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第21 誘導灯及び誘導標識

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第21 誘導灯及び誘導標識
第 21
誘導灯及び誘導標識
第 21 誘導灯及び誘導標識
1 設置を要する防火対象物(令第 26 条)
第 21-1表
種 類
避難口誘導灯
・
通路誘導灯
防火
対象物
の区分
(1)項
設置対象(令第 26 条)
客席
誘導灯
誘導
標識
イ
当該階の床面積
ロ
ハ
―
当該階の床面積
1000 ㎡以上
通路誘導灯
(廊下に設けるもの)
(階段・傾斜路に設け
るもの)
―
全 部
ロ
ニ
(3)項
(居室に設けるもの)
1000 ㎡以上
イ
(2)項
A級・B級・C級の設置区分(規則第 28 条の3)
通路誘導灯
避難口誘導灯
通路誘導灯
全 部
イ
A級
A級
又は
又は
B級
B級
注1
注2
ロ
(4)項
(5)項
全部
イ
ロ
地階・無窓階・11階以上
ただし、
イ
(6)項
ロ
ハ
誘導灯の
全 部
C級以上
C級以上
注3
(矢印付きはB級以上)
有効範囲
内を除く。
ニ
(7)項
C級以上
地階・無窓階・11階以上
(8)項
イ
(9)項
全 部
A級又は
B級 注1
A級又は
B級 注2
A級又はB級 注1
A級又はB級 注2
C級以上
C級以上
ロ
(10)項
(11)項
(12)項
(13)項
イ
ロ
イ
地階・無窓階・11階以上
ロ
(矢印付きはB級以上)
(14)項
(15)項
イ
(16)項
ロ
(16 の2)項
全 部
(1)項用途部分
A級又は
B級
注1、注5
A級又は
B級
注2、注5
A級又はB級 注1
A級又はB級 注2
地階・無窓階・11階以上
全 部
(1)項用途部分
(16 の3)項
注1 避難口誘導灯でB級誘導灯を設置する場合は、
表示面の明るさが 20 カンデラ以上又は点滅機能を有するもの
注2 通路誘導灯でB級誘導灯を設置する場合は、
表示の明るさが 25 カンデラ以上
(廊下に設置する場合であって、
当該誘導灯をその有効範囲内の各部分から容易に識別することができるときは、この限りでない。
)のもの
注3 踏み面又は表面及び踊り場の中心線の照度が1ルクス以上のもの
注4 点滅機能又は音声誘導機能を有する誘導灯は、
規則第 28 条の3第3項第1号イ又はロに掲げる避難口につい
てのみ設置可能であること。
注5 (1)項から(4)項まで、(9)項イに掲げる防火対象物の用途に供される部分が存する階で、その床面積が 1000
㎡以上のもの
455
第4章
消防用設備等の技術基準
2 構造及び性能
避難口誘導灯及び通路誘導灯(階段又は傾斜路に設けるものを除く。
)は、認定品とす 川崎市運用基準
H11.3.17
ること。
消防庁告示第 2 号
3 誘導灯の区分
避難口誘導灯及び通路誘導灯(階段又は傾斜路に設けるものを除く。
)は、第 21-2
表の区分に応じ、表示面の縦寸法及び表示面の明るさを有するものとしなければなら
ない。
第 21-2表
区
避難口誘導灯
分
表示面の縦寸法(m)
表示面の明るさ(カンデラ)
A級
0.4 以上
50 以上
BH形
B級
20 以上
0.2 以上 0.4 未満
BL形
C級
10 以上 20 未満
0.1 以上 0.2 未満
A級
通路誘導灯
BH形
B級
BL形
C級
1.5 以上
0.4 以上
60 以上
25 以上
0.2 以上 0.4 未満
13 以上 25 未満
0.1 以上 0.2 未満
5 以上
注 表示面の明るさとは、表示面の平均輝度×面積をいう。
4 誘導灯の有効範囲
避難口誘導灯及び通路誘導灯(階段又は傾斜路に設けるものを除く。
)の有効範囲は、
当該誘導灯までの歩行距離が次の(1)又は(2)に定める距離のうち、いずれかの距
離以下となる範囲とする。ただし、当該誘導灯を容易に見とおすことができない場合又
は識別することができない場合にあっては、当該誘導灯までの歩行距離が 10m以下とな
る範囲とする。
(1)第 21-3表の左欄に掲げる区分に応じ、右欄に掲げる距離
第 21-3表
区
A級
避難口
誘導灯
通 路
誘導灯
B級
分
距離(m)
避難の方向を示すシンボルのないもの
〃
のあるもの
40
避難の方向を示すシンボルのないもの
30
〃
〃
60
〃
のあるもの
20
C級
15
A級
20
B級
15
C級
10
注 避難口誘導灯のC級については、避難の方向を示すシンボルの併記は認められていない。
456
第 21
誘導灯及び誘導標識
(2)次の式に定めるところにより算出した距離
D=kh
Dは、歩行距離(単位m)
hは、避難口誘導灯又は通路誘導灯の表示面の縦寸法(単位m)
kは、第 21-4表の左欄に掲げる区分に応じ、同表の右欄に掲げる値
第 21-4表
区
避難口誘導灯
分
kの値
避難の方向を示すシンボルのないもの
〃
〃
のあるもの
通路誘導灯
150
100
50
【算定例】
避難口誘導灯A級(避難方向を示すシンボルなし)で表示面縦寸法が 0.5mの場合
150(避難方向を示すシンボルなし)×0.5m(表示面縦寸法)=75m(歩行距離)
≪誘導灯を容易に見とおし、かつ、識別することができない例≫
誘導灯を容易に見とおし、かつ、識別することができないものとは、次の例による
こと。ただし、障害物等により誘導灯を視認できない場合であっても、人が若干移動
