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【提出書類】 有価証券報告書

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【提出書類】 有価証券報告書
EDINET提出書類
インテュイット・インク(E05826)
有価証券報告書
【表紙】
【提出書類】 有価証券報告書
【根拠条文】 金融商品取引法第24条第1項第3号
【提出先】 関東財務局長
【提出日】 平成23年1月20日
【事業年度】 自 平成21年8月1日 至 平成22年7月31日
【会社名】 インテュイット・インク
(INTUIT INC.)
【代表者の役職氏名】 アール・ニール・ウィリアムズ
上席副社長兼最高財務責任者
(R. Neil Williams, Senior Vice President and Chief Financial Officer)
【本店の所在の場所】 アメリカ合衆国カリフォルニア州マウンテン・ビュー、
コースト通り2700
(2700 Coast Avenue, Mountain View, California, U.S.A.)
【代理人の氏名又は名称】 弁護士 梅 園 裕 之
【代理人の住所又は所在地】 東京都港区赤坂一丁目12番32号 アーク森ビル
西村あさひ法律事務所
【電話番号】 03−5562−8500
【事務連絡者氏名】 弁護士 梅 園 裕 之
【連絡場所】 東京都港区赤坂一丁目12番32号 アーク森ビル
西村あさひ法律事務所
【電話番号】 03−5562−8500
【縦覧に供する場所】 該当なし
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有価証券報告書
第一部【企 業 情 報】
<注記>
1. 本報告書において、文脈上、特段の必要がない限り、「インテュイット」、「会社」、「当社」、「我々」はすべてデラウェア州法に
基づいて設立された「Intuit Inc.」を意味します。
2. 本報告書において、文脈上、特段の具体的記載がない限り、「ドル」「$」は米ドルを指します。本報告書においては、便宜上、
一部の米ドル金額は、2010年9月30日現在の東京外国為替市場の対顧客電信直物売買仲値である1ドル=83円82銭により計
算されています。
3. 文書中の表で計数が四捨五入されている場合、合計欄に記載されている数値は計数の総和と必ずしも一致しない場合が
あります。
4. 本報告書では、すべての発行済株式と株価は、株式分割後をベースとしています。
第1【本国における法制等の概要】
1【会社制度等の概要】
(1) 【提出会社の属する国・州等における会社制度】
当社を規制する法体系はアメリカ合衆国連邦法及びデラウェア州法です。アメリカ合衆国連邦法は、当社の事業活
動のほとんどすべての分野に影響を及ぼしており、その範囲は独占禁止、破産、労使関係、有価証券及び税務を始めと
する広い範囲に及んでいます。アメリカ合衆国の連邦証券関係諸法の執行はアメリカ合衆国証券取引委員会(以下
「SEC」といいます。)がこれを司っていますが、同法は一般的に詐欺的手段による有価証券の売買を禁ずるとともに、
株式を公開している会社に対しては、定期的に財務その他の情報の開示をSEC及び株主に行うことを要求していま
す。
アメリカ合衆国においては、会社は一般に各州法に基づいて設立されています。当社はデラウェア州の法律に基づ
いて設立されています。デラウェア州にはデラウェア州一般会社法(以下「デラウェア会社法」といいます。)を始めと
して会社に適用される数多くの法律があります。以下は、デラウェア会社法の概要です。
(a) 基本定款及び付属定款
デラウェア州の会社はデラウェア州州務局法人部に基本定款を届出ることによって設立されます。基本定款は、名
称、会社のデラウェア州内の登録上の事務所の住所、事業内容及び目的、授権資本株式数及び会社が発行を授権され
る株式の種類(もし会社が1つを超える種類株式の発行を授権されていれば)並びにその他の事項を定めなければな
りません。基本定款の他に、会社は、会社の事業及びその権利又は権限並びに株主、取締役、役員又は従業員の権利、権
限、義務及び機能に関する、基本定款の規定並びに適用される州法及び連邦法と矛盾しない種々の規定を内容とする
付属定款を採択することができます。
(b) 株式の種類
デラウェア州の会社は、その基本定款又は基本定款の規定により明示的に付与された権限に従って取締役会が採択
した株式の発行について規定する決議において定められ、表明されるところに従って、一種又は数種、一又は複数の
シリーズの株式を発行することができる他、株式を発行する場合にはかかるクラス又はシリーズの一部又は全部に
ついて額面株式としても無額面株式としてもこれを発行することができ、またかかるクラスの一部又は全部につい
て基本定款に定める無制限又は制限付議決権株式としても無議決権株式としてもこれを発行することができ、基本
定款に定める名称、優先権、関連する権利、利益への参加権、選択的権利その他の特別な権利、条件又は制約付きの形
で発行することができます。基本定款に別段の定めがない限り、株主はその所有株式1株につき1議決権を有します。
デラウェア州の会社は、基本定款において権限が与えられる場合には、取締役会の決議によって(株主の決議なしに)
、基本定款に定められた授権枠内において株式を発行することができます。株式発行の対価は、額面株式のときに額
面未満での発行が禁じられる点を除いて、取締役会又は基本定款に規定がある場合には株主総会の決するところに
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よります。
(c) 株主総会
定時株主総会は取締役の選任を目的として会社の付属定款に定める日時・方法で開催されます。臨時株主総会は取
締役会によってこれを招集することができるほか、基本定款又は付属定款により権限を付与された者によってこれ
を招集することができます。会社は、取締役会の決議によって、総会前10日以上60日以下の日を、株主総会において議
決権を行使できる株主を確定するための基準日とすることができます。株主総会の法律上の定足数は、基本定款又は
付属定款に別段の規定がない限り、議決権のある株式の過半数を有する株主が自ら又は代理人によって出席すれば、
満たされます。但し、いかなる場合でも定足数を議決権のある株式の3分の1に満たない株式としてはなりません。定
足数を満たす数の株主が自ら又は代理人によって出席している株主総会においてその過半数による賛成の議決が
あった場合には、取締役の選任を目的とする場合を除き、株主総会の決議として有効となります。
(d) 取締役会
デラウェア州の会社の場合には、デラウェア会社法又は基本定款に別段の定めのある場合を除き、その事業の管理
運営は取締役会がこれを司ります。取締役は、各定時株主総会において選任されます。基本定款又は付属定款に別段
の定めがない限り、取締役の欠員又は株主より選任された取締役の承認された数の増加により新たに取締役が設置
されたときは、在職している取締役の多数決又は1人しか在職していない場合はその者により、空席を補充すること
ができます。基本定款又は当初付属定款若しくは株主の決議により採択された付属定款で認められている場合には、
取締役はこれを1、2又は3のクラスに分割することができ、最初のクラスの任期は次の年次株主総会に終了し、2つ目
のクラスはこれの1年後、3つ目のクラスについてはこれの2年後となります。取締役又は取締役会全体は、理由の有無
を問わず、株主の過半数の議決によってのみ解任されます。但し、(1)取締役がクラスに分けられているときには、基
本定款に別段の定めのない限り、株主は取締役を理由のあるときにのみ解任でき、また(2)基本定款が取締役の選任
において累積投票を行う旨定めている場合において、全取締役が解任される場合でない限り、累積投票を行えばその
取締役を選任するに足りる数が解任に反対する議決権を行使すれば、理由なくしてその取締役を解任することはで
きません。
基本定款又は付属定款で特に制限されていない限り、全取締役の書面による同意がある場合には、取締役会におい
て要求されるか許容される決議は実際に取締役会を開催しなくてもこれをすることができ、かかる同意書面は、取締
役会の議事の経過についての議事録とともに保管されます。
取締役会の定足数は取締役全員の過半数としますが、基本定款又は付属定款により定足数を増やすことができま
す。定足数を充足する取締役会において出席した取締役の過半数の承認が得られた場合には、取締役会において承認
決議が成立したものとなります。ただし基本定款又は付属定款により、承認決議の成立に必要な承認取締役の数を増
やすことができます。
(e) 委員会
取締役会は、その過半数の賛成決議により、1人又は複数の取締役が構成する1又は複数の委員会を指名することが
できます。委員会は、取締役会決議、会社の付属定款又はデラウェア会社法の定めるところに従って、会社の事業及び
業務につき取締役会が有する権限を行使することができます。
(f) 役 員
デラウェア州のすべての会社は、会長、副会長、社長又は副社長、及び会計役、会計役補佐、秘書役又は秘書役補佐を
置きます。各役員の役職と職責は、付属定款に定められ又は付属定款と整合する取締役会決議において記載されるも
のとされます。
(2) 【提出会社の定款等に規定する制度】
当社の会社制度は、アメリカ合衆国の法律及びデラウェア州の法律によって決せられるほか、当社の基本定款及び
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付属定款に規定されています。当社の現在の基本定款及び付属定款の内容は、次のようなものです。
(a) 株 式
(ⅰ)授権資本
当社の授権資本株式数は751,344,918株であり、1株当たり額面金額0.01ドルの普通株式750,000,000株と1株当たり
額面金額0.01ドルの優先株式1,344,918株という2つの種類からなります。1,344,918株の優先株式のうち、144,918株
はシリーズA優先株式、250,000株はシリーズBジュニア参加型優先株式とそれぞれ指定されていますが、残る
950,000株についてはシリーズの指定がありません。当社の基本定款により、取締役会は、デラウェア州法により定め
られた制限のもとで、1つ又はそれ以上のシリーズの優先株式を発行すること、デラウェア州の適用法規に従った指
定証明書を提出することにより、かかる各シリーズに含まれる株式数を随時定めること、かかる各シリーズの株式の
指定、権限、優先性及び権利、及びそれらの限定条件、制限又は制約を決定すること、並びにかかるすべてのシリーズ
の株式数を増加又は減少(かかるシリーズのその時点での発行済株式数を下回らない範囲で)させること、を行う権
限を有します。当社の基本定款において明示される場合、又は前述のような取締役会の権限に基づき優先株式のある
シリーズを指定する指定証明書に明示される場合を除き、取締役会は、普通株式の所有者又は優先株式若しくはその
シリーズの所有者の承認を得ることなく、新シリーズの優先株式の指定、決定及び特定を行うことができます。新シ
リーズには、普通株式、優先株式又はそれらの将来のクラス若しくはシリーズの権利に優先、劣後する順位又は同順
位の、議決権、配当請求権、残余財産分配請求権、償還権及び転換権等の権限、優先権及び権利を持たせることができ
ます。
1998年4月29日に取締役会は、将来友好的でない買収が仕掛けられた場合において、当社の株主にとっての会社の長
期価値を確保するための株主権プランを承認しました。2008年5月1日、当社の株主権利プランはその条件に基づき
期限が終了し、本プランに基づくあらゆる権利は失効し行使できなくなっています。
(ⅱ)株 券
すべての当社の株主に対し、取締役会会長、副会長、社長又は副社長及び会計役(補佐)又は秘書役(補佐)が連署し、
その株主の所有株式数を証明した株券が発行されます。但し、株券上のいずれか又はすべての署名は複写であっても
よいものとします。
(ⅲ)基準日
当社が、株主総会の通知を受領し、当該総会において議決権を行使する権利を有する株主を決定するために、また配
当その他分配金の支払若しくは権利の割当を受ける権利を有する株主を決定するために、また株式の変更、転換、交
換に関する権利を行使する株主を決定するために、その他正当な行為を行うために、取締役会は、予めある日をもっ
て基準日と定めることができます。その基準日は、株主総会開催日の10日以上60日以内前でなければならず、その他
の行為についてはその60日以内前でなければなりません。取締役会によりもし基準日が定められていない場合には、
法令の定めに従います。
(ⅳ)株式の譲渡
当社の株式の譲渡は、取締役会が定める規則により拘束されます。
(b) 株主総会
(ⅰ)定時株主総会
取締役の選任を行うための株主総会は、取締役会が定めるデラウェア州内外の場所において毎年取締役会の定める
日時に開催されます。その他適切な議事も定時株主総会において処理します。
(ⅱ)臨時株主総会
いかなる目的のための臨時株主総会も、取締役会会長、最高経営責任者、社長又は取締役会構成員の過半数によりい
つでも招集されます。臨時株主総会は、その他の者が招集することはできません。臨時株主総会が取締役会構成員の
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過半数以外の者により招集される場合には、かかる者は総会を招集すべき旨の書面による要求を取締役会の各構成
員に送付して総会を招集し、取締役会はかかる臨時総会の時間、日付及び場所を決定します。かかる臨時総会は、取締
役会の各構成員に総会招集の書面による要求が送付された後35日以上120日以内に開催されるものとします。
(ⅲ)総会通知
法令又は当社の基本定款に別段の定めがない限り、すべての株主総会の通知は書面により、総会の開催される場所、
日時及びその招集目的(臨時株主総会の場合)を記載し、会日の10日以上60日以内前に、当該総会日において議決権を
有する各株主になされます。
(ⅳ)定足数
法令に別段の定めのある場合を除き、当該株主総会において議決権を有する株式の過半数を有する株主が本人又は
代理人により出席していることが定足数を構成します。
(ⅴ)議長、書記
株主総会の議長は、取締役会が指名する者が、その者が不在の場合は取締役会会長、会長が不在の場合は当社社長、
社長が不在の場合はその総会において本人自らであれ委任状によるとであれ出席している議決権ある株式の過半数
の所有者によって選任された者が務めるものとします。当社の秘書役は総会の書記としての行為を行い、その者が不
在の場合は総会の議長が総会の書記となるべき者を指名することができます。
(ⅵ)投 票
法律又は基本定款に別段の定めのない限り、普通株式の保有者は、保有する普通株式につきそれぞれ1票を保有して
います。株主総会において議決権を行使できる株主は、委任状によって1名以上の他の者に対し、かかる株主の代理と
して行為する権限を付与することができます。取締役の選任を除くすべての議決は、法令、基本定款又は付属定款に
別段の定めのある場合を除き、当該議決につき議決権を行使しうる株式につき、自ら又は代理人により出席し、棄権
をしたものを除いて計算された過半数の賛成によってなされます。
(c) 取締役会
(ⅰ)員 数
取締役会は1名あるいはそれ以上のメンバーにより構成されます。取締役の員数は、最初は6名とし、以後取締役会の
決議により適宜決定されます。本報告書提出日現在、取締役の員数は10名とされ、10名がその任にあります。
(ⅱ)任 期
各取締役は、次回の定時株主総会においてその取締役の後任者が選任され取締役としての資格を授与されるまで、
又はその死亡、辞任若しくは解任のときまでその地位を保持する。
(ⅲ)欠 員
取締役の定員が増員された場合は、追加される取締役は、株主若しくはその時点の取締役会の過半数の投票、又は1
人しか取締役が在職していない場合にはその者により選任されることができます。ただし、発行済の優先株式の権利
を害することはできません。
(ⅳ)定時取締役会
定時取締役会は、取締役会が適宜決定するデラウェア州の内外の場所及び時間において開催するものとします。定
時取締役会の通知は、取締役会の決議によりその日時及び場所が決定されているときは、行う必要はないものとしま
す。
(ⅴ)臨時取締役会
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臨時取締役会は、随時、取締役会会長、社長又はその時点での在職取締役の過半数により招集され、開催日時及び場
所(デラウェア州の内外)は、招集権者が定めるところによるものとします。招集権者は、臨時取締役会の通知を発し
なければならず、郵送による場合は開催の4日以上前に、電話、手交、電報、テレックス、メールグラム、ファクシミリ等
の通信手段による場合は24時間以上前に、それぞれ各取締役に対して発しなければなりません。上記の通知に特に示
されない限りは、臨時取締役会においてはいかなる議題でも処理することができます。
(ⅵ)定足数
取締役会のすべての会議において、権限ある取締役の総数の過半数を以て議案を可決するための定足数とします。
基本定款、付属定款又は法律に別段の規定なき限り、定足数に達している会議における出席取締役の過半数の賛成に
より取締役会の行為となります。
(d) 委員会
取締役会は、全体の過半数による決議により、1つ又は複数の委員会を設置することができ、各委員会は提出会社の
取締役の1人又は複数により構成されます。取締役会は、委員会の会議に欠席し又は欠格した構成員に代わることが
できる委員会の代替構成員として、1人又は複数の取締役を指名することができます。委員会の構成員の欠席又は欠
格の場合には、その委員会の会議に出席した者で議決に参加する資格を有する構成員は、そのような欠席又は欠格の
構成員に代わりその会議で行為する取締役会の別の構成員を、委員会の出席者が定足数を充たしていると否とにか
かわらず、全員一致により指名することができます。そのような委員会は、取締役会の決議により与えられた範囲で、
提出会社の営業及び業務の運営において取締役会の権限及び権能を有し且つそれらを行使することができ、必要と
するすべての書類に提出会社印を押すことを認めることができます。尚、委員会は、基本定款を改訂する権限を有し
ないものとします(ただし委員会は、基本定款で認められる範囲に限り、基本定款に基づき取締役会が決定を許可さ
れている権利及び株式名称を指定することができます)。
(e) 役 員
当社の役員は、最高経営責任者及び/又は社長、1名又は複数の副社長、1名の秘書役、1名の会計役、並びに取締役会
会長及び/又は最高財務責任者を含む、取締役会により適宜指名されるその他の役員からなります。すべての役員は
取締役会により選任されます。ただし、取締役会は、取締役会会長、最高経営責任者、社長、最高財務責任者又は会計役
以外の役員の指名を当社の最高経営責任者に授権することができます。各役員は、その後任が就任し又は自らが任期
前に辞任又は解任となるまでその任務にあるものとします。複数の役職を同一人物が兼ねることもできます。役員は
いつでも当社に対する書面による通知により辞任することができます。死亡、辞任、解任その他による当社役員の欠
員は、取締役会により補充されます。
2【外国為替管理制度】
アメリカ合衆国には、非居住者による国内法人の株式の取得並びに配当金及び清算に際しての分配資産の売却代金
の海外送金に関する外国為替管理上の規制は存在しません。
3【課税上の取扱い】
(1) 日米租税条約
日本の居住者たる株主に対して当社が配当金を支払う際に源泉徴収すべき税金及び日本の居住者たる株主が当社
株式を売却して得た譲渡所得にかかる税金については、いずれも所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱
税の防止のための日本国とアメリカ合衆国との間の条約(改正を含みます。以下「日米租税条約」といいます。)の規定
が適用されます。
(2) アメリカ合衆国における課税上の取扱い
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(a) 当社株式に対する配当についての所得税の源泉徴収((注1)参照)
日米租税条約の規定及びアメリカ合衆国連邦税法の規定により、日本の居住者たる個人(アメリカ合衆国国民でも
アメリカ合衆国の居住者でもない者に限る)又は日本法人が実質株主となって所有する当社株式に対して支払われ
る配当からは、原則として10%の税率によりアメリカ合衆国の連邦所得税が源泉徴収されます。当社の議決権付株式
の10%以上、50%以下を直接又は間接に所有している日本の法人の場合には、5%の税率となり、50%超を直接又は間
接に一定期間所有している場合は、源泉徴収税は無税となります。但し、日本の実質株主がアメリカ合衆国内に恒久
的施設を有し、そのような実質株主の有する当社株式が当該恒久的施設と実質的な関連性を有する場合には、その実
質株主に対しては通常の所得税率によって連邦所得税が課せられることになります。
(b) 当社株式の売却に対する所得税((注1)参照)
日米租税条約の規定及びアメリカ合衆国連邦税法の規定によれば、当社株式の売却によって得た所得については、
日本の居住者たる個人及び日本の企業は、かかる日本の実質株主が、アメリカ合衆国内に当該株式が実質的な関連を
有する恒久的施設を有していない限り、原則としてアメリカ合衆国の所得税が課税されることはありません。
(c) 当社株式についての配当及び譲渡所得に対する州及び地方の所得税
上記(a)及び(b)にいう連邦所得税のほかに、当社株式についての日本の実質株主がアメリカ合衆国内に恒久的施
設、住所又はその他の関連を有している場合には、当該株主が支払を受けた配当及び売却によって得た譲渡所得につ
いては、当該恒久的施設、住所又はその他の関連を管轄する州又は地方の課税当局によってその地域の所得税を課せ
られることがあります。
(d) 相続税
現行法によれば、日本の居住者で当社株式の実質株主である日本人が死亡した場合には、同人の所有にかかる当社
株式はアメリカ合衆国内にある財産とみなされ、免税点を超える場合にはアメリカ合衆国の連邦遺産税の課税対象
となります。
(注1) 日米租税条約の規定又は適用される相続税に関する条約の規定によって実際に米国の租税につき軽減税率の
適用が受けられるか否かは、軽減税率の適用を受けるための手段として日米租税条約上定められている所定の手続
を踏んでいるか否か、並びに場合によっては当社株式を保有している日本の投資家が問題のアメリカ合衆国の国内
税法及び日米租税条約上日本の実質的株主としての要件を満たしていることをアメリカ合衆国の税務当局に対して
十分立証できるか否かによって決せられます。
(3) 日本における課税上の取扱い
日本国内の所得税法、法人税法、相続税法及びその他の関連法令の遵守を条件として、日本の居住者である個人及び
日本法人は、上記(2)「アメリカ合衆国における課税上の取扱い」(a)、(b)及び(c)に記述した個人又は法人の所得(個
人の場合には相続財産を含む)を対象とするアメリカ合衆国の租税を支払った場合には、適用される日米租税条約及
び相続税条約の規定に従い、本人が日本において納付すべき租税につき外国税額控除の適用を受けることができま
す。
4【法律意見】
当社の法務部上席部長モニファ・クレイトン弁護士 (Monifa Clayton)より、下記の趣旨の法律意見書が提出され
ています。
●
当社は、アメリカ合衆国デラウェア州法に準拠して適法に設立され健全且つ有効に存続している会社である。
●
当社の有価証券報告書(及びその訂正報告書)の関東財務局長に対する提出は適法に授権されている。
●
本書中に記載されているアメリカ合衆国及びデラウェア州の法令に関する記述内容は正確である。
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第2【企業の概況】
1 【主要な経営指標等の推移】
(金額の単位は千ドル(百万円)。但し1株当たり金額を除く。)
7月31日に終了する年度
純売上高
(円)
営業利益(営業損失)
(円)
純利益(純損失)
(円)
払込資本金(年度末)
(円)
発行済普通株式
(年度末)
2006年
2007年
2008年
2009年
2010年
$2,240,908
$2,606,512
$2,993,461
$3,108,104
$3,454,878
187,833
218,478
250,912
260,521
289,588
$565,900
$630,473
$644,278
$682,587
$862,638
47,434
52,846
54,003
57,214
72,306
$416,963
$440,003
$476,762
$447,041
$573,949
34,950
36,881
39,962
37,471
48,108
$2,093,482
$2,252,475
$2,414,656
$2,547,125
$2,727,585
175,476
188,802
202,396
213,500
228,626
344,170,779 339,157,302 322,599,830 322,765,550 313,860,600
発行済シリーズA優先株
(年度末)
---
---
---
---
---
発行済シリーズB参加型優先株
(年度末)
---
---
---
---
---
$1,738,654
$2,036,342
$2,079,861
$2,557,350
$2,820,473
145,734
170,686
174,334
214,357
236,412
$2,770,027
$4,252,026
$4,666,584
$4,826,329
$5,198,421
232,184
356,405
391,153
404,543
435,732
株主資本(年度末)
(円)
総資産(年度末)
(円)
1株当たり配当
1株当たり基礎利益(損益)
該当なし
該当なし
該当なし
該当なし
該当なし
$1.20
$1.28
$1.45
$1.39
$1.82
100.58
107.29
121.54
116.51
152.55
1株当たり希薄化後利益(損益)
$1.16
$1.24
$1.41
$1.35
$1.77
(円)
97.23
103.94
118.19
113.16
148.36
(円)
配当性向(%)
正規社員数(年度末の概数)
(人)
該当なし
7,400
該当なし
8,200
該当なし
7,800
該当なし
7,600
該当なし
7,700
(注)1. 当社の取締役会は、2006年6月21日を基準日とする株主に対して、発行済株式1株を2株とする株式分割を承認し
ました。同株式分割は、100%株式配当として、2006年7月6日に実行されました。
2 【沿革】
当社は、1983年3月に事業を開始し、1984年3月にカリフォルニア州で会社として設立されました。1993年3月に、当社
はデラウェア州において再設立され、新規株式公開を実施しました。当社の本社所在地は、94043、カリフォルニア州
マウンテン・ビュー、コースト通り2700(2700 Coast Avenue, Mountain View, California, 94043)で、電話番号は
(650) 944-6000です。本報告書において、「当社」、「インテュイット」とは、現在のデラウェア州法人(Intuit Inc.)及
びその前身のカリフォルニア州法人、並びにすべての当社の連結子会社を指します。
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1999年9月8日に、当社取締役会は発行済普通株式1株を3株とする株式分割を承認しました。この分割は、1999年9月
20日の株主名簿に記載されている株主が所有する株式1株につき、普通株2株を株式配当として分配することにより
実施されました。株式配当は1999年9月30日に実行されました。2006年5月、取締役会は、2006年6月21日の株主名簿に
記載されたインテュイットの発行済普通株式1株の保有者に対し普通株1株を分配する形での発行済普通株式1株を
2株とする株式分割を承認しました。株式配当の支払は2006年7月6日に行われました。本報告書のすべての株式、1株
当たりの数値はこれらの株式分割を反映するように調整されています。
2007年2月6日、当社は、オンライン・バンキングの製品及びサービスを提供しているDigital Insight (以下、
「Digital Insight」という)を吸収合併により買収しました。これにより、Digital Insightは当社の完全子会社にな
りました。合併契約書の条項に従い、且つそれらを条件として、当社は、Digital Insightの発行済全普通株式を1株当
たり現金39.00ドルの価格で購入しました。完全希釈化後の買収価格は総額で約13億4000万ドルです。
2003年10月4日、当社は、Innovative Merchant Solutions LLC及びInnovative Gateway Solutionsとして事業を営
んでいる同社の関連会社(以下、両社を合わせて「IMS」という)の全ての加盟権利益を総購入価格約1億1670万ドルの
現金で購入しました。 IMSはクレジット・カード及びデビット・カードの処理サービスを含む包括的な商業者向け
の顧客管理サービスを全国の小規模事業に提供しています。
1999年12月8日、当社は、Rockloans.comを通じてローンを提供している、大手オンライン消費者抵当ローン会社、
Rock Financial Corporationを、当社の普通株式(約4億8500万ドル)を対価として買収しました。この取引の一部と
して、当社は、Rockの既存オプションを引受け、Title Source Inc.の総発行済株式を買収しました。払込日における
本取引の総額は、約5億4500万ドルでした。 2002年7月、当社は、この事業の87.5%を、そして2002年10月には同事業の
残りの少数持分をRock Acquisition Corporationに売却しました。
1999年5月3日、当社は、当社が1998年10月に開始したオンライン給与計算事業向けに給与処理サービスを提供する
非公開会社Computing Resources, Inc.(以下、「CRI」という)(本社はネバダ州レノ)を買収しました。買収価格は約2
億ドルでした。CRIは、米国の大手給与計算サービス会社で、小規模事業に対する給与計算サービス事業で業界をリー
ドしていました。
1998年6月、当社はLacerte Software Corporation及びLacerte Educational Services Corporation(以下、両社を
合わせて「Lacerte」という)を買収価格約4億ドルの現金で買収しました。Lacerteは税務専門家向けの納税申告書作
成ソフトウェア及びサービスを開発・販売する企業として最大手の会社です。
日本での沿革
インテュイットは、1996年1月2日、Milkywayを買収し、当社の完全子会社としました。1997年2月、Milkywayは社名を
Intuit KKに変更しました。同社は、1997年3月に、日本の小規模事業向け会計コンピュータソフト会社、日本マイコム
株式会社を買収し、同年5月に同社を吸収合併しました。2003年2月には、当社の日本の100%子会社であるIntuit KK
のすべての発行済普通株を日本のプライベート・エクイティ投資会社である株式会社アドバンテッジパートナーズ
に95億円(約7900万ドル)で売却しました。
事業の性格の変化
「2 沿革」で開示した事項を除き、2010年7月31日から2011年1月20日の期間において、当社の主要な事業活動に重大
な変更はありませんでした。
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3 【事業の内容】
事業の概況
当社は、顧客が古い道に戻ることを想像することができないほど彼らの生活の財務面を著しく改善する、最も優れ
た画期的な成長企業になることを目指しています。
当社の顧客には中小企業、消費者、会計専門家及び金融機関が含まれます。当社は、当社の顧客が小規模事業の経営
や、経費及び所得税の支払い、又は個人向け財務の管理など、ビジネス及び財務における重要な問題を解決するため
のお手伝いをしています。当社の斬新な商品及びサービスは、約5000万人の生活を簡素化するとともに、彼らが節約
をし、収益を上げるための助けになっています。
新興のテクノロジー及び市場の状況が人々の生き方や働き方を、そして当社が顧客を助ける方法を、変化させてい
ます。当社は、当社の製品及びサービスにより大きな価値を付加するような方法によって、これらの顧客を当社のソ
リューションと、また顧客同士とつなぎます。さらに当社は、顧客が彼らの事業を海外市場へ拡大させることを助け、
新興国において当社の製品を製造及び販売し、又は地理的国境を越えて当社の雇用地域を拡大させるといったグ
ローバルな視点をもっています。
当社の事業ポートフォリオ
当社は、主要な事業のポートフォリオを、「小規模事業グループ」、「税務関連」、「金融サービス部門」及び「その他の事
業部門」の4つに分類し、7つの事業部門別に財務報告をしています。
「小規模事業グループ」。このカテゴリーは、当社の「財務管理ソリューションズ」部門、「従業員管理ソリューション
ズ」部門及び「支払ソリューションズ」部門の3部門を含んでいます。
●
「財務管理ソリューションズ」部門は、QuickBooks財務・事務管理ソフトとそのサービス、テクニカルサポー
ト、財務関連商品の販売並びに中小規模事業向けウェブサイトデザイン及びホスティングサービスを提供す
るIntuit Websitesを含みます。
●
「従業員管理ソリューションズ」部門は、小規模事業向けに給与計算製品及びサービスを提供しています。
●
「支払ソリューションズ」部門は、クレジット・カード及びデビット・カード処理、電子小切手転換処理及び
自動決済機関サービスなどの商業者向けのサービスを取り扱っています。
「税務関連」。この分野は、当社の「消費者向け税務」部門と「会計専門家向け税務」部門の2部門を含んでいます。
●
「消費者向け税務」部門は、消費者及び小規模事業向けに、所得税申告書作成ソフトTurboTax及びそのサービ
スを扱っています。
●
「会計専門家向け税務」部門は、専門家向け税務ソフトLacerte 及び ProSeries並びにそのサービスを扱って
います。この部門はまた、会計士向けにQuickBooks Premier会計士向けエディションと、QuickBooksプロアド
バイザープログラムを扱っています。
「金融サービス」部門。この部門は主として、インテュイット金融サービス部門の事業が提供する、銀行及び信用
組合向けの外部委託されたオンラインサービスを扱っています。これらには、消費者及び事業向けのオンラインでの
包括的な財務管理ソリューションが含まれます。
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「その他の事業」部門。 この部門は、個人向け財務管理製品であるQuickenとそのサービス、Mint.comオンライン個
人向け財務管理サービス、患者対プロバイダーのIntuit Healthオンライン通信ソリューション並びに当社のカナダ
及び英国での事業が含まれています。
当社の成長戦略
当社は変化する人口、技術、市場及び地理的傾向に対処できるように取り組み方を適応させることで、成長を牽引で
きるように革新しています。当社は、当社顧客の問題を解決するために、当社の3点の成長戦略に基づき、革新的な製
品を造っています。
●
当社の中心的な事業における成長の牽引:当社は、消費者、中小企業及び会計士が、TurboTax、Quicken、
QuickBooks、ProSeries及びLacerteを含む当社の中心的な事業製品を通して、金銭を節約し、金銭を生み出す
ことを援助することに専念しています。加えて、当社は、既存の顧客が個人的及び事業上のニーズを満たすよ
うなより機能の豊富なバージョンにアップグレードしてくれるように、他の関連した製品も提供していま
す。
●
関連する事業の構築及び新たな環境の開拓:パートナーシップを追求し、買収を完了し、新しい製品を創出
することによって、当社は新規事業(例えば、従業員管理及び顧客管理)への進出を加速させています。例えば
Intuit Websitesは、電子決済、オンライン給与計算及び最終的にはQuickBooksといった他の商品及びサービ
スをクロス販売する新しい扉へと導きます。当社の医療製品における投資及びMedfusionの最近の買収は、
サービス製品としてのソフトウェアに係る当社ポートフォリオを拡大させました。そして、インドにおける
当社の新しいIntuit Money Manager製品は、新興市場への当社の世界的な領域を拡大させます。
●
接続サービスへの移行の加速:Connected Services戦略を通して、当社は、人々と事業が相互につながり、ま
たデスクトップコンピューター、ノート型パソコン又は携帯小型機器を介してそれらのデータを活用するよ
うな新たな方法を提供しています。つながりが拡大した世界において、人々は時と場所を選ばずにサービス
と情報にアクセスできることを期待します。この戦略の実施を通じて、当社は、顧客の問題を解決する簡単に
使える接続サービスを提供することによって、当社の長期的な競争優位性を保ちながらも顧客を喜ばせよう
としています。
この戦略では、デジタル世代の出現及びその影響、ソーシャルネットワークの関連性の拡大並びに顧客が重要な作
業を管理する上でのWeb、モバイル及び情報技術に対する依存度の上昇を認識しています。この戦略はまた、急速に成
長する経済圏における新たな市場機会の可能性を認めています。最終的な結果は、紙媒体で、人により生産される従
来型のサービスから、人々が接続サービスを理解しこれを要求しこれからの利益を享受するような世界的市場へと
移行する市場です。
当社の接続サービスのビジョン
当社は、3つの方法で接続サービスを提供します。
●
ソフトウェアに強いサービス:当社は、顧客が、例えばQuickBooksといったソフトウェアと他の製品(小規模
事業向け給与計算・支払サービス又は商業者向けサービスを含む。)がシームレスに接続できるようにして
います。当社は、これが当社に競争優位性を与えるような強力なソリューションになりえると考えておりま
す。
●
サービスとしてのソフトウェア:当社は、顧客を当社のオンライン製品に接続させるためのホストサービス
(別名SaaS)を提供しています。TurboTax Online、中小企業のためのオンライン給与計算サービス、Intuit
Websites、Quick Books Online、金融機関のためのオンラインバンキング・サービス、Mint.com及び患者対プ
ロバイダーの通信サービスを通じて、当社は顧客に対して明確な便益を提供し、価値を付加しています。
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●
サービスとしてのプラットフォーム:当社は人々どうしを結びつけ、また人々と当社を結びつけるためのプ
ラットフォームとして当社の製品を利用しています。これにより、人々が情報を共有し、ともに問題解決をは
かることが可能になります。Intuit Partner Platformは、当社の顧客に対して第三者の開発業者がアプリ
ケーションを創造し、販売することを可能にしています。これは顧客に対して新しいソリューション及び機
能を提供し、開発者には価値ある顧客を与えています。
当社は、この環境において引き続き有意義な進歩を遂げています。全体として、接続サービスは、2010年度において
当社の収益の約60%を生み出しました。サービスとしてのソフトウェア製品は、当社収益のおよそ3分の1を単独で製
造しました。
お互いがつながりあっている世界で競争するために、当社は3つの新たな技術及び市場トレンドを利用する計画を
有しています。
●
社会性:ビジネス及び消費者のつながりが増すに連れて、人々は以前にも増して商品開発の枠組みを定め、
専門知識を共有し、且つ意見に影響を与えます。顧客は、当社の主要製品の何れにおいても利用することがで
きる、オンライン上のフォーラムを利用することにより、お互いにアドバイスを共有することができます。社
会的な世界では、人々は相互につながりあい、当社の提供する商品に貢献しているのです。例えば、当社の
TurboTax Live Communityでは、参加者が確定申告をする際に質問を投稿したり回答したりすることができ
ます。
●
移動性:技術がデスクトップ型からノート型に移行するにつれて、当社は、顧客の都合の良い場所で都合の
よい時間に使えるような、所謂「ポケットの中」(in the pocket)を提供する移動サービスを創り出していま
す。例えばIntuit GoPaymentは、小規模事業者が携帯電話上でクレジットカードでの支払を承諾することに
より、売上及びキャッシュフローを改善できるようにします。
●
世界性:ビジネスにおける地理的な境界の重要性が低くなっていることから、当社は顧客が世界規模の市場
を利用する上での一助となるよう努め、新しいマーケットで新しい顧客を見つけています。当社の新興マー
ケットのための最初の製品であるIntuit Money Managerは、インドにおける人々に対して銀行口座をより管
理しやすくするための援助をしています。
総括
各世代は歳を重ね、境界線は不明瞭となり、技術は進歩します。我々の生活及び仕事の方法が進化するに際して、当
社はこれらの変化に対応し、これを先導するために戦略を適用します。一方で、当社のコミットメントは一貫性を有
しています。それは、顧客がすすんで他の顧客に薦めてくれるほど便利で使い勝手の良い革新的な製品及びサービス
を開発することです。当社が、人々の事業管理上及び財務管理上の問題を解決しようと努めてきた、25年間以上に渡
る成功の方程式です。当社は、進化を継続するに当たりこのコミットメントを維持し、顧客どうしがお互いの問題を
解決していくお手伝いをいつでもそしてどこでもしていきます。
製品及びサービス
当社は、上記「事業の概況」において記載した7つの事業部門において、製品及びサービスを提供しています。2008年
度、2009年度及び2010年度において純売上高合計の10%以上を占めた、類似の製品又はサービスを分類すると、以下
の表のようになります。
2010年度
2009年度2008年度
財務管理ソリューションズ部門(QuickBooks)
18%
19%
20%
従業員管理ソリューションズ部門(給与計算)
12%
12%
11%
消費者向け税務部門
33%
32%
31%
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会計専門家向け税務部門
11%
11%
11%
金融機関部門
10%
10%
10%
当社の製品及びサービスは、主にアメリカ合衆国で販売されており、詳細は以下の通りです。海外からの純売上高合
計額は、2008年度、2009年度及び2010年度において、当社の連結純売上高合計額の5%未満となっています。
財務管理ソリューションズ部門
QuickBooksソフトウェア:当社のQuickBooks製品ラインは、複式簿記に精通していない中小規模事業のユーザーで
も簡単に使用できるようデザインされている会計処理、事務管理ツールです。当社は様々なタイプの事業のニーズを
満たすよう、幅広い製品を提供しています。当社のデスクトップ用製品ラインには、非常に小規模で業務も複雑でな
い企業向けの会計ソフトQuickBooks Simple Start、若干大きめな企業向けの会計ソフトQuickBooks Pro及び
QuickBooks Pro for Mac、小規模事業向け上級会計処理機能及び事業計画ツールを提供するQuickBooks Premier、大
規模企業向けのQuickBooks Enterprise Solutionsなどがあります。また、Premier及びEnterprise製品には、様々な
業界(建設業者、製造業・卸売、非営利団体、専門家サービス及び小売など)別のバージョンも用意されています。さら
に、複数の場所でソフトを使用するマルチ・ユーザーに適しているQuickBooksのウェブ版であるQuickBooks Online
も提供しています。
QuickBooksのテクニカルサポート:当社は、テクニカルサポートも何点かオプションとしてQuickBooks顧客に提供
しています。これらのサービスには、単体として販売され、価格もプランの期間によって異なるサポートプランがあ
ります。当社はまた、顧客が自分自身で問題を解決するためにQuickBooks.comウェブサイトにおいて無料で提供され
ている情報並びにQuickBooksユーザーがお互いに情報を共有することができるオンラインフォーラムの、
QuickBooks Communityへの無料アクセスなどがあります。
小規模事業向けウェブサイト:当社のIntuit Websites製品は、小規模事業者向けに、ウェブ上でのプレゼンス確
立、ウェブサイトの維持及び宣伝並びにオンライン上での商品及びサービス販促及び販売ができるよう援助をして
います。
財務関連商品:当社は、QuickBooks及びQuickenを利用する小規模事業及び個人ユーザーのためにデザインされた
様々な財務関連商品を販売しています。これには、小切手帳、封筒、請求書、入金伝票や、他にも事業者向けの製品であ
る名刺や文房具販売などのサービスも行っています。また、当社は納税申告書作成の専門家のための納税申告用紙、
納税申告書提出用フォルダやその他の商品も提供しています。顧客は、これらの多くの製品に会社のロゴを入れた
り、各種の色、フォント及びデザインオプションを使用することにより、パーソナライズすることもできます。
QuickBase: 当社のQuickBaseシリーズは、顧客が事業のために既成のオンライン・ワークグループ・アプリケー
ションを利用するか、又はカスタマイズされたソリューションを作ることができるような、SaaSプラットフォームで
す。ごく一般的なソリューションには、プロジェクト・コラボレーション、販売チーム管理及び従業員管理が含まれ
ます。QuickBase顧客は、ユーザー数並びに必要とするデータ及びファイル保存容量に応じて定められるサービス加
入料を、月払い又は年払いにて支払います。
Intuit Developer Network:Intuit Developer Networkは、第三者の開発者に一部のアプリケーション・プログラ
ミング・インターフェースへのアクセスを許可することによって、第三者のソフト開発者がQuickBooksやその他の
インテュイットの製品とデータを交換するアプリケーションを開発するのを奨励するためのものです。The Intuit
Developer NetworkはIntuit Partner Platformを開始しました。これにより、開発者はオンラインアプリケーション
を当社の顧客に対して売ることができます。このプログラムにおける開発者は、当社のプラットフォーム又は自らが
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選ぶプラットフォームの何れかに構築していますが、どのアプリケーションも所定の形式によりプラットフォーム
と統合していなければなりません。Intuit Developer Networkに登録している開発者は、最新のQuickBooksソフト開
発キット、Intuitパートナープラットフォーム、QuickBooksソフトのダウンロード並びにマーケティング・ツール、
開発者フォーラム、個別のエンジニアリング・サポートなどの登録会員特典にアクセスすることができます。2010年
7月31日で、当社のサイトwww.marketplace.intuit.comで約365件の第三者アプリケーションがQuickBooksその他の
当社製品について利用可能となっています。
従業員管理ソリューションズ部門
QuickBooks Payroll:QuickBooks PayrollはQuickBooksを利用して自分であるいは、若干のサポートを受けながら
自分で給与計算を行なう小規模事業向けに、定期購入ベースで販売している一連の製品です。また、顧客の給与計算
をサポートしている会計士に対しても販売しています。この製品ラインには、以下が含まれています。
●
給与所得税率表及び給与支払報告書を作成するQuickBooks Basic Payroll
●
給与所得税率表、給与支払報告書と連邦・州の給与所得税申告書、並びに連邦・州の給与所得税の電子申告
・支払をするQuickBooks Enhanced Payroll
●
QuickBooks Enhanced Payrollの機能に会計士向けの機能をいくつか加えたQuickBooks Enhanced Payroll
for Accountants
●
QuickBooks Onlineと一緒に使用する QuickBooks Online Payroll
また、当社は、QuickBooksを使って給与処理をしている顧客の税金の支払い及び申告など、給与処理のバックエンド
業務をアシストするQuickBooks Assisted Payrollも提供しています。Quick Books Online Payrollには給与口座直
接振込が含まれており、追加の手数料を支払うことにより、他の製品のいずれかにも給与口座直接振込を加えること
が可能です。
Intuit Online Payroll:当社のOnline Payrollは小規模事業向けの給与計算サービスを提供していますが、顧客
はQuickBooks商品を使う必要がありません。この商品は定期購入ベースで販売され、オンライン上での給与所得税の
計算、給与支払報告書、連邦・州の給与所得税申告書、連邦・州の給与所得税の電子支払い、並びに直接振込などが含
まれます。
その他の従業員管理ソリューションズ:当社は、追加料金で小規模事業の雇用者に対して、従業員報酬管理サービ
ス及び401(k)管理サービスを提供しています。
支払ソリューションズ
マーチャント向けサービス:当社は、クレジット・カード、デビット・カード、電子ベネフィット及びギフトカード
の処理業務、小切手認証、小切手保証、及び自動決済機関機能(ACH)機能及びCheck 21機能を含む小切手自動転換、並
