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政府の「公務員制度改革の『全体像』について」(案

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政府の「公務員制度改革の『全体像』について」(案
政府の「公務員制度改革の『全体像』について」(案)に対する談話
国土交通省全建設労働組合
中央執行副委員長 笠松 鉄兵
政府・国家公務員制度改革推進事務局は 3 月 3 日に「国家公務員制度改革基本法に基づく公務員制度改
革の『全体像』について」(案)を全労連公務員制度改革闘争本部に対して示しました。
はじめに労働基本権の全面回復にかかわって、「公務員制度改革の『全体像』について」(案)で示さ
れた内容は、あまりにも使用者側の立場が重んじられており、労働者側の立場が軽視されていると指摘せ
ざるを得ません。
具体的には以下のとおりです。
① 巨大な組織と権限を有する使用者(政府)と対等に渡り合っていくために必要不可欠である争議
(ストライキ)権の回復がされない。
② 時の内閣が「承認」をしなければ、労使の交渉だけで労働協約が結べない。
③ 労働組合認証制度は結社の自由から見ても不当。
④ 「管理運営事項」を団体交渉の対象として外すことが法律上明記され、交渉内容が大きく制限さ
れる。
⑤ 現在、第三者機関(人事院)が実施している官民給与実態をはじめとする調査権限を使用者側(内
閣総理大臣)に移すことにより使用者側に有利な調査が行われる可能性がある。
人事関係の課題でも、幹部人事をはじめとする人事を一元的に管理する権限を内閣総理大臣(内閣人事局、
公務員庁)に集中し、公務員制度改革と人事の権限を一手に政治家が握ることとなります。幹部人事に至っ
ては、これまでも総務省の事務次官や観光庁長官が更迭される政治主導の人事がすでに行われています。こ
のことから時の政権に忠実な人材だけが登用され、公務員の政治的中立、国民全体の奉仕者としての中立・
公平な行政執行がされなくなる危険性があります。併せて、国家公務員制度に関する事務や人事行政に関す
る事務および幹部職員の適格審査の基準設定などの事務が第三者機関の「人事公正委員会」ではなく使用者
機関である「公務員庁」へ集中され、人事行政の中立・公平性の担保に支障をきたすおそれがあります。
また、国公法第78条4号による分限免職の場合に限り、再就職の援助は「公務員庁」行うと記載してい
ることからも、一昨年に起こった社会保険庁職員の分限免職と同じような事案が、
「公務員の総人件費削減」
や「地域主権改革」
、
「地方出先機関の原則廃止」などのもとで発生してくることが容易に想像ができます。
この「公務員制度改革」の背景に、公務員の人件費を削減する道具として制度の限界を迎えている「人
事院勧告」を廃止して、新たな労使関係を構築し、政府の財政破綻の真の理由を明らかにしないまま、公
務員の総人件費削減を合法化させようとする政府の思惑があることは言うまでもありません。
さらには、長年にわたって日本の経済が上向かない状況がつづき、内需の拡大が必要と言われるなかで
起こった東日本大震災でも、尊い命が奪われ、巨額な経済損失がでている状況で、公務員賃金が直接影響
する地方公務員や公務関連労働者 580 万人のみならず、民間労働者にも悪い影響を与えかねません。震
災の復興を第一に優先することは当然のことですが、
国民の生活と権利を破壊することはゆるされません。
全建労は労働者・国民の生活と権利を守り、労働者・国民の生活と権利を改善していくことを第一に掲
げる公務員と行政をつくるために必要な公務員制度改革の構築を目指して運動を進めていくとともに、公
務員バッシングによって意図してつくられた公務員や行政に対する不信を信頼や期待に変えていくため、
国公労連が提起する総対話 MAP 運動や全建労がとりくむ建設フレンドマップ運動に全力で奮闘する決意
です。
以 上
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