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投球の正確性とバランス能力および下肢筋力の関係 The relationship

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投球の正確性とバランス能力および下肢筋力の関係 The relationship
投球の正確性とバランス能力および下肢筋力の関係
The relationship between accuracy, balance ability and lower leg muscle
on baseball throwing
1K05A131
指導教員
主査 岡田純一先生
緒言
高見 悠
副査 葛西順一先生
び閉 眼 で10秒 間 、姿 勢 保 持 を行 った。測 定 項 目
目 標 に対 して正 確 にボールを投 げる能 力 は、
は、総 軌 跡 長 および矩 形 面 積 の2項 目 とした。下
野 球 競 技 において重 要 な能 力 のひとつである。
肢 筋 力 評 価 において、スミスマシンを使 用 し、ハ
投球の正 確 性に関する研究の多くは上肢の動 作
ーフスクワットの4RM挙上重量を測定した。
に着 目 しており、高 い再 現 性 の投 球 腕 動 作 が投
球 の正 確 性 に影 響 するという報 告 がなされている。
結果
確 固 たる証 拠 がないにもかかわらず実 際 の指 導
任 意 投 球 での的 の中 心 からボールが当 たった
現 場 では、下 肢 の安 定 性 を重 視 する経 験 的 な練
位 置 までの距 離 は24.7±12.3cm(Mean±SD)、水
習 法 が行 われている。よって本 研 究 では、投 球 の
平 距 離 は 13.0 ± 9.3cm 、 垂 直 距 離 は 14.3 ±
正確性とバランス能力および下肢筋力との関係を
10.5cm 、 水 平 方 向 の ば ら つ き は 49.4 ± 14.4cm 、
明 らかにし、上 記 の経 験 的 な練 習 法 についての
および垂 直 方 向 のばらつきは22.0±8.2cmであっ
真偽を検討することを目的とした。
た 。 同 様 に 全 力 投 球 で は 、 そ れ ぞ れ 19.2 ±
10.2cm 、 7.8 ± 5.3cm 、 8.8 ± 6.5cm 、 53.3 ±
方法
18.5cm、および28.9±18.8cmであった。開眼での
被検者は、高校野球競技経験のある大学生20
片 脚 立 位 の 姿 勢 に お け る 総 軌 跡 長 は 35.1 ±
名 (年 齢 21.6±1.4歳 、身 長 172.9±5.2cm、体 重
8.9cmであり、矩 形 面 積 は5.7±1.5cm2であった。
64.4±5.2kg、競 技 歴 12±2.2年 )とした。測 定 に
また 閉 眼 で は71.4 ± 20.0cm 、22.7 ± 8.8cm2 で あ
は軟 式 野 球 ボールを使 用 した。的 当 て試 行 では、
った。開 眼 での特 異 的 投 球フォーム姿 勢では
的 ( 地 上 か ら1mの 縦 横 40cm×40cmの 十 字 マ ー
49.5±10.5cm、8.9±3.4cm2であった。また閉 眼
ク)の中 心 に出 来 るだけ正 確 に当 てる投 球 (任 意
では95.0±19.5cm、37.9±12.3cm2であった。下
投 球 )20球 と正 確 性 よりも速 度 を重 視 した全 力 投
肢 最 大 筋 力 を評 価 するバックスクワットの4RM挙
球 10球 を被 検 者 に投 げさせた。被 検 者 の後 方 か
上 重 量 は 113.5 ± 14.7kg で あ り 、 体 重 あ た り の
らデジタルカメラで撮 影 (300コマ/秒 )した映 像 か
4RM挙上重量は、1.8±0.2 kgであった。これら全
ら、ボールが当 たった位 置 を特 定 した。的 の中 心
ての項 目 において投 球 の正 確 性 とバランス能 力
からボールが当たった位置までの距離(水平距離、
および下肢最大筋力との間には有意な相関関係
垂 直 距 離 )および水 平 方 向 の最 大 値 から最 小 値
が認められなかった。
を引 いて水 平 方 向 のばらつき、同 様 に垂 直 方 向
のばらつきを算 出 した。バランス測 定 では、重 心
考察
動 揺 計 を使 用 した。重 心 動 揺 計 上 で片 脚 立 位 と
全 ての投 球 課 題 において、的 当 て投 球 の正 確
投球におけるワインドアップ期のスライド脚最大挙
性 と静 的 バランス能 力 には関 係 がないと考 えられ
上時の片脚立位それぞれの姿勢となり、開眼およ
る。本 研 究 による投 球 の正 確 性 と下 肢 の安 定 性
には関 係 が認 められないという結 果 と、投 球 腕 に
試 行 における重 心 軌 跡 の再 現 性 、または投 球 時
着 目 し投 球 動 作 自 体 の再 現 性 が高 いことが的 当
のピボット脚およびスライド脚の脚筋群機能との関
ての正確 性 に直結するという報告から、投球 腕 動
係を検討することが今後の課題となるであろう。
作 の再 現 性 が重 要 であると考 えられる。したがっ
て、ワインドアップ期 におけるスライド脚 最 大 挙 上
結論
時 の 姿 勢 で 、20秒 間 静 止 してから 投 球 を行 う 経
本 研 究 では、的 当 て投 球 の正 確 性 と下 肢 の安
験的な練習 法あるいはコントロールの向上を目 的
定 性 には関 係 が認 められなかった。したがって、
として行 う下 肢 筋 力 トレーニングは、投 球 の正 確
前述した経験的な練 習 法およびコントロールの向
性を向上させる効果は得られないと考えられる。し
上 のみを目 的 として下 肢 筋 力 トレーニングを行 わ
かしながら測 定 動 作 と実 際 の投 球 動 作 の差 異 を
せることは、誤りであると考えられる。
考 慮 すると、的 当 て投 球 の正 確 性 と投 球 時 の各
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