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Signa 甲子園・全国大会開催
昨年 12 月 2 日、都市センターホテルにて Signa 甲子園・全国大
会が開催され、200 人を超す参加者を集めて盛況に終了しました。
全国 7 ブロック 9 代表による Signa 撮像テクニックのコンテスト
が行われ、選出された審査員だけでなく一般の参加者も交えた投
票が行われ、金賞は激戦の関東ブロック予選を勝ち抜いた茨城ユ
ーザーズミーティング(以下、UM)の北茨城市立総合病院 臼庭
等先生、銀賞は東北ブロック代表・青森 UM 青森県立中央病院の
佐藤兼也先生、銅賞は北海道ブロック代表・札幌 UM 札幌医科大
学附属病院の鈴木淳平先生が、それぞれ受賞されました。
Signa甲子園とは?
Signa 甲子園は、GE MR Signa ユーザーが、その撮像テクニック
を競うコンテスト、1 つのイベントであると同時に、MR Signa ユ
■受賞者
金賞:北茨城市立総合病院/臼庭等先生(中央)
銀賞:青森県立中央病院/佐藤兼也先生(右)
銅賞:札幌医科大学附属病院/鈴木淳平先生(左)
ーザー同士の情報交換、親睦の場でもあります。一昨年 9 つの UM
が参加して東日本大会が開催されましたが、非常に好評だったこ
ともあり、前年は 22 の UM が参加し、規模を全国大会に拡大して
開催されました。
主催は GEYMS ですが、企画・運営は、東京近郊の Signa UM 世
Signa 甲子園
実行委員会メンバー
話人 4 名の実行委員会に委託され、全国各地の UM 代表世話人の方
実行委員長:横浜栄共済病院
高橋光幸先生(左)
実行委員:日本医科大学病院
土橋俊男先生(右)
とも打合せをしながら進められてきた、ユーザーによるユーザー
のための会です。
ユーザーズミーティング
(UM)とは?
MR を撮像するにあたって、「他の施設ではどんな条件で、どん
な工夫をして、どんな画像を出しているのだろう?」という素朴
な疑問を持たれた施設も多いと思います。メーカーの提供できる
Signa 甲子園
実行委員会メンバー
情報にも限界があり、それならユーザー同士で情報交換の場を作
実行委員(司会)
北里大学病院
尾崎正則先生(左)
実行委員(司会)
東京医科大学
八王子医療センター
津田英二先生(右)
ってしまおうというのが、そもそものきっかけです。
2001 年 9 月に神奈川で GE1.0T の UM が立ち上げられ、その後
1.0T/1.5T に拡大、回数も増えました。
2003 年には多摩地区でも立上げが行われ、UM 同士の交流もは
かられました。当社も立上げを積極的にバックアップし、2004 年
に 30 回、2005 年に 35 回、2006 年には 50 回を超える開催数とな
り、開催地域も 25 箇所となっています。ローカルな UM での活発
な活動、UM 間での情報交換、交流の要望が、今回の Signa 甲子園
の開催に結びつきました。
UM では、テーマを決めてフィルムを持ち寄ってディスカッショ
ンするのが一般的で、それ以外に他の UM から講師を招いた特別
講演、当社からのアプリケーション、ワンポイントレッスン、学
会等での新製品・新技術紹介、また新製品の見学会なども行われ、
ユーザー同士、ユーザーとメーカー間の有意義な情報交換の場と
して定着してきています。
会場内の様子
20
今回のSigna甲子園での発表内容
今回発表された内容のサマリーと各地の UM のコメンテータか
ら寄せられたコメントの一部をご紹介します。
北海道ブロック代表(札幌 UM)札幌医科大学附属病院/鈴木淳平 先生
「1mm の脳 meta も見逃すな!
