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【技術分類】5−1−2 顔/照合・判定技術/特徴量型

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【技術分類】5−1−2 顔/照合・判定技術/特徴量型
【技術分類】5−1−2
【
FI
顔/照合・判定技術/特徴量型
】G06T7/00 510@B
【技術名称】5−1−2−1
固有顔法
【技術内容】
顎や鼻など顔の器官の長さや角度などの幾何学的な特徴を抽出する幾何学的特徴マッチング法に対
して、パターンマッチング法は、顔を各画素の濃淡値の2次元配列として表現される画像パターンと
してとらえ、2次元配列を特徴ベクトルと見なしてそのマッチングによって照合を行う。しかしこの
方式では特徴ベクトルの次元数が膨大なものとなってしまい(例えば 128×128 の画像は 16,384 次元
のベクトルとなる)
、また、パターンの濃淡値の変動が特徴に直ちに反映されることになるので、効率
的で安定的な識別を行うことは困難である。
そこで、特徴ベクトルの次元数を圧縮しながら、異なる顔の違いを十分に表現できる方法として固
有顔方が開発され、パターンマッチングによる手法の主流となっている。
固有顔方では目の位置を基準としてあらかじめ位置・大きさを正規化した多数の顔画像に対して主
成分分析によって 100 程度の固有ベクトル(固有顔)を求める。
入力画像に対する認識では、まず、入力画像の各画素の値から、最初の顔集合ベクトルより得られ
た平均ベクトルの値を引いたものとそれぞれの固有ベクトルとの積和値を求める。これによって 100
の固有ベクトルがある場合、入力画像は 100 個の重みの組で表現することができ、
この重みの組とデー
タベース中の顔の重みの組と類似度を評価することにより認識を行う。
固有顔を用いて顔パターンを表現するというアプローチは、ほぼ一様な証明条件の下でかなり正確
に位置合わせをした正面顔に対する照合手法としては、その有効性がおおむね確認されたものといわ
れている。
【図】
図
固有顔法の処理フロー
出典:本標準技術集のために作成
― 206 ―
【参考資料】
・
「コンピュータによる顔の認識
−サーベイ−」、
「電子情報通信学会論文誌
D-Ⅱ
J80-D-Ⅱ巻 8
号」、1997 年 8 月 25 日、赤松茂著、社団法人電子情報通信学会発行、2031-2046 頁
・
「サイバーセキュリティにおける生体認証技術」
、2002 年 5 月 25 日、瀬戸洋一著、共立出版株式会
社発行、49-58 頁
・
「これでわかったバイオメトリクス」、2001 年 9 月 10 日、日本自動認識システム協会編、株式会社
オーム社発行、59-71 頁
― 207 ―
【技術分類】5−1−2
【
FI
顔/照合・判定技術/特徴量型
】G06T7/00 510@B
【技術名称】5−1−2−2
LFA法(Local Feature Analysis.)
【技術内容】
固有顔法では主成分分析の次元圧縮によって生成される特徴ベクトルを使ったパターン照合を行っ
ているが、厳密には、顔画像の各画素の濃淡値が、テンプレートの顔画像および入力顔画像の全体に
わたって、顔上の同一情報に対応していることが必要である。
固有顔法を用いた顔照合では、顔画像に対して位置・大きさの正規化を行うことによって、異なる
顔画像の濃淡値ベクトルの間の対応点問題を近似的に解決しようとしているが、この近似に限界があ
ることは明らかである。
そこで目や口のように顔の見え方を規定する鍵となる部分に顔を分割して表現するという方法が考
え出された。
LFA(Local Feature Analysis)は固有顔の考え方をベースとしているが、顔全体ではなく、顔器
官(鼻、眉、目、口、頬等)の曲率が変化する部分など、局所的な特徴に対して、主成分分析を行う
ことによって、顔画像の濃淡値の対応関係を厳密にするとともに、表情変化・顔向きなどについて比
較的安定した認識を実現している。局所的特徴としては 32∼50 個の小ブロック群が用いられ、これ
らの組み合わせで顔全体の特徴が表現される。
【図】
図
LFA法のイメージ
出典:本標準技術集のために作成