びにオンラインマーチャントに対するインターネット上の取引の処理業務などが含まれています。当社は、取引処理
業務のほか、顧客向けに顧客サービス、商業者及び消費者向け回収業務、チャージバック及び回復処理とサポート、並
びに詐欺及び損害を防止するためのスクリーニングなどの業務も提供しています。
Point of Saleソリューションズ:当社は、小規模小売業者のための初心者向け製品として、より効率的に詳細な販
売データの管理、顧客の追跡及び日常業務の管理を行うことができる、Cash Register Plusを提供しています。当社
はまた、バーコードを使った小売業者の販売処理を助け、在庫及び顧客の購買の追跡をおこない、且つQuickBooksと
統合された、QuickBooks Point of Sale のBasicバージョン、Proバージョン及びMulti-Store バージョンを提供し
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ています。当社はこれらのソフトウェア製品を、付属のハードウェアと一緒に、又はハードウェアなしで、販売してい
ます。
消費者向け税務部門
当社のTurboTax 製品・サービスは個人や小規模事業のオーナーが、連邦及び州の所得税、法人税の申告書を迅速且
つ正確に作成し納税申告を行えるよう、設計されています。そして、複雑な納税申告書でも簡単且つ的確に作成でき
るようになっています。
納税申告準備用製品:2009年の納税シーズンには、当社は、単純な納税申告用のTurboTax Basic、控除項目のある納
税者向けのTurboTax Deluxe、投資資産又は賃貸用不動産を所有する納税者向けのTurboTax Premier、そして小規模
事業主向けのTurboTax Home and Businessのデスクトップ・バージョン、オンライン・バージョンを含む様々なソ
フトウェア製品及びサービスを提供しました。また、規模の比較的大きな事業向けのTurboTax Businessのデスク
トップ・ソフト、ネットでの最も単純な納税申告用のTurboTax Free Editionやカリフォルニア州ユーザーに対して
iPhoneを通じて単純な連邦・州の納税申告を準備し、電子的に申告することを可能とするアプリケーションである
Snap Taxを提供しました。これらの商品ラインアップは2010年の納税シーズンには変更される可能性があります。
TurboTax Live Community は、参加者が所得税の確定申告の準備を行いながらオンライン上で、他の参加者と学びあ
い、情報を共有することができるフォーラムです。
電子税務申告及びその他サービス: 当社の電子税務申告センターを通じて、デスクトップ及びオンライン上で納
税申告書を作成する当社の顧客は、連邦所得税及び電子税務申告をサポートするすべての州の州税をネット上で申
告できます。2009租税年度において、当社のオンライン税務準備・申告サービスは、4,000ちかい金融機関、1,000以上
のオンラインショップ、その他のマーチャント及びYahoo!® Finance Tax Centerのウェブサイトを通じて、提供さ
れました。金融機関は、TurboTax Onlineへの接続又はオンラインバンキングのためのTurboTax(これは、かかる金融
機関のオンラインバンキングサービスと統合した機能を提供しています。)を介して、そのエンドユーザーに対し、当
社のオンライン上の税務サービスを提供することができます。
Intuit Tax Freedom Project:Intuit Tax Freedom Projectのもとで、その対象となる資格を持つ納税者に対し
て、ネットによる連邦及び州の所得税申告書の作成及びネットでの申告サービスを無料で提供しています。 このプ
ロジェクトのもとで、当社は2010年度において、約140万件の連邦所得税申告を無料で提供しました。当社は連邦政府
と契約を締結した民間企業の連盟Free File Allianceに加盟しており、同契約に基づき、条件を満たす納税者に対
し、無料で、ネット上で連邦税の申告書作成及び申告サービスを提供しています。
会計専門家向け部門
当社の会計専門家向け部門は、会計士及び納税申告書作成サービスを提供している業者にソフトウェア製品及び
サービスを提供しています。これらには、会計士及び納税申告書作成業者が個人や企業顧客に会計、給与支払、税金対
策、税法遵守サービスを提供するのを助け、顧客の実務をより効率的に管理するのを助けるための製品及びサービス
が含まれます。
税務ソフトウェア製品:当社の会計専門家向け税務製品は、Lacerte と ProSeriesから成ります。Lacerte ソフト
は最も複雑な納税申告書を作成する総合会計事務所を対象とするものです。当社は2つのバージョンのProSeries ソ
フトを販売しています。若干複雑な納税申告書を年間を通じて作成している顧客に適しているProSeries
Professional Edition及び比較的少額で季節的な租税実務用のProSeries Basic Editionの2つです。会計の専門家
は、これらの税務関連製品を定額で無制限に使用するか、1件納税申告書を印刷するか電子提出をおこなう毎に支払
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うかのいずれかを選択できます。Lacerte と ProSeriesを利用する会計士及び納税者は、顧客の納税申告を当社の電
子納税申告サービスを使って行うことができます。
会計ソフトウェア製品:当社の専門家向け会計ソフトである、QuickBooksプレミア会計士向けエディションは、簿
記、試算表、帳簿記入及び財務報告作業を効率的に完成させるのに必要な製品及びファイル共有機能を提供します。
当社のQuickBooksプロアドバイザープログラムは、登録会員に対して、顧客に代わって会計専門家向けに技術サポー
ト、トレーニング、製品保証、市場手段へのアクセス及び購買品の値引きをする、Quick Books及びQuick Books
Payrollソフトを提供するものです。
金融サービス部門
当社のインテュイット金融サービス部門の事業(旧:Digital Insight)は、外部委託のオンライン・バンキングソ
リューションズを提供しています。これらの製品は、当社のデータセンターをホストとして、オンデマンド・サービ
スとして中規模金融機関に提供されています。当社は、オンラインバンキングのためのTurboTaxなどの当社のその他
の製品及びサービスを金融機関のエンドユーザーに提供するためにこれらの金融機関と共に取り組んでおります。
2008年度、2009年度及び2010年度において、本事業の総収益の10%超を占めた金融機関はありませんでした。
消費者向けバンキング:当社は金融機関がそのリテールカスタマーに提供するオンラインバンキングのサービス
を販売しています。これらのサービスには、取引履歴、口座残高、小切手の映像の閲覧、口座間の送金、金融機関間での
送金、請求書に対する支払・提示、個人向け財務管理の包括的なオンライン・ソリューションである、Personal
Finance Works、並びにオンラインバンキングと統合された納税準備・申告サービスを提供するオンラインバンキン
グのためのTurboTaxが含まれます。
法人向けバンキング:当社は金融機関が法人顧客向けに提供するオンライン上のバンキングサービスも販売して
います。これらのサービスには、消費者向け製品と同様のサービスのほか、 貸金庫のレポート、給与の口座振込、電信
送金、口座間送金、口座間の調整、為替取引、並びに法人向け財務管理のオンライン・ソリューションである、Small
Business Finance Worksが含まれています。
その他の事業部門
パーソナルファイナンス
当社のパーソナルファイナンス製品は、ユーザーがパーソナルファイナンスを整理、理解、管理するのをサポートし
ています。当社のQuickenデスクトップ・ソフトウェア製品ラインにより、ユーザーは銀行口座の調整、勘定支払、ク
レジット・カード及びその他の取引の記録並びに投資、不動産担保借入及びその他の資産、負債のトレースができま
す。その他、Quickenを使って、顧客は、税金に関連する金融取引をマーキングし、それらの情報を TurboTax顧客納税
申告書作成ソフトにダウンロードすることができます。当社は、より強力な投資・税務計画ツールとして、Quicken
Starter Edition、Quicken Deluxe及びQuicken Premierも提供しています。また、顧客が個人と会社の財務を1つのア
プリケーションで管理することができるQuicken Home and BusinessやQuicken for Macも提供しています。当社の
Mint.comパーソナルファイナンスサービスはユーザーに無料で提供され、ユーザーのすべての金融口座を1つのオン
ライン所在地で表示し、予算を立て、支出を管理することを助けるためのツールを提供し、金銭の節約方法を特定し、
そして金融目標を達成するための段階的な指導及び助言を提供します。当社は、モバイル機器(例えばiPhone)でも
Mintのアプリケーションを提供しています。
医療分野
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EDINET提出書類
インテュイット・インク(E05826)
有価証券報告書
2010年5月、当社は、患者対プロバイダーの通信ソリューションを提供するMedfusion, Inc.を買収しました。サービ
スは標準のウェブ・ブラウザにより申し込みベースで提供され、また、通常はアポイントメントのスケジュール調
整、患者の予備登録、処方箋更新及び請求書の電子的支払といった内容を含んでいます。
グローバル・ビジネス
当社はカナダでは、QuickBooksのローカルバージョン、すなわち海外の各地域固有のニーズに合うようカスタマイ
ズされたバージョンを販売しています。この中には、QuickBooksのソフトウェア、給与計算サービスの提供とサービ
スプランが含まれます。また、消費者向け納税申告書作成ソフト、専門家向け納税申告書作成ソフト及びQuickenのカ
ナダのローカルバージョンを提供しています。英国では、銀行と提携して提供する製品、サービスが含まれた
QuickBooks及びQuickBooks Payrollのローカルバージョンを提供しています。
製品開発
ソフトウェア及びその関連サービス事業の市場は急速な技術変化、急激な顧客のニーズのシフト、及び頻繁な新製
品の導入とその強化という特徴を持っています。したがって、新製品及びサービスの革新及び迅速な開発並びに既存
製品の拡張のために、高いレベルの投資を継続的に行うことが必要となります。当社の製品開発努力は、人々及び事
業が技術によって一層つながりを深め、時と場所を問わずサービスに接続できるような世界を反映した、Connected
Services戦略を当社が追求していく上で、より一層重要になってきています。
当社は、数多くの製品及びサービスを社内で開発しています。当社は、当社の製品及び技術の様々な側面に関連し
た、米国及び海外での特許や申請中の特許を多く持っています。製品及び技術を第三者から購入するか又はライセン
スを得ることにより、並びに、より短時間で提供する製品及びサービスの拡充及び拡大を可能にするような他社との
関係を強化することにより、社内の開発を補完します。当社は、引き続きConnected Services戦略を追求していく上
で、第三者技術との関係を拡張していく所存です。
当社の伝統的なコア商品のデスクトップ・ソフトウェアであるQuickBooks、TurboTax、Lacerte、ProSeries及び
Quickenは、比較的予想しやすい毎年の製品開発及び製品販売のサイクルを有しています。また、これらの製品と比べ
ると、開発サイクルがより短い可能性のある、革新的な新製品(例えば、Intuit GoPaymentなど)の開発にも取り組ん
でいます。消費者・専門家向け税務ソフト及びサービスは、厳しいスケジュールの制約の中で、税法や申告書の様式
の変更を正確に反映させる必要があるため、特別な困難が伴います。給与計算、商業者向けサービス、金融機関及び患
者対プロバイダー通信のための製品開発は、ビジネス・ニーズや法令の規定によって異なり、開発サイクルの長さは
各プロジェクトが扱う対象とプロジェクトの複雑さによります。
金融サービス部門の事業においては、金融機関に対してコア商品となる処理ソフト及びサービスを提供している大
手プロバイダのシステムとインターフェースを開発してきました。これらのシステムインターフェースによって、エ
ンドユーザーが口座データにアクセスできるよう、当社が金融機関のホストシステムにアクセスすることが可能に
なります。新しいインターフェースを開発するだけでなく、接続性をより堅固なものとし、操作効率を改善するため
に、当社では継続的に多くの既存のインターフェースの改善にも努力しています。
当社は、今後も研究開発に多くの資金を投入し、今後、既存の製品及びサービスの強化、並びにより簡単に使用でき、
特定のカテゴリーの顧客のためにカスタマイズされ、ウェブ上又はモバイル上で提供され、そして、その他の当社及
び第三者の製品・サービス並びに当社の社内情報システムと統合された性質を有するような新製品及びサービスの
開発に重点を置いて、研究開発を進めていく考えです。当社はまた、継続中のプロジェクトに著しい研究開発努力を
傾注することにより、当社の製品の一部について技術プラットフォームのアップデートに取り組む予定です。当社の
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研究開発費は、2010年度は5億7300万ドル(純売上高合計の17%)、2009年度は5億5600万ドル(純売上高合計の18%)、
2008年度は5億9300万ドル(純売上高合計の20%)でした。
季節性
当社のQuickBooks、消費者向け税務部門、及び会計専門家向け部門の事業には、強い季節性があります。一般的には、
QuickBooksソフトウェア製品の売上は第2四半期及び第3四半期に最も高くなる傾向があります。所得税申告書作成
用製品及びサービスの売上の大半は11月から翌年4月の間に集中します。消費者向け税務部門事業では、売上の多く
はこのシーズンの後半に集中します。これには、売上が伸びている TurboTax Onlineの売上が確定申告の電子申告又
は所得税申告書の印刷が完了した時点で認識されることも影響しています。消費者向け税務部門の事業及び会計専
門家向け部門の事業の季節性はまた、税務当局から所得税申告書の様式が入手可能となるタイミング及びかかる税
務当局が電子確定申告を受け付けることのできる程度にも影響されます。所得税申告書の様式の入手及び電子確定
申告制度の導入に遅れが生じた場合、当社の収益は第2四半期から第3四半期に移動することがあります。これらの季
節性のパターンは、当社の純売上高合計が通常1月31日に終わる第2四半期と4月30日に終わる第3四半期に集中する
ことを意味しています。当社は税務関連事業の売上が最も少ない一方で、営業費用は年間を通じてコンスタントにか
かるため、10月31日に終わる第1四半期及び7月31日に終わる第4四半期に損益を出すのが通例です。当社は、売上高及
び収益の季節性が今後も継続するであろうと考えております。
マーケティング、販売及び流通のチャネル
マーケット
当社がターゲットとする顧客は、中小事業、消費者、会計専門家、並びに中規模の金融機関です。当社が他社と競争し
ている市場は、急速な技術変化と顧客のニーズのシフト、並びに競合他社による頻繁な新製品の導入及び強化という
特徴を常に持っています。過去複数年間でインターネットが広く利用可能となったことにより、これらの変化のス
ピードは加速され、顧客が製品及びサービスについて学び、購入する方法も劇的に変化しました。 またたく間に、リ
アルタイムの個人向けオンラインショッピングというやりかたが標準となってきています。さらに、多くの顧客が、
あるチャンネルでショッピング手続きを開始し、最終的には別のチャンネルで購入するようになりました。このよう
な変化を背景に、統合されたマルチチャネルのショッピング、購入手段を創造する必要性が高まっています。市場や
業界の変化は、既存の製品やサービスをあっという間に陳腐化してしまうので、当社の成功は、新しいビジネスモデ
ルや、競争力のある戦略のアップデート、新規の又は改良された製品・サービス、代替的流通方法によって、その他当
社の事業のやり方を変えることによって、これらの変化に迅速に対応する能力にかかっています。
当社のオンライン・バンキング事業でターゲットとなる顧客は、大手金融機関と市場で競争することができるよう
な外部委託ソリューションを求めている中規模の金融機関です。当社はまた、中核的な処理者である金融機関顧客に
対して、オンラインで財務管理ソリューションを提供しています。
マーケティング・プログラム
当社の製品及びサービスを中小事業、消費者及び会計専門家に販売するために、当社はソフトウェアの受注を促進
し、需要を喚起し、当社の製品及びサービスに対する顧客の認知を一般的に維持し、高めるために、様々なマーケティ
ング・プログラムを採用しています。これらのプログラムには、キーワードの検索エンジン会社からの購入を含む
ウェブ・マーケティング及びターゲット広告、ダイレクトメール及び電子メールによるキャンペーン、電話による勧
誘、新聞、雑誌、看板、ラジオ及びテレビの広告、並びに大手小売店とタイアップした販売促進用の製品、サービスの提
供などが含まれます。また、いくつかのソフトウェア製品では、ワークフロー統合型インプロダクト・ディスカバ
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リーを利用して、他の関連の製品やサービス(第三者の製品やサービスを含む)を販売しているものもあります。
金融サービス部門の事業では、潜在的な顧客としての金融機関を見つけ出し、その顧客と協力して、彼らの顧客であ
るエンドユーザーである消費者及び事業に当社のオンラインバンキングサービスを売り込むことにマーケティング
の重点を置いています。当社は、これらの金融機関とともに、他のIntuit社製品及びサービス(例えばオンラインバン
キングのためのTurboTax)をそのエンド・ユーザに提供するために協力をしています。
販売・流通チャネル
マルチチャネルによるショッピング・購入:当社の消費者向け及び中小事業者向け製品並びにサービスの顧客は、
オンライン及びデスクトップ製品並びにサービスを調べる際、ますますインターネットを活用するようになってい
ます。これらの製品、サービスをオンラインで購入し、専らオンライン上で利用する顧客もいれば、インターネットを
利用してデスクトップ製品及びサービスを購入する顧客もいますが、依然として最終的な購入判断は小売店でする
顧客もいます。当社は、当社のウェブサイト、販売促進用物品及び小売店での製品の展示を、この統合的なマルチチャ
ネル・ショップ・アンド・バイ・モデルを支持するよう統一しています。
直接販売チャネル:当社は、当社のウェブサイトやコールセンターを通じて中小事業、消費者、会計専門家向け製品
及びサービスを多く顧客に直接販売しています。電話販売は、引き続き顧客のニーズに合った製品とサービスを選択
する上で生のサポートを希望する顧客のための有効なチャネルとなっています。
金融サービス部門の事業では、直接販売モデルを使用し、製品及びサービスを金融機関に販売しています。また、比
重はそれほどではないにしろ、より頻繁に、コアの処理パートナーを通じて一部販売を行っています。当社の典型的
な販売サイクルは、新規の金融機関については、9∼18ヶ月、既存客に対するアドオン販売の場合は4∼6ヶ月です。
小売チャネル:当社はQuickBooks、TurboTax、Quickenの各デスクトップ・ソフトウェア並びにQuickBooks
Payroll、Intuit Online Payrollサービス及び商業者向けのクレジット・カード支払処理サービスを、米国の小売店
各地において販売しています。当社はこれらの製品及びサービスを、オフィスサプライ・スーパー、会員制大型ディ
スカウントショップ、家電小売店、一般量販店及びカタログ販売業者に対し、直接及び販売業者を通じて販売してい
ます。カナダ及びその他の海外市場では、小売販路に製品を販売する販売代理店及びその他の第三者にも依存してい
ます。小売販路を通じ、小売業者の広告の利用及び「歩行者」(foot traffic)によって、幅広い顧客層に販売すること
ができます。またこの小売販路により、当社の製品及びサービスラインアップ並びにメッセージを、複数の接触ポイ
ント(touch points)を介して伝える機会が得られ、当社が比較的低コストで顧客のニーズに応えることが可能とな
ります。
その他のチャネル:当社は、アライアンス・パートナー、ソリューション・プロバイダ及びPCのハードウェア製造業
者との経路を重視する戦略を掲げています。これらの販路による収入は、直接販売経路及び小売販売経路による収入
と比べかなり少ないですが、収益は伸びています。当社は、銀行、信用金庫及び証券会社並びに投資会社など、選ばれ
たいくつかのアライアンス・パートナーを通じて、当社の消費者向け税務製品及びサービス並びに会計専門家向け
税務製品及びサービスを販売しています。これらのアライアンス・パートナーは、取引地点において当社が新規顧客
を得ること、及びオンライン上で当社が接触できる顧客層を広げることにより当社が業績を伸ばし、シェアを拡大す
る上での一助となっています。ソリューション・プロバイダーは、当社の製品及びサービスを、付加価値の高いマー
ケティング、販売及び技術のノウハウと組み合わせることにより、エンドユーザーまで一貫したソリューションを届
けます。いくつかの選ばれたPCのハードウェア製造業者との関係により、当社の中核ソフトウェア製品の新規顧客を
惹きつけることができます。当社がモバイル及びグローバルな製品を拡大することで、当社は主要な戦略的パート
ナーシップが益々当社の事業にとって重要になると予測しています。例えば、当社は携帯電話サービス及びハード
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ウェア・プロバイダーを通していくつかの当社製品を取引及び販売する予定です。
金融サービス部門事業においては、いくつかのコアの処理ベンダーとの間で、協業マーケティング契約を締結して
います。これらのベンダーには、Fiserv, Inc.、Open Solutions Inc.、Fidelity Information Services, Inc.、
Metavante Corporation(現在はFidelity Information Servicesの一部。)、Computer Services Inc.などがありま
す。金融機関顧客に対して、請求書による支払及び請求書の提示というサービスを提供するために、当社は、付加価値
を付け再販する関係をMetavante CorporationやCheckFree Corporation(Fiserv, Inc.の一部門)といった大手のプ
ロバイダと維持しています。
競 争
概観
当社は、国内外で他社との激しい競争に直面しています。当社が進出している市場での競合先の関心と彼らのノウ
ハウ(特に小規模事業向け・消費者向け税務、オンライン・バンキングの分野)は、過去数年間、着実に高まっていま
す。この傾向は今後も続くと予想しています。当社の現在の競合企業の中は、当社よりはるかに豊富な財務、技術、販
売面でのリソースを保有しているところもあります。その上、当社が競争する市場において、新規企業が市場に参入
することにより、競争の環境は急激に変化する可能性があります。デスクトップ製品、サービスに比べ、新規参入障壁
が低いオンラインの製品及びサービスにおいて、このことは特に当てはまります。顧客を惹きつけるために、多くの
オンラインの製品の競合先は、無料あるいは低価格のエントリーレベルの製品を投入しており、当社はこのような状
況を価格戦略を構築する際、考慮に入れる必要があります。
競争がもっとも明らかなのは、当社と似た技術ソリューションを提供する企業との競争です。しかし、当社の多くの
製品及びサービスにとって、もうひとつの重要な競合先は、会計士や、納税期に提供される税務申告書作成補助サー
ビスです。マニュアル・ツール、マニュアル・プロセスや汎用ソフトとも競合しています。当社の新規顧客の多くは、
従来、経理処理する際、競合先のソフトやサービスではなく、ペン、紙又はワープロ、スプレッドシートのようなソフ
トを使ってきました。当社は、これらの業務を処理する方法として、マニュアルでのやり方からデスクトップ及びオ
ンラインのソフトの使用という長期的傾向は継続すると見ており、これは引き続き成長する機会を与えてくれるも
のだと考えています。
事業部門別の競争
小規模事業グループ:当社のQuickBooksデスクトップ製品は、米国の小売チャネルにおける小規模事業向け財務管
理ソフトウェアのなかでは最重要製品です。当社の小規模事業向け製品及びサービスは、小規模事業を顧客ターゲッ
トとして会計ソフト及びその関連サービスの発売を行っているNetSuite Inc.及びThe Sage Group plc等の他社か
らの競争圧力にさらされています。当社の小規模事業向け製品及びサービスにおいては、金融機関やその他の会社が
提供する廉価なオンライン会計ツールや無料のオンライン・バンキング及び料金支払サービスとの競争も激化して
います。当社の給与計算事業では、当社はAutomatic Deta Processing, Inc. (ADP)、Paychex 及び給与計算製品を提
供するその他多数の他社(オンライン上の給与計算製品を含む。)と、給与計算製品で直接競争しています。当社の商
業者向けサービス事業においては、Wells Fargo、JP Morgan Chase及び Bank of Americaなどの金融機関、並びに
First Data Corporation、Elavon、Global Payments及びFIS-Certegyなどの多くの支払処理事業者と直接競争してい
ます。
消費者向け税務部門:個人向け部門では、店頭で納税申告書作成サポートを提供するソフトのメーカーである H&R
Block及びH&R Block At Homeと呼ばれるソフトウェア競合品との競争や、2nd Story SoftwareのTaxACTなどの納税
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申告書作成サポート及びオンライン製品の提供業者との競争が激化しております。これらのウェブ・ベースの製品
からの価格引下げ圧力はますます大きくなっています。
当社はまた、消費者向け税務部門の事業において、個人納税者に電子的な納税申告書類作成・申告のサービスを無
償提供している公共政府機関と競争に直面しています。当社は、連邦政府との間で締結した、民間企業のコンソーシ
アムであるFree File Allianceに属しています。この契約に基づき、当該コンソーシアムのメンバーである民間企業
が、オンラインの連邦納税申告書作成サービスを適格連邦税納税者のために無料で提供しており、連邦政府はこれら
と競合するサービスを提供しない旨同意しています。約20の州がFree File Alliance官民契約を採択しました。その
他の20の州においては、何らかの形式により、政府が直接納税申告書作成サービスを無料で提供しています。当社は、
引き続き積極的に官民セクターにおいて他者と協力して、Free File Alliance方針の目標を推進し、官民の良好な連
携を支えていく所存ですが、将来行政や規制、司法当局が当該分野に進出してくることにより、当社の消費者向け税
務部門の事業の業績の悪化が懸念されます。
会計専門家向け部門:当社の専門家向け税務事業製品Lacerteは、当社より価格が有利で税務以外のサービスも含
まれている税・会計ソリューションと競合しています。これらにはCCHのProSystems fx Office Suite、Thomson
ReutersのCS Professional Suite及びGoSystems Taxが含まれます。当社の専門家向け税務事業製品ProSeriesは、
CCHのATX及びTax Wise製品との競争に直面しています。また、より効率的にマーケティングが行われているか当社の
会計専門家向け製品より価格の低い、オンライン上の会計・税務製品との競争も激化しています。
金融サービス部門:オンラインバンキング・サービスのマーケットは競争が非常に激しくなっています。消費者向
けオンラインバンキングの分野では、Online Resources、S1 Corporation、FundsXpress(First Data Corporationの
子会社)など数多くの企業が、外部委託のオンライン・バンキング・サービスを金融機関に提供しています。さらに、
コアの処理サービス又は支払処理サービスを主に提供する企業のなかには、オンライン・バンキング・サービスも
提供している企業が複数社あります。これらの企業には、Fiserv、 Open Solutions, Inc.、 Fidelity Information
Services Inc.、Jack Henry及びMetavante Corporation(現在、Fidelity Information Servicesの一部。)が含まれま
す。さらに、その多くは当社との顧客紹介・再販業者契約に基づき、当社の製品を販売しています。当社はまた、オン
ライン財務管理ソリューション市場において、比較的新しい市場参入者とも顧客獲得で競争しています。当社が既存
の顧客との間でサービス契約の交渉を行う場合、競争圧力によって、当社との関係を継続してもらうために価格付け
及びその他の重要な条件において妥協せざるを得なくなる可能性があります。
競争要因
当社のコア製品(QuickBooks、TurboTax、Lacerte、ProSeries及びQuicken)において重要な競争要因は、使いやすさ、
製品の機能、インストールする顧客ベースの規模、ブランドの認知度、価値ある提案、コスト、信頼度及び製品・サ
ポートの質です。QuickBooks、TurboTax、及びQuickenソフトウェア製品にとっては、流通チャネルに対するアクセス
も重要です。また、QuickBooks製品にとっては、顧客の事業が拡大するにつれて、会計の専門家からのサポート及び顧
客が当社の製品ファミリーの中でアップグレードできるかどうかが重要な競争要因となります。当社のLacerteソフ
トウェア製品の販売先である総合会計事務所にとっては、生産性も重要な競争要因となります。当社は、QuickBooks、
TurboTax及びQuicken製品が各カテゴリにおいて米国の小売販売チャネルで最も人気がある製品であることから、こ
れらの要因において、十分競争力があると考えています。
また、小規模事業向け給与計算、商業者向け支払処理、外部委託オンライン・バンキング及び患者対プロバイダー通
信ソリューションなどのサービスの提供では、機能、使いやすさ、関連ソフトとの統合性、ブランドの認知度、効果的
流通、サポートの質、コスト、操作の拡張性などが重要な競争要因です。
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顧客サービス及びテクニカルサポート
当社は、顧客サービス及びテクニカルサポートを電話、電子メール、オンラインチャット、テキストメッセージ、オン
ラインコミュニティ及び当社の顧客サービス・テクニカルサポートウェブサイトを通じて提供しています。当社に
は、正社員及び外部委託による顧客サービス及びテクニカルサポートのスタッフがいます。当社は、納税申告シーズ
ンや主要製品の発売開始直後などの電話ピーク時には、季節従業員や追加の外部委託によりこれらのスタッフを補
完しています。国内外の数社に外部委託しています。消費者、小規模事業向けの顧客サービス、テクニカルサポートの
海外の外部委託先要員は、現在インド及びフィリピンに配置されています。
当社のQuickBooks、TurboTax、会計専門家向け部門の製品及びQuicken製品については、問題を自分で解決するため
の情報サービスを、当社のテクニカルサポートウェブサイトを通じて、無料で提供しています。顧客は解決策を見つ
けるため、当社ウェブサイトの「よくある質問」や「注文の状況」などを利用することができます。サポートプランに
よっては、顧客は、当社のウェブサイトを利用して、製品のアップデートをネット上でダウンロードできます。サポー
トの種類及び料金は製品により異なります。当社は消費者が知識及び製品に関するアドバイスを共有するための、小
規模事業者向け及び会計専門家向けのIntuit Community及びTurboTax Live Communityなどのオンライン・ユー
ザー・コミュニティも運営しています。
生産及び流通
デスクトップ・ソフトウェアとサプライ商品
デスクトップ・ソフトウェア生産の主要な工程は、コンパクトディスク(CD)の製造、ボックスや関連物品の印刷、並
びに最終製品の組み立て及び出荷です。
当社は、小売業向けの製造に関しては、Berterlsmann AGの一部門であるArvato Digital Services,Inc.(ADiS)と生
産に関する契約を締結しています。同社は、同契約に基づき、QuickBooks、TurboTax、Quickenの小売発売開始に関連す
る過半数の委託生産及びその後の日々の補充を行っています。ADiSは複数の場所で操業しており、必要があれば、増
産も可能です。当社はまた、JVC America Incoと契約を締結しています。同社は、同契約に基づき、ADiSに次いで上記
の製品の委託生産とその後の日々の補充を行っています。
当社は、小売業向けの物流に関しては、ADiSと契約を締結しています。同社は、同契約に基づき、全ての物流サービス
を取扱います。当社の小売製品の発売開始の業務は複雑です。当社の製品の小売業者への納品と在庫の補充は、店舗
への直接納入と核となる倉庫への出荷の組み合わせになっています。これにより、当社の小売業者による在庫管理を
改善できます。また、多くの小口顧客には、流通業者を経由して製品を納入しています。
ADiSはまた、当社のデスクトップ・ソフトウェア製品の直接注文の大部分にかかる生産及び流通を担当します。当
社は、M&F Worldwide Corporationの一部門であるHarland Clarkeとの間で排他的契約を締結しており、同社は同契
約に基づき当社の財務サプライ事業にかかる小切手全てとその他の製品の大部分の受注を行います。
当社は原材料の供給先を多く確保しており、これまで原材料の調達で問題が生じたことはありません。
当社のコアのデスクトップ・ソフトウェア製品の発売開始の前には、かなりの受注残を持つことが多いですが、そ
れ以外の場合は、受注残は少なく、通常、注文を受けてから数日で発送が可能です。このように受注残は変動が激しい
ため、当社の核となるデスクトップ・ソフトウェアの今後の売上を予測するには信頼に欠けると考えています。
オンライン製品及びサービス
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当社のオンライン製品及びサービスを運用、供給するために必要なシステム、ネットワーク及びデータベースの大
半は、当社のデータセンターに置かれています。これらには、QuickBooks Online、QuickBooks又はQuickBooks以外の
ソフトウェアユーザーのためのオンライン給与計算サービス、商業者向け支払処理サービス、小規模事業者向けの
ウェブサイトのホスティングサービス、TurboTax Online、消費者、専門家向けの電子納税申告サービス、外部委託の
オンラインバンキングサービス、Mint.com及び患者対プロバイダーの通信サービスなどがあります。データセンター
を通じて、当社は、顧客を当社製品及びサービスと結びつけ、顧客及び事業に関するデータを保存しています。
Connected Services戦略と連動して当社の事業が今後さらにオンラインベースの製品、サービスの提供にシフトす
るにしたがって、当社のインフラの重要性は高まるでしょう。
現在、当社のデータセンターは、米国西部を中心に設置している数々のサーバーとデータべースにより構成されて
います。今後、データセンターの数を減らしつつその場所を分散させていく予定です。2008年度から2009年度にかけ
て、当社はワシントン州にデータセンターを建設し、2009年度下半期に、このデータセンターに移転しました。当社は
この施設を使って、ホスティング能力と、既存の接続サービス若しくは将来投入する接続サービスにおいて要求され
る高度な可用性を支えていく予定です。さらに、当社は新しい主要なバックアップ施設をネバダ州の共同設置データ
センターに建設する計画を実行しています。
顧客情報・取引の守秘及びセキュリティ
当社は顧客及び従業員の個人情報に関連し、守秘及びセキュリティに関する連邦、州並びに国際間の様々な法律、規
則並びに金融機関に対する規制の対象であります。また、インターネット、行動追跡、テレマーケティング、電子メー
ル活動、データのホストと保持、財務及び健康情報並びに顧客の信用情報の利用に適用される法律や規則の対象でも
あります。これら全ての分野において、追加の法律が将来可決される模様であり、その場合には、当社が顧客又は当社
社員の個人情報及びデータを収集、使用、ホスト、保存又は送信する方法、顧客とコミュニケーションをとる方法並び
に商品及びサービスを提供する方法が著しく制限されるか又は変更を余儀なくされるか、若しくは法令遵守費用が
相当増加することになる可能性があります。当社が、守秘及びセキュリティを保護するための規制の対象となってい
る産業部門及び情報利用方法にまで新たに事業を拡大した場合、又は厳正な情報保護法を有する合衆国外の地域に
進出した場合、当社が遵守しなければならない要件は増加し、費用も増加することになります。
当社は、国際的に認知されているプライバシー原則と合致したMaster Privacy Policy Frameworkを通じて、当社が
顧客の情報をどのように利用しているかを顧客及び従業員が知り、コントロールできるようにする合衆国連邦及び
その他の地域のガイドライン並びに実務を遵守しています。QuickBooks.com及びTurboTax.comなどの主要ウェブサ
イトは、TRUSTeの認証を受けています。TRUSTeとは、独立したオンライン上の守秘に関するユーザーの懸念及び規制
当局の要請に対処するための業界標準慣行を反映したウェブサイト守秘認証プログラムを運営しています。当社は
また、プライバシー・ステートメントを使用して、当社の守秘に関する実務について顧客に通知し、顧客にかかる個
人情報の使用に関して顧客が指示を与えられるような機会を設けています。当社はプライバシー及びセキュリティ
にかかる公共政策及びそれらのベスト・プラクティスに影響を与えることを目的とする産業グループに参加してい
ます。
セキュリティに関する懸念に対処するために、当社はセキュリティ対策を用いてシステムを保護し、顧客から提供
された情報が紛失、不正使用及び無断変更されないようにしています。顧客が秘密情報(クレジット・カード番号、納
税申告データなど)を当社のウェブサイトを通じて当社に送信する場合にはいつでも、当該情報は、情報を暗号化す
るための業界標準に従います。当社のシステムについては、商業的に入手可能な数々のコンピュータ・セキュリティ
製品や、内部で開発したセキュリティ手順・慣行を使って、内外からの不正使用の防止に努めています。
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政府による規制
金融サービス産業は、広範で複雑な連邦及び州の規制を受けています。商業銀行、信用組合などの当社の金融機関顧
客は、規制当局の厳しい監視のもとに置かれている市場で事業を営んでいます。当社の製品、サービスがこれらの規
制を遵守しているかどうかは、個別の機能性、インタラクティブなデザイン、政府が金融機関に与える免許、許可など
様々な条件によります。当社の金融サービスの顧客は、独自に、これらの規制が何を要求しているかを判断・決定し、
当社のシステム及び顧客自身のウェブサイトのデザインが規制の要件を満たしていることを確認する責任がありま
す。
当社のインテュイット金融サービス部門の事業は、銀行や信用金庫等の金融機関に対して適用される連邦政府・州
の金融当局の直接の監督の対象にはなっていません。しかしながら、金融機関にサービスを提供する者として、この
事業は「情報技術の検査に関するガイドライン」に基づいて、連邦金融検査協議会の検査を受けています。当社は、他
の規制に関して、連邦政府・州の金融当局の直接の監督の対象となっていないと考えていますが、必要に応じ、これ
らの機関が当社の事業、業務を検査することに同意しています。
当社の消費者向け税務部門及び会計専門家向け部門の事業も、電子納税申告、申告書作成の支援、顧客情報の使用及
び開示に関する規制など連邦政府・州政府の規制の対象となっています。また、当社が供給する製品、サービスの一
部、たとえば小規模事業向け給与計算、支払及び患者対プロバイダー通信ソリューションは特別な規制の対象となっ
ています。当社が金融機関、財務、小規模事業向けの製品及びサービスを拡大するにしたがって、新たな政府規制の対
象となる可能性があります。これらの分野で、新たな法令が制定される可能性もあり、その場合、当社の事業は大幅に
制限を受け、当社のコンプライアンス関連のコストは増加することになります。当社は国内外を問わず、引き続き新
規事業機会を分析しますが、追求する新規事業及び事業モデルによっては、規制遵守のための追加費用が必要となる
場合もあります。
当社は、従業員の安全及び健康並びに就業環境に関して、連邦政府・州の法律及び規則の対象にはなっていません。
職業安全衛生管理局、環境保護庁並びにその他の連邦政府・州機関は、当社の事業に影響を与えるような規則を制定
する権限を有します。
知的財産権
当社の成功は、当社製品に用いられている当社独自の技術に依存しています。当社はこの独自技術を保護するため、
著作権、特許、トレード・シークレット及び商標関係の法律及び特許と秘密保持規制、並びにその他の方法の組み合
わせによる、多様な知的財産権のメカニズムに依存しています。例えば当社は、当社の事業にとって重要と考える知
的財産権を保護するため、特許、著作権及び商標並びにサービスマークの申請を定期的に行っています。当社は、少数
ではありますが、その数を増やしつつある特許ポートフォリオを現在有しています。当社はまた、Intuit、
QuickBooks、TurboTax、Lacerte、ProSeries、Quicken及びMintなどの登録商標を有しています。当社は、これらの商標
やその他の商標、サービスマークを米国ほか、各ブランドの他の市場との関連性に応じて、多くの国で登録していま
す。大半の登録は10年毎に更新することができます。当社はまた、当社製品で使うために、第三者から知的財産の使用
許諾を受けています。
当社は、その数を増やしつつある特許ポートフォリオを現在有しています。しかしながら、当社の取得した特許は無
効とされ、全ての裁判管轄において競合製品に対し執行可能なわけではないと判断されるかもしれません。また、当
社及び当社の顧客に対して侵害の主張を申立てている第三者もおり、また将来当社に対して同様の主張が申立てら
れる可能性もあります。これらの申立及び訴訟の結果、当社の専有権が無効とされるか、又は侵害があったと判断さ
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れた上で損害賠償額の査定が行われるかもしれません。訴訟は、それが利益をもたらすものでなくとも、著しいコス
トを発生させるとともに会社のリソースを分散させ、経営陣の焦点をそらすことになります。さらに、第三者ライセ
ンスが商業的に受諾可能な条件で引き続き使用できなくなるか、又は全く使用できなくなる可能性もあります。 4【関係会社の状況】
(1) 親会社
報告会社には親会社は存在しません。
(2) 2010年10月31日現在の子会社
名 称
国内子会社
主たる事業所の
所在地 (国名)
事 業
出資比率
(%)
当社と
の
事業上
の関係
シービーエス・エンプロイヤー・サービ 給与計算サービスなどを提 テキサス州(米国)
シーズ・インク(CBS Employer Services, 供する子会社の持株会社
Inc.) (1)
100
当社の
小規模
事業部
門の一
部
コンピューティング・リソーセズ・イン
ク(Computing Resources, Inc.)(2)
給与計算サービスのプロバ ネバダ州(米国)
イダ
100
当社の
従業員
管理事
業の一
部
デジタル・インサイト・コーポレーショ
ン(Digital Insight Corporation)
金融機関向けオンラインバ カリフォルニア州
ンキング・ソフトのプロバ (米国)
イダ
100
当社の
金融
サービ
ス部門
の一部
エレクトロニック・クリアリング・ハウ 小規模事業者向け自動決済 カリフォルニア州
ス・インク(Electronic Clearing House, 機能のプロバイダ
(米国)
Inc.) (4)
100
当社の
支払事
業の一
部
イノベイティブ・マーチャント・ソ
リューションズ LLC(Innovative
Merchant Solutions, LLC)
クレジット・カード、デビッ カリフォルニア州
ト・カードの処理サービス (米国)
のプロバイダ
100
当社の
小規模
事業部
門の一
部
インテュイット・ベンチャーズ・インク
(Intuit Ventures Inc.)
給与計算事業及び CBS
Employer Services, Inc.
とその子会社の親会社
100
給与計
算事業
部門従
業員を
雇用;
他の資
産も保
有
ラサート・ソフトウェア・コーポレー
ション(Lacerte Software Corporation)
専門家向け納税申告書作成 テキサス州(米国)
ソフト製品のプロバイダ
100
当社の
専門家
向け税
務事業
部門の
一部
25/172
ネバダ州(米国)
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インテュイット・インク(E05826)
有価証券報告書
ライオンズ・パートナーズ・エルエル
シー(Lion’s Partners, LLC)
特定の資産を保有
メドフュージョン・インク(MedFusion,
Inc.)
ミント・ソフトウェア・インク(Mint
Software Inc.)
デラウェア州(米
国)
100
特定の
当社資
産を保
有
患者対プロバイダオンライ ノースカロライナ
ン通信ソリューションのプ 州(米国)
ロバイダ
100
当社の
その他
事業の
一部
個人向けファイナンスのオ カリフォルニア州
ンラインサービスのプロバ (米国)
イダ
100
当社の
その他
事業の
一部
給与計算サービスのプロバ カリフォルニア州
イダ
(米国)
100
当社の
従業員
管理事
業の一
部
小規模事業の在庫リストを カリフォルニア州
インターネットに変換
(米国)
100
当社の
小規模
事業部
門の一
部
商業者向けサービスのプロ カリフォルニア州
スーペリア・バンクカード・サービス・エ
バイダ
(米国)
ルエルシー(Superior Bankcard Service
LLC)
100
当社の
支払事
業をサ
ポート
ペイサイクル・インク(PayCycle, Inc.)
ステップ・アップ・コマース・インク
(Step Up Commerce, Inc.)
海外子会社
アイエヌティーユー・ホールディングス
・リミテッド(INTU Holdings, LTD.)
持株会社
モーリシャス
100
当社の
インド
におけ
る事業
体の持
株会社
インテュイット・ホールディングス・リ
ミテッド(Intuit Holdings LTD)
持株会社
英国
100
当社の
カナダ
におけ
る事業
体の持
株会社
インテュイット・カナダ・ユーエルシー
(Intuit CanadaULC)
ソフトウェアとその関連製 カナダ
品、サービスのプロバイダ
100
ソフト
ウェア
の開発
と販売
インテュイット・リミテッド(Intuit
Limited)
ソフトウェアとその関連製 英国
品、サービスのプロバイダ
100
ソフト
ウェア
の開発
インテュイット・インディア・ソフト
ウェア・ソリューションズ・プライベー
ト・リミテッド(Intuit India Software
Solutions Private Limited)
インドにおけるソフトウェ インド
ア及び関連商品・サービス
の販売及びマーケティング
100
当社の
国際事
業部門
の一部
インテュイット・シンガポール・ピー
ティーイー・リミテッド(Intuit
Singapore Pte Limited)
国際事業の持株会社
100
当社の
国際事
業部門
の一部
インテュイット・テクノロジー・サービ
シーズ・プライベート・リミテッド
(Intuit Technology Services Private
Limited)
研究開発とコールセンター インド
100
当社の
製品の
研究開
発のサ
ポート
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シンガポール
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有価証券報告書
(1) CBS Employer Services, Inc.は次の4つの子会社を保有しています。CBS Corporate Services, Inc.(テキサ
ス州法人); CBS Properties, Inc.(テキサス州法人); Payroll Solution, Inc.(テキサス州法人); Intuit
Do-It-Yourself Payroll(カリフォルニア州法人)
(2) Computing Resources, Inc.は次の1社の子会社を保有しています。EmployeeMatters Insurance Agency, Inc.
