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3 - 経済産業省

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3 - 経済産業省
平成 26 年度
内外一体の経済成長戦略構築にかかる
国際経済調査事業
(グローバル企業の海外展開及び
リスク管理手法にかかる調査・分析)
最終報告書
平成 27 年 3 月
デロイト トーマツ コンサルティング株式会社
目次
1. はじめに.................................................................................................. 3
1.1. 本事業の背景および目的 ......................................................................................... 3
1.2. 本事業の内容 ........................................................................................................... 3
2. 日本および海外の主要な多国籍企業の稼ぎ方 .......................................... 4
2.1. 調査内容 .................................................................................................................. 4
2.2. 全体的な傾向 ........................................................................................................... 6
2.3. 各多国籍企業群の特徴 ............................................................................................ 6
2.4. 日系企業の低成長・低収益の原因分析 ..................................................................11
3. 海外の主要な多国籍企業の立地選択動向 ............................................... 14
3.1. 調査内容 ................................................................................................................ 14
3.2. 海外の主要な多国籍企業における拠点設置状況や考え方.................................... 15
3.3. 海外の多国籍企業の日本に対する見方 ................................................................. 19
3.4. 日本への拠点誘致の方向性 ................................................................................... 21
4. 日本および海外の主要な多国籍企業のリスク管理手法 .......................... 24
4.1. 調査内容 ................................................................................................................ 24
4.2. 日本の主要な多国籍企業におけるリスク管理手法............................................... 25
4.3. 日本の主要な多国籍企業における海外売上高比率の違いによる
リスク管理手法の比較 ........................................................................................... 28
4.4. 海外の多国籍企業におけるリスク管理手法.......................................................... 31
4.5. 日本企業におけるリスク管理手法の強化の方向性............................................... 37
5. 終わりに:日本企業の経営力強化に向けて .......................................... 39
グローバル企業の海外展開およびリスク管理手法にかかる調査・分析
2
1. はじめに
1.1. 本事業の背景および目的
企業活動のグローバル化がますます進展する中、経済活動を国単位で分断して検討す
るのではなく、企業経営の視点を参考にしつつ、地域別や経済活動別に分析した上で政
策立案を行う必要性が高まっている。
世界金融危機後、世界経済の回復はまだら模様であり、日本および海外の多国籍企業
は、エネルギー環境や為替・資源価格の変動、中国経済の減速等の影響など様々な変化
を経験してきた。また、昨今においては地政学リスクの増大が強く意識されている。
本事業では、日本企業の国際競争力の強化や海外企業の日本に対する誘致のあり方を
検討するため、このような不確実性の高い経済情勢下における、日本および海外の主要
な多国籍企業の稼ぎ方、海外の主要な多国籍企業の立地戦略等のあり方、日本および海
外の主要な多国籍企業のリスク管理手法の現状を明らかにすることを目的としている。
1.2. 本事業の内容
本事業の内容は以下のとおりである。
(1)日本および海外の主要な多国籍企業の稼ぎ方
日本および海外の主要な多国籍企業の稼ぎ方について、2006 年度から 2013 年度 の 8
年分の財務データをもとに、全体的な傾向や本社所在地をもとに分類したそれぞれの企
業群の稼ぎ方の特徴、その中で日本の多国籍企業が低成長・低収益に陥っている原因に
ついて考察する。
(2)海外の主要な多国籍企業の立地選択動向
日本への海外多国籍企業の拠点誘致を念頭に、海外の主要な多国籍企業における機能
別の拠点設置状況や考え方、拠点設置国としての日本に対する見方を調査し、それらを
もとに、日本への拠点誘致の方向性を考察する。
(3)日本および海外の主要な多国籍企業のリスク管理手法
日本および海外の主要な多国籍企業におけるリスクマネジメント部門の体制、重視し
ているリスク、地政学リスクへの対処方法などのリスク管理手法を調査し、それらをも
とに、日本企業におけるリスク管理強化の方向性を考察する。
グローバル企業の海外展開およびリスク管理手法にかかる調査・分析
3
2. 日本および海外の主要な多国籍企業の稼ぎ方
本章では、日本および海外の主要な多国籍企業の稼ぎ方について、2006 年度から 2013
年度1の 8 年分の財務データをもとに、主に 3 つの観点から分析する。
まず、
「全体的な傾向」として、分析対象の財務データ全体を用い、売上・利益にどの
ような傾向があるかを分析する。
次に、
「各多国籍企業群の特徴」として、主要な多国籍企業を本社所在地別に「日系企
業(本社が日本に所在)
」
「米系企業(本社が南北アメリカ大陸に所在)」
「欧州系企業(本
社がヨーロッパ、中東、アフリカに所在)」「アジア系企業(本社が日本を除くアジア大
洋州に所在)
」と分類した上で、それぞれの成長性・収益性の特徴を分析する。
最後に、
「日系企業の低成長・低収益の原因分析」として、上記の分析により明らかに
なった日系企業の低成長・低収益の原因を追加的に分析する。
2.1. 調査内容
本調査における分析対象企業、分析内容(分析対象項目)、留意事項を整理する。
(1)分析対象企業(資料編 p. 2)
本分析において調査対象とする「主要な多国籍企業」については、売上高と海外売上
高比率をもとに調査対象を絞り込んでいる。また、国営企業が多数を占めるなど、分析
を歪める可能性のあるセクターを調査対象から除外している。具体的には、Bloomberg
データベースを通じて財務データを取得可能な約 68,000 社から、以下の手順で抽出した
357 社とした。
① 「金融」「エネルギー」「公益」に含まれる企業を除外
② 10 年間連続で全社売上高を取得できない企業を除外
③ ①・②の操作を行った後、直近 12 か月(LTM)の連結売上高上位 500 社を抽出
④ ③で抽出した企業群から、海外売上高比率 20%未満の企業を除外
これらの企業を本社所在地別に分類すると、日系企業(本社が日本に所在)57 社、米
系企業(本社が南北アメリカ大陸に所在)119 社、欧州系企業(本社がヨーロッパ、中
東、アフリカに所在)128 社、アジア系企業(本社が日本を除くアジア大洋州に所在)
53 社となっている。
また、各企業群における業種の特性は、日系企業は一般消費財が多い(57 社中 19 社)、
決算月が 6 月以前の企業は、決算月の前年を会計年度とし(例えば、2014 年 3 月期決算
の場合は、
「2013 年度」と定義)
、決算月が 7 月以降の企業は、決算月を含む年を会計年度
としている(例えば、2013 年 12 月期決算の場合は、「2013 年度」と定義)
。
1
グローバル企業の海外展開およびリスク管理手法にかかる調査・分析
4
米系企業は偏りが少ない、欧州企業は工業(128 社中 30 社)
・生活必需品(128 社中 25
社)
・一般消費財(128 社中 25 社)が多い、アジア企業はテクノロジーが多い(53 社中
17 社)、となっている。
(2)分析内容(対象項目)
(資料編 p. 3)
本調査では、売上高、営業利益、営業利益率とこれらの成長性を分析対象項目として
いる。また、これらの項目について、設立からの年数、売上規模、多角化度、R&D 投資
額との関係も分析した。
なお、各企業の「多角化度」を算出する場合、各企業の公表する事業セグメントを BICS
(Bloomberg Industry Classification System) Level 2 (Industry Group) 49 分類に再編
したものをもとに、ハーフィンダール指数(HHI)を算出して評価した。HHI は、それ
ぞれの事業セグメントごとが売上高の合計額に占める割合を二乗して合計した値のこと
で、HHI が大きいほど専業的、小さいほど多角的と評価している2。
(3)留意事項(資料編 p. 4, 5, 6)
本調査においては、セグメント情報について Bloomberg 社が定義している区分にした
がった。具体的には、地域セグメントは APAC(アジア大洋州)
、Americas(南北アメ
リカ大陸)
、EMEA(ヨーロッパ・中東・アフリカ)の 3 分類を、事業セグメントは BICS
Level 1 (Sectors) 10 分類および Level 2 (Industry Group) 49 分類を用いた。
また、地域・事業セグメント別の分析を行う場合、企業の情報開示状況の制約から、
(1)で述べた企業の全セグメントを分析対象とはしていない。地域セグメント別分析に
おいては、原則として 2006 年度から 2013 年度の 8 期連続で売上高情報が取得できる地
域別セグメントのみを対象とし、事業セグメント別分析においては、原則として 2006
年度から 2013 年度の 8 期連続で売上高と営業利益の両方を取得できる事業セグメント
のみを対象とした。
したがって、特に地域別・事業セグメント別分析においては、企業による情報開示状
況の制約から、分析対象数がごく少数になるケースも存在しており、分析に歪みが出や
すいため、本分析で用いているデータの扱いには注意を要する。
たとえば A 社、B 社がそれぞれ x 事業、y 事業、z 事業を営んでおり、連結売上高に占め
る割合が
A 社:x 事業 50%、y 事業 30%、z 事業 20%
B 社:x 事業 50%、y 事業 45%、z 事業 5%
であると仮定して HHI をそれぞれ計算すると、
A 社:502 + 302 + 202 = 3,800
B 社:502 + 452 + 52 = 4,550
となり、HHI のより小さな A 社の方がより多角化が進んでいると評価した(詳細は資料編
p. 3)
。
2
グローバル企業の海外展開およびリスク管理手法にかかる調査・分析
5
なお、地域セグメント別の営業利益は大半の企業が公開していないため分析対象外と
している。また、本調査は、対象企業を上記のように売上高の大きな多国籍企業に絞っ
ているため、ニッチ分野で高収益を上げている企業や自国内を中心に高い収益を上げて
いる企業は検討対象から外れていることにも注意が必要である。
2.2. 全体的な傾向
主要な多国籍企業 357 社全体での売上高、営業利益・売上高営業利益率の推移につい
て分析した。主な結果は以下の通りである。
(1)売上高の推移(資料編 p. 7, 8, 9)

全体的には約 8.9 兆ドルから 12.9 兆ドルへ、年平均成長率 5.5%で成長した。

地域としては、APAC 地域では 2.0 兆ドルから 3.3 兆ドルへ年平均成長率 7.3%、
EMEA 地域では 3.0 兆ドルから 3.5 兆ドルへ年平均成長率 2.0%、Americas 地域
では 3.1 兆ドルから 4.5 兆ドルへ年平均成長率 5.2%でそれぞれ成長した3。

事業セグメントとしては、特徴的なものとして、テクノロジーで 1.3 兆ドルから
2.0 兆ドルへ年平均成長率 6.4%、生活必需品で 1.5 兆ドルから 2.3 兆ドルへ、年
平均成長率 6.2%で成長した。
(2)営業利益・売上高営業利益率の推移

全体的には約 0.9 兆ドルから 1.3 兆ドルへ、年平均成長率 5.6%で成長した。売上
高営業利益率の平均は、11.2%から 10.4%に低下している。
(資料編 p. 10)

事業セグメントとしては、ヘルスケアと生活必需品は安定的に高収益である一方、
工業は低収益のまま推移している。テクノロジーや原材料は売上高営業利益率の
変動が激しく、通信は 2006 年以降、急速に収益性を回復している。
(資料編 p. 9)
2.3. 各多国籍企業群の特徴
次に、各多国籍企業群の成長性・収益性を、以下の観点で分析した。
① 全社的な経営指標の観点:成長性(売上高成長率)
・収益性(売上高営業利益率)
、
設立からの年数分布と成長性・収益性、多角化度の分布と成長性・収益性、R&D
投資額
② 地域別の観点:成長性、地域別シェア
③ 事業セグメント別の観点:成長性、収益性、事業セグメント別シェア
なお、
地域別および事業セグメント別の観点での分析においては、2.1 で述べたとおり、
サンプル数が限定的になっていることに留意する必要がある。
3
企業がセグメント情報を公開していない、または本分析での地域分類に一致しない場合が
あるため、3 地域セグメントの合計は総売上高に一致しない。
グローバル企業の海外展開およびリスク管理手法にかかる調査・分析
6
(1)日系企業の特徴
分析結果は以下のとおりである。
① 全社的な経営指標

成長性・収益性(資料編 p. 11, 12)
:全体として、成長性(売上高年平均成長率
3.6%4)
・収益性(2013 年度平均売上高営業利益率 6.6%)とも、企業群中、最も
低い。

設立からの年数分布と成長性・収益性(資料編 p. 13):売上高上位企業に含まれ
る新興企業の割合が低く、設立からの年数 51~80 年の企業の割合が最も高い。
また、全体的な傾向として、設立からの年数が短い企業では売上高成長率が高い
が、
日系企業の新興企業の成長率は低い(20 年未満の企業で年平均成長率 3.1%)
。

多角化度の分布と成長性・収益性(資料編 p. 14, 15, 16)
:他国の企業群と比較し
て多角化度の高い企業の占める比率が高く、HHI 10,000 前後の企業と HHI 3,000
前後の企業に二極化している。多角化度の高低で企業を区分し比較した場合、特
に多角化度の高い企業で売上高成長率(多角化度高:2.9%、低:3.5%)、売上高
営業利益率(多角化度高:4.4%、低:6.9% いずれも 2013 年度)とも低くなっ
ている。

R&D 投資額(資料編 p. 17)
:米系・欧州系企業に比べ、売上高に対する R&D 投
資比率が低い(4.3%、2013 年度)。また R&D 投資額 1 ドルあたり営業利益も劣
後(1.07 ドル、2006-2013 年度平均)している。なお、R&D 投資額は、サービ
ス業およびデータを公開していない企業を除く、44 社が対象となっている。
② 地域別の経営指標

地域別成長性(資料編 p. 20, 21, 22)
:全地域において、売上高成長率が企業群中
最も低い(売上高年平均成長率 APAC 地域 3.6%、Americas 地域 1.3%、EMEA
地域-0.5%)
。

地域別シェア(資料編 p. 20):APAC 地域において最大のシェアを持つ(分析企
業中 40%、2013 年度)ものの、成長性は最も低く、市場シェアを他国企業に奪
われている状況にある。
③ 事業セグメント別の経営指標

成長性(資料編 p. 24)
:ヘルスケア(売上高年平均成長率 6.8%)
、生活必需品(同
7.6%)などの事業セグメントでは、他の企業群に劣らない水準を確保しているが、
4
企業がセグメント情報を公開していない、または本分析での地域分類に一致しない場合が
あるため、地域別・事業単位での売上高平均成長率・平均営業利益率と企業単位での売上
高平均成長率・平均営業利益率は一致しない。
グローバル企業の海外展開およびリスク管理手法にかかる調査・分析
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大半の事業セグメントでは劣後している。

収益性(資料編 p. 25)
:通信(2006-2013 年度平均売上高営業利益率 18.4%)
、
生活必需品(同 11.1%)では高い収益性を確保しているが、大半の事業セグメン
トでは劣後している。

事業セグメント別シェア(資料編 p. 26):低成長・低収益分野である一般消費財
(26%)
、原材料(18%)
、工業(18%)でシェアが高い一方、高成長・高収益分
野であるヘルスケア(4%)
、生活必需品(4%)でプレゼンスが低い。
(2)米系企業の特徴
分析結果は以下のとおりである。
①

全社的な経営指標
成長性・収益性(資料編 p. 11, 12)
:全体として、成長性(売上高年平均成長率
5.7%5)
・収益性(2013 年度平均売上高営業利益率 13.2%)とも高く、収益性は企
業群中最も高い。

設立からの年数分布と成長性・収益性(資料編 p. 13)
:売上高上位企業に含まれ
る新興企業の割合が高く、成長性も高い(設立から 20 年以内の企業の売上高年平
均成長率 7.4%、20-50 年の企業 7.5%)
。

多角化度の分布と成長性・収益性(資料編 p. 14, 15, 16)
:特に大規模で多角化が
進んだ企業と、小規模で専業的な企業において、成長性・収益性とも高くなって
いる。

R&D 投資額(資料編 p. 17)
:売上高に対する R&D 投資比率が企業群中で最も高
く(5.9%、2013 年度)
、また R&D 投資 1 ドルあたり営業利益額も 2.44 ドル
(2006-2013 年度平均)と高い。なお、R&D 投資額は、サービス業およびデータ
を公開していない企業を除く、59 社が対象となっている。
②

地域別の経営指標
地域別成長性(資料編 p. 20, 21, 22)
:APAC(売上高年平均成長率 11.2%)
、EMEA
地域(売上高年平均成長率 4.5%)で、企業群中で最も高い。

地域別シェア(資料編 p. 20):Americas 地域で最もシェアが高い(58%、2013
年度)
。
5
企業がセグメント情報を公開していない、または本分析での地域分類に一致しない場合が
あるため、地域別・事業セグメント単位での売上高平均成長率・平均営業利益率と企業単
位での売上高平均成長率・平均営業利益率は一致しない。
グローバル企業の海外展開およびリスク管理手法にかかる調査・分析
8
③

事業セグメント別の経営指標
成長性(資料編 p. 24)
:ヘルスケア(売上高年平均成長率 6.2%)
、生活必需品(同
6.8%)
、エネルギー(同 20.1%)
、原材料(同 7.5%)などの事業セグメントで特
に高い。

収益性(資料編 p. 25, 27)
:通信(2006-2013 年度平均売上高営業利益率 21.9%)
、
ヘルスケア(同 16.3%)
、テクノロジー(同 15.3%)、原材料(同 13.4%)などの
事業セグメントで特に高い。また収益性の高い事業セグメントの占める割合が高
く、多角化度の高い企業では 7 割超の事業が営業利益率 10%を超える(2006-2013
年度の平均)
。

事業セグメント別シェア(資料編 p. 26)
:生活必需品(52%、以下 2013 年度)
、
ヘルスケア(51%)
、テクノロジー(42%)、通信(33%)で、特に高い売上高シ
ェアを保持している。
(3)欧州系企業の特徴
分析結果は以下のとおりである。
① 全社的な経営指標

成長性・収益性(資料編 p. 11, 12)
:全体として、成長性(売上高年平均成長率
4.7%6)
・収益性(2013 年度平均売上高営業利益率 10.9%)とも中程度である。

設立からの年数分布と成長性・収益性(資料編 p. 13)
:売上高上位企業に含まれ
る新興企業の割合が高い。

多角化度の分布と成長性・収益性(資料編 p. 14, 15, 16)
:特に小規模で専業的な
企業において、成長性(売上高年平均成長率 6.4%)・収益性(売上高営業利益率
2006-2013 年度平均 13.2%)とも高くなっている。

R&D 投資(資料編 p. 17)
:売上高に対する R&D 投資比率が企業群中で米系企業
に次いで高く(4.9%、2013 年度)、また R&D 投資 1 ドルあたり営業利益額も 2.24
ドルと高い(2006-2013 年度平均)
。なお、R&D 投資額は、サービス業およびデ
ータを公開していない企業を除く、74 社が対象となっている。
② 地域別の経営指標

地域別成長性(資料編 p. 20, 21, 22)
:ホーム市場である EMEA 市場の売上高成
長率では日系企業に次いで低い(年平均成長率 1.0%)。一方、成長市場である
APAC 市場では米系企業に次ぐ高い成長率(売上高年平均成長率 10.1%)であり、
6
企業がセグメント情報を公開していない、または本分析での地域分類に一致しない場合が
あるため、地域別・事業セグメント単位での売上高平均成長率・平均営業利益率と企業単
位での売上高平均成長率・平均営業利益率は一致しない。
グローバル企業の海外展開およびリスク管理手法にかかる調査・分析
9
Americas 市場での成長率(売上高年平均成長率 6.1%)は企業群の中で最も高い。

地域別シェア(資料編 p. 20)
:EMEA 地域で最もシェアが高い(72%、2013 年
度)ものの、成長率の低さから 2006 年度(75%)と比較するとわずかにシェア
を落としている。APAC 地域の売上高シェアは 3 位(22%、2013 年度)
、Americas
地域の売上高シェアは米系企業に次いで 2 位(29%、2013 年度)
。
③ 事業セグメント別の経営指標

成長性(資料編 p. 24)
:金融(売上高年平均成長率 9.7%)、一般消費財(同 4.7%)
などの事業セグメントで、平均を上回る成長率を発揮。

収益性
(資料編 p. 25)
:ヘルスケア(2006-2013 年度平均売上高営業利益率 20.4%)
、
一般消費財(同 10.7%)で収益性が特に高い。

事業セグメント別シェア(資料編 p. 26):特に高成長・高収益事業であるヘルス
ケア(45%、以下 2013 年度)
、生活必需品(39%)で高い売上高シェアを保持し
ている他、通信(52%)
、工業(45%)でも高シェア。
(4)アジア系企業の特徴
分析結果は以下のとおりである。
① 全社的な経営指標

成長性・収益性(資料編 p. 11, 12)
:全体として、成長性(売上高年平均成長率
11.2%7)がきわめて高い一方、収益性(2013 年度平均売上高営業利益 7.2%)は
それほど高くない。

設立からの年数分布と成長性・収益性(資料編 p. 13)
:売上高上位企業に含まれ
る新興企業の割合が、企業群中最も高い。また新興企業の成長性が非常に高い(設
立から 20 年以内の企業の売上高年平均成長率 12.5%、20-50 年の企業 11.0%)
。

多角化度の分布と成長性・収益性(資料編 p. 14, 15, 16)
:専業化企業において特
に成長性が高い(売上高年平均成長率 14.6%)一方、多角化企業では収益性が高
い(売上高営業利益率 2006-2013 年度平均 9.3%)関係にある。

R&D 投資額(資料編 p. 17)
:売上高に対する R&D 投資比率は企業群中で最も低
く(2.7%、2013 年度)
、米系企業の半分以下の割合に留まる。一方 R&D 投資 1
ドルあたり営業利益額は 3.78 ドルと最も高い。なお、R&D 投資額は、サービス
業およびデータを公開していない企業を除く、29 社が対象となっている。
7
企業がセグメント情報を公開していない、または本分析での地域分類に一致しない場合が
あるため、地域別・事業セグメント単位での売上高平均成長率・平均営業利益率と企業単
位での売上高平均成長率・平均営業利益率は一致しない。
グローバル企業の海外展開およびリスク管理手法にかかる調査・分析
10
② 地域別の経営指標

地域別成長性(資料編 p. 20, 21, 22)
:APAC 地域で成長率が高い(3 位、年平均
成長率 8.5%)
。アジア系企業の売上高のおよそ 7 割を APAC 地域での売上高が占
めており、当地域での急成長が、アジア系企業全体の成長を牽引している。
Americas 地域での成長率は欧州系・米系に次ぐ 3 位
(年平均成長率 3.2%)
、
EMEA
地域での成長率は米系企業に次ぐ 2 位(年平均成長率 4.3%)
。

地域別シェア(資料編 p.20)
:APAC 地域で日系企業に次ぐシェアを持つ(23%、
2013 年度)一方、Americas 地域(4%、2013 年)
、EMEA 地域(4%、2013 年)
では市場シェアが低い。
③ 事業セグメント別の経営指標

成長性(資料編 p. 24)
:生活必需品(売上高年平均成長率 18.6%)、原材料(同
7.8%)、テクノロジー(同 13.6%)などの事業セグメントで特に高い成長率を発
揮。

収益性(資料編 p. 25)
:金融(2006-2013 年度平均売上高営業利益率 24.5%)
、
エネルギー(同 20.3%)
、原材料(同 15.7%)で収益性が特に高い。

事業セグメント別シェア(資料編 p. 26)
:特にテクノロジー(32%、以下 2013
年度)で米系に次ぐシェアを持ち、原材料(16%)でも比較的高シェア。
2.4. 日系企業の低成長・低収益の原因分析
前節の分析において、日系企業は、他国企業と比べ低成長・低収益に陥っている傾向
が見られた。本節では、この原因を考察するため、以下の観点での追加的な分析を行う。
(1) 多角化企業における事業構造(事業セグメント別の収益性はどうなっているか)
(2) APAC 地域での成長性(日本市場を除いた場合でも成長性は低いのか)
(3) 日系企業における R&D 投資の状況(R&D 投資額対 1 ドルあたりの営業利益が
低い要因はどこにあるのか)
なお、
(1)多角化企業における事業構造、
(2)APAC 地域での成長性の分析にあたって
は、2.1 で述べたとおり、サンプル数が限定的になっていることに留意する必要がある。
(1)多角化企業における事業構造(資料編 p. 27, 28)
前節の分析では、日系企業では、「多角化度の高い企業で成長性、収益性ともに低い」
という傾向が見られた。今回の分析対象企業群においては、日系企業は多角化度の高い
企業が相対的に多いが、これらの企業の成長性・収益性の低さが、日系企業全体に影響
していると考えられる。
多角化度の高い企業の成長性・収益性の低さの要因としては、
「多くの事業の成長性・
グローバル企業の海外展開およびリスク管理手法にかかる調査・分析
11
収益性が低い状態となっている」
「いくつかの事業が非常に低成長・低収益となっており、
全体の成長性・収益性を押し下げている」ことが考えられる。そこで、各企業群の多角
化度上位 50%の企業における事業セグメント別の収益性の構成比を追加的に分析したが、
日系企業の事業セグメントの 91%が営業利益率 10%未満(2006-2013 年度平均)であり、
米系企業の 28%、欧州系企業の 66%、アジア系企業の 59%と比較しても明らかに高い水
準となっていた。
このことから、多角化度の高い日系企業は、低収益事業を数多く抱えてしまっており、
これが日系企業全体の成長性・収益性を押し下げている要因の一つになっていると考え
られる。
なお、多角化度下位 50%の企業について同様の分析を行った場合、営業利益率 10%未
満の事業セグメントの割合は日系企業 65%、米系企業 48%、欧州系企業 48%、アジア系
企業 60%と、他国企業に対しそれほど遜色ない状況であった。
(2)APAC 地域における成長性(資料編 p. 23)
前節の分析では、日系企業では、
「全地域において、売上高成長率が企業群中最も低く、
とりわけ APAC 市場での成長性において、大きく劣後している」という傾向が見られた。
前節でも触れたとおり、日系企業は APAC 地域において最大のシェアを持つものの、そ
のシェアを他国企業に奪われている状況にあり、このことが日系企業全体の低成長の一
因にあると考えられる。
今回の分析においては、APAC 地域の中に日本も含まれているが、日本での売上規模
が大きいと想定される日系企業においては、このことが数値を歪めている可能性も考え
られる。そこで、日系企業が APAC 市場において低成長となっている要因を分析するた
め、
「日本と日本以外の APAC 地域での売上比率」を確認し、その上で、
「日本と日本以
外の APAC 地域での売上高成長性」を確認した。
まず、
「日本と日本以外の APAC 地域での売上比率」
であるが、
日本と日本以外の APAC
地域のそれぞれのセグメント情報を公開している企業を対象として分析したところ、日
系企業は、売上高のおよそ 67%を日本市場で上げており、この割合は他国企業の 3-5 倍
にのぼっていることが分かった。
そして、同じ企業群を用いて、
「日本と日本以外の APAC 地域での売上高成長性」を
確認すると、日系企業の売上高年平均成長率(日本市場 1.8%、日本以外の APAC 市場
7.2%)は、米系(日本市場 8.3%、日本以外の APAC 市場 14.5%)
、欧州系(日本市場
4.7%、日本以外の APAC 市場 16.3%)
、アジア系(日本市場 7.3%、日本以外の APAC
市場 16.4%)のいずれと比較しても半分以下に留まっていることが分かった。
ここで参考までに、APAC 地域の名目 GDP の成長率に目を向けてみると、アジア大
洋州地域全体の名目 GDP の年平均成長率が 9.76%(2006-2013 年。以下同様)にのぼ
るのに対し、日本の名目 GDP 年平均成長率は 1.69%に留まっている。
グローバル企業の海外展開およびリスク管理手法にかかる調査・分析
12
これらを勘案すると、日系企業は市場自体の成長性が低い日本での売上割合が高いこ
とに加え、日本および日本以外の APAC 市場の成長性でも他の企業群に劣後しており、
これらのことが、日系企業が低成長・低収益に陥っている一因と考えられる。
(3)日系企業における R&D 投資の状況(資料編 p. 18, 19)
前節で述べたとおり、日系企業の R&D 投資額は、米系企業・欧州系企業と比べて小
さく、R&D 投資額 1 ドル当たりの営業利益は最も低くなっている。R&D 投資は、企業
の成長性や収益性に大きく関係すると考えられるため、このことが日系企業全体の低成
長・低収益の一因である可能性がある
R&D 投資額そのものの大小はこれ以上の分析を行うことが難しいが、なぜ、日系企業
の「R&D 投資額 1 ドル当たりの営業利益」が低くなっているのであろうか。R&D 投資
の傾向は事業セグメントにより大きく異なるため、まずは、事業セグメントごとの R&D
投資 1 ドルあたりの営業利益の傾向を確認したが、
「原材料(7.23 ドル)
」および「生活
必需品(9.07 ドル)
」が圧倒的に大きく、一方で、
「一般消費財(1.26 ドル)」、「テクノ
ロジー(1.41 ドル)
」
、
「ヘルスケア(1.63 ドル)
」
、「工業(2.16 ドル)」では小さくなっ
ていた。
これに対し、日系企業全体の業種構成を営業利益の構成比で確認すると、日系企業は、
R&D 投資 1 ドルあたりの営業利益が高い事業セグメントである「原材料」および「生活
必需品」が占める割合は 16%(2013 年度)で今回の企業群の中で最も低く、米系(25%)
、
欧州系(41%)
、アジア系(46%)と比較すると大きな差があった。一方、R&D 投資 1
ドルあたりの営業利益が低い事業セグメントである「一般消費財」で日系企業全体の営
業利益の約半分を得ていた。
これらを踏まえると、売上高比では劣後する R&D 投資が、R&D 投資に対する営業利
益が低い事業セグメントに投入されていると言え、日系企業全体が低成長・低収益とな
っている一因ではないかと考えられる。
また、前述のとおり、日系企業は、多角化度の高い企業における成長性・収益性が低
いが、R&D の観点からも多角化度の高い企業と低い企業を比較してみた。多角化度の上
位と下位 50%の基準でそれぞれの企業群を分類して、R&D 投資 1 ドルあたり営業利益
を見てみたが、日系企業では多角化度上位企業で 0.97 ドル、下位企業 1.51 ドルと約 1.5
倍の差が出ていた。
これに対し、他の企業群では多角化度の高低により売上高営業利益率には差があるに
もかかわらず、R&D 投資 1 ドルあたり営業利益の差は最大でも欧州系企業の 1.08 倍で
あり、大きな差異は見られなかった。このことから、多角化度の高い日系企業では複数
の事業に R&D 投資が分散し、有効な投資が行えていない状況にあることが想定され、
これもまた、日本企業全体が低成長・低収益に陥っている一因となっているのではない
かと考えられる。
グローバル企業の海外展開およびリスク管理手法にかかる調査・分析
13
3. 海外の主要な多国籍企業の立地選択動向
本章では、日本への海外多国籍企業の拠点誘致を念頭に、海外の主要な多国籍企業
における機能別の拠点設置状況や考え方、拠点設置国としての日本に対する見方を調
査し、それらをもとに、日本への拠点誘致の方向性を考察する。
3.1. 調査内容
海外の主要な多国籍企業の立地選択動向を把握するため、デスクトップリサーチ、
ヒアリング調査、アンケート調査を実施した。
(1)デスクトップリサーチ
海外の主要な多国籍企業における機能別の拠点配置状況を把握することを目的とし
て、各企業のウェブサイト8から国ごとの機能別拠点数を調査した。調査対象とした業
界・企業、調査にあたっての機能の分類、拠点数のカウント方法は以下のとおりである。
① 調査対象業界・企業(資料編 p. 2)
「総合電機業界(重電中心系企業)」
「総合電機業界(家電中心系企業)
」
「消費財」
「自
動車業界」
「化学業界」
「ハイテク業界」
「製薬業界」の 7 つの業界において、海外の主
要な多国籍企業 54 社9を対象とした。
② 機能の分類
「地域統括機能」
「マーケティング機能」
「R&D 機能」
「調達・購買機能」
「生産機能」
「物流機能」
「販売機能」
「アフターサービス機能」
「バックオフィス・IT インフラ機能」
の 9 つの機能に分類した。
③ 拠点数のカウント方法
機能別の拠点数を国ごとにカウントしているが、ある機能について、一つの国に複数
の拠点を設置している場合、拠点の数を確認できれば拠点数の合計をカウントし、拠点
の数は確認できないが、調査対象の機能を設置していることが確認できれば、1 拠点と
カウントしている。
8
グループ本社のウェブサイトを調査対象とし、グループ会社・各国のウェブサイトは調
査対象としていない。なお、自動車業界については、ウェブサイト以外にも、二次資料お
よび最新の各社ニュースリリースを一部調査している。
9 各地域における売上高の大きい企業を中心に、情報公開の程度などを勘案して選定。具
体的な企業は資料編 p. 2 を参照のこと。
グローバル企業の海外展開およびリスク管理手法にかかる調査・分析
14
(2)ヒアリング調査
機能ごとの拠点配置の基本的な考え方、拠点設置にあたって重視している要素、拠点
設置国としての日本に対する見方を確認することを目的とし、海外の多国籍企業に対し、
合計 10 社程度のヒアリング調査を、平成 27 年 2 月から平成 27 年 3 月にかけて実施し
た。
(3)アンケート調査
拠点設置国としての日本に対する見方や日本への拠点誘致の方向性を確認することを
目的とし、海外の主要な多国籍企業の日本法人における最高財務責任者(CFO)クラス
に対し、簡易的なアンケートを実施した。アンケート項目10は以下のとおりで、20 名(19
社)11からの回答を得た。

