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参考3 ユネスコ記憶遺産-登録の手引き (PDF:686KB)

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参考3 ユネスコ記憶遺産-登録の手引き (PDF:686KB)
参考
3
(仮訳)
ユネスコ記憶遺産 - 登録の手引き
1
序
記憶遺産事業とは何か?
ユネスコ記憶遺産事業(MoW:Memory of the World)は、世界中の、文書館、
図書館、博物館の貴重な資料の保存と普及を強化することを目的とする。
これは世界的な文化遺産の保護と認識の向上を目的とするユネスコが行う3
つのイニシアティブのひとつである。他のふたつは、たぐいない世界的な価値
を持つ建造物や自然遺産などからなる世界遺産リストを維持する「世界の文化
遺産及び自然遺産の保護に関する条約」と、口承文化などを認識し存続を支援
するための「無形文化遺産の保護に関する条約」である。3つはそれぞれ補い
合う関係にある。
MoW は世界のドキュメント遺産を取り扱う。この事業の目的は以下の3つ
である[1.2]
・最適の技術による保存の支援
・世界的なアクセスの支援
・ドキュメント遺産の存在とその重要性に関する世界的な意識の向上
MoW は 1992 年、フェデリコ・マイヨール・ユネスコ事務局長(当時)が、
戦争によって国の貴重なドキュメント遺産が故意に破壊された、サラエボ国立
図書館の廃墟を訪問したことをきっかけとして開始された。MoW は図書館、
文書館、博物館、その他の場所にある世界のドキュメント遺産のための長期的
アプローチとして創設され、国家、政府、コミュニティによって価値づけられ、
保護され、使用され、支援されている。
さらなる情報については MoW のウェブサイトを見よ
http://www.unesco.org/webworkd/mdm
この手引きにおいて[ ]に入っている数字は、この事業の基本的規則であ
る、「一般規則: the General Guidelines to Safeguard Documentary Heritage」の項
目番号を表している。
以下のウェブサイトからダウンロード可。ユネスコに印刷物を注文もできる。
http://portal.unesco.org/webworld/mdm
-1-
ドキュメントとは何か?ドキュメント遺産とは? [2.6]
ドキュメント "document" とは、知的な意思 "intent" を持って、何かを記録
するもの "documents or records" である。それは、時間や距離を超えたコミュ
ニケーションを目的として、何らかの媒体 "medium or 'carrier'" に固定化した、
情報や内容 "content" を意味する。ドキュメントは通常、移動し、保存し、複
写することが可能である。書類などは記号・符号によって作られ、録音物、写
真、映画などは、音や画像から成り立っている。この「手引き」もひとつのド
キュメントである。
ドキュメント遺産 "Documentary Heritage" は、MoW 事業に用いられる述語
であり、文化遺産の一部で、ドキュメントとしての性質を持つものを指す言葉
である。そこには、あらゆる種類の単一のドキュメントの他、なんらかの論理
的な集合を形成する複数のドキュメント(コレクション、蔵書、archival fonds、
シリーズ)も含まれる。集合の規模は問題でなく、集団に何が集められている
かが問題である。コレクションとは、特定の人物、組織、状況によって、特定
の理由や目的(たとえば題材、性質、種別、創作者など)のために、ひとまと
めにされた単一のドキュメントの完結した集合である。Archival fonds とは、
ある人物もしくは組織が、その通常の活動において作成し、もしくは受入れ、
活動やそのための参照とするために保持されたドキュメントの総体を指す。
ドキュメントはその内容 "contents" と媒体 "carrier" によって構成される。
その両者ともが非常に多様であり、そのいずれもが記録ドキュメントにとって
等しく重要な部分である。両者の関係が不可分であることもあり、その関係性
がそれほど重要でない場合(たとえば電子的ドキュメントやデジタルドキュメ
ントの場合)もある。
・媒体の種類の視覚的例示:中世の写本、石碑、パピルス、羊皮紙、紙、
フィルム、磁気テープ、織物、写真プリント、ビニールデ
ィスク、コンピュータハードディスク、光ディスク 等
内容は様々な形式で表現できる。
「テキスト(文字文書)」
写本、新聞、手紙、記録簿、デジタル文書ファイルなど。文書の内
容はインク、鉛筆、絵の具、ビットストリームなどによって固定化
される。
「非テキスト」もしくは「画像」形式
ドローイング、地図、図面、青写真、視覚的構成物など。
-2-
「視聴覚資料」
録音、動画、静止画像など。デジタルかアナログの形式を問わない
が何らかのフォーマットに固定化されていること。
「デジタルドキュメント」
ウェブサイト、データベース、地理的情報システム(GPS)、個別フ
ァイル及び集合的ファイル。
記憶遺産事業はどのように機能するか?
記憶遺産事業はユネスコ事務局(パリ)と、同プログラムの「一般規則」に
よって運営される委員会やイニシアティブのネットワークによってその責任が
果たされる。
記憶遺産事業は、国際、地域、国内の各レベルで委員会組織を持ち、それぞ
れのレベルでの登録を行う。それぞれは「一般規則」のもと、個別のウェブサ
イトを持ち、個別に活動をしている。このネットワークは常に発展している。
全体を総括するポータルは以下のとおり。 http://www.unesco.org/webworld/mdm
例:オーストラリア MoW 国内委員会は www.anw.org.au において、
国内登録を維持している。加えてアジア太平洋地域 MoW 委員会
( MOWCAP)のメンバーでもある。そして、オーストラリアのドキ
ュメント遺産は、国内、地域、国際のそれぞれのレベルで登録され
ている。
記憶遺産の主要な組織:
国際諮問委員会 "International Advisory Committee" (IAC) [5.2]
記憶遺産の最も主要な運営体。IAC は本事業全体の運営についてユネスコに
対して助言を行う。また、他の委員会の業務を監視し、国際的に登録するべき
すべての記憶遺産の物件について、ユネスコ事務局長に対して勧告を行う。IAC
はウェブサイト上の規則によって統括され、ドキュメント遺産の保護管理に関
連する分野の権威者から選ばれた、14 名の専門家によって構成される。委員
はユネスコ事務局長から固定任期により任用され、個人の資格で活動する。IAC
の定例会は2年に1度開催される。IAC 及びその下部組織であるビューロー、
登録分科会、技術分科会、マーケティング分科会の財政的、ロジ的、行政的支
援はパリの事務局が執り行う。それらの役割分担と委任事項はウェブサイトに
掲載されている。
-3-
地域委員会[5.8]
ユネスコが設立する。現状ではユネスコの地域グループ毎に、アフリカ
(ARCMOW)、アジア(MOWCAP)、ラテンアメリカ及びカリブ諸国(MOWLAC)
の3つがある。地域委員会は記憶遺産国内委員会相互の協力と連携を推進して
おり、国内委員会の活動を様々な形で援助している。広報、トレーニングワー
クショップの開催等に加え、地域登録の管理を行う。地域に適した、それぞれ
の運営方法に従っている。たとえば LAC は業務内容毎に下部委員会を設けて
いる。
国内委員会 [5.7]
記憶遺産国内委員会は当該国のユネスコ国内委員会により設置され,認証さ
れた組織である。国内委員会の活動は、記憶遺産の国内登録の管理と、国内に
おける訓練や広報などが含まれる。委員の選任及びその地位は、ユネスコ国内
委員会が決定するが、その取り扱いは各国独自に決定することができる。たと
えば、文化遺産研究所や政府の関係省庁の代表者を含める委員会があり、また、
専門分野ごとに個人ベースで任用された幅広い専門家を擁する委員会があると
こが可能である。
この手引きを作成している時点で、約 60 の MoW 国内委員会が活動
している。
登録することの意味 [4]
登録は記憶遺産の目的を達成するための最もわかりやすい手段である。登録
によって、記憶遺産の認識可能で具体的なイメージを作ることができる。重要
で代替不可能なドキュメント遺産を特定し、認証し、強調して行くことで、よ
り大きな目的である、ドキュメント遺産の保護とアクセスと認知を向上させる
ことができる。ある物件をいずれかのレベルの MoW に登録することは、当該
物件の恒久的な価値と重要性についてのユネスコによる認証である。また、登
録された遺産を保管している機関の地位を高めるものである。記憶遺産への登
録は、ほとんど知られていないドキュメント遺産の認知を高めることにより、
世界の歴史の把握と理解に影響を及ぼせるものである。
登録物件はどこで見られるか
登録物件は国際、地域、国内の各ウェブサイトを通じて、オンラインで見る
ことができる。情報がデジタル化されてリンクが張られている場合には、それ
ぞれの物件の概要説明や写真を見ることができる。掲載された物件についてさ
らに詳細な情報を得るには、推薦書そのものもオンラインで読むことができる。
-4-
2
登録
なぜ3種類の登録があるか?
記憶遺産には国際、地域、国内の3つの登録がある。
3つの登録は、記載された遺産が属する文化的文脈に関連する、基本的に同
一の記載基準に基づいて行われている。3つの登録はそれぞれの委員会により
別個に運営されている。それぞれの間の基本的な相違点は、当該ドキュメント
遺産が影響を及ぼす地理的範囲の大きさである。
最も古く、大きく、よく知られているのは国際登録である。国際登録は 1997
年に始まり、最近までは唯一の MoW の登録リストであった。地域、国内の2
つはより最近になって、国際インパクトをもつ物件の登録に加えて、同じコン
セプトの下、特定の地域や国に対して、深く、しかし地域限定的な影響を与え
ているものを対象として展開している。3種類の登録は、世界のドキュメント
遺産の総合的なまとまりの要素である。
3種類の登録は上下関係と捉えられるべきではない。すべての登録物件は世
界的な価値があるとしてユネスコが任書するドキュメント遺産である。
3種類の登録についての提案方法やそのスケジュールはそれぞれ異なってい
る。この手引きは国際的登録の提案プロセスを対象としている。しかしながら
同様のプロセスと問題点が他の2種の登録にも適用できる。また、それぞれの
地域登録と国内登録については、それぞれで提案のための情報や様式を示すこ
とができる。
なぜ提案するのか?どんな利益があるか?
