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電子情報通信学会ワードテンプレート (タイトル)
社団法人 電子情報通信学会 THE INSTITUTE OF ELECTRONICS, INFORMATION AND COMMUNICATION ENGINEERS 信学技報 TECHNICAL REPORT OF IEICE GPS 広域補正によるサブメータ級測位 試験評価結果 笠井 晶二 (有)笠井デザインオフィス 〒206-0801 東京都稲城市大丸33-7 E-mail: [email protected] あらまし GPS 広域補正による測位精度試験結果。地滑り検出への適用可能性。 キーワード GPS 広域補正,補正測位,電離層遅延,衛星軌道・時計誤差,磁気嵐,地滑り Experimental Results of Sub-meter class WDGPS Shoji KASAI Kasai Design Office Ltd. 33-7 Oomaru, Inagi, Tokyo, 206-0801 Japan E-mail: [email protected] Abstract Experimental results.of WDGPS, Keyword GPS, WADGPS, Ionospheric Delay, Satellite Orbit and Clock Error, Magnetic Storm 1. は じ め に 我 々 が 開 発 し た GPS 広 域 補 正 シ ス テ ム は 国 土 地 理 放 送 暦 を 適 用 し GPS 衛 星 の 位 置 及 び 衛 星 時 計 誤 差 院 の GPS 観 測 網( 緯 度・経 度 1 度 間 隔 に 1 観 測 点 、全 を 求 め た 場 合 、L1 擬 似 距 離 観 測 デ ー タ に 含 ま れ る 誤 差 国 で 90 点 程 度 ) を 利 用 し て 電 離 層 遅 延 量 及 び 衛 星 軌 は次のように表される。 道 ・時 計 誤 差 を 推 定 し 1 擬 似 距 離 を 使 用 す る 1 周 波 ユ ー ザ向けに補正情報をリアルタイムで配信するシステム である。補正情報を受信したユーザは概略位置及び受 信 遅 れ 時 間 に 基 づ き 補 正 情 報 を 補 完 し 、L1 擬 似 距 離 観 測 デ ー タ を 補 正 し て 測 位 を 実 施 す る 。本 発 表 で は 実 証 試 験 結 果 に 基 づ い て 我 々 の GPS 広 域 補 正 シ ス テ ム が サブメータ級(またはデシメータ級)の補正精度を有 し、大規模な磁気嵐の際でもサブメータ級の補正精度 を維持することを示す。 2. L1 擬 似 距 離 に よ る 測 位 2.1 L1 擬 似 距 離 の 観 測 誤 差 1 周 波 ユ ー ザ が 使 用 す る L1 擬 似 距 離 観 測 デ ー タ は PRrs (t ) + c ⋅ dT s (t ) = {ρ rs (t ) − Δρ rs (t )} + c{dt r (t ) − Δdt s (t )} + Trs (t ) + I rs (t ) + Ers (t ) ⎧Δρ rs (t ) = ρ rs (t ) − ρ rs (t ) ⎪⎪ s s s s 2 2 2 ⎨ ρ r (t ) = ( x (t ) − xr (t )) + ( y (t ) − yr (t )) + ( z (t ) − z r (t )) ⎪ ΔdT s (t ) = dT s (t ) − dT s (t ) ⎩⎪ ⎧ x s (t ), y s (t ), z s (t ) : 放送暦による衛星位置 ⎪ s ⎪ ρ r (t ) : 放送暦による衛星位置とユーザ間距離 ⎪ s ⎨dT (t ) : 放送暦による衛星時計誤差 ⎪Δρ s (t ) : 放送暦による衛星位置誤差の視線方向射影成分 ⎪ r ⎪ΔdT s (t ) : 放送暦による衛星時計誤差補正残差 ⎩ 以下の式に示すように各種の誤差を含んでいる。 