問 1:ビジネス拠点としての日本の魅力

問 2:日本におけるビジネス拡大の理由

問 3:日本へのアジア地域統括拠点の設置に対しての考え方
3.2. 海外の主要な多国籍企業における拠点設置状況や考え方
海外の主要な多国籍企業における拠点設置について、デスクトップリサーチによっ
て得られた現在の設置状況やヒアリング調査で確認された基本的な考え方は以下の
とおりである。
なお、デスクトップリサーチにおいては、3.1 で掲げた機能のうち、地域統括・R&D・
生産機能以外の情報はほとんど得られなかったため、ここでは、
「地域統括機能」
「R&D
機能および生産機能」についての調査結果12を中心に報告する。また、地域統括機能
については、アンケートでも拠点設置の状況や今後の方針を確認しているため、その
点も記載する。
(1)地域統括機能の拠点設置状況・考え方(資料編 p. 3, 4)
地域統括機能の拠点設置状況は、APAC 地域においてはシンガポール、Americas
地域では米国、EMEA 地域では UAE、スイス、ドイツ、オランダに設置されるケー
「4. 日本および海外の主要な多国籍企業のリスク管理手法」の関連項目として、問 4
「リスクマネジメント部門の管理対象範囲」についての質問項目も設置している。また、4
章のリスク管理手法に関するアンケートと同様、郵送によるアンケートも実施したが、回
答数が非常に限定的であったため、分析においては言及しない
11 1 社のみ 2 名から回答を得ており、その内容が相互に異なっていたため、それぞれ個
別に算入している
12 地域統括機能は 54 社中 14 社、R&D は 54 社中 52 社、生産機能は 54 社中 37 社の情
報が得られた。なお、販売機能についても、54 社中 19 社から情報が得られたが、特段の傾
向がなかったため記載は行わない。
10
グローバル企業の海外展開およびリスク管理手法にかかる調査・分析
15
スが多かった。
なお、アンケートで「日本へのアジア地域統括拠点の設置」について確認したとこ
ろ、19 社中 17 社が「日本にアジアの地域統括拠点を設置していない」、または、
「今
後、日本にアジアの地域統括拠点を設置する計画はない」という回答であった。
また、地域統括機能の拠点設置に関する考え方について、ヒアリング調査では、以
下のようなコメントが寄せられた。

地域統括機能は、コーポレートファンクションの出先機関という位置づけであり、
ファンクションごとに設置場所は異なる(例えば、APAC 地域の地域統括機能とし
て、人事ファンクションは日本に設置されている。なお、基本的に地域統括機能は
地理的な要因で設置されていることが多い。国ごとの拠点では事業運営に不安があ
る地域に対し、経営指導を実施するのが基本的なミッションであり、本社と独立し
た意思決定ができるわけではない)

地域統括機能として特定の拠点(リーガルエンティティ)は設置しておらず、ファ
ンクションごとに、リージョン内の複数国を統一して指揮・管理する機能が存在す
る(例えば、人事ファンクションについて言えば、日本にリージョンの統括者がお
り、東アジア・日本・韓国を統一的にマネジメントしている)

地域統括機能は存在する。ただし、それは組織やリーガルエンティティにより規定
されるというよりは、人に付随している(各機能の地域の統括者が勤務するオフィ
スが、その機能における地域統括拠点としての役割を持っている)
(2)R&D 機能および生産機能の拠点設置状況・考え方
R&D 機能および生産機能の拠点設置についての業界ごとの調査結果は以下のとお
りである。
① 総合電機業界(重電中心系企業)(資料編 p. 5, 6)
R&D 機能は、
「米国」
「ドイツ」
「スペイン」に拠点が設置されているケースが多か
った。また、生産機能は、
「米国」「フランス」「英国」「中国」に拠点が設置されてい
るケースが多かった。
② 総合電機業界(家電中心系企業)(資料編 p. 7, 8)
R&D 機能は、「韓国」「米国」「中国」に拠点が設置されているケースが多かった。
また、生産拠点は、
「中国」に拠点が集中しており、
「韓国」が続いている。
③ 一般消費財業界(資料編 p. 9, 10)
R&D 機能は、「米国」に拠点が集中しており、「イギリス」「ドイツ」「中国」が続
グローバル企業の海外展開およびリスク管理手法にかかる調査・分析
16
いている。また、生産機能は、「米国」に拠点が集中しており、「中国」「メキシコ」
が続いている。
④ 自動車業界(資料編 p. 11, 12)
R&D 機能は、
「ドイツ」
「米国」
「中国」に拠点が設置されているケースが多かった。
また、生産機能は、「米国」「中国」「ドイツ」に拠点が設置されているケースが多か
った。
⑤ 化学業界(資料編 p. 13, 14)
R&D 機能は、
「米国」に拠点が集中しており、
「中国」
「ドイツ」が続いている。ま
た、生産機能は、
「米国」に拠点が集中しており、
「中国」
「ドイツ」が続いている。
⑥ ハイテク業界(資料編 p. 15, 16)
R&D 機能は、「米国」に拠点が集中しており、「インド」「イスラエル」「中国」が
続いている。また、生産機能は、「中国」に拠点が集中しており、
「米国」が続いてい
る。
⑦ 製薬業界(資料編 p. 17, 18)
R&D 機能は、「米国」に拠点が集中しており、「英国」「スイス」「フランス」等が
続いている。また、生産機能は、
「米国」に拠点が集中しており、
「フランス」
「英国」
が続いている。
なお、サンプル数が少ない中での調査となるが、業界ごとに R&D 機能および生産
機能の日本への拠点設置状況を比較すると、「化学業界」「ハイテク業界」「自動車業
界」で、海外企業の拠点が比較的多く設置されていた。とはいえ、米国・中国・ドイ
ツなどと比べると拠点の設置数は少なかった。(資料編 p. 19)
また、R&D 機能および生産機能の拠点設置に関する考え方について、ヒアリング
調査では、以下のようなコメントが寄せられた。
(R&D 機能)

R&D 機能は、コア部分の開発は本国に集約しており、ローカライズをするため、
リージョンごとに R&D 拠点を設置している。リージョンごとの R&D 拠点設置国
を決めるに当たっては、人材の豊富さと質(教育の充実度)を最も重視している

R&D 機能は、技術本部が全体を統括している。事業を展開しているほとんどの国
に応用研究所を設置し、売上規模の大きな市場にはさらに基礎研究所を設置してい
グローバル企業の海外展開およびリスク管理手法にかかる調査・分析
17
る
R&D 機能は、人材、コスト、言語を特に重視しており、インドに集約している(ア

カデミックな経験を持っている人材を安く、豊富に雇用できることを重視)
(生産機能)

生産機能は、原則として販売国で生産を行う地産地消型である。労務費がかかる
製品については中国に生産を集約するなど、一部には例外的に国外生産を行うケ
ースも見受けられる

生産機能は、組み立てなど低付加価値なものはすべて外部企業に委託し、コア部
品生産を行う自社工場は集約している
(3)その他の機能に関する拠点設置状況・考え方
「地域統括」「R&D 機能」「生産機能」の他、ヒアリング調査では、以下の機能に
ついて、拠点設置の考え方に関する声が寄せられた。
(マーケティング機能)

マーケティング機能は、グローバル本社のマーケティングチームがブランドコン
セプトを定め、各リージョンに設置されたチームが具体的なプロモーションの方
針について決定する

マーケティング機能は、各製品に関するマーケティングとコーポレートマーケテ
ィングで担当が異なる。製品別のマーケティングは事業部に設置され、企業ブラ
ンドについては本社に設置されている
(調達・購買機能)

一部には集中購買を行っているケースがあるが、原則として国別に設置している

調達機能は本社にヘッドを置き、各地のエンティティに担当部署を設置している。
グローバルで共通化可能なものについては共通化している(例えば、派遣会社や
備品の調達先についても、グローバルからの指示で調達先が決定される)
(物流機能)

物流機能は、原則として国ごとに設置しているが、主に東南アジア諸国での物流
拠点としてシンガポールを物流ハブとしている
(バックオフィス・IT サービス機能)
グローバル企業の海外展開およびリスク管理手法にかかる調査・分析
18

バックオフィス・間接部門業務は、アウトソースも併せ、タイムゾーンを考慮し
て複数の拠点に集約し、24 時間グローバルで途切れないオペレーションを可能に
している

経理等のシェアードサービスは、英語およびグローバルで統一して利用するサー
ビスはインドに、日本語・韓国語・中国語圏のみで利用するサービスは中国に集
約している

IT 機能は、本部機能を本国に、オペレーションセンターをリージョンごとに設置
している

間接部門の拠点設置に当たっては、税務面での優遇は重要視しておらず、人材の
質、人件費、大きな市場との近接性が重要である

IT インフラは現在では新興国を含めても国ごとに大きな差はないという認識で
あり、拠点設置の基準として重視していない

バックオフィス機能はコストを最重視している
3.3. 海外の多国籍企業の日本に対する見方
海外の多国籍企業の日本に対する見方として、アンケートやヒアリング調査を通じ
て得られた結果は以下のとおりである。
なお、アンケートでは、日本に対する見方として、①市場の将来性、②参入規制の
厳しさ、③技術力(研究開発力、製造技術等)、④規制の度合い、⑤人材の質、⑥多
言語による公共サービスの提供、⑦各種コスト、⑧優遇措置の充実度、についての 4
段階の評価を確認しており、ここでは、アンケート結果を踏まえて、「ポジティブに
評価されている点」と「ネガティブに評価されている点」に分けて整理13している。
(1)ポジティブに評価されている点
「技術力」
(平均値 3.4)や「人材の質(平均値 3.1)」、
「産業集積の度合い(3.0)
」
については、ポジティブな見方が多かった。また、
「市場の将来性(平均値 2.7)」に
ついても、比較的、ポジティブな見方が見られた。
これらの項目に関連して、ヒアリング調査においては、以下のような声が寄せられ
た。
(技術力・産業集積の度合い)

高い技術力を持つ顧客が多く、また産業集積の度合いも高いと認識しており、今
平均値が 2.5 点を超えるものをポジティブに評価されている点、平均値が 2.5 点未満
のものをネガティブに評価されている点としている。「参入規制の厳しさ」については、平
均値が 2.5 点であったが、ポジティブに評価されている点に含めている。
13
グローバル企業の海外展開およびリスク管理手法にかかる調査・分析
19
後も日系企業とコラボレーションを進めていきたい

顧客の要求が厳しく、日本でスペックインが出来れば、世界中で通用する製品が
開発できる

技術力の高さは非常に肯定的に捉えている
(市場の将来性)

市場の将来性は、少子高齢化を考慮してなお魅力的な規模であり、一人当たりの
製品購入額も大きい。今後 20-30 年は魅力的であり続けると認識している

日本企業のグローバル化はまだこれからという段階であると認識しており、それ
をサポートする IT などのビジネスは今後も成長余地は大きいとみている

高齢化社会などの社会課題については先進市場であると認識している。ただし、
日本語の特殊性もあり、英語でのサービス展開が困難であることから、実際に日
本で集めた知見を利用できるケースは限定的になるのではないか
また、「
「食」に関する分野では、高齢者向けの食品などを含めて、日本で蓄積した
知見を世界に展開することが可能である」といった声も寄せられた。
なお、「参入規制の厳しさ」については、アンケートにおいては、ポジティブ・ネ
ガティブのどちらとも言えない結果であったが、ヒアリング調査においては、「参入
規制の厳しさについては、以前はやや厳しいとみていたが、現在ではそれほど厳しく
ない」といった見方や「規制そのものは厳しくない」といった声が寄せられた。
(2)ネガティブに評価されている点
「規制の度合い(平均値 2.0)」「多言語による公共サービスの提供(平均値 1.9)」
「各種コスト(平均値 1.9)
」
「優遇措置の充実度(平均値 2.0)」については、ネガテ
ィブな見方が多かった。
これらの項目に関連して、ヒアリング調査においては、以下のような声が寄せされ
た。
(規制の度合い)

規制の度合いについては、他国と比べ非常に厳しいと認識している。海外で開発
した製品を日本に展開したり、日本で開発した製品を横展開したりするのが難し
いと認識している
(多言語による公共サービスの提供)

多言語による公共サービスの提供は英語によるサービスが充実していれば良いと
グローバル企業の海外展開およびリスク管理手法にかかる調査・分析
20
言う認識であり、その点で昨今改善されているという認識を持っている
(各種コスト)

コストは他国と比べやや高いが、円安により状況は大幅に改善しており、かつて
ほど高いという印象はない

各種のコストは高いが、他の先進国や中国等と比較すると突出して高くは無いと
いう認識である(例えば、新卒の人件費は割高であるものの、管理職クラスは中
国のほうが高い場合もある)
(優遇措置の充実度)

優遇措置は講じられているが、各種コストやデメリットを相殺するほどには充実
していない(例えば、研究開発特区で優遇が行なわれた場合でも、国内の研究者
はグローバル対応するための語学力等が不十分であり、メンバーを集めるのが困
難。一方で優遇措置のみでは研究者を海外から集めるコストを相殺できない)
なお、ポジティブに評価されている点として挙げた「人材の質」については、「英
語力が低く、主張や議論が苦手なマインドセットを含めて大いに問題があるという認
識であり、ローカルスタッフとしては問題ないが、グローバルの基準で評価できるの
は一握りという印象である」といった声も寄せられた。
また、上記の項目以外にも、「日本市場は、顧客の品質要求が高すぎるため、新商
品などのテストマーケットとすることに本社が消極的になっている」といった指摘も
あった。
3.4. 日本への拠点誘致の方向性
ここまでの調査の中で明らかになった、
「化学業界や自動車業界における海外企業の
R&D 拠点が日本に一定数あること」
「日本における市場の成長性や技術力の高さなどは
ポジティブに評価されている面もあること」「グローバルに展開するビジネスの中で高
齢化などの日本の状況をうまく活用しているケースがあること」などを勘案すると、海
外企業に対して日本への拠点誘致を行う方向性としては、大きく「市場としての魅力」、
「R&D(マーケティング)拠点としての魅力」を訴求していくことが想定される。
ここからは、
「市場としての魅力」および「R&D(マーケティング)拠点としての魅
力」に関して、前節までの調査やアンケート結果などを参考にしながら、拠点誘致の方
向性を考察する。なお、
「市場としての魅力」および「R&D(マーケティング)拠点と
しての魅力」以外の観点についても、最後に補足的な考察を行っている。
グローバル企業の海外展開およびリスク管理手法にかかる調査・分析
21
(1)市場としての魅力
市場としての魅力としては、3.3 で述べたとおり、「少子高齢化が進行中とは言え、
依然として所得水準が高いこと」や「IT インフラなど、特定のセグメントで、売上を
伸ばす余地があること」が魅力となっていることが想定される。
実際、アンケートにおいては、
「日本におけるビジネス拡大の理由」として、20 名中
6 名から「日本でも拡大を続けている事業分野における市場シェアの獲得」という回答
を得ている。もちろん、回答が多いとは言えないが、日本への拠点誘致においては、依
然として大きな市場であることや成長可能性を秘めている事業領域があることを訴求
していく方向性が考えられる。
なお、政策の立案においては、海外企業の誘致は日本市場の競争を激化させ、市場を
疲弊される恐れがある点に留意が必要と考えられる。
(2)R&D(マーケティング)拠点としての魅力
R&D(マーケティング)拠点としての魅力に関連して、3.3 で述べたとおり、「高い
技術力」や「産業集積の度合い」
、
「人材の質」が挙げられ、また「高齢化問題を中心に、
日本を課題先進国と捉え、その点を活かして新しい技術や製品・サービスを開発しよう
としている」といった声が寄せられた。
これらのことを踏まえると、R&D(マーケティング)拠点としての魅力を訴求して
いく方向性として、
「①既存の産業集積・知的集積を活かした拠点誘致」、
「②「課題先
進国」であることを活かした拠点誘致」が考えられる。
実際、これらの方向性を踏まえ、公開情報をもとに事例を調査したところ、複数の事
例が確認された。例えば、
「①既存の産業集積・知的集積を活かした拠点誘致」では、
高い技術力を持つ日本企業とオープンイノベーションも含めた協業関係を築き製品開
発に取り組む欧州系の化学企業や日本企業から早期退職をした高い専門性を持つ技術
者を求めて日本に拠点を設置したアジア系の電気機器企業などがあった。
「②「課題先進国」であることを活かした拠点誘致」では、世界に先駆けて高齢化問
題に直面している日本の環境を活かし、ヘルスケア分野の研究開発拠点を設置した米系
企業や高齢者向けの食品やマーケティング開発を行っている欧州系企業の事例があっ
た。
また、3.3 で言及した「顧客の要求が厳しく、日本でスペックインが出来れば、世界
中で通用する製品が開発できる」といった声を踏まえると、「③「厳しい顧客の目」を
活かしたテスト市場としての拠点誘致」についても、日本の魅力を訴求する方向性とし
て有効である可能性がある。ヒアリング調査においては、「日本市場の顧客は品質要求
が厳しすぎる」といった指摘もあったが、事例調査では、世界的な企業が日本に複数存
在する自動車業界において、厳しいスペック要求に耐えうる部品を開発し、大手自動車
グローバル企業の海外展開およびリスク管理手法にかかる調査・分析
22
メーカーへの展開を始めている欧州系の半導体企業や厳しい日本の消費者をいかに満
足させるかという観点で研究開発を進めている欧州系の消費財企業の例などが挙がっ
た。
なお、(1)でも言及した日本におけるビジネス拡大の理由を問うアンケートでは、
20 名中 7 名が「既存産業・知的集積の活用」や「「課題先進国」である日本において社
会課題を解決し得る製品・サービスに関する研究開発を実施」という選択肢を選択し、
「
「厳しい顧客の目」を持つ消費者が多い日本を「テストマーケティング」の場として
活用」という選択肢は 20 名中 4 名が選択した。
もちろん、
(1)と同様に必ずしも回答が多いとはいえないが、一定の回答が得られて
いることも事実であり、日本への拠点誘致においては、前述で掲げた 3 つの観点を訴求
していく方向性が考えられる。
なお、政策の立案においては、あたかも日本を「実験場」のように活用され、結局は
日本での雇用は生まれない、税金収入も得られない、日本企業の競争力を阻害するとい
ったことにならないよう、雇用の促進や日本に対する投資資金の流入など、目的や対象
企業像を明確化した上で検討を進める必要があると考えられる。
(3)その他
その他の観点として、事例調査を通じて、豊富な水資源を活かし、「水危機」以後を
見越して生産拠点を誘致する、という方向性を考察した。
製造業、特に、医薬品や飲料などの製造業においては、水資源は非常に重要な拠点設
置のファクターとなる。World Business Council for Sustainable Development が発
信している「The Global Water Tool」によれば、将来的に様々な地域での水資源リス
クが深刻化することが予測されているが、日本は将来にわたって豊富な水資源を保有し
ている可能性がある。
事例調査においては、日本の綺麗で豊富な水資源を求めて生産拠点を設置した米系の
医療機器メーカーの事例が確認された。中長期的な観点とはなるが、「豊富な水資源を
活かし、
「水危機」以後を見越した拠点誘致」の方向性をその他の観点として書き添え
ておく14。
3.4 の(1)および(2)で言及したアンケートでの回答では、20 名中 1 名が「水資源
などの豊富な資源の活用」を日本におけるビジネス拡大の理由として選択している
14
グローバル企業の海外展開およびリスク管理手法にかかる調査・分析
23
4. 日本および海外の主要な多国籍企業のリスク管理手法
本章では、日本および海外の主要な多国籍企業におけるリスクマネジメント部門の体
制、重視しているリスク、地政学リスクへの対処方法などのリスク管理手法を調査し、
それらをもとに、日本企業におけるリスク管理強化の方向性を考察する。
4.1. 調査内容
日本および海外の主要な多国籍企業のリスク管理手法の現状を把握するため、アンケ
ートおよびヒアリング調査を実施した。
(1)アンケート調査(資料編 p. 3, 4)
アンケート調査は以下の要領で実施した。なお、海外企業からは十分な回答数が得ら
れなかったため、別途、簡易的なアンケート調査15を行った。

対象:

日本企業は、日経平均株価に採用されている企業のうち、海外売上高比率が
20%以上の企業、136 社を選択した

海外企業は、最終親会社16が海外に所在し、日本に法人がある企業のうち、
日本法人の売上高上位の企業、150 社を選択した

実施形式:郵送によるアンケート形式

集計状況:平成 26 年 1 月 20 日に発送。2 月 28 日到着分までの集計

回収結果:日本企業 31.6%(回答数:43)
、海外企業 7.3%(11 社)

アンケート項目17:

リスクマネジメントの体制について

重視しているリスクと今後の変化について

ビジネスの拡大にあたってのリスクマネジメントについて

事業運営にあたってのリスクマネジメントについて

地政学リスクへの対処方法について
(2)ヒアリング調査
海外の多国籍企業におけるリスクマネジメントの体制や重視しているリスク項目等の
詳細を確認することを目的とし、合計 10 社程度のヒアリング調査を、平成 27 年 2 月か
ら平成 27 年 3 月にかけて実施した。
15
簡易的なアンケートの内容は、3.1 を参照のこと
議決権付き株式保有比率 50%超を保有する企業を親会社とし、その関係が成立する最終
的な親会社を「最終親会社」と定義。また、日本で創業後、海外企業と合併/買収された
企業は除く
17 アンケート本編は参考資料 4 に別添
16
グローバル企業の海外展開およびリスク管理手法にかかる調査・分析
24
4.2. 日本の主要な多国籍企業におけるリスク管理手法
アンケート結果は以下のとおり。「リスクマネジメントの体制」「事業運営にあたって
のリスクマネジメント」
「地政学リスクへの対処方法」は寄せられた課題点についても記
載している。
(1)リスクマネジメントの体制について(資料編 p. 8, 11, 13, 15, 17, 19, 21, 22)
リスクマネジメント部門18が対応しているリスクとして、幅広いリスク項目が回答さ
れているが、特に「自然災害リスク」
「法務・倫理リスク」の回答が多かった。また、
リスクマネジメント部門が設置されている組織としては「本社・地域統括会社・各子会
社」
「本社のみ」という回答が多かった。なお、CRO(Chief Risk Officer)を設置して
いる企業は半数程度であった。
リスクマネジメントが実効性を持つ範囲19としては、日本の拠点は「小規模子会社を
含めて管理」という回答が多かったが、海外の拠点や M&A で取得した子会社は「小規
模子会社を含めて管理」という回答は少なかった。
なお、リスクマネジメントの体制に関する課題として、以下のようなコメントが挙げ
られた。
(機能・体制の強化等に関する課題)

管理すべきリスクが変化しているが、対応が追いついていない

事業のグローバル化により、海外拠点が急増している中、各拠点でのリスクマネ
ジメント状況のタイムリーな掌握が難しい

各部門の PDCA を補助する助言・教育機能が弱く、結果的に各部門の PDCA も
弱体化している
(他部門等との役割分担に関する課題)

各リスクに対する主管部門を明確にし、合意を得ること。対策の運用状況を確認
する部門を明確にすること

事業の掌握する個別の事業リスクに、リスクマネジメント部門としてどこまで踏
み込むべきか。
(単一事業でないため、個々の事業の専門性も高くハードルも高い)

複数にまたがった関係部門・委員会組織、それぞれの近接分野での権限・責任の
明確化
18
今回のアンケートでは、リスクマネジメント部門を定義していないため、各社における
リスクマネジメント部門の解釈は異なる可能性がある。
19 今回のアンケートでは、
「リスクマネジメント部門が実効性を持って管理できている範囲」
として質問している。
グローバル企業の海外展開およびリスク管理手法にかかる調査・分析
25

海外法人の独立性を維持することと、グループとして統一的な管理を行うことの
両立

現在は、コンプライアンスリスクを中心としている。その他のリスクについては、
各担当部門が管理している。一元的なリスク管理体制の構築を検討している
(リスクの評価・個別リスク等に関する課題)

リスクマネジメント活動における費用対効果の明確化(リスクの数値化)

リスク管理の体系化・保有リスクの考え方

国際カルテルや海外腐敗行為防止法等への対応

事業ポートフォリオ最適化に資する投資入替規準ルールの設定、運用
(リスクに対する意識等に関する課題)

社内での意識の低さ

リスクマネジメントに関する啓蒙、社内教育

活動内容が多くの社員に見えづらく、支援を受けづらい。

リスクカルチャーの醸成、深化に資するフレームワークの構築
(その他)

マネジメントの実効性の向上(形骸化の防止)

情報過多・人材育成

経営管理との更なる融合

リスクマネジメントの専門家が少なく、知識・経験・スキルの向上が課題
(2)重視しているリスクと今後の変化について(資料編 p. 24, 26)
現在、ビジネスを行っていく上で重視しているリスク項目としては「自然災害リスク」
「法務・倫理リスク」「製品・技術の安全や品質等に関するリスク」が上位 3 項目であ
った。
また、将来的に重視するリスク項目としては「自然災害リスク」
「情報・システム関
連のリスク」
「法務・倫理リスク」が上位 3 項目であった。
(3)ビジネスの拡大にあたってのリスクマネジメントについて
(資料編 p. 30, 33, 35, 37)
ビジネスの拡大にあたって重視しているリスク項目としては「市場規模」
「販売シェ
ア・価格の下振れ」
「政情・経済不安」
「制度・法令の変更」の回答が多かった。収益目
標(ハードルレート)の設定方法の考え方については、国内では「資本コストをベース
グローバル企業の海外展開およびリスク管理手法にかかる調査・分析
26
に収益目標(ハードルレート)を設定している」と回答した企業の割合が高かった。海
外でも「資本コストをベースに収益目標(ハードルレート)を設定している」と回答し
た企業の割合が高いものの、国内における収益目標の設定方法の考え方と比較すると、
「資本コストにカントリーリスクを加味して収益目標(ハードルレート)を設定する」
と回答した企業が増加していた。
(4)事業運営にあたってのリスクマネジメントについて
(資料編 p. 40, 42, 44, 46, 48, 50, 52, 54, 57-59, 60, 62-64)
為替リスクおよび金利リスクは「主要な部分はヘッジしている」という回答が多く、
コモディティリスクは「主要な部分をヘッジしている」という回答と「ヘッジしていな
い」という回答に分かれた。
オペレーショナルリスクの中で重視している項目としては、
「情報の漏洩」
「瑕疵」
「製
造物責任(PL)
」の回答が多かった。
オペレーショナルリスクや自然災害リスクに関する対応方針・規程や事業継続計画等
の整備・教育・訓練などは、国内の拠点では「小規模子会社を含めて実施」という回答
が一定数見られたが、海外の拠点や M&A 等で取得した子会社に関しては「実施してい
ない」
「主要な子会社を含めて実施」という回答が多く、「小規模子会社を含めて実施」
という回答は少なかった。
なお、事業運営にあたってのリスクマネジメントについての課題として、以下のよう
な回答が挙げられた。
(為替・金利・コモディティリスクに関する課題)

為替リスクヘッジ手法の高度化
(オペレーショナルリスクに関する課題)

グループ企業の業種・業態が多岐にわたることもあり、オペレーショナルリスク
低減に向けたグループ企業への IT システム導入を効果的に進めることが課題

国内外ではリスクに対する感度に差があり、レベル統一が難しい

法令変更(個人情報保護法の改正、他)の対応と、社内周知

書類改ざんシステムへの誤入力

ルール運用の為の教育、訓練、監査を担当する組織が明確になっていないこと
(自然災害リスクに関する課題)

地震、台風等、想定すべき規模も大きくなっており、さらにレベル UP した対策
を進めなくてはならない
グローバル企業の海外展開およびリスク管理手法にかかる調査・分析
27

平時の準備レベルの向上と具体的な対応計画のアップデート

事業継続計画のグループ展開と、本社がダメージを受けた時の子会社の対応

事業継続計画の取り組みが国内にとどまり、海外での取り組みが遅れていること

主として、日本における大規模災害発生時の対応力強化(本社機能の維持(代替
本社検討を含む)
、地域間連携・支援の強化他)

自然災害が発生した際においても、社会インフラとしての機能が維持できる体制
の強化

いつ発生するかわからない自然災害リスクに対して、どれだけ投資してよいかわ
からないこと
(5)地政学リスクへの対処方法について
(資料編 p. 66, 69, 71, 73, 75, 77, 79, 81, 83)
地政学リスクの中で重視している内容としては「中国と周辺国の関係悪化」
「イスラ
ム国(ISIS)等イスラム過激派によるテロの拡大」を回答した企業が多かった。
また、地政学リスクに関する情報収集は「新聞等のメディアを通じ情報収集」「地域
統括拠点や現地法人が適宜情報収集」の回答が多かったが、「専門家・機関と契約し、
情報を収集」している回答も一定数あった。
収集情報をもとにしたリスクの分析・評価は「定性的分析による評価を実施」の回答
が多く、収集情報やリスクに関する評価結果は「経営陣・リスクマネジメント部門のみ
で共有」という回答が多かった。
さらに、地政学リスクが顕在化した場合の対応準備としては「リスクが発生した国内
のオフサイトで事業が継続できる計画・体制を構築」という回答が多かったが、その実
践的な訓練を実施しているという回答は少なかった。
なお、地政学リスクへの対処方法についての課題として、以下のような回答が挙げら
れた。

