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将来の全世界的な航法衛星システム の改正された海事方策及び要件

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将来の全世界的な航法衛星システム の改正された海事方策及び要件
(頁 1)
第 22 回 総 会
議題 9
決 議 A.915(22)
2001 年 11 月 29 日 採 択
(議 題 9)
将 来 の 全 世 界 的 な 航 法 衛 星 シ ス テ ム (GNSS)の 改 正 さ れ た 海 事 方 策 及 び 要 件
総会は、
海上の安全に関する規則及び指針についての総会の機能に関する国際海事機関(IMO)の条約第 15
条(j)を想起し、
一般航行、港湾入り口及び進入路及び航行が制限される他の水域における航行を含む、に関する世
界を通じての海事目的に対して航行測位の提供に貢献する将来の民間及び国際制御の全世界的な航法
衛星システム(GNSS) の必要性を認識し、
また、将来の GNSS に対する海事必要性は一般航行のみに限定されるものではないこと、一般航
行とその他の航行間の厳密な分離及び測位の適用が常にできるとは限らないため、他の海事適用に対
する要件もまた考慮しなければならないこと、及び GNSS の相互状態使用が将来増加することが予
想されることを認識し、
さらに、将来の GNSS に対する海事ユーザーの要件を、かかるシステムの開発においてそれらの
要件を考慮に入れることを確保するため、早期の段階で確認する必要性を認識し、
将来の GNSS に対する航空要件に関する国際民間航機関の最近の作業に留意し、
第 73 回海上安全委員会によりなされた勧告を考慮し、
1.
この決議の付属書に定める将来の全世界的な航法衛星システム(GNSS)に関する海事方策及び要件
を採択し;
2.
将来の GNSS のサービスを提供することを意図する各国政府及び国際機関に対しそれらの計画の
策定において附属書の海事方策及び要件を考慮に入れ、またそれに応じて機関に通報するよう要請し
;
3.
海上安全委員会がこの方策及び要件の検討を継続し、必要に応じて、それに対する改正を採択す
-1-
るよう要請し;
4.
決議 A.860(20)を廃止する。
附属書
将来の全世界的な航法衛星システム(GNSS) の改正された海事方策及び要件
1
序文
1.1 全世界的な航法衛星システム(GNSS)は世界的な位置、速度及び時間の決定を多重状態使用に提供
する衛星システムである。これにはユーザー受信機、1つ以上の衛星群、陸地区分及びユーザーによ
って処理される信号の規定運用性能基準に対する世界的な合致を監視し制御する設備を伴う制御機構
を含む。関連する定義及び用語はこの附属書の付録 1 に含まれる。
1.2
海事ユーザーに関しては、IMO は GNSS が世界無線航法システム(WWRNS)に対する測位装備の
搭載要件に適合するシステムとして認証する国際機関である。GNSS の認証に関する公式手続き及び
責任は WWRNS に関する IMO 方策に、適用できる限り、従わなければならない。
1.3
現在の衛星航法システム(第 2 節参照は遅くとも
)
2010 年までに全面運用されることが期待され
ている。将来の GNSS は、は完全性、利用性、制御及びシステム寿命の期待度に関して短所をもつ
現在のシステムを、改良、置換、又は補強するものである(第 2 節参照)。
1.4
海事ユーザーは将来の GNSS の膨大なユーザーグループの中の極めて小さい部分をなすと予想
される。陸上の移動ユーザーが潜在的に最大グループとなる。海事ユーザーが最も過度に要求する要
件を持つことはありえない。
1.5
海事ユーザー要件の早期確認はこれらの要件が将来の GNSS の開発で考慮されることを確保す
ることを意図している。
1.6 無線航法、無線通信及び情報技術の分野では急速な発展が見られる。海事使用のためにこれら
の技術の発展を考慮すべきである。
1.7
GNSS を開発し実施するために長期間が必要であることから機関は将来の GNSS に対する海事