(おおむね3m)することにより誘導灯を視認できる場合は、この限りではない。
① 壁面があり陰になる部分がある場合
② 階段により階数がかわる場合
川崎市運用基準
H11.9.21
消防予第 245 号
③ 0.4m以上のはりがある場合
④ 防煙壁がある場合
※吊具等により表示上部が障害物より下方にある場合は、見とおせるものとするが、そう
でない場合は、見とおしはきかないものとすること。
⑤ 一定以上の高さのパーティションがある場合 ⑥ 一定以上の高さのショーケース、棚がある場合
457
第4章
消防用設備等の技術基準
⑦ 一定以上の高さの可動間仕切がある場合
※一定以上の高さとは、通常 1.5m程度
とする。
なお、誘導灯がこれらの障害物より高
い位置に、避難上有効に設けられてい
る場合には、見とおせるものとするこ
と。
⑧ 吊広告、垂れ幕がある場合
※吊広告等により表示上部が障害物より
下方にある場合は、見とおせるものと
するが、そうでない場合は、見とおし
はきかないものとすること。
吊広告等を設置することが予想される
場合には、あらかじめ留意すること。
5 誘導灯及び誘導標識の設置を要しない防火対象物又はその部分
(1)誘導灯
ア 避難口誘導灯
(ア)防火対象物の居室(建基法第2条第4号に規定する居住、執務、作業、集会、
娯楽その他これらに類する目的のために継続的に使用する室のほか、駐車場、
機械室、電気室、更衣室その他これらに相当する室を含めて取扱う。以下同じ。
)
の各部分から主要な避難口(規則第28 条の3第3項第1号イ及びロに掲げる避
難口をいう。以下同じ。
)を容易に見とおし、かつ、識別することができる階
(地階、無窓階を除く。
)で、当該避難口に至る歩行距離が第 21-5表で定め
る歩行距離以下であるもの(第 21-1図参照)
第 21-5表
防火対象物区分
(1)項から(16)項
主要な避難口
歩行距離(m)
避難階(無窓階を除く。
)にあっては、規則第 28
条の3第3項第1号イの避難口
20 以下
避難階以外の階(地階、無窓階を除く。
)にあって
は、規則第 28 条の3第3項第1号ロの避難口
10 以下
主要な避難口を容易に見とお
主要な避難口を容易に見とお
し、かつ、識別できる。
し、かつ、識別できる。
20m以下
主要な避難口
10m以下
主要な避難口
避難口誘導灯の設
20m以下
10m以下
避難口誘導灯の設
置を要さない。
置を要さない。
(避難階(無窓階を除く。
)
)
(避難階以外の階(地階、無窓階を除く。
)
)
第 21-1図
458
第 21
誘導灯及び誘導標識
(イ)防火対象物の避難階にある居室で、次のaからcに該当するもの
a 規則第 28 条の3第3項第1号イに掲げる避難口(主として当該居室に存す
る者が利用するものに限る。
)を有していること。
b 室内の各部分から、前 a の避難口を容易に見とおし、かつ、識別すること
ができ、室内の各部分から当該避難口に至る歩行距離が第 21-6表で定める
歩行距離以下であること。
(第 21-2図参照)
第 21-6表
防火対象物区分
避 難 口
歩行距離(m)
避難階にある居室の規則第 28 条の3第3項第1号
(1)項から(16)項 イの避難口
(主として当該居室に存する者が利用す
るものに限る。
)
30 以下
規則第 28 条の3第3項第1号イの避難口
を容易に見とおし、かつ、識別できる。
30m以下
30m以下
規則第 28 条の3第3項第1号イの避難口
蓄光式誘導標識の設置
(避難階)
第 21-2図
c 蓄光式誘導標識が、次により設けられていること。
H11.3.17
(a)蓄光式誘導標識は、高輝度蓄光式誘導標識とすること。
消防庁告示第2号
(b)規則第 28 条の3第3項第1号イからニまでに掲げる避難口の上部又は
その直近の避難上有効な箇所に設けること。
(c)性能を保持するために必要な照度が採光又は照明により確保されている
箇所に設けること。なお、性能を保持するために必要な照度が確保されて
いる箇所とは、次によること。
① 前bの歩行距離がおおむね 15m未満の場合
通常の照明が消灯してから 20 分間経過した後の蓄光式誘導標識の表示
H22.4.9
消防予第 177 号
面において、おおむね 100 ミリカンデラ/㎡以上の平均輝度となる照度
が確保される箇所。この場合、一般的な蛍光灯による照明下において、
高輝度蓄光式誘導標識が設けられており、当該個所における照度が 200
ルクス以上である場合には、おおむね 100 ミリカンデラ/㎡以上の平均
輝度となる照度が確保される箇所とみなしてさしつかえないこと。
② 前bの歩行距離がおおむね 15m以上の場合
H22.4.9
通常の照明が消灯してから 20 分間経過した後の蓄光式誘導標識の表示 消防予第 177 号
459
第4章
消防用設備等の技術基準
面において、おおむね 300 ミリカンデラ/㎡以上の平均輝度となる照度
が確保される箇所
また、避難上有効な視認性を確保するため、次式により求めた値を目
安として、蓄光式誘導標識の表示面の縦寸法の大きさを確保すること。
D≦150×h
D:避難口から当該居室内の最遠の箇所までの歩行距離(m)
h:蓄光式誘導標識の表示面の縦寸法(m)
(d)蓄光式誘導標識の周囲には、蓄光式誘導標識とまぎらわしい又は蓄光式
誘導標識を遮る広告物、掲示物等を設けないこと。
H11.3.17
(ウ)規則第 28 条の3第3項第1号ハに掲げる避難口
