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今年2回目となる北アルプス「涸沢」での 実証実験レポート
Earth Friendly Circulation 今年2回目となる北アルプス「涸沢」での 実証実験レポート 備蓄期限切れ間近となった企業備蓄の災害用薬剤トイレ「ほっ!トイレ」を山小屋で再利用するリサイクル有効性の実証実験 2014.9.20(sat)~2014.9.22(mon) Earth Friendly Circulation Earth Friendly Circulation summary 1.北アルプス「涸沢」_ほっ!トイレ実証実験レポート概要・・・・・・・・・・・・・・・・・P2 2.北アルプス「涸沢」_ほっ!トイレ実証実験レポート集計結果・・・・・・・・・・・・・P8 3. その他2014年の「災害用トイレ再利用プロジェクト」の取り組み・・・・・・・・・P17 Earth Friendly Circulation ‐1‐ Earth Friendly Circulation 1.第2回北アルプス「涸沢」_ほっ!トイレ実証実験レポート概要 一般社団法人アース・フレンドリー・サーキュレーションでは、環境修復技術を応用したトイレ処理剤「ほっ!トイレ」を扱うエクセルシア社と共同で、備蓄期限(5年) 切れとなった企業備蓄の災害用薬剤トイレ「ほっ!トイレ」を山小屋で再利用するプロジェクトを昨年から始めております。 今回は昨年に引き続き2回目となる北アルプス「涸沢ヒュッテ」(山口孝社長)での実証実験をレポート致します。期間は、紅葉シーズン始まりの9月のシルバー ウィーク平成26年9月20日(土)から22日(月)にかけて行いました。 また、併せて槍沢キャンプ地、及び槍ヶ岳山荘内トイレ視察(7月)と穂高岳山荘内トイレ視察(9月)も行い、山岳地帯のトイレの実態を調査いたしました。 同社では、今年7月と9月に富士山山頂付近の山小屋トイレが使用できなくなる期間に配慮した携帯トイレ無料配布を山梨県と協定を組み進めております。実証実 験2年目となる今年は、山岳地帯におけるトイレの切実な実態の把握を更に具体的にしていくとともに山岳トイレの理想やあり方を検証、追求してまいります。 |実施場所と日程について 1.実施場所 : 涸沢ヒュッテ (長野県松本市安曇の山中の穂高岳(奥穂高岳等)の東側にある氷河圏谷、涸沢<標高2,309メートル>にある山小屋) 昨年の常設トイレ付近での設置と異なり、今年は小屋から離れたキャンプサイト(テント場)の中央付近で行いました。 2.日 程 : 第一回目:平成26年9月20日(土)16:00~18:00 < 2時間 >【夕方】 天気 晴れ 気温 5~6度前後 第二回目:平成26年9月21日(日)04:30~05:30 < 1時間 >【早朝】 天気 快晴 気温 3~4度前後 第三回目:平成26年9月21日(日)16:00~18:00 < 2時間 >【早朝】 天気 快晴 気温 6~7度前後 第四回目:平成26年9月22日(月)04:30~05:30 < 1時間 >【早朝】 天気 晴れ 気温 3~4度前後 ※当日の人出:キャンプサイトは100張り前後と混雑は無く、小屋の常設トイレにも行列はできませんでした。 |社会実験内容について 1.内 容 : 企業が備蓄用に使用する災害用薬剤トイレ「ほっ!トイレ」は、備蓄期限を過ぎると新しい物と差し替えられる為、廃棄物として捨てられる のが一般的です。今回の実験では、「ほっ!トイレ」の薬剤『ほっ!トイレタブレット』 を涸沢ヒュッテの常設トイレから離れたキャンプサイトに おいて、簡易テントの中で登山客に使用してもらい、利用者が求める山岳トイレのあり方や、登山者の環境配慮の意識変化はあるか? についてアンケートを使い検証し、山小屋側にとっても有益となる今後のトイレのあり方情報をまとめました。 2.展 開 : 本結果を得て、社会貢献への確証を高め、更には企業のCSR活動の取り組みの一部に取り入れて頂けるような「社会貢献パッケージ」と しての確立を想定しております。誰でも気軽にトイレ処理剤を通じた環境配慮・社会貢献できる仕組み作りをして参ります。 