Comments
Description
Transcript
Untitled
目 次 Ⅰ.はじめに 付表:コッブブロイラー標準性能 Ⅱ.ブロイラーの生理と飼育環境 Ⅱ-1.ブロイラーの生理・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ P 1~P 2 Ⅱ-2.ブロイラーの飼育環境の現状・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ P 2~P 3 Ⅱ-3.ブロイラー業界を取り巻く主な法規則・・・・・・・・・・・・・・ P 3~P 4 Ⅲ.飼育管理について Ⅲ-1.出荷後の管理(入雛準備)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ Ⅲ-2.入雛前日までの準備・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ Ⅲ-3.雛到着日までの点検事項・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ Ⅲ-4.雛到着日の管理・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ Ⅲ-5.入雛翌日~7 日令までの管理・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ Ⅲ-6.8~21 日令までの管理・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ Ⅲ-7.22~35 日令までの管理・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ Ⅲ-8.36 日令以降の管理・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ Ⅲ-9.出荷準備と捕鳥・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ P 5~P 7 P 8~P 15 P 16~P 18 P 19~P 22 P 23~P 27 P 28~P 33 P 34~P 39 P 40~P 41 P 42 Ⅳ.記録のとりかた Ⅳ-1.記録を取る意味・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ P 43 Ⅳ-2.記録の内容・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ P 43~P 45 Ⅴ.衛生管理について Ⅴ-1.農場の防疫・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ Ⅴ-2.日常の衛生・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ Ⅴ-3.出荷後の清掃消毒・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ Ⅴ-4.ワクチネーションに対する要点・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ Ⅴ-5.血清抗体の定期検査の意義・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ P 46 P 46~P 47 P 47~P 50 P 50~P 52 P 52~P 53 Ⅵ.換気管理について Ⅵ-1.換気の目的・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ P 54~P 55 Ⅵ-2.換気の考え方・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ P 56 Ⅵ-3.換気量の決め方・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ P 56~P 60 Ⅵ-4-1.具体的な換気方法・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ P 60~P 64 Ⅵ-4-2.具体的な換気方法・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ P 64~P 67 Ⅵ-5.最新の換気システム紹介・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ P67~P 79 Ⅶ.防暑対策について Ⅶ-1.鶏は暑さに弱い・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ P 80 Ⅶ-2.熱射病についての基礎知識・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ P 80~P 83 Ⅶ-3.防暑対策の実際・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ P 83~P 93 Ⅷ.防寒対策について Ⅷ-1.鶏の低温環境下の生理的反応・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ P 94~P 95 Ⅷ-2.防寒対策の実際・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ P 95~P 101 Ⅸ.補足 1)平均値、標準偏差、変動係数の計算方法・・・・・・・・・・・・・・・ 2)顕熱と潜熱・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3)エネルギー・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4)骨格(図)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5)内臓(模式図)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6)鶏舎内の空気性状について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7)浮遊粉塵(ホコリ)と細菌数・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 8)水洗とブラッシング・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 9)消毒と細菌数・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 10)消毒薬の人に対する急性毒性・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 11)ネズミの生態・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 12)各地の日の出、日の入り・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 13)7~9 月間の月別平均気温と気温の最高記録(℃)・・・・・・ 14)12~2 月間の月別平均気温と気温の最低記録(℃)・・・・・ 15)真夏日の年間日数(1999 年~2008 年の平均)・・・・・・・・・ 16)冬日の年間日数(1999 年~2008 年の平均)・・・・・・・・・・・ 17)熱帯夜の年間日数(1999 年~2008 年の平均)・・・・・・・・・ 18)点灯管理・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 19)照度管理・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 20)生産指数(PS)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 21)断熱の効果について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 22)消毒薬の種類と特徴・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 23)コッブ・バントレス社推奨飼料成分表・・・・・・・・・・・・・・・・・ Ⅹ付表 1)入雛準備作業日程表 2)COBB500 ブロイラー温度管理基準 3)飼育日誌 P 102~P 104 P 104 P 105 P 106 P 107 P 108 P 108 P 108~P 109 P 109 P 110 P 111~P 112 P 113~P 114 P 115 P 116 P 117 P 117 P 118 P 118~P 119 P 120~P 121 P 122 P 123~P 125 P 125~P 126 P 127 Ⅰ.はじめに コッブ・バントレス社は、2001 年にエイビアン社を傘下に入れた時から従来のコ ッブ種とエイビアン種との系統間の交配を続けてまいりました。 その結果、それぞれの特徴によって世界各地域のニーズに適した種鶏を供給して おります。 弊社も 2007 年より通称 CobbMx と言われています種鶏(雌系統はコッブ種、雄系 統はエイビアン種)導入しそれから生産されたブロイラー雛を野外試験した結果、 ブロイラー性能は初期からの増体能力に優れ、且つ強健性も改善され処理場での正 肉歩留まりも向上しております。 最近の育種改良の進歩は著しく改善されており、特に増体能力は毎年日増で1g の改良がなされています。 その反面、飼育管理面で対応が遅れ勝ちになる傾向があります。 特にブロイラー飼育管理は、季節変動、鶏舎構造の違いや収容密度の違いにより 性能が大きく左右されます。 今回のブロイラーマニュアルの変更は、基本的な部分の改訂となっております。 特に、換羽時期の温度管理指標を改定しております。 本マニュアルが農場生産性の更なる向上の一助にして頂ければ幸いです。 2009 年 11 月 株式会社松阪ファーム COBB500ブロイラー標準性能 2009.11 0 日令 体重 (g) 累 計 成 績 7 14 21 28 35 42 49 ♂ 41 170 449 885 1478 2155 2839 3486 ♀ 41 158 411 801 1316 1879 2412 2867 ♂♀ 41 164 430 843 1397 2017 2626 3177 飼料 ♂ 142 470 1100 2095 3381 4827 6333 摂取量 ♀ 138 440 1025 1941 3106 4389 5700 (g) ♂♀ 140 455 1063 2020 3249 4621 6043 ♂ 0.83 1.05 1.24 1.42 1.57 1.70 1.82 ♀ 0.88 1.07 1.28 1.48 1.65 1.82 1.98 ♂♀ 0.86 1.06 1.26 1.45 1.61 1.76 1.90 ♂ 129 279 445 593 677 684 647 ♀ 117 253 390 515 563 533 455 ♂♀ 123 266 413 554 620 609 551 飼料 ♂ 142 328 630 995 1286 1446 1506 摂取量 ♀ 138 302 585 916 1165 1283 1311 (g) ♂♀ 140 315 608 957 1229 1372 1422 ♂ 1.10 1.18 1.42 1.68 1.90 2.11 2.33 ♀ 1.18 1.19 1.50 1.78 2.07 2.41 2.88 ♂♀ 1.14 1.18 1.47 1.73 1.98 2.25 2.58 飼料 要求率 増体量 週 間 成 績 (g) 飼料 要求率 <コッブブロイラーの特色> 1.極めて高い増体性を有しています。 2.内臓・骨格の発達がバランス良く育種されています。 3.飼料要求率が優れています。 4.雌雄の体重差が少なく、揃いの良い屠体が得られます。 5.正肉歩留が良く、脂肪が少なく、市場のニーズにあった雛です。 6.暑熱期にも高い生産性が得られます。 7.羽毛鑑別ができ、肛門鑑別によるストレスがありません。 COBB500ブロイラー標準性能 2009.11 雄 日令 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 体重(g) 41 53 65 80 98 119 143 170 200 234 270 310 353 399 449 501 557 616 678 744 813 885 961 1,040 1,122 1,207 1,295 1,385 1,478 1,572 1,668 1,764 1,861 1,958 2,056 2,155 2,253 2,352 2,450 2,548 2,646 2,743 2,839 2,934 3,029 3,122 3,215 3,306 3,397 3,486 平均 飼料摂取量 1日当たり 累計 31 37 40 46 52 57 64 69 76 83 89 97 104 111 120 127 135 142 150 156 164 169 176 179 184 188 192 197 199 203 204 207 210 211 212 213 215 214 216 215 217 216 142 173 210 250 297 349 406 470 539 615 698 787 884 989 1,100 1,220 1,347 1,481 1,624 1,774 1,930 2,095 2,264 2,440 2,619 2,804 2,991 3,184 3,381 3,580 3,783 3,987 4,194 4,404 4,615 4,827 5,040 5,255 5,468 5,685 5,899 6,117 6,333 飼料要求率 0.836 0.867 0.897 0.927 0.957 0.987 1.017 1.047 1.076 1.104 1.133 1.161 1.189 1.216 1.243 1.269 1.295 1.320 1.345 1.370 1.394 1.417 1.440 1.463 1.485 1.507 1.528 1.549 1.569 1.589 1.608 1.627 1.646 1.665 1.683 1.700 1.718 1.735 1.752 1.768 1.784 1.801 1.817 日令 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 体重(g) 41 52 64 78 95 115 138 164 193 225 260 298 339 383 430 480 533 589 648 710 775 843 914 988 1,065 1,145 1,227 1,311 1,397 1,484 1,572 1,661 1,749 1,838 1,928 2,017 2,106 2,194 2,282 2,370 2,456 2,541 2,626 2,709 2,791 2,871 2,950 3,027 3,103 3,177 雌 飼料摂取量 1日当たり 累計 30 35 39 44 50 55 61 67 73 80 86 93 100 107 115 122 130 137 144 151 157 163 168 172 176 180 184 187 190 192 195 197 198 200 201 202 202 203 203 204 204 204 140 171 205 245 289 339 394 455 522 596 676 762 855 956 1,063 1,178 1,301 1,431 1,568 1,712 1,863 2,020 2,183 2,350 2,523 2,698 2,878 3,062 3,249 3,439 3,631 3,826 4,022 4,221 4,420 4,621 4,823 5,025 5,228 5,431 5,635 5,839 6,043 飼料要求率 0.856 0.884 0.912 0.941 0.970 1.000 1.029 1.059 1.088 1.118 1.147 1.176 1.205 1.233 1.261 1.289 1.316 1.343 1.369 1.395 1.421 1.446 1.471 1.495 1.519 1.543 1.566 1.589 1.611 1.633 1.655 1.676 1.698 1.719 1.739 1.760 1.780 1.801 1.821 1.841 1.862 1.882 1.902 日令 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 体重(g) 41 51 63 76 92 111 133 158 186 216 250 286 325 367 411 459 509 562 618 676 737 801 868 937 1,009 1,083 1,159 1,237 1,316 1,396 1,476 1,557 1,638 1,718 1,799 1,879 1,958 2,037 2,114 2,191 2,266 2,340 2,412 2,483 2,552 2,619 2,684 2,748 2,809 2,867 飼料摂取量 1日当たり 累計 29 33 38 42 48 53 58 65 70 77 84 89 96 103 111 117 125 131 138 144 150 155 159 164 167 169 174 176 178 182 181 185 185 186 186 188 187 187 187 189 187 185 138 168 200 239 281 329 382 440 505 576 653 736 825 922 1,025 1,136 1,253 1,378 1,509 1,647 1,791 1,941 2,096 2,255 2,418 2,586 2,755 2,930 3,106 3,284 3,466 3,647 3,832 4,017 4,203 4,389 4,577 4,764 4,951 5,138 5,327 5,515 5,700 飼料要求率 0.876 0.901 0.927 0.955 0.983 1.012 1.041 1.071 1.101 1.131 1.161 1.191 1.221 1.250 1.280 1.309 1.337 1.366 1.393 1.421 1.448 1.475 1.501 1.527 1.553 1.579 1.604 1.628 1.653 1.677 1.701 1.725 1.749 1.773 1.796 1.820 1.843 1.867 1.891 1.914 1.939 1.963 1.988 Ⅱ.ブロイラーの生理と飼育環境 Ⅱ-1.ブロイラーの生理 1)鶏は、暑さに弱い (1)鶏は汗腺の発達が殆ど無く、その上全身が羽に覆われ、蒸散による体熱の放射 が困難です。 (2)羽は、本来は飛ぶための道具で、毛と異なり死んだ組織で、季節により生え変 わり、長さや密度をかえることはありません。 (3)暑熱期の体温調節は、主に呼気により行います。高温下では水を多く飲み、パ ンチングにより熱を体外に放散します。 2)雛は寒さに敏感 (1)雛は、羽毛の発達が未完成で、放熱もされやすい傾向にあります。 餌付けから換羽終了までは温度管理に充分気を配ります。 一般的に、雛の体温調節機能は、孵化後急速に発達しますが、2 週令迄は不 充分です。ブロイラーのように発育速度が早いものは、体温調節機能の発 達が個体差も大きく、且つ遅い傾向にあります。 3)酸素が多く必要 (1)鶏は、他の家畜と比べ、飼料摂取から排泄のスピードが速く、生理活性も高い ため、単位体重当たりの酸素消費量が多くなります。 (2)鶏の酸素消費量は、豚、牛と比べて、3 倍以上の量です。 鶏 豚 牛 酸素消費量 423 121 125 (ml/体重 kg/時間) (Hudson, J.W.et al. & Lasiewski, R. C., 1974) 4)ブロイラーは環境変化に敏感 ブロイラーは、他の家畜と比べ、発育スピードが速く、ストレスを受けやすい ので、管理手順は遅れないようにします。 1 5)鶏はホコリ、汚れた空気に弱い (1)鶏の肺は、他の家畜と異なり、胸郭運動に応じて余り伸縮しないので、その容 量は小さく、効率的に酸素の取り入れを行っており、質の悪い空気は大きな 負担になります。 (2)鶏は気嚢を持っており、その大きさは成鶏で肺の約 9 倍あり、全身に広がって いるため空気の汚染は重大な問題です。 (3)特にホコリが多い場合は、散霧等で浮遊細菌と共にホコリを落とし、空気をき れいにします。 6)コッブブロイラーは増体が良い (1)コッブブロイラーの育種改良は、何世代にもわたる緻密なプログラムに基づい て行われています。 (2) 孵化直後から急激、 且つ効率的な増体を示す遺伝的な能力を持っていますので、 餌付けから出荷迄の期間に、遺伝的能力を最大限に引き出すための適切な飼 育管理が必要です。 (3)飼育管理の失敗や疾病の発生により増体が抑制された場合、満足すべき結果は 得られません。 Ⅱ-2.ブロイラーの飼育環境の現状 経済性を追求するために、ブロイラーの飼育環境はかなり苛酷な状況になって おり、飼育管理上で下記のような問題が提起されています。 1)ロット羽数の増大 (1)1ロットの羽数が多くなってきたため、同一鶏舎に母鶏週令の異なった種鶏群 から発生した雛(体重の異なる)が供給されるケースがあります。 (2)1棟当りのフロアー面積が大きくなったため、均一な環境が作りにくく、雛に バラツキができやすい環境になってきています。 2)飼育密度の増加 (1)給餌、給水のスペースが不足しがちになります。 (2)床面が湿りやすく管理が難しくなります。 (3)高密度飼育は換気不足やストレスなどの為、疾病にかかりやすくなります。 2 3)ホコリがたちやすい 気管が冒され呼吸器系の疾病を誘引しやすくなります。 4)平飼いのため糞と同居 床面の管理とも関係しますが、アンモニアが発生しやすく、且つコクシジウム 症の感染の危険もあります。 Ⅱ-3.ブロイラー業界を取り巻く主な法規則 飼育環境の防疫や食の安全、環境の保全を図るために様々な法規則が定められて います。ブロイラー業界においても、法令遵守が求められています。 主なものを下記に示しました。 (2009 年 8 月現在) 1)畜産振興の基盤として、家畜衛生、とくに家畜の伝染病の発生を予防し、まん 延を防止することを目的に「家畜伝染病予防法」が昭和 26 年に制定されまし た。 本法は家畜伝染病の発生予防・まん延の防止、輸出入検疫等に関する多くの規 定がありますが、これらに対して時代の推移・変化に対応するための改正がな されています。 2) 鶏肉の安全確保により国民の健康維持を図る目的で食鳥検査制度である「食鳥処 理の事業の規制及び食鳥検査に関する法律」が 1992 年 4 月 1 日から実施されてい ます。 3)事業活動に伴って発生する悪臭について必要な規制を行い、生活環境を保全す る目的で家畜排泄物法である「家畜排泄物の管理の適正化及び利用の促進に関 する法律」が 2004 年 11 月 1 日から実施されています。 4)廃棄物の排出を抑制、及び廃棄物の適正な分別、保管、収集、運搬、再生、処 分等の処理をし、生活環境を清浄にすることにより、生活環境の保全及び公衆衛 生の向上を図る目的で廃棄物処理法である「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」 が 2002 年 12 月 1 日から実施されています。 3 5)肥料の品質を保全し、公正な取引を確保するため、肥料の規格の公正、登録、 検査を行い、農業生産力の維持促進に寄与する目的で「肥料取締法」が 2003 年 7 月 1 日から実施されています。 6)事業者から公共用水域に排出される水及び地下水に浸透する水を規制するとと もに、公共用水域及び地下水の水質の汚染防止を図る目的で 1971 年 6 月 24 日 に施行された「水質汚濁防止法」が随時強化されています。 7) 今後はブロイラー産業が担う社会的な責任を果たす上で環境対策を規制する 「省 エネ法」 、 「温対法」などの法規の重要性が増すものと予想されます。 2010 年には、 「改正温対法」により 2009 年度分からの動物の飼育によるメタンガス の排出量、ふん尿の処理によるメタンガス、窒素ガスの排出量が年間二酸化炭 素 3000 トン以上に相当する場合、排出量の報告が義務付けられます。 詳しくは、事業所管省庁にお問い合わせ下さい。 4 Ⅲ.飼育管理について Ⅲ-1.出荷後の管理(入雛準備) (Ⅴ.「衛生管理について」をご参照下さい) 1)鶏舎内の管理 (1)除糞 ① 出荷終了後、出来る限り速やかに除糞を実施します。 鶏が居なくなると病気を媒介する昆虫は、壁に入って隠れてしまいます。 ② 鶏糞を搬出後、ゴミ等が残らないように掃き出します。 場内・鶏舎内の汚染を少なくし、また周囲への汚水量を減らしましょう! ③ 鶏舎の殺虫対策を実施します。 