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自工会の主な取り組み - JAMA
1 自工会の主な取り組み ■ ● 製品における地球温暖化対策(7∼14ページ) 自工会会員会社の積極的な燃費向上や次世代自動車の 市場投入により、乗用車の平均燃費は年々向上し、2020年度 燃費基準平均相当レベルを上回る22.4㎞/ℓに達しました。引き 続き燃費向上や次世代自動車普及に最大限努力していきます。 また、 カーエアコンに関する対 策では、低 G WP・ノンフロン 冷 媒を使用したエアコンの開発・早期普及に向け、2020年に GWP850(乗用車) の自主目標を設定しました。 ● 低排出ガス認定車の積極的な導入とポスト新長期規制対応(15∼17ページ) ガソリン車に占める低排出ガス認定車(平成17年基準☆ ☆☆☆)は98%を占めています。 またディーゼル車の排出ガ スは2009年からポスト新長期規制が施行され、特に重量車 からのNOx及び P Mの排 出 量は大 幅に低 減されていま す。2016年からはNOx規制値のさらなる強化と試験法の国 際基準調和が図られる予定であることから、 自工会会員各 社は対応を進めていきます。 ● 生産における環境保全(25∼27ページ) 地球温暖化対策や資源の有効利用、環境負荷物質の排出抑制等の観点から、生産工場においてさま ざまな取り組みを行っています。 ( 一社) 日本自動車車体工業会とともに進めてきた生産工程のCO 2排出抑制 では、2013年度から経団連低炭素社会実行計画に参画し、2020年度及び新たに策定した2030年度の目標 に向けて積極的に取り組んでいきます。 また、VOCについては2015年度排出量原単位(g/㎡) を、2010年度 実績より悪化することのないよう、今後とも自主取り組みを継続 していきます。廃棄物に関しても 「2015年度最終処分量を1万 トン以下とする」 を掲げ、 引き続き対策を推進していきます。 ● 自動車リサイクルへの対応(28∼33ページ) 自動車リサイクル法に基づき、 使用済自動車の再資源化・適正処理を行い、 特にASRは2015年度以降の基準を 大幅に上回るリサイクル率を継続して達成しています。 また、 自主 取り組みとして環境負荷物質(鉛・水銀・カドミウム・六価クロム) 削減を行い、対象となる新型車では全モデル目標達成を継続、 同法対象外の「二輪車」 「商用車架装物」の再資源化や適正 処理にも取り組んでいます。 さらには次世代車の使用済車の適正 処理の実証実験や、再資源化技術の開発検討も行っています。 3 《基本的な考え方》 環境問題への対応は設計・開発から生産、使用、廃棄の各段階を 視野に入れた検討が必要です。自工会と会員自動車メーカー各社 (以下、会員各社) は、 このような自動車のライフサイクルを通じて、燃費 向上(CO 2 削減)、排出ガスのクリーン化、騒音低減、省資源、 リサイク ル性向上など重要かつ基本的な環境要件に配慮した製品の提供に 努めています。 また、環境負荷の一層の低減をめざして取り組み体制 を整備し、情報提供を推進しています。 ● 環境保全に向けた取り組み体制の整備 ● 情報提供の推進 環境問題への的確で迅速な対応のため、 自動車業界の取り組みや自動車の環境 最善の体制を整えます。 性能を積極的に情報提供します。 さまざまな環境問題に対し、的確で迅速な対応 自工会及び会員各社では、各種報告書、 ホー を図るべく、 自工会では、環境委員会などの環境 ムページ (http://www.jama.or.jp)、広報資料な 関連の委員会を設置し、各委員会の下にテーマ どを通して、環境保全に役立つさまざまな情報を ごとの専門部会・分科会を設置しています。環境 発信しています。 委員会では、 自動車の改善や生産部門の環境改 例えば、 お客様が自動車をご購入される際に、 善などを総合的に検討・管理する体制を整えて 車両の環境性能をご確認いただけるよう、 「車種 います。 