Earth Friendly Circulation ‐2‐ Earth Friendly Circulation |涸沢ヒュッテ周辺の環境と実験場所について ■場所について ■地形・気候について 北アルプス南部、上高地から歩行でしか 行くことのできない山岳地になります。 左の図は、当日の奥穂高岳山頂付近の天気予報に なります。涸沢はそこから標高800m程下ったところに 位置する為、表示の気温から+4~5℃程、高い気温で あったと思われます。風速も半分程であったと予想し ますが、それでも強い風の吹く中、氷点下近くまで気 温が下がる初冬の山岳状況下での実験となりました。 行き 上高地~ 歩行:6~7時間 標高 2,309m 涸沢 涸沢 本谷橋 実証実験場所 横尾 上高地 明神 徳沢 トイレ設置場所 涸沢キャンプサイトのメインストリート脇の目立つ 場所と、奥まった藪の中と2箇所を交互に実験い たしました。 当初、メインストリート沿いの目立つ位置での使用 には女性は特に抵抗があると想像しておりました が、結果はむしろ積極的にご利用いただけるなど の傾向が見られました。 Earth Friendly Circulation ‐3‐ Earth Friendly Circulation |実験装備・仕様について 1.実験装備 : 薬剤トイレ:ほっ!トイレ(タブレットタイプ) 30回分(うち26回分を使用) し尿入れ用袋(黒ビニール袋) 簡易トイレ1棟(ユニテントスーパー簡易用 高さ1,990mmあり、大人が中で楽々立てます。) 便座(ユニトイレミニ 折り畳み式簡易便座) 垂幕(実験の告知用) / 備品(ライト、ゴミ箱、トイレ用ティッシュ、ウェットティッシュ、アルコール消毒剤) アンケート、筆記用具、商品チラシ 2.実験仕様 : 涸沢ヒュッテからキャンプサイトまでのメインストリート沿い(テント泊受付建て屋隣か茂みの中)にトイレテントの設置をし、行き交う人に 対し、本トイレの利用を案内しました。希望者は、実際にトイレをご利用頂いた後、アンケートにご協力頂きました。 新しい備蓄用商品を納品 当組織 EFC 一般社団法人 実験に参加 ① ② ③ 回収した商品を、 山小屋に無料で提供 ④ 企業 Excelsior ほっ!トイレ 製造メーカー 古い備蓄商品を回収 CSRコンテンツとし て、企業のHPに 掲載して頂く 手順 し尿は、山麓まで 搬送後、焼却処理 ①便座にビニールをセット ↓ ②予め薬剤を入れる ↓ ③排泄 ↓ ④しばって捨てる ※水が無くても大丈夫 ※薬剤で凝固し臭わない 閲覧する アン ケート 提出 レポート作成、CSRの WEBコンテンツ作成 ↑ 今後の展開 Earth Friendly Circulation ‐4‐ Earth Friendly Circulation |アンケート内容について① Earth Friendly Circulation ‐5‐ Earth Friendly Circulation |アンケート内容について② 今年新しい設問 Earth Friendly Circulation ‐6‐ Earth Friendly Circulation |実験に使用した商品の特長について 以上のような、商品特 性上、山小屋などでも 最小限の設備投資 で、導入する事が可能 となる商品です。 常設トイレとの併用も 効果的です。 Earth Friendly Circulation ‐7‐ Earth Friendly Circulation 2.北アルプス「涸沢」_ほっ!トイレ実証実験レポート集計結果 今回実験を行ったのは、登山客で混雑するキャンプサイト(テント場)になります。トイレは少し離れた小屋まで歩いて行かねばならずキャンプサイトに居ながらにし てトイレを利用できる利便性の確認が狙いです。特に到着後の夕方と出発前の早朝は、気温も3度前後と低く、テントから近くにあるトイレは便利と好評でした。 今回、「ほっ!トイレ」26回分のテストを行いました。小屋のトイレも待ち時間が無いにも関わらず、敢えてキャンプサイトにある我々のトイレをご利用いただけたという 感想です。特に今年は若い女性の利用が多く、化粧治しや立ったまま着替えが気楽にできるなど、臭いのキツいトイレでは二の足を踏んでしまった作業も行えたと のことで好評頂きました。