要件を早期段階で決定することにした。
1.8
しかしながら、将来の GNSS の開発は目下設計段階のみであるため、これらの要件は基本的な
ユーザー要件に制限され、本機構的構造及びシステム構築は具体的に述べられていない。海事要件、
-2-
加えて機関の認証手続き、は今後の発展の結果に応じて改正する必要がある。
具体的な将来の GNSS に対する提案が IMO に対し認証のため提出された場合、これらの提案は
1.9
改正された要件に基づいて評価される。
1.10
航空及び陸地ユーザー及びサービス提供者と共の早期の協力は多重状態システムが時宜を得て
提供されることを確保するために不可欠である。
2
2.1
現在の状況
現在 2 つの米国所有の軍制御衛星航法システムが民間使用に対して利用可能である。これらの
システムは主として海運、航空、及び陸上の移動交通で使用され、またこれらのシステムは水路、測
量、時間調整、農業、構築及び科学目的にも使用される。海事使用に関しては各システムの以下に挙
げる観点が最も深く関連する。
.1
.1.1
GPS*
全世界測位把握システム (GPS)は米国政府のために米国空軍によって運用している宇宙
基準の 3 次元測位、3 次元速度及び時間のシステムである。GPS は 1995 年に全面運用
機能(FOC )を達成した。システムは 2002 年から 2010 年の間にその性能が改良される
ように、最新化プログラムが進行中である。
.1.2
GPS は近い将来、継続的な世界基準及びユーザーの直接使用料が無料で、利用可能に
なることが期待される。米国は GPS の機能停止又は削除に先立って少なくとも 6 年の
予告を与えることができると予測している。このサービス、これは全てのユーザーに対
して公平な基準で利用可能、FOC 以来一般航法に対して 100m の水平位置精度( 95%)の
精度要件に適合している。
.1.3 それに応じて、GS は港湾入り口及び進入路及び制限水域以外の水域における航行での
使用に対する世界無線航法システム(WWRNS)の構成要素として認証されている。
.1.4
増強が無ければ、 GPS の精度は港湾入り口及び進入路及び制限水域における航行に対
する要件に適合しない。 GPS はシステム故障の瞬間的な警告を与えない。しかしなが
ら、ディファレンシャル補正は精度(制限された地理的面積内における)を 10m 以下
( 95%)まで高めることが可能で、また外部完全性監視も提供することができる。内部完
全性提供は GNSS 又は他の(無線)航法システムのいずれか、又は双方からの重複観測
を使用する独立完全性監視によって可能になる。
.2
GLONASS*
-3-
.2.1
GLONASS(世界航法衛星システム)は宇宙基準の 3 次元測位、3 次元速度及び時間のシ
ステムであり、これはロシア連邦政府のためロシア宇宙局によって管理されている。
.2.2
GLONASS は WWRNS の構成要素として認証されている。GLONASS は 1966 年に全面
的に運用可能になったことが宣言され、また遅くとも 2010 年までに末端民間使用に対
して長期基準でユーザーの直接使用料が無料として運用可能になることが宣言された。
2000 年始めには、意図した宇宙区分は全面的には利用できなかった。
*注:この付属書で GPS 及び GLONASS について言及する場合、これらのシステムによって提供され
る標準測位サービス(SPS)を参照している。
.2.3
GLONASS は国内及び国外の民間ユーザーに対して既存の条件で長期サービスを提供
することを意味する。全面運用になれば、このサービスは一般航行に対する 45m の
水平位置精度要件(95%)に適合することになる。増強が無ければ、 GLONASS の精度
は港湾入り口及び進入路における航行には適さない。
.2.4
GLONASS はシステム故障に対して瞬間的な警告を出さない。ただし、増強によって
精度及び完全性の双方を大幅に高めることができる。ディファレンシャル補正は精度を
10m 以下(95%)まで高め、外部完全性監視を提供することができる。内部完全性監視の