! ― 転移性脳腫瘍の検出にお
ける 3D SPGR の有用性」
青森 UM(9/23 青森県観光物産館)
日本ハムファイターズのユニホームで登場!従来 2D SE 法
(Axial Coronal
2 方向)で行われていた脳転移の検索に、3D
SPGR を使用。Partial Volume や Gap の影響のない、連続データに
より検出能が向上。Isotropic のデータ収集により、Reformat や栄
養血管の描出などにも応用できる。撮影時間も、2D SE 法、2 方向
とほぼ同等で可能。
→ 従来型コイルや古い Version のシステムでも使用可能で、実用
的。また、全脳をあらゆる角度で観察できるため、臨床側のニー
ズにも沿うものとのコメントが寄せられていました。
宮崎 UM(9/30 県立宮崎病院)
東北ブロック代表(青森 UM)青森県立中央病院/佐藤兼也 先生
「MOTSA 3D -TOF における血管欠損の改善方法」
頭部の MRA で一般的に使用されている 3D-TOF で、血管の描出
能が血管の走行角度と流速の個人差に起因することに注目。Flow
Phantom により、Flip Angle と信号強度、流速の関係を評価し、流
速が遅い場合に Flip Angle を浅くすることで、描出能が改善するこ
とを確認。流速測定に 20 秒の 2D-PC を 2 回撮像(VENC 60&100)
して視覚的に確認するという簡便な方式を使用した。
→ どこの施設でも困っている問題であり、短時間で簡便に流速が
今回は 22 の UM が予選に参加されましたが、発表の関係もあり 7 ブ
ロック 9 代表に絞られました。
(10/4 実行委員会による審査)
評価でき、実用的ですぐにでも活用したいとのコメントが寄せら
れていました。
北海道ブロック
東北ブロック
代表
◎
◎
関東ブロック
◎
◎
中部ブロック
◎
◎
関西ブロック
札幌 UM
世話人名
中西陽一
所属
白石脳外
青森 UM
福島 UM
佐藤兼也
小島正徳
青森県中
南東北
東京 UM
多摩 UM
神奈川 UM
長野 UM
千葉 UM
茨城 UM
土橋俊男
津田英二
尾崎正則
小林正人
長屋重幸
石森文朗
日本医大
東京医大八王子
北里大学
長野市民
聖隷佐倉市民
聖霊メモリアル
静岡 UM
愛知 UM
三重 UM
福井 UM
富山 UM
村松晴幸
黒木荘八
浅沼源示
村中良之
安達登志樹
焼津市立
名古屋第二日赤
三重大学
福井県立
あさひ総合
◎
南近畿 UM 石黒秋弘
はりま UM 中間康夫
大阪府立母子
神鋼加古川
◎
岡山 UM
広島 UM
山陰 UM
四国 UM
高尾渉
北村茂三
内田幸司
久保均
岡山旭東
吉島
島根大学
徳島大学
◎
北九州 UM 鳥巣健二
宮崎 UM
黒岩靖淳
九州労災
古賀総合
関東ブロック代表 -1(茨城 UM)北茨城市立総合病院/臼庭 等 先生
「S m a r t St e p を用いた肝臓 Dynamic Scan」
肝臓の MR Dynamic Scan において、早期/後期 動脈相を含む
4Phase 以上の撮像を行う場合に、従来の Multi Phase Scan では、
k-space Ordering の変更が行えず、動脈相の時間分解能は、撮像時
間に固定されてしまうデメリットがあった。下肢血管などの広範
囲をテーブル移動しながら撮像する Smart Step 法で、各 Location
の移動距離をゼロに設定することで、k-space の選択が自由となり、
最適な時間分解能での撮像が可能となった。また、プロトコルの
選択も自由となり、さらに各 Phase の画像が異なるシリーズに保
存されるなどのメリットも同時に実現された。
→ 目からウロコ、工夫点は満点、秀逸の一語に尽きるなど高い評
中四国ブロック
九州ブロック
予選に参加された全国 22 の UM と代表世話人(敬称略)
なお、発表者と世話人の方は必ずしも一致しません。
21
GE today January 2007
価を獲得されていました。
関東ブロック代表 -2(神奈川 UM)横浜栄共済病院/平野謙一 先生
「持続静注法を用いた高分解能画像」
スライス厚 1mm (ZIP2 : 0.5mm)の高分解能 3D TOF SPGR に
関西ブロック(はりま UM)順心会 順心会病院/狩口秀春 先生
「2D Venographyと SAS の fusion ― 画像による術前シュミ
レーション」
おいて、20CC の造影剤と 30CC の生理食塩水を混合して 5 分程度
脳腫瘍の術前精査においては、静脈系と腫瘍の位置関係の把握
