第 14 講 準動詞と述語動詞

第４章
動名詞
第 14 講 準動詞と述語動詞
動詞の２つの用い方
英語の動詞の用い方には２つある。１つは述語動詞として用いるものであり，もう１つは
準動詞として用いるものである。
（例文１） I flied to New York.
（私は飛行機でニューヨークへ行った。）
例文１では fly は述語動詞として用いられている。
文で S の後に置かれ S V …の形になる。
V の後には O, C, 副詞的修飾語などを続ける。
（例文２） He left early for the airport to fly to New York.
（彼は飛行機でニューヨークへ行くために，朝早く空港へ出かけた。
）
例文２では，fly は不定詞として用いられている。準動詞は，文の中で名詞と同じように
主語や目的語などの働きをしたり，形容詞のように名詞を修飾したり補語の働きをする。あ
るいは，副詞としての働きをする。
準動詞の動詞としての働き
準動詞は，もともと動詞であるから動詞としての働きを持っている。動詞 sing「歌う」
は sing the song merrily「楽しげにその歌を歌う」のように目的語 the song や副詞 merrily
を伴う。不定詞(to sing the song merrily)や, 動名詞，分詞(singing the song merrily)にな
っても同じである。また She sings …のように動詞は主語を持つが，準動詞になっても「意
味上の主語」がある。
準動詞の種類
準動詞には動名詞，不定詞，分詞がある。
動名詞は「…すること」という意味を表す。walk「歩く」は動名詞 walking では「歩く
こと」という意味になり，名詞として働く。
不定詞は，名詞，形容詞，副詞として働く。
分詞には現在分詞と過去分詞がある。形容詞や副詞の働きをする。
79
第 14 講
準動詞と述語動詞
準動詞の働き
(a)
名詞の働きをする（動名詞，不定詞）
（例３） Listening to music is fun.
（音楽を聞くことは楽しい。）
（例４） I like to listen to music.
（私は音楽を聞くことが好きだ）
例文３では，動名詞 listening to music は主語になっている。例文４では，不定詞 to listen
to music は目的語になっている。動名詞と不定詞は主語，目的語，補語として名詞の働きを
する。ただし，前置詞の目的語になるのは動名詞である。
(b)
形容詞の働きをする（不定詞，分詞）
（例文５） Give me something cold to drink.
（何か冷たい飲み物をください。）
（例文６）She put a blanket over her sleeping child.
（彼女は眠っている子に毛布をかけてやった。）
例文５では，to drink は something を修飾している。例文６では sleeping は child を修
飾している。不定詞も分詞も形容詞の働きをして名詞を修飾する。
(c)
副詞の働きをする（不定詞，分詞）
（例文７） He stood up on the chair to change the light bulbs.
（彼は電球を替えるために椅子の上に立った。）
（例文８） Looking out of the window, I saw a stranger at the door.
（窓から外を見ると，ドアの所に見知らぬ人が見えた。
）
例文７では，不定詞 to change the light bulbs は副詞の働きをしていて stood up on the
chair を修飾している。例文８は分詞構文で I was a stranger at the door を修飾している。
80
第４章
動名詞
次の各文の下線部が動名詞なら①，現在分詞なら②を記せ。
(1) Walking ten miles a day is a heavy work.
(2) Walking ten miles a day, he finally arrived here.
(3) He is singing a song.
(4) His job is singing a song.
次の各文の下線部が，主語なら①，目的語なら②，補語なら③，形容詞的修飾語句なら④，
副詞的修飾語句なら⑤を記せ。
(1) I cannot put up with a barking dog.
(2) Tom, hurrying as usual, slipped and fell.
(3) Kumi’s dream is to be a pop singer.
(4) Playing soccer is fun for me.
(5) Playing soccer in the park, Ken hurt his knees.
81
第 14 講
準動詞と述語動詞
次の(1)～(8)の英文の下線部が，主語なら①，目的語なら②，補語なら③，形容詞的修飾
語句なら④，副詞的修飾語句なら⑤を記せ。
(1) In some countries, you still can come across people carrying things on their heads.
(2) One of the most important tasks in the world is to achieve peace between the nations.
(3) When she entered the room, she started taking her clothes off.
(4) I felt driven by an impulse to dive into water.
(5) Discussing things in English is quite difficult for Japanese students.
(6) Kenji was driving along the country road, singing and whistling.
(7) To say that men are superior to women in every field is too simplistic.
(8) In many countries, to gesture that something is ‘okay’ it is common to join the thumb and
forefinger together to make a circle.
82
第４章
動名詞
次の(1)～(7)の英文の下線部①～④のうち，不適切なものを１つずつ選び，その番号を記
せ。
(1)
James kept his daughter ① from ② become the ③ kind of girl who thinks only ④ about herself.
(2)
The ① last guests ② reach the hotel checked ③ in ④ at 11 o’clock.
(3) Ken was surprised ① learning ② that Kumi ③ had passed the ④ entrance examination.
(4)
83
Finish ① clean your ② shoes and ③ come ④ to eat your breakfast.
第 14 講
準動詞と述語動詞
84