提供は GNSS 又は他の(無線)航法システムのいずれか、又は双方からの重複観測を使
用することによって可能になる。
2.2
GPS 及び GLONASS の精度及び又は完全性を増強によって改良できる手法がいくつかある。局
/
所増強及び船舶又は受信機の独立完全性監視に対して 283.5 kHz から 325 kHz までの適切な海上無線
航行周波数帯域を使用する局からのディファレンシャル補正信号の広範な使用はその例として挙げる
ことができる。加えて、統合化受信機は既に開発され 、GPS、GLONASS、LORAN-C 及び又は
/
Chayka
からの信号を連結させることで更に発展している。広域増強システムもまたヨーロッパに対する
EGNOS、米国に対する WAAS 及び日本に対する MSAS などの静止衛星からのディファレンシャル補
正信号を使用して開発中である。これらの増強システムに対する受信機も開発中である。
2.3 無線航法の全体的な状況の中で、地球システムに関する進展を考慮に入れなければならない。
DECCA は多くの国において段階的に停止され、 1997 年に OMEGA も停止された。米国制御の
LORAN-C ネットワークの将来は考慮中である。ただし、ロシア連邦制御の CHAYKA ネットワーク
は少なくとも 2010 年まで段階的停止は考慮されない。民間制御の LORAN-C 及び LORAN-C/Chayka
ネットワークは極東、北西ヨーロッパ及び世界のその他の地域において、ある地域では延長計画も含
めて、運用されている。多くの Loran-C 及び Chayka 局はディファレンシャル GPS 補正を実験段階で
発信している。
3
将来の GNSS に対する海事要件
-4-
3.1
将来の GNSS に対する海事要件は以下のように一般、運用上、制度上及び移行上の要件に分け
られる。
一般要件
.1
将来の GNSS は第一に一般航行に対する運用上のユーザー要件を満たさなければならな
い。これには港湾入り口及び進入路、及び航行が制限される他の水域における航行が含
まれる。
.2
将来の GNSS は適用できる限り他の運用可能な航法及び測位目的を満たさなければなら
ない。
.3
将来の GNSS は局地増強を通じて地域特有の追加要件に適合する運用上及び制度上の機
能、この機能が他の方法で提供されていなければ、を持たねばならない。増強提供は 2
つ以上の船上受信機又は他の装備搭載の必要性を回避するよう世界的に整合性を保たね
ばならない。
.4
将来の GNSS は海上、航空及び陸上で無数の多重状態ユーザーによって使用される運用
上及び制度上の機能を有していることが必要である。
.5
将来の GNSS は信頼に足るものでユーザーの費用が安いことが必要である。費用の投下
と回収の面で、安全上の理由でシステムに信頼を寄せる海事ユーザー及び商業的又は経
済的な面でシステムから追加利益が得られるユーザーを区別しなければならない。費用
の投下と回収を取り扱う場合に海運及び沿岸諸国双方の利害を考慮に入れなければなな
い。
.6 費用回収における可能な選択肢のいくつかを以下のように識別する。
-
関係する国際機関(IMO 、ICAO 等)による出資を通じるもの。
-
政府間又は商業独立体間(例:衛星通信提供者)の共同出資を通じるもの。
-
個人投資及び直接ユーザー課金又は使用許諾料を通じるもの。
運用上の要件
.7
招来の GNSS は一般航行、港湾入り口及び進入路及び航行が制限される他の水域を含む
に対する海事ユーザーの運用要件に適合しなければならない。一般航行に対する最低限
の海事ユーザー要件はこの附属書の付録 2 で与える。
-5-
.8
将来の GNSS は測位適用に対する海事運用の要件に適合しなければならない。測位に対
する最低限の海事ユーザー要件はこの附属書の付録 3 で定める。
.9
将来の GNSS は現在の衛星航法システムと共用できる測地及び時間の基準システムで運
用しなければならない。
.10
サービス提供者は船上受信機の性能に対する責任は負わない。この装備は IMO によっ
て採択された性能基準に適合しなければならない。
.11