持続注入することにより、血管内の信号強度を持続して比較的高
が重要で、従来は造影剤の急速静注を用いた TRICKS DSA を使用
信号に保つ事が可能となった。高分解能でコントラストのついた
してきた。侵襲性が高く、手技も煩雑なため、非造影の 2D Venog-
下垂体の撮影が可能となる他、脳表 SAS、Vascular Compression
raphy と SAS の Fusion 画像を用いた簡便な方法を検討した。通常
などにもルーチンで適用可能である。
のルーチン検査に 5 分程度の延長で簡単に追加でき、本体の Image
→ 空間分解能とコントラスト分解能を見事に両立、通り一遍で考
Works で処理できる。
えていた通常造影検査のあり方を考えさせられたなどのコメント
→ 造影には勝てないが、侵襲性、DPC の観点からも安易な造影剤
が寄せられていました。
投与に一石を投じる内容。ルーチン検査で気になった表在性の腫
瘍があれば追加が簡単にできるので使いたいなどのコメントが寄
せられていました。
中部ブロック -1(愛知 UM)総合大雄会病院/日比野友也 先生
「骨盤部造影 MRA ― 子宮動脈塞栓術(UAE)の術前プラン
ニングとして 」
従来の efgre-3D 法に、Elliptic Centric View Ordering 及び Parallel
中四国ブロック(四国 UM)もみのき病院/福永健哉 先生
「簡単にできる!術前の腫瘍位置確認(造影 3D MR)」
imaging(ASSET)を併用し、高分解能画像を得ることで、UAE の
脳腫瘍の術前の位置の確認において、造影 3D-vascular TOF
塞栓対象となる子宮動脈を明瞭に描出できた。子宮筋腫の通常造
SPGR で撮像し AW4.2 のソフトを使用し VR 処理を行うことにより
影 MRI に追加することで、再度検査の追加が不要で負担の軽減に
脳表、静脈、腫瘍、またはりつけた目印用のアダラートの描出に
も繋がる。ポジショニングにおいて腹壁の動きによるアーチファ
おいて良好な結果が得られた。脳外科医が求めるステレオ視も可
クトを防ぐためコイルの置き方に工夫した。また、スライス方向
能。術中写真との比較検討も提示。
の分解能を高くすることで Lateral view でも画質の劣化が少なく、
→ 非常に簡単ではあるが、情報の多い撮像法だと思います。臨床
診断に有用であった。
医からのニーズに応えるために AW を駆使している。ニーズを正
→ 高分解能で非常に綺麗な画像!とのコメント。子宮筋腫以外の
しく理解していないとできないことだと思いますなどのコメント
血管領域、ASO の診断にも有用では? TRICKS や LAVA とも比較
が寄せられていました。
してみたいなどのコメントが寄せられていました。
九州ブロック(宮崎 UM)同心会 古賀総合病院/黒岩靖淳 先生
中部ブロック -2(三重 UM)山田赤十字病院/小林篤 先生
「呼吸ガイドによる、MRCP の画質向上」
Asset 併用、呼吸同期の MRCP(3D FRFSE)において、呼吸同
「T R I C K S 法を用いた生体移植腎動脈の評価」
生体移植腎動脈の狭窄の評価に TRICKS を用いたが、TRICKS は
検査の再現性がよく、経過観察に有用で、造影剤量も半減できた。
期のデータ収集がうまくいくかどうかは患者様の呼吸状態に大き
ポジショニングにおいては、マンモ用のマットを用いて腕が挙上
く影響を受ける。MRI 用のオーディオ装置を使用して、吸って(2
しやすいよう工夫を行った。
秒)、吐いて(3 秒)の呼吸ガイドを行うことで、安定的に良好な
→ 移植腎の撮像に限らず、造影剤を減らす方向の時代では有用性
画像を得ることができた。なお、トリガーポイントは、通常の
がある。造影剤半減でも安定した画像が得られている。マットの
20%、40%と、呼吸ガイドでの 40%を比較検討、後者で最良の結
工夫はすぐにでも試してみたいなどのコメントが寄せられていま
果が得られた。
した。
→ 呼吸と同期のタイミングは奥が深いですね。患者様の呼吸が一
定なだけで安心してしまいがちだが、さらに勉強せねばと思いま
した。検査時間もある程度予測できるようになるなどのコメント
が寄せられていました。
最後に、今回の開催にあたり関係者の方に深くお礼申し上げま
す。なお、発表内容は、Signa ユーザー向け Community Site
“Signa ・る”に掲載予定です。完成次第、あらためてお知らせい
たします。
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