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資料No.3-4 ストレステストについて

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資料No.3-4 ストレステストについて
資料No.3-4
ストレステストについて
平成23年10月22日
国内ストレステストの目的と概要
出典:原子力安全・保安院資料「発電用原子炉施設の安全性に関する総合的評価の概要」(H23年7月22日)
なお、対象プラントは以下の通りで、福島第一、第二は対象外
一次評価:柏崎刈羽1,7号機(当面の対象プラント)
二次評価:柏崎刈羽全号機
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1
国内ストレステストの評価項目
地震
津波
地震と津波の重畳
全交流電源喪失
最終ヒートシンク喪失
全交流電源喪失と最終ヒートシンク喪失の複合
(二次評価のみ)
シビアアクシデントマネジメント
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2
ストレステスト評価の流れ
Ⅰ
評価対象設備の選定
プラントの安全向上プロセスの一環であることを意識しつつ、福島事故も踏まえた対
策も含め、安全を確保するための方策が多段に講じられていることを確認するために、
① 地震や津波等を起因として燃料の重大な損傷に至るシナリオを特定(確率論的安
全評価の知見を活用し、イベントツリーを用いて特定)
②
シナリオに関係する設備(構築物や機器)を抽出
Ⅱ
対象設備の裕度評価
③
評価対象設備について、安全余裕を評価
(例:津波であれば想定津波高さに対する裕度)
Ⅲ
プラントの裕度評価
④
安全確保策により燃料の重大な損傷に至る事象の進展が阻止されることを確認す
るとともに、燃料の重大な損傷に至る各シナリオが成立するまでの裕度を評価し、
その中で最も安全余裕の小さいシナリオ、及びその安全余裕を決定付ける設備を
特定する。(クリフエッジの特定)
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3
安全確保シナリオの確認と燃料損傷シナリオの抽出(地震の例)
【イベントツリーのイメージ】
地震
「冷却材喪失」な
どを起因とする場
合も評価する
スクラム成功
高圧注水
(高圧炉心スプレイ系、
原子炉隔離時冷却系)
低圧注水
減圧
燃料損傷
の有無
代替注水
(低圧炉心スプレイ系、 (補給水系,
低圧注水系)
消火系など)
燃料損傷
を回避
燃料損傷
を回避
は次ページで
説明するシナリオ
外部電源喪失
燃料損傷
を回避
○成功
燃料損傷シナ
リオm
失敗になる
裕度の大きさ
燃料損傷シナ
リオn
×失敗
各分岐では決定論的に地震動レベルに応じ成功か失敗を判断
多段の安全確保策により燃料損傷を回避できるシナリオが成立することを、
イベントツリーを用いて確認するとともに、燃料の重大な損傷に至るシナ
リオを抽出する。
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4
裕度評価(地震の例)
【シナリオmの裕度評価】
高圧注水系に
外部電源喪失
減圧失敗せず
よる注水失敗
耐震重要度が低いた
め機能を期待しない
と仮定
裕度α2以上で機
能を期待しない
低圧注水系に
代替注水系に
よる注水失敗
よる注水失敗
裕度β以上で機能
を期待しない
燃料損傷
耐震重要度が低いた
め機能を期待しない
と仮定
当該シナリオ
における
裕度:β
各機能の裕度評価
高圧注水機能
減圧機能
低圧注水機能
高圧注水系による注水失敗が発生する裕度:α2
評価対象設備
損傷
モード
原子炉隔離時
冷却系ポンプ
機能損傷
加速度(G)
評価値
(A)
評価基準値
(B)
A1
B1
○○機能
裕度*1
(B/A)
各設備の
裕度*2
α1
α1
高圧注水
系の裕度
α2
高圧炉心スプ
レイ系ポンプ
機能損傷
A2
B2
α2
α2
*1
裕度は耐震安全性評価の評価基準値に対する値となり、機能維持の限界に対する裕度そのもの
を示すわけではない。
*2
各系統ともポンプの他に弁や配管等があり、それらの裕度も別途評価しているところ。
裕度:α1<α2 <βとする
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5
クリフエッジの特定(地震の例)
燃料損傷1
裕度●
○○○
燃料損傷2
裕度▲
△△△
燃料損傷m
裕度β
低圧注水系
燃料損傷n
裕度■
□□□
・・・
裕度を決定する設備
・・・
当該シナリオが成立するまでの裕度
・・・
シナリオ
・・・
・・・
・・・
燃料損傷を回避できるシナリオをきちんと確認する作業を通じ、裕度が
最小の燃料損傷に至るシナリオを摘出
燃料損傷に至るシナリオの最小の裕度をクリフエッジとして特定(※)
(※)抽出されたクリフエッジの候補が、評価上の仮定の影響を強く受けたものか否かに
ついて適宜考察を加えながらクリフエッジを特定していく。
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6
安全確保シナリオの確認と燃料損傷シナリオの抽出(津波の例)