(コネチカット州法人)
(3) Electronic Clearng House, Inc.は次の2社の子会社を保有しています。Xpresschex (カリフォルニア州法人)
及びMerchantAmerica (カリフォルニア州法人)。
(4) Intuit Real Estate Solutions (Proprietary) Limited(南アフリカ)は、解散手続中のため、当社の子会社の
一覧から除外されています。
5【従業員の状況】
2010年7月31日現在当社はアメリカ合衆国、カナダ、インド、英国及びその他の国外地域の主要な事業所に約7,700名
の従業員を擁しています。
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第3【事業の状況】
1【業績等の概要】
財務概要
業績の概要
2010年度の純売上高合計は、35億ドルであり、2009年度に比べ11%増加しました。売上高は、当社の事業セグメント
の全てにおいて増加しました。消費者向け税務部門の売上高は、TurboTax Onlineの販売個数の増加により1億5000万
ドル又は15%増加しました。2010年度の継続事業からの営業利益は、2009年度と比べて26%増加しました。サービス
その他売上原価の同部門の売上高に占める比率は、2010年度において僅かに低く、これはTurboTax Onlineの販売個
数の増加に起因します。当社の業績に直接関連を有するインセンティブ報酬及び買収した事業の営業費用の追加の
ため、営業費用が増加しました。継続事業からの純利益は、2009年度と比べて2010年度に21%増加しました。2010年度
の当社の実効税率は約34%、2009年度の当社の実効税率は約31%でした。上記のすべての要因により、継続事業から
の希薄化後1株当たり純利益は、2009年度と比べて23%増加して2010年度は1.66ドルとなりました。
当社の2010年度の現金、現金同等物及び投資の総額は16億ドルとなりました。2010年度、当社は事業、従業員株式購
入制度に基づく普通株式の発行、及び当社のIntuit Real Estate Solutions事業の売却から現金を生み出しました。
同期間において、当社は、自己株式取得計画に基づく当社普通株式の買戻し、投資の純購入高、Mint及びMedfusionの
買収並びに資本支出のために現金を使用しました。2010年7月31日において、当社は株式買戻しのため当社の取締役
会によって承認された全資金を使用しました。2010年8月19日において、当社は、2013年8月16日に終了するまでの3年
間に渡り随時、当社の普通株式を追加で20億ドルまで買い戻すことができる新しい株式買戻制度を発表しました。
事業部門別純売上高合計
以下の記述は、当社の7つの報告対象セグメント毎の記載となっています。当社のその他の事業部門の業績は、2010
年度の第2四半期において廃止事業となったIntuit Real Estate Solutions事業の業績が排除されるように示され
る全期間の間、調整されました。部門別営業利益とは、部門別売上高から部門別売上原価と営業費用を差し引いたも
のです。部門別費用には、個々の部門に配賦できない、全社販売費用・マーケティング費用、商品開発費、一般管理費
や株式に基づく報酬費用などは含まれていません。これらの部門に配賦されない費用は、2010年度で6億900万ドル、
2009年度で5億1400万ドル、2008年度で5億4200百万ドルになりました。配賦されない費用は、当社事業の成長に伴う
全社販売費用・マーケティング費用の増加に起因して、2009年度に比べ2010年度において増加しました。部門別費用
には、買収した技術の償却及びその他買収した無形資産の償却を含みません。
当社は、売上伸び率及び部門別営業マージンを千単位でドルを使用して算出します。これらの結果は、表示される
100万単位でドルを使用して算出される数値から僅かに異なることがあります。
財務管理ソリューションズ部門
(百万ドル)
製品売上
2010年度
2009年度
2008年度
$382
$383
$446
サービス・その他売上
229
196
146
部門における売上合計
$611
$579
$592
18%
19%
20%
$152
$113
$170
25%
20%
29%
対売上合計比率
2010-2009
前年比
(%)
2009-2008
前年比
(%)
6%
-2%
34%
-33%
部門別営業利益
対同部門売上高比率
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2010年度と2009年度の比較: FMS純売上高の合計は、2009年度と比較して2010年度において3200万ドル又は6%増加
しました。この増加の約半分は、Intuitウェブサイトの顧客の増加に起因します。当社のQuickBooksデスクトップ事
業における平均販売価格の上昇は、QuickBooksソフトウェアの販売個数に対して支払われた総額が2%減少したのを
相殺して余りあるものとなりました。平均販売価格は、当社が提供したプロモーション上の割引が2009年度と比較し
て少なかったため、2010年度に上昇しました。QuickBooks Online及びQuickBooks Enterprise Solutionsの顧客の増
加もまた2010年度の売り上げ増加に貢献しました。
2010年度のFMS部門の営業利益の同部門の売上高に占める比率は、上記で記載したように売上高が増加し、Intuit
Websitesの成長に関連する売上原価及び顧客サービス費用の増加が部分的に相殺されたことで、2009年度の20%に
比べて増加し、25%でした。2010年度の営業利益は、2009年度と比較して人員費用が約1600万ドル減少したことから
も利益を得ました。 2009年度と2008年度の比較: 2009年度のFMS部門の純売上高合計は、2008年度から1300万ドル(2%)減少しました。
当社が2007年12月に買収したHomestead社(現:Intuit Websites)からの収益を除くと、FMS部門の純売上高合計は
2009年度において6%減少しました。2009年度のQuickBooksソフトの販売数の合計は、当社のフリーソフトである
Simple Start製品の提供開始を含めて、6%増加しました。2009年度のQuickBooks当たりの収益は、当社の販売チャン
ネルの一部において価格の引き下げをともなう販促活動を実施した影響で減少しました。QuickBooks Online購入者
は11%増加し、QuickBooks Enterprise Solutionsを利用する顧客数は、2008年度から12%増加しました。
2009年度のFMS部門の営業利益の同部門の売上高に占める比率は、上記で記載したように売上高の減少並びに売上
原価及び費用の増加によって、2008年度の29%に比べて減少し、20%でした。販売費は2009年度約4100万ドル増加し
ましたが、うち約1300万ドルは2008年度におけるHomesteadの買収にかかるもの、約1500万ドルはQuickBooks 2009の
販売開始とそれに続く販促活動に伴う広告宣伝費の増加にかかるものでした。製品開発費は、2008年度に比べて、
2009年度は約700万ドル増加しました。
従業員管理ソリューションズ部門
(百万ドル)
製品売上
2010年度
2009年度
2008年度
$249
$237
$213
サービス・その他売上
169
128
124
部門における売上合計
$418
$365
$337
12%
12%
11%
$253
$208
$166
60%
57%
49%
対売上合計比率
2010-2009
前年比
(%)
2009-2008
前年比
(%)
15%
8%
22%
25%
部門別営業利益
対同部門売上高比率
従業員管理ソリューションズ部門(EMS)製品売上高は、主にQuickBooks Basic Payroll及びQuickBooks Enhanced
Payrollに基づいています。これら製品は、自社において給与計算を行う中小企業に給与所得税率表、給与支配報告
書、連邦・州の給与所得税申告書及び電子納税支払・申告を提供する申し込みベースで販売される製品です。EMS部
門のサービス及びその他の売上高は、主にQuickBooks Online Payroll、Intuit Online Payroll、直接的な預金サー
ビス手数料並びに他の中小企業給与計算及び従業員管理サービスに基づいています。この部門のサービス及びその
他の売上高は、顧客のために保有される資金に対する利息も含みます。
2010年度と2009年度の比較: EMS部門の純売上高合計は、2009年度と比較して、2010年度において5300万ドル又は
15%増加しました。売上高は、2009年7月における当社のPayCycle買収及びデスクトップ上の給与計算を申し込んで
いる顧客に対する価格上昇により、2010年度において増加しました。
2010年度のEMS部門の営業利益の同部門の売上高に占める比率は、2009年度の57%に比べて増加し、60%でした。売
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上高の増加により、当社のPayCycleの買収に起因する売上原価及び費用の増加が一部相殺されました。
2009年度と2008年度の比較: 2009年度のEMS部門の純売上高合計は、2008年度と比べ、2800万ドル又は8%増加しま
した。これは主に、2008年度における価格付けの変更の効果が2009年度において完全に実現されたためです。当社が
2009年7月に買収したPayCycleは、2009年度のEMS部門売上高にごくわずかな影響しか及ぼしませんでした。
2009年度のEMS部門の営業利益の同部門の売上高に占める比率は、売上高の増加並びに売上原価及び費用の減少に
よって、2008年度の49%に比べて増加し、57%になりました。小規模事業グループの共通費用の配賦額の減少(約2200
万ドル)が、資産評価切り下げ及び2009年7月のPayCycleの買収にかかる人材の統合に係る費用(約900万ドル)により
一部相殺されたことにより、EMS部門の売上原価及び費用の合計が約1300万ドル減少しました。
支払ソリューションズ部門
(百万ドル)
2010年度
2009年度
2008年度
製品売上
$31
$28
$33
サービス・その他売上
282
263
221
部門における売上合計
$313
$291
$254
9%
9%
9%
$67
$31
$43
21%
11%
17%
対売上合計比率
2010-2009
前年比
(%)
2009-2008
前年比
(%)
8%
15%
112%
-26%
部門別営業利益
対同部門売上高比率
支払ソリューションズ部門の製品売上高は、主にPoint of Saleソリューションズに基づいています。支払ソリュー
ションズ部門のサービス売上高は、主に中小企業に対する商業者向けサービスに基づいています。これには、クレ
ジット・カード、デビット・カード、電子ベネフィット及びギフトカードの処理業務、小切手認証、小切手保証、及び
自動決済機関機能(ACH)機能及びCheck 21機能を含む小切手自動転換、並びにオンラインマーチャントに対するウェ
ブ上の取引の処理業務などが含まれます。この部門のサービス及びその他の売上高は、顧客のために保有される資金
に対する利息も含みます。
2010年度と2009年度の比較: 支払ソリューションズ部門の純売上高合計は2010年度、商業者向けの顧客ベースにお
ける17%の成長に牽引され、2009年度と比較して、2200万ドル又は8%増加しました。商業者当たりの取引処理量は
2010年度、引き続き個人消費が低いレベルにあったことを反映し、2009年度と比較して、3%減少しました。
2010年度の支払ソリューションズ部門の営業利益の同部門の売上高に占める比率は、2009年度の11%に比べて増加
し、21%でした。2010年度において、営業利益は上記に記載されたとおり売上高の増加並びに施設費用の配賦額(約
900万ドル)及び人件費(約800万ドル)の減少に起因して増加しました。
2009年度と2008年度の比較: 2009年度の支払ソリューションズ部門の純売上高合計は、2008年度と比べ、3700万ド
ル又は15%増加しました。2009年度における収益増加は、中核となる商業者向けサービスの顧客ベースの増加(14%)
及び2008年2月に買収したECHOからの収益によるものでした。2009年度の顧客当たりの取引量は、2008年度に比べて
約8%減少しました。これは、経済環境に関連する消費者支出の全般的な減少を反映したものです。ECHOからの収益を
除くと、2009年度の支払ソリューションズ部門の収益は、2008年度に比べて約8%増加しました。
2009年度の支払ソリューションズ部門の営業利益が同部門の売上高に占める比率は、2008年度の17%から減少し、
11%になりました。上記に記載されたとおり2009年度の売上高の増加は、部門売上原価及び費用の4900万ドルの増加
に相殺されても余るものとなりました。2009年度における部門費用の合計には、当社のECHOの2008年2月の買収によ
る約1500万ドルの増加、中心的な商業者向けサービス事業における売上原価の増加による約1100万ドル、中心的な商
業者向けサービス事業における販売・マーケティング費用の増加による約700万ドル及び製品開発費用の増加によ
る約400万ドル、並びにインフラ投資の減価償却費の増加による約400万ドルの増加が含まれます。
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消費者向け税務部門
(百万ドル)
製品売上
2010年度
2009年度
2008年度
$275
$256
$311
サービス・その他売上
871
740
618
部門における売上合計
$1,146
$996
$929
33%
32%
31%
$746
$629
$588
65%
63%
63%
対売上合計比率
2010-2009
前年比
(%)
2009-2008
前年比
(%)
15%
7%
19%
7%
部門別営業利益
対同部門売上高比率
消費者向け税務部門の製品売上高は、主に連邦及び州のTurboTaxの顧客及び中小企業デスクトップ納税申告準備ソ
フトウェアに基づいています。消費者向け税務部門サービス及びその他の売上高は、主にTurboTax Online納税準備
サービス及び電子納税申告サービスに基づいています。
2010年度と2009年度の比較: 2010年度の消費者向け税務部門の純売上高合計は、2009年度と比べ、1億5000万ドル又
は15%増加しました。2010年度において、連邦税申告書作成ソフトであるTurboTaxの販売総数は11%増加し、オンラ
インの連邦税申告書作成ソフトであるTurboTax Onlineの販売総数は19%増加しました。オンラインの連邦税申告書
作成ソフトの販売総数は、2009年の消費者納税申告期間において、連邦税申告書作成ソフトであるTurboTaxの販売総
数の70%超になりました。
2010年度の消費者向け税務部門の営業利益の同部門の売上高に占める比率は、2009年度の63%に比べて増加し、
65%でした。2010年度の消費者向け税務部門の売上高における成長は、部門の売上原価及び費用の増加により部分的
に相殺されました。かかる売上原価及び費用には、TurboTax 2009の開始及びこれに続くプロモーションをサポート
するための広告及びその他のマーケティング・販売経費における約1100万ドルの増加を含みます。
2009年度と2008年度の比較: 2009年度の消費者向け税務部門の純売上高合計は、2008年度と比べ、6700万ドル又は
7%増加しました。2009年度における収益増加は、TurboTax Onlineの販売総数が36%増加したことにより、連邦税申
告書作成ソフトであるTurboTaxデスクトップの販売総数の減少(11%)を相殺して余りあるものとなったことにより
ます。当社は2008課税年度について、初めてTurboTaxデスクトップ・ソフトウェアに連邦税電子申告サービスを組み
込みました。関連する価格の上昇を除くと、この決断により、2009年度には消費者向け税務部門の収益が約2500万ド
ル減少したと見積もっています。
2009年度の消費者向け税務部門の営業利益の同部門の売上高に占める比率は、63%と2008年度から横ばいとなりま
した。2009年度の消費者向け税務部門の売上高における成長は、部門の売上原価及び費用の増加により部分的に相殺
されました。かかる売上原価及び費用は、TurboTax 2008の開始及びこれに続くプロモーションをサポートするため
の広告及びその他のマーケティング経費における約1600万ドルの増加並びに研究及び開発経費における約700万ド
ルの増加を含みます。
会計専門家向け部門
(百万ドル)
製品売上
2010年度
2009年度
2008年度
$303
$322
$302
サービス・その他売上
70
30
25
部門における売上合計
$373
$352
$327
31/172
2010-2009
前年比
(%)
6%
2009-2008
前年比
(%)
8%
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有価証券報告書
対売上合計比率
11%
11%
11%
$210
$186
$162
56%
53%
50%
部門別営業利益
対同部門売上高比率
13%
14%
会計専門家向け部門製品の売上高は、主にProSeries及びLacerte専門税務申告準備ソフト製品、並びにQuickBooks
Premier会計士向けエディション及びプロの会計士のためのプロアドバイザープログラムに基づいています。会計専
門家向け部門サービス及びその他の売上高は、主に電子納税申告サービス、銀行製品送信サービス及び研修サービス
に基づいています。
2010年度と2009年度の比較:2010年度の会計専門家向け部門純売上高合計は、値上げにより、2009年度に比べて
2100万ドル又は6%増加しました。
2010年度の会計専門家向け部門の営業利益の同部門の売上高に占める比率は、2009年度の53%に比べて増加し、
56%でした。これは、この部門の商品開発及びカスタマー・サポート機能において2010年度に達成された、収益の増
加及び運営効率の改善によるものです。
2009年度と2008年度の比較: 2009年度の会計専門家向け部門の純売上高合計は、価格引き上げの影響により、2008
年度と比べ2500万ドル又は8%増加しました。
2009年度の会計専門家向け部門の営業利益の同部門の売上高に占める比率は、2009年度におけるより高い収益及び
比較的安定的な売上原価及び費用によって、2008年度の50%に比べて増加し、53%でした。
金融サービス部門
(百万ドル)
製品売上
2010年度
2009年度
2008年度
$-
$-
$-
サービス・その他売上
332
311
298
部門における売上合計
$332
$311
$298
10%
10%
10%
$71
$69
$57
21%
22%
19%
対売上合計比率
2010-2009
前年比
(%)
2009-2008
前年比
(%)
7%
4%
2%
22%
部門別営業利益
対同部門売上高比率
当社の金融サービス部門は、金融機関部門として以前から知られていました。金融サービス部門のサービス及びそ
の他の売上高は、主に外部委託のオンライン・バンキング・ソフトウェア製品に基づいています。この製品は、当社
のデータセンターをホストとして、オンデマンド・サービス製品として銀行及び信用組合に提供されています。
2010年度と2009年度の比較:金融サービス部門の純売上高合計は、2009年度と比較して、2010年度において2100万
ドル又は7%増加しました。料金支払い売上高及びFinance Works売上高の増加が、ほぼ等しく売上高の成長を牽引し
ました。料金支払い売上高は、料金支払いエンドユーザーの18%の増加及び取引量の増加により成長しました。ユー
ザー当たりの低い売上高が、料金支払いエンドユーザーの顧客ベースの成長を部分的に相殺されました。
FinanceWorksは、2009年度の間に導入されました。
2010年度の金融サービス部門の営業利益の同部門の売上高に占める比率は、2009年度の22%に比べて僅かに減少
し、21%でした。これは、売上高の増加が、部門の売上原価及び費用の増加に部分的に相殺されたことによるもので
す。売上原価は、売上量、売上品構成及びデータセンター費用の増加によって約1400万ドル増加しました。
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2009年度と2008年度の比較: 2009年度の金融サービス部門の純売上高合計は、2008年度と比べ、1300万ドル又は4%
増加しました。2009年度、インターネットバンキングのエンドユーザー数は3%増加し、料金支払いエンドユーザー数
は20%増加しました。顧客当たりの売上高減少により、インターネットバンキング及び料金支払いサービスの顧客
ベースの増加が一部相殺されました。
2009年度の金融サービス部門の営業利益の同部門の売上高に占める比率は、2009年度におけるより高い収益及び比
較的安定した売上原価及び費用によって、2008年度の19%に比べて増加し、22%でした。
その他の事業部門
(百万ドル)
製品売上
2010年度
2009年度
2008年度
$172
$150
$178
サービス・その他売上
90
65
78
部門における売上合計
$262
$215
$256
7%
7%
8%
$64
$62
$90
25%
29%
35%
対売上合計比率
2010-2009
前年比
(%)
2009-2008
前年比
(%)
22%
-16%
5%
-31%
部門別営業利益
対同部門売上高比率
その他の事業部門は、主にQuicken、Mint.com及び(当社が2010年5月に買収したMedfusion, Inc.によって定着し
た)Intuit Health、並びにカナダ及びイギリスでの当社事業から成ります。Quicken製品売上高は、主にQuickenデス
クトップ・ソフト製品からあがってきます。Quickenサービス及びその他の売上高は、主に消費者オンライン取引料
及びQuicken Loans商標のロイヤルティからあがってきます。Mint.comサービス収益は、主に見込み顧客の情報獲得
にかかる手数料からあがってきます。Intuit Healthサービス収益は、オンラインによる患者対プロバイダ通信サー
ビスからあがってきます。カナダでは、製品売上高は主にQuickBooks及びQuickenのローカライズされたバージョン
並びに消費者向けデスクトップ用納税申告書作成ソフト及び専門家向け納税申告書ソフト製品からあがってきま
す。カナダにおけるサービス収益は、主に給与計算サービスからの収益と、QuickBooksサポートプランからなります。
イギリスでは、製品売上高は主にローカライズされたQuickBooks及びQuickBooks Payrollからあがってきます。
2010年度と2009年度の比較: その他の事業部門純売上高合計は、2010年度、2009年度と比較して4,700万ドル又は
22%増加しました。2010年度、売上数量の増加及び当社カナダ事業における好ましい外国為替レートのインパクトに
よって、Quicken収益が23%増加したことにより、収益が増加しました。ドル安によって、2010年度、その他の事業部門
セグメント収益が2009年度と比較して約7パーセント増加しました。
その他の事業部門セグメント営業利益の関連収益に対する割合は、2009年度の29%から2010年度の25%に減少しま
した。上記に記載されたように2010年度の収益増加は、当社の2009年11月のMint買収に関連する売上原価及び費用の
増加、並びに当社の新興市場オポテュニティへの引き続きの投資により相殺されました。カナダの売上原価及び費用
もまた、ドル安によって2010年度に増加しました。
2009年度と2008年度の比較: 2009年度のその他の事業部門の純売上高合計は、2008年度と比べ、4100万ドル又は
16%減少しました。Quicken販売高は、2009年度15%減少しました。これは個人消費が全般的に減少したことによるも
のだと当社は考えています。さらに、2009年度には、米ドル高により当社カナダ事業及び英国事業の収益が減少した
結果、2008年度と比較して、その他の事業部門セグメント収益の成長が約7パーセント低下しました。
2009年度のその他の事業部門の営業利益の同部門の売上高に占める比率は、2009年度のその他事業部門の収益の減
少のため、2008年度の35%から、29%に減少しました。外国為替相場のインパクトにより、当社のカナダ事業及びイギ
リス事業の収益が約2300万ドル減少し、さらに、全セグメント売上原価及び費用も約1300万ドル減少しました。
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売上原価
(百万ドル)
製品売上原価
2010年度
$144
10%
$156
11%
$154
10%
460
23%
422
24%
381
25%
49
該当なし
59
該当なし
55
該当なし
$653
19%
$637
20%
$590
20%
サービスその他売上原価
取得した技術の償却費
売上原価合計
売上に占める
売上に占める
売上に占める
比率(%)
2009年度
比率(%)
2008年度
比率(%)
当社の売上原価は3つの項目から構成されています。(1)製品売上原価。これは当社のデスクトップ・ソフトウェア
製品の製造、出荷の直接原価です。(2)サービスその他売上原価。これは、サービスの提供に係わる直接原価で、オンラ
イン・サービスの納入に関連するデータセンター費用並びに売上の対象部門への分配及びオンライン取引の売上に
関連する費用が含まれます。そして、(3)取得した技術の償却費。 これは、買収により取得した開発済技術を耐用年数
期間中かけて償却するための費用です。
2010年度と2009年度の比較: 2010年度の製品売上原価の製品収益に対する比率は、製品ミックスにより、2009年度
の11%から僅かに減少し、10%となりました。2010年度のサービスその他売上原価のサービスその他収益に対する比
率は、2009年度の24%から減少し、23%となりました。これは、当社の他のサービス製品より比較的売上原価が低い
TurboTax Onlineで販売数が増加したことによります。
2010年度の取得した技術の償却費は、当社が2007年度に取得した特定の金融サービス部門無形資産の償却が完了し
たため、2009年度と比較して減少しました。当社は、今後使用する予定のない当社財務管理ソリューションズ部門の
特定の取得した技術のために、600万ドルの費用を計上し、償却費の減少が一部相殺されました。
2009年度と2008年度の比較: 2009年度の製品売上原価の製品収益に対する比率は、製品ミックスにより、2008年度
の10%からわずかに増加し、11%となりました。2009年度のサービスその他売上原価のサービスその他収益に対する
比率は、2008年度の25%からわずかに減少し、24%となりました。これは、当社の他のサービスより比較的サービス収
益原価の低いTurboTax Online及び消費者向けの電子納税申告サービスの販売数の増加によるものです。この増収
は、2009年度のサービスその他売上原価に含まれる、2009年5月に取得した技術ライセンスに係る1300万ドルの費用
により、一部相殺されました。
2009年度の取得した技術の償却費は2008年度と比べ、増加しましたが、これは主に当社が2008年度に買収した
Homestead及びECHOの購入無形固定資産の償却によるものです。
営業費用
(百万ドル)
販売費及び市場開拓費
2010年度
純売上高合計
に占める
比率(%)
2009年度
純売上高合計
に占める
比率(%)
2008年度
純売上高合計
に占める
比率(%)
$976
28%
$907
29%
$841
28%
研究開発活動費
573
17%
556
18%
593
20%
一般管理費
348
10%
284
9%
290
10%
42
1%
42
1%
35
1%
$1,939
56%
$1,789
57%
$1,759
59%
その他購入された無形資産の償却費
営業費用合計
2010年度と2009年度の比較: 2010年度の営業費用合計の純売上高に占める比率は2009年度の57%から僅かに減少
し、56%となりました。収益は3億4600万ドル増加し、営業費用合計は2010年度1億5000万ドル増加しました。営業費用
合計の増加には、当社の業績に直接関係するインセンティブ報酬にかかる費用の増加に起因する約4200万ドル、そし
て取得した事業の営業費用約4600万ドルが含まれていました。
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2009年度と2008年度の比較: 2009年度の営業費用合計の純売上高に占める比率は、2008年度の59%から57%に減少
しました。収益は1億1600万ドル増加し、営業費用合計は3000万ドル増加しました。営業費用合計は、買収事業の営業
費用(約3200万ドル)、TurboTax 2008及びQuickBooks 2009の販売開始とそれに続く販促活動に伴う広告宣伝費(約
3100万ドル)、当社のインフラ投資の減価償却費(約2700万ドル)、そして株式に基づく報酬の費用(約1700万ドル)に
よって増加しました。株式に基づく報酬費用は2008年度に比べて2009年度に増加しましたが、これは、当社がストッ
クオプションに加えて制限付株式ユニットを幅広く活用したことによります。これらの増加は、業績に基づくインセ
ンティブ報酬及びその他の報酬の支払い額の減少(約4500万ドル)、並びに人件費及び退職給付金の支払額の減少(約
3300万ドル)により、一部相殺されました。
買収関連費用は2008年度に比べて2009年度に増加しましたが、これは主に、当社が2008年度に買収したHomestead及
びECHOの購入済無形固形資産の償却費によるものです。
営業外利益及び営業外費用
支払利息
2007年3月、当社は10億ドルの優先社債を発行しました。2010年度における6100万ドル、2009年度における5100万ド
ル及び2008年度における5200万ドルの支払利息の大部分は、元本5億ドルの5.40%優先社債の利息及び元本5億ドル
の5.75%の優先社債の利息でした。これらの社債の償還期限は、2012年3月と2017年3月です。これらの優先社債は、
メークホール・プレミアムを支払うことにより、いつでも償還が可能です。
受取利息その他の利益
(単位:百万ドル)
受取利息
2010年度
2009年度 2008年度
$9
$21
$39
役員繰延報酬制度資産の純収益(損失)
4
(6)
(3)
Quicken Loansロイヤルティ・手数料
-
8
8
為替差益(差損)
1
(1)
1
(1)
(1)
1
その他
受取利息その他の利益計
$13
$21
$ 46
受取利息その他の利益は、主に受取利息から構成されます。金利の低下による影響は、平均投資額の増加を相殺して
あまりあるものとなり、2010年度及び2009年度において、各前年度比で受取利息が減少しました。一般的に公正妥当
と認められる会計原則に従い、当社は役員繰延報酬制度資産に関連する損益を受取利息その他の利益に、またそれに
かかる負債に関連する損益を営業費用に計上します。営業費用に計上された合計金額は、受取利息その他の利益に計
上した合計金額を概ね相殺するものとなっています。2009年度及び2008年度の受取利息その他の利益には、2002年7
月にQuicken Loans 抵当貸付事業を売却したときに締結した商標権、ライセンス契約及び販売店契約に基づくロイ
ヤルティや手数料が含まれています。
所得税
実効税率
2010年度の当社の実効税率は、約34%でした。同年、当社は、当社の米国外子会社の一部からの利益の分配と関連し
た外国税額控除、及び当社の海外展開計画として海外子会社の収益のほぼ全額を無期限に再投資するという当社計
画に関連して、個別のタックス・ベネフィットを約2000万ドル計上しました。これら個別のタックス・ベネフィット
を除いて、2010年度の当社の実効税率は約36%で、連邦法定法人所得税率である35%とそれほどの差異はありません
でした。州法人所得税は、国内生産活動にかかる控除及び連邦税の試験研究費税額控除制度によって当社が受けたベ
ネフィットにより、部分的に相殺されました。
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2009年度の当社の実効税率は、約31%でした。同年、当社は、当社が2009年度までに終了した課税年度を含む課税年
度について課税当局との間で締結した、当社にとって有利な条件の契約に関連する個別のタックス・ベネフィット
約1800万ドル、及び2009年12月31日までの連邦税の試験研究費税額控除制度が2008年1月1日に遡って復元されるこ
とによる700万ドルを計上しました。これら個別のタックス・ベネフィットを除けば、当該期間における当社の実効
税率は約35%であり、連邦法定法人税率である35%と大きく異なるものではありませんでした。州法人所得税は、連
邦税及び州税の試験研究費税額控除制度、国内生産活動にかかる控除並びに税金控除の対象となる受取利息により、
相殺されました。
2008年度の当社の実効税率は約35%であり、連邦法定法人所得税率(35%)とそれほどの差異はありませんでした。
州法人所得税は、税金控除の対象となる受取利息、国内生産活動にかかる控除、並びに連邦税及び州税の試験研究費
税額控除制度により、相殺されました。
税金の繰越し
2010年7月31日現在、当社は、繰越営業損失が約8400万ドルあり、2020年度以降これらが失効します。繰越営業損失の
利用は、年次制限の対象となります。当該制限によって、純営業損失を利用する前に純営業損失が失効してしまう可
能性があります。
2010年7月31日現在、当社は、連邦外国税額控除の超過額約2200万ドルを有していましたが、そのうち、200万ドルに
ついては過年度について繰戻還付が可能となっており、2000万ドルについては将来に繰り越すことができます。外国
税額控除繰越金は、2020会計年度で失効し始めます。外国税額控除を利用する当社の能力は、繰越金の期間中に充分
な国外源泉所得を有するか否かに依存します。国外源泉所得が限定的なものである場合、外国税額控除の利用前に外
国税額控除が失効してしまうことがあります。
2010年7月31日現在、当社には約1億6300万ドルの州税純営業損失繰越金(うち、繰延税金資産を900万ドル、評価引当
金を700万ドル計上しています)がありました。州の純営業損失は、2014年度で満了し始めます。純営業損失の利用は、
年次制限の対象となります。当該制限によって、純営業損失を利用する前に純営業損失が失効してしまう可能性があ
ります。
繰延税金資産(純額)
2010年7月31日現在、当社には1億5800万ドルの純繰延税金資産(うち、州及び国外の税に関連する繰越営業純損失繰
越金に関連する評価引当金800万ドルを含む)がありました。当社は、繰延税金資産の失効前にそれを利用することが
できるかどうかについての不確実性を反映するために評価性引当金を計上しました。当社の評価性引当金は充分で
あると考えていますが、将来、繰延税金資産の一部が実現しない可能性が高まった場合は、評価性引当金を追加する
必要が生じる可能性があります。当社は、四半期ベースで、評価性引当金を調整する必要があるかどうかを見直して
います。この見直しは当社が繰延税金資産の実現可能な期間にわたり事業活動を行う管轄地域における、将来の課税
所得の当社見積りに基づくものです。
非継続事業及び処分
2010年度及び2008年度中、当社は以下に記載する事業及び資産を売却しました。
Intuit Real Estate Solutionsの非継続事業化
2010年1月に、当社は当社Intuit Real Estate Solutions(IRES)事業を現金1億2800万ドルで売却し、3500万ドルの
売却純収益を計上しました。IRESは当社のその他の事業部門の一部でした。当社はIRESを非継続事業とみなし、売却
前の期間にわたる当社の損益計算書の継続事業からIRESの営業成績を分離しました。IRESの収益は、2010年度には
3300万ドル、2009年度には7400万ドル、そして2008年度には7800万ドルでした。
Intuit Distribution Management Solutionsの非継続事業化
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2007年8月、当社は、当社のIntuit Distribution Management Solutions(IDMS)事業を現金1億ドルで売却し、2800万
ドルの売却純利益を計上しました。IDMSは当社のその他の事業部門の一部でした。当社はIDMSを非継続事業とみな
し、売却前の期間にわたる当社の損益計算書の継続事業からIDMSの営業成績を分離しました。IDMSの収益は、2008年
度には200万ドルでした。
給与計算処理受託事業の売却
2007年3月、当社は、当社のComplete Payroll and Premier Payroll Service事業に関連する一定の資産を
Automatic Data Processing, Inc.(ADP)に売却しました。売買契約の条件に基づいて、顧客は売却後約1年間でADPに
移行しました。当社は、2008年度において、その年中にADPに移管した顧客に関連し、5200万ドルの税引き前利益を計
上しました。当社は、本取引の開始から2008年度第3四半期における終了時までの間で、合計8300万ドルの税引き前利
益を計上しました。資産は、従業員管理ソリューションズ部門の一部でした。
流動性と資本の源泉
概 要
2010年7月31日現在、当社の現金、現金同等物及び投資の総額は16億ドルで、下記「キャッシュ・フロー計算書」に記
載される要因により、2009年7月31日から2億7500万ドルの増加となりました。当社の流動性の主要な源泉は、営業活
動により生じるキャッシュ・フローで、これには製品及びサービスにかかる売掛金の回収額が含まれます。当社の主
要な現金の使途は、研究開発プログラム、販売及びマーケティング活動、資本プロジェクト、事業買収、負債回収コス
ト並びに当社普通株式買戻しです。2010年8月19日において、当社は、2013年8月16日に終了するまでの3年間に渡り随
時、当社の普通株式を追加で20億ドルまで買い戻すことができる新しい株式買戻しプログラムを発表しました。
2007年3月、当社は、合計10億ドルの5年及び10年の無担保優先社債を発行しました。当社はまた、5億ドルの無担保信
用枠を有しています。現在のところ、当社は当該信用枠に基づく借入れを行っていません。
以下は、記載された日における当社の流動性及び資本の源泉について、その指標を示したものです。
(単位:100万ドル)
現金及び現金同価物並びに投資
2010年
7月31日
2009年
変動比率
7月31日 変動額
(%)
$1,622
$1,347
長期投資
91
97
(6)
(6%)
長期債務
998
998
-
0%
運転資本
1,074
884
190
21%
流動比率
$275
20%
1.9 : 1 1.8 : 1
オークション・レート公債
2010年7月31日現在、当社は8700万ドルのオークション・レート公債を保有しており、原資産の満期に基づき、当社は
これらを長期投資資産として分類しました。これらのオークション・レート公債は全て、大手格付機関からA以上の
格付を得ており、米国教育省が保証する学生ローンにより概ね担保されています。世界的な信用市場の流動性の低下
を受けて、2008年2月から、当社が保有するオークション・レート公債に対する入札が不成立に終わるケースが見られ
るようになり、そして権威ある指針に従い当社は当社が考案した割引キャッシュ・フロー・モデルに基づきこれら
の公正価値の推定を開始しました。2008年11月、当社は当社のオークション・レート公債のブローカー・ディーラー
の1つであるUBS AG(以下、「UBS」という)からのオファーを受諾しました。かかるオファーは、当社に対し、当社がUBS
を通じて保有しているオークション・レート公債の全てを、その額面価額でUBSに売却するオプションを与えまし
た。2010年6月、UBSはかかるオファーの対象であるオークション・レート公債の残額1億1000万ドルを、額面で決済し
ました。当社の予測営業キャッシュ・フロー及びその他の現金の供給源に基づき、当社が2010年7月31日時点で保有
していたオークション・レート公債の流動性の低下は、当社の流動性の需要を満たす全般的な能力に重要な影響を及
ぼすことはないと考えております。
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キャッシュ・フロー計算書
以下は、当社の2010年度、2009年度及び2008年度のキャッシュ・フロー計算書の項目を抜粋したものです。
(単位:100万ドル)
2010年度
2009年度 2008年度
以下の活動による純キャッシュ・フロー
営業活動
$998
$812
投資活動
(997)
(432)
(87)
財務活動
(467)
(110)
(586)
為替レートの変化が現金に及ぼす影響
1
(4)
$830
1
現金及び現金同価物の純増加額
(465)
266
158
営業活動
当社は、2010年度において、継続事業から9億9800万ドルの現金を生み出しました。これには、継続事業による純利益
5億3900万ドル並びに2億5600万ドルの減価償却費及び1億3500万ドルの株式に基づく報酬費用にかかる調整が含ま
れました。償却費は、2010年度、2007年度に当社が取得した金融サービス部門の特定の無形資産の償却が完了したこ
とにより、2009年度と比較して減少しました。当社は、今後使用する予定のない当社財務管理ソリューションズ部門
の特定の取得した技術の消却のために600万ドルの費用を計上し、2010年度の償却費の減少が一部相殺されました。
当社は、2009年度において、継続事業から8億1200万ドルの現金を生み出しました。これには、継続事業による純利益
4億4700万ドル並びに2億7500万ドルの減価償却費及び1億3300万ドルの株式に基づく報酬費用にかかる調整が含ま
れました。2009年度の減価償却費は2008年度と比べて増加しましたが、これは2009年度下半期に当社が占有を開始し
たデータセンターの償却に一部起因するものです。2009年度の株式に基づく報酬費用は2008年度と比べて増加しま
したが、これは当社がストックオプションに加えて制限付株式ユニットを幅広く活用したことによるものです。
当社は、2008年度において、継続事業から8億3000万ドルの現金を生み出しました。これには、継続事業による純利益
4億4700万ドル並びに2億1700万ドルの減価償却費及び1億1300万ドルの株式に基づく報酬費用にかかる調整が含ま
れました。2008年度の減価償却費は2007年度と比べて増加しましたが、これは2008年度初めに当社が占有した賃借物
件改良費の償却に一部起因するものです。同期間における償却費は増加しましたが、これは主に2007年2月の
Digital Insight買収によるものです。2008年度の株式に基づく報酬費用は2007年度と比べて増加しましたが、これ
は当社がストックオプションに加えて制限付株式ユニットを幅広く活用したことによるものです。
投資活動
当社は、2010年度、投資活動のために9億9700万ドルの現金を使用しました。当社は、Intuit Real Estate Solutions
事業の売却によって正味1億2200万ドルの現金を受領しました。当社は、投資資産の純取得のために8億9500万ドル、
事業買収(主にMint及びMedfusion)のために2億1800万ドル及び資本支出のために1億3000万ドルの現金を使用しま
した。
当社は、2009年度、投資活動のために4億3200万ドルの現金を使用しましたが、それには、事業買収(主にPayCycle)の
ための1億6100万ドル、資本支出のための1億8200万ドル及び投資資産の純取得のための6700万ドルが含まれます。
2009年度の資本的支出には、当社が2009年下半期に占有を開始した新しいデータセンターへの投資が含まれます。
当社は、2008年度、投資活動のために8700万ドルの現金を使用し、これらには、事業買収(主にHomestead及びECHO)の
ための2億5600万ドル及び資本支出のための3億600万ドルが含まれていますが、これらは、投資の正味売却による3億
4800万ドルの受領並びに当社Intuit Distribution Management Solutions事業及び特定の外部受託給与計算処理
サービス資産の売却による1億3200万ドルの受領によって、部分的に相殺されました。2008年度の資本的支出には、当
社の事業の成長を支えるための、新しいデータセンターへの投資及びオフィス機能の拡充が含まれます。
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財務活動
当社は、2010年度、4億6700万ドルの現金を財務活動に使いました。そのうち9億ドルは当社の株式買戻し計画に基づ
く普通株式の買戻しに使いましたが、従業員株式計画に基づく普通株式の発行による4億4000万ドルの受領により一
部相殺されました。
当社は、2009年度、1億1000万ドルの現金を財務活動に使いました。そのうち3億ドルは当社の株式買戻し計画に基づ
く普通株式の買戻しに使いましたが、従業員株式計画に基づく普通株式の発行による1億9800万ドルの受領により一
部相殺されました。
当社は、2008年度、5億8600万ドルの現金を財務活動に使いました。そのうち8億ドルは当社の株式買戻し計画に基づ
く普通株式の買戻しに使いましたが、従業員株式計画に基づく普通株式の発行による2億300万ドルにより一部相殺
されました。
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株式買戻しプログラム
当社の取締役会は、一連の普通株式取得計画を承認しました。当該計画に基づき取得された普通株式は、自己株式と
なります。2010年度、2009年度中及び2008年度中において、当社は当該計画に基づき、当社普通株式2870万株を9億ド
ルで、1090万株を3億ドルで、2720万株を8億ドルで買い戻しました。2010年7月31日において、当社は株式買戻しのた
めに当社の取締役会より承認された全ての資金を使用しました。2010年8月19日において、当社は、2013年8月16日に
終了するまでの3年間に渡り随時、当社の普通株式を追加で20億ドルまで買い戻すことができる新しい株式買戻しプ
ログラムを発表しました。
優先無担保債券にかかる約定
2007年3月12日に、当社は2012年3月15日満期の5.40%優先無担保社債(「2012年債」)5億ドル及び2017年3月15日満期
の5.75%優先無担保社債(「2017年債」)5億ドル(あわせて、「本社債」)を発行しました。本社債は、メークホール・プレ
ミアムを支払うことにより、当社においていつでも償還が可能です。利息は、毎年2回3月15日及び9月15日に支払われ
ます。2010年7月31日現在、本社債に基づく利払いにかかる当社の最高約定額は、2億5500万ドルでした。
当社は、当社の継続的資金管理活動の一部として金融市場をモニタします。当社は現在、2012年債の満期時において
営業活動によるキャッシュを使用して当該債券を償還するか、又は金融市場がその時有利である場合には、当該債券
を借り替えることを意図しています。
無担保回転信用枠
2007年3月22日、当社は、いくつかの貸付機関との間で、2012年3月22日に満期となる5億ドルの無担保回転信用枠の
契約を締結しました。当該信用枠に基づく借入金には、当社の選択に基づき、Citibankの基準金利又はロンドン銀行
間貸し手金利(LIBOR)のいずれかに対して、当社の優先債券信用格付けに基づいて0.18%から0.575%の利ざやを上
乗せしたものに相当する利子が生じます。適用利率は、借入金及び信用枠に基づく信用状の元本総額が2億5000万ド
ルを超えるすべての期間に対して、0.05%増加されます。当契約には、当社の負債合計対年間利益(支払利息・税金・
減価償却・償却控除前利益、すなわちEBITDA)の比率が3.25対1.00を超えず、年間EBITDA対未払利息の比率が3.00対
1.00を下回ってはならないという条項が含まれています。当社は、2010年7月31日時点で、これらの誓約を遵守してい
ました。当社は、当該信用枠に基づき借入れた金員を一般的な企業目的のため又は将来の企業買収又は当社事業の拡
大のために利用することがあります。当社は、現在の時点まで、当該信用枠に基づく借入れを行っておりません。当社
は信用枠を供与する金融機関に関連するカウンターパーティー・リスクを監視しています。現在のところ、当社が信
用枠に基づく借入を行おうとした場合には、かかる信用枠が設定可能であろうと考えております。
企業結合
当社は、2010年7月31日に終了する3事業年度中に以下の企業結合及び買収を完了しました。当社は、それら全てにつ
いて、取得日以降の各々の業績を、当社連結業績に含めています。取得日までの期間におけるこれらの企業の業績は、
当社の連結業績と比較すると、個別としても全体としても、重要でありませんでした。
2010年5月21日に、当社は約8900万ドルの対価で、非公開会社であるMedfusion, Inc.を取得しました。対価には、3年
の勤務期間にわたり費用化される、現金による残留特別手当の公正価値として、約1000万ドルが含まれていました。
Medfusionはオンラインで患者対プロバイダの通信ソリューションを提供しており、当社のその他の事業部門セグメ
ントの一部になりました。
2009年11月2日に、当社は約1億7000万ドルの対価で、Mint Software Inc.の全発行済株式を取得しました。対価に
は、現金による残留特別手当、承継される株式報酬の公正価値及びMint Series D Preferred Stockの保有者に対し
発行されるIntuit普通株式として、約2400万ドルが含まれていました。この2400万ドルは、3年の勤務期間にわたって
費用化されます。ミントはオンライン・パーソナル・ファイナンス・サービスの提供者で、当社のその他の事業部門
セグメントの一部になりました。
2009年7月23日に、当社は約1億6900万ドルの売買価格で、PayCycle, Inc.の全発行済株式を取得しました(売買価
格には承継される特定のストック・オプションの公正価値が含まれます。)。PayCycleは小規模事業向けのオンライ
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ン給与処理ソリューションズの提供者で、当社の従業員管理ソリューションズ部門の一部になりました。
2008年2月29日に、当社は、約1億3100万ドルの対価で、Electronic Clearing House, Inc. (ECHO)の全発行済株式を
取得しました。ECHOは中小企業に対する電子決済処理業務の提供者で、当社のPayment Solutions部門の一部になり
ました。
2007年12月18日に、当社は、完全希釈化後ベースで約1億7000万ドルの対価で、Homestead Technologies Inc.及びそ
の全発行済株式を取得しました。対価は、売買価格1億4600万ドル(承継されたストック・オプションのうち権利が確
定したものについての公正価値が含まれます。)、並びに承継されたストック・オプションのうち権利が確定してい
ないもの及び承継された制限付き株式ユニットの公正価値2400万ドルから成っていました。Homesteadは中小企業向
けウェブサイトデザイン及びホスティングサービスの提供者で、当社の財務管理ソリューションズ部門セグメント
の一部になりました。
流動性及び資本の源泉の要請
当社は、技術又は事業の買収、他社との戦略的関係の確立及び他社に対する投資の利点を継続的に評価します。当社
は将来、現金及び現金同等物、投資並びに当社の信用枠の極度額を、かかる活動のために利用する旨の決定を行う場
合があります。
過去の実績と現在の予想に基づき、当社は、当社の現金及び現金同等物、投資並びに営業活動から生じた現金が、少
なくとも今後12ヶ月間に予想される季節的運転資本ニーズ、設備投資、契約債務及びコミットメント並びに当社営業
に関連したその他の流動性要件を十分に満たしうると信じております。
オフバランスシート取引
2010年7月31日現在、当社は、レギュレーションS−Kアイテム303(a)(4)(ii)において定義されている、重要なオフバ
ランスシート取引(significant off-balance sheet arrangement)を行っておりません。
契約債務
下記の表は、2010年7月31日現在で当社が把握している契約債務をまとめたものです。
期限別支払額
(単位:百万ドル)
役員報酬繰延制度に基づく未払金額
1年未満
1年以上 3年以上
3年未満 5年未満 5年以上
合計
$43
$-
$-
$-
$43
-
500
-
500
1,000
長期債務の利息及び手数料
56
84
58
57
255
支払ライセンス料(1)
10
20
20
40
90
オペレーティング・リース
53
88
70
71
282
購入契約債務(2)
61
31
6
-
98
$223
$723
$154
優先無担保社債券
契約債務額合計(3)
$668 $1,768
(1) 2009年5月、当社は現金2000万ドル及び10事業年度にわたる1億ドルの支払を条件として、技術ライセンスの利
用に係る契約を締結しました。
(2) 製品及びサービス購入にかかる契約のうち、執行可能で法的拘束力を持ち、固定、最小又は変動購入数量及び
支払期日等の個々の条件が定まっているものを指します。
(3) 2010年7月31日現在の当社の貸借対照表上その他の長期債務に含まれる、長期の不確実なタックス・ベネ
フィット2000万ドルを除きます。税務調査で解決する場合においてその解決のタイミングを合理的な確信を
もって見積もることができないため、上記の表にはこの額は含まれていません。
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最近公表された会計基準
Accounting Standards Update(ASU)2009-13号(Topic 605)「複数の製品・サービスが提供される取引の収益の配分
に係る会計処理―FASB Emerging Isuues Task Forceコンセンサス」
2009年10月に、米国財務会計基準審議会(以下、「FASB」といいます。)はAccounting Standards Update(ASU)第
2009-13号「複数の製品・サービスが提供される取引の収益の配分に係る会計処理―EITFコンセンサス 」(Topic
605)を公表しました。この最新版は、ASC Topic 605「収益の認識」における基準を改正する規定で、販売価格の階層を
確立することによって複数の製品・サービスが提供される取引の対価を分離するというものです。各製品・サービ
スにつき使用する販売価格は、売主に特有の客観的な証拠(VSOE)がある場合には、それに基づきます。VSOEがない場
合には第三者の証拠に基づきます。VSOEも第三者の証拠も利用できない場合には、見積販売価格に基づきます。ASU第
2009-13号はまた、取引対価の配分において残余法を除去し、全ての取引対価について、相対販売価格法を用いて取引
開始時に取引対価を割り当てることを要求しています。ASU 第2009-13号は、2010年6月15日以降に開始される事業年
度において締結されたか重要な点において変更された収益取引について適用されます。つまり、当社の場合には2010
年8月1日に開始する事業年度から適用を受けるということになります。当社は当該Updateを評価しているところで
あるため、当該Updateの採択が当社の財務状態、業績又はキャッシュ・フローにもたらす影響を決定するには至って
おりません。
訴訟手続き
当社は、要求、請求、係争の虞のある訴訟のなどのほか、商標侵害及び他者の知的財産権等の侵害の訴えなど、通常の
営業過程において生じる訴訟手続きの対象となっています。当社は、係争中のあらゆる請求(単独か併合かを問わず)
に関する責任総額は、もし発生したとしても、当社の財政状態、営業の概況又はキャッシュ・フローに重大な悪影響
を及ぼすものではないと現在は考えています。しかし、いかなる訴訟もその最終的な結果は確定しておらず、結果の