室内の各部分から当該居室の出入口を容易に見とおし、かつ、識別すること
消防庁告示第2号
ができるもので、第 21-7表に掲げる居室の用途に応じた床面積以下であるも
の(第 21-3図参照)
第 21-7表
居 室 の 別
床面積(㎡)
室内の各部分から当該居室の出入口を容易に見とおし、
かつ、識別することができる居室
100 以下
室内の各部分から当該居室の出入口を容易に見とおし、
かつ、識別することができる居室
+
主として防火対象物の関係者及び関係者に雇用されて
いる者が利用する居室
400 以下
避難口誘導灯の設置を要さない。
避難口誘導灯を設置
注 (400 ㎡)は、主として防火
・100 ㎡(400 ㎡)を超える居室
・出入口を容易に見とおすことが
できない居室又は識別できない
居室
100 ㎡(400 ㎡)以下の居室
対象物の関係者及び関係者
に雇用されている者が利用
する居室に限る。
主要な避難口を容易に見とおし、
かつ、識別できる。
第 21-3図
(エ)令別表第1(1)項に掲げる防火対象物の避難口
令別表第1(1)項に掲げる防火対象物の避難階(床面積が 500 ㎡以下で、かつ、
客席の床面積が 150 ㎡以下のものに限る。
)で、次のすべてに該当するもの。
a 客席避難口(客席に直接面する避難口をいう。以下同じ。
)を2以上有する
こと。
b 客席の各部分から客席避難口を容易に見とおし、かつ、識別することがで
き、客席の各部分から当該客席避難口に至る歩行距離が 20m以下であること。
c すべての客席避難口に、火災時に当該客席避難口を識別することができる
460
第 21
誘導灯及び誘導標識
ように照明装置(自動火災報知設備の感知器の作動と連動して点灯し、かつ、
手動により点灯することができるもので、非常電源が附置されているものに
限る。以下同じ。
)が設けられていること。
(オ)令別表第1(16)項イの防火対象物((5)項ロ並びに(6)項ロ及びハの複合用
途防火対象物)で(6)項ロ及びハの用途に供される部分以外の部分(地階、無
窓階及び 11 階以上の階の部分を除く。
)の避難口
(6)項ロ及びハの用途に供される部分は、第 21-8表により区画されている
こと。
第 21-8表
対象部分
(16)項イの防火対象物
必
要
条
件
(5)項ロ並びに(6)項ロ及びハ((6)項ロ及びハにあって
は、有料老人ホーム、福祉ホーム、認知症高齢者グループホ
ーム、障害者ケアホーム・グループホームに限る。
)の用途以
外の用途に供される部分が存しない(16)項イの防火対象物
ア (6)項ロ及びハの用途に供される居室を、準耐火構造の
壁及び床(3階以上の階に存する場合にあっては、耐火構
造の壁及び床)で区画したものであること。
イ 壁及び天井(天井のない場合にあっては、屋根)の室内に
面する部分の仕上げは
・ 地上に通ずる主たる廊下その他の通路にあっては準不
燃材料
・ 居室等にあっては難燃材料
ウ 区画する壁及び床の開口部の面積の合計8㎡以下で、か
つ、一の開口部の面積4㎡以下であること。
(外壁の窓は開
口部の面積に算入されない)
エ ウの開口部は
・ 防火戸(3階以上の階に存する場合にあっては、特定
防火設備である防火戸)で、随時開くことができる自動
閉鎖装置付又は随時閉鎖することができ、かつ、煙感知
器の作動と連動して閉鎖すること。
(6)項ロ及びハの用途に
・
鉄製網入りガラス入り戸(次のaからcに適合するも
供される部分の区画
の)
a 二方向避難のできる部分の出入口部分以外の開口部
であること。
b 直接外気に開放されている廊下、階段その他の通路
に面すること。
c 面積の合計4㎡以内であること。
・ 居室から地上に通ずる主たる廊下、階段その他の通路
にあっては、直接手で開くことができ、かつ、自動的に
閉鎖する部分(幅 75 ㎝以上、高さ 1.8m 以上及び下端の床
面からの高さ 15 ㎝以下の大きさ)を有すること。
注 上記の防火戸で、廊下と階段とを区画する部分以外の
部分の開口部にあっては、防火シャッターを除く。
オ (6)項ロ及びハに掲げる防火対象物の用途に供される部
分の主たる出入口が、直接外気に開放され、かつ、当該部
分における火災時に生ずる煙を有効に排出することができ
る廊下、階段その他の通路に面していること。
461
第4章
消防用設備等の技術基準
イ 通路誘導灯(階段又は傾斜路に設けるものを除く。
)
(ア)居室の各部分から主要な避難口又はこれに設ける避難口誘導灯を容易に見と
おし、かつ、識別することができる階で、当該避難口に至る歩行距離が第 21-9
表で定める歩行距離以下であるもの(第 21-4図参照)
第 21-9表
防 火 対 象 物 等 の区分
(1)項から(16)項
歩行距離(m)
避難階(無窓階を除く。
)
40 以下
避難階以外の階(地階、無窓
階を除く。
)
30 以下
主要な避難口又はこれに設け
主要な避難口又はこれに設け
る避難口誘導灯を容易に見通
る避難口誘導灯を容易に見通
し、かつ、識別できる。
し、かつ、識別できる。
40m以下
主要な避難口
主要な避難口
30m以下
通路誘導灯の
通路誘導灯の
設置を要さない。
設置を要さない。
30m以下
40m以下
(避難階(無窓階を除く。
)
)
(避難階以外の階(地階、無窓階を除く。
)
)
第 21-4図
(イ)防火対象物の避難階にある居室で、次のa及びbに該当するもの
a 規則第 28 条の3第3項第1号イに掲げる避難口(主として当該居室に存す
