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「埼玉県における太陽光発電普及拡大について」 埼玉県ソーラー推進

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「埼玉県における太陽光発電普及拡大について」 埼玉県ソーラー推進
「埼玉県における太陽光発電普及拡大について」
埼玉県ソーラー推進協議会
平成21年3月30日
はじめに
今日、私たちの日常生活は、電気、ガス、石油などのエネルギーを利用す
ることによって成り立っています。しかし、こうしたエネルギー利用により
発生する CO2 の増大が地球温暖化を招いており、その削減が大きな課題とな
っています。
1997年、京都で開催された気候変動枠組条約第3回締約国会議(COP3)
で採択された京都議定書において、我が国は、2008年から2012年の第1約
束期間中に、温室効果ガス排出量を1990年比6%削減する目標が課せられま
した。さらに、2008年7月に開催された「北海道洞爺湖サミット」において
は、世界全体の温室効果ガス排出量の少なくとも50%削減を達成する目標を、
気候変動枠組条約締結国と共有し、採択することを求めることで合意しまし
た。
これらの目標に向けて CO2 の排出が少なく、枯渇しない再生可能エネルギ
ーを利用することは、地球に優しい低炭素社会を実現する鍵となるものです。
2008年7月に閣議決定された「低炭素社会づくり行動計画」では、太陽光発
電の導入量を2020年に現行の10倍、2030年には40倍にすることとし、その
ために太陽光発電システムの価格を3∼5年後に半額程度に低減することなど
を目指すこととしています。
しかしながら、現状では初期の導入費用が高額であり、経済的なインセン
ティブが少ないことを始め、技術的な問題、情報の量や質に関する問題など、
飛躍的な普及を図っていくにはまだ多くの課題があります。
埼玉県では、快晴日数日本一という地域特性を生かして、県有施設で全国1
位、住宅では全国3位と、太陽光発電システムの設置が進められています。
こうした状況をさらに進展させるため、県では、このほど策定した「スト
ップ温暖化・埼玉ナビゲーション2050∼埼玉県地球温暖化対策実行計画∼」
において、太陽光発電の普及拡大を重点項目の一つとして位置付けました。
また、学識経験者、太陽電池パネルや住宅メーカーなど関係機関からなる
埼玉県ソーラー推進協議会を設置し、具体的な普及促進策について検討し、
ここに「太陽光発電普及拡大について」を取りまとめたところです。
今回の取りまとめ結果を活用し、埼玉県においては、関連事業者、県民団
体、市町村などと連携し、精力的な普及拡大が図られることを期待します。
目次
「埼玉県における太陽光発電普及拡大について」概要
概要1∼4
第1 太陽光発電普及を巡る状況
1 全国の状況
2 本県の状況
(1)本県の状況・取組
(2)地域住民、NPO等の取組
(3)本県の計画・条例における太陽光発電の位置づけ
1
1
2
3
6
8
第2 太陽光発電設置に係る課題
1 経済的課題
(1)設置時における利用者のコスト
(2)不十分な経済的メリット
2 技術的課題
(1)太陽光発電システムに関する課題
(2)普及拡大に伴う課題
3 情報の量や質に関する課題
(1)設置者に対する情報の不足
(2)販売店、工事店の体制
4 その他の課題
9
9
9
10
11
11
13
13
13
13
14
第3 太陽光発電普及に向けての対応策
1 コストの低減、経済的支援
(1)製造から設置までの全体を通したコストの低減
(2)設置者に対する経済的支援
2 技術の向上・系統連系への対応
(1)製造、設置、管理に関する技術の向上
(2)系統連系を拡大する上での技術力の向上
3 関係者間の連携と適切な情報の提供
(1)設置者に対する情報の充実
(2)販売店、工事店に対する啓発
4 設置拡大のための多様な取組の推進
別表 太陽光発電普及のための対応策
15
15
15
16
18
18
20
20
20
22
22
25
第4
27
埼玉県で実施すべき当面の取組
(別添)埼玉県における太陽光発電普及のための連携プロジェクト
参考資料
太陽光発電普及拡大のための施策一覧
28
「埼玉県における太陽光発電普及拡大について」概要
第1
1
太陽光発電普及を巡る状況
全国の状況
・ 地球温暖化対策が待ったなしとなるなか、太陽光発電は身近に導入でき
る再生可能エネルギーとして注目されていますが、国の補助金が終了し
て以来設置件数が伸び悩んでいます。
・ 国は、「低炭素社会づくり行動計画」において、太陽光発電の飛躍的な
普及(2020年に現行の10倍、2030年に40倍)を図るとともに、今後3
∼5年間で設置費用を半額程度とすることを位置づけました。
・ 平成21年1月から国の補助金制度が復活し、普及拡大への弾みがつくと
期待される一方、3∼5年間で設置費用が大幅に低下することを期待して、
かえって買い控えが起こる可能性も懸念されます。
2
本県の状況
・ 本県は、快晴日数日本一(平成19年日本一、10年間で8回日本一)のな
か、住宅用太陽光発電の設置件数は全国3位、県有施設への設置件数は
全国一であり、比較的普及が進んでいます。また、県では小中学校等へ
の設置補助や事業所に対する低利融資により普及促進を図っています。
・ NPO等の団体においても、設置者に対する相談窓口の設置や情報交換
が行われているほか、グリーン電力証書の発行も行われています。さら
に市民共同発電を設置する動きもあり、太陽光発電への市民の関心は高
まっています。
・ 県では本年度、
「ストップ温暖化・埼玉ナビゲーション2050∼埼玉県地
球温暖化対策実行計画∼」を策定し、「太陽光発電の普及拡大」を重点
施策に位置づけました。また、「地球温暖化対策推進条例」の制定を進
めており、県、事業者及び県民が太陽光発電の利用促進に努めることと
しています。
第2
1
太陽光発電設置に係る課題
経済的課題
・ 設置費用については、何も支援がない場合は、回収に約30年を要するな
ど、まだ高額です。
概要 1
・ 一部市町村による設置費支援、電力会社による余剰電力の買い取りなど
が行われ、国の補助制度も復活したものの、現状では支援が十分とは言
えません。
・ 既存住宅への設置については、設置工事費などが新築住宅に比べ高く、
導入費用の割高感から、普及も新築住宅に比して遅れています。よって、
既存住宅に対する支援の充実が特に必要です。
・ 国において、電力会社が余剰電力を一定の価格で買い取ることを義務付
ける固定価格買取制度の導入を検討しています。
2
技術的課題
・ 飛躍的な普及のためには、太陽光発電システムの発電能力、重量、耐久
性の一層の向上も必要です。
・ 太陽光発電の普及が進んだ場合、逆潮流に対する電力の安定化、天候に
よる太陽光発電システムの大幅な出力変動への対策等、系統連系の安定
化についても対策が必要と言われており、現在国において検討が行われ
ています。
3
情報の量や質に関する課題
・ 設置者に必要な情報が必ずしも伝わっておらず、関連する情報が点在し、
一元的に入手しにくい状況にあります。
・ 販売店、工事店にもメーカーの情報が十分伝わっていないため、消費者
への提示ができないことも考えられます。
4
その他の課題
・ 一戸建てに比べて普及が進んでいない集合住宅や事業所などの大規模
建築物への設置を促進する必要があります。
・ 県有施設への率先的な導入、学校等における環境教育の面からの活用を
支援する必要があります。
・ 総発電量の飛躍的な拡大を図るためには、メガワット級の規模の太陽光
発電システム設置についての検討が求められます。
第3 太陽光発電普及に向けての対応策
1 コストの低減、経済的支援
(1)製造から設置までの全体を通したコストの低減
・ 太陽光パネルメーカー、ハウスメーカーによる製造から設置までの全体
を通したコスト低減が望まれます。
(2)設置者に対する経済的支援
① 県による全国トップクラスの補助制度の創設と、国、市町村の補助等と
併せた大幅な設置費用の低減
概要 2
・ 平成21年1月から再開された国の補助制度の導入を円滑に進めるととも
に、買い控えを起こさずに普及拡大に弾みをつけるため、県においても
補助制度を創設することが望まれます。特に、既存住宅に対する支援を
充実し、普及を促進する必要があります。
・ 国、市町村及び県の補助金、太陽光の導入に伴う減税、金融機関の融資、
電力会社による固定価格買取制度での余剰電力の買取り、グリーン電力
証書の発行などの支援を組み合わせ、設置費用の大幅な低減を図ること
が望まれます。
・ 金融機関においては、より利用しやすい低利な融資制度の創設が望まれ
ます。
・ 再生可能エネルギーの利用促進と連動してグリーン電力証書の普及を
図るとともに、太陽光発電設置者への総電力量計設置を働きかけること
が必要です。
② 事業者への設置支援
・ 県の制度融資である「環境みらい資金」による低利融資によって引き続
き支援し、必要に応じて枠の拡大を図ることを検討する必要があります。
2
技術の向上・系統連系への対応
・ 太陽光発電システムの技術的向上、太陽光発電を標準装備した住宅の販
売、集合住宅への設置に向けた関係者の連携などが必要です。
・ 今後系統連系が拡大する場合に向けて、国において今後も分析・検討を
行う必要があるとしています。
3
関係者間の連携と適切な情報の提供
・パネルメーカー、ハウスメーカー、金融機関など、多くの関係者による
「(仮称)埼玉ソーラー拡大協議会」を設置し、次のように関係者が連携
