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IT(情報技術)の力で 人と社会の課題を解決したい ITによる
トップメッセージ|ヤフー 株式会社 代表取締役社長 宮坂学 IT(情報技術) の力で 人と社会の課題を解決したい 対談|為末大(元プロ陸上選手)× 川邊健太郎(ヤフー 株式会社 副社長) IT による「エンパワーメント」で 社会的課題をみんなで解決 トップメッセージ IT(情報技術) の力で 人と社会の課題を解決したい ヤフー 株式会社 代表取締役社長 宮坂学 ヤフーは1996年、インターネット上の「情報検索サービス」を提供することを目的に設立された。それ以来Yahoo! JAPANは100種以上 のサービスを提供し、月間総ページビュー数が約620億(※)という日本最大級のインターネットサービスに成長した。2016年にはサー ビス開始から20年を迎えるヤフーのCSR(企業の社会的責任、社会対応力)とは何か、宮坂学社長に聞いた。 (※)2015年1月~3月平均 聞き手=森 摂(「オルタナ」編集長) 撮影=山田 英博 IT(情報技術)で すべての人に「力」を ヤフーは、 「インターネットの力を使って世の中の課 題を解決する会社でありたい」 と考えています。 「縦のつながり」を インターネットで 会へと導くこともできると思います。 今年(2015年)は戦後70年という節目の年です ので、なおさらそういった思いが強くあります。 ヤフーは企業理念に「課題解決エンジン」 を掲げて おり、取り組む課題の一つに東北の復興支援があ 戦争の記録を次の世代に残していく――。いまなら ります。 まだ戦争を体験した当事者の方から直接話を聞くこ 社会的課題には、行政やNPO(非営利団体) など とができます。一次情報を残すことは、その方々が 復興支援の代表的な取り組みとして「ツール・ド・東 生きているうちにしかできないことです。今、やらなく り組めない大きな課題やビジネスに絡めていくことで 北」があります。ツール・ド・東北は、東日本大震災 てはいけないと、強く感じています。 解決できるものもあります。 で被害を受けた三陸沿岸を自転車で走る大会で、 一人でも多くの人に東北を訪れていただき、その目 IT企業の責任として、ヤフーは、本業の得意分野 ヤフーは「インターネットを活用できる人を増やす」 と で被災地の “今” を見て、感じていただきたいと考え、 を生かしながら、人や社会の課題を解決していきた いう使命を負っています。インターネットはかなり普及 2013年から開催しています。昨年は約3000人が いと考えています。課題を解決するには、時として しましたが、ビジネスにおいては、活用できている人 参加しました。 時間がかかる場合もあります。重要な課題だからこ これは東北地方の地域活性につながる取り組みで を追求してスケール化していくことが、ヤフーがCSR 例えばeコマースなど、インターネットをツールとして す。参加者が自分たちの足で三陸を走り、震災の に取り組む意義であると考えています。 活用することで日本全国に販路を広げることができ 記憶を未来に残していくことにも意味があります。 にしか取り組めないものもありますが、企業にしか取 そ、継続して活動を続けていくためにもきちんと成果 とそうでない人の格差が生まれています。 ます。また、ネットの広告技術を使えば、限られた予 算でもそのお店や商品などにより関心のある人に向 本来インターネットは、技術的にもコスト的にも一次 けて、全国に広告を出すこともできます。 情報をレコーディング(記録) していくことが得意で す。そのため、これから意識したいのが、次の世代 収益性だけを追いかけるのではなく、eコマースや広 宮坂 学 ヤフー株式会社 代表取締役社長 に向けた「縦のつながり」です。 告などの本業を通じて、インターネットを活用できる 人の裾野を広げていきたいと考えています。 インターネットは、単なるデータや情報の蓄積だけで インターネットは「Power to the People」、つまり ます。