記憶遺産に登録されることは「終わり」ではなく「始まり」である。
登録は当該ドキュメント遺産の世界的な価値が公的に証明されることであ
り、これによって周知が進展する。これらは、時を超えた歴史がよりよく理解
されるための、文化史及び社会史に実質的なインパクトを与える資料の連続体
の一部となるのである。登録は、アクセス可能性と、効果的な保護と、一般大
衆の注意喚起を勧めようとするものである。それらは、ユネスコによる認証と
いう象徴的な重みと、記憶遺産ロゴの使用許可によってもたらされる。こうし
て登録は、誇りと名声の源泉となる。あなたの文化遺産とその組織の評判は、
すでに登録されている記憶遺産の評価と相まって高まり、その文化遺産に対す
る、政府やその他からの助成を理由づけることができる。
ドキュメント遺産を MoW に登録することには戦略的価値があるが、それは、
それぞれの状況によって異なるであろう。それは当該ドキュメント遺産の安全
-5-
と保護と保存に責任を持つ組織に対し、肯定的な影響を与える。ときにはそれ
が、危機に直面するドキュメント遺産のためのスポンサーや資金の獲得につな
がることも考えられる。これによって当該ドキュメント遺産のより確かな安全
を保証することもあり得る。ドキュメント遺産の登録によって、ある古文書保
管施設そのものが閉館と解体から守られた例も存在する。
登録できるのは誰?
誰でもが、いかなるドキュメント遺産をも登録のために推薦することができ
る。特別の窓口は不用である。
実際のところ、多くの提案は図書館、文書館、博物館などの組織が、自ら管
理する資料を提案する形で提出されている。このような組織は審査のために事
務局が求めている情報を提供する最も適切な位置を占めている。しかしながら
記憶遺産の提案は、様々な私的あるいは公的な組織からも提出されている。そ
こには国際団体、国際企業、個人なども含まれる。
ある物件を地域登録や国際登録に推薦しようと考えるのであれば、あなたの
国の記憶遺産国内委員会(存在すれば)を提案プロセスに介在させることが適
切である。それは義務ではないが、国内委員会の推奨の有無は、審査において
考慮される。
推薦プロセスは?それは競争的か?割り当てがあるか?援助を求めるには?
提案は競争的ではない。他の物件に勝とうとする必要はない。すべての提案
物件は登録基準にしたがって審査される。基準を満たした物件は受け入れられ
る。満たさない物件は受け入れられない。
現在のところ、地域登録や国内登録については、1国からの提案数の制限は
ない。国際登録のみについては、2年ごとの各サイクルにおいて1国から2件
という制限がある。これは IAC による審査と事務局の業務量を管理するため
である 。(2件以上提出された場合には、 MoW 国内委員会、設置されていな
い場合には関係する地域委員会に、IAC の審査にかける2件を選ぶよう依頼す
ることになる 。)しかしながらこの制限は、複数国による共同提案には適用さ
れず、共同提案は各国の割当てにカウントされない。その理由は、ユネスコは
ドキュメント遺産の保護における国際協力を目指しているからである。
もし提案書の作成において助言が必要であれば、当該国内もしくは当該地域
の MoW 委員会に求めることが出来る。さらにユネスコ事務局に対して、提案
のために作成するべき情報や、それを作成する方法についての「技術的指導」
を行うメンターの紹介を依頼することもできる。当然のことながら、メンター
が提案書の作成を受諾することはできないし、当該提案が登録されるかどうか
-6-
などについて意見を述べることも出来ない。
締め切りについて。国際登録と地域登録、そして多くの国内登録のためには、
2年に1度のサイクルで提案書を受け付ける。それぞれ周知された提案締切り
は厳守されなければならず、これに遅れた提案書は次のサイクルに回される。
たとえば一般に、国際登録の締切りは偶数年(2012, 2014)の3月31日である。
次回提案については、奇数年(2013, 2015)決定される。
3
提案書作成
:
提案様式記入の手引き
この手引きの末尾に、MoW 国際登録のための提案様式を添付する。様式は
ウェブサイトからダウンロードでき、ここに直接書き込むことができる。(こ
の様式は時に変更されることもある。)
様式の各欄には書き方の説明がある。下の情報は提案書の「心臓部」につい
ての追加的な説明である。
-記載基準
-審査の助けとなる「追加情報」
基準 (様式の第5項)
ここでは、あなたが提案しようとしている遺産が、記載基準を如何に満たし
ているかを、具体的に説明する。具体的には下記のとおり。
真正性 "Authenticity" [4.2.3]
単一のドキュメントであれ、集合体のドキュメントであれ、提案するドキュ
メント遺産は、提案されようとしているそのものであるか? その資料の創作
者や、管理者の変遷などの由来情報は信頼できるものであるか? これまでの
歴史において、多くの偽物、模倣品、複写物、レプリカなどが本物を詐称する
例があった。
例示:ヒットラーの日記
http://en.wikipedia.org/wiki/Hitler_Diaries
真正性を確立することは時に容易ではない。法的な管理者が途切れずに連結
していることによって推論される場合もあり、ドキュメントそのもののに対す
る専門家による検証により確証される場合もあり、また、当該ドキュメントに
ついて直接の知識を持つ者による証言による場合もある。
デジタル技術を用いれば、改変の痕跡を一切残さずに、そのテキストや画像、
音声などを処理することが可能である。そのような場合の真正性は、創作、維
-7-
持、保存の状況や、当該ドキュメントにリンクされたメタデータ、ドキュメン
トが登録されているシステムへのトランザクションや監査のログ等によって推
論されることになる。
集合体のドキュメントの場合は、それぞれの構成物ではなく、集合体の真正
性が問われることになる。例えば、ある archival fonds に含まれる、1点の記
録がそれ単体としては偽造である場合、fonds の創設者がそれを形成する活動
の一環として、正式にその記録を導入した場合には、その記録は fonds の真正
な一部をなすことになる。
オリジナルがすでに存在しない場合に、ある特定の複写物について、その記
録のもつ卓越した特徴により特定されるべきものとして、その真正性が成立す
る場合がある。中世の写本などがその例である。視聴覚メディアについては、
特に、たやすく複写がなされ、オリジナルが残っていないことが多い。この場
合、最も古い媒介が最もオリジナルに近い内容を持っているとは限らない。フ
ィルムや写真はその内容を様々な形で改変することが可能である。
オリジナルであるという概念は必ずしも整然としていない。オリジナルが複
数あったり、単一の作品に複数のヴァージョンが存在することもある。このよ
うな場合にはすべてのヴァリエーションを登録することも可能である。
例示:マグナカルタ、メトロポリス、グーテンベルグの聖書、オズの
魔法使い(白黒の部分)
世界的な重要性、唯一性、代替不可性 [4.2.4]
上記の言葉はしばしば誤解され、提案書に持続不可能で実証的でない要求を
する結果となっている。これらは別の場所では、また東西南北それぞれの視点
からも、別の解釈をすることが可能である。重要なのは、そのドキュメントが
どのような影響力を持ち、それを反映し、どれほど広い地理的範囲においてそ
の効果が及んだかである。影響は直接に、ただちに及ぼされる場合もあり、間
接的に、微妙に、時間をおいて及ぼされることもある。その効果は(例えばグ
ーグル検索によって)測定可能で、数的に論じられることもあり、また、当該
ドキュメントが創られたことに引き続いて起こった出来事によって推論する場
合もある。
歴史は「勝者」によって作られると言われている。しかし時には「敗者」が
声を持ち、それが同じく影響力を及ぼすこともある。記憶遺産の登録によって、
彼らの声を、時を超えて聞こえるようにすることが可能である。
「価値」と「影
響力」に関する多くの質問に答えるならば、その資料が失われるたとすると、
実際のところどのような問題があるか?世界の遺産を損ねることになるか?を
考えることである。
-8-
「唯一」ということは「one-of-a-kind 比べる物がない」ということであり、
これは「稀少」であることとは異なっている(以下の記述を参照)。通常この
言葉はオリジナルドキュメント、もしくは、他の類似したドキュメントとは共
通しないはっきりした特性を持つドキュメントに用いられる。
集合体のドキュメントの場合、その唯一性は、その構成部分のいずれかでは
なく、集合体の全体に対して考慮される。単体のドキュメントの場合、例えば
中世の写本やドキュメンタリー映画の最初のネガフィルムの場合、当該ドキュ
メントそのものには同じ物や、同質の代替物があってはいけない。つまり、そ
れは代替不可能であって、そのものが失われることは、人類の遺産にとって一
つの欠如を生むことになる、ということである。それはある種類の物を代表す
るものであり、まったく同じ物が別に存在してはならない。
媒介物は、その内容と同様に重要である。時に、内容と媒介物の間には、重
大な関係性がある。片方によってもう片方が形作られている場合もある。また、
媒介物の工芸的な価値が重視される場合もある。ドキュメントの中には、例え
ば特定の色彩処理を施した写真などのように、いかなる技術をもっても正確な
複製を作ることが不可能なものもある。
個別の基準 [4.2.5]
三つめのテストは、当該ドキュメント遺産が次の基準の一つかそれ以上を満
たしているかどうかである。全部を満たさなければならないということではな
いが、それぞれの基準に当てはまるかどうか議論をすることは有用である。
1.時間
これについては言及すべきことが幾つかある。このドキュメントが提案され
る年、それがその種類のもので最初のものであるという事実、そのドキュメン
トがある特定の時代、文化、歴史的出来事を表現するものであること等がある。
その文化財が創られた時について何を語ることができるであろうか? それは
なんらかの変化の時間、例えば政治、文化、社会が変わる時代であるか、もし
くはある思想や信仰の進化の時であるか、または革命や復古、さらには対立す
る文化に属する人々の出会いの時代であるかもしれない。そのドキュメントは、
歴史上のある特定の時期に対する我々の理解に役立つであろうか?
ドキュメント遺産は、それ自体が必ずしも「古い」時代の物である必要はな
い。そのものの古さはそれほど重要ではない。古代 "antiquity" の概念は相対
的である。ある国においては、百年前は「最近」であるが、ある国においては
「古い」時代と見なされる。
例示:マボ文書、バイユーのタペストリー等
-9-
2.場所
ここでは、ある場所からは当該資料以外のドキュメントが一切残されていな
いような場合に、当該ドキュメント遺産が創作された場所(由来・起源)につ
いて言及する。また、当該ドキュメントが世界の歴史にとって重要な場所につ
いての重大な情報を含んでいる場合などには、ドキュメント遺産の内容につい
て言及する。さらに、既に存在しない場所であって、このドキュメントによっ
てのみ知られる場所について言及することもある。
重要なのは、その場所が歴史的な事件に結びついた意味で重要であるかとい
うことである。この場所がその事件の本質に影響を与えたか? 後の歴史に重
要な影響を及ぼした政治的、社会的、宗教的運動の起源の地であるか? その
場所の環境そのものが、その時間の進展の方向性に影響を与えたか? そのド
キュメントがいかにしてその場所の存在証明をしたか?