る者が利用するものに限る。
)を有していること。
b 室内の各部分から、規則第 28 条の3第3項第1号イに掲げる避難口又はこ
れに設ける避難口誘導灯若しくは蓄光式誘導標識を容易に見とおし、かつ、
識別することができ、室内の各部分から当該避難口に至る歩行距離が第 21-
10 表で定める歩行距離以下であること。
(第 21-5図参照)
第 21-10 表
防 火 対 象 物 等 の区分
(1)項から(16)項
歩行距離(m)
避難階にある居室
462
30 以下
第 21
誘導灯及び誘導標識
規則第 28 条の3第3項第1号イの避難口又はこれに設ける避難口誘導灯若
しくは蓄光式誘導標識を容易に見とおし、かつ、識別できる。
30m以下
30m以下
(避難階)
規則第 28 条の3第3項第1号イの避難口
避難口誘導灯又は蓄光式誘導標識
第 21-5図
(ウ)廊下又は通路の各部分が避難口誘導灯の有効範囲内に包含されるもの
(第 21-6図参照)
第 21-6図
(エ)令別表第1(16)項イの防火対象物((5)項ロ並びに(6)項ロ及びハ((6)項ロ
及びハにあっては、有料老人ホーム、福祉ホーム、認知症高齢者グループホー
ム、障害者ケアホーム・グループホームに限る。
)の複合用途防火対象物)で
(6)項ロ及びハの用途に供される部分を、第 21-8表により区画されている場
合にあっては、(6)項ロ及びハの用途に供される部分以外の部分(地階、無窓
階及び 11 階以上の階の部分を除く。
)
ウ 通路誘導灯(階段又は傾斜路に設けるもの)
非常用の照明装置により、避難上必要な照度が確保されるとともに、避難の方
向の確認(当該階の表示等)ができる場合
非常用の照明装置とは、建基令第5章第4節に規定されるものをいうものであ
り、配線方式、非常電源等を含め、当該建築基準法令の技術基準に適合している
ことが必要であること。なお、大規模・高層の防火対象物の階段等に設ける階段
通路誘導灯を非常用照明装置(30 分以上で可)で代替することができるのは、非
常用の照明装置が 60 分間以上作動できる容量の予備電源を有するものに限る。
(2)誘導標識
令別表第1(1)項から(16)項までに掲げる防火対象物で、次のいずれかに該当する
部分
ア 居室の各部分から主要な避難口を容易に見とおし、かつ、識別することができ
る階で、当該避難口に至る歩行距離が 30m以下であるもの(避難階以外の階にあ
463
第4章
消防用設備等の技術基準
っては、地階及び無窓階を除く。
)
イ 避難階にある居室で、次の(ア)及び(イ)に適合するもの
(ア)規則第 28 条の3第3項第1号イに掲げる避難口(主として当該居室に存す
る者が利用するものに限る。
)を有していること。
(イ)室内の各部分から、規則第 28 条の3第3項第1号イに掲げる避難口又はこ
れに設ける避難口誘導灯若しくは蓄光式誘導標識を容易に見とおし、かつ、識
別することができ、室内の各部分から当該避難口に至る歩行距離が 30m以下で
あること。
ウ 避難口誘導灯又は通路誘導灯の有効範囲内の部分
エ 令別表第1(1)項に掲げる防火対象物の避難階(床面積が 500 ㎡以下で、かつ、
客席の床面積が 150 ㎡以下のものに限る。
)で、次のすべてに該当するもの。
(ア)客席避難口を2以上有すること。
(イ)客席の各部分から客席避難口を容易に見とおし、かつ、識別することができ、
客席の各部分から当該客席避難口に至る歩行距離が 30m以下であること。
(ウ)すべての客席避難口に、火災時に当該客席避難口を識別することができるよ
うに照明装置が設けられていること。
6 設置要領
(1)誘導灯共通事項
ア 周囲には誘導灯とまぎらわしい又は誘導灯をさえぎる灯火、広告物、掲示物等
を設けないこと。
イ 多数の者の目に触れやすい箇所に設けること。
川崎市運用基準
ウ 通行又は避難上障害とならないように設けること。
エ 壁・天井・床等に、地震動等に耐えるよう堅固に設けること。
川崎市運用基準
(2)避難口誘導灯
ア 避難口誘導灯は、次に掲げる避難口の上部又はその直近の避難上有効な箇所に
設けること。
(ア)屋内から直接地上へ通ずる出入口(附室がある場合は当該附室の出入口)
(第 21-7図参照)
おおむね
5m以内
(この間に
(a)
(c)
(b)
第 21-7図
464
他の出入
口がない)
第 21
誘導灯及び誘導標識
(イ)直通階段の出入口(附室がある場合は当該附室の出入口)
(第 21-8図参照)
矢印付き
↑
おおむね
5m以内
(この間に
他の出入
階段
口がない)
(a)
(c)
(b)
第 21-8図
(ウ)前(ア)又は(イ)に掲げる避難口に通ずる廊下又は通路に通ずる出入口
(第 21-9図参照)
(a)
(b)
第 21-9図
(エ)前(ア)又は(イ)に掲げる避難口に通ずる廊下又は通路に設ける防火戸で
直接手で開くことができるもの(くぐり戸付の防火シャッターを含む。
)があ
る場所(自動火災報知設備の感知器の作動と連動して閉鎖する防火戸に誘導標
識が設けられ、かつ、当該誘導標識を識別することができる照度が確保される
ように非常用の照明装置が設けられている場合を除く。
)
(第 21-10 図参照)
(b)
(a)
第 21-10(1)図
465
第4章
消防用設備等の技術基準
避難口誘導灯の設置が除外される例
常時開放式防火戸(平常時)
常時開放式防火戸(作動時)
第 21-10(2)図
(オ)階段室から避難階の廊下等への出入口。ただし、避難階において直接外部へ
