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家を建てるには?

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家を建てるには?
まえがき
住まいづくりの計画を思い立ってから完成するまでの間、建築主はさまざまな問題を解決
していかなくてはなりません。資金計画に始まり法律、税金、設計、工事など気になること
ばかりですが、そのほとんどが専門的な知識を必要とする為、初めての方にとっては、大変
な気苦労ではないかと思います。
このパンフレットは、住まいについて最低限これだけは知っておいていただきたい事項に
ついて建築基準法を中心にまとめたものです。更に専門的な知識が必要な方は、建築士さん
等に相談してください。
建築行政課では、建築基準法に基づいて申請される図面が法律に適合しているかどうかを
「確認」すること、及び建物が完了した時に完了検査をすること等の仕事をしています。
一般的に「確認」という行為は、建築基準法に適合しているということであり、他の全て
の法律に適合しているわけではありませんので充分注意して下さい。例えば、民法の第 234
条に「建物を建築するには、隣地境界線より 50cm 以上の距離をおかなければならない」と
いう条文がありますが、建築基準法では規定がないので距離をとることは指導できません。
ただし、民法上では、隣地から請求があれば距離をとらざるを得ない場合もありますので、
事前に建築士さん等と相談の上、建物の計画をしていただくこととなります。
このように建築基準法は最低限の基準を定めているものですから、建築主の方はより安全
性の高い、質のよい建物を建てるためには、基本的なことを知るとともに、専門家との相談
を十分されるよう心がけていただければ幸いです。
目
次
1
土地の選び方
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
1
2
誰に頼めば良いか
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
4
3
人にやさしい住まいを ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
7
4
家を建てるときの手続きは? ‥‥‥‥‥‥‥
8
5
敷地と道路の関係
6
道路 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 14
7
建物の構造 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 18
8
建ぺい率と容積率
9
高さ制限・斜線制限 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 20
10
日影規制 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 22
11
用途地域による建築物の用途制限の概要 ‥‥ 23
12
その他の地区等
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 11
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 19
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 24
(民法について) ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 29
13
制度・事業等の紹介 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 31
14
証明等 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 33
15
保険や供託による住まいのサポート ‥‥‥‥ 34
15 保険や供託による住まいのサポート
15 保険や供託による住15 保険や供託による住まいのサポートまいのサポート
1 土地の選び方
普通、土地を手に入れる方法には、個人所有地を買う場合と、宅地造成された分譲地を買う場
合などがあり、それぞれ特徴があります。
個人所有地を買う場合、敷地の状況によっては、土留めや盛土などの造成工事が必要になった
り、給水、排水設備がなかったりする場合などもありますので、そのための費用を見込んでおく
必要があります。また、将来、周囲がどのような環境に変化していくのか、予想がつきにくいと
いうこともあるでしょう。
一方、宅地造成された分譲地は、一定の基準に適合し、検査に合格したものであれば、道路や
敷地の整備はもちろん、水道、側溝などの設備、ときには下水道や公園までも整備されています
ので、安心して購入することができます。
土地を選ぶうえで、大切なことはたくさんありますが、その中でも、主なものは次のようなこ
とです。
① 住宅が法律的に建てられる土地であるか。
② 住宅敷地として、致命的欠陥はないか。
③ 住宅を建てるうえで、制限を受けることはないか。あるとしたらそれは何か。
◆信用ある不動産業者を選ぼう
宅地や建物の売買、仲介は宅地建物取引業者でなければ、できないことになっています。そし
て、宅地建物取引業者となるためには、国土交通大臣、または都道府県知事の免許を受けなけれ
ばなりません。
この免許を持った宅地建物取引業者の中から、信用ある業者を選ぶことが「安全な取り引き」
の鍵となる訳ですが、その一応の目安をあげてみると、次のようなことになります。
① 業者の事務所の所在がはっきりしているか。
② 宅地建物取引業者の標識、取引主任者証、報酬額表が掲げられているか。
③ 不動産に関する法律や、税金の質問に正確に答えてくれるか。
④ 重要事項の説明書をくれるか。
⑤ 契約をせき立てたり、代金や手付け金の支払いを急がせたりしないか。
⑥ 売り主(地主)に会わせたがらないか。
また、大企業と思わせるような商号や、あたかも、傍系会社と錯覚させるような商号をつけている
業者がいますので、惑わされないよう注意する必要があります。
−1−
◆自分の目で現地と登記簿を確認しよう
土地を購入する前には、よく調べなければならないことがたくさんありますが、まず、自分の目で
現地を見て、業者の説明と土地の状況を照合して見ることが大切です。隣地との境界杭があるかどう
かも、確認しておかなくてはなりません。また、所轄の法務局へ行けば、土地の登記簿を閲覧するこ
とができますので、その土地の所有者が誰か、また、売り主が土地を売却できる権限を有する人かど
うかを確認しておきたいものです。登記簿上の所有者と、売り主が同一人物であれば安心できます。
その他、土地に抵当権や地上権などが、設定されてないかどうかも確認しておきたいものです。た
だし、借地権や耕作権などのように、登記簿謄本に記載されない権利もありますので、売り主に確認
してみることも大切です。
◆建物を建てることができるかどうか確認しよう
・都市計画区域とは
都市の健全な発展と秩序ある整備を計り、国土のつりあいのある発展と公共の福祉の増進に役
に立つことを目的として、私達の住む浜松市は、都市計画法により都市計画区域と都市計画区域
外にわかれています。都市計画区域は、一体の都市として総合的に整備、開発、保全の必要があ
る区域です。また、都市計画区域は無秩序な市街化を防止し計画的な市街化を図るために、市街
化区域と市街化調整区域にさらに区分されています。従って自分の土地だからといって自由に建
物が建てられるとは限りません。
・市街化区域とは
都市計画により定められた都市計画区域の区分で、すでに市街地を形成している区域、及びおおむ
ね 10 年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域をいいます。
都市の機能をより効果的にし、
健全な都市づくりをするために、さらに、12 の用途地域(第一種低層住居専用地域、第二種低層住
居専用地域、第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域、第一種住居地域、第二種住居
地域、準住居地域、近隣商業地域、商業地域、準工業地域、工業地域、工業専用地域)に分けられて
います。そして、それぞれの地域に応じた各種の制限や規則が設けられています。
土地には、使用目的に応じて、田、畑、宅地、山林、原野、雑種地などがあり、これを地目と呼ん
でいます。ただし、田、畑(農地)であっても、農地転用の届出をすれば、建物を建てることができ
ます。
−2−
・市街化調整区域とは
都市計画により定められた都市計画区域の区分で、市街化を抑制すべき区域を市街化調整区域とい
います。市街化調整区域では、原則として建物を建てることが規制されています。
ただし、例外として、次のようなものであれば、許可等を受けて建物を建てることができます。
・農林漁業者の住宅の建築
・分家住宅の建築
・大規模既存集落内における住宅の建築
・市街化調整区域に指定される以前から宅地利用されている土地における住宅の建築
・市街化調整区域に指定される以前から宅地利用されている土地における住宅の建替え、増築
・市街地縁辺集落内における住宅の建築
*この他にも細かい基準があります。詳しくは下記までご相談ください。
中区・東区・西区・南区・北区の物件 土地政策課
開発調整グループ(457-2643)
浜北区・天竜区の物件 北部都市整備事務所 都市計画グループ(585-1161)