3.人々
ここでは当該ドキュメント遺産が創られたコンテクストと、その内容の両方
に言及できる。それは、社会的、産業的、芸術的、政治的な発展や人類の行動
様式において重要な役割を果たした、個人、集団、運動体、変移、進歩と退歩
である。
重要なのは、当該ドキュメントが広く大きなインパクトを与えた人物、大衆、
文化的集団の人生や作品に本質的な関わりを持っているかである。文学、音楽、
芸術、科学、政治、宗教、スポーツ等あらゆる分野において当てはまるであろ
う。このドキュメントはもっと広い社会的、政治的運動を描写しているか?
4.題材とテーマ
ここでは当該ドキュメント遺産の内容に関する、歴史的、文化的、知的、芸
術的な重要性について言及する。重要なのは、当該ドキュメント遺産は、重要
な主題、メジャーなテーマ、歴史の進展における重要な発展の産物であるかで
ある。例えば、車輪からインターネットに至るすべての偉大な発明で、国や社
会の進歩と発展、歴史的進歩を形作ったものなど。国民国家の成立(これはユ
ネスコの基盤となる構造であるが)は歴史的進化の一つである。
5.形式・様式
これは媒介物と内容の双方に関わる。これは情報を異なる時間や、異なる場
所にもたらすための方法と手法についての記述である。ドキュメントの特性は
歴史の推移の中で変化する。情報の媒介物は、情報や内容の容器であるととも
にそれ自体が、例えば工芸品としての、価値の対象となる。両者の属性は、時
にそれぞれ関連している。例えばあるドキュメントは、その言語の特性におい
- 10 -
て、媒介物の種類において、もしくはその創作者が選んだ様式において、さら
には情報が提示される方法において、それぞれに注目される。時に形式と様式
は、社会的もしくは産業的な手法や、歴史の特定の時期に関連している。当該
ドキュメント遺産の形式や様式において、美的もしくは産業的な意味で顕著な
特徴があるだろうか? これはいまや失われた、または失われそうな様式の例
ではないか?
6.社会的、精神的、コミュニティー的な重要性
この基準は、当該ドキュメント・ドキュメント群の、精神的、聖的な意味の
重要性への認識に関連している。これによってあるコミュニティは、当該ドキ
ュメント遺産に対する、彼らの感情的な愛着や、そのドキュメントが当該コミ
ュニティのアイデンティティや社会的結合の形成にいかに貢献するか等につい
て説明を加えることが可能となる。
この基準の適用は、生きている重要性を反映しなければならない。つまりこ
のドキュメント遺産が現在生きている人々によって愛着されていなければなら
ない。このドキュメント遺産に社会的、精神的、コミュニティ的な重要性を尊
んでいた人々が、ある日それを止めてしまったら、もしくはその人々がいなく
なってしまったら、当該ドキュメントはその特定の重要性を失い、そして、歴
史的な重要性を獲得することになる。
(この基準は 2007 年 6 月に加えられた。)
例示:コーランや聖書の装飾写本、木版と織物、文字ベースのカリグ
ラフィー、もはや使われていないAVメディア。
追加的情報 [4.2.6]
これらは選定基準ではない。以下の情報は、提案物件の背景説明のために必
要とされ、物件の調査を助け、提案ドキュメント遺産がどのように所蔵され、
管理されているかを知るためのものである。
1.希少性
「希少である」とは、この種類のドキュメントにおいて、残されている例が
数少ないもののことである。数千部印刷されたが、ほんの数冊だけが現在残っ
ている「貴重書」がその古典的な例である。それぞれの個体は、残存している
すべてのコピーに共通する属性を持つと同時に、個体としての属性も持ってい
る。
2.首尾一貫性
首尾一貫性とは、当該ドキュメントが創られたときの意味づけと同じメッセ
- 11 -
ージと内容を、例えば、白かった紙が黄色く変色し、色彩が褪せ、異なったデ
ジタルフォーマットで表示されている現在も、持ち得ているかということであ
る。あるドキュメントの物理的一貫性はある程度損なわれ、完璧ではありえな
い。例えば紙のドキュメントの場合、個別のページが破れたり、欠けてしまっ
たり、複写に置き換えられたり、もしくはすべて失われてしまうこともある。
また、それ以外の形で改変されたり、損なわれたりすることもある。古文書に
類するドキュメントが、そのシリーズや fonds から引き離された場合は、その
一貫性が傷つけられることになる。
視聴覚資料については、多くの重要な作品が、不完全な形でだけ残され、も
しくはその当時に使用可能な中で、最もよい材料を集めて「再構築」したもの
もある。このような資料は、後年の発見によって置き換えられることになる。
例示:メトロポリス
3.危機[3.6, 4.2.4, 4.3.3, 4.4.2, 5.5]
熱力学第二法則によれば、総てのドキュメント遺産は長期的には生存の危機
に瀕している! 危機は、取り扱い、収蔵、保存、アクセスにおける専門的な
実践によって、また、危機の予測に基づく慎重な管理によって最小化すること
が可能である。記憶遺産は短期、長期両方の保存を目指すものである。
多くの媒介物は脆弱であり、それらを保存するには、一般に理解されにくい
保存方法が求められることもある。いずれの機関も、その資料の長期的保存を
確保するための資源、施設、能力は非常に限られている。また、社会的、政治
的、または安全性の状況はドキュメントの生存を導かない。MoW 登録によっ
て、ドキュメントの安全性が顕著に高められ、長期保存のためにふさわしいケ
アをもたらす場合もある。[これは登録基準ではない。]
4.管理計画[4.4.2]
管理計画を策定することは大変望ましい。通常、登録のためには管理計画が
作られていることが条件であるが、計画がないということが必ずしも低い評価
につながる訳ではない。計画が未設定である十分な理由があることも考えられ
る。
管理計画は詳細であってもシンプルであっても良いが、いずれにしても実現
可能でなければならない。多くの組織は、理想的な環境や、無制限の予算をも
っておらず、当面なし得るベストを実施するしかない。そしてそうすることは
重要なのである。
理想的な、繰り替えすが理想的な管理計画は、当該ドキュメント遺産の重要
性についての宣言を含んでおり、資料へのアクセスと保存のための管理者のポ
- 12 -
リシーと手続きに言及されており、保護のための予算が示され、この遺産のた
めに使用可能な保存管理の専門的人員、施設、資料の置かれている物理的環境
(空気の質、温湿度、棚の状況、セキュリティなど)、さらに、防災準備方針
についても言及されているべきである。しかしながらほとんどの組織は理想的
な状況ではない。
短さの美徳
提案書は包括的であるべきだが、必要以上に長くあってはならない。繰り返
しや選定基準に関係の低い事項を詳細に書き連ねた提案書は、審査のための仕
事を増やす以外の意味はない。提案書は分量ではなく、その質によって審査さ
れる。提案書が15ページを超えるようであれば、書かれていることがすべて
必要な内容であるか見直していただきたい。分量には義務的な長短の制限はな
いが、常識にしたがっていただきたい。
4
提案の成果:提案した後に何が起こるか?
審査プロセスとフィードバック
パリのユネスコ本部に提案書が提出された後、受領書が発送される。提案様
式が明らかに不完全な場合には事務局から追加情報を要請することがある。
締め切り日(偶数年の3月31日)の後、提案書は登録分科会(RSC:Register
Subcommittee)の審査にかけられる。分科会のメンバーは審査員(提案書に指
定された者とそれ以外の者の両方)と連絡を取り、それぞれの選定基準に対す
る問題点について調査して、登録分科会への初期報告書を作成する。登録分科
会の全体会議において、提案書と初期報告書についての討議が行われ、各提案
書が基準を満たしているか、または提案者に追加情報を求めるべきか等につい
て、暫定的な結論を出す。この会合の後に、提案者は登録分科会としての結論
を受け取り、必要な追加情報を要請される。必要な場合にはユネスコ事務局と
提案者との間での議論が行われることもある。
この段階に続いて、登録分科会が再度集まり、各提案についての最終的な意
見をとりまとめ、記憶遺産国際諮問委員会(IAC)のメンバーに提出する。IAC
は2年に1度集まり、登録分科会の意見と国際諮問委員会メンバーの個別の意
見を検討した上で、詳細に検討するべき提案書を決める。各提案書について、
登録分科会の意見に同意することも、反対することもある。最終的に国際諮問
委員会として登録を勧告する物件のリストを作成し、ユネスコ事務局長に提出
して了承を得る。ユネスコ事務局長が最終決定を行う。
- 13 -
登録の告知
登録の決定についてはユネスコ事務局長名での記者発表によって告知され
る。さらに全提案者に対して、事務局から結果を知らせる書状が送られる。新
登録物件はただちに記憶遺産のウェブサイトに列挙される。
セレモニー、認証書の交付
登録された物件の提案者には、登録を認証する公式の証書が交付される。他
に代替的な方法がなければ、認証書は郵送される。しかしながら、フォーマル
な認証書交付式を開催することは、メディアに大きく取り上げられる機会とな
り、提案者とユネスコ双方の利益となるであろう。ユネスコ事務局はこのよう
な手配を手伝うことにやぶさかではない。
例示:マレーシア、ロンドン
広報
登録された物件の管理者は、登録について広報し、当該物件についての一般
の関心を高めるよう努める。例えば多くの組織では、登録物件を公開展示して
いる。また、物件をデジタル化しアクセス可能にし、ウェブサイトを通じてそ
の認証について広報している。さらに、複製品の販売を行っている。想像力(の
欠如)だけが唯一の制限である。
記憶遺産ロゴの使用
登録物件の管理者は記憶遺産ロゴの使用を認められ、またロゴの使用が推奨
される。登録が告知される時に、ロゴ使用の手引き書が提供される。
ここからダウンロード可能{URL}
登録されなかった時にはどうなるか?再提案できる…。
提案が不成功に終わった場合、次回以降に書き直した提案を再提出すること
ができる。再提案を考えるのであれば、示された論点をチェックし、登録をサ
ポートする追加的な情報が提供されているか確認するべきである。事務局から
提案者へのフィードバックをよく読み、当該提案をサポートするさらに権威あ
る審査員がいないか考慮するべきである。
5.よくある質問~知りたいけれども、尋ねにくいこと…
データベースやウェブサイトを含むデジタルドキュメントについて[4.3]
