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雪洞の天井を支える梁にかかる力

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雪洞の天井を支える梁にかかる力
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雪洞の天井を支える梁にかかる力
大浦, 浩文
低温科學. 物理篇 = Low temperature science. Series A,
Physical sciences, 16: 55-71
1957-12-13
DOI
Doc URL
http://hdl.handle.net/2115/17929
Right
Type
bulletin
Additional
Information
File
Information
16_p55-71.pdf
Instructions for use
Hokkaido University Collection of Scholarly and Academic Papers : HUSCAP
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SnowC
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. LowTemperatureS
雲洞の天井を支える梁にかかる力株
大 浦 浩 文
(低温科学研究所応用物理学部門)
(昭和 3
2年
7
1
1受理)
1.まえがき
この実験は北海道雨竜郡にある北海道大学演習林母子旦看守所の前庭に於いて,昭和 3
2
年 2月 2
0日から 2
8日までに亘って行なわれたものである。深さ約 2m17cmの積雪に地面に
まで述ーする広い縦穴を掘って,穴の壁の下部に水平方向の雪洞を作った。雪洞の大きさは間口
約 1m,高さ約 1m,奥行 2m70cmで床 l
土地面i
である。
したがって雪洞の天井の厚さは 1 m
17cmであるが,この天井を奥行に平行な 1本の梁につよて支えた。はじめ,この:誌を天井に
当てて,
ジャッキで押上げたところ,
主廷にかかる力は緩和して減少していったが,
途中から
こc そこで再びジャッキで梁を押上げて梁に
逆に増加しはじめ,ある一定値に漸近的に落着し、 f
かかるカの緩和減少してゆくところを観測した。こんどの力は単調に減少しほぽもとの一定値
に主廷にかかる力が 5
1
2になるまで梁を下げておいて,時聞が経つにつれて梁にだ
にもどった。次 l
んだんカがかかつてゆくのを観測した。こうして梁にかかる力が時間とともに増加,或いは減
少してゆく様子をしらべ,その結果から各実験毎のカの緩和スペクトノレを求めた。スペクトノレ
分布は実験毎に異なっていて,それぞれ特徴を持っていたが,これ等を統一して同」の模型に
よって説明することを試みた。
1
1
. 積雲の拭態
観測をはじめた頃及び終了する頃の積雪の状態を表わすものとして 2月 2
0日及び 2
7日に
縦穴の壁の高さに沿うて測定した雪の温度,
0日に測定した
密度を第 1図 に 示 し て あ る 。 又 2
抗張力,抗努力,硬度(抗張力,抗努力,硬度は黒田の方法によって求めた)を第 2図に示し
てある。はじめ積雪深は 2m 17cm
,積雪水量 670mmであったが.この上に 2
2日夕方 17時
から 2
7日までに深さ 30cm,水量 3
7
.
6m mの雪が積った。
その中,下層の深さ 2
0
.
7cmの部
, 2
5日 1
0時 30分 ま で に 降 っ た も の で , 上 層 の 深 さ 9.3cm,水量 8
.
6
分の雪は水量 29mmで
m mの積雪はその後のものである。このように新しく積った新層を上層と下層とに分割して観
測できたのは, 2
2日 1
7時頃と, 25日 10時 30分とに霧吹きで霧状にしたインクを雪面上に t
散
布して層の途中に目印をつけておいたからである。観測開始 2
2日以後の新しい積雪としては,
後 北 海 道 大 学 低 温 科 学 研 究 所 業 績 第 371号
低温科学物理篇第1
6輯 昭 和 32年
大
浦
文
浩
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5
6
dyne.min・
/cm'
一τo/crr
干.
第 2図 いろいろな高・さにおける積雪の硬度,抗張力
抗努力(以上は黒田の方法による)及ぴ縦粘度
第 1図 地 面 か ら 積 雪 表 面 ま で の
温度及び密度の分布
これだけあった。しかしこの 30cmにも及ぶ新雪層が加わったにもかかわらず,観測終了前日
の2
7日の積雪深は 2
2日のものとほとんど同じで, 5cmの 増 加 が み と め ら れ た に す ぎ な か っ
た。積雪はそのとに積った雪の目方のために圧縮され,体1't~を減じ,沈降するからである。一
定質量の積雪について体積の減少の割合は,密度の増加の割合に等しい。したがって積雪を構
成する各層について 2
0日から 2
7日までの聞にどれだけ密度が増加したかを測定することによ
って.圧縮の場合の粘性係数,すなわち縦粘度 ηを求めることができる。第 2図の右の[:!Dはこ
うして得られた縦粘度と深さとの関係を示している。万は積雪表面で最も小さく 1
06dynem
i
n
/
2
9
2
cm
の程度で,深さ 1mでは 1
0
dyneminjcm
程度に増大する。縦穴の壁による積雪断耐の
観察によれば,地上 1m16cmから 1m26cm位までの聞に薄い氷板が 5-6枚 あ っ た 。 又 1
m32cm-34cmのところと 1m 3
8cm-39cmのところとにぎらめ雪の層がみられた。
I
II
. 観測装置
第 3図の写真が観測装置の全ぽうである。雪洞の大きさは,人口の高さ約 1m
,間口約 1
ロ1,奥 行 2m 70cmで,雪洞の奥行に平行な梁によって雪洞の天井の中央を支えるようになっ
,厚さ 5cmの 楢 材 で , 長 さ は 約 1m60cmであるが 1本の続いたもの
ている。 梁は幅lOcm
,
'
,
,~
ei
向の天井を支える梁にかかるカ
5
7
ではない。梁は中央で切断されていて,切断部分はチャ
シネノレ型の鉄板にはまっている。そして;誌の両端は 3寸
5分の角柱で支えてあるので梁はその両端を一定の高さ
に保たれつつそのじt
:
l欠 は 上 下 に 自 由 に 動 け る わ け で あ
i
f
j
ji
!
