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雪崩と雪の状態(重

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雪崩と雪の状態(重
雪崩についての勉強会
季節
雪崩の
11月~5月
2009/11/25
文責
西
雪崩の時間
行動中、就寝中
雪崩の分類(省略)
雪崩と雪の状態(重要だが省略)
雪崩を引き起こす要因
①地形
②積雪の不安定状態 ③人為
①地形 (比較的判断しやすい)
・大きな雪崩の約90%は35度~45度の急斜面⇒1/25000地形図等高線50m2.86mm~2.00mm
・風下側の斜面(吹き溜まりができやすい)。一般的には東南斜面ということも一つの注意点。
・樹林帯の中に一部分木が生えていないか細い木しかない←ラビーネンツーク
・障害がない広大な斜面、沢筋、ルンゼ、雪庇の下⇒地形図
・平坦地でも、沢の延長線上なら、その沢からの雪崩に注意が必要。
②積雪の不安定状態を知る情報
・あたらしい雪崩の跡、クラック、積雪内部からの音(踏み込んだとき)
・積雪内部の観察:ピットチェック(弱層テスト)
・降雪が24時間以内に30cm以上(2000m以上の山では20cm以上、2500m以上では10cm以上)は特に要注意。
・上部に傾斜が急で広い斜面があるときは10cmでも注意
・2~3日前までの間にドカ雪が降ったら要注意。
・風は降雪の10倍のスピードで雪を堆積させる。(風速7m=風力5程度(葉のある潅木が揺れ始める)以上に注意)
・気温の急激な低下、急激な上昇。(寒気の流入。暖気の流入)
・降雨(春先や標高の低い山)
③人為
・斜面の狭い範囲に荷重刺激を与えて(数珠繋ぎで登る、トラバースする)、雪崩を誘発する。
・「これまで大丈夫だった」は危険。
・人はやすきに流れやすい。特に集団の場合。
対策
① 雪崩に巻き込まれる要因を排除する。
・事前の調査、現地での調査を行う。
・その調査に基づいて判断し、行動する。
・降雪中、降雪後は特に慎重に判断する。激しい降雪中やその直後は行動を控えたい。
・弱層テストをまめに行なう。(ただし、それだけで判断するのはリスクが大きい)
・積雪内部の状態についての知識や弱層テストの方法等について、講習会等で勉強する。
・斜面を登るときは、間隔をあけて登ろう。特にラッ ルをしていると っつきやすい。
・危険な場 はスピー に行動し、
安 な場 に 動する。(そのため必要なら ー を う)
・斜面をトラバースするときは一人 つ り、 の人はその人を観察する。
・ の ーテ も めて積雪 与えるスト スを える。
・
場 も り安 な場 に。 けた場 は 観察して雪崩の
や堆積 を ける。
・テント場 は り安 な場 に。
② 雪崩に巻き込まれた場合の 害を な する。
・斜面があれ
こでも雪崩の
はあると えて、対 する えと
えで入山する。
・ス ッ 、( バランチ)ビー ン、 ン (
ー )を 行する。(ス ッ は
える うに
を)
・入山時にビー ンの
のテストを行なう。
・
、
の講習会に
する。会でも
習する。
・ ンカーになるものを な する。( ックの
ルト、
ルトをは す。ピッ ル、 カンの
もあるかも)
・場合に っては荷 を た 行動する。
・就寝中、テント 地を り き、
を ぎ、
するために
を
に。 ッドラン も
に。
・発生時の 人、観察 の行動(略)
セ
く
所
ディ
早く 全 所 移
ロ
ず 渡 他
他 パ ィ含
へ
レ 考
休憩 所 よ 全 所 開
所 よく
走路
区避
所 よ 全 所
被 少 く
ばど
可能性
考
処 備 心構
コプ ア
コ ゾ デ プロ ブ 携
コ プ 背負 よ
コ 送受信
捜索 救助
参加
反復練
ア
少 く
ザ 腰ベ 胸ベ
ず
ケ ワ
よ
物持 ず
布 切 裂 窒息 防 脱出
ナイフ 手元 ヘ
本
者
プ使
ヒモ
処理
プ 手元
最近の雪崩事例(2002~2009年)
季
節
山域
山
北アルプス 唐松岳八方尾根
唐松山荘近く 冬
北アルプス 鹿島槍ヶ岳鎌尾根 春
南アルプス 北岳大樺沢2600m
冬
付近
北アルプス 杓子岳双子尾根
冬
仲山沢
北アルプス 立山連峰浄土山
冬
北側斜面
北アルプス 立山雄山サル叉の
冬
カール
北アルプス 明神岳上宮川谷 冬
頸城山塊 妙高山系前山 冬
雪崩
時間 天候 当時の行動 パーティ 人数 被害状況 事後対処 種類
関係すると思われる要因
8:30
下山中
2 1名重症
2人死亡
声を聞いた登山
シベリアからの寒気南下と南岸低気圧
12:30
下山中 杉並勤労
3
1人死亡
中の男性から携
者山岳会
で太平洋側に大雪。一帯は雪崩の巣。
帯で110番
佛教大学 3 3人死亡
山岳部
11:30
山スキー中 複数人 複数人1人死亡
13:40 曇り 山スキー中 2人
1 救出
自力救助
新雪40cm、斜度40度くらい
9:00
下山中 2人
2 1人心肺停
止
12:15
山スキー中 7人
3 3人骨折な
ど重傷
単独
斜度30~40度。今週前半に50-60cmの