如何を問わず、弁護費用、宣伝効果の低下、経営資源の流用、あるいはその他の要因により、重大な悪影響を及ぼす可
能性があります。必要許可その他の権利の未取得及び知的財産権に起因する訴訟は、当社の事業に対し、重大な悪影
響を及ぼす可能性があります。 2 【生産、受注及び販売の状況】
生産状況
当社の製品は多種多様であるため、当社の製造する製品の結果を定量化することは現実的ではありません。
受注状況
当社は、当社製品の中核であるデスクトップ・ソフトウェア製品について主たる製品を発売する前には、十分な在
庫を保有しておりますが、それ以外のときの在庫は最小限にしており、通常、注文を受けてから数日以内に製品を出
荷します。在庫はこのように変動するため、当社は、在庫が当社の中核デスクトップ・ソフトウェア製品の将来の売
上予想の指標として重要ではないと確信しております。
販 売
上記の当社業績の概要をご参照ください。 3【対処すべき課題】
当社取締役会は、当社が当社及びその株主の最善の利益に資するコーポレート・ガバナンスに従事する上での一助
となるようなガバナンスの原則を採用しました。取締役会は、当社のガバナンスのための柔軟な枠組みとしてこれら
の原則を役立てようとしています。原則は、すべての適用法規、当社の設立定款及びその他準拠すべき法的文書の文
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脈に照らして解釈されなければなりません。指名及びガバナンス委員会が、同原則を少なくとも年一回見直し、取締
役会に必要に応じた変更を勧告します。
上級経営陣の役割:最高経営責任者(CEO)が率いる上級経営陣は、当社の日常業務を運営し、取締役会に日常業務の
状況について適切に情報を知らせる責任を有しています。
取締役会の責任:取締役会は、当社の株主に代わり、経営陣の業績を監督します。取締役会の主たる責務は、(1)上級
経営陣とともに当社を日常的に経営する最高経営責任者(CEO)を選任し、その報酬を定め、監督することであり、(2)
当社が当社の株主にとっての価値を創造するために効果的、効率的及び倫理的な方法で業務を遂行しているかどう
かを評価するために経営陣の業績を監視することです。さらに、取締役会は、定期的に当社の長期計画、業務活動、設
備投資計画及び予算に検討を加えます。
4【事業等のリスク】
将来の業績に影響を及ぼす可能性のあるリスク
当社は、当社の業績を阻害する可能性のある競争圧力に直面しています。
当社は、すべての事業において激しい競争に直面しており、将来における競争は依然として厳しくなると予想して
います。当社の競合他社は、優れた製品とサービスを導入し、価格を引き下げ、技術、マーケティング及びその他のリ
ソースをより多く有しており、認知度がより高く、既存の顧客ベースがより広く、当社の顧客及び潜在的顧客とすで
に関係を構築しており、広告攻勢を強め、新たな製品とサービスを投入し、当社を打ち負かす可能性があります。さら
に、会計、簿記、税務及びその他のビジネスに関連する、無料のサービスプロバイダーとの競合も激化しつつありま
す。競争のために、当社はまた、数々の分野で無料製品及びサービスの提供を導入してきましたが、顧客を魅了した
り、これらすべての提供を効果的に金銭化したりすることができず、また、従来当社の製品及びサービスを購入して
いた顧客がかわりに無料提供商品を利用する場合も考えられます。これらの競争要因により、当社の収益と採算性は
低下し、顧客を獲得及び保持する当社の能力を阻害しうることになります。
当社の消費者向け税務事業はさらに、公共部門からの大きな競争に直面しており、連邦及び州の課税当局が、納税者
の納税申告・電子申告作業を容易にする無料のソフトウェア又はその他のシステムを開発するというリスクにさら
されています。これらの、又はこれらに類似するプログラムが将来導入されるか、拡大される可能性があり、それに
よって、当社が顧客と収益を失うことになるかもしれません。フリー・ファイル・アライアンスは連邦政府がイン
テュイットの納税関連商品に対する直接的な競争者となることを防いできましたが、一方で、新たなオンライン上の
競争を強化し、当社が収益機会を失う原因となる可能性があります。現行のフリー・ファイル・アライアンスとの契
約が2014年10月に失効する予定となっています。当社では、当面の間、連邦及び州レベルでの政府による侵害が引き
続き当社の競争の脅威になるものと考えています。
当社の将来の収益の伸びは、当社の技術の変化に対する適応力及び機能を拡張した新たな製品、サービスとビジネ
スモデルの導入に当社が成功するかどうかにかかっています。
サービスとしてのソフトウェア(以下、「SaaS」といいます。)、デスクトップ用ソフトウェア及びモバイルテクノロ
ジー産業には、技術の変化の早さ、産業水準の進化及び頻繁な新製品の導入という特性があります。当社がSaaS及び
その他の製品を増加させていくにつれ、当社は継続的に新製品及び新機能の革新及び開発を行い、絶えず変化する顧
客のニーズを満たし、また才能のあるソフトウェア開発者を維持しなければなりません。当社は、当社のスキル、ツー
ル及び能力を引き続き上昇させ、既存及び新たな技術をうまく利用していく必要があります。そのために当社は重大
な資源を充てなければなりません。
また当社事業部門の多くは、その収入源のうちかなりの金額が一括前払いのライセンス料からあがってくるうえ、
収益の大きな部分を既存顧客へのアップグレードやサービスの提供に依存しております。また、当社の消費者向け税
務部門及び専門家向け税務部門は、毎年当社のアップグレードされた税務申告書類作成・申告ソフトウェア及び
サービスを利用するリピーター顧客からの収益に大きく依存しております。当社の既存製品が成熟するにつれ、税務
関連製品のアップグレード版購入を顧客に勧めることは、新規リリース製品によって有意義な追加的価値を有する
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性能や機能を提供しない限り、ますます難しいものとなります。新しい、又はアップグレードされた、製品若しくは
サービスを顧客に対して明示することができなければ、当社の収益は損なわれる可能性があります。さらに、当社が、
登録ベースによる提供又はエンド・ユーザに対する無料の提供といった新たなビジネス・モデルを導入し、かかる
モデルの適用範囲を拡張させるにつれて、当社はこれらの製品から収益を得るか、又は顧客の利用を増加させること
に失敗する可能性があります。
場合によっては、資源や経営の上でかなりの注意を払った製品が最終的に市場で成功しなかったということも起こ
り得ます。当社はこれまでにも新製品・サービスの立ち上げにおいて困難を経験してきました。当社が将来顧客の
ニーズの判断を誤れば新製品・サービスは成功しないかもしれず、当社の収益及び利益が損なわれる可能性があり
ます。当社はまた、新しいビジネス・モデル、戦略及びイニシアティブに投資してきており、将来も投資することを予
想しています。このような試みは、経営陣の注意が現在の事業からそれてしまう、戦略に関連して費用が発生する、十
分な投資収益が上がらない、といった、重大なリスクと不確実性をはらむものです。これらの新しいイニシアティブ
は本質的に不確実であるので、それらは成功しない可能性があり、当社の財務状態及び営業成績に悪影響を及ぼす可
能性があります。
当社事業の中断又は情報技術及び通信システムの故障は、当社の製品とサービスの利用可能性に支障をきたす虞が
あります。それにより、当社の評判が傷つき、将来の財務成績に悪影響が及ぶ可能性があります。
当社がさらなる接続サービスへの移行を続けるに従い、当社及び当社の外部サービスプロバイダーの情報技術及び
通信システムの継続的な運営及び利用可能性にいっそう依存するようになっています。当社は全てのシステムに対
して余剰性を有するというわけではありません。当社の重要なアプリケーションの多数は当社のデータセンターの
うちのわずか1つに集まっています。そして、当社の災害回復計画はあらゆる可能性に対処できるようなものではな
いかも知れません。さらに、当社は、継続的なサービス提供に対する顧客の期待に応えるべく、当社の顧客対面アプリ
ケーション及びそれを支える情報技術基盤をアップデートしている最中です。これらのアプリケーション若しくは
基盤をアップグレードすることにおける問題点又は当社システム若しくは当社のサービスプロバイダシステムの故
障は、当社のサービスの中断を招き、収益と利益を減少させ、顧客を失ったり当社の評判を傷つけたりする可能性が
あります。いかなる場合における長期に渡る障害も、顧客喪失、顧客手数料の追加返金、当社に対する批判及び運営コ
ストの増加を招く可能性があり、いずれの場合も、当社の事業、財務状況及び業績に著しい影響を与える可能性があ
ります。
当社は、アプリケーション及び基盤を新しいデータセンタに移行している過程にあります。この新たなデータセン
ターへの移行を効果的に実行しないと、想定外のサービスの途絶又は当社の業績や事業に打撃を与える予測外の費
用の増加を生じさせてしまう可能性があります。当社では、すべてのデータのリアルタイム・バックアップをしてお
りません。したがって、重大なシステム障害がおこったとき、データの紛失又はデータの処理能力の喪失が起きる可
能性があります。それにより、顧客を失い、当社の評判が大きく傷つき、業績に重大な悪影響が生じる可能性がありま
す。
当社の操業、データセンター及び情報技術及び通信システムは、自然災害、人災、悪意ある攻撃、火事、停電、通信障
害、コンピュータ・ウイルス、コンピュータによるサービス攻撃、テロリストによる攻撃及び当社のコントロールの
範疇外であるその他の事象又は中断に脆弱です。当社の研究開発活動、本社、主要な情報技術システム及びその他の
不可欠な活動の拠点は全て、大規模な地盤の断層の付近に所在しています。当社は、地震の直接損害をカバーする保
険には加入していません。大規模な地震又は自然災害若しくは人為的に引き起こされた災害が生じた場合、当社の財
務成績が著しく損なわれる可能性があります。
当社は、顧客からの注文を受けてこれを実行し、カスタマー・サービスのリクエストを処理し、一定のオンライン活
動をホストする上で、内部システム並びに製造業者、販売業者及びその他のサービスプロバイダーが維持する外部シ
ステムに依存しています。当社の内部又は外部システムにおける何らかの断絶又は不具合により、当社又は当社サー
ビスプロバイダーが顧客注文を受け、実行することが妨げられるか、又は会社及び顧客データの意図しない開示につ
ながる可能性があります。当社が、当社の高い実行能力に加えて、継続的にネットワーク・セキュリティとその他の
情報システムをアップグレードしようと努める場合には、費用が嵩む可能性があり、システム増強の設計及び実行に
より当社の事業と業績に影響を与える可能性があります。
当社には、顧客の個人情報及びデータのホスティング、収集、利用及び保有に起因して、当社事業を損なうかもしれ
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ないリスクを有しています。
当社事業部門の多くは、大量の顧客個人情報及びデータ(クレジット・カード番号、納税申告書に記載された情報、
銀行口座番号及びパスワード、個人及び事業の財務データ、社会保障番号、健康保険情報及び給与計算に関する情報
等)を収集、使用、保管しております。当社はまた、一定の個人情報や個人情報の派生情報を用いた新たなビジネスモ
デルを開発することができます。それに加え、当社は、当社の通常の業務過程において当社従業員の個人情報も収集
し保存しております。この顧客並びに従業員の個人情報の一部は、第三者によって保有され、一定の処理が行われて
います。さらに、当社の製品及びサービスの多くはウェブ・ベースであるため、当社がサーバー上でユーザーのため
に保管する(個人情報を含む)情報量は増加しています。当社と当社のベンダーは、取引と個人情報を保護するため、
商業ベースで利用可能なセキュリティ技術を利用しています。当社は、個人情報へのアクセスと利用を制限するセ
キュリティと業務制限を利用しています。しかしながら、個人又は第三者がこれらのセキュリティと業務方策の裏を
かく可能性もあり、個人情報の保存、利用又は伝達における過誤により、顧客又は従業員のプライバシーの侵害又は
資産の盗用がおきる可能性があり、適用される情報守秘規制に基づき通知をしなければなりません。当社は、顧客と
従業員の個人情報に接触する、又はその通常の業務過程で取引を実行する請負業者、臨時従業員及び季節的従業員を
雇用しています。当社は、従業員及びその他の個人に対する身元調査を行い、システムとデータへの接触を制限して
いますが、これらの1個人又は複数人がこれらの制限の裏をかき、セキュリティを破ることがあり得ます。
当社はその業務遂行において取引を実行し、個人情報及びデータを所有し、利用するがゆえに、法律上及び規制上の
負担を課せられており、それらの負担によってセキュリティ侵害を顧客及び従業員に対して通知することが義務づ
けられたり、当社による個人情報の使用が制限されたり、新規顧客の獲得能力や既存顧客への販売能力が妨げられた
りする虞があります。当社が、プライバシー及びデータ・セキュリティにかかる規制のより強い産業セグメントや、
米国よりも情報保護法が厳格な地域への新規参入を継続し、事業を拡大するにつれ、当社の法令遵守要件やコストが
増加する可能性があります。当社は、法律、規則、業界基準又は契約上の責務によって課された強制的なプライバシー
基準と手順を遵守するため、多大な費用を負担してきており、今後も負担し続ける所存です。
当社又は取引を実行するか個人情報を維持管理する第三者により、当社又はかかる第三者のプライバシー保護措置
が重大な侵害を受けた場合、当社事業に深刻な悪影響が及ぶ虞があります。例えば、罰金、制裁金、損害賠償、当社サー
ビスに対する顧客需要の低下、当社の評価及びブランドの低下、連邦機関又は州機関による規制や監視の強化、金融
取引サービスを提供するか顧客のクレジット・カードの注文や納税申告書を受理・処理する能力の喪失などです。
当社は、時宜に応じて当社サーバー、当社ソフトウェア又は当社の製品とともに配布された第三者のソフトウエア・
コンポーネントにおける脆弱性の検出及び顧客、公的又は民間機関からかかる通告を受けることがあります。脆弱性
の存在は、たとえそれがセキュリティ侵害という結果にはならなくても、顧客の信頼を害し、それに対応するための
多大な資源を必要とします。そして、当社では、それらの脆弱性が悪用される前にそれらを発見し、修正することがで
きない可能性もあります。さらに、ハッカーは当社の製品を攻撃することができる ウイルス、ワーム及び他の悪意あ
るソフトウェア・プログラムを開発し分散させます。これは、プラットフォーム全体のソフトウェアに影響を及ぼす
産業全般にわたる問題でありますが、ハッカーはより人気のあるプログラム及び製品に攻撃を集中させる傾向があ
るため、当社の製品にますます悪い影響を及ぼしており、それが続くと当社は予想しています。もしハッカーが当社
のセキュリティ手続きを免れることができた場合、当社は個人情報を喪失する可能性があります。当社は、当社のシ
ステムを自衛するため、商業上利用可能なネットワークとアプリケーション・セキュリティ、内部統制手段及び物理
的セキュリティ手続きを有しておりますが、セキュリティの侵害、個人情報の盗用が起こらないとは保証できないた
め、当社の事業、顧客の評判及び将来の当社の財務成績に悪影響を及ぼし、結果として、当社は、例えばデータのプラ
イバシーに関する規則に基づく通知など、これらの問題に対処するため資源を相当拡張しなければいけなくなる可
能性があります。
当社が不可欠な第三者との関係を築き、管理し、維持することができなかった場合、当社の事業に悪影響が及ぶ可能
性があります。
当社の成長は、当社のビジネス・リレーションシップの強さと、新しい関係を築き、既存の関係を維持し、これらを
活用する当社の能力に依存しています。当社は、当社の製品を提供し事業を運営するために、多くの事業分野におい
て、とりわけ第三者のソフトウェアとサービス提供者、サプライヤー、販売業者、生産者、流通業者、金融機関、コアプ
ロセッサー、ライセンス提携先及び共同開発先など、様々な第三者パートナーに依存しています。当社は、施設、機器、
パワーシステム及びインフラそのものを維持することによって当社の事業運営をサポートしている、第三者にも依
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存しています。場合によっては、これら第三者との関係は唯一の若しくは制限されたものであり、第三者の製品若し
くはサービスと当社の製品との一体性、並びに/又は、かかる第三者の製品及びサービスの一般的な利用可能性に
よっては、代替又は代用することが難しい場合があります。さらに、市場において代替できる第三者のプロバイダー
又はベンダーは少ないか全くいない可能性もあります。受け入れることが出来て品質の高い製品、サービス及びテク
ノロジー又はそれらのアップデートを第三者が提供しない場合には、当社ビジネス運営の破壊につながることもあ
り、これにより当社の収益及び利益が減少し、顧客の喪失及び評判の低下につながる可能性があります。当社は商業
的に合理的な条件で代替的な手続き及びサービスを利用できないかもしれず、又は、代替的パートナーへ移管する過
程で、事業に障害が発生する可能性もあります。
特に、当社は銀行、信用組合又はその他の金融機関との間に関係を有しており、それぞれが顧客であると同時に、当
社が他の顧客に重要なサービスを提供する上での供給者でもあります。マクロ経済状況又はその他の要因により、こ
れらいずれかの機関が破綻、統合又はコスト削減努力を開始すれば、当社の事業及び財務業績は影響を受け、顧客に
対してサービスを提供できなくなることがあります。
当社事業に対する政府規制の強化により、当社の営業成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社の事業の多く(税務関係、給与計算、支払い、金融サービス及び健康管理事業)は、高度に規制された分野に位置
しています。これらの法律及び規則を当社の事業に適用することは、しばしば不明確であり、かかる規則の遵守は多
大な費用を必要とし、又は当社の事業慣行に変化をもたらし利益の減少につながる可能性があります。さらに、多く
のこれら分野に対して新たな重大な規則の導入があり、政府による注目が高まっています。
それに加え、当社は事業の拡大を追求するに伴い、より規制の厳しい事業又は国家に進出していくかもしれません。
その結果、規制基準を満たすために、コンプライアンス及び監査機能又は新技術に対するさらなる投資が必要となっ
てくる可能性があります。政府当局は、新たな負担や制限を当社に課すような他の法律、規則又は規制を施行するか、
あるいは、当社の事業がデータ収集、使用、送信、保有及び処理に関連する要件についての現行規則や規制に直接服す
る旨の決定を行う可能性がありますが、そのことにより、当社の事業コストが増加し、当社事業の継続が非効率又は
不可能となるか、当社の現在又は将来の製品若しくはサービスを修正しなければならなくなる可能性があります。そ
して、その結果、当社の将来の財務成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
税務申告書類作成業界に対する立法機関及び規制機関の注目度は依然高い状態が続いています。新たな立法、規制、
公共政策への配慮又は政府又は民間企業の訴訟により、税務申告書類作成業界に対する監督がより強化され、当社が
提供することのできる製品とサービスの種類及び当社が提示しうる価格を制限され、あるいは、当社の税務ビジネス
の事業方法又は税務製品及びサービス方法を変えなければならなくなる虞があります。同様に、当社が支出する事業
遂行の費用が増加し、また収益機会が制限される可能性もあります。当社はまた、税務申告書類作成サービス及び電
子申告サービスを滞りなく運営する上で、州の歳入庁によるさまざまな基準を遵守することが要求されます。1州又
は複数の州により課される要件(特定の技術や技術基準の使用義務等)が変更された場合は、顧客にそのサービスを
提供する費用が大幅に増加する虞があるほか、良質の製品を期限どおりに納品できなくなる可能性もあります。
当社の金融サービス事業は、広範且つ複雑な連邦及び州の規制の対象となっている銀行、信用組合その他の金融機
関に対しサービスの提供を行っています。その結果、当社の金融機関顧客より、当社の製品及びサービスが適用規則
に則っていることが求められています。当社が、これらの規則を遵守できない場合、当社は、多大な費用と罰金を負担
し、訴訟又は政府による手続きに直面し、これらの顧客に対する当社の販売能力を喪失する可能性があります。これ
らの弊害のいずれも、当社の将来の財務成績と評判に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社が効果的に取引を処理できない、又は疑義のある活動若しくは不正の可能性を含む活動に対して適切な保護が
できない場合は、当社の利益及び収益は損害を受ける場合があります。
当社の事業プロセスでは、特に給与計算・支払事業において、日々かなり大きな金額と取引量を処理しています。処
理する取引の多さと量の大きさのため、取引が適切に処理されることを確実にする効果的な処理システムと統制シ
ステムが不可欠となります。このため、当社では最善の努力を尽くしていますが、ミスが発生するか、当社の製品に関
連する詐称により資金が誤って充当されることもあります。当社の給与計算・支払事業において詐欺行為が増加し
ています。これは、当社の顧客による場合だけではなく、当社の製品を直接標的にした第三者の詐欺も存在します。こ
のような問題が発生すると、当社は、多大な直接的損害及び罰金を被る可能性がある上に、当社の管理に対する顧客
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の信用を失うことになり、当社の業務を著しく阻害する虞があります。当社の事業を支えるシステムは、拡大縮小が
難しい多数の技術・プラットフォームによって構成されています。当社がシステムとプロセスを効率的に管理する
ことができない場合、顧客データを信頼性の高い正確度でタイミングよく処理することができないかも知れず、その
場合、当社の事業が影響を受ける可能性があります。当社の支払処理サービス事業では、当社が支払取引を処理して
いる商業者が、その顧客に対して、問題とされている取引又は詐称取引に関連する返還金の支払いを行うことができ
ない場合、当社がかかる金額の支払を求められる場合があり、かかる支払が、当社の積み立てている顧客引当金の金
額を上回る可能性があります。
第三者の専有権の侵害が当社に主張された場合、それによって、多額の弁護士費用を支出することになるか、また当
社の製品の販売が妨げられる可能性があります。
ソフトウェア産業の製品数が増え、これらの製品の機能がより重複するようになるにつれ、また、当社が購入やライ
センスを通じて技術を取得するにつれ、当社が特許、著作権、及び商標の侵害に関する請求を含む各種の権利侵害に
関する請求の対象となる機会も増える虞があります。他者の特許権の有効性及び範囲を決定するために訴訟が必要
とされることがあります。当社は過去において特許侵害に関する請求を数多く主張されたことがあり、今後は当社の
製品が第三者の保有する特許を侵害しているとの主張に基づく請求をより多く受けることを予測しています。これ
らの請求の中には、当社及び当社の顧客に対する係争中の訴訟もあります。これらのクレームには、特許権所有会社
又は関連製品の売上げが全くない不利な特許権所有者、そして当社自身の特許権がほとんど又はまったく抑止力を
持っていない者が関わる場合もあります。いずれの主張の最終的な結果も不確実であり、また、結果の如何に拘わら
ず、かかる一切の請求は、その正当性如何に拘わらず、防御に時間を要したり、費用のかかる訴訟となったり、経営陣
の時間と注意を当社の事業からそらしたり、当社製品の販売中止、出荷延期又は再設計を当社に要求したり、あるい
はロイヤルティ又はライセンス料に関する金銭賠償の支払や、当社が当社のいずれかの顧客との間で負う補償義務
の履行を当社に要求したりする可能性があります。必要なライセンスその他の権利を当社が取得できなかったり、又
は知的財産に関する請求に起因する訴訟が当社の事業に悪影響を及ぼしたりする虞があります。
当社は、当社の製品及びサービスについて第三者の知的財産に依拠しています。
当社の製品及びサービスの多くは、第三者によって所有されている知的財産を盛り込んでいます。かかる知的財産
は、当社が契約によりライセンスを取得しているもので、当社は、かかる契約を時宜に応じて更新し又はそれらにつ
き再交渉を行わねばなりません。当社は、第三者の技術又はコンテンツを利用するためのライセンスを合理的な条件
で取得することができないか、又はまったく取得することができないかもしれません。当社が、当社の製品又はサー
ビスにおいてかかる知的財産技術又はコンテンツを使うために必要な権利を取得できない場合、影響を受ける製品
を販売することができなくなるかもしれません。そのことは、当社の将来の財務成績の障害となるでしょう。また、当
社及び当社の顧客は、当社製品の中に組み込まれた第三者の知的財産技術の結果として侵害の主張にさらされてお
り、これからもさらされる可能性があります。当社はこのリスクを軽減し、潜在的な侵害については完全に責任がな
い可能性もありますが、係争中の請求については当社は多額の資源を使用することとなり、経営陣の注目を必要と
し、顧客の喪失につながる場合もあります。
当社の製品の一部には、いわゆる「オープン・ソース」ライセンスによってライセンス供与を受けているものがあり
ます。そのうちの一部には、特定の状況において、そのオープン・ソース・ソフトウエアに基づいて当社が創造した
いかなる修正品又は派生著作物も当社が利用させる、又はライセンスを供与する義務を含んでいるライセンスがあ
ります。当社は、これらのリスクを軽減させる社内の検討及び承認手続きを確立しましたが、すべてのオープン・
ソース・ライセンスが当社の製品で利用される以前に承認を求めたものであるかどうかについては確かではありま
せん。オープン・ソース・ソフトウエアの利用に関連したリスクの多くは、解消することはできず、適切に取り組ま
ないと、当社の事業が打撃を受ける可能性があります。
当社は、知的財産の複製及び乱用が継続的な問題となり、それによって収益が減少し、費用が増加するであろうと予
測しています。
当社製品の不正使用及び複製を取り締まることは困難であり、多額の費用と時間を要します。複製を禁止する現行
の米国法はソフトウェアの著作権侵害に関して限定的な実務上の保護のみを当社に与えるものであり、また他の多
くの国々の法律はほとんど保護してくれません。当社は当社のソフトウェアの不正コピーがオンライン市場で販売
されているのにしばしば遭遇します。当社は今後も著作権侵害の影響を軽減するための試みとして技術的ソリュー
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ションの評価及び導入を続けて行くとともに、これらの問題について消費者及び公共政策立案者の認識を促すよう
に働きかけ、また著作権の侵害の撲滅のため産業グループと協力していきますが、当社は、著作権の侵害は収益の減
少及び費用の増加をもたらす継続的な問題となることを予測しています。
当社の中核となる従業員を巡る競争が激しいため、当社が計画している成長を支えるのに必要な、高度な技術を有
する従業員を引き付け、維持し、開拓することができなくなる可能性があります。
当社の将来の成功は、幹部チームの役員及び技術者、マーケティング担当者並びにその他の職員を含む熟練人材を
保持し、継続的なサービスを提供できる能力にかかっています。ソフトウェア及びSaaS業界における経験豊かな人材
の需要は非常に高く、このような才能を持つ人材に対する競争が激化しており、特に、当社の従業員の多くが就業し
ているカリフォルニア州及びインドにおいては、そのような競争が著しく激しくなっています。また、当社は技術的
変化に適応し、新しく改良された製品及びビジネスモデルの導入を引き続き追及していきます。当社は、熱意を持っ
て仕事に専念する従業員の質と量を保持および維持し、またそのような人材を開拓していかなくてはいけません。当
社では従業員が望むような雇用者となるべく努力を重ねていますが、中核となる人材を継続的に当社に引き付け、維
持、発展することが継続してできないかもしれず、これにより当社事業が損害を被る可能性があります。
当社の製品及びサービス製品がさらにしっかりと一体化されるにつれて、当社は比較的長期間にわたり関連する収
益を認識する必要性に迫られるかもしれません。
当社の拡大する製品及びサービス、並びに当社がそれらを提供する際の組み合わせは、伝統的なデスクトップソフ
トウェア事業とは異なる収益源を生み出しますが、これらの製品の収益に適用される会計方針は複雑です。例えば、
当社の他の製品と抱き合わせてオンラインサービスを提供する場合、当社は製品収益のうちより大きな部分を将来
の事業年度に繰り越さなければならない場合があります。さらに、登録ベースでより多くのサービスを提供するにつ
れ、これらのサービスからあがってくる収益をサービスが提供される期間にわたり認識します。これにより、相当な
収益がある四半期から次の四半期へ、又はある年度から次の年度へ移動する可能性があります。
当社製品及びサービスはその性質上タイムリーに発売する必要があります。それゆえもし当社製品の品質又は納期
に著しい問題又は遅れが発生した場合、当社の収益及び利益は減少し、評判は損なわれる可能性があります。
当社の税務関連製品の全部及び税務関連以外の製品の多くは厳格な開発日程に従っており、このことによって製品
にエラーが発生するリスク及び発売が遅延するリスクが高まります。特に、税務申告書類作成用ソフトウェア製品の
開発周期は困難なものとなります。なぜなら、予測不能な税法の変更や納税申告用紙の書式変更を毎年反映させる必
要があり、また顧客から、高度な正確性と、納税期限までに納税申告書類を作成し申告するために製品が予定どおり
に発売されることが期待されているからです。当社製品の複雑性及び開発周期の集約性のため、当社製品には時おり
「バグ」が含まれ、ソフトウェアの作動が突然妨げられることがあります。当社製品の複雑性により、顧客が期待する
ような特徴、機能及び正確性を含む製品を一貫して提供することが困難になる可能性があります。問題が発生した場
合は、コードを変更し、当該製品を既に購入した顧客にパッチを配布し、流通経路にある既存在庫を回収又はリパッ
ケージしなければならない可能性があります。開発周期の末期に開発上の困難に遭遇したり、製品にエラーを発見し
たりした場合には、製品の発売日を延期せざるをえない場合があります。大きな欠陥や発売延期が発生すれば、顧客
の喪失、収益の減少、評判の低下、顧客及び従業員の不満、小売店における棚スペースの縮小や宣伝の減少、営業費用
の増加(在庫交換費用、弁護士費用、当社の消費者向け納税申告書類作成製品の計算ミスのみが原因となって顧客が
支払った罰金や利息を償還するという当社の約束による支払等)につながる可能性があります。
当社の収益及び利益は著しく季節性の高いものであり、四半期毎の業績も著しく変動します。
当社事業部門のうち数部門は季節性が高いため、当社の財務成績は四半期毎の変動が大きくなっております。収益
及び営業成績は、1月31日に終了する第2四半期及び4月30日に終了する第3四半期が通常最も高く、それは税務関係事
業の収益の大部分がこの2四半期に集中するためと、小規模事業向けソフトウェア製品及びアップグレードのリリー
スがこの時期であるためです。10月31日に終了する当社の第1四半期及び7月31日に終了する第4四半期における収益
はより低く、営業損失も大きくなります。当社の財務成績は四半期毎、年度毎にも変動する可能性があり、それは以下
の事項を含むさまざまな要因により起こり得ます。すなわち、平均販売価格に影響を及ぼす売上品構成の変更、製品
の発売日、連邦及び州納税申告書書式の配布時期、旧型製品に対するサポート提供の中止時期、組み入れ戦略の変更
(一定の製品へのアップグレードの組入れ等)、将来における新機能の利用可能性を顧客に伝達する方法の変更(いず
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れも収益の認識パターンに影響を及ぼす可能性があります)、買収や子会社売却の時期、営業権や買収した無形固定
資産の減損処理時期などです。
当社は、当社の事業、財務状態、営業成績及びキャッシュフローに望ましくない結果を与え、それらに悪影響を及ぼ
し得る訴訟及び規制上の調査の当事者にしばしばなっています。
当社には、通常事業の過程で生じた係争中の訴訟、請求及び規制上の調査が多数あり、また将来においてもさらなる
請求及び調査が生じる可能性があります。これらの請求及び調査の数及び重大性は、当社の事業が進化するにつれて
増加しました。当社が開始したか当社に対して提起されたいずれの訴訟手続、請求又は調査も、成功したか否かにか
かわらず、時間の浪費、高額な訴訟費用、損害裁定、差止救済又は事業の費用増加をもたらす可能性があり、当社の事
業慣行の変更や経営陣の時間を大幅に必要とするかもしれず、また重大な事業資源の分散化をもたらすか又は事業
若しくは将来の財務業績に損害を与える可能性があります。
世界経済の不況が継続すると当社の事業及び財務状態に損害を与えます。
世界経済の不況の継続により、世界の金融市場が著しく混乱しまた不安定となっており、債務不履行確率及び倒産
確率が高まっているとともに、消費者及び小規模事業における消費が影響を受けています。これらのマクロ経済の発
展は、当社の事業及び財務状態に影響をもたらしており、引き続きマイナスの影響をもたらす可能性があります。特
に、当社の大半の収益が米国での販売に由来するため、米国の経済状態は、より多くの国において国際的な事業展開
を行っている企業よりも、当社に大きく影響します。新たな潜在的顧客は当社の製品及びサービスを購入することが
できないか、又は購入を延期することがありますし、多くの既存の顧客は、当社の既存製品及びサービスの購入を中
止するか又はアップグレードを延期することがあり、これにより当社の収益及び将来の財務業績がマイナスに影響
を受けます。消費レベルの減少はまた、クレジット・カード及びデビット・カード決済の取引量を減少させ、当社の
支払い収益を減少させます。経済状況の低迷及び高失業率が、納税申告書の申告数の著しい減少をもたらしており、
今後もこの状況が続く可能性がありますが、その結果、当社が準備し申告する納税申告書の数が影響を受ける可能性
があります。さらに、エンドユーザー消費者及び中小企業市場の弱体化によって、当社の流通業者及び再販業者の
キャッシュフローがマイナスの影響を受け、そして、かかる流通業者及び再販業者の当社に対する債務の支払いが遅
れることにより、当社の信用リスクに対するエクスポージャーが増加し、顧客に対する収益又は将来の販売の認識が
遅れる可能性があります。さらに、もしマクロ経済的及びその他の要素により銀行、信用組合、住宅ローン会社及びそ
の他の金融機関の破綻が生じるか、又はさらなるコストカット努力若しくはこれら事業体の統合につながる場合、当
社は既存の顧客又は潜在的な顧客を失うか、顧客当たり売上高が減少し、当社の顧客に対して重要なサービスを提供
するこれら事業体との重要な関係を失う可能性があります。これらいずれかの要因により、当社の事業及び将来の財
務業績は悪影響を受けます。
当社は定期的に当社の内部情報技術システム及びソフトウェアプラットフォームをアップデートし、改良するため
に資源を投資しています。当社の投資が成功しない場合、又は新たな若しくは既存の内部情報技術システム及びソス
トウェアプラットフォームの遅延若しくはこれに関する問題が、当社の営業を中断する場合、当社の事業は損害を受
ける可能性があります。
当社は、当社の開発、マーケティング、運営、サポート、販売、会計及び財務報告活動の多くに関して、当社のネット
ワーク及びデータセンターのインフラ並びに内部的な技術システムに依拠しています。当社は、当社の事業及び顧客
の既存の要求や進化・変化する要求に応えるべく、これらのシステム及び環境をアップデートし、改良するために引
き続き資源を投資しています。当社が、当社のシステム及び設計のアップデート及びアップグレードをするに際し
て、長期にわたる遅延や予期せぬ困難が生じた場合、当社は機能不全となり、競争する上で必要な一定の製品を提供
し、新たな製品及び改良品を開発できないかもしれません。これらの改良及びアップグレードは、しばし複雑で費用
・時間を要するものです。さらに、これらの改良は当社の既存の技術システムと統合するうえで困難かもしれず、又、
既存の技術システムにおける問題点を露呈するかもしれません。ハードウェア若しくはソフトウェアのアップデー
トや改良の失敗は、当社の事業運営に機能不全及び中断をもたらし、収益の減少又は当社の評判を傷つけるかもしれ
ません。
当社の国際的事業は、リスクの増加に晒されています。これにより、当社の事業、営業成績及び財務状況が損害を受
ける可能性があります。
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当社の海外事業から収益を生み出す能力及び国際市場への拡大に対する不明確さに加えて、国際的に業務を展開す
るうえで、以下のような特有のリスクも存在します。
●
貿易障害及び貿易規則の変更
●
地理的距離、言語及び文化的差異から生じる、さまざまな海外事業を展開し、人員を調整し、同時に管理をする
ことへの困難
●
厳格な現地労働法及び関連規則
●
本国への利益環流についての制限及び外国為替制限
●
政治的若しくは社会的不安、経済不安、制止又は人権問題
●
地政学的事件(戦争及びテロなど)
●
輸出入制限
●
海外腐敗行為防止法などの米国の法律遵守
●
国家公務員に対する賄賂を規制する現地の法律、異なる且つより厳格なユーザー保護、データ保護、秘密保護
及びその他の法並びにその他政府規制に関するリスク
●
現地法律を遵守することの要求
当社の国際業務に適用される複雑な外国及び米国法律や規則の違反は、当社、当社の役員又は従業員への罰金、刑事
罰若しくは制裁、当社事業の運営禁止並びに評判の損害にもつながる可能性があります。当社はこれらの法律の遵守
を促進するように方針及び手続を実施して来ましたが、当社の従業員、契約者若しくは代理人が当社の方針に違反し
ないことを保証することはできません。当社の国際事業におけるこれら固有のリスク及びこれの拡大は、国際的に業
務を行う上で費用を増加させます。これにより、当社の事業、営業成績及び財務状況が損害を受ける可能性がありま
す。
実際の商品返却が、返品引当金を超えた場合、当社の将来の財務成績は悪影響を受ける可能性があります。
当社は、販売代理店や小売店で当社製品の売り切れがおきないよう、販売代理店や小売店の当社販売予測以上のデ
スクトップ・ソフトウェア製品を出荷しています。これは、特に販売期間の短い消費者向け税務部門の製品の場合に
当てはまることであり、返品が主として第3及び第4四半期に発生することにも当てはまります。販売代理店や小売店
を通して製品を販売している多くのソフトウェア会社のように、当社はこれまで大幅な製品返品を受け入れてきま
した。当社は、財務諸表において、返品見込みに基づき製品返品に関する収益に対する引当金を設け、小売チャネルに
おける製品販売及び在庫を綿密に監視し、適切な引当金を維持する努力を払っています。今まで製品の返品はこれら
の引当金と大幅に異なるものではありませんでした。しかし、引当金を大幅に超える実際の製品の返品に直面した場
合、純収益の減少を招く虞があります。
予期せぬ所得税率の変更は当社の将来の財務成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社の将来の実効税率は、繰延税金資産及び繰延税金負債の評価における予期せぬ変更、又は税法の変更若しくは
その解釈の変更により、有利又は不利な影響を受けることがあります。さらに、当社の所得税申告書は、IRSやその他
の税当局により継続的に検査を受けています。当社では、納税引当金の適正さを確定するために、これらの検査に
よって生じる不利な結果の見込みを定期的に評価しています。これらの継続的な検査は、当社の将来の財務業績に損
害を与え得る税関連の予期せぬ負債をもたらすかもしれません。
取得した無形資産及び減損費用の償却は、当社の純利益に重大な変動を及ぼす可能性があります。
当社の買収は、多額の費用(買収した技術及びその他の取得した無形資産の償却及び減損を含みます。)並びに営業
権の減損を伴うものとなっております。これらのカテゴリーにおける売上原価及び費用の総額は、2010年度に約9100
万ドル、2009年度に約1億100万ドル、2008年度に約9000万ドルでした。現行の会計規則では、営業権は償却されません
が、計上済みの営業権及び将来の買収によって発生する営業権に関連した減損費用が発生する可能性があります。当
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社では、営業権の減損額を毎年第4四半期にテストしていますが、減損を示唆する事象が生じた場合には、より頻繁に
テストを実施しています。この年次テストのタイミングにより、第4四半期までは合理的に予測できなかった損益計
算書の費用を第4四半期で計上することがあります。2010年7月31日付けの当社の貸借対照表には、19億ドルの営業
権、そして2億5600万ドルの取得した無形固定資産純額が計上されていますが、これらの額は将来、減損費用によって
調整されることがあります。新たな買収、そして取得した無形資産の減損評価により、当社の将来の財務成績にはマ
イナスの影響を及ぼすこともあります。
当社の買収及び子会社売却活動は、当社の継続事業を混乱させる可能性があり、費用の増加を伴い、取引時に予期し
なかったリスクが発生するかもしれません。
当社は、当社の戦略的方向を補完する企業、製品及び技術を買収してきましたし、今後も買収を続ける可能性があり
ます。買収は、以下のような多大なリスクと不透明性を伴います。
●
買収により手に入れた技術と事業を当社の事業に統合し、統一した標準、コントロール、方針及び手続きを維
持することができないこと。
●
買収の結果生じると期待されていたシナジーを実現できないこと。
●
買収した事業の重要な従業員、顧客、再販業者及びその他の事業パートナーを引き留めておくことにかかる困
難。
●
買収した事業の内部統制環境が当社の基準と一致しておらず、その改善に相当な時間と資源が費やされるこ
と。
●
製品又はサービスの品質問題、知的財産問題及び法的偶発事件等、デューデリジェンスの過程においては発見
できなかった未確認問題。
買収と子会社売却はもともとリスクが高いものであるため、当社の取引は成功しない可能性もあり、また、当社の営
業成績又は財政状態に決定的に重要な悪影響を及ぼす可能性があります。買収金額あるいはその他の目的のための
資金調達を負債証券で行うと、支払利息やレバレッジが著しく増加する可能性があります。買収における対価として
エクィティ証券を発行すると、現在の株主持分比率及び1株当たり株主利益が希薄化する可能性があります。
当社は、10億ドルの債券を発行しましたが、将来においてもその他の債務を負うかもしれません。そのことは、当社
の財務状況と将来の財務成績に悪影響を与えるかもしれません。
2007年度、当社は、2012年3月満期の5億ドルの優先無担保債券及び2017年3月満期の5億ドルの優先無担保債券を発
行しました。この負債の満期が到来すると、当社はこれらの債券を返済又はリファイナンスするための多額の財源を
支出しないといけません。当社が債券をリファイナンスすることを決定した場合、当社は異なる又は不利な条件で行
わなければならない可能性があり、当社は一切債券をリファイナンスできないかもしれません。どちらにしても当社
の財務状況に悪影響をもたらします。
当社は、また、5億ドルの回転信用枠(5年)を契約しました。当社は、現在のところこの信用枠に基づき何らかの借入
を行う旨計画をしてはいませんが、将来、当社の一般的な企業目的若しくは将来の買収又は事業の拡大のために、借
入れを行うかもしれません。
当社のこの負債は、とりわけ以下の要因により、当社の財務状況と将来の財務成績に悪影響を及ぼすかもしれませ
ん。
●
当社事業の不振、競争圧力、経済と業界の状況悪化等に対する当社の脆弱性を増加させること。
●
営業活動により見込まれる現金の一部を債務の弁済に充てなければならなくなったことにより、設備投資及
び買収を含むその他の目的のために利用可能なキャッシュ・フロー見込額が減ぜられること。
●
当社の事業と当業界の変化に備え、又はそれに対応する柔軟性を限定すること。
当社の現在の回転信用枠により、当社がその資産に抵当権を設定する能力及び当社の子会社が負債を負う能力など
が制限されるとともに、特定の財務比率を維持することが当社に義務付けられています。当社がこれらの比率を維持
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する能力は、当社がコントロールすることのできない事象によって影響を受けるかもしれません。それに加えて、当
社の長期非転換社債には、当社が一定の抵当権を設定し、又は一定のタイプのセール・リースバック取引を行う能力
に悪影響を及ぼすかもしれない誓約条項が含まれています。当社が、長期社債又は回転信用枠の誓約のいずれかに違
反した場合、そして、貸主による権利放棄が得られない場合、適用される治癒期間が経過した時点で、あらゆる債務残
高は即座に支払期限が到来したことを宣言される可能性があります。
それに加え、信用格付け会社による当社の信用格付けに対する変更は、当社の債券と株式の双方の価値と流動性に
悪影響を与える可能性があります。当社の信用格付けが引き下げられる、又は否定的措置が取られた場合、回転信用
枠において当社が支払うべき金利は上昇するでしょう。さらに、当社の信用格付けの格下げは、当社が将来追加的な
資金調達をする能力にも影響を与え、かかる資金調達の条件に影響を及ぼすかもしれません。
当社は、当社サービスを通じて伝播する情報に関連するリスクにさらされています。
オンラインサービス会社のサービスを通じて処理され、伝播する情報に関する法的責任に関連する法は、不安定な
ものです。クレームは、オンラインサービス会社に対して、米国法及び外国法双方に基づき、名誉毀損、侮辱、プライバ
シー侵害、過失、著作権若しくは商標権侵害、又は当該サービスを通じて伝播した情報の性質や内容に基づくその他
の見解について生じる可能性があります。当社サービスの中には、ユーザーにより作成されたコンテンツがありま
す。これらのコンテンツは当社によって作成された訳ではないにも関わらず、これらのコンテンツにかかる名誉毀損
や他の中傷へのクレームは、当社に対して主張される可能性があります。潜在的な法的責任の結果として発生する費
用は、当社の事業に打撃を与える可能性があります。
当社の事業は当社の揺るぎない評判及び当社ブランドの価値に依存しています。
当社ブランドに対する認知を築き上げ、それを維持していくことは、既存及び新規の当社製品及びサービスをより
広く受け入れてもらうために不可欠であり、新規顧客を惹き付けるための重要な要素となっています。当社従業員又
は当社の代理人による行為に関連する悪い評判は(それが正当化されるものであるかどうかに関わらず)当社の評判
を傷つけ、当社ブランドの価値を減少させる虞があります。当社の評判及びブランド価値の毀損は、当社製品及び
サービスに対する需要を減少させ得るため、当社の将来の財務成績に悪い影響を及ぼす可能性があり、さらに、当社
の評判の立て直し及びブランド価値の回復のため追加リソースが必要となる場合もあります。
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5【経営上の重要な契約等】
「沿革」を参照してください。
6【研究開発活動】
当社では、研究開発に対して多額の投資をし続けており、将来は、既存の製品及びサービスのさらなる向上、使いや
すさの向上、特定の顧客層に対するカスタマイズ、ウェブ・ベース若しくはモバイルでの提供、当社のその他の製品
及びサービス並びに第三者の製品及びサービス並びに当社内部の情報システムとの向上した統合を特徴とするよう
な新製品及び新規のサービスの開発を、研究開発の努力の焦点にしています。また、当社は、重要な研究開発への取り
組みの焦点を現在進行中のプロジェクトに充て、複数の当社製品の技術基盤をアップデートする予定です。当社の研
究開発費は、2010年度は純売上高の17%に相当する5億7300万ドル、2009年度は純売上高の18%に相当する5億5600万
ドル、2008年度は純売上高の20%に相当する5億9300万ドルでした。
7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
以下の概要は、当社の営業成績及び当社の事業に影響を与える動向のいくつかについて様々な視点から議論を行う
ものです。当社は、当社の2010年度の財務成績及び将来の展望を理解するために、これらの動向を理解することが重
要だと考えています。本概要は、網羅的であることを意図したものではなく、また、本報告書中の他の部分における詳
細な議論及び分析に取って代わることを意図したものでもありません。
財政状態の概要
2010年度の純売上高の総額は35億ドルであり、2009年度と比べて11%の増加でした。売上高は当社の全ての事業部
門において増加しました。消費者向け税務部門の売上高は、TurboTax Onlineの販売個数の成長により1億5000万ドル
又は15%増加しました。2010年度の継続事業からの営業利益は、2009年度と比べて26%増加しました。サービスその
他売上原価が同部門の売上高に占める比率は、TurboTax Onlineの販売個数の成長により、2010年度は僅かに減少し
ました。営業費用は、財務業績に直接関係あるインセンティブ報酬及び買収した事業に係る営業費用の追加により増
加しました。2010年度の継続事業からの営業利益は、2009年度と比べて21%増加しました。2010年度の当社の実効税
率は、約34%、2009年度の当社の実効税率は、約31%でした。上記の全ての原因により、継続事業からの希薄化後1株当
たり利益は、2010年度に1.66ドルとなり2009年度と比べて23%増加しました。
当社の2010年度の現金、現金同等物及び投資の総額は16億ドルとなりました。2010年度において、当社は事業、従業
員株式計画に基づく普通株式の発行、及びIntuit Real Estate Solutions事業を売却したことにより現金を得まし
た。同期間において、当社は、自己株式取得計画に基づく当社普通株式の買戻し、投資資産の純取得、Mint及び
Medfusionの買収、並びに資本支出のために現金を使用しました。2010年7月31日において、当社は株式買戻しのため
に当社の取締役会より承認された全ての資金を使用しました。2010年8月19日において、当社は、2013年8月16日に終
了するまでの3年間に渡り随時、当社の普通株式を追加で20億ドルまで買い戻すことができる新しい株式買戻しプロ
グラムを発表しました。
季節性
当社のQuickBooks並びに消費者向け税務部門及び会計専門家向け部門の製品には、強い季節性があります。一般的
には、QuickBooksソフトウェア製品の売上は第2四半期及び第3四半期に最も高くなる傾向があります。所得税申告書
作成用製品及びサービスの売上の大半は11月から翌年4月の間に集中します。消費者向け税務部門事業では、売上の
多くはこのシーズンの後半に集中します。これには、売上が伸びている TurboTax Onlineの売上が確定申告の電子申
告又は所得税申告書の印刷が完了した時点で認識されることも影響しています。これらの季節性のパターンは、当社
の純売上高合計が通常1月31日に終わる第2四半期と4月30日に終わる第3四半期に集中することを意味しています。
当社は税務関連事業の売上が最も少ない一方で、営業費用は年間を通じてコンスタントにかかるため、10月31日に終
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わる第1四半期及び7月31日に終わる第4四半期に損益を出すのが通例です。当社は、収益及び利益の季節性が今後も
継続するであろうと考えております。
重要な会計方針及び予想
当社は、財務諸表を作成するにあたり、予想、仮定及び判断を行っていますが、それによって、純売上高、営業利益又
は営業損失及び純利益又は純損失、並びに当社の貸借対照表上の一定の資産及び負債の価値が重大な影響を受ける
可能性があります。当社は、以下に記載する会計方針に関連する予想、仮定及び判断が財務諸表に影響を与える可能
性が非常に大きいと考えており、そのため、これらを重要な会計方針であると考えています。上級経営陣は、これら重
要な会計方針の発展及び選択並びに様式10-Kによる年次報告書での開示について、当社の取締役会の監査及びリス
ク委員会とともに検討しました。
収益の認識
当社は、パッケージ・ソフトウェア製品、ライセンス料、ソフトウェア使用料、製品サポート、ホスティングサービ
ス、給与計算サービス、商業者向けサービス、専門的サービス、取引手数料及びこれらの各要素を組み合わせた複合契
約の販売から売上をあげています。当社は、収益のタイプに応じた適切な収益認識のルールに従っています。当社は、
通常、契約の存在を示す確実な証拠があり、製品の納入又はサービスの履行が完了しており、手数料が確定したか又
は確定可能であり、且つ回収の可能性が大きい場合に、収益を認識します。しかし、これらの基準の中には、それが満
たされたか否か、及びいつ満たされたかを決定する際にしばしば仮定や判断を必要とするものもあり、それらの仮定
や判断が、当社の報告する収益のタイミング及び金額に重大な影響を与えている場合があります。 例えば、複合契約
の場合、納入すべき複数の要素の間で合計金額を配分するには、未納入の要素が納入済みの製品やサービスの機能に
とって不可欠なものであるか否か、未納入の要素の各々の公正価格についてベンダー固有の証拠が存在するか否か、
並びに、各要素が納入されたか否か及びいつ納入されたかを決めるために、当社は仮定をたてて、判断を行わなけれ
ばなりません。当社がこれらの仮定や判断を変更した場合、それによって、ある特定の期間について決算上の収益の
金額に大幅な増減が生じる可能性があります。収益が認識できない契約に関連して既に回収されている手数料や支
払期日の到来した請求金額は、当社の貸借対照表において繰延収益として反映され、適用される収益認識基準が満た
された時点で認識されます。
当社は、一定の製品の販売に関連して、限定された量の技術サポートを無償で顧客に提供しています。この無償技術
サポートを提供するための費用は些少な金額であるため、当社は、これらの製品の販売に関連する収益の計上を繰り
延べていません。当技術サポートは、通常、関連する収益が認識されてから1年間提供されるものであり、無償での製
品機能の追加はほとんどありません。当社は、製品を出荷した時点で、当該無償サポートの提供に関連して予想され
る費用を計上しています。
返品引当金及びリベート引当金
収益認識方針の一環として、当社は、将来の返品やリベートの支払を予想し、これらの予想に基づき、販売の時点で、
収益に対して引当金を設定しています。当社の返品方針では、販売業者や小売業者は、契約上の制限に従い、購入した
製品を返却することができます。販売業者や小売業者による返品は、主に余剰製品や陳腐化した製品の返品によるも
のです。当社は、返品引当金を決定する際、小売チャネルにおける製品の数量と価格ミックス、過去にリリースされた
各製品の返品率、小売業者の在庫の動向、及び当社製品に対する顧客の需要に影響を与える可能性がある経済の動向
(競争環境や当社製品の新規リリースのタイミング等)を考慮しています。当社は、流通チャネルにおける製品の余剰
や陳腐化に対し、十分な引当金を設定しています。
当社のリベート引当金には、販売業者や小売業者の売上に対するインセンティブ・リベート及びエンドユーザ・リ
ベートが含まれます。当社の販売業者及び小売業者向けインセンティブ・リベート引当金の予想額は、通常年次で設
定しているリベート計画の条件に対する、販売業者や小売業者の実際の成績に基づいて計算されています。当社のエ
ンドユーザ・リベート引当金は、特定の販売促進リベート計画の条件、販売促進期間中の実際の売上並びに製品及び
販売促進計画ごとの過去の返品動向に基づいて予想されています。
過去において、実際に発生した返品やリベートが当社の設定した引当金と著しく異なったことはありません。しか
し、将来のいずれかの期間における実際の返品やリベートは、本来不確実なものです。当社が仮定や予想を変更すれ