i
lの角 H
:
lヱ支点の役をする
る。上下運動に対して梁の i
ので角柱の上端耐には鉄のアジグノレを取りつけて丈夫に
5るところ
した。又梁の両端部の下回, このアシグノレに 3
にも鉄板を取り付けた。
梁の中央のチャシネノレ ~i'~ の鉄板は環状力計の頭部で
支えられしている。したがって梁の全長に瓦って一様な荷
重が掛った場合, l~~ 状力計によってその半分の憶が測ら
れることになる。!JR:の両立;
iの支点間の距離は 1m50cm
であるから長さ 75cmの 梁 に 掛 る 荷 重 が 測 定 さ れ る わ
けである。
J
l
iY
;
f
i
jを支えている 2つの角柱,及び環状力計は
梁の i
第 3図 綴 測 装 置
それぞれ,角材で組立てた木の台の上に来1:tk 3つのジャッキの上に立ててある。ジャッキの
下には罰騒の広い j
字さ約 3mmの鉄 j
授を抜いて,ジャッキに力ボかかったときにジャッキの底
に蚊きつめた二重の数き t
Jiの上に誼い
がボの中にめり込むのを防いだ。またこの木の台も地柄I
討を平らにしたうえ,厚さ 1寸 5分,幅 8寸,長
て地面にめり込むのを防いだ.すなわち,地 i
ミ4寸の板 3枚をまず主洞の奥行に平行に並べ,その中央部と両端とにおなじ厚さの板を
さ 6)
直角に横たえ,その上に木の台をほいたのである。
内の j
品[支が外気の急激な変動のえいきょうを受けないようにするため,入口に l
土木の
蓋を二重に施した。 2枚の濯の問 i
涼は 25cmである。
t
.2 トンまで i
i
U
Jり得るものであって , 1
/
1
0
0m mの締みボ約 8
.
3kgI
こ相当する。
環状力計 l
梁を押し上げるのにもE
ったジャッキは , j
三
jねじによって持ち上げる建築!刊のジャッキで,長時
間 力 が 掛 っ て も 縮 む は な い 。 ね じ の ピ ッ チ は 12mmであった。
I
V
. 観測結果
以上の装置により, J
手さ,横悩ともに約 1mのでi
:i同の犬 )1 づ ~fゑを押さげようとするカが観
測されたわけであるが,
i
l
見出脱出品の大穏に出 4悶によって知ることがでまる。第 4[
設には,カ
計にかかる力 F の時間j的変化の他に,外気温度や,
雪i
f
i
Jの壁の地酷から 60cmのところの温
度も開示してある。
まえおきにも記したように
キで押し上げて,
2月 2
2F
Iに先ず 5
3洞の天 )
1
:の中央に押しつけた梁をジャッ
カ計が 2
5
0kgに相当する日盛を示すまで緊めつけた。
力はジャッキを緊め
終った瞬間から急、激に減少しはじめ, 5分後にはふ 1
9
6kgまで減った。力の減り方 l
士時間が経つ
大浦治文
5
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22
1957
第 4図
23
24
25
26
28
27
」ー
2月 22日から 28日まで,観測された梁にかかる力 F の時間的変化
及び気温.雪洞温(高さ 60cmの壁の温度)の変化
にしたがってゆるやかになり, 2時間後には 162kgになってこのまま落着くようにみえた。と
こ ろ が , や が て カ は 増 加 し は じ め , 約 207kgの値まで漸近的に増加して,
4時間後の 2
3日正午にはほぼ 207kgにまで達した。
ら約 2
実験をはじめてか
この実験を後の記述に便利なよう
に実験 A と呼び,このときの力の変化を示す曲線を曲線 A と名付けることにする e
実 験 A にひきつづいて,
実 験 Bを 2
4日に行なったロ
500kgを示すまで雪の天井を押しあげたところ,
ジャッキを締めて,
力計の目盛カ2
実 験 A のばあいとちがって力はただ単調に
2
7kgに漸近的に近づいた。その後は気温の変動のえいきょうを調べるために 2
減少を続け, 2
日間ほどそのままに放置しておいた。 2
6日までは気温の変動も小さく,カも一定値を示してい
たが, 2
6日の晩から 2
7日 の 朝 に か け て 気 温 が 急 激 に 下 る と 同 時 に 力 は 急 に 増 加 し は じ め た
(曲線 E)
