...

ギリシャ

by user

on
Category: Documents
33

views

Report

Comments

Transcript

ギリシャ
作 成 日 : 2005 年 10 月 1 日
ギリシャ
特許庁等所在地
Industrial Property Organization
5, Pantanassis str., Paradissos Amaroussiou, 15125 Athens, Greece
T e l: 30-1-6183548
Fax: 30-1-6819231
E - M a i l: [email protected]
Website: http://www.obi.gr
ギリシャ共和国(GR)
HELLENIC REPUBLIC
1. ギ リ シ ャ の 概 要
ギリシャはヨーロッパの東南に位置し、バルカン半島がエーゲ海に突出した突
端 部 分 を 占 め る 総 面 積 は 約 13 万 ㎢ で 、 総 人 口 は 約 1,000 万 人 で す 。 首 都 は ア テ
ネ ( Athens) で 、 公 用 語 は ギ リ シ ャ 語 で 、 通 貨 は ユ ー ロ が 使 用 さ れ て お り ま す 。
主な産業は、農業、軽工業や製鉄等です。
2. 現 行 特 許 法
1987 年 の 法 律 第 1733 号 が 施 行 さ れ た 1988 年 1 月 1 日 以 降 、 こ の 改 正 法 に よ
り 発 明 及 び 実 用 新 案 が 保 護 さ れ る こ と に な り ま し た 。1991 年 に 半 導 体 集 積 回 路 の
回路配置の法的保護に関する法律が成立しています。
3. 加 盟 し て い る 国 際 条 約
(1) パ リ 条 約 ( Paris Convention)
(2) 世 界 知 的 所 有 権 機 関 ( WIPO) 設 立 条 約
(3) 国 際 特 許 協 力 条 約 ( PCT)
(4) 国 際 特 許 分 類 ( ス ト ラ ス ブ ー ル ) 協 定 ( Strasbourg Agreement)
(5) 微 生 物 の 寄 託 の 国 際 的 承 認 に 関 す る ブ タ ペ ス ト 条 約 ( Budapest
Agreement)
(6) 欧 州 特 許 条 約 ( EPC)
(7) 世 界 貿 易 機 構 ( WTO)
4. 出 願 に 必 要 な 書 類
手続言語は、ギリシャ語です。
(1) 願 書 ( Request)
(2) 明 細 書 及 び ク レ ー ム ( Specification & Claims)
出願の際は、英語やドイツ語等の書類でもって提出することができます。
(3) 必 要 な 図 面 ( Drawings)
(4) 要 約 書 ( Abstract)
(5) 委 任 状 ( Power of Attorney)
公証認証が必要です。
(6) 優 先 権 証 明 書 ( Priority Document)
−1−
優 先 日 か ら 16 ヶ 月 以 内 に 提 出 す る 必 要 が あ り ま す 。
(7) 優 先 権 証 明 書 の 翻 訳 文
優先権証明書の提出期限と同様です。
5. PCT 出 願 国 内 移 行 手 続 き に つ い て
PCT 出 願 に お い て ギ リ シ ャ は 、 国 内 特 許 と し て 取 得 は で き ま せ ん 。 EPC の 広
域特許としてのみ保護が可能です。
6. EPC 出 願 ギ リ シ ャ 国 指 定 の 手 続 き に つ い て
EPC 出 願 が 特 許 と な っ た 場 合 に は 、特 許 と な っ た 日 か ら 3 ヶ 月 以 内 に ギ リ シ ャ
語 に よ る EPC 特 許 の 翻 訳 文 を ギ リ シ ャ 特 許 庁 に 提 出 す る 必 要 が あ り ま す 。
7. 不 特 許 事 由
次の発明は、特許を受けることができません。
(1) 発 見 、 科 学 的 理 論 や 算 術 的 方 法
(2) 精 神 的 な 活 動 や 遊 戯 方 法
(3) コ ン ピ ュ ー タ プ ロ グ ラ ム
(4) 情 報 の 提 示
(5) 人 体 や 動 物 に 関 す る 診 断 方 法
等です。
8. 出 願 か ら 特 許 ま で
(1) 出 願 が さ れ る と 、 方 式 的 要 件 及 び 実 体 審 査 に つ い て 審 査 さ れ ま す 。 更 に 特
許庁は調査報告書を作成します。
(2) 出 願 が 適 法 な 場 合 、 実 体 的 要 件 に 関 し 審 査 さ れ 出 願 に 係 る 発 明 が 特 許 で き