殺虫剤を散布する時期は、殺虫剤の種類によって、鶏舎の水洗前と、入雛 前の敷料搬入後に散布する場合があります。 注意:殺虫剤の使用については、使用基準を遵守しましょう。 詳細は「Ⅴ.衛生管理について」をご参照して下さい。 コクヌストモドキ ガイマイゴミムシダマシ 5 (2)水洗 ① 電気系統の防水に充分考慮して、配電盤内のホコリはコンプレッサー等で 吹き飛ばします。 ② 水洗は、鶏舎の消毒効果を上げるための基本です。時間をかけて充分な水 量を使い(坪 100 ㍑以上) 、徹底的に汚れを落とします。 * 水洗の前に洗浄剤を鶏舎全体に発泡噴射(発泡剤使用)し汚れを浮き上 がらせてから始めると汚れ落ちもよく作業が捗ります。 ③ 動噴や、高温高圧洗浄機で洗い流しますが、ブラッシングを行うとより効 果的です。 有機物が残っていると消毒薬の効果は発揮されません! ④ 鶏舎内の天井、壁、床はもちろん、天井のはり、給餌・給水パイプの上側、 ウインドレス鶏舎の入気口や排気ダクト等を忘れずに洗浄します。 ⑤ オープン鶏舎のカーテンは、内側と外側を洗浄します。 ⑥ 鶏舎の外回りを洗う前に、側溝に溜まった汚物を除きます。 汚物の飛散の防止は大切です! そのままでは、せっかくきれいにした鶏舎内が再汚染されます! ⑦ 給水器、給餌器等で、外へ出せるものは全て出し、水槽で浸した後、水洗 し消毒します。 ⑧ 給水設備(給水器、給水パイプ、配管、サブタンク)の洗浄消毒を実施し ます。 特にタンクから給水器への給水管及び、ニップルドリンカーのパイプ内は、 ヌルの発生し易い場所です。洗浄消毒を徹底して下さい。 ⑨ 飼料タンク内外の洗浄消毒をします。 (3)消毒 ① 目的にあった消毒薬を使用方法(希釈倍率、使用上の注意)にそって正し く使用します。 ( 「Ⅴ.衛生管理について」をご参照下さい。 ) ② 各種消毒薬の性質を理解し、より消毒効果をあげるとともに、作業する人 の健康への配慮も大切です。 薬剤の濃度はもちろん、希釈水の温度、pH 等も効果に影響します! 作業時は、マスク、ゴム手袋、メガネ等での保護を忘れないように! 6 (4)石灰塗布(床面の消毒) 石灰塗布は、その強いアルカリにより、床面消毒に効果的です。コンクリー トのひび割れ等、汚れが残り消毒することが難しい部分を埋め込みます。 <実施例> 水 9 に生石灰 1 を混合攪拌し、石灰乳として、4~5 ㍑/坪を目安に動噴やバケ ツを使い、床面全体に塗布します。割れ目部分には、特に注意して埋め込みま す。 攪拌時にかなりの熱が発生するので少しずつ水の中に溶かし込みます! 強いアルカリ液<pH12 以上>になるので、雨がっぱ、ゴム手袋、メガネ、 マスク等で、目や皮膚に付かないように保護します! 2)鶏舎外の管理 (1)犬走り、U字溝を整備し、排水を良くします。 (2)鶏舎周囲の汚物は除去し、不要な器具等は整理、処分します。 (3)雑草は必ず除去し、風通しを良くします。 (4)鶏舎周囲が土壌の場合には、くまなく粒状の生石灰 3~5kg/坪を散布します。 その際、周囲の環境に充分考慮して下さい。 * コクシジウムのオーシスト、マレック病、ガンボロ病のウイルス等、また食 中毒原因菌など鶏舎周囲の土壌に長期間生存する病原体が数多くあります。 これらの感染防御の為にも、鶏舎外の管理が益々重要になってきています。 3)防疫 (1)入雛前に農場外への鶏糞搬出 (2)鶏糞倉庫と鶏舎間の隔離管理 (3)野鳥、野獣の侵入防止 * 鶏舎の金網、農場周囲フェンスの修繕及び確認 * 飼料タンク周りの餌残渣の除去 (4)農場内外の除草 (5)農場内用の作業着、長靴、帽子、手袋等の準備 (6)事務所、更衣室の整理・整頓、消毒 (7)車輌消毒用の動力噴霧装置、消毒液の準備 (8)飼料、雛搬入業者用長靴の準備、消毒 (9)更衣室にシャワー室の設置が望ましい。 7 Ⅲ-2.入雛前日までの準備 1)設備、機材の点検 給餌器、給水器、ブルーダー、ボイラー、換気扇、扇風機、送風ファン、電球、 電気系統、発電機、機械設備、カーテン、金網、警報装置等の保守点検を実施 して、修繕と補充を早めに行います。 入雛後に、こんな筈では・・・こんなトラブル発生していませんか? 特に電気配線の劣化、ブレーカーの故障による火災事故に注意! 2)確認事項 (1)餌付け用飼料、ワクチン、薬品、ガス、重油等の数量 (2)導入雛の種鶏週令、搬入日時(発生当日搬入・翌日搬入) 農場独自のチェックリストを作り、モレが無いように! 付表1)入雛準備作業日程表(例)を参考にして下さい。 3)敷料の搬入、チックガード、予備加温 (1)敷料と敷紙 ① 新しく良く乾燥し衛生的な敷料を使用します。古く湿った敷料は「カビ性 肺炎」や、腹部を冷やす原因になります。 ② 敷料の厚さ ○ ブルーダー給温の場合:チックガード内だけでなく全体に広げた時に使 用する敷料も鶏舎内に持ち込んで置きます。 チックガード内 10cm 以上 チックガード外 5cm 以上 特に、チックガード内は厚く敷き、雛の腹部の冷えを防ぐことが大切です! (次頁の図をご参照下さい) ○ 床面給温の場合:床の表面が隠れる程度に、平らにならして敷きます。 ・給温パイプとパイプ間の温度格差を無くし、床面温度を均一にします! ・床面にこびり着く鶏糞の量を少なくします! ・出荷後の除糞、水洗を容易にします! ③ 敷紙は衛生的なものを、ガード全体(加湿部を除く)に敷きます。 8 ブルーダー給温の場合に何故、敷料を厚く敷くのか? チックガード内の敷料が薄い ↓ 雛の腹部が冷える ↓ 腸内細菌叢のバランスが崩れる ↓ 腸管内の粘膜が炎症を起こす ↓ 餌の利用効率悪化 下痢をする (栄養素が吸収されない) ↓ 体力が低下する 床面が湿る ↓ 更に雛の腹部を冷やす ↓ 疾病の発生 下痢を繰り返す ↓ 更に床面が湿る ↓ アンモニアガスが発生する ↓ 廃棄率の増加 増体不良・飼料要求率の悪化・出荷率低下 ↓ 処理場での廃棄率の増加 収益性のダウン!! 9 チックガード内の敷料が厚い ↓ 雛の腹部が温まる ↓ ①卵黄の吸収が良い ②餌の消化が良い(栄養吸収が良い) ③鶏糞状態が良い(床面状態が良い) ↓ ①初期落ちの少ない体重の乗った雛になる ②餌の利用効率が良くなる ③疾病が減少する ④雛の体重バラツキが小さくなる(雛体重が揃う) ↓ 収益性のアップ!! 『あなたならどちらを選びますか?』 こ ここ こが がポ ポイ イン ント ト! ! ○ ブルーダー給温方式、床面給温方式共に雛の腹部を冷やさない管理が大切 です。 ○ 床面給温方式は雛の日令に応じた湯温調節が大切です。 入雛から 7 日間(特に 3 日間)は、絶対に雛の腹部を冷やさないこと!! 入雛時の敷料温度は、その後の成績に大きく影響します。 コッブ社で以下のような研究データーも発表されています。 床面温度(℃) 要求率 日増体(g) 20 1.52 50.0 24 1.50 51.2 28 1.48 52.4 32 1.46 53.6 差異 20-32℃ 0.06 3.6 (2003~2004 年冬期シーズンに西ヨーロッパのブロイラー鶏舎 200 棟、 4,500 千羽規模の調査) 10 (2)チックガードの準備と管理の目安(長方形型を 1 ヶ所に組む場合) ① 丸型にガードを組む場合の餌付け坪数をベースに総面積を決めます。 1,000 羽当たりの餌付け面積(坪数/㎡) オープン鶏舎 ウインドレス鶏舎 日令 (冬) (春・秋) (夏) (春・秋・冬) (夏) 0 2.6/8.5 3.1/10.2 3.8/12.6 3.1/10.2 3.8/12.6 2 3.8/12.6 5.0/16.6 5.5/18.1 5.0/16.6 5.5/18.1 5 4.8/15.9 5.9/19.6 半開 5.9/19.6 半開 7 6.2/20.4 半開 半開 ② ガードの拡張は、給温方式や鶏舎内の設備によって回数は変りますが、基 本的な考え方は丸型にガードを組む場合に準じます。 (3)チックガードの準備と管理の目安(丸型に組む場合) 1,000 羽当たりのチックガードの直径(m) 日令 オープン鶏舎 ウインドレス鶏舎 (冬) (春・秋) (夏) (春・秋・冬) (夏) 0 3.3 3.6 4.0 3.6 4.0 2 4.0 4.6 4.8 4.6 4.8 5 4.5 5.0 半開 5.0 半開 7 5.1 半開 11 半開 14 18 半開 全開 全開 全開 全開 全開 ガードの拡張は必ず午前中に実施します。午後には適正な広さか確認! ............. ガード拡張は、雛の生活環境が変化することと捉えて下さい。 ① 給温方法やブルーダーの能力によってチックガードの広さを変えますが、夏 は比較的広く、冬は狭くセットします。 ② 最初にチックガードはオープン鶏舎では南側、横引きウインドレス鶏舎では 排気側、縦引きウインドレス鶏舎では前後に広げます。 ③ 丸型チックガードの直径が 5m以上の時は、二つのチックガードを合わせて ひとつにします。(ひょうたん型になります。) ④ チックガードの直径(面積)は、雛や敷料の状態を観察して調整します。 ⑤ チックガードを広げると共に、ブルーダーの高さを調整します。 11 【照明の注意点】 影を作らないようにしましょう! * ガード内は、雛の高さで 25 ルックス以上を確保 * 暗い場所の雛は動かない 悪い例) 電灯 暗 い 明るい チックガード 良い例) *電灯の追加および配置の変更 電灯 電灯 明るい 明るい チックガード (3)給温 ・雛の餌付け時に、敷料(床面)全体が適正な温度になる様に早めに給温を開 始します。(予備加温) 12 ○ ブルーダー給温の場合 注 意 事 項 給温開始時期の目安 入雛時に敷料内部温度を 20℃以上 夏:1 日~1 日半前の点火 ガード当たりの雛羽数はブルーダー能 春・秋:1 日半~2 日前の点火 力の 80%を目安とします。 冬:2 日~2 日半前の点火 ブルーダー直下は 40℃ ○ 床面給温の場合 注 意 事 項 給温開始時期の目安 給温開始時の湯温は低めで開始します。 鶏舎全体を暖めます。 夏:4 日前の給温開始 ↓ 春・秋:5 日前の給温開始 入雛 2 日前から湯温を上昇させます。 冬:7 日前の給温開始 入雛時の床面温度の目安 給温パイプ上:32~33℃ 給温パイプ間:30~31℃ 4)給餌器、給水器の準備 (1)給餌器 ① 加湿部を除き、チックガード内全面に衛生的な餌付け用の敷紙を敷きます。 * 3 日目ぐらいまでには敷紙を取り除きますが、そのままで分解されるも のもあります。 ② 40×50×3cm(縦・横・深さ)程度の餌付け箱を 100 羽当たり 1 個準備します。 ( 音のする材質を選ぶ:音で雛は採食行動に移り易くなります。 ) ③ 自動給餌器のパン(皿)を餌付けから使用する場合は、雛が食べ易いように、 パン(皿)のグリルカバーを外しておき、餌こぼしが始まるまではセットしな いようにします。(最終の給餌スペースは約 2.5cm/羽必要です。) (2)給水器 ① ベル型給水器を使われている場合は、 餌付け時給水器を100 羽当たり1 個と、 補助ドリンカー又は、給水盤(チックプレート)を準備します。 ニップルドリンカーを使われている場合も補助ドリンカー又は、給水盤(チ ックプレート)を準備します。 * 餌付け時は特に、水面を雛の目の高さより低くするのがポイントです。 ② 最終のベル型自動給水器のスペースは 1.3cm/羽必要です。 13 ニップルドリンカーの場合は 8~10 羽/1 ニップル必要です。 * 雛の成長に応じた水位・水圧・高さ調節が大切な管理ポイントです。 ニップルドリンカーの水量目安(末端のニップルで) 週 令 水量(ml/分) 入雛時 10 秒で手のひらいっぱい 1 週令 20ml/分 6 週令(最低量) 60ml/分 6 週令(最高量) 80~90ml/分 その他の週令 ○週令×7+35=ml/分 (3)入雛時の模式図 ① 長方形型を 1 ヶ所に組む場合 チックガード ブルーダー ブルーダー チックガード ニップルドリンカー 自動給餌器 14 餌箱 補助ドリンカー ※ 自動給餌器は、餌付けから使えるように多段式のものを使用します。 又、グリルカバーは、外しておくと雛も食べ易くなります。 ※ 補助ドリンカーがなければ、給餌皿(チックプレート)等を使用して下さい。 ② 丸型に組む場合(800 羽の例) ブルーダー チックガード :給水器 :餌箱 15 :補助給水器 Ⅲ-3.雛到着日までの点検事項 1)温度管理 温度は大丈夫ですか? チックガード内の温度は 32℃ (夏季を除き、チックガード外の室温は 25~28℃を目安に) 敷料は良く乾燥させます。 敷料内部は 20℃以上 ブルーダー直下 40℃です。 床面温度は給温パイプ上で 32~33℃、給温パイプ間で 30~31℃ 入雛時の敷料温度は、その後の成績に大きく影響します。 (1)温度計の設置場所 給 温 方 式 傘型ブルーダー パンケーキ型ブルーダー 床面給温方式 温度計の設置場所 ブルーダーの脚の部分 傘の端からガードまでの中間 雛の頭の高さ 給温パイプとパイプの間の床面 雛の頭の高さ ガード内の温度計設置位置例 パンケーキ型 温度計 中間 加湿 (2)チックガード外の室温は夏季を除き、25~28℃を目安にします。 (3)チックガード内の敷紙(雛を放す場所)が充分暖まっているか確認します。 * 温度が不足している場合 ○ 保温用カーテンの増設や、隙間風防止の目張りを徹底します。 ○ 床面給温の場合は、湯温設定を上げます。 又、ボイラー燃焼状態の確認をします。 ○ 補助温源の活用(ジェットヒーターや石油ストーブ等) 。 * ジェットヒーターを使用する場合は換気不足にならないよう注意します。 16 ○ サーキュレーター(空気攪拌機)やインバーター制御による送風機等を活 用し天井に溜まった暖かい空気を攪拌します。 2)湿度管理 湿度は充分取れていますか? (1)ブルーダー下の加湿部に消毒薬を希釈した水を補給します。 (2)チックガード外の床面に散水して舎内湿度を取ります。 (特に床面給温方式等) 散水した水がチックガード内に入らない様に! 3)給水管理:水は飲み易くが基本です。 給水関係は大丈夫ですか? 吊り下げロープは延びていませんか? 飲み水は温まっていますか? (室温と同温にする為に、前日から給水器に入れて置きます。) (1)自動給水器の水位(雛の目の高さで見える水位) 、高さを点検します。 (2)ニップルドリンカーの高さ、水圧、ニップルの目詰まりを確認します。 * 入雛時の水量目安は、10 秒で手のひら一杯に水が溜まる程度です。 (3)ウォーターカップ付きのニップルドリンカーは、カップに水を溜めて置くと 雛の飲水の学習が早く出来ます。 (4)ベル型給水器の場合は、入雛から 3 週間くらいまで、毎日洗浄し清潔な水を 飲ませます。 雛の高さより低く調整すると敷料が入り易く細菌が繁殖します。 4)その他 餌付け用の練り餌をする用具の準備は出来ていますか? 雛搬入用具(台車、手かぎ等)、体測計、の点検、消毒は完了していますか? 温度計の個数及び、温度計表示は正確ですか? (バケツに水を溜めて温度計を入れ、表示が全部同じ温度を示していますか?) 鶏舎内用長靴と外履き用長靴は準備出来ていますか? 踏み込み槽と消毒薬は準備出来ていますか? サービスルームは整理・整頓されていますか? 日報記録用紙は準備出来ていますか? 清潔な作業着、車両消毒槽の消毒液の準備は出来ていますか? 17 入雛準備は完了しましたか? 鶏舎内の{除糞・殺虫・水洗・消毒}等の作業は完璧ですか? 飼料タンクの{水洗・消毒}作業は完璧ですか? ワクチン等の 準備はできていますか? 飼養管理の記入用紙は 準備できていますか? 除草は 終了して いますか? 給餌器・給水器やその他の器具 設備の点検結果はOKですか? 敷料の厚さは充分ですか? 飼料の準備は できていますか? 内履き長靴は? 石灰散布は できていますか? 踏み込み槽の消毒液は 毎日取り替えましょう 側溝にものが 詰まっていませんか? 外履き長靴は? 無断立ち入りを禁ず 18 タイヤ消毒槽の消毒 液は充分ですか? Ⅲ-4.雛到着日の管理 ブロイラーの能力を最大に引き出すためには餌付け管理が最初の重要管理ポイ ントとなります。初生雛に適した良好な鶏舎内環境を維持するとともに慎重な餌付 け管理が重要となります。 到着した雛のチェックと種々の管理 1)雛の受け入れ ① チェック項目:羽数(購入、スペア)、孵化日(発生当日搬入、翌日搬入) 種鶏週令、接種ワクチン 雛体重測定(任意に種鶏ロット毎に最低 3 箱) 到着状況(枯れ、ムレ、冷え、へそ締り、着死羽数) ② チェック内容を管理表に記録し、異常があれば指導員に連絡します。 雛の状態に合わせて温度、湿度、餌付け時刻等を調整し記録して置きます! 2)温度管理 チックガード内 32℃ ① 雛はチックガード内全体に解放し、雛の散らばり具合を観察して温度調節を します。 * 母鶏週令の異なる雛群は、ガードをできる限り分けて下さい。 ② 発生当日搬入の雛は、チックガードの縁に解放すると、その場所に固まり易 いのでチックガードの中央部に解放します。(ブルーダー給温) 腰下からの隙間風があると雛は風を嫌いチックガード全体に広がらない! ③ 雛の導入後、約 1 時間で鶏舎内温度は雛の自温で約1℃上昇します。 この日の夜間舎内温度が、その鶏の生涯最高温度となります(酷暑期除く) 。 【餌付け日:0 日令の温度目安】 チックガード内の温度は 32℃ 敷料は良く乾燥させて内部は 20℃以上 ブルーダー直下 40℃ 床面温度は給温パイプ上で 32~33℃、給温パイプ間で 30~31℃ ・ベル型給水器の場合、温度が高すぎると、雛が給水器に飛び込んでし まいます! ・舎内温度が高すぎると、数日後に尻汚れの雛が出てきます! (飲水量が多くなり軟便又は、下痢になります) 19 入雛時の敷料温度は、その後の成績に大きく影響します。 3)湿度管理 相対湿度 70%前後 ○ 時々、加湿の為に加湿部やチックガード外へ散水します。 ○ 雛に当たらない様に細霧システム等を稼動させます。 4)給水管理 ① 前日から鶏舎内に準備されたきれいな水を飲ませます。 ② 飲み易くする為に補助ドリンカーや給水盤(チックプレート)を使用します。 補助ドリンカーは、2 日間ぐらい使用して下さい。 ③ 飲水状態を観察して、飲みづらい給水器の調整をします。 ④ ニップルドリンカーの場合は、高さと水圧を再調整して、雛全体が飲める様 にすることが大切です。 ⑤ 飲水量は、温度が 20~32℃の時、1℃上がる毎に 6%増加します。 32~38℃の間では、1℃上がる毎に 5%増加します。 餌は、20℃以上の時、1℃上がる毎に 1.23%採食量が減少します。 ニップルドリンカーの先端に、ある程度水滴が見えると雛を引きつけます。 ニップルドリンカーの最前部と最後部が同様に水が出ていますか? ニップルドリンカー 給水盤(チックプレート) 水滴 ※ 最初は、ニップルを上に上げて ※ 水位を高くすると雛が濡れる事があ 飲むのでは無く横に押して飲む り、死亡に至る事があります。 ように高さを調整します! ベル型給水器 補助ドリンカー 20 ※ 敷料を平らにし水平に設置して下さい。ベニヤ板を敷くと良いでしょう。 ※ ベル型、補助ドリンカーは、雛の胸に縁を合わせて下さい。 ※ ベル型給水器の場合、位置が高すぎると、雛が給水器に飛び込んでしまいま す。 5)給餌管理 餌付け ○ 練り餌にして少量で回数を多く給与して下さい。 餌付け飼料は撒き餌により少量で回数を多く給与して下さい。餌付きが良く なります。 ○ 撒き餌の方法:敷紙全体に撒いて下さい。 (1) 【餌付時期】 ① 発生当日搬入の場合:その日に 2~3g/羽程度を最低 2 回給餌します。 個々の雛の発生時間には差があり、食べたい雛がいたら、更に給餌します! その翌日からは発生翌日搬入の場合と同様に給餌します。 ② 発生翌日搬入の場合:雛到着前に 2~3g/羽程度を配餌しておきます。 雛が枯れて水に飢えている様子であれば、早めに餌付けます。 枯れた雛は給水器に集まり、水濡れにより益々固まる場合があります! 水の飲み過ぎで餌付きが悪くなります。 (2)餌付け後の給餌 ① 1 日量として約 12g/羽を 4~5 回に分けて給与します。 ② 餌は食べ切ったら与えます。 ③ 雛の入り易い、音の出る餌付け皿や敷紙の上に広範囲に撒きます。 * チックガード内全体に紙を敷き、そこへ撒き餌をすると何処にいても食べ ることができ、食い込みが良くなります。 パラパラと音を立てて給餌すると、刺激され食い込みが良くなります! 雛の、嗉 嚢 を触ってみて、餌と水の摂取を確認して下さい! 良好な餌付け(嗉 嚢 )状況: 入雛の翌日に 100 羽の雛の嗉 嚢 を触り、95 羽以上の雛の嗉 嚢 が 餌と水で満たされている。 (3)練り餌の作り方の目安(マッシュの場合) 練り餌はベタベタにせずに、握って崩れやすい程度にします。 21 1 回量づつバケツ等に取り、餌:水=2:1 の比率で作り、サービスルームに1 時間程度放置して水分を充分吸収させます。 6)換気管理 ○ 人の出入りの際になされる換気で充分間に合います。 7)照明の注意点 ○ 餌付け時の照度は、雛の高さで 25 ルックス以上、ガード内の明るさは均一に し、影を作らない様にします。 雛は、チックガード内に暗い場所があると、明るい部分に片寄ります。 暗い部分の雛は動きが緩慢になります。 水覚えや餌付きにバラツキを発生し、初期のバラツキを作り易くします! 影を作らないようにしましょう! * ガード内は雛の高さで 25 ルックス以上を確保 悪い例) 電灯 暗い 明るい チックガード 良い例)*電灯の追加と配置の変更 電灯 電灯 明るい 明るい チックガード 22 Ⅲ-5.入雛翌日~7日令までの管理 餌付けを終えた雛を徐々に鶏舎環境に慣らしていく時期となります。生理的にも 環境的にも雛にとっては大きな変化がおきる時期でもあります。慎重な管理が要 求されます。 ポイントは温度と湿度管理です! 1)温度管理:最重要ポイントです。 (1)温度管理基準(基準温度±1℃幅)※7日令で 29℃になる様に漸減します。 ① 雛が均等に広がる温度帯を目指して下さい。 ② 最低温度が、温度管理基準を下回らないようにして下さい。 1日令 32℃ 2日令 31℃ 3日令 31℃ 4 日令 30℃ 5 日令 30℃ 6日令 29℃ 7日令 29℃ ℃ 35 30 入雛日 入雛前日 25 1 7 日令 雛の導入後、鶏舎内の設定温度を下げないと 2~3 日令頃に、餌付けより高い 環境温度になることがあります。 この様な初期の高温は採食量の減少から、増体性の悪化や、体重のバラツキ の原因となります! (2) 温度の調節 入雛日の温度から徐々に下げていきますが、日中と夜間の外気温度差に注意 して調整を行って下さい。 ① ブルーダー給温の場合:高さとサーモスタットの調整をします。 ② 床面給温の場合:湯温調節や循環ポンプの調整をします。 23 (3)チックガード及び保温用ビニールを拡張します。 例 風向き ビニール(天井がない場合はハリ利用) 保温ビニール 保温ビニール (南側) (北側) チックガード チックガードの拡張 舎内設定温度を下げる場合、雛の状態(散らばり方)を観察して実施して下さい。 隙間風があると、温度計の表示温度は良好でも、雛は冷気を嫌い片寄ります! 2)湿度管理 1 日令から 3 日間は湿度 70%前後を維持して下さい。 以降は、50%以上を目安に敷料が湿らないように調整します。 温度管理の為に換気をとることがありますが、過度の換気で湿度を逃さない様にし ます! 3)給餌・給水管理 (1)給餌管理 ① 餌量の目安 入雛日 1 日令 2 日令 3~6 日令 10~12g (4~5 回に分けて給餌) 15~17g (3~4 回に分けて給餌) 20~22g 餌切れが無い様にします ② 給餌は、3 日目(2 日令)までは、1 日量を一定回数に分けて給餌します。 ③ 3 日令以降は、餌切れが無い様に適宜給餌して、6 日令頃には自動給餌器と 併用します。 餌付きの目安:餌付け日の翌朝に、100 羽の雛を捕まえて、嗉 嚢 状 態 を確認し 95% 以上の雛が飲水・採食していること。 24 (2)給水管理 ① ニップルドリンカー: 雛の成長に合わせて高さ、水圧を調整します。 ニップルドリンカーの水量目安(末端のニップルで) 週 令 入雛時 1週令 6週令(最低量) 6週令(最高量) その他の週令 水量(ml/分) 10 秒で手のひらいっぱい 20ml/分 60ml/分 80~90ml/分 ○週令×7+35= ml/分 ② ベル型給水器: 雛の成長に合わせて給水器の高さ、水位の調整をします。 給水器の高さは皿の縁を雛の胸に合わせます。 チックガード拡張に伴い、自動給水器を増やし均等に再配置します。 給水器の水位は、水こぼれ防止の為に約 2/3 程度に調整します。 4)チックガード管理 (1)季節に応じてチックガードを広げます。 (P.11 目安表をご参照下さい) 適温を維持して早めの拡張が換気量を確保することになります。 (2)チックガード拡張に伴い、拡張部分にも乾燥した敷料を広げます。 (3)餌付け時から使用している餌箱や給水器の配置の急変を避けます。 注意:餌箱や給水器は雛から 3m 以内に有るようにレイアウトを心掛けて下さ い。 5)換気管理 (1)温度と湿度を重点に管理する時期ですが、長時間密閉状態にしてはいけませ ん。 室温が下がり過ぎ無い様に注意して適宜、新鮮な空気を取り入れます! 25 ブロイラーが要求する空気の質 これらの量を超過している場合は、換気量を増やさなければなりません。 ・ 酸 素 :19.6%以上 ・二酸化炭素:0.3%以下(3,000ppm 以下) ・一酸化炭素:10ppm 以下 ・アンモニア:10ppm 以下 ・ 粉 塵 :3.4mg/ ㎥ (2)換気開始の目安:3~4 日令頃から床面が湿り始めます。 ① 除湿も兼ねて換気をしますが、直接風が雛に当らない箇所を開けて 新鮮な空気を短時間づつ数回に分けて実施します。 ② 3~4日令以降は、オープン鶏舎の場合、保温用内ビニールの上部又は、 下部を開けて換気しますが開けっ放し、閉めっ放しにせず雛の状態に注意 して下さい。 暖気は天井付近に集まっています! 熱を逃さない工夫が必要です! 6)雛の観察 (1)下記の点に注意して雛の状態を観察して下さい。 尻汚れ、羽毛の揃い、脚弱、立ち眠り、呼吸(音・仕方)、歩き方、足のつや、 体重のバラツキ、採食・飲水状況、雛の散らばり方、羽の状態 この観察は出荷まで行って下さい。 雛の日々の観察から重要な情報が得られます! (2)餌付けから弱い雛が目に付いたら、思い切って淘汰しましょう。 7)体重測定 * ブロイラー成績の成否を決める一番重要な時期の管理です。 餌付けから7日令までは毎日測定して下さい。 * 雛が導入されてから 7 日間の管理の良否が日々の体重推移に現れます。 (1)7 日令体重で 1 週間の管理状態が判定出来ます。 無作為に 50 羽以上を測定します。 7 日令体重は餌付け時体重の 4 倍が目安となります。 標準体重になっていますか? ( ♂170g ♀158g ) 26 (2)体重測定は、以後も毎週雌雄別に実施します。 給餌、給水、温度、換気管理の目安にとても重要な指標です。 8)照明の注意点 (1)鶏舎内の照度を 25 ルックス以上で均一にし、影を作らないことがポイントで す。 9)鶏舎の巡回に関して 夜間、早朝時における鶏舎内巡回は重要です! ◎ 夜間、早朝(特に夜明け前)は、雛の観察に最適な時間帯です。 ・ 1日の中で最も雛が落ち着いている時でもあり、鳴き声、寝方、雛の散ら ばり具合、糞の状態、風の流れ方やアンモニアガス等のチェックをして下 さい。 ・ エサ、水こぼれがないか確認して下さい。 ◎ 鶏舎内の最高最低温度計は、鶏舎 1 棟につき 3 箇所程度設置するのが望まし いでしょう。 27 Ⅲ-6.8~21日令までの管理 換羽も始まりブロイラーは生理的にも舎内環境的にも大きな変化が起きる時期 にさしかかります。体重が増加し温度変化に対する感受性も高い一方で、必要な換 気量も急激に増加します。特に換気と温度のバランスが重要となります。 温度重点の期間ですが、換気不足にならないように! 1)温度管理:体温調節機能が徐々に確立されてきますが、まだ不安定な時期です。 8 日令から体温はゆっくりと 41.5℃(±0.5)に向かいます。特に温度 差と隙間風は嫌います。 (1)鶏の散らばり具合を観察しながら、21 日令には 24℃にします。 (基準温度±1℃の温度帯にて管理して下さい。) ① 雛が均等に広がる温度帯を目指して下さい。 ② 舎内最低温度が、温度管理基準を下回らないようにして下さい。 8 日令 9 日令 10 日令 11 日令 12 日令 28℃ 28℃ 28℃ 27℃ 27℃ 15 日令 16 日令 17 日令 18 日令 19 日令 26℃ 26℃ 25℃ 25℃ 25℃ 13 日令 27℃ 20 日令 24℃ 14 日令 26℃ 21 日令 24℃ ℃ 30 25 20 7 8 14 2 1 日令 (2)温度計の高さは、雛の頭の位置とします。 温度計の設置場所は、温源と温源の中間を目安に 3 カ所設置して下さい。 2)湿度・床面管理 (1)この時期からは、床面の管理に焦点を合わせ、湿らせないように、且つ乾燥 しすぎないようにして下さい。 28 ★ 床面が湿り始めたら ○ 換気不足または、入気の偏りによる温度ムラになっていませんか? ○ 隙間風が鶏舎内に吹き込み雛の散らばりに偏りがありませんか? ○ ガードの拡げ方が遅くありませんか? ○ 雛が下痢をしていませんか?…判断が難しい場合、指導員に相談して下さ い。 ○ ニップルドリンカーの周囲であれば: 給水器の高さと水圧を点検します。 ベル型給水器の周囲であれば:高さ・水深を調整します。 ※ ニップルからのこぼれ水や、給水器へのホース外れなどの事故に注意し て下さい。 壁の付近であれば(特に寒冷期) :隙間風を防止して下さい。 湿った部分は、早め早めに乾いた敷料と攪拌しましょう! 湿り部分が拡大してしまってからでは、遅すぎます! ★ 乾きすぎてホコリが多い場合 ブルーダーの給温中は、その下に散水して下さい。 床面給温の場合には、湯温を下げます。乾きすぎた部分への散水、短時間の 細霧でホコリを落とすことも効果的です。 3)給餌・給水管理 (1)給餌管理 ① チックガード拡張に伴い、給餌スペースが不足します。 ガード拡張部分にも給餌器の皿等を使用し補って下さい。 空餌箱の近くの雛が餌のある所へ勝手に行って食べることはありません。 均一な給餌環境を作り、採食のバラツキを作らないことです! 若令期から個体間の斉一性を高めることは大切な飼養管理です。 ② ガード全開までには、徐々に手給餌から自動給餌器へ移行します。 餌箱には朝夕2回、適量配餌します。脚でかく餌コボシを防ぎます! この時期に自動給餌器のグリルカバーを設置します。 ☆ 餌箱は一気に取らないで下さい。環境変化で採食量が低下します。 ☆ 餌付けから使用している給水器や給餌器の配置の急変を避けます。 29 ③ 自動給餌器の高さや、ホッパー内の餌量を調整します。 定期的に給餌器(皿)を蹴って餌量を調整し巡回するのも大事です。 自動給餌器の給餌皿に、餌が均一に、雛が食べ易く入っていることを鶏舎 巡回時に、毎回確認して下さい。 採食のバラツキの発生は鶏のバラツキにつながります。 ④ 給餌スイッチ皿の周囲から雛が逃げていないか確認して下さい。 (2)給水管理 ① ニップルドリンカーの高さ、水圧を雛の飲みやすい様に調整します。 ガード拡張は、ニップルドリンカーのニップル数を考慮して行って下さい。 ② ベル型給水器の皿の縁を雌雛の胸に合わせ、水深を約1㎝にします。 ベル型給水器は、チックガード拡張に伴い、数を増やし、均等に配置します。 ③ 給水設備(給水器、給水管、サブタンク等)の洗浄を実施します。 ワクチン投与やビタミン剤投与にて給水設備内にヌル等が発生し易くなって います。ベル型給水器は毎日、配管内やサブタンク内は一週間に一回は、掃 除して下さい。 給水設備の点検と洗浄を適宜行いましょう! 特にニップルドリンカーでは、水の出方に差が生じたり、ニップルの目詰まりが 発生したりします。 水を飲めないと採食量が低下し、増体性が悪化し、鶏群にバラツキを発生します。 * ニップルの高さを目線よりやや 上方に調整する * 給水器の皿の底を雌雛 の胸の高さに調整する 4)換気管理 (1)温度重点の時期です。給温及び換気によって温度を調整して下さい。 給温を加減しながら換気を調節します。 30 この時期後半の慢性的な換気不足は、ポックリを誘発し、後の腹水 症や呼吸器症の発生にもつながります! (2)チックガードの拡張および開放等があり、雛を取り巻く環境が大きく変化しま す。 (3)雛に直接風(冷気)が当たらないように、且つ急激な温度低下を避けるよう注 意して下さい。 (4)厳寒期には、保温用ビニールは、まだ壁際に必要です。 保温用ビニール上部は換気のために開けて、こまめなビニールの開閉による 換気が良いでしょう。 (5)舎外から取り込んだ新鮮空気を鶏舎上部の暖かい空気と攪拌し雛の居る部分 に供給します。換気扇やストレートファンなどを使用した舎内空気の攪拌が 有効です。 (6)過度の換気不良は床面が湿り始めます。 (7)換気不足になると、餌の採食量が低下し始め、増体が鈍化して来ます。 換気は保温状況を見ながら対応して下さい! 5)チックガード管理 (1)チックガードの大きさは、P11 の表を目安にして下さい。 鶏舎の保温状態によって、チックガードの大きさの修正が必要です。 (2)チックガードは、オープン鶏舎では北側に、ウインドレス鶏舎では、入気側に 広げて下さい。 風向き ビニール(天井がない場合はハリ利用) 保温ビニール 保温ビニール 保温ビニール (南側) (北側) チックガード チックガード チックガードが倒れないように支柱を使用しましょう! (3)チックガードの拡張部には、敷料を広げたり、新しい敷料を入れたりします。 31 6)飼育環境の変化 この時期には、上記の他に次の様な環境変化(ストレス)を雛に与えることを認 識して、管理を実施して下さい。 温度 湿度変化 換気調整 風の流れ 給餌や給水管理 床面の管理 ワクチンプログラムなど 人間が与えるもの 環境変化 体温の変化 採食量・飲水の増加 増体量と酸素消費量増加 移行抗体の消失など 雛の生理的変化 (1) 換羽の開始 14 日令過ぎからは羽毛から羽に変り始めます。 ○ これからの二週間の雛は、 鶏舎内の温度変化や風の流れに敏感な時期です。 温度格差や雛に直接、風を当てない様にします。 ○ 『給温をしながら、こまめに換気をする』バランスが大切です。 ○ また、クロストリジウムやコクシジウム症が動き易い時期ですので、 鶏舎内外の長靴の履き替えや踏込み槽消毒液の定期交換は重要です。 (2)採食量・飲水量の増加=増体量・坪密度の増加→床面環境の変化(湿り) ○ 雛は8日令から雌雄共に大きく増体して来ます。 よって、採食量・飲水量の日々増加に対応して、増体と飼育密度が高まりま す。 通常環境温度の場合、採食した餌量の約 1.8 倍の飲水をしますから、床面 が湿り易くなって来ます。 32 コッブブロイラーの増体 500 1000 週 400 間 増 300 体 量 200 g 800 600 400 100 0 200 初生 週間増体量 体重 体 重 g 41 7日令 14日令 21日令 123 266 413 164 430 843 0 ○ 雛の成長に応じたガード拡張や除湿の為の換気をこまめに実施して下さい。 (3)餌の切り替え・・・蛋白、カロリー、粒度、形状等 ○ 雛の日令に応じた飼料体系は栄養生理面 (臓器や骨格の形成、 換羽の早さ、 個体間のバラツキ、初期増体の確保、栄養障害、餌の粒度に対する嗜好性 の変化 等)からも重要です。 ○ 各ステージに合致した量と質を確保した給与体系が大切です。 (4)親からの移行抗体の消失 ○ ニューカッスル病やガンボロ病等の親からの移行抗体が消失し、外界から の鶏病侵入に対する防御機能が低下する時期です。 ○ 特に農場・鶏舎間の防疫衛生を強化する時期です。 (Ⅴ-4.「ワクチネーションに対する要点」をご参照下さい) (5)ワクチネーション時の断水やリアクション ○ 移行抗体の消失に伴い、雛自体の健康を守る為に、ワクチネーションが 再接種、又は開始されます。適正な時期にワクチン投与する為には 『雛が健康であること』が重要です。 ○ 飲水投与の為の断水やワクチン後のリアクション対応(換気や温度や床面 管理等)を適正に実施して下さい。 ○ ワクチン投与に関する詳細は、Ⅴ-4.「ワクチネーションに対する要点」 をご参照下さい。 給餌器・給水器の食べ易さ、飲み易さと鶏舎内の環境(温度・換気・床面) の均一化が飼養管理に重要になって来ます。 33 Ⅲ-7.22~35日令までの管理 換羽の時期に入り雛は環境温度の変化に敏感になります。個体重も増え必要換気 量も増加してきます。舎内環境を良好に維持しながらストレスを与えない換気管理 が重要となります。 換羽時期です。温度ストレスを与えないように! 1)温度管理:体温調節機能はほぼ出来上がりましたが、換羽が開始されます。 羽毛から大人の羽に変わり始め、 個体重は大きく伸びてきますので、 温度と換気のバランスが重要になります。 特に、この時期の雛は風を嫌います。 (1)温度管理指標 基準温度±1℃の温度帯にて管理して下さい。 コッブブロイラーはこの時期に急激に大きくなります。この時期は、基準温 度を確保するために、加温しながらの換気が最大の管理ポイントです。 22 日令 23 日令 24 日令 25 日令 26 日令 27 日令 28 日令 24℃ 23℃ 23℃ 23℃ 22℃ 22℃ 22℃ 29 日令 30 日令 31 日令 32 日令 33 日令 34 日令 35 日令 21℃ 21℃ 21℃ 20℃ 20℃ 19℃ 19℃ ℃ 25 20 15 21 22 28 3 5 日令 (2)換羽時期なので、急激な温度変化を避けて下さい。 この時期の雛は、舎内温度、舎外から入ってくる空気の流れに対し、雄と雌 が異なった行動を示します。 羽が生え揃っていないため、寒冷期には直接風を当てない様にして下さい。 ( 温度と換気と空気の流し方、及び夜間の加温が重要です。 ) 34 雄の状態を見て、判断しましょう! 2)湿度および床面管理 換気量が、徐々に多くなる時期です。舎外の気象条件に大きく影響されますの で、床面管理においても、充分留意して下さい。 ★ 床面全体の湿りの場合 ○ 梅雨時期のように、舎外が高湿度で、舎内外の温度差が小さい場合には、 湿りがちになります。湿りがひどい場合、給温を増やして換気を多くしま す。 ○ 寒冷時、保温のために換気を抑えて密閉した時も、壁、天井に結露します。 給温を増やし、換気をして乾燥に努めます。 ○ 雛が感染症等により下痢をしている場合も全体的に湿ります。 ★ 部分的な湿りの場合 ○ 特に、寒冷期において、入気口付近の床面が湿ることがあります。 これは、冷たい空気が舎内で拡散されず、直接床に落ちるためです。 入気口の開口幅を小さくし、舎内上部で拡散させるようにします。 ○ 隙間風の侵入付近も湿りますので、隙間風の侵入を防ぎます。 ○ 給水器付近の湿りは、水こぼしが原因です。 ベル型給水器の場合は、水位(約1㎝)と、高さ(皿の底を雌雛の肩に合わせ ます)を調整して下さい。 ニップルドリンカーの場合は、高さと水圧を調整して下さい。 * 敷料が固まってしまった所や、湿りのひどい所は、舎外に搬出して、新た な敷料を入れて下さい。 アンモニアガスが発生して、雛の気管を痛めます! 床面の湿りは脚弱の原因にもなります! ★ 乾燥しがちな場合 ○ 雛が活発に動き回るため、ホコリが多くなりますので、散水や、細霧によ り加湿して下さい。 乾燥はホコリによる害だけでなく、気管を痛め、呼吸器病の原因となります! ○ 舎内細霧をする場合、一時的に鶏舎内温度が低下しますので、室温を1~ 2℃上げてから実施して下さい。 35 3)給餌・給水管理 (1)給餌・給水共に、自動化されていますが、雛の急成長時期ですので、毎日 高さの調整をして下さい。 (2)給餌器は、皿の縁を雌の嗉 嚢 の高さに合わせて下さい。 (3)ニップルドリンカーの場合は、飲水量の増加に合わせ、水圧を上げていくとと もに、高さを調整します。 ニップル下の床面は平らに保ちます。 (4)特にベル型給水器は、水コボシや鶏糞などによる汚染防止のために、高さの 調整が必要です。 3週令以降は、給水器の皿の底を雌の肩の高さにして下さい。 *給餌器:皿の縁を雌雛のそ嚢の高さに *ニップルドリンカー:飲み安い高さ *ベル型給水器:皿の底を雌の肩の高さ 4)換気管理 (1)温度重点の時期です。 (2)一方、この時期コッブは、急激な増体を示すので、必要換気量も増加します。 この時期は、加温しながらの換気が最大の管理ポイントです。 基本的に、ブロイラーに廃温という考えはありません。 舎内温度と新鮮な空気の供給バランスが鶏の能力を最大限に引き出します。 36 鶏舎内の温度を確保しながら(寒冷時は加温しながら) 換気量を確保できるようにしましょう! 床面の状態、舎内のアンモニアガス、ホコリ、雛の状態、採食行動などを観察して 判断します。 舎内温度確保のために加温せずに、換気を押さえたら・・・? 新鮮な空気が供給されない 鶏舎内で発生した水分が排出できない 採食量の低下 鶏舎内結露を誘起する 鶏群のバラツキ発生(体重・換羽) 床面が湿り易くなる (体力低下) (アンモニアガスの発生) 更に寒がる 床の湿った箇所には雛が居なくなる (病気の発生) 更に換気が出来なくなる 飼育密度の片寄り発生 (鶏舎の場所により過密状態) 食下量の低下 床面が更に湿り易くなる (腹部を冷やす) 発育不良雛の発生=出荷率の低下 雛の適正な発育・増体には、新鮮な空気が必要です! 夜間・早朝の冷え込む時間帯の、鶏舎内温度と換気は大丈夫ですか? 湯温や、ブルーダーのサーモセンサーを調整して下さい! 鶏舎環境は、大きく改善されます! (3)舎内環境の均一化 (4)オープン鶏舎の注意点 ○ 雛に直接風が当たらないように、入気口やカーテンにより空気の流れを調 整することが重要です。 ..... .... ○ この時期の雛にとって最も良くないのはカーテンの開けっ放し、閉めっ放 . しです。こまめに換気して下さい。 37 (5)ウインドレス鶏舎の注意点 ○ 換気扇の台数と稼動箇所は、風の流れと雛の散らばり方を観察して決めま す。 ① インバーターやスライダックス制御の場合: 低速回転の時は、鶏舎外の風力や風向に影響されますので、出力や台数 に注意して下さい。 ( 農場で使用している換気扇の能力と Hz 関係表を確認して下さい ) ② サーモによる ON・OFF 制御の場合: 換気扇が 100%の出力で稼動するために、舎外温度と飼育密度および体 重を換気扇稼動台数の目安とします。 (6)この時期(21~35 日令)のコッブブロイラー増体比較: 以下の図の様に雄は約 2.44 倍に、雌は 2.35 倍に成長します。 また、この区間の増体同様に採食量、飲水量も増加し、鶏舎内に産生される 水分が如何に多いかが理解出来ます。 その結果、基準換気量(新鮮な空気の供給・除湿・鶏舎外への熱の放出・二 酸化炭素やアンモニアガス・塵埃の放出等)は増加させなければなりません。 加温しながら『新鮮な空気を供給する』ことが大切です! 『 コッブブロイラーの 21~35 日令までの増体推移 』 雄は 2.44 倍、雌は 2.35 倍に成長! コッブブロイラー:21~35日令の増体標準 体重g 2400 2200 2000 1800 1600 1400 1200 1000 800 ♂体重 ♀体重 21 885 801 28 1478 1316 38 35 2155 1879 『21 日令時の換気量=1 とすると・・・』 21、28、35日令時の必要換気量推移 2.50 21日令の必要換気量=1 2.00 2 倍の換気量 が必要です! 1.50 1.00 0.50 0.00 ♂ ♀ 21 28 35 1.00 1.67 2.44 1.00 1.64 2.35 『10,000 羽飼育、舎内温度 20℃時における 21~35 日令時の飲水量の推移は?』 10,000羽飼育コッブブロイラーの飲水量推移 4.00 10,000羽当りの飲水量トン/日 3.50 35 日令で 3 ㌧/日 3.00 2.50 2.00 1.50 1.00 ♂ ♀ 21 2.00 1.85 28 2.95 2.70 35 3.55 3.17 5)観察 この時期は、特に呼吸器病の発生に注意しなければなりません。 呼吸器症状の兆候は、夜間、鶏舎の中央で呼吸音を聞くと発見できます! 万が一発見した場合は、早急に適切な対応をしましょう! <早期発見、早期対応> 39 Ⅲ-8.36日令以降の管理 羽がほぼ生え揃い、且つ、体温調節機能も成熟しており、雛は全体に広がるよう になります。鶏群の環境に対する適応力も増してきますが、一方、舎内は過密にな り、鶏群を取り巻く環境が悪化します。換気管理が重要なポイントです。 換気中心の管理に切り替え、コッブ本来の増体性能を引き出しましょう! 1)温度管理 (1)36 日令以降の舎内温度 基準温度 18℃±1℃の温度帯にて管理して下さい。 25 ℃ 20 15 35 36 42 49 (2)冬期間は、換気量確保のため、この舎内温度を維持できないことがあります。 換気量をとりながら、徐々に温度をおとし、40 日令以降、最低 15℃を下回ら ないことを目安にします。 要求率の低下、鶏の動きが落ちての成績低下に繋がります。 (3)舎内温度の日格差を小さくします。 2)給餌・給水管理 (1)給餌器、給水器の、高さ調整をこまめに行って下さい。 (2)給水器は常にきれいな状態にして下さい。 3)換気管理 (1)この時期、換気は必要充分量を確保するとともに、流入した新鮮な空気を舎内 に均一にいきわたらせることが重要になります。 40 換気ムラを無くし、部分的な換気不足にならないように! (2)季節を問わず鶏が風を嫌って、長時間伏せってしまうことのないようにして下 さい。タイマーや温度センサーを使った間歇換気で、出来るだけ鶏を立たせる よう工夫して下さい。 (3)夏期には、直接鶏体に風を当てて、体感温度を下げることが、有効な防暑対策 となります。 (Ⅶ防暑対策をご参照下さい。 ) (4)冬期には、鶏体に直接風を当てず、汚れた空気と水分を排出するための換気量 を確保して下さい。 (Ⅷ防寒対策をご参照下さい。 ) 4)床面管理 (1)床面の空きスペースが徐々に減り、排糞量が増えるため、これからは湿りの防 止に努めて下さい。 (2)湿りがひどい敷料は取り除き、新しい敷料を入れるのも有効です。 水コボレ防止や部分的な湿りの除去を早めに対応しましょう! 41 Ⅲ-9.出荷準備と捕鳥 1)休薬飼料の給与 ○ 出荷前の 7 日間以上は、必ず休薬飼料を与えて下さい。 法律で義務づけられています! 薬剤残留のない鶏肉づくりを! 2)餌切り ○ 処理予定時間の 10~12 時間前から餌切りを行って下さい。 屠体の細菌汚染防止のために、腸内容物を少なくしておきます! 3)中抜き出荷時の管理 ○中抜き出荷の場合は、特に次の点に注意します。 (1)中抜き部分と残し部分をカーテンで仕切り、残す雛を騒がせないようにしま す。 (2)捕鳥カゴは、汚れを落とし、充分水洗消毒したものを舎内に搬入します。 (3)中抜き後は、換気量を調整して、冬期の場合ブルーダー等で加温も視野に 入れて対応し舎内温度が低下しないようにします。 *ウインドレス鶏舎の場合 舎内の温度分布に片寄りがあると、雛は全体に散らばりません。 換気扇の台数と稼働位置を調整して、舎内温度を均一にして下さい。 4)捕鳥作業の要点 (1)カゴ詰め羽数 捕鳥カゴに入れる羽数は、季節、出荷時間、体重、輸送距離によって調整し ます。 (2)捕鳥の際の注意点 鶏をできるだけ騒がせないように、丁寧に捕鳥して下さい。 圧死の発生、手羽折れ、打ち身等の鶏は、思わぬ損失につながります! 42 Ⅳ.記録のとりかた Ⅳ-1.記録を取る意味(目的) (1)現時点までの成長度合い、飼料の食い込み状況、飼育環境の良否を記録結果か ら判断し、その後の飼育管理の指針に役立てます。 (2)出荷終了後、次回以降の飼育管理(飼料摂取量と増体量の関係、衛生状態、換 気管理等)をより良くするための反省材料に役立てます。 (3)以上の反省を基に良い点を残し、悪い点を修正し、農場独自の飼育マニュアル を作成または改訂し、同じ誤りを繰り返さないようにします。 Ⅳ-2.記録の内容 (1) 体重測定 ① 到着した雛の体重測定 ・ 種鶏ロット毎に、任意に抽出して、最低3箱を測定します。 同時に雛羽数の確認もします。 ・ 雌雄鑑別されている場合は、雌雄を区別して測定します。 ② 体重測定は個体別に行い、1 週令までは毎日、その後は毎週末に行います。 ・ チックガードの使用中は、チックガード毎に、ほぼ同じ羽数を無作為に 抽出して測定します。 ・ チックガードを取り除いた後は、出入り口・奥・中間又は入気側・排気 側・中間など場所毎にほぼ同じ羽数を測定します。 ☆ 無作為抽出 体重の重そうな雛のみとか、 または軽そうな雛のみなどを選ばないで、 雛を拾い上げる人があたかも目隠しでもしているかのようにして雛を 取り出すことです。 ③ 測定値の取りまとめ ・ 個体測定されたデータは、全ての個体測定値から平均値と標準偏差を算 出し、その後、変動係数を計算します。 * 平均値、標準偏差、変動係数の計算方法は、補足の項(P102)をご参 照して下さい。 43 * バラツキ(標準偏差、または変動係数)が大きいと考えられる場合は、 その原因を追究します。 * それぞれの平均値間に大きな差がなければ、平均値の平均値を求めま す。 * それぞれの平均値間に大きな差があれば、差が大きくなる原因を追究 します。 ④ 測定結果を目標体重曲線のグラフに記入します。 ・ 図示した実例の平均体重から順調に成長しているかどうかが一目で判り ます。 * 順調な成長(目標曲線をクリアしている。上下動のない成長)をして いない場合はその原因を追究します。 (2)摂取量(飼料給与量)の測定 ① 餌付以降の幼雛期は毎日の飼料給与量を記録します。 ② 自動給餌器を使用後、毎週、飼料の入荷量と残量から総飼料給与量を計算 し、1羽当たりの飼料摂取量を推定します。 (自動給餌ライン中にある飼料重量は、事前に測定しておきます。 ) ③ 1羽当たりの飼料摂取量を、目標飼料給与量グラフに記入します。 * 予定通りの飼料摂取量でない場合はその原因を追究します。 (3)弊死・淘汰羽数の記録と呼吸器症状などの記録 ① 弊死・淘汰羽数は毎日記録します。 弊死の原因が把握できる場合はその死因や、淘汰の理由を記録します。 ② 呼吸器症状などの異常に気を付けて、異常があれば記録します。 * 弊死や淘汰の羽数が異常に多い場合や、呼吸器症状などの異常が判った ら、指導員に相談します。 (4)舎内外の温度記録と天候の記録 ① 舎内外の最高・最低温度を飼育日誌に毎日記録します。 * 舎内の温度計を読みとる際に合わせてブロイラーの行動を観察します。 ② 天候の記録は、晴れ・雨等の他に、風の強弱なども記録します。 (5)その他の記録 以上の他、下記の点も記録します。 ・ 給餌器、給水器の個数とその変更日 ・ 飼料の切り替え日 ・ チックガードの広げ具合とその作業日 ・ 換気扇の作動台数、入気口の向き、開き具合、設定温度 ・ カーテンの開閉状況 ・ 床面状態 ・ ワクチネーション 44 ・ 投薬 ・ 特記事項 45 Ⅴ.