※建築確認を提出する前に、事前に市街化調整区域の建築許可を受け、その適合証明書を建築確
認申請書に添付してください。
【参考】線引き(市街化区域と市街化調整区域の区分け)がされた日
・旧西遠広域都市計画区域(合併前の浜松市、浜北市、舞阪町、雄踏町)【昭和 47 年 1 月 11 日】
・旧奥浜名広域都市計画区域(合併前の細江町、引佐町の一部)【昭和 51 年 10 月 12 日】
・旧天竜及び旧三ヶ日都市計画区域(合併前の天竜市の一部、三ヶ日町)【平成 19 年 4 月 1 日】
・逆線引きの区域(北区初生町の一部、浜北区道本の一部)
【昭和 61 年 6 月 20 日】
◆建物を建てることができるが制限を受ける土地及び区域
その他にも、建物を建てたり、敷地を造成したりするときには、許可が必要となることがあります。
その主なものを以下にあげておきます。
・急傾斜地崩壊危険区域(河川課)
・災害危険区域(建築行政課※)
・ガケ付近の土地(P26参考)
・土砂災害特別警戒区域(河川課 P26参考)
・都市計画公園(緑政課 P24参考)
・都市計画道路(都市計画課※ P24参考)
・地区計画(土地政策課※ P24参考) ・区画整理地区(市街地整備課※ P24参考)
・開発行為(土地政策課 P27参考)
・宅地造成等規制区域(土地政策課 P27参考)
・風致地区(緑政課 P24参考)
・その他
※浜北区・天竜区の物件に関しては北部都市整備事務所が担当課となります。
上記に掲げる区域・地域に該当するかどうかは、各担当課で確認して下さい。
−3−
2 誰に頼めば良いか
建物を建てるにあたっては設計と工事をそれぞれ別に依頼するか、または、工事業者に設計から工
事までを任せるか、建築主として迷うところですが、どちらかに決めなければなりません。
一般的には、工事業者に一任する場合も多く見受けられますが、最近の建築主は、個性的で居住性
の良い住宅を建てたいということから、設計は設計者に依頼するという場合も増えています。
選択の方法としては、設計者に依頼した場合と、工事業者に依頼したものとでは、どのような違い
があり、どちらがより適切に答えてくれるかを検討してみる必要があります。両者の特色を述べてお
きますので、参考にして下さい。
・設計者に依頼した場合
設計は設計者に、施工は工事業者に別々に依頼することになります。
設計者が作成した設計図をもとに工事業者が施工するため、設計者、工事業者がそれぞれの立場に
徹した仕事ができるという特色があります。また、設計料はかかったけれども、それによって得られ
る住宅としての価値や、中立的な立場で工事監理をしてもらえることなどを考えると、結果的には得
だったということもありますので、設計料分だけ費用が高くなったといった、単純計算にはなりませ
ん。
・工事業者に依頼した場合
この場合は、設計と施工を併せて工事業者に依頼することになるため、工事業者の選び方が大切な
要素となります。
工事業者は、もともと施工が専門分野ですので、施工は、得意としていても、設計まで得意として
いる工事業者は比較的少なく、むしろ設計部門を持っていない工事業者が多いというのが実状です。
設計施工で、工事業者に依頼したとしても設計部門を持っていない場合は、工事業者は、設計事務
所へ設計を依頼することになるため、結果的には、始めから設計事務所へ依頼した時と同じことにな
ります。しかし、結果は同じでも工事業者を経由した設計依頼となりますので設計者と建築主が直接
打ち合わせをする機会も少なく十分な設計を期待することができない場合があります。従って設計と
施工を併せて依頼する場合には、設計と施工の業務体制などを確認して工事業者を選ぶことが大切で
す。
なお、この設計施工の場合、設計図どおりの施工がされているかどうかを、確認する工事監理も、
工事業者自身がすることになるため、誠意をもって工事にあたってくれる工事業者を選ぶことが大切
です。
−4−
・工事監理もしっかりと
さて、しっかりした設計図ができたとしても、ほとんどの場合、建築主は建築に関しては素人です
ので、設計図どおりの工事がされているかどうかを、確認することは困難です。
そこで、法律では建築主の利益を守るため、工事監理者を置くことを義務づけています。工事監理
者には建築士があたり、監理上の責任も法的に定められていますので、建築主の利益が守られる訳で
す。
・信頼のおける施工能力のある良い工事業者を選ぶ
建物は生涯の中でも、おそらく最高額の買い物となるでしょう。しかも、完成した建物を引き渡さ
れるのは、何ヶ月も先のことですから、信用のある工事業者を選ぶことが重要となります。
・施工能力のある業者を
建物 1 軒を完成させるためには、工事業者としての数々の能力が必要とされます。設計図がしっか
りしていたとしても、設計図の内容を読み違えたり、設計図と異なる施工をしたりでは、満足のでき
る建物は期待できません。
また、建築業者は多くの業種で構成されていることから、一つの建物を建てるにも元請業者がその
下請を上手に指導、監督できるかによって、住宅の品質が大きく左右されることになります。特に木
造住宅は、大工さんの腕次第で建物の出来が決まってしまう位ですので、工事業者を選ぶにあたって
は、大切なポイントとなります。
−5−
・工期が守れる工事業者を
請負契約書には必ず工期期間が記載されています。これは、建築主と工事業者が協議して決める契
約上の約束ごとです。工期が遅れると、建築主の予定にも影響を及ぼすことになります。また、工事
業者としても足場などの仮設費をはじめ、現場監督などの給料・その他の現場経費がかさむことにな
り、利益率が下がることになります。そのため、遅れを取り戻そうと大切な建物のどこかにシワ寄せ
が廻ってくることも考えられます。
契約で定めた工期が、特別な理由もなく守れない工事業者は、工事内容においても、約束が守れな
いことが多いものです。一般的に、工期の守れる工事業者は、段取りも良く仕事の質も高いものです。
・請負契約は必ず結ぶこと
建売以外の建物の購入は、現実に存在しない建物を買うという大きな特殊性があります。何ヶ月か
先には完成するでしょうが、請負契約を結ぶ時点においては未だ影も形もない設計図上の建物です。
大金を払って買うのですから、設計図どおりの建物が間違いなく完成するという証が欲しいと考える
のは当然のことでしょう。
建てた建物が、不良・欠陥建物であったら大変なことです。ましてや、建築中に工事業者が倒産し
てしまうようなことがあれば、それこそ、取り返しのつかないことになっていしまいます。たとえ信
頼のある工事業者であっても、請負契約は必ず結んでおきましょう。
−6−
3 人にやさしい住まいを
・地震に強く安全な建物を
阪神・淡路大震災では、木造の多くの建物が筋違(すじかい)が少なかったり、土台が石の上にあ
りコンクリート基礎のない工法で造られていたりしたため倒壊するというケースが数多くみられま
した。
その中でも新しい建物は、地震によりあまり大きな被害は受けませんでした。また、東海地震がい
つ起きてもおかしくないことを考えると、地震に対して万全の対策を取っておきたいものです。建物
は壁や柱が偏ると、力は弱い部分に集中して、揺れによって壊れやすくなります。地震の力のかかり
具合を考慮したり、家の間取りを出来る限り単純にして、筋違や金物で補強し、左右対称にしたりす
るなど、バランスよく配置することが大切となります。また、2 階建てにする場合は、隅の柱は、通
し柱にし、2 階の柱や壁は必ず 1 階の柱や壁の上に配置すると建物が、非常に強くなります。基礎も
コンクリート製の布基礎にし、鉄筋を入れ、土台と柱を緊結します。地盤の悪い土地は、基礎全体で
受けるように床をベタ基礎にしたり、杭を打って直接支持地盤に持たせたりする工法等が考えられま
す。また、屋根等も軽量化を図り柱の負担を軽減することも地震に対しては、非常に有効になります。
(黒い部分が筋かいの入った壁)
筋かいの配置
・高齢者にやさしい建物を
個人差はありますが、人は年齢と共に手足が不自由になったり、ちょっとした段差でもつまずいた
りして、大ケガになることもあります。また、廊下、階段、浴室、便所には手摺を付け、階段には、
足元を照らす照明も設置したいものです。便所も将来のことを考えて、介護者が作業できるスペース
や非常ベル等の設置を検討することも大切ではないでしょうか。新築時はそんな心配の無い方も将来
を考え、改築・改造ができるよう構造・間取り等を検討したいものです。
・自然環境を上手に活用した省エネ
省エネルギーのためには、自然環境をうまく生かすことも大切です。窓をバランスよく配置し、風
通しを良くしたり、屋根裏は特に熱が溜まりやすいところですから、換気扇や換気孔を設けて熱を外
に出したりする対策を講じておきましょう。最近では、冷暖房設備を設置する方がほとんどだと思い
ますが、熱効率・結露・維持管理(電気代等)を考え、天井裏、壁、床下には、断熱材を使用したい
ものです。
−7−
4 家を建てるときの手続きは?
◆建築基準法とは
この法律は、建築物の敷地、構造・設備、及び用途に関する最低の基準を定め、国民の生命・健康・
財産の保護を図り、公共の福祉の増進に資する事を目的として定められています。ここでは、建物を
建てるうえで、基本となるものについて述べてみたいと思います。なお、内容について詳しく知りた
い方は、建築行政課の窓口又は建築士さん等に、相談して下さい。
・手続きは
あなたの大切な財産や健康などを守るため、建物を建てて住むまでには、いろいろな手続きが必要
です。
事前の打合せ
審査・確認
着 工
中間検査
竣 工
必要な法的手続きをお忘れなく!法令の基準に適合した建物を!