川崎市運用基準
出る避難口である旨が容易に判断できる場合を除く。
(カ)エスカレーター区画内のくぐり戸
川崎市運用基準
(3)通路誘導灯
ア 廊下又は通路に設ける通路誘導灯は、次に掲げる箇所に設置すること。
(ア)曲り角(第 21-11 図参照)
第 21-11 図
(イ)前(2)ア(ア)及び(イ)に掲げる避難口に設置される避難口誘導灯の有
効範囲内の箇所(第 21-12 図参照)
第 21-12 図
(ウ)前(ア)
、
(イ)のほか、廊下又は通路の各部分(避難口誘導灯の有効範囲内
の部分を除く。
)を通路誘導灯の有効範囲内に包含するために必要な箇所
a 廊下又は通路の各部分への通路誘導灯の配置(第 21-13 図参照)
第 21-13 図
466
第 21
誘導灯及び誘導標識
b 避難口への廊下又は通路の各部分への通路誘導灯の配置(第 21-14 図参
照)
第 21-14 図
イ 階段又は傾斜路に設ける通路誘導灯にあっては、路面又は表面及び踊場の中心
線の照度が1ルクス以上となるように設けること。
(第 21-15 図参照)
中心線上で1ルクス以上
UP
第 21-15 図
DN
ウ (2)項ニ、(16)項イ、(16 の 2)項及び(16 の 3)項の防火対象物((16 項イ、(16
の 2)項及び(16 の 3)項の防火対象物にあっては、(2)項ニの防火対象物の用途に
供される部分に限る。
)に設ける通路誘導灯(階段及び傾斜路に設けるものを除く。
)
にあっては、床面又はその直近の避難上有効な箇所(床面からおおむね1m以内
の箇所)に設けること。ただし、次の(ア)又は(イ)の基準に該当する場合に
あっては、この限りではない。
(ア)蓄光式誘導標識を、次の基準により設置する場合
a 蓄光式誘導標識は、高輝度蓄光式誘導標識とすること。
b 床面又はその直近の箇所(床面からおおむね1m以内の箇所)に設けること。
c 廊下及び通路の各部分から一の蓄光式誘導標識までの歩行距離が 7.5m以
下となる箇所及び曲がり角に設けること。
d 性能を保持するために必要な照度が採光又は照明により確保されている箇
所に設けること。
なお、性能を保持するために必要な照度が確保されている箇所とは、通常
の照明が消灯してから 20 分間経過した後の蓄光式誘導標識の表示面におい
て、おおむね 100 ミリカンデラ/㎡以上の平均輝度となる照度が確保される
箇所をいう。この場合、一般的な蛍光灯による照明下において高輝度蓄光式
誘導標識が設けられており、当該個所における照度が 200 ルクス以上である
場合には、おおむね 100 ミリカンデラ/㎡以上の平均輝度となる照度が確保
される箇所とみなして差し支えないこと。
e 蓄光式誘導標識の周囲には、蓄光式誘導標識とまぎらわしい又は蓄光式誘
導標識を遮る広告物、掲示物等を設けないこと。
467
H22.4.9
消防予第 177 号
第4章
消防用設備等の技術基準
(イ)光を発する帯状の標示を設けることその他の方法により前(ア)と同等以上
の避難安全性が確保されている場合
「光を発する帯状の標示」としては、通路の床面や壁面に避難する方向に沿ってライ
ン状に標示を行うもの、階段等の踏面において端部の位置を示すよう標示を行うもの
等が想定されており、停電等により通常の照明が消灯してから 20 分間経過した後に
おける当該表面の平均輝度が、おおむね次式により求めた値を目安として確保される
ようにすること。
L´≧L
H22.4.9
消防予第 177 号
100
d´
L´:当該標示の表面における平均輝度(ミリカンデラ/㎡)
L :2(ミリカンデラ/㎡)
d´:当該標示の幅(㎜)
エ 床面に設ける通路誘導灯は、荷重により破壊されない強度を有するものである
こと。
(4)客席誘導灯
客席誘導灯の客席における照度は、客席内の通路の床面における水平面で、0.2
ルクス以上となるように設けること。
なお、客席を壁、床面等に機械的に収納できる構造のものにあっては、当該客席
の使用状態において、有効な照度を得られるように設けること。
(5)誘導標識(5(1)ア(イ)
、6(3)ウ(ア)及び 10(2)ウ(ア)に基づき
設置する蓄光式誘導標識を除く。
)
ア 誘導標識は、避難口である旨又は避難方向を明示した緑色の標識であり、多数
の者の目に触れやすい箇所に、避難上有効に設けること。
イ 避難口又は階段に設けるものを除き、各階ごとに、その廊下及び通路の各部分
から一の誘導標識までの歩行距離が 7.5 メートル以下となる箇所及び曲り角に設
けること。
ウ 多数の者の目に触れやすく、かつ、採光が識別上十分である箇所に設けること。
エ 誘導標識の周囲には、誘導標識とまぎらわしい又は誘導標識をさえぎる広告物、
掲示物等を設けないこと。
7 誘導灯の点灯・消灯
H11.9.21
(1)誘導灯の消灯対象
消防予第 245 号
ア 避難口誘導灯及び通路誘導灯(階段及び傾斜路に設けるものを除く。
)
常時点灯が原則であるが、次に掲げる場合であって、自動火災報知設備の感知
器の作動と連動して点灯し、かつ、当該場所の利用形態に応じて点灯するように
措置されているときは、消灯することができる。
(ア)当該対象物が無人である場合
ここでいう「無人」とは、当該防火対象物全体について、休業、休日、夜間
468
第 21
誘導灯及び誘導標識
等において定期的に人が存しない状態が繰返し継続されることをいうこと。こ