していくことが必要です。
<関係者の連携>
(販売店や工事店と金融機関や行政の連携)
→店頭における、支援措置などの提供
(金融機関とハウスメーカーの連携)
→新築等の際に低利融資制度の活用による太陽光発電をPR
(パネルメーカーとハウスメーカーの連携)
→太陽光発電を標準装備した住宅の販売や住宅展示場における太陽光発電
のPR
(行政、NPO、パネルメーカー、ハウスメーカーの連携)
→太陽光発電の設置のための相談会開催などによる県民への情報提供の
充実
概要 3
・住宅展示場などでの販売促進や「CO2オフ住宅」などのキャンペーンの
実施や県ホームページの活用し、メーカー、電力会社、金融機関、NPO
及び行政が連携した情報提供の充実を図る必要があります。
・集合住宅への設置に向けた支援をするため、
(仮称)埼玉ソーラー拡大協
議会を活用し、管理組合、アパートオーナー等への助言等を行うことが
必要です。
・太陽光パネルメーカーによる、販売店、工事店に対する研修が必要です。
4
設置拡大のための多様な取組の推進
① 大規模建築物への設置促進
・ 大規模な建築物の新築・増築・改築を行う場合に、太陽光発電の導入検
討を義務付ける建築物環境配慮計画書制度や、導入した場合に容積率の
上乗せなどのインセンティブを設ける制度について、県による創設が求
められます。
・ 新技術の導入や新ビジネスなど設置促進に繋がる方法について、関係者
が連携して検討していくことも必要です。
②県有施設への率先導入
・ 県は、太陽光発電のけん引役として引き続き県有施設への率先導入を進
めていく必要があります。特に、公園など人が集まる施設については、
普及啓発拠点として活用していくことが求められます。
・ 新築又は大規模な改築にあたっては、「太陽光発電設備の設置ガイドラ
イン」により、原則として太陽光発電を設置する方向での検討が求めら
れます。
③小中学校等への設置支援
・ 小中学校や幼稚園等については、環境対応型の学校(エコスクール)の
一環としての施設整備を図り、児童・生徒、教師、保護者及び地域住民
に対する地球温暖化防止等の環境保全に関する理解を促進するため、県
による設置費支援の継続が必要です。
④市民共同発電設置支援
・ 市民共同発電については、行政による設置費の補助、事業地の選定、行
政施設の貸与、事業の広報などの支援が必要です。
第3に掲げた対応策のうち、今後重点的に取り組むべき施策を
抽出し、「第4 埼玉県で実施すべき当面の取組」として整理
(27ページ参照)
概要 4
第1
1
太陽光発電を巡る状況
全国の状況
・ 地球温暖化対策が待ったなしとなるなか、太陽光発電は身近に導入できる再生
可能エネルギーとして注目されていますが、国の補助金が終了して以来設置件
数が伸び悩んでいます。
・ 国は、「低炭素社会づくり行動計画」において、太陽光発電の飛躍的な普及
(2020年に現行の10倍、2030年に40倍)を図るとともに、今後3∼5年間で
設置費用を半額程度とすることを位置づけました。
・ 平成21年1月から国の補助金制度が復活し、普及拡大への弾みがつくと期待さ
れる一方、3∼5年間で設置費用が大幅に低下することを期待して、かえって買
い控えが起こる可能性も懸念されます。
我が国における太陽光発電の開発導入は、昭和48年の第一次石油ショックをきっ
かけに策定された「サンシャイン計画」に始まりました。
以後、生産技術の開発が進み、平成6年には、国による住宅向け太陽光発電の設
置補助「住宅用太陽光発電システムモニター事業」が開始され、導入量は急速に拡
大し、生産量、導入量ともに世界をリードしてきました。
しかし、平成17年(2005年)にはこの補助制度が廃止され、現在は導入量にお
いて、ドイツに世界一の座を奪われています。
表1
主要国の設置容量の推移
(単位:MW)
国
1995
2000
2001
2002
2003
2004
2005
2006
日本
43.4
330.2
452.8
636.8
859.6
1132.0
1421.9
1708.5
ドイツ
17.7
113.7
194.6
278.0
431.0
1044.0
1910.0
2863.0
米国
66.8
138.8
167.8
212.2
275.2
376.0
479.0
624.0
6.5
12.1
15.7
20.5
27.0
37.4
57.7
118.2
12.7
29.2
33.6
39.1
45.6
52.3
60.6
70.3
オランダ
2.4
12.8
20.5
26.3
45.9
49.5
51.2
52.7
フランス
2.9
11.3
13.9
17.2
21.1
26.0
33.0
43.9
韓国
1.8
4.0
4.8
5.4
6.0
8.5
13.5
34.7
スイス
7.5
15.3
17.6
19.5
21.0
23.1
27.1
29.7
12.7
29.2
33.6
39.1
45.6
52.3
60.6
70.3
スペイン
オーストラリア
オーストリア
(資料出所:新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)海外レポート(2007.11.14))
現在、地球温暖化対策が「待ったなし」の課題となる中、確保が簡単、無尽蔵な
エネルギー源で、発電時に CO2 を排出しない再生可能エネルギーとして太陽光発電
が注目されています。
そうした中、2008年7月の北海道洞爺湖サミット後に「低炭素社会づくり行動計
画」が閣議決定されました。
この計画では、太陽光発電の導入量拡大についての目標が示され、太陽光発電の
導入量を2020年に現行の10倍、2030年に40倍にすることとし、そのために太陽光
発電システムの価格を3∼5年後に半額程度に低減することなどを目指すこととし
ています。
経済産業省では、住宅用太陽光発電システムの設置に対する補助金を復活し、平
成20年度の補正予算にて90億円を措置しました。また平成21年度も、201億円を
予算要求しています。平成21年1月から、1世帯3∼3.5kW で20∼25万円程度の補
助が開始されました。
また、平成20年11月には、経済産業省、文部科学省、国土交通省、環境省が連携
し、
「太陽光発電の導入拡大のためのアクションプラン」をとりまとめ、公表されま
した。ここでは、供給サイド(技術開発の促進等)と需要サイド(家庭、企業、公
的施設、教育機関、地域における導入促進)の取組、制度環境の整備、関連産業の
基盤強化・国際競争力強化など、導入拡大のための当面の具体的な措置について示
されたところです。
このように、国による太陽光発電の普及拡大に向けた仕組みづくりや補助制度の
整備が進められていますが、太陽光発電システムの価格を半額程度にする目標が発
表された後に、注文がキャンセルされる事態が発生するなど、価格低減を見込んだ
買い控えが起こる可能性も懸念されています。
2
本県の状況
・ 本県は、快晴日数日本一(平成19年日本一、10年間で8回日本一)のなか、住
宅用太陽光発電の設置件数は全国3位、県有施設への設置件数は全国一であり、
比較的普及が進んでいます。また、県では小中学校等への設置補助や事業所に
対する低利融資により普及促進を図っています。
・ NPO等の団体においても、設置者に対する相談窓口の設置や情報交換が行わ
れているほか、グリーン電力証書の発行も行われています。さらに市民共同発
電を設置する動きもあり、太陽光発電への市民の関心は高まっています。
・ 県では本年度、
「ストップ温暖化・埼玉ナビゲーション2050∼埼玉県地球温暖
化対策実行計画∼」を策定し、「太陽光発電の普及拡大」を重点施策に位置づ
けました。また、
「埼玉県地球温暖化対策推進条例」の制定を進めており、県、
事業者及び県民が太陽光発電の利用促進に努めることとしています。
(1)本県の状況・取組
埼玉県においては、後述のとおり県有施設への太陽光発電の設置数が全国で最も
多いなど、率先して太陽光発電の設置拡大に取り組んできました。平成8年から平
成11年にかけては、38の県立高校を防災拠点に指定し、太陽光発電及びソーラー給
湯設備を整備したことにより、平成11年度の新エネ大賞(通商産業大臣賞)を受賞
しました。
また、平成9年度からは新築の県営住宅に太陽光発電を導入し、1棟あたり5kW
の発電パネルを設置し、共用部分の電灯用等として利用しています。
以下、現在における県下の設置数や施策等について説明します。
ア
設置数等の状況
財団法人新エネルギー財団(以下「NEF」という。)が調査した住宅用太陽光
発電システムの設置状況によると、平成19年度までの累計で設置件数は19,349
件で、全都道府県中3位、出力は66,728kW で同4位となっています。
また、NEFの調査によると、平成19年度には、全設置数の7割が既存住宅に、
3割が新築住宅に設置されていますが、これを本県の場合についてみると約800
件が新築住宅に、約1,900件が既存住宅に設置されていると推計されます。
既存住宅の方が件数は多いのですが、住宅に対する設置率では、大きな開きが
あります。国土交通省が発表している「住宅着工統計」によると、平成19年度の
新築の戸建て住宅は約3万2千戸ですが、これに対する800件は2.5%となります。
一方、県内の既存の戸建て住宅は約130万戸ですが、これに対する約1,900件
は0.15%となり、新築住宅と既存住宅では17倍もの大きな差があります。
また、県内に設置された太陽光発電システムの累計出力を基に試算すると、年
間発電量は7,014万 kWh となり、県内年間電力使用量254億9,793万 kWh の0.