衛生管理について 1)予防衛生の目的は、鶏群の疾病を防ぎ健康に飼育することによって、鶏の持つ 遺伝的能力を最大限に引き出すことと、安全な鶏肉を作ることにあります。 2)予防衛生の原則は、鶏群への病原体の侵入防止と健康を損ねる要因を取り除く ことにあります。 Ⅴ-1.農場の防疫 農場外から鶏の健康を損なう要因の侵入を防止するために、 下記の処置をします。 1)農場内には関係者以外の人や車の立ち入りを原則として禁じます。 2)業務上やむをえずに外来者を入場させる場合は、農場内には更衣室を設け、外 来者は農場内備え付けの作業着、長靴、帽子を着用します。 3)外来の車は専用の駐車場に駐車させ、やむを得ず農場内に入れる場合には車両 消毒装置で、車を洗浄消毒します。 4)野鳥等の鶏舎内への侵入を防止します。 5)農場周囲には、野良犬や野良猫が侵入しないように、フェンスを設けます。 Ⅴ-2.日常の衛生 農場内に同一日令の鶏が飼育されていても、各鶏舎は独立した鶏群として衛生 管理の基本を守ることで、鶏舎間の健康を損なう要因の伝播を予防できます。 1)オールイン・オールアウト方式の飼育をします。 2)導入する雛は健康で適正な抗体の付与されたもので、衛生管理の行き届いた種 鶏由来の雛であること。 46 3)鶏舎出入りの衛生と消毒 各鶏舎の入口には、手指及び履物の消毒施設を設け、鶏舎外着、内着及び鶏舎 外長靴、内長靴の使い分けを義務づけます。 (1)衣服は常に清潔なものを着用 (2)各鶏舎の長靴の消毒 消毒薬;オルソ剤、クレゾール、逆性石鹸 長靴には鶏糞等様々な汚染物が付着しているので、水洗によりこれらの汚れ を充分に取ってから消毒槽に漬けます。 * 踏み込み槽の近くに水洗い装置を設置、消毒薬は毎日交換します。 (3)手指の消毒薬は、逆性石鹸を使用し、薬液は毎日取り替えます。 4)死亡鶏、淘汰鶏は、細菌増殖の温床になるので、毎日除去します。 Ⅴ-3.出荷後の清掃消毒(「Ⅲ-1.出荷後の管理」をご参照下さい) 鶏舎は一定の回転に従って反復使用されるものであり、時間の経過とともに種々 の病原体が蓄積されます。消毒の目的の一つは、前回飼育した鶏が残した病原微生 物を徹底的に排除することです。 ○ 消毒の基本は、鶏糞の除去後、第一に水洗いの徹底、第二が消毒薬の使用で す。 ~消毒薬使用に当たっての注意点~ ① 水洗により汚れを徹底的に取り除きます。 (ブラッシングを併用すると効果 的です。 ) 消毒薬の効果を発揮させるためには有機物を取り除く必要がありま す。 ② 目的に適した消毒薬を選別します。 ③ 消毒薬の使用濃度を守ります。 ④ 2 種類以上の消毒薬の混合使用は、効果を減じることがあるので避けます。 使用する場合には、別々に時間を開けて使用します。 (使用する消毒薬の説明 書をよく読みます。 ) ⑤ 使用温度を上げると効果が上昇する消毒薬は、湯を使用します。 (使用する 消毒薬の説明書を良く読みます。 ) ⑥ 消毒薬はその種類によって、人や鶏に対して毒性や刺激性の強いものがある ので、人や鶏が吸入しないよう、また体に付着しないようにします。 47 1)鶏舎内の清掃・消毒 (1)鶏糞は出荷後出来る限り速やかに農場外へ除去します。 ① 前回飼育の鶏糞はマレック・ウイルス、ニューカッスル・ウイルス、 ガンボロ・ウイルス、有害細菌などの温床となります。 (2)殺虫対策を実施します。 ① 黒虫(コクヌストモドキ、ゴミムシダマシ)はウイルス、細菌、コクシジ ウム等を媒介します。 ② 殺虫剤には、除虫菊製剤、有機リン剤、カーバメイト系製剤等があります ので、いずれかを選択します。 ③ 鶏舎の殺虫作業は殺虫剤の種類によって実施時期を選びます。 ・ 鶏舎を水洗いする前に、薬剤を散布します。 (水洗により虫が壁の中や、 天井に隠れてしまう前に実施します。 ) ・ 鶏舎の水洗消毒が終了し、入雛準備のため敷料を舎内に搬入してから殺 虫剤を散布します。 (舎内が入雛のために温められて、出てきた虫を殺虫 剤に接触させます。 ) (3)水洗後に消毒をします。 ・ 消毒薬:① 逆性石鹸:ウイルス、細菌 ② 両性石鹸:ウイルス、細菌 ③ ヨードホール剤:ウイルス、オーシスト、芽胞菌 * 12 ㍑/坪以上の消毒薬を噴霧します。 (噴射圧 25~30kg/cm2) ④ 生石灰塗布(10 倍) :床面の割目を塞ぎます。 ⑤ 煙霧消毒(仕上げ消毒) :鶏舎内全体の消毒をします。 2)鶏舎周囲の消毒 鶏舎内のみならず鶏舎周囲の有害因子もオールアウトします。 (1)連続して鶏舎を使用すると、鶏舎周囲にも有害細菌(サルモネラ、クロストリ ジウム、コクシジウム)が存在するので、健常雛を導入しても、飼育期間中に これらの菌に感染する可能性があります。 (2)鶏舎周囲に石灰を散布します。 粒状の生石灰 3~5 kg/坪:虫卵、オーシストなど 48 3)ネズミ対策 (1)腸炎菌やネズミチフス菌は、人の食中毒の原因になりますので、公衆衛生上重 要な問題です。 (2)鶏舎内に生息するネズミはこれらの菌に汚染されている可能性があり、鶏 に伝播する危険性があります。 (3)ネズミ駆除は衛生問題ばかりでなく、配電盤などにも巣を作り、電気事故や火 災の原因を作ることでも防除対策は重要です。 (4)ネズミ対策の具体策 ① 鶏舎内外のネズミの生息場所(壊れた機械、ごみ、建設廃材、ダンボール など)を整理整頓します。 ② 排水口には、ネズミが侵入できないよう重くて丈夫な金網を設置します。 ③ ネズミ防除管理専門業者へ委託します。 4)野鳥やハエ対策 (1)野鳥 雛用の餌を食べることによる被害や、土鳩のように鶏に近縁の鳥類は、共通 の伝染病(ニューカッスル病、鳥インフルエンザ、家禽ペスト等)を保菌し ている可能性があります。 ・ 鶏舎内や倉庫などに野鳥が入らないように、戸締りをし、侵入しやすい隙 間を塞ぎます。 ・ 鶏舎や倉庫など野鳥の営巣場所とその周辺は消毒し、巣の材料や野鳥の糞 などは処分します。 ・ 野鳥や水禽類の生息場所や飛来場所に近づかないようにします。 ・ 場内への野鳥飛来の防止(場内の餌こぼし、場内の整理整頓) 。 (2)ハエ 人に不潔感、不快感を与えるだけでなく、疾病伝播の危険性があるので、ハ エ防除は重要です。 ・ 湿った敷料、湿った飼料などを取り除き、乾燥した敷料と入れ替える湿 り防止対策を実施します。 ・ ハエの幼虫がいれば、有機リン系かカーバメイト系の粉剤または微粒剤 を散布します。 ・ ウジの発生場所となる鶏舎周囲と、鶏糞置き場周囲へ生石灰を散布しま す。 ・ 飛び回る成虫にはピレスロイド系の薬剤が効果的です。 ・ 殺虫剤は効果維持のため、系統の異なる薬剤をローテーションで使用し ます。 49 Ⅴ一4.ワクチネーションに対する要点 ブロイラーの健康を保つように飼育管理するには、地域の疾病の情報を常に把 握し、又あなたの管理する農場の状況を監視し、一度決めた防疫プログラムであっ ても、その状況次第によってプログラムの変更を容易に行える柔軟さを備え、対応 できるようにして下さい。 1)ニューカッスル病(ND)ワクチン (1)あなたの農場周辺に発症情報がなくとも、ワクチン接種は絶対に実施して 下さい。ヒナの移行抗体価によって接種日令を適宜調整するのが理想的です が、標準の接種時期は、2 週令、4 週令の飲水です。 (2)農場の近在で ND 発症情報がある場合には、状況に応じて ① 2 週令飲水、4 週令でのスプレー或いは ② 2 週令スプレー、4 週令のスプレーを実施して下さい。 (3)ND ワクチンのスプレーを実施後の鶏群の管理は、特に呼吸器症状が発生しや すいので、鶏舎内の環境(湿度、温度、換気)をこまめに調節することが大切 です。 (4)従来から用いられてきた B1 株ワクチン以外に、最近、数種のワクチンが市販 されています。B1 株ワクチンで抗体が上がりにくい等支障がある場合には、こ れらのワクチンを試すのも一法です。 2)鶏伝染性気管支炎(IB)ワクチン (1)IB ワクチンの接種方法 ① 初生時の点眼方法が最も的確な接種法です。 (眼球の裏にあるハーダー腺の刺激を的確に実施して下さい。 ) ② 初生時の散霧 (点眼法の簡便法ですが、 ハーダー腺の刺激を的確に実施できるか否かは、 ワクチンの量、機械装置、散霧時間、散霧粒子によって差があるので充分 検討して実施して下さい。 ) (2)野外には様々な型の IB ウイルスが流行しており、これに対応できるよう に現在、IB の各種生ワクチンが市販されています。農場に呼吸器病の発 生が見られる場合、まずその呼吸器病が IB ウイルスに起因しているかど うかを判断し、IB ウイルスが関与している場合にはその型を決めなけれ ばなりません。また、呼吸器病の発生がない場合でも、その地域に流行し ている IB ウイルスの型について情報を得ておく事が理想的です。 50 ワクチンの選定に当たっては、 ① 呼吸器症状が認められた鶏群の出荷時血清の抗体による型の判断 (市販されているワクチン株に対する抗体の検査を行います。 ) ② ウイルスの分離に基づく型の判断 (時間と経費がかかります。 ) ③ PCR 法によるウイルス遺伝子の検出と制限酵素切断による型の判断の ①、②または③の方法で、いくつかの市販ワクチンの中から農場の予防 に適した株を選別して下さい。 (3)野外ウイルスの型が不明な場合は、出来るだけ色々な型に有効なワクチン を選ぶか、数種類のワクチンを組み合わせて使用する等の工夫が必要です。 3)伝染性ファブリキウス嚢病(IBD、ガンボロ病) (1)IBD の防御は、種鶏由来の移行抗体(受動免疫)とワクチン接種にもとづく 抗体(能動免疫)で、野外株感染を防御できます。従って、飼育期間中の 若令期は移行抗体で、移行抗体の消失後はワクチン接種により産生された 抗体で感染を防御しなければなりません。 (2)IBD ワクチンの接種時期 ① 移行抗体価が高いと、ワクチンを接種しても、ワクチンの効果を発揮す ることができません。 ② 雛用のワクチンの場合、 中和抗体が概ね 40 倍以下でワクチンの取り込み により抗体が産生されます。 ③ しかし野外株の場合はこれよりも高い抗体を持っていても感染が起こる ことがあります。 ④ 適期にワクチンの接種をしても、ワクチンによる抗体が出現するまで感 染防御の空白期間(免疫の谷間)が生じます。 ⑤ この期間に野外株に汚染されないように環境衛生を強化して下さい。 51 ウイルスの感染時期と抗体価 受動免疫期 抗 体 価 空 白・ 危険期 能動 免疫期 強毒株 中等毒株 弱毒株 強毒株感染限界 日令 (3)市販ワクチンには毒性差があります。 ① 1990 年以降日本で見られる高度病原性株に対して、ブロイラーヘの 中等毒ワクチン株の方が防御効果は高いとする報告がありますが、この中 等毒ワクチン株は、鶏の日令や環境によって免疫抑制が起こるので、使用 に当たっては、日令や環境要因を考慮して使用する必要があります。 ② 尚、高度病原性株を含めてわが国で流行しているすべての野外株は、従来 のワクチン株で充分防御ができます。 ③ IBD が発生した場合、 PCR 法によりウイルス遺伝子を検出することで診断で きます。 また、一部の野外株はワクチン株が変異したものではないかと疑われてい ますが、制限酵素切断によりワクチンウイルスとの区別(ウイルスの起源) や病原性のある程度の推定ができます。 Ⅴ-5.血清抗体の定期検査の意義 1)出荷時の血清抗体モニター (1)地域毎・農場毎にモニター鶏舎を設定し、出荷時のウイルス疾病の血清抗 体価を常に検査することにより、該地域、該農場で、どのようなウイルス環 境のなかで飼育されているかを推定することができます。 (2)また、ブロイラーの疾病は、種鶏の疾病と関連が深いので、種鶏の疾病状況、 抗体の動きをモニターしておくことも重要です。 52 2)ND、IB、IBD のモニター (1)ニューカッスル病(ND) ○ ワクチン接種した鶏群の出荷時の正常な抗体価を知っておくことが大切 です。 ○ モニターしている鶏群に特徴的なニューカッスル症状がない場合でも、 野 外感染があって抗体が上がったような時には、病性の有無の精査、生産 阻害の状況を早急に検討し、農場(ワクチネーションの検討) 、飼料輸送 (危険農場への配慮) 、集鳥輸送、グループの工場(危険農場由来の鶏の 処置) 、関連設備等の消毒、地域を含めた防疫体制を一斉に強化すること が必要です。 (2)鶏伝染性気管支炎(IB) ○ ND と同様に出荷時の抗体を検査します。 ○ 抗体の検査結果は合併症への関わりや、適正ワクチン株の選択時、場合 によってはワクチン使用有無の決定の重要な情報となります。 (3)伝染性ファブリキウス嚢病(IBD、ガンボロ病) ○ IBD ワクチンを使用していない農場においては、出荷時の抗体の観察は 感染の指標、オールアウト後の鶏舎内外の洗浄消毒についての指標にな ります。 ○ IBD のワクチンを使用しなければならない農場においては、必ず種鶏、 或いは雛の移行抗体を参考にして、適正なワクチンを適正な接種日に使 用しなければワクチンの効果が期待できないばかりか、ワクチンによっ ては使用方法を誤るとかえって他病の誘発を招くおそれがあるので注意 を要します。 ※ 鶏病からなかなか解放されない鶏舎がありますが、 そのような農場では、 雛と餌と飼養管理、モニター検査した抗体のデータを参考にしながら、 衛生管理の不具合点を見抜くことが必要です。 53 Ⅵ.換気管理について Ⅵ-1.換気の目的 1)鶏は、飼料を食べ、卵や肉を生産する中で体外に熱を、呼気の中に二酸化炭素・ 水分等を排出します。さらに排泄した糞尿の分解産物であるアンモニアや、ホ コリ等により、鶏舎環境が悪化してしまいます。 2)このような中で生産性を上げるために、鶏にとってのマイナス部分を取り除 き、快適な環境を作り上げる事が換気の目的です。 生産熱やホコリ 二酸化炭素 アンモニア 水分 新鮮な空気 3)ブロイラーが要求する空気性状を保つことが必要です。 鶏舎内の空気性状 ・ 酸素 19.6%以上 鶏舎の立地条件(高度)により空気中の酸素濃度が変わります。 (別表 1 をご参照下さい) ・ 二酸化炭素 0.3%以下 (3000ppm 以下) 通常 0.03% ・ 一酸化炭素 10ppm 以下 ・ アンモニア 10ppm 以下 ・ 粉塵 3.4mg/㎥ ・ 湿度 50%前後(餌付けから 3 日間は、70%前後) 54 例)空気性状の変化 ○ 最低換気注1 時の換気扇が止まった際の影響 最低換気時に換気扇を停止させた場合の空気性状への影響を示したものです。 0 5 分後 10 分後 15 分後 ・アンモニア 15ppm 35ppm 50ppm 80ppm ・二酸化炭素 300ppm 1500ppm 2600ppm 3500ppm ・湿度 68% 78% 86% 97% ※ 換気扇の停止時間が長くなるにつれて、空気の性状は悪化していきます。 それに伴い、鶏の呼吸・免疫システムが損なわれます。 注 1:最低換気とは、空気性状を保つための換気方法です。 「Ⅵ-5.換気システム紹介」をご参照下さい。 以上のことを整理すると、換気の目的は下記のようになります。 ① 生命の維持 鶏が正常に発育するために必要な酸素 19.6%以上(空気)を供給します。 ② 環境悪化の修復・改善 有毒ガス(二酸化炭素、アンモニア 等)や、鶏の呼気、こぼれ水、鶏糞 等からの発生水分を除去します。 ③ 生産環境の改善 夏期における鶏体からの発生熱、水分を舎外に除去します。 別表 1 鶏舎が立っている場所の高度と空気中の酸素濃度の関係 高度 減少率 酸素濃度 海抜ゼロ 0 20.5 - 21.0 % 457m 3.5 % 19.8 - 20.3 % 610m 5.1 % 19.5 - 19.9 % 762m 8.1 % 18.9 - 19.3 % 1,219m 11.2 % 18.2 - 18.6 % 1,829m 16.6 % 17.1 - 17.5 % ※高度 762m以上では、空気中の酸素濃度が 19.6%に達しません。 55 Ⅵ-2.換気の考え方 1)換気量は多ければ良いというものではありません。冬期などに過度の換気は、 せっかく暖まった鶏舎内の温度を低下させ、 かえって生産に悪影響を与えます。 2)鶏の環境に変化を与えるものを、次のように 2 つに分けて換気の最低、最高量 を検討します。 ○ 化学的変化を与えるもの(空気の汚染要因) ・ 呼気として出る二酸化炭素 ・ 糞尿等の分解で発生するアンモニアガス ・ 浮遊粉塵など ○ 物理的変化を与えるもの(空気性状の変化要因) ・ 熱(鶏より発生する熱、外部からの侵入熱等) ・ 水分(給水器よりのコボレ、鶏より発生するもの等) 注)熱や水分については、季節(夏・冬)などにより考え方が異なります。 Ⅵ-3.換気量の決め方 1)温度の影響 (1)熱死の発生 ・ 春から夏にかけて昼間、鶏舎内の温度が著しく上昇し、一部の鶏に熱死が 現れることが観察されます。 ・ これは鶏が出す体熱と、太陽の日射により舎内に侵入した熱が舎外に排出 されずに停滞し、高温高湿度で鶏の体熱と水分の排出が追いつかないため です。 (2)熱死対策 ① 陰圧鶏舎の場合、換気量を増加させ、舎内の空気を入れ替えます。 ② 遮光ネットや断熱材を使用して、舎内への熱の侵入を防ぎます。 ③ 舎内に移動式大型送風機を持ち込み、等間隔に設置し鶏の高さに風を送り ます。 ④ 気化冷却を応用したクールセルや、細霧システムで舎内温度を下げます。 (Ⅶ-3.「防暑対策の実際」をご参照下さい) 56 (3)鶏舎内の熱収支 A.熱の増加 1.鶏の顕熱 2.天井・隔壁からの侵入熱 3.人工的な熱 B.熱の損失 1.換気による損失 2.天井・隔壁からの損失 3.床面よりの損失 4.水分の気化熱 A-B<0:舎内温度が下がる A-B>0:舎内温度が上がる (4)鶏舎内の熱収支に関与する要因 前記(3)の A・B の各項目に影響する要因 (A-1) :気温、飼料成分、日令、飼育環境 (A-2) :鶏舎構造(断熱等) 、立地環境条件 (A-3) :照明器具、加温装置 (B-1) :換気量、外気温 (B-2・3) :鶏舎構造(断熱等) 、立地環境条件 (B-4) :飲水器からのコボレ水、舎内での噴霧、糞尿、呼気、加温 * 鶏は温度環境に非常に影響を受け易いので、 冬期の防寒対策や夏期の防暑 対策を考える上で、上記の要因には充分注意します。 (5)鶏舎内の発生熱(舎内温度を上昇させる要因) ① 鶏からの発生熱 ○ 鶏が体外へ出す熱エネルギーとは、飼料摂取から得たエネルギーから、 採食・飲水行動、体温維持等の日常行動や、肉を生産するのに用いた部分 を除いた残りのエネルギーです。これは飼料の品質や、周囲の環境状態 に影響を受けます。 ○ この発生熱については、全てが環境温度を直接上昇させる熱(顕熱)では なく、一部は呼吸の際に出る水分の気化に伴って発生した熱(潜熱)もあ ります。 ○ 舎内を暖める顕熱の割合は、温度が低いほど多く夜間より、活動してい る昼間のほうが大きくなります。 ② 外部からの熱の侵入 ○ 侵入熱としては、太陽の日射が挙げられます。これは屋根・側壁の材料の 種類や断熱材の有無、断熱材の種類などに大きく左右されます。 参考)受光面での上昇温度= 日射受光量(kcal/㎡・時)×材料表面の日射吸収率 舎外熱伝導率+舎内熱伝導率 57 ③ 照明器具による発熱 例)60W 電球の発熱量(1W=0.86cal、放熱率 87%) 60×0.86×0.87=44.9cal / 時 2)水分の影響 (1)水分の発生源 ① 糞尿や呼気など鶏の代謝産物 ○ これらの水分は、鶏の日令、体重、飼料、温湿度などに左右されます。 ② 給水器などからの蒸発水分、コボレ水 ○ これらだけでも、舎内排出水分の 10~15%に達します。 ※ ニップルドリンカーでは、蒸発水分が少なくなります。 ○ 日常の飼育管理によってもその量が大きく左右されます。特に水コボレ は舎内環境を悪化させるので、きめ細かい対応が必要です。 【49 日令までのブロイラーから発生する水分量の概算】 ・体重 ・要求率 ・飼料量 ・飲水量(餌×1.8) ・鶏の水分(体重の 75%) ・発生水分量(1 羽当たり) ・ 〃 (10,000 羽当たり) 生涯(49 日令) 3.2kg 1.90 6.08kg 10.9 ㍑ 2.4 ㍑ 8.5 ㍑ 85.0 ㌧ (2)鶏舎内の水分が増減する要因 水 分 の 増 加 水 分 の 減 少 1.鶏の呼気としての排出 1.換気による除湿 2.糞尿よりの発生 2.糞尿除去、清掃等による舎外排出 3.給水器からの蒸発水分 4.給水器からの水コボレ (3)冬期の除湿 ○ (1)、 (2)から、 換気量が絞られる冬場では舎内水分の除去が問題になります。 ○ 舎内外の温度差が大きい程、除湿の効果が大きくなります。 ○ 断熱構造を良くすると舎内水分を排出する為の換気量が少なくなります。 結果的に室温が高めに保たれ、飼料効率をはじめ生産性全体が向上します。 58 3)アンモニアガスの影響 (1)アンモニアガスの発生源 ○ 一般的にアンモニアガスは空気中には殆ど無く、鶏舎内では糞尿や残餌中 の細菌による二次的分解により発生します。 ○ 舎内温湿度を含めた日常の管理状態(水コボレ、飲水量、床面管理、換気 等)により舎内での発生が大きく左右されます。 (2)アンモニアガスの鶏体への影響 ○ アンモニアガスが鶏舎内で高濃度に発生し、鶏が長時間これに曝されると 呼吸器が冒され、疾病の誘発原因となります。さらに飼料摂取量の減少と それに伴う増体量低下の原因ともなります。 ○ 冬など換気量の抑え気味な時期には、日常管理は特に入念に行い、発生を 少なくするようにします。 ○ 舎内濃度は 10ppm 以下が望ましいです。 《アンモニアガス濃度の影響》 空気中の濃度 雛に及ぼす影響 10ppm 影響なし 20ppm 以上 呼吸器病発生の原因 50ppm 以上 眼疾発生(角膜、結膜炎) 75ppm 以上 発育不良 ※人の臭覚 5~ 7ppm アンモニア臭を感じます 25~30ppm アンモニア臭を強く感じます 50~60ppm アンモニア臭に耐えられる限界です 4)二酸化炭素ガスの影響 (1)二酸化炭素ガスの発生源 ① 鶏が飼料を食べ、 エネルギーやタンパクとして利用した結果、最終排泄物と して呼気に出てくるものです。 ② 育雛期における暖房用ガスの燃焼により出ます。 ※ 新鮮な空気中には通常 0.03%含まれており、鶏舎内で二酸化炭素が増加 することは、空気の汚染を意味します。 (空気の入れ替えが行われていない状態で酸素濃度が減少しています) (2)二酸化炭素ガスの鶏体への影響 鶏舎内の二酸化炭素濃度が高くなると、以下のような現象が見られます。 59 ① 活発さがなくなる ② 採食、飲水量の低下 ③ 脱水症の発生増加 ④ 増体の低下 ⑤ 後半でのポックリ、腹水症の増加 (3)鶏舎内から発生する二酸化炭素 ① 外気の温度が低い時期の方が、体温を奪われるのでエネルギーを多く放散 し、二酸化炭素の発生も多く、昼間は夜間に比べ鶏がよく活動するので二 酸化炭素を多く出します。 ・ 昼間 0.6~1.0 ㍑/時/体重 kg ・ 夜間 0.4~0.7 ㍑/時/体重 kg (H.Ota、Parro&Pringle より) 【二酸化炭素排出のための計算例】 ○ 冬期の日中を想定、10,000 羽の収容鶏舎において舎内の二酸化炭素濃度を 0.3%以下に保つための必要換気量 (平均体重 1.53kg、二酸化炭素発生量 1.0 ㍑/時/体重 kg) ・必要換気量 = = 舎内発生二酸化炭素量(m3/時/羽) 二酸化炭素の許容量―外気の二酸化炭素量(m3/m3空気) 1.53(㍑) / 1000 (0.3-0.03)/100 = 3 0.567 (m /時/羽) ・10,000 羽の必要換気量 = 0.567 × 10,000 = 5,670( ㎥ /時) = 94.5( ㎥ /分) ② 育雛期に使用する温源用のブルーダーにプロパンガスを使用したときは、 プロパンガス 1kg の燃焼に対し、2.75 ㎥ の二酸化炭素が発生します。 Ⅵ-4-1.具体的な換気方法 入・排気を含め、鶏舎内で如何に淀みのない 均一な空気の流れを作り上げるかがポイント! 1)ウインドレス鶏舎(横引き)での換気方法 ○ 全ての換気を人工的に行うため、農場の基本的な考え方を鶏舎設計に盛り 込んで建設を行えば、一年を通して快適な状態を作り上げる事ができます。 ○ 管理を間違えると悪い環境状態を作り出す恐れがありますので、運用には注 意が必要です。 60 運用を変えるときは慎重に行い、状態が悪くなったら必ず原点に戻します。 ○ “隙間風”は舎内における風向のコントロールを難しくさせ、運営上の最大 の問題点です。隙間風が生じる箇所は完全に塞いで下さい。 【 具体的な換気量の試算 】 (1)基準換気量 ウインドレス鶏舎での必要換気量は、外気温と雛の体重などの変化に合わせて 調節します。 【基準換気量】※外気温度 5~30℃の条件下 外 気 温℃ 5 10 15 体重1kg 当たりの 必要換気量( ㎥ /分) 0.030 0.045 0.060 20 25 30 0.080 0.110 0.130 (2)必要換気量の決定方法 ① 必要総換気量の計算方法 ・ 収容羽数 × 平均体重 = 舎内生体総重量(kg) ・ 舎内生体総重量 × 基準換気量 = 必要総換気量( ㎥ /分) ・ 必要総換気量 ÷ 換気扇台数 = 1台当たりの換気量( ㎥ /分/台) 1台当たりの換気量を決定後、その換気量を得るためのボルト(V)、又は 周波数(Hz)で換気扇を運転します。 ② 必要換気量の計算例 条件)外気温 10℃、平均体重 2kg、収容羽数 10,000 羽、換気扇台数 10 台 ・ 舎内生体総重量 2kg/羽 × 10,000 羽 = 20,000kg ・ 必要総換気量 20,000kg × 0.045 ㎥ /分/kg = 900 ㎥ /分 ・ 換気扇 1 台当たりの換気量 900 ㎥ /分 ÷ 10 台 = 90 ㎥ /分/台 * 舎内で換気ムラができないように換気扇を動かします。 但し、換気扇の回転数を極端に落とすと、舎外の風の影響を受けて必 要換気量が得られない恐れや、モーターを損傷する危険があります。 * 換気扇の能力や特性を調べ、1台の最低換気量を決めて下さい。 (3)舎内空気の流れの調節 ○ 舎内の総換気量が決まったら、次に舎内に引き入れた空気の流れが重要 です。 ○ 入気口の調節により、新鮮な空気が舎内にムラなく流れ、ホコリや有毒ガ スなどを排出するような空気の流れをつくります。 61 夏期の入気) 冬期の入気) * 雛に直接風が当たらないようにして下さい。 (夏場以外) * 雛の日令、季節、舎内環境等による換気扇の運転状況に合わせ、入気口の 開閉場所と開閉度合いを調整します。流入する空気のスピードと方向を調 整して、舎内に換気ムラが発生しないようにしましょう。 ○鶏に対する風の影響と管理基準温度 コッブ 500 ブロイラーについて(育雛~出荷まで) 日令 管理基準温度 風速 ・ 1~ 7 日令: 32~29℃(静止空気) ほとんど空気を動かさない ・ 8~14 日令: 28~26℃(静止空気) 〃 ・15~21 日令: 26~24℃(体感温度) 0.5m/秒以下 ・22~28 日令: 24~22℃(体感温度) 1.0m/秒以下 ・29~35 日令: 21~19℃(体感温度) 1.0m/秒以上 ・36~ 出荷: 19~18℃(体感温度) 1.0m/秒以上 ※ 静止空気とは雛に直接風を当てないようにすることを指します。 風速は、夏期を除き鶏体に直接当てても鶏が嫌わない速さです。 14 日令以降は常に、体感温度を考慮しなければいけません。 3m/秒以上の風速は、経済的にも鶏にも良い影響をもたらしません。 ※ 体感温度につきましては、「Ⅶ.防暑対策について」をご参照下さい。 * 換気量は満たされても舎内の空気の流れにムラがあると、雛の体重にバラ ツキが生じたり、呼吸器症が発生したりする場合がありますので注意しま しょう。 62 2)オープン鶏舎での換気方法 オープン鶏舎における成功の可否は、その向きによります。一日の内で最も気 温が上がる時間帯に、鶏舎側面から太陽光が差し込まないように、建設する必 要があります。 (1)温度差を利用しての自然換気となります。 ○ 鶏舎設計面では軒の高さ、屋根・天井の断熱構造やカーテンの取り付け位 置がポイントとなります。 ○ 運用面ではカーテンの開閉操作がポイントです。位置や入気幅、風の方向・ 速度、鶏舎内外の温度差で調節します。 (2)カーテン操作技術 ① 朝、風の向きをチェックして、風下側のカーテンを最初に開けます。 ② 舎内の空気交換を改善し、舎内に入る風速を上げるためには、風上側のカ ーテンを風下側で開放した分の 25%だけ開けます。 ③ 舎内の空気交換を緩やかにし、舎内に入る風速を弱めるためには、風上側 のカーテンを風下側の 4 倍開けます。 ④ 鶏の高さでの風速を最大にするには、両サイドのカーテンを同じだけ、可 能な限り開けます。 ⑤ 14 日令までは、舎内の空気を入れ替えるためにカーテンを開けるべきです が、雛もしくは床面の高さでの風速はつけないようにします。最初 14 日間 で、雛へ風を当てると、寒がらせてしまいます。その結果、採食・飲水量 の低下を招き、 熱産生のためにエネルギー消費量を増大させてしまいます。 鶏の高さでの風速の改善 陽圧 断熱材による熱 陰圧 * 実際には補助として、送風機や換気扇を併用するケースが多くなっています。 63 (3)秋口~冬場の換気 ○ 入気された冷たい空気が直接鶏体に当たらないように配慮して下さい。 隙間風をつくらないことや、入排気の流れを作り出すことが重要になって きます。 ○ 冬場は舎内温度を保つために、鶏舎が密閉気味になり易いです。 過剰水分、アンモニアガス、二酸化炭素ガスの除去が必要です。 昼間の温度の高い時には積極的に換気すると同時に、床面の乾燥に努めて 下さい。 ※ 夏場に付きましては、「Ⅶ.防暑対策について」をご参照下さい。 Ⅵ-4-2具体的な換気管理 1)最低換気管理の考え方 ~間歇換気~ 寒冷期における換気は、舎内温度を低下させないようにすることが重要です。例 えば、常時換気扇を低速で回転させる換気は、入気速度が低く、鶏を寒がらせて しまいます。 入気風速が低い場合 結果として・・・ ・ 床面の悪化→腹冷え ・ 鶏の活発さがなくなる →飼料摂取量の低下 ・ 飼料から得たエネルギーが 体熱産生にまわる 冷気 →要求率の悪化 暖気 暖 冷気 冷 ・ 1 週令を過ぎた辺りで、ポックリが出始めている場合、換気不足が疑われま す。 ・ その場合、入気口を開けたり換気量を増やしたりして、必要な換気量を確保 しましょう。 ・ そのまま放っておくと、後に呼吸器系疾患や大腸菌症等を誘発し、減耗が増 加してしまいます。 64 換気を間歇的に行うことで、 寒冷期でも舎内温度を下げずに、 環境を適正かつ均一な状態に 近づけることが可能です (間歇換気) 。 横断換気の理想的な設計 暖気 排気 排 冷気 常に温度を確保 2)間歇換気の効果 ・ 天井付近に溜まった暖気を対流させることで、効率的な熱エネルギーの使用 ができます。また、舎内で発生した水分を効果的に排出し、床面状態を良好 に保ちます。 ・ (タイマー制御では)強制的に換気することで、舎内の空気性状を良好に保 ちます。 ・ 換気扇の周期的な ON/OFF を設けることで、鶏群がより活発になります。 最低換気時の換気扇が止まった際の影響 最低換気注1に換気扇を停止させた場合の空気性状への影響を示したものです。 0 5 分後 10 分後 15 分後 ・アンモニア 15ppm 35ppm 50ppm 80ppm ・二酸化炭素 300ppm 1500ppm 2600ppm 3500ppm ・湿度 68% 78% 86% 97% ※ 換気扇の停止時間が長くなるにつれて、空気の性状は悪化していきます。 それに伴い、鶏の呼吸・免疫システムが損なわれます。 注 1:最低換気とは、空気性状を保つための換気方法です。 「Ⅵ-5.換気システム紹介」をご参照下さい。 具体的には、1.タイマー制御で換気扇(有圧)を稼動させる方法と、2.温度セ ンサーで換気扇を稼動させる方法があります。 3)タイマーで換気扇を制御する場合 ・ タイマーで稼動させる換気扇にはシャッターを必ず設置して下さい。 65 ・ 換気扇はタイマー用とセンサー用の 2 系列を用意して下さい。温度センサー は鶏舎内の過剰な温度上昇を防ぐための補助 システムとして併用します。 ・ 換気扇の排気能力を確認して下さい。舎内の 空気交換を 8 分から 5 分間に 1 回行える 能力を持つ換気扇を用います。 ・ 夜間でも舎内温度が下がりきらないように、 入気口の開口幅を慎重に決定して下さい。 ・ 入気口は鶏舎上部に向けます。天井がある 場合は、風向板を調整し、冷気が天井に跳ね 返って直接雛に当たらないようにします。 ・ 全ての段階において、入気口での必要な風速を確保しなければいけません。 ・ 暑熱期を除き、鶏の高さでの風速はなるべくつけないようにします。 ・ 最高最低温度計を設置し、夜間の最低温度が基準管理温度を下回っていない ことを確認して下さい。 4)温度センサーで換気扇を稼動させる場合 ・ 基本的な運用方法はタイマー制御の場合と同じです。 ・ 換気扇稼動時間は、タイマー使用時のように正確にはいきませんが、それに 近づける工夫をして下さい。 ・ 夜間は、センサー設定温度を上げたり、入気口開口幅、換気扇台数および回 転数などを調整したりして、舎内最低温度が基準管理温度を下回らないよう にします。 ・ 舎内温度が上昇した場合に備え、別系列のセンサーを設定しておきます。 換気システムの連続的な運用例 温度が上がり続ける場合は、さらに夏場用換気扇が動き出す +1.5℃ 最初の夏場用換気扇が動き出す(最低換気システムは、止まる) +1.0℃ 最低レベルのファンに加えて第二段階のファンが動き出す +0.2℃ 最低レベルのファンが常時動く 基準管理温度 ―――――――――――――――――――――――――――― ―― -0.2℃ 最低レベルのファンがサイクルタイマー制御で動く。作動時間は、 1 換気サイクル中で 20%の時間(1 サイクルが 5 分間として、1 分 ON・4 分 OFF、10 分間なら 2 分 ON・8 分 OFF) -1.0℃ ヒーターが作動する 66 5)温度の確認 鶏舎内の温度の記録は、最高最低温度計だけでなく、自記温度計を用いて記録 して下さい。 夜間の温度推移が分かり、今後の設定に生かされます。 換気扇の稼動状況および舎内温度推移の変化を確認するために、分単位で記 録できる自記温度計を設置し、後で分析できるようにして下さい。 Ⅵ-5.換気システム紹介 ここでは海外で普及している横引き換気と縦引き換気、クーリング機能を併せた 換気システム鶏舎の事例をご紹介します。 ○ 近年の育種改良が進んだ高産肉鶏には、換気の重要性が増しています。 ○ 最近は換気設備も改良・改善が図られ、性能も向上しています。 【海外の鶏舎】 * 横引き換気と縦引き換気、クーリング機能設備を備えています。 自家発電室 67 縦引き用換気扇 1)コンビネーション換気システム鶏舎 ○ 鶏の日令や季節に対応するために、横引き縦引き換気クーリングシステムを 併せ持った鶏舎で、舎内環境の調整が容易に出来ます。 【鶏舎模式図】 準 備 室 (1)横引き換気状態(側面入気口の使用) ○ 主に入雛から換羽終了前後の育雛期で運用されます。 総換気量が少なく、 鶏に直接風を当ててはいけない時期や環境改善(最低換 気)に利用します。 横引き換気の利点は、入気側と排気側の温度差が少ない事です。 * 側面入気口: 壁面の高い位置に設置された入気口 68 入気側 準 備 室 排気側 (2)縦引き換気状態(両側面入気口・妻側換気扇の使用) ○ 必要換気量が増加した換羽終了前後から出荷までの期間で運用します。 但し、入気面積と換気扇の稼動台数は、日令及び舎内温度によって調整し ます。 ○ 換気量は増加しますが、鶏の位置での風速は低い状態です。 入気側 準 備 室 入気側 (3)縦引き換気状態(クールセル入気口・妻側換気扇の使用) ○ (2)同様に必要換気量が増加した換羽終了前後から出荷までの期間で運 用しますが、特に必要換気量の増加と鶏体に風を直接当てて体感温度を下 げる際に効果的な運用方法です。 又、酷暑時期(鶏舎内 28℃以上)は、クールセルへの散水により入気温度 を下げます。 ○ 風速をつけて、鶏の体感温度を下げ、暑熱ストレスを軽減します。 69 排 気 側 b 準 備 室 2)入気・換気方法 (1)横引き換気状態(側面入気口の使用) ① 入雛から換羽終了前後の育雛期では横引きで換気を行います。 鶏の状態、舎内温度をよく確認することが大切です。 ② 鶏舎側面の入気口から入気し、鶏舎壁面の換気扇で排気します。 エアキャノンの活用は、舎内空気の攪拌に有効です。 (最低換気) ③ 換気扇は雛の日令や舎内温度を考慮して、タイマーや温度センサー制御で 間歇運転または、連続運転させます。 ④ 側面入気口は、換気時に発生する鶏舎内の静圧(陰圧)によって開口幅(入 気量)が調整されるものを使用します。 ※ メーカーによっては、鶏舎の両側面から入気して屋根の換気筒から排気 する方法もあります。この方法は海外では寒冷地において横幅が広い鶏舎 に採用されています。 (2)エアキャノン(入気口)とタイマー、温度センサーを使った最低換気の方法 ① 設置可能な鶏舎構造 ・ 横引き換気扇の有る縦引きトンネル鶏舎(コンビネーション換気鶏舎) ・ 横引きのウインドレス鶏舎(但し、合掌作りで天井を持たない鶏舎) ・ 縦引きトンネル鶏舎(開放鶏舎の改造型) ・ シャッターの有る排気ファンを妻側に設置している開放鶏舎(2 台以上 必要) ※ 90mを超える長い鶏舎の場合、手前と奥の温度差が大きくなります。 70 ② 必要な換気扇能力 最低換気の第一段階 鶏舎の空気を 8 分に 1 回交換出来る能力を持った換気扇 鶏舎容量÷8=必要換気能力 最低換気の第二段階 鶏舎の空気を 5 分に 1 回交換出来る能力を持った換気扇 鶏舎容量÷5=必要換気能力 ③ エアキャノン(入気口)の設置方法 ・ 直径 50~65 ㎜のポリ塩化ビニールパイプを準備します。 ・ 設置する本数を決めます。 鶏舎長さ÷3m+8 本(四隅に各 2 本づつ設置) ・ 設置は、横引き、縦引きで異なります。 (例 1,2 をご参照下さい) 縦引きは、左右千鳥に取り付けます。 例1) 横引き換気扇のある縦引きトンネル鶏舎 3m間隔 例 2)縦引き鶏舎に取り付けた場合 6m間隔 左右のパイプは、千鳥状に取り付けます ※パイプとパイプの間にある四角は、第二段階の入気口です。 71 ④ エアキャノンの作成 a. パイプを 76cm 以内で切ります。 (あまり短くしないで下さい) b. 130R のエルボーで 20~30cm に切ったパイプと繋げます。 130R エルボー 76cm 以内 20~30cm ⑤ エアキャノンの取り付け 軒下の壁板にホルソーなどで穴をあけ パイプを通します。 屋根に沿った角度で取り付けて下さい。 入気の進行方向に障害物がある 場合避けて下さい。 全体を下げるか、角度を調整します。 壁板の穴は、コーキング剤などで 塞いで下さい。 四隅に取り付ける 2 本は、少し離す程度に取り付けて下さい。 注:130R のエルボーから下のパイプは、必ず付けて下さい。 横風などが鶏舎にパイプを通じて入る事を防ぐ為に必要です。 ⑥ 第二段階の入気口について 設定温度より高温になった時や、成長に伴う必要換気量の増加により換気 扇の台数が増えた時に使う入気口は、鶏舎内の静圧(陰圧)によって開く 事が出来る入気装置を設置します。 ① ② ③ 上の 3 台は、いずれも静圧によって入気口が開く製品です。 鶏舎の外側には、フードが必要になります。 (外の風に影響されないよう) 72 入気装置の台数の計算 第二段階の総換気量-(鶏舎の隙間からの入気量+ エアキャノンからの総入気量)=入気装置の総入気量 入気装置の総入気量÷入気装置 1 台当りの入気量=入気装置台数 例)137mの鶏舎 エアキャノンの本数の計算 137m÷3m+8 本≒53 本 入気装置の台数の計算 866 ㎥ /分(91cm 換気扇 3 台)-(170 ㎥ /分+68 ㎥ /分)=628 ㎥ /分 628 ㎥ /分÷70 ㎥ /分(写真③の入気量)≒9 台 ⑦ 風向と風速の確認 エアキャノンの風向は、 角度で決まりますが、 風速は、静圧(陰圧)で 決まります。 適正な静圧で作動するよう に調整して下さい。 冷気が暖かい空気に触れる ことで温度が上昇し相対湿度 が下がります。 暖まり乾燥した新鮮な空気が、鶏の場所にゆっくり降りてきます。 均一に入気された空気は、対流となりゆっくり鶏舎内を攪拌します。 鶏の高さでは、ゆっくり流れる程度で風を感じさせません。 入気風速が適正:鶏舎中央まで到達し下降します。 入気風速が遅い:入った冷気がすぐ下降し、床面を這うように排気側に流れ ます。 入気風速が早い:中央部を通り反対側の壁方向に飛びます。 冷気は、暖まらず排気され鶏舎の空気交換も出来ません。 ⑧ エアキャノンを使った最低換気の運用方法 ・ 第一段階の換気扇は、サイクルタイマーと温度センサーで作動させます。 サイクルタイマーは、 常時 ON/OFF を繰り返し鶏舎の空気性状を良好に保ち ますが、温度が上昇した場合に連続運転し舎内温度を下げます。 第一段階の入気口は、エアキャノンからになります。 ・ 第二段階の換気扇は、温度センサーで作動させます。 管理基準温度より 1℃上がれば作動させます。 第二段階の入気口は、エアキャノンと入気装置から入気されます。 73 ・ 最低換気第一段階の設定(3 日令頃~) 鶏舎内の空気性状は、 換気扇停止後 10 分間で二酸化炭素濃度が上がり酸素 濃度が減ってきます。 1 回の作動停止時間の間隔を 10 分間とします。 (間歇換気) 換気扇の作動時間は、20%で 2 分 ON8 分 OFF を 1 サイクルとして連続で運 転します。 ※ 但し、冬期の夜間 2 分間の運転で舎内温度が大きく低下する場合は、 作動時間を 1 分にし9分停止させても問題ありません。 ※ 右の写真は、作動と停止を両方設定で きるサイクルタイマーです。 この他にデジタル式のタイマーもあり ます。 鶏の成長に合わせて基準温度が下がって きますので時間を調整しますが OFF の時間 を短くして行く方がいいでしょう。 又、温度センサーについては、基準温度よ り 0.2℃上がれば連続運転するように設定 しておきます。 ・ 最低換気第二段階の設定(14 令頃まで) 鶏舎内の温度が基準温度より 1.2℃上昇すれば作動するように設定します。 この時、第一段階の換気扇も連続運転しています。 注:最大換気に向けての入気口を開け常時使う時期になりましたら、エアキ ャノンと第二段階用入気装置の口を塞いで下さい。 換気システムの連続的な運用例 温度が上がり続ける場合は、さらに夏場用換気扇が動き出す +1.5℃ 最初の夏場用換気扇が動き出す(最低換気システムは、止まる) +1.0℃ 最低レベルのファンに加えて第二段階のファンが動き出す +0.2℃ 最低レベルのファンが常時動く 基準管理温度 ―――――――――――――――――――――――――――――― -0.2℃ 最低レベルのファンがサイクルタイマー制御で動く。作動時間は、 1 換気サイクル中で 20%の時間(1 サイクルが 5 分間として、1 分 ON・ 4 分 OFF、10 分間なら 2 分 ON・8 分 OFF) -1.0℃ ヒーターが作動する 74 (3)縦引き換気状態(両側面入気口・妻側換気扇使用の場合) ① 鶏舎両側面の入気口から入気し、妻側の換気扇で排気します。 ② 入気面積と換気扇台数を調整します。 * 換気扇は 2~3 段階に温度センサー制御で運用すると効果的です。 【空気の流れ】 (4)縦引き換気状態(クールセル入気口・妻側換気扇使用の場合) ① 入気口は鶏舎内の入り口付近(側面)に設けます。入気面積は昇降カーテン によって調節します。 (図参照) ② 換気扇は温度センサー制御によって運転させます。 * 各換気扇は系統別に運用すると効果的です。 ③ クールセルシステムを導入する場合、クールセルパッドは入気口から 最低 60cm 離して設置します。 【空気の流れ】 75 【入気の流れ】 クールセル パッド (入気室) (入気室) カーテン (入気面積の調整) 60cm 3)換気の注意点 ◎大切な入気風速 ・ 入気風速は鶏舎内の均一な空気の流れを得るために非常に重要です。 ・ 入気風速は、入気時の気圧(静圧)に大きく影響されます。 ・ 入気の際に必要な風速は、鶏舎の横幅によって異なります。 * 鶏舎に隙間が多いと、必要な入気風速が確保できません。 【 入気風速の違いによる舎内空気の状態 】 例 1. 入気風速が遅い場合 風が流れない部分 風が流れる部分 準備室 76 . 例 2. 入気風速が適性な場合 準備室 例3. 入気風速が速すぎる場合 準備室 77 4)換気扇の能力について 実際に換気扇を動かすと抵抗(静圧)が生じ、換気扇能力が低下します。 換気扇能力の改善を図るため、取り付け位置や形状に工夫が必要です。 【 事例1. 】 ・換気扇能力 560m3/分、静圧なし ・シャッターなし 【 事例 2. 】 ・換気扇能力 560m3/分、静圧なし ・シャッターを舎外に配置 ◎換気能力=100% (560m3/分) ◎換気能力=80% (448m3/分) 【 事例 3. 】 ・換気扇能力 560m3/分、静圧なし ・シャッターを舎内に配置 【 事例 4. 】 ・換気扇能力 560m3/分、静圧なし ・シャッターを舎内に配置 ・フードの外側に換気扇(傾斜60°) ◎換気能力=91% (510m3/分) ◎換気能力=100% (560m3/分) 78 【 事例 5. 】 ・換気扇能力 560m3/分、静圧なし ・シャッターを舎内に配置 【 事例 6. 】 ・換気扇能力 560m3/分、静圧なし ・シャッターを舎内に配置 ・フードの内側に換気扇 ・フードの内側に換気扇(傾斜 60°) ◎換気能力=115% (644m3/分) ◎換気能力=125% (700m3/分) ※資料提供:.ロバ-ト・バ-ンウェル(換気スペシャリスト) 79 Ⅶ.防暑対策について 鶏は、 幼雛時の保温を必要とする時期を経過した後は、 高い環境温度に対して 弱 く、食下量の減少、体重の停滞、ついには熱射病にまで至りますので、被害を最小 限に抑えるための防暑対策を行う必要があります。 夏場において、肥育成績で高い収益性を得るために充分な防暑対策を行います。 ※ 環境温度と体重には負の相関があります 温 度 ℃ 発育体重(kg) Ⅶ-1.鶏は暑さに弱い 鶏には汗腺が殆どなく、全身が羽に覆われ、蒸散による体熱の放散(熱)が困難 です。そこで鶏は、口を開けてパンチングをしたり、多量の水を飲んだり、砂浴 びによって体温の低下を計ります。従って、管理によって環境温度及び体感温度 を低下させることが必要です。 Ⅶ-2.熱射病についての基礎知識 1)熱射病の発生時期 (1)梅雨明け直後、梅雨の中休み、戻り梅雨明け、フェーン現象、3~4 日雨など で涼しい日が続いた直後などの急激な気温の上昇時に発生しやすいです。 (2)30 日令頃から出荷までの時期に発生することが多く、体重の重い鶏ほど被害 が大きくなります。 2)暑さに対する生理的反応 (1)高温環境下で呼気による蒸散量が追いつかなくなり、体熱の蓄積により体温 が上昇した状態です。 (2)高温湿度では、低湿度より呼気による蒸散量が減少し、それに伴って体温の 上昇が生じます。 80 蒸散放熱に対する環境温湿度の影響 温度(℃) 20 20 24 24 34 34 湿度(%) 40 87 40 84 40 90 蒸散放熱の全放熱への割合(%) 25 25 50 22 80 39 (3)体温の上昇が限界をこえて極度(47℃以上)に達すれば死に至ります。 3)熱射病対策の基本 (1)飲水量と水温 飲水量は、温度が 20~32℃の時、1℃上がる毎に 6%増加します。 32~38%℃の間では、1℃上がる毎に 5%増加します。 ① 飲水量は飼料摂取量の約 2 倍ですが、環境温度の上昇に伴い放熱作用(蒸 散)が増大します。体内水分の放出量が増加するに従い、鶏は体液濃度の均 衡を保つため、水の要求量が増えます。 ② 鶏は水温 10~13℃を好み、水温が 32~35℃になると飲水量は著しく減少し ます。水温が低く、豊富な給水量が必要です。 レイヤーでの水温と飲水量の関係 水温(℃) 4 20 40 飲水量(ml/羽) 186 214 120 飼料摂取量(g/羽) 108 106 52 産卵率(%) 72 73 12 (2)送風 ① 鶏に風を直接当てて体感温度を下げます。 体感温度チャート 風速(m/秒) 気温℃ 相対湿度 0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 35.0 35.0 32.2 32.2 29.4 29.4 26.6 26.6 23.9 23.9 50% 70% 50% 70% 50% 70% 50% 70% 50% 70% 35.0 38.3 32.2 35.5 29.4 31.6 26.6 28.3 23.9 25.5 32.2 35.5 29.4 32.7 26.6 30.0 24.4 26.1 22.8 24.4 26.6 30.5 25.5 28.8 24.4 27.2 22.2 24.4 21.1 23.3 24.4 28.8 23.8 27.2 22.8 25.5 21.1 23.3 20.0 22.2 23.3 26.1 22.7 25.5 21.1 24.4 18.9 20.5 17.7 20.0 22.2 24.4 21.1 23.3 20.0 23.3 18.3 19.4 16.6 18.8 (2003年日本コッブ会技術セミナーより) 81 ② 鶏舎内の風の流れを充分に把握し、適度の風が常時鶏に当たるようにしま す。 ③ 風速は 1~3m/秒を目安にします。 (3)鶏舎内への熱侵入を少なくする ・ 鶏舎内へ侵入する熱は、外気温度と外気温度による鶏舎受熱面の上昇温度 の和(相当外気温度)に影響されます。 ・ 熱の侵入防止を考える時、相当外気温度を外気温度に近付けることと、舎 内侵入を少なくすることが重要です。 ・ 相当外気温度は鶏舎の外装材の質や屋根・壁の構造により影響されます。 トタン板の塗装の違いによる表面温度の差 トタン板の色 表面温度(℃) 黒 54 青 45 赤 44 茶 44 黄 40 やや錆びたトタン 40 白 34 シルバー 33 屋根の構造の違いによる侵入熱量の変化(100 ㎡当たり) 屋根の構造 侵入熱量(Kcal/時) トタン板のみ 12,600 トタン板+白色塗装 7,100 トタン板+ベニヤ板 8,200 トタン板+白色塗装+ベニヤ板 4,650 トタン板+グラスウール 40mm+ベニヤ板 1,320 (4)鶏舎内での熱発生を少なくする ① 鶏舎内での熱発生は、鶏の体熱によるものです。 収容羽数が多くなると、熱発生量も大きくなると同時に、鶏の行動は抑制 され、鶏と床の間の熱気は滞留しがちとなり、鶏の受ける体感温度は上昇 します。 ② 飼料摂取後、熱増加(飼料摂取に伴い熱が発生すること)により舎内温度 が上昇します。 82 鶏の活動と熱生産(睡眠時を 100 としたときの割合) 鶏の状態 睡眠 覚醒 飼料摂取 身震い 熱生産 100 112 148 230 ③ 夏期の収容羽数を冬場より少なくし、温度の高い日中は給餌器を上げて熱 増加を防ぐとともに通風をよくし、温度の下がった時期に給餌します。 ④ 鶏の熱生産量は、 舎内の照明を明から暗にすると急速に低下します。 また、 暗から明にすると急速に上昇します。この生理反応を利用してウインドレ ス鶏舎では昼夜逆転照明する方法もあります。 (5)鶏の健康状態と熱射病 鶏の健康状態が悪いと暑さに対する抵抗力も低下しており、熱射病にかかりや すくなりますので健康な雛作りが重要です。 Ⅶ-3.防暑対策の実際 1)天気予報に注意します。 熱射病の被害を最小限に抑えるためには、天気予報をテレビ、ラジオ、新聞、 インターネット等で常に調べ防暑対策の準備を進めておくことが必要です。 2)フェーン現象に対する対策について 対応が遅れたために被害が発生することがあります。 夏場の防暑対策でなくてもウインドレス鶏舎では換気扇の作動台数を増やした り、オープン鶏舎ではカーテンを全開することにより防ぐことができます。 * クールセルによる冷却効果が活かされます フェーン現象 乾いた空気 湿った空気 83 3)防暑対策の具体策 現状、行われている防暑対策で舎内温度と風速による鶏の体感温度の低下に 有効な方法はクールセル方式です。 (1)クールセルの利用 ① 高温な外気が、湿めらされたクールセルパッドを通過することで気化冷却 により、舎内温度の低下が図れます。 【 気 化 冷 却 に よ る 温 度 の 降 下 】 ※ 湿 度 が 低 い 程 、気 化 冷 却 は よ く効 く 湿 乾球温度℃ 度% 2 1 .1 86 77 68 59 51 44 36 29 22 15 9 3 0 2 5 .6 87 79 71 63 56 49 43 36 30 24 18 13 8 3 0 .0 88 81 73 66 60 53 47 42 36 31 26 21 16 3 5 .6 89 82 76 69 63 58 52 47 42 37 32 28 24 4 0 .0 90 85 78 72 67 62 56 52 47 43 38 33 29 1 .7 2 .8 3 .9 5 .0 6 .1 7 .2 8 .3 9 .4 温度低下℃ 1 0 .6 1 1 .7 1 2 .8 1 3 .9 1 5 .0 ② 縦引き換気により速い風速が得られます。 例)外気温が 35.6℃、相対湿度 63%の空気がパッドを通過した場合 6.1℃温 度が低下します。 (温度は 29.5℃となり相対湿度が上昇します) 舎内は風速 2m/秒の風が排気側に流れているのでさらに体感温度が下が ります。 ◎ 鶏の体感温度を下げる ※ 湿度を上げてしまうことよりも、 体感温度を下げる効果の方が勝ります。 【入気室のデザイン】 クールセルパッド カーテン (入気風速の調整) 適正な通過風速は パッドの種類(厚さ)に より異なります 60cm 84 ③ 気化冷却の効果を発揮させるために、クールセルパッドを均一に湿らせる ことが大切です。クールセルを使用すると湿度が上がるので、特に入気部 周辺の床面状態に注意して下さい。 ④ 鶏舎への適切な入気風速を得るため、入気面積の調整ができるように昇降 カーテンを設置します。 * 鶏舎の隙間を塞ぎ、気密性を保つことが重要です。 (2)細霧システムの利用 ① 空気中に噴霧された細かい水滴が気化するときの冷却現象により、舎内温 度の低下が図れます。 ② 鶏舎幅が 12m以下では、細霧ラインを 2 列設けます。 ・ 各ラインは側壁より鶏舎幅の 1/3 の距離に設置します。 ・ 12m以上では、ラインを 3 列に増やします。 (間隔は均等) 。 ・ ノズルは、各ライン 3m間隔で、双方のラインで千鳥にします。 ③ 細霧は 28℃以上が運転の目安です。 ・ 細霧ノズルの目詰まりを防ぐ為に水質のきれいなものを使用します。 ・ 充分な水量と、気化した空気を鶏舎外に排出出来る換気扇能力を確保し て下さい。 (3)給水 ・ 鶏がいつでも容易に充分な量を飲水できるように、給水器の数と場所に 注意します。 ・ できるだけ冷たい水を飲ませます。 ① 給水タンク、給水パイプ、シスタンクを断熱材で覆います。 ② タンクに氷、ドライアイスを入れます。 ③ クーラーシステム(ニップル)を活用します。 (4)送風(鶏周囲の空気のよどみをなくします。 ) ① オープン鶏舎 A.扇風機やダクトファンなどの送風機を利用します。 B.ストレートファン・パワーファンの風速分布 ・ ストレートファン(羽根径 30cm、単相 100‐200V、三相 200V、250W) 85 ・ パワーファン(羽根径 50cm、単相 100V、三相 200V、250W) C.送風機の設置方法について 90cm ファンはわずか 1m 後ろの空気を引き込み、それを 12m 先に飛ばし ます。また、90cm ファンが攪拌できる距離は最大でも 2.2m に過ぎませ ん。 床面からの高さは 1m が良いでしょう。 ファンの高さが床面から 2.2m 離れると暖かい空気の層が作られてしま います。 配置例 1.空気交換率の良い配置(幅が狭い鶏舎に有効) 風向き 送風機が舎内へ吹き込んでくる風を、舎内を横断させて行き渡らせます。 送風機は側面において 60 度の角度で固定し側面からの距離は 1m以内です。 舎内へムラなく風が通ります。 (鶏舎外の風向に注意して設置して下さい。 ) 配置例 2.空気交換率の良い配置 鶏舎中央を縦断して、空気を攪拌します。 新鮮な空気を取り込むため、最初のファンはドアから 1m 以内に設置します。 86 配置例1.より空気交換効率は劣りますが、巾の広い鶏舎では、2 列、3 列と 台数を増やし、細霧装置と併用します。 ファン同士は 12m 離して設置して下さい。 舎内へムラなく風が通りますが、妻側の壁にも送風機を設置すると空気の通 りがさらに良くなります。 配置例 3.空気交換率の悪い配置 送風機がジグザグ(千鳥状)に配置されている例です。 空気交換はなされません。 (お互いの送風機に影響されます) 鶏は暑く新鮮でない空気に晒されます。 風速を確保できる範囲は非常に限られています。 D.鶏舎周囲の丈の高い草は刈り取り、通風を良くします。 ② ウインドレス鶏舎(横引き陰圧換気) A.ビニールシートの活用 ・ 入・排気側の中間に設置します。 (2 枚以上の場合は、等間隔に設置) ・ 間口 4 間をこえる鶏舎ではシートを 2 枚使用します。 ・ ビニールシートは、風に揺れないよう に固定します。 ・ 風速が鶏の高さで上がります。 ビニルシート ○ 温度の高い日中は、給餌器を上にあげて風通しを良くします。 ○ 熱帯夜には日中の対策を継続し、給餌器は降ろします。 87 (5)鶏舎内への熱侵入を少なくします。 ① オープン鶏舎 A.トタン屋根やトタン壁の塗装を白系 統のペイントで塗ります。 B.スレート屋根の場合は、白色セメン トと石灰を混ぜて屋根に塗ります。 (水 200 ㍑に消石灰 60kg、 白セメント 60kg、接着剤少量) C.トタン屋根の下に断熱材を張ります。 D.樹木により日陰をつくります。 樹は、落葉樹(桐、ポプラ等) を植えます。 E.ウリ科のつる性一年草(へちま、 ひょうたん、カボチャ)などで 日影を作ります。 F.遮光ネットで日影を作ります。 (風通しが悪くならないように します。 ) 88 G.天井がある場合、換気扇を用い 天井裏の熱気を排気します。 H.スプリンクラーなどを利用し、 屋根に散水します。 (充分な水量を確保し、 外気温が低下する時間帯まで継続) ② ウインドレス鶏舎 A.入気口側に樹木を植えます。 B.入気口側にへちま、ひょうたん などを植えます。 C.入気口側に遮光ネットを張ります。 D.入気口側に散水します。 89 E.スプリンクラー等で屋根に 散水します。 (充分な水量を確保し、外気温が低下 する時間帯まで継続) (6)鶏舎内での熱発生を少なくします。 ① オープン鶏舎 A.収容密度を薄くします。 B.温度の高い日中は、給餌器を上げて温度が 下がった時間帯に給餌します。 ② ウインドレス鶏舎 A.収容密度を薄くします。 B.温度の高い日中は、給餌器を上げて温度 が下がった時間帯に給餌します。 C.日中は電灯を消します。 (7)舎内温度を下げます。 ◎ 細霧システムを用い、気化熱利用により 室温を低下させます。 90 4)機器の点検・整備 ○ 機器が正しく作動するか前もって点検・整備しておきます (1)換気扇、扇風機の点検・整備 (2)換気扇の制御装置の点検・整備 (3)警報装置の点検・整備 (4)自家発電機の点検・整備 (5)換気扇・扇風機の個々に漏電ブレーカーの設置 (6)電気設備を増設した場合に受電容量の確認 (7)配線の被覆・老朽確認 ◎ 防暑対策は、幾つかの方法の組み合わせが決めてです。 ◎ 1つの方法のみでなく、数種類の組み合わせでやるのが被害を少なくする ための必要条件です。 例1) 横引きウインドレス鶏舎の場合(舎外) 入気口側の軒に寒冷紗を渡し(日よけ)スプリンクラーで散水します。 スプリンクラー 寒冷紗 91 例2) 二階建て横引きのウインドレス鶏舎の場合 舎外の入気口側で寒冷紗による日よけと更に散水により入る空気を冷却します。 また、舎内では、ビニールシートを使い鶏の位置での風速を速めます。 スプリンクラー 寒冷紗 ビニールシート 例3 横引きウインドレスの場合(舎内) 舎内の風速を上げる為にビニールシートを使用します。 舎外で散水、散霧をしていない場合、舎内で散霧します。 ノズルの設置は、入気口側と中央部に設置します。 注意:散霧は、 壁やビニールシートに掛かると水滴となり床面が悪くなります。 ノズルの噴射角度、設置位置に注意して下さい。 92 例4) オープン鶏舎の場合 舎外に日よけの樹木(落葉樹)を植えて外からの侵入熱を防止します。 更に、舎内では、送風機を縦列に配置し細霧装置で温度を下げた空気を送風し ます。また、日中には、給餌器を上げて風通しを良くし、採食による体温の上 昇を防ぎます。 5)熱射病発生農場の後悔と対策 後悔要因 対 策 ・天気予報(週間予報)を必見 1.油 断(38%) ・入雛までに対策完了 ・鶏舎を離れない ・換気扇、扇風機の増強 2.送風不足(18%) ・陽圧換気 3.飼育密度(16%) ・適正密度の入出荷計画 ・定期保安点検 ・高温警報機の設置 ・設備の追加 5.散水不足( 8%) ・使用水の確保 ・飲水温を下げる 6.飲水不備( 5%) ・給水スペースの追加 ・ビタミン剤の投与 7.鶏の体力( 4%) ・鶏病、床面の改善 (某社の QC サークル活動から) 4.点検不足(11%) ※夏期におけるビタミン剤、重曹(0.3%飲水)の投与 93 Ⅷ.防寒対策について Ⅷ-1.鶏の低温環境下の生理的反応 1)体温調節機能の発達 雛の体温調節機能は、2~3 週間しないと成鶏の基準に達しません。 2)鶏の適温帯 換羽の終了した鶏が円滑な生理現象(代謝)と物理的な調節が無理なく行われ る温度帯(快適温度帯または熱的中性圏と言います)は、18℃内外といわれてい ます。 3)環境温度の下降と体熱生産量 環境温度が低下すると体温を保持するために、代謝活動の増進や飼料摂取量が 増加しますが、体熱の放散に対して生産が追いつかなくなると、体温の下降が 避けられなくなり、限界を超えると凍死が起こります。 94 4)低温に対する耐性と致死温度 マイナス 23.3℃という極端な温度での試験結果では、日令が若いほど短時間 で致死しました。 -23.3℃に対するひなの日令別生存時間 (MORENG and SHAFFNER.1951) 暑気や寒気にかかわらず、孵化後の雛は体温調節機能が充分発達するまでに 日数を要することから、その間充分な保温を行うことが必要です。 Ⅷ-2.防寒対策の実際 1)天気予報に注意 寒冷による生産性の被害を最小限に抑えるためには、 天気予報をテレビ、ラジオ、 新聞、インターネット等で常に情報収集し、防寒対策の準備を早めに進めてお くことが必要です。 冬の気圧配置は、シベリア大陸に高気圧、北海道東方海上やアリューシャン方 面に低気圧があり、いわゆる西高東低となり、この高気圧から低気圧に向かっ て吹き込む風が北西の季節風で、強く吹くときは、日本海側は雪、太平洋側は 晴れて乾燥する状況が冬の典型的な気候です。 95 2)冬日と異常低温注意報について ① 冬日 ・ 冬日は、1 日の最低気温が 0℃未満の日のことで、過去の年間平均日数を 見ると、意外に多いものです。 ・ 最適温度を目標に、しかも換気に留意した防寒処置を実施して下さい。 (Ⅸ-16.「冬日の年間日数」をご参照下さい) ② 異常低温注意報 ・ 異常低温注意報は、各県毎にその基準が作成してあります。 この注意報は、急激な温度の低下に関するものです。貴方の地域の注意報 の内容を調査しておいて下さい。 例えば、 札幌地方; (イ) 1~4 月は最低気温が平年より 8℃以上低いとき (ロ)5~10 月は平均気温が平年より 5℃以上低い日が 2 日以上連続するとき。 東京地方;(イ) 冬期は最低気温が氷点下 7℃以下のとき (但し、多摩西部は氷点下 9℃以下のとき) (ロ) 夏期は平均気温が平年よりも5℃以上低い日が3 日続いた あと、さらに 2 日以上続くとき 急激な温度の変化に対応できるように、常々防寒対策の準備をしておいて下 さい。 3)防寒対策の具体策 (1)風対策 ① 隙間風を防ぐ 隙間風は、舎内の温度むらをつくり、雛の居住区域が制限されます。 隙間風の侵入部分は恒常的な目張りを施して下さい。 ② 寒風による熱の流出を防ぐ a.防風柵を設けます 北側 96 b.防風林を設けます(針葉樹) 北側 (2)断熱効果を高めます ①オープン鶏舎 a.風の強い場所の一重カーテン鶏舎の内側にビニールを張り、二重カーテ ン風にします。 b.風が比較的穏やかな場所の一重カーテン鶏舎では外側にビニールを 張り、二重カーテン風にすることもできます。 ② ウインドレス鶏舎 a.断熱材のつなぎ目に目張りをします。 b.内壁にアルミ箔を貼ります。 c.内側にビニールシートを張り、空気層を作ります。 (3)オープン鶏舎の例 ① 導入時(図1) ・ 外気の影響を少なくするために、北側、山側にはカーテンの内側・外側 にビニールを張ります。 (内ビニール・外ビニール) ・ 内ビニールとカーテンとの間隔を約5cm 取ると断熱効果が高まります。 ・ 南側には、カーテンの外側に外ビニールを張ります。 ・ 舎内は、保温する空間を小さくするためにビニールで囲います。 (保温ビ ニール) この際、ビニールの裾を 20 ㎝以上余します。 図 1:導入時 風向き ビニール(天井がない場合はハリを利用) 外ビニール (南側) 保温ビニール 内ビニール ブルーダー 保温ビニール 外ビニール (北側) 山側など寒い側 チックガード カーテン カーテン 97 ② 1~7 日令(図 2) ・ ガードを南側に広げます。 ・ ガード拡張と共に保温ビニールも広げます。 ・ ブルーダーの高さを調整します。 ・ 換気は、保温ビニール下部の開閉によって行います。 図 2:1~7 日令 風向き 保温ビニール 保温ビニール (南側) (北側) チックガード ③ 8~14 日令(床面の約半分を使用する時期の状態) (図 3) ・ ガードを北側に広げます。 ・ 換気は、カーテン上部の開閉によって行います。 ・ 保温ビニールを巻き上げます。 ・ ブルーダーの高さを調整します。 図 3:8~14 日令 風向き (北側) (南側) 98 ④ 15~35 日令(図 4) ・ 保温ビニールは外します 。 ・ ガードは壁際に移動させます。 (残す場合が多い。 ) ・ 送風ファンがあれば、上部空気カクハンの為に数台使用します。 ・ カーテン上部の開け幅は、天候・外気温・舎内状況によって調整します。 図 4:15~35 日令 風向き (北側) (南側) ガード ガード ⑤ 36 日令以降(換羽が完了し、換気重点の時期の状態) (図 5) ・ カーテン上部の開閉は、天候、気温、舎内状況を確認しながら適宜対処 します。 ・ 外ビニールは下部で二重になるよに折り曲げておきます。 ・ 内ビニールは残しておくと便利です。 (強風時のクッション) 図 5:36 日令以降 風向き (北側) (南側) ガード ガード 99 (4)ウインドレス鶏舎の例 断熱の程度と密閉度により異なりますが、ビニールで囲うことは大変効果が あります。 ① 入雛時(図 6) ・ 舎内をビニールで囲います。 (ビニールの裾を 20 ㎝以上余します。 ) ・ 保温状態によって囲いの大きさを調整します。 ・ 入気口は目張りをします。 図 6:入雛時 保温ビニール 保温ビニール 内ビニール ブルーダー チックガード ② 1~7 日令(図 7) ・ ガードを排気側に広げます。 ・ ガード拡張と共に保温ビニールも広げます。 ・ 換気は、保温ビニール下部の開閉によって行います。 ・ 3日令からは上部入気口の目張りを徐々にはがします。 図7:1~7日令 ブルーダー チックガード 100 ③ 8~14 日令(床面の約半分を使用する時期の状態) (図 8) ・ ガードは入気口側に広げます。 ・ 入気側の保温ビニールを巻き上げます。 ・ 排気側の保温ビニールは外します。 図 8:8~14 日令 ④ 15 日令以降(図 9) ・ 入気側のビニールを外します。 図 9:15 日令以降 101 Ⅸ.補 足 1)平均値、標準偏差、変動係数の計算法 体重測定記録の例(単位 g) 172 183 209 185 155 163 190 174 189 189 162 172 199 174 194 171 189 174 187 166 199 164 154 166 200 177 155 184 170 193 170 (N=31) (1)計算方法 ① 測定値をそのまま用いての方法 平均値=X の合計÷測定数(N) 測定値 測定値の 2 乗 X X2 172 29584 172 29584 ・・・ 変動=X2の合計-(X の合計)2÷N =992523-{(5529)2÷31}=6399.10 ・・・・・ 163 26569 189 35721 ・・・ =5529÷31=178.4g 標準偏差={変動÷(N-1)}の平方根 ={6399.10÷(31-1) }の平方根 ・・・・・ 170 28900 162 26244 合計 5529 992523 =±14.60g 変動係数=標準偏差÷平均値×100 =14.60÷178.4×100=8.18% ② パソコンを使用する方法 * エクセルなどの表計算ソフトを利用し、平均値、標準偏差、変動係数の計 算プログラムを作成し、何時でも測定値を入力すれば計算結果が表示され ます。 (2)標準偏差と変動係数の内容 ① 標準偏差(Standard Deviation、S.D.)の意味 群のバラツキの度合いを表す数値です。 標準偏差が小さいときは、その群がよく揃っていると言うことです。 標準偏差が大きいときは、その群がばらついていると言うことです。 102 平均値±標準偏差の幅に含まれる割合 :68.3% 平均値±標準偏差の 2 倍の幅に含まれる割合:95.4% 平均値±標準偏差の 3 倍の幅に含まれる割合:99.7% * 標準偏差が小さい(良く揃っている)鶏群の分布図 -3SD -2SD -SD 平均 SD 2SD 3SD * 標準偏差が大きい(ばらついている)鶏群の分布図 -3SD -2SD -SD 平均 103 SD 2SD 3SD ② 変動係数(Coefficient of Variation、C.V.)の内容 平均値に対する標準偏差の割合です。 変動係数から平均体重±10%のなかに含まれる鶏群の割合が分かります。 例) CV(%) 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 変動係数と平均体重±10%に含まれる羽数割合 平均体重 3,000g 羽数 10,000 羽の場合 斉一性±10%(%) 2700g 未満 2700g 以上~3300g 未満 95.4% 230 羽 9,540 羽 90.4% 480 羽 9,040 羽 84.7% 765 羽 8,470 羽 78.7% 1,065 羽 7,870 羽 73.3% 1,335 羽 7,330 羽 68.3% 1,585 羽 6,830 羽 63.7% 1,815 羽 6,370 羽 58.2% 2,090 羽 5,820 羽 55.8% 2,210 羽 5,580 羽 52.0% 2,400 羽 5,200 羽 49.5% 2,525 羽 4,950 羽 46.8% 2,660 羽 4,680 羽 3300g 以上 230 羽 480 羽 765 羽 1,065 羽 1,335 羽 1,585 羽 1,815 羽 2,090 羽 2,210 羽 2,400 羽 2,525 羽 2,660 羽 2)顕熱と潜熱 顕熱とは 物質の状態を変えずに、温度を変化させるために費やされる熱量です。 潜熱とは 物質の状態変化のとき、温度変化を伴わずに吸収または放出される熱量です。 融解熱・気化熱などが挙げられます。 放 射 対 流 周囲の物体の温度を上昇 顕熱 伝 道 (感放熱) 体熱の放散 体表面 潜熱 (蒸散) 湿度を上昇 呼 吸 水の蒸発に伴う気化熱 104 3)エネルギー ○ 鶏が摂取したエネルギーの利用と分配 飼料総エネルギー 糞のエネルギー 可消化エネルギー 尿のエネルギー 代謝エネルギー 熱増加 正味エネルギー 維持 A.基礎代謝 B.随意運動 C.体温を温めておくためのエネルギー D.体温を冷やしておくためのエネルギー 生産 A.成長 B.脂肪 C.卵 D.羽毛 E.仕事 体熱の放散 飼料摂取(100%) 熱生産(~15.0%) 排泄物(~27.5%) 維持(~37.5%) ・ 生産(~20.0%) 105 4)骨格(図) 106 5)内臓(模式図) 107 6)鶏舎内の空気性状について 酸 素 19.6%以上 二酸化炭素 0.3%以下 一酸化炭素 10ppm 以下 アンモニア 10ppm 以下 ※ これらの要素が見合っていない場合は、 “最低換気”を増やします。 7)浮遊粉塵(ホコリ)と細菌数 ○ 浮遊粉塵(ホコリ)の量と細菌数との間には高い正の相関があります。 8)水洗とブラッシング 除糞後のコンクリート床面の割目やくぼみには、鶏糞が 5~30mg/㎡残っていま す。 残っている鶏糞をできるだけ排除するには、 物理的に洗浄するのが効果的です。 洗浄水の量を多くすることも必要です。 〔鶏舎内の床面の滑らかさと洗浄法の違いによる残留 N 分〕 床面の滑らかさ 洗浄方法 洗浄水量(㍑/㎡) 残留 N 分(mg/㎡) 滑 ら か 粗 い 業務用電動ポリッシャー スチームクリーナー ポリッシャー デッキブラシ ポリッシャー+クレンザー ポリッシャー 20 10 20 20 9.8 9.8 38.8 147.0 50.0 40.0 59.6 136.6 (全農 大田 1982) 108 〔鶏舎床面の洗浄に用いた水量の違いと残留 N 分〕 洗浄方法 洗浄水量(㍑/㎡) 残留 N 分/㎡) 22 25.0 18 44.4 デッキブラシ 13.5 54.6 9 60.5 (全農 大田 1982) 9)消毒と細菌数 下図でブロイラー出荷後の水洗・消毒の効果を示します。 ① 鶏舎床面の付着菌数 ② 鶏舎内落下細菌 床上 50cm における落下細菌数 109 10)消毒薬の人に対する急性毒性 (鶏病研究会報) 消 毒 薬 人に対する急性毒性 飲下すると口食腔、食道粘膜を刺激し潰瘍を起こ 塩素剤・ し喉頭水腫を生じます。蒸気吸入で気管支を激し 次亜塩素酸ナトリウム溶液 く刺激し肺水腫を生じます。皮膚に長時間接触す ると湿疹壊疸を起こすので重曹水で洗浄します。 最高作業場濃度 5ppm(22g/m3) 、皮膚よりの吸収が 遅いため致死は少ないのですが、中枢神経麻痺、 フェノール類・ 石炭酸尿、腎炎を起こします。経口的には強い腐 オルソクレゾール 蝕性のため胃の神経麻痺、嘔吐できず死に至りま す。 オルソ剤・ 最高作業場濃度 50ppm(300g/m3) 、皮膚より容易に オルソジクロールベンゾール 吸収され 1,000 ppm で致死的麻痺が起こります。 皮膚刺激が強い。肝腎が冒されます。 逆性石鹸 皮膚刺激があります。 一般に毒性は逆性石鹸より弱いが、なかには強い 両性石鹸 ものがあります。 経口 LD5030mg/㎏、最高作業場 0.1ppm(1mg/m3) 、 ヨウ素蒸気 0.1ppm までは呼吸器に影響ありませ んが、0.15~0.2ppm で苦痛に、0.3ppm で耐え得な くなります。経口致死量は塩素、臭素に比し弱い ヨウ素剤・ヨードホール のですが刺激性は強いです。濃度により咳嗽、鼻 炎、催涙、耳下腺腫脹、頭痛、眩暈、耳鳴、眼華 閃発等の障害を起こし、濃厚蒸気の吸入で肺水腫 を起こし死に至ります。 最高作業場 5ppm(6mg/m3) 、臭気は 0.8ppm で感じ ます。低濃度でまず目の粘膜を、高濃度では気道 を刺激し咳嗽、胸部顎部圧迫感、粘膜の出血糜爛、 ホルムアルデヒド 吸入後食欲減退、食物嫌悪、体重減、衰弱、不眠 を起こします。慢性中毒は知られていませんが、 人により過敏症を起こします。 110 11)ネズミの生態 耳の大きさの比較 (宇田川 1981) クマネズミ ドブネズミ 家鼡 種の特徴 種 類 クマネズミ 外見の特徴 型と成獣の大きさ 家と周辺での主な行動 耳たぶが薄く大 大 体長 18~ 20cm きい 型 体重 120~200g 尾が胴より長い の 行動の型 天井裏、壁の中、なげし、 立体的 はりの上、棚や家具の上 (縦に行動) など高所、乾いた場所 中 ドブネズミ 耳たぶが厚めで 大 体長 小さい 体重 200~400g 型 20~ 26cm 床下、台所、地下室、下 平面的 水、石垣、植込、川岸な (横に行動) 尾が胴より少し の ど水分の多い場所、土中 短い に穴を掘る 大 主なねずみの種類、形態、分布、生息環境 亜科名および 尾 体 (頭胴長) 長 重 背面 18 20 120 黒色 ~ ~ ~ また 20 22 200 は茶 cm cm 褐色 ドブネズミ 20 18 200 灰 R・norvegicus ~ ~ ~ 褐 3. 