【イベントツリーのイメージ】
外部電源
減圧
高圧注水
(起動変圧器) (高圧炉心スプレイ系、
原子炉隔離時冷却系)
燃料損傷
の有無
燃料損傷
を回避
は次ページで
説明するシナリオ
スクラム成功
海
代替注水
下のシナリオと同
様の評価を実施
津波
Hx/B T/B
R/B
低圧注水
(低圧炉心スプレイ系、 (補給水系,
低圧注水系)
消火系など)
燃料損傷
を回避
燃料損傷
を回避
高台
変圧器
燃料損傷シナ
リオp
○成功
燃料損傷シナ
リオq
失敗になる
裕度の大きさ
×失敗
多段の安全確保策により燃料損傷を回避できるシナリオが成立することを、
イベントツリーを用いて確認するとともに、燃料の重大な損傷に至るシナ
リオを抽出する。
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裕度評価(津波の例)
【シナリオpの裕度評価】
外部電源喪失
裕度h1m以上の津波で
機能を期待しない
海水ポンプ機能
喪失(ヒートシ
ンク喪失)
裕度h2 m以上
高圧注水系に
よる注水失敗
代替注水系に
減圧失敗せず
よる注水失敗
裕度h3 m以上
裕度h3 m以上
※同時に全交流電源
喪失と想定
Hx/B
Hx/B
T/B
起動変圧器
R/B
h2 m上昇
Hx/B内の機器が津
波により機能喪失
想定津波高さ
Hx/B
T/B
燃料損傷
当該シナリオ
における
裕度:h3 m
起動変圧器
高台
R/B
敷地高さ
h3 m上昇
想定津波高さ
R/B、T/B内の
機器が津波によ
り機能喪失
敷地高さ
T/B
起動変圧器
R/B
h1 m上昇
起動変圧器が津波
により機能喪失
裕度 = 機能喪失となる津波高さ[m] - 想定津波高さ[m]
敷地高さ
想定津波高さ
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8
クリフエッジの特定(津波の例)
燃料損傷1
裕度●m
○○○
燃料損傷2
裕度▲m
△△△
燃料損傷p
裕度h3m
高圧注水系
燃料損傷q
裕度■m
□□□
・・・
裕度を決定する設備
・・・
当該シナリオが成立するまでの裕度
・・・
シナリオ
・・・
・・・
・・・
燃料損傷を回避できるシナリオをきちんと確認する作業を通じ、裕度が
最小の燃料損傷に至るシナリオを摘出
燃料損傷に至るシナリオの最小の裕度をクリフエッジとして特定
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【参考】EUストレステスト
~経緯・定義~
【経緯】
(2011年3月25日)
福島原発事故を受け、欧州理事会がEU内の全ての原発
の安全性について、総合的かつ透明性のあるリスク評価に
よりレビューすることを宣言
(5月24日)
欧州委員会と欧州原子力安全規制者グループ
(ENSREG)間で、実施方法とスケジュールについて合意
【ストレステストの定義】
「福島における安全機能を脅かす巨大な自然現象によ
る過酷事故の発生を踏まえた、原発の安全裕度の再評価」
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【参考】 EUストレステスト
~実施概要~
【目的】
 設計基準で講じられた対策及び設計要求へのプラント適合性
 設計基準を超える領域での頑強(ロバスト)性
 深層防護レベルを高めるであろう変更措置の可能性
【手法】
 プラント挙動と予防措置の有効性について評価
 潜在的な弱点やクリフエッジ効果(ある大きさ以上の負荷が加わった時に共通要因により
大半の安全機能が同時に喪失)を考慮
 深層防護に基づくアプローチのロバスト性や、アクシデントマネジメント手法の妥当性を
評価し、技術的、組織的に、安全改良の余地を検証
【技術仕様】
想定する起因事象:地震、洪水
想定する安全機能喪失
-全交流電源喪失(SBO)を含む電源の喪失
-最終ヒートシンク(UHS)の喪失
-両者の組み合わせ
シビアアクシデント・マネージメントの問題
-炉心冷却機能喪失の防護及び管理の手段
-燃料貯蔵プールの冷却機能喪失の防護及び管理の手段
-格納容器健全性喪失の防護及び管理の手段
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【参考】EUストレステスト
~実施スケジュール~
各事業者によるストレステストの実施
中間報告(2011/8/15)、最終報告(2011/10/31)
規制当局による審査
中間報告(2011/9/15)、最終報告(2011/12/31)
各国間ピアレビューの実施
完了(2012/4/30)
欧州委員会としての報告取りまとめ
中間報告(2011/12/9)
最終報告(2012/6)
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【参考】EUストレステスト
~調査結果概要~
欧州原子力事業者はストレステストの目的を以下の通り理解:
①安全性に関する国民の信頼を得るため
②更なる安全性向上のための対策検討・実施のため
欧州規制当局がストレステストをプラントの運転可否判断に用
いる意図はないと考えている
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