28%に相当し、CO2 に換算すると年間23,779tの排出が抑制されることとなり
ます。
しかし、国の補助制度が廃止された平成17年度以降設置件数は伸び悩んでおり、
平成19年度の1か年に設置された件数は2,684件で、前年度と比較して31.9%減
少しています。
表2
県内太陽光発電システム設置状況の推移(※)
6∼12
2,385
設置件数
(対前年度比)
−
8,286
出力
−
全 国
52,352
設置件数
(対前年度比)
−
188,996
出力
−
埼玉県
13
831
−
2,785
−
25,151
−
90,997
−
14
15
16
17
18
1,447
1,752
2,313
3,997
3,940
74.1
21.1
32.0
72.8
▲ 1.4
4,934
6,024
7,891
13,062
13,170
77.2
22.1
31.0
65.5
0.8
38,262
46,760
54,475
72,825
62,544
52.1
22.2
16.5
33.7 ▲ 14.1
141,438 173,687 200,155 261,741 224,058
55.4
22.8
15.2
30.8 ▲ 14.4
19年度
合計
2,684
19,349件
▲ 31.9%
−
10,577
66,728kW
▲ 19.7%
−
49,425
401,794件
▲ 21.0%
−
177,420 1,458,490kW
▲ 20.8%
−
・全国上位の都道府県
愛知県
(対前年度比)
6∼12
3,169
−
11,262
−
2,015
−
7,301
−
2,416
−
8,765
−
1,928
−
6,763
−
2,819
−
10,228
−
1,988
−
6,777
−
設置件数
出力
福岡県
(対前年度比)
設置件数
出力
静岡県
(対前年度比)
設置件数
出力
大阪府
(対前年度比)
設置件数
出力
兵庫県
(対前年度比)
設置件数
出力
東京都
(対前年度比)
設置件数
出力
13
1,481
−
5,034
−
1,178
−
4,416
−
1,140
−
4,325
−
712
−
2,490
−
1,465
−
5,441
−
652
−
2,210
−
14
2,085
40.8
7,376
46.5
2,141
81.7
8,298
87.9
1,583
38.9
6,114
41.4
1,411
98.2
4,933
98.1
2,552
74.2
8,856
62.8
1,082
66.0
3,606
63.2
15
2,323
11.4
8,361
13.4
2,645
23.5
9,967
20.1
1,871
18.2
6,915
13.1
2,032
44.0
6,961
41.1
2,560
0.3
9,011
1.8
1,358
25.5
4,381
21.5
16
2,749
18.3
9,908
18.5
2,661
0.6
9,865
▲ 1.0
2,616
39.8
9,593
38.7
2,292
12.8
7,474
7.4
2,852
11.4
9,572
6.2
1,554
14.4
5,056
15.4
17
4,073
48.2
14,544
46.8
4,060
52.6
14,853
50.6
4,090
56.3
15,132
57.7
3,190
39.2
10,496
40.4
2,954
3.6
10,114
5.7
2,787
79.3
9,102
80.0
18
19年度
3,904
3,331
▲ 4.1 ▲ 14.7%
13,688
11,400
▲ 5.9 ▲ 16.7%
3,881
2,892
▲ 4.4 ▲ 25.5%
13,632
9,944
▲ 8.2 ▲ 27.1%
2,982
2,647
▲ 27.1 ▲ 11.2%
11,208
10,295
▲ 25.9 ▲ 8.1%
3,902
3,700
22.3 ▲ 5.2%
12,089
11,733
15.2 ▲ 2.9%
2,057
1,597
▲ 30.4 ▲ 22.4%
7,250
5,763
▲ 28.3 ▲ 20.5%
3,960
3,739
42.1 ▲ 5.6%
12,804
11,978
40.7 ▲ 6.5%
合計
23,115件
−
81,572kW
−
21,473件
−
78,276kW
−
19,345件
−
72,345kW
−
19,167件
−
62,939kW
−
18,856件
−
66,236kW
−
17,120件
−
55,913kW
−
資料出所:「住宅用太陽光発電システム導入状況」NEF
※ 平成 6∼16 年度までは、NEFの補助事業による導入件数
平成 17 年度以降はメーカー11 社による販売件数
なお、埼玉県は、快晴日数が日本一多いことから、この気候条件に適した太陽
光発電の設置が有利な状況にあります。
表3
埼玉県内の快晴(雲量<1.5)日数
年度
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
快晴日数
52
67
54
75
69
60
55
59
40
53
順位
1
1
1
1
1
1
4
1
2
1
・全国上位の都道府県(平成19年)
順位
都道府県
快晴日数
1
埼玉県
53
2
宮崎県
50
3
鹿児島県
46
4
千葉県
42
5
茨城県
40
(気象庁「気象庁年報」から作成)
イ
県有施設への設置状況
公共施設等での太陽光発電システムの率先的な導入は、地域における太陽光発
電に対する関心を高めるだけでなく、災害時におけるエネルギーの確保にも有効
です。
埼玉県の県有施設への太陽光発電システムの設置数は、平成19年度までの累計
で101施設で、全都道府県で最も多い件数となっています。101施設の内訳は、
県立高校が47施設、県営住宅が38施設で、全体の8割以上を占めています。また、
発電能力は合計で1,733.5kW で、うち最も発電能力が大きい施設は埼玉県立大
学の85kW となっています。
さらに県では、県有施設の新築又は大規模な改築にあたっては、原則として太
陽光発電を設置する方向で検討することなどを内容とした「太陽光発電設備の設
置ガイドライン」の策定を検討しています。
図1
埼玉県環境科学国際センターに設置した太陽光発電(25kW)
ウ
県による事業所、学校等への設置支援(平成20年度から開始)
事業所における太陽光発電システムの導入を支援するため、低利な太陽光発電
特別融資枠2億円を創設しています。平成20年度は計6件、300kW の導入に対し
て融資を行う見込みです。
また、小中学校、幼稚園及び保育所への設置を支援するため、設置費の補助を
行っています。平成20年度は2月末現在で計6件、54.2kW の導入支援を行いま
した。
これらの融資及び補助により計353.5kW(3.5kW の住宅用太陽光発電101件
分)の設置を支援しました。
エ
市町村の施策
県内市町村では、住宅用太陽光発電システムの設置者に対して補助等の支援を
行っており、平成20年度は計12市町で実施しています。
なお、県内で最も早い平成9年度から補助事業を開始した川越市においては、
平成19年度までに1,128件の補助実績があり、うち新築住宅への設置が3割、既
存住宅への設置が7割となっています。また、同市が実施した設置者に対するア
ンケートによると、動機として環境保護を挙げる回答が最も多く、仮に補助金が
なくても設置したという積極的な傾向が見られます。
図2
川越市「住宅用太陽光発電システム設置事業補助金」
設置者に対するアンケート結果
設置の動機
市の補助金がなかった場合
妥当だと思う設置単価
(複数回答)
セールスマ
ンに勧めら
れた
9%
市の補助が
出る
17%
電気料金面
で得をする
29%
(1kW 当たり)
その他
4%
設置しな
かった
18%
わからない
1%
わからない
6%
50万円以上
16%
20万円未満
20%
環境保護
41%
20∼30万円
18%
40∼50万円
19%
設置した
81%
30∼40万円
21%
(資料出所:川越市(平成19年度の設置者157人中68人からの回答))
(2)地域住民、NPO等の取組
地域住民においては、節電・省エネ対策、又は CO2 削減への社会貢献のため、市
民団体等の活動をとおして、太陽光発電の普及への一翼を担っています。
太陽光発電設置者を中心に組織される「特定非営利法人太陽光発電所ネットワー
ク(PV−Net)」においては、次のような支援を行っています。
ア
太陽光発電設置者等に対する相談窓口の設置
設置者やこれから設置を検討している方に対し、メール、電話、FAXで相談
に応じています。全国の事務局では週に15∼20件程度の相談が寄せられており、
最も多い相談内容は、グリーン電力証書(後述ウを参照)に関する設置者からの
問合せで、全体の8割程度を占めているとのことです。
また、同会の埼玉地域協議会においても、設置を考えている人のための事前相談
会や、設置者への訪問によるトラブル等に対するアドバイスなどを行っています。
イ
機器の管理や維持に関する設置者相互の情報交換
全国の事務局が運営するホームページの会員サイトを活用し、月々の発電量を
計測することで、正しく機器が働いているかをチェックする「PV健康診断」を
実施しています。
ウ
グリーン電力証書の発行
会員の設置者が発電した電力を「グリーン電力証書」化し、販売しています。
県主催のイベントにおいても、この証書を購入し、カーボンオフセットに活用
しています。
さらに、平成20年度には県内のプロ野球、J リーグの一部の試合が、この証書
の購入によりカーボンオフセット試合として開催されました。
用語の説明
グリーン電力・グリーン電力証書システム
経済産業省「総合資源エネルギー調査会新エネルギー部会グリーンエネルギー利用
拡大小委員会(第1回)」資料による
再生可能エネルギー(自然エネルギー)である太陽や風、バイオマスや水力から作られ
た電気のことを「グリーン電力」といいます。
また、「グリーン電力システム」とは、自然エネルギーによって発電された電力の省エ
ネルギー(化石燃料削減)・CO2 排出削減などといった価値(環境付加価値)を「グリーン
電力証書」という形で具体化し、企業などが自主的な省エネルギー・環境対策のひとつと
して利用できるようにするシステムです。
発電設備を自ら所有しなくても、環境付加価値=グリーン電力証書を購入することによ
り、自らが使用する電気が自然エネルギーによって発電されたものとみなすことが可能と