元々デジタル形式のドキュメントは登録の対象となる。しかしながら元々ア
- 14 -
ナログのオリジナルをデジタル化したものは通常登録の対象とならない。デー
タベース、プログラム、ウェブサイト、視聴覚作品、一連の記録などのデジタ
ル資料を推薦する場合には、それは正確に定義されたものでなければならない
(例えば運用中のウェブサイトの場合には、明確に特筆すべきヴァージョンを
選ばなくてはならない)。また、オリジナルと同じファイルフォーマットに、
内容が変更されない、固定化した形で、可能であれば同じ解像度で、内容が変
更されない形で焼き付けられ、さらに、アクセス可能でなければならない。提
案されるヴァージョンは、他の総ての基準を満たし、現在の正確な所在位置と
格納されているシステムを含めて特定されていなければならない。異なった場
所に複数の全く同じ複写物(クローン)が存在する場合には、年代的に最も古
いヴァージョンを提案するべきである。この場合には現在の状態とそれを利用
可能にする手段が永遠に維持されることの、高度な保証が必要である。
アナログのオリジナルがもはや存在せず、もしくは修復不可能なほど壊れて
いる場合に限り、アナログドキュメントのデジタル複写もしくは「代用物」を
登録することが可能である。元々がアナログであろうとデジタルであろうと、
デジタル技術で修復やリマスターしたり、その他の改変を加えた派生物は、
(派
生物がそれ自体として)別の権利を持つ新しい作品として提案され審査される
のでない限り、登録対象にはならない。
提案物件が選定基準を満たしていることを説明するに当たって、提案者は、
そのデジタルドキュメントとその保存に関する専門家による研究文献などを引
用することが求められる。
視聴覚資料
視聴覚資料はアナログ、デジタルの幅広いメディアで存在する。(特定のコ
メントについては一般規則の第3節を見よ。)オリジナルまたは現存する最も
古いヴァージョンを特定することが,時に判定を左右するであろう。
文学的、芸術的作品
これらの性質から見て、これまでに先行する企画との境界が明確ではない。
記憶遺産事業は、文学的、芸術的作品をそのものとして、純粋にその芸術的、
文学的達成度から、登録することを求めるものではない。それらの、ドキュメ
ントとしての性格や、社会に対しての影響力が(記憶遺産としての)重要性で
ある。フィクション、想像力、信仰、信念による作品は、時にどんな事実の記
録に負けないほどの影響力を持つことがある。作品の形式は、文学作品や音楽
スコア、演劇台本の手書き原稿などさまざまであり、媒介物そのものは、時に
内容と同じほどの重要性をもつ。
仮定的に例を示すとすれば、例えば、ルネサンスの2人の画家の関連性を示
- 15 -
す書簡集などであれば提案に値すると考えられる。これらはドキュメントであ
る。しかしながら彼らの絵画作品そのものは、それが記録ドキュメントとして
の重要性を持ち、記憶遺産登録のための基準を満たしていない限り、登録の対
象とはならない。
登録された例示:メトロポリス、グーテンベルグ聖書、アストリッド
・リンドグレン関連資料群、オズの魔法使い、バイユーのタペストリ
ー、ゴシック建築の設計書、ベートーベンの第9交響曲の自筆原稿、
『シ
ャー・ナーメ』、カルロス・ガルデルのタンゴ・レコーディング、ロシ
アのポスター、『ニーベルンゲンの歌』
国際登録からの排除 [4.2.7]
実務的な要請から、また混乱を避けるために、記憶遺産の国際登録には通常
当てはまらないとされるいくつかの種類のドキュメントについて、経験的に挙
げることが出来る。次の2つは単に参考のための例示である。
現在の政治リーダー及び正当に関する資料群
通常、このような資料は、国内または地域において、それぞれの記憶遺産委
員会の決定に従って登録されることがふさわしいだろう。しかしながらその判
断は、各記憶遺産委員会が活動している現行の政治的状況の問題に対応できる
よう、あくまでも公明正大で客観的であり、またそのように見えていなければ
ならない。記憶遺産の登録は、あらゆる政治的結社からの非難を受け入れない。
国内もしくは地域の委員会がそのような物件の審査を受け入れた場合には、
その及ぼす影響について注意深くあるべきである。この個人もしくは団体は、
例えば戦争の開始や終結、社会的・政治的システムの形成、卓越した洞察や原
理の成立など、善悪にかかわらず、近代の歴史に広く影響を与えているであろ
うか?
過去のある政治家の影響力が国や地域の境界を越えて及んでいる場合には、
そのことが明瞭に注記されるべきであり、このようなドキュメント遺産は、国
際登録の記載基準によって審査されるべきである。
憲法やそれに類するドキュメント
それは国内登録の候補とされるべきであり、通常は国際的もしくは地域の登
録の対象とはならない。その影響力が普通は当該国内だけに及ぶからである。
例外は、他国の憲法のモデルとなったとか、後に普遍的に受け入れられる原理
を先駆的に取り入れたものであるなど、そのドキュメントが地理的に広い影響
- 16 -
力を持つことが明瞭な場合である。
組織一括での登録 [4.5]
(第1節で述べたように)コレクション(群)や fonds(群)の提案は歓迎
されるものの、ある文書館、図書館、博物館などの所蔵品総てを一括して登録
することは、それがたまたま同じ組織に収蔵されるようになったというのでは
なく、それ全体が一体として、一貫性をもっていることの重要性が説明されな
い限り、困難である。さらに言えば、ある組織の所蔵品というものは常に変化
しており、「固定化されている」という基準を満たせない。
国立や市立、大学の文書館や国立図書館等、ある組織においては、資料の受
け入れについて、法律、条例や政策によって定められており、archival fonds が
相互に関連している場合がある。記憶遺産登録はその定義により、類い希な重
要性を持つドキュメント遺産を、非常に選択的に認証しようとするものである。
暫定登録 [4.7]
場合に応じて、登録が暫定的に認められる場合がある。これは、この登録は
登録基準をおおよそ満たしているが、その登録を確定させるか、登録を取り消
すかを決定するためには未だ未解決な、比較的単純で実務的な細かい問題が残
っているという意味である。たとえば、管理計画にさらに詳細な情報を求めら
れているとか、登録物件の所有権の所在が明確にされるべきであるとかいう場
合である。このようなケースでは通常、登録分科会がそのような問題について
フォローするよう委任され、問題が解決した後には、この登録を確定すること
が告知される。
金銭的価値 [4.4]
記憶遺産登録された物件の中には相当な金銭的価値を持ったものもある。登
録されたという事実がその価値を高める効果があることも確かである。しかし
ながら、記憶遺産登録で考える重要性には、資料の金銭的価値は考慮されない。
所有権、後見、著作権そして管理 [4.4]
記憶遺産に提案し登録することは、当該ドキュメント遺産にすでに存在する
所有権、保持、後見、知的及び経済的所有権の管理に一切の影響を与えない。
ユネスコはいかなる形でも、その所有に関する利害を持たない。しかしながら
記憶遺産登録には、当該ドキュメント遺産が正当に管理されケアされるという、
所有者による約束が言外に含まれている。登録するということは、ユネスコ側
として、登録されたドキュメント遺産の管理状況について、継続的かつ承諾を
受けての監視をするつもりがあり、その目的で定期的に所有者と連携を持つつ
- 17 -
もりがあるということである。だからこそ提案様式において、詳細な保管状況
や防災・管理計画を求めているのである。一般規定の 4.4 にさらに詳しい説明
がある。
レヴューと解除 [4.8]
登録は不変ではない。ある状況においては登録が解除されることもある。ま
たは、事業の進展に従って、国際登録から地域登録へとか、その逆のような、
登録の間での移動と言うこともあり得る。そのようなことの起こる理由として
は、
■当該遺産の重要性を失われる、深刻な悪化や損害
■登録された理由が後に無効とされた場合。例えば材質が真正でない
ことが発見された場合など。
■選定基準に従って登録物件の再検討によって、他の登録に移動する
ことが結論づけられた場合
上記のような決定は簡単にはなされない。一般規定にしたがい慎重なプロセ
スを踏まなければならない。
登録にはなんらかの費用がかかるか?
準備のための時間だけ! ユネスコは記憶遺産の推薦を受領し、審査するた
めに費用の支払いを求めない。
なぜオリジナルを登録しなければならないのか?なぜ複写ではだめなのか?[4.5]
「オリジナル」であるということは、そのものがもつ最大限の情報を得るこ
とが出来、真正性を証明することができる。ほとんどのケースにおいてオリジ
ナルはたった一つである。
オリジナルがもはや存在しない場合、記憶遺産としては現在に伝わる最も古
い複写を、提案者が特定することを求めている。それは研究と判断の対象であ
る。例えば、印刷技術が始まる前には、自筆原稿は手で書き写され、偉大な古
代資料には複数の異なるヴァージョンが存在する。時代が下るにつれて、オリ
ジナルを特定することは、さらに複雑でほとんど不可能になってきている。
あるドキュメント遺産に、同じ価値をもった複数のコピーや異なるヴァージ
ョンが存在する場合、例えば初期印刷本や、異なるヴァージョンや言語をもつ
記録映画などの場合には、そのうちのいずれかを提案するよりも、複数の対象
物が残されている作品として提案されることの方が望ましい。その場合、すべ
ての対象物が提案書においてリストアップされるべきである。さらに対象物が
- 18 -
現れた場合には、後から追加することも必要である。
例示:メトロポリス、マグナカルタ、グーテンベルグ聖書
何故「閉じて」いて「固定された」物か?[4.5.2]
流動的な状態にあるコレクション、 fonds、ドキュメント群について信頼の
ある調査をすることは出来ない。また、知らない間に性質が変わってしまうよ
うなドキュメント遺産に対して、ユネスコ記憶遺産のロゴの使用を認めること
は不可能である。提案物件は「固定されて」いて、正確に定義されていなけれ
ばならない。
提案者は提案物件を所有していなければならないか?
いいえ。当該ドキュメント遺産の所有者や、管理者以外の者から提案される
ことは普通ではないが、それは許容可能である。
提案者及び管理者は公的機関でなければならないか?
いいえ。記憶遺産事業においては、公的・私的、営利・非営利の団体、個人
と団体の間にいかなる差異も認めない。
例示:カルロス・ガルデル
提案物件は古くなくてはならないか?