PRrs (t ) = ρ rs (t ) + c{dTr (t ) − dT s (t )} + Trs (t ) + I rs (t ) + Ers (t ) ρ rs (t ) = ( x s (t ) − xr (t )) 2 + ( y s (t ) − yr (t ))2 + ( z s (t ) − zr (t ))2 PRrs (t ) : L1擬似距離観測データ(r : 受信機ID, s : 衛星ID, t : 時刻) ⎧ x s (t ), y s (t ), z s (t ) : 衛星位置 ⎪ ⎪ xr (t ), yr (t ), zr (t ) : ユーザ位置 ⎨ s ⎪dT (t ) : 衛星時計誤差 ⎪dT (t ) : 受信機局時計誤差 ⎩ r ⎧ I rs (t ) : L1電離層遅延量 ⎪ s ⎪Tr (t ) : 対流圏遅延量 ⎨ s ⎪ Er (t ) : 擬似距離観測ノイズ ⎪c : 光速 ⎩ 2.2 広 域 補 正 シ ス テ ム に よ る 補 正 測 位 本 GPS 広 域 補 正 シ ス テ ム で は 放 送 暦 適 用 後 の 上 記 の 誤 差 の 内 、対 流 圏 遅 延 量 は Saastamoinen モ デ ル で 補 正 し 、電 離 層 遅 延 量 及 び 放 送 暦 に よ る 衛 星 軌 道・時 計 誤 差 は GPS 広 域 補 正 シ ス テ ム か ら 配 信 さ れ た 電 離 層 遅 延補正情報及び衛星誤差補正情報にて補正することに よ り L1 擬 似 距 離 の み で 高 精 度 の 測 位 を 実 施 す る 。 3. 広 域 補 正 情 報 生 成 国 土 地 理 院 の GPS 観 測 網 の 30 秒 観 測 デ ー タ を 利 用 し 、電 離 層 遅 延 量 及 び 衛 星 軌 道・時 計 誤 差 の 補 正 情 報 を 生 成 ・配 信 す る 。 表 3.1 広 域 補 正 情 報 生 成 観 測 デ ー タ 国土地理院電子基準点から緯 基準観測点 度・経度 1 度間隔に 1 観測点 を 選 択 、 全 国 で 90 点 程 度 。 観測周期 30 秒 観測データ L1/L2 擬 似 距 離 ・搬 送 波 位 相 表 3.2 広 域 補 正 情 報 生 成 電離層遅延補正値 推 定 /配 信 状 態 量 衛星誤差補正値 推 定 /配 信 周 期 30 秒 推定方式 拡張カルマンフィルタ 図 3 に 2004 年 11 月 6 日 の 広 域 補 正 情 報 生 成 に 使 用 したモニタ局配置を示す。 表 4.1-2 2004 年 11 月 6 日 東 京 (3017)補 正 測 位 精 度 測位方式 Trop 東 京 (3017) Trop +Iono 評価項目 +Iono +Sat +Sat +Filt 0.23 0.06 平 均 値 [m] 水平 0.13 0.03 標 準 偏 差 [m] 位置誤差 RMS[m] 0.26 0.06 0.01 0.07 平 均 値 [m] 垂直 0.41 0.07 標 準 偏 差 [m] 位置誤差 RMS[m] 0.41 0.10 0.42 0.10 平 均 値 [m] 絶対 0.24 0.05 標 準 偏 差 [m] 位置誤差 RMS[m] 0.49 0.12 UDRE RMS[m] 0.27 0.27 測位方式の記号は以下の意味である。 Trop: Saastamoinen モ デ ル に よ る 対 流 圏 遅 延 補 正 Iono: 広 域 補 正 情 報 に よ る 電 離 層 遅 延 補 正 Sat : 広 域 補 正 情 報 に よ る 衛 星 誤 差 補 正 Filt : カ ル マ ン フ ィ ル タ に よ る 測 位 (位 置 プ ロ セ ス ノ イ ズ 1cm/30sec) 以下に各測位方式の推定位置誤差グラフを示す。 (縦軸のスケールは測位方式毎に異なるので注意) 図 3. 2004 年 11 月 6 日 基 準 観 測 点 配 置 4. 通 常 時 の 広 域 補 正 測 位 精 度 4.1 誤 差 要 因 別 補 正 測 位 精 度 解 析 結 果 電離層遅延量及び衛星誤差の補正効果を示すため、 東京を例に各種補正を実施した場合の測位精度を表 1 及 び 表 2 に 示 す 。( 補 正 情 報 配 信 遅 延 時 間 は 1 分 と し 図 4.1-1 対 流 圏 遅 延 補 正 た 。) 