なります。
グリーン電力システムのイメージ
「財団法人日本エネルギー経済研究所グリーンエネルギー認証センター
(グリーン電力認証機構から業務移管)」ホームページによる
環境価値購入者
が契約する電力会社
グリーン電力発電者
が契約する電力会社
カーボンオフセット
(環境省「我が国におけるカーボン・オフセットのあり方について(指針)」による)
市民、企業、NPO/NGO、自治体、政府等の社会の構成員が、自らの温室効果ガスの排
出量を認識し、削減努力を行うとともに、削減が困難な部分の排出量について、他の場所
で実現した排出削減等を購入又は他の場所で排出削減等を実現するプロジェクト等の実
施により、その排出量の全部又は一部を埋め合わせることをいいます。英国を始めEU、
米国、豪州等での取組が活発であり、我が国でも民間での取組が始まりつつあります。
表4
埼玉県主催のイベントでのグリーン電力証書の活用例
事業名
開催日
開催場所
カーボン・マイナス県民フォーラム
平成20年6月12日
埼玉会館
平成20年度全国高等学校総合体育大会
(埼玉総体総合開会式)
〃 7月28日
さいたまスーパーアリーナ
みどりと川の再生埼玉フォーラムイン寄居
〃 7月31日
埼玉県立川の博物館
エコ・カーフェア埼玉2008
〃 9月20・21日
大宮ソニックシティ
ストップ温暖化SAITAMAフェア
彩の国こどもエコクラブフェスティバル
〃 10月19日
さいたま新都心駅コン
コース
第2回みどりと川の再生埼玉フォーラム
〃 10月25日
飯能市名栗湖付近
(「PV−Net」以外からの証書購入を含む、合計 7,100kWh)
また、市民からの寄付や出資により、地域の団体等が主体となり、公共施設や公益
的施設に「市民共同発電」を設置する動きも見られます。
例えば、上尾市内の上平地区では、平成15年度に地域住民が収集した資源ごみによ
る回収益と国による補助金により、最大出力6.2kW の太陽光発電を設置しました。
さらに県内では、NPO 団体が中心となった、市民共同発電の設置に向けた取組が進
められています。
(3)本県の計画・条例における太陽光発電の位置づけ
平成17年度の本県における温室効果ガス排出量は、1990年度と比べて5.0%増
加しており、地球温暖化対策をこれまで以上に強化する必要があります。
そこで、県では、埼玉県地球温暖化対策地域推進計画(2004年度∼2010年度)
を見直し、「ストップ温暖化・埼玉ナビゲーション2050∼埼玉県地球温暖化対策実
行計画∼」を策定しました。
この計画では、2020年度における温室効果ガス排出量を現状(2005年度)から
25%削減することを目標とし「太陽光発電の普及拡大」を重点施策に位置づけると
ともに、太陽光エネルギーの導入促進策として、①大規模建物の新築時における太
陽光発電の導入要請、②家庭用太陽光発電の普及、③事業者に対する導入支援、④
県による太陽光発電の率先導入、⑤市民共同発電の促進などに取り組んでいくこと
としています。
また、県では新たに「埼玉県地球温暖化対策推進条例」の制定に向けて、条例案
を 2 月定例県議会に提案しました。
この条例では、太陽光発電などの再生可能エネルギーの利用について、①県が率先
的に導入し、県民、事業者による利用促進のために必要な措置を講ずるよう努める
こと、②事業者及び県民は再生可能エネルギーの優先的な利用に努めることとして
います。
特に②については、規則で定める規模以上の新築等の際に義務づけられる「特定
建築物環境配慮計画」を作成又は変更する場合、再生可能エネルギーを利用するた
めの設備の導入について検討することを盛り込んでいます。
第2
太陽光発電設置に係る課題
太陽光発電の普及拡大が進まない様々な要因について整理し、経済面、技術面、
情報の量や質及びその他の課題の4つに分類しました。
経済的課題
・ 設置費用については、何も支援がない場合は、回収に約30年を要するなど、ま
だ高額です。
・ 一部市町村による設置費支援、電力会社による余剰電力の買い取りなどが行
われ、国の補助制度も復活したものの、現状では支援が十分とは言えません。
・ 既存住宅への設置については、設置工事費などが新築住宅に比べ高く、導入
費用の割高感から、普及も新築住宅に比して遅れています。よって、既存住
宅に対する支援の充実が特に必要です。
・ 国において、電力会社が余剰電力を一定の価格で買い取ることを義務付ける
固定価格買取制度の導入を検討しています。
(1)設置時における利用者のコスト
財団法人新エネルギー財団(NEF)の調査による住宅用太陽光発電システム
の平均価格(太陽電池、付属機器及び設置工事の合計)は、平成19年度において
1kW当たり69.6万円となっています。この価格は10年前(平成9年度)の106.
2万円から比較すると34%低減していますが、近年は平成17年度の66.1万円を
底に上昇に転じています。
図3
住宅用太陽光発電システム価格の推移
106.2
107.4
設置工事
14.9
15.2
120
システム価格内訳(万円/kW)
1
100
12.4
80
26.1
付属機器
93.9
24.8
太陽電池
84.4
10.3
75.8
8.7
21.7
19.9
60
19.0
シ ス テ ム 価格
71.0
69.0
67.5
66.1
68.3
69.6
7.9
7.6
7.4
7.4
9.0
9.7
16.9
16.3
16.0
15.9
16.0
16.3
46.2
45.1
44.1
42.8
43.3
43.6
40
65.2
20
67.4
59.8
54.2
48.1
0
1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007
年度
(資料出所:NEF)
また、この単価に一般的な設置規模(3.5kW)を乗じると初期コストは総額で
243.6万円になります。参考のとおり、1年当たりの発電量が3,679.2kWh、電
力料金削減額が8.1万円と推計すると、発電のみによるコスト回収には30年を要
します。
さらに、NEFの調査による、新築住宅及び既存住宅の価格の比較によると、平
成19年度は新築住宅が57.1万円、既存住宅が74.1万円となっており、既存住宅
への設置が割高となっています。
(参考1)設置コストと回収年数についての試算
・ 設置コスト
69.6万円×3.5kW(※1)=243.6万円
※1 平成19年度の全国設置出力量177,420kW÷同設置件数49,425件=3.59 kW
・年間発電量
3.5kW×24時間×365日×12%(※2)=3,679.2kWh
※2 NEDO の太陽光発電システムの発電量算出例におけるシステム利用率
・発電による削減額
3,679.2kWh×22円(※3)=8.1万円
※3 東京電力㈱の1kWh 当たり電力使用料
・コスト回収年数
243.6万円÷8.1万円≒30年
(2)不十分な経済的メリット
平成17年度をもって国による補助が廃止された以降も、市町村による設置費補
助、金融機関による低利融資などの経済的な支援が図られてきましたが、初期コ
ストの大幅な軽減には至っていません。
また、第1の2(1)(3ページ参照)で述べたように、既存住宅における設置割
合が新築住宅に比べて低いこと、設置価格も既存住宅の方が新築住宅より高額な
ことから、経済的な支援に当たって考慮する必要があります。
また、
「電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法(RPS法)」
に基づき、電気事業者(以下「電力会社」という)によって、環境価値分を含め
た余剰電力の買い取りが行われています。しかし、現状では設置者に対する経済
的な負担軽減には十分でないことから、埼玉県においても、国に対し、余剰電力
の固定価格買取制度の導入等を講じることを要望してきました。
このような要望を反映し、経済産業省では、平成22年度から固定価格買取制度
の導入を検討しています。これは、電力会社が、電力料金と同額で買い取ってい
る現在の価格を 2 倍で買い取ることを義務付ける内容となっています。
用語の説明
RPS法
経済産業省資源エネルギー庁「RPS法ホームページ」資料による
平成14年6月に公布された「電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置
法」(RPS(Renewables Portfolio Standard)法)は、電気事業者に対して、一定量以上の
新エネルギー等を利用して得られる電気の利用を義務付けることにより、新エネルギー等
の利用を推進していくものです。
電気事業者は、義務を履行するため、自らこのような電気を発電する、若しくは、他か
ら購入する、又は、相当量を取得することになります。
固定価格買取制度(フィードイン・タリフ)
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)海外レポート(2007.11.14)による
太陽光発電など再生可能エネルギーを利用して発電した電力を、電力(配電・小売)会
社が発電事業者から固定料金(通常の料金より高めに設定されており、15 年とか20 年
とかの長期に渡って設定)で買い取ることを義務付けた制度です。
また、CO2 を排出しないグリーン電力として、発電した電力を行政や企業等が
カーボンオフセットに活用することで経済的支援を図る方法も考えられます。
これは、発電した電力のうち、電力会社への売電分を除いた自家消費電力につ
いて着目し、環境価値部分(グリーン価値)を社会で有効に活用していくシステ
ムです。第1の2(2)(6 ページ)のとおり、NPOにおいてグリーン価値を証書化
し、証書を企業などに販売する取組が進められています。このように個人で創造
した環境価値を社会全体で負担していく仕組みの構築が期待されます。
しかし、自家消費電力を計測するための機器の取り付けや検定及び発電量の認
証等に費用が掛かること、住宅から発電された電力を証書化する場合、認証側が
小口の電力を大量に手続きしなければならないことなど、グリーン電力の普及に
も課題があります。
2
技術的課題
・ 飛躍的な普及のためには、太陽光発電システムの発電能力、重量、耐久性の
一層の向上も必要です。
・ 太陽光発電の普及が進んだ場合、逆潮流に対する電力の安定化、天候による
太陽光発電システムの大幅な出力変動への対策等、系統連系の安定化につい