。 こ の こ と か ら み て も , 実 験 A の後,実験 B をはじめる直前にみられた力の増加(曲
線
D
)も,実験 A の 結 果 と し て あ ら わ れ た の で は な し
その時の気温の低下によるものとづき
えられる。
2
7日にジャッキを緩めてカ計の示す力が零になるまで梁を下げた。天井は次第に下って圧
力 を 増 し , 力 計 の 示 す 力 は 実 験 B のらとに続いずこ一定値 227kgに漸近的に増加するような傾
5
9
雪洞の天井を支える梁にかかる力
向をみせた。但し,その翌日の 2
8日で観測の予定日数が尽きて,実験をやめねばならなかっ
たので,
カはその後果して 277kgに達したかどうかを見とどけていない。
この最後の実験を
実験 C と名づけ,そのカの増加曲線を曲線 C と呼ぶことにする。
(
1
) 梁にかかる力の大きさ
曲線 A,曲線 B の漸近線は 207kg或いは 227kgであるが,この大きさは,どのくらいの
範囲の雪の重量に相当するであろうか。雪洞の天井から積雪の表面までの積雪水量は 255mm
すなわち天井の面積 1m"当り 225kgである。若し雪 j
同の雪の壁がしっかりした国体であれば
天井の上に積った雪の重さの半分が梁にかかる筈である。
雪洞の l
揺は 0.97m
,梁の長さは1.5
.
9
5x1
.5=
1
.4
5mヨで,
m であるから梁の受もつ天井の面積は 0
2
これに 1m あたりの雪の重さ
255kgをかけたものの半分 1
8
6kgが梁にかかる雪の重さとなる。そしてそれの更に半分の 9
3
kgが力計に現われる筈である。しかるに力計には 207kgとゅうそれの 2倍以との力が現われ
た。これは積雪全体の沈降現象のため雪洞の壁が沈降を起し,雪洞の天井のまうえにある雪の
重さのみでなく,そのまわりに広がっている雪の重さまでも梁にかかってきたためと考えられ
る。このまわりの雪の重さが梁にかかる状態は,この実験の期間中,大ぎな変化がなかったと
思われる o それは, 2
3日に測定された 207kgと ゅ う 値 は , 天 井 の ま う え に 積 っ た 雪 の 重 さ
1
8
6kgの 1
.
1倍 で ら り , そ の 後 2
5日
ま で の 降 雪 約 25mmのために 20kg
(
2
2
7kg-207k
g
)増加したが,
この値
8kg
は天井のまうえの降雪量の重さ 1
の1.1倍で,
その割合が前と等しいこ
とから推論できる。
(
2
) 曲車泉 B の実験式
曲線
A,B,Cのうち曲線 Bがい
ちばん擾乱をうけていないようであ
る
。
それでま子曲線 B の 実 験 式 を 求
めよう。第 4図のままでは,時聞の単
250
位が粗すぎて詳細がよくわからないの
で,第 5図に,時間の単位を小さない
ろいろな値をとって曲車楽 B を示し?と。
この図の点は実測値で,実線は次の式
200
第 5図
時間の単位をいろいろに変えて表現した曲線 B
o
黒丸は測定値,実線は実験式 2
2
1十 279e
xp{ー(
t
!
6
0
.
7
)
(
)
.制}
をあらわす。
を表わす曲線である。
F= [
2
2
1+2
7
9exp{
ー(
t
I
6
0
.
7
)
川 崎}
]kg
(
1
)
但し,この式の tは分単位で表わされた時間で Fは kg単 位 で 表 わ さ れ た 力 で あ る 。 実 測 値
と曲線とはかなりよく一致している。
(
3
) 曲線 C の実験式
大
6
0
1
甫浩文
(
1
)式に於いて,時間的変化をあらわしているのは右辺第 2項の複雑な指数函数である。
この函数は外力を陽に含んでいない次元のない量であるから,この実駄における力学的構造に
固有のものであると考えられる。実験 C は実験 B と較べると均合の値約 230kgを中心にして
丁度同じ程度の六きさの力を逆向きに作用させたことに相当する。したがって,力の時間的変
1
)式と同じ型の函数によって表現されそうである。
化をあらわす部分は (
1
)式のような複雑な式を必要とせず,
実験式としては (
緩和函数
しかるに, i
r
l
J
線 Cの
唯一つの緩和時間 1
76分を持つ簡単な
F =227-220exp(
t
j
1
7
6
)
(2)
によって表現される。
V
.