【参考資料】
・
「コンピュータによる顔の認識
−サーベイ−」、
「電子情報通信学会論文誌
D-Ⅱ
J80-D-Ⅱ巻 8
号」、1997 年 8 月 25 日、赤松茂著、社団法人電子情報通信学会発行、2031-2046 頁
・
「サイバーセキュリティにおける生体認証技術」
、2002 年 5 月 25 日、瀬戸洋一著、共立出版株式会
社発行、49-58 頁
・
「これでわかったバイオメトリクス」、2001 年 9 月 10 日、日本自動認識システム協会編、株式会社
オーム社発行、59-71 頁
― 208 ―
【技術分類】5−1−2
【
FI
顔/照合・判定技術/特徴量型
】G06T7/00 510@B
【技術名称】5−1−2−3
制約相互部分空間法
【技術内容】
顔パターンは顔の向きや表情変化の影響により容易に変化するため、1枚の顔パターンだけでは、
安定な識別は期待できない。そこで、制約相互部分空間法では動画を使い、一定時間において得られ
た複数の顔パターンの分布を用いて認識を行っている。つまり入力パターン分布が、あらかじめ登録
されている辞書パターン分布に類似しているほど、本人らしいと判断する。
下図の処理の流れにもあるように、動画像から得られた画像は前段階の処理で顔領域の検出、検出
された顔画像から特徴点が検出され、正規化画像として矩形顔画像が切り出されている。この矩形顔
画像に対して、ヒストグラム平坦化処理を施し輝度の正規化を行う。
入力と辞書パターン分布は、パターン空間の異なる二つの部分空間で表現される。この場合、二つ
の部分空間のなす正準角θが、二つの部分空間の類似度と定義される。二つのN次元部分空間が完全
に一致している場合には、N個の正準角度はすべて 0 度となる。部分空間が離れるにつれて正準角が
大きくなっていく。つまり、N個の正準角度の累積値が小さいほど、二つの分布が類似していると判
断できる。この正準角を用いたパターン認識を相互部分空間法と呼んでいる。
制約部分空間へ入力部分空間を射影する。テンプレートである辞書部分空間は、あらかじめ制約部
分空間へ射影しておき、射影された二つの部分空間のなす正準角を相互部分空間法により求め、その
累積値をM人すべての辞書部分空間に対して計算して、その中で最も高く、かつしきい値以上の類似
度を有する辞書部分空間に該当する人物を本人であると判断する。
【図】
図
出典:
「顔でセキュリティを守る
識別処理の流れ
−(2)東芝のアプローチ、事例」、「エレクトロニクス
2000 年 3 月 1 日、福井和弘著、株式会社オーム社発行、20 頁
― 209 ―
第3図
45 巻、3 号」、
識別処理の流れ
図
出典:
「顔でセキュリティを守る
部分空間に基づく認識
−(2)東芝のアプローチ、事例」、「エレクトロニクス
2000 年 3 月 1 日、福井和弘著、株式会社オーム社発行、19 頁
第2図
45 巻、3 号」、
部分空間に基づく認識
【出典/参考資料】
・
「コンピュータによる顔の認識
−サーベイ−」、
「電子情報通信学会論文誌
D-Ⅱ
J80-D-Ⅱ巻 8
号」、1997 年 8 月 25 日、赤松茂著、社団法人電子情報通信学会発行、2031-2046 頁
・
「顔でセキュリティを守る
−(2)東芝のアプローチ、事例」
、「エレクトロニクス
45 巻、3 号」、2000
年 3 月 1 日、福井和弘著、株式会社オーム社発行、19-21 頁
・
「サイバーセキュリティにおける生体認証技術」
、2002 年 5 月 25 日、瀬戸洋一著、共立出版株式会
社発行、49-58 頁
・
「これでわかったバイオメトリクス」、2001 年 9 月 10 日、日本自動認識システム協会編、株式会社
オーム社発行、59-71 頁
― 210 ―
【技術分類】5−1−2
【
FI
顔/照合・判定技術/特徴量型
】G06T7/00 510@B
【技術名称】5−1−2−4
Gabor Wavelet 変換+グラフ・マッチング
【技術内容】
Gabor Wanelet 変換とグラフマッチングによる顔照合では、まず低解像度の画像に対して、特徴点
数の少ない顔グラフを適用して顔画像を抽出する。抽出した顔画像に対して、今度は特徴点数の多い
顔グラフを使って特徴点の位置を厳密に決定する。