表 4.1-1 2004 年 11 月 6 日 東 京 (3017)補 正 測 位 精 度 測位方式 東 京 (3017) Trop Trop 評価項目 Trop +Iono +Sat 1.46 0.96 0.88 平 均 値 [m] 水平 1.04 0.57 0.63 標 準 偏 差 [m] 位置誤差 RMS[m] 1.79 1.12 1.08 -3.84 -0.45 -2.99 平 均 値 [m] 垂直 2.95 1.61 2.38 標 準 偏 差 [m] 位置誤差 RMS[m] 4.85 1.67 3.82 4.33 1.79 3.16 平 均 値 [m] 絶対 2.82 0.91 2.40 標 準 偏 差 [m] 位置誤差 RMS[m] 5.17 2.01 3.97 UDRE RMS[m] 2.49 1.17 1.44 図 4.1-2 対 流 圏 遅 延 +電 離 層 遅 延 補 正 受信機観測ノイズ+マルチパスとなり測位誤差はほと ん ど ラ ン ダ ム と な る 。そ こ で 電 離 層 遅 延 + 衛 星 誤 差 補 正に位置フィルタリングを実施した場合が最後のケー ス で あ り 、搬 送 波 位 相 を 使 用 し な い L1 擬 似 距 離 の み で 水 平 位 置 誤 差 RMS10cm 以 下 が 実 現 可 能 で あ る こ と を 示している。 4.2 国 内 主 要 都 市 の広 域 補 正 測 位 精 度 表 4.2-1 及 び 表 4.2-2 に 2004 年 11 月 6 日 の 国 内 主 要 都市の広域補正による測位精度評価結果を以下に示 す。 図 4.1-3 対 流 圏 遅 延 + 衛 星 誤 差 補 正 図 4.1-4 対 流 圏 + 電 離 層 + 衛 星 誤 差 補 正 図 4.1-5 対 流 圏 + 電 離 層 + 衛 星 誤 差 補 正 +フ ィ ル タ グラフより電離層遅延補正では電離層遅延量が大 きい昼間の誤差及び垂直位置誤差が大幅に改善され、 表 4.2-1 2004 年 11 月 6 日 主 要 都 市 補 正 測 位 精 度 対流圏+電離層+衛星誤差補正 水平位置誤差 垂直位置誤差 UDRE 観測点 偏差 偏差 RMS 平均 平均 RMS RMS [m] [m] [m] [m] [m] 0.14 0.38 札幌 0.23 0.13 0.25 0.27 0.40 (0128) 0.11 0.33 仙台 0.20 0.11 0.23 0.23 0.35 (0037) 0.13 0.41 東京 0.23 0.01 0.27 0.26 0.41 (3017) 0.12 0.37 大阪 0.21 0.05 0.25 0.25 0.37 (0353) 0.13 0.41 福岡 0.22 0.00 0.24 0.26 0.41 (1062) 0.12 0.39 那覇 0.21 0.00 0.26 0.24 0.39 (0740) 表 4.2-2 2004 年 11 月 6 日 主 要 都 市 補 正 測 位 精 度 対 流 圏 + 電 離 層 + 衛 星 誤 差 補 正 +フ ィ ル タ 水平位置誤差 垂直位置誤差 UDRE 観測点 偏差 偏差 RMS 平均 平均 RMS RMS [m] [m] [m] [m] [m] 0.04 0.07 札幌 0.08 0.07 - 0.08 0.10 (0128) 0.02 0.04 仙台 0.04 -0.05 - 0.05 0.06 (0037) 0.03 0.07 東京 0.06 0.07 - 0.06 0.10 (3017) 0.04 0.07 大阪 0.06 0.08 - 0.07 0.11 (0353) 0.03 0.08 福岡 0.08 0.00 - 0.08 0.08 (1062) 0.05 0.11 那覇 0.09 0.07 - 0.10 0.13 (0740) 衛星誤差補正では電離層遅延の影響が少ない夜間の誤 差が改善されることが判る。 位置フィルタリングを併用しない広域補正測位で 電 離 層 遅 延 + 衛 星 誤 差 補 正 で は UDRE が L1 擬 似 距 は観測点位置の南北による測位精度の差はなく全国で 離 の 受 信 機 観 測 ノ イ ズ + マ ル チ パ ス の RMS と ほ ぼ 等 ほ ぼ 一 定 で あ る 。こ の 測 位 方 式 は Epoch by epoch で あ し い こ と か ら 、10cm オ ー ダ ー 以 上 の 観 測 誤 差 は ほ と ん る こ と か ら 移 動 体 の 測 位 に 適 用 可 能 で あ り 、こ の 結 果 ど 補 正 除 去 さ れ て い る と 考 え ら れ る 。残 る 観 測 誤 差 は は広域補正システムが本システムより基準観測点網が 密 な 移 動 体 向 け VRS と 同 等 の 能 力 を 持 つ こ と を 示 し ている。 