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アレルギー性結膜炎に用いられる点眼薬〈PDF〉
4 アレルギー性結膜炎に用いられる点眼薬 アレルギー性結膜炎に処方される点眼薬には、抗アレルギー点眼薬と副腎皮 質ステロイド点眼薬(ステロイド)があります。 抗アレルギー点眼薬は、抗ヒスタミン作用を主とするもの(ヒスタミン拮抗 薬)と抗ヒスタミン作用を示さないがヒスタミンなどの化学伝達物質(ケミカ ルメディエーター)の遊離抑制作用を主とするもの(ケミカルメディエーター 遊離抑制薬)に分類されます。 ケミカルメディエーター遊離抑制薬はすでに起こっているアレルギー反応に は無効ですが、季節性アレルギー性結膜炎の場合、アレルギー反応が反復する ので一定の有効性が期待できます。 一方、抗ヒスタミン作用を有するヒスタミン拮抗薬は、すでに起こっている アレルギー反応にもすばやく効果を発揮し、かゆみや充血などの症状を速やか に改善します。 アレルギー性結膜炎には、まず抗アレルギー点眼薬を第一選択薬として使用 します。症状が強い場合は内服薬やステロイド点眼薬を併用することもありま す。但し、ステロイド点眼薬は副作用が起こることがあり、症状が軽くなれば 中止するか点眼回数を減らすようにします。 ■アレルギー性結膜炎に用いられる主な点眼薬の種類 分 類 一般名(商品名) ヒスタミン拮抗薬 抗 ア レ ル ギ ー 点 眼 薬 塩酸レボカバスチン(リボスチン) ※1 ケミカルメディエーター 遊離抑制薬 ステロイド点眼薬 フマル酸ケトチフェン(ザジテン)※2 クロモグリク酸ナトリウム(インタール) アンレキサノクス(エリックス) ペミロラストカリウム(アレギサール、ペミラストン) トラニラスト(リザベン、トラメラス) イブジラスト(ケタス、アイビナール) アシタザノラスト(ゼペリン) フルオロメトロン(フルメトロン) メタスルホ安息香酸デキサメタゾンナトリウム(サンテゾーン) リン酸ベタメタゾンナトリウム(リンデロン) ※1 ケミカルメディエーター遊離抑制薬:効果の発現は 2 週間程度必要(継続して使用する) 、花粉症の患者さんには 飛散 2 ∼ 3 週間前からの使用を指導する ※ 2 ヒスタミン拮抗作用を併せもつ 7 ■点眼薬の使い方の一例 ヒスタミン拮抗薬 ケミカルメディエーター 遊離抑制薬 ステロイド点眼薬 症状のひどい場合のみ シーズン前 2 ∼ 3 週間 花粉 シーズン はじめ ピーク 花粉 シーズン おわり ■点眼薬の眼内移行経路 ①角膜 結 膜 嚢 前 房 虹彩・毛様体 角膜輪部 前強膜 円蓋部 強 膜 ②眼球結膜 眼球内部 (網・脈絡膜) 8 眼球後部 視神経、 周囲組織