企業レベルで対応できることが限定される中、何に重点投入すべきか判断が困難

海外の日本人駐在員、出張者の対策は進めているが、それらを包括した事業継続
レベルとなるとリソースの問題で取り組めていない

3 年程度の頻度で海外法人のトップ(日本人出向者)が交代になっても、現地での
リスクマネジメントのレベルが維持できるよう、一層の標準化が求められる

現地法人には日本人だけでなく現地の従業員もいる中で日本人だけを特別扱いす
ることに対する矛盾
4.3. 日本の主要な多国籍企業における海外売上高比率の違いによる
リスク管理手法の比較
海外展開の度合いにより、リスク管理手法がどのように異なるかを分析するため、
グローバル企業の海外展開およびリスク管理手法にかかる調査・分析
28
「海外売上高比率が高い企業」と「海外売上高が低い企業」の比較を実施した。
比較にあたっては、アンケート回答企業(43 社)について、海外売上高比率の上位
22 社を「海外売上高比率が高い企業」と定義し、下位 21 社を「海外売上高比率が低い
企業」と定義している20。また、アンケート数が限定的であるため、それぞれの企業群
に含まれる業種傾向が回答に影響することが想定される点に留意が必要である21。なお、
以下においては、海外売上高比率が高い企業(または低い企業)の回答が多かった箇
所など、傾向に違いが見られた部分のみを記載している。
(1)リスクマネジメントの体制について(資料編 p. 9, 12, 14, 15, 16, 18, 20)
リスクマネジメント部門が対応しているリスク項目として、全般的には同じような傾
向であったが、海外売上高比率が高い企業の方が「品質」
「制度・法令変更」
「自然災害」
の回答が多かった。
また、リスクマネジメント部門を設置している組織として、全般的に同じような傾向
であったが、海外売上高比率が低い企業の方が、リスクマネジメント部門を本社のみに
設置しているという回答が多かった。
(2)重視しているリスクと今後の変化について(資料編 p. 25, 27)
現在重視しているリスク項目および将来重視するリスク項目として、全般的に同じよ
うな傾向であったが、海外売上高比率が低い企業の方が「コモディティリスク」「地政
学リスク」の回答が多かった。
(3)ビジネスの拡大にあたってのリスクマネジメントについて
(資料編 p. 31, 34, 36, 38)
ビジネスの拡大にあたって重視するリスクとして、全般的に同じような傾向であった
が、海外売上高比率が高い企業の方が、
「代替品」
「住民感情・モラル」の回答が多かっ
た。
また、収益目標(ハードルレート)の設定方法については、基本的には資本コストを
ベースに収益目標を設定している割合が高いが、国内・海外ともに、海外売上高比率が
低い企業の方が「資本コストにカントリーリスクを加味し、さらにバッファーを加えた
収益目標を設定している」という回答が多かった。
本アンケート調査回答企業の海外売上高比率の中央値は 52.2%、平均海外売上高比率は、
海外売上高比率「高」の日系企業で 66.8%、「低」の企業で 38.4%であった。
21 業種別の内訳は、
海外売上高比率「高」の企業:
「工業」7 社、
「テクノロジー」7 社、
「一般消費財」5 社、
「ヘルスケア」2 社、
「原材料」1 社
海外売上高比率「低」の企業:
「工業」7 社、
「原材料」6 社、
「生活必需品」3 社、
「通信」
1 社、
「金融」1 社、
「一般消費財」1 社、
「ヘルスケア」1 社、
「テクノロジー」1 社
20
グローバル企業の海外展開およびリスク管理手法にかかる調査・分析
29
(4)事業運営にあたってのリスクマネジメントについて
(資料編 p. 41, 43, 45, 47, 49, 51, 55)
為替リスクについては、全般的に同じような傾向であったが、海外売上高比率が低い
企業の方が「円・ドル以外のその他の為替変動をモニタリングしている」という回答が
多く、金利リスクについては、海外売上高比率が低い企業の方が「本国および海外の調
達金利をモニタリングしている」という回答が多かった。なお、コモディティリスクに
ついては、海外売上高比率が高い企業の方が「モニタリングを実施していない」という
回答が多かった。
また、オペレーショナルリスクとして重視するリスク項目としては、全般的に同じよ
うな傾向であったが、海外売上高比率が高い企業の方が「製造部門で発生したミス・事
故」の回答が多く、海外売上高比率が低い企業の方が「経理・財務・総務・人事等で発
生したミス・事故」
「コンピューターウィルスの進入」の回答が多かった。
(5)地政学リスクへの対処方法について(資料編 p. 67, 70, 72, 74, 76, 78, 80, 82)
地政学リスクの中で重視している内容として、全般的に同じような傾向であったが、
海外売上高比率が高い企業の方が「欧州の分離・独立運動」の回答が多く、一方で、海
外売上高比率が低い企業の方が「北朝鮮がもたらす影響」の回答が多かった。
また、地政学リスクの情報収集については、海外売上高比率が低い企業の方が、「地
政学リスクの専門家から情報を収集している」という回答が多かった。一方、海外売上
高比率が高い企業の方が、
「新聞等のメディアを通じた情報収集」という回答が多かっ
た。
そして、その情報をもとにしたリスクの分析については、海外売上高比率が低い企業
の方が、
「定性的分析による評価を実施」という回答が多かった。一方、海外売上高比
率が高い企業の方が、
「特に実施していない」という回答が多かった。
さらに、地政学リスクの情報やそのリスクの分析結果の共有については、海外売上高
比率が低い企業の方が、
「海外子会社を含む全拠点・全部門で共有」という回答が多か
った。一方、海外売上高比率が高い企業の方が、「特に実施していない」という回答が
多かった。
なお、地政学リスクへの対応を行っていない理由として、海外売上高比率が高い企業
の方が「リソース(人員、スキル)不足等の理由により、対応したいができていない」
という回答が多かった。一方、海外売上高比率が低い企業の方が「地政学リスクはコン
トロール不可能なリスクであるため、そもそも対応するメリットがない」「商社等の外
部企業が地政学リスクを負担しており、自社での対応の必要がない」という回答が多か
った。
グローバル企業の海外展開およびリスク管理手法にかかる調査・分析
30
4.4. 海外の多国籍企業におけるリスク管理手法
海外の多国籍企業におけるリスク管理手法について、ヒアリング調査によって確認
された内容は以下のとおりである。なお、
「リスクマネジメントの体制」については簡
易的なアンケート結果も記載している(郵送によるアンケートは、回答数が限定的で
あり、特段の傾向が見られなかったため記載を割愛している)。
(1)リスクマネジメントの体制について
リスクマネジメントの体制について、以下のようなコメントが寄せられた。リスクマ
ネジメント部門の考え方やリスク項目ごとの分担については、
「リスクマネジメント部
門を含め、事業部門、人事や財務・経理といった各ファンクションがそれぞれの職掌に
関係するリスクをマネジメントしている」といったコメントが多かった。また、リスク
マネジメントが実効性をもつ範囲としては、
「本国のみならず、海外や M&A 先の小規
模拠点までを対象としている」といったコメントが多かった。
(リスクマネジメント部門の考え方、リスク項目ごとの担当・分担など)

グローバル本社にリスク管理の部署があるが、原則として各ファンクションの担
当者がそれぞれの職掌に関係するリスクをマネジメントする体制となっている。
ファイナンスやビジネスとは別に、リスクマネジメント担当が網羅的にリスクを
マネジメントしようとすると、情報取得の遅れや専門性の不足から、リスクの高
まりなどに気づくことができないため、ビジネスに近い立場で情報に接している
ファンクションがそれぞれのリスクを管理していくのが原則的な考え方である

各リスクの担当としては「ビジネスに関係するリスク」
「売掛金回収等の与信
リスク」はビジネスサイド、「為替変動リスク」「金利上昇リスク」はトレジ
ャリー、
「法務・倫理リスク」
「環境リスク」
「労務人事リスク」は各国の異な
る法律に個別対応する必要があるため、ローカル拠点のリーガルが主体とし
て動き、グローバル本社が全体を統括といった分担になっている

原則として各ファンクションが専門化して、それぞれのリスクを管理している

「ビジネスに関係するリスク」は各ビジネスユニット、
「与信リスク」は財務
と販売が担当といった分担になっている。また、
「業務プロセス上のミスや事
故のリスク」は、グローバルで業務プロセスが標準化され、それぞれのプロ
セスオーナーが担当といった分担になっている。なお、各ファンクションが
管理する情報は、取締役会の Committee に報告され、ここでハイレベルなリ
スク評価が実施されている。また、CRO を設置しており、情報災害リスク、
パンデミックリスク、レピュテーションリスクなど、全社共通で対処せねば
ならないハイレベルなリスクを主に担当している
グローバル企業の海外展開およびリスク管理手法にかかる調査・分析
31

リスクマネジメント専任部署として、グローバルで 10 名程度のチームがある。他
部門に対する助言、投資や事業継続の承認、リスクマネジメント規定の策定、リ
スクアセスメントの実施、教育、リスクモニタリングのすべてを実施している。
実際のリスクマネジメントに関わる業務は、原則として各ファンクションがそれ
ぞれ専門化してリスク管理を分担している。リスクマネジメントには情報収集と
分析に高い専門性が要求されるため、
「リスクマネジメント部」のような単一組織
で全社のリスクをマネージすることは不可能であると認識している

リスクを統合的に把握・管理するような部署は存在しておらず、リスクごとに専
門化したファンクションが管理を行っている。例えば、財務リスクはファイナン
ス、Code of Conduct はリーガルなど、ファンクションごとに専門化してリスク
管理を行っている

各リスクは、それぞれのファンクションがモニターし、アラートを発信するよう
になっており、リスクマネジメント組織といった統括組織は設置されていない。
なお、CRO も選任されていない(例えば、仕入価格が大きく変動した場合にはグ
ローバルのプロキュアメントから速報が発せられ、ローカルは直ちにフォーキャ
ストに反映する)

リスクマネジメントチームが全体をリードしながら、各ファンクションが業務に
関わるリスクを専門的にマネジメントしている。なお、リスクマネジメントチー
ムの役割は、①企業を継続していく上でマネジメントすべきリスクとその所在の
洗い出し、②各ファンクションからの情報の集約、③他のファンクションではカ
バーされないリスクの管理の 3 つである
(統一的なリスクマネジメントの範囲等)

全ローカル拠点に対して、コンプライアンス状況に関するチェックを年に一回行
っている。また、リスクマネジメントのルールは全世界統一であり、M&A 先等
も関係なく、年次トレーニングの一環として行われる

M&A 先については、買収後の PMI プロセスの中で、通常 3 か月から 1 年の期間
をかけて、リスクマネジメントの体制・ルールを浸透させている

全社の行動基準となる考え方をグローバルに浸透させており、同じ行動基準で行
動できるようにしており、海外・M&A 先を問わず、小規模子会社も含めた全社
統一のリスクマネジメントを実施している

M&A 先に対しても、グローバルで共通のリスクポリシーを例外なく適用してい
る

M&A を行った場合、基本的に PMI オフィサー主導により、リスク管理手法も
M&A 先に適用される

リスクマネジメントの対象は連結対象子会社で、グローバルで統一的なポリシー
グローバル企業の海外展開およびリスク管理手法にかかる調査・分析
32
を適用している
なお、簡易的なアンケートにより、リスクマネジメント部門の管理対象範囲について
確認したところ、小規模子会社を含めて管理できている割合は「本国の拠点では 81.8%
(回答数 11 社)
」
「海外の拠点では 76.9%(回答数 13 社)」
「M&A 等で取得した子会社
では 77.8%(回答数 9 社)
」であった。
(その他)

情報収集など、自社にノウハウのない部分については、外部の専門機関を利用す
ることを基本ポリシーとしている
(2)重視しているリスクと今後の変化について
重視しているリスクと今後の変化について、ヒアリング調査では、以下のようなコメ
ントが寄せられた。個別のリスク項目には、特段の傾向は見られないものの、「自社で
はコントロールしづらいもの」
、
「リスクが顕在化したときの影響が大きいもの」を重視
しているコメントが多かった。

現在から将来にかけて、最も重視するリスクはサイバーテロ対策である

現在重視しているリスクは「サイバーテロやシステム誤動作等の情報・システム
関連のリスク」
「差別、安全衛生管理の不備、セクハラ・パワハラ等の労務人事リ
スク」「地震・洪水等の自然災害リスク」「紛争、テロ等地政学リスク」である。
また、将来的には、
「災害リスク」と「地政学リスク」の重要性が高まるという認
識している。他のリスクが比較的コントロール可能であるのに対し、これらのリ
スクはコントロールできないためである

現状、特に重視しているリスクは、SNS 経由の情報リスクである。昨今頻発して
いる SNS 経由の情報拡散リスクは、過去に想定していなかったものであるため特
に注意している(3 年前から他社事例等を勉強する研修等、関係部署を集めた対
策を開始している)

重視しているリスクは法律違反、倫理違反等の法務・倫理リスクと粉飾決算等、
経営者の不正リスクである。法律違反や不正は、発覚した場合にレピュテーショ
ンを大きく損なうものであり、特に厳しく管理している
(3)ビジネスの拡大にあたってのリスクマネジメントについて
ビジネスの拡大にあたってのリスクマネジメントについて、以下のようなコメントが
寄せられた。収益目標(ハードルレート)の設定にあたっては、「全社一律の目標を設
定している」といったコメントが多かった。
グローバル企業の海外展開およびリスク管理手法にかかる調査・分析
33
(ビジネスの拡大にあたっての収益目標(ハードルレート)の設定方法の考え方など)

全社で一律のハードルレートを設定し、適宜継続・撤退の判断を行っている。な
お、業種特性もあるが、ハードルレートは高いと認識している

事業からの撤退判断を決める際には、ハードルレートが製品別にも事業別にも設
定されており、赤字に陥る前の撤退・売却の判断が行われる。なお、ハードルレ
ートは日系企業と比べて高いと認識している

ハードルレートは、事業・地域に関係なく、グローバルで統一されたものを使用
している。一方、投資のアロケーションは本社が決定しており、この調整によっ
て、今後の全社的な事業ポートフォリオの方向性を調整している

事業拡大にあたってのハードルレートは、株主に対しコミットしている水準に合
わせ、グローバルで一律に設定している。事業が投資等の提案を行う場合、この
レートを超えることが要求されている
(その他)

新規市場へと事業拡大を行う場合、現地でのパイロットプロジェクトを通じて現
地でのプレゼンス確保の可能性やカントリーリスクなどを評価しており、この結
果をもとに意思決定している

ビジネスに関するリスクは「取り得るリスク」と捉えているが、人体に関わる事
業領域への進出といった「取れないリスク」も企業として定めてある

リスクは収益予測の作成時に織り込んでいる。なお、事業部の策定する収益計画
には十分にリスクを見込んでいるのか疑わしい場合もある
(4)事業運営にあたってのリスクマネジメントについて
事業運営にあたってのリスクマネジメントについて、以下のようなコメントが寄せら
れた。為替・金利・コモディティリスク、オペレーションリスクは、ヒアリング調査の
回答が少数のため言及は避けるが、自然災害リスクは、「グローバルレベルで BCP
(Business continuity planning)を策定し、継続的にトレーニングをしている」とい
ったコメントが多かった。
(為替・金利・コモディティリスクなど)

金利リスクは、グローバルのトレジャリー部門が統一管理し、為替リスクは、機
能通貨である US ドルに対するユーロ、日本円、ブラジルレアル等についてヘッ
ジを実施している。また、特定の銀行との取引に偏らないよう、それぞれの銀行
にどの程度の取引があるのかをシステムで一元的に管理している

クレジットリスクは、国・地域ごとの情報に加え、カウンターパーティ(顧客・
サプライヤ・金融機関など)の個別情報についても、企業全体としてのリスクの
グローバル企業の海外展開およびリスク管理手法にかかる調査・分析
34
集中度について定期的に調査を実施している
(オペレーショナルリスクなど)

オペレーショナルリスクはグローバル統一の基準に基づき内部監査がモニターし
ている(前提として、グローバルでオペレーションは標準化されている)

システム関連のリスクでは、例えば、予告なくダミーのフィッシングメールをラ
ンダムに社員に送り、クリックしてしまった人に注意を促すなど、トレーニング
を行っている

コンピューターウィルスやネットワークへの侵入リスクについては、24 時間体制
のサポートチームが厳重に管理している

粉飾決算や経理の不正は、他社と比べても厳しい管理を行っており、仮に他社で
は厳重注意で済まされる場合であっても、退職を余儀なくされるケースが多い

環境リスクは、自社はもちろんのこと、廃棄業者に対してもごと年オーディット
を実施している
(自然災害リスク(BCP(Business continuity planning)が中心))

災害などの突発的なリスクに対しては、日本などローカル拠点には部門横断のバ
ーチャルチームを設置して対応している。人員数は、日本のみで数名で、CFO と
社長室長をリーダーとし、人事・リーガル・ファイナンスなどの部門がサポート
する体制である

災害・テロ等の発生時は、会社に行かなくても仕事ができるような体制を整備し
ている。具体的には、従業員のモビリティを高めるため、テレビ電話やクラウド
でのデータ管理を徹底し、パソコンがあれば、自宅でも問題なく勤務できる体制
を整え、テレワーク推進週間も設けている

自然災害リスクにはローカルヘッドを中心とした対策チームを立ち上げて対応す
ることにしている。対策チームのメンバーには、衛星電話やガス式の予備電源が
支給されている

災害などの発生時にも必ず継続せねばならない機能と、そうでない機能を切り分
け、前者に対してはオフサイトでの事業継続が可能な体制を整備し、継続的にト
レーニングを実施している

様々な機能を全世界の複数の拠点に集約・分散し、データセンターも複数設置す
ることで、災害等で一拠点が使用不可能になっても業務に支障が出ない体制を構
築している

データサーバは分散設置し、災害などでいずれか 1 か所が使用不可能になっても
バックアップ可能な体制を構築している。また、業務の仕様は統一されており、
英語のマニュアルが世界中からアクセス可能な共有フォルダに保存されている
グローバル企業の海外展開およびリスク管理手法にかかる調査・分析
35

業務はすべてマニュアル化されており、一拠点が使用できなくなっても、他の拠
点で業務を代行可能となっている。データセンターは複数複製し、安全な場所に
分散して確保している
(5)地政学リスクへの対処方法について
地政学リスクへの対処方法について、以下のようなコメントが寄せられた。特段の傾
向はなかったが、
「専門チームが情報収集・分析を実施している」
「政府関係者とのリレ
ーションを強化している」といったコメントがあった。
(重視している地政学リスクの内容など)

地政学リスクは、市場規模の縮小や、現地での売上をハードカレンシーで回収す
ることが困難になる事態を招くリスクを特に重視している

地政学リスクとして特に重視しているのは、アメリカ政府の指定する制裁対象国
に関連するものである

日本拠点はあくまで日本国内の地政学リスクの情報のみを扱うため地政学リスク
について意識することは多くない。一方、パキスタンやインドでは、状況は異な
ると想定される
(対応体制・対処など)

地政学リスクは、各地域オフィスが主体となって情報を収集し、適宜グローバル
で情報共有している

ワシントンにロビイストチームを配置しており、その中に地政学リスクの調査・
分析を専門的に行うチームがある。分析した情報は経営陣・リスクマネジメント
担当者に共有されている

地政学リスクのうち各国のカントリーリスクについては、米国本社内に設置され
ている専門チームが分析を行い、国ごとに様々なリスクを定量化している

地政学リスクはビジネスを拡大する上でのハードルとしては低いという認識であ
る。新興国などでは将来的に資産が接収される可能性も想定して、資産を最小限
にする、なるべく人員を配置しないようにするなどの対応をしている
(情報収集)

地政学リスクに関する情報収集は、現地にコーポレートスタッフが配置されてい
れば、現地スタッフから情報を収集するが、そうでない場合、外部機関のレポー
ト(金融機関等)を利用している