ない場合には、拒絶されます。
(3) 拒 絶 さ れ な か っ た 出 願 に 対 し て は 、 調 査 報 告 書 を 作 成 し ま す 。 出 願 人 は 出
願 日 か ら 4 ヶ 月 以 内 に 調 査 の た め の 料 金 を 納 付 し な け れ ば な り ま せ ん 。こ の
期間内に料金が納付されなかった場合には、出願は実用新案登録証出願に変
更されます。
(4) 調 査 報 告 書 は 、 明 細 書 全 体 に 基 づ い て 新 規 性 等 に 関 す る 先 行 技 術 を 発 見 す
ることを目的とし作成されます。出願人は、調査報告書を受け取ることがで
き 3 ヶ 月 以 内 に そ の 調 査 報 告 に 対 し て 意 見 書 を 提 出 す る こ と が で き ま す 。特
許庁は、上記出願人が提出した意見書に基づいて更なる調査報告書を作成し
ます。
(5) 上 記 手 続 に よ り 作 成 さ れ た 調 査 報 告 は 出 願 日 か ら 1 年 6 ヶ 月 経 過 後 に 公 開
されます。この公開は公衆から出願に対して特許性に関し意見を求めるため
−2−
に行われます。
(6) そ の 後 、 特 許 庁 は 特 許 を 付 与 し ま す 。 調 査 報 告 書 の 内 容 が 肯 定 的 又 は 否 定
的な場合いずれの場合であっても特許にします。特許証が、明細書及び調査
報告書と共に出願人に送付され、原簿に登録されます。
なお、特許付与後の異議申立制度は規定されておりません。無効審判は存続
期間中請求することができます。
9. 存 続 期 間
出 願 日 か ら 20 年 間 で す 。
な お 、出 願 維 持 年 金 を 出 願 日 か ら 起 算 し 、第 3 年 目 の 維 持 年 金 を 出 願 日 に 相 当
する日までに納付する必要があります。
10. 出 願 費 用 の 一 覧 表 ( 単 位 : ギ リ シ ャ ・ ド ラ ク マ )
現地代理人費用は含まず。
(1) 出 願 料 金
30,000
(2) 調 査 料 金
85,000
(3) 特 許 付 与 料 金
35,500
(4) 維 持 年 金
第3年次
13,500
第4年次
17,000
第5年次
20,000
第6年次
25,000
第7年次
30,000
第8年次
35,000
第9年次
41,500
第 10 年 次
47,000
第 15 年 次
100,000
第 20 年 次
171,000
−3−
《ギリシャ出願に際し留意すべき事項》
ギリシャ出願自体、余り出願件数が多くなく不明確な点も多々あろうかと思い
ますが、以下留意すべき内容について説明します。
1. 出 願 の 際 :
手続言語は、ギリシャ語ですが明細書等は英語でもって出願が可能です。しか
し 、そ の 後 所 定 の 期 間 内 に ギ リ シ ャ 語 に よ る 翻 訳 文 を 提 出 し な け れ ば な り ま せ ん 。
提出しなかった場合は出願拒絶の対象となりますので、留意して下さい。なお、
PCT 出 願 で ギ リ シ ャ 国 に お い て 発 明 の 保 護 を 求 め る 場 合 に は 、 必 ず EPC 出 願 に
よる広域特許となりますので、留意して下さい。
2. 中 間 時 :
調査報告書作成のための調査請求を出願日から 4 ヶ月以内に行う必要がありま
す。この期間内に請求をしなかった場合、特許出願は実用新案証出願に自動的に
変更されたものとみなされます。実用新案証出願は、特許出願と比べ権利期間が
短いので、出願人にとって不利となる場合も考えられますので、調査請求の期限
管理には十分留意すべきです。
3. 登 録 時 :
EPC 出 願 経 由 で ギ リ シ ャ 国 で 特 許 の 保 護 を 求 め る 場 合 、 EPC 特 許 の ギ リ シ ャ
語 翻 訳 文 を 特 許 庁 に 提 出 す る 必 要 が あ り ま す 。従 い ま し て 、EPC 出 願 が 特 許 に な
る 段 階 に な っ た ら 、 ギ リ シ ャ の 代 理 人 を 選 定 し 、 事 前 に EPC 出 願 の 情 報 を 代 理
人に送付し連絡を密に採っておくべきでしょう。翻訳文が所定の期間内に特許庁
に提出されなかった場合には、特許の効力はギリシャ国において発生しないこと
になります。この点を留意して下さい。
−5−
ギリシャの実用新案制度
1. 現 行 法
特 許 法 と 同 様 に 1988 年 1 月 1 日 施 行 の 法 律 が 適 用 さ れ て い ま す 。
2. 存 続 期 間
出願日から 7 年間です。
3. 定 義