違反建築物による影響は、社会生活を営むうえで、良好な近隣関係を害することにもな
ります。さらに地震や火災による被害の拡大につながり、人命や大切な財産を失うことに
もなりかねません。
建築計画をする場合には、建築基準法及び建築関連法について建築士、建設業者、又は
市の建築行政課などに相談し、建築確認申請の手続きを行うとともに法に適合した工事を
行って下さい。
なお、違反建築は、工事停止命令をされるばかりでなく、建築主、建築業者も処罰され
る場合もあります。
−8−
4
日以内
違反建築について
工事が完了したら
に「完了検査申請書」を提出し
て下さい。完了検査に合格すれ
ば
「検査済証」
が発行されます。
構造耐力上主要な部分の工事
が終わったら中間検査を受けて
ください。 指(定された建築物 )
エ事現場には「確認済み」
の表示をしてください。
建築確認申請書の審査期間は
7
日間、鉄骨造、鉄
日間程
35
木造住宅は
筋コンクリート造は
度要します。
建物の計画がまとまったら
工事着手前に建築確認申請書
を必ず提出してください。
建物を建てるときは事前に
建築士や市の窓口などに相談
して下さい。なお、狭い道路
ページ参照)
の場合にも事前協議が必要で
す。(
14
建築確認申請
◆建築確認の申請提出について
建築主は、工事着手する前に建築確認申請書を提出して、建築基準法に適合していなければ、工事
着手することができません。建築確認申請書の必要な建物は次のとおりです。
・建築物
(1)敷地にはじめて建物を新築するとき(床面積にかかわらず必要)
(2)床面積が 10 ㎡をこえる建物の増築をするとき。ただし、準防火及び防火地域は 10 ㎡以下でも
建築確認申請書が必要となります。その他(用途変更・改築・移転・大規模の模様替え・大規
模の修繕等)については、建築行政課(浜北区・天竜区の物件は北部都市整備事務所)の窓口
におたずねください。
・建築設備
・工作物
エレベーター
2m をこえる擁壁
エスカレーター
4m をこえる広告塔等
小荷物専用昇降機
6m をこえる煙突
15m をこえる柱(コンクリート柱、鉄柱等)
遊戯施設
その他(高架水槽・サイロ等)
・建築確認及び完了検査の申請手数料
建築確認及び検査には申請手数料が必要となります。
建築確認、完了検査の申請手数料(平成 24 年 4 月 1 日改正)
床
面
積
の
合
計
確
認
中 間 検 査
完
了
検
査
( )内は中間検査を行ったもの
30 ㎡以内
10,000円
14,000円
15,000円 ( 14,000円)
30㎡超
100㎡以内
18,000円
16,000円
18,000円 ( 16,000円)
100㎡超
200㎡以内
28,000円
22,000円
24,000円 ( 22,000円)
20O㎡超
500 ㎡以内
38,000円
30,000円
33,000円 ( 31,000円)
500㎡超 1000 ㎡以内
68,000円
50,000円
55,000円 ( 52,000円)
1000㎡超 2000 ㎡以内
96,000円
68,000円
74,000円 ( 69,000円)
2000㎡超
1 万㎡以内
210,000円
145,000円
171,000円 (161,000円)
1万㎡超
5 万㎡以内
360,000円
204,000円
244,000円 (234,000円)
660,000円
391,000円
449,000円 (439,000円)
5万㎡超
建築設備
エレベーター・エスカレーター
18,000円
−
26,000円
小荷物専用昇降機
9,000円
−
18,000円
17,000円
−
21,000円
工
作
物
※指定確認検査機関(民間の確認機関)へ申請する場合の手数料はそれぞれの機関で異なりま
すので各機関にお問い合わせください。
・建築確認及び中間検査・完了検査の申請先
中区・東区・西区・南区・北区の物件 建築行政課
建築確認検査グループ(457-2472)
浜北区・天竜区の物件 北部都市整備事務所 建築行政グループ(585-1154)
また、指定確認検査機関(民間の確認機関)へも申請できます。
(建築基準法の改正により、
従来、県や市で行っていた建築確認・検査等の確認申請業務が民間開放されています)
−9−
◆設計の資格について
建物の設計及び監理を業務として行うには建築士法による資格及び事務所の登録が必要になり
ます。ただし、規模の小さい建物は建築主による建築確認申請をすることができます。
・建築主による建築確認申請のできる建物
(添付図面については、建築行政課または北部都市整備事務所の窓口で確認して下さい。)
準防火及び防火地域は、建物の延べ床面積 10 ㎡以下
木造建築物で階数 2 階以下かつ 60 ㎡以下の建物・・・都市計画区域内のみ
(都市計画区域外は階数 2 階以下かつ 100 ㎡以下の建物)
その他(鉄骨造・RC 造・SRC 造・ブロック造等)で 30 ㎡以下の建物
・1 級、2 級建築士又は木造建築士でなければできない設計又は工事監理
上記以外の建築物
◆建設リサイクル法の届出について
建物の新築に伴い、特定建設資材が使用されている建築物の解体工事、特定建設資材を使用する新
築工事等で一定規模以上の工事については、建設工事に係る資材の再資源化に関する法律(略:建設
リサイクル法)の届出が義務付けられます。
建設リサイクル法は、再資源の十分な利用及び廃棄物の減量等を通じて、資源の有効な利用の確保
及び廃棄物の適正な処理を図り、もって生活環境の保全及び国民経済の健全な発展に寄与することを
目的とするものです。
※特定建設資材・・・コンクリート、コンクリートでできた建設資材、木材、アスファルト
※届出時期・・・工事着手の7日前
※届出が必要な工事の規模・届出窓口
工事の種類
規模の基準
建築物の解体工事
80 ㎡以上
建築物の新築又は増築
500 ㎡以上
建築物の修繕・リフォーム等
1 億円以上
その他建築物に関連しない工事
(道路・河川内で行うものを除く)
その他建築物に関連しない工事
(道路・河川内で行うもの)
届出窓口
建築行政課又は北部都市整備事務
所(浜松市内全域どちらでも可)
500 万円以上
500 万円以上
−10−
工事を行う場所を管轄している
各区の土木整備事務所
5 敷地と道路の関係
◆敷地が道路に 2m 以上接していますか?
①
道路4m以上
②
幅員 W
a
2m以上
敷地 A
橋
建築物
建 築 物
建 築 物
水路等
道 路
b
2m以上
路地状部分
敷地 B
敷地
建物の敷地は、幅員4m以上の道路に2m以上接していないと建物が建築できません。道路は、単
に通行のためでなく、火災時における防火や避難の重要な役割を果たしていますので、道路内に突き
出して建物や塀を造ることはできません。
①*敷地 B のような細長い路地状部分によって道路と接している場合で、建築物の規模や用途によ
っては b の部分を広く要求されることがあります。
*建物の敷地は、用途によっては同一敷地には建築出来ないことがありますので、注意して下さい。
例えば、上記の敷地 A に住宅を 2 棟建てることはできません。敷地は、A 及び B に分けそれぞ
れの敷地が道路に 2m 以上接道しなければなりません。ただし、用途(住宅の離れ、住宅の車庫・
物置等)によっては建築可能な場合がありますので、詳しくは建築士さん又は建築行政課また
は北部都市整備事務所の窓口に相談して下さい。
②*建物の敷地が水路等により、直接道路に接していない場合には、事前に許可の手続きが必要に
なります。詳しくは建築行政課建築安全グループ(457-2473)
、浜北区・天竜区については北部
都市整備事務所建築行政グループ(585-1154)に相談して下さい。
−11−
◆路地状敷地の 3 階建ての場合
a=2m∼4m未満
3 階建て
の建築物
a
非常用
進入口
路地上部分
長さL=20m以下
①道から非常用進入口までの延長が 20m 以下であること。
②路地状部 a の幅員が 2m 以上であること。
③地階を除く階数が 3 であること。
④非常用進入口(当該非常用進入口に付随するバルコニーその他これに類するものを含む。
)が道か
ら直接確認できる位置に設置されていること。
*非常用進入口は、3 階建以上の建物に要求され(用途を問わず)
、1m の円が内接することができる
もの又は幅 75cm 以上、高さ 120cm 以上の開口部が床より 1.2m以内にあることが必要です。
−12−
◆建物の床面積による敷地の形態制限(県条例)
・敷地と道路の関係(用途は問わない)
(1) 敷地の a の部分が道路に接する場合
A:延べ面積
(2以上ある場合は、その合計)
a
①1,000㎡<A≦1,500㎡
a≧6m
建 築 物
道 路
②1,500㎡<A≦3,000㎡
a≧8m
(A)
③3,000㎡<A
a≧10m
(2) 敷地が al と a2 の部分が道路に接する場合
a1
建 築 物
(A1)
道路
A=A1+A2 延べ面積
①1,000㎡<A≦1,500㎡
a1≧4m
a2≧3m
②1,500㎡<A≦3,000㎡
a1≧4m
a2≧4m
建 築 物
(A2)
③3,000㎡<A
a1≧4m
a2≧5m
道路
a2
−13−
6 道路
建築基準法では、道路を次のように定めています。
1.公道で幅員 4m 以上のもの。
2.都市計画法や土地区画整理法などに基づいて造られた幅員 4m 以上のもの。
3.建築基準法適用(昭和 25 年 11 月 23 日又は都市計画区域に指定された日)以前から存在してい
る道で、幅員 4m 以上のもの。
4.都市計画法などの法律により、2 年以内に事業が行われる予定の道路で、特定行政庁(市長)が
指定した幅員 4m 以上のもの。
5.幅員 1.8m以上 4m未満の道で、一定の条件に適合し、特定行政庁(市長)が指定したもの。
6.特定行政庁(市長)が道路の位置又は道の指定をしたもの。(道路位置指定及び道の指定)
◆現在の道路が 4m 未満の場合は?