リーマンショック以降、地政学的な情報収集のために政府関係者とのリレーショ
グローバル企業の海外展開およびリスク管理手法にかかる調査・分析
36
ン強化に力を入れている
4.5. 日本企業におけるリスク管理手法の強化の方向性
ここでは、本調査の結果を踏まえた上で、日本企業におけるリスク管理手法の強化の
方向性を考察する。なお、個別リスクに関する管理手法については、事業特性や展開地
域に応じて異なる場合が多いと考えられるため、ここでは言及しない。
(1)リスクマネジメント体制のまとめ
非常に限られた情報ではあるが、前節までの調査結果をもとにすると、日本の主要な
多国籍企業におけるリスクマネジメントの体制や管理範囲としては、
「リスクマネジメン
ト部門が多くのリスク項目を管理している一方で、事業部門や他のファンクションとの
役割分担には曖昧な部分もある。また、国内のグループ会社はともかく、海外や M&A
で取得したグループ会社までは実効的なマネジメントが十分に行き届いていない」とい
う実態が一部にはあることが想定される。海外企業との M&A なども用いながら積極的
にグローバル展開を進める中、リスクマネジメント部門の位置づけや役割が明確化され
ておらず、海外を中心にグループ会社との役割分担やリスクマネジメントの浸透に苦慮
していることが伺える。
一方、海外の主要な多国籍企業は、
「全社的にリスクを洗い出し、リスクマネジメント
部門はもちろん、事業部門、経理・財務、人事、法務部門などの各ファンクションを含
め、各リスク項目に関する専門的な知見を持ち、迅速に対応できるファンクションがそ
れぞれのリスクを管理していること」が分かってきた。また、その前提には「グローバ
ルで標準化されたプロセスやシステム」があり、さらには、
「従業員に対して継続的に教
育・トレーニングを行っていること」が明らかになってきた。そして、このような体制
のもと「本国のみならず、海外や M&A で取得した小規模な子会社を含めて統一的なマ
ネジメントを実行している」のであろう。もちろん、すべての海外企業がこのような先
進的なリスクマネジメントを実践している訳ではないだろうが、上記のようなリスクマ
ネジメントのあり方はグローバルスタンダードの一つの類型と考えられる。
(2)日本企業におけるリスク管理手法の強化の方向性の考察(資料編 p. 22)
これらのことを鑑みると、日本企業におけるリスク管理手法の強化の方向性は、
「リス
クマネジメントに対する考え方の確立」
「グループ内における各リスク項目に対する役割
分担の明確化」
「海外を含めた網羅的なリスクマネジメントの実行」が挙げられるのでは
ないだろうか。
具体的には、自社にとってのリスクを網羅的に洗い出し、それぞれのリスクについて、
リスクマネジメント部門が包括的に管理するのか、各ファンクションと分担して管理し
ていくのか、といったリスクマネジメントに対する考え方を確立すべきである。その上
グローバル企業の海外展開およびリスク管理手法にかかる調査・分析
37
で、各リスク項目を、
「誰が」
、
「どのようにマネジメントするか」を具体的な数値基準な
どを含めて決定し、各リスク項目に対する役割を明確化する必要があるのではないだろ
うか。そして、国内にとどまらず、海外や M&A 先の小規模企業に対してもリスクマネ
ジメントの考え方や仕組みを浸透していくのである。
これらを進めるためには、
「リスクに対する意識の向上」が不可欠であると考えられる。
アンケートでは、リスクに対する意識・感度などの課題点も挙げられたが、様々なリス
クマネジメントの手法や仕組みを確立することに合わせ、グループメンバーに対する教
育やトレーニングなどを徹底することが求められるのではないだろうか。
もちろん、グローバル化を進める中で、すでに取り組みを始めている日本企業もある。
アンケートの自由記述欄には、
「かつては M&A で取得した子会社に対してリスクマネジ
メントの各手法を導入することが課題であったが、現在はリスクマネジメントに関する
ガイドラインを作成することで、効果的に進めることが可能となった」といった声が寄
せられていた。
なお、日本企業において、リスクマネジメント部門という様々なリスクを管理する統
括組織を構築しようという背景には、
「各ファンクションが本来対応すべきリスクに対し
てグローバルベースで対応しきれていない」といったことが考えられる。つまり、経理
や人事といった各ファンクションから、それぞれが対応すべきリスク項目に関する情報
が十分に本社やマネジメント層に報告されてこないため、リスクマネジメント部門とい
う統括組織を作り、別の枠組みで、情報収集や対応を行おうとしているのではないだろ
うか。
しかし、このような文脈での取り組みでは、結局は中途半端なマネジメントになって
しまい根本的な解決は難しい印象がある。海外の多国籍企業のように、各ファンクショ
ンの体制や仕組みを整備してこそ、統括部門としてリスクマネジメント部門の本来の価
値が発揮され、ひいては、先に述べた海外を含めた網羅的なリスクマネジメントの実行
に繋がると考えられる。
グローバル企業の海外展開およびリスク管理手法にかかる調査・分析
38
5. 終わりに:日本企業の経営力強化に向けて
ここまで、日本および海外の主要な多国籍企業の稼ぎ方(2 章)、海外の主要な多国籍
企業の立地選択動向(3 章)
、日本および海外の主要な多国籍企業のリスク管理手法(4
章)の 3 つの観点から、多国籍企業の経営の在り方について調査・分析を行ってきた。
本調査報告を終えるに当たり、今後日本企業に求められる経営力強化について考察した
い。
高成長・高収益分野へのリソースシフトによる競争力強化
限られたサンプル数の財務指標分析ではあったが、本社所在地別に企業を分類し、日
本企業と他国企業とを比較した場合、日本企業が全体的に低収益・低成長に陥っている
ことが分かった。その要因として、①専業企業では比較的海外企業に伍しているが、高
多角化企業で成長性・収益性が低い点、②高成長市場である APAC 市場で十分に成長で
きていない点、③低成長・低収益分野である一般消費財、原材料、工業で日本企業のシ
ェアが高い一方、高成長・高収益分野であるヘルスケア、生活必需品でシェアを取れて
いない点、の 3 つが確認された。
これらから推論すると、専業企業はともかく、日本企業が苦しい状況に置かれている
背景には、
「低成長・低収益な事業を多数抱えているものの、そこからの撤退が遅れてし
まっている。そのため、リソースが分散し、本来勝てたはずの事業にも十分な投資を行
うことができなくなっている。その結果、企業全体としての競争力を失ってしまい、さ
らに低成長・低収益な事業が増えてしまう」という悪循環があるのではないだろうか。
一方、日本企業と対照的な稼ぎ方をしていたのが欧州系企業であった。地域別に見た
場合、
「ホーム市場」である EMEA 市場が低成長な中、高成長な APAC 市場で成長を実
現しており、セクター別に見た場合にも、ヘルスケア、生活必需品などの高成長・高収
益分野で高いシェアを確保している。日本企業が低成長・低収益事業を抱え込み、全体
として成長性・収益性を落としているのと反対に、高成長・高収益分野に集中投資を行
って高いプレゼンスを築き、市場成長の動きをつかんでいることが想定される。
今後、日本企業がグローバル市場で成長し、高い収益を上げていくことを望むならば、
この欧州系企業の稼ぎ方は示唆に富んでいる。すなわち競争力を失った、または役割を
終えた事業や、拡大が見込めない市場については縮小・撤退の意思決定を下し、将来的
な成長を見据えて、より高成長・高収益な事業や市場で勝ちきるためにリソースを投下
していくことが日本企業に求められているのである。
真の意味での経営のグローバル化
また、本事業でのヒアリング調査を通じて非常に印象的であったのは、海外多国籍企
業は各事業や拠点のマネジメント基盤となる経営の仕組み(IT システム、制度、マニュ
グローバル企業の海外展開およびリスク管理手法にかかる調査・分析
39
アル等)を全世界で統一的に導入している点である。
ヒアリング調査対象企業においてはほぼ例外なく、規模の大小を問わず全拠点・事業
で IT システムを統合しており、企業の業績や資産の状況を「見える化」する仕組みを整
えていた。また、リスクマネジメントをはじめとしたポリシーや標準的なプロセスを整
備し、さらにその浸透を徹底することで、海外子会社も含めた統一的な管理を実現して
いた。こうした仕組みを整備することで、本社が事業の状況を一元的に把握して投資や
撤退に関する意思決定を行えるようになり、また M&A 先や小規模子会社に至るまでグ
ローバルで一体の運営が可能になっているのだろう。
ここで注意せねばならないのは、こうした仕組みづくりは一朝一夕に行われたもので
はないということだ。今回ヒアリング調査を行った海外多国籍企業も、時間をかけて試
行錯誤を繰り返しながら経営の基盤となる仕組みを整備してきたと述べている。そして、
このような取り組みをやり切ることができたのは、経営者がグローバルに事業を展開す
るためのマネジメントとそれを支える仕組みはどうあるべきかを見定め、強いリーダー
シップを持ってその実現に向けて長期間の投資を行ってきた結果であると言えるだろう。
世界の多国籍企業と伍していくには、将来的な成長を見据えてより高成長・高収益な
事業や市場で勝ちきるためのリソースを投下することが求められる。そして、グローバ
ルで統一された経営の仕組みを整備し続けることが必要になる。このように要約すると、
ごく教科書的な「当たり前」のことであるが、こうした「当たり前」のことを愚直に行
っていく姿勢こそ、グローバル企業として戦っていく企業に必須のあり方であり、今後
の日本企業に求められる最大のチャレンジとなるだろう。
グローバル企業の海外展開およびリスク管理手法にかかる調査・分析
40
平成26年度
内外一体の経済成長戦略構築にかかる国際経済調査事業
(グローバル企業の海外展開及びリスク管理手法にかかる調査・分析)
資料編 :2章 日本および海外の主要な多国籍企業の稼ぎ方
2015年3月
2章
日本および海外の主要な多国籍企業の稼ぎ方
分析対象企業群の絞り込み
分析対象企業群の条件
絞り込み条件
Bloomberg
登録企業
分析対象企業群の業種・国籍の分布
企業数
約68,000社
地域
アジア
大洋州
Bloomberg産業分類基準
(BICS)で「金融」「エネルギー」
「公益」に含まれる企業を除外
約53,000社
テクノロ
一般消
生活必
ヘルスケア
原材料 工業
通信
ジー
費財
需品
総計
26
1
31
21
18
9
4
110
日本
9
1
19
10
12
4
2
57
日本以外
17
0
12
11
6
5
2
53
米州
20
13
23
14
21
20
8
119
(M&A等で)
10年間連続的に全社売上高1)を
取得できない企業を除外
約21,000社
直近12か月(LTM)の
世界連結売上Top 500企業を選出
(政府系企業を除外)
500社
EMEA
6
12
25
21
30
25
9
128
海外売上高比率20%未満の
企業を除外
357社
総計
52
26
79
56
69
54
21
357
注釈:1) 地域・事業セグメント単位では欠損地が発生するケースあり
出所:Bloombergデータベースを元に、デロイト トーマツ コンサルティング作成
2 グローバル企業の海外展開及びリスク管理手法にかかる調査・分析
2章
日本および海外の主要な多国籍企業の稼ぎ方
2 各多国籍企業群の特徴 3 日系企業の低成長・低収益の原因分析
多角化度の分析手法
企業の多角化度の評価
本業売上比率による評価
企業A
50%
企業B
50%
企業C
50%
30%
45%
20%
企業A, B, Cはいずれも主要事業が全社売上高
に占める割合は50%だが、「多角化の度合い」は
大きく異なっている
20%
5%
10% 10%
5%
5%
単に本業の売上高比率だけでは、各社の多角化
度を正しく判断できない
ハーフィンダール指数による評価
計算式
(事業セグメント売上高が、連結売上高に
占める割合を二乗して合計)
計算結果
A社
B社
C社
502 + 302 + 202
502 + 452 + 52
502 + 202 + 102 + 102
= 3800
= 4550
+ 52 + 52 =
3150
本業の割合は各社とも50%だが、他事業も含めた多角化度ではC社>A社>B社
出所:デロイト トーマツ コンサルティング作成
3 グローバル企業の海外展開及びリスク管理手法にかかる調査・分析
2章
日本および海外の主要な多国籍企業の稼ぎ方
業績データの分析の切り口
各社の開示セグメント
Bloombergによる分類
 開示企業・年度により大きなバラつきが存在しており、
横比較は困難
A社
事業
セグメント
B社
・
・
・
開
大示
き企
な業
バ・
年
ラ度
つに
きよ
り
 Bloombergが独自に統一的な業種・地域分類(BICS)
に基づき、再分類
メディア
通信
通信業
一般
消費財
・
・
・
衣料・繊維製品
自動車
・
・
・
・
・
・
United Kingdom
EMEA
A社
地域
セグメント
B社
C社
・
・
・
開
大示
き企
な業
バ・
年
ラ度
つに
きよ
り
USA
Americas
Japan
・
・
・
注釈:1) Bloombergのセグメント分類に、「分類不能」項目が存在しているが、本調査においては分析対象外としている
出所:Bloombergデータベースを元に、デロイト トーマツ コンサルティング作成
4 グローバル企業の海外展開及びリスク管理手法にかかる調査・分析
Canada
・
・
・
APAC
・
・
・
Germany
China
・
・
・
2章
日本および海外の主要な多国籍企業の稼ぎ方
分析対象セグメント群の絞り込み
目的
(企業は必ずしも全地域のデータを
開示していない/開示していても、
本PJでの分類基準と一致しない
セグメントごとの
成長率を比較したい
セグメントを切り口として、
企業単位の比較をしたい
絞り込
み条件
(全社の財務指標分析で用いる企
業数から、さらに絞り込みを行う
必要)
8期連続でセグメント
データ取得可能
各企業の連結売上高の7割以上の
データを取得可能
地域:898セグメント
地域別:780セグメント
地域別:325社
売上高情報のみを取得可能
FY2006からFY2013までの
期間連続して売上高情報を
取得可能なセグメント
FY2006からFY2013までの
期間連続して連結グローバル売上
高のうち7割以上の売上高情報を
取得可能な企業
事業:749セグメント
事業別:438セグメント
事業別:322社
売上高および営業利益を取得可能
FY2006からFY2013までの
期間連続して売上高・営業利益
情報を取得可能なセグメント
FY2006からFY2013までの
期間連続して連結グローバル売上
高のうち7割以上の売上高・営業利
益情報を取得可能な企業
取得
可能な
データ
出所:Bloombergデータベースを元に、デロイト トーマツ コンサルティング作成
5 グローバル企業の海外展開及びリスク管理手法にかかる調査・分析
2章
3
日本および海外の主要な多国籍企業の稼ぎ方
2 各多国籍企業群の特徴 3 日系企業の低成長・低収益の原因分析
事業セグメント別成長性・収益性分析での利用データ
本分析でデータ取得可能なセグメント数
データ取得可能セグメント数
BICS
BICS小分類
大分類
PJ分類
メディア
サービス
12
3
5
4
0
通信
サービス
7
1
0
4
2
衣料、繊維製品
最終財
8
3
0
5
0
自動車
最終財
16
10
0
5
1
家庭・事務用品
最終財
14
6
3
4
1
レジャー用品
最終財
1
1
0
0
0
4
0
2
2
0
2
1
1
0
0
通信
一般 一般消費財サービス サービス
消費財 旅行、宿泊施設、外食 サービス
金融
日系
米系
欧州系 アジア系
旅客輸送業
サービス
2
0
0
1
1
娯楽施設、サービス
サービス
2
0
2
0
0
卸売業、一般消費財 サービス
9
2
6
0
1
小売(一般消費財)
サービス
11
0
3
8
0
消費財
最終財
26
3
10
10
3
サービス
5
1
2
1
1
生活必需品小売
サービス
10
1
2
5
2
石油、ガス、石炭
分類不能
9
1
1
5
2
再生可能エネルギー
分類不能
2
1
1
0
0
特殊金融
サービス
18
5
6
7
0
保険
サービス
2
1
0
1
0
不動産
サービス
3
2
0
0
1
生活 流通・卸売業
-生活必需品
必需品
エネル
ギー
総数
出所:Bloombergデータベースを元に、デロイト トーマツ コンサルティング作成。
6 グローバル企業の海外展開及びリスク管理手法にかかる調査・分析
BICS
大分類
BICS小分類
バイオテク及び医薬品
ヘルスケア ヘルスケア施設・サービス
医療機器・装置
航空宇宙・防衛
電気機器
機械製造
工業製品
輸送用機器製造
工業
建設・土木サービス
産業サービス
輸送・流通
廃棄物・環境サービス
・機器
化学工業
建設資材製造
容器・梱包
原材料
林産物・紙製品
鉄鋼
金属・鉱業
ハードウエア
半導体
テクノロジー ソフトウエア
設計・製造・販売
技術サービス
公益事業 公益事業
PJ分類
最終財
サービス
最終財
最終財
中間財
最終財
中間財
最終財
分類不能
サービス
サービス
データ取得可能セグメント数
総数 日系 米系 欧州系 アジア系
12
4
0
8
0
2
0
1
1
0
8
1
4
3
0
20
4
9
7
0
25
7
9
7
2
28
13
7
5
3
6
2
1
3
0
13
3
3
7
0
17
4
2
7
4
5
2
1
1
1
19
7
4
6
2
サービス
2
2
0
0
0
中間財
中間財
中間財
中間財
中間財
分類不能
最終財
中間財
サービス
最終財
サービス
サービス
31
9
5
4
11
4
27
10
3
4
9
1
9
2
0
0
3
0
13
5
0
0
2
1
9
2
3
1
2
1
6
3
3
2
4
0
8
4
2
2
4
1
6
1
0
0
3
0
5
1
0
1
2
2
2
1
0
2
0
0
2章
日本および海外の主要な多国籍企業の稼ぎ方
1 全体的な傾向
全対象企業の地域別・事業セグメント別成長性分析
売上高推移(本分析対象企業のみ FY2006-2013)
地域別売上高推移
不明・調整分
(USD Trillion)
事業セグメント別売上高推移
Americas
EMEA
APAC
(USD Trillion)
その他・不明
一般消費財
ヘルスケア
工業
テクノロジー
原材料
生活必需品
通信
15
15
CAGR
CAGR
CAGR
+5.5%
11.2
11.0
10.3
10
1.2
1.0
10.1
12.5
1.6
12.6
1.7
CAGR
+5.5%
12.9
1.7
10.3
1.4
10
1.0
8.9
4.0
0.7
3.6
3.5
4.2
4.5
0.6
8.9
0.3
5.2%
11.2
0.6
0.6
1.6
1.5
1.3
3.8
3.4
11.0
5
3.5
3.8
3.5
2.0%
1.3
5
3.2
0.6
3.3
3.0
2.0
1.5
2.4
2.4
2.3
2.9
3.2
3.3
3.3
7.3%
0
0
2006
1.1
2007
2008
2009
2010
2011
2012
2013 (年)
1.9
1.9
2.4
0.8
2.0
6.4%
2.5
2.5
4.8%
1.6
1.5
1.5
4.3%
0.8
0.8
0.8
4.7%
2.2
2.3
2.3
6.2%
1.3
1.1
0.7
0.7
2.0
1.9
0.6
1.7
0.8
1.8
1.5
3.4
0.8
12.9
2.1
2.1
1.8
3.7
12.6
1.8
1.6
2.0
3.1
10.1
0.5
12.5
0.8
2.0
1.6
1.9
2.0
1.8
1.9
2.1
2.1
2.2
4.5%
0.7
0.6
0.7
0.7
0.7
0.7
0.8
0.8
1.8%
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
2013 (年)
出所:Bloombergデータベースを元に、デロイト トーマツ コンサルティング作成。地域別・事業セグメント別内訳は、セグメント別売上高をFY 2006-13のうち1期でも取得可能なセグメントを対象に集計
注釈:地域別売上高の地域区分、事業セグメント別売上高の事業セグメント区分はBloombergによる区分に従う
7 グローバル企業の海外展開及びリスク管理手法にかかる調査・分析
2章
日本および海外の主要な多国籍企業の稼ぎ方 1 全体的な傾向
地域セグメント別売上高・営業利益分析
地域別売上高推移(2006年=100とした相対値)
各地域の名目GDP成長率(2006年=100とした相対値)
200
200
192
APAC
163
APAC
150
143
115
150
Americas
EMEA
133
Americas
EMEA
100
100
50
50
0
0
2006 2007 2008 2009
136
2010 2011 2012 2013 (年)
2006 2007 2008 2009
出所:地域別売上高はBloombergデータベースを元に、名目GDPはIMFデータベースを元に、デロイト トーマツ コンサルティング作成。
地域別売上高は、事業別売上高・営業利益をFY 2006-13の8期連続で取得可能な事業セグメントが調査対象
注釈:地域区分はBloombergによる区分に従う
8 グローバル企業の海外展開及びリスク管理手法にかかる調査・分析
2010 2011 2012 2013 (年)
2章
日本および海外の主要な多国籍企業の稼ぎ方 1 全体的な傾向
事業セグメント別売上高・営業利益分析
事業セグメント別売上高推移(2006年=100とした相対値)
160
生活必需品 (n=41)
事業セグメント別売上高営業利益率推移(%)
20
ヘルスケア (n=22)
140
ヘルスケア (n=22)
原材料 (n=64)
テクノロジー (n=53)
生活必需品
(n=41)
一般消費財 (n=69)
120
100
工業 (n=135)
通信 (n=19)
通信 (n=19)
10
テクノロジー (n=53)
一般消費財
(n=69)
原材料 (n=64)
80
工業 (n=135)
60
0
2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 (年)
40
20
0
-10
2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 (年)
出所:Bloombergデータベースを元に、デロイト トーマツ コンサルティング作成。事業別売上高・営業利益をFY 2006-13の8期連続で取得可能な事業セグメントが調査対象
注釈:事業セグメント区分は、BICS Level 1の区分に基づく
9 グローバル企業の海外展開及びリスク管理手法にかかる調査・分析
2章
日本および海外の主要な多国籍企業の稼ぎ方
1 全体的な傾向
全対象企業の地域別・事業セグメント別収益性分析
営業利益・売上高営業利益率推移(本分析対象企業のみ FY2006-2013)
本分析対象企業合計営業利益・売上高営業利益率推移
営業利益(左軸・合計額)
事業セグメント別営業利益推移
営業利益率(右軸・平均)
(USD Billion)
(%)
1,500
20
CAGR
+5.6%
一般消費財
ヘルスケア
工業
テクノロジー
原材料
生活必需品
通信
CAGR
CAGR
+5.6%
1,214
1,208
981
897
304
11.2%
11.2%
10.5%
10.4%
864
240
10
9.3%
8.9%
91
500
500
86
116
5
0
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
2013 (年)
0
119
133
115
84
100
45
97
146
124
46
66
77
81
88
66
124
91
184
135
135
82
96
146
7.8%
107
-1.2%
87
4.0%
241
11.0%
181
179
166
151
174
6.2%
76
2.0%
155
114
130
134
88
67
73
61
74
79
91
91
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
166
146
出所:Bloombergデータベースを元に、デロイト トーマツ コンサルティング作成。地域別・事業セグメント別内訳は、セグメント別売上高をFY 2006-13のうち1期でも取得可能な企業を対象に集計
注釈:「日系企業」などの区分は、Bloombergによる本社所在地分類に従う
10 グローバル企業の海外展開及びリスク管理手法にかかる調査・分析
6.6%
85
140
116
0
108
141
120
241
116
9.9%
373
365
981
1,000
864
379
280
11.2%
1,214
338
1,095
15
1,310
1,283
1,208
1,095
897
その他・不明
1,500
1,310
1,283
1,000
(USD Billion)
2013 (年)
2章
日本および海外の主要な多国籍企業の稼ぎ方
2 各多国籍企業群の特徴
本社所在地別 売上高・営業利益分析
本調査分析対象企業の売上高推移(FY 2006-2013)
本調査分析対象企業の営業利益推移(FY 2006-2013)
(USD Trillion)
(USD Bn)
5
4.7
4.1
4
欧州系企業
(n=128)
4.6
米系企業
(n=119)
4.5
4.5
4.0
4.7
4.4
4.3
3.9
600
3.9
557
3.7
3.4
3.5
3
800
3.5
575
538
508
3.1
446
518
464
465
2.2
2.2
2.1
2
1.9
1.9
1.7
400
2.1
日系企業
(n=57)
362
1.4
1.5
1.5
1.0
428
467
欧州系企業
(n=128)
138
日系企業
(n=57)
404
355
347
アジア系企業
(n=53)
200
1.2
0.9
448
385
1.8
1
米系企業
(n=119)
115
0.9
0.7
131
66
90
121
64
49
76
114
108
114
130
100
アジア系企業
(n=53)
56
0
0
2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 (年)
2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 (年)
出所:Bloombergデータベースを元に、デロイト トーマツ コンサルティング作成。連結売上高・営業利益をFY 2006-13の8期連続で取得可能な企業が調査対象
注釈:「日系企業」などの区分は、Bloombergによる本社所在地分類に従う
11 グローバル企業の海外展開及びリスク管理手法にかかる調査・分析
2章
日本および海外の主要な多国籍企業の稼ぎ方
2 各多国籍企業群の特徴
本社所在地別 売上高・営業利益分析
本分析対象企業の成長性・収益性 (FY 2006-2013)
売上高成長率
(CAGR FY 2006-2013)
営業利益成長率
(CAGR FY 2006-2013)
売上高営業利益率
(FY 2013)
13.2%
11.2%
10.9%
10.1%
7.2%
7.2%
6.6%
5.7%
4.7%
3.7%
3.6%
2.7%
日系企業
(n=57)
米系企業
(n=119)
欧州系企業
(n=128)
アジア
系企業
(n=53)
日系企業
(n=57)
米系企業
(n=119)
欧州系企業
(n=128)
アジア
系企業
(n=53)
日系企業
(n=57)
出所:Bloombergデータベースを元に、デロイト トーマツ コンサルティング作成。連結売上高・営業利益をFY 2006-13の8期連続で取得可能な企業が調査対象
注釈:「日系企業」などの区分は、Bloombergによる本社所在地分類に従う
12 グローバル企業の海外展開及びリスク管理手法にかかる調査・分析
米系企業
(n=119)
欧州系企業
(n=128)
アジア
系企業
(n=53)
2章
1
日本および海外の主要な多国籍企業の稼ぎ方
2 各多国籍企業群の特徴 3 日系企業の低成長・低収益の原因分析
本社所在地別 設立からの年数と成長性・収益性の関係分析(原因指標分析)
成長性(CAGR FY2006-2013)
設立からの年数*1と収益性の関係
日系企業 (n=57)
30
27
20
企
業 15
数
10.5%
10
10.1%
4.3%
6
2
3.1%
13
6.4%
4.9%
3.4%
0
~20年
~50年
~80年
9
4.7%
2.8%
~100年
2.9%
米系企業 (n=119)
(%)
25
50
20
40
収
15 益
性
・
成
10
長
率
5
30
企
業
数 20
10
0
20
40
12.6%
12.3%
24
20
9.7%
23
5.5%
8.6%
5.8%
17
10
5.7%
~50年
~80年
~100年
収
15 益
性
・
成
10
長
率
5
2.3%
0
~20年
7.5%
12.9%
13.3%
12
12
5
3.9%
1.6%
~50年
収
益
性
・
成
10
長
率
15
~80年
~100年
100年~
アジア系企業 (n=53)
25
0
23.1%
(%)
25
21
50
4.5%
7.4%
22
11.5%
0
53
11.6%
13.3%
~20年
(%)
25
60
10
(%)
25
20
31
13.9%
3.9%
100年~
欧州系企業 (n=127)
企
業 30
数
企業数
42
25
5
売上高営業利益率
0
100年~
19
20
企 15
業
数 10
12.5%
11.0%
11
10.7%
7.8%
6.3%
6.1%
5
20
8.2%
収
15 益
性
・
成
10
長
率
5
2
0
0
~20年
~50年
~80年
出所:Bloombergデータベースを元に、デロイト トーマツ コンサルティング作成。連連結売上高・営業利益をFY 2006-13の8期連続で取得可能な企業が調査対象
注釈:*1:企業の設立からの年数は、Bloombergの定義によるため、合併などで企業名が変更された年度が「設立年」とみなされるケースも存在
13 グローバル企業の海外展開及びリスク管理手法にかかる調査・分析
(
該本
当分
す析
る対
企象
業企
な業
し中
)に
、
~100年
100年~
日本および海外の主要な多国籍企業の稼ぎ方
2 各多国籍企業群の特徴 3 日系企業の低成長・低収益の原因分析
2章
1
本社所在地別 多角化度分析
多角化度*1の推移
多角化度*1別 企業数分布
(HHI)
専業的
9,000
欧州系企業
8,000
米系企業
欧州系
企業
(n=117)
6,000
多
角
化
の
度
合
い
日系企業
0
1
米系
企業
(n=109)
3
9
16
14
6
59
0
2
3
7
13
10
5
3
7
5,000
4,000
アジア系
企業
(n=48)
2,000
2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 (年)
0
日系
企業
(n=49)
1,000
0
21
0
3,000
多角的
13
0
アジア系企業
7,000
54
4
2
4
4
6
11
7
1
2
3
5
5
5
~
~
~
~
~
~
~
~
~
~
1000 2000 3000 4000 5000 6000 7000 8000 9000 10000
多角的
多角化の度合い
出所:Bloombergデータベースを元に、デロイト トーマツ コンサルティング作成。連結売上高の7割以上の事業セグメントデータをFY 2006-13の8期連続で取得可能な企業が調査対象
注釈:*1:「多角化度」の算出方法については、Bloombergの企業区分に基づき、HHIを算出(別ページを参照)
14 グローバル企業の海外展開及びリスク管理手法にかかる調査・分析
5
10
0
(HHI)
2
専業的
2章
1
日本および海外の主要な多国籍企業の稼ぎ方
2 各多国籍企業群の特徴 3 日系企業の低成長・低収益の原因分析
本社所在地別 多角化度と成長性・収益性の関係分析
事業の成長性・収益性と多角化度*1の関係分析
成長性(売上高CAGR)
多角化度:高
営業利益CAGR
多角化度:低
売上高営業利益率(FY2013)
14.6%
13.6%
12.8%
12.4%
8.6%
12.3%
10.5%
9.4%
9.0%
5.5% 5.7%
9.3%
6.9%
5.0%
4.2%
5.3%
3.5%
4.5%
2.9%
4.4%
3.6%
3.1%
2.0%
0.8%
日系企業
米系企業
n=24 n=25 n=54 n=55
欧州系企業
アジア
系企業
n=58 n=59 n=24 n=24
日系企業
米系企業
n=24 n=25 n=54 n=55
欧州系企業
アジア
系企業
n=58 n=59 n=24 n=24
日系企業
米系企業
n=24 n=25 n=54 n=55
欧州系企業
n=58 n=59 n=24 n=24
出所:Bloombergデータベースを元に、デロイト トーマツ コンサルティング作成。連結売上高の7割以上の事業セグメントデータをFY 2006-13の8期連続で取得可能な企業が調査対象
注釈:*1:多角化度については、Bloombergのセグメントデータを元に、HHI(ハーフィンダール指数)を算出
15 グローバル企業の海外展開及びリスク管理手法にかかる調査・分析
アジア
系企業
日本および海外の主要な多国籍企業の稼ぎ方
2 各多国籍企業群の特徴 3 日系企業の低成長・低収益の原因分析
2章
1
本社所在地別 多角化度・企業規模と成長性・収益性の関係分析
売上高成長率(CAGR FY 2006-2013)
多角化度*1と企業規模による成長性・収益性の関係
売上高営業利益率(FY 2006-2013平均)
全対象企業
日系企業
米系企業
規模
規模
大
小
大
小
n=12
n=12
n=30
n=24
高
高
多
角
化
度
低
11.6%
3.6%
2.7%
5.3%
3.7%
n=12
n=13
多
角
化
度
15.1%
n=26
低
11.6%
6.8%
3.2%
9.6%
9.2%
6.5%
4.9%
アジア系企業
規模
規模
大
小
n=32
n=26
5.0%
高
多角化度
規模
高
低
大
14.8%
6.6%
5.4%
欧州系企業
5.5%
n=29
10.5%
7.0%
4.7%
11.8%
5.7%
5.5%
高
低
小
4.4%
低
小
n=11
n=13
高
12.0%
多
角
化
度
大
8.7%
3.3%
n=28
n=31
13.2%
11.3%
4.5%
6.4%
多
角
化
度
9.5%
8.0%
低
n=14
9.1%
n=10
15.9%
6.6%
出所:Bloombergデータベースを元に、デロイト トーマツ コンサルティング作成。連結売上高の7割以上の事業セグメントデータをFY 2006-13の8期連続で取得可能な企業が調査対象
注釈:*1:多角化度については、Bloombergのセグメントデータを元に、HHI(ハーフィンダール指数)を算出
16 グローバル企業の海外展開及びリスク管理手法にかかる調査・分析
10.8%
10.8%
3.5%
2章
1
日本および海外の主要な多国籍企業の稼ぎ方
2 各多国籍企業群の特徴 3 日系企業の低成長・低収益の原因分析
本社所在地別 R&D投資額と収益性の関係分析
R&D投資額(対売上高比)
R&D投資1ドルあたり営業利益(USD)
※サービス業を除く
(%)
8
3.78
効率的
6
5.9%
5.7%
R&D
5.5%
5.8%
5.9%
5.9% 米系企業
(n=59)
4.8%
4.8%
4.9% 欧州系企業
(n=74)
4.7%
4.6%
日系企業
4.3% (n=44)
5.7%
5.5%
5.2%
4.6%
4.8%
5.0%
4.8%
4.7%
4.7%
4.5%
4
4.2%
2.4%
4.2%
2.2%
2.3%
2.3%
2.3%
2.3%
2.3%
2.7% アジア系企業
(n=29)
R&D
投
資
額
(
対
売
上
高
比
)
2.44
2.24
投
資
の
効
率
性
1.07
2
非効率
日系企業
(n=44)
0
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
2013 (年)
出所:Bloombergデータベースを元に、デロイト トーマツ コンサルティング作成。R&D費用をFY 2006-13の8期連続で取得可能な企業が調査対象
17 グローバル企業の海外展開及びリスク管理手法にかかる調査・分析
米系企業
(n=59)
欧州系企業
(n=74)
アジア系企業
(n=29)
2章
1
日本および海外の主要な多国籍企業の稼ぎ方
2 各多国籍企業群の特徴 3 日系企業の低成長・低収益の原因分析
本社所在地別 R&D投資効率と多角化度の関係分析
事業セグメント別 R&D投資1ドルあたり営業利益 (USD)
事業セグメント別 産業構成比(営業利益ベース)
18%
(※「通信」は、十分なデータを公表している企業が存在しないため、
分析の対象外としている)
9.07
日系企業
(n=44)
効率的
49%
0%
16%
4% 12%
16%
2%
27%
7.23
米系企業
(n=59)
1%
17%
27%
29%
14%
R&D
45%
投
資
の
効
率
性
欧州系企業
(n=74)
0% 12% 3%
24%
16%
28%
18%
49%
2.16
1.26
非効率
13%
0%
1.41
2.14
7%
0% 11%
33%
48%
1%
0%
1.63
35%
合計
(n=206)
N/A
通信
(n=0)
アジア系企業
(n=29)
一般消 テクノロジー ヘルスケア 工業 原材料 生活必 全業種
費財 (n=35) (n=23) (n=49) (n=41) 需品
合計
(n=37)
(n=21)
0% 13%
13%
20%
通信 一般消費財 テクノロジー ヘルスケア
19%
工業
23%
12%
原材料 生活必需品
出所:Bloombergデータベースを元に、デロイト トーマツ コンサルティング作成。R&D費用をFY 2006-13の8期連続で取得可能な企業が調査対象。企業別のセクター区分は、各企業のセクター(BICS Level 1)
の内、全社の売上高に占める構成比が最も大きなセクターにより決定される
18 グローバル企業の海外展開及びリスク管理手法にかかる調査・分析
日本および海外の主要な多国籍企業の稼ぎ方
2 各多国籍企業群の特徴 3 日系企業の低成長・低収益の原因分析
2章
1
本社所在地別 R&D投資効率と多角化度の関係分析
多角化度とR&D投資1ドルあたり営業利益 (USD)
多角化度:H
3.78
多角化度:L
3.81
効率的
R&D
2.44
投
資
の
効
率
性
2.45
2.38
2.20
2.11
2.25
1.51
0.97
非効率
日系企業
米系企業
欧州系企業
アジア系企業
全分析対象企業
(n=22) (n=22)
(n=28) (n=31)
(n=38) (n=36)
(n=19) (n=10)
(n=107) (n=99)
出所:Bloombergデータベースを元に、デロイト トーマツ コンサルティング作成。R&D費用をFY 2006-13の8期連続で取得可能な企業が調査対象
19 グローバル企業の海外展開及びリスク管理手法にかかる調査・分析
2章
2
日本および海外の主要な多国籍企業の稼ぎ方
2 各多国籍企業群の特徴 3 日系企業の低成長・低収益の原因分析
本社所在地別 地域セグメント別売上高分析
アジア系企業
地域ごとの売上高推移(本分析対象企業のみ、FY 2006-2013)
EMEA市場
APAC市場
CAGR
欧州系企業
米系企業
日系企業
Americas市場
CAGR
CAGR
(USD Billion)
3,330
2,980
135
(4%)
2,968
698
(23%)
+8.5%
101
(3%)
4,232
181
(4%)
+4.3%
(n=22)
1,237
(29%)
3,091
643
(22%)
1,865
395
(21%)
328
(18%)
220
(12%)
922
(49%)
2006
(n=82)
2,218
(75%)
2,385
(72%)
+1.0%
(n=22)
818
(26%)
(n=108)
(n=122)
+4.6%
+11.2%
2,438
(58%)
(n=59)
(n=55)
145
(5%)
+6.1%
+10.1%
(n=47)
461
(15%)
+3.2%
1,786
(58%)
1,179
(40%)
2013
(n=113)
+1.3%
+3.6%
464
(16%)
(n=77)
185
(6%)
(n=33)
2006
631
(19%)
+4.5%
179
(5%)
-0.5%
2013
342
(11%)
2006
出所:Bloombergデータベースを元に、デロイト トーマツ コンサルティング作成。地域別売上高をFY 2006-13の8期連続で取得可能な地域セグメントが調査対象
20 グローバル企業の海外展開及びリスク管理手法にかかる調査・分析
(n=39)
376
(9%)
2013
日本および海外の主要な多国籍企業の稼ぎ方
2 各多国籍企業群の特徴 3 日系企業の低成長・低収益の原因分析
2章
2
本社所在地別 地域セグメント別売上高分析
各国企業の地域別売上高推移(本分析対象企業のみ、FY 2006-2013)
日系企業 (n=127)
米系企業 (n=249)
CAGR
APAC
欧州系企業 (n=312)
CAGR
EMEA
Americas
アジア系企業 (n=91)
CAGR
CAGR
(USD Billion)
1,734
1,450
376
(22%)
3,530
4,265
+1.3%
3,363
342
(24%)
179
(10%)
-0.5%
2,469
2,438
(69%)
185
(13%)
+4.6%
+3.2%
135
(13%)
+4.3%
698
(69%)
+8.5%
640
145
(23%)
1,179
(68%)
+1.0%
101
(16%)
2,218
(66%)
220
(9%)
2013
2,385
(56%)
+3.6%
464
(19%)
2006
181
(18%)
+6.1%
818
(24%)
1,786
(72%)
922
(64%)
1,237
(29%)
1,013
2006
631
(18%)
+4.5%
461
(13%)
+11.2%
2013
395
(62%)
328
(10%)
2006
643
(15%)
+10.1%
2013
出所:Bloombergデータベースを元に、デロイト トーマツ コンサルティング作成。地域別売上高をFY 2006-13の8期連続で取得可能な地域セグメントが調査対象
注釈:n数はセグメント数
21 グローバル企業の海外展開及びリスク管理手法にかかる調査・分析
2006
2013
2章
2
日本および海外の主要な多国籍企業の稼ぎ方
2 各多国籍企業群の特徴 3 日系企業の低成長・低収益の原因分析
本社所在地別 地域セグメント別売上高分析
地域別の売上高成長性比較(CAGR FY 2006-2013)
APAC
Americas
EMEA
11.2%
10.1%
8.5%
6.1%
4.6%
4.5%
3.6%
4.3%
3.2%
1.3%
1.0%
-0.5%
日系企業
米系企業
欧州系企業
アジア
系企業
日系企業
米系企業
欧州系企業
アジア
系企業
日系企業
米系企業
欧州系企業
アジア
系企業
(n=55)
(n=59)
(n=82)
(n=47)
(n=33)
(n=77)
(n=122)
(n=22)
(n=39)
(n=113)
(n=108)
(n=22)
出所:Bloombergデータベースを元に、デロイト トーマツ コンサルティング作成。地域別売上高をFY 2006-13の8期連続で取得可能な地域セグメントが調査対象
注釈:地域分類は、Bloombergの地域セグメント分類による
22 グローバル企業の海外展開及びリスク管理手法にかかる調査・分析
2章
2
日本および海外の主要な多国籍企業の稼ぎ方
2 各多国籍企業群の特徴 3 日系企業の低成長・低収益の原因分析
本社所在地別 地域セグメント別売上高分析(APAC地域詳細分析)
APAC地域に占める日本市場の影響の違い
日本市場と日本以外の
市場での成長率
APAC地域の成長率
日本以外の市場
売上高シェア
33.4%
66.6%
22.5%
77.5%
24.8%
75.2%
13.3%
86.7%
日本市場
14.8%
12.8%
12.4%
日本
市場
売
上
高
成
長
率
3.3%
日系企業
(n=38)
米系企業
(n=7)
欧州系企業
(n=10)
アジア系企業
(n=3)
8.3%
7.3%
4.7%
1.8%
14.5%
日本
以外の
APAC
市場
16.3%
7.2%
日系企業
(n=38)
米系企業
(n=7)
欧州系企業 アジア系企業
(n=10)
(n=3)
出所:Bloombergデータベースを元に、デロイト トーマツ コンサルティング作成。日本およびAPACの地域セグメント売上データをFY 2006-13の8期連続で取得可能な企業が調査対象
注釈:*1「ホーム地域」とは、各企業の本社所在地を含む地域(APAC/Americas/EMEAの3分類)のこと
23 グローバル企業の海外展開及びリスク管理手法にかかる調査・分析
16.4%
2章
3
日本および海外の主要な多国籍企業の稼ぎ方
2 各多国籍企業群の特徴 3 日系企業の低成長・低収益の原因分析
本社所在地別 事業セグメント別成長性・収益性分析
細分セグメント別 売上高成長率(CAGR FY 2006-2013)
テ
ク
ノ
ロ
ジ
ー
13.6%
4.6%
4.6%
0.4%
(n=20) (n=18)
-3.3%
ヘ
ル
ス
ケ
ア
6.8%
(n=5)
(n=12)
(n=10)
一
般
消
費
財
3.0%
4.7%
(n=23) (n=17) (n=25)
工
業
(n=0)
4.2%
生
活
必
需
品
(n=4)
7.6%
6.8%
6.6%
4.9%
3.3%
2.5%
5.7%
通
信
4.0%
4.7%
(n=14) (n=18) (n=21) (n=11)
3.1%
0.6%
(n=5)
7.8%
7.5%
4.1%
(n=44) (n=36) (n=43) (n=12)
(n=14) (n=16)
(n=6)
-3.4%
20.1%
原
材
料
4.4%
2.8%
18.6%
13.1%
3.2%
5.5%
5.0%
N/A
(n=5)
(n=5)
6.2%
(n=5)
(n=8)
0.4%
-0.2%
(n=2)
(n=4)
11.7%
エ
ネ
ル
ギ
ー
9.7%
7.8%
6.3%
-0.5%
(n=2)
(n=2)
(n=5)
(n=2)
金
融
8.8%
4.6%
3.1%
(n=8)
(n=8)
(n=1)
-3.5%
(n=6)
日系
企業
米系
企業
欧州系 アジア 全対象
企業 系企業 企業計
日系
企業
米系
企業
欧州系 アジア 全対象
企業 系企業 企業計
日系
企業
出所:Bloombergデータベースを元に、デロイト トーマツ コンサルティング作成。事業別売上高・営業利益をFY 2006-13の8期連続で取得可能な事業セグメントが調査対象
注釈:業種区分は、BICS Level 1の区分に基づく
24 グローバル企業の海外展開及びリスク管理手法にかかる調査・分析
米系
企業
欧州系 アジア 全対象
企業 系企業 企業計
2章
3
日本および海外の主要な多国籍企業の稼ぎ方
2 各多国籍企業群の特徴 3 日系企業の低成長・低収益の原因分析
本社所在地別 事業セグメント別成長性・収益性分析
細分セグメント別 売上高営業利益率(FY 2006-2013平均)
テ
ク
ノ
ロ
ジ
ー
15.3%
8.4%
4.2%
(n=20) (n=18) (n=10)
一
般
消
費
財
4.1%
7.4%
(n=5)
10.7%
5.6%
(n=23) (n=17) (n=25)
原
材
料
8.5%
4.8%
7.4%
6.8%
米系
企業
20.4%
16.3%
10.0%
欧州系 アジア 全対象
企業 系企業 企業計
エ
ネ
ル
ギ
ー
16.3%
6.6%
工
業
(n=5)
11.1%
12.6%
(n=12)
11.1%
(n=14) (n=16)
(n=0)
7.8%
11.2%
通
信
18.4%
21.9%
(n=8)
(n=4)
20.3%
13.7%
10.5%
5.7%
3.8%
(n=44) (n=36) (n=43) (n=12)
(n=6)
15.8%
11.6%
9.2%
3.1%
N/A
(n=5)
(n=5)
(n=14) (n=18) (n=21) (n=11)
日系
企業
生
活
必
需
品
(n=4)
15.7%
13.4%
6.1%
ヘ
ル
ス
ケ
ア
金
融
(n=5)
-7.5%
0.6%
6.5%
(n=2)
24.5%
18.0%
4.9%
14.4%
14.3%
7.5%
(n=2)
(n=2)
日系
企業
米系
企業
(n=5)
(n=2)
(n=8)
(n=6)
欧州系 アジア 全対象
企業 系企業 企業計
日系
企業
米系
企業
出所:Bloombergデータベースを元に、デロイト トーマツ コンサルティング作成。事業別売上高・営業利益をFY 2006-13の8期連続で取得可能な事業セグメントが調査対象
注釈:業種区分は、BICS Level 1の区分に基づく
25 グローバル企業の海外展開及びリスク管理手法にかかる調査・分析
(n=8)
(n=1)
欧州系 アジア 全対象
企業 系企業 企業計
日本および海外の主要な多国籍企業の稼ぎ方
2 各多国籍企業群の特徴 3 日系企業の低成長・低収益の原因分析
2章
3
本社所在地別 事業セグメント別売上高比率
細分セグメント別 各国企業の売上高比率(分析対象企業のみ、FY 2013)
5%
5%
0%
6%
11%
16%
39%
52%
32%
アジア系企業
9%
欧州系企業
42%
米系企業
日系企業
45%
45%
38%
43%
25%
31%
52%
33%
23%
51%
26%
18%
18%
17%
工業
原材料
テクノロジー
10%
通信
一般消費財
4%
4%
生活必需品
ヘルスケア
出所:Bloombergデータベースを元に、デロイト トーマツ コンサルティング作成。事業別売上高・営業利益をFY 2013に取得可能な事業セグメントが調査対象
注釈:業種区分は、BICS Level 1の区分に基づく
26 グローバル企業の海外展開及びリスク管理手法にかかる調査・分析
2章
3
日本および海外の主要な多国籍企業の稼ぎ方
2 各多国籍企業群の特徴 3 日系企業の低成長・低収益の原因分析
本社所在地別 多角化度別 事業セグメントの売上高営業利益率分布
多角化企業における事業セグメントの収益性分布(各国別多角化度*1上位50% の企業、FY 2006-13の平均値)
(セグメント数)
75
3%
7%
83
5%
103
3%
8%
10%
32
9%
(セグメント
売上高営業利益率)
30%~
13%
20%~30%
19%
10~20%
28%
5~10%
28%
0~5%
23%
28%
売上高営業利益率10%
未満のセグメント
58%
29%
91%
55%
66%
12%
59%
25%
28%
14%
8%
日系企業
12%
3%
米系企業
欧州系企業
アジア系企業
出所:Bloombergデータベースを元に、デロイト トーマツ コンサルティング作成。事業セグメント別売上高・営業利益の両方を、FY 2006-13の8期連続で取得可能な企業が調査対象
注釈:*1:多角化度については、Bloombergのセグメントデータを元に、HHI(ハーフィンダール指数)を算出
27 グローバル企業の海外展開及びリスク管理手法にかかる調査・分析
~0%
2章
3
日本および海外の主要な多国籍企業の稼ぎ方
2 各多国籍企業群の特徴 3 日系企業の低成長・低収益の原因分析
本社所在地別 多角化度別 事業セグメントの売上高営業利益率分布
非多角化企業における事業セグメントの収益性分布(各国別多角化度*1下位50%の企業、FY 2006-13の平均値)
(セグメント数)
40
3%
13%
27
0%
40
10
15%
13%
10%
(セグメント
売上高営業利益率)
30%~
20%~30%
13%
20%
30%
10~20%
40%
5~10%
20%
0~5%
37%
28%
18%
売上高営業利益率10%
未満のセグメント
18%
22%
65%
60%
35%
48%
48%
22%
28%
13%
日系企業
4%
3%
米系企業
欧州系企業
~0%
アジア系企業
出所:Bloombergデータベースを元に、デロイト トーマツ コンサルティング作成。事業セグメント別売上高・営業利益の両方を、FY 2006-13の8期連続で取得可能な企業が調査対象
注釈:*1:多角化度については、Bloombergのセグメントデータを元に、HHI(ハーフィンダール指数)を算出
28 グローバル企業の海外展開及びリスク管理手法にかかる調査・分析
平成26年度
内外一体の経済成長戦略構築にかかる国際経済調査事業
(グローバル企業の海外展開及びリスク管理手法にかかる調査・分析)
資料編 :3章 海外の主要な多国籍企業の立地選択動向
2015年3月
第3章
海外の主要な多国籍企業の立地選択動向
1 海外の主要な多国籍企業における拠点設置状況や考え方
拠点設置状況 調査対象企業について
主な業界例
企業数
調査対象企業名
1
総合電機(重電事業)
5社
 General Electric
 Doosan
 Siemens
 Alstom
2
総合電機(家電事業)
4社
 Samsung
 Haier
 Philips
 LG Electronics
消費財
11社
 L’Oréal
 Mondelēz
International
 Nestlé
自動車
5社
 BMW
 Volkswagen
3
4
5
化学
7
製薬
Richemont
Henkel
Unilever
P&G
 Danone
 Pepsi
 Associated
British Foods
 General Motors
 Ford
 Kimberly-Clark
 Hyundai
 Dow Chemicals
 Huntsman
 Syngenta
 Du Pont
 Evonik
 Yara
 LG Chemical
 BASF
 Sabic
 Sinopec
 Solvay
 Braskem
8社
 Oracle
 Lenovo
 IBM
 Intel
 HP
 Microsoft
 HTC
 Tata
9社
 Johnson &
Johnson
 AstraZeneca
 Novartis
 Roche
 Sanofi
 GSK
 Abbvie
 Abbott
 Teva
12社
6
ハイテク