ても対策が必要と言われており、現在国において検討が行われています。
(1)太陽光発電システムに関する課題
太陽光発電システムから得られる発電量は、方角、角度等の設置条件に左右さ
れます。設置には広い面積が必要で、屋根、屋上への荷重も考慮しなければなり
ません。
(参考2)太陽光発電設置の諸条件
・さいたま市における 1 日1㎡当たりの日射量(単位:kWh)
方位(傾斜角30度の場合)
方位角
0度(真南)
45度
90度
180度
日射量
3.81
100%
3.63
95%
3.18
83%
2.41
63%
傾斜角(方位角0度の場合)
日射量
3.39
89%
3.81
100%
3.50
92%
2.57
67%
傾斜角
水平
30度
60度
90度
資料出所:新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)
「全国日射量平均値データマップ」)
・太陽光発電システムを屋根に設置する場合(3kWの場合)
面積:20∼30m2(太陽電池モジュールの設置面積)
重量:300∼450kg(架台などの設置部材を含む)
(資料出所:JPEAホームページ)
また、有限責任中間法人太陽光発電協会(以下「JPEA」という。)が実施した
施工業者238社に対するアンケートによると、メーカーの施工マニュアルに従っ
て工事を実施している業者が90%以上を占めるものの、設置者584人に対するア
ンケートでは、何らかの不具合を経験した者が18%との報告があります。また、
この報告と併せて行われた設置住宅への実態調査においても、建物や屋根に関す
る知識の不足、電気工事または直流を扱う電気工事に関する知識の不足、太陽光
発電特有のシステム設計、施工技術に関する知識や情報の不足が指摘されていま
す。
図4
設置後の不具合について
不具合の症状
不具合の発生箇所
無回答、他
15%
運転しない
43%
その他
43%
架台・屋根
7%
配線部
7%
太陽電池モ
ジュール
11%
太陽電池破損
5%
パワーコン
ディショナ
60%
屋内に漏水
9%
(資料出所:JPEA(設置者584人からの回答))
(2)普及拡大に伴う課題
太陽光発電システムを設置する場合、電力会社では余剰電力の買い取りを行っ
ています。これは、システムで発電した電力を、電力会社の電気系統に接続し、
余剰電力を送電するものです。
経済産業省の「新エネルギー大量導入に伴う系統安定化対策・コスト負担検討
小委員会」にて平成21年1月にとりまとめられた報告書によると、2030年に200
5年の40倍の太陽光発電を普及した場合、逆潮流に対する電力の安定化、天候に
よる太陽光発電システムの大幅な出力変動への対策等、系統連系の安定化対策に
要する費用は最も経済的な対策で4.61∼4.72兆円になると試算されています。
3
情報の量や質に関する課題
・ 設置者に必要な情報が必ずしも伝わっておらず、関連する情報が点在し、一元
的に入手しにくい状況にあります。
・ 販売店、工事店にもメーカーの情報が十分伝わっていないため、消費者への
提示ができないことも考えられます。
(1)設置者に対する情報の不足
各メーカーから、発電量や設置条件等の製品に関する情報が提供されています
が、性能や価格等の比較又は既設置者のアドバイスなど、設置者の立場にたった
第三者からの情報が提供されることにより、消費者が安心して設置を検討するこ
とができるものと思われます。県消費生活支援センターによると、販売時に説明
を受けた発電量が得られない、販売契約に関する詐欺があった等の内容を中心に、
県内全体で太陽熱利用機器も含めて年間約100件の相談が寄せられています。
また、NPOによる環境価値に関する情報、行政による補助制度に関する情報な
どを含め、点在している情報を一元的に入手する手段が必要です。
なお、PV−Netにおいては、新規設置や設置後のトラブル等に関する相談窓口
を開設しており、このような取組とも連携していくことが求められます。
(2)販売店、工事店の体制
販売店や工事店において、太陽光パネルメーカーが持っている機器に関する知
識が不足し、新築時や増改築時に太陽光発電の設置を消費者に提示することがで
きないことも考えられます。
さらに、
「2 技術的課題」の「(1)太陽光発電システムに関する課題」でも触
れたとおり、施工に関する知識の習得も課題です。
太陽光パネルメーカーにおいては、自社製品の販売網を拡大するため、販売、
設計施工、サービスまで担うフランチャイズチェーン店や自社が発行する施工士
免許の取得者の増加を目指す動きも見られます。
4
その他の課題
・ 一戸建てに比べて普及が進んでいない集合住宅や事業所などの大規模建築
物への設置を促進する必要があります。
・ 県有施設への率先的な導入、学校等における環境教育の面からの活用を支援
する必要があります。
・ 総発電量の飛躍的な拡大を図るためにはメガワット級の規模の太陽光発電
システム設置についての検討が求められます。
その他、集合住宅や事業所ビルなどの大規模建築物等、戸建て住宅以外の支援のあ
り方についても検討していく必要があります。
また、住民の寄付、出資等により共同の発電所を設置するいわゆる「市民共同発電」
は、太陽光発電の普及に資するのみならず、温暖化対策に対する住民の意識を高める
上でも意義ある取組です。このため、今後県内における設置を支援していく必要があ
ります。
また、県有施設について太陽光発電設備を率先的に導入し、公園など人が集まる施
設については、普及啓発拠点として活用していくことが求められます。さらに、学校
等についても、環境教育の面からの活用を支援していくことが必要です。
さらに、総発電量を飛躍的に拡大し、また太陽光発電を大きくアピールするために
は、例えばメガワット(1,000kW)級の大規模な太陽光発電システムの導入も効果
的です。よって、様々な主体において、導入の検討を進めることが求められます。
(参考3)市民共同発電(長野県飯田市)の事例
・ 事業の概要
次の方法で、市民ファンドによる太陽光発電の設置を進めている。
①地域のNPO等が株主である「おひさまエネルギーファンド株式会社」が全国の市民
から出資金を集め、幼稚園、公民館等に太陽光発電を設置
②発電した電気を顧客(設置先)に買ってもらい、20年で資金を回収
③加えて、グリーン電力証書化し、販売収入を得る。
(現在は、新設分割会社(おひさま進歩エネルギー株式会社)が運用)
・事業の仕組み(「おひさまエネルギーファンド株式会社」ホームページから引用)
・ これまでの設置実績
ファンド総額 2億円
市内38ヵ所に計208kW の太陽光発電を設置
第3
太陽光発電普及に向けての対応策
第2で示した課題を踏まえ、今後普及拡大を目指すための対応策について、4 つ
に分けて整理しました。
また、別表「太陽光発電普及のための対応策」のとおり、それぞれの対応策を事
業主体別、設置場所別に示しました。
これらの対応策のうち、重点的に取り組むべき施策を抽出し、第4にて「埼玉県
で実施すべき当面の取組」として提示します。
< 考 察 の 視 点 >
<対応策の整理>
1 コストの低減、経済的支援
2 技術的な向上・系統連系へ
の対応
3 関係者間の連携と適切な
情報の提供
4 設置拡大のための多様な
取組の推進
<各主体>
<設置場所>
太陽光パネルメーカー 一戸建て
ハウスメーカー
集合住宅
電力会社
事業所
金融機関
市民共同発電
第4
「埼玉県で
実施すべき
当面の取組」
へ
NPO
行政
1 コストの低減、経済的支援
(1)製造から設置までの全体を通したコストの低減
<方向性>
国内の各太陽光パネルメーカーにおいては、大量生産が可能な工場の整備や、
世界的に価格が上昇しているシリコンの使用量が少ないパネルの生産など、コス
ト低減に向けた取組を行っています(※1)。
引き続き製品価格の低減に向けた取組を実施するとともに、ハウスメーカーや
工事店との共同により、製造、販売、施工までのあらゆる場面を含めたコストの
低減を図ることが有効です(※2)。
例えば、経済産業省、国土交通省、関連メーカーからなる「ソーラー住宅普及
促進懇談会」では、太陽電池モジュールのサイズ、建材一体型パネルで使用する
モジュール及び住宅の屋根形状の標準化について議論されています。平成21年1
月にとりまとめられた報告書によると、平成22年から克服すべき課題を抽出する
取組を実施する旨の方針が示されています。
さらに、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、国
際エネルギー機関(IEA)の再生可能エネルギー部会において、国際規格の統一
化に関する意見交換や情報収集等を行っています。
※1
取組事例(太陽光パネルメーカー(A社、B 社)の取組例)
(A社)大阪府堺市の臨海部にて、シリコン使用量が少ない薄膜型太陽光パネルを生産する
工場を建設、平成22年3月までに稼動。
年間1,000MW の生産能力を有し、同社の全生産量は従来の約2倍となる。
併せて、電力会社と共同してこの新工場を含めた臨海部2箇所にて、合計約28MWの
太陽光発電システムを設置する。
(B社)滋賀県八日市市の工場を増強し、平成22年までに年間500MW の生産体制を整える。
これにより、同社の全生産量は従来の約2倍となる。
※2
取組事例(ハウスメーカー(C 社)の取組例)
太陽光発電搭載住宅の販売キャンペーンを定期的に展開。平成20年度現在、新築契
約住宅への搭載率は50%を超えている。平成20年4月から8月にかけて実施したキャ
ンペーン期間中は搭載率55%を達成。
<対応策>
・ 製造におけるコスト低減
→ 太陽光パネルの大量生産
→ シリコンの使用量が少ないパネルの生産
・ 太陽光パネルメーカーとハウスメーカー及び工事店が共同したコスト低減
→ 新築住宅への標準搭載
→ 取り付け工事費の圧縮(取り付け工事、部品などの規格の標準化等)
→ 屋根材や壁面と一体化した製品の普及
→ 関係者と連携した住宅向け販売促進キャンペーン(21ページ参照)
(2)設置者に対する経済的支援
<方向性>
普及拡大を促すためには、設置に係る初期の負担を軽減することが必要であり、
融資、余剰電力の買取り、グリーン電力証書などの経済的な支援措置は重要です。
また、平成21年1月から国の補助金が復活したものの、更に普及拡大に弾みを
つけるため、県においても全国トップクラスの補助制度を創設し、国、市町村の
