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地球温暖化対策とまちづくりについて (参考資料1)
地球温暖化対策とまちづくりについて (参考資料1) 2006年6月 環境省地球環境局 7 都市環境関連(主に地球温暖化)の論点体系図(参考) 都市拡散対策 都市構造対策 •道路網対策、移動 エネルギー対策 •郊外床面積対策 など 相互連携 都市集積対策 都市環境対策 相互連携 都市活動対策 •自動車単体対策 •自然エネ、省エネ 機器導入 など 8 •大気拡散域(風の 道)の確保 •緑地、水辺の整備、 その冷熱の活用 ・地域熱供給、(街区 単位の)エコ建築の 普及 など 内 容 1, 運輸部門及び民生部門からの二酸化炭素排出量の現状 2, 都市機能の拡散と二酸化炭素排出量 3, 個別要素との関係 4, 都市拡散の要因 5, 熱環境、大気環境との関係(都市集積対策) 6, 他の諸問題との関係(他の社会的費用) 9 1.運輸部門及び民生部門からの二酸化炭素排 出量の現状 10 都市活動由来の二酸化炭素の増加 (運輸・民生部門) 増加分のほとんどが、運輸(旅客部門)と業務・家庭部門となっています。 1990年から2004年までの増減(100万トン-CO2) -16.3 産業部門 47.5 運輸旅客部門 -3.34 運輸貨物部門 業務その他部門 62.3 家庭部門 40.2 工業プロセス -9.4 合計 -30 140.4 0 30 60 90 120 環境省資料 11 150 自動車交通量と床面積の増加 ここ30年、旅客の伸びのほぼすべてを担ってきたとも言えるほどの「車社会化」と人口 の増加ペースを上回る「床面積の伸び」が、二酸化炭素排出量の伸びの主な原因と なっています。 輸送機関別輸送量(10億人㌔) 2000 1800 1600 1400 1200 1000 800 600 400 200 0 鉄道 自家用乗用車 バス 床面積と原単位の推移 千kcal/㎡ (原単位) 295 290 285 280 275 業務部門延床面積 エネルギー消費原単位 270 265 260 03 00 97 94 91 88 85 82 79 76 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 04 73 70 900 800 700 600 500 400 300 200 100 0 百万㎡ (床面積) 床面積当たりのエネルギー消費量は、微減。 【280.4千kcal/㎡(90年)→276.9千kcal/㎡(04年)】 12 運輸部門の二酸化炭素排出量の約9割が自動車から発生 運輸部門輸送機関別二酸化炭素排出量 (4%) 航空 船舶(5%) 自動車 (87%) 鉄道(3%) 0% 20% 40% 60% 80% 二酸化炭素排出量(1000万トンCO2) 船舶 鉄道 航空 自動車 1.4 0.8 1.1 22.7 「温室効果ガスインベントリオフィス2003」より作成 13 100% 輸送機関別二酸化炭素排出原単位 旅客輸送機関別CO2排出原単位 (g-CO2/人㌔) 鉄道 貨物輸送機関別CO2排出源単位 (g-CO2/トン㌔) 18 鉄道 航空 22 113 航空 自家用バス 1500 47 船舶 営業用バス 38 55 営業用乗用車 営業用トラック 404 自家用乗用車 自家用トラック 173 0 100 200 161 300 400 500 971 0 500 温室効果ガスインベントリオフィス(2002年度) 14 1000 1500 2000 業種別床面積の変化とエネルギー消費量 ほとんどすべての用途で、床面積が増加基調にあります。 業務別床面積の変化(百万㎡) 500 12000 400 10000 事務所・ビル 卸小売等 学校 ホテル・旅館 病院 飲食店 劇場・娯楽場 その他 300 200 100 業務部門業種別エネルギー消費量 (1010kcal) 8000 事務所・ビル 卸小売等 学校 ホテル・旅館 病院 飲食店 劇場・娯楽場 その他 6000 4000 2000 0 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 0 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 エネルギー・経済統計要覧2005(EDMC)より作成 15 業務部門業種別エネルギー消費原単位 エネルギー消費原単位(90年=1) 業務部門別エネルギー消費原単位 (万kcal/㎡) 1.3 80 1.2 70 事務所・ビル 卸小売等 学校 ホテル・旅館 病院 飲食店 劇場・娯楽場 その他 60 50 40 30 20 1.0 0.9 0.8 0.7 10 0 事務所・ビル 卸小売等 学校 ホテル・旅館 病院 飲食店 劇場・娯楽場 その他 1.1 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 0.6 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 エネルギー・経済統計要覧2005(EDMC)より作成 16 2.都市機能の拡散と二酸化炭素排出量 17 地方で進む都市の拡散 人口集中地区(DID)※の人口密度は、地方都市では大幅に減少しています。 ※人口集中地区(DID)とは、「原則として、人口密度が1平方キロメートル当たり4,000人以上の基本単位区等が市 区町村の境域内で互いに隣接して、それらの隣接した地域の人口が国勢調査時に5,000人以上を有する地域」 とされている。 DID人口密度の減少率上位10(80年~00年) 20% 15% 10% 5% 青森県 沖縄県 佐賀県 鳥取県 群馬県 和歌山県 福井県 山梨県 岐阜県 富山県 0% 平成12年国勢調査 18 進む地方の自動車依存 50%未満 65%以上 東京都 11.6 山 形 72.4 大 阪 21.7 富 山 72.0 神奈川 22.1 群 馬 71.0 京 都 30.2 福 井 69.9 埼 玉 32.1 鳥 取 68.7 千 葉 33.5 福 島 68.4 兵 庫 34.5 秋 田 68.3 奈 良 35.4 長 野 67.8 広 島 福 岡 45.7 45.8 宮 崎 67.6 新 潟 65.6 山 梨 65.1 40 90年→2000年 減少 1990年 22.2 20 0 13.4 11.6 11.2 8.2 23.0 22.1 21.7 12.9 22.1 19.1 13.6 1970年 山 形 66.3 60.2 富 山 佐 賀 60.0 60 群 馬 67.3 72.4 72.0 71.0 62.2 神奈川 栃 木 2000年 大 阪 67.3 80 東 京 島 根 自家用車通勤・通学者割合の推移(上下3位%) 平成12年国勢調査 国勢調査による自動車通勤・通学者の割合ですが、1990年から2000年にかけて、大都市部では減少傾向にあ るのに対し、地方では依然として拡大傾向にあります。 19 また、1970年頃は、大都市部、地方とも、それほど自動車通勤者の割合に差がなかったことがうかがえます。 人口集中地区の人口密度と二酸化炭素排出量 (都道府県庁所在地:運輸旅客部門) 人口集中地区の人口密度が低いほど、運輸旅客部門の二酸化炭素排出量が大き くなる傾向があります。都道府県庁所在地で比べた場合、最大の水戸と最小の東 京都区部では約2.7倍、地方都市の中でも約2倍の開きがあります。 DID人口密度と一人当たりCO2排出量(運輸旅客) トン-CO2 水戸 1.4 1.2 新潟 宇都宮 山口 富山 1.0 名古屋 0.8 奈良 0.6 東京都区部 大阪 0.4 0.2 0.0 3000 5000 7000 9000 11000 13000 人/㎡ 20 平成12年国勢調査、国立環境研究所「市町村における運輸部門温室効果ガス排出量推計手 法の開発および要因分析」から作成 都市構造の違い 人口、面積が同規模の都市でも、都市構造(中心部のにぎわい)に大きな差があ ります。 これが、二酸化炭素の排出量の差にもつながっています。 前橋市(1.21t-CO2) 高知市(0.87t-CO2) 平成18年版環境白書より抜粋(データ元は都市計画年報、国勢調査) かつては、中心部の密度は同じ。 21 人口集中地区の人口密度と商業施設の一人当たり床面積 (都道府県別) 人口集中地区の人口密度が低い都道府県ほど、一人当たりの商業施設の床面積が 広くなる傾向にあります。 DID人口密度と一人当たり商業施設床面積 ㎡ 1.8 1.6 富山 群馬 1.4 香川 1.2 長崎 奈良 1 東京 0.8 0.6 ※商業施設(小売)の床 面積は、全業務用途面 積の約8% 0.4 0.2 0 2000 3000 4000 5000 6000 7000 8000 9000 10000 11000 12000 人/k㎡ 平成12年国勢調査、経済産業省「我が国の商業2005」から作成 22 商業施設の拡散の実態 販売額は90年代をピークに横ばい・減少していますが、売場面積は一貫して伸びています。いわ ゆるロードサイド型ショップが伸びている一方で、駅周辺、既設市街地は減少しています。 (02年:91年比 販売額5%減、売場面積28%増) 小売業販売額、売場面積と 改良済道路延長 千億円・ 10万㎡ 千km 小売業売場面積の推移(万㎡) 700 1600 3000 販売額は横ばい・減 少傾向ですが、床面 積は一貫して増大 1400 1200 600 2500 500 2000 1000 400 800 1500 300 600 販売額(千億円) 売場面積(10万㎡) 400 200 道路改良済延長(千km) 100 200 0 0 72 74 76 79 82 85 88 91 94 97 99 1000 500 0 97 02 経済産業省商業統計、国土交通省道路統計年報 23 駅周辺型 02 市街地型 ロードサイド型 DID人口密度と戸建住宅比率 人口集中地区の人口密度が低い都道府県ほど、戸建住宅の比率が高くなる傾向に あります。 DID人口密度と戸建比率 (都道府県) 戸建比率 90% 80% 富山 70% 奈良 60% 長崎 50% 40% 東京 30% 20% 10% 0% 3,000 5,000 7,000 9,000 24 11,000 13,000 平成12年国勢調査より作成 戸建住宅と集合住宅のエネルギー消費 日本建築学会「住宅用エネルギー消費と温暖化対策検討委員会」によると、全国数千世帯へのアンケート調査の 結果、集合住宅の形態的、構造的特性に加え、世帯人数や延床面積などの影響もあって、世帯当たりのエネルギー 消費量は、全国平均で、戸建住宅が、48.6GJ、集合住宅が29.4GJとなっています。 25