の場合において、防災センター要員、警備員等によって管理を行っている場合
も「無人」とみなすこと。
(イ)外光により避難口又は避難の方向が識別できる場所に設置する場合
ここでいう「外光」とは、自然光のことであり、当該場所には採光のための
十分な開口部が存する必要があること。また、消灯対象となるのは、外光によ
り避難口等を識別できる間に限られること。
(ウ)利用形態により特に暗さが必要である場所に設置する場合
通常予想される使用状態において、映像等による視覚効果、演出効果上、特
に暗さが必要な第 21-11 表の左欄に掲げる用途に供される場所であり、消灯対
象となるのは右欄に掲げる使用状態にある場合であること。
第 21-11 表
用
途
遊園地のアトラクション等の用途に供さ
れる部分(酒類、飲食の提供を伴うもの
を除く。
)など常時暗さが必要とされる場
所
使 用 状 態
当該部分における消灯は、
営業時間中に限り行
うことができるものであること。したがって、
清掃、点検等のため人が存する場合には、消灯
はできないものであること。
劇場、映画館、プラネタリウム、映画ス
タジオ等の用途に供される部分(酒類、
飲食の提供を伴うものを除く。
)など一定
時間継続して暗さが必要とされる場所
当該部分における消灯は、
映画館における上映
時間中、
劇場における上映中など当該部分が特
に暗さが必要とされる状態で使用されている
時間内に限り行うことができるものであるこ
と。
集会場等の用途に供される部分など一時 当該部分における消灯は、
催し物全体の中で特
的(数分程度)に暗さが必要とされる場 に暗さが必要とされる状態で使用されている
所
時間内に限り行うことができるものであるこ
と。
(エ)主として当該防火対象物の関係者及び関係者に雇用されている者の使用に供
する場所に設置する場合
ここでいう「当該防火対象物の関係者及び関係者に雇用されている者」とは、
当該防火防火対象物(特に避難経路)について熟知している者であり、通常出
入りしていないなど内部の状態に疎い者は含まれないこと。
また、令別表第1(5)項ロ、(7)項、(8)項、(9)項ロ及び(10)項から(15)項ま
でに掲げる防火対象物の用途に供される部分に限るものであること。
イ 通路誘導灯(階段及び傾斜路に設けるものに限る。
)
前(1)ア(ア)及び(イ)に掲げる場合にあっては、これらの例により消灯す
ることができる。
(2)誘導灯の点灯・消灯方法
ア 消灯方法
(ア)誘導灯の消灯は、手動で行う方式とすること。ただし、
「利用形態により特に
暗さが必要である場所」に設置する場合であって、当該必要性の観点から誘導
469
第4章
消防用設備等の技術基準
灯の消灯時間が最小限に設定されているときは、誘導灯の消灯を自動で行う方
式とすることができる。
(イ)個々の誘導灯ごとではなく、消灯対象ごとに、一括して消灯する方式とする
こと。
(ウ)
「利用形態により特に暗さが必要である場所」において誘導灯の消灯を行う場
合には、当該場所の利用者に対し、誘導灯が消灯されること、火災の際には誘
導灯が点灯すること、避難経路について、掲示、放送等によりあらかじめ周知
すること。
イ 点灯方法
自動火災報知設備の感知器の作動と連動して点灯し、かつ、当該場所の利用形
態に応じて点灯すること。
(ア)
「自動火災報知設備の感知器の作動と連動して点灯」する場合には、消灯して
いるすべての避難口誘導灯及び通路誘導灯を点灯すること。
(イ)
「当該場所の利用形態に応じて点灯」する場合には、誘導灯を消灯している場
所が前(1)の要件に適合しなくなったとき、自動又は手動により点灯すること。
この場合において、消灯対象ごとの点灯方法は第 21-12 表によること。
第 21-12 表
消灯対象
点灯方法
手動
防災センター要員、
警備員、宿直者等
により、当該場所
の利用形態に応じ
て、迅速かつ確実
に点灯することが
「外光により避難口又は避難の方向が識 ○照明器具連動装置 できる防火管理体
別できる場所」に設置する場合
○光電式自動点滅器 制が整備されてい
等
ること。
当該防火対象物が無人である場合
自動
○照明器具連動装置
○扉開放連動装置
○施錠連動装置
○赤外線センサー
等
「利用形態により特に暗さが必要である ○照明器具連動装置
場所」に設置する場合
○扉開放連動装置
等
「主として当該防火対象物の関係者及び ○照明器具連動装置
関係者に雇用されている者の使用に供す
等
る場所」に設置する場合
※1 当該場所の利用形態に応じた点灯方法としては、いずれかの方法を適宜選択する
こと。
※2 自動を選択した場合にあっても、点滅器を操作すること等により、手動でも点灯
できるものであること。
(3)配線等
ア 誘導灯を消灯している間においても、非常電源の蓄電池に常時充電することが
できる配線方式とすること。
イ 操作回路の配線は、規則第 12 条第1項第5号の規定の例によること。
470
第 21
誘導灯及び誘導標識
ウ 点灯又は消灯に使用する点滅器、開閉器等は、防災センター等に設けること。
ただし、
「利用形態により特に暗さが必要である場所」に設置する場合には、防
災センター等のほか、当該場所を見とおすことができる場所又はその付近に設け
ることができる。
エ 点灯又は消灯に使用する点滅器、開閉器等には、その旨を表示すること。
8 誘導灯に設ける点滅機能又は音声誘導機能
H11.9.21
(1)設置箇所
消防予第 245 号