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ば、収益引当金も増減し、それによって決算上の純収益も影響を受けることになります。実際の返品やリベートが当
社の設定した引当金よりも著しく多い場合、それによって当社の将来の決算上の収益が減少します。逆に、実際の返
品やリベートが当社の引当金よりも著しく少ない場合は、将来の決算上の収益が増加します。例えば、小売業者に対
するQuickBooks、TurboTax及び Quickenの非委託販売について、当社の2010年度の返品引当金を1%増加させていた
ならば、当社の2010年度の純収益の総額は約300万ドル減少していたはずです。
貸倒引当金
当社は、売掛金の回収可能性に関連して継続的な仮定を行っています。当社の貸借対照表に表示される売掛金の金
額には、支払を受けられないおそれがあるものに対する引当金が含まれています。当社は、引当金の金額を決定する
際、当社の過去の貸倒損失の水準を考慮しています。また、当社は、重要顧客の信用力について、継続的な信用評価に
基づき判断するとともに、将来の貸倒損失の水準に影響を与える可能性がある現在の経済動向を評価しています。こ
れまで、当社の引当金は、実際の貸倒損失をカバーするのに概ね十分でした。しかし、当社顧客の財務状況の将来にお
ける変化を確実に予測することは不可能であるため、当社の引当金が引き続き十分であるとの保証はありません。実
際の貸倒損失が当社の設定した引当金よりも著しく多い場合、それによって当社の販売費及び一般管理費が増加し、
決算上の純利益が減少します。逆に、実際の貸倒損失が当社の引当金よりも著しく少ない場合、最終的には当社の販
売費及び一般管理費が減少し、決算上の純利益が増加します。当社には、2010年7月31日付貸借対照表上、総売掛金合
計1億5700万ドルがありました。
投資資産の公正価値
当社は、各四半期に売却可能有価証券の公正価値の見積もりを行っています。これらの投資は、現金同等物、地方債、
米国国債、連邦政府機関の発行する有価証券、社債及びオークション・レート公債から構成されています。公正価値
は、評価日に実行される市場参加者間での規則的な取引において、資産又は負債を、主要市場若しくは最も有利な市
場で売却した場合に受領する金額、又はその移転のために支払われる金額として定義されます。同一又は同様の資産
が活発に取引されている場合、公正価値の見積もりに必要とされる判断のレベルは比較的低いものとなります。これ
は、当社がレベル1と考える当社の現金同等物並びに当社がレベル2と考える地方債、連邦政府機関の発行する有価証
券及び社債には概ね該当するものです。しかしながら、観測可能なインプットが入手できないような資産及び負債の
公正価値測定においては、高度の判断が必要とされます(レベル3)。例えば、当社はオークション・レート公債の公正
価値を見積もるため、割引キャッシュ・フロー・モデルを用います。これらの証券の市場が活発ではないと決定して
いるためです。この決定は、世界的な信用市場の流動性の低下を受けて、2008年2月から、当社が保有するオークショ
ン・レート公債に対する入札が不成立に終わるケースが出てきたことによります。当社の割引キャッシュ・フロー
・モデルにとって重要なインプットには、もともと不確実性のあるものもあります。重要なインプットには、将来の
金利予測、元本償還のタイミング、完全償還の可能性、最近発行された類似証券でオークションの対象となっていな
いものの価格データ及びオークション・レート公債の流動性の減少のインパクト等が含まれます。2010年7月31日現
在、当社は合計8700万ドルのオークション・レート公債を保有していました。
当社は、売却可能証券を売却するか、その公正価値の減少が非一時的なものであると判断する場合を除き、かかる証
券の未実現利益及び損失を、貸借対照表の純資産の部の「その他の包括的利益」の項目で表示しています。当社は、減
損費用を認識するか否かを決定する上で、数々の要素を考慮します。例えば、公正価値の減少の原因、公正価値の減少
の深刻さ、公正価値が取得価額を下回っている期間の長さ、発行体の財政状態及び短期収益予測、そして取得原価の
回復が見込まれる時期までに、当社が当該証券を売却する意向があるかどうか、又はそうせざるをえなくなるかどう
か、などです。当社の売却可能証券の公正価値の見積もりの変更により、かかる変更のあった事業年度における当社
純利益に著しい増減が生じる可能性があります。
非金融資産及び非金融負債の公正価値
当社は、権威ある指針に従って、当社が公正価値で認識しないか又は公正価値を開示しない非金融資産及び非金融
負債の公正価値を、繰り返し(最低でも年1回)見積もります。これらには、当社が企業結合によって取得するか承継す
る非金融資産及び負債を、営業権の減損テストにおける公正価値で測定した報告単位で示したものと、その他の非金
融資産又は負債を、減損テストでの公正価値で測定したものとが含まれます。
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当社は、公正価値を、評価日に実行される市場参加者間での規則的な取引において、資産又は負債を、主要市場若し
くは最も有利な市場で売却した場合に受領する金額、又はその移転のために支払われる金額として定義します。非金
融資産及び負債の性質を考慮すると、市場参加者の視点からそれらの公正価値を評価することは、本質的に困難で
す。例えば、周知の市場がないか又は当社が市場にアクセスできない場合、当社は、仮定的市場参加者を特定し、その
市場参加者について予想される仮定に基づいて仮定的市場を構想しなければなりません。さらに当社は、あらゆる適
切な評価方法を考慮して、それらを使用することを求められます。複数の評価方法を用いると、可能な結果の範囲が
幅広くなる可能性がありますが、当社はかかる範囲内で最も代表的な数値を選択するために、これら可能な結果を評
価しなければなりません。
将来の価値についての仮定及び評価は、様々な内外の要因に影響される可能性があります。これらの要因の変化に
より、当社が当社の推定を修正し、営業権及び取得した無形資産について将来減損費用を計上するか、又は当社が企
業結合に関連して資産及び負債の公正価値として計上した暫定的な総額を遡及的に調整することが必要となるかも
知れません。これらの費用及び調整によって、当社の営業利益及び当期純利益が著しく減少し、当社の貸借対照表上
の資産価額が減少する可能性があります。
企業結合
会計上の取得法に基づき、 当社は概して、取得した特定しうる資産、承継した負債及び被買収者に対する非支配的
持分がある場合には当該持分を、取得日時点の公正価値によって認識します。当社は、移転される対価が取得した特
定しうる資産及び承継した負債の取得日時点における公正価値の純額を超過する部分を、営業権として、公正価値に
より測定します。会計上の取得法に基づき、当社は、特定しうる無形資産の公正価値、繰延税金資産評価引当金、不確
実な税務ポジションに関連した負債及び偶発事象といった企業結合の要素の取得日時点における公正価値に関し
て、重大な評価及び仮定を行わなくてはなりません。また、この方法に基づき、当社は、取得日の時点で存在した、取得
日時点で認識される総額の測定に影響を及ぼしただろう事実及び状況がもし周知である場合には、それらについて
得られた新情報を反映するために、1年間を超える測定期間についてはこれらの評価を精緻化しなければなりませ
ん。もしも当社が、買収と関連して公正価値で計上した資産及び負債の暫定的な総額を遡及的に調整しなければなら
ない場合、これらの調整により、当社の営業利益及び当期純利益が著しく減少し、当社の貸借対照表上の資産価額が
減少する可能性があります。
取得した技術、取引先リスト及び他の特定可能な無形資産の公正価値の推定における重大な評価及び仮定には、当
社がこれら取得した資産から将来生み出されると予想するキャッシュ・フローが含まれます。その後、これらの資産
や負債が関連する事業活動の実際の業績や更新された予測が、これらの価値を決定するために用いた仮定や予測に
比べて変化した場合、減損費用を計上することがあります。さらに、当社は、一定の取得資産の耐用年数を予想してお
り、かかる耐用年数を、減価償却費の計算に用いています。当社の耐用年数の予想が変更されれば、減価償却費が加速
又は減速する可能性があります。
営業権、取得した無形資産及びその他の長期性資産-減損評価
当社は、当社の貸借対照表に計上された資産の簿価を回復できない可能性を示唆するような事態又は状況の変化が
起こった場合、その都度、取得した無形固定資産及びその他耐用年数の定められた長期性資産の公正価値を見積もっ
ています。当社は、年1回、第4四半期に、又は減損の兆候が生じた場合にはその都度、営業権及び耐用年数の定められ
ていないその他の無形固定資産の減損の可能性をテストしています。年次のテストのタイミングによって、当社の第
4四半期における損益計算書で、それより前の期間においては合理的に予測しえなかった費用が生じる場合がありま
す。
当社は、営業権の公正価値を予想するために、(インカム・アプローチとして知られている)割引キャッシュ・フ
ロー・モデルと、(マーケット・アプローチとして知られている)類似事業に従事している公開会社との比較を、加重
的に組み合わせています。インカム・アプローチにおいては、当社は多くの仮定に依拠する必要があります。それに
は、その事業に固有の市場要因、その事業によって長期にわたり発生する将来のキャッシュ・フローの金額及びその
タイミング、その事業の長期成長率、そしてかかるキャッシュ・フローの達成に関連する相対的なリスクと金銭の時
間的価値を勘案した収益率等が含まれます。当社は、決算部門レベル、及び、取得後に決算部門の数を減らして事業を
より一層統合した場合よりも減損の可能性が大きいと考える決算部門の数に基づき、キャッシュ・フローを予想し
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ています。当社が割引キャッシュ・フロー・モデルにおいて用いる仮定と、当社が内部戦略及び予測の構築において
用いる仮定は一貫性のあるものですが、各決算部門から生み出される将来のキャッシュ・フローの金額及びタイミ
ング、並びにかかるキャッシュ・フローの達成に関連する相対的なリスクの見積もりには、相当な判断が要求されま
す。マーケット・アプローチを用いる場合には、類似の事業に従事している公開会社の比較可能性について、判断を
行います。当社の判断は、サイズ、成長率、収益性、リスク、並びに投資収益率に依存します。当社はまた、比較対象会社
と当社の事業との相対的類似性を反映するために比較対象会社の収益、営業利益及び当期純利益にかかる株価収益
率を調整する場合にも、判断を行います。当社は、2010年7月31日現在、貸借対照表上で19億ドルの営業権を有してい
ました。
当社は、資産の簿価と、当該資産が生み出すだろうと当社が予想する将来の割引前キャッシュフローとを比較する
ことによって、取得した無形固定資産及びその他長期性資産のうち耐用年数が定められているものの回収可能性を
見積もります。これらの資産の公正価値を見積もる上で、当社はこれらの資産から将来生み出されるキャッシュ・フ
ローの現在価値を見積もります。当社が割引キャッシュ・フロー・モデルで用いる仮定のうち主要なものは、その資
産から長期にわたって生み出される将来のキャッシュ・フローのタイミング及びその金額、並びにかかるキャッ
シュ・フローの達成に関連する相対的なリスクと金銭の時間的価値を勘案した収益率です。キャッシュ・フローの
タイミング及びその金額、及びかかるキャッシュ・フローの達成に関連する相対的なリスクの見積もりには、相当の
判断が必要とされます。当社はまた、取得した無形固形資産及びその他長期性資産のうち耐用年数が定められている
ものについては、残存耐用年数の見積もりを行います。当社は、2010年7月31日現在、貸借対照表上の簿価で2億5600万
ドル(純額)の取得した無形固定資産を有していました。
将来価値や残存耐用年数についての仮定や予想は、複雑であり、また多くの場合主観的です。これらの仮定や予想
は、業界及び経済の動向といった外的要因並びに当社の事業戦略及び社内予測の変更といった内的要因を含む、さま
ざまな要因の影響を受けることがあります。例えば、将来における当社の業績が現在の予測を下回った場合、又は当
社の時価総額が長期にわたって減少し、かかる状況が1以上の決算部門の公正価値の減少の兆候であると当社が決
定する場合、当社は将来営業権及び取得した無形固定資産について減損費用を計上せねばならなくなる可能性があ
ります。減損費用により将来当社の純利益が著しく減少し、貸借対照表上の資産価値も減少する可能性があります。
2010年度第4四半期には、当社は年次の営業権減損テストを実行しました。そのテストのステップ1において、当社
は各報告単位の推定された公正価値を簿価と比較しました。当社の全ての報告単位の見積もり公正価値はその簿価
を超えたため、当社はそれらにつき減損がないと結論しました。従って、当社は2010年7月31日に終了する12ヵ月間に
おいて、営業権減損費用を計上しませんでした。
当社が2010年度の営業権減損の分析を進める中で、当社は、当社の全ての報告単位の見積もり公正価値は、実質的に
その簿価を超えると結論しました。当社報告単位である金融サービス部門の推定された公正価値は、2009年度第4四
半期においては簿価を約5%上回ったのに対して、簿価11億ドルを約18%上回るものでした。当社の報告単位である
金融サービス部門の公正価値を推定する過程で、当社は、それが内部の財務予想及び主要な事業のマイルストーンを
一貫して充足していたか又は越えていた程度と、それが当社と比較可能な他社での類似事業ラインの財務業績を一
貫して充足していたか又は越えていた程度を考慮しました。この報告単位の公正価値が2010年度に増加したのは、主
に類似事業に従事している比較可能な他社公開企業の収益、営業利益及び株価倍数が増加したことによるものです
(当社が実行するマーケット・アプローチ分析において、これらは主要なインプットとなっています。)。
上記のように、当社のあらゆる報告単位の公正価値の評価は、様々な外部要因及び内部要因に影響を受ける可能性
があります。最近の全世界規模の不況によって、全世界の金融市場において、また銀行業及び金融サービス産業にお
いて、重大な混乱が生じました。当社の報告単位である金融機関部門の公正価値を推定する際に当社が使用した主要
な前提に負の影響を与えることが合理的に想定されうる潜在的事由又は状況には、金融機関の統合又は破綻が含ま
れます。その結果、当社の製品及びサービスの市場が縮小し、当社の重要取引先との関係が損なわれる場合がありま
す。また、金融機関によるコスト削減努力によって、当社が既存顧客又は見込み顧客を失うか、又は顧客当たり収益が
減少する場合があります。当社の報告単位である金融機関部門の推定された公正価値がこれらの要因のいずれかに
よって減少する場合、当社は将来営業権について減損費用を計上せねばならなくなる可能性があります。
株式に基づいた報酬プランの会計処理
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2010年7月31日現在、当社が将来償却するすべての株式報酬プランの下で付与された未確定の株式に基づいた報酬
措置に関連する未計上の報酬費用は総額2億8000万ドルでした。未計上報酬費用の総額は、将来の見積失権分につい
て調整が加えられます。当社は、加重平均2.1年のべスティング期間にわたりそのコストを計上することを予想して
います。
当社は付与した株式オプションの公正価値を見積るために二項格子モデルを使用しています。当社は、2項モデルを
使い、暗黙の行使パターンに基づき付与したオプションの予想期間を見積っています。当社は、付与日の当社の普通
株式のボラティリティを、上場している当社株式の1年及び2年のオプションのインプライド・ボラティリティに基
づき見積ります。当社がインプライド・ボラティリティの利用を決定したことは、当社の普通株式に対するオプショ
ンが活発に取引される可能性と、インプライド・ボラティリティがヒストリカル・ボラティリティよりも将来の株
価トレンドをより的確に表すという当社の評価に基づいています。オプション付与時に有効なインプライド・イー
ルドに関して当社が利用するリスク・フリー金利は、同じ残存期間を持った米国債の実質満期日に基づいています。
当社は当社の普通株式に対していかなる配当も支払っておらず、近い将来、当社が配当を支払うことはありません。
その結果、当社は、当社のオプション価値計算モデルにおいて予想配当利回りゼロを使っています。当社は、オプショ
ン付与時における権利失効を見積り、実際の権利失効が見積りと異なっていた場合にはその後の期間で修正をしま
す。当社は、確定前のオプションの失権の見積りに過去のデータを用います。そして、確定すると予想される報奨のみ
について、それに対する株式に基づく報酬を計上します。当社は、オプションの公正価値を、一般的にはベスティング
期間と同じ、報奨のオプションの行使権利獲得に必要な勤務期間にわたり、定額法で償却します。当社は、将来、当社
のオプション評価モデルにおいて異なる前提を使うことを選択するかもしれません。そのことは、当社の純利益又は
純損失又は1株当たり純利益又は純損失に重大な影響を与える可能性があります。
付与された制限付き株式ユニットは、概して継続勤務に基づき権利が確定します。当社はこれらの時間基準に基づ
く制限付き株式ユニットを、本来価値算定法を使用して付与日時点で評価し、制限期間における推定失権を調整した
上で定額法により、その価値を償却します。上級経営陣に対して付与される特定の制限付き株式ユニットは、あらか
じめ設定されたパフォーマンス目標又は市場目的の達成に基づいて権利が確定します。当社は、パフォーマンスに基
づいた制限付き株式ユニットの付与日における公正価値を、本来価値算定法を使用して、指定されたパフォーマンス
基準が満たされる確率に基づき推定します。当社は、それぞれ別に権利が確定するトランシェ毎に推定された失権を
調整の上、必要条件となっている勤務期間にわたり、これらの公正価値を償却します。当社は付与日における市場
ベースの制限付き株式ユニットの公正価値をモンテカルロ評価法を使用して推定し、それぞれ別に権利が確定する
トランシェ毎に推定された失権を調整の上、必要条件となっている勤務期間にわたり、これらの公正価値を償却しま
す。
法的偶発事象
当社には、通常の業務遂行過程で法的手続き、請求、クレーム及び訴訟の当事者となるおそれがあります。当社は、各
重要事項の状況を四半期ごとに点検し、当社の潜在的財務的リスクを評価します。何らかのクレーム又は法的手続き
から生じる潜在的損失が、起こりうると判断され、その金額を合理的に見積ることができる場合、見積られる損失に
かかる負債及び費用を計上します。そのリスクの蓋然性及びリスクを合理的に見積ることの可否を決定するに当
たっては、重大な判断が必要とされます。当社の見越し額は、そのときに入手可能な最良の情報に基づいています。追
加情報を入手するにしたがって、当社の係争中のクレーム及び訴訟に関連する潜在的な負債を再評価します。そし
て、予測額を修正する可能性があります。潜在的な法的責任及び潜在的法的責任の見積額の修正は、当社の財務状態
及び営業成績に重大な影響を与える可能性があります。
法人所得税−繰延税金、評価性引当金及び不確実な税務ポジションにかかる推定
当社は、事業を行う際にさまざまな管轄官庁から課される法人所得税を見積もります。当社の世界中の法人所得税
の引当金を決定するには重要な判断が必要となります。当社の未払法人所得税を見積もる上では、複雑な税法の規定
の適用並びに将来米国IRS及びその他の地域の課税当局による不確実な評価性引当金の調整の可能性における不確
実性の扱いがともないます。当社は、未払法人所得税の残高を見積もる、また、税法上及び会計上それらの事項の取り
扱いが異なる結果として生じる一時差異を算定する必要があります。これらの差異は、繰延税金資産と繰延税金負債
として貸借対照表に示されています。その後、当社は、当社の繰延税金資産が実現する可能性を評価しなければなり
ません。実現の可能性が低いと当社が判断する程度に応じて、当社は評価性引当金を設定します。当社がある会計期
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間内に評価性引当金を設定するか、又はこの引当金を増加するとき、当社は、当社の損益計算書において対応する法
人所得税を計上します。
2010年7月31日現在、当社の正味繰延税金資産は1億5800万ドルで、州税及び外国税に関連する繰越営業純損失にか
かる評価性引当金800万ドルを含みます。これらの評価性引当金は、当社の繰延税金資産の一部につき、その期限まえ
にそれを利用することができるかどうかについての不確実性を反映するため、計上したものです。当社は、当社が事
業を行う法域及び当社の繰延税金資産が実現可能である期間に基づいて予測した課税所得に基づいて評価性引当金
を計上します。当社は、将来の課税所得を評価性引当金の必要性を評価するために考慮しましたが、回収可能性のな
い追加の繰延税金資産を考慮に入れるために、将来評価性引当金を増加することを求められる可能性があります。評
価性引当金の増加は、かかる増加を計上する会計期間における法人所得税引当金及び純利益に重大な悪影響を与え
るおそれがあります。
当社は2段階のアプローチにより、不確実な税務ポジションを認識及び測定しています。第1段階は、関連する訴訟手
続等の決定などの入手可能な証拠の比重により、監査においてかかる税務ポジションが認められる可能性の方が高
いと考えられるかどうかを決定することにより、法人税の申告書において記載される又は記載される予定の税務ポ
ジションを評価することです。税務調査においてかかる税務ポジションが認められる可能性の方が高いと考えられ
る場合には、決定時に認められる可能性の方が高いベネフィットの最大額を測定するという、第2のステップに進み
ます。不確実な未払法人税引当金の評価には相当の判断が必要とされます。当社は、不確実な未払法人税引当金を毎
四半期に見直しています。当社の評価は、事実の変更、税法の改正、税務調査時における課税当局対応及び税務調査上
の問題点の効率的な解決等、多数の事実に基づくものです。不確実な未払法人税引当金の認識又は測定における変更
により、かかる変更を行った会計期間において当社の法人所得税費用が著しく増減する場合があり、それが当社の実
効税率及び業績に重大な影響を及ぼすことがあります。 59/172
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第4【設備の状況】
1 【設備投資等の概要】
2010年7月31日現在における当社の主たる所在地、その目的及び各所在地の施設のリース期間は、下表のとおりで
す。当社は当社のリースの多くについて、これらの更新オプションを有しています。
概算面積
(平方
フィート)
リース期間
(年)
所在地
目 的
カリフォルニア州マウンテン
・ビュー及びメンロー・パー
ク
主たる事務所、企業本部及び
財務管理ソリューションズ部門及び従業員管理ソ
リューションズ部門の本部
754,000
2012 - 2018
カリフォルニア州サンディエ
ゴ
消費者向け税務部門の事業本部、
一般事務所スペース及びデータセンター
537,000
2012 - 2017
カリフォルニア州ウッドラン 支払ソリューションズ部門、金融サービス部門及
ド・ヒルズ、ウエストレイク・ び
ヴィレッジ及びカラバサス
データセンターの本部
274,000
2011- 2018
ワシントン州クインシー
データセンター
240,000
所有
テキサス州プレーノー
会計専門家向け部門
及びデータセンターの本部
166,000
2011
さらに当社は、国内及びカナダ、インド並びに英国など海外に数ヵ所の施設をリース又は所有しています。
2 【主要な設備の状況】
「1 設備投資等の概要」を参照してください。
3 【設備の新設、除却等の計画】
当社の施設は、現在及び当面のニーズを満たすのに十分であり、必要に応じて追加の施設を設置できると確信して
います。
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第5【提出会社の状況】
1 【株式等の状況】
(1)【株式の総数等】(2010年10月31日現在)
①【株式の総数】
普通株式(額面0.01ドル)
授権株式数(株)
750,000,000
発行済株式総数(株) 未発行株式数(株)
313,601,653
436,398,347
優先株式
授権株式数(株)
発行済株式総数(株) 未発行株式数(株)
1,344,918
0
1,344,918
(注): 優先株式1,344,918株のうち144,918株はシリーズA優先株式、250,000株はシリーズBジュニア参加型優先
株式に各々指定されています。
②【発行済株式】
記名・無記名の別
及び
額面・無額面の別
額面0.01ドル
の記名株式
種類
普通株式
額面0.01ドル
の記名株式
優先株式
計
-
発行数(株)
313,601,653
上場金融商品
取引所名
又は登録認可
金融商品
取引業協会名
ナスダック
-
0
-
313,601,653
-
・シリーズA優先株式
1株につき議決権2個を有する。
・シリーズB優先株式
1株につき議決権1,000個を有す
る。(注1)
(注1) 普通株式と優先株式の授権済シリーズとの間で議決権の内容が異なるのは、当社が株式ライツプラン(買収
防衛)に関して異なる内容を定めたことによるものです(当該ライツプランは既に失効しています。)。
1998年4月29日、インテュイットの取締役会は、将来一方的な買収攻撃があった場合に当社の長期的株主価値を防衛
するため、株主権利プランを採択しました。2008年5月1日、当社の株式権利プランはその条件に基づき期限が終了
し、本プランに基づくあらゆる権利は失効し行使できなくなっています。
(2)【発行済株式総数及び資本金の推移】(2010年7月31日現在)
(千ドル/(百万円))
年月日
2006年7月31日
発行済株式総数
増減数(株)
-14,369,345
発行済株式総数 資本金
資本金
残高(株)
増減額(円) 残高(円)
344,170,779
-$143
(-12)
61/172
$3,442
(289)
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インテュイット・インク(E05826)
有価証券報告書
2007年7月31日
-5,013,477
339,157,302
2008年7月31日
-16,557,472
322,599,830
2009年7月31日
165,720
322,765,550
2010年7月31日
-8,904,950
313,860,600
-$50
$3,392
(-4)
-$166
(284)
$3,226
(-14)
$2
(270)
$3,228
(0)
-$89
(271)
$3,139
(-7)
(263)
当社の取締役会は、発行済株式1株を2株とする株式分割を承認しました。これは、2006年6月21日の株主名簿上の発
行済株式の株主に対して株式配当することにより実行されました。株式配当は2006年7月6日に行われました。本有価
証券報告書中に記載される株式に関するデータ及び1株当たりのデータは、当該株式分割を反映したものとなってい
ます。
(3)【所有者別状況】
2010年9月30日から60日以内に権利行使可能となるオプション及び権利確定済み制限株式の決済時に発行可能な株
式を含みます。
株主の区分
Intuit Inc.の現幹部役員
及び取締役のすべて
株主数
16
所有株式数
発行済株式総数に
対する所有株式数の割合
35,274,941
11.01%
報告会社であるインテュイットは、その他の区分の株主に関する所有者別状況を公表していませんが、当社普通株
式の所有者は、個人、パートナーシップ、組合、法人、信託会社等の広範囲にわたっています。
(4)【大株主の状況】(2010年10月31日現在) ※2010年10月31日現在の発行済株式313,601,653株に基づいて算出しました。
氏 名
スコット・ディー・クック
住 所
所有株式数
発行済株式
総数に対する
割合
郵便番号94043
アメリカ合衆国カリフォルニア州
マウンテン・ビュー
コースト通り2700番地
インテュイット・インク気付
18,148,228
(1)
5.8%
プライムキャップ・
マネジメント・カンパニー
(2)
郵便番号91101
アメリカ合衆国カリフォルニア州
パサディナ
サウス・レーク通り225番 400号
29,867,585
9.5%
キャピタル・ワールド・
インベスターズ
(3)
郵便番号90071
アメリカ合衆国カリフォルニア州
ロスアンゼルス
サウス・ホープ通り333番
25,635,000
8.1%
62/172
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有価証券報告書
ヴァンガード・チェスター・
アンド・プライムキャップ・
ファンズ
(4)
郵便番号19355
アメリカ合衆国ペンシルベニア州
マルヴァーン
ヴァンガード通り100番
17,300,000
5.5%
ザ・グロース・ファンド・
オブ・アメリカ・インク
(5)
郵便番号90071
アメリカ合衆国カリフォルニア州
ロスアンゼルス
サウス・ホープ通り333番
20,800,000
6.6%
(1) クック氏が受託者となっている信託が保有する株式です。
(2) プライムキャップ・マネジメント・カンパニー(以下、「プライムキャップ」という)の所有権情報は、2009年12
月31日現在の所有権についてプライムキャップが米国証券取引委員会(SEC)に提出した、スケジュール13Gに
基づいています。
(3) キャピタル・リサーチ・アンド・マネジメント・カンパニー(以下、「CRMC」という)の一部門であるキャピタ
ル・ワールド・インベスターズ( (以下、「キャピタル・ワールド」という)の所有権情報は、2009年12月31日現
在の所有権についてキャピタル・ワールドが米国証券取引委員会(SEC)に提出した、スケジュール13Gに基づ
いています。
(4) ヴァンガード・チェスター・アンド・プライムキャップ・ファンズ(以下、「ヴァンガード」という)の所有権
情報は、2009年12月31日現在の所有権についてヴァンガードが米国証券取引委員会(SEC)に提出した、スケ
ジュール13Gに基づいています。
(5) ザ・グロース・ファンド・オブ・アメリカ・インク(以下、「グロース・ファンド・オブ・アメリカ」という)
の所有権情報は、2009年12月31日現在の所有権についてグロース・ファンド・オブ・アメリカが米国証券取
引委員会(SEC)に提出した、スケジュール13Gに基づいています。
2【配当政策】
当社は、普通株式に対する現金配当はこれまで行っておりません。当社では、随時現金配当の当否を検討しています
が、今のところ、当社の事業に使用するため将来の収益はすべて留保し、当面は現金配当を行わない予定です。
3【株価の推移】
(1)【最近5年間の事業年度別最高・最低株価】
以下の表は、表示期間におけるナスダックにおいて取引された当社普通株式の株価の高値及び安値を示すものです。
回 次
決 算
年 月
2006年
2007年
2008年
2009年
2010年
2006年7月31日 2007年7月31日 2008年7月31日 2009年7月31日 2010年7月31日
最 高(円)
$31.35
(2,628)
$35.78
(2,999)
$32.70
(2,741)
$31.94
(2,677)
$39.75
(3,332)
最 低(円)
$21.35
(1,790)
$26.98
(2,261)
$25.42
(2,131)
$20.19
(1,692)
$27.47
(2,303)
(2)【当該事業年度中最近6月間の月別最高・最低株価】
2010年
2010年
2010年
月 別
7月
8月
9月
2010年 2010年 2010年
10月
63/172
11月
12月
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最 高(円)
$39.75
(3,332)
$44.60 $45.83 $48.23 $48.83 $50.08
(3,738) (3,841) (4,043) (4,093) (4,198)
最 低(円)
$34.30
(2,875)
$38.40 $43.47 $44.15 $44.66 $46.21
(3,219) (3,644) (3,701) (3,743) (3,873)
4【役員の状況】
(1) 現職役員の略歴並びに所有株式数等(2010年10月31日現在)
下記の表は、氏名、生年月日、役名及び職名並びに所有株式数(2010年10月31日から60日以内に権利確定済み制限株
式の決済時に行使可能なオプション及び発行可能な株式を含む)です。略歴は、本表の下に記載されています。
氏名
(生年月日)
役名及び職名
所有株式の
種類及び数
ブラッド・ディー・スミス
Brad D. Smith
(1964年4月6日)
社長兼最高経営責任者
兼取締役
普通株式
598,962株
ウィリアム・ヴィ・キャンベル
William V. Campbell
(1940年8月31日)
執行権限を有さない取締役会会長
普通株式
181,992株
スコット・ディー・クック
Scott D. Cook
(1952年7月26日)
創立者兼執行委員会委員長
普通株式
18,148,228株
ローラ・エイ・フェネル
Laura A. Fennell
(1960年12月13日)
上席副社長兼法務部長兼秘書役
普通株式
203,969株
ササン・ケイ・ゴッダルジ
Sasan K. Goodarzi
(1968年3月21日)
上席副社長
兼インテュイット金融サービス部門担当
普通株式
241,467株
ダニエル・マウラー
Daniel Maurer
(1956年8月21日)
上席副社長兼消費者向け税務部門担当部長
普通株式
209,381株
キラン・エム・パテル
Kiran M. Patel
(1948年5月12日)
執行副社長兼小規模事業部門担当
普通株式
1,013,183株
アール・ニール・ウィリアムズ
R. Neil Williams
(1953年1月16日)
上席副社長兼最高財務責任者
普通株式
181,645株
ジェフリー・ピー・ハンク
Jeffrey P. Hank
(1959年10月14日)
副社長兼コントローラー
普通株式
80,656株
デイビッド・バッチャルダー
David H. Batchelder
(1949年6月14日)
取締役
普通株式
5,872株
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クリストファー・ダブリュー・
ブロディー
Christopher W. Brody
(1944年11月10日)
取締役
普通株式
895,343株
ダイアン・ビー・グリーン
Diane B. Greene
(1955年6月9日)
取締役
普通株式
163,354株
マイケル・アール・ホールマン
Michael R. Hallman
(1944年6月6日)
取締役
普通株式
410,719株
エドワード・エイ・カンガス
Edward A. Kangas
(1944年5月22日)
取締役
普通株式
132,791株
スザンヌ・ノラ・ジョンソン
Suzanne Nora Johnson
(1957年6月14日)
取締役
普通株式
140,291株
デニス・ディー・ポウエル
Dennis D. Powell
(1947年12月21日)
取締役
普通株式
157,901株
Smith氏は、2008年1月より社長兼最高経営責任者を務めています。それ以前は2006年5月から2007年12月まで、上席
副社長兼小規模事業部門担当部長を務め、2005年5月から2006年5月まで、上席副社長兼QuickBooks担当部長でした。
Smith氏はまた、2004年3月から2005年5月までは、消費者向け税務グループ担当上席副社長兼部長を務め、2003年2月
から2004年3月までは、当社のアカウント・セントラル・アンド・デベロッパー・ネットワークの副社長兼部長でし
た。2003年に当社に入社する前は、ADP(ビジネス・アウトソーシング・ソリューション会社)のマーケティング及び
事業開発担当上席副社長であり、1996年から2003年まで同社で複数の管理職に就いていました。Smith氏はまた、
Yahoo!の取締役でもあります。マーシャル大学にて経営学の学士号を取得、アキナス大学にて経営学修士号を取得し
ました。
Campbell氏は、1994年5月より当社の取締役を務めています。1998年8月以降、取締役会会長を務め、1999年9月から
2000年1月までは最高経営責任者代理でした。1994年4月から1998年7月までは、当社の社長兼最高経営責任者でもあ
りました。また、Apple, Inc.の取締役です。コロンビア大学にて経済学の学士号を、同大学院にて理学修士号を取得
し、同大学で評議員会会長を務めています。
当社の創立者であるCook氏は、1984年3月から当社の取締役です。1993年2月から1998年7月にかけては、当社の取締
役会会長でした。1984年4月から1994年4月までは、当社の社長兼最高経営責任者でした。また、eBay Inc.及びThe
Procter & Gamble Companyの取締役も務めています。南カリフォルニア大学にて経済学及び数学の学士号を、ハー
バード・ビジネス・スクールにて経営管理学修士号を取得しています。
Fennell氏は、2007年2月より、上席副社長兼法務部長兼秘書役です。2004年4月に、副社長兼法務部長兼秘書役として
当社に入社しました。当社入社以前は、ごく最近まで企業法律情報資源担当副社長及び法務部長代理として、Sun
Microsystems, Inc.に11年近く在籍していました。Sun Microsystems, Inc.入社前は、Wilson Sonsini, Goodrich &
Rosati 法律事務所のアソシエート弁護士でした。カリフォルニア州立大学チコ校にて経営管理学の理学士号を、サ
ンタクララ大学にて法学博士号を取得しています。
Goodarzi氏は、2007年9月に上席副社長に任命されました。2005年9月から2007年9月までは、当社の副社長兼専門家
向け税務部門を務め、2004年6月から2005年9月までは、副社長兼Intuit-Branded Software Businesses担当を務めま
した。それ以前は、2002年から2004年6月まで、Invensys(プロセスオートメーション及び管理を提供する企業)のプロ
セスシステム部門にて製品グループの社長でした。Invensys在籍前は、Honeywellにて上席幹部職に就いていました。
2007年9月24日からは、当社の上席副社長兼金融機関部門部長となりました。セントラルフロリダ大学にて電気工学
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の学士号を、ノースウェスタン大学のケロッグ経営大学院にて経営管理学修士号を取得しています。
Maurer氏は、2008年12月に上席副社長兼消費者向け税務部門ジェネラル・マネジャーに任命されました。Maurer氏
は、当社消費者向け税務部門のマーケティング担当副社長として、2006年1月に入社しました。その後、上席副社長兼
最高マーケティング責任者を務めました。当社に入社する以前には、The Campbell’s Soup社で戦略を統率し、また
Proctor & Gamble社でマーケティングの上級職を歴任しました。ウィスコンシン大学でマーケティング及びファイ
ナンスの学士号を取得しています。
Patel氏は、2008年12月から執行副社長兼小規模ビジネス・エコシステム部門担当部長です。2007年6月から2008年
12月まで、上席副社長兼消費者向け税務グループ担当部長でした。Patel氏は、2005年9月から2008年1月まで、上席副
社長兼最高財務責任者でした。2001年8月から2005年9月までは、Solectron Corporation(電子機器販売チェーンサー
ビスのプロバイダ)の執行副社長兼最高財務責任者として、同社にて財務、法務、IR及び事業開発活動の指揮を執って
いました。2000年10月から2001年5月までは、iMotors(中古車を扱うインターネット・ベースの付加価値再販業者)の
最高財務責任者でした。それ以前は、Cummins Inc.で27年間、広範囲にわたる財務ポジションに従事し、同社退職前は
最高財務責任者兼執行副社長でした。KLA-Tencor Corporation の取締役でもあります。テネシー大学にて電気工学
の理学士号及び経営管理学修士号を取得しており、公認会計士です。
Williams氏は、2008年1月7日に上席副社長兼最高財務責任者として当社に入社しました。Williams氏は2001年から
米国の大手決済システムを提供する会社であるVisa U.S.A.社の執行副社長となり、また2004年には同社の最高財務
責任者に就任し、同社及びその子会社の財務部門全般を率いてきました。Williams氏は、Visa社のグローバルなIT組
織であって同社の全世界の取引処理及び技術開発を担っているInovant LLC社の最高財務責任者も兼任しました。
Williams氏は南ミシシッピ大学より経営管理学の学士号を取得しており、公認会計士です。
Hank氏は、2005年6月より副社長兼コントローラーです。2003年10月、当社にアカウンティング・プリンシプルズ・
グループ担当取締役として入社しました。2002年6月から2003年9月までは、KPMG LLP.にて監査パートナーをしてい
ました。1994年9月から2002年6月までは、Arthur Andersen LLP.の監査パートナーでした。カリフォルニア大学バー
クレー校にて、経営管理学(会計及びファイナンス)の理学士号を取得しています。
Batchelder氏は、投資助言会社であるRelational Investors LLCの創立者であり、1996年以降同社の社長を務めて
います。1988年から2005年まで、Batchelder氏は自らが設立した投資助言業及び投資銀行業を営むRelational
Advisors LLCの社長でした。Relational Advisors 社及びRelational Investors社を設立する前は、1978年から1988
年まで、石油及びガスの生産を行っているMesa Petroleum Co.にて、執行役員の職を歴任し、1986年から1988年まで
最高執行役員兼社長を務めました。Batchelder氏はその他10の公開会社において取締役を務めており、現在The Home
Depot, Inc.の取締役会メンバーとなっています。オクラホマ州立大学にて、会計学の学士号を取得しています。
Brody氏は、1993年より当社の取締役であり、報酬及び組織開発委員会及び指名及びガバナンス委員会の委員長で
す。1999年1月以降、Vantage Partners LLC(未公開株投資会社)の会長をしています。1971年から1998年までは、
Warburg, Pincus & Co.(ベンチャーキャピタル及び未公開企業投資会社)のパートナーでした。複数の非公開会社の
取締役も務めています。ハーバード・カレッジにて英文学の文学士号を取得、バーバード・ビジネス・スクールにて
経営管理学修士号を取得しています。
Greene氏は、2006年8月より当社の取締役であり、監査及びリスク委員会並びに指名及びガバナンス委員会メンバー
です。VMware, Inc.(仮想デスクトップ、サーバー、ストレージ及びネットワーク用ソフトウェアのデベロッパー及び
プロバイダ)の共同創立者であり、前社長兼最高経営責任者兼取締役です。1998年のVMware, Inc.共同創立前は、
Silicon Graphics、 Tandem、及びSybaseにて技術責任者を務め、VXtremeの最高経営責任者でした。Greene氏はまた、
MIT Corporationのメンバーも務めました。バーモント大学にて機械工学の学士号を、マサチューセッツ工科大学に
て造船工学の修士号を、カリフォルニア大学バークレー校にてコンピュータサイエンスの理学修士号を取得してい
ます。
Hallman氏は、1993年より当社の取締役であり、報酬及び組織開発委員長です。指名及びガバナンス委員会の委員で
もあります。1992年10月以降、The Hallman Group(経営コンサルティング会社)の社長をしています。1990年3月から
1992年4月までは、Microsoft Corporationの社長兼最高業務責任者でした。ミシガン大学にて経営学の学士号及び修
士号を取得しています。
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Kangas氏は、2007年7月より当社の取締役であり、また買収委員会並びに報酬及び組織開発委員会の委員も務めてい
ます。2003年7月以来、Tenet Healthcare(救急病院及び関連ヘルスケアサービスのオーナー兼運営会社)の執行権限
を有さない会長であり、2003年4月から取締役として従事しています。1989年から2000年には、監査・税務・コンサル
ティング及び財務助言サービスをグローバルに提供するDeloitte Touche Tohmatsuのグローバル会長兼最高経営責
任者でした。また、1989年から1994年までは、Deloitte & Touche(米国)のマネージング・パートナーでした。
Allscripts、Hovnanian Enterprises, Inc.及びUnited Technologies Corporationの取締役でもあります。カンザス
大学にて経営管理学の学士号及び修士号を取得しています。
Nora Johnson氏は、2007年7月より当社の取締役であり、また買収委員会並びに監査及びリスク委員会の委員も務め
ています。1985年から2007年まで、トップクラスの投資銀行業、証券業及び投資運用業を世界中で展開するGoldman
Sachs Groupで上席管理職等を歴任しました。上席取締役になる前は、Goldman Sachs Group副会長、同社グローバル
・マーケッツ・インスティテュートの会長、同社グローバル投資リサーチ部門の部門長、及び同社経営委員会メン
バーでした。American International Group, Inc.、Pfizer Inc.(研究開発型の生物医学及び製薬会社)及びVisa
Inc.(国際商取引を支える商品、サービス及びインフラを提供する会社)の取締役も務めています。同氏が所属する非
営利組織の中には、米国赤十字、ブルッキングス研究所、ワシントン・カーネギー研究所、マークル財団及び南カリ
フォルニア大学等があります。南カリフォルニア大学にて学士号を、ハーバード・ロー・スクールにて法学博士号を
取得しました。
Powell氏は、2004年2月より当社の取締役であり、買収及びリスク委員会の委員及び監査委員会委員長です。1997年
にCisco Systemsに入社し、2003年5月から2008年2月まで、上席副社長兼最高財務責任者として従事しています。
Cisco Systems入社前は、Coopers & Lybrand LLPに26年間勤務し、同社退職前はシニア・パートナーでした。Applied
Materials, Inc.(製造サービス、装置及びソフトウェアを提供する会社)及びVMware, Inc.の取締役でもあります。
オレゴン州立大学にて経営管理学会計学専攻の理学士号を取得しています。
(2) 取締役と執行役への報酬
当社の使用人でもある取締役3名(Campbell氏、Cook氏、及びSmith氏)は、その職務に対する追加あるいは特別な報酬
を受けてはおりません。当社の非使用人兼務取締役には、取締役会での職務に対し株式と現金を併用した報酬が支払
われております。
年間報酬
非使用人兼務取締役には、取締役会で果たす役割に基づいた年間報酬が支払われています。この年間報酬は、四半期
の職務終了後、年4回に分けて支払われます。年間報酬は以下の通りです。
役 職
年 額
取締役会メンバー
30,000ドル
買収委員会
15,000ドル
監査及びリスク委員会委員長
30,000ドル
監査及びリスク委員会メンバー(委員長以外)
15,000ドル
報酬及び組織開発委員会メンバー
15,000ドル
指名及びガバナンス委員会メンバー
10,000ドル
当社は、取締役会や委員会への出席に際し発生する非使用人兼務取締役の実費負担分を払い戻しております。
報酬及び組織開発委員会
報酬及び組織開発委員会(以下、「報酬委員会」という)は、当社の役員報酬の見直しとその承認及び管理職とその他
従業員の全社的な能力開発の監督に関し、取締役会を補佐するものです。当委員会の各メンバーは、米国ナスダック
市場(NASDAQ)の上場基準に基づき独立しており、1934年連邦証券取引所法の規則16 (b) -3に定義される「非使用人
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兼務取締役」です。報酬委員会は2010年度中に12回開催されました。報酬委員会は、当委員会のメンバー、時に取締役
会会長のWilliam Campbellのみが出席し、毎回ミーティングの一部を非公開にして行いました。
役員報酬
報酬一覧表
以下の表は、当社の最高経営責任者(CEO)、最高財務責任者(CFO)、最も高額な報酬を受けた3名の執行役員、及び前任
の執行役員1名に支払われた2010年度の報酬額の一覧です。当社においては、これらの個人を「指名執行役員」(Named
Executive Officers)と呼んでいます。
事業
氏名及び主要な役職 年度
Brad D. Smith
社長兼
最高経営責任者
給与
($)
株式
報奨
($)(1)
ボーナス
($)
オプショ
ン
報奨
($)(2)
- 8,481,403 3,100,886
2009
800,000
- 2,018,130
2008
761,539
2010
600,400
200,000 2,563,352
2009
600,000
200,000
503,370
2008
296,154
400,000
2010
合計額
($)
61,502 13,871,791
(5)
-
828,000
65,418 3,711,548
- 4,890,450 4,159,502
1,700,000
81,586 11,593,077
885,286
600,000
(4)
14,725 4,863,763
(6)
-
388,000
16,994 1,708,364
900,000 1,264,500
-
7,731 2,868,385
700,000
- 3,902,471 1,280,044
1,025,000
(4)
115,349 7,022,864
(7)
2009
700,000
- 3,818,990
-
550,000
444,696 5,513,686
2008
700,000
-
739,350
623,430
800,000
686,835 3,549,615
Daniel R. Maurer 2010
上席副社長兼
消費者向け税務部門
担当部長
475,000
- 2,222,545
599,025
545,000
(4)
13,751 3,855,321
(8)
Sasan K. Goodarzi
上席副社長兼
金融サービス部門
担当部長
2010
540,000
- 1,867,666
585,648
470,000
(4)
73,053 3,536,367
(9)
2009
540,000
-
296,100
-
290,000
376,078 1,502,178
2008
526,923
-
740,800
432,036
Kiran M. Patel
執行副社長兼
小規模事業部門
担当部長
800,000
その他報
酬
総額
($)
1,428,000
(4)
R. Neil Williams
上席副社長兼
最高財務責任者
2010
非株式インセン
ティブプラン報
酬
($)(3)
395,000 1,224,555 3,319,314
(1) これらの金額は、適用ある事業年度中に付与された報奨について、失権がなかったものとみなしてFASB ASC
Topic 718号に従い計算される当該報奨の付与日時点での公正価値の総額を表しています。各RSU報奨につい
て、付与日時点での公正価値は、当該日における当社普通株式の終値を使用して算出されます。パフォーマン
ス条件の対象となる株式報奨については、付与日における公正価値は、当該条件の実現可能性に基づきます。
これらの総額には、2009年度のパフォーマンスが認められて2009年8月に付与された報奨と、2010年度のパ
フォーマンスが認められて2010年7月に付与された報奨の価値が含まれます。
(2) これらの総額は、FASB ASC Topic 718に従い失権がないものとして計算された、適用ある事業年度中に付与さ
れたオプションの、付与日時点における公正価値を表します。ストック・オプション報奨に関する評価の仮定
に関する情報及び株式ベースの報奨評価の網羅的な説明については、2010年7月31日に終了する事業年度に係
る当社の年次報告書(Form 10-K)をご覧ください。これらの金額は、2009年度のパフォーマンスが認められて
2009年8月に付与されたオプションの価値及び2010年度のパフォーマンスが認められて2010年7月に付与され
たオプションの価値を含みます。
(3) これらの金額は、適用ある事業年度において当社上席執行役インセンティブ・プラン(SEIP)に基づきパ
フォーマンスに対して与えられた報酬の金額を表しています。
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(4) この金額は、MSPPに基づき受取人の選択によって繰り延べられた、下表に定められる金額を含みます。MSPPの
条件に基づき、参加者はその選択によって、年間賞与(又はSEIP報酬)の一定部分を使って、2005年当社株式イ
ンセンティブ・プランに基づく制限付き株式ユニットを購入することができます。当社はこれらの制限付株
式ユニットを、授与日から3年以内に権利の確定する他の制限付株式ユニットとマッチさせます。
2010年度
氏名
執行役員によるMSPP拠出額
(ドル)
Brad D. Smith
R. Neil Williams
Kiran M. Patel
Daniel R. Maurer
執行役員による拠出のために
留保された繰延株式ユニット
(個)
142,800
3,201
42,000
941
153,700
3,447
81,700
1,832
-
-
Sasan K. Goodarzi
(5) 当社401(K)プランに基づくマッチング拠出額10,000ドル、当社執行役長期休業補償制度のプレミアム2,819ド
ル及びSmith氏の雇用契約の条件に従い支払われた住宅ローン補助金合計48,683ドルを含みます。当社は、こ
れまでも類似した住宅ローン補助を、執行権を有さない役員に提供してきました。
(6) 当社401(K)プランに基づくマッチング拠出額10,000ドル及び当社執行役長期休業補償制度のプレミアム
4,725ドルを含みます。
(7) 当社401(K)プランに基づくマッチング拠出額10,363ドル、当社執行役長期休業補償制度のプレミアム4,986ド
ル、及びPatel氏の赴任費用負担分として支払われた現金ボーナス100,000ドルを含みます。当社は、類似した
通勤補助を、執行権を有さない役員に提供しています。
(8) 当社401(K)プランに基づくマッチング拠出額10,000ドル、及び当社執行役長期休業補償制度のプレミアム
3,751ドルを含みます。
(9) 当社執行役長期休業補償制度のプレミアム2,053ドル、Goodarzi氏の赴任費用負担分として支払われた現金
ボーナス35,000ドル、及びGoodarzi氏の修正雇用契約に従って支払われる住宅ローン補助金合計36,000ドル
を含みます。当社は、これまでも類似した住宅ローン補助を、執行権を有さない役員に提供してきました。さら
に当社は、類似した通勤補助を、執行権を有さない役員に提供しています。
5【コーポレート・ガバナンスの状況等】 (1)【コーポレート・ガバナンスの状況】
当社は、全従業員(全役員を含む)を対象とする行動規範及び倫理規範を維持しています。当社はまた、取締役会の構
成員全員に適用される取締役会倫理規範を維持しています。当社の行動規範及び倫理規範並びに取締役会倫理規範
は、悪辣な行為の防止、誠実で倫理に適った行動の推進並びに適用法令の遵守を目的としたガイドラインを組み込ん
でいます。当社の行動規範及び倫理規範並びに取締役会倫理規範は、当社ウェブページ上インベスター・リレーショ
ンズ関連のページからご覧頂けます。
(www.intuit.com/about_intuit/investors/corporate_gov.)