位 置 フ ィ ル タ リ ン グ を 併 用 し た 場 合 、那 覇 の 測 位 精 度 が 若 干 劣 化 す る も の の 全 国 で ほ ぼ 一 定 で あ る 。こ の 結果は固定ユーザの場合、位置フィルタリングを実施 す れ ば 搬 送 波 位 相 を 使 用 せ ず に 10cm 以 下 の 測 位 精 度 が達成可能であることを示している。 4.3 覆 域 周 縁 部 の 広 域 補 正 測 位 精 度 広域補正を含むネットワーク補正システムでは一 般に基準観測点ネットワークに囲まれた内部の測位精 度は安定するがネットワーク外部及びネットワーク周 縁 部 の 測 位 精 度 が 著 し く 劣 化 す る 場 合 が あ る 。そ こ で 基準点ネットワーク周縁部における広域補正測位精度 の 評 価 を 実 施 し た 。図 4.3 に 評 価 に 使 用 し た 観 測 点 位 置 を 示 す 。紙 数 の 関 係 か ら 本 報 告 で は 各 観 測 点 の 位 置 フ ィ ル タ リ ン グ を 使 用 し な い Epoch by epoch の 広 域 補 正 測 位 に よ る 水 平 /垂 直 位 置 誤 差 RMS 及 び UDRE RMS を 表 4.3 に 示 す 。 図 4.3 覆 域 周 縁 部 の 補 正 測 位 精 度 評 価 観 測 点 配 置 表 4.3 2004 年 11 月 6 日 覆 域 周 縁 部 補 正 測 位 精 度 測位方式:対流圏+電離層+衛星誤差補正 観測点位置 位置誤差 UDRE 観測点 水平 垂直 RMS 緯度 経度 RMS RMS [m] [deg] [deg] [m] [m] 稚内 45.4 141.8 0.22 0.32 0.21 (0001) 根室 1 43.3 145.5 0.39 0.59 0.32 (0006) 奥尻 2 42.1 139.4 0.27 0.39 0.27 (0527) 襟裳 1 42.0 143.2 0.30 0.43 0.26 (0019) 表 4.3-2 2004 年 11 月 6 日 覆 域 周 縁 部 補 正 測 位 精 度 測位方式:対流圏+電離層+衛星誤差補正 観測点位置 位置誤差 UDRE 観測点 水平 垂直 RMS 緯度 経度 RMS RMS [m] [deg] [deg] [m] [m] 東通 41.1 141.4 0.34 0.53 0.30 (0533) 男鹿 1 40.0 139.8 0.25 0.35 0.24 (0030) 宮古 39.6 141.9 0.36 0.52 0.36 (0028) 両津 1 38.3 138.5 0.28 0.41 0.26 (0232) 大山 38.3 141.5 0.28 0.38 0.26 (0550) 倉島 37.9 136.9 0.25 0.36 0.26 (0252) 五箇 36.3 133.2 0.29 0.41 0.26 (0382) 銚子 35.7 140.8 0.25 0.36 0.25 (3022) 館山 35.0 139.9 0.29 0.42 0.28 (3047) 美津島 34.3 129.3 0.26 0.39 0.24 (0457) 南伊豆 34.6 138.8 0.23 0.35 0.23 (3086) 御前崎 34.6 138.2 0.22 0.33 0.22 (3101) 串本 33.5 135.8 0.28 0.45 0.28 (0070) 室戸 33.3 134.1 0.25 0.34 0.24 (0082) 八丈 31.1 139.8 0.25 0.41 0.26 (5113) 土佐 32.8 133.0 0.23 0.36 0.24 (0085) 福江 32.7 128.8 0.22 0.33 0.23 (0462) 佐多 31.1 130.7 0.21 0.33 0.22 (0491) 南種子 30.4 130.9 0.23 0.35 0.25 (0726) 十島 29.6 129.7 0.25 0.38 0.24 (0729) 和泊 27.4 128.7 0.22 0.38 0.23 (0735) 南大東 25.8 131.2 0.24 0.45 0.26 (0497) 石垣 1 24.5 124.3 0.29 0.51 0.27 (0749) 与那国 24.5 122.9 0.23 0.45 0.25 (0499) 数箇所で精度劣化が見られるが極端な精度劣化は 発 生 し て い な い 。