使って頂いた感想は昨年と同じくほぼ全ての方が「簡単」で「臭わない」との評価でした。非常に好評な結果に終わったと言えます。 昨年との違いは、サンプル数が少ない反面、一人一人の方にじっくりとアンケートを回答いただき、落ち着いてご意見を頂戴することができました。 下記は、回収したアンケートの単純集計結果とクロス集計結果となります。(有効回答数=26件) 昨年の 結果と⽐較 昨年は、⼤混雑の紅葉シーズンに涸沢ヒュッテの常設トイレ裏スペースで⾏列をつくる登⼭客にあわただしく実験しました。(N=50) 今年は、⽐較的空いている3連休にキャンプサイトにて通⾏すると座算客に声を掛けて実験しました。(N=26) |Q1:あなたの性別をお知らせください。 ID 項目 件数 1 男性 2 女性 18 8 26 合計 昨年の 結果と⽐較 構成比率 69.2% 30.8% 100.0% 女性, 8, 30.8% N=26 (100%) 昨年は、男性:⼥性=82.0%:18.0%でした。今年は若い⼥性の利⽤率が⾼まりました。 男性, 18, 69.2% ■性別×年代 性別/年代 10歳未満 男性 0 女性 0 合計 0 10代 20代 0 0 0 30代 2 3 5 40代 3 3 6 50代 6 1 7 60代 4 1 5 70代 3 0 3 80代 0 0 0 90代 0 0 0 合計 0 0 0 18 8 26 今回の実験は、40代男性のほか、20~30代の女性を中心に協力をして頂きました。トイレはキャンプサイトのストリート沿いと茂みの中の両方実験し ましたが、ストリート沿いでも抵抗は無かったという印象です。ドアがあり個室構造の施設であれば、更に通常トイレと同等に評価を頂けたのではない かと思います。また通常の用を足す以外、化粧直しや着替えというニーズがあったことを考えると臭いの面でも居心地が良かったと判断できます。 Earth Friendly Circulation ‐8‐ Earth Friendly Circulation |Q2.あなたの年代をお知らせください。 ID 項目 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 件数 10歳未満 10代 20代 30代 40代 50代 60代 70代 80代 90代 合計 0 0 5 6 7 5 3 0 0 0 26 構成比率 0.0% 0.0% 19.2% 23.1% 26.9% 19.2% 11.5% 0.0% 0.0% 0.0% 100.0% 0 2 12 4 7 0 0 1 0 26 構成比率 0.0% 7.7% 46.2% 15.4% 26.9% 0.0% 0.0% 3.8% 0.0% 100.0% 60代, 3, 11.5% 50代, 5, 19.2% 20代, 5, 19.2% N=26 (100%) 昨年の データ 30代, 6, 23.1% 60代, 13, 26.0% N=50 (100%) 40代, 7, 26.9% 50代, 8, 16.0% 20代, 2, 4.0% 30代, 11, 22.0% 40代, 16, 32.0% | Q3.あなたの出身をお知らせください。 ID 項目 1 2 3 4 5 6 7 8 9 北海道 東北 関東 中部 関西 中国 四国 九州 未回答 合計 件数 九州, 1, 3.8% 四国, 0, 0.0% 中国, 0, 0.0% 関西, 7, 26.9% 中部, 4, 15.4% 関東が半数近くを占めましたが、ほぼ、全国から涸沢を目指す登山客で賑わった状況です。 Earth Friendly Circulation ‐9‐ 未回答, 0, 東北, 2, 7.7% 0.0% 北海道, 0, 0.0% N=26 (100%) 関東, 12, 46.2% 昨年の データ 九州, 2, 未回答, 4.0% 四国, 1, 1, 2.0% 北海道, 中国, 3, 2.0% 1, 2.0% 6.0% 東北, 1, 関西, 6, N=50 2.0% 12.0% (100%) 関東, 24, 中部, 48.0% 11, 22.0% Earth Friendly Circulation | Q4.今回ご使用になられた携帯用薬剤トイレ「ほっ!