眼が大きい。 26 24 400 色 4. 耳殻が毛の外に cm cm 一般特徴 ネズミ亜科 Murinae 1. 尾長が体長(頭胴 主な種名 クマネズミ クマネズミ 属 R・rallus Rallus 長)とほぼ同じく らい。 2. 顔や頭が細長い。 突出する。 111 g g 毛色 分 生息 腹面 布 環境 黄 全 色 屋内(屋外) 体長 属名 白 全 屋内 国 国 色 ・ 屋外 クマネズミ ドブネズミ 「家鼡」の寿命と繁殖 種 別 寿 命 繁殖可能期間 妊娠期間 年間分娩回数 1 回の産仔数 クマネズミ 約3年 生後約 3 ヶ月~2 年 約 21 日 5~6 回 平均約 6 匹 ドブネズミ 約3年 生後約 3 ヶ月~2 年 約 25 日 5~6 回 平均約 9 匹 -21 日 0日 15 日 30 日 70~90 日 2年 ←―胎児期→←哺乳期→←――――活動期―――――→←成獣期→←―老成期―― 懐 出 開摂離 生 生 眼食 殖 殖 歩行 開 停 妊 生 行動乳 始 止 ←(胎生期)→←―――――――――(成長期)―――――――――→ ネズミの一生(クマネズミ) 注)ドブネズミもほほ同じ (環境衛生ブック) 112 12) 各地の日の出、日の入り 1 札幌 青森 日出 日入 日出 日入 1月1日 7:06 16:10 7:01 16:19 1月11日 7:05 16:19 7:01 16:29 1月21日 7:00 16:31 6:57 16:40 1月31日 6:52 16:44 6:49 16:52 2月10日 6:40 16:58 6:39 17:04 2月20日 6:27 17:11 6:26 17:17 3月2日 6:09 17:25 6:10 17:29 3月12日 5:52 17:37 5:54 17:41 3月22日 5:35 17:49 5:37 17:51 4月1日 5:17 18:01 5:21 18:02 4月11日 5:00 18:13 5:05 18:12 4月21日 4:43 18:24 4:49 18:23 5月1日 4:28 18:36 4:36 18:33 5月11日 4:16 18:47 4:24 18:44 5月21日 4:06 18:57 4:15 18:53 5月31日 3:58 19:06 4:08 19:02 6月10日 3:55 19:13 4:05 19:08 6月20日 3:55 19:17 4:05 19:12 6月30日 3:58 19:18 4:09 19:13 7月10日 4:05 19:15 4:14 19:10 7月20日 4:13 19:08 4:22 19:04 7月30日 4:23 18:58 4:31 18:55 8月9日 4:34 18:46 4:41 18:43 8月19日 4:44 18:31 4:51 18:30 8月29日 4:55 18:15 5:01 18:15 9月8日 5:06 17:57 5:11 17:58 9月18日 5:17 17:40 5:20 17:41 9月28日 5:28 17:22 5:30 17:24 10月8日 5:40 17:04 5:41 17:08 10月18日 5:51 16:47 5:51 16:52 10月28日 6:04 16:32 6:03 16:39 11月7日 6:17 16:19 6:14 16:27 11月17日 6:29 16:09 6:26 16:17 11月27日 6:42 16:03 6:38 16:12 12月7日 6:52 16:00 6:48 16:09 12月17日 7:00 16:01 6:55 16:11 12月27日 7:05 16:06 7:00 16:16 12月31日 7:06 16:09 7:01 16:19 月 日 113 盛岡 日出 日入 6:56 16:21 6:56 16:30 6:52 16:41 6:45 16:53 6:35 17:05 6:23 17:16 6:07 17:29 5:52 17:39 5:36 17:49 5:20 17:59 5:04 18:09 4:49 18:19 4:36 18:29 4:25 18:39 4:16 18:48 4:10 18:57 4:07 19:03 4:07 19:07 4:11 19:07 4:16 19:05 4:24 18:59 4:32 18:51 4:42 18:40 4:51 18:26 5:00 18:12 5:10 17:56 5:19 17:39 5:28 17:23 5:38 17:07 5:48 16:52 5:59 16:39 6:10 16:27 6:22 16:18 6:33 16:13 6:43 16:11 6:50 16:13 6:55 16:18 6:56 16:21 仙台 日出 日入 6:53 16:26 6:53 16:35 6:50 16:46 6:43 16:57 6:34 17:08 6:22 17:19 6:07 17:31 5:52 17:41 5:37 17:50 5:22 18:00 5:07 18:09 4:53 18:18 4:40 18:28 4:29 18:37 4:21 18:46 4:15 18:53 4:13 18:59 4:13 19:03 4:16 19:04 4:22 19:02 4:29 18:57 4:37 18:48 4:46 18:38 4:54 18:25 5:03 18:11 5:12 17:56 5:21 17:40 5:29 17:24 5:38 17:09 5:48 16:55 5:58 16:42 6:09 16:31 6:20 16:23 6:30 16:18 6:40 16:16 6:47 16:18 6:52 16:23 6:53 16:26 宇都宮 日出 日入 6:52 16:35 6:53 16:44 6:50 16:54 6:44 17:04 6:35 17:15 6:24 17:25 6:10 17:36 5:56 17:45 5:41 17:54 5:27 18:03 5:12 18:11 4:59 18:20 4:47 18:29 4:37 18:37 4:29 18:45 4:24 18:53 4:22 18:58 4:22 19:02 4:25 19:03 4:30 19:01 4:37 18:56 4:45 18:49 4:53 18:39 5:01 18:27 5:09 18:13 5:17 17:59 5:25 17:44 5:33 17:29 5:41 17:14 5:50 17:00 6:00 16:48 6:10 16:38 6:20 16:31 6:30 16:26 6:39 16:25 6:46 16:27 6:51 16:32 6:52 16:35 さいたま 日出 日入 6:51 16:38 6:52 16:46 6:49 16:56 6:43 17:07 6:35 17:17 6:24 17:27 6:10 17:37 5:57 17:46 5:42 17:55 5:28 18:03 5:14 18:12 5:01 18:20 4:49 18:28 4:39 18:37 4:32 18:45 4:27 18:52 4:25 18:57 4:25 19:01 4:28 19:02 4:33 19:00 4:40 18:55 4:47 18:48 4:55 18:38 5:03 18:26 5:11 18:13 5:18 17:59 5:26 17:44 5:34 17:30 5:42 17:15 5:50 17:02 6:00 16:50 6:09 16:40 6:19 16:33 6:29 16:29 6:38 16:28 6:45 16:30 6:50 16:35 6:51 16:38 新潟 長野 日出 日入 日出 日入 6:59 16:35 6:59 16:42 7:00 16:43 7:00 16:50 6:56 16:54 6:57 17:00 6:50 17:05 6:51 17:11 6:41 17:16 6:42 17:22 6:29 17:27 6:31 17:32 6:14 17:38 6:17 17:43 6:00 17:48 6:03 17:52 5:45 17:58 5:48 18:01 5:29 18:07 5:33 18:10 5:14 18:16 5:19 18:18 5:01 18:25 5:06 18:27 4:48 18:35 4:54 18:36 4:37 18:44 4:44 18:44 4:29 18:52 4:36 18:52 4:24 19:00 4:30 19:00 4:21 19:06 4:28 19:05 4:21 19:09 4:29 19:09 4:25 19:10 4:32 19:10 4:30 19:08 4:37 19:08 4:37 19:03 4:44 19:03 4:45 18:55 4:51 18:55 4:54 18:44 5:00 18:45 5:02 18:32 5:08 18:33 5:11 18:18 5:16 18:20 5:19 18:03 5:24 18:05 5:28 17:47 5:32 17:50 5:37 17:32 5:40 17:35 5:46 17:17 5:48 17:21 5:55 17:02 5:57 17:07 6:05 16:50 6:07 16:55 6:16 16:39 6:17 16:45 6:26 16:31 6:27 16:37 6:37 16:26 6:37 16:33 6:46 16:24 6:46 16:31 6:54 16:26 6:53 16:33 6:58 16:32 6:58 16:39 6:59 16:34 6:59 16:41 2008年気象庁データより 12) 各地の日の出、日の入り 2 名古屋 岡山 日出 日入 日出 日入 1月1日 7:00 16:51 7:11 17:04 1月11日 7:01 16:59 7:12 17:12 1月21日 6:59 17:09 7:09 17:22 1月31日 6:53 17:19 7:04 17:32 2月10日 6:45 17:29 6:56 17:42 2月20日 6:34 17:39 6:45 17:51 3月2日 6:21 17:49 6:32 18:01 3月12日 6:07 17:57 6:19 18:10 3月22日 5:53 18:06 6:05 18:18 4月1日 5:39 18:14 5:51 18:25 4月11日 5:26 18:22 5:38 18:33 4月21日 5:13 18:30 5:25 18:41 5月1日 5:01 18:38 5:14 18:49 5月11日 4:52 18:46 5:05 18:57 5月21日 4:44 18:54 4:57 19:05 5月31日 4:39 19:01 4:53 19:12 6月10日 4:37 19:06 4:51 19:17 6月20日 4:38 19:10 4:51 19:20 6月30日 4:41 19:11 4:54 19:21 7月10日 4:46 19:09 4:59 19:20 7月20日 4:52 19:05 5:06 19:15 7月30日 5:00 18:57 5:13 19:08 8月9日 5:07 18:48 5:20 18:59 8月19日 5:15 18:36 5:28 18:48 8月29日 5:22 18:23 5:35 18:35 9月8日 5:30 18:10 5:42 18:21 9月18日 5:37 17:55 5:49 18:07 9月28日 5:45 17:41 5:56 17:53 10月8日 5:52 17:27 6:04 17:39 10月18日 6:01 17:14 6:12 17:26 10月28日 6:10 17:02 6:21 17:15 11月7日 6:19 16:53 6:30 17:05 11月17日 6:29 16:45 6:40 16:58 11月27日 6:38 16:41 6:49 16:54 12月7日 6:47 16:40 6:58 16:53 12月17日 6:54 16:42 7:05 16:56 12月27日 6:59 16:48 7:10 17:01 12月31日 7:00 16:50 7:11 17:04 月 日 114 鳥取 日出 日入 7:12 17:00 7:13 17:09 7:10 17:19 7:04 17:29 6:56 17:39 6:45 17:49 6:32 17:59 6:18 18:08 6:04 18:16 5:50 18:25 5:36 18:33 5:23 18:41 5:11 18:49 5:02 18:58 4:54 19:05 4:49 19:12 4:47 19:18 4:48 19:22 4:51 19:23 4:56 19:21 5:02 19:16 5:10 19:09 5:17 18:59 5:25 18:48 5:33 18:35 5:40 18:21 5:48 18:06 5:55 17:51 6:03 17:37 6:12 17:24 6:21 17:12 6:30 17:03 6:40 16:55 6:50 16:51 6:59 16:50 7:06 16:52 7:11 16:57 7:12 17:00 松山 日出 日入 7:14 17:11 7:15 17:19 7:12 17:28 7:07 17:38 6:59 17:48 6:49 17:57 6:36 18:06 6:24 18:14 6:10 18:22 5:57 18:30 5:43 18:37 5:31 18:45 5:20 18:52 5:11 19:00 5:04 19:07 4:59 19:14 4:58 19:19 4:58 19:23 5:01 19:24 5:06 19:22 5:12 19:18 5:19 19:11 5:26 19:02 5:33 18:51 5:40 18:39 5:47 18:25 5:54 18:11 6:01 17:58 6:08 17:44 6:16 17:32 6:24 17:21 6:33 17:11 6:43 17:05 6:52 17:01 7:01 17:00 7:08 17:02 7:12 17:08 7:14 17:10 山口 日出 日入 7:20 17:15 7:21 17:23 7:18 17:33 7:13 17:42 7:05 17:52 6:55 18:02 6:42 18:11 6:29 18:20 6:15 18:27 6:02 18:35 5:48 18:43 5:36 18:50 5:25 18:58 5:15 19:06 5:08 19:13 5:04 19:20 5:02 19:26 5:02 19:29 5:05 19:30 5:10 19:28 5:17 19:24 5:24 19:17 5:31 19:08 5:38 18:57 5:45 18:44 5:52 18:31 5:59 18:17 6:06 18:03 6:14 17:49 6:22 17:36 6:30 17:25 6:39 17:16 6:49 17:09 6:58 17:05 7:07 17:04 7:14 17:07 7:19 17:12 7:20 17:15 福岡 日出 日入 7:23 17:21 7:23 17:29 7:21 17:38 7:16 17:48 7:08 17:57 6:58 18:07 6:46 18:16 6:33 18:24 6:20 18:32 6:06 18:39 5:53 18:46 5:41 18:54 5:30 19:01 5:21 19:09 5:14 19:16 5:09 19:23 5:08 19:28 5:08 19:32 5:11 19:33 5:16 19:31 5:22 19:27 5:29 19:20 5:36 19:11 5:43 19:00 5:50 18:48 5:57 18:35 6:04 18:21 6:10 18:07 6:18 17:54 6:25 17:41 6:34 17:30 6:42 17:21 6:52 17:15 7:01 17:11 7:09 17:10 7:16 17:13 7:21 17:18 7:22 17:20 宮崎 鹿児島 日出 日入 日出 日入 7:14 17:21 7:17 17:25 7:15 17:29 7:18 17:33 7:14 17:37 7:16 17:42 7:09 17:47 7:12 17:51 7:02 17:56 7:05 18:00 6:53 18:04 6:56 18:08 6:40 18:13 6:44 18:17 6:28 18:20 6:32 18:24 6:16 18:27 6:19 18:31 6:03 18:34 6:06 18:37 5:50 18:41 5:54 18:44 5:39 18:48 5:43 18:51 5:29 18:55 5:33 18:58 5:20 19:02 5:24 19:05 5:14 19:09 5:18 19:11 5:09 19:15 5:14 19:18 5:08 19:20 5:12 19:23 5:09 19:23 5:13 19:26 5:12 19:24 5:16 19:27 5:16 19:23 5:20 19:26 5:22 19:19 5:26 19:22 5:28 19:13 5:32 19:16 5:35 19:04 5:39 19:07 5:41 18:54 5:45 18:57 5:48 18:42 5:51 18:45 5:54 18:30 5:57 18:33 6:00 18:16 6:03 18:20 6:06 18:03 6:10 18:07 6:13 17:51 6:16 17:54 6:20 17:39 6:23 17:43 6:27 17:28 6:30 17:32 6:36 17:20 6:39 17:24 6:44 17:14 6:47 17:18 6:53 17:11 6:56 17:15 7:01 17:10 7:04 17:14 7:08 17:13 7:11 17:17 7:13 17:18 7:16 17:22 7:14 17:21 7:17 17:25 2008年気象庁データより 13)7~9 月間の月別平均気温と期間内の最高温度(℃) (1999~2008 年 気象庁データより) 7月 8月 9月 札 幌 網 走 苫小牧 青 森 む つ 20.6 17.3 17.7 21.2 19.5 22.5 20.0 20.5 23.4 21.8 18.5 16.9 17.6 19.6 18.5 最高気 温/日 36.0 37.0 35.5 36.6 33.5 7月 8月 9月 鶴 阪 戸 岡 良 25.8 27.8 27.2 25.8 26.1 27.2 29.0 28.5 27.1 27.0 23.5 25.7 25.8 23.1 23.5 最高気 温/日 38.6 38.4 37.7 39.3 38.1 八 戸 盛 岡 大船渡 仙 台 秋 田 20.2 22.0 21.2 22.5 23.2 22.6 23.4 23.0 24.1 25.2 19.3 19.3 20.1 21.2 21.0 35.9 36.4 37.0 37.2 37.9 和歌山 鳥 取 米 子 松 江 岡 山 27.3 25.9 25.9 25.6 27.5 28.2 27.2 27.3 27.2 28.6 25.3 23.3 23.4 23.3 25.2 37.8 38.4 38.6 37.2 38.3 山 形 酒 田 福 島 水 戸 宇都宮 23.6 23.6 23.9 24.0 24.7 25.0 25.6 25.3 25.5 25.9 20.9 21.8 21.6 22.3 22.6 37.8 37.1 38.2 37.0 38.2 津 広 福 山 山 島 山 口 萩 25.3 27.1 26.6 26.5 26.0 26.3 28.2 27.8 27.4 27.2 22.9 25.0 24.5 24.1 23.6 37.3 38.6 37.5 37.2 36.6 前 熊 千 館 東 橋 谷 葉 山 京 25.6 26.0 25.6 25.2 26.4 26.6 27.0 27.0 26.6 27.6 23.0 23.6 24.0 23.9 24.5 40.0 40.9 37.8 36.3 39.5 徳 高 松 高 福 島 松 山 知 岡 26.9 27.5 27.1 27.1 27.4 28.0 28.5 28.0 27.8 28.3 25.2 25.2 25.1 25.4 25.1 36.9 37.8 36.9 38.3 37.3 横 甲 新 富 金 浜 府 潟 山 沢 25.6 26.0 24.7 25.4 25.6 26.8 26.8 26.9 27.1 27.5 23.9 23.5 23.1 23.2 23.6 36.9 40.4 38.2 38.8 37.7 飯 佐 長 熊 人 塚 賀 崎 本 吉 26.6 27.4 27.1 27.8 26.3 27.3 28.0 28.1 28.5 26.5 23.9 25.0 25.5 25.8 24.0 36.7 37.6 36.5 37.7 36.6 福 井 長 野 軽井沢 岐 阜 静 岡 25.8 24.1 20.0 27.0 26.0 27.4 25.3 20.7 28.2 27.1 23.5 21.3 17.0 24.8 24.6 36.9 36.9 33.1 39.8 37.9 大 日 宮 延 都 分 田 崎 岡 城 27.0 26.9 27.5 26.5 26.9 27.7 27.2 27.6 26.9 26.9 24.7 24.1 25.2 24.4 24.5 37.6 38.6 37.4 38.5 36.7 名古屋 津 彦 根 京 都 26.9 26.8 26.0 27.2 28.1 27.8 27.4 28.3 24.8 24.7 23.9 24.8 39.4 39.1 37.0 38.6 鹿児島 阿久根 枕 崎 那 覇 28.4 26.8 27.2 29.0 28.8 27.4 27.7 28.9 26.7 25.2 25.7 27.8 36.6 35.5 35.2 35.6 舞 大 神 豊 奈 115 14)12~2 月間の月別平均気温と期間内の最低温度(℃) (1999~2008 年 気象庁データより) -3.0 -6.0 -3.4 -0.6 -1.0 最高気 温/日 -15.0 -19.3 -19.2 -10.5 -17.6 12 月 1月 2月 鶴 阪 戸 岡 良 6.2 8.7 8.7 5.8 6.2 3.7 6.2 6.0 3.2 4.1 4.0 6.6 6.4 3.4 4.5 最高気 温/日 -5.8 -2.9 -4.5 -6.3 -4.9 舞 大 神 豊 奈 -0.6 -1.8 1.1 2.0 0.5 -0.3 -1.1 1.3 2.3 0.8 -11.3 -14.3 -10.4 -7.5 -10.3 和歌山 鳥 取 米 子 松 江 岡 山 8.5 6.7 7.1 6.9 7.4 6.1 4.1 4.7 4.6 5.1 6.5 4.5 5.0 4.9 5.8 -2.2 -5.9 -5.9 -5.8 -4.6 2.3 4.4 4.1 5.3 5.0 -0.1 2.0 1.8 3.3 2.9 0.3 2.1 2.4 3.9 3.8 -9.8 -8.9 -9.0 -7.7 -7.5 津 山 広 島 福 山 山 口 萩 4.4 7.4 6.7 6.6 8.1 2.5 5.4 4.6 4.7 6.0 3.3 6.0 5.1 5.5 6.5 -9.0 -4.0 -7.0 -7.6 -4.1 橋 谷 葉 山 京 5.9 6.4 8.4 8.8 8.7 3.7 4.3 6.0 6.3 6.3 4.4 5.2 6.6 6.9 6.9 -6.3 -6.5 -2.8 -5.0 -2.4 徳 高 松 高 福 島 松 山 知 岡 8.5 8.0 8.4 8.8 9.0 6.2 5.8 6.2 6.8 7.0 6.7 6.3 6.7 7.8 7.7 -3.6 -3.5 -4.5 -5.1 -2.5 浜 府 潟 山 沢 8.5 5.3 5.5 5.8 6.7 6.1 3.0 3.1 3.0 4.0 6.6 4.7 3.2 3.4 4.2 -2.5 -7.9 -4.9 -6.1 -4.2 飯 佐 長 熊 人 塚 賀 崎 本 吉 7.2 7.7 9.4 8.0 6.3 5.3 5.8 7.4 6.2 4.9 6.1 6.8 8.0 7.3 6.0 -4.3 -5.0 -2.6 -4.9 -6.8 福 井 長 野 軽井沢 岐 阜 静 岡 5.8 2.1 -0.7 6.9 9.0 3.1 -0.5 -3.4 4.6 6.8 3.5 0.3 -2.8 5.3 7.5 -5.6 -12.0 -17.9 -6.2 -4.2 大 日 宮 延 都 分 田 崎 岡 城 8.8 5.9 9.7 8.6 8.0 6.6 4.2 7.9 6.9 6.2 7.3 5.4 9.0 7.8 7.5 -2.8 -7.3 -3.9 -5.2 -6.5 名古屋 津 彦 根 京 都 7.0 8.0 6.4 7.0 4.7 5.6 3.8 4.8 5.4 5.9 4.1 5.3 -5.7 -3.9 -6.8 -4.2 鹿児島 阿久根 枕 崎 那 覇 10.9 10.0 10.9 19.1 8.9 8.1 9.1 17.4 9.8 8.7 9.7 17.5 -1.5 -1.8 -1.8 9.0 12 月 1月 2月 札 幌 網 走 苫小牧 青 森 む つ -1.4 -2.9 -1.7 1.2 1.0 -3.4 -5.4 -3.7 -0.9 -1.2 八 戸 盛 岡 大船渡 仙 台 秋 田 1.5 0.6 3.3 4.2 2.7 山 形 酒 田 福 島 水 戸 宇都宮 前 熊 千 館 東 横 甲 新 富 金 116 15)真夏日の年間日数(1999~2008 年の平均) 那覇 熊本 日田 鹿児島 大阪 京都 佐賀 人吉 都城 岐阜・岡山 久留米・甲府 高松・名古屋 高知 和歌山・鹿島 松山・広島・奈良 豊岡 宮崎・大口 福山・飯塚 101 89 87 82 81 79 77 76 75 73 72 70 69 68 67 66 山口・熊谷 三豊 徳島・神戸 大分・福岡 長崎 延岡・鳥取・舞鶴 津山・枕崎 前橋 阿久根 福井 東京・津 彦根 静岡・松江 米子・伊万里 宇都宮・長野 萩・千葉・横浜 竹田 金沢・富山 65 64 63 62 61 60 59 57 56 55 54 52 51 50 49 48 ・真夏日とは、最高気温が 30℃を超えた日の事です。 