実用新案の保護対象は、物品の形状や形態です。例えば、機械・工具・道具や
装置並びに部品が該当します。
4. 不 登 録 事 由
実用新案の定義に該当しない考案。従いまして、方法は保護対象とはなりませ
ん。
5. 出 願 に 必 要 な 書 類 及 び 審 査 手 続 き
特許出願と同様です。但し、実用新案出願には必ず図面の提出が必要となりま
す。
6. 実 用 新 案 出 願 費 用 の 一 覧 表 ( 単 位 : ギ リ シ ャ ・ ド ラ ク マ )
現地代理人費用は含まず。
(1) 出 願 印 紙 料
30,000
(2) 実 用 新 案 証 発 行 料 金
21,500
(3) 年 金
・3 年次
12,500
・4 年次
14,000
・5 年次
17,000
・6 年次
20,500
・7 年次
25,500
−6−
ギリシャの意匠制度
ギ リ シ ャ に お け る 工 業 的 意 匠 は 、 1997 年 の 大 統 領 令 第 259 号 に よ り 保 護 を 求
めることができるようになりました。また、工業的意匠の国際寄託に関するヘー
グ 協 定 ( Hague Agreement Concerning The International Deposit Of
Industrial Designs) を 批 准 し て お り ま す の で 、 当 該 協 定 の 利 益 を 受 け る こ と が
できる加盟国の国民はギリシャを指定することにより、ギリシャで工業的意匠の
保護を求めることができます。
1. 意 匠 の 定 義
意匠とは、物品の全体もしくは部分であって、それらの形状、色彩、線、特徴
等で、視覚でもって判断できる外観と、定義されています。
2. 加 盟 し て い る 主 な 国 際 条 約
(1) パ リ 条 約 ( Paris Convention)
(2) 工 業 的 意 匠 の 国 際 寄 託 に 関 す る ヘ ー グ 協 定 ( Hague Agreement) 等 で す 。
3. 意 匠 登 録 出 願 に 必 要 な 書 類
(1) 願 書 ( Request)
この願書には、出願人の名称及び住所、創作者の氏名及び住所、優先権を主
張する場合には、最初の出願をした国名及びその出願日
(2) 意 匠 に 係 る 物 品
(3) 意 匠 を 示 す 図 面 又 は 写 真 ( Drawings/Photograph)
(4) 委 任 状 ( Power of Attorney)
出 願 人 が 署 名 し ま す 。 公 証 認 証 ( Notarized) が 必 要 で す 。
(5) 優 先 権 証 明 書 ( Priority Document)
優先権主張は出願と同時に行わなければなりません。
優 先 権 証 明 書 は 、出 願 日 か ら 4 ケ 月 以 内 に 提 出 し な け れ ば な り ま せ ん 。優 先
権証明書の翻訳文(認証された)も同時期に提出する必要があります。
なお、優先権主張第一国出願とギリシャ出願の出願人名が異なる時は優先権
譲 渡 書 ( Assignment Of Priority Right) も 提 出 し な け れ ば な り ま せ ん 。 こ
の 譲 渡 書 に は 領 事 認 証 ( Legalized) が 要 求 さ れ て い ま す 。
(6) 宣 誓 書 ( Declaration)
出願人が創作者でない場合には、意匠登録を受ける権利の根拠を示した宣誓
書を提出しなければなりません。
−7−
4. 出 願 か ら 登 録 ま で
(1) 意 匠 登 録 出 願 は 実 体 的 な 新 規 性 ( Novelty) 等 に つ い て の 審 査 は 行 わ れ ず 、
形式的要件についてのみ審査されます。即ち、無審査主義の採用です。
(2) 方 式 的 要 件 を 満 た し て い な い 場 合 に は 、 そ の 瑕 疵 を 是 正 す る た め に 4 ケ 月
間の期間が与えられます。方式的要件を満たしている場合には、出願は登録
されます。
(3) 異 議 申 立 て ( Opposition ) は 規 定 さ れ て い ま せ ん が 、 意 匠 登 録 の 取 消
( Cancellation) を 裁 判 所 に 請 求 す る こ と が で き ま す 。 登 録 さ れ た 意 匠 は 公
表されます。
5. 存 続 期 間
意匠権の存続期間は、出願日から 5 年間です。ただし、必要の更新料金を支払
う こ と に よ り 、1 回 に つ き 5 年 間 、ト ー タ ル で 4 回 の 更 新 が 認 め ら れ て い ま す 。従