ア 規則第 28 条の3第3項第1号イ又はロに掲げる避難口に設置する避難口誘導灯
以外の誘導灯には、点滅機能又は音声誘導機能を設けてはならない。
イ 点滅機能又は音声誘導機能を有する誘導灯は、次の防火対象物又はその部分に
設置することが望ましい。
(ア)令別表第1(6)項ロ、ハ及びニに掲げる防火対象物のうち視力又は聴力の弱い
者が出入りするもので、これらの者の避難経路となる部分
(イ)百貨店、旅館、病院、地下街その他不特定多数の者が出入りする防火対象物
で雑踏、照明・看板等により誘導灯の視認性が低下するおそれのある部分
(ウ)その他これらの機能により積極的に避難誘導する必要性が高いと認められる
部分
(2)起動・停止方法
ア 起動方法
感知器からの火災信号のほか、自動火災報知設備の受信機が火災表示を行う要
件(中継器からの火災表示信号、発信機からの火災信号等)と連動して点滅機能
及び音声誘導機能が起動するものであること。
イ 規則第 24 条第5号ハに掲げる防火対象物又はその部分においては、地区音響
装置の鳴動範囲(区分鳴動・全区域鳴動)について、点滅機能及び音声誘導機能
を起動することができるものとすること。
ウ 音声により警報を発する自動火災報知設備又は放送設備が設置されている防火
対象物又はその部分においては、点滅機能及び音声誘導機能の起動のタイミング
は、火災警報又は火災放送と整合を図ること。
(3)停止方法
ア 避難口から避難する方向に設けられている自動火災報知設備の感知器が作動し
たときは、当該避難口に設けられた誘導灯の点滅及び音声誘導が停止すること。
この場合において、当該要件に該当するケースとしては、直通階段に設けら
れている煙感知器の作動により、当該直通階段(又はその附室)に設けられた
避難口誘導灯の点滅及び音声誘導が停止すること等が、主に想定されるもので
あること。
471
第4章
消防用設備等の技術基準
イ 音声により警報を発する自動火災報知設備又は放送設備により火災警報又は火
災放送が行われているときは、誘導灯の音声誘導が停止するよう措置すること。
ただし、誘導灯の設置位置、音圧レベルを調整する等により、火災警報又は火
災放送の内容伝達が困難若しくは不十分となるおそれのない場合にあっては、こ
の限りでない。
9 電源及び配線
(1)電源は蓄電池又は交流低圧屋内幹線から他の配線を分岐させずにとること。
(2)電源の開閉器には、誘導灯用である旨の表示(白地に赤文字)をすること。
(3)電源からの配線は、配電盤又は分電盤から専用回路とし、途中に開閉器又は点滅
器等(前7(1)に掲げる誘導灯の消灯対象を除く。
)を設けないこと。
(4)常用電源からの専用回路は、2以上の階(小規模の防火対象物を除く。
)にわた
川崎市運用基準
らないこと。ただし、階段通路誘導灯にあっては各階段系統ごととすることができ
る。
(5)非常電源と常用電源との切替装置及び常用電源の停電検出装置の取付場所は、原
則として誘導灯回路を分岐している分電盤、配電盤又は各誘導灯器具内とする。
ただし、切替装置を内蔵する浮動充電方式の蓄電池を用いるものにあっては、こ
れによらないことができる。
(6)誘導灯の常用電源回路には、地絡により電路を遮断する装置を設けないこと(非
常電源を別置型の蓄電池設備又は自家発電設備とする場合に限る。
)
。
(7)誘導灯の口出線と屋内配線は、直接接続すること。
10 非常電源
第 30 非常電源の基準によるほか、次によること。
(1)非常電源は、直交変換装置を有しない蓄電池設備によるものとし、その容量を誘
導灯を有効に 20 分間作動できる容量以上とすること。
(2)大規模・高層等の防火対象物の主要な避難経路に設けるものについては、非常電
源の容量を 60 分間以上とすること。ただし、次のウに定める基準に該当する蓄光式
誘導標識等が設けられている防火対象物又はその部分にあっては、通路誘導灯の容
量を 20 分間以上とすることができる。
ア 大規模・高層等の防火対象物とは、次に掲げる防火対象物をいう。
H11.3.17
(ア)令別表第1(1)項から(16)項までに掲げる防火対象物で、次のいずれかを満た 消防庁告示第2号
すもの
a 延べ面積 50000 ㎡以上
b 地階を除く階数が 15 以上であり、かつ、延面積 30000 ㎡以上
(イ)令別表第1(16 の 2)項に掲げる防火対象物で、延面積 1000 ㎡以上
イ 主要な避難経路とは、次に掲げるものをいう。
472
第 21
誘導灯及び誘導標識
(ア)屋内から直接地上へ通ずる出入口(附室が設けられている場合にあっては、
当該附室の出入口)
(イ)直通階段の出入口(附室が設けられている場合にあっては、当該附室の出入口)
(ウ)避難階の廊下及び通路(前(ア)の避難口に通ずるものに限る。
)
(エ)直通階段
ウ 通路誘導灯の非常電源の容量を 20 分以上とすることができる基準は、次の(ア)
又は(イ)によること。
(ア)蓄光式誘導標識を設ける場合
a 蓄光式誘導標識は、高輝度蓄光式誘導標識とすること。
b 床面又はその直近の箇所(床面からおおむね1m以内の箇所)に設けること。
c 廊下及び通路の各部分から一の蓄光式誘導標識までの歩行距離が 7.5m以
下となる箇所及び曲がり角に設けること。
d 性能を保持するために必要な照度が採光又は照明により確保されている箇
所に設けること。
なお、性能を保持するために必要な照度が確保されている箇所とは、通常
H22.4.9
消防予第 177 号