トイレ」は使いやすかったですか? ID 1 2 3 4 5 項目 たいへん使いやすかった 使いやすかった 使いにくかった たいへん使いにくかった 未回答 合計 昨年の 結果と⽐較 件数 19 7 0 0 0 26 昨年は、⼤変使いやすかった:52.0% 今年は、⼤変使いやすかった:73.1% 構成比率 73.1% 26.9% 0.0% 0.0% 0.0% 100.0% 使いやす かった, 7, 26.9% 使いやすかった:42.0% 使いやすかった:26.9% 1 2 3 4 5 項目 たいへん使いやすかった 使いやすかった 使いにくかった たいへん使いにくかった 未回答 合計 男性 女性 11 7 0 0 0 18 8 0 0 0 0 8 合計件数 19 7 0 0 0 26 N=26 (100%) たいへん使 いやすかっ た, 19, 73.1% 合計:94.0%に好評でした。 合計:100.0%に好評でした。 ■男女別×今回ご使用になられた携帯用薬剤トイレ「ほっ!トイレ」は使いやすかったですか? ID 未回答, 0, 0.0% 使いにくかっ た, 0, 0.0% 0% たいへん使いやすかった 使いやすかった 20% 40% 60% 57.9% 80% 100% 42.1% 100.0% 使いにくかった0.0% 回答なし たいへん使いにくかった0.0% 回答なし 未回答0.0% 回答なし 0.0% 特筆すべき点としては、女性全員が「大変使いやすかった」の回答であった点です。男性についても全員が「大変使いやすかった」もしくは「使いやす かった」の回答でした。今回、女性の75%が20~30代の若い世代だったことからも、若い女性を中心にキャンプサイト沿いのトイレテントを受け入れて くれたという結果になります。感想として、意外にもトイレ以外の利用である「着替え」「化粧直し」にも便利などが理由としてあげられました。 比較的空いている3連休にご利用頂きましたので、ゆっくり落ち着いて利用していただき、じっくり感想を聞けた結果になります。 Earth Friendly Circulation ‐10‐ 男性 女性 Earth Friendly Circulation | Q5.今回の「ほっ!トイレ」を使用して臭気は気になりましたか? ID 項目 件数 1 気になった 2 気にならなかった 3 未回答 合計 2 24 0 26 今年新しい設問 未回答, 0, 0.0% 構成比率 7.7% 92.3% 0.0% 100.0% 気になった, 2, 7.7% N=26 (100%) 気にならな かった, 24, 92.3% ■男女別×今回の「ほっ!トイレ」を使用して臭気は気になりましたか? ID 項目 男性 1 気になった 2 気にならなかった 合計 女性 2 16 18 件数 0 8 8 0% 2 24 26 気になった 気にならなかった 20% 40% 60% 100.0% 66.7% 80% 100% 0.0% 33.3% 特筆すべき点としては、女性全員が「気にならなかった」の回答であった点です。Q4の回答で女性全員が「大変使いやすかった」と回答し、臭いについ て「気にならなかった」ということが傾向としてあると思います。 ■以下は、昨年の調査で「携帯トイレ」について「ほっ!トイレ」を使用する前に持っているイメージについて調査した結果になります。 ID 項目 1 荷物がかさ張る 2 臭い 3 面倒くさい 4 密閉性への疑問 5 汚い 6 その他 7 恥ずかしい 合計 男性 16 14 8 8 6 5 4 61 女性 3 1 1 1 0 1 1 8 Earth Friendly Circulation 件数 19 15 9 9 6 6 5 69 左の昨年の集計より「ほっ!トイレ」を使用する前では「臭い」について気になるイメージを持って いる方が69件中15件と全体の14.5%いることが分かります。 今年の実験では、「ほっ!トイレ」使用後に臭気について気になるかどうかを聞いたものですが、 全体の92.3%が「気にならなかった」と回答しております。使ってみて、意外と臭わないとの感想 を持った方も多いと思われます。 ‐11‐ 男性 女性 Earth Friendly Circulation | Q6.山岳地におけるトイレでのし尿処理方法で、知っているものを選択してください。