いいえ。物の古さは重要性に関係ない。
- 19 -
Item 7
MEMORY OF THE WORLD – REGISTER COMPANION
Draft document
Memo to the IAC:
A group comprising Lothar Jordan, Luciana Duranti, Roslyn Russell and myself were deputed to prepare
this text by the 2009 IAC. In practice, I have prepared a sequence of drafts to which others, within this core
group and beyond, have reacted. In April 2011, Luciana did a thorough review of the penultimate text,
following which I did some final redrafting to reach the text which is presented here. Over the last two years,
many people have made contributions (including members of the RSC and participants in workshops) so the
outcome is the product of several minds. Where there were conflicting views I have made a judgment. It
should be added that it has been an entirely voluntary exercise on the part of all concerned.
I should make the following points about the text:
The intention was always to create a plain language document to help nominators prepare their
cases. As far as possible, academic and professional terminology or lengthy explanation has been
avoided.
Throughout, some references are made to existing nomination documents on the MOW website as
exemplars or case studies. More need to be added before the document is published. This will not
affect the text.
Before publication, URLs will need to be checked to ensure that they are still valid.
The text uses the acronym MOW rather than MoW for consistency. This is not a statement of
preference: since both are in general use a decision needs to be made about what is the “official”
acronym.
In the course of compilation over the last two years, many suggestions have been made about
“updating” or refining selection criteria and definitions or aspects of MOW policy and practice. I
have not incorporated any of these. The purpose of the Companion is to be a user-friendly
elaboration of the existing General Guidelines, not a modification. The two must be in complete
harmony or it will only add to confusion rather than resolve it. (Any updating of the Guidelines or
significant change in practice or policy would be a major step and would most properly be dealt
with in conjunction with the drafting of a MOW convention).
As part of the exercise a redesigned nomination form has been developed, based on the one
currently in use for the Australian national MOW register. It is hopefully clearer and more user
friendly than the current design, which is no longer fully in step with Secretariat and RSC practice.
Ray Edmondson
7 May 2011
1
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MEMORY OF THE WORLD – REGISTER COMPANION
1
Introduction
What is the ‘Memory of the World’ Programme?
The ‘Memory of the World’ (MOW) programme aims to strengthen the preservation and
dissemination of valuable archive, library and museum holdings worldwide.
It is one of three UNESCO initiatives aimed at protecting and raising awareness of the global
cultural heritage. The other two are the Convention Concerning the Protection of the World
Cultural and Natural Heritage, which maintains the World Heritage List of buildings and natural
sites of outstanding universal value, and the Convention for the Safeguarding of the Intangible
Heritage Convention which recognises and supports the survival of oral traditions and culture. The
three approaches complement each other.
MOW relates to the world’s documentary heritage. The programme has three objectives [1.2]:
To facilitate preservation, by the most appropriate techniques
To assist universal access
To increase awareness worldwide of the existence and significance of documentary
heritage
MOW began in 1992, after the then Director General of UNESCO, Federico Mayor, visited the
ruins of the National Library of Sarajevo, where a country’s collected documentary heritage had
been deliberately destroyed as an act of war. MOW was established as a long term approach to
changing the way the world’s documentary heritage – in libraries, archives, museums and elsewhere
– is valued, protected, used and supported by nations, governments and communities.
Further information: MOW website www.unesco.org/webworld/mdm
In this Companion the numbers in square brackets refer to numbered sections or paragraphs in the
basic rules of the programme, the General Guidelines to Safeguard Documentary Heritage
Download the General Guidelines http://portal.unesco.org/ci/en/ev.phpURL_ID=6644&URL_DO=DO_TOPIC&URL_SECTION=201.html You can also ask
UNESCO to send you a hard copy version in your preferred language.
What is a document? What is documentary heritage? [2.6]
A document is that which “documents” or “records” something by deliberate intellectual intent.
That means it is information or “content” affixed in a stable way to a medium or “carrier” for the
purpose of communication over time or across space. Documents are usually moveable; they are
2
also preservable, able to be reproduced or copied, made up of signs or codes (such as writing) or
sounds and/or images (such as a recording, photograph or film). This Companion is a document.
Documentary heritage is a term used by MOW to refer to that part of the cultural heritage which
has a documentary nature. It includes single documents of any kind, or a number of documents
which form a logical and coherent group (such as a collection, a holding or an archival fonds or
series). The size of the group does not matter; what holds the group together does. A collection is a
self-contained group of individual documents which have been brought together by a particular
person, organisation or circumstance for a specific reason or purpose (for example subject matter,
character, type, creator). An archival fonds is the whole of the documents made or received by a
person or organisation in the usual course of their activities and kept for action or reference.
A document is made up of both content and carrier. Both may be of great variety and both are
equally important parts of a documentary memory. Sometimes the two are inseparably related;
sometimes (for example with electronic and digital documents) the relationship may be less vital.
{ pictorial examples of different types of carrier: mediaeval manuscript, stone tablet,
papyrus, parchment, paper, film, magnetic tape, fabric, photographic print, vinyl disc,
computer hard disc, optical disc etc}
The content may be expressed in many forms:
Text, as in manuscripts, newspapers, correspondence, registers, digital word files. The
textual content may be affixed in ink, pencil, paint, bit-streams or in other ways.
Non-text or graphic form, such as drawings, maps, plans, blueprints diagrams or visual
compositions.
Audiovisual, such as sound recordings, moving images or still photographs – whether in
analogue or digital form, however recorded and in any format.
Digital documents, such as websites, databases, geographic information systems, individual
files or aggregations of files.
How does MOW work?
MOW fulfils its responsibilities through a UNESCO secretariat (Paris-based) and a network of
committees and initiatives that operate in accordance with the programme’s General Guidelines.
You can connect with MOW through whichever committee seems most convenient to you!
MOW has international, regional and national committees and registers. All have separate websites
and operate independently but they do so in conformity with the General Guidelines. The network
is constantly growing, so a good entry portal is the main MOW website at
www.unesco.org/webworld/mdm .
For example, the Australian national MOW committee maintains a national register
www.amw.org.au , and is a member of the Asia Pacific Regional Committee (MOWCAP)
www.unesco.mowcap.org Australian documentary heritage is inscribed on the National,
Asia Pacific and International MOW registers.
3
The main MOW bodies are:
International Advisory Committee (IAC) [5.2]
This is the primary MOW operational body. It advises UNESCO on the planning and
implementation of the programme as a whole, monitors the work of other committees, and
recommends to the Director General of UNESCO all new ‘inscriptions’ (items to be added) to the
International MOW Register. It is governed by statutes (on the website) and comprises 14 experts,
chosen for their authority in the field of managing and safeguarding documentary heritage. They are
appointed for fixed terms by the Director General and serve in a personal capacity. The IAC meets
in ordinary session every two years. The Paris-based Secretariat supports the IAC financially,
logistically and administratively and the IAC’s subsidiary bodies, which are the Bureau, the
Register Subcommittee, the Technical Subcommittee and the Marketing Subcommittee. The roles
and terms of reference are explained on the website.
Regional Committees [5.8]
These are created by UNESCO. The three present regional committees are geographically based on
three of UNESCO’s official regions: Africa (ARCMOW), Asia Pacific (MOWCAP) and Latin
America/Caribbean (MOWLAC). They encourage cooperation and networking among national
MOW committees; they help to plant, mentor and monitor national committees; they build
awareness, organise training workshops, and maintain regional registers. Each has its own statutes
and methods of operation suitable to its region. Like the IAC, each has appropriate subcommittees
to pursue its work.
National Committees [5.7]
National MOW committees are bodies created and recognised by the UNESCO National
Commission in the country concerned. Their activities may include maintaining a national MOW
register, training and awareness raising. Membership and statutes are established by the UNESCO
National Commission, but different countries use different approaches. For example, some
committees comprise representatives of heritage institutions and government ministries; others
comprise individuals from a variety of professional backgrounds appointed for their subject
expertise.
At the time of writing, there are about 60 national MOW committees operating. You can
Google to find current examples.
Why the registers?[4]
The registers are the most visible means of achieving the objectives of MOW. They help to make an
abstract ideal accessible and concrete. By progressively identifying, recognising and highlighting
significant and irreplaceable documentary heritage, the larger objectives of preservation, access and
awareness are advanced. The inscription of an item on any MOW register is an affirmation by
UNESCO of its permanent value and significance. It also raises the stature of the institution which
is the custodian of the inscribed heritage. Over time, the registers will contribute to influencing
perceptions and understanding of world history by making little known documentary heritage more
visible.
4
Where can I see the registers?
The registers can be seen on line. They are accessible on the websites of the International, Regional
and National Committees. Each inscription includes summary information and pictures; if the
inscribed heritage has been digitised and is accessible on line there might be a link to it. For a more
detailed understanding of the materials posted, the nomination documents themselves can also be
read on line.
5
2
The Registers
Why are there three different types of registers?
There are separate international, regional and national MOW registers.
The inscriptions in the three types of registers are based on essentially the same criteria, related to
the cultural context in which the inscribed heritage belongs. Each register is separately
administered by the relevant international, regional or national MOW committee. The fundamental
difference among the registers is the extent of geographic influence of the documentary
heritage which they include.
The oldest, largest and best known is the International MOW Register. It began in 1997 and for
many years it was the only MOW register. The others have been developed more recently in
accordance with the overall concept of the programme to recognise that, in addition to documents
that have had international impact, other documents have had profound but more circumscribed
influence within specific regions or countries. The three types of registers are elements in a large
matrix that outlines the global picture of the world’s documentary heritage.
The registers are not intended to be perceived as a hierarchy. All inscribed documentary
heritage is recognised by UNESCO as being of world significance.
Every MOW register has its own nomination process and timeframe. For simplicity, this
Companion focuses on the process of nominating to the International MOW Register. However,
the same process and issues apply to all other MOW registers and the relevant Regional or
National MOW Committee can provide the nomination information and forms for its own
register.
Why nominate? What’s the benefit?
Being inscribed on a MOW register is not an end in itself. It is a beginning.
Inscription publicly affirms the world significance of the documents in question and makes them
better known. They become part of the visible continuum of documents that have had a substantial
impact on cultural and social history, causing history to be better understood over time. Inscription
encourages accessibility and effective preservation and attracts publicity. It carries with it the
symbolic weight of UNESCO endorsement and the right to use the MOW logo, which is an
affirmation of UNESCO’s recognition. It is therefore a source of pride and distinction: the
reputation of your heritage and/or your institution benefits by association with the inscriptions
already on the registers, and it visibly justifies government or other expenditure on your heritage.