 United Technologies
出所:デロイト トーマツ コンサルティング作成
2 グローバル企業の海外展開及びリスク管理手法にかかる調査・分析
第3章
海外の主要な多国籍企業の立地選択動向
1 海外の主要な多国籍企業における拠点設置状況や考え方
グローバル企業の地域統括拠点設置状況(全業界)
地域統括拠点の設置状況
対象企業
Samsung(韓)、Haier(中)、Hyundai(韓)、Pepsi Co(米)、P&G(米)、Richemont(スイス)、Sabic(サウジアラビア)、
Braskem SA(ブラジル)、Evonik Industries AG(独)、Syngenta AG(スイス)、Huntsman Corporation(米)、Microsoft(米)、
hp(米)、Lenovo(中)
APAC
シンガポール
Americas
米国
10
中国
4
日本
3
インド
2
EMEA
9
ブラジル
3
4
UAE
スイス
3
パナマ
1
ドイツ
3
カナダ
1
オランダ
3
コロンビア
1
ロシア
2
ベトナム
1
マレーシア
1
フランス
2
香港
1
南アフリカ
2
*その他、ベルギー、トルコ、ウクライナ、エジプト、
英国に1拠点ずつ
出所:各社ウェブサイト掲載情報を元に、デロイト トーマツ コンサルティング作成
3 グローバル企業の海外展開及びリスク管理手法にかかる調査・分析
第3章
海外の主要な多国籍企業の立地選択動向
1 海外の主要な多国籍企業における拠点設置状況や考え方
グローバル企業の地域統括拠点設置状況(全業界)
2
1
1 3 3
1
2 3
1
9
1
3
4
1
1
4
2
1
1
10
1
1
1
3
2
凡例 (記号内数値は拠点数)
:地域統括拠点
出所:各社ウェブサイト掲載情報を元に、デロイト トーマツ コンサルティング作成
4 グローバル企業の海外展開及びリスク管理手法にかかる調査・分析
第3章
1
海外の主要な多国籍企業の立地選択動向
1 海外の主要な多国籍企業における拠点設置状況や考え方
グローバル企業の海外拠点設置状況(総合電機(重電))
生産拠点の設置状況
(上位10カ国)
R&D拠点の設置状況
(上位10カ国)
Alstom(仏)、Doosan Heavy Industries &
Construction(韓)、GE(米)、Siemens(独)、United
Technologies(米)
対象企業
米国
6
ドイツ
9
3
15
11
スペイン
6
インド
1
ポーランド
1
0
本国
海外
4
2 32
英国
30
中国
30
22
19
13
イタリア
2
イスラエル
30
インド
3
韓国
47
スウェーデン
4
ポルトガル
米国
ドイツ
5
ロシア
Alstom(仏)、Doosan Heavy Industries &
Construction(韓)
フランス
14
10
中国
対象企業
8
12
*その他ブラジル・オーストリア・シンガポール・サウジアラビア・英国・
トルコ・チェコ・アイルランド・日本も、イスラエル・ポーランドと同数
16
(拠点数)
出所:各社ウェブサイト掲載情報を元に、デロイト トーマツ コンサルティング作成
5 グローバル企業の海外展開及びリスク管理手法にかかる調査・分析
12
カナダ
11
スペイン
11
0
4
8
本国
海外
12 16 20 24 28 32 36 40 44 48
*その他ロシア・エジプト・インドネシアもマレーシアと
同数
(拠点数)
第3章
1
海外の主要な多国籍企業の立地選択動向
1 海外の主要な多国籍企業における拠点設置状況や考え方
グローバル企業の海外拠点設置状況(総合電機(重電))
2
19
3
6
4
30
1
1 1 11 31
43 1
30 2 221 6
11
5 4
4
10
1 4
1 1 12
24
1
11
6
30
1
5
1
13
9
9
2 11
6
1
47
9
1 2
2
1
7
1
7
1
4
凡例 (記号内数値は拠点数)
:R&D拠点
:R&D拠点(本国設置)
:生産拠点
:生産拠点(本国設置)
出所:各社ウェブサイト掲載情報を元に、デロイト トーマツ コンサルティング作成
6 グローバル企業の海外展開及びリスク管理手法にかかる調査・分析
8
第3章
2
海外の主要な多国籍企業の立地選択動向
1 海外の主要な多国籍企業における拠点設置状況や考え方
グローバル企業の海外拠点設置状況(総合電機(家電中心))
生産拠点の設置状況
(上位10カ国)
R&D拠点の設置状況
(上位10カ国)
対象企業
Haier(中)、LG Electronics(韓)、Philips(蘭)、
Samsung Electronics(韓)
韓国
9
対象企業
11
2
米国
2
5
中国
12
7
13
メキシコ
5
5
日本
4
ベトナム
インド
4
インド
英国
4
タイ
3
ドイツ
4
ポーランド
3
ブラジル
3
米国
3
イタリア
3
オランダ
1
1
2
39
27
韓国
10
中国
Haier(中)、LG Electronics(韓)、
Samsung Electronics(韓)
4
本国
フランス
2
0
海外
4
8
12
(拠点数)
出所:各社ウェブサイト掲載情報を元に、デロイト トーマツ コンサルティング作成
7 グローバル企業の海外展開及びリスク管理手法にかかる調査・分析
本国
インドネシア
2
0
海外
4
8
12
16
20
24
28
32
*その他ロシア・マレーシア・エジプトもインドネシアと同数
36
40
(拠点数)
第3章
2
海外の主要な多国籍企業の立地選択動向
1 海外の主要な多国籍企業における拠点設置状況や考え方
グローバル企業の海外拠点設置状況(総合電機(家電中心))
1 2
1
411
13
4 1
1
2
3
1
1
1
1
12
11
2
1
1
1
1
1
4
4
13
9 2
27
10
3
4
2 5
3
1 1
5
2
1
1 1
5
12
13
1
11
1
凡例 (記号内数値は拠点数)
:R&D拠点
:R&D拠点(本国設置)
:生産拠点
:生産拠点(本国設置)
出所:各社ウェブサイト掲載情報を元に、デロイト トーマツ コンサルティング作成
8 グローバル企業の海外展開及びリスク管理手法にかかる調査・分析
第3章
3
海外の主要な多国籍企業の立地選択動向
1 海外の主要な多国籍企業における拠点設置状況や考え方
グローバル企業の海外拠点設置状況(一般消費財)
生産拠点の設置状況(上位10カ国)
R&D拠点の設置状況(上位10カ国)
Pepsi Co(米)、P&G(米)、Kimberly-Clark(米)、Mondelez
対象
(米)、Nestlé(瑞西)、L‘Oréal(仏)、Danone(仏)、Henkel
企業
(独)、Associated British Foods (英)、Unilever(英)
米国
14
イギリス
5
ドイツ
17
10
2
7
インド
イタリア
4
トルコ
4
13
44
31
44
ブラジル
5
158
65
ロシア
9
7
メキシコ
111
72
ドイツ
11
フランス
47
メキシコ
12
中国
米国
中国
14
9
2
31
対象企業
P&G(米)、Kimberly-Clark(米)、Mondelez(米)、
Nestlé(瑞西)、Danone(仏)、Henkel(独)、
Associated British Foods (英)
41
インドネシア
30
フランス
29
イタリア
27
本国
本国
南アフリカ
4
0
4
海外
8
12
16
20
24
*その他スイス・日本もイタリア・トルコ・南アフリカと同数
28
32
(拠点数)
出所:各社ウェブサイト掲載情報を元に、デロイト トーマツ コンサルティング作成
9 グローバル企業の海外展開及びリスク管理手法にかかる調査・分析
インド
24
0
20
海外
40
60
80
100
120
140
160
(拠点数)
第3章
3
海外の主要な多国籍企業の立地選択動向
1 海外の主要な多国籍企業における拠点設置状況や考え方
グローバル企業の海外拠点設置状況(一般消費財)
1
5 2
20
4 12
44
2
19
5
13
4
2
3
9
11
9
2 331
1
29 713
2 12 1
3
4 4
210
14
2
27
4 9
3
5
3
17
1
2
2 1
5
6
11
12
4
2
14 4 2
6
21
1
4
2
10
7
1
1
1
4
1
24
1
47
10
2
72
1
65
8
3
5
3 2
1
1 110
10 11
5
1 8
1
3
4
111
1
1
1
31
10
1 8
3
3
4
1
3
1
2
18
1
4 12
10
凡例 (記号内数値は拠点数)
:R&D拠点
:R&D拠点(本国設置)
:生産拠点
:生産拠点(本国設置)
3
出所:各社ウェブサイト掲載情報を元に、デロイト トーマツ コンサルティング作成
10 グローバル企業の海外展開及びリスク管理手法にかかる調査・分析
1
13
2
第3章
4
海外の主要な多国籍企業の立地選択動向
1 海外の主要な多国籍企業における拠点設置状況や考え方
グローバル企業の海外拠点設置状況(自動車)
生産拠点の設置状況
(上位10カ国)
R&D拠点の設置状況
(上位10カ国)
BMW(独)、Ford(米)、GM(米)、Hyundai(韓)、
Volkswagen(独)
対象企業
ドイツ
11
米国
5
6
中国
16
ブラジル
30
3
メキシコ
イタリア
3
韓国
インド
3
ポーランド
10
日本
3
英国
10
海外
2
0
4
8
12
*その他英国・オーストラリア・ロシアも、南アフリカと同数
16
(拠点数)
出所:各社ウェブサイト、Fourin、Marklinesを元に、デロイト トーマツ コンサルティング作成
11 グローバル企業の海外展開及びリスク管理手法にかかる調査・分析
9
39
18
メキシコ
本国
62
20
ブラジル
4
南アフリカ
5
47
ロシア
1 5
4
57
ドイツ
12
韓国
米国
中国
14
8
BMW(独)、Ford(米)、GM(米)、Hyundai(韓)、
Volkswagen(独)
対象企業
14
7
南アフリカ
4 11
9
0
本国
海外
4 8 12 16 20 24 28 32 36 40 44 48 52 56 60 64
(拠点数)
第3章
4
海外の主要な多国籍企業の立地選択動向
1 海外の主要な多国籍企業における拠点設置状況や考え方
グローバル企業の海外拠点設置状況(自動車)
5
1
2
10 30
9 10
2 3
4
1 51
11
4
8 1 14
3 1
1
3 41
7 1
2 6
20
8
1
4
3
3
47
12
3
8
1
7
4
8
3
2
7
6
6
5
14
57
3
1
6
2
6
1
3
18
4 2
1 5
1
1
2 9
凡例 (記号内数値は拠点数)
:R&D拠点
:R&D拠点(本国設置)
:生産拠点
:生産拠点(本国設置)
出所:各社ウェブサイト掲載情報を元に、デロイト トーマツ コンサルティング作成
12 グローバル企業の海外展開及びリスク管理手法にかかる調査・分析
4
第3章
5
海外の主要な多国籍企業の立地選択動向
1 海外の主要な多国籍企業における拠点設置状況や考え方
グローバル企業の海外拠点設置状況(化学)
生産拠点の設置状況(上位10カ国)
R&D拠点の設置状況(上位10カ国)
対象
企業
Dow(米)、DuPont(米)、Huntsman(米)、Syngenta(瑞)、
Solvay(ベルギー)、Evonik(独)、BASF(独)、LG (韓)、
Sinopec(中)、Sabic(サウジアラビア)、Yara (ノルウェー)
米国
9
中国
8
ドイツ
25
13
12
6
日本
34
ブラジル
2
韓国 1
6
5
4
シンガポール
4
米国
22
70
92
39
ドイツ
18
20
12
フランス
32
23
8
ブラジル
7
13
8
韓国
9
8 17
インド
6
オーストラリア
Dow(米)、Huntsman(米)、Syngenta(瑞)、Solvay
(ベルギー)、Evonik(独)、Braskem(ブラジル)、
LG(韓)、Sabic(サウジアラビア)、Yara (ノルウェー)
中国
21
10
インド
対象企業
20
17
イタリア
11
スペイン
11
本国
フランス
4
0
4
海外
8
12
16
20
24
28
32
36
(拠点数)
出所:各社ウェブサイト掲載情報を元に、デロイト トーマツ コンサルティング作成
13 グローバル企業の海外展開及びリスク管理手法にかかる調査・分析
本国
ベルギー
5 4 9
0
10
海外
20
30
40
50
*その他日本・イギリスも、ベルギーと同数
60
70
80
90 100
(拠点数)
第3章
5
海外の主要な多国籍企業の立地選択動向
1 海外の主要な多国籍企業における拠点設置状況や考え方
グローバル企業の海外拠点設置状況(化学)
11
2
1
1
1
5
4 14 1
1
20
31 1
9
1 2 43312
12
23
16
4
1 2
11 2
11 2
1
1
6
3
1
39
8
1
2 1
111
3
8
17
1
1
1
13
4
2
3
4 4
9
21
22
9
5
1
10
9 8
1
5
5
1
1
5
5
:生産拠点(本国設置)
2 6
7 13
1
4
凡例 (記号内数値は拠点数)
:生産拠点
1
2
4
:R&D拠点(本国設置)
1
2
4
:R&D拠点
70
出所:各社ウェブサイト掲載情報を元に、デロイト トーマツ コンサルティング作成
14 グローバル企業の海外展開及びリスク管理手法にかかる調査・分析
1
3
第3章
6
海外の主要な多国籍企業の立地選択動向
1 海外の主要な多国籍企業における拠点設置状況や考え方
グローバル企業の海外拠点設置状況(ハイテク)
生産拠点の設置状況(上位10カ国)
R&D拠点の設置状況(上位10カ国)
IBM(米)、Intel(米)、Oracle(米)、Microsoft(米)、
hp(米)、Tata(印)、Lenovo(中)
対象企業
米国
2 44
42
インド
3 12
9
イスラエル
中国
5
5
イギリス
Intel(米)、Microsoft(米)、Lenovo(中)
中国
3
米国
3
2
10
ベトナム
2
5
1
コスタリカ
1
カナダ
4
トルコ
1
ロシア
4
ブラジル
1
日本
4
マレーシア
1
メキシコ
1
アイルランド
本国
海外
3
0
4
8
12 16
20 24
28 32
*その他フランスもアイルランドと同数
36 40
44
(拠点数)
出所:各社ウェブサイト掲載情報を元に、デロイト トーマツ コンサルティング作成
15 グローバル企業の海外展開及びリスク管理手法にかかる調査・分析
0
4
1
オーストラリア
アイルランド
9
6
10
7
ドイツ
対象企業
本国
海外
4
8
*その他日本もアイルランド・コスタリカ・トルコ・ブラジ
ル・マレーシア・メキシコと同数
12
(拠点数)
第3章
6
海外の主要な多国籍企業の立地選択動向
1 海外の主要な多国籍企業における拠点設置状況や考え方
グローバル企業の海外拠点設置状況(ハイテク)
3
4
4
1
7
1
51
321
2
42 3
1
2
1
5 5
3 5
10
1
9
1
3
1 4
1
1 1 2
1
1
1 12
2
1 1
1
1
1 2
2
1
1
凡例 (記号内数値は拠点数)
:R&D拠点
:R&D拠点(本国設置)
:生産拠点
:生産拠点(本国設置)
1
出所:各社ウェブサイト掲載情報を元に、デロイト トーマツ コンサルティング作成
16 グローバル企業の海外展開及びリスク管理手法にかかる調査・分析
第3章
7
海外の主要な多国籍企業の立地選択動向
1 海外の主要な多国籍企業における拠点設置状況や考え方
グローバル企業の海外拠点設置状況(製薬)
生産拠点の設置状況
(上位10カ国)
R&D拠点の設置状況
(上位10カ国)
Abbvie(米)、AstraZeneca(英)、GSK(英)、
Janssen(米)、Novartis(スイス)、Roche(スイス)、
Sanofi(仏)、Teva Pharma(イスラエル)
対象企業
米国
12
英国
41
9
スイス
5
13
フランス
53
米国
14
フランス
1 14
英国
4 12
ドイツ
中国
12
中国
ドイツ
12
イタリア
8
カナダ
5
インド
4
スペイン
4
19
28
24
4
9
11
33
15
13
11
8
スペイン
7
インド
7
アイルランド
7
海外
8
12 16 20 24 28 32 36 40 44 48
本国
0
4
海外
8 12 16 20 24 28 32 36 40 44 48 52 56
*その他イスラエルも、インド・スペインと同数
(拠点数)
出所:各社ウェブサイト掲載情報を元に、デロイト トーマツ コンサルティング作成
17 グローバル企業の海外展開及びリスク管理手法にかかる調査・分析
47
14
カナダ
8
日本
Abbott Laboratories(米)、AbbVie(米)、
AstraZeneca(英)、Novartis(スイス)、Sanofi(仏)、
Teva Pharma(イスラエル)
対象企業
本国
0
4
*その他日本も、スペイン・インド・アイルランドと同数
(拠点数)
第3章
7
海外の主要な多国籍企業の立地選択動向
1 海外の主要な多国籍企業における拠点設置状況や考え方
グローバル企業の海外拠点設置状況(製薬)
11
4
1
2
1 1
8
7 9 4 5 14 1 1 1
1 2 12 4
3
24 9 3
11 2
4 13 1
1
1
8 1 6 2 31 5
4 2 11
2
7
4 5
2
2
2
2
8
12
5
13
2
4
7
1
12
1 2
1
2
2
3
1
:生産拠点(本国設置)
6 11
1
2
1
凡例 (記号内数値は拠点数)
:生産拠点
11
1
2
:R&D拠点(本国設置)
28
1 6
2 3
:R&D拠点
19
7
1
2
41
出所:各社ウェブサイト掲載情報を元に、デロイト トーマツ コンサルティング作成
18 グローバル企業の海外展開及びリスク管理手法にかかる調査・分析
11 2
3
1 5
第3章
海外の主要な多国籍企業の立地選択動向
1 海外の主要な多国籍企業における拠点設置状況や考え方
国別の拠点設置状況について
国別拠点設置数(R&D拠点数+生産拠点数)の各地域上位3カ国
総合電機(重電)
地域
国
R&D
ヶ所
アジア
大洋
州
日本
1
中国
6
インド
5
韓国
2
ドイツ
14
EMEA フランス
0
英国
1
米国
15
米州 ブラジル
1
メキシコ
0
総計
70
%
生産
ヶ所
%
消費財
R&D
ヶ所
%
自動車
生産
ヶ所
%
R&D
ヶ所
0.3
4 2.7% 10 1.0%
%
9.2
11 7.5% 72 7.5%
8.6% 30
%
4.0
7 4.8% 24 2.5%
7.1% 13
%
2.8
2 1.4% 10 1.0%
2.9% 9
%
20.0
6.7
22
12 8.2% 44 4.6%
%
%
9.8
9 6.2% 29 3.0%
0.0% 32
%
9.2
14 9.6% 20 2.1%
1.4% 30
%
21.4
14.4
21.2
16.5
47
31
158
%
%
%
%
2.5
3 2.1% 41 4.3%
1.4% 8
%
2.8
5 3.4% 65 6.8%
0.0% 9
%
100
100
100
100
326
146
959
%
%
%
%
1.4% 1
%
化学
生産
ヶ所
%
R&D
ヶ所
%
ハイテク
生産
ヶ所
%
R&D
ヶ所
%
製薬
生産
ヶ所
%
R&D
ヶ所
%
生産
ヶ所
R&D 生産
合計 合計
%
3
3.8% 0 0.0% 10 7.3% 9 2.2% 4 3.0% 1 3.8% 5 2.8% 7 2.7% 27 28
12
15.4
13.0
15.3
30.8
47
21
39 9.7% 10 7.6% 8
12 6.8% 13 5.0% 72 209
%
%
%
%
3
3.8% 8 2.2% 8 5.8% 17 4.2% 12 9.1% 1 3.8% 4 2.3% 7 2.7% 39 70
5
6.4% 11 3.0% 6 4.4% 17 4.2% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 15 47
20.5
10.8
13.1
39
18
32 8.0% 5 3.8% 0 0.0% 12 6.8% 14 5.3% 77 151
%
%
%
12.6
1 1.3% 8 2.2% 4 2.9% 23 5.7% 3 2.3% 0 0.0% 12 6.8% 33
29 125
%
16
2
2.6% 10 2.8% 1 0.7% 9 2.2% 7 5.3% 0 0.0% 14 8.0% 15 5.7% 39 84
14
17.9
17.2
24.8
22.9
33.3
15.4
30.1
17.9
62
34
92
44
4
53
47
191 410
%
%
%
%
%
%
%
%
4
5.1% 18 5.0% 8 5.8% 20 5.0% 2 1.5% 1 3.8% 1 0.6% 5 1.9% 19 93
3
3.8% 14 3.9% 0 0.0% 5 1.2%
78
0.0% 2 7.7% 1 0.6% 6 2.3% 9 101
100
100
100
100
100
100
100
100
361
137
402
132
26
176
262
739 2336
%
%
%
%
%
%
%
%
出所:各社ウェブサイト掲載情報を元に、デロイト トーマツ コンサルティング作成
19 グローバル企業の海外展開及びリスク管理手法にかかる調査・分析
平成26年度
内外一体の経済成長戦略構築にかかる国際経済調査事業
(グローバル企業の海外展開及びリスク管理手法にかかる調査・分析)
資料編 :4章 日本及び海外の主要な多国籍企業のリスク管理手法
2015年3月
アンケートの概要・回答企業のプロファイル
2 グローバル企業の海外展開及びリスク管理手法にかかる調査・分析
第4章
日本及び海外の主要な多国籍企業のリスク管理手法
1 日本の主要な多国籍企業におけるリスク管理手法
回答企業のプロファイル
「グローバル企業のリスク管理手法に関するアンケート」回答企業のプロファイル
回答企業数
43社
業種
6
(14.0%)
連結売上高
3
(7.0%)
2
0.0%
(4.7%)
7
(16.3%)
海外売上高比率
3
(7.0%)
8
(18.6%)
12
(27.9%)
10
(23.3%)
3
(7.0%)
14
(32.6%)
8
(18.6%)
8
(18.6%)
20
(46.5%)
7
(16.3%)
18
(41.9%)
生活必需品
原材料
一般消費財
エネルギー
テクノロジー
金融・通信
工業
ヘルスケア
5千億円以下
1兆円~5兆円
40%以下
60-80%
5千億円~1兆円
5兆円以上
40-60%
80-100%
出所:アンケート調査結果を元に、デロイト トーマツ コンサルティング作成
3 グローバル企業の海外展開及びリスク管理手法にかかる調査・分析
第4章
日本及び海外の主要な多国籍企業のリスク管理手法
1 日本の主要な多国籍企業におけるリスク管理手法
(ご参考)アンケート構成・内容
リスク管理手法
Ⅰ
リスクマネジメントの
体制について
 リスクマネジメント部門が対応しているリスク、設置されている組織、専任役員(CRO)の設
置状況、人数規模、担当者のバックグラウンド、役割、管理範囲、課題等に関して調査
問1
(問1-1~1-8)
重視しているリスクと、
今後の変化について
 ビジネスを行っていく上で、重視しているリスクと特に重視しているリスクに関して、現在の
状況と想定される将来的(5-10年後)な状況を調査
問2
 ビジネスの拡大に当たって重視しているリスクと特に重視しているリスクを調査、またハー
ドルレート設定方法の考え方と、ハードルレートを設定する上での方法と考慮するリスクの
違いについて調査
問3~問6
 為替・金利・コモディティリスク、オペレーショナルリスク、自然災害リスクについて、それぞ
れ、重視しているリスク項目、対応策の実施状況、課題について調査
問7~問14
 地政学リスクの中でも重視しているリスク項目と特に重視しているリスク項目、対応策の実
施状況、対応を行っていない場合はその理由、課題について調査
問15~問17
Ⅱ
Ⅲ
ビジネスの拡大に
あたってのリスクマネジ
メントについて
Ⅳ
事業運営にあたっての
リスクマネジメントに
ついて
Ⅴ
地政学リスクへの
対処方法について
出所:アンケート調査結果を元に、デロイト トーマツ コンサルティング作成
4 グローバル企業の海外展開及びリスク管理手法にかかる調査・分析
分析の観点
5 グローバル企業の海外展開及びリスク管理手法にかかる調査・分析
第4章
日本及び海外の主要な多国籍企業のリスク管理手法
1 日本の主要な多国籍企業におけるリスク管理手法
分析の観点
リスク管理手法に関する分析の観点
分析の観点
全体傾向
内容
頁数
回答企業全体の傾向を分析する
 全質問項目について実施
次頁以照
海外売上比率別の
傾向
海外売上比率別の傾向(海外への展開状況による差異)を分析する
 全質問項目について実施
出所:デロイト トーマツ コンサルティング作成
6 グローバル企業の海外展開及びリスク管理手法にかかる調査・分析
Ⅰ
7
リスクマネジメントの体制について
第4章
1
日本及び海外の主要な多国籍企業のリスク管理手法
1 日本の主要な多国籍企業におけるリスク管理手法
全体傾向
リスクマネジメントの体制について(1/15)
Ⅰ
問1-1 リスクマネジメント部門において、対応しているリスクについて、○をつけて下さい。
(複数回答可、その他のみ記述)
35
n=42
32
31
29
28
29
28
25
23
21
21
17
15
(その他の具体的な内容)
• 複数部署で分担している
• 各リスクは専門部署が担当、RM部内は横串機能
• 全社ポートフォリオ(ストレステストふくむ)
• 感染症大流行
• 資金調達のリスク、個別の事業リスク
• 対応部門の決まっていない全社的リスク
• カントリーリスク
• 上記、諸要因含めた事業リスク
• すべてのリスクの事務局
• 重要情報の漏洩リスク
15
12
ビジネス
与信
為替
金利
コモ
ディティ
品質
オペレー システム
ション
法務・
倫理
注釈:グラフの横軸については簡略化して記載している、アンケート回答票との対応表については次頁を参照
出所:アンケート調査結果を元に、デロイト トーマツ コンサルティング作成
8 グローバル企業の海外展開及びリスク管理手法にかかる調査・分析
環境
労務人事
不正
制度・法 自然災害 地政学
令変更
10
その他
第4章
2
日本及び海外の主要な多国籍企業のリスク管理手法
1 日本の主要な多国籍企業におけるリスク管理手法
海外売上比率別の傾向
リスクマネジメントの体制について(2/15)
Ⅰ
問1-1 リスクマネジメント部門において、対応しているリスクについて、○をつけて下さい。
(複数回答可、その他のみ記述)
95%
(20)
海外売上比率・高 n=21
海外売上比率・低 n=21
81%
(17)
*( )内は回答企業数
71%
(15)
81%
(17)
71%
(15)
57%
(12)
52%
48% (11) 48%
(10)
(10)
76%
71% 71% (16)
(15) (15)
71%
(15)
57%
(12)
57%
(12)
62% 62%
(13) (13)
48%
(10)
38%
38%
(8)
33%
33% 33% (8)
33%
(7)
76%
(16)
71%
(15)
81%
(17)
(7)
38%
(8)
38%
(8)
(7) (7)
29%
(6)
24%
(5)
ビジネス
19%
(4)
与信
為替
金利
コモ
ディティ
品質
オペレー システム
ション
法務・
倫理
注釈:グラフの横軸については簡略化して記載している、アンケート回答票との対応表については次頁を参照
出所:アンケート調査結果を元に、デロイト トーマツ コンサルティング作成
9 グローバル企業の海外展開及びリスク管理手法にかかる調査・分析
環境
労務人事
不正
制度・法 自然災害 地政学
令変更
その他
第4章
Ⅰ
日本及び海外の主要な多国籍企業のリスク管理手法
1 日本の主要な多国籍企業におけるリスク管理手法
リスクマネジメントの体制について(3/15)
(参考)リスク:アンケート回答欄との対応表
ラベル名
アンケート回答欄の記載内容
ビジネス
市場規模・シェアの下振れ等の、ビジネスに関係するリスク
与信
売掛金の回収等の与信リスク
為替
為替変動のリスク
金利
金利の上昇リスク
コモディティ
原油・エネルギー等のコモディティ価格の上昇・下落のリスク
品質
製品・技術の安全や品質等に関するリスク
オペレーション
業務プロセス上で発生するミスや事故のリスク
システム
サイバーテロやシステム誤動作等の情報・システム関連のリスク
法務・倫理
法律違反、倫理違反等の法務・倫理リスク
環境
環境破壊、廃棄物処理違反等の環境リスク
労務人事
差別、安全衛生管理の不備、セクハラ・パワハラ等の労務人事リスク
不正
粉飾決算等、経営者の不正リスク
制度・法令変更
事業に重大な影響を与える可能性のある制度・法令の変更リスク(例:電気小売料金規制の変更、販売補助金制度の撤廃等)
自然災害
地震、洪水等の自然災害リスク
地政学
紛争、テロ等地政学リスク
その他
その他のリスク
出所:デロイト トーマツ コンサルティング作成
10 グローバル企業の海外展開及びリスク管理手法にかかる調査・分析
第4章
1
Ⅰ
日本及び海外の主要な多国籍企業のリスク管理手法
1 日本の主要な多国籍企業におけるリスク管理手法
全体傾向
リスクマネジメントの体制について(4/15)
問1-2 リスクマネジメント部門が設置されている組織について、○をつけて下さい。(○は1つ、その他のみ記述)
14
n=43
12
8
(その他の具体的な内容)
• 本社と一部子会社
• 本社及び一部の子会社に設置
• 本社及び主要子会社に設置
3
本社、地域統
括会社、各子
会社に設置
本社及び地域統
括会社に設置
3
本社及び各子
会社に設置
本社のみに設置
0
0
地域統括会社
のみに設置
各子会社の
みに設置
出所:アンケート調査結果を元に、デロイト トーマツ コンサルティング作成
11 グローバル企業の海外展開及びリスク管理手法にかかる調査・分析
3
0
その他
非恒久組織で
対応している
(例:委員会)
設置されていない
第4章
2
Ⅰ
日本及び海外の主要な多国籍企業のリスク管理手法
1 日本の主要な多国籍企業におけるリスク管理手法
海外売上比率別の傾向
リスクマネジメントの体制について(5/15)
問1-2 リスクマネジメント部門が設置されている組織について、○をつけて下さい。(○は1つ、その他のみ記述)
海外売上比率・高 n=22
海外売上比率・低 n=21
38.1%
(8)
*( )内は回答企業数
27.3%
(6)
28.6%
(6)
27.3%
(6)
22.7%
(5)
14.3%
(3)
14.3%
(3)
13.6%
(3)
9.1%
(2)
4.8%
(1)
本社、地域統
括会社、各子
会社に設置
本社及び地域統
括会社に設置
本社及び各子
会社に設置
本社のみに設置
0.0% 0.0%
(0)
(0)
0.0% 0.0%
(0)
(0)
地域統括会社
のみに設置
各子会社の
みに設置
出所:アンケート調査結果を元に、デロイト トーマツ コンサルティング作成
12 グローバル企業の海外展開及びリスク管理手法にかかる調査・分析
0.0%
(0)
その他
0.0%
(0)
非恒久組織で
対応している
(例:委員会)
0.0% 0.0%
(0)
(0)
設置されていない
第4章
1
Ⅰ
日本及び海外の主要な多国籍企業のリスク管理手法
1 日本の主要な多国籍企業におけるリスク管理手法
全体傾向
リスクマネジメントの体制について(6/15)
問1-3 リスクマネジメント専任役員(CRO)の設置について、下記に○をつけて下さい。(○は1つ)
n=42
18
(42.9%)
24
(57.1%)
有
出所:アンケート調査結果を元に、デロイト トーマツ コンサルティング作成
13 グローバル企業の海外展開及びリスク管理手法にかかる調査・分析
無
第4章
2
Ⅰ
日本及び海外の主要な多国籍企業のリスク管理手法
1 日本の主要な多国籍企業におけるリスク管理手法
海外売上比率別の傾向
リスクマネジメントの体制について(7/15)
問1-3 リスクマネジメント専任役員(CRO)の設置について、下記に○をつけて下さい。(○は1つ)
海外売上比率・低
海外売上比率・高
n=22
n=20
9
(40.9%)
9
(45.0%)
11
(55.0%)
13
(59.1%)
有
無
出所:アンケート調査結果を元に、デロイト トーマツ コンサルティング作成
14 グローバル企業の海外展開及びリスク管理手法にかかる調査・分析
有
無
第4章
1
Ⅰ
日本及び海外の主要な多国籍企業のリスク管理手法
1 日本の主要な多国籍企業におけるリスク管理手法
全体傾向
リスクマネジメントの体制について(8/15)
問1-4 グローバル全体でリスクマネジメント部門に所属している人数の規模について、○をつけて下さい。(○は1つ)
(専任者)
n=36
(兼任者)
n=35
6
(16.7%)
0.0%
4
(11.1%)
6
(17.1%)
11
(31.4%)
1
(2.9%)
7
(19.4%)
6
(16.7%)
7
(20.0%)
2
(5.7%)
0.0%
6
(16.7%)
0人
10-30人
1-2人
3-10人
7
(19.4%)
8
(22.9%)
分からない
0人
10-30人
30-100人
1-2人
30-100人
100人以上
3-10人
100人以上
出所:アンケート調査結果を元に、デロイト トーマツ コンサルティング作成
15 グローバル企業の海外展開及びリスク管理手法にかかる調査・分析
分からない
第4章
2
Ⅰ
日本及び海外の主要な多国籍企業のリスク管理手法
1 日本の主要な多国籍企業におけるリスク管理手法
海外売上比率別の傾向
リスクマネジメントの体制について(9/15)
問1-4 グローバル全体でリスクマネジメント部門に所属している人数の規模について、○をつけて下さい。(○は1つ)
海外売上比率・低
海外売上比率・高
(専任者)
n=20
3
(15.0%)
4
(20.0%)
1
0
(5.0%)
(0.0%)
2
(10.0%)
(専任者)
0人
n=16
1-2人
3-10人
6
(30.0%)
10-30人
5
(31.3%)
30-100人
100人以上
4
(20.0%)
n=18
5
(27.8%)
1
(5.6%)
0人
1-2人
3-10人
n=17
6
(35.3%)
3
(17.6%)
0
(0.0%)
4
(23.5%)
30-100人
100人以上
5
(27.8%)
分からない
出所:アンケート調査結果を元に、デロイト トーマツ コンサルティング作成
16 グローバル企業の海外展開及びリスク管理手法にかかる調査・分析
3-10人
10-30人
30-100人
10-30人
3
(16.7%)
1
(5.6%)
1-2人
100人以上
分からない
0.0%
(兼任者)
3
(16.7%)
0人
1
(6.3%)
3
(18.8%)
4
0
(25.0%)
(0.0%)
分からない
0.0%
(兼任者)
2
1
(12.5%) (6.3%)
1
(5.9%)
0人
1-2人
3-10人
10-30人
30-100人
100人以上
3
(17.6%)
分からない
日本及び海外の主要な多国籍企業のリスク管理手法
第4章
1
Ⅰ
1 日本の主要な多国籍企業におけるリスク管理手法
全体傾向
リスクマネジメントの体制について(10/15)
問1-5 リスクマネジメント部門に所属している担当者のバックグラウンドについて、当てはまるものに○をつけて下さい。
(複数回答可、その他のみ記述)
27
n=42
24
21
17
15
11
(その他の具体的な内容)
• システム、法務、人事
• 対象により都度
• グループ会社管理
• 研究、開発
• 研究、購買
• 経営戦略
• 法務、技術、CSR
• 海外駐在経験者
• 商品開発・管理
• 経営企画、内部監査
• 法務
• 人事
• リスクマネジメント専門が大半
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
企画、情報システム
法務、監査
環境、CS、法務、CSR
IT、管理系業務
IT部門
法務
リスクマネジメント専任者、及び
営業・その他管理部門経験者
担当リスク分野により技術系も
所属
入社後、専任者として育成
法務、経営企画
法務
5
営業
エンジニア
経理
出所:アンケート調査結果を元に、デロイト トーマツ コンサルティング作成
17 グローバル企業の海外展開及びリスク管理手法にかかる調査・分析
財務
総務
外部機関(監査法
人・コンサルティン
グファーム等)
その他
日本及び海外の主要な多国籍企業のリスク管理手法
第4章
2
Ⅰ
1 日本の主要な多国籍企業におけるリスク管理手法
海外売上比率別の傾向
リスクマネジメントの体制について(11/15)
問1-5 リスクマネジメント部門に所属している担当者のバックグラウンドについて、当てはまるものに○をつけて下さい。
(複数回答可、その他のみ記述)
81%
(17)
海外売上比率・高 n=21
海外売上比率・低 n=21
*( )内は回答企業数
43%
(9)
67%
(14)
48%
(10)
38%
(8)
52%
(11)
48%
(10)
48%
(10)
48%
(10)
33%
(7)
24%
(5)
19%
(4)
19%
(4)
5%
(1)
営業
エンジニア
経理
出所:アンケート調査結果を元に、デロイト トーマツ コンサルティング作成
18 グローバル企業の海外展開及びリスク管理手法にかかる調査・分析
財務
総務
外部機関(監査法
人・コンサルティン
グファーム等)
その他
第4章
1
Ⅰ
日本及び海外の主要な多国籍企業のリスク管理手法
1 日本の主要な多国籍企業におけるリスク管理手法
全体傾向
リスクマネジメントの体制について(12/15)
問1-6 リスクマネジメント部門の役割について、○をつけて下さい。(複数回答可)
n=42
38
37
33
32
30
3
他部門に対して助言
投資や事業継続の承認
リスクマネジメ
ント規定の策定
出所:アンケート調査結果を元に、デロイト トーマツ コンサルティング作成
19 グローバル企業の海外展開及びリスク管理手法にかかる調査・分析
リスクアセスメントの実施
教育
モニタリング
第4章
2
Ⅰ
日本及び海外の主要な多国籍企業のリスク管理手法
1 日本の主要な多国籍企業におけるリスク管理手法
海外売上比率別の傾向
リスクマネジメントの体制について(13/15)
問1-6 リスクマネジメント部門の役割について、○をつけて下さい。(複数回答可)
海外売上比率・高 n=21
海外売上比率・低 n=21
*( )内は回答企業数
100%
(21)
95%
(20)
86%
(18)
76%
(16)
他部門に対して助言
81%
(17)
71%
(15)
5%
(1)
86%
(18)
71%
(15)
71%
(15)
71%
(15)
10%
(2)
投資や事業継続の承認
リスクマネジメ
ント規定の策定
出所:アンケート調査結果を元に、デロイト トーマツ コンサルティング作成
20 グローバル企業の海外展開及びリスク管理手法にかかる調査・分析
リスクアセスメントの実施
教育
モニタリング
Ⅰ
1 日本の主要な多国籍企業におけるリスク管理手法
日本及び海外の主要な多国籍企業のリスク管理手法
第4章
1
全体傾向
リスクマネジメントの体制について(14/15)
問1-7 リスクマネジメント部門が実効性を持って管理できている範囲について、○をつけて下さい。(各項目で○は1つ)
(本国の拠点)
n=42
(海外の拠点)
n=40
0.0%
1
(2.4%)
19
(45.2%)
(M&A等で取得した子会社)
n=33
6
(15.0%)
6
(15.0%)
3
(9.1%)
9
(27.3%)
22
(52.4%)
28
(70.0%)
21
(63.6%)
管理できていない
海外は管理できていない
主要な子会社を含めて管理
主要な子会社を含めて管理
M&A等で取得した子会社は
管理できていない
小規模子会社を含めて管理
小規模子会社を含めて管理
主要な子会社を含めて管理
本社のみ管理
出所:アンケート調査結果を元に、デロイト トーマツ コンサルティング作成
21 グローバル企業の海外展開及びリスク管理手法にかかる調査・分析
小規模子会社を含めて管理
第4章
1
Ⅰ
日本及び海外の主要な多国籍企業のリスク管理手法
1 日本の主要な多国籍企業におけるリスク管理手法
全体傾向
リスクマネジメントの体制について(15/15)
問1-8 リスクマネジメント部門に関する課題について記述して下さい。
課題に関する記述内容 n=20
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
管理すべきリスクが変化しているが、対応が追いついていない。
かつてはM&Aで取得した子会社に対して効果的にリスクマネジメントの各手法を導入することが課題であったが、現在はリスクマネジメントに関するガイドラインパッ
ケージを作成することで、効率的に進めることが可能となった。従がい、現時点では特段の課題はないと考えている。
活動内容が多くの社員に見えづらく、支援を受けづらい。
マネジメントの実効性の向上(形骸化の防止)
社内で意志の低さ。
事業のグローバル化により、海外拠点が急増している中、各拠点でのリスクマネジメント状況のタイムリーな掌握が難しい。
RM活動における費用対効果の明確化(リスクの数値化)
各部門のPDCAを補助する助言・教育機能が弱く、結果的に各部門のPDCAも弱体化している。
リスクマネジメントの実効性の向上
リスクマネジメントに関する啓蒙、社内教育
事業ドメインの掌握する個別の事業リスクに、リスクマネジメント部門としてどこまで踏み込むべきか。(自動車会社のように単一事業でないため、個々の事業の専門性
も高くハードルも高い)
リスク管理の体系、保有リスクの考え方、リスク定量化
リスクマネジメントの専門家が少なく、知識・経験・スキルの向上が課題
複数にまたがった関係部門・委員会組織、それぞれの近接分野での権限・責任の明確化。
海外法人の独立性を維持することと、グループとして統一的な管理を行うことの両立。
現在は、コンプライアンスリスクを中心としている。その他のリスクについては、各担当部門が管理している。一元的なリスク管理体制の構築を検討している。
PDCAの高度化・経営管理との更なる融合
情報過多・人材育成
国際カルテルや海外腐敗行為防止法等への対応
事業ポートフォリオ最適化に資する投資入替規準ルールの設定、運用
リスクカルチャーの醸成、深化に資するフレームワークの構築
各リスクに対する主管部門を明確にし、合意を得ること
対策の運用状況を確認する部門を明確にすること
出所:アンケート調査結果を元に、デロイト トーマツ コンサルティング作成
22 グローバル企業の海外展開及びリスク管理手法にかかる調査・分析
Ⅱ
23
重視しているリスクと、今後の変化について
第4章
1
Ⅱ
日本及び海外の主要な多国籍企業のリスク管理手法
1 日本の主要な多国籍企業におけるリスク管理手法
全体傾向
重視しているリスクと、今後の変化について(1/5)
問2 現在、ビジネスを行っていくうえで重視しているリスク項目は何でしょうか。重視している項目に○を、
その中でも特に重視されている項目に◎をつけて下さい。(複数回答可、その他のみ記述)
重視している項目 n=43
特に重視している項目 n=36
38
37
31
31
29
28
26
26
22
17
22
19
17
18
26
25
22
14
18
21
13
11
5
1
ビジネス
26
22
15
21
23
17
18
25
24
24
与信
為替
3
8
2
金利
4
コモ
ディティ
4
品質
6
13
5
オペレー システム
ション
法務・
倫理
1
2
1
環境
労務人事
不正
3
3
制度・法 自然災害 地政学
令変更
3
その他
(その他の具体的な内容)
【重視する項目】
【特に重視する項目】
• 全社ポートフォリオ(ストレステストふくむ) • 人材確保・育成に関するリスク
• 当社グループの事業活動は多岐に渡っ • 感染症大流行
ており、事業毎に重視するリスクは異なる • 資金調達のリスク、個別の事業リスク
• 環境社会リスク
出所:アンケート調査結果を元に、デロイト トーマツ コンサルティング作成
24 グローバル企業の海外展開及びリスク管理手法にかかる調査・分析
第4章
2
日本及び海外の主要な多国籍企業のリスク管理手法
1 日本の主要な多国籍企業におけるリスク管理手法
海外売上比率別の傾向
重視しているリスクと、今後の変化について(2/5)
Ⅱ
問2 現在、ビジネスを行っていくうえで重視しているリスク項目は何でしょうか。重視している項目に○を、
その中でも特に重視されている項目に◎をつけて下さい。(複数回答可、その他のみ記述)
海外売上比率・高(重視する項目) n=22
海外売上比率・高(特に重視する項目) n=19
20
海外売上比率・低(重視する項目) n=21
19 19
海外売上比率・低(特に重視する項目) n=17
17
17
16
15
15
15
15
14
14
13
13 13
12
10
9
8
12
10
10
10
8
6
11
13
15
11
9
13
5
1
為替
1
金利
1
9
2
2
2
3
9
コモ
ディティ
オペレー システム
ション
出所:アンケート調査結果を元に、デロイト トーマツ コンサルティング作成
25 グローバル企業の海外展開及びリスク管理手法にかかる調査・分析
法務・
倫理
1
4
0
品質
7
3
2
0
11
12
5
4
2
11
8
6
8
14 12
11
6
3
12
9
6
与信
9
10
13
8
7
9
ビジネス
13
15
9
0
10
12
11
9
9
6
15
13
環境
1
2
0
労務人事
1
不正
0
1
2
1
制度・法 自然災害 地政学
令変更
2
2
その他
3
2
1
第4章
1
日本及び海外の主要な多国籍企業のリスク管理手法
1 日本の主要な多国籍企業におけるリスク管理手法
全体傾向
重視しているリスクと、今後の変化について(3/5)
Ⅱ
問2 近年のビジネス環境の変化(グローバル化、デジタル化、モジュール化等)を踏まえ、
将来的(5-10年後)にはどのリスク項目が重要となるとお考えでしょうか。重視している項目に○を、その中でも
特に重視されている項目に◎をつけて下さい。(複数回答可、その他のみ記述)
重視している項目 n=39
31
特に重視している項目 n=31
28
26
27
26
26
24
23
22
15
17
16
19
18
21
20
19
13
13
21
19
17
22
16
13
20
18
17
15
10
1
ビジネス
6
13
11
与信
3
為替
4
金利
5
コモ
ディティ
7
6
4
3
品質
10
オペレー システム
ション
法務・
倫理
環境
2
労務人事
4
26 グローバル企業の海外展開及びリスク管理手法にかかる調査・分析
3
0
不正
(その他の具体的な内容)
【重視する項目】
• 人材確保・育成に関するリスク
• 全社ポートフォリオ(ストレステストふくむ)
• 当社グループの事業活動は多岐に渡っ
ており、事業毎に重視するリスクは異なる
出所:アンケート調査結果を元に、デロイト トーマツ コンサルティング作成
3
5
制度・法 自然災害 地政学
令変更
その他
【特に重視する項目】
• 感染症大流行
• 資金調達のリスク、個別のリスク
• 環境社会リスク
第4章
2
1 日本の主要な多国籍企業におけるリスク管理手法
日本及び海外の主要な多国籍企業のリスク管理手法
海外売上比率別の傾向
重視しているリスクと、今後の変化について(4/5)
Ⅱ
問2 近年のビジネス環境の変化(グローバル化、デジタル化、モジュール化等)を踏まえ、
将来的(5-10年後)にはどのリスク項目が重要となるとお考えでしょうか。重視している項目に○を、その中でも
特に重視されている項目に◎をつけて下さい。(複数回答可、その他のみ記述)
海外売上比率・高(重視する項目) n=20
海外売上比率・高(特に重視する項目) n=15
海外売上比率・低(重視する項目) n=19
海外売上比率・低(特に重視する項目) n=16
16
15
14 14
13 13
15
14
13 13
13
12
12 12
11 11
11
11
11
10
5
6
9
9
8
9
7
9
10
8
7
8
12
10
1
1
為替
2
3
1
金利
2
1
品質
6
5
3
2
1
2
オペレー システム
ション
出所:アンケート調査結果を元に、デロイト トーマツ コンサルティング作成
27 グローバル企業の海外展開及びリスク管理手法にかかる調査・分析
2
法務・
倫理
8 10
12
9
8
コモ
ディティ
6
8
12
8
7
6
5
与信
12
4
4
0
12
10
5
7
ビジネス
8
9
9
12
6
9
9
8
12
3
1
環境
7
4
2
0
労務人事
0
不正
0
3
6
4
3
2
2
0
制度・法 自然災害 地政学
令変更
1
3
1
2
その他
第4章
Ⅱ
日本及び海外の主要な多国籍企業のリスク管理手法
1 日本の主要な多国籍企業におけるリスク管理手法
重視しているリスクと、今後の変化について(5/5)
(参考)リスク: アンケート回答欄との対応表
ラベル名
アンケート回答欄の記載内容
ビジネス
市場規模・シェアの下振れ等の、ビジネスに関係するリスク
与信
売掛金の回収等の与信リスク
為替
為替変動のリスク
金利
金利の上昇リスク
コモディティ
原油・エネルギー等のコモディティ価格の上昇・下落のリスク
品質
製品・技術の安全や品質等に関するリスク
オペレーション
業務プロセス上で発生するミスや事故のリスク
システム
サイバーテロやシステム誤動作等の情報・システム関連のリスク
法務・倫理
法律違反、倫理違反等の法務・倫理リスク
環境
環境破壊、廃棄物処理違反等の環境リスク
労務人事
差別、安全衛生管理の不備、セクハラ・パワハラ等の労務人事リスク
不正
粉飾決算等、経営者の不正リスク
制度・法令変更
事業に重大な影響を与える可能性のある制度・法令の変更リスク(例:電気小売料金規制の変更、販売補助金制度の撤廃等)
自然災害
地震、洪水等の自然災害リスク
地政学
紛争、テロ等地政学リスク
その他
その他のリスク
出所:デロイト トーマツ コンサルティング作成
28 グローバル企業の海外展開及びリスク管理手法にかかる調査・分析
Ⅲ
29
ビジネスの拡大にあたってのリスクマネジメントについて
第4章
1
Ⅲ
日本及び海外の主要な多国籍企業のリスク管理手法
1 日本の主要な多国籍企業におけるリスク管理手法
全体傾向
ビジネスの拡大にあたってのリスクマネジメントについて(1/9)
問3 ビジネスの拡大にあたって重視しているリスク項目は何でしょうか。重視している項目に○を、その中でも特に
重視されている項目に◎をつけて下さい。(複数回答可、その他のみ記述)
重視している項目 n=41
35
特に重視している項目 n=28
31
31
31
24
20
23
17
27
29
19
10
15
5
8
市場規模
販売シェ
ア・価格
10
14
8
9
3
3
2
2
3
競合
仕入
代替品
2
政情・経
済不安
3
0
資源
3
5
4
サプライ
チェーン
制度・法
令の変更
1
住民感
情・モラル
2
1
その他
(その他の具体的な内容)
【重視する項目】
【特に重視する項目】
• 当社グループの事業活動は多岐に渡ってお • M&Aが失敗するリスク
り、事業毎に重視するリスクは異なる
• 商品の品質や新規性に係るマーケット適合性
出所:アンケート調査結果を元に、デロイト トーマツ コンサルティング作成
30 グローバル企業の海外展開及びリスク管理手法にかかる調査・分析
日本及び海外の主要な多国籍企業のリスク管理手法
第4章
1 日本の主要な多国籍企業におけるリスク管理手法
海外売上比率別の傾向
ビジネスの拡大にあたってのリスクマネジメントについて(2/9)
2
Ⅲ
問3 ビジネスの拡大にあたって重視しているリスク項目は何でしょうか。重視している項目に○を、その中でも特に
重視されている項目に◎をつけて下さい。(複数回答可、その他のみ記述)
海外売上比率・高(重視する項目) n=22
海外売上比率・低(重視する項目) n=19
海外売上比率・高(特に重視する項目) n=12
海外売上比率・低(特に重視する項目) n=16
18
17
17
17
14
6
17
14
14
13
11
14
14
11
9
16
8
9
5
3
4
市場規模
5
3
販売シェ
ア・価格
2
1
2
2
6
5
11
3
5
7
5
0
0
競合
仕入
3
2
2
11
7
13
11
16
2
代替品
2
1
1
1
政情・経
済不安
出所:アンケート調査結果を元に、デロイト トーマツ コンサルティング作成
31 グローバル企業の海外展開及びリスク管理手法にかかる調査・分析
1
0
1
資源
2
0
0
住民感
情・モラル
5
1
3
1
0
サプライ
チェーン
1
制度・法
令の変更
0
1
その他
2
0
2
第4章
Ⅲ
日本及び海外の主要な多国籍企業のリスク管理手法
1 日本の主要な多国籍企業におけるリスク管理手法
ビジネスの拡大にあたってのリスクマネジメントについて(3/9)
(参考)ビジネスの拡大にあたってのリスク:アンケート回答欄との対応表
ラベル名
アンケート回答欄の記載内容
市場規模
見込んでいる市場規模の縮小や立ち上がりの遅れ
販売シェア・価格
見込んでいる販売シェア・価格の下振れ
競合
自社の既存ビジネスとの競合
仕入
想定している仕入価格・仕入量の確保
代替品
代替品等の登場によるビジネスの陳腐化
政情・経済不安
展開しようとしている国・地域における政情・経済不安
資源
展開しようとしている国・地域における資源問題
住民感情・モラル
展開しようとしている国・地域における住民感情・モラル
サプライチェーン
本国やビジネス上関連する国・地域とのサプライチェーンの連携
制度・法令の変更
事業に重大な影響を与える可能性のある制度・法令の変更(例:電気小売料金規制の変更、販売補助金制度の撤廃等)
その他
その他のビジネスの拡大に伴うリスク
出所:デロイト トーマツ コンサルティング作成
32 グローバル企業の海外展開及びリスク管理手法にかかる調査・分析
第4章
1
Ⅲ
日本及び海外の主要な多国籍企業のリスク管理手法
1 日本の主要な多国籍企業におけるリスク管理手法
全体傾向
ビジネスの拡大にあたってのリスクマネジメントについて(4/9)
問4 国内におけるビジネスの拡大にあたっての収益目標(ハードルレート)の設定方法の考え方について、
最も近いものに○をつけて下さい。(○は1つ)
3
(7.5%)
n=40
(その他の具体的な内容)
• 総括的に判断
• 不明
• 財務体質改善を目標とした収益
目標を設定している
8
(20.0%)
23
(57.5%)
4
(10.0%)
2
(5.0%)
資本コストをベースに収益目標(ハードルレート)を設定している
資本コストに、カントリーリスクを加味した収益目標(ハードルレート)を設定している
資本コストに、カントリーリスクを加味し、さらにバッファーを加えた収益目標(ハードルレート)を設定している
特段の収益目標(ハードルレート)は設定していない
出所:アンケート調査結果を元に、デロイト トーマツ コンサルティング作成
33 グローバル企業の海外展開及びリスク管理手法にかかる調査・分析
その他
第4章
2
Ⅲ
日本及び海外の主要な多国籍企業のリスク管理手法
1 日本の主要な多国籍企業におけるリスク管理手法
海外売上比率別の傾向
ビジネスの拡大にあたってのリスクマネジメントについて(5/9)
問4 国内におけるビジネスの拡大にあたっての収益目標(ハードルレート)の設定方法の考え方について、
最も近いものに○をつけて下さい。(○は1つ)
海外売上比率・低
海外売上比率・高
n=21
1
(5.3%)
n=19
2
(9.5%)
2
(10.5%)
6
(28.6%)
12
(57.1%)
4
(21.1%)
0.0%
1
(4.8%)
11
(57.9%)
1
(5.3%)
資本コストをベースに収益目標(ハードルレート)を設定している
資本コストをベースに収益目標(ハードルレート)を設定している
資本コストに、カントリーリスクを加味した収益目標
(ハードルレート)を設定している
資本コストに、カントリーリスクを加味した収益目標
(ハードルレート)を設定している
資本コストに、カントリーリスクを加味し、さらにバッファーを加えた
収益目標(ハードルレート)を設定している
資本コストに、カントリーリスクを加味し、さらにバッファーを加えた
収益目標(ハードルレート)を設定している
特段の収益目標(ハードルレート)は設定していない
特段の収益目標(ハードルレート)は設定していない
その他
その他
出所:アンケート調査結果を元に、デロイト トーマツ コンサルティング作成
34 グローバル企業の海外展開及びリスク管理手法にかかる調査・分析
第4章
1
Ⅲ
日本及び海外の主要な多国籍企業のリスク管理手法
1 日本の主要な多国籍企業におけるリスク管理手法
全体傾向
ビジネスの拡大にあたってのリスクマネジメントについて(6/9)
問5 海外におけるビジネスの拡大にあたっての収益目標(ハードルレート)の設定方法の考え方について、
最も近いものに○をつけて下さい。(○は1つ)
n=40
3
(7.5%)
(その他の具体的な内容)
• 不明
• 総括的に判断
• 財務体質改善を目標とした収益目
標を設定している
7
(17.5%)
19
(47.5%)
7
(17.5%)
4
(10.0%)
資本コストをベースに収益目標(ハードルレート)を設定している
特段の収益目標(ハードルレート)は設定していない
資本コストに、カントリーリスクを加味した収益目標(ハードルレート)を設定している
その他
資本コストに、カントリーリスクを加味し、さらにバッファーを加えた収益目標(ハードルレート)を設定している
出所:アンケート調査結果を元に、デロイト トーマツ コンサルティング作成
35 グローバル企業の海外展開及びリスク管理手法にかかる調査・分析
第4章
2
Ⅲ
日本及び海外の主要な多国籍企業のリスク管理手法
1 日本の主要な多国籍企業におけるリスク管理手法
海外売上比率別の傾向
ビジネスの拡大にあたってのリスクマネジメントについて(7/9)
問5 海外におけるビジネスの拡大にあたっての収益目標(ハードルレート)の設定方法の考え方について、
最も近いものに○をつけて下さい。(○は1つ)
海外売上比率・低
海外売上比率・高
2
(9.5%)
n=21
1
(5.3%)
n=19
2
(10.5%)
5
(23.8%)
9
(42.9%)
10
(52.6%)
5
(26.3%)
2
(9.5%)
1
(5.3%)
3
(14.3%)