(複数選択可) ID 項目 1 バイオによる土壌処理方式 2 携帯トイレ 3 ヘリや人力による搬出方式 4 周辺への浸透方式 5 放流式 6 埋め立て式 7 知らない 8 その他 合計 昨年の 結果と⽐較 件数 20 4 21 2 3 11 3 2 66 構成比率 30.3% 6.1% 31.8% 3.0% 4.5% 16.7% 4.5% 3.0% 100.0% 0 5 10 15 20 25 30 1 2 3 4 5 6 7 8 昨年は、⼀番多かった回答が「バイオによる⼟壌処理⽅式」で全体の31.2%を占めました。また「埋め⽴て式」と回答した⽅は3.2%でした。 今年は、「ヘリや⼈⼒による搬出⽅式」が31.8%ともっとも⾼く、昨年3位(20.0%)から1位になりました。また、「埋め⽴て式」も16.7%と 昨年の6位から⼀揆に3位に浮上しております。 Earth Friendly Circulation ‐12‐ 35 40 Earth Friendly Circulation | Q7‐1.山岳地において、トイレのし尿処理には、高額な費用がかかりますが、入山もしくはトイレ1回使用に対し、いくらまで支払っても 良いと考えますか?(入山) ID 項目 1 0円(支払いたくない) 2 ~100円 3 ~500円 4 ~1,000円 5 ~2,000円 6 ~3,000円 7 ~5,000円 8 ~10,000円 9 10,000円以上 10 未回答 合計 件数 0 4 9 9 1 0 0 0 0 3 26 構成比率 0.0% 15.4% 34.6% 34.6% 3.8% 0.0% 0.0% 0.0% 0.0% 11.5% 100.0% ~5,000円, ~3,000円, 0, 0.0% 0, 0.0% ~2,000円, 1, 3.8% 未回答, 3, 11.5% N=26 (100%) ~1,000円, 9, 34.6% 0円(支払い たくない), 0, 0.0% ~100円, 4, 15.4% ~500円, 9, 34.6% | Q7‐2.山岳地において、トイレのし尿処理には、高額な費用がかかりますが、入山もしくはトイレ1回使用に対し、いくらまで支払っても 良いと考えますか?(トイレ1回) ID 項目 1 0円(支払いたくない) 2 ~10円 3 ~50円 4 ~100円 5 ~200円 6 ~500円 7 ~1,000円 8 1,000円以上 9 未回答 合計 昨年の 結果と⽐較 件数 1 0 1 18 3 0 0 0 3 26 構成比率 3.8% 0.0% 3.8% 69.2% 11.5% 0.0% 0.0% 0.0% 11.5% 100.0% ~50円, 1, 3.8% 未回答, 3, 11.5% ~500円, 0, 0.0% ~200円, 3, 11.5% N=26 (100%) ~100円, 18, 69.2% 昨年は、⼊⼭料に対する概念が、100〜1000円の間で88.0%でした。 今年は、100円との回答も15.4%ありますが、500〜2000円の間での回答が73.1%と若⼲⾦額感覚がアップしたように⾒えます。 Earth Friendly Circulation ‐13‐ Earth Friendly Circulation | 実験結果より -まとめ①- 今年2回目となった涸沢での実験ですが、キャンプサイトで比較的空いている状況でも3日間で合計26名の方にご利用頂き、好評であったと思いま す。行列ができなかった半面ゆっくりと利用いただけましたので、利用者の感想もしっかり聞けました。また昨年同様リピーターも散見されました。 今回、キャンプサイトのメインストリート沿いということもあり目立ちはしましたが、目立つトイレでは女性は利用していただけないのでは?という憶測が ありました。しかし結果は見事に良い方向に裏切られ、昨年よりも女性の利用比率が倍近くアップしました。年齢層も若い女性を中心に利用いただ け、「着替え」などのニーズにも対応できていたことが分かりました。 アンケート結果から伺える内容は次の通りです。 *若い女性の利用が3割を超えました。実験に参加頂いた層の中心は、若い女性と中年男性になります。 *今回は全員が、「ほっ!