当社は、当社の行動規範及び倫理規範並びに取締役会倫理規範の改正、又は当社執行役員及び取締役に対して付与
されたかかる規定の免除について、上記ウェブページ上で開示を行っております。
(2)【監査報酬の内容等】
①【外国監査公認会計士等に対する報酬の内容】
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前連結会計年度
当連結年度会計
監査証明業務
に基づく報酬
(円)
非監査業務 監査証明業務 非監査業務
に基づく報酬 に基づく報酬 に基づく報酬
(円)
(円)
(円)
提出会社
$3,321,000
(278,366,220)
$581,000
$3,161,000
$859,000
(48,699,420) (264,955,020) (72,001,380)
連結子会社
-
計
$3,321,000
(278,366,220)
区 分
-
-
-
$581,000
$3,161,000
$859,000
(48,699,420) (264,955,020) (72,001,380)
②【その他重要な報酬の内容】
当社は、2010年度においても2009年度においても、Ernst & Young に対して、税務その他にかかる報酬は支払ってい
ません。
③【外国監査公認会計士等の提出会社に対する非監査業務の内容】
当社の半期報告書及び有価証券報告書の和訳。
監査関連報酬
これらの報酬額には、保証及び当社の財務諸表の監査又はレビューを行う上で合理的に関係を有するその他のサー
ビスにかかる金額のうち、上記「監査証明業務に基づく報酬」に含まれていない金額が含まれます。
④【監査報酬の決定方針】
独立登録会計事務所による業務提供について事前承認を要する旨の、監査及びリスク委員会の方針
監査及びリスク委員会では、各事業年度開始時を目途に、当該事業年度において独立登録会計事務所により提供さ
れる監査業務及び許容される非監査業務について事前承認を行う方針にしています。監査及びリスク委員会は、各プ
ロジェクトのために、当該プロジェクトの予算の枠内でサービスというカテゴリーにて特定のプロジェクトを許可
します。監査及びリスク委員会はまた、事業年度中、ケースバイケースで、特定のサービスを事前許可します。独立監
査人及び経営陣は監査及びリスク委員会に対し、あらかじめ承認された予算に対して実際に発生した報酬の金額を、
定期的に報告しています。
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第6【経理の状況】
(イ) インテュイット・インク及び連結子会社(以下、「インテュイット」又は「当社」という)は、1934年制定
の米国証券取引法に従い、米国証券取引委員会(以下、「SEC」という)に対して年次報告書として、様式
10-K(Form10-K)の提出を行っている。その報告書に収載されている財務書類は米国において一般に公正
妥当と認められる企業会計基準、会計手続、用語、作成方法及び米国レギュレーションS−Xの規定に基づき
作成されたものである。
本書記載の連結財務書類は、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和38年大蔵省令第
59号。以下「財務諸表等規則」という)第129条第1項の規定の適用を受けている。
(ロ) 本書記載の当社の2010年及び2009年7月31日現在の連結貸借対照表、2010年、2009年及び2008年の各7月31
日終了事業年度の連結損益計算書、連結株主持分計算書及び連結キャッシュ・フロー計算書(以下、「連結
財務書類」という)は、アーンスト・アンド・ヤングLLPの会計監査を受けており、別紙のとおり監査報告
書を添付している。
なお、本書記載の当社の連結財務書類は、金融商品取引法第193条の2第1項第1号及び「財務諸表等の監査証
明に関する内閣府令」(昭和32年大蔵省第12号)第1条の2の規定により、外国監査法人等により監査証明
に相当すると認められる証明を受けている。
(ハ) 本書記載の連結財務書類及び独立登録会計事務所の監査報告書のうち、原文(英文)は、当社がSECに提出
したものの写しであり、日本文はこれらの原文を翻訳したものである。
また、当社の原文の連結財務書類は、米国ドルで表示されている。「円」で表示されている金額は、「財務諸
表等規則」第132条の規定に基づき、主要な計数について、2010年9月30日現在の三菱東京UFJ銀行の対顧客
電信直物相場(仲値)の1ドル=83.82円で換算された金額である。金額は百万円単位(単位金額未満は四
捨五入)で表示されている。
(ニ) 当社の連結財務書類の作成上採用した企業会計基準、会計手続及び表示方法と、日本において一般に公正妥
当と認められる企業会計基準、会計手続及び表示方法との間の主な相違点に関しては、「財務諸表等規則」
第130条及び第131条の規定に従って第6の「4.米国と日本における会計原則の相違」に説明されてい
る。
(ホ) 連結財務書類の円換算額及び第6の2.から4.までの事項は原文の連結財務書類には記載されておら
ず、上記(ロ)の会計監査の対象にもなっていない。
1【財務書類】
(1)連結損益計算書
インテュイット・インク
2010年7月31日
終了事業年度
(単位:百万ドル/百万円−1株当たり値
のみドル/円)
2009年7月31日
終了事業年度
2008年7月31日
終了事業年度
(百万ドル)
(百万円)
(百万ドル)
(百万円)
(百万ドル)
(百万円)
$ 1,412
118,354
$ 1,376
115,336
$ 1,483
124,305
2,043
171,244
1,733
145,260
1,510
126,568
3,455
289,598
3,109
260,596
2,993
250,873
純売上高:
製品
サービス及びその他
純売上高合計
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売上原価及び費用:
売上原価:
製品売上原価
144
12,070
156
13,076
154
12,908
サービス及びその他売上原価
460
38,557
422
35,372
381
31,935
49
4,107
59
4,945
55
4,610
販売費及び市場開拓費
976
81,808
907
76,025
841
70,493
研究開発費
573
48,029
556
46,604
593
49,705
一般管理費
348
29,170
284
23,805
290
24,308
42
3,520
42
3,520
35
2,934
2,592
217,261
2,426
203,347
2,349
196,893
863
72,337
683
57,249
644
53,980
(61)
(5,113)
(51)
(4,275)
(52)
(4,359)
13
1,089
21
1,761
46
3,856
-
-
-
-
52
4,359
継続事業による税引前利益
815
68,313
653
54,735
690
57,836
法人税等
276
23,134
206
17,267
243
20,368
継続事業による当期純利益
539
45,179
447
37,468
447
37,468
35
2,934
-
-
30
2,514
$ 574
48,113
$ 447
37,468
$ 477
39,982
継続事業による基本的1株当たり当期純
利益
$ 1.71
144
$ 1.39
117
$ 1.36
114
非継続事業による基本的1株当たり当期
純利益
0.11
9
-
-
0.09
8
153
$ 1.39
117
$ 1.45
122
取得技術償却費
その他取得無形固定資産償却費
売上原価及び費用合計
継続事業による営業利益
支払利息
受取利息及びその他収益(純額)
外部受託給与計算サービス資産売却益
非継続事業による当期純利益
当期純利益
基本的1株当たり当期純利益
$ 1.82
基本的1株当たり当期純利益の基礎とな
る株式数
316
継続事業による希薄化後1株当たり当期
純利益
$ 1.66
139
$ 1.35
113
$ 1.32
111
0.11
9
-
-
0.09
7
$ 1.77
148
$ 1.35
113
$ 1.41
118
非継続事業による希薄化後1株当たり当
期純利益(損失)
希薄化後1株当たり当期純利益
希薄化後1株当たり当期純利益の基礎と
なる株式数
322
325
330
連結財務書類注記参照
次へ
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329
339
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(2)連結貸借対照表
インテュイット・インク
連結貸借対照表
2010年7月31日現在
2009年7月31日現在
(百万ドル)
(百万円)
(百万ドル)
(百万円)
現金及び現金同等物
$ 214
17,937
$ 679
56,914
投資
1,408
118,019
668
55,992
135
11,316
135
11,316
未収法人税等
27
2,263
67
5,616
繰延税金資産
117
9,807
92
7,711
57
4,778
43
3,604
-
-
12
1,006
1,958
164,120
1,696
142,159
337
28,247
272
22,799
2,295
192,367
1,968
164,958
91
7,628
97
8,131
510
42,748
527
44,173
1,914
160,431
1,754
147,020
256
21,458
291
24,392
長期繰延税金資産
41
3,437
36
3,018
その他資産
91
7,627
77
6,453
-
-
76
6,370
$ 5,198
435,696
$ 4,826
404,515
$ 143
11,986
$ 103
8,633
未払報酬及び関連負債
206
17,267
171
14,333
繰延収益
387
32,438
360
30,175
(単位:百万ドル/百万円−1株当たり値のみドル/円、千株)
(資産の部)
流動資産:
売掛金、貸倒引当金$22及び$16控除後
前払費用及びその他流動資産
非継続事業に係る流動資産
顧客のために保有する資金考慮前流動資産
顧客のために保有する資金
流動資産合計
長期投資
有形固定資産、純額
のれん
取得無形固定資産、純額
非継続事業に係る長期性資産
資産合計
(負債及び資本の部)
流動負債:
買掛金
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未払法人税等
14
1,173
-
-
134
11,233
153
12,825
-
-
25
2,096
884
74,097
812
68,062
337
28,247
272
22,799
1,221
102,344
1,084
90,861
長期借入金
998
83,652
998
83,652
その他長期債務
158
13,244
187
15,674
2,377
199,240
2,269
190,187
その他流動負債
非継続事業に係る流動負債
顧客預り金考慮前流動負債
顧客預り金
流動負債合計
負債合計
契約債務及び偶発債務
資本:
優先株式、額面$0.01
授権株式数−1,345千株
(内、シリーズA145千株及び
シリーズB(準参加型)250千株)
発行済株式数−無し
-
普通株式、額面$0.01
授権株式数−750,000千株
発行済株式数
−2010年7月31日現在313,861千株、
2009年7月31日現在322,766千株
資本剰余金
自己株式、取得価額
その他の包括利益累積額
利益剰余金
資本合計
負債及び資本合計
連結財務書類注記参照
次へ
74/172
-
-
-
3
251
3
251
2,725
228,410
2,544
213,238
(3,315)
(277,863)
(2,846)
(238,552)
11
921
7
588
3,397
284,737
2,849
238,803
2,821
236,456
2,557
214,328
$ 5,198
435,696
$ 4,826
404,515
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(3) 連結株主持分計算書
インテュイット・インク
連結株主持分計算書
普通株式
(単位:百万ドル、千株)
株式数(千株)
2007年7月31日現在残高
339,157
その
他の
包括
利益
資本剰余
累積 利益剰余 資本合
金額
金
自己株式 額
金
計
$
$
$ 3 $ 2,249 (2,207) $ 6 $ 1,985 2,036
包括利益の構成要素:
当期純利益
-
-
-
-
その他の包括利益、税効果考慮後
-
-
-
-
-
477
1
477
1
-
包括利益計
478
従業員株式購入制度による普通株式の発行
制限付き株式ユニットのリリース、税効果考慮
後
吸収合併により引き受けた権利確定済ストッ
ク・オプション
10,267
-
-
347
-
(6)
株式買戻しプログラムに基づく株式買戻額
従業員ストック・オプション取引に係るタッ
クス・ベネフィット
(27,171)
株式報酬
その他
2008年7月31日現在残高
-
-
214
-
(11)
7
-
(7)
(6)
11
11
-
-
-
-
(800)
-
-
203
(800)
-
-
38
-
-
-
38
-
-
113
-
-
-
113
-
-
322,600
3
7
-
-
-
7
2,412 (2,786)
7
2,444
2,080
包括利益の構成要素:
当期純利益
-
その他の包括利益、税効果考慮後
-
-
-
-
-
-
447
-
-
447
-
包括利益計
447
従業員株式購入制度による普通株式の発行
制限付き株式ユニットのリリース、税効果考慮後
株式買戻しプログラムに基づく株式買戻額
従業員ストック・オプション取引に係るタックス・ベネ
フィット
10,107
-
-
219
-
(21)
198
966
-
(15)
21
-
(21)
(15)
-
-
(300) -
-
(300)
18
-
-
(10,907)
-
株式報酬
-
-
-
その他
2009年7月31日現在残高
-
322,766
133
- -
(4)
-
18
-
-
-
133
(4)
3 2,544 (2,846) 7 2,849 2,557
包括利益の構成要素:
当期純利益
-
-
-
-
その他の包括損失、税効果考慮後
-
-
-
-
-
574
4
4
-
包括利益計
従業員株式購入制度による普通株式の発行
制限付き株式ユニットのリリース、税効果考慮後
574
578
18,286
-
38
402
-
-
1,554
-
(26)
28
-
(26)
75/172
440
(24)
EDINET提出書類
インテュイット・インク(E05826)
有価証券報告書
株式買戻しプログラムに基づく株式買戻額
従業員ストック・オプション取引に係るタックス
・ベネフィット
(28,745)
-
-
-
株式報酬
-
-
-
135
-
313,861
2010年7月31日現在残高
(900) -
36
-
その他
-
-
-
-
36
-
(2)
1 $
$ $
2,725 (3,315) 11
$ 3
(900)
$
3,397
135
(1)
$
2,821
普通株式
(単位:百万円、千株)
株式数(千株)
2007年7月31日現在残高
資本剰余
金
金額
339,157
251
188,511
自己株式
(184,991)
その
他の
包括
利益
累積 利益剰余
額
金
資本合計
504
166,383
170,658
39,982
39,982
包括利益の構成要素:
当期純利益
-
-
-
-
-
その他の包括利益、税効果考慮後
-
-
-
-
84
包括利益計
従業員株式購入制度による普通株式の
発行
制限付き株式ユニットのリリース、税効
果考慮後
吸収合併により引き受けた権利確定済
ストック・オプション
株式買戻しプログラムに基づく株式買
戻額
従業員ストック・オプション取引に係
るタックス・ベネフィット
株式報酬
その他
2008年7月31日現在残高
84
-
40,066
10,267
-
347
-
-
-
17,937
-
(922)
(503)
587
-
(587)
(503)
922
-
-
-
922
-
-
-
(27,171)
-
-
(67,056)
17,015
(67,056)
-
-
3,185
-
-
-
3,185
-
-
9,472
-
-
-
9,472
-
-
322,600
251
587
-
-
-
587
202,174 (233,523)
588
204,856
174,346
包括利益の構成要素:
当期純利益
-
その他の包括利益、税効果考慮後
-
-
-
-
-
37,468
-
-
-
包括利益計
37,468
従業員株式購入制度による普通株式の発行
制限付き株式ユニットのリリース、税効果考慮
後
10,107
-
966
-
株式買戻しプログラムに基づく株式買戻額
従業員ストック・オプション取引に係るタック
ス・ベネフィット
(10,907)
-
2009年7月31日現在残高
-
株式報酬
その他
37,468
322,766
包括利益の構成要素:
76/172
(1,257)
1,508
-
-
-
18,357
-
(1,760) 16,597
1,760
-
(1,761) (1,258)
(25,146) -
11,148
(335)
-
-
-
-
(25,146)
-
1,508
-
-
11,148
(335)
251 213,238 (238,552) 588 238,803 214,328
EDINET提出書類
インテュイット・インク(E05826)
有価証券報告書
当期純利益
-
-
-
-
-
その他の包括損失、税効果考慮後
-
-
-
-
333
包括利益計
従業員株式購入制度による普通株式の
発行
制限付き株式ユニットのリリース、税効
果考慮後
株式買戻しプログラムに基づく株式買
戻額
従業員ストック・オプション取引に係
るタックス・ベネフィット
2010年7月31日現在残高
48,113
333
-
48,446
18,286
-
3,185
33,696
-
-
1,554
-
(2,179)
2,347
-
(2,179)
(28,745)
-
-
-
株式報酬
その他
48,113
3,018
-
-
-
-
313,861
251
連結財務書類注記参照
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77/172
-
11,316
(168)
228,410
(75,438)
-
-
-
-
-
84
(2,011)
(75,438)
3,018
-
36,881
-
(277,863) 921 284,737
11,316
(84)
236,456
EDINET提出書類
インテュイット・インク(E05826)
有価証券報告書
(4) 連結キャッシュ・フロー計算書
インテュイット・インク
連結キャッシュ・フロー計算書
2010年7月31日終了
事業年度
(単位:百万ドル/百万円)
2009年7月31日終了 2008年7月31日終了
事業年度
事業年度
(百万ドル) (百万円)
(百万ド
ル)
(百万
円)
(百万ド
ル)
(百万
円)
営業活動によるキャッシュ・フロー:
当期純利益
$ 574
48,113
$ 447
37,468
$ 477
39,982
減価償却費
148
12,405
149
12,489
117
9,807
取得無形固定資産償却費
108
9,053
126
10,561
100
8,382
株式報酬費用
135
11,316
133
11,148
113
9,472
-
-
-
-
(52)
(4,359)
(46)
(3,856)
当期純利益から営業活動により得たキャッシュ純額への
調整
外部受託給与計算サービス資産売却益
非継続事業売却益(税引前) (1)
(58)
(4,862)
-
-
繰延税金資産
(69)
(5,784)
22
1,844
61
5,113
36
3,018
18
1,509
38
3,185
(18)
(1,509)
(9)
(21)
(1,760)
23
1,927
13
1,090
13
1,090
305
25,564
452
37,887
323
27,074
2
168
(18)
(1,509)
11
922
前払費用、仮払法人税等及びその他資産
20
1,676
(12)
(1,006)
(14)
(1,173)
買掛金
40
3,353
(7)
(587)
(18)
(1,509)
未払報酬及び関連負債
33
2,766
(55)
(4,610)
29
2,431
繰延収益
32
2,682
26
2,179
47
3,940
未払法人税等
14
1,173
(18)
(1,509)
(15)
(1,257)
(22)
(1,843)
(3)
(251)
(10)
(839)
119
9,975
(87)
(7,293)
998
83,652v
812
68,062
株式報酬制度に係るタックス・ベネフィット
株式報酬制度に係る超過タックス・ベネフィット
その他
調整合計
(754)
営業資産及び負債の増減:
売掛金
その他負債
営業資産及び負債の増減の合計
営業活動により得たキャッシュ純額
30
2,515
830v
69,571
投資活動によるキャッシュ・フロー:
売却可能負債証券の購入
売却可能負債証券の売却
(3,029) (253,891)
(550) (46,101)
(934) (78,288)
1,660
139,141
426
35,707
1,045
87,592
売却可能負債証券の満期償還
474
39,731
57
4,778
237
19,865
顧客のために保有する現金同等物である資金の売却可能
負債証券への投資
147
12,322
-
-
-
-
顧客のために保有する現金同等物である資金の増減額
(純額)
(65)
(5,448)
366
30,678
78/172
(290) (24,308)
EDINET提出書類
インテュイット・インク(E05826)
有価証券報告書
顧客預り金の増減額(純額)
65
5,448
(366) (30,678)
有形固定資産の購入
(74)
(6,203)
(131) (10,980)
自社利用ソフトウェアの資産計上
(56)
(4,694)
事業の取得額(取得現金控除後)
(218)
(18,273)
無形固定資産の取得
(13)
(1,090)
事業売却による収入
122
10,226
-
-
-
-
外部受託給与計算サービス資産の売却による収入
(51)
(4,275)
(161) (13,495)
(20)
(262) (21,961)
(44)
(3,688)
(256) (21,458)
-
-
97
8,131
-
35
2,934
(838)
(997)
(83,569)
株式報酬制度に基づく普通株式の発行による純収入
440
36,881
198
16,596
制限付き株式ユニットの発行に関連する納税額
(24)
(2,012)
(15)
(1,257)
(900)
(75,438)
投資活動により使用したキャッシュ純額
24,308
-
(10)
その他
(2)
(1,676)
290
(168)
(5)
(419)
(432) (36,210)
(87)
(7,292)
203
17,015
財務活動によるキャッシュ・フロー:
自己株式の購入
株式報酬制度による超過タックス・ベネフィット
18
その他
(1)
(467)
財務活動により使用したキャッシュ純額
1
現金及び現金同等物に対する為替相場変動の影響額
現金及び現金同等物純増加(減少)
1,509
(300) (25,146)
(6)
(800) (67,056)
9
754
21
(84)
(2)
(167)
(4)
(39,144)
(110)
(9,220)
(4)
(336)
84
(503)
1,760
(335)
(586) (49,119)
1
84
(465)
(38,977)
266
22,296
158
13,244
現金及び現金同等物期首残高
679
56,914
413
34,618
255
21,374
現金及び現金同等物期末残高
$ 214
17,937
$ 679
56,914
$ 413
34,618
$ 61
5,113
$ 56
4,694
$ 56
4,694
$ 277
23,218
$ 190
15,926
$ 186
15,591
$ -
-
$ 69
5,784
$ -
-
補足情報:
利息支払額
法人税等の支払額
購入無形固定資産の取得により発生した未払ライセンス料
(1) いずれの表示期間においても、非継続事業からのキャッシュ・フローは重要性がないため、このキャッシュ・フロー計算
書において、区分掲記していない。
非継続事業売却益の影響については、このキャッシュ・フロー計算書において表示している。連結財務諸表注記8参照。
連結財務書類注記参照
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インテュイット・インク(E05826)
有価証券報告書
(5)連結財務書類注記
1.事業の概要及び重要な会計方針
事業の概要
当社は中小企業、一般消費者、会計専門家、金融機関向けの事業・財務管理ソリューションを提供している。当社の
旗艦製品及びサービスには、中小企業の経営や給与の計算・支払、家計管理、税務申告書作成・提出を簡素化するク
イックブックス、クイッケン及びターボタックス等がある。ProSeries及びLacerteは、会計専門家向けの税務申告書
作成用の製品である。従来デジタル・インサイトとして知られていた当社の財務サービス事業は、銀行や信用組合
が、その顧客や企業の金銭管理や請求書支払をより容易にできるよう手助けするオンライン・バンキング・ソ
リューション及びサービスを提供している。当社は1984年に法人化し、本社をカリフォルニア州マウンテン・ビュー
市に置き、製品及びサービスを主に米国内で販売している。
財務書類の作成基準
連結財務書類は当社及びその100%子会社の財務書類を含めている。すべての重要な連結会社間の勘定残高及び取引
は連結のため消去している。過年度の財務書類の報告数値は、非継続事業及び報告対象セグメントに関する金額を含
めて、現行の表示方法に合わせるために一定の組替えを行っている。
当社は、2008年度にホームステッド・テクノロジーズ・インク及びエレクトロニック・クリアリング・ハウス・イ
ンク(以下「ECHO」という)、2009年度にペイサイクル・インク、並びに2010年度にミント・ソフトウェア・インク
及びメドフュージョン・インクを買収した。したがって、これらの会社のそれぞれの取得日以降の経営成績を、当社
の連結経営成績に含めている。注記7参照。
注記8に記載のとおり、当社は、2007年8月にインテュイット・ディストリビューション・マネジメント・ソリュー
ションズ事業を売却し、2010年1月にインテュイット・リアル・エステート・ソリューションズ事業を売却した。こ
れらの事業を非継続事業として反映するため、売却前の全期間の当社の財務書類の組替えを行った。別途注記がない
限り、本注記の記載は当社の継続事業に関するものである。
季節変動
当社のクイックブックス事業、コンシューマー・タックス事業及びアカウンティング・プロフェッショナル事業に
は大きな季節変動がある。クイックブックス・ソフトウェア製品の売上は第2四半期及び第3四半期に最も増加する
傾向がある。所得税申告書作成製品及びサービスの売上は11月から4月に大きく集中する。このような季節パターン
があるため、当社の合計純売上高は1月31日に終了する第2四半期及び4月30日に終了する第3四半期に通常最も大き
くなる。10月31日に終了する第1四半期及び7月31日に終了する第4四半期には、税務事業収入が最も少ない一方営業
費用は比較的一定水準を保つため、損失を計上するのが通常である。
見積数値の使用
当社は財務書類の数値及びその注記の開示内容に影響を与える見積及び仮定を行っている。例えば製品返品及びリ
ベート引当金の適正水準、売掛金の回収可能性、多様な未払計上の適正水準、全世界での未払法人税等の金額及び繰
延税金資産の実現可能性を判断するために見積を使用している。また、取得無形固定資産、有形固定資産及びその他
の長期性資産の経済的残存年数及び帳簿価額の決定において見積を用いている。さらに報告単位、株式報酬制度及び
非流動性のオークション・レート公債の公正価値を見積もるために仮定を用いている。正確な見積の設定及び合理
的な仮定の使用に努めているが、実際の結果は見積数値と異なる場合がある。
収益認識
当社の収入源は、パッケージ化されたソフトウェア製品の販売、ライセンス許諾、ソフトウェア使用許諾、製品サ
ポート・サービス、ホスティング・サービス、給与計算事務代行サービス、マーチャント・サービス、専門家サービ
ス、取引手数料、ならびに、これらの製品及びサービスを組み合わせた複数構成要素の編成である。当社は、取決めに
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インテュイット・インク(E05826)
有価証券報告書
ついて説得力のある証拠が存在し、製品引渡済あるいはサービス提供済で、販売価格が確定しているあるいは決定可
能であり、回収可能性が高い場合に、収益を認識している。
状況により、当社は顧客から前受金を受けることがある。これらの前受金及び複数構成要素における未引渡・未提
供部分の公正価値については、当社が製品を出荷またはサービスを提供するまで、収益を繰り延べている。
当社が顧客又は再販業者に与えた金銭対価(例えば、販売報奨金など)は、当社が識別可能な利益を受け取りかつ
その公正価値を合理的に見積もることが可能でない限り、営業費用としてではなく売上の控除項目として計上して
いる。
製品売上
当社のパッケージ化されたソフトウェア製品及び消耗品の販売では、法的所有権が移転された時点で収益を認識し
ている。これは、通常当社の顧客が製品をウェブサイトからダウンロードした時点、当社が製品を出荷した時点、また
は、特定の契約においては製品が小売業者に引き渡された時点である。クイックブックス、コンシューマー・タック
ス及びクイッケン製品の一部は、特定の小売業者に委託して販売している。委託販売取引の場合は、最終消費者に販
売された時点でのみ収益を認識している。定期購入で販売される製品及び定期的なアップデートを含む製品につい
ては、契約期間にわたり収益を比例配分して認識している。収益は売上税を控除して計上している。
当社は、過去の返品実績、小売販路での製品の販売数量及び価格構成、過去にリリースされた製品の返品率、小売業
者の在庫動向、当社製品への顧客需要に影響する可能性のある景気動向、その他要因(競合環境及び当社新製品リ
リースのタイミングを含む)に基づいて見積もった返品額を、流通業者及び小売業者に対する製品の売上から減額
している。また、一部の現行製品の販売に関して支払うリベートの見積額も、製品の売上から減額している。流通業者
及び小売業者の販売奨励リベートに対する引当金は、リベート制度の契約条件に対する販売実績に基づいている。最
終消費者に対するリベートの引当は、販促リベート制度の条件、販促中の実際の売上、製品別及び販促制度種類別の
過去の支払実績に基づいて見積もっている。
サービス売上
給与計算・源泉徴収事務及び申告代行サービスによる売上は、提供先顧客に対する当社の他の残余義務がないこと
を条件として、サービス提供時点で認識している。当社は通常、顧客に対し源泉徴収して納付する資金を納付期日よ
り前に電子送金で当社に送金するよう求めている。当社が顧客からこの資金を受け取る時点と当社がこの資金を外
部に送金する時点との差により生じる投資残高から生じた利息は、純売上高合計に含めている。
当社は数種類の技術サポート・プランを有料で提供し、プランの期間にわたりサポート売上を認識している。サー
ビス売上には、クイックブックス・オンラインやターボタックス・オンラインといったウェブサービス、「コン
シューマー・タックス」セグメントと「アカウンティング・プロフェッショナル」セグメントの両方に含まれる電
子税務申告サービスの収益も含まれる。商業者向け電子支払処理のサービス売上は、当社がクレジットカード協会か
ら請求される交換手数料をコントロールしていないため、当該手数料を差し引いて計上している。
金融機関の委託を受けて顧客のオンライン・バンキング及びビジネス・バンキング・アプリケーションを当社が
ホストするオンライン・バンキング・サービスの収益は、2つの方法で認識する。導入サービスで得る前受料金の収
益は、顧客との当初の契約期間又は顧客サービス関係継続期間として見積もられる期間(およそ7年)のいずれか長
い方の期間にわたり比例配分で売上として認識する。継続的月次サービスの提供による収益及び請求額は、サービス
が提供される毎に売上に計上する。
その他売上
その他の売上は主に、第三者のサービス・プロバイダーとの収益共有契約によるものである。最終消費者からの収
益がこれらパートナーから当社に報告された時点で、収益共有契約による取引手数料を売上として認識する。
複数要素を提供する契約
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インテュイット・インク(E05826)
有価証券報告書
当社は、複数の製品及び(又は)サービス(複数要素)を提供する義務を負う契約を結ぶことがある。通常ソフト
ウェア製品が含まれるこの契約では、未提供の要素については、公正価値に関する販売者固有の客観的証拠(以下
「VSOE」という)に基づいて、収益を按分し繰り延べている。VSOEとはその要素が別個に販売された場合の価格であ
る。
提供済か未提供を問わずすべての要素についてVSOEが存在する場合、契約で得られる収益合計を、関連する要素の
公正価値に基づいて各要素に按分している。VSOEが未提供の要素についてのみ存在する契約の場合、未提供の要素の
公正価値全体を繰り延べ、契約の総額と未提供部分として繰り延べた金額との差を売上として認識している。未提供
のサービス要素にVSOEが存在しない場合、契約全体から得られる収益をサービスが提供された時点で認識する。特定
の製品又は機能の未提供要素に係るVSOEが存在しない場合、全要素が引き渡されるか、当社が未提供の要素のVSOEを
決定するかのいずれか早い時点まで、売上の認識を繰り延べる。
提供済の製品又はサービスに関する売上は、次の場合にのみ認識している。(1)上記の収益認識基準を満たす。(2)
未提供の製品又はサービスが提供済の製品及びサービスの機能にとって本質的要素ではない。(3)提供済の製品又
はサービスへの支払は、残りの製品又はサービスを提供することが条件ではない。(4)未提供の製品又はサービスを
当社が提供しない場合でも、当社は未収額を受け取る強制的な請求権を持つ。
送料及び手数料
当社は損益計算書上、顧客に請求しているソフトウェア製品の送料及び手数料については製品売上として計上し、
それに関連する費用は製品売上原価として計上している。製品売上に含めた物流費用は、2010年、2009年及び2008年7
月31日終了事業年度において製品売上総額の2%未満であった。
カスタマー・サービス及び技術サポート
有料技術サポート契約の下で提供するカスタマー・サービスの費用は、損益計算書の「サービス及びその他売上原
価」に含んでいる。カスタマー・サービス及び無料技術サービスの費用は損益計算書の「販売費及び市場開拓費」
に含んでいる。カスタマー・サービス及び技術サポートの費用には、受注処理、電話、ウェブサイト、電子メール及び
その他電子的手段による顧客からの問い合わせへの対応、ならびに、顧客への技術サポート支援の無料提供に関連す
る費用が含まれる。当社は、特定の製品の販売に関し、顧客へ技術サポートを一定限度内で無償提供している。この無
料技術サポート提供の費用はわずかな額であるため、当社はこれらの製品販売に関連する収益認識を一切繰り延べ
ていない。通常、技術サポートは関連する収益が認識されてから1年以内に提供され、無償サポートによる製品の機
能強化に要する費用の額やその頻度はごく少ないものである。当社は、この無料サポート提供費用の見積額を製品出
荷時に引当計上している。
ソフトウェア開発費
当社は、ソフトウェア開発費を技術的実施可能性が確立されるまで発生時に費用計上し、技術的実施可能性が確立
された後は、顧客にその製品の一般販売が行えるようになるまでこの費用を資産計上している。当社のソフトウェア
は、今日まで技術的実施可能性の確立と同時に一般販売が可能となっており、したがって当社は開発費を資産計上し
ていない。当社既存製品の拡充のために発生した費用、あるいは製品を用いるサービスの一般販売後の費用は、発生
した期間に費用化され、損益計算書の「研究開発費」に含めている。
自社利用ソフトウェア
当社は、自社利用目的で取得または開発したコンピュータ・ソフトウェアに関する費用を資産計上している。これ
まで自社利用目的で購入したソフトウェアは概して全社レベルのビジネス及び財務ソフトウェアであり、当社独自
の事業上の必要性を満たすためカスタマイズしている。自社利用目的で開発したソフトウェアは、通常、当社の顧客
にホステッド・サービスを提供するために利用している。ソフトウェア開発段階で発生する費用は資産計上し、通常
3∼5年の使用可能期間にわたり償却する。
広告宣伝費
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EDINET提出書類
インテュイット・インク(E05826)
有価証券報告書
すべての広告宣伝費は、発生時に費用として損益計算書の「販売費及び市場開拓費」に含めている。2010年、2009年
及び2008年7月31日終了事業年度の広告宣伝費は、それぞれ153百万ドル、142百万ドル及び121百万ドルであった。
リース取引
すべてのリースは、リース開始時にキャピタル・リースとオペレーティング・リースの分類を検討している。当社
がリースの分類を評価する際は、限界借入利子率を用いる。また当初のリース期間については、建設中の期間を含め、
再リース期間を除いたものと定義している。当社は、主にオペレーティング・リースを使用して事業を行っている。
リース料が段階的に増加して行くリース取引については、上記に定義したリース期間中に支払われる総リース料を、
リース期間にわたり定額法で計上している。支払ったリース料と定額法によるリース料との差額は、適宜貸借対照表
の「その他流動負債」又は「その他長期債務」に繰延リース債務として計上している。
当社は、家主からの手当を必要に応じて貸借対照表の「その他流動負債」又は「その他長期債務」に繰延リース債
務として計上している。現金で受け取った家主からのインセンティブは、キャッシュ・フロー計算書上、営業活動に
関する収入として計上している。その他の手当については、キャッシュ・フロー計算書上、非資金投資及び財務活動
としている。家主からの手当の償却は、損益計算書上の施設使用の費用からの控除として計上している。
支払利息の資産化
当社は、施設の建設や社内利用目的のコンピュータ・ソフトウェア開発などの設備投資プロジェクトに関する利息
を資産に計上している。資産計上はプロジェクトの最初の出費があった時点で開始され、プロジェクトが実質的に終
了し当初の目的どおり使用できる状態となるまで続く。資産計上された利息は、対象資産の耐用年数にわたり減価償
却費として定額法で償却される。2010年、2009年及び2008年7月31日終了事業年度に資産化された利息の金額はそれ
ぞれ10百万ドル未満であった。
外貨換算
当社の海外で事業を行っている子会社の機能通貨は、通常は現地通貨である。当社の海外子会社の資産及び負債は
貸借対照表日の実勢為替レートで換算している。売上高、売上原価及び費用は期中の実勢為替レートの平均値で換算
している。換算損益は、貸借対照表の資本の部に含めている。外国為替取引から生じた純利益及び損失は損益計算書
上の「受取利息及びその他収益」に含めている。
法人税等
当社は、事業を行う多様な管轄区域で課される法人税等を見積もっている。当社の世界中の法人税等の見積には重
要な判断が必要となる。当社は、現在の未払法人税を見積もり、特定項目の税務上および会計上の取扱いの違いから
生じる一時差異を算定する。この差異は貸借対照表上で繰延税金資産及び繰延税金負債として表示される。次に当社
は繰延税金資産の回収可能性を評価しなければならない。当社が回収可能性が低いと考える場合は、評価性引当金を
計上する。会計期間において評価性引当金を計上または増額した時は、対応する法人税等費用を損益計算書上に計上
する。
当社は、繰延税金資産が失効する前に繰延税金資産の一部を使用できるかについての不確実性を反映させるための
評価性引当金の必要性を検討している。評価性引当金は、当社が事業を行う管轄区域における見積課税所得と、繰延
税金資産の回収可能期間に基づいて分析される。当社は開示期間における評価性引当金の必要性を検討する際に、将
来の課税所得を考慮しているが、追加的に回収できない可能性のある繰延税金資産を考慮に入れて評価性引当金を
計上する必要があることもある。評価性引当金を積み増した場合、積み増しした期において、法人税等と当期純利益
に負の影響を及ぼすことがあり、その影響は重要である可能性がある。
当社は、不確実な税務ポジションによるベネフィットを、二段階アプローチを用いて認識し、測定している。第一段
階では、入手可能な十分な証拠が、税務調査(関連する請求の解決又は訴訟手続を含む)が行われた場合に当該税務
ポジションが是認される可能性の方がどちらかといえば高い(more likely than not)ことを示唆しているかどう
かを決定することにより、税務申告書において採用された、もしくは、採用が予測される税務ポジションを評価する。
税務調査が行われた場合に是認される可能性の方が高い税務ポジションについては、第二段階として、最終的な決定
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によって実現する可能性が50%を超えているものの最大額としてタックス・ベネフィットを測定する。不確実な税
務ポジションの評価にあたっては、重要な判断が要求される。当社は四半期毎に不確実な税務ポジションを評価して
いる。当社の評価は、事実又は環境の変化、税法の改正、税務調査中の税務当局との対応、税務調査の指摘事項につい
て効果的に解決した事項等の、数多くの要因に基づくものである。不確実な税務ポジションの認識又は測定に変更が
ある場合、変更がある期の税金費用に重要な増加又は減少が生じる可能性がある。その結果、当社の実効税率及び経
営成績に重要な影響を与える可能性がある。
過去において、当社はすべての在外子会社の未分配利益を一時的な米国外投資であると考え、その結果、これらの利
益に対して米国法人税を未払計上していた。2010年4月に当社の米国外利益を分配した後、当社は、在外子会社のすべ
ての利益は実質的に当社の国際的拡大戦略に寄与するために無期限に再投資する計画にしている。当社は、無期限の
再投資と考えた利益については米国法人税を未払計上していない。詳細は注記11参照。
企業結合の一部として引き受けた税金関連の偶発事象と評価性引当金に関連する当社の会計方針については、下記
の「企業結合」において記載している。
1株当たり利益の計算
「基本的1株当たり当期純利益(損失)」は、その期間の加重平均発行済普通株式数を用いて計算している。「希
薄化後1株当たり当期純利益」は、その期間の普通株式及び希薄化効果を持つ潜在的普通株式の加重平均発行済株
式数を用いて計算している。希薄化効果を持つ潜在的普通株式は、ストック・オプションの権利行使時及び制限付き
株式ユニットの権利確定時に自己株式方式により発行され得る株式で構成される。
当社は、「希薄化後1株当たり当期純利益」の計算の際に、結合行使価格、すなわち未認識報酬費用及びタックス・
ベネフィットが当社普通株式の平均市場価格より低いストック・オプションと、結合された未認識報酬費用及び
タックス・ベネフィットが普通株式の平均市場価格より低い制限付き株式ユニットを含めている。結合行使価格、す
なわち未認識報酬費用及びタックス・ベネフィットが普通株の平均市場価格を上回ったストック・オプションと、
結合された未認識報酬費用及びタックス・ベネフィットが普通株の平均市場価格を上回った制限付き株式ユニット
は、逆希薄化効果があるため、「希薄化後1株当たり当期純利益」の計算から除いている。自己株式方式の下では、ス
トック・オプション行使のため支払わなければならない金額、ストック・オプション及び制限付き株式ユニットに
関する将来サービスに係る未認識の報酬費用の金額、ならびに、報酬が控除可能となった時点で資本剰余金に計上す
るタックス・ベネフィットの金額は、株式買戻しに用いられると仮定する。
次の表は表示事業年度の「基本的1株当たり当期純利益」及び「希薄化後1株当たり当期純利益」の計算で使用さ
れた株式構成を示す。
2009年
7月31日
終了事業
年度
2008年
7月31日
終了事業
年度
$ 539
$ 447
$ 447
35
-
30
$ 574
$ 447
$ 477
316
322
329
2010年
7月31日
終了事業年度
(単位:百万ドル―1株当たり値のみドル、百万株/百万個)
分子:
継続事業による当期純利益
非継続事業による当期純利益
当期純利益
分母:
基本的1株当たり当期純利益の基礎となる株式数:
加重平均発行済普通株式数
希薄化後1株当たり当期純利益の基礎となる株式数:
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加重平均発行済普通株式数
316
322
329
9
8
10
325
330
339
$ 1.71
$ 1.39
$ 1.36
0.11
-
0.09
基本的1株当たり当期純利益
$ 1.82
$ 1.39
$ 1.45
継続事業による希薄化後1株当たり当期純利益
$ 1.66
$ 1.35
$ 1.32
0.11
-
0.09
$ 1.77
$ 1.35
$ 1.41
8
24
18
ストック・オプション及び制限付き株式報酬からの希薄化後普通株式相当数
希薄化後加重平均発行済普通株式数
基本的及び希薄化後1株当たり当期純利益:
継続事業による基本的1株当たり当期純利益
非継続事業による基本的1株当たり当期純利益
非継続事業による希薄化後1株当たり当期純利益
希薄化後1株当たり当期純利益
逆希薄化効果のため計算から除外された加重平均ストック・オプション及び制
限付き株式ユニット
現金同等物及び投資
取得時において3ヵ月以内に満期の到来する流動性の高い投資は、現金同等物とみなしている。すべての開示期間を
通して、当社の現金同等物は主にAAAの格付を受けたマネー・マーケット・ファンドで構成されている。投資は、投資
適格である売却可能負債証券及びオークション・レート公債で構成されており、公正価値で表示している。長期投資
は、主にオークション・レート公債で構成されており、公正価値で表示している。世界的な信用市場の流動性の低下を
受けて、これらオークション・レート公債の公正価値については、当社が作成する割引キャッシュ・フロー・モデル
に基づいて見積もっている。詳細は注記2参照。米国政府が直接発行する債券、政府機関が発行する証券、マネー・
マーケット・ファンド以外については、当社の投資が1つの発行体に偏らないように分散している。
当社は投資の利益及び損失を計算する際に、個別法を用いている。投資の未実現利益及び損失は、税効果考慮後の金
額を貸借対照表上の資本の部に含めている。売却可能負債証券は流動資産に分類しているが、この分類は当社の季節
変動が激しい事業の性質によって生ずる多額の短期流動性の需要を満たすために、必要に応じてこれらの証券のい
ずれかまたは全部を処分しようとする当社の能力及び意図に基づくものである。当社の事業の大きな季節変動性、自
己株式買戻し制度及び企業買収の機会によって、キャッシュ・フローが四半期毎に大きく増減し、当社が売却可能有
価証券として保有している投資の重要な部分を処分する必要が生じる可能性がある。
売掛金及び貸倒引当金
売掛金は請求額で計上しており、利息は発生しない。貸倒懸念債権に対する引当として、貸倒引当金を計上してい
る。既知の係争又は回収可能性に問題のある重要な顧客や請求書を識別するため、売掛金を年齢別に調査している。
特別な調査を行わない請求書については、売掛金の年齢に基づき貸倒引当金を計上している。貸倒引当金計上額の決
定にあたっては、重要な顧客の信用度を継続的な信用評価に基づいて判断している。また、過去の貸倒損失の水準と、
将来の貸倒損失の水準に影響する可能性のある現在の景気動向も考慮に入れている。回収不能と判断した金額は、貸
倒引当金を取り崩して償却している。
顧客のために保有する資金及び顧客預り金
顧客のために保有する資金は、当社の顧客のために保有する現金であり、現金及び現金同等物並びに投資適格であ
る売却可能負債証券に投資されている。顧客預り金は、給与振込払いの資金や源泉徴収額のような、当社が顧客を代
理して支払義務を負う金額で構成されている。
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有形固定資産
有形固定資産は取得原価から減価償却累計額を差し引いて表示している。減価償却費は資産の見積耐用年数(2∼
30年)にわたり定額法で計算している。リース資産に付随する建物附属設備は見積耐用年数か、残存リース期間のい
ずれか短い方の期間にわたり定額法で償却している。キャピタル・リース資産の償却費は減価償却費に含めている。
企業結合
2009年8月1日、当社は企業結合会計において取得法を採用した。取得法による会計処理においては、基本的に以前の
パーチェス法と同じ方法であるが、企業結合日の公正価値の測定を含む重要な見積と仮定を使用すること、また測定
期間(企業結合において認識される暫定的な金額を修正可能な、一年を超過しない期間)内でそのような見積を必
要に応じて修正することが要求される。
取得法においては、識別可能な取得資産、引き受けた負債、及び被取得企業の非支配持分を、基本的には取得日時点
の公正価値で、のれんから分離して認識する。のれんは、企業結合日において、引き渡した対価の公正価値が、識別可
能な資産と引き受けた負債の純額を超過した部分として測定される。企業結合を完了するために発生した投資銀行、
法律家及びその他専門家に対する費用は取得対価の一部とはみなされず、発生時に一般管理費用として計上してい
る。また企業結合と別途着手した被買収企業の組織再編取引は、取得法により会計処理している。 もし仮に報告期間末が測定期間内であり、それまでに当初の測定が完了していない場合、暫定金額を財務書類で表
示する。測定期間においては、取得日に存在し、もし知り得たならば取得日の金額の算定に影響を与えていたはずの
事実と状況に関して新しく入手された情報を反映させるために、取得日に認識された暫定金額を修正し、その修正を
財務書類に計上する。当社は重要であると判断したこのような測定期間における修正を、償却費用への修正を含め
て、遡及的に財務書類の中の比較情報に適用する。
企業結合会計の取得法の下では、測定期間中に取得した繰延税金資産に対する評価性引当金や不確実な税務ポジ
ションに関連する負債について変更を識別し、それらが取得日に存在する事実と状況に関して新しく入手された情
報に関連しているのであれば、これらの変更は測定期間における修正事項と考えて、のれんと相殺する。また、繰延税
金資産に対する評価性引当金と不確実な税務ポジションに関連する負債に対する他のすべての変更を当期の税金費
用として計上する。この会計処理は、取得日にかかわらずすべての買収に対して適用される。
のれん、取得無形固定資産及びその他の長期性資産
のれん
のれんは、企業結合取引において引き渡した対価の公正価値が、識別可能な取得資産及び引き受けた負債の公正価
値を上回る場合に計上している。のれん及び耐用年数が確定できないその他の無形固定資産については償却を行っ
ていないが、毎年第4四半期中と、資産の帳簿価額を回収できない可能性を示す出来事や状況の変化が生じた時はい
つでも、減損テストを行っている。
のれんについては、二段階の減損テストを行っている。第一段階では、各報告単位の公正価値を帳簿価額と比較す
る。当社の報告単位は、注記15に記載する報告対象セグメントと一致している。権威あるガイダンスに従って、当社
は、公正価値とは測定日現在において主要な、または最も有利な市場での市場参加者間の秩序のある取引により、資
産の売却により受け取る、または負債の譲渡のために支払うであろう金額と定義している。当社は、各報告単位の公
正価値を見積もるのに適しているすべての評価方法を考慮し、使用するが、通常はインカム・アプローチとマーケッ
ト・アプローチを加重して組み合わせたものを使用している。インカム・アプローチでは、各報告単位の公正価値を
将来キャッシュ・フローの現在価値に基づいて見積もっている。当社は、割引キャッシュ・フロー・モデルにおい
て、業界特有の市場要素、長期間にわたって事業により生じる見積将来キャッシュ・フローの金額及びタイミング、
事業の長期的成長率、キャッシュ・フロー及び貨幣の時間価値を実現する相対的リスクを考慮した収益率、といった
数多くの仮定を用いている。マーケット・アプローチでは、比較可能な類似業種の公開企業の売上、営業利益、収益に
係るマーケット評価倍率に基づいて、各報告単位の公正価値を見積もっている。報告単位の見積公正価値が当該単位
に割り当てられた純資産の帳簿価額を上回る場合は、のれんの減損は行われず、それ以上の分析は求められていな
い。
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報告単位に割り当てられた純資産の帳簿価額が当該単位の見積公正価値を上回る場合は、減損テストの第二段階を
実施する。この段階では、第一段階で算出した報告単位の公正価値を、企業結合により当該報告単位を取得されたか
のように、当該単位のすべての資産及び負債に配分する。報告単位の公正価値のうち資産及び負債に配分された総額
を上回る超過分は、のれんの暗示的公正価値を表す。報告単位ののれんの帳簿価額がその暗示的公正価値を上回る場
合は、差額に相当する減損損失を計上する。当社は2010年、2009年及び2008年7月31日終了事業年度にのれんの減損費
用を計上しなかった。
取得無形固定資産及びその他の長期性資産
当社は、企業結合に関連して、取得技術のように耐用年数が有限である取得無形固定資産を通常計上する。取得無形
固定資産の取得原価は、見積耐用年数(通常2∼9年)にわたって定額法で償却している。当社は、耐用年数が有限で
ある無形固定資産及びその他の長期性資産について、資産の帳簿価額を回収できない可能性を示す出来事や状況の
変化が生じた時はいつでも、判定を行っている。当社は、資産がもたらすと期待する割引前将来キャッシュ・フロー
と資産の帳簿価額を比較することによって当該資産の回収可能性を見積もっている。当社は、耐用年数が有限である
資産の公正価値を、当該資産の将来キャッシュ・フローの現在価値に基づいて見積もっている。耐用年数が有限であ
る資産の帳簿価額がその見積公正価値を上回る場合は、差額に相当する減損損失を計上する。当社は2010年、2009年
及び2008年7月31日終了事業年度に取得無形固定資産に対する減損費用を計上しなかった。
株式報酬制度
付与済ストック・オプションの公正価値は、二項格子モデル及びマルティプル・オプション・アワード・アプロー
チを使用して見積もっている。当社は過去のデータに基づいて権利確定前に失効するオプションを見積もり、株式報
酬に係る費用を権利確定が見込まれるものについてのみ計上している。当社はストック・オプションの公正価値を
必要なサービス提供期間(通常は権利確定期間)にわたって定額法で償却している。
付与された制限付き株式ユニット(以下「RSU」という)は、通常は継続的なサービスに基づき権利が確定する。この
ようなサービス期間を基礎とするRSU は、本源的価値法を用いて付与日で評価し、これらの価値は見積失効数を調整
後、制限期間にわたり定額法で償却している。上級マネジメントに付与される一部のRSUについては、あらかじめ決め
られた業績又は市場目標の達成に基づき権利が確定する。当社は、このような業績に基づくRSU の本源的価値法によ
る付与日での公正価値及び指定された業績基準が満たされる可能性を見積もっている。当社は、これらの公正価値を
別個に権利確定する報酬部分それぞれに対する見積失効数を調整後、必要なサービス期間にわたって償却している。
当社は、市場に基づくRSU をモンテ・カルロ評価法を用いて付与日で評価しており、これらの公正価値を別個に権利
確定する報酬部分それぞれに対する見積失効数を調整後、必要なサービス期間にわたって償却している。
当社の従業員株式報酬制度の内容及び当該制度の公正価値の計算において使用する仮定についての詳細は、注記12
参照。
信用リスクの集中、重要な顧客及び購入業者
当社は競争が激しく急速に変化する市場で事業を営んでいる。大きな技術的変化、顧客ニーズの変化、新しい性能を
備えた競争力を持つ製品やサービスの誕生などの要因が当社の経営成績に悪影響を与える可能性がある。
当社はまた、多額の投資残高の価値変動リスクにも晒されている。当社の投資ポートフォリオは投資適格証券で構
成されている。米国政府が直接発行する債券、政府機関発行の証券、マネー・マーケット・ファンドを除き、投資がひ
とつの発行体に偏らないように分散している。
当社は製品のかなりの部分を第三者の小売業者及び流通業者を通して販売している。よって当社は売掛金の回収可
能性に関するリスクを負っている。このリスクを適切に管理するため、顧客の信用調査を継続的に行い、当社が適切
とみなす与信限度額を設定しているが、通常は担保を要求していない。当社は貸倒損失見積額に対して引当金を計上
しており、この損失はこれまで当社の予測範囲内に収まっている。しかし当社顧客の財務的安定性の今後の変化を当
社が予測できないため、当社の引当金が将来にわたって適切であるかは保証できない。2010年、2009年及び2008年7月
31日終了事業年度において、純売上高合計の10%以上を占める顧客はおらず、また、2010年及び2009年7月31日現在で、
売掛金残高合計の10%以上を占める顧客はいない。
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当社の主な小売用デスクトップ・ソフトウェア製品の製造及び流通は1社の外部業者に依存している。また当社の
財務消耗品事業製品の大半の印刷及び受注の履行を1社の業者に依存している。主要業者に大きく依存することで、
当社事業の効率性及び信頼性が向上すると考えているが、当社事業の重要側面を1社のみに依存させると、その業者
が財務的困難などの理由で一定水準以上のサービスを提供することができない場合、当社の売上及び収益性が大き
く損なわれる可能性がある。
最近公表された会計基準
ASU2009-13「収益の認識(トピック605)-複数の製品及びサービスを提供する収益取引- FASB 発生問題作業部会
による合意」
2009年10月、FASBは会計基準アップデート(以下「ASU」という)2009-13「収益の認識(トピック605)-複数の製品
及びサービスを提供する収益取引- FASB 発生問題作業部会による合意」を発行した。このアップデートはASCト
ピック605「収益の認識」における、売価の階層を設定することにより複数の製品やサービス契約の対価を分割する
基準に修正を加えている。各提供物で使用される売価は、入手可能であればベンダー固有の客観的証拠(以下
「VSOE」という)、または、VSOEの入手が不可能であれば第三者の証拠、もしくはVSOE 及び第三者の証拠の入手がい
ずれも不可能であれば、見積売価を基本とする。またASU2009-13は残余法による配分を廃止し、契約時に相対的売価
法を使用して契約対価をすべての提供物に配分することを要求している。ASU2009-13は2010年6月15日以降開始事業
年度において行われた収益取引又は重大な変更がなされた取引に対して適用されるため、当社においては2010年8月
1日開始事業年度から適用となる。当社は現在、当アップデートを評価中であり、ASU2009-13の適用が当社の財政状
態、経営成績又はキャッシュ・フローに与える影響を判断するに至っていない。
2.公正価値測定
公正価値の階層
権威あるガイダンスでは、公正価値とは、測定日現在において市場参加者の間の秩序ある取引において資産の売却
により受領する、または負債の移転により支払うであろう金額と定義している。当社は、公正価値を決定する際、資産
又は負債が属する主要な、または最も有利な市場、および市場参加者が当該資産や負債の価格決定に使用するであろ
う仮定について検討している。さらに、当社は資産及び負債の公正価値の見積に適したあらゆる評価方法を検討し、
使用している。
権威あるガイダンスでは、資産や負債の公正価値を見積もる際に使用する判断の範囲及びレベルに基づき、公正価
値の階層を設定している。権威あるガイダンスは、通常、公正価値を測定する際に観察可能なインプットを最大限に
利用し、観察不能なインプットの利用を最小限にするよう要求している。公正価値の階層における資産又は負債の分
類は、当該資産又は負債の公正価値の測定において重要なインプットのうち最低レベルのものに基づいている。権威
あるガイダンスが定義するインプットの3段階のレベルは、次のとおりである。
・ レベル1では、同一の資産又は負債の活発な市場における入手可能な未修正公表価格を用いる。
・ レベル2では、レベル1で用いる公表価格を除く、市場データとの相関関係を通じて直接的または間接的に
観察可能なインプットを用いる。これらには、類似の資産・負債の活発な市場における公表価格、活発でな
い市場における同一又は類似の資産・負債の公表価格、および評価モデルやその他のプライシング方法に
用いられるインプットのうち、利子率やボラティリティなどのように、当該資産又は負債のほぼ全期間にお
いて容易に観察可能な市場データで裏付けできるため重要な判断が必要でないインプットが含まれる。
・ レベル3では、市場活動によって裏付けることがほとんど不可能または不可能で、かつ、公正価値の決定に
おいて重要な、単独又は複数の観察不能なインプットを用いる。レベル3に該当する資産及び負債は、プライ
シングモデル、割引キャッシュ・フロー法または類似する評価技術、並びに重要な経営者判断又は見積を用
いて公正価値の評価が決定されるものである。
継続的に公正価値で測定される資産及び負債
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次の表は、表示日現在における、上記で説明した公正価値の階層に基づいて分類した、継続的に公正価値で測定され
る金融資産及び金融負債の要約である。
次の表は、表示事業期間末における継続的に公正価値で測定した金融資産及び金融負債を示している。
2010年7月31日
レベル1
(単位:百万ドル)
レベル
2
2009年7月31日
公正価
値
合計
レベル
1
$ -
$ 330
$ 893
-
1,050
-
448
-
448
87
87
-
-
245
245
レベル
3
レベル
2
レベル
3
公正価
値
合計
資産:
現金同等物、主にマネー・マーケット・ファン
ド
$ 330
$ -
$ -
$ -
$ 893
売却可能債券:
公債
-
オークション・レート公債
1,050
-
-
社債
-
334
-
334
-
44
-
44
米国連邦政府機関債
-
174
-
174
-
25
-
25
245
762
-
1,645
-
517
$ 330 $ 1,558
$ 87 $ 1,975
$ 893
$ 517
$ 245 $ 1,655
$ - $ 1,086
$ - $ 1,086
$ - $ 1,001
$ - $ 1,001
売却可能債券合計
継続的に公正価値で測定される資産合計
1,558
87
負債:
長期借入金(1)
(1) 2010年及び2009年7月31日現在の貸借対照表における帳簿価額は、998百万ドルであった。注記9参照。
次の表は、表示日現在の貸借対照表上の分類及び公正価値の階層レベルに基づく、現金同等物及び売却可能負債証
券の要約である。
2010年7月31日
(単位:百万ドル)
2009年7月31日
レベル1 レベル2 レベル3
公正価値
公正価値
合計 レベル1 レベル2 レベル3 合計
現金同等物:
現金及び現金同等物
顧客のために保有する資金
現金及び現金同等物合計
$ 143
$ -
187
-
$ 330
$ -
$ -
$ 143
$ 621
$ -
$ -
$ 621
-
187
272
-
-
272
$ -
$ 330
$ 893
$ -
$ -
$ 893
$ - $ 1,408
$ -
$ 517
$ 151
$ 668
売却可能負債証券:
投資
$ - $ 1,408
顧客のために保有する資金
-
150
-
150
-
-
-
-
長期投資
-
-
87
87
-
-
94
94
$ 87 $ 1,645
$ -
$ 517
$ 245
$ 762
売却可能負債証券合計
$ - $ 1,558
当社は、主にマネー・マーケット・ファンドから構成されるレベル1の資産を、同質商品の活発な市場における公表
価格を用いて評価している。当社がレベル2のインプットを用いて公正価値を測定する金融資産は、公債、社債及び米
国連邦政府機関債である。当社は類似する商品の活発な市場における公表価格を用いて、これらの資産の公正価値を
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測定している。当社がレベル2のインプットを用いて公正価値を測定する金融負債は、長期債務である。注記10参照。
長期債務の公正価値は、優先債券の取引価格及び類似する条件のその他借入金に対して当社が受けられる金利に基
づき測定している。
2010年及び2009年7月31日終了事業年度において、レベル1、2または3間の重要な振替はなかった。当社が重要かつ観
察不能な(レベル3)インプットを用いて公正価値を測定している金融資産は、貸借対照表において投資及び長期投
資に含まれているオークション・レート公債である。次の表は2010年及び2009年7月31日終了事業年度におけるレベ
ル3の資産の変動に関する残高調整を表している。
オークション・レート公債
(単位:百万ドル)
投資
長期投資 合計
2008年7月31日現在残高
$ -
長期から流動への振替
175
(175)
額面価額による決済
(24)
(16)
(40)
2009年7月31日現在残高
151
94
245
額面価額による決済
(151)
2010年7月31日現在残高
$ -
$ 285 $ 285
-
(7) (158)
$ 87
$ 87
2008年2月、当社が保有するオークション・レート公債のオークションが不成立となり始めたため、権威あるガイダ
ンスに基づき、当社が作成した割引キャッシュ・フロー・モデルに基づく当該オークション・レート公債の公正価
値を見積もり始めた。当社が保有する当該オークション・レート公債は、主要な信用格付機関から評価A以上を受け
ており、かつ、通常、米国教育省の学生ローンによって担保されている。2008年11月4日、当社は、当社オークション・
レート公債のブローカー・ディーラーの一つであるユービーエス・エイ・ジー(以下「UBS」という)から提示さ
れた、当社がUBSを経由して保有しているすべてのオークション・レート公債を額面価額でUBSに売却するオプショ
ンを当社に付与するという申出を受諾した。2010年6月、UBSは、この額面価額の申出の対象となるオークション・
レート公債に対する残額110百万ドルを支払った。当社は、当社が当該契約を締結した日にこのプット・オプション
を取得原価ゼロで計上したが、これは当社がプット・オプションの対象となる同公債の価値が同日のそれらの額面
価額とほぼ等しいと考えたからである。当社は、原資産たる公債の満期日に基づき、当社が保有するオークション・
レート公債の残額87百万ドルを2010年7月31日付の貸借対照表における長期投資として分類した。
当社は、当社が作成した割引キャッシュ・フロー・モデルに基づき、保有するオークション・レート公債の2010年、
2009年及び2008年7月31日における公正価値を見積もった。当社の割引キャッシュ・フロー・モデルに用いた主要イ
ンプットは、予測される将来金利、予想される元本返済時期、原資産たる学生ローンに対する米国教育省の保証また
はその他の第三者による保険を考慮に入れた全額返済の可能性、最近発行された入札対象外の学生ローン担保証券
に関する一般に入手可能なプライシングデータ、ならびに流動性の低下がオークション・レート公債に及ぼす影響等
である。
次の表は、表示日現在における当社の割引キャッシュ・フロー・モデルの重要なインプットに関する情報を示して
いる。
インプット・モデル
2010年7月31日
予測される平均将来利回りの範囲
モデルで用いた総合的割引率(非流動性要素を考慮後の類似する種類の証券利
回り)の範囲
類似する種類の証券利回り
90/172
2009年7月31 2008年7月31
日
日
1.48% - 2.65%
0.63% 3.78%
2.57% 4.48%
1.52% - 1.77%
1.61% 1.86%
3.45% 3.70%
0.27%
0.36%
2.20%
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非流動性要素の範囲
125 - 150bps
125 150bps
125 150bps
7年
7年
7年
予測保有期間
当社は、当社の割引キャッシュ・フロー・モデルを用いて、保有するオークション・レート公債の2010年、2009年及
び2008年7月31日における公正価値は、額面価額とほぼ等しいと決定した。その結果、当社は各終了事業年度におい
て、当該オークション・レート公債の公正価値の下落を計上しなかった。当社は、オークション・レート公債を売却
する意思はなく、また、額面価額の回復(それは満期日の可能性がある)以前に当該オークション・レート公債を売
却する必要が生じる可能性は、生じない可能性よりも高くはない。当社の営業活動によるキャッシュ・フローの予測
及びその他の現金の供給源に基づき、当社のオークション・レート公債の流動性の低下は、流動性の需要を満たす当
社の全体的な能力に、重大な影響を及ぼさないと考えている。
3. 現金及び現金同等物、投資、並びに顧客のために保有する資金
下表は、表示日現在における現金及び現金同等物、投資、並びに顧客のために保有する資金を、貸借対照表の分類別
にまとめたものである。
2010年7月31日
(単位:百万ドル)
取得原価
2009年7月31日
公正価値 取得原価 公正価値
貸借対照表の分類:
現金及び現金同等物
$ 214
$ 214
$ 679
$ 679
投資
1,407
1,408
666
668
336
337
272
272
91
91
97
97
顧客のために保有する資金
長期投資
現金及び現金同等物、投資、並びに顧客のために保有する資金合計
$ 2,048 $ 2,050 $ 1,714 $ 1,716
下表は、表示日現在における現金及び現金同等物、投資、並びに顧客のために保有する資金を、投資項目別にまとめ
たものである。オークション・レート公債の詳細については、注記2を参照。
2010年7月31日
(単位:百万ドル)
取得原価
2009年7月31日
公正価値 取得原価 公正価値
発行種類:
現金及び現金同等物合計
$ 401
$ 401
$ 951
$ 951
1,049
1,050
447
448
87
87
245
245
社債
333
334
43
44
米国連邦政府機関証券
174
174
25
25
売却可能負債証券合計
1,643
1,645
760
762
4
4
3
3
売却可能負債証券:
公債
オークション・レート公債
その他長期投資
現金及び現金同等物、投資、並びに顧客のために保有する資金合計
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$ 2,048 $ 2,050 $ 1,714 $ 1,716
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当社は売却可能負債証券の実現利益及び損失を、損益計算書の受取利息及びその他収益(純額)に含めている。
2010年、2009年及び2008年7月31日終了年度における売却可能負債証券の実現利益及び損失(総額)は、いずれも重
要ではなかった。
当社は売却可能負債証券の税効果考慮後の未実現利益及び損失の累計を、貸借対照表の資本の部「その他の包括利
益累積額」の項目で表示している。2010年及び2009年7月31日現在の売却可能負債証券の未実現利益及び損失(総
額)は、いずれも重要ではなかった。
当社は、信用リスクやその他潜在的な評価上の問題における変動により一時的ではない減損が投資に生じたかどう
かを判断するため、投資ポートフォリオを定期的に調査している。当社は、2010年7月31日現在保有している投資に、
一時的ではない減損が生じていなかったと考えている。当社は、特定の売却可能負債証券の公正価値が原価を下回っ
ているが、当該証券を売却する意思はなく、また、額面価額の回復(それは満期日の可能性がある)以前に当該証券
を売却する必要が生じる可能性は、生じない可能性よりも高くない。2010年7月31日現在の未実現損失は、市場信用ス
プレッドを含む金利の変動によるものであり、特定証券に関連する信用リスクの増加によるものではないと考える。
下表は、表示日現在の売却可能負債証券を満期日別にまとめたものである。
2009年7月31日
2010年7月31日
(単位:百万ドル)
取得原価
公正価値 取得原価 公正価値
満期1年以内
$ 432
$ 433
$ 185
$ 186
満期2年以内
365
366
159
160
満期3年以内
164
164
5
5
満期3年超
682
682
411
411
$ 1,643 $ 1,645
$ 760
$ 762
売却可能負債証券合計
上表の満期3年超の売却可能負債証券は、2010年及び2009年7月31日現在、それぞれオークション・レート公債87百
万ドル及び230百万ドルを含んでいる。詳細については、注記2を参照。2010年7月31日現在における上記以外の売却可
能負債証券のうち、89%が同日から2年以内に金利再設定日、プット期日又は強制コール期日を迎える。
4.有形固定資産
表示事業年度末における有形固定資産の内訳は、次のとおりである。
(単位:百万ドル)
耐用年数
2010年7月31日
2009年7月31日
設備
3-5
$ 475
$ 460
コンピュータ・ソフトウェア
3-5
359
351
器具及び備品
5
64
62
建物附属設備
2-11
229
216
土地
N/A
4
3
建物
5-30
202
202
建設仮勘定
N/A
59
40
1,392
1,334
(減額)減価償却累計額
(882)
92/172
(807)
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$ 510
有形固定資産合計(純額)
$ 527
NA=該当なし
建設仮勘定は、主に自社利用ソフトウェア開発プロジェクトに関連する費用である。注記1の「事業の概要及び重要
な会計方針-ソフトウェア開発費」で説明しているように、自社利用ソフトウェアの開発に関連する費用を資産計上
している。2010年、2009年及び2008年7月31日終了事業年度に資産計上した自社利用ソフトウェア費用は、それぞれ合
計56百万ドル、52百万ドル及び44百万ドルである。これらの金額は、それぞれの同期間の人件費28百万ドル、17百万ド
ル及び16百万ドルを含んでいる。自社利用ソフトウェア開発プロジェクトに関連する費用は、プロジェクト完成まで
は有形固定資産の建設仮勘定に計上されるが、完成時にソフトウェアに振り替えられ、耐用年数(通常3∼5年)にわ
たり定額法で償却される。
5.のれん及び取得無形固定資産
のれん
2010年及び2009年7月31日終了事業年度の報告対象セグメント別のれんの帳簿価額の変動は下表のとおりである。
報告対象セグメントについては、注記15に記載している。
2008年
7月31日
現在残高
(単位:百万ドル)
財務管理ソリューション
のれん取得/修正
$ 153
2009年
7月31日
現在残高
$ (1)
のれん取得/修正
2010年
7月31日
現在残高
$ 152
$ (1)
$ 151
従業員管理ソリューション
152
122
274
(3)
271
支払ソリューション
181
1
182
-
182
コンシューマー・タックス
30
-
30
-
30
アカウンティング・プロフェッショナル
90
-
90
-
90
1,002
7
1,009
-
1,009
17
164
181
$ 1,754
$ 160
$ 1,914
金融サービス
18
その他事業
(1)
$ 1,626
合計
$ 128
2010年7月31日終了事業年度の「その他事業」セグメントにおけるのれんの増加は、ミント・ソフトウェア・イン
ク及びメドフュージョン・インクの取得による。2009年7月31日終了事業年度の「従業員管理ソリューション」セグ
メントにおけるのれんの増加は、ペイサイクル・インクの買収による。注記7参照。
取得無形固定資産
表示事業年度末における、取得無形固定資産の取得価額、償却累計額及び加重平均耐用年数は次表のとおりである。
(単位:百万ドル)
顧客リスト
商標名 競合・訴訟
及び
避止
取得技術 ロゴ
特約
合計
2010年7月31日現在:
取得価額
償却累計額
$ 438
(328)
$ 414
(301)
$ 35
(21)
93/172
$ 36 $ 923
(17) (667)
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取得無形固定資産(純額)
$ 110
$ 113
$ 14
6
7
7
$ 417
$ 386
$ 25
$ 19 $ 256
加重平均耐用年数
8
7
2009年7月31日現在:
取得価額
償却累計額
取得無形固定資産(純額)
(286)
(255)
(18)
$ 131
$ 131
$ 7
5
5
5
$ 35 $ 863
(13) (572)
$ 22 $ 291
加重平均耐用年数
8
5
2010年7月31日終了事業年度における取得無形固定資産の取得価額の増加は、主にミントとメドフュージョンの取
得によるものである。2009年7月31日終了事業年度における取得無形固定資産の取得価額増加は、主に特定技術のラ
イセンス権及びペイサイクルの取得によるものである。特定技術のライセンス権に関する詳細については注記10、ペ
イサイクル、ミント及びメドフュージョンの取得に関する詳細については注記7を参照。
2010 年7月31日現在の、取得無形固定資産の将来の予定償却費は次表のとおりである。取得技術の償却費は、損益計
算書の「サービス及びその他売上原価」並びに「取得技術償却費」に計上されている。顧客リストなどのその他の
取得無形固定資産償却費は、損益計算書の「その他取得無形固定資産償却費」に計上されている。減損事象が生じた
場合、取得無形固定資産の費用計上のタイミングが早くなる可能性がある。
(単位:百万ドル)
将来の
予定償却費
7月31日終了事業年度
2011
$ 75
2012
54
2013
33
2014
30
2015
26
それ以降
38
将来の予定償却費合計
$ 256
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6.その他の包括純利益累積額
当社は、売却可能負債証券の公正価値及び為替換算調整勘定における増減額といったその他の包括利益の構成要素
を、当期純利益に加えて包括純利益を算出している。2010年、2009年及び2008年7月31日終了事業年度におけるその他
の包括利益の金額は重要性ではなかった。また2010年、2009年7月31日終了事業年度の貸借対照表上の純資産の部に
おけるその他の包括利益累積額の残高は主として為替換算調整勘定の累積額で構成されており、その金額は重要で
はなかった。
7.企業結合
当社は2010年7月31日終了までの3事業年度において、以下の企業結合及び取得を完了した。関連する取得日以降の
それぞれの経営成績は、当社の連結経営成績に含まれている。取得日より前の期間の経営成績は、個別でも合計でも、
当社の連結経営成績に比して重要ではない。取得した識別可能な無形固定資産に配分した公正価値は、マネジメント
が決定した見積と仮定に基づいている。
2010年度における企業結合
メドフュージョン・インク
当社は2010年5月21日、非公開企業であるメドフュージョン・インクを対価合計約89百万ドルで取得した。対価に
は、現金による慰留ボーナスの公正価値約10百万ドルが含まれており、3年のサービス期間にわたって費用処理され
る。メドフュージョンは患者とプロバイダー間のオンラインコミュニケーション・ソリューションのプロバイダー
であり、当社の「その他事業」セグメントの一部となった。当社は、「Connected Services(接続されたサービ
ス)」戦略を支えるオンラインヘルスケアサービスを拡大するために、メドフュージョンを取得した。
当社は、取得法に従い、取得日の見積公正価値に基づいて、引き渡した対価合計の公正価値を、取得した有形固定資
産及び識別可能な無形固定資産並びに引き受けた負債に配分した。対価が公正価値合計を上回る部分は、のれんとし
て計上した。取得取引完了時において入手可能な情報に基づき、対価のうち約8百万ドルを有形の負債(純額)に、約
23百万ドルを識別された無形固定資産に配分した。対価残額約62百万ドルはのれんとして計上したが、これは法人税
法上課税所得の算出に当たり損金算入できない。識別された無形固定資産は、加重平均耐用年数6年で償却を行う。
ミント・ソフトウェア・インク
2009年11月2日、当社はミント・ソフトウェア・インクの全発行済資本持分を、対価合計約170百万ドルで取得した。
この対価合計には、現金による慰留ボーナス及び引き受けた資本報酬とミント社のシリーズD優先株式の保有者に発
行された当社普通株式の公正価値約24百万ドルが含まれる。計24百万ドルは、3年のサービス期間にわたって費用処
理される。ミントはオンライン個人ファイナンス管理サービスを提供しており、当社の「その他事業」セグメントの
一部となった。当社は、「Connected Services(接続されたサービス)」戦略を支えるオンライン個人ファイナンス
サービスを拡大するために、ミントを取得した。
当社は、取得法に従い、取得日の見積公正価値に基づいて、引き渡した対価合計の公正価値を、取得した有形固定資
産及び識別可能な無形固定資産並びに引き受けた負債に配分した。対価が公正価値合計を上回る部分は、のれんとし
て計上した。取得取引完了時において入手可能な情報に基づき、対価のうち約1百万ドルを有形固定資産(純額)に、
約43百万ドルを識別された無形固定資産に配分した。対価残額約102百万ドルはのれんとして計上したが、これは法
人税法上課税所得の算出に当たり損金算入できない。識別された無形固定資産は、加重平均耐用年数7年で償却を行
う。
2009年度における取得 ペイサイクル・インク
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2009年7月23日、当社はペイサイクル・インクの全発行済資本持分を、引き継いだストック・オプションの公正価値
を含めて、購入価額合計約169百万ドルで取得した。ペイサイクルはオンライン給与ソリューションを小規模事業者
へ提供しており、当社の「従業員管理ソリューション」セグメントの一部となった。当社は、「Connected Services
(接続されたサービス)」戦略を支えるオンライン給与サービスを拡大するために、ペイサイクルを取得した。
当社は、パーチェス法に従い、取得日の見積公正価値に基づいて、購入価額合計を取得した有形固定資産及び識別可
能な無形固定資産並びに引き受けた負債に配分した。購入価額が公正価値合計を上回る部分は、のれんとして計上し
た。取得取引完了時において入手可能な情報に基づき、購入価額のうち約5百万ドルを有形固定資産(純額)に、約42
百万ドルを識別された無形固定資産に配分した。購入価額残額約122百万ドルはのれんとして計上したが、これは法
人税法上課税所得の算出に当たり損金算入できない。識別された無形固定資産は、加重平均耐用年数7年で償却を行
う。
2008年度における取得
エレクトリック・クリアリング・ハウス・インク
2008年2月29日、当社はエレクトリック・クリアリング・ハウス・インク(以下「ECHO」という)の全発行済資本
持分を現金にて購入価額合計約131百万ドルで取得した。ECHOは電子決済プロセスサービスを小規模事業者へ提供し
ており、「支払ソリューション」セグメントの一部となった。当社は、マーチャント・サービス機能拡大のために
ECHOを取得した。
当社は、パーチェス法に従い、取得日の見積公正価値に基づいて、購入価額合計を取得した有形固定資産及び識別可
能な無形固定資産並びに引き受けた負債に配分した。購入価額が公正価値合計を上回る部分は、のれんとして計上し
た。取得取引完了時において入手可能な情報に基づき、購入価額のうち約6百万ドルを有形固定資産(純額)に、約44
百万ドルを識別された無形固定資産に配分した。購入価額残額約81百万ドルはのれんとして計上したが、これは法人
税法上課税所得の算出に当たり損金算入できない。識別された無形固定資産は、加重平均耐用年数8年で償却を行う。
ホームステッド・テクノロジーズ・インク
2007年12月18日、当社はホームステッド・テクノロジーズ・インクの全発行済資本持分を完全希薄化ベースの対価
合計約170百万ドルで取得した。その対価合計は、購入価額146百万ドル(引き受けた権利確定済ストック・オプショ
ンの公正価値を含む)と、引き受けた権利未確定のストック・オプション及び制限付き株式ユニットの公正価値24
百万ドルからなる。ホームステッドはウェブサイト・デザイン及びホスティング・サービスを小規模事業者に提供
しており、「財務管理ソリューション」セグメントの一部となった。小規模事業者のインターネットを通じた顧客獲
得及びサービス提供に資するという当社の事業戦略の一貫として、ホームステッドを取得した。
当社は、パーチェス法に従い、取得日の見積公正価値に基づいて、購入価額合計を取得した有形固定資産及び識別可
能な無形固定資産並びに引き受けた負債に配分した。購入価額が公正価値合計を上回る部分は、のれんとして計上し
た。取得取引完了時において入手可能な情報に基づき、購入価額のうち約14百万ドルを有形固定資産(純額)に、約
22百万ドルを識別された無形固定資産に配分した。購入価額残額約110百万ドルはのれんとして計上したが、これは
法人税法上課税所得の算出に当たり損金算入できない。2008年度第3四半期において有形固定資産の購入価額を11百
万ドル増加させ、のれんを同額減少させた。有形固定資産は、当初計上されていなかった特定の繰延税金資産の実現
可能性に関する追加情報を入手し検討した結果、増額したものである。識別された無形固定資産は、加重平均耐用年
数5年で償却を行う。 8.処分及び非継続事業
非継続事業
2010年1月15日、当社はインテュイット・リアル・エステート・ソリューションズ(以下「IRES」という)事業を
現金約128百万ドルで売却し、のれん72百万ドル及び法人税23百万ドルを含む35百万ドルの売却益(純額)を計上し
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た。IRESを売却するという判断は、マネジメントの、インテュイットの主力製品及びサービスにリソースを集中させ
たいという要望によるものである。IRESは、「その他事業」セグメントに属していた。当社は、IRESが2010年度第2四
半期に非継続事業になったと決定した。よって、当社は当該売却より前の全表示期間の貸借対照表及び損益計算書に
おいて、IRESの純資産及び経営成績を継続事業と区分掲記した。2009年7月31日時点における売却目的保有の資産は
主にのれんで構成されている。いずれの表示期間においてもIRESの営業活動によるキャッシュ・フローに重要性が
ないため、キャッシュ・フロー計算書において、IRESの営業活動によるキャッシュ・フローを継続事業と区分掲記し
ていない。非継続事業による当期純利益に含まれるIRES事業売却益(純額)の影響は、2010年7月31日終了事業年度
のキャッシュ・フロー計算書において表示している。
2007年8月、当社はインテュイット・ディストリビューション・マネジメント・ソリューションズ(以下「IDMS」
という)事業を現金約100百万ドルで売却し、のれん42百万ドル、法人税18百万ドルを含むIDMS事業売却益28百万ド
ル(純額)を計上した。IDMS事業売却の決定は、インテュイットの主力製品及びサービスにリソースを集中させたい
というマネジメントの要望によるものである。IDMS事業は、「その他事業」セグメントに属していた。当社は、IDMS事
業が2007年度第4四半期に非継続事業になったと決定した。よって、当社は当該売却より前の全事業年度の損益計算
書において、IDMS事業の経営成績を継続事業と区分掲記した。当社は、いずれの表示事業年度においてもIDMSの営業
活動によるキャッシュ・フローに重要性がなかったため、キャッシュ・フロー計算書において、IDMSの営業活動によ
るキャッシュ・フローを継続事業と区分掲記しなかった。IDMS事業売却益の影響は、2008年7月31日終了事業年度の
キャッシュ・フロー計算書において表示している。
表示年度末における、非継続企業による純売上高及び純利益の内訳は、次のとおりである。
(単位:百万ドル)
2010年
7月31日
終了事業年度
2009年
2008年
7月31日
7月31日
終了事業年度 終了事業年度
非継続事業による純売上高
IDMS
$ -
$ -
$ 2
IRES
33
74
78
$ 33
$ 74
$ 80
$ -
$ -
$ (1)
IDMSの売却益
-
-
28
IRES非継続事業からの当期純利益
-
-
4
35
-
-
-
-
(1)
$ 35
$ -
非継続事業による純売上高合計
非継続事業による当期純利益
IDMS非継続事業からの当期純損失
IRESの売却益
その他
非継続事業による当期純利益合計
$ 30
外部受託給与計算サービス資産(Outsourced Payroll Assets)の売却
当社は2007年3月、オートマチック・データ・プロセシング・インク(以下「ADP」という)社にコンプリート・ペ
イロール及びプレミア・ペイロールサービス事業に関連する特定の資産を売却した。当社は、2008年7月31日終了事
業年度中に、ADPへ移管した顧客について税引前売却益52百万ドルを当該事業年度の損益計算書に計上した。当社は、
売却価額合計94百万ドルを受領し、当該取引開始から2008年度第3四半期の取引完了までに税引前売却益合計83百万
ドルを計上した。当該資産は、「従業員管理ソリューション」セグメントに属していた。当社は、事業上また財務報告
上においても、この資産の営業活動及びキャッシュ・フローを当社の外部受託給与計算サービス事業の残りの部分
から明確に区別できなかったため、当該取引を非継続事業として計上しなかった。 97/172
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9.流動負債
無担保リボルビング信用枠
当社は2007年3月22日、金融機関と2012年3月22日期限の500百万ドルの無担保リボルビング信用枠契約を締結した。
この信用枠下での借入金には、当社が選択したシティバンク基準金利又はロンドン銀行間取引金利(以下「LIBOR」
とする)のいずれかに当社の優先債券の信用格付に基づく0.18%∼0.575%のマージンを加えた金利と同率の金利が
発生する。適用金利は、当該信用枠下の借入金及び信用状の元本合計額が250百万ドルを超えた期間については、
0.05%上昇する。本契約には、負債合計と利息・税金・減価償却控除前利益(以下「EBITDA」とする)の割合が3.25
対1.00を超えないように、かつ、年間EBITDAと未払利息の割合が3.00対1.00を下回らないように維持することを当社
に義務付ける契約条項が含まれている。2010年7月31日現在、当社はこの契約条項を遵守している。当社は、この信用
枠による借入額を一般的な企業運営や将来の買収や事業拡張に利用できる。当社はこれまで本信用枠を使用して資
金を借り入れたことがない。
その他の流動負債
表示事業年度末現在のその他流動負債は、次のとおりである。
(単位:百万ドル)
2010年7月31日
2009年7月31日
製品返品引当金
$ 20
$ 20
売上割戻引当金
11
30
未払ライセンス料(1年内)
10
10
7
7
未払利息
21
21
役員繰延報酬制度
43
37
その他
22
26
$ 134
$ 153
繰延賃貸料(1年内)
その他流動負債合計
10.長期債務及び契約債務
長期債務
2007年3月12日、当社は2012年3月15日期日の5.40%の無担保優先債券500百万ドル及び2017年3月15日期日の5.75%の
無担保優先債券500百万ドル(両方合わせて「これら債券」という)の、元本合計10億ドルの債券を発行した。当社
は、2010年及び2009年7月31日終了事業年度の貸借対照表において、額面から未償却ディスカウント分2百万ドルを差
し引いた金額で債券を計上している。これら債券は、メイクホール・プレミアムを条件として、インテュイットがい
つでも償還できる。これら債券には、当社の設備への抵当権の設定や、相当額の引当金を条件とするセール・アンド
・リースバック取引の締結を制限する契約条項が付加されている。当社は、2010年、2009年及び2008年7月31日の各終
了事業年度に、これら債券に対する利息56百万ドルをそれぞれ支払った。
その他長期債務
表示事業年度末におけるその他長期債務は、次のとおりである。
(単位:百万ドル)
2010年7月31日
2009年7月31日
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未払ライセンス料 合計
$ 65
$ 71
繰延賃借料 合計
60
64
長期繰延収益
29
20
長期未払法人税等
20
48
3
4
長期債務合計
177
207
(減額)長期債務の1年内返済予定額
(その他負債に含まれる)
(19)
(20)
その他
支払期日が1年超の長期債務
$ 158
$ 187
当社は2009年5月、特定技術のライセンスを受けるため、現金20百万ドル及び今後10事業年度にわたり100百万ドル
を支払う契約を締結した。当該取決めの現在価値合計額は、約89百万ドルである。上表の未払ライセンス料合計には、
各表示日までの帰属利子が含まれている。
オペレーティング・リース
当社は、事務所の施設及び設備を各種オペレーティング・リース契約に基づきリースしている。当社施設のリース
では、通常、リース料の定期的値上げが規定されており、また多くのリースにはエスカレーション条項及び契約更新
オプションが含まれている。一部のリースでは、当社に固定資産税、保険料及び定期的メンテナンス料の支払を義務
付けている。これらすべてのリースの年間最低契約債務は、下表のとおりである。
(単位:百万ドル)
オペレーティング・
リース契約債務
7月31日終了事業年度
2011
$ 53
2012
47
2013
41
2014
37
2015
33
それ以降
71
$ 282
オペレーティング・リース契約債務合計
賃借料合計額は、2010年、2009年及び2008年7月31日終了事業年度において、それぞれ43百万ドル、44百万ドル及び48
百万ドルであった。
無条件購入義務
通常の営業の過程において、当社はいくつかの仕入先と一定の無条件購入義務契約を締結している。無条件購入義
務とは、購入すべき確定または最低の数量、確定・最低・変動価格条項及び大体の支払日などの強制力及び法的拘束
力を有する特定契約条件が定められている製品及びサービスの購入契約を意味する。2010年7月31日現在、当社には
無条件購入義務が98百万ドルあった。
11.法人税等
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表示事業年度における継続事業による法人税等の内訳は、次のとおりである。
(単位:百万ドル)
2010年
7月31日
終了事業年度
2009年
2008年
7月31日
7月31日
終了事業年度 終了事業年度
当期法人税等:
連邦税
$ 231
$ 160
$ 178
州税
44
7
35
外国税
33
12
8
308
179
221
(15)
24
13
(1)
7
9
(16)
(4)
-
(32)
27
22
$ 206
$ 243
繰延法人税等:
連邦税
州税
外国税
$ 276
継続事業による法人税等 合計
表示事業年度における継続事業による税引前利益の源泉地国の内訳は、次のとおりである。
(単位:百万ドル)
2010年
7月31日
終了事業年度
2009年
2008年
7月31日
7月31日
終了事業年度 終了事業年度
米国
$ 779
$ 627
$ 662
外国
36
26
28
$ 815
$ 653
$ 690
合計
表示事業年度における連邦法定法人税率35%を用いて算定した法人税等と、継続事業による法人税等との差異は、次
のとおりである。
(単位:百万ドル)
2010年
7月31日
終了事業年度
2009年
2008年
7月31日
7月31日
終了事業年度 終了事業年度
継続事業による税引前利益
$ 815
$ 653
$ 690
法定連邦法人税
$ 285
$ 229
$ 242
連邦税へのタックス・ベネフィット差引後の州法人税
27
9
29
連邦試験研究費税額控除
(8)
(20)
(7)
国内製造事業の税額控除
(14)
(11)
(12)
株式報酬
4
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4
-
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非課税受取利息
(2)
(5)
(20)
-
-
4
-
3
$ 276
$ 206
$ 243
米国外事業による効果
その他(純額)
継続事業による法人税等 合計
(12)
2010年4月、当社は特定の在外子会社からの利益の分配、及び当社の国際的拡大戦略に寄与するために、在外子会社
に残るほぼすべての利益を無期限に再投資する計画に関連して、外国税額控除から得られるタックス・ベネフィッ
トを約20百万ドル計上した。このタックス・ベネフィットは上記表の米国外事業による効果に表示されている。
2009年1月、当社は2009年度より前に終了する年度を含む特定の課税年度に関して、州税務当局と有利な契約を締結
した。本契約により、2009年7月31日終了事業年度において個別のタックス・ベネフィットを約18百万ドル計上した。
2008年10月の連邦税法改正により、2009年12月31日まで連邦試験研究費税額控除が復活し、2008年1月1日まで遡及
されることとなった。2009年7月31日終了事業年度において、2008年度に係る遡及金額として、個別のタックス・ベネ
フィットを約7百万ドル計上した。
ストック・オプション行使に関連する超過タックス・ベネフィットは、資本の部に含めている。資本の部に含めた
従業員ストック・オプション及びその他従業員株式報酬の行使による未払法人税等の減少額は、2010年、2009年及び
2008年7月31日終了事業年度において、それぞれ36百万ドル、18百万ドル及び38百万ドルである。
表示事業年度末における重要な繰延税金資産及び繰延税金負債は、次のとおりである。
(単位:百万ドル)
2010年7月31日
2009年7月31日
繰延税金資産:
現時点で損金算入できない未払金及び引当金
$ 30
$ 31
繰延賃借料
10
12
未払報酬及び繰延報酬
18
1
繰越欠損金及び繰越税額控除
63
46
8
5
89
92
4
11
222
198
55
59
1
5
56
64
166
134
有形固定資産
株式報酬
その他(純額)
繰延税金資産合計
繰延税金負債:
無形固定資産
その他(純額)
繰延税金負債合計
繰延税金資産合計-純額
評価性引当金
繰延税金資産合計-純額(評価性引当金控除後)
(8)
$ 158
(6)
$ 128
当社は、実現可能性が低いと考える特定の州及び外国繰越欠損金のタックス・ベネフィットに関する評価性引当金
を計上している。2010年、2009年、2008年7月31日終了事業年度において、評価性引当金はそれぞれ2百万ドル増加、6百
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万ドル増加、3百万ドル減少した。2010年7月31日終了事業年度における評価性引当金の増加は、主として企業結合に
より取得した繰越欠損金によるものである。これらのカリフォルニア州を中心とした繰越欠損金は、2012年度以降の
将来のカリフォルニア州課税所得の予想される源泉を制限するカリフォルニア州法が2009年度に成立し、当社には
2012年度から適用される結果、実現可能性が低いと考えられるものである。
当社は、在外子会社の利益が無期限に米国以外で再投資されるとみなされる場合を除き、これらの子会社の利益に
ついて米国法人税を未払計上している。2010年7月31日現在、米国法人税が未払計上されていない利益の累積額はな
く、また、認識されていない繰延税金負債もない。
表示事業年度末の貸借対照表に表示されている評価性引当金控除後の繰延税金資産合計額の内訳は、次のとおりで
ある。
(単位:百万ドル)
2010年7月31日
2009年7月31日
短期繰延税金資産
$ 117
$ 92
長期繰延税金資産
41
36
$ 158
$ 128
繰延税金資産合計-純額(評価性引当金控除後)
2010年7月31日現在、2020年度より順次期限切れとなる連邦税に係る繰越欠損金(純額)は、約84百万ドルである。
この繰越欠損金の充当は、年間限度額の対象となる。この年間限度額により、欠損金が充当前に期限切れとなる場合
がある。
2010年7月31日現在、当社には連邦外国税額控除の超過額が約22百万ドルあり、そのうち2百万ドルは繰戻可能であ
り、20百万ドルは繰越が可能である。繰越外国税控除は、2020年度から順次期限切れとなる予定である。この繰越外国
税控除を充当できるかどうかは、繰越期間において充分な外国源泉所得があるかどうかによる。外国源泉所得の限度
により、外国税務控除が充当前に期限切れとなる場合がある。
2010年7月31日現在、当社には州税に係る繰越欠損金が約163百万ドルあり、これらに対して繰延税金資産9百万ドル
及び評価性引当金7百万ドルを計上した。州税に係る繰越欠損金は、2014年度から順次期限切れとなる予定である。こ
の繰越欠損金の充当は、年間限度額の対象となる。この年間限度額により、欠損金が充当前に期限切れとなる場合が
ある。
未認識タックス・ベネフィット
表示事業年度の未認識タックス・ベネフィット残高(総額)の変動額合計は、次のとおりである。
2010年
(単位:百万ドル)
2009年
7月31日
終了事業年度
期首残高の未認識タックス・ベネフィット(総額)
取得を含む、過年度の税務ポジションに関する増加額
過年度の税務ポジションに関する減少額
2008年
7月31日
7月31日
終了事業年度 終了事業年度
$ 40
$ 45
$ 33
3
10
14
(5)
(10)
(1)
当事業年度中の税務ポジションに関する増加額
3
4
8
税務当局との確定額
-
(8)
(8)
(6)
(1)
(1)
時効による消滅
$ 35
期末残高の未認識タックス・ベネフィット(総額)
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$ 40
$ 45
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2010年7月31日現在の未認識タックス・ベネフィット合計額は、35百万ドルである。同日付の関連する繰延税金資産
控除後の未認識タックス・ベネフィットは、30百万ドルである。これらの未認識タックス・ベネフィットを認識した
とすれば、当社の法人税等は純額で30百万ドル減少する。当社は、今後12ヵ月間にわたり未認識タックス・ベネフィッ
トに重要な増減が合理的にありうるとは考えていない。
当社は米国の連邦政府、州政府及び外国政府に税務申告を行っている。当社の主要な税務管轄は、米国の連邦政府及
びカリフォルニア州である。当社の連邦税務申告については、2006年度及び2005年度より前の事業年度は、税務調査
の対象ではない。カリフォルニア州税務申告については、2005年度より前の事業年度は、税務調査の対象ではない。
当社は、法人税等において、未認識タックス・ベネフィットに関する利息及び罰金を認識している。2010年及び2009
年7月31日現在に未払計上した支払利息及び罰金の金額に重要性はない。また2010年、2009年及び2008年7月31日終了
事業年度に実現した利息及び罰金の金額に重要性はない。
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12.資本
株式買戻しプログラム
当社の取締役会は、一連の普通株式買戻しプログラムを承認している。これらのプログラムで買戻された普通株式
は、金庫株になる。当社はこれらのプログラムにより、2010年7月31日終了事業年度に当社普通株式28.7百万株を900
百万ドルで、2009年7月31日終了事業年度に当社普通株式10.9百万株を300百万ドルで、2008年7月31日終了事業年度
に当社普通株式27.2百万株を800百万ドルで、それぞれ買戻した。2010年7月31日現在、当社は取締役会で承認された
すべての資金を株式買戻しの為に使用している。2010 年8月19日、当社は2013年8月16日までの3年間にわたり追加で
20億ドルを上限とする当社普通株式の買戻しを承認する新しい株式買戻しプログラムを発表した。
買戻した当社普通株式は、再発行または消却されるまで、金庫株として保有する。金庫株の再発行時の売却収入が自
社株式購入に当社が支払った平均価格を超える場合、資本剰余金を増加させる。逆に株式の売却収入が自社株式購入
の平均価格を下回る場合、以前に同様の取引により増加した金額を上限として資本剰余金を減少させ、残りの金額に
ついては利益剰余金を減少させる。
2005年株式報酬制度の説明
当社株主は2004年12月9日、当社の2005年株式報酬制度(以下「2005年制度」という)を承認した。当社はこの2005年
制度に基づいて、インセンティブ及び税制非適格ストック・オプション、制限付き株式報酬、制限付き株式ユニット
(以下「RSU」という)、株式評価益受益権並びに株式ボーナスを、当社従業員と非従業員の役員及びコンサルタン
トに付与することができる。2005年制度には、制度説明書に記載される公式に基づいて、非従業員の役員に制限付き
株式ユニットを自動的に付与する規定がある。他の報酬については、当社取締役会の報酬及び組織発展委員会または
それにより権限を委譲された者が、付与対象者、権利行使期間、権利行使価格及びその他の条件を決める。当社株主は
2005年制度の改正を決議し、2005年制度による上限65,000,000株の発行を承認している。2010年7月31日現在、本制度
により9百万株が付与可能である。2005年制度により、各年に付与される株式報酬の50%までは、付与日の公正市場価
格を下回る価格を1株当たり行使価格又は1株当たり購入価格とすることができる。同日までに2005年制度により付
与されたすべてのストック・オプションの行使価格は、付与日の当社株式の公正市場価格に等しい。すべてのRSUに
は行使価格がないので、付与日の当社株式の公正市場価値を下回って付与されたと見なされる。2005年制度により付
与されるストック・オプションは通常、連続するサービスに基づき3年で権利確定し、権利行使期間は7年である。
2005年制度により付与されるRSUは、通常連続するサービスに基づき3年間で権利確定する。上級マネジメントに付与
される特定のRSUは、事前に設定された業績、もしくは市場目標の達成に基づいて権利確定する。
従業員株式購入制度の説明
1996年11月26日、当社株主は米国内国歳入法423条に基づく従業員株式購入制度(以下「ESPP」という)を採用し
た。資格を有する当社従業員は、ESPPにより、給料天引きで当社株式を定期的な購入日に割引購入することができる。
当社株主は、制度に基づき上限16,800,000株の発行が可能となるよう、2015年7月27日に失効するESPPの改正を承認
した。ESPPによる株式の売出し期間は3ヵ月間で、株式の購入価格はその従業員が参加する売出し期間の初日又は最
終日におけるインテュイット普通株式の株価終値のいずれか低い方の85%である。
ESPP制度に基づいて、従業員は、2010年7月31日終了事業年度に1,120,030株、2009年7月31日終了事業年度に
1,368,005株、ならびに、2008年7月31日終了事業年度に1,164,977株のインテュイット普通株式を購入した。2010年7
月31日現在、本制度により発行可能な株式数は2,621,325株である。
株式報酬費用
下表は、表示事業年度において費用として計上した株式報酬費用合計額を要約したものである。
(単位:百万ドル/1株当たり値のみドル)
2010年
7月31日
終了事業年度
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2009年
2008年
7月31日
7月31日
終了事業年度 終了事業年度
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製品売上原価
$ 1
$ 2
$ 1
7
7
6
販売費及び市場開拓費
41
45
36
研究開発費
41
39
32
一般管理費
44
37
36
非継続事業
1
3
2
135
133
113
(48)
(48)
(45)
サービス及びその他売上原価
株式報酬費用合計
タックス・ベネフィット
$ 87
$ 85
$ 68
基本的
$ 0.28
$ 0.26
$ 0.21
希薄化後
$ 0.27
$ 0.26
$ 0.20
当期純利益の減少額
1株当たり当期純利益の減少額
公正価値の決定
価値評価及び償却法 当社は付与済ストック・オプションの公正価値の見積を二項格子モデル及びマルティプル
・オプション・アワード・アプローチを用いて行っている。当社のストック・オプションには、権利確定規定や譲渡
制限など多様な制限があり、多くは満期日前に行使される。当社は、ブラック・ショールズ・モデルなどのクローズ
ド型モデルよりも、二項格子モデルが当社のストック・オプションの特徴を有効に捉えることができると考えてい
る。二項格子モデルの使用では、実際の従業員の多様な行使行動及び数々の複雑な仮定(例えば、ストック・オプ
ション期間にわたる株価の予想変動率、リスクフリー・レート、予測される配当)を使用する必要がある。オプショ
ンの公正価値は、報酬の条件となるサービス期間(通常、権利確定期間)にわたり定額法で償却される。
付与された制限付き株式ユニット(以下「RSU」という)は、通常は連続する勤務に基づき権利が確定する。当社
は、このような時間を基礎とするRSUを、本源的価値法を用いて付与日で評価し、これらの価値は見積失効数を調整
後、制限期間にわたり定額法で償却している。上級マネジメントに権利付与される一部のRSUについては、あらかじめ
決められた業績又は市場目標の達成に基づき権利が確定する。当社は、このような業績に基づくRSUの公正価値を、本
源的価値法を用いて付与日で評価するとともに、特定の業績基準が満たされる可能性も見積もっている。当社は、こ
れらの公正価値を別個に権利確定した報酬部分それぞれに対する見積失効数を調整後、必要なサービス期間にわ
たって償却している。当社は、市場に基づくRSU をモンテ・カルロ評価法を用いて付与日で評価しており、これらの
公正価値を別個に権利確定した報酬部分それぞれに対する見積失効数を調整後、必要なサービス期間にわたって償
却している。
予想残存期間 付与済ストック・オプションの予想残存期間とは、オプションが未行使であると予想される期間で
あり、二項格子モデルで求められるアウトプットである。オプションの予想残存期間は、基礎となる仮定及び当社モ
デルの設定のすべてに影響される。二項格子モデルでは、ストック・オプションの権利行使行動は、残存する権利確
定期間の関数と、当社普通株式の市場価格がオプションの行使価格をどれだけ上回るかに拠ると仮定している。二項
格子モデルは、権利行使の確率を、すべての過去に付与したオプションの権利行使と中止の実績に基づき、これら2つ
の変数の関数として見積もる。
予想ボラティリティ 当社は、付与日における当社普通株式のボラティリティを、当社普通株式の上場オプション
の1年及び2年のインプライドボラティリティに基づいて見積もっている。当社は、当社普通株式オプションが活発に
取引されていることや、インプライドボラティリティがヒストリカルボラティリティよりも将来の株価動向をより
良く示すという当社の判断に基づいて、インプライドボラティリティを使用することを決定した。
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リスクフリー・レート 当社のオプション価値評価モデルで用いるリスクフリー・レートは、オプション付与時点
で有効な、同様の残存期間で発行される変動利付米国国債の予想利回りに基づいている。
配当 当社はこれまで当社普通株式に対する現金配当を支払ったことはなく、予見可能な将来に現金配当を支払う
予定はない。よって当社は、当社のストック・オプション価値評価モデルにおける予想配当利回りに、ゼロを使用し
ている。
失効 当社は、ストック・オプションの失効を付与時点で見積もり、付与の翌期以降に実際の失効が当該見積とは
異なった場合に見積を修正している。当社は過去データを用いて権利確定前のストック・オプションの失効を見積
もり、権利確定されると予想される分のみについて株式報酬費用を計上している。
次の仮定を用いて、表示事業年度の付与済ストック・オプション及び従業員株式購入制度で購入された株式の公正
価値を見積もった。
2010年7月31日
終了事業年度
2009年7月31日 2008年7月31日
終了事業年度 終了事業年度
ストック・オプションの仮定:
予想ボラティリティ(範囲)
24% - 30%
28% - 44%
28% - 34%
加重平均予想ボラティリティ
28%
31%
33%
リスクフリー・レート(範囲)
1.37% - 2.82% 1.13% - 3.08% 2.11% - 4.56%
予測配当利回り
0%
0%
0%
予想ボラティリティ(範囲)
22% - 29%
35% - 53%
31% - 37%
加重平均予想ボラティリティ
26%
42%
33%
従業員株式購入制度の仮定:
リスクフリー・レート(範囲)
0.04% - 0.16% 0.04% - 0.84% 1.11% - 4.15%
予測配当利回り
0%
0%
0%
ストック・オプションの状況及び関連する株式報酬費用
表示事業年度におけるすべての株式報酬制度の状況は、次のとおりである。
未行使オプション
1株当たり
加重平均
行使価格
株式数(株) (ドル)
付与可能
株式数(株)
2007年7月31日現在残高
追加授権株式数
6,411
54,490
$ 24.05
10,000
-
-
-
648
2.00
取得に関連して引き受け転換したオプション
付与済オプション
(8,320)
8,320
27.99
付与済制限付き株式ユニット
(3,046)
-
-
行使済オプション
106/172
(9,101)
19.37
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取消または失効したオプション(1)
2,311
失効した制限付き株式ユニット(1)
620
-
-
7,976
50,206
24.70
10,000
-
-
-
178
6.45
2008年7月31日現在残高
追加授権株式数
取得により引き受け転換したオプション
(4,151)
30.91
付与済オプション
(6,538)
6,538
28.83
付与済制限付き株式ユニット
(6,242)
-
-
行使済オプション
-
(8,760)
19.37
取消または失効したオプション(1)
2,208
(2,488)
29.20
失効した制限付き株式ユニット(1)
682
-
-
8,086
45,674
26.00
9,000
-
-
-
372
3.08
2009年7月31日現在残高
追加授権株式数
取得により引き受け転換したオプション
付与済オプション
(6,338)
6,338
35.93
付与済制限付き株式ユニット
(5,253)
-
-
行使済オプション
-
(17,212)
24.00
取消または失効したオプション(1)
2,089
(2,579)
29.46
失効した制限付き株式ユニット(1)
1,177
-
-
8,761
32,593
$ 28.45
2010年7月31日現在残高
(1) 当社の2005年株式報酬制度のもとで取消、期限切れ、または失効したストックオプション及び制限付き株式ユニットは付
与可能株式のプールに戻される。それ以前の終了済みのプランのもとで取消、期限切れ、または失効したストックオプショ
ン及び制限付き株式ユニットは付与可能株式のプールに戻されない。
付与されたオプションの加重平均公正価値は、2010年、2009年及び2008年7月31日終了事業年度においてそれぞれ1
株当たり8.73ドル、7.86ドル及び8.36ドルであった。権利確定されたオプションの公正価値合計額は、各事業年度に
おいて、57百万ドル、58百万ドル及び61百万ドルであった。
2010年7月31日現在の未行使、権利行使可能かつ権利確定が予想される、ならびに権利行使可能なオプションは、次
のとおりである。
株式数
(千株)
1株当たり
加重平均
加重平均
本源的
残存契約
行使価格 価値合計
期間 (年数) (ドル) (百万ドル)
未行使のオプション
32,593
4.37
$ 28.45
$ 368
権利行使可能かつ権利確定が予想されるオプション
31,240
4.29
$ 28.28
$ 358
権利行使可能オプション
20,201
3.26
$ 26.34
$ 271
権利確定が予想されるオプションとは、予想失効数を差し引いた権利未確定のオプションである。2010年7月31日現
在の未行使のストック・オプションの本源的価値合計額は、ストック・オプションの行使価格と同日時点でイン・
ザ・マネーであったオプションの対象となる当社普通株式の市場価格との差額として計算される。2010年7月31日現
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在のイン・ザ・マネーのオプションとは、その日の当社普通株式の市場価格39.75ドルよりも行使価格が低いオプ
ションである。2010年、2009年及び2008年7月31日終了事業年度において行使されたオプションの本源的価値合計額
はそれぞれ157百万ドル、79百万ドル及び97百万ドルであった。
当社は、ストック・オプション、制限付き株式、及び従業員株式購入制度に係る株式報酬費用として2010年、2009年
及び2008年7月31日終了事業年度においてそれぞれ67百万ドル、63百万ドル及び57百万ドルを計上した。この株式報
酬費用に関連するタックス・ベネフィット合計額はそれぞれ24百万ドル、22百万ドル及び20百万ドルであった。
2010年7月31日現在、権利未確定のストック・オプション及び制限付き株式の未認識報酬費用が104百万ドルあり、
将来において償却し、費用化する予定である。未認識報酬費用は、見積失効数に将来変動が生じた場合に修正される。
この費用は加重平均権利確定期間2.3年にわたり認識する予定である。
当社はすべての株式報酬支払契約に基づくオプション行使により、2010年、2009年及び2008年7月31日終了事業年度
においてそれぞれ413百万ドル、169百万ドル及び176百万ドルの現金を受け取った。すべての株式報酬支払契約に基
づく税制非適格オプション行使及び非適格の処分による税額控除に関連して実現した現金のタックス・ベネフィッ
トは各事業年度で、61百万ドル、32百万ドル及び38百万ドルであった。
継続中の公開市場における当社普通株式の買戻し制度により、当社は2010年7月31日現在で約116百万株の金庫株を
保有している。オプションの権利行使及びRSUの権利確定にあたってはこのプールされた金庫株を使用する。
制限付き株式ユニットの状況及び関連する株式報酬費用
表示事業年度での制限付き株式ユニット(以下「RSU」という)の状況は、次のとおりである。
付与日における
加重平均
公正価値
(ドル)
株式数(株)
2007年7月31日現在、権利未確定
2,504
$ 29.88
3,046
28.24
562
29.78
権利確定
(484)
25.96
失効
(631)
29.52
付与
取得により引き受け転換した制限付き株式ユニット
2008年7月31日現在、権利未確定
付与
権利確定
失効
2009年7月31日現在、権利未確定
付与
企業結合により引き受け転換した制限付き株式ユニット
4,997
29.29
6,242
26.09
(1,150)
30.54
(691)
28.53
9,398
27.06
5,253
36.24
231
29.14
権利確定
(2,172)
29.30
失効
(1,179)
26.46
11,531
2010年7月31日現在、権利未確定
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$ 30.93
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権利確定したRSUの公正価値合計額は、2010年、2009年及び2008年7月31日終了事業年度においてそれぞれ64百万ド
ル、35百万ドル及び11百万ドルであった。RSUの株式報酬費用として2010年、2009年及び2008年7月31日終了事業年度
においてそれぞれ68百万ドル、70百万ドル及び56百万ドル計上している。このRSUの報酬費用によるタックス・ベネ
フィット合計額は各期間でそれぞれ25百万ドル、26百万ドル及び25百万ドルであった。
2010年7月31日現在、権利未確定のRSUに関連した未認識報酬費用が176百万ドルあり、将来において償却し費用化す
る予定である。未認識報酬費用は、見積失効数に将来変動が生じた場合に修正される。この費用は加重平均権利確定
期間1.9年にわたり認識する予定である。
RSUに関して損金算入により実現した現金のタックス・ベネフィットは、2010年、2009年及び2008年7月31日終了事
業年度においてそれぞれ24百万ドル、14百万ドル、3百万ドルであった。
13.福利厚生制度
役員繰延報酬制度
当社は2004年12月に2005年役員繰延報酬制度を初めて採用し、2005年1月1日に発効させた。当社は、内国歳入法409A
条に基づく繰延報酬の要件を満たすように、本制度を適用している。制度上、最低報酬要件を満たす役員は、給与、
ボーナス及びコミッションを最高75%までを繰り延べる資格がある。当社は、参加者の拠出額に、特定の独立投資ファ
ンドの運用成績を反映する利益相当額を追加して拠出することに合意している。また当社は、特定の状況において、
参加者のために任意の雇用者拠出を行うこともできる。雇用者拠出のタイミング、金額、及び権利確定スケジュール
は、当社取締役会の報酬及び組織開発委員会またはそれにより権限を委譲された者の単独裁量による。本制度での恩
恵は不確実なものである。参加者は通常、各自が選択した繰延期間末、あらゆる理由による当社退職後、あるいは409A
条の制限条項を満たした日以後、権利確定した報酬の支払を受ける資格を有する。任意の会社拠出及び関連する運用
益は、参加者が障がいを負ったり、死亡したり、またはインテュイットの支配権に変更があった時点で完全に権利確
定される。当社は2010年、2009年及び2008年7月31日終了事業年度において、本制度にそれぞれ1百万ドル未満の雇用
者拠出を行った。
本制度に関連した負債は、2010年及び2009年7月31日現在でそれぞれ43百万ドル、37百万ドルであった。当社は、本制
度上の負債に対して、類似するパフォーマンスの資産を拠出している。当社の貸借対照表上、これらの資産はその他
長期資産に計上している一方、債務に関連する負債はその他流動負債に計上している。
401(k)プラン
米国内において、インテュイット・インク401(k)プランに参加する従業員は、内国歳入庁の制限および本制度の諸
条件を前提に、税引前報酬の最高20%を制度に拠出することができる。当社は、従業員拠出の一部に対して、内国歳入
庁の制限を前提とした上乗せ拠出(現行、給与の1,000ドルまでの部分の150%および1,000ドルを超える部分の6%に
ついて最大75%)を行っている。上乗せ拠出額は、2010年、2009年、2008年7月31日終了事業年度において、それぞれ32
百万ドル、35百万ドル、34百万ドルであった。
14.訴訟
当社は、通常の業務遂行上発生する、当社が他者の特許やその他の知的財産権を侵害している可能性があるという
主張を含む、日常的な訴訟、法的請求、申立て、訴訟の脅威に晒されている。当社は現在、いかなる種類の係争中の申立
てに係る最終的債務額が、たとえ存在したとしても、案件ごとまたは合計でも、当社の財政状態、営業成績及びキャッ
シュ・フローの状況に重大な影響を与えないと考えている。いかなる訴訟も最終的結果は不確実で、結果にかかわら
ず、訴訟は弁護費用、悪い評判や報道、経営資源の投入、その他要因により当社に悪影響を及ぼす可能性がある。当社
が必要なライセンスその他権利を取得できなかった場合、または知的財産権関連の申立てから生じる訴訟になった
場合は、当社の事業に悪影響を及ぼす可能性がある。
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15.セグメント情報
当社は、当社が事業を管理する方法および当社の最高位の事業意思決定者が営業成績を評価する方法等の要素に基
づき、次に説明するとおり、7つの報告対象セグメントを定義している。当社では、最高位の事業意思決定者を当社の
