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D質疑応答

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D質疑応答
2002 年 3 月期決算説明会質疑応答
5 月 29 日に開催したUFJホールディングス 2002 年 3 月期決算説明会における、機関投資家・
証券アナリストの
皆さまとの質疑応答のうち、主要なものをジャンル別にわかりやすく整理いたしました。
【
不良債権の状況について】
Q. 資料 8 ページ、10 ページについて。
要管理債権が 2.9 兆円、要管理先債権が 4.1 兆円と1.2 兆円の差がありますが、この差は何ですか。
A. ある債務者に対する貸出債権の一部が要管理債権となっても、その債務者に対するすべての貸出が不良債
権に分類されるわけではありません。 日常業務を行う上で必要とされる運転資金など正常債権に該当する
ものも存在します。 要管理先債権といった場合、このような正常債権も含んでいます。 また、要管理債権は
貸出金のみですが、要管理先債権といった場合、他に支払承諾、仮払金、未収利息なども含んでいます。
Q. 銀行は、要管理債権と要管理先債権のリスクを同じリスクと判断しているのですか。
A. 要管理先債権でリスクをとらえています。 仮に要管理先債権が危険債権以下となった場合には、全額が個
別引当の対象になるので、保守的にとらえたほうが債権管理には適当であると考えるからです。
Q. 02 年上期中に既に発表されている大口問題先に対する支援が実行されることで、危険債権の残高は大きく
減少すると思われます。 その際、そのような債権は要管理債権に分類されると思うのですが、その場合、要
管理先債権が現在より 1 兆円くらい増えてしまうだけで、公表不良債権総額は減らないのではないですか。
そのような状況下で、要管理先債権にとどまっている大口の債権を公表不良債権からはずしていく方策とし
てどのようなことを考えているのですか。
A. オフバランス化を進めていく一方、UFJ グループは、不良債権問題を根本から解決するために、企業の経営
改善を通して金利収益をあげると同時にポートフォリオの改善にも役立つといった施策を行っています。 し
かしながら、02 年度には危険債権から格上げされる債権がかなりの金額になるものと想定されるので、要管
理債権残高はあまり減少しないと見ています。 しかしながら、格上げされるのは以前よりは良化した債権で
す。要管理先債権にとどまっている大口の債権については、地道な活動を通じて企業再生を支援していく努
力を本部・営業店をあげてやっていくということで、本部専門担当部や問題先専門担当部の人員を倍増させ
るといった施策を通じて 1 社 1 社対応していきます。
Q. 今回の大口先に対する不良債権処理で、「特定債務者支援引当金」を積んでいますが、これはどういうもの
なのですか。
A. 特定債務者支援引当金というのは、主にリスクの高い関連会社向け与信に対する引当金です。 しかしなが
ら、一般事業会社向け与信に対しても、再建目的で個別に貸倒引当金を立てている場合は、特定債務者支
援引当金という形で引当金を積んできました。 考え方としては、特定の債務者の再建・支援を組織として決
定しているものについては、特定債務者支援引当金を、単にリスクが高まっているという場合には個別貸倒
引当金を積んでいます。 したがって、今回の特定債務者支援引当金の中には大口先分もあるし、若干では
ありますが関連会社向けのものもあります。
9 月までに再建支援が実現し債権放棄などが行われた場合は、その会社に関わる特定債務者支援引当金
はなくなります。
特定債務者支援引当金は危険債権・
要管理債権・その他要注意債権のいずれにも積む可能性があります。
【02 年度の計画について】
Q. 02 年度はリスクアセットを 4 兆円削減する計画とのことですが、そのうち持ち合い株式の売却が 1 兆 4,600
億円の計画ですから、残りは不良債権が減るということなのですか。
A. 4 兆円から、持ち合い株式売却分の 1 兆 4,600 億円を除いた残りは約 2 兆 5,000 億円ですが、すべてが不
良債権の最終処理によるものではありません。 正常債権の流動化なども含まれています。
Q. 今年度の見込みで、UFJ 銀行・UFJ 信託銀行の単体経常利益の合算とグループ連結経常利益との差(
連単
差)が 400 億円ほどありますが、その要因はなんですか。
A. 連単差については、大きな収入源となっていた米国カリフォルニア州の現地法人(United California Bank)
を売却したため、残っている子会社から約 400 億円の経常利益、約 100 億円の当期利益を見込んでいます。
経常利益段階での連単差が大きく、当期利益段階では連単差が小さくなっていますが、これは持分法適用
会社の利益部分について、経常利益より前の段階で収益を計上し、配当で流出してしまう分については、経