建築基準法適用以前から建築物が建ち並んでいる幅員 1.8m以上 4m 未満の道で、特定行政庁(市
長)が指定したものは、その中心から両側に 2m後退した先を道路境界線とみなします。
建物や塀などは、この道路境界線とみなす線よりも道路側に突き出して建築することはできません。
将来的には 4m 幅の道路になることにより良好な環境が確保されます。
みなし
道路境界線
みなし
道路境界線
2m
2m
ひさしなども出ないこと
塀
建築 できない 空間
建築物
塀
建築物
門や塀が出ないこと
敷地
道
路
4m未満
敷地
狭い道路の拡幅整備事業にご協力を!
私たちが利用している生活道路の中には、狭い道路(幅員 1.8m∼4.0m 未満の道路)が沢山ありま
す。
狭い道路は防災上・住環境の上でも問題点が多く、少しずつでも拡幅整備をすすめ、解消していか
なければなりません。
浜松市では平成 14 年度から「狭い道路の拡幅整備事業」を行っています。具体的には、建築確認
申請をする前に拡幅整備について事前協議を行い、後退用地等を市に寄附された場合には、門や塀、
樹木などの撤去等に要した費用の一部を助成しています。
(市街化区域内が対象となります。
)
安全で快適なまちづくりのために、みなさんのご理解とご協力をよろしくお願いいたします。
*詳しくは、建築行政課建築道路グループ(457−2474)に相談して下さい。
−14−
◆道路位置指定とは
建物を建築するために個人が築造した私道で特定行政庁(市長)から指定を受けることを、一般的
に「道路位置指定」といいます。
申請にあたっては道路位置指定予定地の関係権利者の承諾が必要となり、指定された道路は作り変
えたり、勝手に廃止したりすることはできません。
・道路位置指定の具体的な流れ
指
基
準
定
の
審
査
申請道路部分の分筆・地目変更
定
現 場 が 完 成 し て 検 査
審査が終わると現場着工
指
道 路 位 置 指 定 申 請
道路位置指定申請事前協議
・道路位置指定の条件
「道路位置指定」の具体的な基準は、建築基準法に基づき「浜松市道路の位置の指定基準」で定め
ています。
1.市街化区域であること。
2.開発する面積(申請道路部分合む)が 1,000 ㎡未満であること。
3.道路の有効幅員は 4m 以上で、道路の人口には隅切りを設けること。
4.側溝は、両側に設けること。
5.道路の長さ及び幅員により中間、終端に転回広場を設けること。
6.一宅地の面積は、120 ㎡以上とすること。
7.申請道路部分を分筆して、地目を公衆用道路に変更すること。
*詳しくは、建築行政課建築道路グループ(457−2474)に相談して下さい。
−15−
・道路幅員、延長と転回広場のとり方
指定基準に適合する転回広場
(イ)
4m
指
定
道
路
道路
35m以下
35m以下
L ≦ 70m
指定基準に適合する転回広場
(ロ)
5m
指
定
道
路
定
道
路
道路
35m < L ≦ 70m
(ハ)
6m
指
道路
L = 任意
・道路幅員のとり方
有効幅員
*
有効幅員
敷地
敷地
フタ
L型溝
側溝
指定道路幅員
*点線は側溝のフタがある場合の幅員を示す。ただし、内法寸法(*印)が 50cm 以上のものは、幅
員に含めない
−16−
◆道の指定とは
建築基準法適用以前から道として使用され、それに沿って建築物が建ち並んでいる幅員 4m に満た
ない私道で特定行政庁(市長)が指定するものを「道の指定」といいます。申請に当たっては「道路
位置指定」と同じく、関係権利者の承諾が必要となり、指定された道は作り変えたり、勝手に廃止し
たりすることはできません。
建築物
建築物
建築物
建築物
2m道路後退
1.8m以上4m未満の私道
道路中心線
2m道路後退
建築物
建築物
建築物
建築物
この部分には、指定後の建築行為はできません。
道の指定の条件
1.幅員が 1.8m 以上あること。
2.建築基準法適用(昭和 25 年 11 月 23 日又は都市計画区域に指定された日)以前から建物が数
件以上建ち並んでいること。
3.家屋課税証明等の証明書がとれること。
−17−
7 建物の構造
1
木造建物を建てるには、屋根を不燃材料で葺き、外壁の延焼のおそれのある部分については、準
防火性能以上の延焼防止効力を有する構造としなければいけません。
2
市街地のうちでも家屋が密集しているところでは、火災が発生した場合、被害が大きくなる恐れ
があります。そこで、都市計画法により、集団的な都市防火を図るために、防火地域と準防火地域
が定められています。
防火地域、準防火地域では、建物の構造や延焼の恐れのある部分に制限があります。
たとえば、準防火地域では、木造建物物等は延焼の恐れのある部分については、外壁及び軒裏は
防火構造に、窓等には防火設備を設けなくてはなりません。
水路中心線
3m
5m
隣地境界線
隣地境界線
建築物
配置図
5m
延焼の恐れのある部分
5m
3m
3m
3m
5m
道路中心線
5m
2階
断面図
延焼の恐れのある部分
3m
1階
延焼の恐れのある部分とは
隣地境界線から(道路がある場合は道路中心線から)1階で
3m以内、2階以上で5m以内の部分をいいます。
−18−
8 建ぺい率と容積率
建物の大きさ(面積)には制限があります!
用途地域内の建築規模については、都市計画法によって建ペい率、容積率の最高限度が定められて
います。
(1)建ペい率とは、建物の建築面積(建坪)の敷地
面積に対する割合で表します。建物は、都市計画
で定めた建ペい率以下で建築して下さい。
C
市長が指定した角地などは、割り増しがありま
す。(+10%)
B
(2)容積率とは、建物の延べ床面積(各階の床面積
A
の合計)の敷地面積に対する割合で表します。
建物は、都市計画で定めた容積以下で、かつ前面道
路(幅員 12m 未満の場合)によって算定される数値以
下の容積率で建築して下さい。
A:敷地面積
B:1階の床面積(建築面積)
C:2階の床面積
例:第1種住居地域で、前面道路幅員が 4m の敷地の場合
B+C=延べ床面積
(各階の床面積の合計)
①用途地域による容積率の限度は、200%
(建ペい率・容積率の求め方)
②前面道路による容積率 4m×4/10=16/10 で 160%と
なり、この敷地における容積率の限度は 160%とな
ります。
建ペい率=
容 積 率=
建築面積(B)
敷地面積(A)
×100%
延べ床面積(B+C)
×100%
敷地面積(A)
●建ペい率・容積率制限
建ペい率
用 途 地 域
容積率(①又は②のうち小さい数値以下)
第1種低層住居専用地域
40・50・60
①地域による
数 値 %
50・60・80・100
第2種低層住居専用地域
50・60
80・100
第1種中高層 住居専用地域
40・50・60
100・150・200
第2種中高層 住居専用地域
50・60
150・200
60
200
域
60・80
200・300
域
80
200・300・400・500・600
%
第
1
種
住
居 地
域
第
2
種
住
居 地
域
居
地
域
準
近
住
隣
商
商
準
業
工
工
工
業
業
地
業
業
専
地
地
地
用
地
前面道路の
幅員(m)× 4/10
前面道路の
域
域
②前面道路による数
値
60
200
60
200・400
幅員(m)× 6/10
域
指定なし(市街化調整区域)
*各欄に 2 以上の数値があるものは、地域により決定されていますので確認して下さい。
−19−
9 高さ制限・道路斜線
∼∼∼∼∼∼
建物の高さには制限があります!