別環境情報」 (http://www.jama.or.jp/eco/ 広い領域に関わるテーマについては、委員会 eco_car/info/index.html) をホームページで提 の垣根を超えた横断的な組織である 「検討会」 を 供しています。 設置することで迅速な対応を図っており、例えば 2008年4月には今後の地球温暖化対策を検討す 図2. 車種別環境情報 るために「温暖化対策検討会」 を設置しています。 図1. 自工会の環境関連委員会組織 4 《世界の道路交通セクターへのCO 2削減の提言》 自工会は、 道路交通分野における統合的アプローチに取り組んでいます。道路交通セクターにおけるCO 2削 減には、 自動車単体燃費の改善、交通流改善、燃料の多様化、効率的利用の4つの取り組みが必要です。 自動車メーカー、燃料等の関係業界、行政、 自動車使用者等の各関係者が、役割を果たし、統合的取り 組みを推進していくことが重要です。 自工会は、世界の道路交通セクターにおけるCO 2削減に向けて提言します。 ※自工会は欧州自動車工業会(ACEA) 、 米国自動車工業会(AAM) 、 と連携し、COP16のサイドイベントにおいて「統合的アプローチによる 道路交通分野のCO 2 削減」をテーマにパネルディスカッションを実施 しました。各自工会では、引き続き統合的アプローチを推進するため の活動を実施していきます。 ● 自工会の提言内容 ④低CO2排出車両の普及政策、代替促進政策 グリーン税制等により、政府が新しい低燃費車 への買い替えを促進することが必要です。 (2)燃料の多様化 地域事情に合ったバイオ燃料等の普及拡大が 効果的です。そのためには食料、土壌等に影響 を及 ぼさない 、セルロースエタノールや B T L (Biomass to Liquids)等の商業化による供給 可能量の増大が不可欠で、産官学協働の技術 (1) 自動車単体燃費改善 開発等の取り組みが必要です。 ①燃費基準 乗用車燃費基準のある国では国情に合わせた 燃費方式を採用することが望ましいと考えます。 ①交通対策 乗用車燃費基準のない国においては、燃費基準 さまざまな交通対策手法の中から、各国が国 を設定するべきです。 また、 貨物車燃費基準のない 情に合った交通対策を選択すべきでしょう。特に 国においても燃費基準を設定するべきです。 発展途上国では、 自動車の普及拡大に遅れない ②車両の軽量化 どの市場でも自動車の重量化は抑えるべきで しょう。軽量化を促す施策も有効と考えられます。 ③次世代自動車 世界の官民学の協力によって要素技術の革新を 早期に実現することが重要です。従来型車の燃費 改善には限界がありますので、 中長期的には次世 代自動車が次第に普及することで、継続的に燃費 効率の改善が図られる必要があります。 5 (3)交通流改善 ペースで道路インフラ整備を含めた交通対策を 実施することが重要です。 ITS技術も一つの有効 な手段です。 ②都市計画 今後、人口増加に伴い、都市部へ人口が集中 することが予想される地域では、都市計画の段階 で、交通対策(道路整備、ITS技術導入等) を考 慮することが必要です。 (4)効率的利用 貨物のエコドライブは、運輸会社でのコスト削 貨物車用のデジタルタコグラフ、乗用車用の燃 減にもつながります。エコドライブにより、燃料コスト 費計等の支援ツール活用は運転教育や燃費の とCO2を削減できます。今後は乗用車のエコドライ モニタリング等に効果的です。 ブを普及させることが重要です。 ● 提言の効果 (ケーススタディ) 以下の前提条件を置いて、世界の道路交通セ 各国が協調して統合的取り組みを推進するこ クターのCO2排出量削減ケーススタディを実施しま とにより、 このように大きくCO2を削減できるポテンシ した。 ャルがあり、世界の道路交通セクターの原単位 これにより、燃費改善とそれ以外の対策(バイ (実走行CO2エミッション) は、 2030年までに現状より オ、交通流改善、代替促進)の削減量が同じレベ 約31%程度向上すると推定され、2025年あたりに ルであることがわかりました。 ピークアウトが可能であることがわかります。 表1. 自工会の提言施策導入ケース 図1. 自工会の提言施策導入ケース 世界の道路交通セクターCO2排出量 6