常利益算出後に控除しているからです。
【
貸出スプレッドの改善について】
Q. 23 ページで、2 年間で 50bp 以上貸出スプレッドを改善するという計画になっています。この計画の金利環
境・
経済環境の前提について教えてください。 また 2 年ではなく、この 1 年間ではどれくらい改善させる予定
ですか。
A. 02 年度については、長期金利・
短期金利とも現状程度で推移、日経平均が 1 万 500 円程度、来年度は少し
景気が上昇し、長期金利も少し上がるという前提をおいています。従って、改善のペースについては、期間に
応じたもの、今年度で目標の半分(25bp)
、中間期はそのまた半分(12.5bp)
と考えています。
Q. 4 月から行内格付の開示を行っているとのことですが、どのような貸出先について、どのように開示している
のかを教えてください。
A. ピッチを上げて開示を進めていますが、まだまだ全ての貸出先を網羅できているわけではありません。 まず
は、貸出の規模などを基準に開示を実施しています。 開示に際しては格付の定量手法をお示しながら交渉
をすすめています。 交渉に際しては、ただ金利の引き上げをお願いするだけでなく、現在の財務状況のどこ
が問題なのか、どうすればよくなるのかという観点から、お互いの認識を共有することで、財務内容そのもの
の改善も目指しています。
【リテール戦略について】
Q. 資料 18 ページによると実質業務純益ではリテールカンパニーの貢献度が一番低いようです。 そういう意味
では効率の悪い分野に見えるのですが、今後どういった戦略で貢献度を高めていくのですか。
A. リテールカンパニーは経費率が高く、システム投資負担が重いため、粗利益の大きさに比べ、最終利益での
貢献度は大きく落ちてしまいます。 これを収益化していくために、2 つの面からの対策を考えています。 1 つ
は収益面での対策です。 UFJ グループでは、住宅ローンの積極的な取組、グループ消費者金融会社である
モビットを通しての個人向け貸出の増強などを中心に、収益力強化をすすめています。
もう1つはコスト面での対策です。 主に有人店舗にコストを中心に事務コストの削減を進めるとともに、拠点・
店舗網の有効活用について検討を重ねています。
莫大なコストが必要となるコンピュータ投資についても、合理化・
効率化をめざして投資対象を絞っていく方針
です。
【
新社長の経営方針について】
Q. 総合金融サービスとしてどういう姿を思い浮かべていますか。
A. UFJ グループの商業銀行、信託銀行、資産運用会社、証券会社の各部門がシナジー効果を最大限に発揮し
ていくということを第一段階として、今後の規制緩和の流れを見ながらさらにその先を展望していきたいと考
えています。社長就任後に現状を確認した上で、具体的な構想とアクションプランを作っていく予定です。
Q. アクションプランはいつ頃、どういう分野・
事柄に焦点を絞って作成するのですか。 また新社長が考える UFJ
の弱み(これから改善しなければいけない点)は何ですか。
A. いつ発表するという具体的な日は決めていませんが、6 月 26 日の株主総会で正式に社長として選任されて
から、できるだけ早いうちにつくりたいと考えています。
現在 UFJ グループの収益は UFJ 銀行とUFJ 信託銀行からのものが大半ですが、その他の資産運用ビジネ
スや証券ビジネスからの収益をいかに高めていくか、またお互いのシナジー効果をいかに引き出していくの
か、そして UFJ グループ全体の収益を高めていけるかが焦点になります。
UFJ グループの弱みについてですが、UFJ グループは昨年 4 月に持ち株会社を設立し、まだスタートしたと
ころです。 そのため、まだ統合コストがかなりかかっている状態です。 今後このコストがシナジーに変わっ
ていくのですが、この効果をいかにはやく出していくかが課題です。 システム統合が早くに終わったので、統
合効果も早い時期にでてくるのではないかと考えています。
【
その他】
Q. 与信上限ルールを制定しているそうですが、それはどのようなものですか。 そういった上限は取締役会など
で変更できるのですか。
A. 与信上限ルールの考え方は、バブル経済崩壊後に不良債権が増大したことへの反省から生まれたものです。
上限は、自己資本をベースに格付ごとに決まっています。
この制限を自由にはずすことができると、以前と同じ轍を踏む可能性があるため、与信上限規程を改定しな
い限り、取締役会においても自由に上限を変更することはできません。
Q. UFJ の預金が減少しているようです。 なぜですか。
A. 預金の減少は基本的に外貨預金として計上されている市場性調達の減少によるものです。 国内預金につ
いては個人預金の流入を主因に増加しています。 内訳では、定期預金が減少して、流動性預金が増加して
います。
以 上
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