トイレ」の利用について「使いやすかった」と回答しております。 *ご利用になった方の感想は、昨年に引き続き、ほぼ全員が「簡単だった」とのことでした。 *今回よりストレートに臭気について気になるかどうかについて聞いたところ9割以上(女性は100%)「気にならない」と回答しました。 *山でのトイレ利用には、1回利用ごとに100円程度の金額の支払いに協力頂ける登山客が7割近くと昨年同様に高い意識が伺えました。 また、昨年より「入山料」に対する意識も高まり回答の金額帯が若干高い方に変化しております。 今回の結果より、トイレがあったらいいなと思われるエリアにトイレが立つと予想通り便利に使っていただけたということが分かりました。 いままで、ニーズはあっても、し尿の回収問題やインフラ面で大掛かりな設置ができない、また国立公園内で建造物が制限されているなどトイレを建 てられない理由は色々ありました。 今回の実験で用いた「ほっ!トイレ」は元々災害用のトイレであり水を必要としない為、こういった僻地での利用に強みを持った商品になります。 加えて以上の実験結果データを踏まえても、山小屋での新たな利用形態としても期待される要素を多分に含んでいると言えます。 今回の実験より、「臭わない」ほっ!トイレを「持ち帰る必要の無い」設置型のトイレとしてトイレの無いキャンプサイトで利用できれば、今後の山小屋に おける利用価値が更に高まっていくと思います。 Earth Friendly Circulation ‐14‐ Earth Friendly Circulation | 実験結果より -まとめ②- 今回の実験の大きな意義は企業のCSR活動で環境保全に貢献する!です。そもそも利用する薬剤は、企業の災害対策における備蓄期限切れで廃棄 されるものを期限が切れる少し前(おおむね半年から1年の備蓄期限を残して)のものを無料で再利用します。 昨年常設トイレに併設したトイレは「混雑時のピークカットができた」と非常に喜びの声を頂きました。そして今年は、キャンプサイトのトイレは場所的な 便利さから多くの方に利用いただけました。それは正に登山客に還元される喜びでもあったと思います。また、松本市からも実験後のし尿回収につい て今年も賛同頂きました。 私たちが考える災害用トイレの再利用プロジェクトは確実に価値ある形になってきていると思います。 ■備蓄期限間近となった災害⽤薬剤トイレを活⽤した社会貢献モデル 山小屋でのトイレ問題は、し尿処理コストの負担増などから解決困難な問題の一つとなっております。エクセルシアは、一般社団法人Earth Friendly Circulationと共同で、企業が災害対策として備蓄する薬剤トイレのうち、備蓄期限間近(おおむね半年から1年)のものを再利用し、山 小屋などで無料で使っていただく社会貢献モデルを考案しました。 企業側も、このモデルに参加することで、自社でいずれ処分する予定の薬剤トイレを自然保全に役立つ形で再利用してもらえる為、CSR活動の 一環にできるなど、企業、山小屋双方にとって非常にメリットのある社会貢献モデルに成長すると私たちは信じております。 Earth Friendly Circulation ‐15‐ Earth Friendly Circulation |涸沢ヒュッテでの前回のトイレ実験と今回のトイレ実験との比較写真集 ■2014年今年の実験は、シルバーウィーク9月20日(土)~22日(月)に行いました。キャンプサイトでの実験に登山客は興味津々。特に若い女性にもご利用 いただけました。感想は、「臭いは気にならなかった」と大変嬉しい内容です。また、奥穂高岳登山にもチャレンジ。縦走者の気持ちになって携帯トイレを考えました。 昨年は? ■2013年の実験は、紅葉シーズン真っ盛り10月12日(土)~13日(日)に行いました。サンプルが無くなるほど盛況で、混雑のピークカットに一役買いました。 横尾 Earth Friendly Circulation 涸沢ヒュッテ 涸沢ヒュッテ ‐16‐ 涸沢ヒュッテ Earth Friendly Circulation 3. その他2014年の「災害用トイレ再利用プロジェクト」の取り組み |2014年の「災害用トイレ再利用プロジェクト」の取り組み① ■富⼠⼭ エクセルシアは、山梨県と協定を組み、2014年富士登山シーズン中、山頂のトイレが利用できない一部期間について、 登山客に自社の携帯トイレ「ほっ!