続いて、顔画像上に設定された多くの特徴点のそれぞれにおいてウェーブレット変換処理を施して
パターンの局所的な周期性とその方向性を抽出することによって、パターンの持つ局所的テクスチャ
情報を Gabor jet と呼ばれる特徴ベクトルによって表現する。
この方法では、顔グラフによる各特徴点の空間的配置の情報とノード上の属性値としての Gabor jet
のベクトル成分を用いて記述することによって顔パターンの定量的な表現としている。
識別処理では、入力された顔画像と登録されている顔画像のグラフ表現との間を弾性的マッチング
することによって得られるパターン間類似度を求め、その類似度の総和が最も高い登録画像において、
類似度の総和がしきい値を超えた場合、同一人物と判断する。
【図】
図
Gabor Wavelet 変換+グラフ・マッチングの処理フロー
出典:本標準技術集のために作成
【参考資料】
・
「コンピュータによる顔の認識
−サーベイ−」、
「電子情報通信学会論文誌
D-Ⅱ
J80-D-Ⅱ巻 8
号」、1997 年 8 月 25 日、赤松茂著、社団法人電子情報通信学会発行、2031-2046 頁
・
「顔でセキュリティを守る
−(1)オムロンのアプローチ、事例」、「エレクトロニクス
2000 年 3 月 1 日、川出雅人著、株式会社オーム社発行、16-18 頁
― 211 ―
45 巻、3 号」、
・
「サイバーセキュリティにおける生体認証技術」
、2002 年 5 月 25 日、瀬戸洋一著、共立出版株式会
社発行、49-58 頁
・
「これでわかったバイオメトリクス」、2001 年 9 月 10 日、日本自動認識システム協会編、株式会社
オーム社発行、59-71 頁
― 212 ―
【技術分類】5−1−2
【
FI
顔/照合・判定技術/特徴量型
】G06T7/00 510@B
【技術名称】5−1−2−5
ニューラルネットワーク法
【技術内容】
パターンマッチング法は、濃淡値を持つ画素から出来上がっている顔画像から何らかの特徴量を抽
出し、その特徴量について入力画像と登録画増の間で類似度などを計算して照合判定を行うものであ
るが、顔画像やその特徴量をニューラルネットの入力とし、出力を区別したい人の数だけ用意するこ
とによって照合を行うニューラルネット法という技術がある。ニューラルネットの活用法としては、
照合の他に雑音背景からの顔抽出などもある。
例えば、顔画像から、目、鼻の側面、口、眉毛、頬のラインなどコントラストのある部分を特徴量
として抽出する。次にこれらの特徴を数値化し、正規化し、データベースとの照合を行う。照合には、
特徴値ニューラルネットワークが用いられるが、ニューラルネットを照合に使う場合、まずニューラ
ルネットに学習させることは必要である。ニューラルネットの出力に対し、照合成功と失敗それぞれ
に重みを持たせた学習を繰り返すことにより、様々な照明条件への対応や認識精度の向上を図ること
ができる。
【図】
図
ニューラルネットの学習イメージ
出典:本標準技術集のために作成
【参考資料】
・
「サイバーセキュリティにおける生体認証技術」
、2002 年 5 月 25 日、瀬戸洋一著、共立出版株式会
社発行、49-58 頁
・
「これでわかったバイオメトリクス」、2001 年 9 月 10 日、日本自動認識システム協会編、株式会社
オーム社発行、59-71 頁
・「モザイクとニューラルネットを用いた顔画像の認識」、
「電子情報通信学会論文誌
D-Ⅱ
Ⅱ巻、6 号」、1993 年 6 月 25 日、小杉信著、社団法人電子情報通信学会発行、1132-1139 頁
― 213 ―
J76-D-
【技術分類】5−1−2
【
FI
顔/照合・判定技術/特徴量型
】G06T7/00 510@B
【技術名称】5−1−2−6
多重変動分析法による局所特徴比較方式
【技術内容】
平均顔法による照合は、入力データから顔領域を抽出し、サンプル点の位置を決定した後、サンプ
ル点をもとに各点の位置を平均顔に合わせて補正する。その後、各サンプル点について特徴ベクトル
を算出し、認識部分空間での特徴ベクトルの比較演算を行う。顔画像上の 100 ポイントの類似度を計
算し、平均値を照合値として出力する。