館山・福島 高千穂 山形 水戸・新潟 一関 酒田 秋田 盛岡・仙台 御殿場 八戸・青森 大船渡 札幌 むつ 軽井沢 網走 苫小牧 47 44 43 38 29 27 21 20 14 13 11 8 7 6 5 1 気象庁データより 16)冬日の年間日数(1999~2008 年の平均) 軽井沢 網走 苫小牧 札幌 盛岡 むつ 八戸 青森・長野 一関 山形 大船渡 秋田 津山 宇都宮 水戸 福島 仙台 高千穂 大口・御殿場・甲府 150 148 141 123 122 121 108 104 103 98 92 82 74 73 71 70 67 65 64 竹田 日田 酒田 三豊 前橋・奈良 人吉 熊谷 福山 豊岡 富山 都城・福井 山口 舞鶴 新潟 飯塚・岐阜・館山 鳥取 鹿屋・伊万里・彦根 名古屋・熊本 金沢 ・冬日とは、最低気温が 0℃未満の日の事です。 117 58 56 55 51 50 47 46 44 41 40 38 37 36 34 29 28 27 25 24 米子 延岡・松江・佐賀 久留米 京都・岡山 静岡 高知 広島 高松 宮崎・大分 松山・津 萩 徳島・千葉 和歌山・神戸 横浜・大阪・長崎 福岡・東京 枕崎 阿久根・鹿児島 那覇 気象庁データより 23 22 20 19 17 16 15 13 11 10 7 6 4 3 2 1 - 17)熱帯夜の年間日数(1999~2008 年の平均) 那覇 鹿児島 神戸 大阪 長崎 福岡 岡山 枕崎 和歌山・広島・津 東京 高松・熊本・徳島 久留米 105 60 50 45 40 39 36 34 32 31 30 27 松山・京都 岐阜・千葉 名古屋・佐賀・阿久根 宮崎・横浜・鹿屋 高知 金沢 萩・大分 米子・彦根・伊万里 山口 松江・飯塚・館山 静岡・福山・新潟 福井 26 25 24 23 22 18 17 16 15 14 13 12 熊谷 鳥取 舞鶴 富山・豊岡 都城・前橋 日田・甲府 福島・延岡・酒田 奈良・宇都宮 水戸・秋田 三豊・津山 人吉・大口・一関 仙台・長野・山形 ・熱帯夜とは、最低気温が 25℃以上になった夜の事です。 11 10 9 8 6 5 4 3 2 1 気象庁データより 18)照度管理 <平均照度25ルックス以上:0~7日令> ・ 鶏舎全体を明るくするのではなく、ガード周りを明るくする為に延長コード などを利用して電球を下げて使用し照度を確保します。 ・ 1 ブルーダー当り電球 2 個(60W 相当)を目安に下げれば照度が取れます。 <平均照度 5 ルックス以下:8 日令以降> ・ 鶏舎全体を 5 ルックスにするには、総光束により求めます。 必要とされる総光束は、照明高、鶏舎幅、鶏舎長によって異なります。 (表①参照) ・ 総光速は光束×白熱球数で求められます。光束は白熱球のワット数により異 なります。 (下表参照) 白熱球のワット数と光束の関係 ワット 光束 10 75 20 170 30 325 40 485 60 810 8(蛍光) 485 ・光束:一般に、光の量を表します。単位:ルーメン(lm) 118 【平均照度5ルックスの計算例 】 条件)300 坪鶏舎:鶏舎幅 6 間(約 11m) 、鶏舎長 50 間(約 90m) 、電球高さ 2 mに必要な総光束は表①より、12,140 ルーメンです。 ・ 20ワット白熱球を使用した場合 12,140lm÷170lm≒70個(4坪毎に約1個の照明)=11,900lmとなります。 注意:光束の大きい電球で少ない個数の設置にした場合は、照度のムラが大き くなり雛のバラツキに繋がります。 * 照度計にて実測をして下さい。 表①平均照度 5 ルックスに必要総光束 照明高 鶏舎幅 鶏 舎 長 (軒) 60m 70m 80m 90m 100m 5 6,740 7,870 8,990 10,110 11,240 6 7,420 8,650 9,890 11,130 12,360 1.5 7 8,650 10,100 11,540 12,980 14,420 8 9,890 11,540 13,190 14,840 16,480 5 7,060 8,240 9,420 10,600 11,770 6 9,080 9,440 10,790 12,140 13,490 2.0 7 9,440 11,010 12,590 14,160 15,730 8 10,790 12,590 13,190 14,840 16,480 5 7,810 9,110 10,410 11,710 13,010 6 8,480 9,890 11,300 12,720 14,130 2.5 7 9,890 11,540 13,190 14,840 16,480 8 10,790 12,590 14,390 16,180 17,980 5 8,480 9,890 11,300 12,720 13,010 6 9,370 10,930 12,490 14,050 15,620 3.0 7 10,930 11,540 13,190 14,840 16,480 8 11,300 13,190 15,070 16,950 18,840 110m 12,360 13,600 15,870 18,130 12,950 14,840 17,310 18,130 14,310 15,540 17,310 19,780 14,310 17,180 18,130 20,720 120m 13,490 14,840 17,310 18,620 14,130 16,180 18,880 19,780 15,620 16,950 18,880 21,580 15,620 18,740 19,780 22,610 ※ 白熱電球は、今後、地球温暖化防止の為、製造中止になる事が懸念されます。 今後は、蛍光灯や新しく開発された LED(発光ダイオード)が主流になりラン ニングコストは、低減されますが、商品単価が高く切り換えには充分な検討が 必要かと思われます。 又、最近の蛍光灯や LED は、スライダックスが使えるものがあり照度管理がし 易くなっています。 購入にあたっては、専門家や業者に相談して下さい。 119 19)点灯管理 1)点灯管理の目的 (1)最近のブロイラーは育種改良が進み、増体性・要求率・歩留まりが著しく改善 されています。 (2)一方で、飼育環境によっては代謝異常による疾患(ポックリ、腹水症)や、脚弱 の発生により育成率に影響を与える可能性があります。 (3)これらの現象は、初期の発育段階で骨格・循環器系が充分に発達する前に筋肉 が急速につくことに起因します。 (4)そこで点灯管理により、増体性・要求率の改良が進んだ、ブロイラーの能力を 最大限に発揮させる為に、初期段階における適切な骨格・循環器系の発育を助 けます。 (5)また、昨今の動物福祉においても推奨されている飼育方法です。 点灯管理のメリット * 要求率の改善-暗期における酸素消費量と熱産生の節約 * 斉一性の改善 * 日増体(同等もしくはそれ以上) * 免疫性の改良 * 一度の採食量が多くなり嗉 嚢 が大きく発達(飼料要求率の向上) 注意点 * 適切な飼料栄養による体重コントロールと正しい点灯プログラムを組み合 わせて下さい。 一点灯プログラムだけで全ての問題を解決するものではありません。 * 点灯管理を実施する前に成績を安定させる事が大切です。 その上で更なる成績改善のチャレンジに役立てて下さい。 * 喧騒性が高くなった場合、処理場において傷の問題が発生する可能性があ ります。 * 実施に当たっては経験者や松阪ファーム社員等へ相談して下さい。 点灯プログラム事例の紹介 * 点灯プログラムには決まったものはなく、各農場、鶏舎、季節など様々な 環境に応じて修正する必要があります。 120 点灯プログラム例 1 坪羽数 46-59 羽 日増体 50-60g 日令 0 1 100-160g 22 23 24 出荷 5 日前 出荷 4 日前 出荷 3 日前 出荷 2 日前 出荷前日 出荷体重 2.0-3.0kg 点灯時間 24 23 15 16 17 18 19 20 21 22 23 点灯プログラム例 2 坪羽数 46 羽以下 日増体 60g 以上 出荷体重 3.0kg 以上 日令 点灯時間 0 24 1 23 100-160g 12 22 13 23 14 24 15 29 16 30 17 31 18 出荷 5 日前 19 出荷 4 日前 20 出荷 3 日前 21 出荷 2 日前 22 出荷前日 23 121 消灯時間 0 1 9 8 7 6 5 4 3 2 1 消灯時間 0 1 12 11 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1 20)生産指数(P.S.) PS= 育成率×出荷体重(kg)×100 出荷日令×FCR(飼料要求率) 【計算例】 ・ 50 日令出荷、出荷体重 3.0kg、育成率 95%、FCR1.90 95.0×3.0×100 50.0×1.90 =300 ○上記の PS を 300 から 310 にする為には下記の改善が必要となります。 ① 出荷日令(A)のみ改善の場合 310= 95.0×3.0×100 A×1.90 A=48.4 日令⇒1.6 日の改善が必要です。 ②出荷体重(B)のみ改善の場合 310= 95.0×B×100 50.0×1.90 B=3.1kg⇒100gの改善が必要です。 ③育成率(C)のみ改善の場合 310= C×3.0×100 50.0×1.90 C=98.2%⇒3.2%の改善が必要です。 ④FCR(D)のみ改善の場合 310= 95.0×3.0×100 50.0×D D=1.84⇒0.06 の改善が必要です。 122 21)断熱の効果について (1)風速と熱伝導率 ・ 室内の熱を含んだ空気から壁を通して外の空気へ熱が伝わるような現象を 熱通過といいます。 ・ この現象は、高温側空気から低温側の壁面に熱が伝わり(熱伝達) 、次にこ の熱は、 壁体中を高温側壁面から低温壁面側に向かって流れます。 (熱伝導) ・ 低温側壁面に達した熱は、壁面よりさらに温度の低い空気へと伝わり(熱伝 達)、壁を通過する熱流が生じます(熱通過) 。 内部空気(暖) 熱伝達 壁 外部空気(寒) 熱伝導 熱伝達 ・ 熱伝達の割合(熱伝達率、kcal/㎡・時・℃)は、空気の流れの速度(風速) によって、並びに壁と空気の流れの間に生じる境界層の厚さによって変化 します。 境界層の厚さは、風の速度に強く影響を受けます。 (風速が遅い時に境界層 は薄くなる)とともに、壁面の形態(壁の表面の仕上げが平滑かあるいは 粗いか、また材料の種類等)によって変わります。 (壁面が平滑であると 境界層は薄くなります。 ) 境界層 壁 空気 境界層の厚さは、 空気の速度・温度・ (粘性) 、壁の 表面の状態などで異なります。 ・ 断熱のためには、熱伝導率は小さいほどよく、そのためには境界層が薄く て、風速が低いことが理想的(断熱効果がよい)です。 123 材質表面の粗滑に対する風速(m/秒)と熱伝導率(kcal/㎡・時・℃)の例 表面 平 荒 コ ガ れ 松 松 風速 滑 面 ン ク 板 漆 漆 リ ー 喰 喰 ト ラ ス ん が 板 (平滑) 白 ペ ン キ 2.24 4.47 6.60 8.94 3.25 3.88 3.86 2.96 3.96 3.11 3.16 4.60 5.82 5.61 4.30 5.80 4.60 4.50 5.94 7.80 7.40 5.50 7.70 6.03 5.75 7.22 9.70 9.10 6.70 9.60 7.39 6.90 ・ 風当たりの強い場所では、防風柵を設けるとともに、鶏舎の外壁面に 熱反射の良い白ペンキを塗るとか、内壁にアルミニウム箔を張ったり、 ビニールカーテンを使用するなどの処置をして下さい。 ・ 人が、冬期に、風に当たると気温がそれほど低くなくても大変寒く感じる のは、風で熱伝達率が増すためです。 (2)断熱と結露 ① 結露 ・ 結露は空気中に含まれる水蒸気が、飽和温度より低い温度の物体に触れ ると水に変わり、物体に水滴が付着した状態です。 ・ 0℃の空気中には 4.8g/m3 の水蒸気しか含むことができないが、20℃の 空気中には17.2g/m3 の水蒸気を含むことができます (飽和水蒸気量) 。 3 ・ 例えば、鶏舎の室温が 20℃で 14g/m の水蒸気を含み、壁面の温度が 5℃(飽和水蒸気量は 6.8g/m3)とすると、14-6.8=7.2g/m3 が水と なり壁面に付着します。 気温(℃)と飽和水蒸気量(g/m3) 気温(℃) -5 0 5 10 15 20 25 30 35 40 飽 和 水 蒸 気 量 3.4 4.8 6.8 9.3 12.8 17.2 22.8 30.4 39.2 51.2 124 (3)断熱材と水 ・ 断熱材は、その材料が多孔質になるほどその中に空気層が多くなり熱伝導 率が小さくなり、断熱効果が高まります。 (但し同じ材料でも密度が低くな ると空隙が増え、空気に対流が生じると断熱効果が低下します。 ) 断熱材 熱伝導 熱放射 気泡 熱が材料中を伝わる場合、放射による伝熱量は、無数にある隔壁のため、 ほとんど 0 になり、この結果、熱流は主として材料に含まれる空気中の 熱伝導によって生じます。 材料 杉 ベニヤ 石綿スレート 発泡樹脂板 ガラス綿板 各種材料の熱伝導率(kcal/㎡・時・℃) 熱伝導率 材料 熱伝導率 材料 0.11 0.13 1.25 0.03 0.03 鋸屑(ラワン) 0.07 もみがら 0.13 コンクリート 1.40 熱伝導率 空気(20℃) 0.022 水(20℃) 0.514 氷(0℃) 1.90 雪(新雪) 0.06 雪(しまり雪) 0.10-0.17 ・ 水の熱伝導率は上表から判るように、空気より約 23 倍も大きいものです。 ・ もし、断熱材の中に結露した水や、水洗の祭の水が吸収されると断熱効果 は著しく減少します。 ・ 断熱材と断熱材のつなぎ目や、断熱材の破損部分など、水が吸収しやすい ところには、しっかりとした目張りを施して下さい 125 22)消毒薬の種類と特徴 ① 逆性石鹸…鶏舎、器具などの消毒 界面活性剤の一種で、陽性石けん、第 4 級アンモニウム塩などとも呼ばれ ます。 広範囲で強い殺菌・殺ウイルス力があり、安全性(毒性・刺激性が低い) 、 安定性が良く、金属腐食性が低いことが挙げられます。 ② オルソ剤…鶏舎床面などの消毒 化学物質としてはフェノール(石炭酸)やクレゾールと同系統ですが、オル ソジクロルベンゼンを主剤として、コクシジウムオーシストを殺滅する効 果があります。 紫外線、凍結による分離、有機物の混入などで効力が薄れます。 排水規制物質を含有しています。 ③ ヨード剤・・・鶏舎の消毒(金属腐食に注意して下さい) ヨード剤は、ハロゲン系消毒薬です。 酸性側での殺菌力は強いのですが、皮膚や粘膜の刺激が強く、また強い金 属腐食性を持っています。 ④ 塩素剤…鶏舎消毒 塩素は、一般に広範囲の細菌、ウイルス、芽胞菌、さらには原虫に強い効 力を発揮します。 次亜塩素酸ソーダとして古くから多く使用されています。 しかし、不安定なため、商品寿命が短いです。 塩素化イソシアヌール酸は、不安定さを改善した極めて安定的な塩素剤で す。養鶏現場の消毒には、適しています。 ほかに複合塩素剤もあります。 ⑤ 酸化剤…最終の鶏舎消毒 除菌剤として使用しますが、ホルムアルデヒドガスでの燻蒸に匹敵する効 果があります。 ⑥ アルデヒド製剤(グルタルアルデヒド)…最終の鶏舎消毒 ホルマリンの代替品として近年養鶏現場に普及している消毒薬です。 広範囲に強い殺菌力があり細菌、真菌、ウイルス(エンベロープの有無に係 わらず)、芽胞菌に効果があります。 ⑦ 石灰…床面、舎外の消毒 石灰乳として床面への塗布、ひび割れをした所などへ流し込み埋め込みま す。 生石灰を使う場合は、水に反応して高温になりますので注意して下さい。 横関正直・山本喜康 著『クリーンな鶏舎⑳のアイデア』日本畜産振興会より 126 23)飼料推奨値 コッブ・バントレス社推奨ブロイラー飼料体系と成分表 餌付け用 前 期 後 期 仕上げ 0-10 11-21 22-42 42+ % 21.00 19.00 18.00 17.00 Kcal/kg 2988 3083 3176 3176 日令 タンパク質 カロリー リジン % 1.20 1.10 1.05 1.00 有効リジン % 1.08 0.99 0.95 0.90 メチオニン % 0.46 0.44 0.43 0.41 有効メチオニン % 0.41 0.40 0.39 0.37 メチオニン+シスチン % 0.89 0.84 0.82 0.78 有効メチオニン+シスチン % 0.80 0.75 0.74 0.70 トリプトファン % 0.20 0.19 0.19 0.18 スレオニン % 0.79 0.74 0.72 0.69 アルギニン % 1.26 1.17 1.13 1.08 カルシウム % 1.00 0.96 0.90 0.90 有効リン % 0.50 0.48 0.45 0.45 ナトリウム % 0.20 0.17 0.16 0.16 塩素 % 0.20 0.20 0.20 0.20 リノール酸 % 1.25 1.25 1.00 1.00 142 162 176 187 カルシウム:タンパク質比 127 ビタミン及び微量ミネラル元素 トン当たり 餌付け用 前 期 後 期 仕上げ ビタミン A (MU) 13 11 10 10 ビタミン D3 (MU) 5 5 5 5 ビタミン E (KU) 80 60 50 50 ビタミン K g 4 3 3 3 ビタミン B1 g 4 2 2 2 ビタミン B2 g 9 8 8 8 ビタミン B6 g 4 4 3 3 ビタミン B12 mg 20 15 15 15 ビオチン mg 150 120 120 120 コリン g 400 400 350 350 葉酸 g 2 2 1.5 1.5 ニコチン酸 g 60 50 50 50 パントテン酸 g 15 12 12 12 マンガン g 100 100 100 100 亜鉛 g 100 100 100 100 鉄 g 40 40 40 40 銅 g 15 15 15 15 ヨウ素 g 1 1 1 1 128 入雛準備作業日程表(例) 日程 1 舎内 舎外 2 除糞 3 * 除糞後、床面をホウキで掃く! 4 * 洗浄剤を鶏舎全体に動噴で散布し汚れ を落としやすくしてから水洗します。 発泡剤を入れれば、付着力も上がる。 5 6 水洗 7 * たっぷりの水量で洗う! (100 ㍑以上/坪) 天井、給餌・給水管、壁、入気口、 換気扇、フード、カーテン(内外を含む) 外回り水洗 鶏舎側面、遮光ネット 鶏舎周辺、側溝 *汚物除去! *汚水は押し流す! 8 * 水洗後の確認 9 乾燥 10 12 13 消毒 乾燥 器材の洗浄と消毒 11 消毒 乾燥 14 生石灰塗布 (舎内全体)両性又は逆性石鹸 (苛性ソーダを0.1%添加すると消毒効果が上 がります。苛性ソーダの取り扱いには注意し て下さい。 ) (腰下)ゾール又はヨード剤 * 床面全体に!*割目を塞ぐ! * 4~5 ㍑/坪 {水:生石灰=9:1=180 ㍑:20kg} 15 乾燥 16 17 敷料、給餌器、給水器、チックガード等 器材搬入 18 19 消毒 20 (舎内全体)塩素系など (煙霧又は散霧) 温源着火 21 22 備考 出 荷 完 了 給水、紙敷 入雛開始 その他の準備 敷料 薬品 ガス 餌箱、敷紙 飼料 特記事項 ワクチン 場内清掃 除草 消毒薬の希釈の目安(㍑) 倍率 水:消毒薬 100 100 1.0 200 100 0.5 300 100 0.3 400 100 0.25 500 100 0.2 1000 100 0.1 消毒の際 消毒の種類によって *メガネ、ゴム手袋、防毒マスクな どの着用を忘れずに! コッブ500(Mx)ブロイラー温度管理基準 34 33 32 31 30 29 28 27 26 25 24 23 22 21 20 19 18 17 16 15 14 13 12 11 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1 ℃ 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 日令 最高(℃) 32 32 31 31 30 30 29 29 28 28 28 27 27 27 26 26 26 25 25 25 24 24 24 23 23 23 22 22 22 21 21 21 20 20 19 19 18 18 18 18 18 18 18 18 18 18 18 18 18 18 18 18 18 18 18 18 18 最低(℃) 31 31 30 30 29 29 28 28 27 27 27 26 26 26 25 25 25 24 24 24 23 23 23 22 22 22 21 21 21 20 20 20 19 19 18 18 17 17 16 16 15 15 15 15 15 15 15 15 15 15 15 15 15 15 15 15 15 注) 温度帯は目安です。換羽期(3~4週令)の急激な温度低下に注意しながら、鶏の集散状況および行動等を良く観察し、適宜、調整してください。 温度帯は鶏の頭の高さの温度を示しています。床面給温の場合はフロアー全体、ブルーダー給温の場合はブルーダーの周囲、廃温後はフロアー全体を目安にしてください。 舎内温度のバラツキを少なくするために(特に、開放鶏舎の場合は)、ファン等により舎内空気を撹拌することをお勧めします。 飼 育 日 誌 農 場名: 鶏舎番号 : 入雛年月日: 平成 入雛羽数 : 購入 減耗羽数 0 1 2 3 4 5 6 7 1w計 8 9 10 11 12 13 14 2w計 15 16 17 18 19 20 21 3w計 22 23 24 25 26 27 28 4w計 29 30 31 32 33 34 35 5w計 36 37 38 39 40 41 42 6w計 43 44 45 46 47 48 49 7w計 50 51 52 53 54 55 56 8w計 淘 汰 合 計 累 計 虚 弱 ッ 月日 日令 天気 斃 死 減耗の内訳 ポ ク リ 脚 弱 そ の 他 年 月 日( 羽 + (スペア-) 温 度 舎外 舎内 最 最 最 最 高 低 高 低 羽=合計 羽 飼 料 入 庫 鶏 種: コッブ 孵化場名: 時) 累 計 残 消灯 食 下 g 開 始 終 了 種鶏週令: 平均体重g 特記事項 ♂ ♀ ♂♀ 140 170 158 164 455 449 411 430 1,063 885 801 843 2,020 1,478 1,316 1,397 3,249 2,155 1,879 2,017 4,621 2,839 2,412 2,626 6,043 3,486 2,867 3,177 飼養管理状況表 鶏舎構造 ウインドレス(給温方式; 長さ: 鶏舎サイズ 飼育面積: 飼育スペ-ス 廃温(時期、方法) 給餌システム 給水システム 敷き料 飼料 間 、 横幅: 坪 ) ・ 開 、 高さ: 坪羽数: 羽/坪 間 パンフィ-ダ- ・ その他( ドリンカ- ・ ニップルドリンカ- ・ 種類 : 厚さ : 放(給温方式; 間 ) その他( 使用量: kg メ-カ-名: (ME: kcal/kg CP: kg メ-カ-名: (ME: kcal/kg CP: 前期飼料 使用量: kg メ-カ-名: (ME: kcal/kg CP: 後期飼料 使用量: 初生ワクチン 日令 種類: (メ-カ-名; 投与法; 日令 種類: (メ-カ-名; 投与法; 日令 種類: (メ-カ-名; 投与法; ワクチン・投薬 日令 種類: (メ-カ-名; 投与法; 日令 種類: (メ-カ-名; 投与法; 日令 種類: (メ-カ-名; 投与法; 日令 種類: (メ-カ-名; 投与法; 日令 種類: (メ-カ-名; 投与法; 日令 種類: (メ-カ-名; 投与法; 日令 種類: (メ-カ-名; 投与法; 無薬 実施 ・ 未実施 (休薬期; 日令~) 調整不可 ・ 調整可 (光源の種類: 蛍光管 ・ 白熱球 ・ 舎内照度 ~ 日令- 開始時間 : ~ 消灯時間 : ( 点灯時間 ~ 日令- 開始時間 : ~ 消灯時間 : ( ~ 日令- 開始時間 : ~ 消灯時間 : ( プレスタ-タ- 防暑対策 実施事項 ; ) ) % % % 形状: 形状: 形状: ) ) ) ) ) ) ) ) ) ) ) ) ) ) Lux) Lux) Lux)