将来の GNSS 及び地球システムを使用する統合化受信機の開発及び使用を勧告する。
.12
将来の GNSS は船上装備がユーザーに対して地表面での位置、時間、進路及び速度の
情報を与えることを可能にしなければならない。
.13
GNSS に関する船上装備、3.1.1 に述べる統合化受信機を含み、は他の船上設備とのデ
ータインタフェース機能を有して、航行及び測位に関する情報:ECDIS、AIS、GMDSS 、
経路制御、VDR 、船舶の進路及び姿勢指示及び船体運動の監視など、を与えること又
/
は使用することが可能でなければならない。
.14
全てのユーザーには個々の衛星信号及び又は総合サービスの性能における低下を完全
/
性メッセージによって十分間に合うよう通報しなければならない。
制度上の要件
.15
将来の GNSS は、特に、貢献している各国政府及びユーザーを代表する国際的民間機
関による制御に対して制度的な構造及び取り決めを有していなければならない。
.16
国際的な民間機関はシステムの提供、運用、監視及び制御(の管理)及び又は規定要件
/
に対するサービスが最低限の費用で可能になるような制度的な構造及び取り決めを有し
ていなければならない。
.17
これらの要件は既存の機関の使用又は新しい機関の設立によって達成することができ
る。機関はシステムを自身で提供し運用するか又はサービス提供者を監視し制御するか
のいずれかになる。
.18
IMO 自身は GNSS を提供し運用する立場にはない。しかしながら、IMO は GNSS の以
下の観点を評価し認証する立場になければならない。
-
海事ユーザーに対して公平な基準でサービスの提供;
-6-
-
GNSS を海事ユーザーの要件に適合する機能に対する運用;
-
国際的に確立された共同出資及び費用回収の原則の適用;
-
信頼性の問題に対する国際的に確立された原則の適用。
移行の要件
.19
将来の GNSS は現在の衛星航法システムと平行して開発するか、又はかかるシステム
から一部又は全体を進化させることが可能であることが必要である。
.20
全面運用されている地域衛星航法システムは WWRNS の構成要素として認められる。
.21
将来の GNSS に対して必要な船上受信機又は他の装備は、実行できる限り、現在の衛
星航法システムに対して必要な船上受信機又は他の装備と互換性のあるものでなければ
ならない。
4
4.1
必要な措置及び時間的尺度
IMO の継続的な関与が必要である。この附属書で与えられる海事要件は新しい策定及び特定の
提案に基づいて継続的に再評価され更新されなければならない。
4.2
IMO の関与は積極的かつ相互的であるべきで、また本機関は制度上の困難を解決するため航空
及び陸上ユーザーとの有意義な討議を行い共同して前進する道を考慮するフォーラムの設立を考慮し
なければならない。
4.3
ICAO が GNSS に対する航空要件を調査中であること及び GNSS の開発に関して共同 IMO/ICAO
計画グループの期待があるため、IMO と ICAO 間の密接な連絡が必要である。
4.4
将来の GNSS の開発に関与する国際的、地域的及び国家機関、加えて個々の会社に対して将来
の GNSS の承認に対して IMO によって設定される要件を通知しなければならない。これらの IMO 要
件は海事使用に対して認められる GNSS 計画に組み込まなければならない。
4.5
将来の GNSS 導入に対して予測される時間的尺度はこの附属書の付録 4 で与える。現在の衛星
航法システム、増強促進手段及び地球システムなど、無線航法システムの期待される導入及び段階的
停止の時間的尺度も付録 4 で与える。これらの時間的尺度によって IMO 内部の意思決定過程に対す
る時間的尺度が決定される。
4.6
将来の GNSS の導入における IMO による早期かつ秩序ある参画を可能にするため、意思決定過
程には以下に対する手段を含まなければならない。
-7-
-
この決議を定期的に見直す;
-
提案が提出されたら緊急に考慮する;
-
新しいシステムが提出されたら認証する。
付録 1
GNSS で使用する専門用語
精度。
