会計伝票返戻件数等の状況確認
監査委員による監査(独立的評価の実施)
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