周 縁 部 で の 精 度 劣 化 は 主 に 本 解 析 に 使用した基準点配置が必ずしも周縁部に対しては最適 ではない部分があることによる。 5. 大 規 模 な 磁 気 嵐 の 際 の 広 域 補 正 測 位 精 度 2004 年 11 月 7 日 か ら 8 日 に 掛 け 大 規 模 な 磁 気 嵐 が 発 生 し 8 日 20 時 頃 (LT)に 北 海 道 で 大 幅 な 電 子 密 度 変 動 が 記 録 さ れ た 。 図 5-1 に 2004 年 11 月 8 日 の 札 幌 、 東 京 、那 覇 の VTEC、図 5-2 に 2004 年 11 月 8 日 20 時 30 分 (LT)の VTEC マ ッ プ 示 す 。 図 5-1 2004 年 11 月 8 日 札 幌 、東 京 、那 覇 VTEC 表 5.1-1 2004 年 11 月 8 日 主 要 都 市 補 正 測 位 精 度 対流圏+電離層+衛星誤差補正 水平位置誤差 垂直位置誤差 観測点 UDRE 偏差 偏差 平均 平均 [m] RMS RMS [m] [m] [m] [m] 0.15 0.43 札幌 0.26 0.11 0.29 0.30 0.44 (0128) 0.13 0.37 仙台 0.22 0.11 0.25 0.25 0.38 (0037) 0.14 0.45 東京 0.25 0.05 0.29 0.28 0.45 (3017) 0.14 0.41 大阪 0.23 0.15 0.28 0.27 0.43 (0353) 0.14 0.43 福岡 0.24 0.07 0.26 0.28 0.44 (1062) 0.13 0.40 那覇 0.23 -0.02 0.27 0.26 0.40 (0740) 表 5.1-2 2004 年 11 月 8 日 主 要 都 市 補 正 測 位 精 度 対 流 圏 + 電 離 層 + 衛 星 誤 差 補 正 +フ ィ ル タ 水平位置誤差 垂直位置誤差 観測点 UDRE 偏差 偏差 平均 平均 [m] RMS RMS [m] [m] [m] [m] 0.02 0.01 札幌 0.12 0.00 - 0.12 0.02 (0128) 0.01 0.02 仙台 0.03 -0.12 - 0.03 0.12 (0037) 0.01 0.02 東京 0.08 0.01 - 0.08 0.02 (3017) 0.01 0.02 大阪 0.12 0.13 - 0.13 0.13 (0353) 0.01 0.03 福岡 0.11 -0.04 - 0.11 0.05 (1062) 0.03 0.02 那覇 0.10 0.00 - 0.10 0.02 (0740) 5.2 覆 域 周 縁 部 の 広 域 補 正 測 位 精 度 覆域周縁部では離島の覆域損失及び関東以北で明 らかな精度劣化が見られるもののサブメータ級の精度 は維持している。 図 5-2 2004 年 11 月 8 日 20.5 時 (LT) VTEC マ ッ プ 5.1 主 要 都 市 の 広 域 補 正 測 位 精 度 表 5.1-1 及 び 表 5.1-2 に 2004 年 11 月 8 日 の 国 内 主 要 都市の広域補正による測位精度評価結果を以下に示す。 電離層擾乱による電離層遅延補正精度劣化は避けられ な い が フ ィ ル タ を 併 用 し な い 場 合 、電 離 層 平 穏 期 の 11 月 6 日 に 比 べ 、若 干 の 精 度 劣 化 は あ る も の の 大 幅 な 精 度 低 下 に は 至 っ て い な い 。フ ィ ル タ を 併 用 し た 場 合 、全 国 で 測 位 精 度 劣 化 が 見 ら れ る 。cm レ ベ ル で は 電 離 層 遅 延補正精度劣化の影響が現れていると考えられる。 