平均顔の 100 のサンプル点と、登録、照合時に顔上での 100 サンプル点との対応づけに関しては、
上下左右のサンプル点が入れ替わりがないことを拘束条件に、的確に対応づけが可能となる方法が開
発されている。これは基準点を目、鼻、口などを基準にサンプル点を決定するのではなく、正確に対
応づけが可能で、片目を閉じたり、めがねをかけても正確に比較すべき点が抽出できる。
【図】
図
サンプルポイント上での照合値の計算
出典:
「多重変動分析法による局所特徴比較方式」、
「OHM 91 巻 9 号」
、2004 年 9 月 12 日、坪田浩
貴著、株式会社オーム社発行、75 頁、図5
サンプルポイントでの照合値の計算
【出典/参考資料】
・
「多重変動分析法による局所特徴比較方式」、
「OHM
91 巻 9 号」、2004 年 9 月 12 日、坪田浩貴著、
株式会社オーム社発行、73-76 頁
― 214 ―
【技術分類】5−1−2
【
FI
顔/照合・判定技術/特徴量型
】G06T7/00 510@B
【技術名称】5−1−2−7
局所パターン照合法
【技術内容】
固有顔法は照明条件が一様であり、かなり正確な位置あわせをした正面顔に有効であるが、顔の向
きが変わった場合には性能が低下する。こうした見え方の変動のうち、とくに、遠方から撮影した際、
顔の向きが変わり、顔の見え方が変化する問題に対する方法として、窓と呼ぶ目、鼻、口の周りの小
さな領域ごとに、あらかじめ登録したデータと照合する方法が開発されている。
具体的には映像の中から顔の部分を検出し、その顔の中で明るさの変化の大きい部分を窓とする。
それぞれの窓に対して、離散コサイン変換に基づいた類似度を算出し、その類似度から個人を同定す
るというものである。この手法では、多数の窓を用いて独立に類似度を算定するため、顔の向きなど
により見え方が多少変化する場合においても安定した認証が可能となっている。
【図】
図
局所パターン照合法
出典:
「バイオメトリクス認証技術」、
「FUJITSU 54 巻 4 号」、2003 年.7 月 10 日、森雅博・新崎卓・
佐々木繁著、富士通株式会社発行、278 頁、図-15 局所パターン照合法
【出典/参考資料】
・
「バイオメトリクス認証技術」、
「FUJITSU
54 巻 4 号」、2003 年.7 月 10 日、森雅博・新崎卓・佐々
木繁著、富士通株式会社発行、272-279 頁
― 215 ―
【技術分類】5−1−2
【
FI
顔/照合・判定技術/特徴量型
】G06T7/00 510@B
【技術名称】5−1−2−8
3次元画像特徴抽出法
【技術内容】
顔照合技術において、顔の角度の変化への対処は大きな課題である。顔の角度の変化に対する最も
素朴な対応は、代表的な角度に対応する複数の顔画像または特徴ベクトルなどを辞書に登録し、入力
画像と総当たりのマッチングを行う方法や、顔画像集合における多様な見え方を固有ベクトルにより
圧縮表現する方法、目や鼻などの特徴的な器官の位置をもとに顔画像を正規化する方法などが考案さ
れている。
こうした方法の一つとして、顔を3次元計測したデータをもとに立体の顔構造を CG によって生成
し、これから特徴ベクトルを抽出するという方法がある。
具体的には、近赤外線を対象者の顔に照射し、顔の表面の凹凸によって作られる光の帯の歪みを動
画像カメラで撮影し、このデータから顔表面を CG で再現する。再現した CG に対して目や鼻や口な
どの幾何学的特性(位置や角度など)を計測して特徴ベクトルを作成するというものである。照合は
登録データと入力データの特徴ベクトルを比較して類似度を計算し、判定する。
【図】
図
3次元画像特徴抽出法のフロー
出典:本標準技術集のために作成
【参考資料】
・
「コンピュータによる顔の認識
−サーベイ−」、
「電子情報通信学会論文誌
D-Ⅱ
J80-D-Ⅱ巻 8
号」、1997 年 8 月 25 日、赤松茂著、社団法人電子情報通信学会発行、2031-2046 頁
・
「A4Vision Technology Overview」、2002 年 9 月 15 日、A4Vision 社著、A4Vision 社発行、1-11 頁
― 216 ―
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