補助等と併せて大幅な設置費用の低減を図ることが望まれます。
その際、新築住宅と既存住宅では設置しやすさに違いがあるので、その違いを
踏まえた対策が効果的だと思われます。
例えば、新築住宅に設置する場合、ハウスメーカーの中には太陽光発電装置を
比較的安価に標準装備で販売し、中には搭載率が50%を超えている例があります。
こうした事例を見ると、ハウスメーカーが住宅の建築時に併せて設置を勧めるこ
とが効果を挙げています。
一方で、 既存住宅は販売店の戸別訪問が営業の中心となっており、補助制度が
ない場合、設置への動機づけが難しいという課題があります。
また、第2の1(1)又は(2)
(10ページ参照)で述べたように、設置費用の面
においても、既存住宅は新築住宅に比べて割高な状況にあります。
以上のことから、既存住宅に対する支援を充実した新たな補助制度の創設が必
要です。
併せて、金融機関においては、より利用しやすい低利な融資制度を創設し、行
政とも連携した経済的支援策が求められます。
また、グリーン電力については、県や企業などへの利用を拡大していくことが
必要であり、県・事業者等が再生可能エネルギーの優先的な利用を図るような機
運の醸成や制度づくりを検討するとともに、設置者がグリーン電力の証書化をス
ムーズにできるよう、従来から設置されている買電電力量計、逆潮流電力量計に
加え、計量法に適合した総発電電力量計の設置を促す必要があります。
<対応策>
・ 住宅に対する補助
①県による全国トップクラスの補助制度の創設と、国、市町村の補助等と併
せた大幅な設置費用の低減
→ 県による、既存住宅に対する支援を充実した、新たな補助制度の創設
→ 国、市町村の補助制度の活用
→ 金融機関による、より利用しやすい低利な融資制度の創設
②電力会社による固定価格買取制度での余剰電力の買取り
③NPO によるグリーン電力証書発行
→ 県、事業者等による再生可能エネルギーの利用促進と連動した取組や
計量法に適合した総電力量計設置の働きかけが必要
また、事業所に対しては、国の補助制度を活用しつつ、経営基盤が脆弱な中小企
業者には、県の制度融資を活用して設置費用を長期かつ低利で融資することによっ
て引き続き支援し、必要に応じて枠の拡大を図ることを検討する必要があります。
市民共同発電については、個人の寄附だけで設置に係る資金を確保することは困
難で、さらに支援を得るためのPRや啓発などの活動資金に関する費用もかかります。
そこで、関係機関の補助制度を活用しつつ、県においても補助による経済的な支援
が必要です。
さらに、各設置場所等共通の支援措置として、固定資産税の減免措置等の制度的
な支援が考えられます。国レベルでは、住宅における太陽光発電設置などの省エネ
改修工事を行った場合に工事費用の一部相当額を所得税から差し引くリフォーム減
税の導入が、平成21年度の財務省の税制改正大綱に盛り込まれています。
<対応策>
・ 事業所に対する補助
→ 国の補助制度の活用
→ 県による「環境みらい資金」による低利融資枠の継続
・ 市民共同発電に対する支援
→ 関係機関による補助制度の活用
→ 県による活動資金への補助
・ 税制面での支援
→ 固定資産税の減免措置等
2
技術の向上・系統連系への対応
(1)製造、設置、管理に関する技術の向上
<方向性>
製品の低コスト化と併せて、太陽光パネルの発電能力向上、付属機器を含めた
耐久性の向上及び軽量化などさらなる技術向上が期待されます。
また、取り付け工事や設置後の管理を含めて技術的な向上、ノウハウの確立を
図ることにより、設置後の発電量や耐久性を一層確保することができます。
なお、発電コストや発電効率の向上については、経済産業省が平成20年3月に
取りまとめた「Cool Earth-エネルギー革新技術計画」の中で、2050年までに世界
全体の温室効果ガス排出量を半減させるための技術開発の方向性を示しています。
この中では、シリコンの使用量を低減したり、シリコンの代替材料を活用した太
陽電池技術によって、2020年における発電コストを14円/kWh、変換効率を10
∼19%、2030年に発電コストを火力発電並みの7円/kWh、変換効率を15∼22%
に向上することを目指す必要があるとしています。
さらに、これまでにない新しい技術や新しい概念による原理を活用し、2030
年以降には変換効率を40%以上に向上させる技術の確立を目指すことが必要で
あるとしています。
また、集合住宅については、設置工事における配線などの技術的な課題がある
ことから、太陽光パネルメーカー、ハウスメーカー及び電力会社が連携して、設
計の段階からの施工主へ支援することが必要です。さらに、マンションにおける
管理組合に対する合意形成など多くの課題があることから、先進的な事例(※3)
を参考に、さらなる議論が必要です。
※3
取組事例(施工会社(B社)の取組例)
新築の賃貸マンション屋上に太陽光発電を設置、全世帯に発電した電力を供給してい
る。
NEFによると、この事例の特徴は次のとおり。
① 新築であるため、設計段階から太陽光発電を組み込むことができるため、既築に
比べて工事が容易である。
② 土地・マンションとも施工会社の系列の不動産会社が所有しており、設置に係る
意思決定がしやすい。
③ 住居1戸当たり1.5∼2.0kW程度(設置場所となる屋上の面積が限られており、
戸数・階数が多くなるほど 1 戸当たりの発電電力供給量は少なくなる)だが、少
人数の世帯に適した発電量であり、建築後即満室になるなど好評を得ている。
<対応策>
・ 太陽光発電システムの技術向上
→ 発電効率向上、耐久性向上及び軽量化の一層の推進
新素材を用いたパネルの生産や発電効率の向上等、各メーカーで研究開
発が進んでいる。革新的な技術開発に当たっては、国レベルでの取組、技
術やアイディアを持った企業、優良な施工業者・販売店への支援が必要で
ある。
→ 景観へ配慮したパネルの普及
・ 取り付け工事や設置後の管理の技術向上
→ 取り付け工事の施工品質向上、基準の確立
設置については、住宅用太陽光システム施工品質向上委員会(事務局:
NEF)において設計・施工基準を作成している。さらに、国の「ソーラ
ー住宅普及促進懇談会」の報告書においては、施工の安全性や簡便性の考
慮を加えたガイドラインの作成について提言されている。
→ 定期点検、メンテナンス、保証等の充実
・ 新築住宅施工時の取り組み
→ 新築住宅への太陽光発電の普及促進(標準搭載化など)
→ 建築時には設置しない場合でも、将来設置が可能な設計にするなどの
工夫
(2)系統連系を拡大する上での技術力の向上
<方向性>
今後系統連系が拡大する場合に向けて、国において系統連系の安定化対策につ
いての検討が行われています。
なお、経済産業省の「新エネルギー大量導入に伴う系統安定化対策・コスト負
担検討小委員会」の報告書によると、変圧器の設置などの配電対策を行いつつ、
電力系統側で蓄電池を設置して余剰電力対策を行う場合が、最も経済的であると
の試算をしたものの、今後も分析・検討を行う必要があるとしています。
<対応策>
・電力系統の安定化のための配電及び蓄電技術開発
電力会社、蓄電池メーカーにとっての技術的課題となるが、解決に当
たっては、国による資金面、技術面におけるバックアップが必要である。
3
関係者間の連携と適切な情報の提供
(1)設置者に対する情報の充実
メーカー、電力会社、金融機関、NPO及び行政が、それぞれ有する情報を一体的
に設置者に提供する仕組みづくりが必要です。例えば、販売店や工事店の店頭にお
いて、メーカーの製品の情報と併せて、金融機関や行政の支援措置などをセットで
提供可能な体制を整備することなどがあります。
そこで、これらの情報を連携して提供していくため、パネルメーカー、ハウスメ
ーカー、金融機関など、多くの関係者による「(仮称)埼玉ソーラー拡大協議会」を
設置し、各関係者が連携した太陽光発電の普及を図っていくことが必要です。
この協議会を活用し、住宅向け販売促進キャンペーンの実施を通して情報を提供
するとともに、事業所、市民共同発電等への情報を含めた総合的な情報を統一のホ
ームページから提供していくことが有効です。
なお、集合住宅への設置や市民共同発電の整備については、先進的な事例をホー
ムページ等で積極的に紹介することにより、設置に向けた関心を高めていくことが
期待できます。
特に、集合住宅については、この協議会において、関係企業、NPO、行政が連
携し、マンションの管理組合やアパートのオーナーに対する補助制度の案内や技術
的アドバイスを行うとともに、
「埼玉県マンション居住者支援ネットワーク」などの
関係団体への働きかけも求められます。
<対応策>
・ 各関係者(メーカー、電力会社、金融機関、NPO、行政等)による「(仮称)
埼玉ソーラー拡大協議会」を設置し、連携した太陽光発電の普及を図る。
<関係者が有する情報>
(メーカー)
→ 製品の性能や設置管理に関する技術的な情報
(電力会社)
→ 余剰電力の買取りに関する情報
(金融機関)
→ 融資制度に関する情報
(NPO)
→ 環境価値のPR、相談窓口の設置
(行政)
→ 各関係者の有する情報を総合的にまとめた情報
支援制度等に関する情報
<関係者の連携>
(販売店や工事店と金融機関や行政の連携)
→ 店頭における、支援措置などの提供
(金融機関とハウスメーカーの連携)
→ 新築等の際に低利融資制度の活用による太陽光発電をPR
(パネルメーカーとハウスメーカーの連携)
→ 太陽光発電を標準装備した住宅の販売や住宅展示場における
太陽光発電のPR
(行政、NPO、パネルメーカー、ハウスメーカーの連携)
→ 太陽光発電の設置のための相談会開催などによる県民への
情報提供の充実
(全ての関係者が連携)
→ 住宅向け販売促進キャンペーンの開催
住宅展示場において、太陽光発電の販売促進や、太陽光発電
のほか、太陽熱利用機器等の省エネ機器を搭載した「CO2 オフ
住宅」を揃えた合同キャンペーンなどを開催
→ 統一ホームページの活用
このホームページを起点に、各関係者の情報にアクセスでき
る体制の整備
<対応策(続き)>
・ 集合住宅や市民共同発電に関する先進的な事例の紹介
・ 集合住宅への設置に向けた支援
(仮称)埼玉ソーラー拡大協議会を活用し、不動産、建設会社、
電力会社、NPO、行政が連携し、次のような支援を行う。
→ 管理組合、アパートオーナー等へのアドバイス
・県の住宅向け太陽光発電補助制度の案内
・管理組合の合意形成支援
・配電・設計支援
→ 関係団体への働きかけ