最高経営責任者及び最高財務責任者と定義する。当社の最高位の事業意思決定者は、主に製品やサービスの提供を基
礎として、当社事業の編成・管理を行っている。
財務管理ソリューションの製品売上は、主にクイックブックス・デスクトップ・ソフトウェア製品や、小切手用紙、
封筒、請求書、名刺、ビジネス文具等の財務備品から生じている。また、財務管理ソリューションのサービス及びその
他売上は、主にクイックブックス・オンライン、クイックブックス・サポート制度、中小規模事業者向けのウェブサ
イト・デザインやホスティング・サービスを提供するインテュイット・ウェブサイト、クイックベース、並びに小規
模事業者向けオンライン・サービスのロイヤルティから生じている。
従業員管理ソリューションの製品売上は、主にクイックブックス・ベーシック・ペイロール及びクイックブックス
・エンハンスド・ペイロールによるもので、これらは給与計算を自社で行う小規模事業者に対して、給与税率表、給
与レポート、連邦・州税の給与税申告書、電子納税・申告サービスを提供するサブスクリプション形態で販売する製
品である。また、従業員管理ソリューションのサービス及びその他売上は、クイックブックス・オンライン・ペイ
ロール、インテュイット・オンライン・ペイロール、口座振込手数料、及びその他小規模事業者向け給与計算サービ
スから生じる。また、当該セグメントのサービス及びその他売上には、顧客のために保有する資金からの受取利息も
含まれている。
支払ソリューションの製品売上は、主にポイント・オブ・セールス・ソリューションによるものである。支払ソ
リューションのサービス及びその他売上は、主に小規模事業向けマーチャントサービスから生じ、主にクレジット
カード、デビットカード、ギフトカードのプロセシングサービス、自動決済(ACH)やCheck 21機能などの小切手認
証、小切手保証及び電子小切手交換、オンライン業者向けのウェブ取引処理サービスなどが含まれる。当セグメント
のサービス及びその他売上にも、顧客のために保有する資金からの受取利息が含まれている。
コンシューマー・タックスの製品売上は、主に一般消費者や小規模事業者向けデスクトップ版連邦・州税申告書作
成ソフトウェアであるターボタックスから生じる。また、コンシューマー・タックスのサービス及びその他売上は、
主にターボタックス・オンライン税務申告書作成サービスや電子税務申告サービスによるものである。
アカウンティング・プロフェッショナルの製品売上は、主に専門家向け税務申告書作成ソフトウェア製品
ProSeries及びLacerte、並びにクイックブックス・プレミア会計士版や会計専門家向けのProAdvisor Programから
生じる。また、アカウンティング・プロフェッショナルにおけるサービス及びその他売上は、主に電子税務申告サー
ビス、バンク・プロダクト通信サービスやトレーニング・サービスによるものである。
金融サービスのサービス及びその他売上は、主に外部委託オンライン・バンキング・ソフトウェア製品によるもの
である。当該製品は、当社データセンター内でホスティングし、銀行や信用組合に対してオン・デマンド・サービス
として提供する。
その他事業の内訳は、主にクイッケン事業、ミント・ドット・コム事業、インテュイット・ヘルス事業、並びにカナダ
及びイギリス事業である。クイッケン事業の製品売上は、主にクイッケン・デスクトップ・ソフトウェア製品による
ものである。当該事業におけるサービス及びその他売上は、主に消費者向けオンライン取引手数料及びクイッケン・
ローンズの商標権ロイヤルティによるものである。ミント・ドット・コム事業のサービス及びその他売上は、主とし
てリード・ジェネレーションの手数料によるものである。インテュイット・ヘルス事業のサービス及びその他売上
は、患者とプロバイダー間のオンラインコミュニケーションサービスによるものである。カナダ事業の製品売上は、
主にカナダ版クイックブックス、クイッケン、一般消費者向けデスクトップ税務申告書作成ソフトウェアや専門家向
け税務申告書作成製品によるものである。同事業におけるサービス及びその他売上は、主に給与計算サービスやク
イックブックスの保守契約による売上高から構成されている。イギリス事業の製品売上は、主にイギリス版クイック
ブックス及びクイックブックス・ペイロールによるものである。
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その他事業セグメントを除く、すべての事業セグメントは、主に米国で事業展開しており、主に米国内の顧客に対し
て販売を行っている。国外純売上高合計は、2010年、2009年及び2008年7月31日終了事業年度において、連結純売上高
合計の5%未満である。
特定セグメントに配賦されていない、コーポレートの販売費及び市場開拓費、製品開発費及び一般管理費、並びに株
式報酬費用などの費用は、未配賦コーポレート項目に含まれている。未配賦コーポレート項目には、取得無形固定資
産の償却費及び取得関連費用も含まれている。
報告対象セグメントの会計方針は、注記1の重要な会計方針の要約で説明しているとおりである。当社は、のれんと
取得無形固定資産を除き、通常、資産を報告対象セグメント別に追跡しておらず、その結果として総資産を報告対象
セグメント別に開示していない。報告対象セグメント別のれんについては、注記5を参照。
次の表は、表示年度の報告対象セグメント別の業績を示している。当社のその他事業セグメントの業績は、2010年度
第2四半期に非継続事業となったインテュイット・リアル・エステート・ソリューション事業の業績を除外するた
め、全表示期間について修正されている。注記8参照。
(単位:百万ドル)
2010年
7月31日
終了事業年度
2009年
2008年
7月31日
7月31日
終了事業年度 終了事業年度
売上高:
財務管理ソリューション
$ 611
$ 579
$ 592
従業員管理ソリューション
418
365
337
支払ソリューション
313
291
254
1,146
996
929
アカウンティング・プロフェッショナル
373
352
327
金融サービス
332
311
298
その他事業
262
215
256
$ 3,455
$ 3,109
$ 2,993
$ 152
$ 113
$ 170
253
208
166
67
31
43
コンシューマー・タックス
746
629
588
アカウンティング・プロフェッショナル
210
186
162
金融サービス
71
69
57
その他事業
64
62
90
1,563
1,298
1,276
コンシューマー・タックス
純売上高合計
継続事業による営業利益:
財務管理ソリューション
従業員管理ソリューション
支払ソリューション
セグメント営業利益合計
未配賦コーポレート項目:
株式報酬費用
(134)
(130)
(111)
その他共通費用
(475)
(384)
(431)
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取得技術減価償却費
(49)
(59)
(55)
その他取得無形固定資産減価償却費
(42)
(42)
(35)
未配賦コーポレート項目合計
(700)
(615)
(632)
継続事業による営業利益合計
$ 863
$ 683
$ 644
16.主要な四半期財務情報(未監査)
次の表には、2010年及び2009年7月31日終了事業年度の主要な四半期財務データが含まれている。インテュイット・
リアル・エステート・ソリューションズ事業及びインテュイット・ディストリビューション・マネジメント・ソ
リューションズ事業を非継続事業として計上しているため、これらの経営成績を損益計算書および本表の継続事業
による経営成績から区分掲記している。注記8参照。
2010年度
(単位:百万ドル/1株当たり値のみドル)
10月31日
終了
四半期
純売上高合計
1月31日 4月30日 7月31日
終了
終了
終了
四半期 四半期 四半期
$ 474
$ 837 $ 1,607
$ 537
売上原価
166
178
157
152
その他原価及び費用合計
408
520
562
449
(100)
139
888
(64)
(69)
80
576
(48)
34
-
114
576
継続事業による四半期営業利益(損失)
継続事業による四半期純利益(損失)
非継続事業による四半期純利益(損失)
1
四半期純利益(損失)
(68)
(48)
継続事業による基本的1株当たり四半期純利益(損失)
$ (0.21) $ 0.25
非継続事業による基本的1株当たり四半期純利益
基本的1株当たり四半期純利益(損失)
-
$ 1.83 $ (0.15)
0.11
-
-
$ (0.21) $ 0.36
$ 1.83 $ (0.15)
$ (0.21) $ 0.25
$ 1.78 $ (0.15)
継続事業による希薄化後1株当たり四半期純利益(損失)
非継続事業による希薄化後1株当たり四半期純利益
希薄化後1株当たり四半期純利益(損失)
-
0.10
$ (0.21) $ 0.35
-
-
$1.78 $ (0.15)
2009年度
(単位:百万ドル/1株当たり値のみドル)
10月31日
終了
四半期
純売上高合計
$ 462
112/172
1月31日 4月30日 7月31日
終了
終了
終了
四半期 四半期 四半期
$ 773 $ 1,417
$ 457
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売上原価
149
168
164
156
その他原価及び費用合計
388
494
488
419
継続事業による四半期営業利益(損失)
(75)
111
765
(118)
継続事業による四半期純利益(損失)
(52)
86
485
(72)
非継続事業による四半期純利益(損失)
-
四半期純利益(損失)
(52)
(1)
-
85
-
485
(71)
継続事業による基本的1株当たり四半期純利益(損失)
$ (0.16) $ 0.27
非継続事業による基本的1株当たり四半期純利益(損失)
-
$ 1.51 $ (0.22)
-
-
-
基本的1株当たり四半期純利益(損失)
$ (0.16) $ 0.27
$ 1.51 $ (0.22)
継続事業による希薄化後1株当たり四半期純利益(損失)
$ (0.16) $ 0.26
$ 1.47 $ (0.22)
非継続事業による希薄化後1株当たり四半期純利益(損失)
-
-
$ (0.16) $ 0.26
希薄化後1株当たり四半期純利益(損失)
-
-
$ 1.47 $ (0.22)
附属明細表Ⅱ インテュイット・インク
引当金勘定
(単位:百万ドル)
増 加
費用処理/売上控除
期首残高
減 少
期末残高
2010年7月31日終了事業年度
貸倒引当金
$ 16
$ 23
$ (17)
$ 22
製品返品引当金
22
101
(103)
20
リベート引当金
30
84
(103)
11
$ 16
$ 14
$ (14)
$ 16
製品返品引当金
28
107
(113)
22
リベート引当金
13
114
(97)
30
$ 15
$ 15
$ (14)
$ 16
製品返品引当金
26
105
(103)
28
リベート引当金
19
67
(73)
13
2009年7月31日終了事業年度
貸倒引当金
2008年7月31日終了事業年度
貸倒引当金
注: 貸倒引当金の積み増し額は一般管理費に費用計上している。製品返品引当金及びリベート引当金の増加は売上
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2【主な資産及び負債の内容】
連結財務書類に関する注記を参照。
3【その他】
(1)後発事象
該当なし。
(2) 訴 訟
連結財務書類に関する注記「14.訴訟」を参照。
4【米国と日本における会計原則の相違】
添付の連結財務書類は米国で一般に公正妥当と認められる会計原則に準拠して作成されている。これらの会計原則
は、日本で一般に公正妥当と認められる会計原則とは、いくつかの点で異なる。両会計原則の主な相違点は下記のと
おりである。
(1) 変動持分事業体の連結
米国では、会計基準編纂書(以下「ASC」という)トピック810「連結」において、変動持分事業体(リスクを伴う
資本投資総額が不十分で、他者からの追加的な財務支援がない限り事業活動の資金調達ができない事業体)として
適格である一定の事業体が、主たる受益者によって連結されることを要求しており、当該事業体が関係当事者間でリ
スクを効果的に分散していない場合に、当該事業体を連結することを明確にしている。
日本では、実質的に支配されている企業や事業体は連結する。変動持分事業体の連結についての明確な基準は設け
られていない。
(2) 企業結合及びのれん
米国では、ASCトピック805「企業結合」におけるガイダンスのアップデート(主に企業結合及びのれんの定義の変
更、並びに企業結合の公正価値の測定日の変更を含む。)が適用される前においては、企業結合を「パーチェス法」
により会計処理していた。当該アップデートによると、基準で明記されている限られた例外を除いて、取得企業が、被
取得企業における取得資産、引受負債、及び非支配持分を取得日に認識し、同日の公正価値で測定することを要求し
ている(「取得法」)。このアップデートは、取得日が2008年12月15日以後開始する最初の事業年度になる企業結合
より非遡及的に適用する。なお、従来通りのれんは減損処理の検討対象となり、償却を行わない。
日本では、2008年12月26日に公表された企業会計基準第21号「企業結合に関する会計基準」により、企業結合は
パーチェス法により会計処理することになり、持分プーリング法は廃止された。同会計基準の下では、パーチェス法
の会計処理から生じるのれん(負ののれんを除く)はすべて20年以内の期間にわたり定額法その他の合理的な方法
により償却し、必要に応じて減損テストの対象となる。負ののれんについては、それが発生した事業年度の利益とな
る。また、同日公表された企業会計基準第22号「連結財務諸表に関する会計処理」により、連結貸借対照表の作成に
あたっては被取得会社の資産及び負債のすべてを支配獲得日の時価により評価することが要求されることとなっ
た。両基準は2010年4月1日以後実施される企業結合から適用されている。
これ以前には、パーチェス法による会計処理のほか、一定の厳格な条件の下で持分の結合と識別される限られた場
合のみ、持分プーリング法による会計処理が認められていた。また、被取得企業における取得資産、引受負債、及び非
支配持分の取得企業による評価については、時価により評価する範囲を親会社の持分に相当する部分に限定する方
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法(部分時価評価法)、又は少数株主持分に相当する部分を含めてすべてを時価評価する方法(全面時価評価法)
の選択が認められていた。
(3) 自社利用のコンピュータ・ソフトウェアの開発費用
米国では、開発準備段階の費用は発生時に費用として処理することが要求される。準備段階後、開発段階での発生費
用は、当該ソフトウェアが米国で規定する要件を満たす場合、資産計上され見積耐用年数にわたり償却することがで
きる。
日本では、自社利用のソフトウェアの開発費は発生時に費用として処理する。ただし、当該費用が将来の収益獲得又
は費用削減が確実と認められる場合には資産計上する。
(4) その他の無形固定資産
米国では、存続期間を確定できない無形固定資産は償却せず、減損の有無を最低年1回検討しなければならない。一
方存続期間を確定できる無形固定資産は、その存続期間を通じて償却する。
日本では、その他の無形固定資産はその効果が及ぶ期間又は契約期間等にわたって償却する。なお、2005年4月1日以
降に開始する事業年度より減損会計の適用の対象となっている。
(5) 支払利息の取得原価算入
米国では、ASCサブ・トピック835-20「利息の資産化」により、工場の建設等、利用可能となるまでに期間を要する
資産の取得に関連する利息費用で一定の要件を満たすものは、当該資産の取得原価に算入することが要求されてい
る。
日本では、支払利息の取得原価算入は限定的な場合のみ認められるが、要求はされていない。原則として支払利息は
発生した期の費用として処理している。
(6) 長期性資産の減損
米国では、ASCトピック360「有形固定資産」に基づき、長期性資産の帳簿価額が当該資産の使用及び最終的な処分
により発生すると予想される割引前キャッシュ・フローの合計を上回る場合に回収できないとされ、減損損失を認
識する。減損損失の金額は長期性資産の帳簿価額がその公正価値を上回る額として測定する。
日本では、「固定資産の減損に係る会計基準」に従い、資産の減損の兆候が認められ、かつ割引前の見積将来キャッ
シュ・フローの総額(20年以内の合理的な期間に基づく)が帳簿価額を下回ると見積もられる場合において、回収
可能価額(正味売却価額と使用価値(継続的使用と使用後の処分によって生ずると見込まれる将来キャッシュ・フ
ローの現在価値)のいずれか高い方の金額)と帳簿価額の差額につき減損損失を計上する。
(7) 売却予定の長期性資産
米国では、ASCトピック360「有形固定資産」に基づき、売却目的保有に分類されるすべての基準を満たす処分予定
の資産は、帳簿価額と公正価値(売却費用控除後)のいずれか低い金額で計上する。売却目的保有として分類されて
いる間は、資産は減価償却しない。経営上及び財務報告目的上、その他の資産と明らかに区別される事業及びキャッ
シュ・フローを有する売却目的保有資産は、(1)当該資産の事業及びキャッシュ・フローを事業体の継続事業から
除外し、かつ、(2)処分取引後に事業体が当該資産の事業に重要で継続的な関与を行わない場合、非継続事業に計上
する。
日本では、売却予定の長期性資産及び非継続事業に関する会計処理基準はない。
(8) 有給休暇
米国では、一定の条件を満たす場合、将来の休暇に関する従業員の受給権に対して債務を認識することが要求され
る。
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日本では、有給休暇に関する会計処理については言及しておらず、一般的な会計慣行では関連する債務の認識は行
わない。 (9) 資産除去債務
米国では、ASCトピック410「資産除去債務及び環境債務」に従って、長期性資産の除去に関連する債務は、このよう
な費用を発生させる法的債務がある場合に公正価値で見積計上する。負債の当初認識時に、当該費用を関連する長期
性資産の一部として資産化し、対応する資産の耐用年数にわたり減価償却する。
2008年3月31日、国際財務報告基準(IFRS)とのコンバージェンスの一環として、企業会計基準第18号「資産除去債
務に関する会計基準」が公表され、資産除去債務は、有形固定資産の取得、建設、開発又は通常の使用によって発生し
た時に、有形固定資産の除去に要する割引前将来キャッシュ・フローを見積もり、割引後の金額(割引価値)で算定
した額を負債として計上し、同時に同額を関連する有形固定資産の帳簿価額に加える。同基準は、2010年4月1日以後
開始する事業年度から適用されている。
これ以前は資産除去債務の認識に関する会計基準がなかったため、資産除去に関連する費用は一般に、発生の可能
性が高く金額を合理的に見積もることができる場合には、当期の負担に属する費用又は損失が引当金として計上す
るか、資産除去が生じた時に費用として計上していた。
(10) 非支配持分
米国では、非支配持分に関する親会社による会計及び報告の枠組みを取扱うASCトピック810「連結」におけるガイ
ダンスのアップデートが、子会社に対する非支配持分は連結事業体に対する所有持分であり、連結財務書類の資本と
して報告すべきことを明確にしている。同アップデートは2008年12月15日以降開始事業年度及び当該業年度の期中
から適用されている。
日本では、企業会計基準第5号「貸借対照表の純資産の部の表示に関する会計基準」に基づき、少数株主持分は株主
資本等と区分し、純資産の部に計上する。連結損益計算書では、少数株主損益は純利益前の個別項目として表示され、
純利益には親会社の株主に帰属する利益のみを含む。なお、企業会計基準第22号の適用により、2010年4月1日以降開
始する連結会計年度の期首より、少数株主損益調整前当期純利益に少数株主損益を加減して、当期純利益を標記す
る。
(11) 収益の認識
米国では、ASCトピック605「収益の認識」に基づき、(1)取り決めに関する説得力のある証拠が存在する、(2)製
品等の引渡し又はサービスの提供がなされている、(3)買主に対する売主の価格が固定している又は確定できる、
及び(4)代金の回収可能性が高い、といったこれらすべての要件が満たされた場合に、収益を認識する。
日本では、会計制度委員会研究報告第13号「我が国の収益認識に関する研究報告(中間報告)」が公表されている
ものの、研究報告における会計処理が強制されるものではなく、収益の認識に関する明確な規定はないが、企業会計
原則の実現主義の原則に従い、商品等の販売又は役務の提供によって実現したものについて収益を認識する。
(12) 広告宣伝費
米国では、広告宣伝にかかる費用を当該費用が発生した時点、あるいは当該広告宣伝が実施された時点で費用処理
する。
日本では、広告宣伝費の会計処理については特に言及されていないが、一般的に発生時あるいは広告宣伝期間に亘
り費用処理する。
(13) 販売促進費
米国では、一定の要件を満たさない限り、売主の製品の販売又は最終顧客に対する売主の製品の販売促進に関連し
て、売主が再販売者に支払うすべての報奨は、売主の損益計算書において(費用ではなく)売上控除として分類しな
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ければならない。また、顧客が販売者との取引においてある一定の水準を達成した場合又はある一定期間取引を継続
した場合に、販売者により提供される現金リベート等については、売上控除として分類しなければならない。
日本では、会計制度委員会研究報告第13号「我が国の収益認識に関する研究報告(中間報告)」が公表されている
ものの、研究報告における会計処理が強制されるものではなく、販売促進費に関する会計処理に関する明確な規定は
ないため、一般的に販売費及び一般管理費として計上する。
(14) 立ち上げ費用
米国では、立ち上げ活動費用及び設立費用を発生時に費用計上することが要求されている。
日本では、創立費、開業費、及び開発費については、繰延資産として資産に計上し、所定の期間で償却する会計処理が
認められている。
(15) 撤退または処分活動に伴う費用の債務
米国では、ASCトピック420「撤退または処分費用義務」に基づき、将来の撤退または処分活動に伴う費用の債務に
ついては、発生時に公正価値で認識する。
日本では、このような費用に関する特定の会計基準は公表されていない。一般に発生の可能性が高く、金額を合理的
に見積もることができる場合には、引当金として計上する。
(16) 異常項目
米国では、ASCサブ・トピック225-20「損益計算書−異常項目及び通常でない項目」において、異常項目とはその性
質が通常ではない、かつ、発生頻度がごくまれな事象及び取引のことと定義されている。報告期間に認識される際、異
常項目は継続事業による利益からは除き、個別項目で損益計算書に表示する。性質が通常ではないまたは発生頻度が
ごくまれな(両方には該当しない)事象又は取引は、継続事業による損益として計上する。
日本の会計原則の下では、特別項目はその性質が非経常的で、会社の主要な収益業務を構成しない特定の事象又は
取引により生じ、特定の事象又は取引の範囲は、米国の会計原則に基づく異常項目の要件を満たすものよりも広い。
特別項目は、損益計算書上経常利益の下に表示する。
(17) デリバティブ金融商品及びヘッジ活動
米国では、ASCトピック815「デリバティブ及びヘッジ」に基づき、すべての金融派生商品(デリバティブ商品)を、
公正価値で貸借対照表に計上する。公正価値の変動を相殺するために用いる金融派生商品については、要件を満たす
場合には公正価値ヘッジ会計を適用し、デリバティブ及びヘッジ対象リスクに起因するヘッジ対象項目の公正価値
の変動を、損益として認識する。予定取引のキャッシュ・フロー変動のエクスポージャーをヘッジするために使用す
る金融派生商品については、要件を満たす場合にはキャッシュ・フロー・ヘッジ会計を適用し、金融派生商品の公正
価値変動のうち有効な部分は当初は「その他の包括利益」に計上し、その後ヘッジ対象項目が損益に影響するとき
に損益計算書に組替える。非有効部分については、当期損益に計上する。
日本では、デリバティブ取引について、会計基準により定められたヘッジ会計の要件を満たす場合には、原則とし
て、「繰延ヘッジ会計」(時価評価されているヘッジ手段に係る損益又は評価差額を、ヘッジ対象に係る損益が認識
されるまで純資産の部において繰り延べる方法)を適用し、ヘッジ対象である資産又は負債に係る相場変動等を会
計基準に基づき損益に反映させることができる場合には、「時価ヘッジ会計」(ヘッジ対象である資産又は負債に
係る相場変動等の損益とヘッジ手段に係る損益とを同一の会計期間に認識する)を適用できる。
また日本では、資産又は負債に係る金利の受払条件を変換することを目的として利用されている金利スワップが、
金利変換の対象となる資産又は負債との間でヘッジ会計の要件を充たしており、かつ、その想定元本、利息の受払条
件及び契約期間が当該資産又は負債とほぼ同一である場合には、金利スワップを時価評価せず、その金銭の受払の純
額等を当該資産又は負債に係る利息に加減する「特例処理」が認められている。また、ヘッジ会計の要件を満たす為
替予約等については、当分の間、為替予約等により確定する決済時における円貨額により外貨建取引及び金銭債権債
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務等を換算し直物為替相場との差額を期間配分する方法(「振当処理」)によることができる。
更に日本では、複数の資産又は負債から構成されているヘッジ対象をヘッジしている場合には、ヘッジ手段に係る
損益又は評価差額は、損益が認識された個々の資産又は負債に合理的な方法により配分する。
(18) 金融商品に係る開示
米国では、ASCトピック820「公正価値測定及び開示」に基づき、公正価値の見積が可能である限り、金融商品の公正
価値及び公正価値を見積もるために使用した方法及び重要な仮定を財務書類の本体又は注記において開示しなけれ
ばならない。さらに、一定の金融商品に係る信用リスクの集中については、個人の当事者であるかグループの当事者
であるかに係らず、注記での記載が要求されている。また、リスクを管理・調整する方法と同様の市場リスクの定量
的情報に関しての開示が奨励されている。
日本では、デリバティブ取引に係るリスクの内容及びリスク管理体制等の取引の状況、並びに有価証券及びデリバ
ティブ取引の時価等の開示が要求されている。2008年3月10日付けで、企業会計基準第10号「金融商品に関する会計
基準」が改正され、上記の開示に関する要件を金融商品全般に広げている。すなわち、金融商品の状況に関する事項
及び金融商品の時価等に関する事項を開示しなければならない。この改正基準は2010年3月31日以後終了事業年度末
に係る財務書類から適用されている。
(19) 株式に基づく報酬
米国では、ASCトピック718「報酬−株式報酬」が、株式に基づく支払いを付与日において公正価値で測定し、財務書
類において報酬費用を認識することを企業に要求している。
日本では、企業会計基準第8号「ストック・オプション等に関する会計基準」に基づき、会社法施行日(2006年5月1
日)以後に付与したストック・オプションについては、ストック・オプションの付与日から権利確定日までの期間
にわたり、付与日現在のストック・オプションの公正価額に基づいて報酬費用を認識し、対応する金額は純資産の部
に新株予約権として計上する。2006年5月1日より前に付与したストック・オプションについては特定の会計基準がな
く、一般に報酬コストは認識されていなかった。
(20) 包括利益
米国では、ASCトピック220「包括利益」に基づき、包括利益とその構成項目を財務書類上に開示することを要求し
ている。包括利益は、所有者としての立場における所有者との取引以外の、当該期間に認識された取引及びその他の
経済的事象から生じた、事業会社の資本(純資産)のすべての変動を表す。
日本では、財務書類の構造が米国会計基準と相違しており、包括利益の区分掲記や、包括利益とその構成項目の開示
を要求する会計基準がなかったが、2010年6月に企業会計基準委員会が、IFRSとのコンバージェンスの取組みの一環
として、企業会計基準第25号「包括利益の表示に関する会計基準」を公表した。この基準は2011年3月31日以後終了
する事業年度の連結財務書類より適用される。
(21) 会計方針の変更及び誤謬の訂正
米国では、ASCトピック250「会計方針の変更及び誤謬の訂正」に基づき、会計方針の変更及び誤謬の訂正は、変更に
よる特定の期間への影響額又は累積的影響額のいずれかの決定が実務上困難でない限り、過去の期間の財務書類に
遡及的に適用することが要求されている。
日本では、過年度の財務書類の遡及修正に関する会計基準はなく、会計上の変更や誤謬の訂正による影響額は、それ
が生じた期間に反映しなければならない。なお、2009年12月4日に企業会計基準第24号「会計上の変更及び誤謬の訂
正に関する会計基準」が公表され、会計方針の変更や誤謬の訂正による影響額は、原則として遡及的に反映すること
となった。この新基準は、2011年4月1日以降開始事業年度の期首以降に行われる会計上の変更及び過去の誤謬の訂正
から適用される。
(22) セグメント情報
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米国では、ASCトピック280「セグメント情報」に基づき、セグメント別の業績を評価し、資源の各セグメントへの配
分を決定するために企業内部で使用されているセグメント別財務情報の開示が要求される。また、経営上の意思決定
のために企業内部で使用されているか否かを問わず、企業の製品・サービス(又は同種の製品・サービスのグルー
プ別)の収益に関する情報、企業が収益を計上し、資産を保有する国別の情報、及び主要顧客に関する情報の開示が
要求されている。
日本では、セグメント情報の作成に用いる会計処理方法は外部向け報告用の会計方針と同一であり、事業の種類別
(すなわち、同種の製品・サービスのグループ別)セグメント情報、国または地域別により区分した所在地別セグメ
ント情報、及び海外売上高を開示する。2008年3月21日付けで、企業会計基準第17号「セグメント情報等の開示に関す
る会計基準」が公表された。この基準は、米国の会計原則と同様のマネジメント・アプローチを導入したものであ
り、2010年4月1日以後開始事業年度から適用されている。
(23) 保証
米国では、 ASCトピック460「保証」の規定に従って、一定の第三者保証を含む2002年12月31日より後に引き受けま
たは更新される一定の保証を、当初より公正価値で貸借対照表に負債として計上することが要求されている。
日本では、金融資産又は金融負債の消滅の認識の結果生じる債務保証を除いて、保証を当初より公正価値で貸借対
照表に計上することは求められない。保証に起因して、将来の損失が発生する可能性が高く、かつその金額を合理的
に見積もることができる場合には、債務保証損失引当金を計上する。
(24) 法人所得税の不確実性
米国では、 ASCトピック740「法人所得税」の不確実な税務ポジションの規定により、財務書類上でタックス・ベネ
フィットを認識する前に税務ポジションが適合すべき最低の認識範囲が定められ、法人所得税の会計処理を明確に
している。また、同規定は認識の中止、測定、分類、利息及び加算税、期中会計期間の会計処理、開示並びに移行につい
ての指針も規定している。
ASCトピック740の不確実な税務ポジションの規定は、認識すべきタックス・ベネフィットの金額を決定するために
2段階のプロセスを規定している。第1段階では、税務ポジションは税務調査(関連する不服申立て又は訴訟手続きの
解決を含む)において支持される可能性の方が高い(more likely than not)ことを入手可能な証拠の重要性が示
唆しているか否かを判断することで、税務ポジションの認識について評価を行う。第2段階では、最終的な解決時に実
現する可能性が50%超である最大金額として、タックス・ベネフィットの見積及び測定を行う。こうした金額の見積
は、起こり得る様々な結果の可能性の判断が要求されることから、本質的に困難かつ主観的である。これらの不確実
な税務ポジションの再評価は四半期毎に行われる。この評価は、事実又は状況の変化、税法の改正、税務調査で実質的
に解決した問題及び新たな税務調査活動を含む(ただしこれに限定されない)要素に基づく。認識又は測定におけ
るこうした変化により、変化の生じた期間に、タックス・ベネフィット又は法人所得税への追加費用の認識が発生す
る可能性がある。
日本では、財務書類上で認識される前に税務ポジションが適合すべき最低の認識範囲を規定する上記のような法人
所得税の会計基準はない。
(25) 公正価値測定
米国では、ASCトピック820「公正価値測定及び開示」において、公正価値が定義され、公正価値測定のための枠組み
が定められ、公正価値測定に関する開示が拡充されている。ASCトピック820は、全ての金融資産・負債、並びに、非金
融資産・負債のうち財務書類上継続的に(少なくとも年1回)公正価値で認識・開示されるものに対して適用され
る。
ASCトピック820は、公正価値を「測定日現在、資産・負債の主要な又は最も有利な市場における市場参加者間の秩序
ある取引において、資産の売却により受領するか又は負債の移転により支払うであろう価格(すなわち、「出口価
格」)」と定義している。公正価値は、企業独自の仮定ではなく、市場参加者が資産又は負債の価格決定に使用する
であろう仮定に基づいて計算されなければならず、さらに、負債の公正価値には、企業自身の信用リスクを含む不履
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行リスクを加味しなければならない。
ASCトピック820は、公正価値を定義したことに加え、公正価値に関わる開示要求を拡充し、評価のインプットに関す
る公正価値の階層を設定している。この階層は、公正価値測定に使用されるインプットが市場においてどの程度観察
可能であるかに基づいて、インプットを3つのレベルに優先順位付けしている。公正価値の階層のどのレベルに該当
するかは、公正価値測定において重要なインプットのうち最もレベルの低いインプットに基づいて決定される。
日本では、全ての金融資産・負債並びに非金融資産・負債を対象とする公正価値測定を包括的に規定する会計基準
はない。公正価値は、金融商品及び非金融商品の資産・負債に関する各会計基準において、市場価格に基づく価額、又
は市場価格がない場合の合理的に算定された価額と定義されている。
(26) 公正価値オプション
米国では、 ASCトピック825「金融商品」に基づき、一部の例外を除いて、企業が金融資産及び金融負債並びに特定
の非金融商品を公正価値で測定することを選択することにより、公正価値で測定することを認めている。
日本では公正価値オプションに関する会計基準はない。
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第7【外国為替相場の推移】
省 略
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第8 【本邦における提出会社の株式事務等の概要】
1. 本邦における株式事務等の概要
(1) 本邦における株式の名義書換取扱場所及び株主名簿管理人
日本においては、当社普通株式の名義書換取扱場所及び株主名簿管理人は存在しません。
(2) 株主に対する特典
ありません。
(3) 株式の譲渡制限
ありません。
(4) その他の株式事務に関する事項
(a) 決算期
毎年7月31日
(b) 年次株主総会
取締役会が毎年定める日時に開催されます。直近の定時株主総会は、2011年1月19日に開催されました。
(c) 基準日
誰が通知を受ける権利があるか、株主総会又は延会で議決権を行使する権限があるか、配当の支払を受ける
権限があるか、その他の特別の理由のために株主の特定が必要であるときに、取締役会は、株主を特定するた
めに前もって基準日を定めることができます。基準日は、取締役会が基準日を設定する決議がなされた日より
も前であってはならず、且つその株主総会の期日前10日以上60日以内、又はその他の行為前の60日以内の間で
設定されるものとします。
そのような目的のために基準日が設定されなかった場合には、基準日は適用法規に規定されるとおりとしま
す。2011年1月19日の定時株主総会に対する基準日は、2010年11月22日でした。
(d) 株券の種類
任意の株数を表示できます。
(e) 株券に関する手数料
米国においては、当社名義書換代理人又は登録機関が株主より徴収する名義書換手数料又は登録手数料はあ
りません。
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(f) 公告掲載新聞名
日本国内において、公告を掲載する新聞はありません。
2. 本邦における株主の権利行使に関する手続
本邦の株主が日本においてその権利を実行する方法はありません。本邦の株主は下記住所のインテュイット・イン
ク株式運営担当者に問い合わせ、それに関する情報を入手することができます。
Intuit Inc.
P.O. Box 7850
Mountain View, California 94039-7850
U.S.A.
Attn: Investor Relations, M.S. 2-098A
電話番号: (650) 944-6000
(1) 本邦における株主による議決権行使に関する手続
日本における当社株式の株主は、自ら又は書面による委任状によって当社の株主総会で議決権を行使することがで
きます。
(2) 配当請求等の手続
当社は、現在に至るまで現金配当をしていないので、配当請求等に関する手続はまだ定めていません。
(3) 株式の譲渡に関する手続
日本における当社株式の株主は、株券の裏面に裏書きすることにより、又は譲渡することを認める書面による委任
状と会社の名簿に株式の移転を記載することによって譲渡することができます。
(4) 本邦における配当等に関する課税上の取扱い
本邦における配当等に対する課税上の取り扱いは、概要、次のとおりです。株式に関する課税は、期限付きの特例措
置や例外的な取り扱いもありますので、あらかじめ税務官署又は税の専門家に相談してください。
(a) 配当
当社の株主に対する配当は、原則として、個人については配当所得として、法人については益金として、日本
で申告する必要があります。日本の居住者である個人又は内国法人が外国法人から受け取る配当については、
個人の配当控除や法人の受取配当益金不算入制度の適用は認められませんが、米国において課された所得税
については、所定の手続きをすることにより、外国税額控除の適用が受けられます。ただし、個人が支払を受け
るべき配当については、10%(うち住民税3%。2012年以降は20%。ただし、2011年の税制改正によりこの10%の
税率が2013年末まで延長される見込みです)の税率による申告分離課税を選択することができます。また、当
社の議決権のある株式の10%以上(又は総株式の25%以上)を6ヶ月以上保有している内国法人は、その受け取
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る配当の95%相当を益金に算入しないことができます。
なお、国外で発行された株式で上場されている株式の配当について、国内における支払の取扱者によって、上
記の税率で所得税・住民税の源泉徴収が行われる場合には、大口個人株主以外の個人株主に限っては、その配
当所得を確定申告に含めないことも選択できます。2014年以降は、金融商品取引業者等に開設した非課税口座
において管理されている個人の少額の株式の配当については非課税とされる見込みです。
(b) 売買損益
当社株式の売買損益の課税上の取り扱いは、基本的に日本法人の株式の場合と同様です。個人株主による株
式の売買損益は、他の所得とは区分して、税金を計算することとされており、適用される税率は、金融商品取引
業者を通じた株式の譲渡については10%(うち住民税3%。2012年以降は20%。ただし、2011年の税制改正によ
りこの10%の税率が2013年末まで延長される見込みです)、それ以外の譲渡については20%(うち住民税5%)
となっています。また、金融商品取引業者に特定の口座を開設し、その口座内で生じる株式の売買益について
10%(うち住民税3%。2012年以降は20%。ただし、2011年の税制改正によりこの10%の税率が2013年末まで延
長される見込みです)の税率での源泉徴収による課税を選択した場合には、原則として、確定申告も不要とな
ります。譲渡損が生じた場合には、所定の手続きをすることにより、配当所得と通算したり、3年間にわたって
繰り越すこともできます。
2014年以降は、金融商品取引業者等に開設した非課税口座において管理されている個人の少額の株式の譲渡
益については非課税とされる見込みです。
(c) 相続税
日本の個人株主が当社株式を相続し又は遺贈を受けた場合には、日本で相続税の課税対象とされますが、そ
の株式について米国でも連邦遺産税が課されるときは、相続税法の規定に従い、所定の手続きをすることによ
り、外国税額控除の適用が受けられます。
(5) その他諸通知並びに報告
株主総会議案等に関する通知が直接日本の株主へ行なわれる場合には、アメリカ合衆国内の名義代理人がこれを一
定基準日の株主名簿に基づき株主に送付します。
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第9【提出会社の参考情報】
1【提出会社の親会社等の情報】
当社には、親会社等に該当する会社は存在しません。
2【その他の参考情報】
当社は、2009年8月1日以降、日本の金融商品取引法に従い以下の報告書を日本で提出しています。
2009年12月16日
有価証券報告及びその添付書類
(自2008年8月1日 至2009年7月31日)
2010年4月27日
半期報告書及びその添付書類
(自2009年8月1日 至2010年1月31日)
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第二部【提出会社の保証会社等の情報】
該当なし
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アーンスト・アンド・ヤング LLP 独立登録会計事務所の同意書
私どもは、インテュイット・インク社の連結財務書類及び財務報告に係る内部統制の有効性に対する私どもの2010
年9月16日付の報告書が、有価証券報告書に含められることについて同意する。
アーンスト・アンド・ヤング LLP
カリフォルニア州、サンノゼ市
2011年1月19日
ACKNOWLEDGEMENT OF ERNST & YOUNG LLP,
INDEPENDENT REGISTERED PUBLIC ACCOUNTING FIRM
We agree to the inclustion in this Annual Securities Report, of our reports dated September 16, 2010, with respect to the
consolidated financial statements of Intuit Inc. and the effectiveness of internal control over financial reporting of Intuit Inc.
/s/ Ernst & Young LLP
San Jose, California
January 19, 2011
アーンスト・アンド・ヤング LLP
独立登録会計事務所の監査報告書
インテュイット・インク取締役会及び株主 御中
我々は、添付のインテュイット・インクの2010年及び2009年7月31日現在の連結貸借対照表、ならびに関連する2010
年7月31日に終了した3年間の各事業年度の連結損益計算書、連結株主持分計算書及び連結キャッシュ・フロー計算
書について監査を行った。我々の監査は、インデックスに項目15(a)2として記載されている附属明細表も対象とし
た。これらの財務書類及び附属明細表の作成責任は、インテュイット・インクの経営者にあり、我々の責任は、我々の
監査に基づき、これらの財務書類及び附属明細表に対する意見を表明することにある。
我々は、公開企業会計監視委員会(米国)の基準に準拠して監査を行った。この監査の基準は、財務書類に重要な虚
偽の記載がないかどうかの合理的な保証を得るために、我々が監査を計画し、実施することを求めている。監査は、財
務書類上の金額及び開示を裏付ける証拠を試査により検証することを含んでいる。また監査は、経営者により採用さ
れた会計原則と経営者により行われた重要な見積りの評価、さらに全体としての財務書類の表示の検証を含んでい
る。我々は、監査の結果、意見表明のための合理的な基礎を得たと判断している。
我々の意見では、上記の財務書類が米国において一般に公正妥当と認められる会計原則に準拠して、インテュイッ
ト・インクの2010年及び2009年7月31日現在の連結財政状態、並びに2010年7月31日に終了した3年間の各事業年度
の連結経営成績及び連結キャッシュ・フローの状況をすべての重要な点において適正に表示している。また、我々の
意見では、関連する財務書類の附属明細表は、基本的な財務書類全体との関連で検討した結果、同表に記載されてい
る情報をすべての重要な点において適正に表示している。
また我々は、公開企業会計監視委員会(米国)の基準に準拠して、インテュイット・インクの2010年7月31日現在の
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財務報告に係る内部統制を、トレッドウェイ委員会組織委員会が発行した「内部統制−統合的フレームワーク」が
定める基準に基づいて監査を行い、2010年9月16日付けの報告書において無限定適正意見を表明した。
アーンスト・アンド・ヤング LLP
カリフォルニア州サンノゼ
2010年9月16日
REPORT OF ERNST & YOUNG LLP,
INDEPENDENT REGISTERED PUBLIC ACCOUNTING FIRM
The Board of Directors and Stockholders of Intuit Inc.
We have audited the accompanying consolidated balance sheets of Intuit Inc. as of July 31, 2010 and 2009, and the related
consolidated statements of operations, stockholders’ equity and cash flows for each of the three years in the period ended
July 31, 2010. Our audits also included the financial statement schedule listed in the Index at Item 15(a) 2. These financial
statements and schedule are the responsibility of Intuit Inc.’s management. Our responsibility is to express an opinion on these
financial statements and schedule based on our audits.
We conducted our audits in accordance with the standards of the Public Company Accounting Oversight Board (United States).
Those standards require that we plan and perform the audit to obtain reasonable assurance about whether the financial
statements are free of material misstatement. An audit includes examining, on a test basis, evidence supporting the amounts
and disclosures in the financial statements. An audit also includes assessing the accounting principles used and significant
estimates made by management, as well as evaluating the overall financial statement presentation. We believe that our audits
provide a reasonable basis for our opinion.
In our opinion, the financial statements referred to above present fairly, in all material respects, the consolidated financial
position of Intuit Inc. at July 31, 2010 and 2009, and the consolidated results of its operations and its cash flows for each of the
three years in the period ended July 31, 2010, in conformity with U.S. generally accepted accounting principles. Also, in our
opinion, the related financial statement schedule, when considered in relation to the basic financial statements taken as a whole,
presents fairly in all material respects the information set forth therein.
We also have audited, in accordance with the standards of the Public Company Accounting Oversight Board (United States),
Intuit Inc.’s internal control over financial reporting as of July 31, 2010, based on criteria established in Internal Control Integrated Framework issued by the Committee of Sponsoring Organizations of the Treadway Commission and our report
dated September 16, 2010 expressed an unqualified opinion thereon.
/s/ Ernst & Young LLP
San Jose, California
September 16, 2010
アーンスト・アンド・ヤング LLP
独立登録会計事務所の監査報告書
インテュイット・インク取締役会及び株主総会 御中
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我々は、トレッドウェイ委員会組織委員会が発行した「内部統制−統合的フレームワーク」が定める基準(以下
「COSO基準」という)に基づき、インテュイット・インクの2010年7月31日現在の財務報告に係る内部統制につい
て監査を行った。インテュイット・インクの経営者は、財務報告に係る内部統制に関する経営者報告書に記載されて
いるとおり、財務報告に係る有効な内部統制の維持及び財務報告に係る内部統制の有効性の評価について責任があ
る。我々の責任は、我々の監査に基づき会社の財務報告に係る内部統制に対する意見を表明することにある。
我々は、公開企業会計監視委員会(米国)の基準に準拠して監査を行った。この監査の基準は、財務報告に係る有効
な内部統制がすべての重要な点において維持されているか否かについて合理的な保証を得るために、我々が監査を
計画し、実施することを求めている。我々の監査は、財務報告に係る内部統制についての理解、重要な欠陥が存在する
リスクの評価、評価したリスクに基づく内部統制の設計及び運用の有効性のテスト及び評価、さらに我々が状況に応
じて必要とみなしたその他手続の実施を含んでいる。我々は、監査の結果、意見表明のための合理的な基礎を得たと
判断している。
会社の財務報告に係る内部統制は、財務報告の信頼性及び外部報告目的の財務書類の作成について、合理的な保証
を提供するために、一般に公正妥当と認められる会計原則に準拠して設計されたプロセスである。会社の財務報告に
係る内部統制は、(1)会社資産の取引および処分を合理的に詳細なレベルで、正確かつ適正に反映している記録の維
持に関連し、(2)取引が、一般に公正妥当と認められる会計原則に準拠した財務書類の作成を可能にするために必要
に応じて記録され、また会社の入出金が会社の経営者及び取締役の承認に基づいてのみ行われているという合理的
な保証を提供し、(3)財務書類に重大な影響を及ぼす可能性がある会社資産の未承認の取得、使用あるいは処分の防
止もしくは適時な発見について合理的な保証を提供する、方針及び手続を含んでいる。
財務報告に係る内部統制は、その固有の制限のため、虚偽記載を防止あるいは発見できない可能性がある。また、将
来の期間にわたる有効性の評価の予測は、内部統制が状況変化によって不適切となるリスク、もしくは同方針及び手
続に対する順守レベルが低下するリスクにさらされている。
我々は、インテュイット・インクが2010年7月31日現在、財務報告に係る有効な内部統制をすべての重要な点にお
いて、COSO基準に基づき維持していたことを認める。
また、我々は公開企業会計監視委員会(米国)の基準に準拠して、インテュイット・インクの2010年度の連結財務
書類を監査し、2010年9月16日付けの報告書において無限定適正意見を表明した。
アーンスト・アンド・ヤング LLP
カリフォルニア州サンノゼ
2010年9月16日
REPORT OF ERNST & YOUNG LLP,
INDEPENDENT REGISTERED PUBLIC ACCOUNTING FIRM
The Board of Directors and Stockholders of Intuit Inc.
We have audited Intuit Inc.’s internal control over financial reporting as of July 31, 2010, based on criteria established in
Internal Control - Integrated Framework issued by the Committee of Sponsoring Organizations of the Treadway Commission
(the COSO criteria). Intuit Inc.’s management is responsible for maintaining effective internal control over financial reporting,
and for its assessment of the effectiveness of internal control over financial reporting included in the accompanying
Management’s Report on Internal Control over Financial Reporting. Our responsibility is to express an opinion on the
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company’s internal control over financial reporting based on our audit.
We conducted our audit in accordance with the standards of the Public Company Accounting Oversight Board (United States).
Those standards require that we plan and perform the audit to obtain reasonable assurance about whether effective internal
control over financial reporting was maintained in all material respects. Our audit included obtaining an understanding of
internal control over financial reporting, assessing the risk that a material weakness exists, testing and evaluating the design
and operating effectiveness of internal control based on the assessed risk, and performing such other procedures as we
considered necessary in the circumstances. We believe that our audit provides a reasonable basis for our opinion.
A company’s internal control over financial reporting is a process designed to provide reasonable assurance regarding the
reliability of financial reporting and the preparation of financial statements for external purposes in accordance with generally
accepted accounting principles. A company’s internal control over financial reporting includes those policies and procedures
that (1) pertain to the maintenance of records that, in reasonable detail, accurately and fairly reflect the transactions and
dispositions of the assets of the company; (2) provide reasonable assurance that transactions are recorded as necessary to
permit preparation of financial statements in accordance with generally accepted accounting principles, and that receipts and
expenditures of the company are being made only in accordance with authorizations of management and directors of the
company; and (3) provide reasonable assurance regarding prevention or timely detection of unauthorized acquisition, use, or
disposition of the company’s assets that could have a material effect on the financial statements.
Because of its inherent limitations, internal control over financial reporting may not prevent or detect misstatements. Also,
projections of any evaluation of effectiveness to future periods are subject to the risk that controls may become inadequate
because of changes in conditions, or that the degree of compliance with the policies and procedures may deteriorate.
In our opinion, Intuit Inc. maintained, in all material respects, effective internal control over financial reporting as of July 31,
2010, based on the COSO criteria.
We also have audited, in accordance with the standards of the Public Company Accounting Oversight Board (United States),
the fiscal 2010 consolidated financial statements of Intuit Inc. and our report dated September 16, 2010 expressed an
unqualified opinion thereon.
/s/ Ernst & Young LLP
San Jose, California
September 16, 2010
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