現代の情報技術をうまく利活用すれば、時代 人々に力を与える強力なツールなのです。 を超えて人と人とをつなぎ、幸せな生活や豊かな社 はなく、人の思いや行動も半永久的に刻印しておけ -2- 1967年山口県生まれ。同志社大学経済学部卒業。1997 年、創業2年目のヤフー株式会社入社。2002年メディア事 業部長、以降「スポーツナビ」運営、ニューズウォッチ(現デジ アナコミュニケーションズ)やオリコンDDなどの取締役を兼務、 2009年には執行役員コンシューマ事業統括本部長に就任。 2012年6月より現職。 対談|6月特集 IT による「エンパワーメント」で 社会的課題をみんなで 解決 為末大(元プロ陸上選手)× 川邊健太郎(ヤフー 株式会社 副社長) 「 * エンパワーメント」 ――。聞き慣れない言葉かもしれないが、人間の潜在能力を引き出すことで、個人や集団の自立を促し、平等・公正な社 会を実現するという意味だ。人口減少や高齢化など社会的課題が山積みの日本で、ヤフーというIT(情報技術)企業がどこまで課題の解決に 貢献できるのか。 元プロ陸上選手で、 障がい者スポーツにも力を入れる為末大さんと、 ヤフー株式会社副社長の川邊健太郎に語ってもらった。 聞き手=森 摂(オルタナ編集長)撮影=山田 英博 *エンパワーメント:個人や集団が自らの生活への統御感を獲得し、組織的、社会的、構造に外郭的な影響を与えるようになること、人びとに夢や希望を与え、勇気づけ、人が本 来持っているすばらしい、生きる力を湧き出させること ITの力で社会変革を促す ITを生かして、個人や組織、そして社会全体を 力を生かして、どのように社会的課題を解決して 為末:まだインターネットがないと成立しないスポーツ なれば素晴らしい。 いきたいとお考えでしょうか。 はありません。 川邊:人は日々、いろいろな意思決定をしながら、未 例えば、ITとスポーツの融合として「超人スポーツ」 進国ですから、こうした課題を解決するイノベーショ 来に向かって生きています。そこには、大小さまざま があります。これは、ITをはじめ、ロボットや映像など ンがITの力によって生まれやすいともいえます。 な課題がある。当社は、人間が生活するうえで抱え の先端技術の力で、人間の身体能力を超えた力を る課題を、インターネット上で解決できるようにしてい 発揮する新しいスポーツの構想です。 ――ヤフーは企業理念として、 「課題解決エンジ ン」を掲げています。ヤフーはインターネットの エンパワーし、日本が世界に抜きんでた存在に 為末:日本は、人口減少や高齢化といった課題先 くためのツールを提供する会社だと思っています。 川邊:インターネットが社会的課題を解決していき、 日々の暮らしにますますITが浸透していくと、情報発 パラリンピックでは、義手や義足に動力を入れること 信が一極集中型ではなく、各地から発信し合う地方 例えば、 「ヤフオク!」では不要になったものを捨てる は禁止されていますが、超人スポーツでは、身体機 分権型の社会になっていくでしょう。 ことが減り、多くのユーザーがリユースを楽しんでい 能を強化する装置を身に付け、健常者も障がい者 ます。 「Yahoo!知恵袋」でも多くの人が知識やノ も同じようにスポーツを楽しむことを目指しています。 ウハウを共有し、個人の困り事を瞬時に解決してい ます。 為末:インターネットの性質的に中央集権的にはな り得ないですからね。そうなってくると、これまでの国 例えば、歩行に関するビッグデータを解析し、障がい のあり方さえ変わっていきそうですね。 者の潜在能力を十二分に引き出す義足を開発でき もともと、コンピューターやインターネットは軍事用とし れば、マイナスをゼロにするだけでなく、プラスにさえ て国家権力のためにつくられたものでした。それが時 転換できます。 コミュニティーの能力を引き出す ――個人だけでなく、地域社会(コミュニティー) をへて、パーソナルコンピューターが生まれ、個人に 力を与えるツールになったのです。 川邊:テクノロジーは、障がい者の不自由さや差別を についても、その潜 在 能 力を引き出し、力を最 なくすにとどまらず、大スターへと変貌させる可能性 大化していくことが大 切です。