実験式の解析
前節の (
1
)式で表わされる現象も (
2
)式で表わされる現象も共に力の緩和現象である。しか
2
)式は簡単な緩和函数である。このことから (
1
)式の複雑な指数函数は,実際はいろいろ
るに (
な緩和時聞を持った緩和函数の和
F= L
;aiexp(-th)
によって表現されるべきものではないかと芳えられる。
(3)
ここで,
多くの緩和時間乃は観測の
こ雪に個有のものであるが,係数 α
eの方 l
主力の掛け方など,外部から雪に加えられ
対象とし f
る作用によって定まるものである。
たとえば過去に受げた力の歴史によって,ある係数ぬ('i
正であるのに他の係数 ak(士負となって,曲線 A のような曲線を表わすこともあるであろうし
又特定の係数的だけが有限な値をとり,他の係数は非常に小さいか零となって,曲線 C のよ
うな単純な曲線をあらわすこともあるであろう。
3
)式の形で表現できるものと仮定して,曲線毎に係数 α
tを求め
そこで曲線 A,B,C は (
てみた。正確な値を求めることは困難であるが,次のような方法で近似的な値なら求めること
ができる o
(
3
)式を l
o
gt(
tの常用対叡)で微分すると
dF
一一一一一 = L
;2
.
3偽 exp(
t
j
τ
包)
x(-tj
η)
d(
logt
)
(4)
となる。この式の各項の函数 f
(
t
/
'
i
)は
fV/ロ)= 2
.
3exp(
t
l
ロ)
x(-tj
ロ)
=c
;
o(
l
o
gt-Iog'l'i
)
(5)
の形にかかれるが , I
f
l は t=ロで短大値を示し ,tの値がれから主):Q程度離れるとほとんど
零になる。
こ の 関 係 を 例 示 す る た め に F=exp(ーのとして -dF/d(
l
o
gt
)
=-f
(
t
/
1
)
=-c
;
o(
l
o
g
t
ーl
o
g1
)
=
2
.
3texp(
t
)と.
l
o
gtとの関係を第 6図に示した。
このばあいの緩和時聞で は 1で
htl1)の最大値は t=lでおこり,その値は 0
.
8
4
7である。そして ti')' 1からへだ
あるから , ホこれば,
その値は次第に減少して零に近づく。
f
(
t
/
η)
そして,任意の緩和時間 η に対する -
6
1
雪洞の天井を支える梁にかかる力
は, l
(
t
/
r
i
)
=
9
(
!
o
g
t !
o
gロ)の関係からわ
'.0
←
かるように,
れば,
e
-t
横軸に !
o
gtをとって表現す
-1(t/1)のグラブをそのまま横軸に
O
g
'
iだけずらせて得られる。
沿うて !
o・
5
以上のことから次のことが云われる。
実 験 に よ っ て 得 ら れ た F の値から FI=
d
F
/
d(
lo
gt
)を求め,
それと l
o
gtとの関係
0.01
t
i
'
を表わす曲線を書いた場合,もし t
= の
第
'
iは雪に固有な緩和時間のひとつであり,
(
F
〆<
0で は !
P
jの山)がでたら
ところに山
10
6 図
それ
.は あ る 有 限 の 値 を 持 っ て い る 。 そ し て そ の a
iの値は,その山の高さ b
.
に対応する係数 a
(Pく Oで は ん く 0
)のー 1
j
O
.
8
4
7倍によって与えられる。こうして F
Iの曲線から得られたん,
'
iをつかって F は
F =a
.exp(
t
/
ロ)
として表現できる。若し , F
Iが幾つかの山の和
(6)
L
ibd(tjη)で表現されるときには各々の山に
つ い て 極 大 値 ん と 極 大 値 を 与 え る Iの 値 日 と が わ か る か ら F は
F =L
i一 (b.jO.847)exp(-tjη)
(7)
として表現される a
第 7図 (
a
),(
b
),(
c
)はそれぞれ実験, A,B,C について , F と P =d
F
/
d(
l
o
gt
) とを l
o
g
tに
,B
',C
'が F を表わす。
対して示したグラフである。実線 A,B,C が F,実 線 A'
まずいちばん簡単な曲線 C の場合を考察しよう。
第 7図の F二 すなわち
d
F
j
d
(
l
o
gt
)の
曲線の形が,第 6図の -d
e
'/
d(
l
o
gt
)の曲線に非常に似ていることが目につくであろう。第 6
図の曲線では t
=1で極大がおこっているが,
この極大のおこるところを 1
9
0minの点にあわ
せ , 山 の 頂 の 高 さ が だ い た い 一 致 す る よ う に 縦 方 向 に 伸 ば し て 第 6図の曲線を第 7図 (
c
)にう
つして書いたのが点線の曲線である。
ご2lF--
。
句
_
.
、
、
、
0
.
.
.
.
。
、
w
(
a
.)
n
IA
判。O~,,-ì"O.ooo~!?-o.o-=O_n
200
1.
1
.
1
1
l
.
d
.
0
0
0
。
¥ . / 0 1 1F
。
¥
。
_
0
"
"
"
- 1
_ 1
.