指定された時間における船舶の推定又は測定パラメータとその時間における真のパラメータ
間の合致の程度。(これに関連するパラメータは位置、座標、速度、時間、角度など)
-
絶対精度(測地又は地理的精度)。地球の地理的又は測地座標に関する位置推定の精度。
-
測地又は地理的精度。絶対精度を参照。
-
予測可能精度。海図の解に関する推定位置の解の精度。
-
相対精度。ユーザーが同時刻における同じ航法システムの別のユーザーの位置に対して
相対的に位置を決定することができる精度。
反復可能精度。ユーザーが同じ航法システムから相関しない測定を使用して前回測定し
-
た座標の位置に戻ることができる精度。
警報限界又はしきい値
(
)。 警報を発する前の-完全性監視中に-測定位置における最大許容誤差。
経路誤差。
意図する経路の方向における船舶技術的誤差の成分。
あいまいさ。
航法システムから求められた 1 組の測定値から 2 つ以上の点、方向、位置の線又は位
置の面を定義する場合に得られた状態。
増強。
改良された航法性能をユーザーに提供するため GNSS に対する増強を与える手法。
- 衛星基準の増強システム (SBAS)。GNSS サービスの性能を増強するため追加の信号を与
えるシステム。
-8-
- 地上基準の増強システム (GBAS)。 GNSS サービスの性能を増強するため陸上基地の局か
ら追加の信号を与えるシステム。
利用可能度。
支援、又は支援システム、が指定された条件の下で要求される機能を実行する時間の
パーセント。非利用度は予定又は予定外の中断によって発生することがある。
- 信号の利用可能度。指定された作動領域内で無線信号の利用可能度。
- システムの利用可能度。ユーザーに対するシステムの利用可能度、これには信号利用可能
度及びユーザーの受信機の性能を含む。
海図誤差。
測量の不正確さ及び基準測地システムにおける誤差によって生じた海図上の誤差。
円誤差確率 (CEP)。
測定位置に中心を置く円で、その半径内に真の位置が 50%の信頼度で含まれ
る。
信頼度間隔。
未知量が指定する信頼度で推定される数値範囲。
信頼度水準。
与えられた報告が正しいことの信頼度のパーセント、又は指定された間隔(数値範囲)
に未知量が含まれる信頼度のパーセント。
信頼度限界。
継続性。
信頼度間隔の両極。
完全無欠の受信機を仮定して、ユーザーが指定された精度で位置を決定することが可能で
ある確率、また作動領域の限定された部分内における特定の運航に対して適用できる(短い)時間間隔
を通じて決定された位置の完全性を監視することができる確率。
補正。
補正の数値はパラメータの真の値と測定値の差から決められる最上の推定値である。符号は
観測読み取り値に加算する補正の場合を正とする。
作動範囲。
無線航法システムによって与えられる作動範囲は指定した性能水準でユーザーが位置を
決定するに足る十分な信号が得られる地表面領域又は宇宙空間。
交差経路誤差。
意図する経路に直交する船舶技術誤差の成分。
船舶独立完全性監視 (CAIM)。
これは船舶上で得られる種々の航行センサーの情報が航法信号の完
全性を監視するために独立に処理される手法である。(受信機独立完全性監視も参照。)
ディファレンシャルシステム。
無線航法信号が既知の位置で監視され、そこで決定された補正が作
動範囲領域にいるユーザーに伝達される増強システム。
-9-
精度の希釈。 GNSS の位置及び時間座標の精度が受信機によって使用されている GNSS 衛星群の幾
何学的考慮によって低下する係数。
-
精度の測地的希釈 (GDOP)。
3 次元位置と時間を混合した係数。
-
精度の位置的希釈 (PDOP)。
3 次元位置精度に対する係数。
-
精度の水平方向希釈 (HDOP)。 水平位置精度に対する係数。
-
精度の垂直方向希釈 (VDOP)。 垂直精度に対する係数。
-
精度の時間的希釈 (TDOP)。
距離の二乗平均平方根 (dRMS)。
時間精度に対する係数。
真の位置から何回もの試行から求められた観測位置までの半径方
向距離の二乗平均平方根。
機能停止。
システム、又はシステムの一部、で必要な機能を実行す機能の意図しない停止。
