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鉄道高架下活用の基本的考え方(中間まとめ) 【概要版】
鉄道高架下活用の基本的考え方(中間まとめ) 【概要版】 ■他事例の検証 <成功のポイント> ■中央線高架化の時期 ■背景・目的 ○高架下の多様な利活用の進展 ○鉄道事業者に沿線の魅力向上や不動産事業強化の動き ○都市側では、貴重なスペースとして活用可能性に着目 国 分 寺 三 鷹 吉 祥 寺 西 荻 窪 昭和44年 平成21年 高架化 高架・複々線化 鉄道高架下空間を、地域社会・経済の活性化の観点から、 余剰スペースに乏しい都市部における貴重な地域資源とし て捉え、主にJR中央線を対象に調査研究を行った 荻 窪 阿 佐 ヶ 谷 高 円 寺 昭和41年 高架・複々線化 中 野 新 宿 昭和3年 高架・ 複々線化 ○高架橋として初期のもので、広範囲に高架下空間が存在 ○連続立体交差事業(都市計画事業)により整備されたものではない ■高架下の形態分類と区内高架下の特徴 区内中央線では6割以上が隣地型 (片側接道約3割、両側接道は1割未満) ■高架下の形態分類① (接道有無) 隣地型 接道型 高架下 高架下 京急線黄金町駅 (横浜市) 道路 高円寺駅-阿佐ヶ谷駅間 道路 ■高架下の形態分類② (高架下の通路・建物配置) 区内中央線で多いのは中通路型 中通路型 片通路型 高架下 高架下 通路 阿佐ヶ谷 アニメストリート 高架下 ボックス型 GAKUDAI KOUKASHITA (飲食店) 通路 両側通路型 ○側道を活かし線路両側をつなぐ機能重視 ○地域ニーズに応じた多様な活用 ○オープンスペースや人溜まり空間の創出 ○明るく開放的な作り(高架下を感じさせない工夫) ○連続性・テーマ性のある活用 ○地域・行政・鉄道事業者が連携した活動やマネジメントの存在 側道 間接照明 つなぐ機能 自然採光 高架下通路 人溜り空間 2k540 AKI-OKA ARTISAN 側道 黄金町周辺 (横浜市) 見通し・ 解放性 ■利活用の考え方 フットライト ①通路機能の確保 ⇒区内高架下各所では平日日中で歩行者2,000~4,000人、自転車(含原付)1,000台程度の通行量 ②防災性向上への寄与 ⇒線路を貫通する通路の確保を図り地域分断を解消、防災倉庫設置、一時避難場所等 ③周辺と調和した土地利用 ⇒関係法令への適合を前提として、地域ニーズに合致し、地域課題の解決に資する活用 ④地域活性化への寄与 ⇒「中央線文化」を象徴し、動線が分かり易い連続的な施設として、にぎわいや交流をもたらす拠点として活用 ⑤明るく快適で質の高い空間づくり ⇒「暗い・汚い・古い」イメージを脱却し、安全・安心で暮らしやすい質の高い住宅都市の実現を目指す ⇒自然採光、間接照明、柱・天井等の化粧、植栽など、明るく清潔で快適な空間づくり ⑥地域との共存共栄 ⇒既存の地域コミュニティと調和・連携、既存施設等との相互補完・相乗効果・共存共栄の関係 イメージスケッチ 柱を回廊に見立てギャラリー化し、地域 のアーティストの発表の場に オープンスペースを 確保した上で、階段 広場を設置しイベン ト・交流の場に 防犯カメラ等の 安全対策 柱・天井の化粧を 工夫し、明るく清 潔な空間を演出 高架下 通 路 通路 新在家(神戸市) (飲食店) 京急黄金町駅周辺 ■区内高架下の通行量 ■区内高架下の特徴 典型的な区内中央線の状況 地域の活動やイベ ントの練習場所と もなる遮音性の確 保されたスタジオ スペース 隣地建築物と近接 中通路型が多い 道路は鉄 道と接し ていない 変化をつけて回遊性 を高めた歩行空間 公園の少ない地域では貴重な雨天 時でも利用できる小公園 ■将来的課題と取組みの方向性 阿 佐 ヶ 谷 ② ③ ④ 高 西 ① 荻 荻 円 窪 窪 寺 駅から400m程離れた4箇所で平日12時間調査を実施 ○高架下4箇所の平日12時間通行量は、1箇所あたり 歩行者約3,000人、自転車(含原付)約1,000台 ⇒歩行者系通路としては、比較的「多い」水準 ○駅乗降客数に対して、少なくとも阿佐ヶ谷駅で約9%、 高円寺5%、西荻窪3%程度が高架下を利用している 計算に ①鉄道事業者とのwin-winの関係 交流施設近辺には カフェ等の商業施 設を設置しにぎわ いを創出 通路機能を維持。また、明るい舗装と し、雨天時の朝市開催など全天候型の イベントスペースとして活用 <区・地域側のWin> ○地域ニーズに合った利活用 ○貴重な低利用地の有効活用 ○駅周辺のにぎわい・交流の促進 <鉄道事業者側のWin> ○沿線価値の向上 ○鉄道利用者の増加 ○事業採算性の確保 ②鉄道事業者との連携・協力 ⇒鉄道の安定的運行の確保は大前提、また高架下の既存利用者への配慮が必要 ③地域における課題と活用アイデアの共有 ⇒ワークショップやコンペ等により、地域住民や専門家等を巻き込み、高架下に目を向ける考える機会を設ける ④地域と高架下の関係の再構築 ⇒地域と共に課題解決やまちづくりに取り組むなど、地域に「開く」ことで関係を再構築 ⑤区・地域と鉄道事業者との協議の場の設定 ⇒まずは、区と事業者との間で、意思疎通を図る「場」を設け、情報や課題認識を共有していくことが目標 ⇒将来的には、協議・調整プロセスを定めたり、高架下のマスタープランの作成が到達点のひとつ