,
--0..0_ _ _ _
ー_10 _ _ _ 0 " ' - /i) I
1
50
150
。
0.1
100
z
-50
50
第 7図 (
a
) 実験
A,B,Cに お け る カ F及 ぴ F
Y=
d
F
/
d(
l
o
gt
)と l
o
g
tとの関係
6
2
大浦治文
500
(
b
)
F-
k
g
九00
1000 f
f
i
m
D
-50
F
'
(00
k9
第 7図 (
b
)
FF
'
'c)
1
1
200
¥
9
。
。
τ
.
100
第 7図 (
c
)
実際の曲線c'は多少波をうっているが,全体として点線の!曲線とよく一致している。
たがって,
し
実験 C に於いては雪の力 F は単一な緩和時間 190minをもって緩和したと考えて
よいであろう。このことは,まえに第
IV節 (
3
)で実験 Cに関して実験式 (
2
)が導かれたことと
こだ実験式では緩和時聞が 1
7
6minとなっている。
全く一致している。 T
は非常に近い値である。
しかし, 1
7
6と 1
9
0と
9
0minであると考え,それを
それで,実験 Cでの緩和時聞は 1
'
4で
6
3
雪洞の天井を支える梁にかかる力
あらわすことにする。
第 7図 (
b
)の実験 B のばあいには FIは負であるが,
これは力の作用する方向が実験 C の
ばあいと逆であったことによるにすぎない。それで,以下,この図を上から下の方向に見るこ
ととし,たとえば曲線が下の方に凸になっているとすれば,それを谷と呼ばないで山と呼ぶこ
とにする。
F'を表わす曲線 B
'は
, うねっていていくつかの山をもっている。 そして,最も右の山は
ロニ 190minの所にある。
これは,実験 Cで緩和時間として見出されたものである。したがっ
て,このむが観測した雪のもっている緩和時間のひとつであることに疑いの余地はないであ
ろ う 。 つ ぎ に 1=18minのところにかなり急峻な山がある。
したがって
18minがひとつの
綬
不
'
1
1
時間である確率が大きい。ところで,第 7図 (
a
)の実験 A の l
j
[
l
線を見ると,曲線A'も t=
18min附近に急、な山を現わしている。したがって 18minも綾和時間のひとつであるとゅう公
算が大きい。これを
'
3と名づけることにしよう。
i
i
J(
b
)の B〆は 1=2minの と こ ろ に な だ ら か な 山 を も っ て い る 。 し た が っ て こ
さらに第 7[
れもまた緩和時間のひとつであるらしい。しかし, r
'aに頂上をもっ高い山はこのあたりまで裾
e,t=2minの山の頂きは,その山が独立にあるばあいにくらべて右の方にず
をひいているの れているにちがいない。それで,この山のもととなった緩和機構の緩和時聞は 2minより短い
はずである。どれほど短いかは決定しかねるが
1minと採ると簡単であるからそれを 1min
とし,らと名づけよう。
'は図の左端で左の方にむかつて上昇している。
さらに曲線 B
も緩和時聞がありそうである。それを
した;J'って,
このあたりに
1
'とし,その値を O.lminときめる。
以上のようにして,全く確実とゅうわけではないが,観測した雪について 4個 の 緩 和 時 聞
を見出した。このほかにも緩和時聞があるかも知れないが,そのことは全く不明である。しか
1
匿の緩和時間で説明されるはず
し,とにかく,ここで行なった 3回の観測の結果はこれ等の 4
のものである。それで,曲線 A,B,C, 曲 線 A'
,B
',C
'は
,
上 に 決 定 し た 4悩 の 緩 和 時 間
'
i
を含む
A, B,C について
F = a +L
iaiexp(
1
/
τ
i
)
(8)
刃
A/,B
/,CIについて
F'=
L
i23ai(-I/'i)exp(-1/η)
,
(9)
の式で a
iを適当に定めたものによって表わされるはずである。
第 7岡山)には'fl
' '
2
'
T
:
:
), 'r.Jのところに頂とをもっ第
なじ形の山が 4つ破線で書いてある。
6図の -de-'/d(
lo
g1
,の 曲 線 と お
これがこの場合における
(
a
)式の右辺の各項を表わして
いる。 4つ の 倣 線 の 山 を 重 ね あ わ せ た の が 点 線 の 曲 線 で , こ れ が 実 線 で 表 わ さ れ た 曲 線 BIと
一致すべきものである。事実,両者はかなりよく一致していると見て£いであろう。
6
4
大浦治文
(
8
),(
9
)式の係数向は実験を行なうときのいろいろな条件で決定されるものである。 した
がって,行なわれた 3回の実験 A,B,C に於いて,ぬの値はそれぞれ違う。
つぎに, (
8
),
(
9
)式 が で き る だ け 実 測 値 と 一 致 す る よ う に 定 め た 向 の 値 を 第 1表に示す。
第 1表
仰の 1
直(単位 k
g
) 及ぴおを与える層の高さ柑
r
i
n
m
0
.
