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2011

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2011
現代は飽食の時代といわれています。
豊かな時代になった反面、生活習慣病が蔓延しています。
さらに、人々の暮らしは多忙になり、手軽な食事を食べて会話も交わさず、
季節感や地域の食文化、食卓のしつらえやマナー、作り手の気持ちに気を留めることなく
慌ただしい毎日を送っている人が増えています。そして心も体も疲れています。
これらを払拭するために、私たちはどうすればよいでしょうか・・・。
私たちの研究室では“おいしく楽しく食べる“ことにより食に関心をもってもらい、
食の魅力を実感していただきたいと考えています。
そのために、給食経営管理学研究室では“食事をおいしく楽しく食べる”をコンセプトに
様々な角度から研究をおこなっています。
研究は食環境に関する研究・食育に関する研究・調理科学に関する研究など
多岐に渡ります。
私たちの研究の一端をぜひご覧ください!
「おいしい」は五感、
つまり味覚・視覚・嗅覚・触覚・聴覚の5つで判断しています。
私たちの研究室では「視覚」に焦点を当て、
中でも私たちの感性にダイレクトに影響を与える色に着目し、
食環境の色が喫食者の心理に与える影響について調査をしています。
また、商品パッケージの色が消費者の商品イメージに与える影響や
菓子のイメージ調査などもおこない、消費者のニーズに対応した
商品開発に役立てたいと考えています。
さらに、「これからの未来を担う子どもたちの感性を育み、心も体も健康に育ってもらいたい」
という願いを込めて、食育研究にも力を注いでいます。
おいしく味わうことを通して社会の様々な関わりに目を留め、自分で感じ・考える力を養い、
皆で楽しみ・分かち合い、生きる力を育んでもらいたいと考えています。
私たちの研究結果を学会等に発信することにより
様々な食のシーンに役立てていただきたいと
考えています。
食環境における色彩心理研究
食卓や食器の色が喫食者の心理に及ぼす影響
食育研究
料理の彩りと給食用トレイの色の組み合わせが喫食
者の心理に及ぼす影響
保育園児の咀嚼に関する実態調査研究
視覚障がい者・高齢者に対する快適な食環境の色に
関する研究
咬合力向上を目的とした食育プログラム開発
のための食育介入研究
食品パッケージの色が消費者の商品イメージに与え
る影響
行事食を通じて心を育む食育プログラムの開
発
など
幼少期からの食生活体験が大学生の生きる力
に及ぼす影響
など
◆教員◆
冨田圭子 准教授
稲村真弥 助手
◆4回生◆
◇池本一貴 :過去の食生活体験が現在の自己評価および生きる力に及ぼす影響
~日韓比較~
◇大槻ひとみ:現代人の大学生における和菓子、洋菓子、一般菓子の位置づけ
~TPOの観点から~
◇河原愛純 :給食用トレイの色がロービジョン者の視覚的おいしさに及ぼす影響
~黄色周辺色について~
◇笹下留理 :私立保育所における咀嚼力向上に向けた食育プログラムの開発と検証
~咬合力の推移~
◇白方彩香 :給食用トレイの色がロービジョン者の視覚的おいしさに及ぼす影響
~黄色6トーンについて~
◇鈴木沙希 :テーブルクロスの色が甘味感度に及ぼす影響について ~暖色の場合~
◇辰巳玲子 :テーブルクロスの色が甘味感度に及ぼす影響について ~寒色の場合~
◇中山幸子 :私立保育所における咀嚼力向上に向けた食育プログラムの開発と検証
~幼児の行動変容について~
◇西村織江 :コンビニ弁当のパッケージ色が商品イメージに与える影響~温かい料理の一例~
◇浜下美咲 :現代人の大学生における和菓子、洋菓子、一般菓子の位置づけ
~選択理由の観点から~
◇福田真弓 :私立保育所における咀嚼力向上に向けた食育プログラムの開発と検証
~保護者への波及効果について~
あいうえお順
2012年
・井川 莉沙子:低アミロース性及びもち小麦澱粉の糊化特性について
・伊藤 ひかり:公立保育所における咀嚼力向上に向けた食育プログラムの開発
~家庭への教育効果を通して~
・岩田 万智子:保育園児の咀嚼力向上に向けた食育プログラムの開発
~5歳児を対象とした食育介入の効果~
・大川 真貴子:公立保育所における咀嚼力向上に向けた食育プログラムの開発
~幼児への食育実践を通して~
・大内 かすみ:給食用トレイの色が喫食者の心理に与える影響
~ロービジョン者への快適な食卓の提案~
・笹賀 はるか:国産もち小麦「もち姫」がスポンジケーキの性状ならびに嗜好性に及ぼす影響