機能停止率。 システム、又はシステムの一部、における機能停止の単位時間あたりの平均回数。(機
能停止間の平均時間も参照。)
固定。
多数の航行観測からの情報の処理によって決定された位置。
固定率。
単位時間あたりの固定数。
固 定 間 隔( 秒)。
固定間の最大時間(秒)。
世界航法衛星サービス。
GNSS の宇宙及び陸上区分によってユーザーに与えられる宇宙空間内の信
号。
GLONASS (世界航法衛星システム )。
これはロシア連邦政府によって運用されている宇宙基準、無
線測位、航法及び時間伝達システムである。
全世界航法衛星システム (GNSS) 。
宇宙、陸上及びユーザー区分で構成する世界的な位置、時間及
び速度の無線決定システム。
GNSS サービス。
GNSS の宇宙及び陸上区分によって与えられる宇宙空間内の信号特性に関するサ
ービス。
- 10-
GNSS システム。
GNSS サービスに受信機を加えた特性に関するシステム。
世界測位システム (GPS)。
これは米国政府によって運用されている宇宙基準、無線測位、航法及び
時間伝達システムである。
全体誤差。
全体誤差、又は"中心から離れた量"、は無作為誤差又はシステム的な誤差以外の誤差で
ある。この誤差はしばしば大きくなりまた、定義により、予測できないものである。これらは支配的
な物理状況における突然の変化、システム欠陥又は運用者の誤操作が原因で生じる。
統合化航法システム。 2 つ以上の航法支援からの情報が共生結合されていずれの支援構成要素より
も優れた出力結果を与えるシステム。
完全性。
そのシステムが航法で使用できなくなった場合に指定された時間内にユーザーに対して警
告を与える機能。
完全性監視。 システム性能(又は個々の観測)が航行目的で使用可能かどうかを決定する処理。GNSS
システムの全体完全性は 3 つのパラメータ:しきい値又は警報限界、警報時間及び完全性の危険度に
よって示される。完全性監視の出力結果は個々の(誤差を伴う)観測又は全体 GNSS システムが航法
で使用できないことである。
-
内部完全性監視は船上で実行される。
-
外部完全性監視は外部局によって与えられる。
完全性の危険度。
ユーザーが作動領域内の位置でどの瞬間にも指定した警報時間内に警報が発せら
れないのにしきい値より大きい位置誤差を経験する確率。
潜伏。
航行観測から示された航行の解までの時間差。
はみだしとして検出される偏差 (MDB)。
与えられたタイプ 1 及びタイプ 2 誤差の確率で検出され
る観測における全体誤差の最小の大きさ。タイプ 1 誤差は全体誤差の無い観測が間違って拒否される
場合に生じ、タイプ 2 誤差は全体誤差を伴う観測が間違って受け入れられる場合に生じる。
はみだしとして検出される誤差 (MDE)。
機能停止間の平均時間 (MTBF)。
観測における MDB よって生じる位置の最大ずれ。
システム、又はシステムの一部、の 2 つの連続する機能停止間の
平均時間。
航法。
1 つの場所から別の場所へ船舶の移動を計画、記録及び制御する処理。
- 11-
航法システム誤差 (NSE)。
GNSS の位置推定と海図誤差を結合した誤差。最大 NSE は次式で表さ
れる。
最大 NSE = 海図誤差 + GNSS 誤差 + 他の航行誤差
擬似衛星。
ユーザーに対して追加航行範囲を与える GNSS 類似の信号を伝達する陸上に置かれた
増強局。
精度。
無作為誤差に関する測定又は位置の精度。
PZ-90 測地システム。
地球の大きさと形状、地球の質量重心に対する点のネットワークの位置、主
要な測地データからの変換及び地球のポテンシャルを示す GLONASS で使用する整合パラメータセ
ットで、これは 1990 年に開発された。
無線決定。
無線波の伝播特性を用いる位置の決定、又は位置に関する情報の入手。
無線測位。
無線航法以外の目的で使用する無線決定。
無線航法。
位置又は方向の決定、又は障害の警告に対して航行を支援する無線信号の使用。
無作為誤差。
統計的な特性のみ予測可能である場合の誤差。
受信機独立完全性監視 (RAIM)。
航法信号の完全性を監視するため GNSS において入手できる重