1min
18min
9
如O
r
宜
I帥
A
1
2
4
2
6
位2
一7戸
勾
2
1
07
B
2
0
4
1
9
6
1
2
6
2
2
7
C
0
0
0
-220
2
2
7
層の高さ地面より
(
c
m
)
層の厚さ
(
c
m
)
2
1ト 2
0
4
2
0日
7
0
1
7
0
ー1
3
2
1
3
2
ー1
0
0
(
2
1
7
1
7
3
)
(
1
7
3
ー1
5
7
)
(
15
7
ー1
2
7
)
(
1
2
7
ー1
0
0
)
1
3
34
(
4
4
)
(
16
)
I
3
8
3
2
(
3
0
)
(
2
7
)
後
r=700minとしたときの値。
柑 実 験 B の仰を用い,雪の開性係数 E について E田 ρ(或いは E民 ー 0
.
0
7十 p
)を仮定して計算し
た。但し, ρ は雪の密度。
V
I
. 模型による考察
以上のように雪が 4個の緩和機構から成立つていることがわかったわけであるが,その 4
1
凶は常に同じように働くわけではない。あるとぎはすべてが働き,あるときはそのうちのいく
っかは休止する。このことがどうして起るか,その機構について考
T
えてみよう。第 8図は観測法を簡略に表わしたものである。雪洞の
天井になっている部分 W の雪の重さを
p
.
5
Wo とすると,この部分はカ
w
;
0
5
. 靖
i
.
→Q
Q
計を具えた梁によって下から支えられるとともに,左右の PQ商 に
調
.
,Ii
t
U守│l
宮
おいて,まわりの雪 S との聞の勇断力によって吊り下げられている
と考えられる。この到断力は弾性力と粘性力との成分からなってい
る。第 2図の右側に示したように,雪の粘性係数万は積雪商からの
深さによって著しくちがっている。
第 8図 観 測 法 の 略 図
雪の天井の上層では可は 106dynemin/cm"程度であるの
に下層では 10リ dyneminjcm"程度へと 1000{きにも増加している。弾性係数 E の測定は行な
わなかったが,
雪の E についてはそれが 107dynemin/cm"程度でらり密度によって変化する
が,マのように桁が違うほどには変らないことが知られている九
したがって第 V 節で見出さ
れたように,雪洞の天井 W の緩和時間!"=可/
Eの値が 0.1分程度から 100分程度までにわたっ
ていることが了解されると同時に,短かい綬寸日時聞は W の上層部の雪から,
長い緩和時聞は
W の下層部の雪からくることがわかる。そこで,雪洞の天井の雪の状態を理想化して W は異
なった緩和時聞を有する 3つの層からなり,その各層はその両端において,ホ占弾性的な寓断力
6
5
雪洞の天井を支える梁にかかる力
によって積雪 Sによって支えられていると考える。実は 3つでなく 4
つの層にわけて考えるべきであるが,前節の最後にあけγニ表で司みられ
1は 小 さ い 値 な の で , 緩 和 時 間 引 の 緩 和 機 構 は あ ま
るように,係数 α
り利いていない。それで,簡単のためにそれを無視したのである ο 以
上のことを更に理想化すると,これを第 9図のような模型で表わすこ
とができる。すなわち,雪洞の夫井 W は 3個の Maxwell模型を並列
につないだものによって吊り下げられると同時に,下から梁で支えら
れているものと考えられる。このような模型で梁をと下させたとき,
梁にかかる力が増えたり減ったりする様子を調べればよい。前節では
第 9図 第 8図を理
想化した模型
4つの緩和l機構を見出し,それに緩和時間の短いものから 1
,2
,3
, 4と番号をつけた。 しか
,3,4としたものを改めて 1
,2
,:)と呼ぶ
し,今後はその第 1番目を無視するので,さきに 2
ことにする。~て ,
iによって, 1, 2, 3を代表し ,z番目の Maxwell模型の弾性係数を Ei>
粘 性 係 数 を % 歪 力 を の と す る 。 歪 カ は 張 力 を 正 , 圧 力 を 負 と す る 。 但 し , Maxwell模型の
E., "
l
/
i と第 8図 PQ面 に ら ら わ れ る 積 雪 の 弾 性 係 数 E,粘 性 係 数 可 と の 関 係 は , ロ を 与 え る
雪 の 層 が 地 面 か ら 測 っ て ん か ら ん 1 まであるとすれば,
ι
=
《一切,九
=
h
j
:
:
切であ
らわされる。但し , kは雪洞の形や大きさによってきまる常数である。
a
) 実験 A
これは最初の実験、で,雪洞を掘って梁を設置するまでにかなり手間どっ
た。それで模型の上では W が吊り下げられてから充分時聞が経づて, W は粘性的に降下を続
ける定常状態に達していたはずである。したがって W の 重 さ 叫 は 3つの Maxwell模型にそ
ω。
"
1
/
/Yの割合で分担されている。
3
(Y
, r;~WO!Y'
れ ぞ れ 引 ω。
但し Y=引+九十%である。ここ
で梁を雪の天井ーにあて,ジャッキで押しあげたわけであるが,
Wl の圧力で
のダッ
これを模型についていえば,
W を押しあげ,そのまま W を固定したことになる。押しゐげた瞬間には,模型
νュ ポ ツ r"1/1'
"
1
/
1
/
3 は動かない
2, "
ただスプリシグ Eぃ E
z,E
:
¥が同じ量だけ縮む。し
Q
"とすると,圧力 .