資本コストをベースに収益目標(ハードルレート)を設定している
資本コストをベースに収益目標(ハードルレート)を設定している
資本コストに、カントリーリスクを加味した収益目標(ハードルレート)
を設定している
資本コストに、カントリーリスクを加味した収益目標(ハードルレート)
を設定している
資本コストに、カントリーリスクを加味し、さらにバッファーを加えた
収益目標(ハードルレート)を設定している
資本コストに、カントリーリスクを加味し、さらにバッファーを加えた
収益目標(ハードルレート)を設定している
特段の収益目標(ハードルレート)は設定していない
特段の収益目標(ハードルレート)は設定していない
その他
その他
出所:アンケート調査結果を元に、デロイト トーマツ コンサルティング作成
36 グローバル企業の海外展開及びリスク管理手法にかかる調査・分析
第4章
1
Ⅲ
日本及び海外の主要な多国籍企業のリスク管理手法
1 日本の主要な多国籍企業におけるリスク管理手法
全体傾向
ビジネスの拡大にあたってのリスクマネジメントについて(8/9)
問6 各事業における収益目標(ハードルレート)の設定方法や、設定する上で考慮するリスクの種類に
違いはありますでしょうか。(○は1つ)
n=36
(その他の具体的な内容)
• ハードルレートは設定していない
• 不明
• 総括的に判断
• 設定していない為、回答なし
4
(11.1%)
12
(33.3%)
9
(25.0%)
11
(30.6%)
違いはない(全事業で統一の基準を使用)
考慮するリスクの種別は同一だが、収益目標の設定方法(リスクごとのウェイト付け等)
は事業の固有性を考慮している
考慮するリスクの種別・収益目標の設定方法について、事業の固有性を考慮している
出所:アンケート調査結果を元に、デロイト トーマツ コンサルティング作成
37 グローバル企業の海外展開及びリスク管理手法にかかる調査・分析
その他
第4章
2
Ⅲ
日本及び海外の主要な多国籍企業のリスク管理手法
1 日本の主要な多国籍企業におけるリスク管理手法
海外売上比率別の傾向
ビジネスの拡大にあたってのリスクマネジメントについて(9/9)
問6 各事業における収益目標(ハードルレート)の設定方法や、設定する上で考慮するリスクの種類に
違いはありますでしょうか。(○は1つ)
海外売上比率・低
海外売上比率・高
n=19
1
(5.9%)
n=17
3
(15.8%)
5
(29.4%)
7
(36.8%)
6
(35.3%)
3
(15.8%)
5
(29.4%)
6
(31.6%)
違いはない(全事業で統一の基準を使用)
その他
違いはない(全事業で統一の基準を使用)
考慮するリスクの種別は同一だが、収益目標の設定方法
(リスクごとのウェイト付け等)
は事業の固有性を考慮している
考慮するリスクの種別は同一だが、収益目標の設定方法
(リスクごとのウェイト付け等)
は事業の固有性を考慮している
考慮するリスクの種別・収益目標の設定方法について、
事業の固有性を考慮している
考慮するリスクの種別・収益目標の設定方法について、
事業の固有性を考慮している
出所:アンケート調査結果を元に、デロイト トーマツ コンサルティング作成
38 グローバル企業の海外展開及びリスク管理手法にかかる調査・分析
その他
Ⅳ
事業運営にあたってのリスクマネジメントについて
為替・金利・コモディティリスク
39
第4章
1
Ⅳ
日本及び海外の主要な多国籍企業のリスク管理手法
1 日本の主要な多国籍企業におけるリスク管理手法
全体傾向
事業運営にあたってのリスクマネジメントについて(1/13)為替・金利・コモディティリスク
問7 為替・金利・コモディティリスクの中で重視しているリスク項目は何でしょうか。
重視している項目に○を、その中でも特に重視されている項目に◎をつけて下さい。(複数回答可、その他のみ記述)
【為替リスク】
重視している項目 n=33
30
29
特に重視している項目 n=13
19
20
24
18
9
6
1
本国通貨の上下変動
米ドルの上下変動
出所:アンケート調査結果を元に、デロイト トーマツ コンサルティング作成
40 グローバル企業の海外展開及びリスク管理手法にかかる調査・分析
その他の為替の上下変動
(その他の為替の具体的な内容)
【重視する項目】
• ユーロ(計14社)
• 豪ドル(計2社)
• バーツ(計2社)
• 元(計3社)
• ウォン・ノルウェークローネ・レアル・海外拠点通貨全て・世界の主要通貨(各1社)
【特に重視する項目】:コメント無し
第4章
2
Ⅳ
日本及び海外の主要な多国籍企業のリスク管理手法
1 日本の主要な多国籍企業におけるリスク管理手法
海外売上比率別の傾向
事業運営にあたってのリスクマネジメントについて(2/13)為替・金利・コモディティリスク
問7 為替・金利・コモディティリスクの中で重視しているリスク項目は何でしょうか。
重視している項目に○を、その中でも特に重視されている項目に◎をつけて下さい。(複数回答可、その他のみ記述)
【為替リスク】
海外売上比率・高(重視する項目)n=16
海外売上比率・低(重視する項目) n=17
海外売上比率・高(特に重視する項目) n=10
海外売上比率・低(特に重視する項目) n=3
16
15
14
14
2
9
9
9
11
15
10
6
8
5
3
1
本国通貨の上下変動
米ドルの上下変動
出所:アンケート調査結果を元に、デロイト トーマツ コンサルティング作成
41 グローバル企業の海外展開及びリスク管理手法にかかる調査・分析
0
その他の為替の上下変動
1
第4章
1
Ⅳ
日本及び海外の主要な多国籍企業のリスク管理手法
1 日本の主要な多国籍企業におけるリスク管理手法
全体傾向
事業運営にあたってのリスクマネジメントについて(3/13)為替・金利・コモディティリスク
問7 為替・金利・コモディティリスクの中で重視しているリスク項目は何でしょうか。
重視している項目に○を、その中でも特に重視されている項目に◎をつけて下さい。(複数回答可、その他のみ記述)
【金利リスク】
34
重視している項目 n=36
特に重視している項目 n=4
31
9
6
8
5
3
1
1
本国における資金調達コストの変動
海外(先進国)における
資金調達コストの変動:
海外(新興国)における
資金調達コストの変動:
(国名(先進国))
【重視する項目】:
• アメリカ
• 欧米各国
• UK、シンガポール、ドイツ
• 米国、EU
• 米国、欧州
【特に重視する項目】:コメント無し
出所:アンケート調査結果を元に、デロイト トーマツ コンサルティング作成
42 グローバル企業の海外展開及びリスク管理手法にかかる調査・分析
(国名(新興国))
【重視する項目】:
• タイ、メキシコ
• ブラジル、アルゼンチン、インド
• 中国
• アジア各国、欧州
【特に重視する項目】:コメント無し
1
1
0
その他
(その他の具体的な内容)
【重視する項目】:
国債価格の変動
【特に重視する項目】:
コメント無し
第4章
2
Ⅳ
日本及び海外の主要な多国籍企業のリスク管理手法
1 日本の主要な多国籍企業におけるリスク管理手法
海外売上比率別の傾向
事業運営にあたってのリスクマネジメントについて(4/13)為替・金利・コモディティリスク
問7 為替・金利・コモディティリスクの中で重視しているリスク項目は何でしょうか。
重視している項目に○を、その中でも特に重視されている項目に◎をつけて下さい。(複数回答可、その他のみ記述)
【金利リスク】
海外売上比率・高(重視する項目) n=18
海外売上比率・低(重視する項目) n=18
海外売上比率・高(特に重視する項目) n=2
海外売上比率・低(特に重視する項目) n=2
18
16
16
15
5
4
3
5
2
3
3
1
本国における資金調達コストの変動
0
1
海外(先進国)における
資金調達コストの変動:
出所:アンケート調査結果を元に、デロイト トーマツ コンサルティング作成
43 グローバル企業の海外展開及びリスク管理手法にかかる調査・分析
0
海外(新興国)における
資金調達コストの変動:
3
2
1
1
0
0
0
その他
0
1
第4章
1
Ⅳ
日本及び海外の主要な多国籍企業のリスク管理手法
1 日本の主要な多国籍企業におけるリスク管理手法
全体傾向
事業運営にあたってのリスクマネジメントについて(5/13)為替・金利・コモディティリスク
問7 為替・金利・コモディティリスクの中で重視しているリスク項目は何でしょうか。
重視している項目に○を、その中でも特に重視されている項目に◎をつけて下さい。(複数回答可、その他のみ記述)
【コモディティリスク】
31
重視している項目 n=23
特に重視している項目 n=10
22
5
9
4
1
事業の主要製品・サービスに関
連するコモディティ価格の変動
主要製品・サービス以外で事業に
関連するコモディティ価格の変動
出所:アンケート調査結果を元に、デロイト トーマツ コンサルティング作成
44 グローバル企業の海外展開及びリスク管理手法にかかる調査・分析
0
0
0
0
事業に関連していない
コモディティ価格の変動
0
0
その他
第4章
2
Ⅳ
日本及び海外の主要な多国籍企業のリスク管理手法
1 日本の主要な多国籍企業におけるリスク管理手法
海外売上比率別の傾向
事業運営にあたってのリスクマネジメントについて(6/13)為替・金利・コモディティリスク
問7 為替・金利・コモディティリスクの中で重視しているリスク項目は何でしょうか。
重視している項目に○を、その中でも特に重視されている項目に◎をつけて下さい。(複数回答可、その他のみ記述)
【コモディティリスク】
海外売上比率・高(重視する項目)n=11
海外売上比率・低(重視する項目)n=12
海外売上比率・高(特に重視する項目)n=4
海外売上比率・低(特に重視する項目)n=6
16
15
11
11
4
4
5
3
1
0
事業の主要製品・サービスに関
連するコモディティ価格の変動
1
0
1
主要製品・サービス以外で事業に
関連するコモディティ価格の変動
0
0
0
0
事業に関連していない
コモディティ価格の変動
出所:アンケート調査結果を元に、デロイト トーマツ コンサルティング作成
45 グローバル企業の海外展開及びリスク管理手法にかかる調査・分析
0
0
0
0
0
その他
0
0
第4章
1
Ⅳ
日本及び海外の主要な多国籍企業のリスク管理手法
1 日本の主要な多国籍企業におけるリスク管理手法
全体傾向
事業運営にあたってのリスクマネジメントについて(7/13)為替・金利・コモディティリスク
問8 リスクマネジメントにあたってどのような対応をどの範囲に対し実施していますか。○をつけて下さい。(複数回答可)
【為替リスク】
(モニタリング)
n=40
23
19
18
3
実施していない
本国通貨の上下変動に対し実施
米ドルの上下変動に対し実施
(ヘッジ)
31
n=39
4
すべてヘッジ
4
主要な部分はヘッジ
出所:アンケート調査結果を元に、デロイト トーマツ コンサルティング作成
46 グローバル企業の海外展開及びリスク管理手法にかかる調査・分析
ヘッジしていない
その他の為替の上下変動に対し実施
第4章
2
Ⅳ
日本及び海外の主要な多国籍企業のリスク管理手法
1 日本の主要な多国籍企業におけるリスク管理手法
海外売上比率別の傾向
事業運営にあたってのリスクマネジメントについて(8/13)為替・金利・コモディティリスク
問8 リスクマネジメントにあたってどのような対応をどの範囲に対し実施していますか。○をつけて下さい。(複数回答可)
【為替リスク】
海外売上比率・高 n=21
(モニタリング)
42.9%
(9)
9.5%
(2)
52.6%
(10)
57.1%
(12)
57.9%
(11)
57.9%
(11)
33.3%
(7)
5.3%
(1)
実施していない
本国通貨の上下変動に対し実施
(ヘッジ)
米ドルの上下変動に対し実施
海外売上比率・高 n=20
80.0%
(16)
78.9%
(15)
海外売上比率・低 n=19
*( )内は回答企業数
10.0%
(2)
海外売上比率・低 n=19
*( )内は回答企業数
10.5%
(2)
すべてヘッジ
10.0%
(2)
主要な部分はヘッジ
出所:アンケート調査結果を元に、デロイト トーマツ コンサルティング作成
47 グローバル企業の海外展開及びリスク管理手法にかかる調査・分析
10.5%
(2)
ヘッジしていない
その他の為替の上下変動に対し実施
第4章
1
Ⅳ
日本及び海外の主要な多国籍企業のリスク管理手法
1 日本の主要な多国籍企業におけるリスク管理手法
全体傾向
事業運営にあたってのリスクマネジメントについて(9/13)為替・金利・コモディティリスク
問8 リスクマネジメントにあたってどのような対応をどの範囲に対し実施していますか。○をつけて下さい。(複数回答可)
【金利リスク】
(モニタリング)
n=40
13
13
13
本国の調達金利のみ実施
本国の調達金利及び海外(先進
国)の現地調達金利に対し実施
本国の調達金利及び海外(先進
国・新興国)の調達金利に対し実施
6
実施していない
(ヘッジ)
n=36
23
11
2
すべてヘッジ
主要な部分はヘッジ
出所:アンケート調査結果を元に、デロイト トーマツ コンサルティング作成
48 グローバル企業の海外展開及びリスク管理手法にかかる調査・分析
ヘッジしていない
第4章
2
Ⅳ
日本及び海外の主要な多国籍企業のリスク管理手法
1 日本の主要な多国籍企業におけるリスク管理手法
海外売上比率別の傾向
事業運営にあたってのリスクマネジメントについて(10/13)為替・金利・コモディティリスク
問8 リスクマネジメントにあたってどのような対応をどの範囲に対し実施していますか。○をつけて下さい。(複数回答可)
【金利リスク】
海外売上比率・高 n=21
(モニタリング)
海外売上比率・低 n=19
52.6%
(10)
38.1%
(8)
19.0%
(4)
26.3%
(5)
10.5%
(2)
実施していない
本国の調達金利のみ実施
38.1%
(8)
14.3%
(3)
本国の調達金利及び海外(先進
国)の現地調達金利に対し実施
(ヘッジ)
63.2%
(12)
64.7%
(11)
海外売上比率・高 n=19
海外売上比率・低n=17
*( )内は回答企業数
31.6%
(6)
5.3%
(1)
29.4%
(5)
5.9%
(1)
すべてヘッジ
主要な部分はヘッジ
出所:アンケート調査結果を元に、デロイト トーマツ コンサルティング作成
49 グローバル企業の海外展開及びリスク管理手法にかかる調査・分析
*( )内は回答企業数
ヘッジしていない
26.3%
(5)
本国の調達金利及び海外(先進
国・新興国)の調達金利に対し実施
第4章
1
Ⅳ
日本及び海外の主要な多国籍企業のリスク管理手法
1 日本の主要な多国籍企業におけるリスク管理手法
全体傾向
事業運営にあたってのリスクマネジメントについて(11/13)為替・金利・コモディティリスク
問8 リスクマネジメントにあたってどのような対応をどの範囲に対し実施していますか。○をつけて下さい。(複数回答可)
【コモディティリスク】
(モニタリング)
n=37
26
10
3
0
実施していない
事業の主要製品・サービスに関連す
るコモディティ価格の変動に対し実施
主要製品・サービス以外で事業に関連
するコモディティ価格の変動に対し実施
(ヘッジ)
n=31
16
14
主要な部分はヘッジ
ヘッジしていない
1
すべてヘッジ
出所:アンケート調査結果を元に、デロイト トーマツ コンサルティング作成
50 グローバル企業の海外展開及びリスク管理手法にかかる調査・分析
事業に関連していないコモディ
ティ価格の変動に対し実施
第4章
2
Ⅳ
日本及び海外の主要な多国籍企業のリスク管理手法
1 日本の主要な多国籍企業におけるリスク管理手法
海外売上比率別の傾向
事業運営にあたってのリスクマネジメントについて(12/13)為替・金利・コモディティリスク
問8 リスクマネジメントにあたってどのような対応をどの範囲に対し実施していますか。○をつけて下さい。(複数回答可)
【コモディティリスク】
海外売上比率・高 n=19
(モニタリング)
海外売上比率・低 n=18
83.3%
(15)
*( )内は回答企業数
57.9%
(11)
42.1%
(8)
11.1%
(2)
実施していない
10.5%
(2)
事業の主要製品・サービスに関連す
るコモディティ価格の変動に対し実施
5.6%
(1)
主要製品・サービス以外で事業に関連
するコモディティ価格の変動に対し実施
海外売上比率・高 n=15
(ヘッジ)
53.3%
(8)
0.0%
(0)
50.0%
(8)
海外売上比率・低 n=16
*( )内は回答企業数
46.7%
43.8%
(7)
(7)
6.3%
(1)
すべてヘッジ
主要な部分はヘッジ
出所:アンケート調査結果を元に、デロイト トーマツ コンサルティング作成
51 グローバル企業の海外展開及びリスク管理手法にかかる調査・分析
ヘッジしていない
0.0%
(0)
0.0%
(0)
事業に関連していないコモディ
ティ価格の変動に対し実施
第4章
1
Ⅳ
日本及び海外の主要な多国籍企業のリスク管理手法
1 日本の主要な多国籍企業におけるリスク管理手法
全体傾向
事業運営にあたってのリスクマネジメントについて(13/13)為替・金利・コモディティリスク
問9 為替・金利・コモディティリスクのリスクマネジメントについて、課題があれば記述して下さい。
課題に関する記述内容 n=3
• 特になし
• 為替リスクヘッジ手法の高度化
• 特になし
出所:アンケート調査結果を元に、デロイト トーマツ コンサルティング作成
52 グローバル企業の海外展開及びリスク管理手法にかかる調査・分析
Ⅳ
事業運営にあたってのリスクマネジメントについて
オペレーショナルリスク
53
第4章
1
Ⅳ
日本及び海外の主要な多国籍企業のリスク管理手法
1 日本の主要な多国籍企業におけるリスク管理手法
全体傾向
事業運営にあたってのリスクマネジメントについて(1/7)オペレーショナルリスク
問10 オペレーショナルリスクの中で重視しているリスク項目は何でしょうか。重視している項目に○を、
その中でも特に重視されている項目に◎をつけて下さい。(複数回答可、その他のみ記述)
重視している項目 n=42
特に重視している項目 n=29
36
37
35
34
30
27
21
20
25
20
23
31
26
15
19
15
21
15
15
30
瑕疵
21
製造物責
任(PL)
営業・販売・
顧客サービス
4
製造部門
12
1
3
1
0
0
マーケティン
グ・研究開発・
購買・物流等
経理・財務・
総務・人事等
システム誤動作
0
コンピュー
タウイルス
情報の漏洩
1
その他
(その他の具体的な内容)
【重視する項目】:
当社グループの事業活動は多岐に渡っており、事
業毎に重視するリスクは異なる
【特に重視する項目】:コメント無し
出所:アンケート調査結果を元に、デロイト トーマツ コンサルティング作成
54 グローバル企業の海外展開及びリスク管理手法にかかる調査・分析
第4章
2
Ⅳ
日本及び海外の主要な多国籍企業のリスク管理手法
1 日本の主要な多国籍企業におけるリスク管理手法
海外売上比率別の傾向
事業運営にあたってのリスクマネジメントについて(2/7)オペレーショナルリスク
問10 オペレーショナルリスクの中で重視しているリスク項目は何でしょうか。重視している項目に○を、
その中でも特に重視されている項目に◎をつけて下さい。(複数回答可、その他のみ記述)
海外売上比率・高(重視する項目) n=22
海外売上比率・低(重視する項目) n=20
海外売上比率・高(特に重視する項目) n=15
海外売上比率・低(特に重視する項目) n=14
19
18
18
18
19
18
17
17
15
14
10
13
11
11
13
13
9
12
11
13
17
9
15
13
8
10
8
7
11
14
13
8
8
7
7
8
8
3
1
瑕疵
製造物責
任(PL)
11
営業・販売・
顧客サービス
2
製造部門
2
1
0
マーケティン
グ・研究開発・
購買・物流等
出所:アンケート調査結果を元に、デロイト トーマツ コンサルティング作成
55 グローバル企業の海外展開及びリスク管理手法にかかる調査・分析
0
7
0
0
8
6
0
経理・財務・ システム誤動作
総務・人事等
1
コンピュー
タウイルス
6
1
2
0
情報の漏洩
1
その他
0
0 0
日本及び海外の主要な多国籍企業のリスク管理手法
第4章
1
Ⅳ
1 日本の主要な多国籍企業におけるリスク管理手法
全体傾向
事業運営にあたってのリスクマネジメントについて(3/7)オペレーショナルリスク
(参考)オペレーショナルリスク:アンケート回答欄との対応表
ラベル名
アンケート回答欄の記載内容
瑕疵
製品の品質に関わる瑕疵
製造物責任(PL)
製品の安全性に関わる瑕疵(製造物責任(PL))
営業・販売・顧客サービス
顧客プライバシーの侵害等、顧客と接する現場(営業・販売・顧客サービス)で発生するミス・事故
製造部門
海外工場での事故発生、設備の故障等、製造部門で発生したミス・事故
マーケティング・研究開発・
輸送中の商品破損、誤発注の発生等、その他の直接部門(マーケティング、研究開発・設計、購買、物流)で発生したミス・事故
購買・物流等
経理・財務・総務・人事等
経理処理のミス、人事手続きのミス等、間接部門(経理、財務、総務、人事等)で発生したミス・事故
システム誤動作
システム誤動作
コンピュータウイルス
コンピュータウィルスの進入
情報の漏洩
情報の漏洩
その他
その他のオペレーショナルリスク
出所:デロイト トーマツ コンサルティング作成
56 グローバル企業の海外展開及びリスク管理手法にかかる調査・分析
第4章
1
Ⅳ
日本及び海外の主要な多国籍企業のリスク管理手法
1 日本の主要な多国籍企業におけるリスク管理手法
全体傾向
事業運営にあたってのリスクマネジメントについて(4/7)オペレーショナルリスク
問11 リスクマネジメントにあたってどのような対応をどの範囲に対し実施していますか。○をつけて下さい。
【方針・規定・規則等を普及・浸透させるための教育・訓練の範囲】
(本国の拠点)
n=43
(海外の拠点)
n=43
(M&A等で取得した子会社)
n=37
1
(2.3%)
4
(9.3%)
8
(18.6%)
11
(25.6%)
6
(16.2%)
13
(35.1%)
14
(32.6%)
24
(55.8%)
24
(55.8%)
18
(48.6%)
実施していない
海外で実施していない
主要な子会社を含めて実施
主要な子会社を含めて実施
M&A等で取得した子会社
では実施していない
小規模子会社を含めて実施
小規模子会社を含めて実施
主要な子会社を含めて実施
本社のみ実施
出所:アンケート調査結果を元に、デロイト トーマツ コンサルティング作成
57 グローバル企業の海外展開及びリスク管理手法にかかる調査・分析
小規模子会社を含めて実施
第4章
1
Ⅳ
日本及び海外の主要な多国籍企業のリスク管理手法
1 日本の主要な多国籍企業におけるリスク管理手法
全体傾向
事業運営にあたってのリスクマネジメントについて(5/7)オペレーショナルリスク
問11 リスクマネジメントにあたってどのような対応をどの範囲に対し実施していますか。○をつけて下さい。
【業務監査の範囲】
(本国の拠点)
n=42
(海外の拠点)
n=42
1
(2.4%)
1
(2.4%)
(M&A等で取得した子会社)
n=36
4
(9.5%)
4
(11.1%)
11
(26.2%)
6
(16.7%)
17
(40.5%)
23
(54.8%)
27
(64.3%)
26
(72.2%)
実施していない
海外で実施していない
主要な子会社を含めて実施
主要な子会社を含めて実施
M&A等で取得した子会社
では実施していない
小規模子会社を含めて実施
小規模子会社を含めて実施
主要な子会社を含めて実施
本社のみ実施
出所:アンケート調査結果を元に、デロイト トーマツ コンサルティング作成
58 グローバル企業の海外展開及びリスク管理手法にかかる調査・分析
小規模子会社を含めて実施
第4章
1
Ⅳ
日本及び海外の主要な多国籍企業のリスク管理手法
1 日本の主要な多国籍企業におけるリスク管理手法
全体傾向
事業運営にあたってのリスクマネジメントについて(6/7)オペレーショナルリスク
問11 リスクマネジメントにあたってどのような対応をどの範囲に対し実施していますか。○をつけて下さい。
【オペレーショナルリスクを低減するためのITシステム導入の範囲】
(本国の拠点)
n=43
(海外の拠点)
n=42
5
(11.6%)
5
(11.6%)
(M&A等で取得した子会社)
n=36
4
(9.5%)
4
(11.1%)
9
(21.4%)
5
(11.6%)
17
(47.2%)
15
(41.7%)
28
(65.1%)
29
(69.0%)
導入していない
海外で導入していない
主要な子会社を含めて導入
主要な子会社を含めて導入
M&A等で取得した子会社
では導入していない
小規模子会社を含めて導入
小規模子会社を含めて導入
主要な子会社を含めて導入
本社のみ導入
出所:アンケート調査結果を元に、デロイト トーマツ コンサルティング作成
59 グローバル企業の海外展開及びリスク管理手法にかかる調査・分析
小規模子会社を含めて導入
第4章
1
Ⅳ
日本及び海外の主要な多国籍企業のリスク管理手法
1 日本の主要な多国籍企業におけるリスク管理手法
全体傾向
事業運営にあたってのリスクマネジメントについて(7/7)オペレーショナルリスク
問12 オペレーショナルリスクのリスクマネジメントについて、課題があれば記述して下さい。
課題に関する記述内容 n=6
•
•
•
•
•
•
グループ企業の業種・業態が多岐にわたることもあり、オペレーショナルリスク低減に向けたグループ企業へのITシステム導入を効果的に進めることが課題。
国内外ではリスクに対する感度に差があり、レベル統一が難しい。
法令変更(個人情報保護法の改正、他)の対応と、社内周知。
書類改ざんシステムへの誤入力
特になし。
ルール運用の為の教育、訓練、監査を担当する組織が明確になっていないこと。
出所:アンケート調査結果を元に、デロイト トーマツ コンサルティング作成
60 グローバル企業の海外展開及びリスク管理手法にかかる調査・分析
Ⅳ
事業運営にあたってのリスクマネジメントについて
自然災害リスク
61
第4章
1
Ⅳ
日本及び海外の主要な多国籍企業のリスク管理手法
1 日本の主要な多国籍企業におけるリスク管理手法
全体傾向
事業運営にあたってのリスクマネジメントについて(1/3)自然災害リスク
問13 リスクマネジメントにあたってどのような対応をどの範囲に対し実施していますか。○をつけて下さい。
(各項目で○は1つ)【自然災害発生時の事業継続計画の整備対象の範囲】
(本国の拠点)
n=43
(海外の拠点)
n=43
1
(2.3%)
(M&A等で取得した子会社)
n=36
3
(7.0%)
3
(7.0%)
11
(25.6%)
3
(8.3%)
17
(39.5%)
28
(65.1%)
15
(41.7%)
23
(53.5%)
18
(50.0%)
整備していない
海外で整備していない
主要な子会社を含めて整備
主要な子会社を含めて整備
M&A等で取得した子会社
では整備していない
小規模子会社を含めて整備
小規模子会社を含めて整備
主要な子会社を含めて整備
本社のみ整備
出所:アンケート調査結果を元に、デロイト トーマツ コンサルティング作成
62 グローバル企業の海外展開及びリスク管理手法にかかる調査・分析
小規模子会社を含めて整備
第4章
1
Ⅳ
日本及び海外の主要な多国籍企業のリスク管理手法
1 日本の主要な多国籍企業におけるリスク管理手法
全体傾向
事業運営にあたってのリスクマネジメントについて(2/3)自然災害リスク
問13 リスクマネジメントにあたってどのような対応をどの範囲に対し実施していますか。○をつけて下さい。
(各項目で○は1つ)【事業継続計画の実効性を高めるための訓練の実施状況】
(本国の拠点)
n=43
(海外の拠点)
n=42
10
(23.3%)
(M&A等で取得した子会社)
n=35
1
(2.9%)
2
(4.8%)
6
(14.0%)
11
(31.4%)
13
(31.0%)
5
(11.6%)
27
(64.3%)
23
(65.7%)
22
(51.2%)
実施していない
海外で実施していない
主要な子会社を含めて実施
主要な子会社を含めて実施
M&A等で取得した子会社
では実施していない
小規模子会社を含めて実施
小規模子会社を含めて実施
主要な子会社を含めて実施
本社のみ実施
出所:アンケート調査結果を元に、デロイト トーマツ コンサルティング作成
63 グローバル企業の海外展開及びリスク管理手法にかかる調査・分析
小規模子会社を含めて実施
第4章
1
Ⅳ
日本及び海外の主要な多国籍企業のリスク管理手法
1 日本の主要な多国籍企業におけるリスク管理手法
全体傾向
事業運営にあたってのリスクマネジメントについて(3/3)自然災害リスク
問14 自然災害リスクのリスクマネジメントについて、課題があれば記述して下さい。
課題に関する記述内容 n=10
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
特になし
地震、台風等、想定すべき規模も大きくなっており、更にレベルUPした対策を進めなくてはならない。
平時の準備レベルの向上と具体的な対応計画のアップデート。
事業継続計画のグループ展開と、本社がダメージを受けた時の子会社の対応。
現在BCP策定の取組を推進中。
事業継続計画の取り組みが国内にとどまり、海外での取り組みが遅れていること
主として、日本における大規模災害発生時の対応力強化(本社機能の維持(代替本社検討を含む)、地域間連携・支援の強化他)
自然災害が発生した際においても、社会インフラとしての機能が維持できる体制の強化
特になし
いつ発生するかわからない自然災害リスクに対して、どれだけ投資してよいかわからないこと
出所:アンケート調査結果を元に、デロイト トーマツ コンサルティング作成
64 グローバル企業の海外展開及びリスク管理手法にかかる調査・分析
Ⅴ
65
地政学リスクへの対処方法について
第4章
1
Ⅴ
日本及び海外の主要な多国籍企業のリスク管理手法
1 日本の主要な多国籍企業におけるリスク管理手法
全体傾向
地政学リスクへの対処方法について(1/18)
問15 地政学リスクの中で重視している内容は何でしょうか。重視している内容に○を、
その中でも特に重視されている内容に◎をつけて下さい。(複数回答可、その他のみ記述)
重視している項目 n=37
特に重視している項目 n=19
25
22
15
16
15
15
17
12
10
9
12
9
14
7
10
8
4
3
3
中国と
周辺国
10
ロシアと
周辺国
7
7
0
米国と
周辺国
インドと
周辺国
8
4
2
5
1
米国と中
国の関係
3
北朝鮮
問題
1
2
0
2
2
3
0
欧州の トルコの反 反EU勢力 宗教対立 宗教対
(中東)
分離・独 政府運動
立(中央
立運動
アフリカ)
出所:アンケート調査結果を元に、デロイト トーマツ コンサルティング作成
66 グローバル企業の海外展開及びリスク管理手法にかかる調査・分析
4
5
4
1
3
3
0
その他
特に無し
0
宗教対
立(東南
アジア)
過激派に
よるテロ
3
(その他の具体的な内容)
【重視する項目】
• 事業を展開している国、地域における地政学リスク
【特に重視する項目】
• イスラエル テロリスク
• 日本と中国との関係悪化
• 新興国における治安・テロ・犯罪リスク
第4章
2
日本及び海外の主要な多国籍企業のリスク管理手法
1 日本の主要な多国籍企業におけるリスク管理手法
海外売上比率別の傾向
地政学リスクへの対処方法について(2/18)
Ⅴ
問15 地政学リスクの中で重視している内容は何でしょうか。重視している内容に○を、
その中でも特に重視されている内容に◎をつけて下さい。(複数回答可、その他のみ記述)
海外売上比率・高(重視する項目) n=20
海外売上比率・低(重視する項目) n=17
海外売上比率・高(特に重視する項目) n=10
海外売上比率・低(特に重視する項目) n=9
13
12
11 11
6
8
9
8
7
8
8
7
8
7
6
6
6
中国と
周辺国
4
3
4
1
5
5
4
5
7
3
6
2
ロシアと
周辺国
9
1
米国と
周辺国
4
0 0
0
0
インドと
周辺国
3
6
3
2
0
米国と中
国の関係
2
1
1 01
北朝鮮
問題
0
1
6
6
3
2
0 02
0 0
8
3
4
1
8
1
2
2
2
2
1 0
0
2
2
0
0
1
2
0
2
3
欧州の トルコの反 反EU勢力 宗教対立 宗教対
宗教対 過激派に
(中東) 立(中央 立(東南 よるテロ
分離・独 政府運動
立運動
アフリカ) アジア)
出所:アンケート調査結果を元に、デロイト トーマツ コンサルティング作成
67 グローバル企業の海外展開及びリスク管理手法にかかる調査・分析
2
1
2
その他
1
1
0 2
0
1
1 0
特に無し
第4章
Ⅴ
日本及び海外の主要な多国籍企業のリスク管理手法
1 日本の主要な多国籍企業におけるリスク管理手法
地政学リスクへの対処方法について(3/18)
(参考)地政学リスク:アンケート回答欄との対応表
ラベル名
アンケート回答欄の記載内容
中国と周辺国
中国と周辺国(フィリピン、ベトナム等)との関係悪化
ロシアと周辺国
ロシアと周辺国(ウクライナ、グルジア北部等)との関係悪化
米国と周辺国
米国と周辺国(メキシコ等)との関係悪化
インドと周辺国
インドと周辺国(パキスタン等)との関係悪化
米国と中国の関係
米国と中国との関係悪化
北朝鮮問題
北朝鮮がもたらす影響(核開発問題、拉致被害、瀬戸際開発等)
欧州の分離・独立運動
欧州各国(英国、スペイン、ベルギー等)における分離・独立運動
トルコの反政府運動
トルコの反政府運動
反EU勢力
欧州各国(ギリシャ、スペイン、フランス、英国、ドイツ等)における反欧州連合(EU)勢力の台頭
宗教対立(中東)
中東地域における宗教対立
宗教対立(中央アフリカ)
中央アフリカ地域における宗教対立
宗教対立(東南アジア)
東南アジア地域における宗教対立
過激派によるテロ
イスラム国(ISIS)等イスラム過激派によるテロの拡大
その他
その他の地政学リスク
特に無し
重視している地政学リスクは特にない
出所:デロイト トーマツ コンサルティング作成
68 グローバル企業の海外展開及びリスク管理手法にかかる調査・分析
第4章
1
Ⅴ
日本及び海外の主要な多国籍企業のリスク管理手法
1 日本の主要な多国籍企業におけるリスク管理手法
全体傾向
地政学リスクへの対処方法について(4/18)
問16 地政学のリスクマネジメントにあたってどのような対応を実施していますか。○をつけて下さい。
(各項目で○は1つ、その他のみ記述) 【顕在化の事前察知 – 情報の収集】
n=41
23
21
13
(その他の具体的な内容)
• 外務省海外安全HP
5
1
1
0
各国の首脳クラス
とのつながりを構
築し、情報を収集
0
地政学リスクの 地政学リスクの高
専門家・機関と契 まりを示す指数
約し、情報を収集 (金、為替、資源
価格等)を設定し、
モニタリング
外部企業・機関
の作成した地政
学リスクの指数
をモニタリング
出所:アンケート調査結果を元に、デロイト トーマツ コンサルティング作成
69 グローバル企業の海外展開及びリスク管理手法にかかる調査・分析
新聞等のメディア
を通じ情報収集
地域統括拠点
や現地法人が
適宜情報収集
特に実施
していない
その他
第4章
2
Ⅴ
日本及び海外の主要な多国籍企業のリスク管理手法
1 日本の主要な多国籍企業におけるリスク管理手法
海外売上比率別の傾向
地政学リスクへの対処方法について(5/18)
問16 地政学のリスクマネジメントにあたってどのような対応を実施していますか。○をつけて下さい。
(各項目で○は1つ、その他のみ記述) 【顕在化の事前察知 – 情報の収集】
59.1%
(13)
海外売上比率・高 n=22
57.9%
54.5% (11)
(12)
海外売上比率・低n=19
*( )内は回答企業数
42.1%
(8)
42.1%
(8)
22.7%
(5)
15.8%
(3)
9.1%
(2)
4.5%
(1)
0.0%
(0)
0.0%
(0)
各国の首脳クラス
とのつながりを構
築し、情報を収集
4.5%
(1)
0.0%
(0)
地政学リスクの
地政学リスクの高ま
専門家・機関と契 りを示す指数(金、為
約し、情報を収集 替、資源価格等)を
設定し、モニタリング
出所:アンケート調査結果を元に、デロイト トーマツ コンサルティング作成
0.0%
(0)
外部企業・機関
の作成した地政
学リスクの指数
をモニタリング
70 グローバル企業の海外展開及びリスク管理手法にかかる調査・分析
新聞等のメディア
を通じ情報収集
地域統括拠点
や現地法人が
適宜情報収集
0.0%
(0)
特に実施していない
0.0%
(0)
その他
第4章
1
Ⅴ
日本及び海外の主要な多国籍企業のリスク管理手法
1 日本の主要な多国籍企業におけるリスク管理手法
全体傾向
地政学リスクへの対処方法について(6/18)
問16 地政学のリスクマネジメントにあたってどのような対応を実施していますか。○をつけて下さい。
(各項目で○は1つ、その他のみ記述) 【顕在化の事前察知 – リスクの分析・評価】
n=40
25
11
(その他の具体的な内容)
• 事業軸から、各事業本部で分析・
評価
3
1
0
定量化分析による評価を実
施し、事業の収益見通しや自
社アセットの時価評価に反映
定量化分析による評価
を実施し、リスク顕在化
時の被害額等を算出
定性的分析による評価を実
施(例:リスクの大、中、小等)
出所:アンケート調査結果を元に、デロイト トーマツ コンサルティング作成
71 グローバル企業の海外展開及びリスク管理手法にかかる調査・分析
特に実施していない
その他(
第4章
2
Ⅴ
日本及び海外の主要な多国籍企業のリスク管理手法
1 日本の主要な多国籍企業におけるリスク管理手法
海外売上比率別の傾向
地政学リスクへの対処方法について(7/18)
問16 地政学のリスクマネジメントにあたってどのような対応を実施していますか。○をつけて下さい。
(各項目で○は1つ、その他のみ記述) 【顕在化の事前察知 – リスクの分析・評価】
78.9%
(15)
海外売上比率・高 n=21
海外売上比率・低: n=19
*( )内は回答企業数
47.6%
(10)
38.1%
(8)
15.8%
(3)
9.5%
(2)
0.0%
(0)
0.0%
(0)
定量化分析による評価を実
施し、事業の収益見通しや自
社アセットの時価評価に反映
5.3%
(1)
定量化分析による評価
を実施し、リスク顕在化
時の被害額等を算出
4.8%
(1)
定性的分析による評価を実
施(例:リスクの大、中、小等)
出所:アンケート調査結果を元に、デロイト トーマツ コンサルティング作成
72 グローバル企業の海外展開及びリスク管理手法にかかる調査・分析
特に実施していない
0.0%
(0)
その他
第4章
1
Ⅴ
日本及び海外の主要な多国籍企業のリスク管理手法
1 日本の主要な多国籍企業におけるリスク管理手法
全体傾向
地政学リスクへの対処方法について(8/18)
問16 地政学のリスクマネジメントにあたってどのような対応を実施していますか。○をつけて下さい。
(各項目で○は1つ、その他のみ記述) 【顕在化の事前察知 – 分析・評価結果・リスク情報の共有】
n=41
20
8
8
(その他の具体的な内容)
• 経営会議等で経営層に情報共有、
執行側に展開
• 経営陣、及び本社・海外独法のリ
スクマネジメント部門で共有
6
2
海外子会社を含む全
拠点・全部門で共有
国内の全拠点・全部門で共有
経営陣・リスクマネジ
メント部門でのみ共有
出所:アンケート調査結果を元に、デロイト トーマツ コンサルティング作成
73 グローバル企業の海外展開及びリスク管理手法にかかる調査・分析
特に実施していない
その他
第4章
2
Ⅴ
日本及び海外の主要な多国籍企業のリスク管理手法
1 日本の主要な多国籍企業におけるリスク管理手法
海外売上比率別の傾向
地政学リスクへの対処方法について(9/18)
問16 地政学のリスクマネジメントにあたってどのような対応を実施していますか。○をつけて下さい。
(各項目で○は1つ、その他のみ記述) 【顕在化の事前察知 – 分析・評価結果・リスク情報の共有】
海外売上比率・高: n=22
52.6%
(10)
海外売上比率・低 n=19
*( )内は回答企業数
45.5%
(10)
27.3%
(6)
26.3%
(5)
18.2%
(4)
13.6%
(3)
10.5%
(2)
10.5%
(2)
9.1%
(2)
0.0%
(0)
海外子会社を含む全
拠点・全部門で共有
国内の全拠点・全部門で共有
経営陣・リスクマネジ
メント部門でのみ共有
出所:アンケート調査結果を元に、デロイト トーマツ コンサルティング作成
74 グローバル企業の海外展開及びリスク管理手法にかかる調査・分析
特に実施していない
その他
第4章
1
Ⅴ
日本及び海外の主要な多国籍企業のリスク管理手法
1 日本の主要な多国籍企業におけるリスク管理手法
全体傾向
地政学リスクへの対処方法について(10/18)
問16 地政学のリスクマネジメントにあたってどのような対応を実施していますか。○をつけて下さい。
(各項目で○は1つ、その他のみ記述) 【顕在化後の対応準備 – 事業を継続できる体制の構築】
n=38
8
(21.1%)
11
(28.9%)
19
(50.0%)
国・地域をまたいでオフサイトで事業が継続できる計画・体制を構築
リスクが発生した国内のオフサイトで事業が継続できる計画・体制を構築
事業が継続できる体制を構築していない
出所:アンケート調査結果を元に、デロイト トーマツ コンサルティング作成
75 グローバル企業の海外展開及びリスク管理手法にかかる調査・分析
第4章
2
Ⅴ
日本及び海外の主要な多国籍企業のリスク管理手法
1 日本の主要な多国籍企業におけるリスク管理手法
海外売上比率別の傾向
地政学リスクへの対処方法について(11/18)
問16 地政学のリスクマネジメントにあたってどのような対応を実施していますか。○をつけて下さい。
(各項目で○は1つ、その他のみ記述) 【顕在化後の対応準備 – 事業を継続できる体制の構築】
海外売上比率・低
海外売上比率・高
n=21
n=17
4
(19.0%)
5
(23.8%)
3
(17.6%)
7
(41.2%)
7
(41.2%)
12
(57.1%)
国・地域をまたいでオフサイトで事業が継続できる計画・体制を構築
国・地域をまたいでオフサイトで事業が継続できる計画・体制を構築
リスクが発生した国内のオフサイトで事業が継続できる計画・体制を構築
リスクが発生した国内のオフサイトで事業が継続できる計画・体制を構築
事業が継続できる体制を構築していない
事業が継続できる体制を構築していない
出所:アンケート調査結果を元に、デロイト トーマツ コンサルティング作成
76 グローバル企業の海外展開及びリスク管理手法にかかる調査・分析
第4章
1
Ⅴ
日本及び海外の主要な多国籍企業のリスク管理手法
1 日本の主要な多国籍企業におけるリスク管理手法
全体傾向
地政学リスクへの対処方法について(12/18)
問16 地政学のリスクマネジメントにあたってどのような対応を実施していますか。○をつけて下さい。
(各項目で○は1つ、その他のみ記述) 【顕在化後の対応準備 – 実践的な訓練の実施】
2
(5.3%)
n=38
12
(31.6%)
24
(63.2%)
複数の現地法人間の連携も含めた訓練を実施
現地法人単位で訓練を実施
実践訓練を実施していない(文書のレビュー、e-learningのみ)
出所:アンケート調査結果を元に、デロイト トーマツ コンサルティング作成
77 グローバル企業の海外展開及びリスク管理手法にかかる調査・分析
第4章
2
Ⅴ
日本及び海外の主要な多国籍企業のリスク管理手法
1 日本の主要な多国籍企業におけるリスク管理手法
海外売上比率別の傾向
地政学リスクへの対処方法について(13/18)
問16 地政学のリスクマネジメントにあたってどのような対応を実施していますか。○をつけて下さい。
(各項目で○は1つ、その他のみ記述) 【顕在化後の対応準備 – 実践的な訓練の実施】
海外売上比率・低
海外売上比率・高
1
(4.8%)
n=21
1
(5.9%)
n=17
4
(19.0%)
8
(47.1%)
8
(47.1%)
16
(76.2%)
複数の現地法人間の連携も含めた訓練を実施
複数の現地法人間の連携も含めた訓練を実施
現地法人単位で訓練を実施
現地法人単位で訓練を実施
実践訓練を実施していない(文書のレビュー、e-learningのみ)
実践訓練を実施していない(文書のレビュー、e-learningのみ)
出所:アンケート調査結果を元に、デロイト トーマツ コンサルティング作成
78 グローバル企業の海外展開及びリスク管理手法にかかる調査・分析
第4章
1
Ⅴ
日本及び海外の主要な多国籍企業のリスク管理手法
1 日本の主要な多国籍企業におけるリスク管理手法
全体傾向
地政学リスクへの対処方法について(14/18)
問16 地政学のリスクマネジメントにあたってどのような対応を実施していますか。○をつけて下さい。
(各項目で○は1つ、その他のみ記述) 【顕在化後の対応準備 – 保険・金融派生商品によるヘッジ】
n=36
16
(44.4%)
20
(55.6%)
実施している
出所:アンケート調査結果を元に、デロイト トーマツ コンサルティング作成
79 グローバル企業の海外展開及びリスク管理手法にかかる調査・分析
実施していない
第4章
2
Ⅴ
日本及び海外の主要な多国籍企業のリスク管理手法
1 日本の主要な多国籍企業におけるリスク管理手法
海外売上比率別の傾向
地政学リスクへの対処方法について(15/18)
問16 地政学のリスクマネジメントにあたってどのような対応を実施していますか。○をつけて下さい。
(各項目で○は1つ、その他のみ記述) 【顕在化後の対応準備 – 保険・金融派生商品によるヘッジ】
海外売上比率・低
海外売上比率・高
n=19
n=17
8
(42.1%)
8
(47.1%)
9
(52.9%)
11
(57.9%)
実施している
実施している
実施していない
実施していない
出所:アンケート調査結果を元に、デロイト トーマツ コンサルティング作成
80 グローバル企業の海外展開及びリスク管理手法にかかる調査・分析
第4章
1
Ⅴ
日本及び海外の主要な多国籍企業のリスク管理手法
1 日本の主要な多国籍企業におけるリスク管理手法
全体傾向
地政学リスクへの対処方法について(16/18)
問16 対応を行っていない場合、それはなぜでしょうか。最も近いものに○をつけて下さい。(○は1つ)
【自社で対応を行っていない場合、その理由】
7
n=12
3
(その他の具体的な内容)
• どのような対応を実施すべきか
のノウハウ・情報がない
1
地政学リスクはコントロール不
可能なリスクであるため、そも
そも対応するメリットがない
商社等の外部企業が地政学リスクを負
担しており、自社での対応の必要がない
出所:アンケート調査結果を元に、デロイト トーマツ コンサルティング作成
81 グローバル企業の海外展開及びリスク管理手法にかかる調査・分析
1
リソース(人員・スキル)不足等の理
由により、対応したいができていない
その他
第4章
2
Ⅴ
日本及び海外の主要な多国籍企業のリスク管理手法
1 日本の主要な多国籍企業におけるリスク管理手法
海外売上比率別の傾向
地政学リスクへの対処方法について(17/18)
問16 対応を行っていない場合、それはなぜでしょうか。最も近いものに○をつけて下さい。(○は1つ)
【自社で対応を行っていない場合、その理由】
75.0%
(6)
海外売上比率・高 n=8
海外売上比率・低 n=4
*( )内は回答企業数
50.0%
(2)
25.0%
(1)
25.0%
(1)
12.5%
(1)
12.5%
(1)
0.0%
(0)
地政学リスクはコントロール不
可能なリスクであるため、そも
そも対応するメリットがない
商社等の外部企業が地政学リスクを負
担しており、自社での対応の必要がない
出所:アンケート調査結果を元に、デロイト トーマツ コンサルティング作成
82 グローバル企業の海外展開及びリスク管理手法にかかる調査・分析
0.0%
(0)
リソース(人員・スキル)不足等の理
由により、対応したいができていない
その他
第4章
1
Ⅴ
日本及び海外の主要な多国籍企業のリスク管理手法
1 日本の主要な多国籍企業におけるリスク管理手法
全体傾向
地政学リスクへの対処方法について(18/18)
問17 地政学リスクのマネジメントについて何か課題があれば記述して下さい。
課題に関する記述内容 n=7
•
•
•
•
•
•
•
特になし
企業レベルで対応できることが限定される中、何に重点投入すべきか判断が難しい。
海外の日本人駐在員、出張者の対策は進めているが、それらを包括した事業継続レベルとなるとリソースの問題で取り組めていない
3年程度の頻度で海外法人のトップ(日本人出向者)が交代になっても、現地でのリスクマネジメントのレベルが維持できるよう、一層の標準化が求められる。
重要拠点(世界各地で現在、11拠点を指定)におけるリスクマネジメント体制の強化と情報共有の仕組みの構築
特になし
現地法人には日本人だけでなく現地の従業員もいる中で日本人だけを特別扱いすることに対する矛盾。
出所:アンケート調査結果を元に、デロイト トーマツ コンサルティング作成
83 グローバル企業の海外展開及びリスク管理手法にかかる調査・分析
平成 26 年度
内外一体の経済成長戦略構築にかかる国際経済調査事業
「グローバル企業のリスク管理手法にかかるアンケート調査」
平成 27 年1月
デロイト トーマツ コンサルティング株式会社
アンケート調査票は平成 27 年 2 月 6 日(金)までに、同封の返信用封筒にて、ご返送願います。
ご回答者様情報
ご回答いただく方の情報についてご教示下さい。返信の際に、お名刺を同封頂いても結構です。
□ 返信時に名刺を同封
□ 下記欄に記入
貴社名
所属部署
ご回答者名
電話番号
(
)
―
E-mail
@
※この欄はお差し支えない範囲でご記入下さい。アンケート回収後、回答内容に不明な点があった場合に限り、
ご連絡を差し上げ確認させて頂くためのものです。
Ⅰ リスクマネジメントの体制について
問1 リスクマネジメントの体制についてお聞きします。
問1-1 リスクマネジメント部門において、対応しているリスクについて、○をつけて下さい。
(複数回答可、その他のみ記述)
1.
2.
3.
4.
5.
6.
7.
8.
市場規模・シェアの下振れ等の、ビジネスに
関係するリスク
売掛金の回収等の与信リスク
為替変動のリスク
金利の上昇リスク
原油・エネルギー等のコモディティ価格の
上昇・下落のリスク
製品・技術の安全や品質等に関するリスク
業務プロセス上で発生するミスや事故のリスク
サイバーテロやシステム誤動作等の情報・
システム関連のリスク
9. 法律違反、倫理違反等の法務・倫理リスク
10. 環境破壊、廃棄物処理違反等の環境リスク
11. 差別、安全衛生管理の不備、セクハラ・パワハラ等の
労務人事リスク
12. 粉飾決算等、経営者の不正リスク
13. 事業に重大な影響を与える可能性のある制度・法令の
変更リスク(例:電気小売料金規制の変更、販売補助金
制度の撤廃等)
14. 地震、洪水等の自然災害リスク
15. 紛争、テロ等地政学リスク
16. その他(
)
問1-2 リスクマネジメント部門が設置されている組織について、○をつけて下さい。
(○は1つ、その他のみ記述)
1.
2.
3.
4.
5.
本社、地域統括会社、各子会社に設置
本社及び地域統括会社に設置
本社及び各子会社に設置
本社のみに設置
地域統括会社のみに設置
6.
7.
8.
9.
各子会社のみに設置
その他(
非恒久組織で対応している(例:委員会)
設置されていない
問1-3 リスクマネジメント専任役員(CRO)の設置について、下記に○をつけて下さい。
(○は1つ)
1.
有
2.
1
無
)
問1-4 グローバル全体でリスクマネジメント部門に所属している人数の規模について、○をつけて下さい。
(○は1つ)
0人
1-2人
10人
10-30人
1.
2.
3.
4.
専任者
5. 30-100人
6. 100人以上
7. 分からない
1.
2.
3.
4.
兼任者
5.
6.
7.
0人
1-2人
10人
10-30人
30-100人
100人以上
分からない
問1-5 リスクマネジメント部門に所属している担当者のバックグラウンドについて、当てはまるものに○をつけて
下さい。
(複数回答可、その他のみ記述)
1.
2.
3.
4.
営業
エンジニア
経理
財務
5.
6.
7.
総務
外部機関(監査法人・コンサルティングファーム等)
その他(
)
問1-6 リスクマネジメント部門の役割について、○をつけて下さい。
(複数回答可)
1.
2.
3.
他部門に対して助言
投資や事業継続の承認
リスクマネジメント規定の策定
4.
5.
6.
リスクアセスメントの実施
教育
モニタリング
問1-7 リスクマネジメント部門が実効性を持って管理できている範囲について、○をつけて下さい。
(各項目で○は1つ)
1.
2.
3.
4.
本国の拠点(M&A先を除く)
管理できていない
本社のみ管理
主要な子会社を含めて管理
小規模子会社を含めて管理
1.
2.
3.
海外の拠点(M&A先を除く)
海外は管理できていない
主要な子会社を含めて管理
小規模子会社を含めて管理
1.
2.
3.
M&A等で取得した子会社
M&A 等で取得した子会社は
管理できていない
主要な子会社を含めて管理
小規模子会社を含めて管理
問1-8 リスクマネジメント部門に関する課題について記述して下さい。
Ⅱ 重視しているリスクと、今後の変化について
問2 現在、ビジネスを行っていくうえで重視しているリスク項目は何でしょうか。また、近年のビジネス環境の
変化(グローバル化、デジタル化、モジュール化等)を踏まえ、将来的(5-10 年後)にはどのリスク項目
が重要となるとお考えでしょうか。重視している項目に○を、その中でも特に重視されている項目に◎をつ
けて下さい。
(複数回答可、その他のみ記述)
現在
1.
2.
3.
4.
5.
6.
7.
8.
9.
10.
11.
12.
13.
市場規模・シェア等の下振れ等の、ビジネスに関係するリスク
売掛金の回収等の与信リスク
為替変動のリスク
金利の上昇リスク
原油・エネルギー等のコモディティ価格の上昇・下落のリスク
製品・技術の安全や品質等に関するリスク
業務プロセス上で発生するミスや事故のリスク
サイバーテロやシステム誤動作等の情報・システム関連のリスク
法律違反、倫理違反等の法務・倫理リスク
環境破壊、廃棄物処理違反等の環境リスク
差別、安全衛生管理の不備、セクハラ・パワハラ等の労務人事リスク
粉飾決算等、経営者の不正リスク
事業に重大な影響を与える可能性のある制度・法令の変更リスク
(例:電気小売料金規制の変更、販売補助金制度の撤廃等)
14. 地震、洪水等の自然災害リスク
15. 紛争、テロ等地政学リスク
16. その他(
)
2
将来(5-10 年後)
Ⅲ ビジネスの拡大にあたってのリスクマネジメントについて
問3 ビジネスの拡大にあたって重視しているリスク項目は何でしょうか。重視している項目に○を、その中でも
特に重視されている項目に◎をつけて下さい。
(複数回答可、その他のみ記述)
回答欄
1.
2.
3.
4.
5.
6.
7.
8.
9.
10.
見込んでいる市場規模の縮小や立ち上がりの遅れ
見込んでいる販売シェア・価格の下振れ
自社の既存ビジネスとの競合
想定している仕入価格・仕入量の確保
代替品等の登場によるビジネスの陳腐化
展開しようとしている国・地域における政情・経済不安
展開しようとしている国・地域における資源問題
展開しようとしている国・地域における住民感情・モラル
本国やビジネス上関連する国・地域とのサプライチェーンの連携
事業に重大な影響を与える可能性のある制度・法令の変更
(例:電気小売料金規制の変更、販売補助金制度の撤廃等)
11. その他(
)
問4 国内におけるビジネスの拡大にあたっての収益目標(ハードルレート)の設定方法の考え方について、最も
近いものに○をつけて下さい。
(○は1つ)
1.
2.
3.
4.
5.
資本コストをベースに収益目標(ハードルレート)を設定している
資本コストに、カントリーリスクを加味した収益目標(ハードルレート)を設定している
資本コストに、カントリーリスクを加味し、さらにバッファーを加えた収益目標(ハードルレート)を
設定している
特段の収益目標(ハードルレート)は設定していない
その他(
)
問5 海外におけるビジネスの拡大にあたっての収益目標(ハードルレート)の設定方法の考え方について、最も
近いものに○をつけて下さい。
(○は1つ)
1.
2.
3.
4.
5.
資本コストをベースに収益目標(ハードルレート)を設定している
資本コストに、カントリーリスクを加味した収益目標(ハードルレート)を設定している
資本コストに、カントリーリスクを加味し、さらにバッファーを加えた収益目標(ハードルレート)を
設定している
特段の収益目標(ハードルレート)は設定していない
その他(
)
問6 各事業における収益目標(ハードルレート)の設定方法や、設定する上で考慮するリスクの種類に違いはあ
りますでしょうか(○は1つ)
1.
2.
3.
4.
違いはない(全事業で統一の基準を使用)
考慮するリスクの種別は同一だが、収益目標の設定方法(リスクごとのウェイト付け等)は事業の固有性を
考慮している
考慮するリスクの種別・収益目標の設定方法について、事業の固有性を考慮している
その他(
3
)
Ⅳ 事業運営にあたってのリスクマネジメントについて
為替・金利・コモディティリスク
問7 為替・金利・コモディティリスクの中で重視しているリスク項目は何でしょうか。重視している項目に○を、
その中でも特に重視されている項目に◎をつけて下さい。
(複数回答可、その他のみ記述)
回答欄
為替リスク
1.
2.
3.
金利リスク
1.
2.
3.
4.
コモディティ 1.
リスク
2.
3.
4.
本国通貨の上下変動
米ドルの上下変動
その他の為替の上下変動:通貨名(
本国における資金調達コストの変動
海外(先進国)における資金調達コストの変動:国名(
海外(新興国)における資金調達コストの変動:国名(
その他(
事業の主要製品・サービスに関連するコモディティ価格の変動
主要製品・サービス以外で事業に関連するコモディティ価格の変動
事業に関連していないコモディティ価格の変動
その他(
)
)
)
)
)
問8 リスクマネジメントにあたってどのような対応をどの範囲に対し実施していますか。○をつけて下さい。
(複数回答可)