コミュニティーの 当社も、 ITの力で個人を 「エンパワー」 していくこと (エ も秘めています。空を飛ぶことも、決して絵空事では エンパワーメントについては、どうお考えでしょ ンパワーメント) が重要だと考えています。為末さん ありません。 うか。 ――「超人スポーツ」とは、面白い発想ですね。 川邊:今後、日本は高齢化によって社会負担の金 が取り組んでいるように、障がい者支援にITの力を 生かすことも考えています。 -3- 額が増えて、高税率になる可能性が高いです。これ 実はスポーツの協会は不祥事が多いといわれている は、未来の世代に借金を残していくということです。 のですが、組織がそれ自体を永遠に残すことだけを 命題にしてしまうと、組織は腐ってしまいます。大切 そうなると、国や行政だけに頼るのではなく、ますます なのは、何をサステナブルにするのか。箱を残すこと コミュニティーにおける「互助」が重要になってきま と、思想を残すことでは大きく違います。 す。そこで、ヤフーでは小さなコミュニティーの互助を 手伝うITサービスやツールを提供したいと考えていま 川邊:為末さんがおっしゃったように、 その時代に合っ す。さらに、コミュニティーごとにデータを集め、そのコ た組織や、サービスをつくることが重要ですね。 ミュニティーのエンパワーメントを加速していきます。 当社では「課題解決エンジン」として、 「Yahoo!検 為末:講演などで呼ばれて地方に行くと、人がかなり 索」、 「Yahoo!ニュース」、 「Yahoo!天気・災害」、 少ない。それもおじいちゃん、おばあちゃんばかり。 など、さまざまなサービスを提供してきました。どれも、 個人をエンパワーメントすることにつながっています。 人口減少・高齢化に対して、同じような施策を打つ 今後も、この方針を貫きたいと考えています。 のではなく、地方の活性化やサステナビリティー (持 為末大 元プロ陸上選手 1978年広島県生まれ。陸上スプリント種目の世界大会で日 本人として初のメダル獲得者。男子400メートルハードルの日 本記録保持者(2015年5月現在) 。2001年エドモントン世 界選手権および2005年ヘルシンキ世界選手権において、男 子400メートルハードルで銅メダル。シドニー、アテネ、北京と3 度のオリンピックに出場。2003年、プロに転向。2012年、 25年間の現役生活から引退。現在は、一般社団法人アスリー トソサエティ (2010年 設 立) 、為 末 大 学(2012年 開 講) 、 Xiborg(サイボーグ、2014年設立) などを通じ、スポーツ、社 会、教育、研究に関する活動を幅広く行っている。 川邊健太郎 ヤフー株式会社 続可能性) を考えたとき、その時代に合った形で、か 副社長 最高執行責任者 つ、それぞれの土地柄に合った解決策を取るべきだ と思います。 1995年大学在学中に電脳隊を設立し、1999年に代表取 締役に就任。同じく1999年にPIM株式会社を設立。2000 年のヤフー株式会社、電脳隊・PIMの合併に伴い、ヤフー株 式会社に入社。 「Yahoo!モバイル」、社会貢献事業のプロ デューサーを担 当し、その 後、 「Yahoo!みんなの 政 治」や 「Yahoo!ニュース トピックス」などの責任者を歴任。2009年 5月に株式会社GYAO代表取締役社長に就任。2012年4 月、ヤフー株式会社最高執行責任者 (COO) となり、同年7月、 副社長に就任。 アスリートの現役は25歳くらいまでといわれていま す。25歳までの練習方法は、 とにかく 「量を増やす」 こと。 しかし、25歳を過ぎて、回復のペースが下がっ ているのに、これまでと変わらず練習の量を増やして しまうと、体が壊れ始めます。 そのため、25歳からは、 どの練習を削るのかを考える必要があります。 ここで重要なのが、削ってはいけないことが何かを分 かっていることです。このセンスがないと、体に負荷 がかかり壊れてしまいます。 同じように、組織や地域社会を考えた場合も、何を 削り何を残していくのか判断していくことが重要です。 -4- 企業行動憲章(皆さまへのお約束) 法律、商慣行、社会倫理などのルールを守って企業 活動を行うために企業行動憲章を制定しています。 社会への取り組み □ CSRマネジメント 開示資料、決算短信やIRリリースなどの証券取引 所規則に基づく開示資料のほか、四半期の決算説 明会資料などをウェブサイト上で公開しています。 ・情報開示についての取り組み ◇ 情報開示責任者に最高財務責任者(CFO) を任命 し、金融商品取引法および東京証券取引所の定め 私たちYahoo! JAPANおよびYahoo! JAPANグ る規則に従って正確・公平な適時開示を行っていま ループ会社で構成されるYahoo! JAPANグループ す。適時開示規則などに定められていない情報につ は、法律、商慣行、社会倫理などのルールに基づい いても、迅速かつ詳細な開示を行うことに努めていま て競争市場における企業活動をしています。 す。なお、専門の担当部署としてIR室と株式企画室 を設置しています。 ルールに違反して勝ってもそれは意義あるものではな ・企業価値の向上について く、ルールにのっとってフェアに戦ってこそ価値がある ヤフーはお客さま、 株主、 取引先、 従業員などのステー ものと考えています。 クホルダーから信頼され、社会と調和した企業活動 ヤフーは、中長期的かつ持続的な企業価値の向上 を行うことで、インターネットによる社会の課題解決を を目指しており、そのためには、将来の成長を見据え 私たちは、お客さま、株主・投資家の皆さま、取引先、 目指していきます。 たM&Aや資本業務提携、設備投資を積極的に行う 地域、従業員をはじめとした皆さまから広く信頼され、 社会と調和することにより安全で持続可能なインター ことが重要だと認識しています。同時に、利益還元 ・コーポレート・ガバナンス ネット社会の実現を目指し、フェアプレーの精神をもっ 社会から信頼される企業であり続けるためには、コー て行動し、また、企業の社会的責任を果すことによっ ポレート・ガバナンスの充実が不可欠です。ヤフーは、 て企業価値を高めたいと考えています。 の責務と捉えています。 内部統制の確立、監査機能の充実、業務プロセス の改善などを積極的に行い、コーポレート・ガバナン そのために、私たち取締役、従業員は、それぞれ期 を通じて株主の皆さまに報いることが上場会社として スの強化に取り組んでいます。 □ ネットの安心・安全 写真/アフロ 待され、求められる役割を充分に理解し、皆さまの信 頼と共感を得るために適正な企業ガバナンスを維持 し効率的な企業活動を行ってまいります。 ・内部統制の強化 会社業務に対する監査や内部統制の評価機能等 を内部監査室で一元的に運営することで、内部統 また、私たち経営トップは、お客さまの満足と信頼の 制の強化を図っています。 獲得、公正で自由な競争の確保、立法・行政との 内部監査室は、主にアシュアランス業務を担う業務 健全な関係維持、経営情報の適時適切な開示、従 監査室と、主にコンサルティング・サービス (助言提 業員の尊重、良好な労働環境の確保、地球環境保 供) を担う内部統制室によって構成されています。 全への貢献、 「良き市民」 としての社会貢献活動の 実施、反社会勢力との隔絶、地域・文化との調和、 ・コンプライアンス インターネットサービスを安心・安全に利用していただ 国際ルールの遵守、個人情報の厳重な管理、情報 法律、商慣行、社会倫理などのルールを守って企業 くために、情報セキュリティーの強化やカスタマーサ セキュリティの確保、知的財産権の尊重といったそれ 活動を行うために企業行動憲章を定め、行動の指針 ポートの改善、パトロールなどを行い、健全なネット社 ぞれの項目について、この憲章の精神を尊重するこ となるコンプライアンスプログラムを策定しています。 会の実現に向けて取り組んでいます。 とにより社会的責任を果たすことが自らの役割である その実現のため、コンプライアンス体制の充実、コン ことを認識し、この憲章の精神を尊重し、実践してい プライアンスマインドの向上に取り組んでいます。 くことを皆さまへお約束いたします。 ◇ ・情報セキュリティーへの取り組み ヤフーでは、安心して安全に利用できるサービスをお ・リスクにそなえる 客さまに提供し続けるため、全社を挙げて中長期的 リスク要因の発見と排除、リスクが顕在化した場合 な視点で以下の方針と体制の元、情報セキュリ の迅速な対応など、リスクマネジメントの充実に努め ティーに取り組んでいます。 ています。なお、リスクに関する情報については、四 半期ごとの決算発表時に開示しています。 ・サービスの安全 インターネット上では第三者による不正操作、不正 利用の危険性が存在します。ヤフーは、日本最大級 □ 株主・投資家のために のポータルサイトを運営する企業として、ID、パスワー ドを強化する機能や警告メッセージの導入など、サー ビスの安全向上に努めています。 ・健全なネット社会 ヤフーは、インターネットが、偽造品の取引や不正な 動画の閲覧などに利用されて、知的財産権や著作 権の侵害が引き起こされることを重大な課題として捉 え、対策を行っています。また、有害情報に対しては 自社での取り組みに加え、業界を主導する企業とし て対策のための団体を設立するなどの積極的な活動 株主総会招集通知や有価証券報告書などの法定 -5- を行っています。 ・ユーザーサポート ヤフーは、インターネットの特性を生かした社会貢献 データセンターが竣工(しゅんこう) しました。この大規 ヤフーは創業以来、顧客満足度を高めることを最優 活動に取り組んでいます。こうした取り組みは、イン 模データセンターでは、 「アジアン・フロンティア」の 先してきました。お客さまから寄せられた疑問点を反 ターネット募金や次代を担う青少年へのインターネッ 外気空調システムを進化させ、建物形状と空調設備 映させて随時改善するヘルプページや、メールや ト技術の教育、地域活性化支援などの分野に広がっ を徹底的に見直すことで、年間を通じて90%以上の チャットによるサポート、 「ヤフオク!」や「textream(テ ています。 外気利用を可能としています。2014年6月に2号 な取り組みに反映されています。これからも顧客対応 ・事業を通じた社会貢献 クラウドサービスの進展によりデータセンターのニー の品質向上やサポート体制の充実に取り組み、顧 クレジットカードやTポイントを使って、NPO等の団体 ズが高まるなか、このようなデータセンターを増やし、 に寄付できる「Yahoo!ネット募金」、課題解決に取 環境保全に貢献していきたいと考えています。 キストリーム)」での不正行為のチェックなど、さまざま 客満足度の一層の向上を目指しています。 棟の稼働開始を予定しています。 り組むNPOを支援する 「Links for Good」、 「ヤフオ ク!」でのチャリティーオークションなど、インターネット □ 災害・復興支援 の特性を生かした社会貢献活動を行っています。 □ 従業員とともに ・教育の推進 子どもたちや保護者、先生方に向けた訪問授業や ワークショップ、中高生向けのプログラミング教室を 通じ、インターネットの健全な活用を促進しています。 □ 環境への取り組み ヤフーは、一人でも多くの人を救うという考えのもと、 従業員がどのようなライフステージでもいきいきと働い 避難情報や緊急地震速報といった災害情報の発 ていけるよう、さまざまな制度を導入や取り組みを行っ 信、復興支援などに力を入れています。また災害が ています。また社内でのコミュニケーションが図りやす 起きても事業が継続できるよう、あらかじめ対策を講 いよう社内イントラネットや社員食堂などもあります。 じています。 ・雇用に関する基本方針 ・災害時の体制について(BCP) 従業員一人ひとりが最大限の力を発揮するために 南海トラフ巨大地震などの有事の際にも、ユーザー は、それぞれの個性を尊重し、個人の成果や成長を にとって必要な情報を提供し続けられることを目的に、 公平に評価することが大切であると考えています。自 2014年4月に自然災害の発生確率が低いとされる 「ヤフオク!」 を通じたリユース、ペーパーレス化などを 福岡県北九州市に北九州編集拠点を開設しました。 推進しています。