・平松 知奈:国産もち小麦「もち姫」がうどんの性状ならびに嗜好性に及ぼす影響
・藤岡 孝哉:過去の食生活体験が現在の自己評価および生きる力へ及ぼす影響について
・森川 奈保美:黒豆の調理時間短縮方法の検討
2011年
・谷田 朱実 : 各種豆の調理特性について
・永松 芙実子 : 各種タピオカ澱粉を用いたスポンジケーキの冷凍保存適性の検討
・中村 縁 : 汁椀の色が汁物の視覚的美味しさに及ぼす影響について
・廣島 あずさ : 商品パッケージの後光効果が消費者の商品イメージに与える影響
~板チョコレートの場合~
・藤田 弥生 ・ 坊 美香里 : 幼少期からの食生活体験が大学生の「成長過程」および「生きる
力」に及ぼす影響
・水谷 芙希 : 給食用トレイの色と料理の彩りが喫食者の心理に与える影響
・南 知里 : 現代の大学生における和菓子・洋菓子・一般菓子の位置づけについて
~二次機能やイメージを通して~
・南側 美聡 : 幼児の咀嚼力に関する実態調査を通して望ましい食育方針を探る
~保育所に通う1~5歳児を対象として~
・宮本 麻耶 : 旅行・観光時の食事が人の心理に与える影響について ~おいしさ・楽しさの観点から~
・若林 亜由子 : 視覚障害者を対象とした食卓空間における色彩提案の基礎的研究
~ロービジョンの場合~
2007年4月~2013年3月
【著書】
• 「栄養教育論」八千代出版(2007)共著
• 「知っておきたい食の世界ーあけてみよう!食育の玉手箱ー」久美出版(2007)共著
• 「味覚が与えてくれる安らぎの暮らし 京都ルネッサンス21「五感シリーズⅡ」オフィスエム(2007)共著
• 「よくわかる小児栄養」ミネルヴァ書房(2008)共著
• 「「いただきます」ではじめよう!なぜ?なに?食育Bookおよび指導のてびき」楽しく学ぼう食育研究会(2008)共著
• 「Food Coordinator 食の商品開発・メニュープランニング」ヒューマンアカデミー(2008)単著
• 「「いただきます」ではじめよう!なぜ?なに?食育Bookおよび指導のてびき【改訂版】」楽しく学ぼう食育研究会(2009)共著
• 「 Color in Food: Technological and Psychophysical Aspects 」CRC Press(2012)共著
~Keiko Tomita, Terumi Aiba, Jangmi Kang, Motoko Matsui, Kimiko Ohtani, Psychological Effects of Tablecloth Color and Tray Color on Diners, 401-418.
【専門誌】
• 冨田圭子, 食の楽しさを味わうー視覚に焦点をあてて, 発達, 111巻28号, 54-60, ミネルヴァ書房(2007)
• 「茶の文化 9号」全国茶商工業協同組合連合会(2010)
【学術論文】 抜粋
• Keiko Tomita, Makiko Ono, Terumi Aiba, Kimiko Ohtani, Psychological effects of tablecloth color on diners under different brightness, The Japan Association for
the Integrated Study of Dietary Habits, 18, 48-55 (2007)
• 成瀬祐子・脇本景子・冨田圭子・大谷貴美子, 家族とのコミュニケーションの内容や場面が児童の生活充実感に及ぼす影響~宝塚市N小学校高学年の児童を
対象とした事例報告~, 日本食生活学会誌, 18, 270-276 (2007)
• 饗庭照美・上田敏子・冨田圭子・田口邦子・濱田明美・康 薔薇・大谷貴美子, 視覚による高齢者の食物認識と食嗜好に関する調査, 日本調理科学会誌, 41,
35-41 (2008)
• 成瀬祐子・冨田圭子・大谷貴美子, 家庭の食事時間の楽しさが児童・生徒の自尊感情に及ぼす影響~諸学5,6年生と中学2年生を対象にして~, 日本食生活
学会誌, 19, 132-141 (2008)
• Terumi Aiba・Keiko Tomita・Jae Sook Han・Sin Jung Lee・Motoko Matsui・Kimiko Ohtani, Comparative Study on the Independence of Dietary Life of Males Aged 50
and Over in Korea and Japan, J. of ARAHE, 16, 145-152 (2009)