トイレ」を無償で配布し、使用済みの回収に協力しました。 例年、山頂のトイレが利用できない期間は、登山道沿いにあるトイレに長蛇の列ができたり、登山道が汚されてしまった りするなどの深刻な問題を抱えております。富士山世界遺産登録2年目となる2014年、エクセルシアでは富士山山頂の 景観や環境を守る為にも携帯トイレ「ほっ!トイレ」の無償配布を通じ、登山客自身が携帯トイレを準備し、富士山の美 観維持に努めていくことを啓蒙していきたいと考えております。 場所:富士山五合目(富士スバルライン)登山道入り口付近※入山受付の隣りスペースにて配布 期間:第1回目:2014年7月1日~15日(開山) / 第2回目:2014年9月14日(閉山) ※15,000個を無償提供 腰にぶら下げ ております! 山梨県知事 との協定式 と県からの 感謝状 ・配布したトイレの使用済みがポイ捨てされている現場は、ありませんでした。 ・山頂だけでなく、下山道では7合目までトイレが無い現状でした。 ・本トイレの使用者の感想は「臭わないので持ち運びも気にならなかった」が多かったです。 Earth Friendly Circulation ‐17‐ Earth Friendly Circulation |2014年の「災害用トイレ再利用プロジェクト」の取り組み② ■槍ヶ岳 エクセルシアは、槍ヶ岳山荘オーナーの穂苅社長と共に槍ヶ岳のキャンプサイト「ババ平キャンプ場」と槍ヶ岳山荘の室内トイレを視察しました。キャン プサイトのトイレについては、現状一つしかなく、また積雪期には雪崩の被害に遭う可能性があるため、簡易的なものとなっております。今後キャンプ サイトの拡張などに伴い折りたたみ可能な据え置き型トイレとして「ほっ!トイレ」の利用価値を探りたいと思います。 また、山荘内トイレについては、山岳地帯におけるバイオ式トイレの弱点を見た気がします。バイオの働きが悪くなる気温の低下やヒーターの電力不 足、手作業となる杉チップの処理方法などにおける弱点をカバーできる薬剤トイレの可能性を含め視察して参りました。 場所:槍ヶ岳 槍沢沿いの「ババ平槍沢キャンプ場」のトイレ。槍ヶ岳山荘内トイレ。 期間:2014年8月22日~24日 ・ババ平キャンプ場のトイレでのし尿の運び出しには登山道をボッカする必要があります。 できるだけ簡単に設置、し尿回収可能な方法が問われます。 ・槍ヶ岳山荘は標高3,000mのところにあります。気温に左右されずし尿処理が重労働に ならない方法を携帯トイレ「ほっ!トイレ」で探ります。 Earth Friendly Circulation ‐18‐ Earth Friendly Circulation |2014年の「災害用トイレ再利用プロジェクト」の取り組み③ ■穂⾼岳 エクセルシアは、穂高岳山荘の今田取締役と共に穂高岳山荘内トイレの視察と穂高岳山荘での「携帯トイレ」の利用価値について共に探りました。 穂高だけ山荘は位置的にも縦走の中継地点となり、縦走者は次の小屋までトイレを利用できません。そのような中、「携帯トイレ」を配布することで 登山客にメリットを感じていただこうというプランについて考えました。今回の視察の前にお会いしました今田社長には実際に「ほっ!トイレ」をご利 用いただけ、その「臭わない」という特徴に完全に今までの携帯トイレとは一線を画すものであるとの評価を頂きました。 穂高岳山荘では、「遭難者基金」となる募金箱を設置しており、例えば募金頂いた方に御渡しするトイレとしてなど利用法を一緒に探っております。 場所:穂高岳山荘内トイレ 期間:2014年9月20日~22日 ・実際に「ほっ!トイレ」をお試しいただき、臭わないと好評いただきました。 ・仕入れが無料になるのであれば、縦走者への配布用トイレとして利用できるのでは? ・穂高岳山荘も3,000m級の高所にあるトイレです。室内のトイレは臭わず清潔でした。 Earth Friendly Circulation ‐19‐ Earth Friendly Circulation 最後までご覧頂きまして、誠にありがとうございました。 Earth Friendly Circulation