∼∼∼∼∼∼
まちなみや敷地の日照・採光・通風などを確保するため、用途地域によって、「絶対高さ」(第 1
種及び第 2 種低層住居専用地域)と「斜線制限」(道路斜線、隣地斜線、北側斜線)があります。
(1)絶対高さ・北側斜線(第 1 種及び第 2 種低層住居専用地城に適用されます。)
北側隣地境界
10m又は 12mを超えて
建築できません
1.25
1.0
この中に建物をおさめ
なければいけません
5m
(2)・北側斜線(高度地区を除く第 1 種及び第 2 種中高層住居専用地城に適用されます。)
・高度地区(旧西遠広域都市計画区域(合併前の浜松市、雄踏町)内の第 1 種及び第 2 種中高層
住居専用地域のみに適用されます。ただし、天空率による制限の緩和はできません)
北側隣地境界
1.25
1.0
この中に建物をおさめ
なければいけません
10m
(高度地区
は7m)
(3)隣地斜線
1.0
1.0
1.0
2.5
1.25
この中に建物を
おさめなければ
いけません
隣地境界線
①
第1種中高層住居専用地域
第2種中高層住居専用地域
第1種住居地域
第2種住居地域
準住居地域
②
近隣商業地域
商業地域
準工業地域
工業地域
工業専用地域
無指定地域(調整区域)
隣地境界線
②31m
①20m
−20−
(4)道路斜線
①通常の場合
この中に建物をおさめ
なければいけません
道路境界線
1.25
第1種低層住居専用地域
第2種低層住居専用地域
第1種中高層住居専用地域
第2種中高層住居専用地域
第1種住居地域
第2種住居地域
準住居地域
1.5
近隣商業地域
商業地域
準工業地域
工業地域
工業専用地域
無指定地域(調整区域)
1.0
1.25 又は
1.5
塀
道路幅員
②建物(門・塀を含む)が道路境界線から後退している場合は、緩和が受けられます。
緩和される部分
この中に建物をおさめ
なければいけません
道路境界線
塀
a
道路幅員
a
建物が道路から後退している距離
4m以上の道路
※道路高さ制限、隣地高さ制限及び北側高さ制限と同程度以上の採光・通風等を確保する建築物にあ
っては、いわゆる斜線制限が適用除外となります。(天空率による検証方法)
ただし、高度地区の北側斜線制限を天空率による検証方法を使って適用除外することはできません。
−21−
10 日影規制
∼∼∼∼∼∼
日影による建物の高さの制限があります
∼∼∼∼∼∼
中高層建築物を建てる場合は、周辺の日照条件
北
の悪化を防ぐため、その建物によって生じる日影
10m
が、一定の基準のもとに規制されます。規制され
5m
る地域、建物、日影時間などは下記の表のとおり
です。
建築物
この規制は、主に住居系の用途地域が対象にな
っており、近隣商業地域では、容積率が建築物
200%の地域が対象となります。
測定面
4m 1.5m
測定面
地盤面
敷地
隣地
日影規制の測定面は地盤面から 4m(1.5m)のラインです
◆中高層建築物の日影規制
規制される範囲
規制される地域・区域
(敷地境界線からの水平距離)
測定面
平均地盤面
用途地域
第1種、第2種
低層住居専用地域
第1種、第2種
中 高 層 住 居
専 用 地 域
第1種、第2種
住 居 地 域
準 住 居 地 域
近隣商業地域
準 工 業 地 域
用 途地 域 の 指 定
の な い 区 域
容積率%
5m超∼10m
10m超
の日影時間
の日影時間
3時間
2時間
50・60・80%
制限を受ける建築物
からの高さ
1.5m
軒高が7mを超えるか、ま
たは地上3階以上の建築物
4.0m
高さが10mを超える建築物
100%
4時間
2.5時間
100・150%
3時間
2時間
200%
4時間
2.5時間
200%
4時間
2.5時間
4.0m
高さが10mを超える建築物
200%
5時間
3.0時間
4.0m
高さが10mを超える建築物
200%
4時間
2.5時間
4.0m
高さが10mを超える建築物
◆各時間の日影データ
冬
測定時
高度角
方位角
倍
率
至
8:00
8:30
9:00
9:30
10:00
10:30
11:00
11:30
16:00
15:30
15:00
14:30
14:00
13:30
13:00
12:30
12:00
8°40′ 13°24′ 17°52′ 21°50′ 25°16′ 28°01′ 30°08′ 31°23′ 31°51′
53°29′ 48°24′ 42°58′ 36°52′ 30°29′ 23°22′ 15°56′
6.56
4.20
3.10
2.50
【60 進法】北緯 34°42′ 東経 137°43′
【10進法】緯度 34.71° 経度137.72°
2.12
1.88
1.72
8°00′
1.64
0°
1.61
←浜松市中区元城町:浜松市役所所在地のデータです
−22−
11 用途地域による建築物の用途規制の概要
工
工
準
商
近
準
業
専
業
商
業
工
隣
住
業
居
用
地
● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●
兼用住宅で非住宅部分の床面積が、50 ㎡以下かつ建築物の延べ面
積の 2 分の1以下のもの
大規模集客施設 10,000 ㎡を超えるもの
● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●
● ●
店
舗
② ③ ● ● ● ● ● ● ● ④
店舗等の床面積が 150 ㎡を越え 500 ㎡以下のもの
③ ● ● ● ● ● ● ● ④
店舗等の床面積が 500 ㎡を越え 1,500 ㎡以下のもの
等
● ● ● ● ● ● ● ④
店舗等の床面積が 1,500 ㎡を越え 3,000 ㎡以下のもの
⑤ ⑤ ● ● ⑤ ⑤ ④
店舗等の床面積が 3,000 ㎡を越えるもの
非住宅部分の用途制限あり
準工業地域は特別用途地区で規制
① ② ③ ● ● ● ● ● ● ● ④
店舗等の床面積が 150 ㎡以下のもの
考
域
域
域
域
域
域
住宅、共同住宅、寄宿舎、下宿
劇場、映画館、演芸場、観覧場、店舗、飲食店、展示場、遊技場、勝馬投票
権発売所、場外車券売場、場外船券売場
備
地
地
地
地
業
地
第 二 種 住 居 地 域
面積、階数などの制限あり
第 一 種 住 居 地 域
①,②,③,④,⑤,▲
第二種 中高層 住居 専用地域
建てられない用途
第一種 中高層 住居 専用地域
建てられる用途
第二種低層住居専用地域
●
第一種低層住居専用地域
用途地域内の建築物の用途制限
▲ ● ● ● ● ● ● ● ●
務
事務所等の床面積が 150 ㎡を越え 500 ㎡以下のもの
▲ ● ● ● ● ● ● ● ●
所
事務所等の床面積が 500 ㎡を越え 1,500 ㎡以下のもの
▲ ● ● ● ● ● ● ● ●
等
事
事務所等の床面積が 150 ㎡以下のもの
事務所等の床面積が 1,500 ㎡を越え 3,000 ㎡以下のもの
① 日用品販売店舗、喫茶店、理髪
店及 び建具 屋等のサ ービス業
用店舗のみ。2 階以下
② ①に加えて、物品販売店舗、飲
食店 、損保 代理店・ 銀行の支
店・宅建取引業等のサービス業
用店舗のみ。2 階以下
③ 2 階以下
④ 物品販売店舗、飲食店を除く
⑤ 10,000 ㎡以下(集客施設)
▲2 階以下
● ● ● ● ● ● ● ●
● ● ● ● ● ● ●
事務所等の床面積が 3,000 ㎡を越えるもの
ホテル、旅館
遊 戯施 設 ・風 俗 施設
ボーリング場、スケート場、水泳場、ゴルフ練習場、バッティング練習場
▲ ● ● ● ● ●
▲3,000 ㎡以下
▲ ● ● ● ● ● ●
▲3,000 ㎡以下
カラオケボックス等
① ① ● ● ① ① ① ①10,000 ㎡以下(集客施設)
麻雀屋、パチンコ屋、射的場、馬券・車券発売所等
① ① ● ● ① ①
①客席部分の床面積 200 ㎡未満
②10,000 ㎡以下(集客施設)
① ● ● ②
劇場、映画館、演芸場、観覧場
● ▲
キャバレー、ナイトクラブ等、個室付浴場等
公 共 施 設 ・ 病 院 ・ 学 校 等
幼稚園、小学校、中学校、高等学校
①10,000 ㎡以下(集客施設)
▲個室付浴場を除く
● ● ● ● ● ● ● ● ● ●
● ● ● ● ● ● ● ●
大学、高等専門学校、専修学校等
図書館等
● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●
巡査派出所、一定規模以下の郵便局等
● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●
神社、寺院、教会等
● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●
● ● ● ● ● ● ● ●
病院
公衆浴場、診療所、保育所等
● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●
老人ホーム、身体障害者福祉ホーム等
● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●
老人福祉センター、児童厚生施設等
▲ ▲ ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●
▲ ● ● ● ● ● ● ●
自動車教習所
工
単独車庫(付属車庫を除く)
▲ ▲ ▲ ▲ ● ● ● ● ● ●
場
建築物付属自動車車庫
①②③については、建築物の延べ面積の 1/2 以下かつ備
考欄に記載の制限
▲600 ㎡以下
▲3,000 ㎡以下
▲300 ㎡以下
2 階以下
① ① ② ② ③ ③ ● ● ● ● ● ● ①600 ㎡以下 1 階以下
②3,000 ㎡以下 2 階以下
③2 階以下
※一団地の敷地内について別に制限あり
● ● ● ● ● ●
倉庫業倉庫
▲ ● ● ● ● ● ● ●
畜舎(15 ㎡を超えるもの)
・
パン屋、米屋、豆腐屋、菓子屋、洋服屋、畳屋、建具屋、自転車店
等で作業場の床面積が 50 ㎡以下
▲ ▲ ▲ ● ● ● ● ● ● ● ●
① ① ① ② ② ● ● ●
危険性や環境を悪化させるおそれが非常に少ない工場
② ② ● ● ●
危険性や環境を悪化させるおそれが少ない工場
倉
● ● ●
危険性や環境を悪化させるおそれがやや多い工場
危険性が大きいか又は著しく環境を悪化させるおそれがある
工場
▲3,000 ㎡以下
原動機の制限あり
▲2 階以下
原動機・作業内容の制限あり
作業場の床面積
①50 ㎡以下 ②150 ㎡以下
● ●
① ① ② ③ ③ ● ● ●
自動車修理工場
原動機の制限あり 作業場の床面積
①50 ㎡以下②150 ㎡以下③300 ㎡以下
庫
① ② ● ● ● ● ● ● ●
量が非常に少ない施設
等
火薬、石油類、ガスなどの
危険物の貯蔵・処理の量
● ● ● ● ●
量が少ない施設
● ● ●
量がやや多い施設
● ●
量が多い施設
卸売市場、火葬場、と畜場、汚物処理場、ごみ焼却場
①1,500 ㎡以下 2 階以下
②3,000 ㎡以下
都市計画区域内においては都市計画決定が必要
注)本表は建築基準法別表第二の概要であり、他の法令等
−23−
すべての制限について掲載したものではありません。
12 その他の地区等
◆風致地区とは?