W
lは -E1wdZ, - E
dZ, - E
Zの割合で
たがって Z=El+Ez十E
3叫 /
2w
3つの模型のあいだに分配され,歪力
d
に関する初期条件として
t= 0での。=(可dY)ω。ー (E.
j
Z
)W l>
i= 1
,2
,3
(
1
0
)
がえられる。このあと各 Maxwell模 型 は 変 形 し な い ま ま , す な わ ち 歪 の 変 化 を 1
1
:1
6られたま
まそれぞれの緩和時聞に従って歪力を緩和し,無限大時間後には零になる。よく知られている
ように, Maxwell模型の歪力
の=向。 exp(
t
j
ロ)
d
の援和は
但 し 乃 = 哲 也/
E
.
(
1
1
)
によってあらわされる。故に染にかかる力 F は
F=ω。
-L]の
= Wo
-L
]{
(
"
I
/
.
jY
)W。ー (
E
i
j
Z
)W
l
}exp(
t
j
ロ)
(
1
2
)
6
6
大浦活文
によってあらわされる。この式はたしかに ,t=Oで F=Wl> t=∞ で F=w
o~ラ・える。
いま,
l
lによって
先に述べた担 r
甲1;r,>~ ;.れ= 1
;2
0
;300
E
j;
E~
;
E3= 1;
2;
3
と仮定し,実験 A の事実とあうように
W :Wo=
6
:5
とすると,
1
":
"
2:日=1:10:100
)
}
F= Wo{1+0.20exp(
t
j
"
I
)
+
0
.
3
4exp(
t
j
η
)ー 0
.
3
4exb(
t
/
.
.s
が符られる。
この式で,
小さいときには,右辺 tf~
右辺最後の1t
54項が負であることに注意を要する。
tの値う1むより
4~貝はほとんど常数と考えられ,山線の形は主として第 2 項,第 31頁
によって支配され,F は減少函数である。
は零に近づ~,
(
1
3
)
しかし , tが大きくなるにつれて,第 2項 s 第 3項
1
出線の形は第 4項に支配されてきて,減少函数から次第に増加函数へと変化し
終に Woに漸近的に近づく。
実験 A での梁にかかる力 F については,
急激に減少したあとし
ばらくたって増加に転じたのが特徴であ‘ったが,そのことがここに説明されたわけである。
b
) 実験 B
実験 B は
,
実験 A のあと染は雪の天井に押しつけて回定したまま長い時
間たってから行なったものである。したがって,
状態に於いて,
(
1
1
)式の tニ∞の状態,すなわち ,F=woの
十 Wj に増加して W を回定したことにあ
突然梁を押し上げて Fを ω。から ω。
たる。したがって,歪力 σに関する初期条件は
t=0 での。 =(-Ei/Z)W h
i=1
,2
,3
(
1
4
)
=
=
ー (EdZ)ω1exp(
t
/
1
:
1
,
)
(
1
4
)
となり,任意の時刻 tに対しては
di
F =Wo+~ 号
W1 叫 (-t/..1,)
(
16
)
となる。
(
1
6
)式の各項の係数;は,まえに仮定した E也の値を入れて計算するまでもなく,
すべて正
の値でちることがわかる。各項の大きさも同程度の大きさである。 Lたがって, 3つの緩和機
iの大き‘さ
構 は 同 程 度 に 働 し こ れ は ま さ に 曲 線 B の性質を表わしている。尚ここで,係数 a
について立入って考えてみよう。
i
i
で説明したように策 1表には実験 B における向の値が示されているが,
第 V官
これは
Eiに比例していると考えられる。いま,緩和時間の短い雪層は上層にJi:,り,緩和時聞の長い
雪層ほど下層にあるものと仮定し,又雪の弾性係数 E と密度 ρ との関係が Ecx-d+pである
と仮定すれば,
る
町
;
:
:
ー
は
州 町
E
dh
α
d
6
7
雪J
伺の天井を支える梁にかかる力
である。雪の密度は全層に Eって測定してあるから , aj聞の比率に従って P 点の高さ 100cm
から Q 点の高:さ 2
17cmまでの積分値 ¥ (-d十 ρ)dhを配分すれば,
ヒ 式 を 用 い PQ聞の層
~1 馴)
を 緩 和 時 間 別 に 分 け る こ と が で き る 。 第 1表には 2月 2
0日に断面測定をしたときの密度を用
し
、
,
d=Oとして得られたものを示してある。尚()の中には d=0.07としたときの値を示して
~る。
c
) 実験 C
ある。
これは実験 B のあとで梁をさげ, 梁にかかる力を ω。から零にした実験てず
したがって第 9図の模型について考えるかぎり, 実 験 C は7:こだ力を逆にとり ,W1=
-W
aとした点を除けば実験
B の場合と全く同じである。 それ故
F = wo:-2
:
;(EdZ)W(,
exp(-1"i)
となり,
(
1
7
)
本質的に (
1
6
)式と同じものが得ちれる。しかし,実験 C の場合には緩和時間'"';の機
構だけが働いたのであっ ,
て τ1> '"宮の機構はほとんど作用しなかった。この事実は (