There’s a strategic value in the inscription of your documentary heritage in one of the registers,
which varies according to the circumstance. It reflects positively on the organisation responsible for
its safety, care and preservation. Sometimes it can help to attract sponsorship and funding to protect
heritage under threat. Sometimes it has the effect of making the heritage more secure. There are
cases on record where inscription has even saved an entire archival institution from closure and
dismantlement.
6
Who can nominate?
Anyone can nominate any documentary heritage for inscription in a register. There are no
gatekeepers.
In practice, most nominations come from institutions, such as libraries, archives or museums, which
propose material that is in their own custody. They are best placed to provide the kind of
information needed by the Secretariat for assessment purposes. But nominations also come from a
range of private and public organisations, from international associations and from private
businesses and individuals.
If you are nominating an item for inscription in a regional or the international register, it is a good
idea to involve your national MOW committee (if you have one) in the process. It’s not compulsory
– but if it supports your nomination, its endorsement will be taken into account in the assessment
process.
What’s the process? Is it competitive? Are there quotas? Can I get help?
Nomination is not competitive. You should not be trying to be better than someone else! Every
nomination is judged against the criteria. If it satisfies them it is accepted. If it doesn’t, it is not.
There is currently no limit to the number of nominations that will be accepted from each country or
organisation for the national and regional registers. For the International MOW Register only, there
is a limit of two nominations per country in each two year cycle: this is a practical way of managing
the workload of the IAC assessors and the Secretariat. (If more than two nominations are received,
the national MOW committee of that country - or if there is none, the relevant regional committee will be asked to decide which two nominations go forward to the IAC). However, this limit does
not apply to joint nominations involving a partnership between institutions in two or more
countries, and these joint nominations are not counted as part of the quota of each participating
country. This is because UNESCO fosters international cooperation in the preservation of
documentary heritage!
If you need help in preparing your nomination you can ask your MOW national or regional
committee, or you can ask the Secretariat to refer you to a mentor who can explain the range of
information you need to compile and how to compile it (this is called technical help). Of course,
there are protocols: the mentor can’t make your case for you and can’t express an opinion on
whether your nomination has a good chance of success.
There are deadlines. The international and regional registers, and most national registers, accept
nominations on a two year cycle. You need to submit your nomination before the announced
closing date or it will go into the following cycle. For example, the closing date for the International
MOW Register is normally March 31 in the even years – for example 2012 or 2014 – and it is
strictly observed. The final decisions on nominations are made in the odd years – for example, 2013
or 2015.
7
3
Constructing a nomination – a guide to completing the form
At the end of this Companion is an annotated copy of the nomination form for the International
MOW Register. A blank form can be viewed and downloaded from {…URL…} and used as an
expandable electronic template. (Like all forms, it may be amended from time to time).
The annotations explain how each section of the form is to be filled out. The information below is
an extended commentary on the “heart” of any nomination:
- The criteria for inscription
- The "additional information” the assist the assessment.
The criteria (section 5 of the form)
This is where you present the case for inscription by demonstrating how the heritage you are
nominating satisfies the criteria. Let’s look at them in turn:
Authenticity [4.2.3]
Is the nominated documentary heritage – whether a single document or a group of documents
– what it appears to be or claims to be? Is the provenance – the creator of the material and the
chain of custody – reliably known? There are numerous historical examples of fakes and forgeries –
copies or replicas that purport to be originals, deliberate hoaxes or deceptions, originally authentic
documents whose content has been altered, and so on. These documents can take any form.
{Example: Hitler diaries - http://en.wikipedia.org/wiki/Hitler_Diaries }
Establishing authenticity is not necessarily a simple issue. It can be inferred from a documented
chain of unbroken legitimate custody, or can be attested by a verification carried out on the
document(s) itself by experts, or by the testimony of a witness who has direct knowledge of the
documents(s).
Digital technology provides vast possibilities for manipulating text, images and sounds in ways that
leave no trace of the alteration. In this case, authenticity is an inference based on the circumstances
of creation, maintenance and preservation, the metadata linked to the documents(s), the transaction
and audit logs of the system in which the document(s) resides, and so on.
In the case of groups or aggregations of documents, authenticity refers to the aggregation, not its
individual components. For example, a record in a file of an archival fonds might be a forgery as an
individual item, but if duly included for action in the course of activity by the creator of the fonds it
is an authentic component of the fonds.
Sometimes originals no longer exist, and establishing the authenticity of copies becomes a matter of
identifying them on the basis of their own distinguishing features as, for example, in the case of
mediaeval manuscripts. Audiovisual media, in particular, are readily copied and originals may no
longer exist. The oldest carrier may not necessarily have the most original content. Films and
photographs can be altered in a variety of ways to change their content.
8
What’s more, the concept of an original is not always a neat one. Sometimes there can be multiple
originals and variant versions of a single work and there can be a case for inscribing all the variant
versions.
{Example: Magna Carta, Metropolis, Gutenberg Bible, Wizard of Oz (black and white
sections)}
World significance; unique and irreplaceable [4.2.4]
These terms are frequently misunderstood, leading to unsustainable and unprovable claims in
nominations. They can be interpreted in different ways in different places, or according to whether
the viewpoint is from north or south, east or west. The key question is: what influence did the
document(s) have or does it represent, and how widely was that effect felt geographically?
Influence can be direct and immediate, and indirect and subtle and discernible over time.
Sometimes it can be measured or inferred numerically (for example a Google search); sometimes it
can be inferred because of events that followed the creation of the documents(s) in question..
It is said that history is written by the “winners”. But sometimes the “losers” had a voice and an
influence as well, and over time the MOW registers can try to make their voice heard. Answering
the wider question of value and influence, one should ask: how much would it really matter if the
material was lost? Would this impoverish the global heritage?
{Examples: ….}
Unique means one-of-a-kind – it is not the same as rare (see below). It usually applies to an
original document, or a document which has defining characteristics not shared by any other
document which may be similar to it.
If the nominated heritage is a collection, grouping or aggregation, its uniqueness is an attribute of
the whole, not of any of its parts. If the heritage is a single document – for example, a mediaeval
manuscript for the original negative of a feature film – then the item itself is without peer and no
substitute will have the same qualities. This means, in turn, that it is irreplaceable and its loss would
constitute an impoverishment of the heritage of humanity. It may be representative of a type or
genre, but have no direct equal.
The importance of the carrier as well as the content matters here. There is sometimes a critical
relationship between the two, with one shaping the other, and the artefact value of the carrier also
has to be appreciated. Some documents (such as those utilising certain photographic colour
processes) cannot be exactly replicated by any known technology.
= {examples: Los Olvidados, Beethoven’s 9th symphony score...}
Individual criteria [4.2.5]
The third test is whether the documentary heritage meets one or more of the following criteria. It
does not have to meet all of them, but it’s useful to discuss those that it does meet:
9
1
Time This may refer to several things: the age of the document(s) nominated, or the fact
that it is the first of its kind, or that it is the expression of a special time, or of a culture, or of a
historical event. What can you say about the time of creation of the documentary heritage? It may
reflect times of change: perhaps periods of political, cultural or social change, of the evolution of
ideas and beliefs, of revolution and regression, of contact between peoples of contrasting cultures.
Does the document(s) help us to understand a particular period in history?
Documentary heritage does not have to be “old”: age, of itself, does not equal significance. The
concept of antiquity is relative: in some countries, documents dating back 100 years are seen as
“recent”; in others, they are decidedly “old”.
{Examples: Mabo papers, Bayeux tapestry ….}
2
Place: This might refer to the location where the nominated documentary heritage was
created (its provenance or origin) - which might be one from which no other documents survive; it
may refer to the content of the heritage, which might include crucial information about a locality
important in the history of the world; it may describe or show places that no longer exist or which
would otherwise be unknown.
Questions to be asked are: was the location important because of its association with historical
events? Did the location influence the nature of those events? Was it the birthplace of political,
social or religious movements that had an impact on later history? Did the environment itself
influence the way those movements developed? How do the documents provide evidence of this?
{Examples ….}
3
People: This can refer both to the context in which the documentary heritage was created,
and to its content. It may relate to key individuals or groups, movements, transitions, advances or
regressions in social, industrial, artistic or political development, and human behaviour.
A questions to ask is: do the documents have an intrinsic association with the life and work of a
person or people or cultural group that had some wider, major impact? It may be in any field:
literature, music, arts, sciences, politics, religion, sports….? Do the documents depict wider social
or political movement?
{Examples: …}
4
Subject and theme: This refers to the historical, cultural, intellectual or artistic significance
of the content of the documentary heritage. Questions to be asked: Is the documentary heritage
about an important subject or major theme or is the product of a significant development in the
march of history? For example, great inventions – everything from the wheel to the internet – have
shaped the course of history and the progress and development of nations and societies. The
emergence of the concept of the nation state (the basis for the structure of UNESCO!) was a
historical evolution.
{Examples:….}
5
Form and style: This can relate both to the carrier and the content. It refers to the means
and conventions by which information has been conveyed at different times and in different places.
Documents have changed their character during the course of history. Carriers are objects or
artefacts as well as containers of information or content. Often these attributes are related to each
10
other: a document might be remarkable for its linguistic characteristics, for the type of carrier or
format chosen by the creator, or for the way information is presented. Sometimes the form and
style is related to social or industrial conventions or to particular periods in history. Is there
anything outstanding about the form and style of your documentary heritage – aesthetically,
industrially? Is it an example of a style now disappeared or disappearing?
{Examples:…}
6
Social/ spiritual/ community significance: This criterion intends to recognise the
significance or a document or set of documents in terms of their spiritual or sacred values. It allows
a specific community to demonstrate its emotional attachment to the documentary heritage or the
way in which it contributes to that community’s identity and social cohesion.
Application of this criterion must reflect living significance – the documentary heritage must have
an emotional hold on people who are alive today. Once those who have revered the documentary
heritage for its social/ spiritual/ community significance no longer do so, or are no longer living, it
loses this specific significance and may eventually acquire historical significance. (This additional
criterion was added in June 2007)
{[Examples: Illuminated MSS of the Koran and the Christian Bible; woodblocks and
textiles; character-based hand calligraphy; obsolete audiovisual carriers}
The additional information [4.2.6]
These are not selection criteria! The following information is needed to provide context to the
nomination – to assist in assessing the nomination, and to establish how the nominated documentary
heritage is stored and managed.