・環境価値や経済メリットのPRなど、マンション管理組合やアパート
オーナーに対する太陽光発電導入に向けた普及啓発
(2)販売店、工事店に対する啓発
<方向性>
ハウスメーカーとともに、顧客と最も接する機会が多い販売店や工事店におい
ては、機器に関する情報や設置・管理に関する相談ノウハウなどを十分に整備す
ることが重要です。
<対応策>
・ 販売や施工に関する研修
→ 太陽光パネルメーカーでは、販売店や工事店に対し、販売や施工に関
する研修を行っており、受講者に対してメーカーのIDを発行している。
そこで、販売店や工事店においても、これらのID取得を通して人材の
育成を図り、顧客が安心して設置できる環境を作ることが求められる。
4
設置拡大のための多様な取組の推進
<方向性>
集合住宅や事業所ビルなどの大規模建築物等については、太陽光発電システムの
設置に対するインセンティブの付与など、経済的な支援に加えて制度面からも設置
を促す方法が考えられます。また、新技術の導入や新ビジネスなど設置促進に繋が
る方法について、関係者が連携して検討していくことも必要です。
さらに県においては、太陽光発電のけん引役として引き続き県有施設への率先導
入を進めていく必要があります。特に、公園など人が集まる施設については、普及
啓発拠点として活用していくことが求められます。併せて、新規施設や大規模改修
の場合は必ず太陽光発電について検討するような仕組みが必要です。
また、小中学校や幼稚園等については、環境教育の面からも太陽光発電の導入が
望ましいことから、県による設置費支援を継続することが必要です。環境教育の実
践に当たっては、地域のNPO等の団体と連携して取り組むことによって、効果を高
めることができます。
市民共同発電については、設置主体となるNPO等の団体が、円滑に事業に取り組
むため、行政による設置費の補助などの支援が必要です。
<対応策>
・ 大規模建築物への設置促進
→ 大規模建築物を新築する場合に、太陽光発電を設置するなど、環境に
配慮した建築物を評価する制度(建築物環境配慮計画書制度)の導入に
より、太陽光発電システムの設置の動機付けを行う。
→ 太陽光発電システムを設置した場合、容積率を緩和するなど、インセ
ンティブの付与を検討する。
→ その他大規模建築物への設置を促進する方法についての検討
・屋上以外の設置が可能な壁面一体型パネル等の新技術を有した太陽
光パネルメーカーとの橋渡し
・太陽光発電で発電した電力を電気自動車への充電などに利用する新
ビジネス(特定規模電気事業者)の可能性 など
・ 県有施設への率先導入
→ 公園などPR効果の高い施設への設置により県民等に太陽光発電の普及
啓発を図る。
→ 県有施設の新築又は大規模な改築にあたっては、
「太陽光発電設備の設
置ガイドライン」により、原則として太陽光発電を設置する方向で検討
する。
・ 小中学校等への設置支援
→ 環境対応型の学校(エコスクール)の一環としての施設整備を図り、
児童・生徒、教師、保護者及び地域住民に対する地球温暖化防止等の環
境保全に関する理解を促進する。
・ 市民共同発電設置支援
→ 行政による設置費の補助、事業地の選定、行政施設の貸与、事業の広
報などの支援。
第3別表
太陽光発電普及のための対応策
課題への対応
設置場所等
各主体
太陽光
パネルメーカー
ハウスメーカー
一戸建て
集合住宅
事業所
市民共同
発電
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
電力会社
金融機関
NPO
行政
(販売店・工事店を含む)
(1)製造から設置までの全体を通したコストの低減
・製造におけるコスト低減
→太陽光パネルの大量生産
→シリコンの使用量が少ないパネルの生産
・パネルメーカーとハウスメーカー及び工事店が共同した
設置コストの低減
、
1
コ
ス
ト
の
低
減
経
済
的
支
援
→新築住宅への標準搭載
○
○
○
○
○
○
→取り付け工事費の圧縮(取り付け工事、部品などの規
格の標準化等)
○
○
○
○
○
○
→屋根材や壁面等と一体化した製品の普及
○
○
○
○
○
○
→関係者が連携した販売促進キャンペーン
(2)設置者に対する経済的支援
○
○
○
○
○
①全国トップクラスの補助制度の創設と、大幅な設置費
用の低減
→県による新たな補助制度の創設
○
○
○
→国、市町村の補助制度の活用
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
・住宅に対する補助
→金融機関による、より利用しやすい低利な融資制度の
創設
②電力会社による固定価格買取制度での余剰電力の買取り
③グリーン電力証書の発行
→再生可能エネルギーの利用促進と連動した証書普及の
ための取組や、総電力量計設置への働きかけ
・事業者に対する補助
→国の補助制度の活用
→県による低利融資
・市民共同発電に対する支援
→関係機関による補助制度の活用
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
→県による活動資金への補助
・税制面での支援
○
○
→固定資産税の減免措置等
○
○
○
○
○
2
技
術
の
向
上
・
系
統
連
系
へ
の
対
応
3
正
し
い
情
報
の
提
供
(1)製造、設置、管理に関する技術の向上
・太陽光発電システムの技術向上
→発電効率向上、耐久性向上及び軽量化の一層の推進
→景観へ配慮したパネルの普及
・取り付け工事や設置後の管理の技術向上
→取り付け工事の施工品質向上、基準の確立
→定期点検、メンテナンス、保証等の充実
・新築住宅施工時の取り組み
→新築住宅への太陽光発電の普及促進(標準搭載化など)
→建築時には設置しない場合でも、将来設置が可能
設計にするなどの工夫
(2)系統連系を推進する上での技術力の向上
・電力系統の安定化のための配電及び蓄電技術開発
(1)、(2)共通
・国による資金、技術支援
(1)設置者に対する情報の充実
○
○
○
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○
○
○
○
○
・「(仮称)埼玉ソーラー拡大協議会」の設置による
各関係者が連携した情報提供
住宅展示場などでの販売促進、「CO2オフ住宅」キャ
ンペーン、統一ホームページ
→製品の性能や設置管理に関する技術的な情報
→余剰電力の買取りに関する情報
→融資制度に関する情報
→環境価値のPR、相談窓口の設置
→各関係者の有する情報を総合的にまとめた情報
支援制度等に関する情報
・集合住宅や市民共同発電に関する先進的な事例の紹介
・集合住宅への設置に向けた支援
→管理組合、アパートオーナー等へのアドバイス
→関係団体への働きかけ
(2)販売店・工事店に対する啓発
・販売や施工に関する研修
○
○
○
○
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○
○
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○
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○
○
○
○
○
○
4 (1)大規模建築物への設置促進
多設
→建築行政における規制及びインセンティブ措置の導入
様置
(建築物環境配慮計画書制度)
な拡
→設置促進策(新技術、新ビジネス等)の検討
取大
組の
の た (2)県有施設への率先導入
推め
(3)小中学校等への設置支援
進の
(4)市民共同発電設置支援
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
→上表から、今後重点的に取り組むべき対応策(既に実施しているものを含む)を抽出し、「第4 埼玉県で実施すべき当面の取組」として整理
○
第4
埼玉県で実施すべき当面の取組
第3に掲げた対応策のうち、今後重点的に取り組むべき施策を抽出し、次のとおり
整理しました。
「(仮称)埼玉ソーラー拡大協議会」の設置
関係者:NPO、太陽光パネルメーカー、ハウスメーカー、金融機関、電力会社、県・市町村
次のような取組を集中的に実施
1 設置支援
(1)県民等への設置支援
・県による、既存住宅に対する支援を充実した、新たな補助制度の創設
・国、市町村及び県の補助金、太陽光の導入に伴う減税、金融機関の融資、グリーン
電力証書の発行などの支援を組み合わせた、設置費用の大幅な低減
→金融機関による、より利用しやすい低利な融資制度の創設
→再生可能エネルギーの利用促進と連動した証書普及のための取組や、太陽光発電設
置者への総電力量計設置への働きかけ
(2)事業者への設置支援
・環境創造資金貸付費「環境みらい資金」のうち、太陽光発電特別枠による低利融資
2 太陽光発電普及拡大キャンペーンの実施
(別添「埼玉県における太陽光発電普及のための連携プロジェクト」を参照)
・関係者による協議会を設け、太陽光パネルメーカー、ハウスメーカーが連携した住宅展示
場などでの販売促進や「CO2オフ住宅」を揃えたキャンペーンの展開。併せて、次のよ
うな各関係者による支援を一同に行う。
→NPOによる環境価値のPRや設置者の立場からの助言
→金融機関、行政による設置者に対する経済的支援
3 建築行政における規制及びインセンティブ措置の導入
・大規模な建築物の新築・増築・改築を行う場合に、太陽光発電の導入検討を義務付
け、導入した場合に容積率の上乗せなどのインセンティブを設ける制度の創設
4 集合住宅への設置に向けた支援
・管理組合、アパートオーナー等へのアドバイス
・関係団体への働きかけ
5 県有施設への率先導入
・PR効果の高い施設への設置推進
・新築又は大規模な改築にあたっては、「太陽光発電設備の設置ガイドライン」により設置を検討
6 小中学校等への設置支援
・環境対応型の学校(エコスクール)の一環としての施設整備を図り、児童・生徒、教師、
保護者及び地域住民に対する地球温暖化防止等の環境保全に関する理解を促進
7 市民共同発電の設置支援
・県による設置補助
・設置主体の設立、関係者ネットワークの構築、気運の醸成など
別添
埼玉県における太陽光発電普及のための連携プロジェクト
企業、NPO、行政がそれぞれの役割に応じて普及
を促進する「太陽光発電拡大プロジェクト」の展開
1
事業概要
各関係者が連携した「太陽光発電普及拡大プロジェクト」の実施
2
実施主体・役割(例)