の照明が消灯してから 60 分間経過した後の蓄光式誘導標識の表示面において、
おおむね 75 ミリカンデラ/㎡以上の平均輝度となる照度が確保される箇所を
いう。
e 蓄光式誘導標識の周囲には、蓄光式誘導標識とまぎらわしい又は蓄光式誘
導標識を遮る広告物、掲示物等を設けないこと。
(イ)光を発する帯状の標識を設けることその他の方法により前(ア)と同等以上
の避難安全性が確保されている場合
「光を発する帯状の標示」としては、通路の床面や壁面に避難する方向に沿ってライ
ン状に標示を行うもの、階段等の踏面において端部の位置を示すよう標示を行うもの
等が想定されており、停電等により通常の照明が消灯してから 60 分間経過した後に
おける当該表面の平均輝度が、おおむね次式により求めた値を目安として確保される
ようにすること。
L´≧L
100
d´
L´:当該標示の表面における平均輝度(ミリカンデラ/㎡)
L :2(ミリカンデラ/㎡)
d´:当該標示の幅(㎜)
エ 非常電源の容量を 60 分間以上とする場合、20 分間を超える時間における作動
に係る容量にあっては、直交変換装置を有する蓄電池設備、自家発電設備又は燃
料電池設備によることができる。この場合において、電源の切り替えが円滑に行
われるように措置すること。
(3)非常電源の容量は、誘導灯に設ける点滅機能及び音声誘導機能についても含むも
のであること。
473
H22.4.9
消防予第 177 号
第4章
消防用設備等の技術基準
11 総合操作盤
第 29 総合操作盤を準用すること。
12 特例基準
特例申請は省略
(1)誘導灯を設置しないことができる防火対象物又はその部分
ア 延面積が 50 ㎡以下の小規模な防火対象物
イ 令別表第1に掲げる防火対象物のうち、個人の住居の用途に供される部分
ウ 令別表第1(5)項イに掲げる防火対象物の用途に供される部分の宿泊室
エ 常時無人(無人状態を含む。
)となっている防火対象物又はその部分
(2)避難口誘導灯を設置しないことができる防火対象物又はその部分
ア 地階、無窓階で避難口誘導灯を設置しないことができる主要な避難口
特例申請は省略
(第 21-16 図参照)
(ア)避難階にあっては、居室の各部分から規則第 28 条の3第3項第1号イの避
難口を容易に見とおし、識別することができ、かつ、歩行距離が 10m以下の当
該避難口
(イ)避難階以外の階にあっては、居室の各部分から規則第 28 条の3第3項第1号
ロの避難口を容易に見とおし、識別することができ、かつ、当該避難口に至る
歩行距離が5m以下の当該避難口
主要な避難口を容易に見とお
主要な避難口を容易に見とお
し、かつ、識別できる。
し、かつ、識別できる。
10m以下
主要な避難口
5m以下
主要な避難口
避難口誘導灯の設
10m以下
(避難階)
5m以下
避難口誘導灯の設
できる。
置をしないことが
できる。
置をしないことが
(避難階以外の階)
第 21-16 図
(ウ)令別表第1(5)項ロに掲げる防火対象物又はその部分のエントランスホール
(廊下等に接続されたエントランスホールの場合は、開放廊下等に接続された
ものに限る。
)で、当該エントランスホールから容易に避難することができる規
則第 28 条の3第3項第1号イの避難口
イ 開放式廊下等に接続された規則第 28 条の3第3項第1号ロの避難口(第 21-
17 図参照)
避難口誘導灯を設置しないことができる。
開 放 廊 下
第 21-17 図
474
特例申請は省略
第 21
誘導灯及び誘導標識
ウ 避難口が近接(おおむね5m以内)して2以上ある場合で、その1つの避難口
特例申請は省略
に設けた誘導灯の灯火により容易に識別することができる他の避難口
エ 令別表第1に掲げる防火対象物のうち冷凍室等の用に供される部分で、次のい
ずれかに適合する当該冷凍室等の避難口
(ア)冷凍室等の各部分から直近の出入口までの歩行距離が 30m以下のもの
(イ)出入口であることが識別することができる表示及び緑色の灯火が当該出入口
に設けられており、かつ、冷凍室等の作業に使用する運搬車等に付置された照
明装置により十分な照度を得ることができるもの
(3)通路誘導灯を設置しないことができる防火対象物又はその部分
ア 前5(1)ア(イ)の規定により避難口誘導灯を省略できる居室内
特例申請は省略
イ 開放式廊下等
特例申請は省略
ウ 客席誘導灯を設けた居室内通路のうち、当該客席誘導灯の有効な部分
特例申請は省略
エ 令別表第1に掲げる防火対象物のうち冷凍室等の用に供される部分で、冷凍室
等の内部の通路が整然と確保され、かつ、避難上十分な照度を有しているもの
オ 屋外階段又は開放階段
特例申請は省略
カ 非特定防火対象物の階段のうち、3層以上連続して設置規制を受ける部分を有
特例申請は省略
する階段以外のもの
(4)客席誘導灯を設置しないことができる防火対象物又はその部分
ア 外光等により避難上有効な照度が得られる屋外観覧場等の客席部分
特例申請は省略
イ 避難口誘導灯により必要照度が得られる客席部分
(5)主として当該防火対象物の関係者及び関係者に雇用されている者の使用に供する
特例申請は省略
場所に誘導灯を設置する場合には、その区分をA級、B級又はC級とすることがで
きる。
(6)5(1)に規定する誘導灯の設置を要しない防火対象物又はその部分、若しくは
特例基準により誘導灯を設置しないことができる防火対象物又はその部分には、誘
導標識を設置しないことができる。
475
特例申請は省略
Fly UP