1
Rarity: A rare item is one of a small number of surviving exemplars of a type or class of
document. The classic example is the “rare book”: thousands of copies may have been printed but
only a few copies are known to survive. Each one of these may have unique attributes while still
sharing in the common attributes of all surviving copies.
2
Integrity means that a document is able to convey the same message and content it was
meant to convey when created – even if, for example, the white paper has become yellow, the
colours have faded, or the presentation is in a different digital format. A document may no longer be
whole or complete and to that extent will have lost its physical integrity. For example, in the case of
a paper document, individual pages may be torn or incomplete or replaced by copies, or they may
be missing altogether. The document may have been altered or defaced in other ways. Archival
documents may have been removed from their archival series or fonds, thus compromising their
integrity.
In the case of audiovisual documents, many important works survive only in incomplete form, or in
“reconstructed” versions that assemble the best material from sources available at the time. Such
versions may be superseded by later discoveries.
{Example: Metropolis }
11
3
Threat: [3.6, 4.2.4, 4.3.3, 4.4.2, 5.5] The survival of all documentary heritage is at risk in
the long term, according to the second law of thermodynamics! Risk is minimised by good
professional practice in handling, storage, preservation and access practice, and by the predictability
and security of its custodial situation. MOW is concerned about the short and longer term!
Many carriers are vulnerable and the preservation methods required to protect them are often not
popularly understood. Many institutions have very limited resources, facilities and skills to ensure
longer term preservation, and social, political and security conditions may not be conducive to
document survival. MOW makes a judgment about the level of threat taking all these factors into
account. Inscription can sometimes significantly improve a document’s safety and chances of
proper care and long term survival. [This is not a criterion]
{Example: ...}
4
Management plan [4.4.2]: A management plan is highly desirable. The existence of a plan
is normally a precondition for inscription, although the lack of a plan is not necessarily a
disqualification – sometimes there are good reasons why a plan has not been prepared.
Management plans can be elaborate or simple but they must be realistic. Most institutions do not
have an ideal environment or limitless funding and just have to do the best they can for the time
being – and it is important that they say so!
An ideal – repeat, ideal - management plan would include a statement of the significance of the
documentary heritage, refer to the custodian’s policy and procedures for access and preservation, set
out a preservation budget, describe the available conservation expertise and facilities, describe the
physical environment in which the heritage is held (for example, air quality, temperature and
humidity, shelving, security) and include a disaster preparedness strategy. Most institutions do not
have an ideal situation!
{Example ...}
The virtue of brevity
Your nomination should be comprehensive, but it should be no longer than it needs to be! Filling
your nomination with repetition or with details arguments which do not address the criteria only
makes the task of assessment harder. Your nomination will be judged by its quality, not its length!
If it exceeds, say, 15 pages you should check whether everything you have included is necessary.
There is no mandatory minimum or maximum length – just use common sense.
12
4
The outcome: what happens after you submit a nomination?
The assessment process and feedback
After you submit a nomination to the UNESCO Secretariat in Paris, it will acknowledge receipt. At
that point the Secretariat may request additional information if it is clear that the nomination form is
incomplete.
After the closing date for nominations (31 March in the even years), your nomination will be
assigned to a member of the Register Subcommittee (RSC) to research. He or she will contact
referees (both those listed in your nomination and other experts) to assess the claims made against
the selection criteria, and will then produce an initial report for the RSC. When the whole RSC
convenes it will discuss the nomination and the report and reach a preliminary opinion on whether
the nomination meets the criteria, or whether (for example) further information is needed from the
nominator. Following the meeting you will receive feedback on the RSC’s conclusion, and any
further information required will be requested. Sometimes this involves a dialogue between the
nominator and the UNESCO Secretariat.
Following this phase, the Subcommittee reconvenes to finalise its views on each nomination, which
are then conveyed to the members of the MOW International Advisory Committee (IAC). When the
IAC convenes for its biannual meeting, it considers the views of the RSC and the comments of its
individual members and may decide to review the nomination in detail. It may, or may not, agree
with the views of the RSC in each case. It is the IAC that makes a list of recommended inscriptions,
which are submitted to the Director General of UNESCO for approval. The Director General’s
decision is final.
Announcement of inscription
Successful nominations are announced in a press release issued by the Director General, and all
nominators are informed of the outcome by letter from the Secretariat. The new inscriptions are
promptly listed on the MOW website.
Ceremonies and presentation of certificates with examples
All successful nominators receive an official certificate of inscription. In the absence of any other
alternative, this is delivered by mail. However, a formal certificate presentation would provide the
opportunity of a potentially high profile media event which could benefit both the recipient
institution and UNESCO. The UNESCO Secretariat will be happy to cooperate in making such
arrangements.
{Examples: Malaysia, London}
Publicity
Custodians of inscribed heritage are encouraged to publicise their status and to draw public
attention to the materials that have been inscribed. For example, a number of institutions have
placed inscribed items on public display; have digitised them so that they are readily accessible;
13
have promoted their recognition through their website; have sold reproductions as products. The
only limitation is imagination.
Use of the MOW logo
Custodians of inscribed heritage are entitled to use the MOW logo, and are encouraged to do so.
The Guidelines for the use of the logo are sent to all successful nominators when inscription is
announced.
Download these {URL}
What if my nomination is rejected? You can apply again…
If your nomination is unsuccessful, you can re-submit a revised version in future rounds. If you are
contemplating doing so, you should review the arguments you presented, and consider whether
there is additional information you could offer in support of the nomination. Take into account any
feedback you received from the Secretariat; consider whether there are additional authoritative
referees who could support your case.
14
5
FAQ
Everything you wanted to know, but were afraid to ask…
Digital documents, including databases and websites [4.3]
Born-digital documents are eligible for nomination, while digitised copies of analogue originals
generally are not. If you wish to nominate digital documents (for example databases, programmes,
websites, audiovisual works or a record series) they need to be precisely defined (if an ongoing
website, for example, choose one clearly distinguishable version), to have fixed form and stable
content in their original file format (or acceptable preservation equivalent thereof) and resolution
(where applicable), and they must be accessible. The version being nominated needs to meet all
other criteria, and its exact current location within a storage system needs to be specified. If there
are identical clones in different locations, the version nominated needs to be the earliest
chronologically. There must be a high assurance that the documents(s) will be permanently
maintained in their present condition and that the means to achieve this are available.
Digital copies or “surrogates” of analogue documents may be eligible if the analogue version no
longer exists or has deteriorated beyond recovery. Digital “restorations” or “remasterings” or other
manipulated derivations from born-analogue or born-digital originals are not eligible unless they are
presented and assessed as new works in their own right.
In explaining how the document(s) meet the criteria for inscription, the nominator may wish to cite
research or professional literature on digital records and their preservation in support.
Audiovisual documents
Audiovisual media exist in a wide variety of analogue and digital formats. See specific comments
against the criteria in Section 3. Identifying an “original” or earliest surviving generation is
sometimes a matter of judgment.
Literary and artistic works
This is, by its nature, an area of unclear boundaries in which MOW sets its precedents with care.
MOW does not seek to inscribe literary or artistic works as such, based purely on their artistic or
literary merit. Their significance may lie in their character as documents and their influence on
society: works of fiction, imagination, belief or vision may be as influential as any purely factual
document. Their form may be diverse (for example, original manuscripts of literary works, musical
scores, theatrical plays), and the carrier itself may have associations as important as the content.
To suggest a hypothetical example, one may nominate a group of letters that reveal the relationship
between two renaissance painters. These are documents. But their actual paintings would be
ineligible for nomination unless they had significant documentary value and satisfied the criteria for
inscription on a MOW register.
{Examples of inscriptions: Metropolis, Gutenberg Bible, Astrid Lindgren archives, Wizard
of Oz, Bayeux Tapestry, Gothic architectural drawings, Bethoven’s 9th symphony MSS, the
Shahnameh, Carlos Gardel tango recordings, Russian posters, Song of the Nibelungs poem} .
15
Exclusions from the international register [4.2.7]
As a practical necessity, and to avoid offence, experience has shown that certain types of document
should not normally be considered for inscription on the International MOW Register. The two
examples below are indicative only.
Papers of contemporary political leaders and political parties
Normally, these would be relevant to national or regional MOW registers, according to the due
decision of their MOW committees. However, the need to be – and to be seen to be – even-handed
and objective can conflict with the current political circumstances in which every MOW committee
operates. MOW registers cannot be open to any accusations of political partisanship.
Where a national or regional committee decides to assess such material, the extent of influence
needs to be carefully weighed. Is the individual or organisation widely influential, for good or ill, in
shaping recent history – for example, in starting or ending wars, in shaping social or political
systems, or in establishing great insights or principles?
There will clearly be instances when the influence of a past political figure extends beyond national
or regional boundaries and the relevant documentary heritage may then need to be assessed against
the criteria for the International MOW Register.
National constitutions and similar documents
These may be appropriate candidates for national MOW registers, but would not normally qualify
for the international or regional registers because their influence is usually restricted to the country
concerned. Exceptions would be documents which have clearly had wide geographic influence, for
example in serving as models for other national constitutions or in pioneering what have since
become universally accepted principles.
“Whole institution” nominations [4.5]
While the nomination of a collection, a fonds or a group of collections and fonds (as described in
section 1) is welcome, the nomination of the entire contents of an archival, library or museum
institution is unlikely to be successful, unless it demonstrates a significance, unity and coherence
beyond the coincidence of material which happens to reside in the same institution. Further, such
nominations don’t usually meet the test of being closed and finite – the holdings of the institution
are constantly changing.
For some institutions, such as official national, city and university archives or national libraries,
acquisition of material is determined by legislation, jurisdiction and policy and archival fonds can
be interrelated. By definition, MOW registers are very selective and seek to recognise specific
heritage of outstanding significance.
Provisional inscriptions [4.7]
Occasionally inscriptions may be approved on a provisional basis. That means that the criteria for
inscription have been met in principle, but there are certain, relatively simple practical matters or
details that remain to be settled before the inscription can become final and unqualified. For
example, further details on a management plan may be required, or ownership of the inscribed
heritage may need to be clarified. In such cases, the Register Subcommittee would normally be
16
empowered to follow through on the matter and, if satisfied, declare that the inscription has been
finalised.
Monetary value [4.4]
Some items on MOW registers have considerable monetary value. The very fact of achieving
inscription may have the effect of enhancing that value in some quarters. However, the monetary
value of any item, collection or fonds is irrelevant to its significance in the MOW context.