為替リスク
モニタリングの
対象通貨
ヘッジ
1.
2.
1.
実施していない
3. 米ドルの上下変動に対し実施
本国通貨の上下変動に対し実施
4. その他の為替の上下変動に対し実施
すべてヘッジ
2. 主要な部分はヘッジ
3. ヘッジしていない
モニタリングの
対象金利
1.
2.
実施していない
本国の調達金利のみ実施
ヘッジ
1.
すべてヘッジ


金利リスク
3.
2.
本国の調達金利及び海外(先進国)の現地調達金
利に対し実施
4. 本国の調達金利及び海外(先進国・新興国)の調
達金利に対し実施
主要な部分はヘッジ
3. ヘッジしていない
コモディティリスク(エネルギー・金属・農産物・シリコン等の原材料等、市場が存在する商品の価格変動)
モニタリングの
対象商品
1.
2.
ヘッジ
1.
実施していない
3. 主要製品・サービス以外で事業に関連するコモデ
事業の主要製品・サービスに関連
ィティ価格の変動に対し実施
するコモディティ価格の変動に対 4. 事業に関連していないコモディティ価格の変動に
し実施
対し実施
すべてヘッジ
2. 主要な部分はヘッジ
3. ヘッジしていない
問9 為替・金利・コモディティリスクのリスクマネジメントについて、課題があれば記述して下さい。
4
オペレーショナルリスク
問 10 オペレーショナルリスクの中で重視しているリスク項目は何でしょうか。重視している項目に○を、その中
でも特に重視されている項目に◎をつけて下さい。
(複数回答可、その他のみ記述)
回答欄
製品・技術
業務プロセス
1.
2.
3.
4.
5.
6.
情報・
システム
7.
8.
9.
10. その他(
製品の品質に関わる瑕疵
製品の安全性に関わる瑕疵(製造物責任(PL))
顧客プライバシーの侵害等、顧客と接する現場(営業・販売・顧客サービス)
で発生するミス・事故
海外工場での事故発生、設備の故障等、製造部門で発生したミス・事故
輸送中の商品破損、誤発注の発生等、その他の直接部門
(マーケティング、研究開発・設計、購買、物流)で発生したミス・事故
経理処理のミス、人事手続きのミス等、間接部門(経理、財務、総務、人事等)
で発生したミス・事故
システム誤動作
コンピュータウィルスの進入
情報の漏洩
)
問 11 リスクマネジメントにあたってどのような対応をどの範囲に対し実施していますか。○をつけて下さい。
(各項目で○は1つ)