複情報が独立して処理される手法。 (船舶独立完全性監視も参照。)
重複。
全体システムの信頼度を増大するために与えられた機能を完遂するための多重装備又は手段
の実在。
信 頼 度(観 測 の)。
全体誤差が検出される有効性の尺度。この"内部"信頼度は通常境界的に検出可能
な偏差(MDB )を用いて表現される。
信 頼 度(位 置 の)。
位置決定に対する観測における検出されない全体誤差の伝播尺度。この"外部 "信
頼度は通常境界的に検出可能な誤差(MDE)を用いて表現する。
反復性。
測位システムの精度で、無作為誤差のみを考慮する。反復性は通常 95% 確率円で表す。
二乗平均平方根の誤差 (RMS)。
1 次元における測定の変化度を参照する RMS 誤差。この 1 次元
の場合、RMS 誤差は誤差の標準偏差の推定にもなる。
機能停止点。
重複が不足している航法システムの部分で、これによってその部分の機能停止が全体
- 12-
システムの機能停止につながる。
システム上の誤差。
サービス容量。
ある種のパターンに一致する意味において無作為でない誤差。
サービスが同時に扱うことができるユーザー数。
しきい値 (又は警報限界) は警報を発する前の-完全性監視中に-測定位置における最大許容誤差。
警報時間。
システムにおける機能停止の発生と船橋にそれが知らされるまでの経過時間。
全体システム誤差 (TSE) 。
TSE によって示すことができる全体航法性能。 NSE 及び VTE から TSE
に対する寄与度は無作為であると仮定して、 TSE は次式で表される。
TSE² = N SE² + VTE²
真の位置 (2 次元)。
指定された測地データにおける誤差の無い緯度及び経度座標。
真の位置 (3 次元)。
指定された測地データにおける誤差の無い緯度、経度及び高さの座標。
船舶技術誤差 (VTE) 。
これは指示された船舶位置と指示したコマンド又は要求する位置の差であ
る。これは船舶が制御される精度の尺度である。
世界測地システム (WGS)。
地球の大きさと形状、地球の質量重心に対する点のネットワークの位
置、主要な測地データからの変換及び地球のポテンシャルを示す整合パラメータセット。
用語
AIS
船舶自動識別システム
CAIM
船舶独立完全性監視
Chayka
ソ連邦政府が運用する無線航法システムで、Loran-C に類似
Decca Navigator
位相比較手法に基づく低周波双曲線無線航法システム
DGPS
ディファレンシャル GPS
EGNOS
ヨーロッパ静止衛星航法オーバーレイサービス
EU
ヨーロッパ連合
FOC
全面運用機能
DTOA
2 つの信号における事象が到達する時間差
GLONASS
世界航法衛星システム、ロシア連邦政府により運用
GMDSS
世界海上遭難・安全システム
GNSS
世界航法衛星システム
GNSS-1
EU による開発における GPS 及び GLONASS の増強に基づく世界航法衛星システム
- 13-
GNSS-2
EU による開発における将来の世界航法衛星システム
GPS
米国政府により運用される世界測位システム
HSC
高速船舶
IALA
航海及び灯台当局に対する海上救難の国際協会
ICAO
国際民間航空機関
IHO
国際水路機関
IMO
国際海事機関
IOC
初期運用機能
ITU
国際電気通信連合
LAAS
局地増強システム
LADGNSS
局地ディファレンシャル GNSS
LORAN-C
パルス信号における事象の TOA 又は DTOA の測定に基づく低周波双曲線無線航法
システム
MSAS
日本政府により開発された多目的衛星増強システム
MSC
IMO の海上安全委員会
NAV
IMO の航行安全に関する分科会
NSE
航法システム誤差
RAIM
受信機独立完全性監視
SAR
捜索及び救助
SIS
宇宙空間における信号
TOA
1 つの信号における事象の到達時間
TSE
全体システム誤差
VDR
航海データ記録装置
VTE
船舶技術誤差
VTS
船舶交通サービス
WAAS
米国政府により開発された広域増強システム
WRC
ITU の世界無線会議
WWRNS
世界無線航法システム
- 14-
Fly UP