Ownership, custody, copyright and management [4.4]
Nomination and inscription on a MOW register does not in any way affect existing ownership,
possession, custody, control of intellectual and economic rights in the documentary heritage.
UNESCO does not gain any form of proprietary interest. However, there is an implied commitment
by the owners of the documentary heritage that it will be properly managed and cared for.
Inscription also means that UNESCO has a continuing and informed interest in monitoring this
commitment and the well-being of the inscribed material, and may periodically contact custodians
for this purpose. That’s why the nomination document asks for such details as storage conditions,
security and details of the management plan relating to the material Section 4.4 of the General
Guidelines explains this in more detail.
Review and removal [4.8]
Inscriptions are not unchangeable. Under certain circumstances inscriptions can be removed from a
register, or (as the programme continues to develop) moved from one register to another (for
example, from the international register to a regional register or vice versa). Among the possible
reasons might be:
Serious deterioration of or damage to the heritage that destroys its significance
The rationale for the inscription is later found to be invalid: for example, the material may
be later found not to be authentic
Review of an inscription against the selection criteria which suggests that it should be on a
different register
Such a decision would not be taken lightly. It would follow the due process set out in the General
Guidelines.
What does nomination cost?
Nothing but preparation time! UNESCO does not levy a fee for receiving or processing a MOW
nomination.
Why do you have to nominate “originals”? Why won’t copies do? [4.5]
The “original” is where maximum information is found and authenticity is verifiable. In most cases
there is only one original.
Where originals do not survive, MOW seeks to ensure that the earliest surviving generation or copy
is identified by the nominator. This may be a matter of research and judgment; for example, in the
days before printing, manuscripts were copied by hand and may exist in several variant versions of
17
great antiquity. Closer to the present, the question of identifying an original can become more
complex and even impossible.
In such cases, where documentary heritage may exist in multiple copies and variant versions of
equal validity – for example, early printed books or feature films in differing versions or multiple
languages – it may be preferable to nominate the work which exists in a number of exemplars,
rather than one specific item. All exemplars would then be listed in the nomination (or even added
afterward, if further exemplars are subsequently located).
{ Examples: Metropolis, Magna Carta, Gutenberg Bible}
Why “closed” and “fixed”? (4.5.2)
It is not possible to reliably assess a collection, fonds or group that is in a fluid state, nor could
UNESCO award a MOW logo to documentary heritage whose character might change without its
knowledge. That’s why what is nominated must be finite and precisely defined.
Does the nominator have to own the material being nominated?
No. While it is unusual for nominations to be submitted by parties other than the owner and
custodian of the documentary heritage, it is permissible.
Does the nominator or the custodian have to be a public institution?
No. MOW makes no distinction between public or private, commercial or non-commercial
organisations, not between institutions and individuals.
{Example: Carlos Gardel}
Does material have to be old to be nominated?
No. Age and significance are unrelated!
18
Nomination form
International Memory of the World
Register
Office Use Only
ID code:
Item or collection short title:
2011/
Institution / Owner:
State / Territory: (circle as appropriate)
19
1.0 Checklist
Nominees may find the following checklist useful before sending the nomination form to
the International Memory of the World Program.
Summary completed (section 1)
Nomination and contact details completed (section 2)
Declaration of Authority signed and dated (section 2)
If this is a joint nomination, section 2 appropriately modified, and all Declarations of
Authority obtained
Documentary heritage identified (sections 3.1 – 3.3)
History/provenance completed (section 3.4)
Bibliography completed (section 3.5)
Names, qualifications and contact details of up to three independent people or
organisations recorded (section 3.6)
Declaration signed and dated that all referees have given their written permission for
their names to appear on the AMW website (section 3.6)
Details of owner completed (section 4.1)
Details of custodian – if different from owner - completed (section 4.2)
Details of legal status completed (section 4.3)
Details of accessibility completed (section 4.4)
Details of copyright status completed (section 4.5)
Evidence presented to support fulfillment of the criteria? (section 5)
Additional information provided (section 6)
Details of consultation with stakeholders completed (section 7)
Assessment of risk completed (section 8)
Summary of Preservation and Access Management Plan completed. If there is no
formal Plan attach details about current and/or planned access, storage and custody
arrangements (section 9)
Any other information provided - if applicable (section 10)
Suitable reproduction quality photographs identified to illustrate the documentary
heritage. (300dpi, jpg format, full-colour preferred). (If required by the AMW Program,
we will contact you)
Copyright permission obtained and/or given for the AMW program to reproduce the
documentary heritage on the AMW website, in AMW publications and in publicity for
the program (if required by the AMW Program, we will contact you)
20
Nomination form
International Memory of the World Register nomination form
Part A: Essential information
1.0 Summary (max 200 words)
Give a brief description of the documentary heritage being nominated and the
reasons for proposing it.
This is the “shop window” of your nomination and is best written last! It should
contain all the essential points you want to make so that anyone reading it can
understand your case even if they don’t read the rest of your nomination.
2.0 Nominator
2.1 Name of nominator (person or organisation)
2.2 Relationship to the nominated documentary heritage
2.3 Contact person(s)
2.4 Contact details
Name
Address
Telephone
Facsimile
Email
21
2.5 Declaration of authority
I certify that I have the authority to nominate the item, or items, (please
delete inapplicable words) described in this document to the International
Memory of the World Register.
Signature
Full name (Please PRINT)
Date
3.0 Identity and description of the
documentary heritage
3.1 Name and identification details of the items being nominated
In this part of the form you need to describe the document or collection in
sufficient detail to make it clear and precise exactly what you are nominating.
Any collection must be finite and closed.
3.2 Catalogue or registration details
Depending on what us being nominated, appending a catalogue can be a useful
way of defining a collection. If this is too bulky or impractical, a comprehensive
description accompanied by sample catalogue entries, accession or registration
numbers or other ways of defining a collection’s size and character can be used.
3.3 Visual documentation if appropriate (for example, photographs or a DVD of the
documentary heritage)
Where this adds additional information, it is useful to append photographs (or in
the case of audiovisual material a CD or DVD of some of the material) to help
the assessors visualise the collection or document.
3.4 History/provenance
Describe what you know of the history of the collection or document. Your
22
knowledge may not be complete, but give the best description you can.
3.5 Bibliography
A bibliography demonstrates what others have independently said and written
about the heritage you are nominating. It is best if you can cite writers from
several countries rather than just your own country, and if the writers are
authoritative voices clearly independent from both your own institution and
UNESCO.
3.6 Names, qualifications and contact details of up to three independent people or
organisations with expert knowledge about the values and provenance of the
documentary heritage
Name
Qualifications
Address
1.
2.
3.
I assert that the above named referees have given their written permission for their names
and contact details to be used in connection with this nomination for the International
Memory of the World Register.
The referees you cite will be contacted for their opinions. UNESCO may also
contact other authoritative referees so that a good spectrum of opinion is
available.
Signature
Full name (Please PRINT)
Date
23
4.0
Legal information
4.1 Owner of the documentary heritage (name and contact details)
Name
Address
Telephone
Facsimile
Email
4.2 Custodian of the documentary heritage (name and contact details if different from the
owner)
Name
Address
Telephone
Facsimile
Email
4.3 Legal status
Details of legal and administrative powers for the preservation of the documentary heritage
4.4 Accessibility
Describe how the item(s) / collection may be accessed
All access restrictions should be explicitly stated below:
Encouraging accessibility is a basic objective of MOW. Accordingly, digitisation
for access purposes is encouraged and you should comment whether this has
been done or is planned. You should also note if there are legal or cultural
factors which restrict access.
24
4.5 Copyright status
Describe the copyright status of the item(s) / collection
Where copyright status is known, it should be stated. However, the copyright
status of a document or collection has no bearing on its significance and is not
taken into account in determining whether it meets the criteria for inscription.
5.0 Assessment against the selection criteria
5.1 Authenticity.
Is the documentary heritage what it appears to be? Have identity and provenance been
reliably established?
5.2 World significance
Is the heritage unique and irreplaceable? Would its disappearance constitute and harmful
impoverishment of the heritage of humanity? Has it created great impact over time and/or
within a particular cultural area of the world? Has it had great influence (positive or negative)
on the course of history?
5.3 Comparitive criteria:
25
Does the heritage meet any of the following tests? (It must meet at least one of
them.)
1 Time
Is the document evocative of its time (which may have been a time of crisis, or significant social or
cultural change? Does it represent a new discovery? Or is it the “first of its kind”?
2 Place
Does the document contain crucial information about a locality important in world history and culture?
For example, was the location an important influence on the events or phenomena represented by the
document? Does it describe physical environments, cities or institutions since vanished
3 People
Does the cultural context of the document’s creation reflect significant aspects of human behaviour, or
of social, industrial, artistic or political development? For example, does it demonstrate social or
spiritual significance to a particular group of people? Or does it capture the essence of great
movements, transitions, advances or regression?
4 Subject and theme
Does the subject matter of the document represent particular historical or intellectual developments in
the natural, social and human sciences? Or in politics, ideology, sport or the arts?
5 Form and style
Does the document have outstanding aesthetic, stylistic or linguistic value? Or is it a typical exemplar
of a type of presentation, custom or medium? Is it an example of a disappeared or disappearing carrier
or format?
6 Social/ spiritual/ community significance
Application of this criterion must reflect living significance n- the documentary heritage must have an
emotional hold on people who are alive today. Once those who have revered the documentary heritage
for its social/ spiritual/ community significance no longer do so, or are no longer living, it loses this
specific significance and may eventually acquire historical significance.
6.0 Additional information
26
6.1 Rarity
6.2 Integrity
7.0 Consultation with stakeholders
7.1 Provide details of consultation about this nomination with the
stakeholders in its significance and preservation.
Apart from the nominating institution itself, have other organisations or groups
been consulted in the process of preparing the nomination – and, if so, did they
support it or oppose it of have useful comments to make?
8.0 Assessment of risk
Detail the nature and scope of threats to this documentary heritage.
Attach a separate statement if space insufficient.
Be accurate and honest. If your document(s) is at risk for any reason, say so.
UNESCO needs to know its true situation.
9.0 Preservation and Access Management Plan
9.1 Is there a management plan in existence for this documentary heritage?
YES
NO
If yes, attach a summary of the plan. If no, please attach further details about
27
current storage and custody of the materials.
10.0 Any other information
Detail any other information that supports the inclusion of this item(s) / collection on the
International Memory of the World Register.
Attach a separate statement if space insufficient.
28
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