パネルメーカー
期間限定価格等による太陽光発電の設置
ハウスメーカー
住宅展示場でのPR
電力会社
系統連系に関する説明、手続き
金融機関
支援制度の案内
NPO
設置希望者からの相談等
県、市町村
プロジェクトの広報、支援制度の案内
事業イメージ
ハウスメーカー
パネルメーカー
コスト低減に
向けた相互連携
電力会社
・期間限定価格による太陽光発電の設置
・CO2オフ住宅の展示
系統連系
・関係者のHP、広報誌等
の活用
・住宅展示場、工事店(関係
団体等を利用)を通した新
築・リフォーム希望者への周知
・集合住宅への設置への支援
・短期間での設置件数
拡大
・太陽光発電そのもの
のPR
県民
より利用しやすい低利
な融資制度の創設
設置希望者へのアドバイ
ス (HP、相談窓口)
グリーン電力証書の発行
金融機関
NPO
設置費の補助等
の支援制度
プロジェクトの広報
設置費の補助(県・市町村)
グリーン電力証書の普及支援
NEDO
NEF
GIAC
関係団体
行政
参考資料 太陽光発電普及拡大のための施策一覧
◎ 全国における施策
1 経済産業省
対象者
個人
2
事業名
住宅用太陽光発電導入支援対策費補助金
【概 要】先進的なエネルギー等施設であって、規模要件等を満たす設備を
導入する事業に対する補助
太陽光発電出力 10kW未満
【補助率】7万円/kW
民間企業
新エネルギー等事業者支援対策事業
【概 要】先進的なエネルギー等施設であって、規模要件等を満たす設備を
導入する事業に対する補助
太陽光発電出力 10kW以上
【補助率】1/3以内
民間企業
エネルギー需給構造改革投資促進税制(略称:エネ革税制)
【概 要】青色申告書を提出する法人又は個人が、対象設備を取得し、かつ
1年以内に事業の用に供した場合に、特別控除ができる制度
① 基準取得価額(計算の基礎となる価額)の7%相当額の税額控除
② 普通償却に加えて基準取得価額の30%相当額を限度として償
却できる特別償却
※ ただし、①税額控除は中小企業者等(大企業の子会社等を除
く資本金1億円以下の法人又は資本・出資を有しない法人のう
ち従業員数が1,000人以下の法人。個人事業者においては従業
員数が1,000人以下のもの。)のみ適用
環境省の施策
対象者
地方公共団体
事業名
地方公共団体率先導入補助事業
【概 要】地方公共団体が所有する業務用施設への導入に対する補助
太陽光発電出力 20kW以上
【補助率】1/2以内
地方公共団体
地球温暖化を防ぐ学校エコ改修事業
【概 要】地域公共団体が設置している学校に対し、地域や学校の特徴に応
じたCO2削減効果を有する省エネ改修、代エネ機器導入等の最も効
果的な組み合わせによる施設整備に要する費用に対する補助
【補助率】1/2以内
民間団体
再生可能エネルギー導入加速化事業
【概 要】地域の特色ある再生可能エネルギーを地産地消し、地域全体での
効率的なCO2削減を実現するモデル地域を整備するため、地域にお
ける再生可能エネルギーの集中的な導入を支援
【補助率】2,400万円を上限とした委託契約
民間団体
メガワットソーラー共同利用モデル事業
【概 要】地域での共同利用に根ざした1,000kW級の太陽光発電システム(メ
ガワットソーラー)をモデル的に立ち上げ
【補助率】40万円/kWを上限に定額補助
民間団体
低炭素社会モデル街区形成促進事業のうち、
街区まるごとCO2削減事業
【概 要】CO2の大幅な削減を見込める対策をエリア全体、複合施設で導入
し、街区等のエリアをまるごと省CO2化する面的対策を行う事業に
対して支援
【補助率】総事業費の1/2以内
ソーラー・マイレージクラブ事業
【概 要】住宅における太陽光発電等のCO2設備等の積極的な導入によるCO2
削減を奨励する普及啓発活動・情報基盤整備を地域協議会等に委託
【補助率】2,400万円を上限とした委託契約
地域協議会
3
独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)
対象者
事業名
民間企業、各種 太陽光発電新技術等フィールドテスト事業
団体、地方公共 【概 要】新技術等を導入した太陽光発電システムを試験的に設置し、有効
団体
性を実証するとともに、本格的普及に向けた性能向上とコストの
低減を図る。NEDOとの共同研究により実施。
太陽光発電出力 4kW以上(新型モジュール、建材一体型等)
小規模多数連系システム採用型は3kW以下
【負担額】1/2相当額
地方公共団体及 地域新エネルギー等導入促進事業
び非営利民間団 【概 要】地域における新エネルギー等の加速的促進を図ることを目的と
体
して行う新エネルギー等設備導入事業及び普及啓発事業の実施に
必要な経費に対して補助
太陽光発電出力 10kW以上
【補助率】設備導入1/2又は1/3以内
普及啓発1/2又は定額
4
財団法人新エネルギー財団(NEF)
対象者
事業名
民間企業、各種 太陽光発電新技術等フィールドテスト事業(効率向上追求型)
団体、地方公共 【概 要】NEDO「太陽光発電新技術等フィールドテスト事業」参照
団体
太陽光発電出力 10kW以上 商品化されている太陽電池で、
設計、工法等の工夫で低コスト
化や出力係数の向上が図られる
もの
【負担額】1/2以内又は30万円/kW
5
財団法人広域関東圏産業活性化センター(GIAC)
対象者
地方公共団体等
の公益的団体
(学校法人、N
PO法人等を含
む)
事業名
「グリーン電力基金」による助成
【概 要】環境保全への貢献を希望の方々からの寄付金と、東京電力からの
寄付金を受け入れ、太陽光発電や風力発電等の自然エネルギー発
電設備へ助成金として配分
①普及目的
自然エネルギーの量的な普及を目的としたプログラム
うち、地域協働プログラム
自然エネルギーの普及・啓発を目的とする地域に根ざした取り
組みの支援を目的としたプログラム
(地方公共団体、学校法人、社会福祉法人を除く)
②環境教育目的
小・中・高等学校等の環境教育授業等に活用される、主として小
規模発電設備向けのプログラム
【補助率】①20万円/kW(上限10,000千円)
地域協働プロジェクトは設置費用の85%
(上限5,000千円又は7,000千円)
②設置費用の85%(上限2,000千円)
◎
埼玉県における施策
事業名
対象
エコ・エネルギー 県有施設
率先活用事業費
学校施設エコ
改修支援事業
小中学校、
幼稚園、
保育所等
環 境 創 造 資 金 貸 事業所
付費「環境みらい
資金」
うち太陽光発
電特別枠
概要
県有施設への率先導入
設置基数(平成19年度末現在)
101施設(全国一)
小中学校への導入に対する補助
(5kW以上)
補助率等:1/2以内、1,000 万円限度
設置後、環境学習として活用
金利:通常年 1.55%→特別枠年 1.10%
信用協会の信用保証付き
1.25%→0.80%
◎
市町村における施策
普 及 助 成 策(平成20年度)
地方公共団体名
埼玉県川越市
【補助】
埼玉県川口市
【補助】
埼玉県所沢市
【奨励金】
埼玉県狭山市
【補助】
埼玉県深谷市
【補助】
太陽光補助内容
【住宅用太陽光発電システム設置事業補助金】
自ら居住する市内の住宅にシステムを設置する方に補助。
【川口市新エネルギー等活用システム設置費補助金】
自ら居住し所有する市内の戸建て住宅に新たに1kW以上のシステムを
設置する方に補助
【所沢市温暖化防止活動奨励金】
【省エネ機器導入・住宅建設】
▼雨水貯留槽▼住宅用太陽光発電システム▼コージェネレーション
システム(燃料電池含む)▼高効率給湯器(ヒートポンプ)▼高効
率給湯器(潜熱回収型)▼高効率給湯器(太陽熱温水器 高度熱利
用含む)▼埼玉県産木材を使用した住宅を新築
【省エネ行動による化石燃料の削減】
▼家庭での取り組みで、電気・ガス・水道の使用量から計算され
た、それぞれのCO2排出量を合計した値が、ご自身で選んだ月におい
て、前年同月比10%以上削減した人
【狭山市住宅用太陽光発電システム設置費補助制度】
自ら居住する市内の住宅に太陽光発電システムを設置する方で、市
税を滞納していない方
【太陽光発電システム設置補助制度】
市内に存する住宅に居住する方に補助。
(補助要件 : 10kw未満、市税を完納、都市計画法・建築基準法
を順守していること など)
補助額
(上限額)
4万円/kW
(上限16万円)
5万円/件
経費の1/2以内
(1万円/件)
5万円/kW
(上限5万円)
5万円/kW
(上限20万円)
【戸田市環境配慮型システム等設置費補助制度】【住宅用太陽光発
電システム設置費補助制度】
市内に住所を有し、市税を完納している方が自ら所有し、かつ居住
する市内の住宅に設置する場合に補助。
1kw当たり6万円
(下限2kw,上限
5kw)
埼玉県戸田市
【補助】
埼玉県朝霞市
【補助】
埼玉県蓮田市
【補助】
埼玉県坂戸市
【補助】
埼玉県秩父郡
横瀬町
【補助】
埼玉県熊谷市
【補助】
埼玉県和光市
【補助】
【住宅用太陽光発電システム設置費補助制度】
自ら居住する市内の住宅にシステムを設置する方に補助
【蓮田市自然エネルギー活用システム設置費補助制度】
自ら居住する市内の住宅にシステムを設置する方、または市内の太
陽光発電システム付の新築住宅を購入した方に補助。
【坂戸市住宅用太陽光発電システム設置費補助事業】
①自ら居住する市内の住宅に、電力を供給する目的で太陽光発電シ
ステムを設置する方
②市税を滞納していない方
③過去に同様の補助金の交付を受けていない住宅(1住宅につき1回
限りで、増設は不可)
④当該年度の3月10日までに設置し、電力会社との系統連結に伴
う電力供給契約が完了し、請求書及び実績報告書の提出が可能な方
【住宅用太陽光発電システム設置費補助金】
自ら居住する町内の住宅に太陽光発電システムを設置し、町税を滞
納していない方に補助を実施。
【熊谷市住宅用太陽光発電システム設置費補助金】
【熊谷市・公益信託熊谷環境基金住宅用太陽光発電システム設置費補助
金】
太陽電池モジュールの最大出力が10kw未満のもの
【和光市住宅用太陽光発電システム設置費補助金】
1 自ら居住する市内の住宅に太陽光発電システムを設置する方
2 市税を滞納していない方
6万円/kW
(上限20万円)
10万円/件
7万円/件
2.5万円/kW
(上限7.5万
円)
5万円/kW
(上限20万円)
5万円/kW
(上限10万円)
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