• Keiko TOMITA・Terumi AIBA・Jangmi KANG・Motoko MATSUI・Kimiko OHTANI, Psychological Effects of the Tray-Color on Diners-Comparison between Young
Persons and Elderly Persons-, The AIC 2010 Interim Meeting, pp.386-389 (2010)
• 大谷貴美子・新見 愛・冨田圭子・松井元子・饗庭照美・松村正希, ユニットケア型特別養護老人ホームにおけるユニット内調理の効果, 日本調理科学会誌, 44,
23-32 (2011)
• Yuko Naruse, Tomoko Tagawa, Keiko Tomita, Kimiko Ohtani, The role of mealtimes to cultivate family relationships in the case of Japanese and
Thai schoolchildren, The Japan Association for the Integrated Study of Dietary Habits, 22, 25-30 (2012)
2009年4月~2010年3月
【学会発表】
・ 品種の異なるジャガイモの調理性について、稲村真弥・下栗綾・菊田千景・田中尚道・杉本温美、
日本調理科学会 東海・北陸支部 近畿支部、2009年7月
・ 熟度の異なる大納言小豆の調理特性に関する基礎的研究、松井元子・稲村真弥・冨田圭子・大谷貴美子
田邉愛梨・古谷規行・蘆田拓也・饗庭照美、日本調理科学会平成21年度大会、2009年8月
・ 登熟期間の異なる京都大納言小豆の調理特性、稲村真弥・大谷貴美子・冨田圭子・松井元子・古谷規行
蘆田拓也、日本調理科学会平成22年度大会、2010年8月
・ Maturation of Kyoto Dainagon Azuki Beans rigna angularis Ohwi & Ohashi) and their cooking properties,
Inamura M, Matsui M, Furutani N, Ashida T, Aiba T, Tomita K, Otani K, The 15th Biennial International Congress
of ARAHE, 2009年12月
【学術論文】
・ 村元 由佳利・大谷貴美子・稲村真弥・杉本温美・岩城啓子・饗庭照美・冨田圭子・松井元子、クズ(Pueraria
lobata)でんぷんの湿熱処理に伴う調理科学的特性の変化、Trace Nutrients Research、 Vol.27、 1-6(2010)
・お花見
・食博覧会
・誕生日会
・親子料理教室
・食育授業
これからも色々と企画していく予定です☆ミ
私たちの研究室の担当科目である「給食管理実
習Ⅰ」の授業の一端をご紹介します。
この実習は、座学で学んだ知識を活かしながら、大
量調理を通して給食の実際を学びます。
学生は試作を繰り返しながらオリジナル献立を作
成し、リーダー班の指示に従いながら力を合わせて
給食を仕上げていきます。栄養管理・食材料管理・
衛生管理・作業管理のほか、会計や事務管理、顧客
管理などをおこない、給食の経営管理のノウハウを
身に付けます。
献立作成では栄養バランスはもちろんのこと、旬
の食材を使用し、料理のバラエティー、取り合わせ、
彩り、ボリューム感、味つけなどを考えながら、時に
は行事食にも挑戦し、喫食者に少しでも満足してい
ただける給食を目指します。学生は回転鍋やコンビ
オーブンといった大量調理機器と格闘しながらも、頑
張っています。この笑顔が、管理栄養士になるため
のモチベーションを高めてくれます。
右に行事食「クリスマス」をビュッフェ形式で実施
した際の給食実習を紹介します。
野菜たっぷりのポタージュスープ
ができました。そのなめらかな舌
触りと味にうっとり。喫食者からも
大絶賛をいただきました。
皆さんに楽しんでもらう
ため、X’masらしい料理名
を考え、Menu Cardを作り
ました。ちょっと素敵で
しょ?
実際の給食施設における喫食形
態・内容は様々。そこで、実習の最
終回にはビュッフェ形式でクリスマ
ス給食を実施しています。
栄養バランスを考え、大量調理の
特性を踏まえながらコストを抑え、
衛生面を考慮した料理を考えるの
は至難の業。悪戦苦闘の末、華や
かでおいしい給食ができました。
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