また電力消費量を抑制できる次世 北九州編集拠点のみでも、 「Yahoo! JAPAN」 トッ 代データセンターの設置など、循環型社会の実現を プページや「Yahoo!ニュース」 などのサービスを更新 目指し、環境負荷の低減に取り組んでいます。 ・ダイバーシティ やシミュレーションを入念に行っています。 ・リサイクル活動の推進 る従業員一人ひとりの「才能と情熱を解き放つ」 こと し続けられるように、日ごろから災害などに備えた準備 分を成長させたい人、意欲的な人には年齢や性別、 国籍などにかかわらず機会を提供します。 ヤフーのダイバーシティは、人事のコアコンセプトであ 今後も、事業継続計画を随時見直し、いかなる有事 ヤフーの社内(東京ミッドタウンオフィス) ではごみを そのものです。ライフステージや属性の違いにかかわ に直面した場合でもサービスを維持し、ユーザーに適 14種類に分別し、リサイクルに役立てています。ま らず、成長意欲がある人に対して、さまざまな経験を 切な情報を発信できる体制づくりを進めていきます。 た、使用済みの文書についても、専用のリサイクル 積み、成長できる機会・場を平等に提供しています。 ボックス「保護(まもる) くん」 を活用して、機密保持と リサイクルを両立し、森林資源の保護に取り組んで ・ワークライフバランス ・東日本大震災 復興支援 います。 ヤフーでは、生き生き働くことができる職場を目指して ヤフーでは、東日本大震災発生直後からさまざまな支 2014年度は、紙リサイクルの成果として、年間 さまざまな制度を導入しています。従業員一人ひとり 援活動に取り組んでまいりました。今後も、インター 496本相当の森林伐採抑制に寄与。また、 「保護く の才能を育てるには、休暇制度の充実も必要です。 ネットを通して被災地に山積する多くの課題に取り組 ん」 を運営している株式会社日本パープルにおいて、 育児休暇やフレックス制度はもちろんのこと、ボラン んでいきます。 2014年1月1日 ~2014年12月31日 の 期 間 に ティア活動などの課題を解決する休暇制度など個性 カーボンオフセットによって、約52.2t(トン)のCO2 を伸ばす取り組みに力を注いでいます。 削減への貢献ができました。 □ 社会貢献活動 ・社内コミュニケーション 従業員同士が仕事を超えて直接コミュニケーションを ・次世代データセンターの建設 ヤフーでは、2008年に福岡県北九州市に環境対 取れる場として社員食堂「BASE6」、社内カフェ 「CAMP10」 「CAMP15」を設けています。また、 応型の次世代データセンター「アジアン・フロンティ 家族をオフィスに招待するイベント「ファミリーデー」 ア」 を建設しました。同センターでは外気を活用した の開催などを通じ、従業員同士・従業員とその家族 空調システムの採用により、最大4割弱の空調動力 の絆を深める環境作りを進めていきます。 の削減を実現。国内外からの申し込みが好調なこと から、1号棟から5号棟までが稼動しております。 また、同センターで得られたノウハウを生かし、2012 年10月には福島県白河市で環境対応型の大規模 -6- 会社概要 社名 ヤフー株式会社 通期 売上高構成 英文社名 Yahoo Japan Corporation 資本金 8,281百万円(2015 年3月末現在) 代表者 代表取締役社長 宮坂 学 本社所在地 〒107-6211 東京都港区赤坂9-7-1 ミッドタウン・タワー 主な事業内容 インターネット上の広告事業 イーコマース事業 会員サービス事業 その他事業 上場金融取引所 東京証券取引所市場第一部 (上場日 2003年10月28日) 決算 3月 末日 従業員数 5,439人(2015年3月31日現在) 平均年齢 35.0歳(2015年3月31日現在) 役員紹介 代表取締役社長 宮坂 学 社長執行役員 最高経営責任者 取締役会長 ニケシュ・アローラ 取締役 孫 正義 取締役 宮内 謙 社外取締役 ケネス・ゴールドマン 社外取締役 ロナルド・ベル 社外取締役(独立役員) 吉井伸吾 監査等委員 社外取締役(独立役員) 鬼塚ひろみ 監査等委員 取締役 藤原和彦 監査等委員 2015年6月19日現在 -7-