風致地区では、緑豊かな都市環境を維持するため、浜松市風致地区条例により、以下の行為を行う
際には市長の許可が必要になります。また、建物の新築時には、一定規模以上の緑化が義務付けられ
ています。(担当課:緑政課 457-2565)
1.建物や工作物を建てる
(建物又は工作物の投影面積が10㎡以上)
2.土地の形状を変える
(変更面積10㎡以上)
3.木竹等を切る
(間伐や努定等通常管理をするもの以外)
4.水面を埋め立てる
(埋め立て面積10㎡以上)
5.土石等を採取する
(採取により変更となる土地の面積10㎡以上)
6.建物の色等を変える
(外部仕上げの色を変える)
7.土石等を堆積する
(堆積する面積10㎡以上)
*第1種風致地区及び第2種風致地区があり、主な規制内容は次のとおりです。
種
別
高さの制限
建ペイ率
道路との距離
隣地との距離
第1種風致地区
8m
30%
3m
1.5m
第2種風致地区
15m
40%
2m
1m
◆都市計画公園とは?
都市計画法により指定された公園内に建築しようとする場合は、事前に市長の許可を受けなければ
なりません。(担当課:緑政課 457-2565)
1.階数が 3 以下で、かつ、地階を有しないこと(一部の地下車庫を除く)
2.主要構造部が木造、鉄骨造、コンクリートブロック造その他これらに類する構造であること。
◆都市計画道路とは?
都市計画法により指定された都市計画道路内に建築しようとする場合は、事前に市長の許可を受け
なければなりません。
(担当課:都市計画課 457-2363、浜北区・天竜区の物件は北部都市整備事務所 585-1161)
1.階数が 3 以下で、かつ、地階を有しないこと(一部の地下車庫を除く)
2.主要構造部が木造、鉄骨造、コンクリートブロック造その他これらに類する構造であること。
◆区画整理地区とは?
土地区画整理法により指定された区域内に建築しようとする場合は、事前に市長の許可を受けなけ
ればなりません。平成 27 年7月現在で指定されている地域は、次のとおりです。
(担当課:市街地整備課 457-2366、浜北区・天竜区の物件は北部都市整備事務所 585-1161)
・高塚駅北・高竜・上島駅周辺(市施行)
・西都・船明・西美薗西・中瀬南部(組合施行)
◆地区計画とは?
地区計画制度は、良好な環境をもった市街地の形成と保全を図るために、地区の特性に応じなが
ら地区施設や建物の建て方に関する事項を総合的に定め、その計画に沿ってまちづくりを誘導して
いくものです。地域により、内容が異なりますので、詳しくは担当課に問い合わせて下さい。
(担当課:土地政策課 457-2642、浜北区・天竜区の物件は北部都市整備事務所 585-1161)
(建築条例の担当課:建築行政課 457-2471)
−24−
※参考:浜松市地区計画(平成 27 年 7 月現在)
市街化・市街化調整
地
区
整
備
計
画
建
旧市町村 地 区 計 画 名
築
条
和
形
成
地
区
築
定
緑
地
土地区画
区
域
協
定
整理事業
市 街 化
市 街 化
区
調整区域
域
●
●(組合)
●
呂
●
●(組合)
●
都
●
●(組合)
●
佐鳴湖西岸
●
●(組合)
●
都
田
●
●
●(公共)
●
高丘商業業務
●
●
●(公共)
●
卸
本
町
●
東
第
一
●
●(公共)
●
東
第
二
●
●(公共)
●
●
●(公共)
●
●(組合)
●
都
西
(16)
協
観
地
志
浜松
例
建
景
浜松駅前旭・砂山
山
手
町
●
●
(地元独自)
●
●(個人)
●
蜆塚一丁目南部
●
●
●
蜆 塚 二 区
●
●
●
西 上 池 川
●
●
●
高
●
●
広沢二丁目3部
●
●
浜北新都市
●
●
平
口
●
西 美 薗 西
●
●
●(組合)
●
中 瀬 南 部
●
●
●(組合)
●
天竜(1)
船
明
●
●
●(組合)
●
雄踏(1)
掘
出
前
●
●(組合)
●
引佐(1)
井
伊
谷
●
●(組合)
●
●(公共)
別
●
●
竜
の
●
●
●(機構)
●
●(組合)
●
浜北(4)
●
−25−
◆ガケは安全ですか?
ガケ崩れ又は土砂の流出等から人命、財産を守るため、ガケ付近に建物を建てる場合には、ガケの
形状、土質又は建築物の位置・構造等に応じて安全な擁壁を設置することを義務づけています。
(静岡県建築基準条例第 10 条)
対象となるガケは、水平面からの勾配が 30 度を超え、かつ、高さが 2m を超えるものであり、これ
に対する危険区域は下記のガケの法面下端から、ガケの高さの 2 倍以内の範囲としています。
H=ガケの高さ
30°
2H
2H
ただし、次に該当する場合は、建築が可能です。
(1)堅固な岩盤を斜面とするガケ又は特殊な構造方法若しくは工法によって保護されたガケで、
安全上支障がないと認められる場合
(2)ガケ下に建築物を建築する場合において、その主要構造部を鉄筋コンクリート造又は鉄骨鉄
筋コンクリート造とした建築物で、ガケ崩れ等に対して安全な設計と認められる場合
*宅地造成等規制法施行令
第 6 条 一部抜粋
第 6 条 切土又は盛土をした土地の部分に生ずるガケ面は、擁壁でおおわなければならない。た
だし、切土をした土地の部分に生ずることとなるガケ又はガケの部分で、次の各号の一に
該当するもののガケ面については、この限りでない。
一
土質が別表第 1 左欄に掲げるものに該当し、かつ、土質に応じ勾配が同表中欄の角度以下の
もの
二
土質が別表第 1 左欄に掲げるものに該当し、かつ、土質に応じ勾配が同表中欄の角度をこえ
同表右欄の角度以下のもので、その上端から下方に垂直距離 5m 以内の部分
2
前項の規定は、土質試験等に基づき地盤の安定計算をした結果ガケの安定を保つために擁壁の
設置が必要でないことが確かめられた場合には、適用しない。
別表第1
擁壁を要しない勾配
ガケの上端から垂直距離5m
以内は擁壁を要しない勾配
軟岩(風化の著しいものを除く)
60°
60°をこえ80°以下
風化の著しい岩
40°
40°をこえ50°以下
砂利、真砂土、関東口一ム、硬質粘土、
その他これらに類するもの
35°
35°をこえ45°以下
土
質
第12条 切土又は盛土をした土地の部分に生ずることとなるガケを擁壁でおおわないときは、そ
のガケ面は石張り、芝張り、モルタルの吹付け等によって風化その他の浸食に対して保護
しなければならない。
※土砂災害特別警戒区域に建築(居室を有するもの)する場合は、外壁等をがけ崩れ・土石流・地滑
りに対し安全なように鉄筋コンクリート造で造る、または、門・塀を設けて衝撃を遮る必要があり
ます。
−26−
◆宅地造成工事とは?