い ま し て 、 存 続 期 間 は 最 長 出 願 日 か ら 25 年 間 と な り ま す 。
6. 登 録 意 匠 の 実 施
意匠権者は登録意匠に係る物品を製造し、販売し、輸入等をすることができま
す。意匠権は独占的排他権ですので、第三者が意匠権者の同意を得ないで登録意
匠を業として実施した場合には、意匠権者はその第三者に対して差止め請求や損
害賠償を請求することができます。
7. 意 匠 出 願 費 用 の 一 覧 表 ( 単 位 : 米 国 ド ル )
(1) 出 願 料 金
・1 意匠出願、最初の更新料含む
560
・1 意匠追加(複数意匠の場合)
60
(2) 優 先 権 主 張
60
(3) 書 類 の 追 完
60
(4) 公 表 料 ( Publication Fee)
100
(5) 公 表 の 繰 延 べ 料
100
−8−
ギリシャの商標制度
1. 現 行 商 標 法
現 行 商 標 法 は 1994 年 9 月 16 日 に 改 正 施 行 さ れ た 1994 年 の 法 律 で す 。
2. 加 盟 し て い る 主 な 国 際 条 約
ギリシャが加盟している主な国際条約は、パリ条約です。従って、パリ条約に
よる商標登録出願により保護を受けることができます。また、欧州共同体商標制
度により、商標登録を受けることができます。
3. 出 願 に 必 要 な 書 類
商標及びサービスマークの出願に必要な事項及び書類は以下のとおりです。
(1) 願 書 ( Request)
(2) 商 標 を 使 用 す る 商 品 ま た は サ ー ビ ス 及 び そ の 区 分
(3) 委 任 状 ( Power of Attorney)
(4) 商 標 見 本 ( Mark)
(5) 優 先 権 証 明 書 ( Priority Document)
出 願 日 か ら 3 ヶ 月 以 内 に 提 出 す る 必 要 が あ り ま す 。ま た 、優 先 権 証 明 書 の 翻
訳文も提出することが必要です。
4. 商 品 分 類
ギリシャは国際分類を採用しています。一出願に多分類を指定することができ
ます。
5. 不 登 録 事 由
次の商標については、登録を受けることができません。
(1) 図 形 的 に 表 さ れ て い な い 商 標 。
(2) 他 人 の 商 品 等 に 使 用 さ れ る 商 標 か ら 識 別 で き な い 商 標 。
(3) そ の 商 品 等 の 記 述 的 商 標 。
(4) そ の 商 品 等 に つ い て 慣 用 さ れ て い る 商 標 。
(5) 公 序 良 俗 に 反 す る 商 標 。
(6) 他 人 の 商 標 と 混 同 を 生 じ る お そ れ の あ る 商 標 。
等です。
6. 出 願 か ら 登 録 ま で
(1) 出 願 さ れ た 商 標 は ま ず 識 別 力 を 有 す る か 否 か に つ い て 審 査 さ れ ま す 。 次 に
−9−
不登録事由に該当するか否かが審査されます。
(2) 出 願 さ れ た 商 標 が 不 登 録 事 由 に 該 当 す る と き は 、 出 願 人 に そ の 旨 が 通 知 さ
れ、意見書及び補正書を提出する機会が与えられます。意見書及び補正書が
提出されてもなお不登録事由が解消されていないと認められるときは拒絶の
査定がなされます。拒絶の査定に対しては裁判所に訴訟を提起することがで
きます。
(3) 出 願 さ れ た 商 標 が 不 登 録 事 由 に 該 当 し な い と き は 出 願 公 告 さ れ ま す 。 出 願
公 告 後 4 ヶ 月 以 内 に 誰 で も 異 議 申 立 て を す る こ と が で き ま す 。異 議 申 立 て が
ないとき、または異議申立てが成立しないときは登録されます。
7. 存 続 期 間 と 更 新
商 標 権 の 存 続 期 間 は 出 願 日 か ら 起 算 し て 10 年 を も っ て 満 了 し ま す 。
存 続 期 間 は 10 年 間 ず つ 更 新 す る こ と が で き ま す 。 存 続 期 間 を 更 新 す る た め に
は、存続期間の満了前 1 年以内に更新登録出願しなければなりません。
8. 不 使 用 に よ る 取 消
登録商標が指定された商品又はサービスについて 5 年以上使用されていないと
き は ,第 三 者 の 請 求 に よ り 登 録 を 取 消 さ れ る こ と が あ り ま す 。
9. 商 標 の 費 用 一 覧 表 ( 単 位 : ギ リ シ ャ ・ ド ラ ク マ )
現地代理人費用は含まず。
出願及び登録料
30,000
更新出願料
30,000
−10−
Fly UP