硫黄岳の赤岩ノ頭 2006/2/11
強風、
1人窒息死
降雪あり。気温上昇(原村で-6.3→
2人P
八ヶ岳連峰 直下南斜面(登山 冬 (土)
10:30 曇り、小 下山中 東京理科 7 2人骨折重
1.0℃)の時間帯に、約50cmの表層の
道あり)
雪
傷
大6人P
ある斜面を通過。
白馬乗鞍岳
吹雪で視界利かず、リングワンデルン
北アルプス 天狗原南
春 2006/4/8 午後 吹雪 山スキー中
5 ビバーク後
グ。
3人凍死
栂池自然園近く
慣れによる慢心でリスクマネジメント欠落
南アルプス 仙丈岳
春 2006/4/9 12:00
登山中
2 1人軽症
携帯電話のサポート
前日降雪。前日の降雪初期に降った密
センターに連絡し、携
気温6℃
度が低く焼結の進んでいないこしまり雪
スキーツアー メンバー
2人死亡 帯電話のGPS機能
6
北アルプス 五竜岳小遠見尾
春
2006/4/9
12:55
で高い
が弱層。かなり危ない状況とほとんどの
根
12人
2人重傷 から分かる現在位
薄曇り 中
メンバーが理解。しかしスキーヤーズ・ハイの
置を警察に連絡し
興奮状態で続行。
てもらった。
北アルプス 安房山
春 2006/4/9 13:00
山スキー中
4 1名死亡
2人パー
4月の異常気象で大量の降雪。8日に新
北アルプス 笠ヶ岳穴毛谷 春 2006/4/9
山スキー中 ティと3人
雪40cm。
パーティ
無名山塾
北アルプス 針ノ木雪渓
春 2006/5/1 11:30
山スキー中 4人
4 3人窒息死
単独1人
2人死亡
同所では2/12に雪崩があったばかりだっ
ガイドら6
青森八甲田 前岳付近
強風、
1人行方不
携帯で消防に連
た。経験と慣れによる自信過剰。積雪観
冬 2007/2/14 11:20 地吹雪 山スキー中 人
察、気象の推移、弱層テスト行わず。多人
山系
明
絡
客18人
数で40cmの弱層に踏み込み誘発。
10人ケガ
年月日
2002/2/26
2003/4/6
2004/12/31
2005/1/11
2005/11/23
2005/11/26
2006/1/3
2006/1/28
1
最近の雪崩事例(2002~2009年)
季
節 年月日
山域
山
北アルプス 雷鳥沢
春 2007/4/18
北海道十勝 上ホロカメットク山 冬 2007/11/23
連峰
安政火口付近
富士山 7合目鎌岩館の東
側
頸城山塊 妙高山系三田原
栂池高原スキー場
北アルプス 林間コース
中央アルプス宝剣岳途上和合
山
北アルプス 抜戸岳
北アルプス 槍ヶ岳
冬
冬
冬
冬
冬
2007/12/23
2008/2/1
2008/2/3
2008/2/9
2008/12/27
雪崩
時間 曇り、無
天候 当時の行動 パーティ 人数 被害状況
風
スノボ客1
-1~- スノーボー
3 人死亡
昼過ぎ 2℃ ド、スキー中
スキー客2
この時期
人骨折など
には暖
かった
3人心肺停
日本山岳
曇り、小
雪上訓練で
止(死亡)
12:05 雪混じり 歩行中 会北海道
1人行方不
支部11人
明(死亡)
テント埋
没。人は無
事だった。
16:25
山スキー中 複数人
1人骨折
愛知大講
スキー実習 師2名、学 7 1人死亡、1
中
人重体
生7人
6人パー
17:20
3 1人重体、2
ティ
人軽症
ルート偵察・
静岡山岳
15;30 晴れ トレースつけ 会4人P
2 2人死亡
冬 2008/12/31 23:30
就寝中
①徳島岳
人クラブ4
人
②三峰山
岳会3人
歩行中 斜
茶臼岳峠の茶屋か
吹雪模
那須連峰 ら西に約700mの 春 2009/4/2 14:30 様 度39度の斜
面をラッセルトラ
旧林道
バース中
2
事後対処
種類
関係すると思われる要因
表層雪 前日終日吹雪で新雪40~50cm
崩
22日雪崩注意報。上空の強い寒気で21日
表層雪 から大雪。風も強い状態。ビーコン携行4人
崩 のみ。斜度約40度。32cm下にこしもざらめ
と若干のシモザラメ含む。
前日約50cm降雪。
大雪、雪崩注意報あり。
昼から吹雪で3m以上の積雪。
午前中まで降雪。雪崩注意報あり
①頭につけたまま
のヘッ電を点けて
テントを歯で噛み
切り指先で少しず
つ掘り進んだ。②
7 4人死亡
(窒息死) シュラフの中に入れ
たヘッ電を点けて
落ちていた割り箸
でテントを突き破り
片手で少しずつ掘
り進んだ。
煙型の
乾雪雪
崩or新
雪表層
雪崩の
可能性
5 1人死亡
1人重傷
1日10時から連続した雪、2日未明から
面発生 北西風が吹き出し、強い地吹雪で吹き
乾雪表 だまりが形成されたところへ人が踏み込
層雪崩 んだ。雪崩注意報は出ていなかったが1
日深夜から風雪注意報・強風注意報が
出ていた。
近くに奥丸山30度の急斜面。29日は気
温が高く、槍平では雨。冬型気圧配置
が強まった30日ころから本格的な雪。31
日だけで50cmの降雪。31日は大雪警
報と雪崩注意報。奥丸山からの雪崩
ゾーニングエリアの端にかかる場所。
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