宅地造成工事規制区域内には次のようにある規模をこえる行為には、市長の許可が必要になります。
1.2m をこえる切土
2.1m をこえる盛土
3.2m をこえる切盛土
4.500 ㎡をこえる土地の 1m をこえる切土または 50cm をこえる盛土
*詳しくは、土地政策課開発指導グループ(457−2373)に相談して下さい。
◆開発行為とは?
市街化区域内で 1,000 ㎡以上の土地を開発する場合は、事前に許可を受けなければなりません。
確認申請の提出前に市長の許可(開発許可)を受けて下さい。また、開発行為の制限解除許可も併
せて受けないと建築できませんので、手続きをしておいて下さい。
*詳しくは、土地政策課開発指導グループ(457−2373)に相談して下さい。
◆建築協定とは?
建物を建てる場合には、建築基準法などの法律でその用途、形態、構造などの基準が定められてい
ますが、全国一律の基準のため、地域に応じた住み良い住環境づくりや個性のあるまちづくりには必
ずしも十分ではありません。
建築基準法では、これらを補って良好なまちづくりを行うため、「建築協定」という制度が設けら
れています。この制度は、住民が住み良いまちづくりの基準を定めて、お互い守りあっていくことを
約束する制度で、快適で美しいまちづくりを実現するひとつのすばらしい方法です。
*詳しくは、建築行政課建築安全グループ(457−2473)、浜北区・天竜区の物件は北部都市整備
事務所(585-1161)に相談して下さい。
◆その他の地域・地区
高度地区、都市景観条例による地区、急傾斜地崩壊危険区域、災害危険区域、土砂災害特別警戒
区域、景観地区
◆下水道法による下水処理区域内の建築について
下水道処理区域内に建設する場合、便所の汚水は下水道に放流しなければなりません。また、場所
により合流式と分流式があります。合流式は、汚水・雑排水及び雨水を一緒に放流し、分流式は、汚
水・雑排水のみを放流することをいいます。区域について、また、供用開始日(放流が可能になる時
期)については、上下水道部お客さまサービス課(474-2511)にて確認して下さい。
◆浄化槽の設置について
下水道処理区域以外の区域で、水洗便所を設置する場合は届出が必要となります。届出は確認申請
と同時に申請します。住宅の浄化槽の人槽は、建築物の床面積 130 ㎡以下が 5 人槽、130 ㎡を超える
場合は 7 人槽、また独立して生活できる二世帯住宅は 10 人槽となります。なお、用途により人槽の
算定方法が決められていますので詳しくは、建築行政課建築安全グループ(457−2473)または北部
都市整備事務所建築行政グループ(585-1154)に相談して下さい。
浄化槽の放流は、地元に土地改良区がある場合は、土地改良区の承諾が必要となります。
ただし、確認申請時には、承諾をとってなくても構いませんが、遅くとも浄化槽の工事をする時ま
でには、承諾を取って下さい。
−27−
◆浜松市中高層建築物の建築に係る紛争の予防及び調整に関する条例
この条例は、中高層建築物の建築に係る計画の事前公開、紛争についてのあっせん及び調停その他
必要な事項を定めることにより、紛争の予防及び調整を図り、良好な近隣関係を保持するとともに、
地域における健全な居住環境の維持及び向上を資することを目的としています。用途地域により高さ
が 10m又は 15mを超える建築物(用途を問わない)が届出の対象となります。建設地には、建築計
画の概要(建築主・設計者・工事施工者等)を表示した標識を敷地の見やすい場所に設置しなければ
なりません。また、隣接住民の方には事前に、周辺住民の方は申し出をした場合に建築主等から建築
計画の説明がなされます。説明に疑問や不安に思うことがある場合、納得のいくよう話し合いをして
いただくことになります。標識を設置した場合、建築主は、建築確認申請等を行おうとする 20 日前
までに標識設置届を市長に提出しなければなりません。
届出の必要な建築物は以下のとおりです。
第1種低層住居専用地域
第2種低層住居専用地域
第1種中高層住居専用地域
第2種中高層住居専用地域
第1種住居専用地域
建築物の高さが 10m を超えるもの
第2種住居専用地域
準住居地域
近隣商業地域(容積率が200%の地域)
準工業地域(容積率が200%の地域)
都市計画区域内の用途地域の指定のない区域
近隣商業地域(容積率が200%以外の地域)
商業地域
建築物の高さが 15m を超えるもの
準工業地域(容積率が200%以外の地域)
工業地域
※詳しくは、建築行政課建築総務グループ(457−2471)、浜北区・天竜区の物件は北部都市整
備事務所建築行政グループ(585-1154)に相談して下さい。
−28−
◆民法について(抜粋)
確認申請時には、民法等は審査の対象とはなっておりませんので、民法に違反していても当課(建
築行政課)では是正指導はできません。建築主の方は、建築士さん等ともよく相談して、近隣のこと
を配慮して建物の計画をして下さい。後で、余分な出費や工事を要求される場合もありますので十分
注意して下さい。
また、建物は、永く住むものですから、近隣の方などとも話し合い等をして近隣との融和や環境づ
くり等を心がけて頂ければと思います。
民法について建物に関連する規定を参考までにあげると、次の様なものがあります。
・建物の隣地境界線からの距離(民法第 234 条)
建物を建てるときは、隣地境界線から 50cm 以上の距離を置かなければならない。ただし、その土
地の慣習がある場合は、外壁を隣地境界線に接して設けることができます。(民法第 236 条)建築基
準法では、その土地が準防火・防火地域で外壁が耐火構造(コンクリート造・軽量気泡コンクリート
等)であれば、外壁を隣地境界線に接して設けることができます。(建築基準法第 65 条)
民法の規定に違反して建築がなされた場合に、建築着手の日より 1 年経過後や、建築物が完成した
後は、その建築の中止や変更を要求できず損害賠償の請求のみすることができる。(民法第 234−2)
・目隠しの設置(民法第 235 条−1)
隣地境界線より 1m 未満の距離に他人の宅地を眺めることのできる窓や縁側を設けるときは、目隠
しを設置しなければなりません。ただし、この規定と異なる慣習がある場合はその慣習に従って下さ
い。
・隣地への立入について(民法第 209 条−1)
隣地境界線近くで塀や建物を建てたり、修繕したりする場合には、隣地を使用することができる。
ただし、隣地所有者の承諾を必要とします。また、承諾が得られない場合は、裁判所に訴えて承諾
に代わる判決を得ることが必要です。
隣地の屋根に登る場合には、隣人の承諾を必ず得なければなりません。一般に、判決により承諾に
代えることは出来ないとされています。
なお、上記の場合で隣人が損害を受けたときは、その損害金を請求することができます。
−29−
・雨水等の処理について(民法第 214 条)
土地の所有者は、隣地から自然に流れてくる雨水や湧き水(自然水)の流れを妨げることができま
せん。また、土地所有者等は、雨水が直接隣地に注ぎ込む様な屋根、工作物を設けることはできませ
ん。(民法第 218 条)
・境界線上に塀・垣根を設けることについて(民法第 225 条−1,第 226 条)
建物と隣との間に空き地があるときには、隣家との共同の費用でその境界に塀を設けることができ
る。ただし、両者で協議が整わない場合は、高さ 2m の塀、トタン塀等の安価な塀にしなければなら
ない。上記の塀より費用のかかる塀あるいは高い塀を希望する者は、その増額分を自己負担しなけれ
ばならない。(民法第 227 条)
また、上記と違った慣習がある場合は、その慣習に従うことができる。(民法第 228 条)
・越境してきた竹木の枝・根について(民法第 233 条−1)
隣地の竹木の枝が境界線を越えて出しているときは、竹木の所有者に枝を切り取らせることができ
る。また、隣地の竹木の根が境界線を越えて進入してきた場合は、その竹木の所有者の承諾がなくて
もこれを切り取ることができる。(民法第 233 条−2)
・越境して家を建てられた場合について
たとえ越境建築物であろうと完成してしまうと、これを除去するのは非常に困難です。完成前です
と、次のような手続き方法が考えられますので、参考にして下さい。
①裁判所に「建築工事中止の仮処分」を申し立てることです。
②仮処分命令がでると、次に所有権に基づいて妨害排除の請求を申し立てることです。
*越境建築物の建築着手から 1 年を経過した場合又は建築物が完成した場合、妨害排除請求を用
いて建築物の廃止、変更を請求するのは非常に困難です。
−30−
13 制度・事業等の紹介
◆建築に関する相談
建物を建てるにあたっては、建築基準法のほかにも多くの法令が関係していることから、難しいこ
とも多く、どうしても専門の知識や技術をもつ建築士などのアドバイスが必要になります。