1
7
)式と矛
v
盾する。しかし,このことは次のようにして説明できる。
実験 C では梁を下げ,梁にかかるカ F を零にしたのであるが,
く離れていた
J
染力三雪の天井からしばら
模型でも梁を下げすぎて W は梁と離れ, W が長時間 3つの Maxwell模型だ
けによって吊り下げられて降下した後,梁に接触してそこで固定されたと考えよう。すると,
d
に関する初期条件は実験 A の場合にも考えた椋に, W が固定された時を t=Oとすれば,
t= 0 で向。=(可';Y)ω。
任意の時間 tに於いて
F=ω。
{1-2
:
;(
可
包I
Y
)exp(-tI
'
i
)
}
となる。
(
1
8
)
上層で 1
G6dyne
(
1
8
)式 の 各 項 の 係 数 は % に 比 例 す る 。 曹 は 前 に も 述 べ た よ う に ,
min/cm~ ,下層で 10 9
dynemincm~
とゅう具合に桁が違っているのでは 8) 式の右辺に含まれる
項のうち最も大きな粘性係数%を含む項だけが大きく支配し, (
1
8
)式はかなりよい近似で
F=ω。
{
1一
(
可s
/
Y
}exp(
t
/r
:,
)
}
とすることができる。
す な わ ち 准 1つの緩和時間らの現象だけが観察されることになる。
(
1
7
)式のような結果が得られるか (
1
8
)式のような結果が件られるかは
d
に関する初期条件
できまる。 (
1
7
)式 の と き の 初 期 条 件 は 梁 が 雪 の 天 井 を は な れ た 瞬 間 の も の で あ っ て , 力 は E
;
に比例して 3つの模型に分担されていた。しかし, (
1
8
)式では雪の天井がしばらく宙に浮いて
いたため,
カ は % に 比 例 し て 3つの模型に分担されるようになったとしたわけで、ある。この
ように力の分担に変化がおこるためには時間が必要である。つぎにそれをしらべてみる。
梁が雪の天井を離れたあとでの W の下方への移動距離を
d ε 1 dσ
a
,
1
da~
O
'
e
E
とすれば,
1 da
,σ
3
一 一
一一 一 一
一 一一 一 3一 一 一
十一
d
t一
- E一
d
t
'一
引 - E
e d
t '一
Y
l
e - E3 d
t '7
}
3
1
i
である。 この述立微分方程式を
6
8
大
浦
浩
文
"
1
+
"
2十 円 =ω。
t= 0 で σ
"= (Et/Z)wo
として解くと,
の =Atexp(-at)+B exp(-st)+(ザ.}Y)wo
包
i十 Bi一 /
ι
イ
旦
し
, A
一\三~
(
2
0
)
れ}
-y)
a,1
3は X の 2次方程式
となり, ー-
品 7b[
去(去+去)+1(
去
十
去
)
J
x
+最 =0
+去(す寸)
2
(
2
1
)
7
2
2
の根として定められる。いま E1=E2=E3=1
0
dyne/cm
,7
/
]=九/
10=九/
1
0
0
=1
07dynemin/cm
2
1
)式の根は
とすれば ,(
-a= 1/2.58
となる
F
1
3= -1/1
.4
5
つまり 1
.
5乃至 2
.
6分程度の短かい時間で W の 重 さ 叫 が ,E
iに比例して分担されて
いた状態から ,Y
Ji に比例して分担される状態へ移行することになる。
実際に実験 C では梁にかかる荷重を零にするため,
ジャッキを緩めて梁を下げたが,
下
げすぎてしまったのである。そして雪の天井はすぐには降りて来なかった。そのため環状力計
にはしばらくの間力が現われなかった。
荷重が現われるようにした。
それで約 1分の後に再びジャッキを締ゐて約 6kgの
1
7
)式 の 形 を と ら ず に は 8
)式の
こうしたことのために曲線 C は (
形に近づき,最も大きな緩和時間の緩和機構だけが作用するようになったものと考・えられる。
この実験に当って終始変らぬ御指導を賜わった吉田順五教授に深く感謝する。又環状力計
をお貸し下さった工学部の真井耕象教授に厚くお礼を申し上げる。尚この研究の一部は文部省
科学研究費によった。
女
献
I
) 吉田順五・笹谷雅信・内海威彦 1
9
4
8 積雪の弾性と筒旬. 低温科学, 4,1
1
.
小島賢治 1
9
5
4 積雪の粘目単位. 低温科学,物理篇,12,1
.
Resume
Fromt
h
el
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rh
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fo
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9
雲洞の天井を支える梁にかかる力
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