1.
2.
3.
4.

1.
2.
3.
4.

1.
2.
3.
4.
方針・規定・規則等を普及・浸透させるための教育・訓練の範囲
本国の拠点(M&A先を除く)
実施していない
本社のみ実施
主要な子会社を含めて実施
小規模子会社を含めて実施
1.
2.
3.
海外の拠点(M&A先を除く)
海外で実施していない
主要な子会社を含めて実施
小規模子会社を含めて実施
1.
2.
3.
海外の拠点(M&A先を除く)
海外で実施していない
主要な子会社を含めて実施
小規模子会社を含めて実施
1.
2.
3.
M&A等で取得した子会社
M&A 等で取得した子会社では
実施していない
主要な子会社を含めて実施
小規模子会社を含めて実施
業務監査の範囲
本国の拠点(M&A先を除く)
実施していない
本社のみ実施
主要な子会社を含めて実施
小規模子会社を含めて実施
1.
2.
3.
M&A等で取得した子会社
M&A 等で取得した子会社では
実施していない
主要な子会社を含めて実施
小規模子会社を含めて実施
オペレーショナルリスクを低減するための IT システム導入の範囲
本国の拠点(M&A先を除く)
導入していない
本社のみ導入
主要な子会社を含めて導入
小規模子会社を含めて導入
海外の拠点(M&A先を除く)
1. 海外で導入していない
2. 主要な子会社を含めて導入
3. 小規模子会社を含めて導入
1.
2.
3.
M&A等で取得した子会社
M&A 等で取得した子会社では
導入していない
主要な子会社を含めて導入
小規模子会社を含めて導入
問 12 オペレーショナルリスクのリスクマネジメントについて、課題があれば記述して下さい。
5
自然災害リスク
問 13 リスクマネジメントにあたってどのような対応をどの範囲に対し実施していますか。
○をつけて下さい。
(各項目で○は 1 つ)

1.
2.
3.
4.

自然災害発生時の事業継続計画の整備対象の範囲
本国の拠点(M&A先を除く)
整備していない
本社のみ整備
主要な子会社を含めて整備
小規模子会社を含めて整備
海外の拠点(M&A先を除く)
1. 海外で整備していない
2. 主要な子会社を含めて整備
3. 小規模子会社を含めて整備
2.
3.
事業継続計画の実効性を高めるための訓練の実施状況
本国の拠点(M&A先を除く)
1.
2.
3.
4.
1.
M&A等で取得した子会社
M&A 等で取得した子会社では
整備していない
主要な子会社を含めて整備
小規模子会社を含めて整備
実施していない
本社のみ実施
主要な子会社を含めて実施
小規模子会社を含めて実施
M&A等で取得した子会社
海外の拠点(M&A先を除く)
1.
2.
3.
海外で実施していない
主要な子会社を含めて実施
小規模子会社を含めて実施
1.
2.
3.
M&A 等で取得した子会社では
実施していない
主要な子会社を含めて実施
小規模子会社を含めて実施
問 14 自然災害リスクのリスクマネジメントについて、課題があれば記述して下さい。
Ⅴ 地政学リスクへの対処方法について
問 15 地政学リスクの中で重視している内容は何でしょうか。重視している内容に○を、その中でも特に重視され
ている内容に◎をつけて下さい。
(複数回答可、その他のみ記述)
回答欄
国家間の
リスク
国内のリスク
1.
2.
3.
4.
5.
6.
7.
8.
9.
宗教・宗派間 10.
のリスク
11.
12.
その他
13.
14.
15.
中国と周辺国(フィリピン、ベトナム等)との関係悪化
ロシアと周辺国(ウクライナ、グルジア北部等)との関係悪化
米国と周辺国(メキシコ等)との関係悪化
インドと周辺国(パキスタン等)との関係悪化
米国と中国との関係悪化
北朝鮮がもたらす影響(核開発問題、拉致被害、瀬戸際開発等)
欧州各国(英国、スペイン、ベルギー等)における分離・独立運動
トルコの反政府運動
欧州各国(ギリシャ、スペイン、フランス、英国、ドイツ等)における
反欧州連合(EU)勢力の台頭
中東地域における宗教対立
中央アフリカ地域における宗教対立
東南アジア地域における宗教対立
イスラム国(ISIS)等イスラム過激派によるテロの拡大
その他(
)
重視している地政学リスクは特にない
6
問 16 地政学のリスクマネジメントにあたってどのような対応を実施していますか。○をつけて下さい。
(各項目で○は1つ、その他のみ記述)また、もし対応を行っていない場合、それはなぜでしょうか。
最も近いものに○をつけて下さい。
(○は1つ)

対応の実施状況
顕在化の事前 情報の収集
察知
リスクの
分析・評価
顕在化後の
対応準備
1.
2.
3.
4.
5.
6.
7.
8.
1.
2.
3.
4.
5.
分析・評価結果・
1.
リスク情報の共有
2.
3.
4.
5.
事業を継続できる 1.
体制の構築
2.
3.
実践的な訓練の
1.
実施
2.
3.
保険・金融派生商品 1.
によるヘッジ
2.
各国の首脳クラスとのつながりを構築し、情報を収集
地政学リスクの専門家・機関と契約し、情報を収集
地政学リスクの高まりを示す指数(金、為替、資源価格等)を設定し、
モニタリング
外部企業・機関の作成した地政学リスクの指数をモニタリング
新聞等のメディアを通じ情報収集
地域統括拠点や現地法人が適宜情報収集
特に実施していない
その他(
)
定量化分析による評価を実施し、事業の収益見通しや自社アセットの時価
評価に反映
定量化分析による評価を実施し、リスク顕在化時の被害額等を算出
定性的分析による評価を実施(例:リスクの大、中、小等)
特に実施していない
その他(
)
海外子会社を含む全拠点・全部門で共有
国内の全拠点・全部門で共有
経営陣・リスクマネジメント部門でのみ共有
特に実施していない
その他(
)
国・地域をまたいでオフサイトで事業が継続できる計画・体制を構築
リスクが発生した国内のオフサイトで事業が継続できる計画・体制を構築
事業が継続できる体制を構築していない
複数の現地法人間の連携も含めた訓練を実施
現地法人単位で訓練を実施
実践訓練を実施していない(文書のレビュー、e-learningのみ)
実施している
実施していない

自社で対応を行っていない場合、その理由
1.
2.
3.
4.
地政学リスクはコントロール不可能なリスクであるため、そもそも対応するメリットがない
商社等の外部企業が地政学リスクを負担しており、自社での対応の必要がない
リソース(人員・スキル)不足等の理由により、対応したいができていない
その他(
問 17 地政学リスクのマネジメントについて何か課題があれば記述して下さい。
以上でアンケートは終了となります。ご協力頂きまして誠にありがとうございました。
7
)
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