表 5.2-1 2004 年 11 月 8 日 覆 域 周 縁 部 補 正 測 位 精 度 測位方式:対流圏+電離層+衛星誤差補正 観測点位置 位置誤差 UDRE 観測点 水平 垂直 RMS 緯度 経度 RMS RMS [m] [deg] [deg] [m] [m] 稚内 45.4 141.8 0.31 0.45 0.30 (0001) 根室 1 43.3 145.5 0.39 0.63 0.38 (0006) 奥尻 2 42.1 139.4 0.33 0.50 0.32 (0527) 襟裳 1 42.0 143.2 0.44 0.61 0.36 (0019) 表 5.2-2 2004 年 11 月 8 日 覆 域 周 縁 部 補 正 測 位 精 度 測位方式:対流圏+電離層+衛星誤差補正 観測点位置 位置誤差 UDRE 観測点 水平 垂直 RMS 緯度 経度 RMS RMS [m] [deg] [deg] [m] [m] 東通 41.1 141.4 0.39 0.60 0.35 (0533) 男鹿 1 40.0 139.8 0.29 0.49 0.30 (0030) 宮古 39.6 141.9 0.42 0.62 0.40 (0028) 両津 1 38.3 138.5 0.35 0.48 0.31 (0232) 大山 38.3 141.5 0.31 0.40 0.29 (0550) 倉島 37.9 136.9 0.33 0.46 0.33 (0252) 五箇 36.3 133.2 0.36 0.53 0.34 (0382) 銚子 35.7 140.8 0.33 0.49 0.34 (3022) 館山 35.0 139.9 0.36 0.51 0.34 (3047) 美津島 34.3 129.3 0.29 0.41 0.27 (0457) 南伊豆 34.6 138.8 0.29 0.40 0.27 (3086) 御前崎 34.6 138.2 0.27 0.37 0.27 (3101) 串本 33.5 135.8 0.36 0.52 0.33 (0070) 室戸 33.3 134.1 0.32 0.60 0.34 (0082) 八丈 31.1 139.8 - - - (5113) 土佐 32.8 133.0 0.28 0.43 0.29 (0085) 福江 32.7 128.8 0.24 0.33 0.25 (0462) 佐多 31.1 130.7 0.26 0.57 0.31 (0491) 南種子 30.4 130.9 0.27 0.43 0.28 (0726) 十島 29.6 129.7 0.27 0.41 0.26 (0729) 和泊 27.4 128.7 0.23 0.40 0.24 (0735) 南大東 25.8 131.2 0.27 0.54 0.27 (0497) 石垣 1 24.5 124.3 0.28 0.44 0.26 (0749) 与那国 24.5 122.9 0.25 0.41 0.26 (0499) 6. 広 域 補 正 測 位 に よ る 地 滑 り 検 出 最後に広域補正測位によるリアルタイム地滑り検 出 の 可 能 性 を 検 証 す る 試 験 結 果 を 示 す 。2003 年 9 月 25 日 19 時 58 分 (UT)に 発 生 し た 十 勝 沖 地 震 に よ り 襟 裳 1(0019)が 70cm 程 度 移 動 し た 。 襟 裳 1 に 最 も 近 い 基 準 観 測 点 音 別 (0112)も 同 方 向 に 30cm 移 動 し て お り 、相 対 移 動 量 は 約 40cm と な り 、広 域 補 正 測 位 で 検 出 し た 移 動 量 に 等 し い 。図 6-1 及 び 図 6-2 に 襟 裳 1 の 地 震 に よ る 移動を広域補正測位により捉えた結果を示す。 こ の 結 果 よ り 10cm 以 上 の 地 滑 り な ら ば 広 域 補 正 測 位によりリアルタイムに検出可能であることが期待さ れる。 図 6-1 2003 年 9 月 25 日 襟 裳 1 測 位 結 果 図 6-2 2003 年 9 月 25 日 襟 裳 1 水 平 位 置 誤 差 文 献 [1] B.Parkinson et al., Global Positioning system: Theory and Applications, AIAA 1996. [2] K.Hoshinoo, T.Sato, Initial Results of GPS Orbit and Clock Estimation by Japanese GNSS Test System [3] G.Ma, T.Maruyama, Derivation of TEC and estimation of instrumental biases from GEONET in Japan, 第 1 回 電 離 圏 の 利 用 と 影 響 に 関 す る シ ン ポ ジ ウ ム , 東 京 2003 年 3 月