建築全般に関する相談をご案内します。
建築の専門家がご相談に応じますので、お気軽にご利用ください。
○建築相談
毎週 土曜日
午後 1 時 30 分∼4 時 30 分まで
ところ : (第 1・3 土曜日)(一社)静岡県建築士事務所協会西部支部 電話 053-459-2366
(第 2・4 土曜日)(公社)静岡県建築士会西部ブロック 電話 053-451-5166
・事前に予約が必要です。(相談日にかかわらず申し込みできます。)
◆地震対策に関する補助制度(建築行政課または北部都市整備事務所)
巨大地震により大規模な被害が予想される浜松市では、平成7年の阪神・淡路大震災などの教訓を
もとに、建築物の所有者の皆さんに、耐震性のチェックやその結果に基づく耐震改修などを積極的に
進めていただくようお願いしています。
なかでも、昭和 56 年5月 31 日以前に建てられた建築物等は、現在の耐震基準を満たさないと考え
られること、また、道路沿いの老朽化したブロック塀なども大変危険なことから、必要となる費用の
一部を助成する制度として、「浜松市プロジェクト TOUKAI(東海・倒壊)-0 総合支援事業」を設け
ていますのでご利用ください。
○わが家の専門家診断(無料診断)
専門家(耐震診断補強相談士)を無料で派遣する制度。
・木造住宅の耐震診断(簡易診断)
無料(ただし、一軒あたり1回限り)
○木造住宅に対する制度
・補強計画作成
補助率 2/3
助成基準額 144,000 円
・耐震補強工事
一般世帯
限度額 30 万円/一敷地(低耐震評点住宅 15 万円加算)
高齢者同居世帯等 限度額 40 万円/一敷地(
〟
)
高齢者のみ世帯等 限度額 50 万円/一敷地(
〟
)
○その他の建物に対する制度
・木造以外の一戸建て住宅の耐震診断 補助率 2/3
助成基準額 134,000 円
・木造以外の長屋及び共同住宅、住宅以外の建物の耐震診断
補助率 2/3 助成基準額
1,000 ㎡以内の部分
2,060 円/㎡
1,000 ㎡を超え 2,000 ㎡以内の部分
1,540 円/㎡
2,000 ㎡を超える部分
1,030 円/㎡
・補強計画作成
条件により補助を受けられることがあります
・耐震補強工事
条件により補助を受けられることがあります
○道路沿いのブロック塀等の撤去・改善に対する補助制度
・撤去費
補助率 1/2 助成基準額 8,900 円/m
・新設費(安全な塀等に造り替える工事)
限度額 10 万円/一敷地
条件により補助を受けられることがあります
補助率 1/2 助成基準額 38,400 円/m 限度額 25 万円/一敷地
−31−
◆がけ地に近接する危険住宅の移転に対する補助制度(担当課:建築行政課)
がけ地の崩壊等による危険から住民の生命を保護するため、安全な場所に移転する費用に対して補
助を行う制度です。
※補助の対象となる住宅(次の 1 から 4 のいずれか)
1.災害危険区域内で、区域指定前に建てられた住宅
2.危険ながけ(傾斜が 30 度、高さが 2mを超すがけ)に接していて、昭和 29 年 3 月以前に建て
られた住宅
3.土砂災害特別警戒区域内で、区域指定前に建てられた住宅
4.上記各号のいずれかの区域内で、建築後に大規模地震、台風等により、安全上支障が生じ市
長が是正勧告等を行った住宅
※補助金の額
・危険住宅の取り壊しや移転のための経費に対し
・移転先の土地を買うために借入れした資金の利子に対し
802千円以内
2,060千円以内
・移転先の土地を造成するために借入れした資金の利子に対し
597千円以内
・移転先の住宅を建てたり、購入したりするために借入れした、
資金の利子に対し
4,570千円以内
※単年度で行う補助事業です。また、事前の相談が必要となります。
◆合併処理浄化槽設置費補助制度
台所や風呂、水洗トイレなどの生活排水を処理し、川や湖などの水質環境の維持及び公共用水域の
水質保全を図ることを目的に合併処理浄化槽の設置費用の一部を助成する制度を設けています。
なお、詳しくは担当課に相談して下さい。
中区役所
まちづくり推進課
TEL 457−2778
東区役所
区民生活課
TEL 424−0164
西区役所
まちづくり推進課
TEL 597−1150
南区役所
区民生活課
TEL 425−1382
北区役所
まちづくり推進課
TEL 523−3120
浜北区役所
まちづくり推進課
TEL 585−1115
天竜区役所
まちづくり推進課
TEL 922−0022
◆エネルギーの使用の合理化に関する法律
(担当課:建築行政課または北部都市整備事務所)
一定規模以上の建築物を新築又は増築等をする時は、「エネルギーの使用の合理化に関する法律」
に基づき、省エネ措置届出を行う義務があります。
※第1種特定建築物
対象床面積:2,000㎡以上
※第2種特定建築物
対象床面積:300㎡以上∼2,000㎡未満
−32−
14 証明等
◆住宅用家屋証明書
この証明書は、租税特別措置法により家屋の保存登記時等の登録免許税が軽減される証明です。
個人が自己の居住の用に供する家屋(床面積が 50 ㎡以上)を新築又は取得した場合、登録免許
税が 4/1000 から 1.5/1000 に軽減されます。なお、証明手数料は、1,300 円/件です。
◆建築確認済の証明
この証明書は、建築基準法の規定による届出が確認(建築基準法に適合している)されている
ことの証明するものです。なお、この証明書は、図面上で基準法に適合しているということで完
成した建築物が法に適合していることを証するものではありませんので、注意して下さい。証明
手数料は、350 円/件です。
◆建築物の検査済証の交付及び検査済証の交付済証明について
建築主の方は、建築物の工事が完了した場合には、完了検査の申請をして下さい。完了検査申
請書の提出方法などについては、確認申請書の副本に記載されている設計者又は工事監理者にご
相談下さい。
完了検査 ・・・・・・ 建築物が、建築基準法に適合しているかどうか、確認申請書等に基づ
いて行う現場検査(完了検査申請書の提出により受付)
検査済証 ・・・・・・ 完了検査に合格した建築物の建築主に対して交付される証書
建築基準法(抜粋)
(建築物に関する完了検査)
第7条 建築主は、第 6 条第 1 項の規定による工事を完了したときは、国土交通省令で定
めるところにより、建築主事の検査を申請しなければならない。
検査済証を紛失等したときには、建築基準法に適合した建築物であることの証明として検査済
証の交付済証明を請求することができます。手数料は、350 円/件になります。
−33−
15 保険や供託による住まいのサポート
◆住宅瑕疵担保履行法(平成 21 年 10 月 1 日施行)とは
●事業者の瑕疵担保責任
新築住宅を供給する事業者は、住宅のなかでも特に重要な部分である、構造耐力上主要な部分
および雨水の浸入を防止する部分の瑕疵に対する 10 年間の瑕疵担保責任を負っています。
※瑕疵担保責任・・・・・契約の目的物に瑕疵(欠陥)があった場合に、これを補修したり、瑕疵によ
って生じた損害を賠償したりする責任のことをいいます。
●瑕疵担保責任の履行の確保
住宅瑕疵担保履行法は、この瑕疵担保責任を確実に履行するための資力確保措置(保険加入ま
たは供託)の事業者への義務付け等を定めています。これにより、消費者が安心して新築住宅を取
得できるようになります。
●義務付けの対象となる事業者
新築住宅を消費者に供給する建設業者に対して、瑕疵の補修等が確実に行われるように、保険
加入または供託が義務付けられます。
保険制度
新築住宅に瑕疵があった場合に、補修等を行った事業者に、保険金が支払われる
制度です。また、保険への加入にあたっては、住宅の工事中に検査が行われます。
事業者が倒産しているなど、補修等が行えない場合、保険に加入している新築住
宅(保険付住宅)を取得した人は、保険法人に対し、瑕疵の補修などにかかる費用
(保険金)を請求することができます。(直接請求)。
※保険法人とは、国土交通大臣から指定を受け、住宅の検査や保険の引受けを行
う財団法人や株式会社などです。
供託制度
新築住宅に瑕疵があれば、事業者はその補修等を行う責任がありますが、事業者
が倒産している場合等は、この責任を果たすことができません。そこで、このよう
な場合に備えて、事業者が、法律で定められた額の保証金(現金等)をあらかじめ法
務局などの供託所に預けておく制度です。
事業者が倒産しているなど、補修等が行えない場合、新築住宅を取得した人は、
供託所に対して瑕疵の補修等に必要な金額について、保証金からの還付を請求する
ことができます(還付請求)。
−34−
お問い合わせ
浜松市 都市整備部 建築行政課
TEL.(053)457−2471
2015.7 改訂
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